説明

粒状物色彩選別機

【課題】簡易迅速に希望どおりの選別を行わせることのできる粒状物色彩選別機100を提供する。
【解決手段】被処理物である粒状物w群を選別処理部1により良品と不良品とに選別する粒状物色彩選別機100において、色彩の異なる複数の見本粒状物画像を表示させる見本粒状物画像表示手段26と、該見本粒状物画像表示手段26により表示された複数の見本粒状物画像のうち特定の見本粒状物画像を選択操作することにより該選択操作に係る選択情報を出力する見本画像選択手段27と、該見本画像選択手段27の出力に関連して前記特定の見本粒状物画像に対応する粒状物wを被処理物から選り出すための選別情報を前記選別処理部1に付与するものとした選別情報付与手段29とを設けた構成となす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物などの粒状物を色彩により選別する粒状物色彩選別機であって、選別除去すべき異色粒状物の対象となる範囲の変更手段を具備したものである。
【背景技術】
【0002】
穀物などの粒状物群の中から異色粒状物(青死米、白死米、虫食い米、ガラス片、プラスチック片、石粒など)を選別除去するようになされた粒状物色彩選別機は既に存在している。該粒状物色彩選別機では、選別除去すべき異色粒状物の対象となる範囲を変更するための手段として、感度調整ボリュームが設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−319092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の色彩選別機にあっては、感度調整ボリュームの操作量から感度の強弱の度合いは認識されるのであるが、具体的にどのような異色粒状物が選別除去の対象となっているかについては感度調整ボリュームの操作量のみからは認識することができないのである。
従って、どのような異色粒状物が選別除去の対象となっているか認識するには、実際に選別処理された後の粒状物を見ることが必要となり、希望どおりの選別を行う上で多くの時間と手間がかかるのである。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであって、即ち、簡易迅速に希望どおりの選別を行わせることのできる粒状物色彩選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成することのできる本発明に係る粒状物色彩選別機は、請求項1に記載したように、被処理物である粒状物群を選別処理部により良品と不良品とに選別する粒状物色彩選別機において、色彩の異なる複数の見本粒状物画像を画像表示部に表示させる見本粒状物画像表示手段と、該見本粒状物画像表示手段により表示された複数の見本粒状物画像のうち特定の見本粒状物画像を選択操作することにより該選択操作についての情報(選択情報)を出力する見本画像選択手段と、該見本画像選択手段の出力に関連して前記特定の見本粒状物画像に対応する粒状物を被処理物から選り出すための選別情報を前記選別処理部に付与するものとした選別情報付与手段とを設けたものである。
【0007】
上記発明は次のように具体化するのがよい。
即ち、請求項2に記載したように、前記見本画像選択手段が前記画像表示部に表示された複数の前記見本粒状物画像を個別に選択できるようになされている構成となすか、或いは、請求項3に記載したように、前記見本画像選択手段が前記画像表示部に特定順に表示された前記見本粒状物画像の配列を不良品側と良品側とに区分する境界マークを配列方向へ移動操作可能に設け、該境界マークの一側にある前記見本粒状物画像を不良品として選択した状態となすものとなされている構成となす。
【0008】
また請求項4に記載したように、特定範囲場所を落下する粒状物群を撮像することにより該粒状物群を良品と不良品とに選別するための撮像情報を出力するものとしたカメラと、該カメラの撮像情報を入力され該撮像情報に基づく画像を表示するものとした画像表示部とを備えている構成となす。
【発明の効果】
【0009】
