説明

粉粒体移送装置

【課題】 処理槽自体を系外に搬出することなく、かつ粉粒体を一切外部曝露することなく、処理槽に粉粒体を効率的に供給することを可能とする粉粒体の移送装置を提供する。
【解決手段】 粉粒体50の供給を密閉系で行う粉粒体移送装置であって、該移送装置は処理槽20と、内部に粉粒体を充填した可搬性のあるホッパー10と、ホッパーと処理槽とを連通し、ホッパー内の粉粒体を処理槽に供給する粉粒体供給管30と、ホッパーと処理槽とを連通し、ホッパーと処理槽の内部圧力を均一化させる均圧管40とからなり、さらにホッパーおよび粉粒体供給管の内壁面の電気比抵抗が1×10-6[Ω・m]以下であることを特徴とする粉粒体移送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形状の粉粒体を内部で移送し、受取側の容器に該粉粒体を供給する装置に関し、特に粉粒体を気中曝露できない環境下において粉粒体を効率よく移送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造分野では、半導体装置の製造プロセスにおいて使用したガスや液体中の有害物質や環境汚染物質を、固形状物質との反応、または吸着剤への吸着によって固定除去している。例えば、地球温暖化の原因とされるパーフロロカーボン類は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との接触反応処理により除去される。また、パーフロロカーボン類のうち、高次炭素系のものはゼオライトなどの無機物質への吸着により除去される。また、活性炭やシリカなども含め、固形状の吸着物質は、一般にその比表面積を増大させることと、充填のしやすさという理由から粉粒体状で気体の除去処理に用いられる。
【0003】
固形状粉粒体は、一般に筒状容器からなる処理槽に充填し、その処理槽にガスや液体を通過させることにより有害物質や環境汚染物質の固定除去に供せられるものである。しかし、半導体装置は一般に極めて高いレベルのクリーンルーム内で製造されており、粉粒体充填容器の外部雰囲気に対する空気清浄度の要求が厳しいことから、上記粉粒体の交換時には発塵が問題となる。そこで従来は、固形状粉粒体の充填や廃棄においては、固形状粉粒体を充填した処理槽ごと取り外し、発塵防止などの処置を施した後、別の場所へ該容器を搬出移動して、固形状粉粒体の交換作業を実施していた。
【0004】
しかし固形状粉粒体を充填した処理槽ごと交換をする場合、これが大型の場合は少なくとも複数人によって、リフトなどの大型機械設備を用いた交換作業が必須で、交換に手間がかかると共に費用が高価になるという問題があった。また、固形状粉粒体を充填した交換用の処理槽を事前にもう一式準備しておく必要があり、準備にも多大な時間を要していた。さらに、固形状粉粒体の全量を交換する場合はともかく、例えば不足分を少量追加したい場合であっても大型の処理槽を一旦取り外してクリーンルーム外部にて充填作業を行う必要があるなど、システムの柔軟な運転を妨げる要因ともなっていた。
【0005】
一方、空気清浄度の要求が高くないその他の分野においては、粉粒体をホッパーから所定の供給先に移送することで、かかる供給先の容器等の取り付け/取り外しをすることなく粉粒体を供給することのできる発明がこれまでに各種提案されている。例えば特許文献1(特開平5−221531号公報,段落[0011])には、上部に触媒導入口を有し、かつ底面から自然落下を利用して触媒を供給する触媒供給口とを備えたホッパーと、ホッパーより受け入れた触媒を連続的に反応容器に供給する触媒連続供給装置と、これらの内部圧力差を調整する均圧管などからなる粉体触媒連続供給装置に関する発明が記載されている。
【0006】
特許文献2(特開平11−35156号公報,段落[0015][0016])には、ホッパーから容器に粉体を供給する装置であって、容器の上部および下部とホッパーとを連結する二重の均圧管を有する粉体供給装置の発明が記載されている。
【特許文献1】特開平5−221531号公報
【特許文献2】特開平11−35156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記特許文献1および2に記載の発明はいずれもポリオレフィンの製造装置に関するものであって、系外からホッパーに供給する粉粒体またはホッパーから容器等に移送する粉粒体の外部曝露を厳密に防止するものではない。ところが、例えば半導体製造装置などの分野における排出ガスの吸着、除去処理を行う処理槽については、上述のように外部雰囲気の空気清浄度について極めて高いレベルの要求が課せられるため、上記各文献に記載の粉粒体供給装置をそのまま使用することはできず、現状では大型の処理槽自体をそのまま系外に搬出して、内部に粉粒体を充填する方式を採らざるを得ないという問題があった。
【0008】
本発明は、処理槽自体を系外に搬出することなく、かつ粉粒体を一切外部曝露することなく、処理槽に粉粒体を効率的に供給することを可能とする粉粒体の移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる粉粒体移送装置は、
