説明

糖尿病患者におけるインシュリン投与スケジュール及び糖質対インシュリン比を決定する方法及びシステム

糖尿病患者のための毎日のインシュリン投与計画をディジタルに決定する方法。本発明は、患者の日間を、基礎インシュリン投与速度及び(食事インシュリン投与量を決定するための)糖質対インシュリン比(複数も可)を含む調整可能な時間区間に分割する。本発明は、ある時間区間に亘る調整インシュリン投与量を、処方インシュリン(基礎インシュリン + 食事インシュリン)の「誤差」として識別する。方法は、先ず、処方インシュリンのこれら二つの成分のうちの一方に対する変更を推定する工程と、次いで、処方インシュリンの誤差から該一方の変更を引くことによって、他方に対する変更を決定する工程と、を含む。その一つの方法は、旧食事インシュリンに比例した区間の間に配分された食事インシュリンの変更を推定する。別の方法は、食後調整インシュリンと食事インシュリンとを一つに纏める。また別の方法は、食後調整投与量で区間を分割し、時間境界調整投与量から基礎インシュリンを決定する。データは、前日から得てよく、誤差の小さな分率を加えて、誤差の漸近的な低減に至ることができる。また、データは、最近の履歴から得てよく、誤差のより大きな分率が、医師または自動的な方法によって加えられてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、インシュリンポンプ又は多重投与インシュリン投与計画を用いる糖尿病患者の処置を援助するディジタル補助物の分野に関し、糖尿病患者におけるインシュリン投与スケジュールを決定する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、長年の間、インシュリン注射で処置されてきた。ところが、最近の三つの進歩が、糖尿病のケアを変えつつある。すなわち、インシュリンポンプ、多重投与量注射の新しいインシュリン処方箋、及び 吸入インシュリンである。以下、これらを論ずる。
【0003】
インシュリンポンプ: 本発明のインシュリンポンプは、糖尿病ケアに革命をもたらした。それは、ほぼページャの大きさの電池動力の装置である。インシュリンのカートリッジを含み、「注入セット」(接着パッチで取り付けられる小さなプラスチックの針又は「カニューレ」)により、可撓管を介して、患者にインシュリンをポンプ送りする。本発明のポンプは、下記のように、代表的なインシュリン投与計画を採用することを可能にする。すなわち、基礎インシュリンを、日間中多数回(日間当り4、5回程度が普通)変更するプログラムが可能な速度で、ゆっくりと、かつ、連続的に注射する。注入の基礎インシュリン速度は、変更と変更との間で一定である。一定の期間は、「区間」と呼ぶ。追加的には、インシュリンの大量瞬時投与が、患者によるコマンドで、注射可能である。大量瞬時投与には、次の二つの主要なタイプが有る。
【0004】
食事大量瞬時投与は、食事の直前に、食事の血糖効果に比例する量で注入される。これは、一般に、食事内の糖質のグラム数に比例する。比例定数は、糖質対インシュリン比、CIR、と呼ばれる個人化された数である。次のように使用する。
【0005】
食事インシュリン大量瞬時投与 = (食事内の糖質のグラム数) / CIR (1)
この計算は、一般に、患者により行なわれるが、患者の CIRをメモリーに記憶することができ、かつ、入力として、食事内の糖質のグラム数のみを必要とするポンプモデルが有る。
【0006】
補正大量瞬時投与は、血糖試験が行なわれた直後に注入され、補正大量瞬時投与の量は、患者の個人化された目標血糖からの血糖濃度の誤差に比例する。比例定数は、補正係数、CF、と呼ばれる個人化された数である。次のように使用する。
【0007】
調整インシュリン大量瞬時投与 = (血糖濃度 - 目標) / CF (2)
調整大量瞬時投与には、次の二つのタイプがあり、それぞれ、異なる目標を有してい る。
【0008】
時間境界調整インシュリン大量瞬時投与は、時間区間の終端で、空腹時に投与される。
【0009】
食後調整大量瞬時投与は、食後1〜5時間で、投与され、時間区間内で投与されることが最も多い。
【0010】
最近、ポンプメーカーは、彼らのポンプに、処置をより容易にするディジタル機能を組み込みつつある。ポンプによっては、CF 及び目標の値を記憶することができ、かつ、入力として、血糖濃度(BG)のみを必要とするものが有る。これらの新しいディジタル機能の中には、「インシュリンオンボード」機能が有る。この機能は、大量瞬時投与後のある一定の時間において依然として体内に在るインシュリンの量を数学的にモデル化し、かつ、適宜、大量瞬時投与に対する低減を推奨する。この機能は、食後調整大量瞬時投与を、より安全で実際的なものにする。
【0011】
多重投与量注射(MDI): 異なるタイプのインシュリンの開発では、進歩が行なわれつつある。非常に長期間作用し、ピーキングが無いものも有る。長期間作用するインシュリンは、ポンプ患者の基礎インシュリン投与計画に酷似した投与計画で、日間当り1回程度の低頻度で注射可能である。急速作用タイプのインシュリンの注射は、食事及び補正大量瞬時投与として、与えることができる。二つのタイプは、共に、一つの系として作用する。これらのインシュリンは、ポータブルな「ペン」(筆記用具に似ているのでその名が有る)で利用できる。ペンは、「キット」の形で BG メータと組み合わされ、これら装置は、キット内で互いに他に連通し、組み合わされたメモリーが、「キット」内の二つの装置の一つに格納されている。
【0012】
吸入インシュリン: 吸入インシュリン送達システムは、短期作用インシュリン用に開発されつつある。吸入器は、MDI 用に使用される BG メータと同様、「キット」内に組み合わされることが予想され、したがって、本発明は、吸入インシュリンを同様に取り扱うことが出来よう。この開発は、将来に期待されている。
【0013】
糖尿病ケアの性質は、非常に定量的である。皮肉なことに、数字の増加は、ポケット計算器での冗長なアルゴリズムの使用をあまりにも時間を喰うものにし、したがって、手が出ないほど高価なものにしている。したがって、内分泌学者の大多数は、経験に基づく主観的な方法を用いている。内分泌学者達は、手近の症例に、より大きな主観的な感じを与えるために、数字を単に傾向を見分ける助けに使い、次いで、その傾向を処置することが多い。例えば、彼らは、一般に、血糖(BG)スキャターチャート及びプリントアウトを眺め、BG スキャターチャート上のドットの視覚的な密度及び最高密度の部域の相対的な場所のような主観的な手段によって、傾向を見分けることが多い。彼らは、これらの傾向を、彼らの経験を用いて、インシュリン投与量の変更に翻訳する。
【0014】
経験に基づく主観的な方法は、開業医間で一様でないことが多い。内分泌学者及び 他の糖尿病専門医の不足がある。したがって、糖尿病の管理は、専門知識の程度が大きく異なる臨床医によって、無秩序なやり方で行なわれている。その結果、大部分の患者における糖尿病の管理は、満足ではあるが、最適ではない状態である。最適以下の BG 管理の結果として、糖尿病の過程は、全ての身体系を巻き込む合併症を含む場合がある。これら合併症は、早発性の死亡に関連し、また、コストに関連して、人口の6% をケアするための健康費用の19% に達している。
【発明の開示】
【0015】
本発明は、インシュリンポンプ、多重投与量皮下注射、又は吸入インシュリンを用いる糖尿病患者の毎日のインシュリン投与スケジュールに対する変更を分析し、かつ、処方する方法を提供することによって現在のケアの上記の欠点を克服している。本方法は、患者の(一)日間を選択された時間区間に分割し、該時間区間では、基礎インシュリン投与速度及び糖質対インシュリン比(複数も可)(食事インシュリン投与量を決定するための)について、調整可能なスケジュールが提供される。時間境界及び基礎速度変更は、一般に、患者の食事と一致するよう、開業医によって設定される。患者は、一般に、彼らが食事する直前の時間境界で、彼らの血糖(BG)を試験するよう勧められる。本発明は、下記の二つのインシュリン命名システムを使用している。
従来のインシュリンの命名:
合計の毎日のインシュリン = 処方インシュリン + 調整インシュリン (3)
ここで、
処方インシュリン = 基礎インシュリン + 食事インシュリン (4)
本発明は、(一)日間全体並びに各時間区間の患者の処方インシュリン(基礎インシュリン + 食事インシュリン)の「誤差」として、選択された時間区間に亘って調整インシュリンを利用するという思想を組み込んでいる。処方インシュリンの二つの成分のうちの一つに対する変更を推定し、次いで、処方インシュリンの誤差から該一方の変更を引くことによって、処方インシュリンの他の成分に対する変更を決定する方法が含まれる。したがって、二つの基本的なアルゴリズムのフォームが有り、これらはそれぞれ、次の「フロート」名で呼ばれる。
【0016】
MealIns フロート:
先ず、基礎インシュリンの変更を推定し、次いで、本発明は、食事インシュリンの変更を、処方インシュリンの誤差マイナス基礎インシュリンの変更であるように計算する。基礎インシュリンの変更を推定する方法のいくつかは、次の通りである。
【0017】
別の区間から基礎速度を借りて来る;別のアルゴリズム(例えば、基礎フロート)から基礎速度を推定する;誤差の指標として、(区間の終端で)時間境界調整インシュリンを用いて、時間区間のカーブフリーの後の方の部分から、基礎インシュリンの変更を推定する;誤差として、食後調整インシュリンを用いて、区間の第一の部分において、フロートを行なう。又は、
基礎フロート:
先ず、食事インシュリンの変更を推定し、次いで、本発明は、基礎インシュリンの変更を、処方インシュリンの誤差マイナス食事インシュリンの変更であるように計算する。食事インシュリンの変更を推定する方法のいくつかは、次の通りである。
【0018】
別の区間から食事インシュリン又は CIR を借りて来る;ある区間の食事インシュリンの変更を、合計の日間の食事インシュリンの変更のシェアとして、(区間のカーブ)/(合計の日間のカーブ)と同じ比率で推定する;ある区間の食事インシュリンの変更を、合計の日間の食事インシュリンの変更のシェアとして、(区間の食事インシュリン)/(合計の日間の食事インシュリン)と同じ比率で推定する。
【0019】
増強インシュリンの命名:
また、食後インシュリンを説明するための別の方法を設けるため、本発明は、食後調整インシュリンと食事インシュリンとを一つに纏めるインシュリン命名のシステムとして、「増強変数」を次のように識別する。
【0020】
合計の毎日のインシュリン = 増強処方インシュリン + 時間境界調整インシュリン (5)
ここで、
増強処方インシュリン = 基礎インシュリン + 増強食事インシュリン (6)
及び、
増強食事インシュリン = 食事インシュリン + 食後調整インシュリン (7)
フロートは、酷似している:
MealIns フロート:
先ず、基礎インシュリンの変更を推定し、次いで、本発明は、増強食事インシュリンの変更を、増強処方インシュリンの誤差マイナス基礎インシュリンの変更であるように計算する。基礎インシュリンの変更を推定する方法のいくつかは、次の通りである。
【0021】
別の区間から基礎速度を借りて来る;
別のアルゴリズム(例えば、基礎フロート)から基礎速度を推定する。
【0022】
又は、
基礎フロート:
