説明

粒子線測定方法および粒子線測定用モニタ装置

【課題】入射粒子線ビームが時間構造を持つ場合であっても、精度よく線量を測定できる粒子線測定用モニタ装置、粒子線測定方法および粒子線測定システムを提供する。また、粒子線ビーム強度が小さい場合であっても、オフセットノイズの影響を抑制できるようにすることおよび精度のよい位置モニタを行えるようにする。
【解決手段】粒子線が入射される容器1と、この容器内に配置された一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…および一つ以上の収集電極3i,3ii,…と、高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、収集電極に接続され、監視すべき粒子線量を計測する計測回路4とを有する粒子線測定用モニタ装置において、外部信号により計測回路を測定または非測定の状態に制御するための制御機構を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粒子線治療装置等に適用される粒子線測定方法および粒子線測定用モニタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、我国における死亡原因の約3分の1を占める癌の治療方法として、陽子や重粒子を用いた粒子線治療法が注目されている。この方法は、加速器から出射された陽子ビーム、あるいは重粒子ビームを癌細胞に照射することで、正常細胞にほとんど影響を与えることなく、癌細胞のみを死滅させることができる。
【0003】
この粒子線治療装置において、体内患部に照射する線量を制御するために線量モニタが使用される。すなわち、線量モニタで検出する照射線量が、治療計画であらかじめ決められた予定線量に到達すると、直ちにビーム停止命令がビーム制御装置に送られて治療ビームが停止される。したがって、体内への照射量制御の精度は、このモニタ装置の線量計測精度に依存することになる。線量モニタ装置としては、容器中に粒子線の電離作用により生じた電荷を平行電極で収集する電離箱や、容器内に配置された二次電子放出膜から放出される二次電子を計測するSEM装置などが用いられる。
【0004】
図15は、従来用いられている線量モニタ装置の概略構成図を示している。
【0005】
この図15に示すように、粒子線が入射される容器の内部に、一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および一つ以上の収集電極3i,3ii,…が配置され、これにより電離箱が構成されている。収集電極3i,3ii,…には、容器1に入射する粒子線ビーム量に応じた電荷が収集される。収集電極3i,3ii,…には、計測回路4が接続されており、計測回路4内のパルス出力部5にて、収集電極からの信号量に対応するパルス列が出力される。さらに、計測回路4内のカウンタ部6にて、パルス出力部5から送られたパルスの数をカウントすることにより照射線量が計測される。
【0006】
医療用粒子線照射装置では、計測回路4内のカウンタ部6で計測されたパルス数が、治療計画であらかじめ決められた既定パルス数に到達すると、ビーム制御装置にビーム停止命令が送られ、粒子線照射が停止される。なお、カウンタ部5に減算カウンタを用いて、あらかじめ入力された既定パルス数を減算してカウント数が0になったときにビーム停止命令を送るという使用法も一般的に用いられる。
【0007】
また、線量モニタとして、他の方法、例えば二次電子を収集するSEM装置であっても、同等の回路構成にて使用することができる。
【0008】
粒子線治療装置において用いられるモニタ装置として、線量モニタの他に、粒子線のビーム形状を計測するために用いるビーム形状モニタが知られている。ビーム形状モニタ装置には、例えば電離箱の電荷収集電極を複数の短冊状に加工したマルチストリップ型モニタや、収集電極を複数のワイヤで形成したマルチワイヤ型モニタが知られており、いずれもビーム形状に応じた分布が各ストリップ(マルチワイヤ型では各ワイヤ)より出力される。
【0009】
図16は、マルチストリップ型モニタの概略構成図を示している。
【0010】
この図16に示すように、容器11の内部に一つ以上の高電圧電極12i,12ii,…,および収集電極13i,13ii,…が配置されている。
【0011】
各収集電極13i,13ii,…は、1軸方向に電気的に非接続な多数のストリップに区切られた構成を持つ。これらストリップには計測回路14が接続されている。計測回路の内部には積分部17a,17b…が設けられ、各ストリップに収集された電荷に相当する電気量が貯えられる。積分部17a,17b…から出力される電圧は、A/D変換器(以下「ADC回路」と記す)18a,18b,…によりデジタル信号として取り出される。各ストリップに収集される電荷はビーム形状に対応するので、ADC回路18a,18b,…出力の分布は、ビーム形状に対応する分布を有する。
【0012】
ビーム形状モニタから出力されるビーム形状に異常がある場合、インタロック信号が制御システムに送信され、治療が中断される。
【0013】
従来行われている粒子線治療の方法は、2次元ワブラ法や二重散乱体法などと呼ばれる方法で、一つの粒子線照射により治療を行う方法である。粒子線治療のさらに進んだ治療法として、体内患部を3次元的に照射することにより、より高精度に癌細胞の狙い撃ちを行う方法が提案されている。この3次元照射法として代表的なものが、治療部位を仮想的に3次元格子点に切り分けて照射を行う治療法であり、3次元スポットスキャニング法と呼ばれている。
【0014】