粉粒体の供給を密閉系で行う粉粒体移送装置であって、処理槽と、内部に粉粒体を充填したホッパーと、ホッパーと処理槽とを連通しホッパー内の粉粒体を処理槽に供給する粉粒体供給管と、ホッパーと処理槽とを連通しホッパーと処理槽の内部圧力を均一化させる均圧管とからなることを特徴とする。
【0010】
また本発明にかかる粉粒体移送装置は、ホッパーを移動可能とすることが好ましい。
【0011】
また本発明にかかる粉粒体移送装置においては、ホッパーおよび粉粒体供給管の内壁面の電気比抵抗が1×10-6[Ω・m]以下であり、かつ、ホッパーと処理槽とが連結された状態で、前記内壁面がアース接地されることが好ましい。
【0012】
また本発明にかかる粉粒体移送装置においては、ホッパーおよび/または粉粒体供給管が、内壁面に金属メッキを施した樹脂材料からなることが好ましい。
【0013】
さらに本発明にかかる粉粒体移送装置においては、
粉粒体供給管の管端であって処理槽と連結される接続口から、粉粒体供給管の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段と、
処理槽の開口端であって粉粒体供給管と連結される接続口から、処理槽の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の粉粒体移送装置(以下「移送装置」と略記することがある。)によれば、ガス吸着物質などの粉粒体を処理槽に供給するに際し、処理槽全体を系外に搬出してからその内部に粉粒体を充填する従来の方式ではなく、粉粒体を予め内部に充填したホッパーから処理槽にこれを移送する方式としたため、作業時間とコストを大幅に低減することができる。またかかる方式により粉粒体の交換時間が短縮されたことに伴い、移送装置と関係する半導体製造装置等の休止時間も短縮されるため製造設備全体の稼働率を上げることができる。
【0015】
また本発明の粉粒体移送装置によれば、ホッパーから処理槽への粉粒体の移送が密閉系で行われるため、粉粒体の外部曝露がなく、クリーンルームなどの防塵環境下においても粉粒体を好適に移送することができる。
【0016】
また、ホッパーと処理槽とを粉粒体供給管および均圧管によって連通したことにより、かかる密閉系で粉粒体を移送する場合であっても、均圧管によって常にホッパー内部と処理槽内部の圧力を均一に保つことができるため、安定的かつ速やかな粉粒体の移送が可能である。すなわち均圧管を用いない場合、系の高い密閉性ゆえ、粉粒体がホッパーから処理槽に移動すると、それぞれ処理槽の内部が高圧に、ホッパーの内部が低圧になり、以後の粉粒体の移動が妨げられることとなる。これは粉粒体供給管の内部における粉粒体の通過速度が速くなるほど顕著となる。かかる圧力差は粉粒体の移送時間の遅延や目詰まりの原因となるところ、ホッパーと処理槽とを均圧管で連結することによって、かかる圧力差をただちに解消し、大気開放された条件での移送作業と同等の粉粒体の流動性を得ることができる。
【0017】
さらに本発明にかかる移送装置は、かかる良好な流動性をもって粉粒体を処理槽に供給可能であるため、たとえ粉粒体供給管が歪曲していたとしても、粉粒体の移送を促進するための付加的な装置として、例えばエアレーション装置や排出機構などを不要とすることができる。よって外部からのユーティリティである圧送空気や電力を使用することなく粉粒体の移送作業が可能であり、また装置の簡略化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる粉粒体移送装置1の概念図である。10はホッパー(供給側容器)、20は処理槽、30は粉粒体供給管、40は均圧管、50および52は粉粒体である。また12はホッパーの天板、21は処理槽の下部に設けられた通気室、22は粉粒体排出口、23は排気口、24はプラズマ発生装置、33は弁を表す。
【0019】
ホッパー10は、予め内部に粉粒体50を充填された粉粒体の供給側容器であり、その材質や形状、寸法は特に限定されない。耐久性、加工性、入手性などの観点から金属や樹脂材料が好適に用いられ、特に後述する導電性の観点からは金属材料、または内壁面に金属メッキを施した樹脂材料等が特に好適に用いられる。
【0020】
ホッパー10に設けられる外部インタフェースとしては、粉粒体供給管30および均圧管40との各接続口のほか、粉粒体50の投入口を要する。また必要に応じ、パージガスの吸排気口を設ける。ただし該投入口や吸排気口の形状や場所は特に限定されず、例えば投入口については図1に示すように上部開口と天板12との組み合わせとするほか、粉粒体供給管30または均圧管40の接続口を兼用することも可能である。パージガスの吸排気口についても、粉粒体供給管30または均圧管40の接続口を兼用できる。粉粒体供給管30または均圧管40の接続口を粉粒体の投入口と兼用する場合、シーリングが比較的容易であり、また外部インタフェース数が削減されることで、よりホッパー10の気密性および防塵性が高められ好適である。
