説明

糖尿病の予防又は治療のためのシクレタニンを含有する相乗作用の薬学的組合せ

本発明は、(a)シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第1の医薬組成物及び(b)抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されるその塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第2の医薬組成物からなる相乗作用の薬学的組合せに関する。薬学的組合せは、中でも、真性糖尿病の予防又は治療に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病と共に、前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症の予防又は治療に好適な相乗作用の薬学的組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
先進国では、ますます多くのヒトが糖尿病に罹っている。病気の発生頻度は、50歳以上のヒトにおいて、特に急激に上昇する。例えば、2型糖尿病(すなわち、非インスリン依存性真性糖尿病:NIDDM)の進行は、インスリンの産生及び使用の両方における欠陥によって促進される。有意の死亡率を伴うこの広汎で重大な病気の発生には、遺伝性及び環境性ファクターが等しく関与している。実際のところ、インスリン又は他の抗糖尿病剤による治療を受けている患者は、生命の質を改善する一時的な治療が得られるのみであり、糖尿病に伴う合併症が不可避的に出現する。抗糖尿病剤のかなりのものは、ヒトにおけるインスリンの産生を増大するのみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目標は、糖尿病又は少なくとも糖尿病に関連する合併症の進行の防止に好適な薬学的組合せ又はこのような防止がもはや可能でない場合には、前記合併症の有効な治療に好適な薬学的組合せを提供することにある。
【0004】
発明者は、血圧降下作用を有する公知の活性剤である(米国特許第4,383,998号)シクレタニン(化学名:(±)-3-(4-クロロフェニル)-1,3-ジヒドロ-6-メチルフロ-[3,4-c]ピリジン-7-オール)がインスリン増感効果を発揮するとの知見を得た。例えば、インスリンが、ヒトにより、増大された量で産生される場合、この利用できる量は、シクレタニンの存在下では、所望の生理学的効果をもたらすに充分なものである。インスリン抵抗性に罹った患者においても、シクレタニンの投与は、インスリン感受性を増大させる。その結果、患者に投与されるインスリン又は抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤の用量が少ない場合にも、充分な治療効果を生ずる。
【0005】
このように、本発明の第1の目的は、前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病と共に、前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症の予防又は治療に好適な相乗作用の薬学的組合せを提供することにある。
【0006】
本発明の第2の目的は、インスリン増感効果を有する医薬組成物の調製におけるシクレタニンの使用を提供することにある。
【0007】
本発明の第3の目的は、前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病、又は前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症に罹った又は罹る危険が迫っている患者をシクレタニンにて治療する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の相乗作用の薬学的組合せは、
(a)シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第1の医薬組成物、及び
(b)抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されるその塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第2の医薬組成物
からなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
明細書及び特許請求の範囲において使用する表現の定義
薬学的組合せは、
−1以上の一般的なキャリヤー及び各種の通常の製剤法を使用して、2つの薬学的に活性な薬剤の各々が、1つずつ、別個の医薬組成物に変換されている(この場合、得られた2つの医薬組成物が、同時に又は別々に間隔をおいて投与される);又は
−2つの薬学的に活性な薬剤が、必要とする患者に投与される単一医薬組成物に変換されている、
2つの薬学的に活性な薬剤の連合である。後者の場合、医薬組成物は、2つの活性な薬剤の混合物を含有でき、又は活性な薬剤の各々が、医薬組成物の異なった部位に存在できる(例えば、活性な薬剤の1つが錠剤のコア部分に存在し、他が錠剤のコアのコーティング部分に存在できる)。もちろん、この単一医薬組成物を調製するために、1以上の一般的なキャリヤー及び各種の通常の製剤法が使用される。
【0010】
抗糖尿病剤(b1)は、糖尿病の治療に一般的に使用されている各種の薬学的に活性な薬剤を意味する。これらの主なものは、下記のとおりである:
−インスリン;
−インスリン増感活性剤;
−インスリンの産生を促進する活性剤;
−スルホンアミド;
−ビグアニジン誘導体;及び
−α-グルコシダーゼ阻害剤。
【0011】
インスリンとしては、第1に、組換え遺伝子技術によって調製されたヒトインスリンが使用され、一般的に、非経口投与される。
【0012】