この3次元スポットスキャニング法では、治療計画であらかじめ決められた照射線量に到達すると、線量モニタ装置からのビーム停止命令に基づいて粒子線照射が中断され、次の格子点の照射が行えるよう機器設定が変更される。そして、機器設定が終了後、引き続いて次の格子点の照射が行われる。この方法によれば、従来の照射方法の様に一度の照射で治療を行う場合と異なり、治療部位を多数の領域に分割して照射を行うため、各格子点の照射時間が短くなる。
【0015】
一方、医用粒子線加速器として、一般的に、シンクロトロン加速器が使用される。このシンクロトロン加速器から出射される粒子線ビームは、時間的に不連続なビーム出射パターンをもつ。すなわち、ビーム出射を一定時間(2秒程度)行った後、ビームが出射されない時間が一定時間(1秒程度)あり、このビーム出射パターンにしたがって、繰り返しビームが出射されることになる。
【0016】
3次元スポットスキャニング法における、3次元格子点の照射パターンとビーム出射パターンの関係を図17に示す。ここで横軸は時間軸である。
【0017】
図17に示すように、各格子点の照射時間は10ミリ秒から1秒程度であり、ビーム1周期よりも小さくなる。このとき、粒子線照射は1つのビーム出射(スピル)内で終わる場合(図中A領域)の他に、2つのスピルに跨る照射(図中B領域)が存在することになる。
【0018】
現実の線量モニタにおいては、漏電流や増幅器のオフセットが存在し、これが信号ノイズを生じさせる。図17のスポットスキャニング法の2つのスピルに跨る照射においては、例えば、実質のビーム照射が10ミリ秒程度であるのに対して、ビームが出ていない時間約1秒の間においても線量の測定を行うことになる。つまり、ビームが出ていない時間の計測によりSN比(以下、「S/N」と記す)を悪化させてしまうという問題がある。
【0019】
また、3次元スポットスキャニング法においては、他の治療方法と比較して、小さいビーム強度で使用される。これは、大きなビーム強度で照射した場合、各照射点における照射時間が短くなりすぎ、ビーム制御が間に合わなくなるためである。例えば、現在治療に用いられている2次元ワブラ法では、ビーム強度が1秒あたり10の8乗個の粒子数であるのに対して、3次元スポットスキャニング法では、1秒あたり10の7乗個程度であることが予想されている。ビーム強度が小さいということは、すなわちモニタ装置でより小さな電離量を検出することが必要であり、S/Nが悪化する要因となる。
【0020】
3次元格子点状にビームを照射する3次元スポットスキャニングなどの照射方法では、粒子線ビームの位置および形状によりビームを監視するシステムが必要である。ここでは、特にビーム位置をモニタすることを目的とすることから、ビーム位置モニタ装置と呼ぶことにするが、装置の構成自体は、上述したビーム形状モニタ装置と同様のものが使用される。ただし、3次元的照射法では線量モニタ装置と同じく、短時間照射で小電荷量の条件下で、精度よい位置算出およびビーム形状算出が必要となる。
【0021】
ビーム位置モニタ装置においては、粒子線によって電離されて生じた電荷が、各ストリップ(または各ワイヤ)に分散されて収集されるため、収集電極全面で収集をおこなう線量モニタ装置よりも、さらにノイズによる誤差がより大きく生じるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述の如く、従来の粒子線測定用モニタ装置およびそれを使用した測定方法では、入射粒子線ビームが時間構造を持つ場合に、精度よく粒子線の照射線量を測定できないという問題があった。
【0023】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、入射粒子線ビームが時間構造を持つ場合であっても、精度よく線量を測定できる粒子線測定方法および粒子線測定用モニタ装置を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、粒子線ビーム強度が小さい場合であっても、オフセットノイズの影響を抑制できるようにすることおよび精度のよい位置モニタを行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、上記の目的を達成するために以下のように構成されている。
【0026】
(1)本発明は、容器と、容器内に配置された一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極と、前記高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、収集電極に接続された計測回路とを有し、さらに、外部信号により測定または非測定の状態を制御するための機構を有する。
【0027】
この測定または非測定の状態を制御するための機構として、計測回路のパルス出力部に外部信号により出力または非出力の状態を制御するための機構を有する。また、計測回路のカウンタ部に外部信号によりカウントまたは非カウントの状態を制御するための機構を有する。さらに、計測回路の積分部に対して外部信号により入力または非入力の状態を制御するための機構を有する。
【0028】
なお、本発明に懸かる収集電極の形状として、複数に分割されて形成されたマルチチャンネル型が使用可能である。マルチチャンネル型として、複数にストリップ状に分割されて形成されたマルチストリップ型や、複数のワイヤで形成されたマルチワイヤ型が可能である。
【0029】
(2)本発明は、モニタ装置を有する粒子線測定装置において、モニタ装置のオフセット値測定部を有する。
【0030】
このオフセット値測定部として、時間を計測するためのクロックと、クロック数をカウントするためのカウンタ部を有する。また、オフセット値測定部として、ダミー測定部を配している。
【0031】