【0021】
粉粒体50(52)は、本発明にかかる粉粒体移送装置1によって系内で移送される粒状の固形物である。該移送装置1を、半導体製造装置からの排出ガスの吸着除去処理に用いる場合、ゼオライトや活性炭などの吸着材料が特に好適に用いられ、また排出ガスの反応除去処理に用いる場合、ゼオライト上に反応剤となるアルカリ金属またはアルカリ土類金属系反応剤を坦持させたものや、カルシウムの酸化物または水酸化物などの反応材料が好適に用いられる。なお、いずれの吸着材料や反応材料においてもその粒径は0.5〜10mmが好ましく、さらに機能上は1〜5mmの粒径が好適である。ただし、粉粒体はこれらに限定されるものではなく、例えば、触媒、塗料、粉体燃料、金属製品や樹脂製品などの原材料、土(クレイ)、小麦粉などの食品材料等から一種または二種以上を混合して用いることも可能である。また粉粒体の平均粒径や密度は特に限定されるものではない。
【0022】
粉粒体の特性を表す代表的な指数として流動性指数と噴流性指数とがある。流動性指数は、静止している粉粒体が流れ出す際の流れ出しやすさを表した数値であり、噴流性指数は、流動している粉粒体の止まりやすさや飛散しやすさを表した数値である。これらの指数の算出法は一通りではなく、粉粒体の安息角、崩潰角、その他のパラメータから総合的に判断される。本発明にて移送される粉粒体の流動性指数および噴流性指数は特に限定されるものではないが、流動性指数が70以上、さらに好ましくは90以上であると良好な粉粒体の流動性が得られ好適である。また噴流性指数が60以下、さらに好ましくは25以下であるとフラッシングを回避し、粉粒体の安定した流動を得られ好適である。ただし本発明にかかる移送装置1は粉粒体のもつ流動性を良好に維持しつつこれを移送させるものであるため、粉粒体の流動性指数および噴流性指数は上記範囲内に限定されない。
【0023】
処理槽20はホッパー10から粉粒体を供給される容器であり、内部において、供給された粉粒体52を使用して、例えば半導体製造装置から排出される有害ガスの吸着除害処理や触媒反応などを行うものである。その材質や形状、寸法は特に限定されないが、図1に示すようにプラズマ発生装置24が連結されてラジカルイオンなどの活性物質が供給される場合、処理槽20は、鉄やクロムなどの金属材料を母材とし、さらに内表面には耐食性の酸化クロム、酸化アルミまたは酸化鉄などを表面に析出させるための熱処理や、これらの耐食性を有する材料のメッキを施すことが好適である。
【0024】
粉粒体供給管30は、ホッパー10と処理槽20とを連通し、ホッパー10に充填された粉粒体50を処理槽20に導入するための配管である。材質、経路長、断面形状および中心線形状は特に限定されるものではないが、粉粒体50の滑らかな流通や、後述する導電性の観点からは金属、または金属メッキを内壁面に施した樹脂等からなる円管とすることが好適である。
【0025】
本発明の粉粒体移送装置1では、ホッパー10と処理槽20とを粉粒体供給管30で直接連通させることが好適である。すなわち、ホッパー10と処理槽20との間には粉粒体50のストック部や、粉粒体50の流動を促進するための装置等を設けず、両者を粉粒体供給管30で直接連通させることにより、粉粒体50の外部曝露の発生箇所となりやすい配管インタフェースの数を最小限とすることができる。
【0026】
ホッパー10は、移送装置1に連結されて粉粒体50を処理槽20に移送する際は、処理槽20の上方に設置される。これにより、弁33を開くことで、粉粒体50はその自重により粉粒体供給管30を通じてホッパー10から処理槽20に移送される。したがって粉粒体供給管30の形状はホッパー10から処理槽20へと至る鉛直の直管が一般的である。しかし、図1に示すように処理槽20の上面中央にはプラズマ発生装置24など、他の設備装置が設置される場合も多く、かかる場合はホッパー10を処理槽20の上方で横方向にオフセットして設置し、粉粒体供給管30の形状を、同図のように曲がり部をもつ略L字状や円弧状等として、他の設備装置と干渉せぬように引き回すことも可能である。
【0027】
ホッパー10と処理槽20が鉛直の直管で結ばれる場合と比較して、粉粒体供給管30が略L字状であることにより、該管30内における粉粒体50の流動性は低下する。そこで、かかる条件下でも粉粒体の目詰まりや移送速度の低下を回避するため、本発明においては均圧管40を導入するとともに、ホッパー10や粉粒体供給管30の内部における静電気の発生を防止することとしている。
【0028】
またこの他、ホッパー10または粉粒体供給管30の外壁面には超音波発振器を着設してこれを加振し、粉粒体50の滞留や噴流の発生を防止し、均一かつ効率のよい移送を促進することができる。
【0029】