インスリン増感活性剤は、インスリンの効果を増大させる。その最も重要なものは、PPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)γ-作動薬、例えば、ピオグリタゾン((±)-5-[[4-[2-(5-エチル-2-ピリジニル)エトキシ]フェニル]メチル]-2,4-チアゾリジンジオン)、トログリタゾン((±)-5-[[4-[(3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-イル)メトキシ]フェニル]メチル]-2,4-チアゾリジンジオン)、シグリタゾン(5-[[4-[(1-メチルシクロヘキシル)メトキシ]フェニル]メチル]-2,4-チアソリジンジオン)、ロジグリタゾン((±)-5-[4-[2-[N-メチル-N-(2-ピリジル)アミノ]エトキシ]ベンジル]-2,4-チアゾリジンジオン)及び他の2,4-チアゾリジンジオン誘導体の如きチアゾリジンジオン誘導体及び薬学的に好適なその酸付加塩である。
【0013】
インスリンの産生を促進する活性剤は、例えば、次のとおりである:ミチグリニド((αS,3aR,7aS)-オクタヒドロ-γ-オキソ-α-(フェニルメチル)-2H-イソインドール-2-ブタン酸)、レパグリニド((S)-2-エトキシ-4-[2-[[3-メチル-1-[2-(1-ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]-2-オキソエチル]安息香酸)、セナグリニド(すなわち、ナテグリニド)(N-[[トランス-4-(1-メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]-D-フェニルアラニン)又は薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適なその塩。
【0014】
スルホンアミドの中で、最も重要なものは、スルホニル尿素誘導体、例えば、第1世代として、トルブタミド(N-[(ブチルアミノ)カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、クロロプロパミド(4-クロロ-N-[(プロピルアミノ)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド)、トラザミド(N-[[(ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-イル)アミノ]カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、アセトヘキサミド(4-アセチル-N-[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド)、等、又は、例えば、第2世代として、グリブリド(グリベンクラミド)(5-クロロ-N-[2-[4-[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]-2-メトキシベンズアミド)、グリピザイド(N-[2-[4-[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]-5-メチルピラジン-カルボキサミド)、グリクラザイド(N-[[(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-(1H)-イル)アミノ]カルボニル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、グリメピライド(トランス-3-エチル-2,5-ジヒドロ-4-メチル-N-[2-[4-[[[[(4-メチルシクロヘキシル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]エチル]-2-オキソ-1H-ピロール-1-カルボキサミド)、グリキドン(N-[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]-4-[2-(3,4-ジヒドロ-7-メトキシ-4,4-ジメチル-1,3-ジオキソ-2(1H)-イソキノリニル)エチル]-ベンゼンスルホンアミド)、グリボルヌリド(N-[[(3-ヒドロキシ-4,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)アミノ]カルボニル]-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド)、グリソキセピド(N-[2-[4-[[[[(ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-イル)アミノ]カルボニル]アミノ]-スルホニル]フェニル]エチル]-5-メチル-3-イソキサゾールカルボキサミド)、グリセンチド(N-[2-[4-[[[(シクロペンチルアミノ)-カルボニル]アミノ]スルホニル]フェニル]-エチル]-2-メトキシベンズアミド)、グリソラミド(N-[2-[4-[[[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ]-スルホニル]フェニル]エチル]-5-メチル-3-イソキサゾールカルボキサミド)、グリブゾール(N-[5-(1,1-ジメチルエチル)-1,3,4-チアゾール-2-イル]ベンゼンスルホンアミド)、グリクロピラミド(4-クロロ-N-[(1-ピロリジニルアミノ)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド)、等である。
【0015】
最も重要なビグアニジン誘導体は、一般式(I)
【化1】