なお、本発明に係る収集電極の形状として、複数に分割されて形成されたマルチチャンネル型が使用可能である。マルチチャンネル型として、複数にストリップ状に分割されて形成されたマルチストリップ型や、複数のワイヤで形成されたマルチワイヤ型が可能である。
【0032】
即ち、請求項1記載の発明では、粒子線が入射される容器中に一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極を配し、前記収集電極が複数に分割されたマルチチャンネル型であり、前記容器内に生じた電荷を収集電極により収集して電荷量の測定を行う粒子線測定方法であって、各チャンネル出力値にディスクリレベルを設定し、そのディスクリレベルを超える出力を持つチャンネルの出力値のみからビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出することを特徴とする粒子線測定方法を提供する。
【0033】
請求項2記載の発明では、粒子線が入射される容器中に一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極を配し、前記収集電極が複数に分割されたマルチチャンネル型であり、前記容器内に生じた電荷を収集電極により収集して電荷量の測定を行う粒子線測定方法であって、あらかじめ指定されたビーム位置、あるいはビームサイズの情報をもとに演算を行うチャンネルの範囲を限定し、限定されたチャンネルの出力値のみからビーム位置またはビーム形状またはビーム強度を算出することを特徴とする粒子線測定方法を提供する。
【0034】
請求項3記載の発明では、粒子線が入射される容器と、この容器内に配置された一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極と、前記高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、前記収集電極からの出力の処理および演算を行う計測回路とを有する粒子線測定用モニタ装置において、前記収集電極が複数に分割形成されたマルチチャンネル型であって、各チャンネル出力値にディスクリレベルを設定し、そのディスクリレベルを超える出力を持つチャンネルの出力値のみからビームビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出する演算機構を備えたことを特徴とする粒子線測定用モニタ装置を提供する。
【0035】
請求項4記載の発明では、粒子線が入射される容器と、この容器内に配置された一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極と、前記高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、前記収集電極からの出力の処理および演算を行う計測回路とを有する粒子線測定用モニタ装置において、前記収集電極が複数に分割形成されたマルチチャンネル型であって、予め指定されたビーム位置およびビームサイズの少なくともいずれかの情報をもとに演算を行うチャンネルの範囲を限定し、限定されたチャンネルの出力値のみからビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出する演算機構を備えたことを特徴とする粒子線測定用モニタ装置を提供する。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、粒子線ビームが容器に入射しないときに測定を中断することができる、これにより、粒子線ビームが入射しないときのノイズ信号による出力を抑制することができる。したがって、従来に比して精度よい粒子線測定が行えるようになる。
【0037】
また、本発明によれば、オフセット電流出力の影響を抑制した粒子線モニタ測定が可能となり、精度よい粒子線測定用モニタ装置、測定方法および測定システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0039】
[第1実施形態(図1,図2)]
図1は、発明の第1実施形態による粒子線測定用モニタ装置である。なお、本実施形態では、医用粒子線照射装置の線量モニタ装置に適用した場合、特に照射方法が3次元スポットスキャニング法に基づく照射装置を適用した場合について説明する。なお、従来例と同一の部位については、図15〜図17と同一の記号も使用する。
【0040】
図1において、モニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および一つ以上の収集電極3i,3ii,…が配置され、これにより電離箱が構成されている。
【0041】
収集電極3i,3ii,…には、計測回路24が接続されている。この計測回路24には、パルス出力部25およびカウンタ部26が配置されている。パルス出力部25には、外部信号入力端子27が設けられている。
【0042】
次に、図1に示した粒子線測定用モニタ装置を用いた粒子線モニタ方法について説明する。
【0043】
粒子線ビームがモニタ容器1内に入射すると、収集電極3i,3ii,…には入射する粒子線ビーム量に応じた電荷が収集される。収集電極3i,3ii,…で収集された信号は、計測回路24にて、必要に応じて増幅されたうえ、パルス出力部25にて収集電極3i…,3ii,…からの電荷量に対応するパルス列が出力される。さらに、計測回路24内のカウンタ部26にて、パルス出力部25から送られたパルスの数をカウントすることにより、照射線量が計測される。
【0044】
図2は、3次元スポットスキャニング法における、3次元格子点の照射パターンとビーム出射パターン、およびパルス出力時間の関係を示したものである。この図2では、ビーム出射パターンとして、シンクロトロン加速器を用いた場合を想定している。