以上に記載した本発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1記載のものによれば、複数の見本粒状物画像の中から選択された見本粒状物画像と同等の異色粒状物を、選別除去すべき異色粒状物の対象となすことができるのであり、従って実際に選別処理された後の粒状物を見ないでも、簡易迅速に希望どおりの選別処理を行わせることができるのである。
【0010】
請求項2記載のものによれば、選択除去すべき異色粒状物と同等の見本粒状物画像が個別に選択されるため、複数の見本粒状物画像の配列とは無関係に、選択除去すべき異色粒状物を選択することができるのであり、従って複数の見本粒状物画像の配列順は任意となしてもよいのであり、また選別除去すべき異色粒状物を選択するときの任意性を高める上で優れたものとなる。
【0011】
請求項3記載のものによれば、境界マークを移動操作することにより、選別除去すべき異色粒状物を選択できるため、該選択操作が操作ミスの生じないように簡単に行えるものである。
【0012】
請求項4記載のものによれば、カメラの撮像情報に基づく粒状物群の画像が画像表示部に表示されるようになるため、作業者はカメラによる撮像状態(照明やピントなどの状態)の適否を一目で認識でき、該撮像状態の不適対象を迅速に修正できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る粒状物色彩選別機を備えた粒状物選別施設を示す概要図、図2はノズル集合体を示す斜視図、図3は前記画像表示部に表示された実際の粒状物群の画像を示す図、図4は前記選別機の画像表示部に表示された見本粒状物画像などを示す正面図、図5は前記選別機の画像表示部に表示された別の見本粒状物画像などを示す正面図である。
【0014】
図1に示すように、粒状物選別施設は、操作パネル100aを具備した本発明に係る粒状物色彩選別機100の設置された機械設置場所101と、中央制御盤102の設置された中央操作室103とを備えている。
粒状物色彩選別機100は、穀物などの粒状物wに混入している青死米、白死米、虫食い米、ガラス片、プラスチック片、石粒などの異色粒状物w1を除去するために有用であり、機体フレーム上に選別処理部1が形成されている。
【0015】
選別処理部1は、粒状物wを定量的に送り出すフィーダー2と、該フィーダー2から粒状物wを供給される流下樋3と、該流下樋3から落下した粒状物w群から異色粒状物w1を選別して除去する光学選別手段4と、良品収容部5a及び不良品収容部5bを具備した分別収集部5とを備えている。
【0016】
フィーダー2は、機体フレームに固定され粒状物wを収容するホッパー6と、これの下側に配置され粒状物wを上面で支持するトラフ7と、これを振動させる電磁駆動手段8とを備えており、この際、トラフ7は電磁駆動手段8から付与される振動の振幅や周期を変化されて自身の発生する搬送力を大小に変化されるものであり、電磁駆動手段8は光学選別手段4の良好な選別精度が得られるように自身の出力部から発生させる振動の振幅や周期を流量制御装置9により自動的に制御されるものとなされている。
【0017】
流下樋3は、上面に直状の流下案内面3aをなす溝を形成され機体フレームに傾斜状に支持され、流下案内面3aがこれの案内始端に供給された粒状物wを案内してこれの下端から下方へ飛行させるように落下させるものとなされている。
【0018】
光学選別手段4は異色粒存在検出手段10及び外力付与手段11を備えている。異色粒存在検出手段10は、流下案内面3aから飛行して落下する粒状物wの正常移動軌跡a1を挟む対向位置の一方に受光センサ(ラインセンサ又はエリアセンサなど)を具備したCCDカメラ12をそして他方に背景面体13を配設した選別要部を2組以上設けると共に背景面体13側とカメラ12側の何れにも照明灯14を設け、カメラ12、12が正常移動軌跡a1上を飛行する粒状物wを撮像して該粒状物wの色彩情報(光の三原色RBGについての情報など)を撮像情報(信号)として出力し、該撮像情報が識別部制御回路(色彩比較手段)10a内に設定された選別除去対象範囲内にあるときに、該識別部制御回路10aが該撮像情報に係る粒状物wを異色粒状物w1と認識して検出信号を発出するものとなされている。
【0019】
