説明

粉体メイクアップ組成物および方法

プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ約5対1より大であり、好ましくはタルク、オイル、パラベンおよび香料を含まない無水粉体組成物;および本発明の粉体組成物の調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌または唇に適用するためのカラー化粧用組成物の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
女性は、肌の色合いを整えたい、傷や他の皮膚欠陥をカバーしたい、またはより美しく完璧な仕上がりを得たいという願望を含めて、さまざまな理由のためにファンデーション等のカラー化粧品を使っている。こうした効果があるファンデーションやパウダー等のカラー化粧品は市販されているが、カバー力(coverage)と肌の自然な外観との間にトレードオフがしばしば存在する。例えば、最高のカバー力を示すファンデーションは非常に不透明になりがちである。そのような顔面の不透明性は目に見える。実際、そうした可視性は明るい陽射しの昼間に、または高感度テレビにおいて最も顕著である。顔のメイクアップ(化粧)が目に見えるようになる場合は、一般的に、それが線やしわに、または唇線のような顔のくぼみに、または鼻の両側に寄せ集まることが認められている。したがって、ファンデーションとパウダー化粧品の究極の判断基準は、最高のカバー力を与えるにもかかわらず、あたかも使用者が何もつけていないで、美しい肌をしているかのように、自然に見えることである。
【0003】
肌や唇に適用するためのファンデーション、パウダー、その他のカラー化粧品中で用いる粒子を実質的にプレートレット(platelet(小平板))の形状で提供することは、カバー力を最大限に高め、かつ最も自然に見える仕上がりを肌に与えることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、粒子を含むカラー化粧用組成物であって、その粒子が実質的にプレートレットの形をしている、前記組成物を提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含む無水粉体組成物であって、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ5対1より大きい、前記組成物を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、存在する粒子が実質的にプレートレットの形をしている無水粉体組成物であって、タルク、パラベン、オイルおよび香料を実質的に含まない、前記組成物を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含み、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ約5対1より大きい組成物を塗布することによって、皮膚の赤みを目立たなくする方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、実質的にプレートレットの形をしている粒子を含む組成物を塗布することによって、不均一な色素沈着、傷または皮膚欠陥の見た目を改善する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、粉体粒子の処理に用いるとき、皮膚の赤みを目立たなくするスキンスージング(skin soothing)効果をもたらす諸成分の複合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含む無水粉体組成物であって、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ5対1より大きい、前記組成物に関する。
【0011】
本発明はさらに、スキントリートメント活性成分を含む粉体組成物の調製方法に関し、その方法は以下の工程を含んでなる:
- 粉体処方物に配合する前に、粒子をスキントリートメント活性成分で処理する工程;および
- その粒子を標準化する工程。
【0012】
さらなる目的は、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含み、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比が約5対1より大きい組成物を塗布することによって、皮膚の赤みを目立たなくする方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含み、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ約5対1より大きい組成物を塗布することによって、不均一な色素沈着、傷または皮膚欠陥の見た目を改善する方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】粉砕機で処理した場合と本発明の方法に従って処理した場合の、実施例1の無水粉体の粒子径分布の差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I. 定義
本明細書に記載する全てのパーセントは、他に指定のない限り、重量パーセントである。
【0016】