【0045】
図2に示すように、シンクロトロン加速器から出射される粒子線ビームは、時間的に不連続なビーム出射パターンをもつ。すなわち、ビーム出射を一定時間(2秒程度)行った後、ビームが出射されない時間が一定時間(1秒程度)あり、このビーム出射パターンにしたがって、繰り返しビームが出射されることになる。
【0046】
この場合、シンクロトロン加速器からの粒子線出射に同期された外部信号がパルス出力部27に入力され、モニタ容器1に粒子線が入射する時のみパルス出力が行われるように制御される。
【0047】
したがって、本実施形態では、モニタ容器1に粒子線が入射しないときにはパルス出力が行われないようにすることで、モニタ容器1に粒子線が入射しない時間におけるノイズによる出力を抑制することができる。したがって、精度良い粒子線モニタ測定が実現可能となる。
【0048】
[第2実施形態(図3,図4)]
図3は、本発明の第2実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示すシステム構成図である。
【0049】
この図3に示すように、モニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…、および一つ以上の収集電極3i,3ii,…が配置され、電離箱が構成されている。収集電極3i,3ii,…には、計測回路34が接続されている。
【0050】
計測回路34には、パルス出力部35およびカウンタ部36が配置されている。本実施形態では、このカウンタ部36に、外部信号入力端子37が設けられている。
【0051】
次に、図3に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について説明する。
【0052】
粒子線ビームがモニタ容器1内に入射すると、収集電極3i,3ii,…には入射する粒子線ビーム量に応じた電荷が収集される。収集電極3i,3ii,…で収集された信号は、計測回路24にて、必要に応じて増幅されたうえ、パルス出力部35にて収集電極3i,3ii,…からの電荷量に対応するパルス列が出力される。さらに、計測回路34内のカウンタ部36にて、パルス出力部35から送られたパルスの数をカウントすることにより照射線量が計測される。
【0053】
図4は、3次元スポットスキャニング法における、3次元格子点の照射パターンとビーム出射パターン、およびカウンタ時間の関係を示したものである。この図4においては、ビーム出射パターンとしてシンクロトロン加速器を用いた場合を想定している。
【0054】
図3の例では、シンクロトロン加速器からの粒子線出射に同期された外部信号がカウンタ部36に入力され、モニタ容器1に粒子線が入射する時のみパルス出力をカウントするように制御される。
【0055】
このように、本実施形態によれば、モニタ容器1に粒子線が入射しない時間におけるノイズによる出力を抑制することができる。したがって、精度良い粒子線モニタ測定が実現可能となる。
【0056】
[第3実施形態(図5,図6)]
図5は、本発明の第3実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示すシステム構成図である。
【0057】
この図5に示すように、1はモニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および一つ以上の収集電極3i,3ii,…が配置され、電離箱が構成されている。収集電極3i,3ii,…には、計測回路44が接続されている。
【0058】
計測回路44には、積分部47,ADC回路48,および積分部への入力を制限するスイッチ49が設けられている。
【0059】
次に、図5に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について説明する。
【0060】
粒子線ビームがモニタ容器1内に入射すると、収集電極3i,3ii,…には入射する粒子線ビーム量に応じた電荷が収集される。収集電極で収集された信号は、計測回路にて、必要に応じて増幅されたうえ、積分部47にて収集された電荷に相当する電気量が貯えられる。積分部47から出力される電圧は、ADC回路48によりデジタル信号として取り出される。
【0061】
図6は、3次元スポットスキャニング法における、3次元格子点の照射パターンとビーム出射パターン、および積分時間の関係を示したものである。この図6においては、ビーム出射パターンとしてシンクロトロン加速器を用いた場合を想定している。
【0062】
図5の例では、シンクロトロン加速器からの粒子線出射に同期された外部信号がスイッチ49に入力され、モニタ容器1に粒子線が入射する時のみ積分を行うように制御される。このように本実施形態によれば、モニタ容器1に粒子線が入射しない時間におけるノイズ出力の積分を抑制することができる。したがって、精度良い粒子線モニタ測定が実現可能となる。
【0063】
なお、以上の第1〜第3実施形態では、電離箱を用いた線量モニタ装置としての例を示したが、SEM装置など電荷を収集して測定を行うモニタであれば、他の方法に基づく線量モニタ装置であっても適用することができる。
【0064】
また、マルチチャンネル型からなるビーム位置モニタ装置、ビーム形状モニタ装置についても、同様の装置構成および測定方法により、精度よい粒子線モニタ測定が可能となる。さらに、マルチチャンネル型として、収集電極を複数の短冊状に加工したマルチストリップ型モニタ、収集電極を複数のワイヤで形成したマルチワイヤ型モニタ、その他種々の形状のものが適用できる。
【0065】
[第4実施形態(図7,図8)]
図7は本発明の第4実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示すシステム構成図である。