(式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、C1-10アルキル基、ナフチル基、フェニル基又はフェニル(C1-4アルキル)基(ここで、前2つの場合、フェニル基は、独立して、ハロゲン原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基から選ばれる1〜3個の置換基によって任意に置換されうる)を表し、ただし、R1、R2、R3及びR4の1つは水素原子以外であり、又は、R1及びR2は、近接する窒素原子と一緒となって、及び/又はR3及びR4は、近接する窒素原子と一緒となって、置換又は未置換の5員又は6員芳香族環(任意に窒素原子を含有する他の置換又は未置換の5員又は6員芳香族環と融合していてもよい)を形成する)によって特徴付けられるもの及び薬学的に好適なその酸付加塩である。
【0016】
特に好ましいビグアニジン誘導体は、メトホルミン(N,N-ジメチルイミドジカルボンイミドジアミド)、ブホルミン(N-ブチルイミドジカルボンイミドジアミド)及びフェンホルミン(N-(2-フェニルエチル)イミドジカルボンイミドジアミド)である。
【0017】
α-グルコシダーゼ阻害剤は、酵素α-グルコシダーゼを阻害する。その代表的なものは、例えば、ミグリトール(1,5-ジデオキシ-1,5-[(2-ヒドロキシエチル)イミノ]-D-グリシトール)、アカルボース(O-4,6-ジデオキシ-4-[[[1S-(1α,4α,5β,6α)]-4,5,6-トリヒドロキシ-(3-ヒドロキシメチル)-2-シクロヘキセン-1-イル]アミノ]-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-D-グルコース)、ボグリボース(3,4-ジデオキシ-4-[[2-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]-2-C-(ヒドロキシメチル)-D-エピイノシトール)、等である。
【0018】
抗高脂血症剤(b2)は、高血中脂質レベルの治療に一般的に使用されている各種の薬学的に活性な薬剤を意味する。これらは、主に下記のように分類される化合物である:
アリールオキシアルカン酸誘導体;
HMG補酵素リダクターゼ阻害剤;
ニコチン酸誘導体;
胆汁酸制酸剤。
【0019】
アリールオキシアルカン酸誘導体の中で、好適な活性剤は、例えば、クロフィブラート(2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸エチルエステル)、ゲムフィブロジル(5-(2,5-ジメチルフェノキシ)-2,2-ジメチルペンタン酸)、シンフィブラート(2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸1,3-プロパンジイルエステル)、エトフィブラート(3-ピリジンカルボン酸2-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]エチルエステル)、シプロフィブラート(2-[4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)フェノキシ]-2-メチルプロパン酸)、ロニフィブラート(3-ピリジンカルボン酸3-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]プロピルエステル)、等である。
【0020】
HMG補酵素リダクターゼ阻害剤の中で、最も重要な活性剤は次のとおりである:ロバスタチン([1S-[1α(R*),3α,7β,8β(2S*,4S*),8αβ]]-2-メチルブタン酸1,2,3,7,8,8α-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル)、フルバスタチン([R*,S*,-(E)]-(±)-7-[3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルエチル)-1H-インドール-2-イル]-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテン酸)、プラバスタチン([1S-[1α(βS*,δS*),2α,6α,8β(R*),8aα]-1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-β,δ,6-トリヒドロキシ-2-メチル-8-(2-メチル-1-オキソブトキシ)-1-ナフタレンヘプタン酸モノナトリウム塩)、シンバスタチン([1S-[1α,3α,7β,8β(2S*,4S*),8αβ]]-2,2-ジメチルブタン酸1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル)、アトルバスタチン([R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-β,δ-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸)、等。
【0021】
ニコチン酸誘導体の中では、例えば、次のものが使用される:アシピモクス(5-メチルピラジンカルボン酸4-オキシド)、ニセリトロール(3-ピリジンカルボン酸2,2-ビス[[(3-ピリジニルカルボニル)オキシ]メチル]-1,3-プロパンジイルエステル)、ニコモール(3-ピリジンカルボン酸(2-ヒドロキシ-1,3-シクロヘキサン-ジイリデン)-テトラキス(メチレン)エステル)、ニコクロナート(3-ピリジンカルボン酸1-(4-クロロフェニル)-2-メチルプロピルエステル)、等。
【0022】
胆汁酸を結合する制酸剤の中で、重要なものは次のとおりである:コレスチポール(塩基性アニオン交換樹脂:(クロロメチル)オキシランを持つN-(2-アミノエチル)-N'-[2-[(2-アミノエチル)アミノ]-エチル]-1,2-エタンジアミン重合体)、コレスチラミン(スチレン-ジビニルベンゼン共重合体に結合した4級アンモニウム官能基を含有する合成の強塩基性アニオン交換樹脂)、ポリデキシド(腸において胆汁酸を結合する4級アンモニウム基を含有するアニオン交換樹脂)、等。
【0023】
抗糖尿病剤及び抗高脂血症剤は、各種文献から公知である。必要でありかつ化学的に可能であれば、これら活性剤は、薬学的に好適なその酸付加塩の形又は薬学的に好適な塩基にて形成されたその塩の形で使用される。
