説明

粉粒体供給装置

【課題】一定量ずつ粉粒体を供給することが可能な粉粒体供給装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の粉粒体供給装置90によれば、底壁30のスリット301を閉塞した粉粒体アーチを、容器内回転部材21に備えたアーチ粉砕脚部26,27で崩すことで、スリット301から下方へと落下させる。そして、粉粒体アーチが崩れてから、再度粉粒体アーチが形成されるまでにスリット301から流出する粉粒体の量は極微量であるので、容器内回転部材21を一定速度で旋回させている間は粉粒体を一定量ずつ供給することができる。また、容器内回転部材21を高速回転させたときに第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27の両方で粉粒体アーチを崩して粉粒体を比較的大量に供給し、低速回転させたときに第1のアーチ粉砕脚部26だけが粉粒体アーチを崩して粉粒体を微少量ずつ供給するので、目標重量の粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉粒体供給装置として、粉粒体をスクリューによって供給し、計量するものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−90756号公報([0023]、[0025]、[0027]、[0028]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、粉粒体は粉粒体同士の付着力によって塊を形成し得る。そして、従来の粉粒体供給装置ではスクリューの翼の間で粉粒体が塊になり、スクリューが回ったときに粉粒体の塊ごと供給されることがあり、一定量ずつ粉粒体を供給することが困難であった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、一定量ずつ粉粒体を供給することが可能な粉粒体供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る粉粒体供給装置は、粉粒体を収容可能な粉粒体容器と、粉粒体容器の底壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、底壁の上方で回転する容器内回転部材と、容器内回転部材から底壁に向かって延び、容器内回転部材の回転と共に旋回して粉粒体アーチに外力を付与して、粉粒体アーチを構成していた粉粒体を粉粒体通過孔から底壁の下方に強制落下させるための複数のアーチ粉砕脚部とが備えられ、それら複数のアーチ粉砕脚部は、下端部と底壁と間隔が比較的小さい第1のアーチ粉砕脚部と、下端部と底壁との間隔が比較的大きな第2のアーチ粉砕脚部とを含んでなるところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粉粒体供給装置において、第1及び第2のアーチ粉砕脚部は、下方に向かうに従って旋回方向の後方へと向かうように傾斜して延びているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置において、アーチ粉砕脚部を旋回方向の前方から見た幅は、第1のアーチ粉砕脚部より第2のアーチ粉砕脚部の方が広いところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の粉粒体供給装置において、第1のアーチ粉砕脚部を間隔を空けて横並びに複数設けたところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の粉粒体供給装置において、複数の粉粒体通過孔は、アーチ粉砕脚部の旋回半径方向と交差する方向に延びたスリットであるところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の粉粒体供給装置において、容器内回転部材から底壁に向かって延びかつ、粉粒体容器の内側面に付着した粉粒体を削ぐための付着粉粒体除去脚部を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の粉粒体供給装置において、粉粒体容器には、アーチ粉砕脚部が内部を旋回する小径筒部と、小径筒部の上方に配置されて小径筒部より内径が大きな大径筒部と、大径筒部の側壁の下端部と小径筒部の側壁の上端部との間を接合する平板状の中間段差壁とが備えられ、大径筒部の下端部中央に配置されて、小径筒部の上面開口を覆い且つ中間段差壁との間に隙間をあけて対向し、大径筒部の側壁との間に環状空間を形成する容器内円板と、容器内円板の下方に設けられ、その容器内円板と中間段差壁との間の隙間を通って容器内円板より外側に延び、容器内回転部材の回転と共に旋回して、中間段差壁上に堆積した粉粒体を小径筒部の内部に引き込む中間旋回部材を設けたところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の粉粒体供給装置において、中間段差壁の上面に形成されて突条構造又は溝構造をなして延び、一端部から他端部に向かうに従って湾曲しながら中間段差壁の中央における小径筒部の上面開口に向かって接近した複数の渦巻きガイドを備え、中間旋回部材は、渦巻きガイドの一端部から他端部へと向かうように旋回するところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載の粉粒体供給装置において、渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかに沿って延びたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1の発明]