【0066】
この図7に示すように、モニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および一つ以上の収集電極3i,3ii,…が配置され、電離箱が構成されている。収集電極3i,3ii,…には、モニタ容器1に入射する粒子線ビーム量に応じた電荷が収集される。収集電極3i,3ii,…には、計測回路54が接続されている。
【0067】
計測回路54には、積分部57,ADC回路58,およびADC回路58に接続された処理部59が備えられている。処理部59には外部入力端子60が設けられ、外部信号が入力されるようになっている。
【0068】
次に、図7に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について、図8を用いて説明する。
【0069】
図8は、3次元スポットスキャニング法において、ビーム強度が弱い場合や、患部に対して大きな線量を照射する場合における、各3次元格子点の照射時間とビーム出射パターン、および積分時間の関係を示したものである。この図8において、ビーム出射パターンとしてシンクロトロン加速器を用いた場合を想定しており、一つの照射時間はシンクロトロン加速器からの出射ビームの繰り返し時間よりも大きくなっている。
【0070】
図7に示した例では、シンクロトロン加速器からの粒子線出射停止信号に同期された外部信号が処理部59に入力され、この外部信号が入力されるのに応じてADC回路58より処理部59に対してデータが送信されて順次保持され、積分部57の電荷がリセットされる。処理部59が照射時間終了に対応した測定停止信号を受信すると、この処理部59に保持されたデータをもとに、照射時間に対応したデータが作成される。
【0071】
このようにして、モニタ容器に粒子線が入射しない時間においては測定が行われないものとすることができ、ノイズ出力の積分による誤差の増大を抑制することができる。したがって、精度よい粒子線モニタ測定が実現可能となる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、照射時間終了に対応して測定停止信号を入力しているが、照射時間途中において測定値を知りたい場合など、場合に応じて他の信号入力により同様の操作をさせることも可能である。
【0073】
また、図8では3次元スポットスキャニング法の場合について示したが、他の照射法においても、例えば3次元ワブラ法、3次元散乱体法など、患部を仮想的にスライス状に分離し照射を行う場合にも適用することができる。この場合においても、図7と同様の照射時間とビーム出射パターンの関係になり、精度よい粒子線モニタ測定が可能となる。
【0074】
さらに、この第4実施形態においても、電離箱を用いた線量モニタ装置に対する例を示したが、SEM装置など電荷を収集して測定を行うモニタであれば、他の方法の線量モニタ装置であっても、有効に適用できる。
【0075】
[第5実施形態(図9)]
図9は本発明の第5実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示すシステム構成図である。
【0076】
この図9に示すように、モニタ容器11の内部に一つ以上の高電圧電極12i,12ii,…,および収集電極13i,13ii,…が配置されている。各収集電極13i,13ii,…は、1軸方向に電気的に非接続な多数のストリップに区切られた構成を持つ。即ち、このモニタ装置は、マルチストリップ型モニタ装置とされ、収集電極13i,13ii,…のストリップそれぞれに対して計測回路64が接続されている。計測回路の内部には、複数の積分部67a,67b,…,およびADC回路68a,68b,…が配置され、さらに各計測回路要素は処理部69に接続されている。処理部69には外部入力端子70が設けられ、外部信号が入力されるようになっている。
【0077】
次に、図9に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について説明する。
【0078】
粒子線ビームがモニタ容器1内に入射すると、収集電極13i,13ii,…の各ストリップには、ビーム形状に対応した電荷が収集される。各ストリップで収集された信号は、計測回路にて、必要に応じて増幅されたうえ、各積分部67a,67b,…にて収集された電荷に相当する電気量が貯えられる。各積分部67a,67b,…から出力される電圧は、それぞれADC回路68によりデジタル信号として取り出される。各ストリップに収集される電荷はビーム形状に対応するので、各ADC回路68a,68b,…出力の分布は、ビーム形状に対応する分布を示す。
【0079】
ここでは、図8に示した3次元スポットスキャニング法における、3次元格子点の照射パターンとビーム出射パターン、および積分時間の関係を持つ場合を想定する。
【0080】
図9に示した例では、シンクロトロンからの粒子線出射停止信号に同期された外部信号が処理部69に入力される。この外部信号が入力されるのに応じて、ADC回路より処理部に対してデータが送信されて順次保持され、各積分部67a,67b…の電荷がリセットされる。処理部69が照射時間終了に対応した測定停止信号を受信すると、処理部69に保持されたデータをもとに、照射時間に対応したデータが作成される。さらに、得られた各ストリップにおけるデータより、ビーム位置あるいはビーム形状の算出がなされる。
【0081】
ここで、ビーム位置およびビーム形状の算出法として重心計算による方法などが使用できる。重心計算によると、各ストリップの出力Piとし、各ストリップの位置xiとすると、ビーム中心位置<X>=Σ(Pi・xi)/ΣPi、またビーム形状としてビーム分散<σ>2=Σ(Pi・(<X>−xi)2)/ΣPiで評価できる。