先ず、増強食事インシュリンの変更を推定し、次いで、本発明は、基礎インシュリンの変更を、増強処方インシュリンの誤差マイナス増強食事インシュリンの変更であるように計算する。増強食事インシュリンの変更を推定する方法のいくつかは、次の通りである。
【0023】
別の区間から増強食事インシュリン又は CIR を借りて来る;ある区間の増強食事インシュリンの変更を、合計の日間の増強食事インシュリンの変更のシェアとして、(区間のカーブ)/(合計の日間のカーブ)と同じ比率で推定する;ある区間の増強食事インシュリンの変更を、合計の日間の増強食事インシュリンの変更のシェアとして、(区間の増強食事インシュリン)/(合計の日間の増強食事インシュリン)と同じ比率で推定する。
【0024】
一般:
変更を行なうのに、誤差項の全てを適用するのは、望ましくない場合がある。限定した量の誤差を適用して、オーバーシュートを防ぐ方法が、含まれている。
【0025】
「フロート」アルゴリズムの上記の選択は、下記の二つの主要なバージョンで開発された。
【0026】
毎日更新バージョン: 上記のフロートアルゴリズムは、前日のデータを用いて現在の日間の計算を行なうプログラムで具体化されている。このバージョンでは、誤差項の全量は、適用されないが、その代わり、誤差項の予め定められた分率が、適用される。誤差が、有効であったとすれば、その低減された量が、翌日現われる。この翌日の低減された誤差は、同じ分率だけ低減され、というようにして、誤差が漸近的に消えるまで低減される。このバージョンは、インシュリンポンプ、吸入インシュリンキット、MDI 注射キット、PDA の及び他のポータブルな装置内に設置するのに特に好適である。
【0027】
多重日間のデータバージョン: 上記のフロートアルゴリズムは、データソースに最近のカレンダー期間(例えば、最後の数週間)を用いるプログラムで具体化されている。したがって、データは、平均値である。誤差項の全量は、必ずしも適用されないが、その代わり、適用されるべき誤差の分率又は量が、開業医によって入力される。これらのバージョンは、開業医のコンピュータに設置するのに適している。このバージョンのサブバージョンは、誤差の分率を自動的に決定する。患者のコンピュータ、又はウェブサイトに適しており、インシュリンポンプ、又は多重毎日注射又は吸入インシュリン用のキットを有する患者が使用する。
【0028】
本開示の各種のアスペクトは、開示された実施形態の下記の詳細な説明の検討から、また添付の図の参照によって、より明確に理解され、かつ、評価され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
1.目次
本発明は、患者のための毎日のインシュリン投与スケジュールを含む各種のインシュリン投与速度及び糖質対インシュリン比(複数も可)を決定するのに使用するアルゴリズムのセットである。「フロートアルゴリズム」は、ここで述べる全ての好適な実施形態に適用される。以下の目次に示される記述は、先ず、「実施形態」(ポンプ又は MDI)によって、次いで「バージョン」(毎日更新又は多重日間のデータ)によって、最後に、「アルゴリズム 」(基礎フロート1、食事インシュリンフロート1、等)によって分類してある。
1. 目次
2. サフィックス及び時間インデクス
3. 用語集
4. 一般的な誘導
4.1 糖質対インシュリン比、CIR、の変更
4.2 いくつかの重要な式
4.2.1 従来のインシュリンの命名
4.2.2 増強インシュリンの命名
4.2.3 概要
4.3 2レベル基礎システム、及びKf計算器
4.3.1 統計的相関関係
4.3.2 平均値算出
5. インシュリン送達システムのタイプ
6. バージョン、実施形態、アルゴリズムによる説明
6. 1. 毎日更新を使用するバージョン
6.1.1 予備的な誘導
6.1.1.1 時間区間及び調整インシュリン
6.1.1.2 KrxInsl: インシュリン変更の大きさを支配する
6.1.2 ポンプ(タイプ E)について
6.1.2.1 基礎対合計比:
6.1.2.2 基礎フロート1、(deMealIns は、eMealIns 又は Carbs に比例する)
6.1.2.3 基礎フロート2、(区間の外側からのdeMealIns 値)
6.1.2.4 食事インシュリンフロート1
6.1.2.5 6.1.1.2 及び 6.1.1.3 の概要
6.1.2.6 食事フロート2 (誤差として AMCorIns(i) を使用)
6.1.3 多重投与量注射(MDI)及び吸入インシュリンについて
6.1.3.1 基礎フロート1、(MDI 又は吸入インシュリンには使用しない)
6.1.3.2 基礎フロート2、(dMealIns の値は、区間の外側からのものである)
6.1.3.3 食事インシュリンフロート1
6.1.3.4 6.1.3 の概要
6.1.3.5 食事インシュリンフロート2、(AMCorIns(i) を誤差項として使用)
6.1.4 省略された BG
6.1.5 修正大量瞬時投与計算器
6.1.6 患者のスケジュールの変更
6.2 多重日間のデータを用いるバージョン
6.2.1 開業医用の多重日間のデータ(DIGITAL AD VISOR)
6.2.1.1 ポンプについて
6.2.1.1.1 ポンプタイプ D 及び E
6.2.1.1.1.1 基礎フロート1、(deMealIns は、eMealIns 又は Carbs に比例する)
6.2.1.1.1.2 基礎フロート2、(多重日間のデータに使用しない)
6.2.1.1.1.3 食事インシュリンフロート1
6.2.1.1.1.4 6.2.1.1.1.1 及び 6.2.1.1.1.3 多重日間のデータ、タイプ D ポンプの概要
6.2.1.1.1.5 食事インシュリンフロート2 (AMCorIns を誤差として使用する )
6.2.1.1.2 ポンプタイプ C
6.2.1.1.3 ポンプタイプ B
6.2.1.1.4 ポンプタイプ A
6.2.1.2 皮下多重投与量及び吸入インシュリン
6.2.1.2.1 基礎フロート1
6.2.1.2.2 食事インシュリンフロート 1
6.2.1.2.3 食事インシュリンフロート2 (誤差として AMCorlhs(i) を使用する)
6.2.1.3 deRxInsl の限定ドメイン及び多重日間のデータバージョンの安全ネット公式
6.2.1.3.1 deRxInsl の限定ドメイン
6.2.1.3.2 安全ネットの公式
6.2.1.3.2.1 基礎フロート1について
6.2.1.3.2.2 食事インシュリンフロート1について
6.2.1.3.2.3 食事インシュリンフロート2(誤差として AMCorIns(i) を使用 する)について
6.2.2 自動多重日間のデータ(DIGITAL ADVISOR)
6.2.2.1 deRxInsl の自動化
6.2.2.2 deMealIns の自動化
6.2.2.3 ポンプタイプA 用 CIR の自動四捨五入
6.3 非フロートアルゴリズム
7. 時間区間
7.1 日間の最後のエントリーを見出す
2. サフィックス及び時間インデクス
本発明では、24時間の日間は、複数の時間区間に分割可能である。時間区間の境界は、time0、time1、time2、等のやり方で番号を付ける。これらの時間境界は、一般的に、time(i) と称し、ここで、「i」は、「時間インデクス」を表わす。
【0030】
時間区間、dt(i)、は、隣接する時間境界を減算することによって見出される。すなわち、
dt(i) = time(i+1) - time(i) (8)
各時間区間には、上記のように、その上流の時間境界と同じ番号が付けられる。
【0031】
なお、零時を囲む区間については、特に言及が必要である。
【0032】
dt0 = 24 + time1 - Tmax (9)
ここで、Tmax は、日間における最後の時間境界であり、一般に就寝時間である。Tmax を見出す方法は、後のセクションで説明する。
【0033】
時間境界は、一般に、(ポンプ)基礎速度の変更によって、あるいは、平均食事時間の変更によって定義づけられる。開業医は、基礎速度の変更、食事時間、BG試験、調整インシュリン大量瞬時投与、及び 食事インシュリン大量瞬時投与が、すべて、これらの時間境界で起こるように患者のスケジュールを立てることが多い。この実践は、必須ではないが、本発明での使用が望ましい。基礎速度は、時間区間と同じ番号が付けられ、したがって、BR1 は、time1 と time2 との間に属するものである。
【0034】
他のパラメータ(基礎速度以外の)は、正確な時間境界で識別されるが、実際の使用においては、患者は、そのような厳密なスケジュールに従うことが要求されない。したがって、別の一組の時間期間(区間と区別するため「ビン」と称する)が必要であり、これらのそれぞれは、時間境界を包絡する。「時間境界で」生ずると言われるパラメータは、実際には、ビン内で生じ、ビンにより包絡された時間境界と同じインデクス番号が与えられる。試験及び大量瞬時投与は、これらの 「時間境界ビン」に分類できる。多重日間のデータバージョンの場合は、これは、血糖メータ及びインシュリンポンプのソフトウェアをダウンロードすることによって処理されることが最も多く、該ソフトウェアでビンスケジュールが立てられる。毎日更新バージョンの場合には、一次時間区間の中点を用いて、これらの ビンの境界を定義してよい。
【0035】
時間境界調整インシュリンは、前の区間内のインシュリン誤差を測定し、したがって、第 i 区間についてパラメータを計算する場合は、インシュリン誤差は、「TBCorIns(d,i+1)」となることに注目されたい。
【0036】
時間区間のスケジュールに従わないパラメータには、時間区間インデクスの整数がない。多重日間のバージョンでは、これらのパラメータには、いかなるインデクスも全くない。
【0037】
毎日更新バージョンでは、全てのパラメータに、「d」、「d-1」、等の日間のインデクスが、BF(d,i) 又は TDD(d) の様式で与えられている。
【0038】
図1及び図2は、バージョン 6.2.1.1.1の好適な入力フォームの2頁、ポンプ D用の多重日間のデータバージョン、を示す。図1は、対話に単一の値を有するインデクスのないパラメータを示す。図2は、時間区間のインデクス付きパラメータを含む時間区間を示す。
【0039】
一意の日付及び時間に係るパラメータは、関数フォーム、すなわち、「parameter(t)」で表わす。ここで、これらのうちのいくつかは、説明のための誘導の際に出てくるが、本発明では一つも用いない。
3. 用語集
平均糖血症インデクス(Average Glycemic Index)(AGI):平均糖質の場合、2時間以内に血液に入るグルコースのグラム数を糖質中の糖の合計のグラム数で割った比。この数字については、研究が発表されており、60%〜90%の範囲である。
【0040】
AIM 公式(AIM Formulas):「正確なインシュリン管理(Accurate Insulin Management)」のアクロニム(Ref 1 参照。これは、ここで完全に発表するかのようにして、引用により組み込んである)。一組の統計的に誘導された公式を用いて、患者のための三つのパラメータを推定する。三つの公式がある。それぞれにおいて、定数(「K」で始まる)は、統計的に求めた。
【0041】
BasalAIM = Kb*TDDavg (10)
CFaim = Kcf / TDDavg (11)