請求項1の発明に係る粉粒体供給装置は、粉粒体容器の底壁に複数の粉粒体通過孔が貫通形成されている。この底壁の上部に粉粒体を載置しても、通常は粉粒体同士が付着して粉粒体通過孔を閉塞する粉粒体アーチを形成するため粉粒体が粉粒体通過孔を通過することはない。
【0015】
底壁の上方に備えた容器内回転部材を回転させると、粉粒体アーチが、複数のアーチ粉砕脚部から外力を受けて崩れ、粉粒体アーチを構成していた粉粒体が粉粒体通過孔を通過して底壁の下方に落下し、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されて粉粒体通過孔が閉塞される。
【0016】
そして、一旦粉粒体アーチが崩れて再度粉粒体アーチが形成されるまでに粉粒体通過孔から流出する粉粒体の量は極微量であるので、底面旋回部材を一定速度で旋回させている間は一定量ずつの粉粒体を供給することができる。
【0017】
ここで、容器内回転部材を比較的低速で回転させた場合に、下端部と底壁との間隔が比較的小さい第1のアーチ粉砕脚部は、粉粒体アーチに外力を与えて崩す一方、下端部と底壁との間隔が比較的大きい第2のアーチ粉砕脚部は、粉粒体アーチの上方を素通りするだけで粉粒体アーチを崩す程の外力を与えることはない。よって、第1のアーチ粉砕脚部が粉粒体通過孔の上方を通過したときだけ、粉粒体アーチが崩れて底壁の下方に落下する。
【0018】
これに対し、容器内回転部材を比較的高速で回転させた場合には、第1のアーチ粉砕脚部のみならず第2のアーチ粉砕脚部も、粉粒体アーチ対して外力を与える。詳細には、第2のアーチ粉砕脚部の下端部が粉粒体アーチの上方を通過する際に、第2のアーチ粉砕脚部の案内で下方、即ち、底壁に向かって流動した粉粒体によって粉粒体アーチが崩される。よって、第1及び第2のアーチ粉砕脚部が粉粒体通過孔の上方を通過したときに粉粒体アーチが崩れて底壁の下方に落下する。つまり、本発明によれば、容器内回転部材を比較的高速で回転させた場合に、粉粒体の排出量を急激に増加させることができる。
【0019】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、第1又は第2のアーチ粉砕脚部の案内により斜め下方、即ち、底壁の上面に向けて粉粒体を流動させて、粉粒体アーチに外力を与えることができる。
【0020】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、第2のアーチ粉砕脚部は、第1のアーチ粉砕脚部より広い範囲で粉粒体アーチを崩すことが可能になるので、容器内回転部材を比較的高速で回転させたときに粉粒体の排出量をより急激に増加させることができる。
【0021】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、容器内回転部材の回転速度が小さいときには、間隔を空けて横並びに設けられた複数の第1のアーチ粉砕脚部同士の間を粉粒体がすり抜けてゆくので、第1のアーチ粉砕脚部の下端部が通過した部分の粉粒体アーチしか崩すことができないが、回転速度を大きくすると、複数の第1のアーチ粉砕脚部同士の間を粉粒体が通過し難くなり、第1のアーチ粉砕脚部の下端部が通過した部分とその近傍の粉粒体アーチとを崩すことが可能となる。
【0022】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、アーチ粉砕脚部がスリットの上方を通過する距離が、スリットを容器内回転部材の旋回半径方向に延ばした場合よりも長くなるので、粉粒体アーチをより広い範囲で崩すことができる。
【0023】
なお、複数の粉粒体通過孔としてのスリットは、直線状に延びていてもよいし、円弧状に湾曲していてもよい。また、スリットを円弧状とした場合、アーチ粉砕脚部の旋回中心を中心として湾曲した円弧状にしてもよいし、一端部から他端部に向かって湾曲しながらアーチ粉砕脚部の旋回中心に接近していく円弧状にしてもよい。
【0024】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、静電気等で粉粒体容器の内側面に付着した粉粒体を、容器内回転部材の回転に伴い付着粉粒体除去脚部によって削ぎ落とすことができる。
【0025】
[請求項7の発明]
請求項7に係る発明によれば、粉粒体は、粉粒体容器のうち、大径筒部の下端部中央に配置された容器内円板と大径筒部の側壁との間の環状隙間から下方に流下して、大径筒部と小径筒部との間の中間段差壁に堆積し、容器内円板と中間段差壁との間で安息角を有した粉粒体山を形成する。この粉粒体山により容器内円板と中間段差壁との間が塞がれるから、中間旋回部材が停止しているときには、粉粒体が小径筒部内に落下することはない。
【0026】
中間旋回部材を旋回させると、中間旋回部材は粉粒体山を崩しながら粉粒体を小径筒部の内部へと案内する。また、粉粒体山が崩されると直ぐに、環状隙間から粉粒体が供給されて新たな粉粒体山が形成されるから、中間旋回部材を旋回させている間だけ粉粒体を小径筒部の内部へと案内することができる。
【0027】
[請求項8及び9の発明]
