説明

精算済表示媒体および精算済表示媒体の提示方法

【課題】 自前の買物袋に購入商品を入れている場合に、買物袋に入れた商品の精算を終えていることを簡易に示す手段を提供し、更に、商品購入に関する付加価値を与えることも課題にする。
【解決手段】 買物袋に入れた商品が精算済であることが表記された表面部10aと、買物袋の外部にて表面部10aを提示するため粘着材が塗布された貼付域2を有する裏面部10bとを備えて精算済表示媒体10を構成する。
また、精算済表示媒体10の貼付域2を、買物袋20の開口を跨いで相対する開口部21外側面に貼付して開口抑止する精算済表示媒体10の提示方法を提供する。
また、買物手提げ袋の把持部23を内包するように、精算済表示媒体10の貼付域2同士を貼り合わせる精算済表示媒体10の提示方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入した商品を持ち帰る際の買物済み商品を入れる買物袋等に精算済みであることを示す精算済表示媒体および精算済表示媒体の提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、購入商品を入れた販売者提供の買物袋等の開放口をテープで封止して、清算後に別途商品を袋に入れ難くし、入れ間違い防止を行っている。このことは、封止した買物袋等に入れてある商品は、購入済みである意味も有している。(図4参照)
近年は、エコロジー対策から、購入商品を販売者が提供する袋に入れず、購入商品を自前の買物袋等に入れて持ち帰るという方策が奨められている(特許文献1参照)。
このように、自前の買物袋等に購入商品を入れた場合、次のような問題が生じる。
販売者の購入袋に入れた商品に関しては瞬時に精算済みの推定ができるが、自前の買物袋を用いた場合には中に入れた商品の精算の有無を瞬時に推定することができない。
従って、エコロジー対策を奨めているにも関わらず、商品の精算を確認するための新たな方策が必要となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−142831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような問題に鑑みなされたもので、自前の買物袋に購入商品を入れている場合に、買物袋に入れた商品の精算が終えていることを簡易に示す手段の提供を課題にする。また、単に、精算済表示機能を有する手段だけでなく商品購入に関する付加価値を与えることも課題にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、
買物袋に入れた商品が精算済であることが表記された表面部と、買物袋の外部にて上記表面部を提示するため粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とを備えて精算済表示媒体を構成する。
買物袋の外部に精算済であることを表記した精算済表示媒体を貼付できる。
【0006】
更に、貼付域は、裏面部の端部に形成する。
端部に形成することにより、精算済表示媒体が剥がれ難くなる。
【0007】
更に、精算済表示媒体の表面部には、精算日時を表記する。
精算済表示媒体が用いられた日時が明確になり、用いられた媒体が後日悪意で使用されることが防止できる。
【0008】
更に、表面部または裏面部には、宣伝情報、サイトアクセス情報、サービス情報を記載する。
単に、精算済であることを示すだけではなく、商品購入者の利益になる情報を提供して、購買意欲を増進させることができる。
【0009】
また、本発明は、買物袋に入れた商品が精算済であることを表記する表面部と、買物袋の開口部を留めて開口を抑止するため端部に当該粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とから構成される精算済表示媒体を用い、上記貼付域を、上記買物袋の開口を跨いで相対する開口部外側面に貼付して開口抑止するように精算済表示媒体を提示する。
このような、提示を行なえば、買物袋の開口部に精算済表示が行なわれる。また、開口部を覆うことで開口を抑止し、買物袋内商品の外部への流出を避けることができる。更に、開口が抑止されているので、買物袋への未精算商品が入り難くなり万引き防止作用がもたらされる。
【0010】
また、本発明は、買物手提げ袋に入れた商品が精算済であることを表記する表面部と、買物手提げ袋の把持部を留めるため端部に当該粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とから構成される精算済表示媒体を用い、上記買物手提げ袋の上記把持部を内包するように、上記貼付域同士を貼り合わせて精算済表示媒体を提示する。