【0024】
薬学的に好適な酸付加塩は、塩酸又は硫酸等の如き薬学的に好適な無機酸、又は酢酸、フマル酸、乳酸等の如き薬学的に好適な有機酸にて形成された酸付加塩を意味する。
【0025】
抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤が、塩基にて塩を形成できる化学構造を有する場合、薬学的に好適な無機酸又は有機酸にて形成された活性剤の塩も使用できる。前記活性剤が、酸により酸付加塩を形成できる場合には、活性剤の薬学的に好適な酸付加塩も使用できる。
【0026】
一般式(I)において、C1-4アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2級-ブチル、3級-ブチル又はイソブチル基である。C1-10アルキル基は、上記のものに加えて、例えば、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシル基である。C1-4アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ又はn-ブトキシ基である。ハロゲン原子は、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子である。窒素原子を含有する飽和又は不飽和の5員又は6員芳香族環は、例えば、ピロール、イソピロール、ジヒドロピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン環、等である。
【0027】
本発明の相乗作用の薬学的組合せにおいて、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩と、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されたその塩との間の質量(又は重量)比は、一般に、(1〜100):(100〜1)である。一般に、薬学的組合せの1つ又は2つの医薬組成物は、経口又は非経口投与に好適なものであり、固体又は液体の組成物である。好適な剤形及び製法は、有用なキャリヤーと共に、文献、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., イーストン, 米国から公知である。
【0028】
本発明の相乗作用の薬学的組合せでは、各活性剤は、別個の医薬組成物中に存在でき、又はシクレタニン及び抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤の両方が、1つの共通の医薬組成物に存在してもよい。抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤は、例えば、上記のものの1つである。このように、本発明の好ましい相乗作用の薬学的組合せは、(b1)抗糖尿病剤、例えば、インスリン、又はチアゾリジンジオン誘導体(例えば、ピオグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、ロジグリタゾン)の如きインスリン増感活性剤、又はミチグリニド、レパグリニド、セナグリニドの如きインスリンの産生を促進する活性剤、又はスルホンアミド(例えば、トルブタミド、クロロプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリブリド、グリピザイド、グリクラザイド、グリメピライド、グリキドン、グリボルヌリド、グリソキセピド、グリセンチド、グリソラミド、グリブゾール、グリクロピラミド)、又は一般式(I)で表されるビグアニジン誘導体(好ましくは、メトホルミン、ブホルミン及びフェンホルミン)、又はα-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ミグリトール、アカルボース又はボグリボース)、又は(b2)抗高脂血症剤、例えば、アリールオキシアルカン酸誘導体(例えば、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、シンフィブラート、エトフィブラート、シプロフィブラート、ロニフィブラート)、又はHMG補酵素リダクターゼ阻害剤(例えば、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン)、又はニコチン酸誘導体(例えば、アシピモクス、ニセリトロール、ニコモール、ニコクロナート)、又は胆汁酸制酸剤(例えば、コレスチポール、コレスチラミン、ポリデキシド)、又は必要でありかつ化学的に可能であれば、(b1)及び(b2)で示したものの薬学的に好適な酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成された塩と共に、シクレタニン又は塩酸塩の如き薬学的に好適なその酸付加塩を含有する。
【0029】
下記のテストを使用して、本発明の組合せのグルコース感受性に対する影響を検討した。実施した実験は、すべて、実験動物のケア及び使用に関する欧州共同体の指針に合致するものである。
【0030】
成体の雄ニュージーランド白色ウサギ(体重3〜3.2kg)を使用し、ケージ1個当り1羽で、動物室(1日当り12時間明/暗、温度22〜25℃、相対湿度50〜70%)において飼育し、市販の実験室用飼料及び水道水を自由に与えた。2週間の順応期間の後、動物を外科的処置した(Szilvassy Z.ら, Br. J. Pharmacol., 112, 999-1001 (1994))。
【0031】
外科的処置を無菌条件化で実施した。ウサギをジアゼピン(Sigma, セントルイス, ミズーリ州, 米国)10mg/kg及びケタミン(EGIS Pharmaceuticals Ltd., ブダペスト, ハンガリー国)5mg/kgの静脈ボーラスにて麻酔した。局部麻酔のため、リドカイン(EGIS Pharmaceuticals Ltd., ブダペスト, ハンガリー国)を皮下投与した。頚静脈の2つの主要枝菅及び左頚動脈にポリエチレン製カテーテルを挿入した。カテーテルを、首の後ろを通して体外に出した。ヘパリンナトリウム溶液(100 lU/ml)を充満することによって、これらのラインを開出した状態に維持した。