均圧管40は、ホッパー10と処理槽20とを連通し、ホッパー10と処理槽20の内部圧力を均一化させるための配管である。均圧管40の内部は基本的に系内の空気またはパージガスなどの充填ガス(エアー)のみが流動するものであるため、粉粒体の移動に伴って生じる装置内部の圧力差を速やかに解消できるだけの開口面積を有していれば、その材質や経路長、断面形状および中心線形状は特に限定されるものではない。均圧管40は、ホッパー10より移送される粉粒体50の体積、およびこれが一緒に処理槽20に運び込む周辺の付着エアーの体積に相当するエアーを処理槽20からホッパー10へ戻し、ホッパー10と処理槽20の内圧を同レベルにする。すなわち、粉粒体52および付着エアーの流入によって圧縮された処理槽20内の高圧気体をホッパー10側に流動させて、ホッパー10で生じる負圧を解消し、粉粒体50の排出を促進する働きをするものである。これにより、ホッパー10、処理槽20、粉粒体供給管30および均圧管40からなる系は密閉されて高い気密性を有しているが、内部に作られた閉サイクルを充填ガスが循環するため、粉粒体の移送が大気開放下と同様の条件で行われることとなる。
【0030】
均圧管40の設けられる位置は特に限定されない。ホッパー10側、処理槽20側とも、粉粒体50,52が浸入して流路を狭めることがなく、かつエアーの十分な流動性が得られる限り、その高さ方向および周方向の接続位置は任意である。粒径の小さな粉粒体を移送する場合、ホッパー10および処理槽20は、それぞれ上部同士を連結することでかかる条件を満足することができる。ただし、特にミリメートルオーダーの粒径をもつゼオライトのように、粉粒体がホッパー10や処理槽20に充填された状態でも所定の空隙を有する場合は、均圧管40の接続位置は図1に示すように、ホッパー10に充填された該粉粒体50の内部や、粉粒体52の充填された処理槽20の下部に設けた通気部21としてもよい。この場合、ホッパー10においては、粉粒体50の内部に向けて均圧管40よりエアーが排出されるため、粉粒体50の流動を促進するエアレーション装置としての機能が得られる。また処理装置20においては、粉粒体供給管30より導入されて処理装置20の内部を飛散している粉粒体52を均圧管40から吸引してしまうことがなく、またプラズマ発生装置24から均圧管40を隔離することで内面の腐食を防止できるという利点がある。
【0031】
また本実施の形態にかかるホッパー10は、移送装置1から取り外して移動可能とすることが好適である。移送装置1からホッパー10を取り外すに際しては様々な方式を採ることが可能であり、例えば、以下の各方式の中から適宜選択できる。
(A)粉粒体供給管30および均圧管40を、ホッパー10との接続部近傍において分離し、ホッパー10のみを移送装置1から取り外す方式
(B)粉粒体供給管30および均圧管40を、処理槽20との接続部近傍において分離し、ホッパー10および両管30,40をともに移送装置1から取り外す方式
(C)粉粒体供給管30および均圧管40の中間に分離部を設け、ホッパー10および両管30,40の一部を移送装置1から取り外す方式
【0032】
本実施の形態にかかる図1においては、上記(B)の方式を模式的に示す。すなわち粉粒体供給管30および均圧管40のうち、処理槽20側の各先端にはそれぞれ継手31および41が設けられている。粉粒体供給管30および均圧管40と、継手31および41との連結部32,42には、それぞれ接続口32a,32bおよび42a,42bが設けられている。接続口32aおよび42aは処理層20側に設けられた開口端であり、接続口32bおよび42bは粉粒体供給管30および均圧管40の管端に設けられた開口端である。また、継手31は、接続口32aと反対側の先端部を処理槽20の内部に突出させることで、粉粒体供給管30より供給された粉粒体を、処理槽20の略中央に投入し、処理槽20内に均一に充填できるようになっている。
【0033】
粉粒体供給管30と連接する継手31の材質は特に限定されないが、処理槽20と同様、鉄やクロムなどの金属材料を母材とし、少なくともその内表面および処理槽20の内部に突出する先端部の外表面については、酸化クロム、酸化アルミ、酸化鉄などの耐食性のメッキを施すことが好適である。また、形状も特に限定されるものではないが、粉粒体50との接触により上記メッキの損耗を防止する観点から直円管が好ましい。すなわち、継手31に曲がり部(エルボー)が存在すると、その外側ほど粉粒体の流動速度が速くなり、またエルボー外側にあたる継手31の内壁面には粉粒体が衝突しやすいため、かかる箇所のメッキは粉粒体によって削られやすい。一方、継手31は処理槽20に固定されており、粉粒体の移送作業が完了してホッパー10、粉粒体供給管30および均圧管40が取り外された後も継手31は処理槽20に残される。よって処理槽20において例えば半導体製造装置より排出されるガスの除害および吸着処理が行われる場合、継手31の内面はプラズマ発生装置24から供給されるラジカルイオンやハロゲン系ガスに曝されるため、表面に施されていた耐食性のメッキが剥離して母材が露出していると、該母材が浸食されるという問題が生じる。
【0034】
