説明

粉末金属摩擦撹拌溶着工具およびその製造方法

【課題】長寿命だが、非常に効果的な摩擦撹拌工具を実現する。
【解決手段】摩擦撹拌溶着工具は、粉末金属材料から製造される溶着チップを備える摩擦撹拌溶着工具であって、前記粉末金属材料は鉄系であり、前記溶着チップの少なくとも一部は、(1)樹脂、(2)前記鉄系の材料よりも融点が低い別の材料、ならびに(3)CaF、MnS、MoS、BN、CaCO、SiO、Al、セラミック、炭化化合物、フェロニッケル、クロム、およびCrとNiとCoの合金からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤、のうち少なくとも1つを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
この発明は、2006年5月23日に出願された米国仮特許出願連続番号第60/802,753号および2007年3月21日に出願された米国実用特許出願連続番号第11/689,186号の優先権を主張する。
【0002】
1.技術分野
この発明は、概して摩擦撹拌溶着工具に関し、より具体的には、この発明は、そのような工具を作るために用いられる材料に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
摩擦撹拌溶着とは、まず回転する摩擦撹拌工具のチップを、接合される2つの当接する金属部材の未溶着の接合部に押込み、その後、回転する工具を接合部に沿って横切らせ、2つの部材の材料が塑性状態に達するのに十分に加熱されるようにし、塑性材料の移動または撹拌を接合境界面にわたって引起し、これにより、冷却時に2つの材料の冶金的溶着を引起す技術である。この技術を用いて、積み重ねられた金属部材を接合することもでき、回転工具を、一方の部材を通って他方の部材の途中まで押込み、その後移動させ、これらを溶着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦撹拌溶着工具は、典型的には、鍛造され、その後、所望の形状に機械加工される。たとえば、この工具は、所望の金属合金から鋳造され、その後、機械加工をされ、摩擦撹拌工具に所望される形状および特徴を付与され得る。この製造工程および仕上げ工程によって、摩擦撹拌工具として使用することができる材料の選択が制限され、さらにこのような工具を成形する費用および複雑性が増加されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要および利点
この発明は、粉末金属材料から製造される摩擦撹拌工具に関する。
【0006】
この発明は、摩擦撹拌工具の粉末金属製造において用いるための数多くの材料のうち任意のものを選択することをさらに企図する。こういった材料は、所望の成分からなる金属合金、混合物および添加物、またはこれらの組合せを含む。
【0007】
この発明は、サーメットおよび同様のものなどの高耐摩耗性、高摩擦の複合材料の使用により、長寿命だが、非常に効果的な摩擦撹拌工具を実現することをさらに企図する。
【0008】
この発明は、加熱前の粉末金属混合物に対する添加剤の使用により、摩擦磨耗工具の製造効率を高め、得られる強度および他の特性を向上させることをさらに企図する。
【0009】
この発明は、ほぼ周囲環境圧力での熱処理工程の使用をさらに企図する。
この発明のさらなる特定的な特徴に従い、粉末金属摩擦撹拌工具は、その磨耗および/または摩擦特性を高めるように処理され得る。特定の実施例に従い、粉末金属摩擦撹拌工具は、鉄系であり、摩擦撹拌工具の有効表面または有効表面の一部は、水蒸気処理され、Fe34の生成を引起す。Fe34は、酸化鉄の安定形であり、作業面または作業面の一部に、粉末金属摩擦撹拌工具に所望される高い耐摩耗性および高い摩擦特性を付与する。
【0010】
この発明のさらなる特定的な特徴に従い、粉末冶金工程によって摩擦撹拌工具の材料および/または性質のいずれかにおいて勾配構造の形成が可能となり、このような勾配構造に起因してして生じ得る費用および性能の利点を活用することを企図する。たとえば、摩擦撹拌工具のリーディングチップまたはプランジャ部は、非常に硬くおそらくより費用のかかる粉末金属組成物から製造することができ、摩擦撹拌工具の摩擦ショルダ表面は、同じく耐磨耗性であるが摩擦を引起す強化された特性を有していてもよい異なる材料から製造することができ、工具の加熱および撹拌効果を最大化する。他の可能性は、摩擦撹拌工具のシャンクを、ある材料(おそらく、工具をチャックで締めることに適するより費用のかからない材料)で形成し、摩擦撹拌工具の残りの動作する自由端を、異なる材料から形成し、これらをともに形成し、または互いに別々に形成した後接合することを含む。さらなる例は、摩擦撹拌工具のコアまたは中心を、1つの粉末金属組成物から形成し、摩擦撹拌工具の外側部分またはシースを別の材料から作ることを含み得る。材料の組合せおよびその相対的な配置は列挙するには多数ありすぎること、およびこの発明の意図は摩擦撹拌工具に勾配構造を実現するために粉末冶金を用いるという広い概念を捉え企図することであることが認識されるであろう。