粉粒体の流動性が低いと、中間旋回部材によって粉粒体を小径筒部の内部にスムーズに誘導できないことがある。これに対し、請求項8の発明によれば、中間旋回部材が中間段差壁上で回転して渦巻きガイドとすれ違う際に、それら中間旋回部材と渦巻きガイドとが協働して粉粒体を中心側に移動させるので、流動性の低い粉粒体でもスムーズに小径筒部に案内することができる。ここで、渦巻きガイドは、1つだけでもよいし複数設けてもよい。また、請求項9の発明のように、渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかに沿って延びた形状にすると、より効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、本発明の粉粒体供給装置90を備えた粉粒体計量システム100の全体が示されている。同図に示すように、粉粒体計量システム100は、計量器としての電子天秤60の上方に粉粒体供給装置90を備えてなる。粉粒体供給装置90は、電子天秤60の秤量皿62の側方を囲むように設置された風防61内に宙吊り状態に配置されており、秤量皿62上に載置された受容器99(秤量カップやバイアル瓶等)に向けて粉粒体を排出する構成となっている。
【0029】
粉粒体供給装置90は、風防61の上端縁に係止されたブラケット19によって秤量皿62の真上位置に配置されており、粉粒体を収容した粉粒体容器10から下方に粉粒体を排出する。図2に示すように、粉粒体容器10は、大径筒部11と小径筒部12とを備えてなり、下方に向かうに従って縮径した構造になっている。詳細には、大径筒部11と小径筒部12との間の中間段差壁111の中心部から鉛直下方に向かって小径筒部12が突出しており、大径筒部11に収容された粉粒体は、小径筒部12の内側の粉粒体排出孔121を通って下方に排出される。
【0030】
粉粒体容器10の上端は開放しており、上端キャップ13にて閉じられている。上端キャップ13は粉粒体容器10の上端外周面に螺合されており、その下端縁がブラケット19に形成された図示しない貫通孔の周縁部に係止することで、粉粒体供給装置90が宙吊り状態に保持されている。
【0031】
また、上端キャップ13の上端壁131には、図示しない投入口が形成されている。投入口は上端壁131の中央からずれた位置に偏在して設けられており、この投入口から粉粒体容器10内に粉粒体を供給可能となっている。
【0032】
上端壁131の上面中央には供給モータ14が固定されている。供給モータ14に連結された回転駆動シャフト141は、上端壁131を貫通して大径筒部11内でその中心軸に沿って延びている。そして、回転駆動シャフト141の下端部には、後述する容器内回転部材21が取り付けられている。
【0033】
図2に示すように、大径筒部11の内部には、容器内円板38及び上面待ち受けガイド39が備えられている。容器内円板38は、大径筒部11の下端部中央に配置されて大径筒部11の内側に遊嵌している。即ち、容器内円板38は大径筒部11の内径よりも小径でかつ、粉粒体排出孔121の内径よりも大径な平らな円板(図4参照)であり、中間段差壁111及び容器内回転部材21の上方に僅かに離して水平に取り付けられている。また、容器内円板38は回転駆動シャフト141の外周面に固定されており、大径筒部11内で容器内回転部材21と一体回転する。そして、上端キャップ13の投入口(図示せず)から粉粒体容器10内に投入された粉粒体は、一旦、容器内円板38上に堆積するようになっている。
【0034】
上面待ち受けガイド39は、容器内円板38上に堆積した粉粒体を、容器内円板38の周縁部と大径筒部11の側壁112との間に形成された環状空間40に掻き出すために設けられている。図2に示すように上面待ち受けガイド39は、容器内円板38の上面に隣接して配置された水平板391と、水平板391の基端部から垂直上方に延びて上端キャップ13の上端壁131に固定された垂直板392とから構成される。
【0035】
そして、図5に示すように、水平板391の平面を供給モータ14の回転駆動シャフト141の側面に当接させて取り付けることで、容器内円板38の回転方向(図5の実線矢印の方向)に対して水平板391が傾斜し、図5の点線矢印で示すように、容器内円板38上の粉粒体が水平板391に案内されて容器内円板38の縁部に向けて押し出される。また、水平板391の基端部は、大径筒部11の側壁112に隣接する位置まで延びており、押し出された粉粒体を環状空間40から中間段差壁111上に流下させる。さらに、容器内円板38と上面待ち受けガイド39とが協働して大径筒部11内の粉粒体を撹拌するので、大径筒部11内で粉粒体が固まったり、詰まったりすることを防ぐことができる。これにより、容器内円板38の上部の粉粒体を安定して中間段差壁111へと流下させることが可能となる。
【0036】
図3に示すように、環状空間40から中間段差壁111へと流下した粉粒体は、容器内円板38と中間段差壁111との間で安息角α1を有した粉流体の山を形成する。粉粒体山の安息角α1は、粉粒体によって一定となり、粉粒体山が「堰」となって容器内円板38から中間段差壁111へと過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。即ち、容器内円板38との周縁部と大径筒部11の側壁112との間にできる環状空間40が粉粒体で塞がれて粉粒体が排出されなくなるように、容器内円板38と中間段差壁111の上面とを接近させて過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。
【0037】
中間段差壁111のうち粉粒体容器の11の側壁112に沿って堆積した粉粒体山は、その山裾部分が大径筒部11内で回転する容器内回転部材21によって削り取られて小径筒部12へと送り込まれる。上記したように容器内回転部材21は、回転駆動シャフト141に固定されており、図6に示すように回転駆動シャフト141が貫通した軸心プレート25から側方に片持ち梁状の集粉羽23(本発明の「中間旋回部材」に相当する)と散粉羽24とが延びている。これら集粉羽23と散粉羽24とが中間段差壁111の上面に摺接しつつ水平面内で回転する。
【0038】