【0032】
静脈カテーテルの1つを介して、120分間で、ヒトレギュラー・インスリン(13mU/kg, NOVO Nordisk, コペンハーゲン)を一定の割合で注入した。このインスリンの注入により、安定状態において、血漿インスリン免疫活性100±5μU/mlを呈した。この値は、正常な上限値の5倍に相当する。血中グルコース濃度を測定するため、10分間隔で、動脈カニューレから血液サンプル(0.3ml)を採取した。第2の静脈カニューレを介してグルコースを可変の割合で注入することによって、血中グルコース濃度を一定(5.5±0.5ミリモル/l)に維持した。血中グルコースが少なくとも30分間安定化した時点で、この状態を「安定状態」として定義した。安定状態において、血漿インスリンを測定するため、10分間隔で、さらに血液サンプル(0.5ml)を採取した。インスリン感受性を明らかにするため、安定状態の間のグルコース注入率(mg/kg/分)を使用した(DeFronzo R.A.ら, Am. J. of Physiol., 237, E214-223 (1979))。テスト化合物を、健康な動物及び高コレステロール血症の動物に、それぞれ、1日1回、5日間経口投与し、6日目に測定したグルコース注入率を、各テスト群(各群は動物6匹で構成される)で平均化した。健康な動物の1つの群及び高コレステロール血症の動物の1つの群をコントロールとして使用した。得られた結果を表1、2及び3に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
実際には、上記テストにおいて、一定の血中グルコースレベルを得るために注入されたグルコースの量を測定した。所定の一定血中グルコースレベルにおいて、より多くのインスリンが必要とされることが有利であり、これは、インスリンの増大された効果を表示する。従って、より大きいグルコース注入率が測定されるほど、テストした化合物によって、より高い効果が得られる。
【0037】
表1から理解されるように、健康な動物では、もちろん、高コレステロール血症の動物よりも大きい値が得られる。コントロール群では、シクレタニン又はメトホルミンにて処置した群よりも低いグルコース注入率が観察される。いずれにしても、健康な動物及びコレステロール血症の動物の両方において、動物をシクレタニン及びメトホルミンの両方で処置する場合は、テスト化合物の一方のみを投与した場合よりも、グルコース注入率は明らかに高い。このように、シクレタニン及びメトホルミンの間で相乗効果が観察される。
【0038】
このような結果は、表2及び表3によって示されるように、それぞれ、シクレタニン及びトログリタゾンによる場合、及びシクレタニン及びグリブリドによる場合も同じである。
【0039】
このように、本発明の特に好ましい相乗作用の薬学的組合せは、(a)シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び(b)一般式(I)で表されるビグアニジン誘導体(好適にはメトホルミン)又は薬学的に好適なその酸付加塩、又はスルホニル尿素(好適にはグリブリド)又は薬学的に好適なその酸付加塩、又はチアゾリジンジオン誘導体(好適にはトログリタゾン)又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有し、活性剤は、別個の医薬組成物中に又は単一の医薬組成物中に存在する。
【0040】
本発明は、インスリン増感作用を有する医薬組成物の調製における、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩の使用を包含する。好ましくは、医薬組成物は、一般に、経口又は非経口投与に適するユニット剤形であり、シクレタニン又はシクレタニン塩酸塩30〜100mgを含有する。好適な剤形及びその製法は、有用なキャリヤーと共に、文献、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., イーストン, 米国から公知である。
【0041】
本発明の相乗作用の薬学的組合せのグルコース感受性の検討において利用したものと同様のテスト法を使用して、各種用量のシクレタニンのインスリン増感効果を検討した。動物を、シクレタニン10mg/kg、30mg/kg又は100 mg/kgにて、1日1回、経口投与して、5日間処置した。6日目に、グルコース注入率を測定した。得られた結果を表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
実際には、このテストにおいて、膵臓によって産生されたインスリンの利用に対する各種用量のシクレタニンの影響を検討した。表4のデータから、コントロール群と比べて、10mg/kg程度のシクレタニンであっても、健康な動物及び高コレステロール血症の動物の両方において、生体によって産生されたインスリンの利用を増大させることが理解される(コントロールのデータは、注入によって投与されるべきグルコースの量(この量は、高インスリン血症の動物において正常血糖状態を生ずるために要求される量である)を示す)。もちろん、より多い用量のシクレタニンは、さらに好ましいインスリンの利用を生ずる。
【0044】
本発明は、さらに、前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病、又は前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症を予防又は治療する方法であって、前記疾患に罹った又は罹る危険が迫っている患者を、治療上有効な量のシクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩にて処置することを特徴とする予防又は治療法を包含する。シクレタニンの治療上有効な量とは、インスリン増感効果を生ずる量である。