【0082】
このようにして、モニタ容器に粒子線が入射しない時間においては積分を中断でき、ノイズ出力の積分による誤差の増大を抑制することができる。したがって、精度よくビーム位置算出あるいはビーム形状算出ができ、精度よい粒子線モニタ測定が実現可能となる。
【0083】
なお、本実施形態では、マルチストリップ型モニタ装置について示したが、マルチワイヤ型、その他のマルチチャンネル型モニタ装置等にも有効に適用できる。
【0084】
[第6実施形態(図10,図11)]
図10は、本発明の第6実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示すシステム構成図である。
【0085】
この図10に示すように、モニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および収集電極3i,3ii,…が配置されている。収集電極3i,3ii,…には計測回路74が接続されている。計測回路74は、積分部77およびADC回路78および処理部79を有している。
【0086】
る周波数で信号を出すクロック81と、このクロック81からの信号をカウントするカウンタ82とを有している。
【0087】
次に、図10で示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について、図11を用いて説明する。
【0088】
図11は、モニタ容器1に粒子線が入射しないときにおいて、積分時間とADC回路78から得られる出力の関係を示したものである。モニタ装置では、モニタ容器1内の電極に漏電流があることや、計測回路74内のアンプ等にオフセットがあること、等のため、モニタ容器1に入力がない場合でも出力(オフセット電流出力)がある。このオフセット電流出力は一般に、積分時間の関数であり、図11に示した例では、このオフセット電流出力は、積分時間Δtの一次式(C・Δt+D)で与えられる。
【0089】
図10に示したモニタ装置では、モニタ容器1への粒子線入射開始に同期した信号により、クロック81からの信号をカウンタ82がカウントし始め、モニタ容器1への粒子線入射終了までカウントが行われる。クロック81からは、ある周波数のパルス信号が出力され、これにより粒子線入射終了までのカウント値Ncより積分時間Δtを求めることができる。得られた積分時間Δtから、予め求められた係数a、bをもとに、オフセット電流出力Qを評価することができる。補正しない出力値をPとすると、オフセット電流出力を補正した値(P−Q)を用いることにより、オフセットの影響を抑制することができ、精度良い粒子線モニタ測定が可能となる。
【0090】
なお、本実施形態では、粒子線入射に同期した信号により積分開始・終了を与えたが、積分時間の与え方は任意である。
【0091】
また、本実施形態では、電離箱を用いた線量モニタ装置に対する実施例を示したが、SEM装置など電荷を収集して測定を行うモニタであれば、他の方法の線量モニタ装置であっても、有効に適用できる。
【0092】
さらに、本実施形態では、収集電極を複数に分割したマルチチャンネル型、例えばマルチストリップ型やマルチワイヤ型についても使用可能である。マルチチャンネル型では、一つの時間計測部で得られた積分時間Δtよりチャンネル各々のオフセット電流出力Qa=Ca・Δt+Da、Qb=Cb・Δt+Db…を評価することが可能である。
【0093】
[第7実施形態(図12)]
図12は本発明の第7実施形態による粒子線モニタ装置を示す概略構成図である。
【0094】
この図12に示すように、モニタ容器1の内部に一つ以上の高電圧電極2i,2ii,…,および収集電極3i,3ii,…が配置されている。収集電極3i,3ii,…には計測回路84が接続されている。計測回路84は、積分部87、ADC回路88および処理部89を有している。
【0095】
本実施形態においては、処理部89に、ダミー測定部90が接続されている。
【0096】
このダミー測定部90は、計測回路84と同様に、積分部91とADC回路92を有し、積分部91は、例えばダミー電極10の最外領域につながれている。なお、粒子線ビームが入射しない領域であれば、積分部91のつながれる領域は他の領域であってもよい。
【0097】
次に、図12に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について説明する。
【0098】
ある積分時間に対するダミー測定部90のオフセット電流出力Qdは、積分時間Δtの関数である。測定回路84とダミー測定部90のオフセット電流出力と積分時間の関係が共に図11に示したように、一次式で与えられる場合、収集電極におけるオフセット電流出力Qは、ダミー測定部のオフセット電流出力Qdの一次式Q=c・Qd+dで評価できる。補正しない出力値をPとすると、オフセット電流出力を補正した値(P−Q)を用いることにより、オフセットの影響を抑制することができ、精度よい粒子線モニタ測定が可能となる。
【0099】
なお、本実施形態では、電離箱を用いたモニタ装置を適用したが、SEM装置など、電荷を収集して測定を行うモニタであれば、他の方法の線量モニタ装置であっても有効に適用できる。
【0100】
さらに、本実施形態では、収集電極を複数に分割したマルチチャンネル型、例えばマルチストリップ型やマルチワイヤ型についても使用可能である。マルチチャンネル型では、一つのダミー計測部で得られたオフセット電流出力Qdより、チャンネル各々のオフセット電流出力Qa=Ca・Qd+Da、Qb=Cb・Qd+Db…を評価することが可能である。
【0101】
[第8実施形態(図13,図14)]
図13は、本発明の第8実施形態による粒子線モニタ装置を示す概略構成図である。