図7に示すように集粉羽23は、容器内回転部材21の回転方向(図7の実線矢印の方向)とは逆側に膨らむように複数の平板をつなげた屈曲構造をなす一方、散粉羽24は、容器内回転部材21の回転方向に対して傾斜した状態で軸心プレート25から大径筒部11の側壁112に向かって真っ直ぐ延びている。また、集粉羽23は、その先端が大径筒部11の側壁112と隣接した位置まで延びており、散粉羽24はそれより短くなっている。
【0039】
そして、集粉羽23によって、中間段差壁111の縁側に堆積した粉粒体を中心側に誘導して小径筒部12(粉粒体排出孔121)へと送り込むと共に、散粉羽24により、集粉羽23が取り込み過ぎた粉粒体を外側に移動して逃し、次に集粉羽23が通過したときに小径筒部12内に取り込み、大径筒部11内の粉粒体圧を安定させ易くしている。また、集粉羽23と散粉羽24とが協働して粉粒体を撹拌して、粉粒体の塊を粉砕する効果も奏する。さらに、粉粒体が2種以上の粉粒体の混合物である場合には、この集合と分散の繰り返しによって2種の粉粒体の混合度合いを高めることができる。
【0040】
図6に示すように、容器内回転部材21の軸心プレート25のうち集粉羽23の付け根部分251には、軸心プレート25から斜めに切り起こされた補助ガイド壁20が形成されている。補助ガイド壁20は、集粉羽23による粉粒体の誘導方向(図7の点線矢印の方向)に向かって徐々に下るように傾斜している。そして、集粉羽23に誘導されてその基端部に達した粉粒体は、補助ガイド壁20によって小径筒部12(粉粒体排出孔121)へと強制的に落とされる。
【0041】
図2に示すように、粉粒体容器10のうち、小径筒部12の下端部には、底壁30が着脱可能に取り付けられている。底壁30は、図8に示すように薄肉円板に、容器内回転部材21の旋回半径方向と交差する方向に延びた複数のスリット301(本発明の「粉粒体通過孔」に相当する)を貫通形成した構造をなす。詳細には、各スリット301は、容器内回転部材21の回転方向(図9の実線矢印の方向)の前方に向かうに従って、底壁30の中心に近づくように湾曲して延びている。
【0042】
底壁30の各スリット301は、容器内回転部材21(集粉羽23)により小径筒部12内に送り込まれた粉粒体同士が付着(架橋)して形成された粉粒体アーチにより閉塞されると共に、その粉粒体アーチが崩れた状態で粉粒体が通過可能な大きさになっている。即ち、スリット301の短手方向の幅は粉粒体の粒径の少なくとも数倍から十数倍の大きさになっている。また、粉粒体の性状(粒径や凝集性)等によって、粉粒体アーチが形成可能なスリット301の幅は異なるため、スリット301の幅が異なる複数種類の底壁30が用意されており、粉粒体計量システム100を使用する前に、量り取る粉粒体に適した底壁30を選んで取り替えることができるようになっている。
【0043】
図2に示すように底壁30は、小径筒部12の外周面に螺合された固定筒体32によって小径筒部12の下端部に固定されている。固定筒体32は、小径筒部12に螺合した螺合筒部321の下端縁から内側にリング状の鍔壁322が張り出した構造をなし、その鍔壁322と、小径筒部12の下端内周縁に形成された段差部122との間で、底壁30の外縁部が板厚方向で挟まれている(図10参照)。また、固定筒体32の外周面には下端有底の下端キャップ33が螺合可能となっており、その下端キャップ33により底壁30の下方(固定筒体32の下端開口)を封止可能となっている。このように、下端キャップ33を取り付けることで、粉粒体容器10を粉粒体の保存容器として使用可能となっている。
【0044】
ところで、図6に示すように容器内回転部材21には、上記した集粉羽23及び散粉羽24の他に、軸心プレート25から下方に向かって延びた第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27と、付着粉粒体除去脚部28とが一体に設けられている。図2に示すように、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27と付着粉粒体除去脚部28は、何れも小径筒部12内(粉粒体排出孔121)に配置され、そこで旋回可能となっている。
【0045】
第1のアーチ粉砕脚部26は対をなしており、間隔を空けて横並びに設けられている。第1のアーチ粉砕脚部26は、軸心プレート25のうち散粉羽24の付け根部分252から下方に延設されて、互いに平行な帯板状をなしている。第2のアーチ粉砕脚部27は、軸心プレート25のうち集粉羽23の付け根部分251から下方に延設されており、旋回方向の前方から見た幅が、第1のアーチ粉砕脚部26より幅広の帯板状をなしている。これら第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27は、互いに180度離れた位置に設けられており、下方に向かうに従って容器内回転部材21の旋回方向の後方へ向かうように斜めに(詳細には、鉛直方向に対して約30度傾いて)延びている。
【0046】
付着粉粒体除去脚部28は、軸心プレート25のうち散粉羽24の付け根部分252から底壁30に向けて垂下しており、第1のアーチ粉砕脚部26とほぼ同じ幅の帯板状をなしている。
【0047】
第1のアーチ粉砕脚部26と第2のアーチ粉砕脚部27の長さは異ならせてあり、容器内回転部材21の回転時には、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が底壁30の上面近傍(底壁30の上面に接触しないすれすれ)を旋回するのに対し、第2のアーチ粉砕脚部27の下端部は、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部より底壁30の上方に離れた位置を旋回する。そして、これら第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27が底壁30の上方を旋回することにより、底壁30のスリット301を塞いだ粉粒体アーチが外力を受けて崩されて、スリット301から排出される。