CIRaim = Kcir * BodyWeight(lbs) / TDDavg (12)
これらの定数の値は、新しい研究が行なわれるにつれて、刻々に変更される。
【0042】
最新の値(Ref1 参照)は、Kb = 0.48, Kcf = 1700, Kcir = 2.8 である。
【0043】
食後調整インシュリン(After-Meal Corrective Insulin):第 i 区間において、前日、食事後に(食後に)行なわれた調整大量瞬時投与(毎日更新バージョン)。
【0044】
AMCorIns(d-1,i):「食後調整インシュリン」:第 i 区間において、前日、食事後に(食後に)行なわれた調整大量瞬時投与(毎日更新バージョン)。
【0045】
AMCorIns(i):「第 i 時間区間の食後調整インシュリン」。第 i 時間区間において、食事後に(食後に)行なわれた調整大量瞬時投与の平均(多重過去日間のバージョン)。
【0046】
基礎速度(Basal Rate): 基礎インシュリンが投与される(インシュリン単位/時間)での速度。
【0047】
基礎速度フロート(Basal Rate Float):CIR 又は食事インシュリンは、開業医又は推定公式によって決定され、かつ、BR は、合計の必要な変更、dRxInsl (増強又は従来)から食事インシュリン(増強又は従来)の変更を引くことによって求められる。
【0048】
Basal(d):「基礎インシュリン」。現在の日間の基礎インシュリンであって、本発明による基礎速度から計算される。(毎日更新バージョン)
Basal(d,i):現在の日間及び時間区間の基礎インシュリン(毎日更新バージョン)。
【0049】
Basal(i):時間区間の基礎(多重日間のバージョン)。
【0050】
基礎(Basal):「基礎インシュリン」。1.一般的な定義: ポンプによって連続的に投与されるインシュリン又は手動で注射されるインシュリンであって、その特殊な化学的組成によって、長時間体内に留まる。 2.コンピュータ変数: 日間中に投与された基礎インシュリンの現在の合計であって、基礎速度から計算される。
【0051】
SUM(Basal(i)) は、日間に亘って本発明により計算される。(多重日間のバージョン)
BasalTot:「基礎インシュリン合計」。開業医との対話の時点で、ポンプにプログラムされた現在の基礎インシュリン投与量。ポンプにより計算される。基礎に等しいはずである。(多重日間のバージョン)
BG(i):日間中のほぼ同じ時間境界、time(i)、での、数日間に亘る血糖試験の平均であって、グルコースメータのダウンローディングソフトウェアにより計算される。(多重日間のバージョン)
BGmean:最後の対話以来の又は分析されているカレンダー期間における血糖試験の総合的な平均であって、BG メータのダウンローディングソフトウェアにより計算される。(多重日間のバージョン)
BGpd:「一日間当りの BG数」。分析されているカレンダー期間における一日間当りの BG試験の平均数。(多重日間のバージョン)
BGsd(i):「第 i 時間区間の BG 標準偏差」であって、BG メータのダウンローディングソフトウェアから得られる。(多重日間のバージョン)
BGsd:「BG標準偏差」であって、研究しているカレンダー期間に亘る。BG メータのダウンローディングソフトウェアから得られる。(多重日間のバージョン)
BG、血糖濃度(Blood Glucose Concentration):これらの試験は、日間中、一般に時間境界で、数回自己投与で行なわれる。現在の技術水準では、それらは、血糖メータ内の試験ストリップに一滴の血液を置いて測定する。メータは、値と時間をメモリーに記憶する。開業医/患者の各対話において、値は、一般に血糖メータのメモリーからソフトウェアによってダウンロードされ、該ソフトウェアは、データポイントをグラフにし、BGmean で表わされる総合的な平均値、及び BG(i) で表わされる時間境界平均を含むいくつかの値を計算する。BG メータのいくつかのモデルは、インシュリンポンプにリンクして、組み合わされ、かつ、一体化されたデータのダウンロードを行なうことができる。
【0052】
ビン(Bin):一次時間区間システムの時間境界を包絡する時間期間。ビン内で行なわれるいかなる BG 試験又は大量瞬時投与も、それがあたかも時間境界上で行なわれるかのように処理される。
【0053】
大量瞬時投与(Bolus):(語源はボールの意のラテン語)。患者によって注文された短い経過時間内に注入されるインシュリンであって、基礎インシュリンとは区別される。基礎インシュリンは、連続的に、かつ、自動的に、予めプログラムされたポンプによるか、あるいは、遅効性のインシュリンの注射によって、ゆっくりと注入される。
【0054】
Bolus Time Period(i) (大量瞬時投与時間期間(i)):大量瞬時投与は、時間境界によって識別されるが、それらのタイミングには、可変性がある。これを解消するには、大量瞬時投与時間期間のシステムを使用する。このシステムには、正規の基礎区間の境界の間を揺動方式で交番する境界を有し、大量瞬時投与時間期間内に入るいかなる BG 又は大量瞬時投与も、正確に正規の基礎時間境界上で行なわれると、自動的に見なされる。
【0055】
Boli(i):「大量瞬時投与インシュリン」。時間区間の食事インシュリン + 調整インシュリンの平均和であって、連続的ではなく大量瞬時投与で投与されるので、このように呼ばれる。(多重過去日間のバージョン)
BoT:「基礎対合計(Basal over Total)」、基礎 / TDD。
【0056】
BoT(d):日間の「基礎対合計(Basal over Total)」基礎 / TDD。
【0057】
BoTFbk:「基礎対合計、フィードバック(Basal over Total, Feedback)」。毎日更新バージョンのパラメータ。この係数に日間の提案されたインシュリン変更を掛けると、基礎に対する変更の量が生ずる。
【0058】
BoTTgt:「基礎対合計、目標(Basal over Total, Target)」。基礎 / TDD の必要な値(毎日更新バージョン)。
【0059】
BoTTgtRec:「基礎対合計、推奨目標(Basal over Total, Target Recommended)」。BoTTgt の推奨値(毎日更新バージョン)。
【0060】
BR(d,i):第 i時間区間の「基礎速度」。基礎インシュリンが送達される速度の現在の設定値。この速度は、日間中、数回変更できるようポンプでプログラム可能である。(毎日更新バージョン)
BR(i):時間区間の「基礎速度」。基礎インシュリンが送達される速度の現在の設定値。この速度は、日間中、数回変更できるようポンプでプログラム可能である。(多重日間のバージョン)
BRavg:「基礎速度平均(Basal Rate Average)」、基礎 / 24
BRavgRec:「推奨基礎速度平均(Basal Rate Average Recommended)」
BRf:「基礎速度、空腹時の(Basal Rate, Fasting)」。前の12時間以内にいかなる食事も消費されず、かつ、遅発睡眠区間で測定が行なわれていない(夜明け前効果の合併症を避けるため)場合に、患者の血糖が目標範囲に維持されるであろうBR。
【0061】
BRkey:「キー基礎速度」。他の基礎速度がそれにペグされている。
【0062】
BRlateSlp:「遅発睡眠時間区間における基礎速度」。
【0063】
BRrec(i):「第 i 時間区間の推奨基礎速度」。本発明により計算される。(多重過去日間のバージョン)
BRreliable: 関連 BG 試験等の信頼性、高頻度のために選ばれた一組の基礎速度データ。Kf 計算器と共に使用する。
【0064】
BRrx(i):「第 i 時間区間の基礎速度、処方 」。開業医が、症例を観察後、患者に与える値。(多重過去日間のバージョン)
BRsimilar:空腹時の基礎速度に類似あるいは近接させるために選ばれた一組の基礎速度データ。Kf 計算器と共に使用する。
【0065】
糖質対インシュリン比(Carbohydrate-to-Insulin Ratio)(CIR 参照): 個人化された変換定数、現在値。
【0066】
カーブカウンティング(Carb-Counting): 先ず、ほぼ消費されるべき食事中の糖質のグラム数を数え、次いでCIR で割ることによって食事インシュリンを求める手法。
【0067】
Carbm:「修正糖質グラム数」、演習を組み込んでいる大量瞬時投与計算器で使用される。
【0068】
Carbs:「糖質のグラム数」
CarbSh(i):「カーブシェア」。ほぼタイプAのポンプで使用する場合は、実際の糖質のグラム数又は15gの「エクスチエンジ」を用いる。タイプAのポンプで、MealIns(i)5 用のメモリー無しで、使用する場合は、このパラメータは、各時間区間内で消費される糖質の相対的な大きさの、開業医の、又は、患者の推定値である。タイプAのポンプの場合は、パラメータが、合計、CarbShTot のパーセントとしてのみ使用されるので、いかなる単位でも許容できる。単位の例: 糖質のグラム数 (望ましい)、合計のパーセント、食事インシュリンの単位(CIR が一定の場合)。(多重日間のバージョン)
CarbShTot:「カーブシェア合計」、CarbShTot = sum(CarbSh(i)) として計算される。
【0069】
CF:「補正係数」。補正大量瞬時投与を計算するのに使用される個人化された係数。CorBol(t) 及び AIM 参照。
【0070】
〜に対する変更:「処方インシュリンに対する変更」、「基礎インシュリンに対する変更」、「増強食事インシュリンに対する変更」のように使われる。この語句は、指定された量の、最後の測定値から推奨値への提案された変更を表わす。毎日更新バージョンの場合、これは、ある日間から翌日への変更である。多重日間のデータバージョンの場合、これは、過去のカレンダー期間に亘る平均から推奨値への変更である。変更を表わすディジタル変数は、微積分におけるような小文字の「d」をその前に置く。
【0071】
CIR(d,i):「糖質対インシュリン比」。現在の日間における時間区間 dt(i) の CIR。(毎日更新バージョン)
CIR(i):「糖質対インシュリン比」。現在の日間における時間区間 dt(i) の CIR。(多重過去日間のバージョン)
CIR:「糖質対インシュリン比」。個人化された変換定数、現在値。
【0072】
CIR =(消費された糖質の重量)/(糖質を代謝するのに必要なインシュリン) (13)
MealBol(t)、及び AIM 参照。このパラメータの計算は、PumpMaster の重要目標の一つである。(多重過去日間のバージョン)
CIRrec(i):「糖質対インシュリン比、時間区間の推奨」。(多重過去日間のバージョン)
CIRrec:「糖質対インシュリン比、推奨」。(多重過去日間のバージョン)
CorBol(t):「一意的な日付及び時間における調整大量瞬時投与」。患者は、定期的に彼の/彼女の血糖濃度を試験する。それが高すぎる場合は、患者は、次の公式により、インシュリンの大量瞬時投与を計算する。
【0073】
CorBol(t) = (BG(t) - 目標) / CF (14)
ここで、目標とは、必要な BG レベルであり、CF は、個人化された補正係数である。
【0074】