「無水」とは、組成物に関して、水が意図的に加えられることは一切ないが、例えば原料の成分として、一般には1重量%未満の量で存在する水を組成物が含んでもよいことを意味する。
【0017】
「複合物(complex)」とは、諸成分の混合物を意味する。
【0018】
「香料」とは、「実質的に含まない」と共に用いる場合、芳香性を付与する合成有機化合物または化合物の混合物を意味する。
【0019】
「非プレートレット」とは、プレートレット以外の形状(例えば、球状)をしている粒子を意味する。
【0020】
「標準化する」とは、粒子が大きさおよび形状の点でより均質となり、処理前の粒子と比較して、一般的に粒子径分布の減少を示すことを意味する。粒子の標準化は粉体の製造によく用いられるさまざまなタイプの装置(ローター、コンテナバッチ式ミキサー等を含むが、これらに限らない)を使って行うことができる。
【0021】
「オイル」とは、「実質的に含まない」と共に用いる場合、室温(25℃)で注入可能な動物性オイルまたはミネラルオイルを意味する。
【0022】
「パラベン」とは、「実質的に含まない」と共に用いる場合、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルパラベン、またはこれらの組合せを意味する。
【0023】
「プレートレット」とは、プレートまたはディスクの形状をしている粒子を意味する。
【0024】
皮膚に関して「赤み」とは、皮膚が赤みを帯びた色を示すことを意味し、そうした赤みを帯びた色は酒さ(rosacea)、風焼け、日焼け、皮膚のかぶれ、アレルギー、毛細血管の損傷、または皮膚を赤みがかって見せる同様の皮膚状態に起因しうる。
【0025】
「実質的に含まない」とは、言及される成分に関して、その成分が意図的に組成物に加えられることはないが、他の原料の成分として痕跡量(一般には1重量%未満)で存在してもよい、ことを意味する。
【0026】
「タルク」とは、「実質的に含まない」と共に用いる場合、天然または合成のタルク粉末を意味する。
【0027】
II. 組成物
A. 粒子
本発明の組成物は無水粉体の形態である。そうした組成物は粒子を約10〜99%、好ましくは約15〜95%、さらに好ましくは約20〜90%の範囲の量で含有する。粒子はプレートレット粒子と非プレートレット粒子の形をしている。組成物中のプレートレット粒子と非プレートレット粒子の比はそれぞれ約5対1より大きく、好ましくは約6対1より大きい。粒子の大きさは約0.001〜100ミクロン、好ましくは約0.005〜50ミクロン、さらに好ましくは約0.1〜40ミクロンで変化してよい。別のより好ましい実施形態では、存在する全粒子の約75%以上が約1〜40ミクロンの範囲内の粒子径分布を有するように標準化される。
【0028】
本発明の組成物を調製するにあたって、適当なプレートレット粒子は、もともとプレートレットの形をしているもの、例えば雲母、雲母チタン(titanated mica)、絹雲母(セリサイト)、オキシ塩化ビスマス、ベントナイト等を含むことができる。あるいはまた、プレートレット粒子は、ウルトラローターや同様の粉砕機で処理した後に、プレートレットの形状になる粒子であってもよい。
【0029】
さらに、本組成物は非プレートレット粒子をも含有し、かかる粒子は球状または非球状粒子の形をとることができる。好ましくは、非プレートレット粒子の少なくとも一部は球形である。非プレートレット粒子の例としては、HDI/トリメチロールヘキシルラクトン・クロスポリマー、シリカ、フュームドシリカ、球状シリカ、窒化ホウ素、PTFE、PMMA、ナイロン等が挙げられる。
【0030】
プレートレットまたは非プレートレットの形でありうる粒子として、限定するものではないが、初めに以下の粒子が挙げられる:顔料、例えば黒、赤または黄色の鉄酸化物; 有機顔料であるD&CおよびFD&C顔料とそれらのレーキ、例えばFD&Cイエロー#5、D&Cイエロー#5、D&Cレッド#7等; 二酸化チタン、または粉体、例えばケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、白亜、トウモロコシデンプン、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、コメデンプン、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、カオリン、ナイロン、シリル化シリカ、ダイズ粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ穀粒、またはこれらの混合物。
【0031】
本発明の好適な組成物は、約45〜99%、好ましくは約50〜95%、さらに好ましくは約55〜85%のプレートレット粒子と、約1〜55%、好ましくは約1〜50%、さらに好ましくは約1〜45%の非プレートレット粒子を含んでなる。好適な組成物は約0.1〜35%、好ましくは約0.5〜30%、さらに好ましくは約1〜25%の顔料と、約65〜99.9%、好ましくは約60〜99.5%、さらに好ましくは約75〜99%の粉体を含んでなる。
【0032】
B. スキントリートメント活性成分