【0011】
別の局面に従い、この発明は、摩擦撹拌溶着工具の製造方法を提供する。この方法は、粉末混合物を圧縮成形するステップと、この粉末混合物を真空状態ではないおおよそ周囲環境圧力で焼結するステップとを含む。この方法の別の局面は、粉末混合物を連続炉で焼結するステップを含む。
【0012】
この方法のさらに別の局面は、工具の少なくとも2つの別個の部分を、互いに別々に圧縮成形するステップと、この少なくとも2つの別個の部分を互いに接合するステップとを含む摩擦溶着工具を製造することを含む。この方法の別の局面は、別個の部分のうち隣接するものを互いに焼結するステップを含む。
【0013】
この発明のこれらのおよび他の利点ならびに特徴は、以下の詳細な説明および図面に関連して考慮されるとより容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】摩擦撹拌溶着の原理を示す概略斜視図である。
【図2】摩擦溶着の原理を示す概略平面図である。
【図3】摩擦撹拌溶着工具のチップ端部の拡大された部分斜視図である。
【図4】摩擦撹拌溶着工具のチップ端部のさらなる拡大された斜視図である。
【図5】この発明に従い構成される摩擦撹拌溶着工具の実施例を示す断面図である。
【図6】この発明に従い構成される摩擦撹拌溶着工具の別の実施例を示す断面図である。
【図7】この発明に従い構成される摩擦撹拌溶着工具のさらに別の実施例を示す断面図である。
【図8】この発明に従い構成される摩擦撹拌溶着工具のさらに別の実施例を示す断面図である。
【図9】この発明に従い構成される摩擦撹拌溶着工具のさらに別の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
摩擦撹拌溶着においては、輪郭形成されたプローブを備え円筒形でショルダをつけられた工具を回転させ、当接される2枚のシート状または板状の材料の間の接合線にゆっくりと押込む。工具を接合部に押込み、接合部に沿って移動させるにつれて、当接する接合面が力により離れることを防ぐように、部品は締付られる。摩擦熱が耐摩耗性の溶着工具と被加工物の材料との間で発生する。この熱により、後者が融点に達さずに軟化し、工具が接合線に沿って横切ることを可能とする。可塑化された材料は、工具のプローブの先端から後端へと移動され、ピンの輪郭にある工具のショルダの密着により鍛造される。この結果、工具が通過するにつれて、この2枚の間に固相接着が生じる。この工程は、固相キーホール溶着技術とみなすことができる。工具のプローブまたはチップを収容する穴が形成され、その後、溶着手順の間に埋められるためである。
【0016】
図1は、この発明に従う摩擦撹拌溶着工具を用いる摩擦撹拌溶着の概ねの原理を示す。摩擦撹拌溶着工具は、概ね10に図示され、工具10が回転工具ホルダ(図示せず)にチャックで締められることを可能にする概ね円筒形のシャンク12を含んでもよい。工具10は、作業自由端14を含み、作業自由端14は、工具10の自由端14から中心に突出するプランジャチップまたはプローブ16を含む。プローブ16の自由端から間隔をおいて、ショルダ18が配置される。ショルダ18の面20(図3)およびプローブ16の外径表面22は、少なくとも2つの被加工物24、26に接触する機能表面として働き、摩擦撹拌溶着の形成を引起す。
【0017】
上述のように、工具10が回転されているときに、プローブ16は、2つの被加工物24、26の間の当接する接合部28に押込まれる。工具10は、その後回転を続けながら、矢印Aの方向に接合部18に沿って進められる。ショルダ18の面20は、接合部28のいずれかの側にある被加工物24、26の上面に対して矢印Bの方向に押下げられ、表面にある可塑化金属をさらに加工し撹拌し、接合部28に沿って冶金的溶着30を生み出す。図1および図2は、接合部28の形成における工具の構成および動作を示す。
【0018】
摩擦撹拌溶着工具10は、多数の形状および特徴のうち任意のものを呈し得る。図3および図4は、工具10の作業自由端の1つの実施例を示す。プローブ16は、円筒形以外でもよく、平坦部32を設けられてもよいことがわかる。この発明は、チップ16のいかなる特定の形状および/または大きさにも限定されるものではなく、また、チップ16のさまざまな表面の数および形状に限定もない。図3および図4は、杯状または凹面形状を有するものとしてのショルダ18の面20をさらに示す。これは、材料を摩擦撹拌溶着するのに役立つが、この発明は、ショルダ18の面20のいかなる特定の形状に限定されるべきものではない。摩擦撹拌溶着工具10の全体形状は、例示的であることを意図される開示される実施例に限定されず、現在入手可能なまたは将来開発されるかもしれない摩擦撹拌溶着に適した任意の摩擦撹拌工具形状を企図する。