CorIns(i):「調整インシュリン」。「食後」及び「時間境界」の時間を含む区間内の全ての時間における CorBol(t) の和。(多重過去日間のバージョン)
CorIns(d,i):「調整インシュリン」。現在の日間中の「食後」及び「時間境界」の時間を含む区間内の全ての時間における CorBol(t) の和。(多重過去日間のバージョン)
CorTot(d):「調整インシュリン合計」。現在の日間内の全ての時間における調整インシュリンの和。(毎日更新バージョン)
CorTot:「調整インシュリン合計」。日間内の全ての時間における調整インシュリンの和の平均。(多重過去日間のバージョン)
dBasalAuto:dBasal の自動化されたバージョン。(自動多重日間のバージョン)
dBaslToAIM:BasalAIM 値を達成するのに必要な基礎の変更。
【0075】
deMealIns(d,i):現在の日間の時間区間の「増強食事インシュリンの変更」。(毎日更新バージョン)
deMealIns(i):時間区間の「増強食事インシュリンの変更」。(多重過去日間のバージョン)
deMealIns:日間全体の「合計の増強食事インシュリンの変更」。(多重過去日間のバージョン)
deMealInsAuto:dEmealIns の自動化されたバージョン。(自動多重日間のバージョン)
deRxInsAuto:「増強処方インシュリンの変更、自動」、自動的に推定される。(自動多重日間のバージョン)
deRxInsl(d,i):「現在の日間の時間区間における増強処方インシュリンの変更」(毎日更新バージョン)
deRxInsl(i):「時間区間における増強処方インシュリンの変更」(多重過去日間のバージョン)
deRxInsl:「合計の日間の増強処方インシュリンの変更」(多重過去日間のバージョン)
deRxInslld(i):「増強処方インシュリンの変更、区間内の大ドメイン」。「安全ネット(Safety-Net)」公式。deRxInsl(i) の二つの公式のうちの一つ。(多重日間のバージョン)
deRxInslsd(i):「合計の増強処方インシュリンの変更、小ドメイン」。「安全ネット(Safety-Net)」目的の deRxInsl(i) の二つの公式のうちの一つ。(多重日間のバージョン)
dt(i):「時間の差」。「第 i」時間区間の長さ。
【0076】
睡眠初期の時間区間(Early-Sleep Time Interval):就寝時間で始まり睡眠中期(Mid-Sleep)時間境界で終る時間区間。大部分の糖尿病患者は、就寝時間にスナックを摂らないよう奨励され、かつ、ほぼ午前3時に睡眠中期 BG を行なうよう奨励される。このアドバイスが守られる場合は、睡眠初期の時間区間により、他の多くの時間区間の基礎となる真の「不活性の基礎速度」、BRf、の良好な指示が得られる。
【0077】
eMealIns(d,i):「時間区間の増強食事インシュリン」。現在の日間の時間区間 dt(i) 中の食事大量瞬時投与プラス食後調整大量瞬時投与の和。(毎日更新バージョン)
eMealIns(i):「時間区間の増強食事インシュリン」。時間区間における食後インシュリンプラス時間境界調整インシュリンの和の多重日間平均。(多重過去日間のバージョン)
eMealInsRec(d,i):「現在の日間及び時間区間に推奨された増強食事インシュリン」。(毎日更新バージョン)
eMealInsRec(i):「時間区間の増強食事インシュリン、推奨」。本発明により計算される。(多重過去日間のバージョン)
eMealInsTot(d):「現在の日間の増強食事インシュリン合計」。現在の日間中の eMealIns(i) の和。(毎日更新バージョン)
eMealInsTot:「増強食事インシュリン合計」。数日間に亘り平均された日間全体中の MealIns(i) の和プラス食後調整インシュリンの和。(多重日間のバージョン)
増強(Enhanced):ある修正された可変システムを記述するのに使用される語で、該システムでは、食後調整インシュリンが、食事インシュリンの一部として組み込まれている。
【0078】
eRxInsl:「合計の日間の増強処方インシュリン」。TDD のサブセットは、次のように定義される。すなわち、日間中の増強食事インシュリン + 基礎インシュリンの和。それは、一般に開業医による「処方」である。本発明は、それを自動的に計算する方法を提案する。
【0079】
ExerCarbs:「演習カーブ」。糖質のグラム数での演習と等価の語。
【0080】
FInsAuto:dRxInsAuto を限定する乗数。(自動多重日間のバージョン)
固定した食事(Fixed-Meal):カーブカウンティング以外の、食事インシュリンを決定する別のより簡単な手法。固定した量のインシュリンが先行する固定したメニューの食事を摂ることが含まれる。
【0081】
フロート(Float):二つの主要なパラメータ、EmealIns 又は BR、のうちの一つに対する変更が、開業医によって推定又は決定され、かつ、他のパラメータに対する変更が、インシュリンの合計の必要な変更から、推定されたインシュリンの変更を引くことによって求められるアルゴリズム。「フロート状態の」パラメータとは、引算によって求められるそれである。
【0082】
GlycemicIndex:消費後2時間以内に糖質から利用できるカロリーの、糖質における合計のカロリーに対する比。糖質の種類が異なれば異なる。
【0083】
対話(Interaction):「患者/開業医の対話」。包括的な語で、人対人の対話、及び、患者のパラメータが再調整される遠隔通信ベースの対話が含まれる。
【0084】
区間(Interval):日間は、患者のインシュリン投与が、日間全体に亘り変更できるよう、また、時間依存ベースで分析できるよう、時間区間に分割される。区間は、一般に基礎速度変更の時間で境界がつけられる。
【0085】
Kb:推定された基礎の公式で使用される統計的に導き出された定数。「AIM」公式の最新の出版物は、Kb=0.48 (Ref 1) の最新の値を記載している。下記の公式で使用される。
【0086】
基礎 = Kb*TDDavg (15)
Kcf:推定された CF の公式で使用される統計的に導き出された定数。「AIM」公式(Ref 1)の最新の出版物は、Kcir=1700 の最新の値を記載している。下記の公式で使用される。
【0087】
CF = Kcf / TDDavg (16)
Kcir:推定された CIR の公式で使用される統計的に導き出された定数。「AIM」公式(Ref 1)の最新の出版物は、Kcir=2.8 の最新の値を記載している。下記の公式で使用される。
【0088】
CIR = Kcir*BodyWeight / TDDavg (17)
KcirW:推定された CIR の公式で使用される定数。最新の出版物は、Kcir=500 の最新の値を記載している。下記の公式で使用される。
【0089】
CIR = KcirW / TDDavg (18)
Kcycle:指定された数の日間(Ncycle)において、それによって CorTot を減らしたいと思う分率を表わす定数。(毎日更新バージョン)
Keyb:「キー基礎速度」におけるように、依存できるデータを有すると考えられ、かつ、その BR も、他の区間に使用されている区間の識別子。
【0090】
Keyc:「キー CIR」におけるように、依存できるデータを有すると考えられ、かつ、その CIR も、他の区間に使用されている区間の識別子。
【0091】
Kf =「K空腹時」。定数<1。空腹時の基礎速度の、選択された「信頼できる」基礎速度に対する比。
【0092】
Kf = BRf / BRreliable (19)
Kmauto:「K 食事、自動」。その目的が deMealIns を決定することである1に等しいか又は1より小さい正の定数。(自動多重日間のバージョン)
Kfbk:「K Feedback」。BoTFbk の公式における定数であって、目標値に対する基礎対合計比の収斂の速度(日間数)を調整するもの。(毎日更新バージョン)
KrxInsl:その目的が dRxInsl を限定することである1に等しいか又は1より小さい正の定数。(毎日更新バージョン)
KrxInslMax:deRxInsl/TBCorTot の最大許容値。(多重日間のバージョン)
睡眠後期の時間区間(Late-Sleep Time Interval):(夜明け前の時間区間と同じ)。睡眠中期の時間境界で始まり、朝食の時間境界で終る時間境界。この時間区間は、「夜明け前効果」で特徴付けられ、該夜明け前効果は、一般に予想されているであろうインシュリンの量よりも幾分より多いものを必要とする。この効果は、成長ホルモンの放出に繋がると思われる。この時間区間は、全ての時間区間の中で、カーブフリーであることの信頼性が最も高いものである。それは、たとえ夜明け前効果のための候補でないとしても、「不活性の空腹時の基礎速度」のための最善の候補ではあろう。
【0093】
食事インシュリン(Meal Insulin): 「大量瞬時投与」で摂られるインシュリンであって、糖質の消費と同時にあるいは直前に摂られるもの。
【0094】
食事インシュリンフロート(Meal Insulin Float):BR は、開業医によって、あるいは、推定値の公式によって決定され、また、食事インシュリン(増強又は従来)は、合計の必要な変更、dRxInsl(増強又は従来)から基礎の変更を引くことによって求められる。次いで、CIR の変更は、食事インシュリン(増強又は従来)から求められる。この タイプのフロートの使用は、基礎速度をより一様に保持することを可能にする。これは、患者が食事を省略した場合に役に立つ。
【0095】
MealBol(t):「一意的な日付と時間における食事大量瞬時投与」。患者は、食事する場合、消費される糖質のグラム数を計算し、下記の公式により、インシュリン大量瞬時投与を計算する。
【0096】
MealBol(t) = (糖質の gm) / CIR (20)
ここで、CIR は、個人化された糖質対インシュリン比である。
【0097】
MealIns(d,i) = 時間区間内の食事インシュリン。(毎日更新バージョン)
MealIns(i) = 時間区間内の食事インシュリン。(多重過去日間の更新バージョン)
MealInsTot = 一日間における食事インシュリンの合計
NBGs(i):分析されているカレンダー期間に亘る「時間区間における BG の数」。(多重日間の更新バージョン)
NBGs:「BG の数」。最後のダウンロード以来の又は分析されているカレンダー期間における、BG メータの BG 試験の合計の数。(多重日間のバージョン)
Ncycle:インシュリン誤差の分率 Kcycle が除去されるまでの日間数。(毎日更新バージョン)
NDbg:「血糖の日間数」。分析されているカレンダー期間におけるBG 試験の日間数。(多重日間のバージョン)
ペグする(Peg):(動詞)。定数に等しい一区間におけるパラメータ(CIR 又は BR)を別の区間における同じパラメータに乗じて設定すること。該パラメータは、キー区間に「ペグされる」という。一般に、該定数は、開業医による調整日間におけるパラメータ同士の比に等しく、したがって、その後、同じ比が維持される。
【0098】
ペン(Pen):ポケットポータブルなインシュリン送達装置であって、筆記用具に似ているのでそのように名付けられた。
【0099】