【0048】
ここで、容器内回転部材21の回転速度が小さいときには、1対の第1のアーチ粉砕脚部26同士の間を粉粒体がすり抜けてゆくので、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が通過した部分の粉粒体アーチしか崩すことができないが、回転速度を大きくすると、第1のアーチ粉砕脚部26同士の間を粉粒体が通過し難くなり、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が通過した部分とその近傍の粉粒体アーチとを崩すことが可能となる。
【0049】
また、スリット301を、容器内回転部材21の旋回半径方向と交差する方向に延ばしたことで、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27がスリット301の上方を通過する距離が、スリットを容器内回転部材21の旋回半径方向に延ばした場合よりも長くなるので、粉粒体アーチをより広い範囲で崩すことができる。
【0050】
さらに、図7に示すように、容器内回転部材21が回転すると付着粉粒体除去脚部28は、小径筒部12の内周面の近傍を旋回する。これにより、粉粒体排出孔121の内周面に静電気等で付着した粉粒体を削ぎ落とす。
【0051】
なお、本実施形態では、第1のアーチ粉砕脚部26と付着粉粒体除去脚部28の下端部が丸みが帯びるように面取りしてあるのに対し、第2のアーチ粉砕脚部27の下端部は角張らせてある(図6参照)。また、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27は、容器内回転部材21を構成する板金を曲げ加工することで形成されており、付着粉粒体除去脚部28は軸心プレート25の下面に溶接されている。但し、これに限るものではなく、容器内回転部材21を樹脂やゴムの成形品としてもよい。以上が、粉粒体供給装置90の構成に関する説明である。
【0052】
次に、粉粒体供給装置90の作用効果について説明する。上端キャップ13に形成された投入口(図示せず)から粉粒体容器10内に投入された粉粒体は、一旦、容器内円板38の上に堆積する。その状態で供給モータ14を駆動すると、容器内円板38が回転し、その容器内円板38上の粉粒体が上面待ち受けガイド39によって外周縁側に向けて誘導される。そして、容器内円板38の外周縁と大径筒部11の側壁112との間の環状空間40から中間段差壁111の上面へと粉粒体が流下する。
【0053】
中間段差壁111上に流下した粉粒体は、容器内円板38と中間段差壁111との間に進入すると共に、それらの間で所定の安息角α1を有した粉粒体山を形成する。これにより、容器内回転部材21が停止した状態では、粉粒体が小径筒部12(粉粒体排出孔121)へと流入することはない。
【0054】
供給モータ14の駆動により容器内回転部材21が回転すると、容器内回転部材21の集粉羽23が中間段差壁111の上面に摺接しつつ旋回する。このとき、集粉羽23は、中間段差壁111の上面に形成された粉流体山の山裾部分を削り取って、その削り取った粉粒体を中間段差壁111の中心、即ち、小径筒部12へと誘導する(図7参照)。
【0055】
また、集粉羽23により粉粒体が削り取られたことで粉粒体山が崩されると、直ぐに、環状空間40から粉粒体が流入し、容器内円板38と中間段差壁111との間に新たな粉粒体山が形成される。つまり、容器内回転部材21が回転している間だけ、小径筒部12(粉粒体排出孔121)へと粉粒体が送り込まれる。
【0056】
小径筒部12内に送り込まれた粉粒体は、互いに付着し合ってスリット301を閉塞した粉粒体アーチを形成する。この粉粒体アーチは、容器内回転部材21のうち小径筒部12内で旋回する第1のアーチ粉砕脚部26及び/又は第2のアーチ粉砕脚部27から外力を受けて崩され、その崩された粉粒体アーチを形成していた粉粒体がスリット301から落下する。また粉粒体が落下すると共に、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されてスリット301が閉塞される。粉粒体アーチが崩れてから、再度粉粒体アーチが形成されるまでにスリット301から流出する粉粒体の量は極微量であるので、容器内回転部材21を一定速度で旋回させている間は粉粒体を一定量ずつ供給することができる。
【0057】
ところで、容器内回転部材21(第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27)を比較的低速で回転させた場合には、図11に示すように、底壁30との間隔が比較的小さい第1のアーチ粉砕脚部26の下端部がスリット301を閉塞した粉粒体アーチを突破して粉粒体アーチを崩す一方、底壁30との間隔が比較的大きい第2のアーチ粉砕脚部27の下端部は、粉粒体アーチの上方を素通りするだけで粉粒体アーチを崩す程の外力を与えることはない。これは、第2のアーチ粉砕脚部27の案内により斜め下方、即ち、底壁30の上面に向けて流動する粉粒体の勢い(底壁30の上面に向けて粉粒体を押し出す力)が小さいからである。よって、第1のアーチ粉砕脚部26がスリット301の上を通過したときだけ小径筒部12から粉粒体が排出される。
【0058】