【0019】
次に、この発明の特定の局面においては、摩擦撹拌溶着工具10の少なくとも作業自由端14は、圧縮成形され焼結により所望の形状にされた粉末金属から製造される。粉末冶金の1つの利点は、工具の製造後の過度な機械加工または二次的な仕上げ作業なしに、摩擦撹拌工具を所望の最終工具形状にニアネットシェイプ化することを可能にすることである。別の利点は、他の方法では鍛造摩擦撹拌溶着工具に関連して使用することができないかもしれない材料の幅広い選択を可能にすることである。
【0020】
図5の1つの例では、摩擦撹拌溶着工具10の全体は、同一の粉末金属材料から製造される。たとえば、工具は、M2またはH13工具鋼などの鉄系プレアロイ粉末金属材料から製造されてもよい。こういった材料は圧縮成形され、その後ニアネットシェイプに焼結され、工具の形成後の仕上げをほとんどせずに用いられてもよい。
【0021】
粉末金属材料は、摩擦撹拌溶着工具に関し、材料固有の多孔質構造が鍛造材料と比較して摩擦係数を増大させるという点において有利である。粉末金属の使用により、鍛造工具
と比較して熱伝導性が減少もする。これは、より多くの熱を工具/被加工物境界面に保持する役割を果たす。粉末金属工具のヒートシンク効果は、相当する鍛造工具のものよりも少ないためである。母材を、さらに処理または変質させ性質を変えてもよく、摩擦係数および/または抗磨耗性を変質させるすることを含む。たとえば、工具10の自由端14を、高温高圧下で水蒸気処理し、工具10の露出した面を効果的に酸化させ、Fe34に変換してもよい。Fe34は、酸化鉄の非常に安定した形であり、鉄系粉末金属母材の耐摩耗性および摩擦係数を増大させる効果がある。
【0022】
この発明は、摩擦を変える粉末添加剤を粉末金属混合物に混合し、工具の作業特性を向上させることをさらに企図する。添加剤は、摩擦撹拌溶着工具10の動摩擦係数を増大または減少させ、それぞれ摩擦撹拌溶着工具10の使用中に生成される熱を増大または減少させてもよい。したがって、工具10は、使用中に所望される量の熱を生成するよう選択的に製造することができ、これにより被加工物の工具への凝着を減少し、接合される被加工物24、26の材料特性に従って、所望の溶着特性を提供する。添加剤は、粉末金属混合物に圧縮成形前に添加することができ、その後その場で圧縮し、焼結することができる。たとえば、添加剤CaF2、MnS、MoS2、BN、CaCO3、シリカ、アルミナ、
セラミック、炭化化合物、ならびにフェロモリブデン、フェロニッケル、クロムおよび/またはトリバロイ(登録商標)などの他の硬く安定した粒子を添加し、粉末金属母材の作業特性を向上させてもよい。この発明は、材料のいかなる特定の組成にも限定されず、発明の範囲内で、特定の組成に関わらず、粉末冶金を用いて摩擦撹拌溶着工具を形成するという幅広い概念に関する。
【0023】
混合は、樹脂含浸または他の含浸材料を使用して行なうことができ、工具10の少なくともある部分の多数の小孔を埋め、工具10の作業能力を増大する。含浸は、上述のように工具10の動摩擦係数、熱伝導性、および工具10の作業能力を変更するであろうさまざまな材料を含み得る。これは、粉末金属混合母材よりも低い融点を有する材料の溶浸を含み、粉末金属材料の多数の小孔を埋める。
【0024】
粉末冶金を用いることにより、工具10の製造業者は、工具10の異なる領域における特性を所望のように変更することもできる。これは、焼結工程単独によりおよび/またはさまざまな粉末、合金および添加物の混合物を使用し、さまざまな微細構造相勾配を含む微細構造の混成を、工具10全体にもたらすことによりなし得る。たとえば、微細構造中の硬質相、軟質相、およびカーバイド析出物の組合せは、単相構造においては得られない強度、延性および耐摩耗性を実現してもよい。さまざまな相および特徴は、フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト、金属炭化物、過共析相および亜共析相ならびにさまざまな析出物をたとえば含んでもよい。
【0025】
さらに、粉末金属混合物に圧縮成形前に添加される焼結助剤を用いて、工具10を製造しやすくすることができる。焼結助剤は、耐摩耗性、熱特性などの工具10の強度および他の特性を、たとえば、液相、過渡液相または強化された固溶体機構を通じて向上することができる。焼結助剤のいくつかの例は、MoS2、リンおよびリン化合物、ホウ素、コバルト、錫、ならびに焼結の度合いおよび/または圧縮成形された工具領域の密度を向上する他の材料のを例として含むが、これに限定されない。