粉粒体供給管30および均圧管40と、処理槽20との連結部32,42はそれぞれ気密性を保持すべくシールされ、粉粒体の漏出による外部曝露を防止することが好適である。例えば、連結部32および42をそれぞれKF(NW)フランジにより構成することで高い気密性が得られる。また、粉粒体供給管30および均圧管40とホッパー10との連結部、およびホッパー10への粉粒体50の投入口についても、同様に高い気密性を有することが粉粒体の外部曝露を防止するために好適である。具体的には、本発明の移送装置1においては、粉粒体供給管30および均圧管40のすべての連結部においてリークタイトレベルが1×10-2[Pa・m3/s]以下であることが好ましい。
【0035】
粉粒体供給管30を、連結部32において処理槽20の継手31に取り付け/取り外しをする際には、内部に残留する粉粒体の飛散を防止するため、接続口32a,32bよりそれぞれの内部に向かって周辺空気を吸引しながら実施することが好適である。すなわち、接続口32aより処理槽20の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段と、接続口32bより粉粒体供給管30の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段とを設けるとよい。これらの吸引手段は、一台または複数台の吸引ポンプにより実現することができ、具体的な台数や配置は特に限定されるものではない。例えば、処理槽20の排気口23に設けた一の吸引ポンプと、ホッパー10の図示しないパージガスの吸排気口に設けた他の吸引ポンプによりそれぞれ周辺空気を吸引するとよい。この場合、均圧管40がホッパー10および処理槽20に取り付けられているか否かによらず所望の吸引力を発生させることができる。また、均圧管40にてホッパー10と処理槽20とを連通させた状態で、処理槽20の排気口23より一台の吸引ポンプにて系内の空気を外部排出することでも、接続口32a,32bを減圧し、それぞれ内向きに吸引力を発生させることができ好適である。
【0036】
均圧管40を、連結部42において処理槽20の継手41に取り付け/取り外しをする際にも、内部に残留している可能性のある粉粒体の飛散を防止するため、接続口42a,42bよりそれぞれの内部に向かって周辺空気を吸引しながら実施することが好適である。具体的な方法は、上記した粉粒体供給管30と処理槽20の連結部における吸引手段と同様とすることができる。
【0037】
上記の吸引手段に替えて、またはこれと併用して、粉粒体供給管30および均圧管40を処理槽20の継手31,41に取り付け/取り外しをする際には、内部に残留する粉粒体の飛散を防止するため、連結部32,42を気密室で被覆してこれを行うことも好適である。具体的には、気密性の高い作業用の防塵カバーで連結部32(42)を覆い、その内部にて接続口32a,32b(42a,42b)の開口および連結を行うとよい。
【0038】
ホッパー10がかかる可搬性を有することにより、本発明の移送装置1の系内に粉粒体を導入する前工程として、防塵要求のない遠隔地にてホッパー10に粉粒体50を効率よく短時間で充填することが可能となる。その後、内部に粉粒体50を充填して開口部をシールしたホッパー10を、クリーンルームなどの防塵環境下に搬入し、粉粒体供給管30および均圧管40に取り付け、前記開口部のシールを除去し、粉粒体50をホッパー10から処理槽20にむけて移送させることで、外部雰囲気に対する発塵をすべての工程において抑えながらも効率よく系内に粉粒体を供給することが可能となる。
【0039】
ホッパー10および粉粒体供給管30のうち、粉粒体50と接触する面は良好な導電性を有することが好ましい。具体的には、ホッパー10の下部内壁面および粉粒体供給管30の内周面(以下、「粉粒体接触面」という。)の電気比抵抗が1×10-6[Ω・m]以下、好ましくは1×10-7[Ω・m]以下であることが好適である。粉粒体接触面は全体にわたって高い導電性を有していることが好ましいが、粉粒体と粉粒体接触面との接触や擦過により生じる静電気的な帯電を低減する目的を果たす観点からは、一部に不良導部分を有していてもよい。かかる粉粒体接触面または粉粒体50の流動によって生じる静電気の電位差が20V以下、好ましくは5V以下であることが、粉粒体同士または粉粒体と粉粒体接触面との間に発生するクーロン力の抑制の観点から好ましい。すなわち、粉粒体と粉粒体接触面とが互いに接触および擦過することにより正負の静電荷を帯びると、これらの間にはクーロン力による引力が生じ、粉粒体が粉粒体接触面に付着するため、粉粒体供給管内の目詰まり、ホッパー内に粉粒体が取り残されて排出が止まってしまうアーチングやブリッジ、さらにホッパー出口の直上の粉粒体のみが排出されて中央に穴のあいてしまうラットホールなどの原因となる。また、かかる静電荷に基づくクーロン力により粉粒体接触面に粉粒体が付着すると、移送作業が終了して粉粒体供給管30を処理槽20の継手31から分離する際に、これが飛散して外部曝露する原因となる。よって、粉粒体接触面の導電性を高め、静電荷の帯電を防止することが好適である。