PmPctBGsd:量(BGsd/BGmean)のデータベース「母集団」平均値であって、deRxInsl の自動化で使用される。(自動多重日間のバージョン)
開業医(Practitioner):糖尿病患者のパラメータを分析し、インシュリン投与量投与計画を処方する医師又は看護婦。
【0100】
夜明け前時間区間(Pre-Dawn Time Interval):(睡眠後期の時間区間に同じ)
PsdPctBGsd:量(BGsd/BGmean)のデータベース「母集団」標準偏差であって、deRxInsl の自動化で使用される。(自動多重日のバージョン)
信頼できるデータセット(Reliable data set):この語は、あるパラメータについての統計が良好、すなわち、BG 試験の頻度が高く、標準偏差が低い区間又はデータを示すのに特に用いられる。
【0101】
RxInsl:「合計の日間の処方インシュリン」。TDD のサブセットで、日間中の食事インシュリン + 基礎インシュリンの和と定義される。調整インシュリンとは違って、開業医により処方される。
【0102】
同様のデータセット(Similar data set):この語は、統計的に求めている値に近いパラメータを有していそうに思われるデータセットを示すのに特に用いられる。
【0103】
Swtch:「スイッチングパラメータ」。2値パラメータで、その目的が、いくつかのドメイン限度に対して deRxInsl を評価し、deRxInsl(i) の二つの「ドメイン」式の間を移行することであるもの。(多重日間のバージョン)
目標(Target):総称。必要な結果を表わすフィードバックアルゴリズムで使用される数字。
【0104】
TargetAM:「食後の目標血糖」。調整インシュリンは、患者の BG が、TargetAM からどのくらい高いかによって計算される。CorBol 参照。
【0105】
TargetTB:「食前の目標血糖」。調整インシュリンは、患者の BG が、TargetTB からどのくらい高いかによって計算される。CorBol 参照。
【0106】
目標基礎対合計比(Target Basal-to-Total Ratio):毎日の基礎インシュリンを合計の毎日のインシュリンで割った必要な値。フィードバックアルゴリズムで用いられる。
【0107】
TBCorIns(d-1,i+1):「時間境界調整インシュリン」。患者は、一般に、彼の/彼女の BG を時間境界で試験するよう指示される。このパラメータは、前日に時間境界、time(i+1)、で、あるいは、その近くで摂られた調整インシュリンの合計である。(毎日更新バージョン)
TBCorIns(i+1):「第 (i+1) 時間区間における時間境界調整インシュリン」。患者は、一般に、彼の/彼女の BG を時間境界で試験するよう指示される。このパラメータは、時間境界、time(i+1)、で、あるいは、その近くで摂られた調整インシュリンの合計の数日間に亘る平均である。(多重過去日間のバージョン)
TBCorTot(d):「現在の日間の時間境界調整インシュリン合計」。(毎日更新バージョン)
TBCorTot:「時間境界調整インシュリン合計」。日間全体に亘る TBCorIns(i) の和。(多重過去日間のバージョン)
TDD(d-1): インシュリンの「合計の毎日投与量」。患者が前日中に受け取ったインシュリンの合計の量。(毎日更新バージョン)
TDDavg:「インシュリンの合計の毎日投与量、平均」。数日間の TDD の平均。(多重過去日間のバージョン)
Time(i):「第 i」時間境界。
【0108】
時間境界調整インシュリン(Time-Boundary Corrective Insulin): 時間区間の境界、あるいは、その近くで行なわれた調整インシュリン大量瞬時投与。一般に、BG 試験は、時間境界で(次の区間が食事区間である場合は、食事直前に)行なわれ、調整大量瞬時投与は、この BG 試験から計算される。
【0109】
TimeLabel(i):各時間境界を標識化する短いテキストフレーズ。PumpMaster は、いくつかの標準エントリを提供する。すなわち、睡眠中期(Mid-Sleep)、朝食前(Pre-Breakfast)、昼食前(Pre-Lunch)、夕食前(Pre-Supper)、就寝時間(Bedtime)、スナック(Snack)、及び基礎速度変更(Basal Rate Change)である。
【0110】
Tmax:患者の最後の時間境界。一般に就寝時間。
4. 一般的な誘導
4.1 糖質対インシュリン比、CIR、の変更
CIR の定義は、二つの異なるやり方で、すなわち、現在の状態に適したやり方、及び、糖質は変わらないと仮定しての、推奨としてのやり方で、再編成することができる。
【0111】
カーブ = CIR*食事インシュリン (21)
CIRrec = カーブ / 推奨食事インシュリン (22)
食事インシュリン又はカーブが既知でない場合は、微分法を使用できる。
【0112】
CIRrec = CIR + dCIR (23)
下記の公式で使用すべき食事インシュリンについては、CIR の導関数が必要である(導関数は括弧内)。
【0113】
dCIR = (dCIR / d食事インシュリン)*d食事インシュリン (24)
及び、
d食事インシュリン = dCIR / (dCIR / d食事インシュリン) (25)
下記の誘導は、食事インシュリンの変更 d(食事インシュリン) を生ずるdCIR、すなわち、CIR の変更を計算するための公式に至るものである。導関数を計算又は推定するには、いくつかのやり方がある。それらを得るためには、先ず、CIR の定義から始める。
【0114】
CIR = カーブ / (食事インシュリン) (26)
微積分法を用いて次のように微分する。
【0115】
(dCIR/d食事インシュリン) = - カーブ / (食事インシュリン)2 (27)
式 (21) を式 (27) に代入して下記の式を得る。
【0116】
(dCIR/d食事インシュリン) = - CIR / (食事インシュリン) (28)
これは、CIR に依存する導関数の推定である。統計的研究からの相関関係を代入することによって、式から CIR を消去することができる。例えば、AIM 相関関係 (Ref 1) を用いると、下記のようになる。
【0117】
CIR = Kcir*BodyWt / TDDavg (29)
ここで、Kcir は、統計的に求められる定数である。
【0118】
これを CIR について式 (28) に代入すると、下記の一般式を得る。
【0119】
(dCIR / d食事インシュリン) = - (Kcir*BodyWt / TDDavg) / (食事インシュリン) (30)
食事インシュリンが、利用できない場合は、次のように計算できる。
【0120】
食事インシュリン = TDDavg - 基礎 - 調整インシュリン (31)
したがって、
(dCIR/d食事インシュリン) = - (Kcir*BodyWt / TDDavg) / (TDDavg - 基礎 - 調整インシュリン) (32)
AIM の統計的な研究は、基礎が、TDDavg の1/2よりやや小さいことを示している。調整インシュリンは、一般に小さく、したがって、食事インシュリンは、TDDavg の約1/2である、と言える。したがって、式 (30) から、下記の式が導かれる。
【0121】
(dCIR / d食事インシュリン) = - (Kcir*BodyWt*2 / TDDavg2) (33)
そして、最終的には、
dCIR = - (Kcir*BodyWt*2 / TDDavg2)*d食事インシュリン (34)
別の相関関係 (Ref 2) では、CIR=Kcirw/TDD が推定され、同様の手順で、下記の式が導かれる。
【0122】
dCIR = - (Kcirw*2 / TDDavg2)*d食事インシュリン (35)
食事インシュリン、dMealIns、の変更は、次のように得ることができる。
【0123】
dMealIns = MealInsNew - MealInsOld (36)
dMealIns = カーブ*(1 / CIRnew - 1 / CIRold ) (37)
これは、開業医が入力してもよい。
4.2 いくつかの重要な式
4.2.1 従来のインシュリンの命名
異なるタイプのインシュリンを示す上記のセクションは、変数名を用いて下記のように書き直す。
【0124】
ここで次の定義を想起されたい。
【0125】
RxInsl: 処方インシュリン、
TBCorTot: 合計の日間の時間境界調整インシュリン、
AMCorTot: 合計の日間の食後調整インシュリン
CorTot: 合計の日間の調整インシュリン
TDD = RxInsl + CorTot (38)
ここで、RxInsl = 基礎 + MealIns (39)
変更が小さい場合は、
dRxInsl = dBasal + dMealIns (40)
時間区間内では、同様の式が当てはまり、
RxInsl(i) = Basal(i) + MealIns(i) (41)
dRxInsl(i) = dBasal(i) + dMealIns(i) (42)
本発明は、下記の思想を組み込んでいる。すなわち、合計の日間の調整インシュリン、CorTot、は、患者の処方インシュリン内の「誤差」を表わしており、目標は、CorTot=0 である。開業医(又は自動アルゴリズム)は、除去すべき CorTot の量を決定する。この量は、「合計の処方インシュリンの変更」の語をまねて、dRxInsl と呼ばれている。この変更を行なうことによって、プログラムは、CorTot を、前以って間接的に日間において減少させることができる。dRxInsl は、下記のように、バージョンによって別様に決定することができる。
【0126】
毎日更新バージョン: KrxInsl は、1に等しいか又は1より小さい予め決められた定数であり、以下に示すようなやり方で dRxInsl を設定するのに用いる。
【0127】
dMealIns + dBasal = dRxInsl = KrxInsl*CorTot (43)

同様に、時間区間内では、
dMealIns(i) + dBasal(i) = dRxInsl(i) = KrxInsl*CorIns(i+1) (44)
毎日更新アルゴリズムの場合、現時点では、KrxInsl = 0.16 であるが、KrxInsl の値は、最適な安全性及び性能に合わせて調整する。
【0128】
多重日間のデータバージョン:手動サブバージョンでは、dRxInsl は、開業医が、患者/開業医の対話ごとに入力する。値は、KrxInslMax*CorTot の最高値までのいかなる値でも許される。ここで、KrxInslMax は、分率の定数である。
【0129】
dMealIns + dBasal = dRxInsl <= KrxInslMax*CorTot (45)
各時間区間は、その合計の誤差のシェアに比例して、その「fix」のシェアを次式のように得る。
dMealIns(i) + dBasal(i) = dRxInsl(i) = dRxInsl*(CorIns(i+1) / CorTot) (46)
現時点では、KrxInslMax = 0.5 であるが、KrxInslMax の値は、最適な安全性及び性能に合わせて調整する。
【0130】
自動サブバージョンでは、dRxInsl は、自動的な方法で決定される(「自動多重日間のデータ(Digital Advisor)」と題するセクションで説明する)。