【0026】
上述のように、異なる工程処理を、工具の選択された領域に用いることができ、これにより異なる領域の材料組成を変更する。したがって、図6に示すように、たとえば、プローブまたはチップ16′は、圧力および高温下で材料に挿入され、材料の中を押進められるときに、最もよく機能し、プローブ16′の押込み動作に関連する圧力および温度に耐えるための極めてよい耐摩耗性および高い硬度特性を有してもよい1つの材料から作られる。一方で、ショルダ領域18′は、よい耐磨耗性を示すだけではなく高い摩擦係数も示
し、摩擦撹拌溶着中のショルダの撹拌能力を最大化する異なる材料から製造されてもよい。一方でさらに、シャンク12′は、所望されるなら、良い性質を示し得る、低合金でより費用のかからない材料を構成するさらに別の材料で作られてもよい。
【0027】
図7は、図6の変更例であり、工具10″のプローブ16″領域およびショルダ18″領域は、1つの粉末金属材料から製造され、シャンク12″は、別の粉末金属組成物から製造される。当然、この発明は、工具10″の作業自由端14″を粉末金属から製造することができ、本明細書中に記載された利点を達成することを企図する。作業自由端14″は工具シャンクに接着され、またはそうでなければ接合されてもよく、工具シャンクは、所望されるならば、費用を低減するためにまたはすべて粉末金属製の摩擦撹拌溶着工具の代案を提供するために、必ずしも粉末金属から作られる必要はなくてもよい。これもまた、この発明によって企図される。
【0028】
図8は、摩擦撹拌溶着工具10″′の別の勾配粉末金属構造を示し、工具10″′のコア34は、耐高負荷、高磨耗材料などの1つの材料から、ショルダ領域18″′を含む外層またはシースまたはシェル36の中に製造されてもよく、シェル36は、耐摩耗性、しかしコア34に用いられた材料よりも高い摩擦係数の材料である異なる材料から製造されてもよい。
【0029】
最後に、図9は別の摩擦撹拌溶着工具10″″を示し、工具″″のさまざまな部分は、互いに別々に構成され、その後互いに焼結結合される。このようであるので、プローブ16″″は1つの粉末混合物から、ショルダ18″″は別の粉末混合物から、およびシャンク12″″はさらに別の粉末混合物から圧縮成形され得る。その後、別個の部分16″″、18″″、および12″″は焼結される。焼結添加剤または他の添加剤は、各部分の1つまたはそれ以上の粉末混合物に所望のとおり含まれることもあり得る。互いに別個に構成される部分の数は、所望の工具構造を得るために必要に応じて変化し得ることが認識されるべきである。
【0030】
この発明の別の局面は、上記の実施例に従って工具10、10′、10″、10″′、10″″を製造する方法を含む。この方法は、各工具のさまざまな部分を形成するステップを含み、このステップはこの部分が粉末から構成される圧縮成形ステップを含み、この方法は、この工具の少なくとも一部分が焼結される、各工具のさまざまな部分を互いに接合するステップをさらに含む。そのさまざまな実施例を含む別個の部分12、16、および18のうちの隣接するものが、粉末から圧縮成形される場合は、この方法は、別個の部分を、拡散工程によって焼結炉内で互いに接合するステップをさらに含む。焼結工程においては、焼結強化助剤または他の技術が用いられ得る。上述の工具部分、チップ、ショルダ、シャンクおよびシャフトのさまざまな組合せは、1つの部材として構成されてもよく、または互いに別個に構成され、焼結工程を経て接合されてもよいことが認識されるべきである。製造工程の1つの局面は、焼結が真空状態または密閉圧力容器内ではなく、連続炉で、900℃を超える温度で、およびほぼ周囲環境圧力で行なわれ得ることを企図する。
【0031】
上記の発明は、関連する法的基準に従い説明され、よってこの説明は限定的な性質のものではなく例示的な性質のものである。開示された実施例の変更および修正は、当業者にとって明白となってもよく、この発明の範囲内に入る。したがって、この発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の請求項を検討することによってのみ規定されることができる。
【符号の説明】
【0032】
10、10′、10″、10″′、10″″ 摩擦撹拌溶着工具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末金属材料から製造される溶着チップを備える摩擦撹拌溶着工具であって、
前記粉末金属材料は鉄系であり、
前記溶着チップの少なくとも一部は、
(1) 樹脂、
(2) 前記鉄系の材料よりも融点が低い別の材料、ならびに
