説明

粉末成形用生分解性樹脂組成物

【目的】生分解性樹脂による高品質の粉末成形品を実現する。
【構成】粉末成形用粉末は、生分解性樹脂95〜50重量%と、平均粒子径が0.01〜40μmの無機化合物5〜50重量%とを含む組成物を粉砕して得られるものであり、中位粒子径が70〜800μm、安息角が27〜38度および嵩密度が0.27〜0.60g/mlである。ここで用いられる生分解性樹脂は、通常、ポリ乳酸、ポリアルキレンサクシネ−ト、ポリカプロラクトンおよびポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された少なくとも一種のものである。また、無機化合物は、通常、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルクおよびマイカからなる群から選択された少なくとも一種のものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、特に、粉末成形用の生分解性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂およびポリエステル樹脂等は成形材料として工業製品や家庭用品等において大量に使用されている。それに伴い、このような樹脂製品の廃棄物量も増加の一途を辿っている。一般に、このような廃棄物は、リサイクルまたは廃棄処分のいずれかの方法により処理されている。リサイクルは、廃棄物を回収して分別し、新たな製品用材料として再利用する方法であり、一部が実用化されているが、現実的には回収および分別において困難性があり、また、再利用する上で用途範囲が限定されるという欠点がある。一方、廃棄処分は、焼却或いは土中埋設によることが多いが、焼却による場合は大気汚染の防止を考慮する必要があり、また、土中埋設の場合はそのまま土中に残存することになるため、処分可能な量に将来的な限界がある。
【0003】
そこで、最近、土中や水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される種々の生分解性樹脂が開発されている。このような生分解性樹脂は、土中埋設しても自然分解するため、環境への負荷が小さく、環境保全に適した樹脂材料と考えられる。
【0004】
ところで、生分解性樹脂が工業製品や家庭用品等において普及するためには、溶融成形や粉末成形等の各種の成形方法に適した生分解性樹脂若しくはその組成物が求められる。例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、サクシネート系重合体およびポリ乳酸等のいわゆる生分解性ポリエステル樹脂およびその組成物は、ペレット化により射出成形や押出し成形のような溶融成形が可能である(特許文献1、2参照)が、粉砕性に劣るため、粉末成形での利用が実質的に困難であり、また、粉末成形を実施できたとしても高品質の成形品を得るのは困難である。しかし、粉末成形は、無加圧成形で残留応力が少なく、成形ひずみが少ない成形品が得られることや、種々の形状のものを一体成形でき、肉厚も成形条件により自由にコントロールできるなどの利点を有する成形方法であることから、生分解性樹脂による実現が強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−331859公報
【特許文献2】特開2005−320471公報
【0006】
本発明の目的は、生分解性樹脂による高品質の粉末成形品を実現することにある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、生分解性樹脂と特定の粒子径の無機化合物とを特定の割合で含む樹脂組成物が粉砕性に優れ、また、その粉末が粉末成形性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂95〜50重量%と、平均粒子径が0.01〜40μmの無機化合物5〜50重量%とを含んでいる。
【0008】
この樹脂組成物において用いられる生分解性樹脂は、通常、ポリ乳酸、ポリアルキレンサクシネ−ト、ポリカプロラクトンおよびポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された少なくとも一種のものである。また、無機化合物は、通常、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルクおよびマイカからなる群から選択された少なくとも一種のものである。
【0009】
本発明の粉末成形用粉末は、本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物を粉砕して得られるものであり、中位粒子径が70〜800μm、安息角が27〜38度および嵩密度が0.27〜0.60g/mlのものである。
【0010】