外力付与手段11は、弁制御装置15と、これに結合されて開閉制御される多数の動力止弁(電磁弁)16と、該電磁弁16のそれぞれに対応して図2に示すような扁平四角状となされた多数の空気噴射ノズル17を水平左右方向(流下案内面3aの幅方向)へ直線状に配置されたノズル集合体18と、各電磁弁16の出口にこれと対応したノズル集合体18の空気流入口19を連通させた撓曲自在な樹脂製の通気管20と、各電磁弁16に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給ライン21と、圧縮空気供給ライン21に結合された空気貯留タンク22とを備えたものとなされている。
【0020】
また弁制御装置15は異色粒存在検出手段10が単数又は複数の異色粒状物w1を検出した時点から、それぞれの異色粒状物w1について後述の特定調整時間が経過するまでの経過時間をカウントし、該特定調整時間が経過した時点に、該検出に係る各異色粒状物w1の存在位置に対応した電磁弁16を開作動させるための弁開放電流を発出するものとなされている。
【0021】
ここに、特定調整時間とは、異色粒存在検出手段10が異色粒状物w1の存在を検出した時点から該異色粒状物w1が特定落下位置b1まで落下する時点までの経過時間として予め特定されている粒状物到達遅れ時間から、後述の空気流到達遅れ時間を減じた時間を言うものであり、この際、粒状物到達遅れ時間は被処理対象としての一群の粒状物wについて実験的に求めた平均的な時間であってもよいし、或いは、エリアセンサを具備したカメラ12、12の撮像情報から特定された各異色粒状物w1の実際の落下速度からその対応する異色粒状物w1ごとに予測的に求めた各粒状物w固有の時間であってもよい。そして空気流到達遅れ時間とは電磁弁16を開放させる弁開放電流が弁制御装置15から発出される時点から、該弁開放電流により開放された電磁弁16から圧縮空気がその対応する空気噴射ノズル17に供給され該噴射ノズル17から噴射され該噴射により生成された空気流が特定落下位置b1に到達する時点までの経過時間を言うものである。
【0022】
上記のように弁制御装置15から電流が発出されることにより、異色粒存在検出手段10の検出した異色粒状物w1に対応する電磁弁16が開作動され、該開作動に関連して対応する位置の空気噴出ノズル17から圧縮空気が噴出され、該噴出により生成された空気流が、異色粒存在検出手段10による特定異色粒状物w1の検出時点から凡そ前記粒状物到達遅れ時間が経過した時点に、異色粒存在検出手段10の検出に係る特定異色粒状物w1の落下軌跡である正常移動軌跡a1上の特定落下位置b1に到達する。
【0023】
分別収集部5は流下樋3の下端から落下し光学選別手段4を通過した粒状物wを収容するものであり、良品収容部5aは正常移動軌跡a1を経て良品受入口に達した粒状物wを収容するものとなされており、また不良品収容部5bは、空気噴出ノズル17から噴出された空気流で正常移動軌跡a1から上外方へ飛行され上方移動軌跡a2を経て不良品受入口に達した粒状物wを収容するものとなされている。
【0024】
操作パネル100aの操作部材や表示部などは流量制御装置9、識別部制御回路10a、カメラ12及び弁制御装置15などとネットワーク(CAN)で結合されており、操作パネル100aと中央制御盤102の何れにも色彩選別操作ユニット部23が取り外し移動可能に設けられ、操作パネル100a、中央制御盤102及び色彩選別操作ユニット部23の相互間もネットワーク(CAN)で結合されている。
また各色彩選別操作ユニット部23には液晶表示面を具備した画像表示部23aや各種の操作部材23bが設けられており、画像表示部23aに表示された画像情報を参照しつつ、各部の必要な操作が行えるようになされている。
【0025】
また識別部制御回路10aには画像表示回路24が接続されており、カメラ12、12から出力された撮像情報が画像表示回路24に入力されるようになされている。画像表示回路24は前記撮像情報に係る映像情報を出力するようになされており、各色彩選別操作ユニット部23の画像表示部23aは画像表示回路24からの映像情報を入力されて前記撮像情報の画質程度に対応した粒状物群の画像を図3に示すように表示するものとなされている。
【0026】