【0040】
また、粉粒体接触面はアース接地されていることがさらに望ましい。前記導電性材料の使用とアース接地の実施により、粉粒体50の移送により発生する静電気を防止し、または生じた静電気の速やかな除去が図られ、より微細な粉粒体についても効率的な移送が可能となる。
【0041】
具体的には、粉粒体接触面は、鉄、アルミ、銅またはこれらの合金に例示される金属材料を用いるほか、表面に導電性の高い金属メッキを施した樹脂材料等を用いることが好適である。ホッパー10の内壁面については、内部に充填される粉粒体50の深さに相当する部分において所定の導電性があれば足りる。具体的には、粉粒体接触面においては、表面の電気比抵抗が1×10-6[Ω・m]以下となるよう、金属材料を用いるか、または金属材料または非金属材料に対してシアン化銅などの銅メッキ、燐酸ニッケルなどのニッケルメッキ、鉄メッキ、チタンメッキ、クロムメッキ、すずメッキ、ブロンズメッキ、金メッキ、銀メッキ、ロジウムメッキ、パラジウムメッキ、白金メッキ、またはこれらの合金メッキなどから一つ以上を選択して施すことができる。メッキ法を電気メッキまたは無電解メッキのいずれから選択するかは母材の種別等により適宜選択できる。例えば樹脂材料にメッキを施す場合、母材表面の洗浄およびエッチング処理の後、触媒付与工程により無電解メッキの最初の析出に必要な触媒核を形成し、無電解メッキ工程により電導性皮膜層を形成させることが一般的である。また無電解メッキ後、所定の導電性が得られるまで電気メッキにより皮膜厚さ数十μmまで電着させることも好適である。
【0042】
内壁面に金属メッキを施した樹脂材料からなるホッパー10や粉粒体供給管30は、樹脂ゆえの軽量性、加工性、耐久性、耐食性等の利点が得られるとともに、上記の通り導電性が良好となることから粉粒体50の流動性が阻害されず、本発明にかかる粉粒体移送装置1として好適に用いられる。
【0043】
また粉粒体接触面は、それぞれアース接地(アーシング)をすることで、粉粒体との間に生じる静電荷をグラウンディングにより除去することができる。ホッパー10が処理槽20と連結された状態において、粉粒体接触面がともにアーシングされている限り、その具体的な方式は特に限定されない。例えばホッパー10および粉粒体供給管30の導電性の内壁面にそれぞれアースケーブルを直接接続する方式、それぞれの外壁面と内壁面とを導通させて外部にアースケーブルを接続する方式、ホッパー10と粉粒体供給管30をそれぞれ処理槽20と導通させた上で、処理槽20をアース接地する方式など、様々である。
【0044】
粉粒体移送装置1の全体についても、外部雰囲気との接触面の導電性を高め、かつアース接地をすることで、該移送装置1をクリーンルーム内で好適に用いることができる。具体的には外表面の電気比抵抗を1×10-6[Ω・m]以下、かつ静電気の電位差が5V以下とし、導電性コロなどでアース接地するとよい。
【0045】
以下、図1の粉粒体移送装置1を用いた粉粒体の移送方法を具体的に説明する。ただし特に粉粒体の排出や充填の順序などにつき、本発明にかかる粉粒体の移送方法はこれに限られない。まず、処理槽20の内部に使用済み粉粒体52が存在する場合は、これを外部曝露せぬよう真空排出装置等を用いて排出する。かかる真空排出時には、処理槽20内には空気または不活性ガスなどの充填ガスを導入しておく。かかる充填ガスの供給場所は、処理槽20の内部を所定の圧力以上にできる限り特に限定されず、また導入箇所は複数であってもよい。このとき、ホッパー10は粉粒体供給管30および均圧管40とともに移送装置1から外され、継手31,41の接続口32a,42aはキャップにより封止されている。なお、真空排出装置にはサイクロンを併用したものを用いてもよい。サイクロンを用いることによって、真空排出装置前段で粉粒体と気体とをより容易に分離することができる。ただし粉粒体52の排出が不要の場合は、上記の抜き出し作業は不要である。
【0046】
一方、系外に搬出されたホッパー10には、弁33を閉止した状態で、フレッシュな粉粒体50を内部に充填する。移送装置1はクリーンルームなどの防塵仕様環境下で用いられる場合があるところ、かかる可搬式のホッパー10への粉粒体50の充填作業は遠隔地にて行うことができるため、該作業は粉粒体の外部曝露に配慮せず迅速に行うことができる。図1では、粉粒体50を充填する開口部として、上部開口とこれを覆う天板12の組み合わせ方式を採っている。ただし、ホッパー10を移送装置1に取り付けた状態では、粉粒体の外部曝露を防ぐ観点から移送装置1の全体として気密性を保つ必要がある。このとき、弁33が閉止されているため、粉粒体供給管30の接続口32b側の先端には粉粒体50は流通および付着をしない。また均圧管40の途中にも図示しない開閉弁を設け、粉粒体50が均圧管40の接続口42b側の先端に付着することを防止しておく。
【0047】