本発明の成形品は、本発明の粉末成形用粉末を用いたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂と特定の粒子径の無機化合物とを特定の割合で含むものであるため、粉末成形に適した粉末状に容易に粉砕することができ、その粉末から高品質の粉末成形品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂と無機化合物とを含んでいる。
ここで用いられる生分解性樹脂は、各種のものであって特に限定されるものではないが、通常、ポリ乳酸、ポリアルキレンサクシネ−ト、ポリカプロラクトンおよびポリヒドロキシアルカノエートなどである。これらの生分解性樹脂は、それぞれ単独で用いられてもよいし、二種以上のものが併用されてもよい。
【0013】
ポリ乳酸としては、例えば、トウモロコシや砂糖キビなどの植物から得られる乳酸を原料として合成されるラクチドを開環重合するか、あるいはラクチドを経由せず乳酸の直接脱水重合縮合によって製造されたものを用いることができる。具体的には、乳酸のホモポリマーや乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが挙げられる。コモノマーとして用いられる他のヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸およびヒドロキシヘプタン酸などを挙げることができる。
【0014】
ポリアルキレンサクシネートとしては、例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレートおよびポリエチレンサクシネートなどを挙げることができる。
ポリカプロラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトンの開環重合により製造したものが用いられる。
ポリヒドロキシアルカノエートとしては、例えば、ポリヒドロキシ酪酸およびポリヒドロキシ吉草酸などを挙げることができる。
【0015】
上述の各種生分解性樹脂は、市販のものを用いることができる。例えば、ポリ乳酸として三井化学株式会社の商品名“レイシアH440”、ポリブチレンサクシネートとして昭和高分子株式会社の商品名“ビオノーレ1001”、ポリカプロラクトンとしてダイセル化学株式会社製のものなどを用いることができる。
【0016】
なお、生分解性樹脂として好ましいものは、耐熱性および機械的強度が高い成形品を得ることができることから、ポリ乳酸である。
【0017】
一方、本発明の樹脂組成物で用いられる無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ゼオライト、珪酸白土および雲母などが挙げられる。このうち、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルクおよびマイカを用いるのが好ましく、シリカ、炭酸カルシウムおよびタルクを用いるのが特に好ましい。これらの無機化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を併用することもできる。
【0018】
但し、ここで用いられる無機化合物は、平均粒子径が0.01〜40μmの粉末状のもの、好ましくは0.1〜30μmの粉末状のものである。無機化合物の平均粒子径が0.01μm未満の場合は、生分解性樹脂と混合したときに凝集が起こり易いため、生分解性樹脂との混練が困難になる。一方、平均粒子径が40μmを超える場合は、生分解性樹脂との混合物により得られる組成物の粉砕性が低下し、粉末成形用に適した安定な粉末、特に、後述する物性の粉末を得るのが困難になる。
【0019】
なお、ここでの平均粒子径は、レーザー回折法により測定した場合のものをいう。
【0020】
本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物は、上述の生分解性樹脂および無機化合物の他に、必要に応じて他の成分、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、光安定剤および熱安定剤などが添加されていてもよい。
【0021】
本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物において、生分解性樹脂の割合は、95〜50重量%、好ましくは95〜60重量%である。また、無機化合物の割合は、5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。無機化合物の割合が5重量%未満の場合は、粉砕性が低下し、粉末成形用に適した粉末、特に、後述する物性の粉末を得るのが困難になる。逆に、無機化合物の割合が50重量%を超える場合は、その組成物を粉砕して得られた粉末の溶融時の流れ性が悪化し、成形品の表面特性が損なわれる。
【0022】