本組成物は好ましくは1種以上のスキントリートメント活性成分を含有する。提案される範囲は約0.01〜60%、好ましくは約0.05〜50%、さらに好ましくは約1〜45%である。スキントリートメント活性成分には、赤み、かぶれ、にきび、傷(しみ)、切り傷、かき傷、乾燥、不均一な色素沈着、かゆみ、油性等の皮膚状態を改善する上で活性を示すあらゆる成分が含まれる。スキントリートメント活性成分はさまざまな異なる方法で皮膚に作用するものであってよく、例えば、保湿剤、皮膚軟化剤(emollient)、抗炎症成分、にきび抑制剤等として作用するものである。適当なスキントリートメント活性成分として、限定するものではないが、以下が挙げられる:ビタミンまたはビタミン誘導体、例えばA、B、C、E、D、K; 植物、花、木または低木からの植物抽出物; カフェイン; 植物源からの皮膚軟化剤、例えば植物性の蝋または脂肪等。植物抽出物の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:ブクリョウ(Poria Cocos)エキス、タイサンボク(Magnolia Grandiflora)樹皮エキス、グレープフルーツ(Citrus Grandis)果皮エキス、ツクシメナモミ(Siegesbeckia Orientalis)、ローズマリー(Rosmarinus Officinalis)、マンゴー(Mangifera Indicia)、オオムギ(Hordeum Vulgare)、ザクロ(Punica Granatum)、酵母菌(Saccharomyces Cervisiaea)、リンゴ(Pyrus Malus)、キュウリ(Cucumis Sativus)、コガネバナ(Scutelleria Baicalensis)、チャノキ(Camellia Sinensis)、カモミール(Chamomile Recutita)、ヒマワリ(Helianthus Annus)、シラカバ(Betula Alba)、サッカロミセス溶解質(Saccharomyces Lysate)、スサビノリ(Porphyra Yezoensis)、アツケシソウ(Salicornia Herbacea)、ウンシュウミカン(Citrus Unshiu)、ウコン(Curcuma Longa)、シンジオフィトン・ラウタネニ(Schinziophyton Tautanenii)核油、ムコンゴニ(Trichilia Emetica)、マルーラ(Sclerocarya Birrea)、イタドリ(Polygonum Cuspidatum)、ホップ(Humulus Lupulus)、イワヒバ(Selaginella Tamariscina)、シトリ・レチクラテ(Citri Reticulatae)、アロエ・ベラ(Aloe Barbadensis)、ザクロ(Punica Granatum)等。
【0033】
さらに、スキンスージング皮膚軟化剤として天然の植物性蝋または脂肪も適しており、例えば、アストロカリウム・ムルムル(Astrocaryum Murumuru)脂、シアバター(Shea butter)、フサアカシア(Acacia Dealbata)花または種子蝋、ミモザアカシア(Acacia Decurrans)蝋、アボカド(Persea Gratissima)蝋、ロサ・ハイブリッド(Rosa Hybrid)花蝋、ノイバラ(Rosa Multiflora)花蝋、オオバナカカオノキ(Theobroma Grandiflora)種子脂、クロガネヤシ(Astrocaryum Tucuma)種子脂、ホホババター(Jojoba butter)、ラベンダー(Lavendula Augustifolia)蝋、シロコヤマモモ(Myrica Cerefera)蝋、カカオ脂、インドマンゴスチン(Garcinia Indica)種子脂等である。
【0034】
その他のタイプのスキン活性成分には、にきび抑制活性成分、例えば過酸化ベンゾイルまたはサリチル酸; 抗炎症成分、例えばヒドロコルチゾン; ペプチド、例えばアセチルヘキサペプチド-3、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルオリゴペプチド等; DNA修復酵素、例えばOGG1、ミクロコッカス溶解液等が含まれる。
【0035】
スキンスージング活性成分は複合物の形であってよい。その場合、スキンスージングおよび赤み改善効果を与える成分類は、赤み緩和効果を最大限に高めるような適切な割合で予め混合される。そうした複合物の例は、ブクリョウ(Poria Cocos)エキス、タイサンボク(Magnolia Grandiflora)樹皮エキス、アストロカリウム・ムルムル(Astrocaryum Murumuru)脂、カフェイン、および任意にミネラル類を含むものであり、その場合、各成分は複合物の全組成物の重量基準で約0.1〜60%の範囲で存在する。
【0036】
C. 結合剤
無水粉体組成物は、粒子を粘着性にさせる結合剤として作用する1種以上の成分を含むことができる。存在する場合、結合剤の量は約0.01〜50%、好ましくは約0.05〜40%、さらに好ましくは約0.1〜35%の範囲である。適当な結合剤には天然または合成の固体、半固体または液体が含まれる。天然または合成の固体の例としては、ワックス、例えばポリエチレン、揮発性でも不揮発性でもよいC2-40直鎖または分岐鎖炭化水素; C6-30飽和または不飽和脂肪酸のC1-4アルキルエステル、例えばパルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸イソプロピル; リン脂質、例えばレシチン等が挙げられる。
【0037】
D. 防腐剤