粉粒体50を充填されたホッパー10は、処理槽20の上方に設置され、粉粒体供給管30および均圧管40を介して処理槽20に連結する。かかる連結作業に際しては、処理槽20の内部に残留する粉粒体52が周辺空気に飛散することを防止する必要がある。そこで、処理槽20の排気口23より図示しない吸引ポンプにて処理槽20内の空気を吸引しながら粉粒体供給管30および均圧管40の連結を行う。具体的には、該吸引ポンプにより処理槽20内を減圧しながら接続口32a,42aより上記キャップを外し、さらに吸引を継続しながら接続口32a,42aのKFフランジのフランジ面を、接続口32b,42bのフランジ面と当接させ、さらにこれらをそれぞれクランプして気密状態に接合する。接合後、吸引ポンプによる吸引を停止する。これにより、ホッパー10が粉粒体供給管30および均圧管40を介して処理槽20と連結される。
【0048】
次に、粉粒体供給管30の弁33、および均圧管40の上記開閉弁を開くことで、ホッパー10と処理槽20とは連通し、また粉粒体50が自重により粉粒体供給管30内を移動し、処理槽20へと供給される。
【0049】
粉粒体の移送作業が終了したところで、ホッパー10は粉粒体供給管30および均圧管40とともに移送装置1より取り外され、系外に搬出される。このとき、特に粉粒体供給管30の内部に粉粒体が付着・残留しているおそれがあるため、その飛散による外部曝露を防止する必要がある。そこで、弁33を開いた状態で、処理槽20の排気口23より吸引ポンプにて系内を減圧しながら連結部32の連結を解除する。接続口32a,32bからは周辺空気とともに内部に残留するおそれのある粉粒体をそれぞれ粉粒体供給管30および処理槽20の内部に向けて吸引することができる。かかる吸引を継続しながら、接続口32a,32bをキャップにて封止する。封止後、吸引ポンプは停止する。
【0050】
次に、粉粒体の付着のおそれの低い均圧管40についても、粉粒体の外部飛散を極力防止するため、連結部42を気密性の高い防塵カバーにて被覆した状態で、その連結を解除する。かかる防塵カバーにて接続口42a,42bを被覆したまま、それぞれをキャップにて封止する。さらに、防塵カバーより継手41を抜き去り、防塵カバーは均圧管40とともに系外に搬出する。
【0051】
以上により、粉粒体50の外部曝露を防止しつつ、これをホッパー10から処理槽20に移送する作業が完了する。粉粒体50の移送が完了した後、処理槽20においては、例えばガスの吸着や触媒反応など所定の工程が実施される。
【実施例】
【0052】
以下、本発明について実施例を用いて更に具体的に説明する。実施例1では、図1の概念図に従って構成された粉粒体移送装置1を用いて移送試験を行った。比較例1乃至3では、図2乃至4の概念図に示される粉粒体移送装置100を用いて同様の試験を行った。粉粒体には、平均粒径1mmの合成ゼオライト7kgを、実施例1および比較例1乃至3において共通して用いた。
【0053】
(実施例1)
ホッパー10の天板12を大気圧下で封止し、ホッパー10、処理槽20、粉粒体供給管30および均圧管40からなる系を気密状態として、弁33を開いてから粉粒体がすべて処理槽20に移送されるまでの時間を計測した。結果として、所要時間は3分31秒であった。
【0054】
また、ホッパー10および粉粒体供給管30の各内壁面への粉粒体の堆積を目視観察した。ホッパー10および粉粒体供給管30に熱硬化性アクリル樹脂を用いた場合、同一の試験条件において2回の移送を連続して行ったところ、粉粒体供給管30のうち、接続口32b近傍のアクリル樹脂表面には、移送された粉粒体が1cm2あたり5個程度の割合で堆積することが観察された。
さらに粉粒体供給管30の接続口32b近傍には、粉粒体中に含有される直径0.5mm以下の小径粉体、および移送作業中に粉化した粉体が0.5mm程度の厚さで付着堆積していた。また、これらの粉体は付着力が比較的強く、容易に指で除去することはできなかった。
【0055】
一方、ホッパー10および粉粒体供給管30のアクリル樹脂表面に、いずれも厚さ5μmの無電解ニッケルメッキを施し、更にメッキ面から導線を介してアース接地を行った移送装置1を用いても同様に粉粒体の移送試験を行った。市販の四探針電極を用いてメッキ表面の電気比抵抗を測定したところ1×10-6[Ω・m]であった。かかるホッパー10および粉粒体供給管30により移送試験を4回繰り返してから目視観察を行ったところ、接続口32b近傍における、移送された粉粒体のメッキ面への堆積は、1cm2あたり1個程度の割合であった。
また接続口32b近傍への、上記小径粉体や粉化した粉体の堆積については、粉粒体供給管30の断面のうち、6時位置の部分のみに0.1mm厚さ程度の堆積が生じるにとどまった。
【0056】
(比較例1)
ホッパー10の天板12を開き、大気曝露させた状態で粉粒体のホッパー10から処理槽20への移送時間を計測した。また均圧管40は取り外した。ホッパー10、粉粒体供給管30、弁33、その他の試験環境は実施例1と同一とした。なお、ホッパー10および粉粒体供給管30の内壁面への金属メッキは施していない。結果として、所要時間は3分30秒であった。