本発明の粉末成形用生分解性樹脂組成物は、例えば、生分解性樹脂と無機微粒子とをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて所要の割合で混合し、次いで、この混合物を溶融混練することで製造することができる。溶融混練の方法は、特に制限されるものではなく、公知の各種の方法を採用することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーまたは各種のニーダー等を使用して実施することができる。溶融混練時の温度は、通常、180〜260℃に設定するのが好ましい。因みに、適度なL/Dの二軸押出機、バンバリーミキサー若しくは加圧ニーダー等を用いる場合、上述の混合工程および溶融混練工程を連続して行うことができる。
【0023】
本発明の粉末成形用粉末は、本発明に係る上述の粉末成形用生分解性樹脂組成物からなるものであり、通常、粉末成形用生分解性樹脂組成物によるペレットを調製し、このペレットを粉砕することで調製することができる。ペレットの粉砕方法は、特に限定されるものではなく、機械粉砕法や冷凍粉砕法等の公知の粉砕方法によることができる。また、粉砕においては、公知の各種の粉砕機、例えば、ピンミル、デイスクミル、ハンマミル若しくは遠心分級型ミル等の高速回転式衝撃粉砕機を用いることができる。
【0024】
このようにして得られる本発明の粉末成形用粉末は、通常、篩や分級機等を用いて分級し、粉末成形用に適した物性、具体的には、中位粒子径、嵩密度および安息角を調整するのが好ましい。
【0025】
ここで、中位粒子径は、70〜800μmに設定するのが好ましく、100〜700μmに設定するのがより好ましい。中位粒子径が70μm未満の場合は、粉末成形時における粉末の流動性が低下し、金型内で自由に流動しにくくなるため、成形品に不良が多発するおそれがある。特に、成形品の端面に欠損が発生し易くなり、成形品の商品価値が著しく損なわれる可能性がある。一方、中位粒子径が800μmを超える場合は、金型に対して粉末成形用粉末を均一に充填するのが困難になり、成形品の表面平滑性が損なわれる可能性がある。特に、成形品において、凸凹や端面の欠損が起こりやすくなる。
【0026】
なお、本発明において、中位粒子径とは、本発明の粉末成形用粉末を100g秤量し、これをJIS標準篩を使用して篩分けした後に篩い毎に秤量し、その結果に基づいて積算重量が50%になる粒子径を次式により算出したものをいう。
【0027】
【数1】

【0028】
式中、Aは、粒度分布の粗い方から順次重量を積算し、積算重量が50%未満でありかつ50%に最も近い点の積算値(g)である。Bは、Aの積算値を求めたときの篩目開き(μm)である。Cは、粒度分布の粗い方から順次重量を積算し、積算重量が50%以上でありかつ50%に最も近い点の積算値(g)である。Dは、Cの積算値を求めたときの篩目開き(μm)である。
【0029】
また、嵩密度は、0.27〜0.60g/mlに設定するのが好ましく、0.30〜0.50g/mlに設定するのがより好ましい。嵩密度が0.27g/ml未満の場合は、粉末成形時における粉末の流動性が低下し、金型内で自由に流動しにくくなるため、成形品に不良が多発するおそれがある。特に、成形品の端面に欠損が発生し易くなり、成形品の商品価値が著しく損なわれる可能性がある。一方、嵩密度が0.60g/mlを超える場合は、金型に対して粉末成形用粉末を均一に充填するのが困難になり、成形品の厚みのばらつきが大きくなって不良率が高まるおそれがある。
【0030】
なお、本発明において、嵩密度とは、内容積100ml、直径40mmの円筒形の容器内に本発明の粉末成形用粉末60gを漏斗を用いて静かに落下させ、容器から盛り上がった粉末をガラス棒ですり落とした後に当該粉体の入った容器の質量を測定し、この質量から容器の質量を引いた重量を容器の内容積で割った数値をいう。
【0031】
さらに、安息角は、27〜38度に設定するのが好ましく、29〜37度に設定するのがより好ましい。安息角が38度を超える場合は、粉末成形時における粉末の流動性が低下し、金型内で自由に流動しにくくなるため、成形品に不良が多発するおそれがある。一方、安息角が27度未満の場合は、金型に充填した粉末が流動しやすくなり、成形操作の過程で偏肉が起こって成形品の不良率が高まるおそれがある。
【0032】
なお、本発明において、安息角とは、水平に配置された直径10cmの円台上に本発明の粉末成形用粉末60gを漏斗を用いて静かに落下させて円錐状に堆積させた場合の、円錐状の堆積物の母線と円台の水平面とにより形成される角度をいう。
【0033】
本発明の粉末成形用粉末は、工業製品用や家庭用品用の樹脂成形品を製造するための成形用材料として用いられる。この際、本発明の粉末成形用粉末は、通常、公知の粉末成形法、具体的には、静置法、1軸回転成形法、2軸回転成形法および揺軸回転成形法等により成形することができる。この際、必要に応じ、熱風循環方式、直火方式若しくは液体(熱媒)加熱方式により金型を加熱することもできる。このように本発明の粉末成形用粉末を粉末成形すると、凹凸がなく表面平滑性が良好であり、また、端面に欠損のない高品質な成形品が得られる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
実施例1〜6