【0102】
この図13に示すように、モニタ容器11の内部に一つ以上の高電圧電極12i,12ii,…,および収集電極13i,13ii,…が配置されている。各収集電極13i,13ii,…は、1軸方向に電気的に非接続な多数のストリップに区切られた構成を持つ。即ち、このモニタ装置はマルチストリップ型モニタ装置である。収集電極13i,13ii,…には計測回路94が接続されている。計測回路には、複数の積分部97a,97b…、ADC回路98a,98b,…およびそれらに接続された処理部99を有している。
【0103】
次に、図13に示したモニタ装置を用いた粒子線測定方法について、図14を用いて説明する。
【0104】
図14は、3次元スポットスキャニング法における、ある3次元格子点の照射に対する各ストリップに対するADC回路の出力分布の一例である。この図14は、横軸に各ストリップの位置座標で示している。
【0105】
図14に示したように、ストリップにはガウス分布様の分布をなす領域があり、この領域が粒子線入射により電荷を生じ、この電荷を収集した領域である。しかしながら、ガウス分布様の分布をなす領域以外にも、わずかなオフセット電流による出力領域がある。
【0106】
したがって、ビーム位置・形状の算出法として、例えば、各ストリップにおける出力Pa,Pb,…と位置xa,xb,…から、ビーム中心位置<X>=Σ(Pk・xk)/ΣPk、ビーム分散<σ>2=Σ(Pk・(<X>−xk)2)/ΣPkを評価した場合、電荷が収集されないストリップ領域のオフセット電流により、誤差が大きくなり、精度よいモニタ測定ができなくなる。
【0107】
しかしながら、本実施形態によれば、図13に示した処理部99において、予めディスクリレベルが設定されており、ディスクリレベルに到達しないストリップ出力は位置演算に取り込まれないか、あるいは出力ゼロとして処理される。
【0108】
このように、本実施形態によれば、電荷が収集されないストリップ領域のオフセット電流の影響を抑制することができ、精度よいモニタ測定が可能になる。なお、ディスクリレベルの設定法には、予め与えた一定値を与えたり、積分時間の関数(例えば一次式)や、出力が最大であるストリップの出力の関数(例えば出力の数%)として与えたりすることができる。
【0109】
[第9実施形態(図13,図14)]
本実施形態では、第8実施形態と同様の構成のモニタ装置が使用される。
【0110】
この構成によると、図14に示したように、ストリップには収集電荷量に対応したガウス分布様の分布をなす領域以外に、オフセット電流による出力領域がある。
【0111】
しかしながら、この第9実施形態では、処理部99には、モニタ容器に粒子線が照射される以前に、照射されるべきビーム位置およびビーム幅が記憶されている。処理部99ではこの与えられたビーム位置およびビーム幅をもとに、ビーム中心位置あるいはビーム形状の算出に用いるストリップの領域を限定する。
【0112】
この限定の方法として、例えば、予め与えられたビーム位置をX0、ビーム幅をσとして、X0±2・σ内に存在するストリップというように与える。
【0113】
このように本実施形態によれば、電荷が収集されないストリップ領域のオフセット電流の影響を抑制することができ、精度よいモニタ測定が可能になる。また、位置算出に用いるストリップを限定することにより、演算すべきデータ量が少なくなり、位置算出にかかる時間が短くなって、高速な制御、よって短時間治療が可能になる。
【0114】
[他の実施形態]
なお、以上の各実施形態では、主に3次元スポットスキャニング法の制御システムについて示したが、本発明が使用できる治療制御装置としては、例えば3次元ラスタースキャニング法や、3次元ワブラ法など他の3次元的照射方法、さらには従来の2次元ワブラ法や二重散乱体法に対しても、ノイズ信号の影響を抑制することができ、精度よいモニタ測定装置および測定システムとして有効である。
【0115】
また、前記各実施形態では、粒子線治療のモニタ装置における適用例を示したが、粒子線治療の前に行われるファントムを用いた模擬照射試験用の計測装置においても適用が可能である。その他、S/Nの悪化を抑制するという目的を損なわない限りにおいて、他の目的の粒子線照射における粒子線モニタ装置においても有効である。
【0116】
さらに、前記各実施形態では、シンクロトロン加速器による粒子線を用いる場合について示したが、ビームの時間構造にスピル構造をもつ粒子線ビームであれば、各種ビームについても同様に、有効に用いることができる。
【0117】
さらに、第6以下の実施形態で示した構成および方法は、ビームの時間構造にスピル構造をもたない加速器出射ビームにおける粒子線モニタ装置についても、オフセットノイズの影響を抑制できることから、有効に適用することができる。
【0118】
さらにまた、第6以下の実施形態では、マルチストリップ型モニタ装置について説明したが、マルチワイヤ型モニタなど、他のマルチストリップ型モニタについても有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図2】前記第1実施形態による粒子線ビーム出射パターン、ビーム照射パターンおよびパルス出力時間の関係を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図4】前記第2実施形態による粒子線ビーム出射パターン、ビーム照射パターンおよびカウント出力時間の関係を示す図。
【図5】本発明の第3実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図6】前記第3実施形態による粒子線ビーム出射パターン、ビーム照射パターンおよび積分時間の関係を示す図。