【0131】
式 (44) 又は (46) の左辺は、次の二つのやり方のうちの一つで、区間について実行される。これらは、「フロート」と命名されている。
【0132】
MealIns フロート:
先ず、dBasal(i) を推定する。次いで、本発明により、dMealIns(i) = dRxInsl(i) - dBasal(i) を計算する。dBasal(I) を推定するやり方のうちのあるものは、別の区間から新しい基礎速度を借りて来る。
【0133】
別のアルゴリズム(例えば、基礎フロート)から基礎速度を推定する。
【0134】
誤差の指標としてTBCorIns(i) を用いて、時間区間のカーブフリーの後の方の部分から dBasal(i) を推定する。フロートは、誤差として AMCorIns(i) を用いて、区間の第一の部分に対して行なわれる。 (47)
又は、
基礎フロート:
先ず、dMealIns(i) を推定する。次いで、本発明により、dBasal(i) = dRxInsl(i) - dMealIns(i) を計算する。dMealIns(i) を推定するやり方のうちのあるものは、別の区間からMealIns(i) 又は CIR(i) を借りて来る。
【0135】
dMealIns(i) をCarbSh(i)/CarbShTot と同じ比率で、日間の合計のdMealIns のシェアとして推定する。
【0136】
dMealIns(i) を MealIns(i)/MealInsTot と同じ比率で、日間の合計のdMealIns のシェアとして推定する。 (48)
4.2.2 増強インシュリンの命名
インシュリンオンボード計算を組み込んでいるタイプのインシュリン送達システムは、患者が、食後調整インシュリン投与(変数名:AMCorIns)を用いるのをより安全にする。「調整」と呼ぶ理由は、調整公式、式 (14) を使用するためである。しかしながら、特定の食事のカーブに対処するのに必要なインシュリンの一部であるので、新しい変数を定義することで食事インシュリンと共に纏めるのがより便利である。
【0137】
増強食事インシュリン: eMealIns = MealIns + AMCorIns
増強処方インシュリン: eRxInsl = 基礎 + eMealIns
これは、よりよく説明すると、次のようになる。
【0138】
TDD = eRxInsl + TBCorIns (49)
ここで、eRxInsl = 基礎 + eMealIns (50)
かつ、eMealIns = MealIns + AMCorIns (51)
eMealIns における二つの量は、これらの計算の開始時に加算され、単一の変数として処理される。
【0139】
変更が小さい場合、
deRxInsl = dBasal + deMealIns (52)
時間区間内では、下記の同様の式が当てはまる。
【0140】
eRxInsl(i) = Basal(i) + eMealIns(i) (53)
deRxInsl(i) = dBasal(i) + deMealIns(i) (54)
本発明は、下記の思想を組み込んでいる。すなわち、合計の時間境界調整インシュリン、TBCorTot、は、患者の増強処方インシュリン内の「誤差」を表わしており、目標は、TBCorTot=0 である。開業医(又は自動アルゴリズム)は、除去すべき TBCorTot の量を決定する。この量は、「合計の増強処方インシュリンの変更」の語をまねて、deRxInsl と呼ばれている。この変更を行なうことによって、プログラムは、TBCorTot を、前もって間接的に日間において減少させることができる。deRxInsl は、下記のように、バージョンによって別様に決定することができる。
【0141】
毎日更新バージョン:KrxInsl は、1に等しいか又は1より小さい予め決められた定数であり、以下に示すようなやり方で deRxInsl を設定するのに用いる。
【0142】
deMealIns + dBasal = deRxInsl = KrxInsl*TBCorTot (55)
同様に、時間区間内では、
deMealIns(i) + dBasal(i) = deRxInsl(i) = KrxInsl*TBCorIns(i+1) (56)
毎日更新アルゴリズムの場合、現時点では、KrxInsl = 0.16 であるが、KrxInsl の値は、最適な安全性及び性能に合わせて調整する。
【0143】
多重日間のデータバージョン:手動サブバージョンでは、deRxInsl は、開業医が、患者/開業医の対話ごとに入力する。値は、KrxInslMax*TBCorTot の最高値までのいかなる値でも許される。ここで、KrxInslMax は、1に等しいか又は1より小さい分率の定数である。
【0144】
deMealIns + dBasal = deRxInsl <= KrxInslMax*TBCorTot (57)
各時間区間は、その誤差に比例して、その「fix」のシェアを次式のように得る。
【0145】
dMealIns(i) + dBasal(i) = deRxInsl(i) = deRxInsl*
(TBCorIns(i+1) / TBCorTot) (58)
現時点では、KrxInslMax = 0.5 であるが、KrxInslMax の値は、最適な安全性及び性能に合わせて調整する。自動サブバージョンでは、deRxInsl は、自動的な方法で決定される(「自動ディジタルアシスタント(Automatic Digital Assistant)」と記述)。
【0146】
式 (56) 又は (58) の左辺は、次の二つのやり方のうちの一つで、区間について実行される。これらは、「フロート」と命名されている。
【0147】
MealIns フロート:
先ず、dBasal(i) を推定する。次いで、本発明により、deMealIns(i) = deRxInsl(i) - dBasal(i) を計算する。dBasal(i) を推定するやり方のうちのあるものは、別の区間から Basal(i) を借りて来る。
【0148】
別のアルゴリズム(例えば、基礎フロート)から Basal(i) を推定する。 (59)
又は、
基礎フロート:
先ず、deMealIns を推定する。次いで、本発明により、dBasal(i) = deRxInsl(i) - deMealIns(i) を計算する。deMealIns を推定するやり方のうちのあるものは、別の区間からeMealIns(i) 又は CIR(i) を借りて来る。
【0149】
deMealIns(i) をCarbSh(i)/CarbShTot と同じ比率で、日間の合計のdeMealIns のシェアとして推定する。 (60)
deMealIns(i) を eMealIns(i)/eMealInsTot と同じ比率で、日間の合計のdeMealIns のシェアとして推定する。
4.2.3 概要
ある一定のバージョンでは、異なる時間区間は、異なるタイプのフロートを有していてよい。
【0150】
基礎フロートには、日間における全ての時間区間に使用でき、患者の毎日のルーチンに合わせて容易に変更できるという利点が有る。
【0151】
食事インシュリンフロートには、基礎速度スケジュールを簡素に保つことができ、食事習慣の変更は、人が、カーブを消費し、食事大量瞬時投与を行なう場合のみ、その変更に取り組む CIR によって処理され得る、という利点が有る。しかしながら、食事インシュリンフロートは、時間区間内に食事を有する時間区間にのみ影響し得る以上、非食事区間には、依然として基礎フロート式を使用しなければならない。
4.3 2レベル基礎システム、及びKf計算器
開業医によっては、「2レベル基礎」スケジュール、すなわち、単一の基礎速度、BRf、(BR空腹時用)を、目覚めの直前の睡眠後期の時間区間を除いた24時間中に割り当てるのを好む人もいる。睡眠後期の区間は、「夜明け前現象」(これは睡眠期間の第二半分中に幾分より多くのインシュリンを必要とする)のために異なっている。したがって、基礎速度は、BRf 及び BRlateSlp の2レベルとなる。BRf を見出すことが重要な仕事になる。
【0152】
非食事区間は、BRf を求めるのに最善であろう。一般に、非食事区間は、睡眠初期の区間と睡眠後期の区間である。しかしながら、これらのいずれも完全な候補ではない。
【0153】
睡眠初期の区間は、真に無食事である場合は、最善の BRf 値を与えることになるであろうが、患者は、夜食を摂ることによって、「ごまかす」ことが多い。また、患者は、彼の、又は、彼女の睡眠を中断して、必要な睡眠後期の BG 試験を行なわねばならず、したがって、データは、入手できないことが多い。
【0154】
睡眠後期又は夜明け前区間は、最も容易に利用でき、かつ、無食事であることが最も多いが、この区間は、「夜明け現象」のため、不適当である。これらのうちのいずれも、BRf のための完全な候補ではない。
【0155】
本発明は、BRf を計算するためのいくつかのやり方を与えるよう設計された二つの一般化された方法を組み込んでいる。ここでいくつかの命名について説明しなければならない。BRf は、「除外された区間」と呼ばれるいくつかの区間を除く大部分の区間で使用されるよう意図されている。統計的信頼性が良好な一つの区間又は BRのカテゴリーは、「信頼できる」(基礎速度 BRreliable を有する)区間として指名されてよい。別の区間又はデータセットは、「同様の」区間として指名されてよいが、これは、その基礎速度、BRsimilar、が、BRf と同様であるためである。本発明は、二つの一般的な方法を用いて、BRf を得る。
4.3.1 統計的相関関係
BRf は、おなじみの最小2乗公式、すなわち、最近のカレンダー期間に亘る「信頼できる」データと「同様の」データとのペアにされた値を、公式 BRsimilar = Kf*BRreliable にフィットするよう推定された相関定数、Kf、に統計的に関連づけることによって得てよい。
【0156】
Kf= SUM[(BRsimilar)*(BRreliable)] / SUM[BRreliable2] (61)
相関定数、Kf、は、ひとたび計算されると、これを用いて、「信頼できる」基礎速度の値を、次の開業医の対話までの BRf の値に変換する。
【0157】
BRf = BRreliable*Kf (62)
4.3.2 平均値算出
BRf は、同じ日あるいは前日からの(毎日更新バージョンの場合)、あるいは、最近のカレンダー期間(多重日間のバージョンの場合)からの BRsimilar データのいくつかのセットを平均することによって得てよい。平均法の平滑化効果は、良好な値を生ずるのに役立つ。
【0158】
以下、これら二つの方法のいくつかの具体的な用途について説明する。
【0159】
夜食が全くなかった夜の睡眠初期の BRは、BRsimilar として使用される。これらは、次のカレンダー日間の早朝における、すぐ後の睡眠後期のBR の値とペアにされ、BRreliableとして使用される。後で使用される公式は、BRf = Kf*BRlateSlpである。 (63)
BRlateSlp 以外の BR の平均は、信頼できるデータセットとしての BRlateSlpとペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。結果として生ずる公式は、式 (63) と同じように見えるが、Kf が異なる。
【0160】