次に識別部制御回路10aがどの程度の異色粒状物を選別除去すべき対象である異色粒状物(不良品)と認識して検出信号を発出させるかを設定する手段について図4をも参照して説明する。
正常米、青死米、白死米、虫食い米、ガラス片、プラスチック片、石粒などの見本粒状物画像c1〜c12を予め作成し、これらの見本粒状物画像c1〜c12を操作パネル100aの記憶部25に記憶させておく。この際、正常米、青死米、白死米、虫食い米、ガラス片、プラスチック片、石粒などのそれぞれについて色彩の異なるものを複数用意することは任意である。
【0027】
そして、これらの見本粒状物画像c1〜c12を画像表示部23aに表示させるための見本粒状物画像表示手段26を操作パネル100a内に形成する。該見本粒状物画像表示手段26はこれにネットワーク(CAN)で結合された色彩選別操作ユニット部23の操作部材23bを操作することで作動状態になるものであり、その作動状態では、画像表示部23aはその液晶表示面に図4に示すような多数の見本粒状物画像c1〜c12をカラー画像で表示するものとなる。
【0028】
また見本粒状物画像表示手段26より表示された複数の見本粒状物画像c1〜c12のうち特定の見本粒状物画像を選択操作することにより該選択操作に係る選択情報を出力するものとした見本画像選択手段27を操作パネル100a内に形成する。該見本画像選択手段27は見本粒状物画像表示手段26により画面表示部23aに表示された複数の見本粒状物画像c1〜c12のそれぞれの直下近傍に該見本粒状物画像を選択操作するための選択スイッチ27aを表示させるスイッチ表示手段27bと、該選択スイッチ27aの操作により特定された選択情報を出力するための選択情報出力手段27cとを備えている。
【0029】
各選択スイッチ27aは、その対応する見本粒状物画像を選択するときに指で触れるように操作されるのであり、これによりその色が特定色に変化して選択状態であることが表示されるものとなされている。選択スイッチ27aの選択状態を解除したいときはさらにもう一回触れるのであり、これにより選択スイッチ27aの色が元に戻って選択状態が解除された状態となる。なお、選択スイッチ27aとして操作部材23bを使用することも差し支えない。
【0030】
選択情報出力手段27cは作業者が選択スイッチ27aを操作して見本粒状物画像の選択を終了したときに操作される図4に示す選択完了スイッチ28を備えており、該選択完了スイッチ28は画像表示部23aに表示されており、作業者が触れることにより選択操作が完了した状態となって、そのときの選択状態を出力させるものである。
【0031】
さらには、先に選択された特定の見本粒状物画像に対応する粒状物wを被処理物から選別除去するための選別情報を選択情報出力手段27cの出力する前記選択状態に関連して特定すると共に該選別情報を識別部制御回路10aに付与するものとした選別情報付与手段29を操作パネル100a内に形成する。ここに、選別情報とは識別部制御回路10a内に設定される選別除去対象範囲を特定するための色彩情報(信号)である。
【0032】
次に上記した色彩選別施設を使用して、粒状物wである穀粒を選別するときの使用例及び作動について説明する。
原料タンク内に収容された穀粒wなどをホッパー6内に供給するのであり、この際、ホッパー6内において穀粒wなどは常に一定レベルを維持された状態となすのが好ましい。
【0033】
一方では、操作パネル100aの操作部材を操作して見本粒状物画像表示手段26を作動状態となし、選択スイッチ27aに触れて特定の見本粒状物画像を選択し、該選択が完了したとき、選択完了スイッチ28に触れて選択操作を終了する。これにより選別情報付与手段29が見本画像選択手段27の出力に関連して選択済みの特定の見本粒状物画像に対応する粒状物wを被処理物から選り出すための選別情報を、選別処理部1の識別部制御回路10aに付与するものとなり、識別部制御回路10aは該選別情報に基づいて選別除去対象範囲を設定された状態となる。
【0034】
該状態の下でホッパー6内の穀粒wなどはその出口通路を通じてトラフ7の底面上に落下するのであり、一方ではトラフ7が電磁駆動手段8の作動により前後及び上下へ振動されるため、トラフ7の底部上に落下した穀粒wなどは漸次に前方f1へ送り移動され、その送出部7aから流下樋3の流下案内面3aの案内始端に落下するように供給される。