【0045】
シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩に加えて、必要であれば、上記疾患に罹った又は罹る危険が迫っている患者に、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤を投与できる。この場合、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤及びシクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩は、同時に又は短い間隔(例えば、数秒又は数分)又は長い間隔(例えば、10〜30分)をおいて1つずつ投与される。
【0046】
シクレタニンは抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤の治療効果を相乗的に増大させるため、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤の日用量は、シクレタニンが投与されない場合の一般的な治療において使用される日用量よりも少ない。
【0047】
シクレタニンの日用量は、体重70kgの成人について、一般に30〜100 mg、好ましくは約50mgである。
【0048】
本発明の方法を使用することにより、特に下記の臨床パターンの発生が防止され、又は、一旦発生された場合には、これらは有利な影響を受ける:
−耐糖能異常又はインスリン抵抗性の如き前糖尿病状態;
−メタボリックシンドロームX;
−両タイプの糖尿病(IDDM及びNIDDM)
−特に網膜症、神経障害、腎症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、脱毛、散在性脱毛、妊娠糖尿病(GDM)、動脈緊張亢進、脂質代謝異常、動脈硬化症、肥満、糖尿病に関連する心臓虚血、等に関する糖尿病合併症。
【0049】
このように、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する医薬組成物は、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤にて治療される又は一般的には治療されなければならない患者に、前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病、又は前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症を予防又は治療するために投与される。シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する医薬組成物の投与の結果として、抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤による治療はもはや不要であるか、又は少ない用量の抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤で充分である。有効成分として、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する医薬組成物を、糖尿病に罹り、正常インスリン治療を受けている患者に投与する場合には、毎日のインスリン用量を低減でき、これにより、インスリン抵抗性の発生を回避できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病と共に、前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症の予防又は治療に好適な相乗作用の薬学的組合せであって、(a)シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第1の医薬組成物、及び(b)抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されるその塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第2の医薬組成物を含有することを特徴とする、相乗作用の薬学的組合せ。
【請求項2】
単一医薬組成物が、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第1の医薬組成物、及び抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されるその塩の両方を含有する、請求項1記載の薬学的組合せ。
【請求項3】
有効成分として、チアゾリジンジオン誘導体又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項4】
有効成分として、スルホニル尿素又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項5】
有効成分として、一般式(I)
【化1】

(式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、C1-10アルキル基、ナフチル基、フェニル基又はフェニル(C1-4アルキル)基(ここで、前2つの場合、フェニル基は、独立して、ハロゲン原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基から選ばれる1〜3個の置換基によって任意に置換されうる)を表し、ただし、R1、R2、R3及びR4の1つは水素原子以外であり、又は、R1及びR2は、近接する窒素原子と一緒となって、及び/又はR3及びR4は、近接する窒素原子と一緒となって、飽和又は不飽和の5員又は6員芳香族環(任意に窒素原子を含有する他の飽和又は不飽和の5員又は6員芳香族環と融合していてもよい)を形成する)で表されるビグアニジン誘導体又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項6】