(3) CaF、MnS、MoS、BN、CaCO、SiO、Al、セラミック、炭化化合物、フェロニッケル、クロム、およびCrとNiとCoの合金からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤、
のうち少なくとも1つを含む、摩擦撹拌溶着工具。
【請求項2】
前記鉄系粉末金属材料は、アルミナ、カーバイド、フェロモリブデン、フェロニッケル、クロムまたはトリバロイ(登録商標)のうちの少なくとも1つと混合される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項3】
前記粉末金属材料はサーメットである、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項4】
前記粉末金属材料は勾配特性を有し、前記勾配特性において前記チップの特性はショルダの特性と異なる、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項5】
前記チップの耐磨耗特性は前記ショルダの耐磨耗特性よりも高い、請求項4に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項6】
前記工具全体は粉末金属から製造される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項7】
前記工具の前記チップの領域とショルダの領域とは、異なる材料から製造される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項8】
前記チップの領域と前記ショルダの領域とは、互いに別々に構成される、請求項7に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項9】
前記チップの領域と前記ショルダの領域とは、互いに焼結される、請求項8に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項10】
前記工具の中心コアは、前記粉末金属材料からなる外側シースの材料と異なる材料から製造される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項11】
前記工具の前記チップはコア材料から作られ、前記ショルダはシース材料から作られる、請求項7に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項12】
前記粉末金属材料の多孔は、圧縮成形前に、より低い融点を有する材料で溶浸される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項13】
前記粉末金属材料の多孔は、樹脂で含浸される、請求項1に記載の摩擦撹拌溶着工具。
【請求項14】
摩擦撹拌溶着工具の製造方法であって、
粉末混合物を圧縮成形するステップと、
前記粉末混合物を、真空状態ではないおおよそ周囲環境圧力で焼結するステップとを備える、方法。
【請求項15】
前記粉末混合物を連続炉で焼結するステップを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記粉末混合物はFe酸化物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記粉末混合物は樹脂を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記粉末混合物は、粉末母材と、前記粉末母材よりも融点が低い別の材料とを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記粉末混合物は、CaF、MnS、MoS、BN、CaCO、SiO、Al、セラミック、炭化化合物、フェロニッケル、クロム、およびCrとNiとCoの合金からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
摩擦溶着工具の製造方法であって、
前記工具の少なくとも2つの別個の部分を、互いに別々に圧縮形成するステップと、
前記少なくとも2つの別個の部分を、互いに接合するステップとを備える、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−27927(P2013−27927A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196029(P2012−196029)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2009−512192(P2009−512192)の分割
【原出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】