これに対し、容器内回転部材21(第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27)を比較的高速で回転させた場合には、図12に示すように、第1のアーチ粉砕脚部26のみならず、第2のアーチ粉砕脚部27も粉粒体アーチに外力を付与する。これは、第2のアーチ粉砕脚部27に案内されて斜め下方、即ち、底壁30の上面に向けて流動する粉粒体の勢い(底壁30の上面に向けて粉粒体を押し出す力)が大きくなるからである。よって、第1のアーチ粉砕脚部26がスリット301の上を通過したときと、第2のアーチ粉砕脚部27がスリット301の上を通過したときとで、小径筒部12から粉粒体が排出される。即ち、容器内回転部材21を比較的高速で回転させて、第2のアーチ粉砕脚部27によって粉粒体アーチを崩させることで、粉粒体の排出量を急激に増加させることができる。
【0059】
上述した粉粒体供給装置90によって所定量、例えば10mgの粉粒体を受容器99に量り取る場合には、以下のように操作する。まず、受容器99を電子天秤60の秤量皿62に載せ、操作部63を操作して風袋引きを行う(表示をゼロにする)。
【0060】
次いで、量り取ろうとする粉粒体の目標重量(例えば10mg)を、予め制御装置98(本発明の「モータ駆動制御部」に相当する)に設定し、図示しないスタートスイッチをオンする。すると、電子天秤60の計量値が制御装置98にフィードバックされ、供給モータ14の回転が自動でオンオフしたり回転速度が調節される。
【0061】
例えば、制御装置98は、計量値が10mgの手前となるまでは、供給モータ14、即ち容器内回転部材21を比較的高速で回転させる。このとき、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27の両方が粉粒体アーチを崩すので、粉粒体供給装置90から排出される粉粒体の単位時間当たりの排出量が比較的大量となり、計量値を短時間で10mgに近づけることができる。計量値が10mgの手前になったときに、制御装置98は供給モータ14、即ち容器内回転部材21の回転速度を低速にする。すると、第1のアーチ粉砕脚部26だけが粉粒体アーチを崩すようになるので、微少量ずつ粉粒体が排出され、計量値を徐々に10mgに近づけることができる。そして、計量値が10mgに達したときに制御装置98が供給モータ14の回転を止める。
【0062】
このように、本発明の粉粒体供給装置90によれば、容器内回転部材21を高速回転させたたときに第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27の両方で粉粒体アーチを崩して粉粒体を比較的大量に供給し、低速回転させたときに第1のアーチ粉砕脚部26だけが粉粒体アーチを崩して粉粒体を微少量ずつ供給することができるので、目標重量の粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。
【0063】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0064】
(1)上記実施形態では、集粉羽23、散粉羽24、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27,付着粉粒体除去脚部28を容器内回転部材21として一部品で構成していたが、図13(A)に示すように、集粉羽23及び散粉羽24を一体形成してなる水平旋回部材200と、図13(B)に示すように第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27と付着粉粒体除去脚部28とを一体形成してなる筒部内旋回部材210(本発明の「容器内回転部材」に相当する)との2部品に分けて構成し、水平旋回部材200と筒部内旋回部材210の互いの軸心プレート201,211を上下に重ねた状態で、それら2部品を回転駆動シャフト141の下端部に固定してもよい。
【0065】
ここで、水平旋回部材200における集粉羽23は、図14(A)に示すように、水平旋回部材200の回転方向(図14(A)の実線矢印の方向)とは逆側に膨らむように複数の平板をつなげた屈曲構造をなしているが、図14(B)に示すように、回転方向と逆方向に向かって膨らむように丸みを帯びて湾曲していてもよい。
【0066】
(2)さらに図14(B)及び図15(A)に示すように、中間段差壁111の上面に、一端部から他端部に向かうに従って湾曲しながら中間段差壁の中央(粉粒体排出孔112)に向かって接近した(詳細には、水平旋回部材200の回転方向に向かって膨らむように丸みを帯びて湾曲した)渦巻き曲線(対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線)状或いはインボリュート曲線状の溝113を放射状に複数設けてもよい。これにより、集粉羽23と溝113とが協働して粉粒体を効率よく粉粒体排出孔121に向けて誘導する。なお、図15(B)のように、溝113の代わりに突条114を設けても同様の効果が得られる。これら溝113及び突条114は、本発明に係る「渦巻きガイド」に相当する。
【0067】
(3)上記実施形態では、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が、底壁30の上面近傍、即ち、底壁30の上面に接触しないすれすれの位置を旋回するように構成されていたが、図16(A)に示すように、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が底壁30の上面に摺接しつつ旋回するように構成してもよい。
【0068】