有効成分として、メトホルミン又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する、請求項5記載の薬学的組合せ。
【請求項7】
抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤として、インスリン、ピオグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、ロジグリタゾン、ミチグリニド、レパグリニド、セナグリニド、トルブタミド、クロロプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリブリド、グリピザイド、グリクラザイド、グリメピライド、グリキドン、グリボルヌリド、グリソキセピド、グリベンクラミド、グリセンチド、グリソラミド、グリブゾール、グリクロピラミド、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、ミグリトール、アカルボース又はボグリボース、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、シンフィブラート、エトフィブラート、シプロフィブラート、ロニフィブラート、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、アシピモクス、ニセリトロール、ニコモール、ニコクロナート、コレスチポール、コレスチラミン、ポリデキシド、又は必要でありかつ化学的に可能であれば、薬学的に好適なその酸付加塩又は薬学的に好適な塩基にて形成されたその塩を含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項8】
インスリン増感効果を有する医薬組成物の調製におけるシクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩の使用。
【請求項9】
医薬組成物がシクレタニン又はシクレタニン塩酸塩を含有する、請求項8記載の使用。
【請求項10】
前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は真性糖尿病、又は前記の状態に関連する疾患、すなわち、内因性代謝障害、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、脱毛、散在性脱毛、多嚢胞性卵巣症候群及び/又は他の糖尿病合併症を予防又は治療する方法であって、前記疾患に罹った又は罹る危険が迫っている患者を、治療上有効な量のシクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩にて処置することを特徴とする予防又は治療法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前糖尿病状態、メタボリックシンドロームX又は2型真性糖尿病と共に、前記の状態に関連する疾患、すなわち、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、及び/又は多嚢胞性卵巣症候群の予防又は治療に好適な相乗作用の薬学的組合せであって、(a)シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第1の医薬組成物、及び(b)メトホルミン、トログリタゾン、グリブリド又は薬学的に好適なその酸付加塩及びロバスタチンでなる群から選ばれる抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤及び1以上の一般的なキャリヤーを含有する第2の医薬組成物を含有することを特徴とする、相乗作用の薬学的組合せ。
【請求項2】
単一医薬組成物が、シクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩及び抗糖尿病剤又は抗高脂血症剤又は薬学的に好適なその酸付加塩の両方を含有する、請求項1記載の薬学的組合せ。
【請求項3】
シクレタニン又はその塩酸塩及びメトホルミン又は薬学的に好適なその酸付加塩を含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項4】
シクレタニン又はその塩酸塩及びトログリタゾンを含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項5】
シクレタニン又はその塩酸塩及びグリブリドを含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項6】
シクレタニン又はその塩酸塩及びロバスタチンを含有する、請求項1又は2記載の薬学的組合せ。
【請求項7】
高血糖症及び/又はインスリン抵抗性に関連する状態(ただし、該状態は、糖尿病性神経障害以外である)を治療するための医薬組成物の調製におけるシクレタニン又は薬学的に好適なその酸付加塩の使用。
【請求項8】
状態がメタボリックシンドロームXである、請求項7記載の使用。
【請求項9】
状態が2型真性糖尿病である、請求項7記載の使用。
【請求項10】
状態が前糖尿病状態である、請求項7記載の使用。

【公表番号】特表2006−523668(P2006−523668A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506248(P2006−506248)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/HU2004/000037
【国際公開番号】WO2004/091612
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505386812)
【Fターム(参考)】