この際、フィーダー2から流下樋3への穀粒wなどの流量は流量制御装置9の制御作動により良好な選別性能の得られる特定大きさに自動調整される。
【0035】
流下樋3の流下案内面3a上では、穀粒wなどが特定巾内で連続的に単層状態となりつつ直線状に滑落し、流下樋3の下端に達した後は、流下案内面3aを下方へ延長した正常移動軌跡a1上を飛行しつつ落下する。このように落下する穀粒wなどが選択スイッチ27aで選択された見本粒状物画像に対応するものでないものであれば、該穀粒wなどがカメラ12、12による粒状物撮像位置dに達して、照明灯14から光を浴びた該穀粒wからの透過光や反射光がカメラ12、12に入射されても、該カメラ12、12は選別除去対象範囲内の撮像情報を出力するものとならないため、識別部制御回路10aは異色粒状物w1を検出するものとならず、該穀粒w1はそのまま正常移動軌跡a1上を落下し、良品受入口を通じて良品収容部5a内に収容される。
【0036】
一方、落下する穀粒wなどが選択スイッチ27aで選択された見本粒状物画像に対応するものであるときには、照明灯14の光を浴びた異色粒状物w1からの透過光や反射光を受けたカメラ12、12は識別部制御回路10a内に設定された選別除去対象範囲内に含まれるものとなる撮像情報を出力するのであり、これに関連して、識別部制御回路10aは異色粒状物w1の存在を検出して存在検出信号を発出し、該存在検出信号は弁制御装置15に入力される。
【0037】
流下樋3から落下した穀粒などはカメラ12、12の粒状物撮像範囲dに到達するのであり、該粒状物撮像範囲dを落下している穀粒wなどはここを移動する期間中、継続的に撮像される。カメラ12、12が実際にどのように穀粒などを撮像しているかを確認するときは、色彩選別操作ユニット部23の操作部材23bを操作するのであり、これによりカメラ12、12の出力する撮像情報が画像表示回路24に入力され画像表示回路24が映像情報を出力し、画面表示部23aはカメラ12、12の撮像情報に対応した穀粒w(異色粒状物w1を含む)などの画像を表示するものとなる。
【0038】
前記存在検出信号を入力された弁制御装置15は該存在検出信号を入力された時点からの経過時間をカウントし、前記特定調整時間が経過したとき、対応する電磁弁16にこれを開放作動させるための電流を予め定められた極めて短い特定時間中連続して送出する。
【0039】
弁制御装置15から電流を供給された電磁弁16は瞬時に開放作動し、対応する通気管20を通じて圧縮空気を対応する空気噴出ノズル17に送給するのであり、空気噴出ノズル17は送給された圧縮空気を特定落下位置b1に向け瞬間的に噴出させる。こうして噴出された圧縮空気による空気流は、弁制御装置15から弁開放電流が発出される時点から前記空気流到達遅れ時間が経過した後に、特定落下位置b1に到達する。一方、識別部制御回路10aの検出に係る異色粒状物w1のそれぞれはその検出された時点から凡そ前記粒状物到達遅れ時間の経過した後に特定落下位置b1に到達する。
【0040】
従って、識別部制御回路10aにより検出された異色粒状物w1のそれぞれはこれらが正常移動軌跡a1の左右方向上の種々の位置に存在していてもその対応する空気噴射ノズル17から噴射された空気により生成された空気流により正確なタイミングで外力を付与されて、正常移動軌跡a1の上外方へ撥ね飛ばされ、良品の穀粒wなどから選別除去され、上方移動軌跡a2を飛行し、不良品受入口を通じて不良品収容部5b内に落下するのである。
【0041】
識別部制御回路10aにより検出された異色粒状物w1のそれぞれが空気噴射ノズル17で生成された空気流で撥ね飛ばされるとき、各異色粒状物w1の近くに存在している良品の穀粒wなども一緒に撥ね飛ばされて不良品収容部5b内に落下するものとなるが、空気流が各異色粒状物w1に正確に外力を付与するため、不良品収容部5b内に落下する良品の穀粒wの量は比較的少ないものとなる。
【0042】
上記実施例は次のように変形することができる。
即ち、カメラ12、12が三原色RBGの情報からなる撮像情報を出力することに代えて、黒色などの単一色の情報からなる撮像情報を出力するものとなすことも差し支えない。
【0043】