生分解性樹脂(三井化学株式会社の商品名“レイシアH440”)に対し、平均粒子径が12μmのシリカ微粉末(旭硝子株式会社の商品名“H−121”)、平均粒子径が0.1μmの炭酸カルシウム微粉末(丸尾カルシウム株式会社の商品名“カルファイン100”)若しくは平均粒子径が2μmのタルク微粉末(日本タルク株式会社の商品名“SG1000”)を表1に示す割合で添加してヘンシェルミキサーにて混合した後、短軸押出機を使用して200℃で溶融混練し、ペレットを製造した。次いで、このペレットを常温で高速回転式衝撃粉砕機を用いて粉砕し、得られた粉砕品を分級機により分級した。これにより、中位粒子径、嵩密度および安息角が表1に示す通りに設定された粉末成形用粉末を得た。
【0036】
実施例7〜12
ペレットを常温で高速回転式衝撃粉砕機を用いて粉砕する代わりに、液体窒素で冷却して高速回転式衝撃粉砕機を用いて粉砕した点を除き、実施例1〜6と同様に操作して粉末成形用粉末を得た。
【0037】
比較例1
タルク微分末を添加しなかった点を除いて実施例5と同様に操作し、粉末成形用粉末を得た。
【0038】
比較例2
生分解性樹脂(三井化学株式会社の商品名“レイシアH440”)の割合を45重量部に、平均粒子径が2μmのタルク微粉末(日本タルク株式会社の商品名“SG1000”)の割合を55重量部にそれぞれ変更した点を除いて実施例5と同様に操作し、粉末成形用粉末を得た。
【0039】
比較例3
タルク微粉末を添加しなかった点を除いて実施例11と同様に操作し、粉末成形用粉末を得た。
【0040】
比較例4
生分解性樹脂(三井化学株式会社の商品名“レイシアH440”)の割合を45重量部に、平均粒子径が2μmのタルク微粉末(日本タルク株式会社の商品名“SG1000”)の割合を55重量部にそれぞれ変更した点を除いて実施例11と同様に操作し、粉末成形用粉末を得た。
【0041】
比較例5
シリカ微粉末として平均粒子径が0.007μmのもの(日本アエロジル株式会社の商品名“AEROSIL380”)を用いた点を除いて実施例8と同様の操作でペレットの調製を試みたが、均一な混練物が得られなかった。
【0042】
比較例6
シリカ微粉末に代えて平均粒子径が55μmのマイカ微粉末(株式会社山口雲母工業所の商品名“A−61”)を用いた点を除いて実施例8と同様に操作し、粉末成形用粉末を得た。
【0043】
評価
各実施例および比較例で得られたペレット若しくは粉体成形用粉末について、次の項目を評価した。但し、比較例5は、均一な混練物が得られず、ペレットの製造ができなかったため、各項目を評価することができなかった。結果を表1に示す。
1.粉砕性
比較例1で得られたペレットの粉砕能力(単位時間あたりに粉砕可能な重量)を1とし、各ペレットの粉砕能力の相対値を調べた。
【0044】
2.粉末粒子の形状
粉末成形用粉末の粒子の形状をルーペで観察した。なお、「ひげ状物なし」および「短冊状物なし」のものは、滑らかな球状で大きさが均等なことを意味している。
3.成形品
粉末成形用粉末を用いて粉末成形し、成形品を作成した。ここでは、ステンレス製の金型(70×150×3mm)に粉末成形用粉末を充填し、190℃で30分間静置法により加熱成形した。そして、得られた成形品について、表面平滑性および端面状態(端面における欠損の有無)を肉眼観察により評価した。端面状態において欠損が見られる場合、粉末成形用粉末が金型の全体に均一に充填されていなかったことを意味している。
【0045】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性樹脂95〜50重量%と、
平均粒子径が0.01〜40μmの無機化合物5〜50重量%と、
を含む粉末成形用生分解性樹脂組成物。
【請求項2】
前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸、ポリアルキレンサクシネ−ト、ポリカプロラクトンおよびポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された少なくとも一種のものである、請求項1に記載の粉末成形用生分解性樹脂組成物。
【請求項3】
前記無機化合物が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルクおよびマイカからなる群から選択された少なくとも一種のものである、請求項1または2に記載の粉末成形用生分解性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の粉末成形用生分解性樹脂組成物を粉砕して得られる、中位粒子径が70〜800μm、安息角が27〜38度および嵩密度が0.27〜0.60g/mlの粉末成形用粉末。
【請求項5】
請求項4に記載の粉末成形用粉末を用いた成型品。

【公開番号】特開2007−231154(P2007−231154A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54669(P2006−54669)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【Fターム(参考)】