また、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部がスリット301を通過する際に、スリット301の内側に入り込むような長さにしておいて、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部が底壁30の上面を摺接する際には、第1のアーチ粉砕脚部26がしなる(弾性変形する)ようにしてもよい。そして、図16(B)に示すように、第1のアーチ粉砕脚部26がしなった状態から復元する際の弾発力を利用して粉粒体アーチを崩すようにしてもよい。
【0069】
(4)底壁30に形成したスリット301は、図17(A)に示すように、回転駆動シャフト141(容器内回転部材21)の回転方向の後方に向かうに従って、底壁30の中心に近づくように湾曲していてもよい。また、図17(B)に示すように、第1のアーチ粉砕脚部26の下端部の移動軌跡(図17(B)の二点鎖線で示した円)と重なるように容器内回転部材21の回転中心と同心の円弧状をなしていてもよい。さらに、図示しないが、容器内回転部材21の旋回半径方向と交差するように直線状に延びていてもよい。
【0070】
(5)また、底壁30は、本発明の「粉粒体通過孔」としての多数の角孔(図18(A)参照)或いは円孔(図18(B)を参照)が打ち抜かれたパンチングメタル(打抜金網)でもよいし、エキスパンドメタルや織網でもよい。
【0071】
(6)上記実施形態では、受容器99を電子天秤60上に載置して、受容器99に収容された粉粒体の重量を計測していたが、粉粒体を収容した粉粒体供給装置90全体の重量を常時計量して、粉粒体の排出に伴う粉粒体供給装置90の重量の減少量を受容器99に収容された粉粒体の重量として計測してもよい。このようにすれば、受容器99を取り替える毎に風袋引きを行う手間が省け、複数の受容器99に効率よく粉粒体を量り取ることができる。
【0072】
(7)前記実施形態では、水平な容器内円板38を備えていたが、容器内円板38に換えて、下方に向かうに従って拡径した円錐状部材を設けてもよい。このようにすれば、粉粒体容器10内に投入された粉粒体が自重で中間段差壁111へと落下するので、上面待ち受けガイド39が不要となる。
【0073】
(8)下端部と底壁30との間隔を全て異ならせたアーチ粉砕脚部を3つ以上備えていてもよい。
【0074】
(9)第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27の鉛直方向に対する傾斜角度を異ならせてもよい。
【0075】
(10)第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27は、軸心プレート25,211から鉛直下方に延びて、途中で下方に向かうに従って旋回方向の後方へ向かうように斜めに延びていてもよい。
【0076】
(11)大径筒部10の粉粒体圧力が小径筒部12内に圧力変動を及ばさない場合及び粉粒体容器10に少量の粉粒体しか入れない場合は、容器内円板38を用いなくても良い。
【0077】
(12)上端キャップ13、固定筒体32、下端キャップ33は何れも螺合によって締結される構成であるが、フランジ合わせ、ヘルールクランプ方式などの他の締結構造であってもよい。
【0078】
(13)第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27の長さ比(アーチ粉砕脚部26,27の下端部と底壁30との間隔の比)は、粉粒体の特性や必要とする粉粒体供給精度に応じて種々変更すればよい。
【0079】
(14)前記実施形態では、計量器を用いて粉粒体の重量を計測していたが、容器内回転部材21の回転数或いは回転時間を計測して、予め作成しておいた検量線から粉粒体の重量を求めてもよい。
【0080】
(15)前記実施形態では、第1及び第2のアーチ粉砕脚部26,27が、互いに180度離れた位置に配置されていたが、これよりも互いに接近した位置に配置してもよい。
【0081】
(16)第1のアーチ粉砕脚部26を比較的細い線材(例えば、ピアノ線等)で構成してもよい。このようにすれば、容器内回転部材21を比較的低速で回転させた場合に、極微少量ずつ粉粒体を排出させることができる。
【0082】
(17)図19に示すように、容器内回転部材21の軸心プレート25から下方に向かって帯板状の第2のアーチ粉砕脚部127が延びると共に、その第2のアーチ粉砕脚部127の下端部から、旋回方向の前方から見た幅が第2のアーチ粉砕脚部127よりも幅狭な第1のアーチ粉砕脚部126を延設した構造としてもよい。
【0083】
本構成であっても、上記実施形態と同等の作用効果を奏する。即ち、容器内回転部材21の回転スピードが比較的小さい場合には、図19(A)に示すように下端部と底壁30との間隔が小さい第1のアーチ粉砕脚部126だけが粉粒体アーチを崩し、回転スピードが比較的大きい場合には、図19(B)に示すように第1のアーチ粉砕脚部126に加えて、下端部と底壁30との間隔が比較的大きい第2のアーチ粉砕脚部126も粉粒体アーチを崩すようになる。
【0084】
(18)図20に示すように、複数のアーチ粉砕脚部200は、容器内回転部材21の回転中心に近い位置にあるアーチ粉砕脚部200ほど、下端部と底壁30との間隔が大きくなる(図20(A)参照)或いは小さくなる(図20(B)参照)ように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体計量システムの正面図
【図2】粉粒体容器の側断面図
【図3】粉粒体容器の側断面図
【図4】粉粒体容器の断面斜視図
【図5】粉粒体容器の平断面図
【図6】容器内回転部材の斜視図
【図7】容器内回転部材の平面図
【図8】底壁の斜視図
【図9】容器内回転部材及び底壁の平面図
【図10】粉粒体容器の下端部の部分拡大断面図
【図11】粉粒体アーチを第1のアーチ粉砕脚部が崩している状態を表す断面図