この場合、見本画像選択手段27における見本粒状物画像c1〜c12の選択情報は撮像情報に準じた黒色などの単一色の色彩情報で特定され、また選別部制御回路10aにおける選別除去対象範囲も単一色の色彩情報で設定される。
【0044】
見本粒状物画像表示手段26及び見本画像選択手段27は次のようなものとなすことも差し支えないのであって、即ち、見本粒状物画像表示手段27は図5に示すように見本粒状物画像e1〜e6のそれぞれを黒色などの単一色で表現したときの明るさに基づいて特定順に並べた配列を画像表示部23aに表示するものとなし、また見本画像選択手段27は、見本粒状物画像e1〜e6の前記配列を不良品側と良品側とに区分する境界マーク30を画像表示部23aに配列方向への移動操作可能に表示させるマーク表示手段と、境界マーク30の一側にある見本粒状物画像を不良品として選択した状態となすと共に画面表示部23aに表示された選択完了スイッチ28に触れることによりこのときの選択状態が確定されて該選択情報を出力するものとなる選択情報出力手段27cとを備えたものとなす。
【0045】
なお、上記実施例における構成要素及びその配置及び作用などは一例であり、本発明の趣旨の範囲内で任意に変更して差し支えないものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る粒状物色彩選別機を備えた粒状物選別施設を示す概要図である。
【図2】前記選別機のノズル集合体を示す斜視図である。
【図3】前記選別機の画像表示部に表示された実際の粒状物群の画像を示す図である。
【図4】前記選別機の画像表示部に表示された見本粒状物画像などを示す正面図である。
【図5】前記選別機の画像表示部に表示された別の見本粒状物画像などを示す正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 選別処理部
12 カメラ
23a 画像表示部
26 見本粒状物画像表示手段
27 見本画像選択手段
29 選別情報付与手段
30 境界マーク
100 粒状物色彩選別機
c1〜c12 見本粒状物画像
d 特定範囲場所(粒状物撮像位置)
e1〜e6 見本粒状物画像
w 粒状物(穀粒)
w1 異色粒状物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物である粒状物群を選別処理部により良品と不良品とに選別する粒状物色彩選別機において、色彩の異なる複数の見本粒状物画像を表示させる見本粒状物画像表示手段と、該見本粒状物画像表示手段により表示された複数の見本粒状物画像のうち特定の見本粒状物画像を選択操作することにより該選択操作に係る選択情報を出力する見本画像選択手段と、該見本画像選択手段の出力に関連して前記特定の見本粒状物画像に対応する粒状物を被処理物から選り出すための選別情報を前記選別処理部に付与するものとした選別情報付与手段とを設けたことを特徴とする粒状物色彩選別機。
【請求項2】
前記見本画像選択手段が複数の前記見本粒状物画像を個別に選択できるようになされていることを特徴とする請求項1記載の粒状物色彩選別機。
【請求項3】
前記見本画像選択手段が、前記画像表示部に特定順に表示された前記見本粒状物画像の配列を不良品側と良品側とに区分する境界マークを配列方向へ移動操作可能に設け、該境界マークの一側にある前記見本粒状物画像を不良品として選択した状態となすものとなされていることを特徴とする請求項1記載の粒状物色彩選別機。
【請求項4】
特定範囲場所を落下する粒状物群を撮像することにより該粒状物群を良品と不良品とに選別するための撮像情報を出力するものとしたカメラと、該カメラの撮像情報を入力され該撮像情報に基づく画像を表示するものとした画像表示部とを備えていることを特徴とする請求項2又は3記載の粒状物色彩選別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−198539(P2006−198539A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13805(P2005−13805)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】