購入商品が多く、買物手提げ袋の開口を抑止するように精算済表示媒体を貼付することができない場合でも、精算済表示媒体が把持部を内包するようにリング状に貼りあわせれば、精算済表示を容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、自前の買物袋に入れた商品が精算済であるか否かを精算済表示媒体の提示にて明確にすることができる。
また、粘着材の貼付域を精算済表示媒体の裏面部の端部に設けることにより、外力による剥離防止を図ることができる。
また、精算日時を印字するようにすれば、精算済表示媒体の悪用(後日の商品購入の際に未精算商品を精算商品と偽る行為)を防止することができる。
また、精算済表示に加えて、精算済表示媒体の一部に割引券等、次回の買物に利用することができるサービスを提供することができる。また、チラシ情報を有するサイトにアクセスできるアドレスを2値コード(1次元、2次元コード)で提供することができる。
また、買物袋の開口部を封止するように精算済表示媒体を貼付することにより、買物袋内の商品が精算済であることの提示を容易に行なうことができる。また、未精算の商品が買物袋に入れられることを防止することができる。
また、買物手提げ袋の把持部を内包するように、精算済表示媒体の貼付域同士を貼り合わせることにより、開口部を封止できない場合でも買物袋内の商品が精算済であることの提示を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに本発明の実施の形態による精算済表示媒体を図1乃至図4にもとづき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る精算済表示媒体に係る説明図を示す。
ここに示す精算済表示媒体10は、買物袋に入れた商品が精算済であることが表記された表面部10aと、買物袋の外部にて表面部10aを提示するため端部1に粘着材が塗布された貼付域2を有する裏面部10bとを備えて平面矩形状に形成されている。精算済表示媒体10の材質は、特に限定されることはなく、紙、合成樹脂等必要に応じて適宜選択することができる。
【0013】
図1(A)に示すように、表面部10aには、精算済、精算日時、宣伝情報、サイトアクセス情報、クーポン券を記載している。
精算済の表記は、赤等の目立つ色彩を用いることが好ましい。また、精算済であることを強調するために、複数箇所に表記することが好ましい。
精算日時の表記は、精算済の表記と近接する位置に配置するが好ましい。精算日時が判ることにより、精算済の確証が得られるからである。
宣伝情報は、買い得情報等、次回の購買意欲を惹き起こす情報を付加する。
サイトアクセス情報は、販売店サイトにアクセスできる情報であり、2次元バーコードやアクセスアドレスを表記することができる。
クーポン券は、商品の割引を行なう情報が記載され、対象商品を購入する場合には、精算済表示媒体10から切り取って利用できるものである。クーポン券を容易に切り取れるように切り取り箇所にミシン目を設けることが好ましい。
【0014】
図1(B)に示すように、裏面部10bには、前端および後端の端部1には貼付域2が設けられ、その間に、精算済、精算日時、宣伝情報を記載している。
貼付域2に設けられた粘着材は、買物袋に貼付した場合に容易に剥がすことができるものが好ましい。この場合、表記された各種情報を破いて欠損することなく精算済表示媒体10を剥がすことができる。また、表面部10aのクーポン券表記部分の裏面に貼付域2を設ければ、クーポン券を切り取った際に、クーポン券を貼付して保存することができる。
精算済、精算日時、宣伝情報の内容は、表面部10aの内容と同じである。
ここで示した各種情報の表記配置は一例であり、必要に応じて適宜変更することができる。
【0015】
次に、図2にて、上述した精算済表示媒体10の提示方法を説明する。
図2(A)は精算済表示媒体10が提示された買物袋20の正面図を示し、図2(B)は図2(A)の略平面図を示す。ここで用いる買物袋20は、開口部21を有する袋部22と、開口部21に端部が固定された手提げのための2本の紐状帯からなる把持部23とから構成している。
図2によれば、精算済商品を入れた買物袋20の開口部21を封止するように、貼付域2を買物袋の開口部21の相対する外側面に精算済表示媒体10を貼付することにより、提示を行なう。
このように、精算済表示媒体10で開口部21を覆うようにすれば、精算済の表記により、買物袋の内容物が精算済であることを容易に視認させることができる。