【図7】本発明の第4実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図8】前記第4実施形態による粒子線ビーム出射パターン、ビーム照射パターンおよび積分時間の関係を示す図。
【図9】本発明の第5実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図10】本発明の第6実施形態による粒子線測定用モニタ装置を示す概略構成図。
【図11】前記第6実施形態における積分時間とオフセット電流出力の関係を示す図。
【図12】本発明の第7実施形態による粒子線モニタ装置を示す概略構成図。
【図13】本発明の第8実施形態による粒子線モニタ装置を示す概略構成図。
【図14】マルチストリップ型モニタ装置における各チャンネルの出力分布を示す図。
【図15】従来の粒子線モニタ装置を示す概略構成図。
【図16】従来例のマルチストリップ型モニタ装置を示す概略構成図。
【図17】従来例による粒子線ビーム出射パターン、ビーム照射パターンおよびパルス出力・カウント時間の関係を示す図。
【符号の説明】
【0120】
1 モニタ容器
2i,2ii,… 高電圧電極
3i,3ii,… 収集電極
4 計測回路
5 パルス出力部
6 カウンタ部
11 モニタ容器
12i,12ii,… 高電圧電極
13i,13ii,… 収集電極
14 計測回路
17a,17b,… 積分部
18a,18b,… A/D変換器(ADC回路)
24 計測回路
25 パルス出力部
26 カウンタ部
27 外部信号入力端子
34 計測回路
35 パルス出力部
36 カウンタ部
37 外部信号入力端子
44 計測回路
47 積分部
48 ADC回路
49 スイッチ
54 計測回路
57 積分部
58 ADC回路
59 処理部
60 外部入力端子
64 計測回路
67a,b,… 積分部
69 処理部
70 外部入力端子
74 計測回路
77 積分部
78 ADC回路
79 処理部
80 時間計測部
81 クロック
82 カウンタ
84 計測回路
87 積分部
88 ADC回路
89 処理部
90 ダミー測定部
91 積分部
92 ADC回路
94 計測回路
97a,97b,… 積分部
98a,98b,… ADC回路
99 処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線が入射される容器中に一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極を配し、前記収集電極が複数に分割されたマルチチャンネル型であり、前記容器内に生じた電荷を収集電極により収集して電荷量の測定を行う粒子線測定方法であって、各チャンネル出力値にディスクリレベルを設定し、そのディスクリレベルを超える出力を持つチャンネルの出力値のみからビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出することを特徴とする粒子線測定方法。
【請求項2】
粒子線が入射される容器中に一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極を配し、前記収集電極が複数に分割されたマルチチャンネル型であり、前記容器内に生じた電荷を収集電極により収集して電荷量の測定を行う粒子線測定方法であって、あらかじめ指定されたビーム位置、あるいはビームサイズの情報をもとに演算を行うチャンネルの範囲を限定し、限定されたチャンネルの出力値のみからビーム位置またはビーム形状またはビーム強度を算出することを特徴とする粒子線測定方法。
【請求項3】
粒子線が入射される容器と、この容器内に配置された一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極と、前記高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、前記収集電極からの出力の処理および演算を行う計測回路とを有する粒子線測定用モニタ装置において、前記収集電極が複数に分割形成されたマルチチャンネル型であって、各チャンネル出力値にディスクリレベルを設定し、そのディスクリレベルを超える出力を持つチャンネルの出力値のみからビームビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出する演算機構を備えたことを特徴とする粒子線測定用モニタ装置。
【請求項4】
粒子線が入射される容器と、この容器内に配置された一つ以上の高電圧電極および一つ以上の収集電極と、前記高電圧電極に高電圧を印加するための電源回路と、前記収集電極からの出力の処理および演算を行う計測回路とを有する粒子線測定用モニタ装置において、前記収集電極が複数に分割形成されたマルチチャンネル型であって、予め指定されたビーム位置およびビームサイズの少なくともいずれかの情報をもとに演算を行うチャンネルの範囲を限定し、限定されたチャンネルの出力値のみからビーム位置、ビーム形状およびビーム強度の少なくともいずれかを算出する演算機構を備えたことを特徴とする粒子線測定用モニタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−175829(P2008−175829A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43410(P2008−43410)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【分割の表示】特願平11−203863の分割
【原出願日】平成11年7月16日(1999.7.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】