BRlateSlp を除く全ての BR の平均は、BRf として直接使用してよい。
【0161】
全ての BR の平均、すなわち、(基礎 / 24)は、BRf として直接使用してよい。
【0162】
全ての BR の平均、すなわち、(基礎 / 24)は、信頼できるデータセットとしての BRlateSlpとペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。この場合も、結果として生ずる公式は、式 (63) と同じである。
【0163】
夜食が全くなかった夜の睡眠初期の BRは、BRsimilar として使用される。これらは、基礎 / 24 の「信頼できる」値とペアにされる。後で使用される公式は、BRf = Kf*基礎 / 24 である。 (64)
BRlateSlp 以外の BR の平均は、信頼できるデータセットとしての全てのBR、すなわち、基礎 / 24 の平均とペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。結果として生ずる公式は、式 (64) と同じであるが、Kf が異なる。
【0164】
全ての他の区間(睡眠後期の区間以外の)に対する基礎フロート1の結果の平均は、信頼できるデータセットとしての BRlateSlp とペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。この場合も、結果として生ずる公式は、式 (63) と同じに見える。
【0165】
全ての他の区間(睡眠後期の区間以外の)に対する基礎フロート2の結果の平均は、信頼できるデータセットとしての BRlateSlp とペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。この場合も、結果として生ずる公式は、式 (63) と同じに見える。
【0166】
全ての他の区間(睡眠後期の区間以外の)に対する食事インシュリンフロート2の結果の平均は、信頼できるデータセットとしての BRlateSlp とペアにされて、同様のデータセットとして指名されてよい。この場合も、結果として生ずる公式は、式 (63) と同じに見える。
【0167】
このタイプの追加の用途については、以下の本文を通じて言及する。
【0168】
Kf の一般論
Kf 計算器は、インシュリン送達装置の外部で使用できるようになっており、多重日間のデータバージョンには、特に好適である。患者/開業医の対話時に、開業医が使用できるように設計されている。これは、Kf の正確な値を計算するのに十分なデータポイントが得られるよう、十分な数の夜のディジタルメモリーに依存するからである。
5. インシュリン送達システムのタイプ
以下は、インシュリン送達システムのリストであって、それぞれに適用可能な本発明のバージョンを示してある。
【0169】
タイプAポンプ:数日間用の TDD 用メモリーを有している。プログラム基礎スケジュール、Basal(i) のメモリーを有している。CF、CIR、CIR(i)、BG(i)、MealBol(t)、MealIns(i)、TBCorIns、AMCorIns、CorBol(t)、又は CorIns(i) 用のメモリーは有していない。したがって、日間の平均組合せ大量瞬時投与は、TDDavg から基礎を引くことによって得て来なければならない。例:Medtronic MiniMed Paradigm 511。
【0170】
バージョン 6.2.1.1.4:これは、多重日間の累積データを使用する。プログラムは、ポンプの外部である。
【0171】
タイプBポンプ:タイプ Aのメモリーに加えて、これらは、BG(i)、すなわち、CarbSh(i) 用の実際のカーブ、CIR(i)、CF、及び組合せ大量瞬時投与、Boli(i) 用のメモリーを有している。例:Medtronic MiniMed Paradigm 5 12 及び 712。
【0172】
バージョン 6.2.1.1.3:多重日間のデータを使用する。プログラムは、ポンプの外部である。
【0173】
タイプCポンプ:他のタイプBのメモリーに加えて、これらは、MealIns(i) 及び CorIns(i) 用のメモリーを有している。例:Deltec Cozmo。
【0174】
バージョン 6.2.1.1.2:多重日間のデータを使用する。プログラムは、ポンプの外部である。
【0175】
タイプ D ポンプ:タイプ Cのメモリーに加えて、これらポンプは、最小限として、AMCorIns(i) 及び TBCorIns(i) 用のメモリーを有している。
【0176】
バージョン 6.2.1.1.1:多重日間のデータを使用する。プログラムは、ポンプの外部である。
【0177】
タイプ Eポンプ:最小限として、タイプDポンプの全てのパラメータを有し、かつ、内部にインストールされたプログラムを有している。
【0178】
バージョン 6.1.2:自動毎日更新を使用する。プログラムは、ポンプの内部である。
【0179】
バージョン 6.2.1.1.1:多重日間の累積データを使用する。プログラムは、ポンプの外部である。
【0180】
インシュリン送達装置と BG メータとが、共にキットにクリップされるか、あるいは、別様に互いに他と連通されて、データがディジタルに記録される皮下又は吸入インシュリン送達。
【0181】
バージョン 6.1.3:自動毎日更新を使用する。プログラムは、キットの内部である。
【0182】
バージョン 6.2.1.2:多重日間の累積データを使用する。プログラムは、キットの外部である。
【0183】
これらは、プレゼンテーションを容易にするため、目次内で再編成してある。アルゴリズムの種類の違いがよく分かるようにしてある。
6. バージョン、実施形態、アルゴリズムによる説明
6. 1. 毎日更新を使用するバージョン
6.1.1 予備的な誘導
6.1.1.1 時間区間及び調整インシュリン
インデクス「d」は、現在の日間を表わす。
【0184】
インデクス「i」は、「第 i」時間境界又は時間区間(時間境界に続く)を表わす。
【0185】
時間境界の調整インシュリン、TBCorIns(d,i) は、第 i 区間の開始時に生ずる調整大量瞬時投与の和である。各大量瞬時投与は、時間境界大量瞬時投与として識別されねばならず、また、第 i 区間で識別されねばならない。これは、下記の方法を適当に組み合わせて行なってよい。
【0186】
前の区間の中点と第 i 区間の中点との間に入る場合は、第 i 区間で識別される。
【0187】
同じインデクス番号を有する食事大量瞬時投与の前に来る場合は、時間境界調整大量瞬時投与として識別される。
【0188】
大量瞬時投与時、患者によって、インシュリン送達装置の制御装置を用いて入力されるこれら識別子の一方又は両方。
【0189】
食後調整インシュリンAMCorIns(d,i) は、下記の方法の適当な組合わせによって識別される調整大量瞬時投与の和である。
【0190】
第 i 区間に入る場合は、第 i 区間で識別される。
【0191】
区間の開始をマークする食事の食事大量瞬時投与後に来るという事実によって食後調整大量瞬時投与として識別される。
【0192】
大量瞬時投与時、患者によって、インシュリン送達装置の制御装置を用いて入力されるこれら識別子の一方又は両方。
6.1.1.2 KrxInsl: インシュリン変更の大きさを支配する
TBCorTot = TBCorTotStart である場合、任意の開始時から開始して、本発明の動作を分析するとしよう。これは、本発明の誤差を表わす。目的は、それぞれの日間の「誤差」、TBCorTot、を、分率の量、KrxInsl*TBCorTot (ここで、KrxInsl <= 1)だけ、減らすことである。これは、「開始誤差」、TBCorTotStart、で開始すると、誤差は、幾何数列で減少するであろうことを意味する。日間数、Ncycle、後は、
残存誤差、TBCorTot(Ncycle) = TBCorTotStart*[1 - KrxInsl]Ncycle (65)
この残存誤差は、Ncycle が増大するにつれて、ニアゼロに近づく。「ニアゼロ」の語句は、パーセント残存誤差に対して適度に小さい数を設定することによって定義できる。
【0193】
パーセント残存誤差 = [1 - KrxInsl]Ncycle (66)
パーセント残存誤差とNcycle が適当に組み合わされれている場合、式を KrxInsl について解くことができる。これは、本発明により、次のように行なわれる。
【0194】
KrxInsl = 1 - (パーセント残存誤差)(1/Ncycle) (67)
パーセント残存誤差は、発明者によって設定されているが、変更される場合がある。(代表的な値は、10% である)。Ncycle の選択は、開業医に任されている。(代表的な値は、14 日間である)。この例では、好適な値 KrxInsl=0.16 が導かれる。分かりやすく言えば、KrxInsl について0.16 を選択すると、2週間以内に誤差の 90% が無くなる。毎日更新アルゴリズムで次のように使われる。
【0195】
deRxInsl = KrxInsl*TBCorTot (68)
又は、
dRxInsl = KrxInsl*TBCorTot (69)
区間内では、
deRxInsl(i) = KrxInsl*TBCorIns(i+1) (70)
又は、
dRxInsl(i) = KrxInsl*TBCorIns(i+1) (71)
6.1.2 ポンプ(タイプ E)について
6.1.2.1 基礎対合計比:
Basal(d)/TDD(d) 比は、「基礎対 TDD(Basal over TDD)」の代わりに BoT(d) と呼ばれる。これは、毎日計算される。医学的な研究により、Basal(d)/TDD(d) のいくつかの比は、糖尿病のよりよい管理に繋がる、と判断されている。Basal(d)/TDD(d) 比の目標は、患者又は開業医によってプログラムに設定可能である。これは、「基礎対 TDD、目標(Basal over TDD, Target)」の代わりに BoTTgt と呼ばれる。
【0196】
本発明は、BoT(d) を BoTTgt に持っていくためのフィードバック係数を含んでいる。フィードバック係数は、収斂の速度を調整するための定数 Kfbk を組み込んでいる。
【0197】
BoTFbk(d) = BoT(d) + Kfbk*(BoTTgt - BoT(d) )*sign(deRxInsl) (72)
結果として生ずる値が、ゼロより小さいか、あるいは、1より大きいことが許されない場合。
【0198】
この係数に日間の提案された合計のインシュリン変更を掛けると、基礎に対する変更の量が生ずる。「sign」関数は、変更の大きさが、変更の「方向」に対して正しいことを保証する。定数 Kfbk は、BoTTgt への収斂の速度が最適となるよう、調整される。フィードバック係数は、次のように適用される。
【0199】
dBasal = BoTFbk(d)*deRxInsl (73)
deMealIns = (1 - BoTFbk(d))*deRxInsl (74)
本発明は、BoTTgtRec と呼ばれる BoTTgt に対する推奨値を提供しており、これは、以下のように計算される。
【0200】
BoTTgtRec = 1 - 4*CarbShTot*(平均糖血症インデクス) / (高さ、重量、及び他の容易に分かる患者パラメータの関数としてのカロリー摂取に対する統計的相関関係)