また、図2(B)に示すように、開口部21の中央を精算済表示媒体10で封止することにより、開口域を制限することができる。購入商品の脱落防止と共に、未精算商品の混入も防止することができる。
なお、ここで用いた買物袋20には把持部23を設けたが、袋部22だけであってもよい。
【0016】
図3には、精算済表示媒体の他の提示方法を示す。用いる買物袋は、図2と同様の構成とする。
図3(A)は精算済表示媒体10が提示された買物袋20の正面図を示し、図3(B)は図3(A)の把持部23を内包して提示した精算済表示媒体10の略平面断面図を示す。ここで用いる買物袋20は、開口部21を有する袋部22と把持部23とから構成している。
図3によれば、精算済商品を入れた買物袋20の把持部23を内包するように、貼付域2同士を貼り合わせて精算済表示媒体10の提示を行なう。
このように、精算済表示媒体10を把持部23に巻きつけるようにすれば、精算済の表記により、買物袋の内容物が精算済であることを容易に視認させることができる。
また、図3(B)に示すように、精算済表示媒体10をリング状にして把持部23を内包することで、2本の紐状帯の可動域が抑制される。開口部21を精算済表示媒体10で覆うことができない場合でも、開口抑制の作用を与えることができる。
【0017】
以上の如く、本発明の精算済表示媒体および精算済表示媒体の提示方法によれば、自前の買物袋を用いて商品を購入した場合でも、精算済であることを容易に提示することができる。また、買物袋への提示だけではなく、購入した商品自体に貼付して精算済であることを提示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明に係る精算済表示媒体は、上記の如く小売における買物袋に利用できる他、各種
商品自体の精算済を表示するマークとして利用することができる。例えば、書籍を購入した場合に、書籍が開かないように書籍の表紙と裏表紙とを媒精算済表示媒体の裏面に設けた弱粘着材にて封止するような利用ができる。このように、包装を必要とせず、精算済の表示を簡易に行なうことができ、エコロジーに有効に作用する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る精算済表示媒体の説明図。
【図2】精算済表示媒体の利用形態図。
【図3】他の精算済表示媒体の利用形態図。
【図4】従来の購入商品を入れた買物袋の一例図。
【符号の説明】
【0020】
10 精算済表示媒体
10a 表面部
10b 裏面部
2 貼付域
3 端部
20 買物袋
21 開口部
22 袋部
23 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買物袋に入れた商品が精算済であることが表記された表面部と、
買物袋の外部にて上記表面部を提示するため粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とを備える精算済表示媒体。
【請求項2】
上記貼付域は、上記裏面部の端部に形成することを特徴とする請求項1記載の精算済表示媒体。
【請求項3】
上記表面部には、精算日時を表記することを特徴とする請求項1または2記載の精算済表示媒体。
【請求項4】
上記表面部または裏面部には、宣伝情報、サイトアクセス情報、サービス情報を記載することを特徴とする請求項1、2または3記載の精算済表示媒体。
【請求項5】
買物袋に入れた商品が精算済であることを表記する表面部と、買物袋の開口部を留めて開口を抑止するため端部に当該粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とから構成される精算済表示媒体を用い、
上記貼付域を、上記買物袋の開口を跨いで相対する開口部外側面に貼付して開口抑止する精算済表示媒体の提示方法。
【請求項6】
買物手提げ袋に入れた商品が精算済であることを表記する表面部と、買物手提げ袋の把持部を留めるため端部に当該粘着材が塗布された貼付域を有する裏面部とから構成される精算済表示媒体を用い、
上記買物手提げ袋の上記把持部を内包するように、上記貼付域同士を貼り合わせる精算済表示媒体の提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−288564(P2009−288564A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141560(P2008−141560)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】