【0057】
比較例1では、粉粒体の移送にかかる所要時間は実施例1とほぼ同等と良好ではあったが、粉粒体を大気曝露した状態で行った比較試験であり、防塵要求のある環境では用いることができない方式である。
【0058】
(比較例2)
ホッパー10の天板12を閉じ、ホッパー10、処理槽20、粉粒体供給管30からなる系を気密状態として、粉粒体の移送時間を計測した。また均圧管40は取り外した。その他の試験環境は比較例1と同一とした。結果として、所要時間は6分50秒であった。
【0059】
比較例2では、同量の粉粒体を移送するのに、実施例1と比較してほぼ2倍の時間を要している。これは実施例1から均圧管40を削除したことにより、粉粒体の移動に伴ってホッパー10の内部が低圧に、処理槽20の内部が高圧になり、粉粒体の流動性が損なわれたからと考えられる。
【0060】
(比較例3)
ホッパー10の天板12を閉じて系を大気より隔離した上で、ホッパー10に連通する窒素供給ライン42から20[L/min]=3.3×10-4[m3/sec]の流量で窒素ガスを供給しつつ粉粒体を移送する試験を行った。その他の試験環境は比較例2と同一とした。結果として、所要時間は5分0秒であった。
【0061】
比較例2に対し、比較例3ではホッパー10内部に発生する負圧状態を緩和すべく窒素ガスを供給したが、窒素供給ラインの設置や外部ユーティリティである窒素ガスを用いるコストに見合うだけの改善は見られなかった。
【0062】
結論として、実施例1によれば、均圧管40を設けたことにより外部ユーティリティを用いずに大気圧下と同等の高い流動性を得ることができた。また加工性や軽量性などの観点からホッパーや粉粒体供給管を樹脂材料で成形した場合も、内壁面に金属メッキ加工を施すことで十分な導電性が得られ、粉粒体の凝着を防止できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明にかかる粉粒体移送装置は、外部雰囲気の空気清浄度要求の高低によらず、また圧送空気や電力などの外部ユーティリティを用いずとも効率的に粉粒体を系内において供給側から受取側に移送・供給することが可能であり、また、移送および供給される粉粒体の種別、密度、平均粒径、その他の物性などについても特に限定されるものではないため、吸着材料、触媒、塗料、粉体燃料、製品の原材料、クレイ、食品材料などを対象として広く利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態にかかる粉粒体移送装置の概念図である。
【図2】比較例1にかかる粉粒体移送装置の概念図である。
【図3】比較例2にかかる粉粒体移送装置の概念図である。
【図4】比較例3にかかる粉粒体移送装置の概念図である。
【符号の説明】
【0065】
1,100 粉粒体移送装置
10 ホッパー
12 天板
20 処理槽
21 通気室
22 粉粒体排出口
23 排気口
24 プラズマ発生装置
30 粉粒体供給管
31、41 継手
32、42 連結部
32a、32b、42a、42b 接続口
33 弁
40 均圧管
42 窒素供給ライン
50 粉粒体(移送前)
52 粉粒体(移送後)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体の供給を密閉系で行う粉粒体移送装置であって、
処理槽と、内部に粉粒体を充填したホッパーと、ホッパーと処理槽とを連通しホッパー内の粉粒体を処理槽に供給する粉粒体供給管と、ホッパーと処理槽とを連通しホッパーと処理槽の内部圧力を均一化させる均圧管とを備えることを特徴とする粉粒体移送装置。
【請求項2】
ホッパーを移動可能に設けた請求項1記載の粉粒体移送装置。
【請求項3】
ホッパーおよび粉粒体供給管の内壁面の電気比抵抗が1×10-6[Ω・m]以下であり、かつ、ホッパーと処理槽とが連結された状態で、前記内壁面がアース接地されることを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体移送装置。
【請求項4】
ホッパーおよび/または粉粒体供給管が、内壁面に金属メッキを施した樹脂材料からなる請求項3記載の粉粒体移送装置。
【請求項5】
粉粒体供給管の管端であって処理槽と連結される接続口から、粉粒体供給管の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段と、
処理槽の開口端であって粉粒体供給管と連結される接続口から、処理槽の内部に向けて吸引力を生じる吸引手段と、を備える請求項1から4のいずれかに記載の粉粒体移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−31107(P2007−31107A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219133(P2005−219133)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】