説明

精密液体分注装置

【課題】 液体を計量容器に高速、かつ高精度で分注することができるようにする。
【解決手段】 供給容器内の液体を計量容器に、精密に分注するための分注装置において、当該供給容器にチューブで結ばれた粗秤量供給用のポンプとしてのエアーブロアを具備し、当該供給容器と当該計量容器間にチューブで結ばれた精密秤量供給用のポンプとしての圧電素子式ポンプを具備し、当該計量容器に注入された液体重量を計測する精密電子天秤を具備することを特徴とする精密液体分注装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の精密計測および分注装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
精密液体分注装置は、供給容器内の液体を計量容器に短時間に精密に注入することが必要とされる。供給容器内の液体を計量容器に分注する液体ポンプの一つとして、シリンダーとピストンを組み合わせてモーターでピストンを駆動する液体ポンプが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2000−329771
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体を計量容器に高速、かつ高精度で分注することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
供給容器内の液体を計量容器に、精密に分注するための分注装置において、当該供給容器にチューブで結ばれた粗秤量供給用のポンプとしてのエアーブロアを具備し、当該供給容器と当該計量容器間にチューブで結ばれた精密秤量供給用のポンプとしての圧電素子式ポンプを具備し、当該計量容器に注入された液体重量を計測する精密電子天秤を具備することを特徴とする精密液体分注装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、液体分注に使用する液体ポンプとして、粗量用にエアーブロア、微量用に圧電素子式ポンプを使用することにより短時間で精密な液体分注が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】精密液体分注装置の構成を示す説明図
【図2】精密液体分注装置の工程図を示す
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1図において、1はエアーブロア、2は供給容器、3、4、5、6はチューブ、7は圧電素子式ポンプ、8は計量容器、9は精密電子天秤であり、以下に明細を説明する。
▲1▼まず、エアーブロア1を駆動して、チューブ3を通して供給容器2の中に空気を注入し、この空気圧により、供給容器2の液体をチューブ4を通して、所要液量の大部分を計量容器8に吐出させる。
▲3▼この間、当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプ7も同時に駆動して、チューブ5、6を通して計量容器の液体を当該計量容器8に注入する。
▲4▼次に、所要液量の直近にて、当該粗秤量供給用のエアーブロア1を停止して、当該精密秤量
供給用の圧電素子式ポンプ7のみを駆動して、当該精密電子天秤9により所要液量に達成するよう精密秤量を行う。
▲5▼なお、当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプ7は、1パルス毎の駆動により所定の微量吐出が可能であり、所要液量に対してパルス単位での精密な秤量供給が可能である。
▲6▼次にこのパルス単位での当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプ7による精密秤量の動作、および方法について述べる。当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプ7に印加するパルスにおいて、単位時間当たりのパルス数を増減して秤量供給する方法、および当該パルスの時間幅、駆動電圧のいずれか、または同時に増減して秤量供給する方法により、微量な液量を速やかに精密に制御することが可能である。
▲7▼更に、当該液体分注の自動化として、当該精密電子天秤から逐次出力される当該液体重量の計測データをパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する)に取り込み、当該パソコンにより所要液量との差分を逐次取り出して、当該計量容器への液体注入量の大部分は、当該粗秤量供給用のエアーブロアと当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプを両方駆動して祖量の液体を注入し、所要液量直近においては当該粗秤量供給用のエアーブロアを停止して、当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプのみを駆動して差分がゼロの時点で当該精密秤量供給用の圧電素子式ポンプを停止することにより所要液量の分注を自動化することが可能になる。
第2図は、液体を供給容器から計量容器に分注するためのエアーブロア、及び圧電素子式ポンプの制御フローを示す。以下にシーケンスを説明する。
▲1▼まず、エアーブロア、及び圧電素子ポンプを駆動して分注処理をスタート。
▲2▼次に、分注を継続しながら所要量を計測し、分注量との差分を監視。
▲3▼差分がα%以内になったかを監視。尚、αはエアーブロアの制御可能な精度から予め設定。
▲4▼差分がα%以内になった時点で、エアーブロアの停止に備えて供給容器内を減圧していく。
▲5▼差分がβ%以内になったかを監視する。尚、βはエアーブロアの制御可能な精度から予め設定。
▲6▼続いて、エアーブロアを停止、圧電素子ポンプのみを稼働し、計測を継続して差分を監視。
尚、残りの分注量はエアーブロア停止時の分注量から算出して、圧電素子式ポンプ駆動のパルスの時間幅、及びパルス電圧の条件から所要パルス数を演算。
▲7▼パルス数のカウントと共に計測により差分を監視して、差分が0になったかを監視。
▲8▼差分が0になった時点にて分注処理を停止。
【符号の説明】
【0009】
1. エアーブロア
2. 供給容器
3. チューブ
4. チューブ
5. チューブ
6. チューブ
7. 圧電素子式ポンプ
8. 計量容器
9. 精密電子天秤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給容器内の液体を計量容器に精密に分注するための装置において、
当該供給容器にチューブで結ばれた粗秤量供給用のポンプを具備し、当該供給容器と当該計量容器間にチューブで結ばれた精密秤量供給用のポンプを具備し、当該計量容器に注入された液体重量を計量する精密電子天秤を具備することを特徴とする精密液体分注装置。
【請求項2】
請求項1記載の精密液体分注装置において、
当該粗秤量供給用のポンプにエアーブロア、精密秤量供給用のポンプに圧電素子式ポンプを使用することを特徴とする精密液体分注装置。
【請求項3】
請求項2記載の精密液体分注装置において、
当該計量容器への液体注入量の大部分は、当該エアーブロアと当該圧電素子式ポンプを両方使用して分注し、所要液量直近においては当該エアーブロアを停止して、当該圧電素子式ポンプのみを使用して微量な液体を当該計量容器に分注することを特徴とする精密液体分注装置。
【請求項4】
請求項3記載の精密液体分注装置において、
当該圧電素子式ポンプの駆動用パルスは単位時間当たりのパルス数の増減、当該パルスの時間幅、および当該パルスの電圧のいずれか、または、これらを組み合わせて当該圧電素子式ポンプを駆動することを特徴とする精密液体分注装置。
【請求項5】
請求項4記載の精密液体分注装置において、
当該液体分注の自動化として、当該精密電子天秤から逐次出力される当該液体重量の計測データをパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する)に取り込み、当該パソコンにより所要液量との差分を逐次取り出して、当該計量容器への液体注入量の大部分は、当該エアーブロアと当該圧電素子式ポンプを同時に駆動して粗量の液体を注入し、所要液量直近においては当該エアーブロアを停止して、当該圧電素子式ポンプのみを駆動して差分がゼロになるように所要液量を当該計量容器に分注することを特徴とする精密液体分注装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−3135(P2013−3135A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150403(P2011−150403)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(591050981)太陽計測株式会社 (1)
【Fターム(参考)】