【図12】粉粒体アーチを第1及び第2のアーチ粉砕脚部が崩している状態を表す断面図
【図13】変形例(1)に係る(A)水平旋回部材の斜視図、(B)筒部内旋回部材の斜視図
【図14】変形例(1)に係る(A)水平旋回部材の平面図、(B)水平旋回部材の変形例の平面図
【図15】変形例(2)に係る(A)底壁の側断面図、(B)底壁の変形例の側断面図図
【図16】変形例(3)に係る容器内回転部材の(A)正面図、(B)部分拡大図
【図17】変形例(4)に係る底壁の平面図
【図18】変形例(5)に係る底壁の斜視図
【図19】変形例(17)に係る容器内回転部材の側面図
【図20】変形例(18)に係る容器内回転部材の側面図
【符号の説明】
【0086】
11 粉粒体容器
12 小径筒部
14 供給モータ
21 容器内回転部材
23 集粉羽(中間旋回部材)
26 第1のアーチ粉砕脚部
27 第2のアーチ粉砕脚部
28 付着粉粒体除去脚部
30 底壁
38 容器内円板
40 環状空間
90 粉粒体供給装置
111 中間段差壁
113 溝(渦巻きガイド)
114 突条(渦巻きガイド)
210 筒部内旋回部材(容器内回転部材)
301 スリット(粉粒体通過孔)
α1 安息角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容可能な粉粒体容器と、
前記粉粒体容器の底壁に貫通形成され、前記粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、
前記底壁の上方で回転する容器内回転部材と、
前記容器内回転部材から前記底壁に向かって延び、前記容器内回転部材の回転と共に旋回して前記粉粒体アーチに外力を付与して、前記粉粒体アーチを構成していた前記粉粒体を前記粉粒体通過孔から前記底壁の下方に強制落下させるための複数のアーチ粉砕脚部とが備えられ、
それら複数のアーチ粉砕脚部は、下端部と前記底壁と間隔が比較的小さい第1のアーチ粉砕脚部と、下端部と前記底壁との間隔が比較的大きな第2のアーチ粉砕脚部とを含んでなることを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のアーチ粉砕脚部は、下方に向かうに従って旋回方向の後方へと向かうように傾斜して延びていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体供給装置。
【請求項3】
前記アーチ粉砕脚部を前記旋回方向の前方から見た幅は、前記第1のアーチ粉砕脚部より前記第2のアーチ粉砕脚部の方が広いことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体供給装置。
【請求項4】
前記第1のアーチ粉砕脚部を間隔を空けて横並びに複数設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の粉粒体供給装置。
【請求項5】
前記複数の粉粒体通過孔は、前記アーチ粉砕脚部の旋回半径方向と交差する方向に延びたスリットであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の粉粒体供給装置。
【請求項6】
前記容器内回転部材から前記底壁に向かって延びかつ、前記粉粒体容器の内側面に付着した粉粒体を削ぐための付着粉粒体除去脚部を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の粉粒体供給装置。
【請求項7】
前記粉粒体容器には、前記アーチ粉砕脚部が内部を旋回する小径筒部と、前記小径筒部の上方に配置されて前記小径筒部より内径が大きな大径筒部と、前記大径筒部の側壁の下端部と前記小径筒部の側壁の上端部との間を接合する平板状の中間段差壁とが備えられ、
前記大径筒部の下端部中央に配置されて、前記小径筒部の上面開口を覆い且つ前記中間段差壁との間に隙間をあけて対向し、前記大径筒部の側壁との間に環状空間を形成する容器内円板と、
前記容器内円板の下方に設けられ、その容器内円板と前記中間段差壁との間の前記隙間を通って前記容器内円板より外側に延び、前記容器内回転部材の回転と共に旋回して、前記中間段差壁上に堆積した粉粒体を前記小径筒部の内部に引き込む中間旋回部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の粉粒体供給装置。
【請求項8】
前記中間段差壁の上面に形成されて突条構造又は溝構造をなして延び、一端部から他端部に向かうに従って湾曲しながら前記中間段差壁の中央における前記小径筒部の上面開口に向かって接近した複数の渦巻きガイドを備え、
前記中間旋回部材は、前記渦巻きガイドの一端部から他端部へと向かうように旋回することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の粉粒体供給装置。
【請求項9】
前記渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかに沿って延びたことを特徴とする請求項8に記載の粉粒体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図3】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−40482(P2009−40482A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209234(P2007−209234)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(302055139)
【Fターム(参考)】