無水粉体組成物はさらに1種以上の防腐剤を含んでもよい。提案される範囲は約0.1〜20%、好ましくは約0.5〜15%、さらに好ましくは約0.5〜10%である。防腐剤としては、フェノキシエタノール、クロルフェネシン等が挙げられる。
【0038】
好適な本発明の組成物は次の成分のうち1種、好ましくは全部を実質的に含まないものである:オイル、タルク、パラベンおよび香料。
【0039】
好適な本発明の組成物は、存在する粒子が実質的にプレートレットの形をしているもの、すなわち、好ましくは存在する粒子の約55%以上がプレートレットの形をしているものである。さらに、そのような好適な組成物は、存在する粒子の約75%以上が約1〜40ミクロンの範囲の粒子径分布を有するものである。
【0040】
III. 方法
本発明は、スキントリートメント活性成分を含有する粉体組成物の調製方法に関し、その方法は以下の工程を含んでなる:
- 粉体処方物に配合する前に、粒子をスキントリートメント活性成分で処理する工程;および
- その粒子を標準化する工程。
【0041】
本発明の方法においては、粒子へのスキンケア活性成分の均一コーティングを確実にする流動層造粒機を用いて、粉体粒子に活性成分を噴霧することが好ましい。次に、そのバッチを高速回転するローターにある時間供して、粒子を標準化する。その結果、それらの粒子は狭い粒子径分布を示し、かつプレートレットを形成するようになる。必要ならば、流動層造粒機と高速ローターによる処理の前、後、または間にコンテナバッチ式ミキサーを用いて粒子の混合を行ってもよい。こうした処理によって、減少した粒子径分布を有しかつ粒子の大部分がプレートレットの形をしている粉体が得られる。
【0042】
本発明はさらに、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含み、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比が約5対1より大きい組成物を塗布することによって、皮膚の赤みを目立たなくする方法を提供する。
【0043】
本発明はまた、プレートレット粒子と非プレートレット粒子を含み、プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ約5対1より大きい組成物を塗布することによって、不均一な色素沈着、傷または皮膚欠陥の見た目を改善する方法に関する。
【0044】
どちらの場合にも、本発明の粉体を1日に1回以上塗布することができる。それは単独で使用してもよいし、ファンデーションでメイクした後に塗布してもよい。それを他のカラー化粧品と一緒に用いてもよい。
【0045】
本発明の無水粉体は皮膚の赤みや他の皮膚欠陥に対して実質的に改善されたカバー力を示すことがわかった。減少した粒子径分布および/または実質的にプレートレットの形状は、「化粧して作られた」外観を与えることなく、より均一でむらのないカバーを提供する。したがって、本発明の粉体は、酒さを有する消費者または他の皮膚欠陥を有する消費者が使用するのに最適である。
【0046】
本発明を以下の実施例に関連してさらに詳しく説明することにするが、これらの実施例は例示のみの目的のために記載されるものである。
【実施例】
【0047】
実施例1
粉体組成物を次のように調製した:

ベントナイト、タイサンボク(Magnifolia Grandiflora)樹皮エキス、ブクリョウ(Porios Cocos)エキス、カフェイン、およびグレープフルーツ(Citrus Grandis)果皮エキス(系列2)をReadco社(www.readco.com)製のコンテナバッチ式ミキサー(モデルCBM2040)中で一緒にして、最高速度で2分間混合した。ミキサーの側面をこすり取り、高速混合をさらに2分間繰り返した。この処理の後、0.020インチスクリーンを使って混合物を1回粉砕した。アストロカリウム・ムルムル(Astrocaryum Murumuru)種子脂とフィトスクワラン(系列3)を一緒にして、この混合物が透明で均質になるまで、プロップ(prop)混合しながら70℃に加熱した。系列2の成分をFluid Air, Inc.(登録商標)から販売されるMagnaflo(登録商標)流動層造粒機に投入し、系列3の成分を造粒機内の系列2の成分に噴霧した。雲母、雲母/ラウロイルリシン、HDI/トリメチロールヘキシルラクトン・クロスポリマー/シリカ、ポリエチレン、ミリスチン酸マグネシウム、オキシ塩化ビスマス/シリカ/雲母、クロルフェネシン、ソルビン酸カリウム、EDTA-4ナトリウム、FD&CイエローNo.5アルミニウムレーキ、および鉄酸化物をコンテナバッチ式ミキサーに投入した。系列2および3を加え、そのバッチを最高速度で2分間混合した。ミキサーの側面をこすり取り、2回の追加の混合工程(最高速度でそれぞれ2分)を実施した。バッチの温度が70℃を超えないようにした。全バッチを、0.010インチスクリーンを用いて粉砕機に1回通過させ、その後重さを量りなおして、クリーンなコンテナバッチ式ミキサーに導入した。別個に、パルミチン酸イソプロピル、レシチン、酢酸トコフェリル、スクワラン、およびアストロカリウム・ムルムル(Astrocaryum Murumuru)種子脂(系列4)を一緒にして、この混合物が透明で均質になるまで、プロップ混合しながら70℃に加熱した。系列4の混合物のアリコートを、コンテナバッチ式ミキサー内の系列1、2および3からなるバッチに噴霧した。次に全バッチを駆動力7.5/11/15kW、サイズ1400 x 1000 x 920mm、処理能力10〜100kg/h、蒸発量1
0〜25kg/hのウルトラローターI(Ultra Rotor I; Altenburger Maschinen Jackering GmbH)に導入し、温度が確実に70℃を超えないようにしながら、6,000rpm、供給量40kg/hrで3分間回転させた。その粉体をコンパクト容器に入れて保存した。
【0048】
本発明を好ましい実施形態に関連して説明してきたが、記載した特定の形態に本発明の範囲を限定することを意図しない。それどころか、そのような代替物、修飾物および均等物を、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内に含まれるものとして包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比がそれぞれ約5対1より大きい、無水粉体組成物。
【請求項2】
プレートレット粒子と非プレートレット粒子の比が約6対1より大きい、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
タルクを実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
オイルを実質的に含まない、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
パラベンを実質的に含まない、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
香料を実質的に含まない、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
プレートレット粒子が雲母、オキシ塩化ビスマス、絹雲母、またはこれらの混合物から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記粉体がスキントリートメント活性成分を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
スキントリートメント活性成分が酒さ治療用の活性成分である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
スキントリートメント活性成分が少なくとも1種の植物抽出物と少なくとも1種の皮膚軟化剤を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の植物抽出物がブクリョウ(Poria Cocos)、タイサンボク(Magnolia Grandiflora)、グレープフルーツ(Citrus Grandis)、チャノキ(Camellia Sinensis)、またはこれらの混合物から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記皮膚軟化剤が天然の植物性半固体または固体から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記皮膚軟化剤がアストロカリウム・ムルムル種子脂を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記粒子がブクリョウエキス、タイサンボク樹皮エキス、アストロカリウム・ムルムル脂およびカフェインを含む複合物で処理される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子が、処方物に配合する前に、流動層造粒機を用いてスキントリートメント活性成分によりコーティングされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物を調製した後、それを高速ローターである時間回転させて粒子を標準化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
粒子の75%以上が約0.1〜40ミクロンの範囲内の粒子径分布をもつように標準化される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
スキントリートメント活性成分を含有する粉体組成物の調製方法であって、粒子を、粉体処方物に配合する前に、スキントリートメント活性成分で処理することを含んでなる、上記方法。
【請求項19】
流動層造粒機を用いて、スキントリートメント活性成分を粒子に適用する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
処理済みの粒子をその後、粒子を標準化するのに十分な時間高速ローターで回転させ、約1〜40ミクロンの範囲の粒子径分布をもつ標準化された粒子が、組成物中に存在する粒子の75%以上を構成する、請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2012−506431(P2012−506431A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533196(P2011−533196)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/055002
【国際公開番号】WO2010/047876
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】