この公式は、変換率 4 を用いて、カロリーに対するカーブを変更し、次いで、糖血症インデクスを掛けて、カーブから直ちに得られるカロリーを得、次いで、身体形状から推定される患者のカロリー摂取で割るものである。
【0201】
これは、MealIns/TDD の条件を示すものである。基礎対合計比は、1マイナスこの量である。
【0202】
本発明の現在のバージョンは、一般に、同じ時間区間における dBasal 及び deMealIns の両方に対してこの思想を用いないが、その代わりに、これらのうちの一方を使用して、「フロート」の定義で述べたやり方で、合計、deRxInsl から引くことにより、他のパラメータを求める。
6.1.2.2 基礎フロート1、(deMealIns は、eMealIns 又はカーブに比例する)
このアルゴリズムは、フィードバック係数 BoTFbk(d) を用いて食事インシュリンを推定するものである。増強インシュリンの命名システムを用いる。増強食事インシュリンの合計の変更は、式 (72) 及び (76) から取る。
【0203】
deMealIns(d) = KrxInsl*(1 - BoTFbk(d-1))*TBCorTot(d-1) (75)
この量の部分(区間に割り当てられる)は、前日からの増強食事インシュリンの、その区間のシェアに比例する。この思想は、下記の式で適用される。
【0204】
deMealIns(d,i) = KrxInsl*(1 - BoTFbk(d-1))*TBCorTot(d-1)*eMealIns(d-1,i) / eMealInsTot(d-1) (76)
eMealIns(d,i) = eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*(1 - BoTFbk(d-1))*TBCorTot(d-1)*eMealIns(d-1,i) / eMealInsTot(d-1) (77)
式 (22) を用いると、
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / [eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*(1 - BoTFbk(d-1))*TBCorTot(d-1)*eMealIns(d-1,i) / eMealInsTot(d-1)] (78)
基礎フロートの定義におけるステートメント (60) のようにすると、
BR(d,i) = BR(d-1,i) + (deRxInsl(d,i) - deMealIns(d,i)) / dt(i) (79)
式 (70) を用いると、
BR(d,i) = BR(d-1,i) + KrxInsl*[TBCorIns(d-1,i+1) - (1 - BoTFbk(d-1))*TBCorTot(d-1)*eMealIns(d-1,i) / eMealInsTot(d-1)] / dt(i) (80)
このアルゴリズムは、「ボード両端の間の(across the board)」全ての時間区間で使用できる。このアルゴリズムは、全ての時間区間で使用された場合、CIR 又は MealIns スケジュールの最初の処方された「シェイプ(shape)」を維持する効果を有する。すなわち、各 eMealIns(d,i) には、同じ係数が掛けられ、したがって、それらは、一致して増大又は減少する。
6.1.2.3 基礎フロート2、(区間の外側からのdeMealIns 値)
このアルゴリズムは、MealIns 又は CIR 値が、区間(別の区間にペグされている)の外側から借りて来た区間で使用する。この方法は、非食事時間区間で有用である。なぜなら、これらの区間における食事インシュリンデータは、計算に使えるほど信頼性が高くないからである。全ての CIR は、「キー CIR」に比例して増大又は減少する。CIR スケジュールは、同じ「シェイプ」を維持し、各 CIR は、第一日間、d=1 で有したのと同じキー CIR に対する比を維持する。キー CIR は、いくつかのソースから、すなわち、一般に、食事を有し、かつ、食事フロートアルゴリズムを用いる時間区間から選んでよい。キー CIR 区間の番号は、keyc である。増強インシュリンの命名システムを用いる。
【0205】
CIR(d,i) = [CIR(d-1,keyc) / CIR(1,keyc)]*CIR(1,i) (81)
式 (37) は、以下に示すように書き直す。増強の命名システムを使用するが、必要な変更は、両システムで同じであることに注目されたい。
【0206】
deMealIns(d,i) = dMealIns(d,i) = CarbSh(d-1,i)*[1 / CIR(d,i) - 1 / CIR(d-1,i)] (82)
BR(d,i) = BR(d-1,i) + dBR(d,i) (83)
「フロート」 式は、ステートメント (60) から以下のように得られる。
【0207】
BR(d,i) = BR(d-1,i) + (deRxInsl(d,i) - deMealIns(d,i)) / dt(i) (84)
次いで式 (56) を下記のように適用する。
【0208】
BR(d,i) = BR(d-1,i) + [KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+l) - deMealIns(d,i)] / dt(i) (85)
BR(d,i) = BR(d-1,i) + [KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - CarbSh(d-1,i)*[1/CIR(d,i) - 1 / CIR(d-1,i)]] / dt(i) (86)
6.1.2.4 食事インシュリンフロート1
このアルゴリズムは、BR を「キー」基礎速度にペグする、すなわち、全ての基礎速度は、キー基礎速度に比例して増大又は減少する。基礎スケジュールは、同じ「シェイプ」を維持し、各基礎速度は、第一日間、d=1 で有したのと同じキー基礎速度に対する比を維持する。キー基礎速度は、いくつかのソースから、すなわち、一般に、食事を有し、かつ、基礎フロートアルゴリズムを用いる時間区間から選んでよい。キー区間の番号は、keyb である。増強インシュリンの命名システムを用いる。
【0209】
BR(d,i) = [BR(d-1,keyb) / BR(1,keyb)]*BR(1,i) (87)
キー基礎速度は、基礎フロート1アルゴリズムの総合的な結果、すなわち、Basal(d-1) プラス補正を用いる計算からも得られる。公式は、上記の公式と同様、d=1 を使用する。
【0210】
BR(d,i) = [Basal(d-1) + BoTFbk(d-1)*KrxInsl*TBCorTot(d-1)] / Basal(1)*BR(1,i) (88)
キー基礎速度は、次のようにしても得られる。
【0211】
全ての区間に亘る基礎速度の和から、
Basal(d) = SUM(BR(d,i)*dt(i)) (89)
BR(d,i) = [(Basal(d) / Basal(1)]*BR(1,i) (90)
BR(d,i) のソースが、何であろうと、基礎速度の変更は、
dBR(d,i) = BR(d,i) - BR(d-1,i) (91)
食事インシュリンフロートの定義におけるステートメント (59) のようにすると、
deMealIns(d,i) = KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - dBR(d,i)*dt(i) (92)
deMealIns(d,i) = KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - (BR(d,i) - BR(d-1,i))*dt(i) (93)
eMealIns(d,i) = eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - (BR(d,i) - BR(d-1,i))*dt(i) (94)
式 (22) を分かりやすくすると、
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / eMealIns(d,i) (95)
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / [eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - (BR(d,i) - BR(d-1,i))*dt(i)] (96)
6.1.2.5 6.1.1.2 及び 6.1.1.3 の概要
基礎フロート2のアルゴリズムは、食事インシュリン1 フロートと次のように併用する。
【0212】
第一日間、d=1については、開業医の最新の処方を入力する。このデータは、自動毎日更新シーケンスの開始点である。非食事区間には、基礎フロート2アルゴリズムが、それらの CIR を「Keyc」区間にペグして与えられる。非食事を含む区間の一つは、「Keyb」基礎速度(一般に睡眠後期の区間又は平均基礎 / 24)として指名される。食事を含む区間における基礎速度は、キー基礎速度にペグされて、それらのキー基礎速度に対する最初の比を維持する。食事を含む区間には、食事インシュリンフロートアルゴリズムが与えられる。
6.1.2.6 食事フロート2 (誤差として AMCorIns(i) を使用)
このアルゴリズムは、食後 BG 試験を利用する。これらの試験及び関連食後調整大量瞬時投与は、区間を二つの部分に分ける。アルゴリズムは、フロートが計算される区間の第一の部分の「誤差」の指標として、AMCorIns(d-1,i) を用いる。dBasal(d-1,i) の値は、TBCorIns(d-1,i+1) を dBasal(d-1,i) の誤差項として使用する区間のカーブフリーの第二の部分から得られる。「増強」インシュリンの用語は使用しない。
【0213】
次のように定義する。すなわち、Timeb(d-1,i) = 第i 時間境界後の食後大量瞬時投与の時間
dtb(d-1,i) = Time(i+1) - Timeb(d-1,i) (97)
dta(d-1,i) = Timeb(d-1,i) - Time(i) (98)
区間の第二の部分においては、
BR(d,i) = BR(d-1,i) + KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) / dtb(d-1,i) (99)
区間の第二の部分(又は別のソース)から基礎速度が得られると、下記のステートメントが、区間の第一の部分について言えることになる。
【0214】
dBR(d,i) = BR(d,i) - BR(d-1,i) (100)
MealIns(d,i) = MealIns(d-1,i) + KrxInsl*AMCorIns(d-1,i) - dBR(d,i)*dta(d-1,i) (101)
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / MealIns(d,i) (102)
6.1.3 多重投与量注射(MDI)及び吸入インシュリンについて
基礎インシュリンは、一日間当り一回程度の低頻度で、長期作用インシュリンの形態で投与される。調整インシュリン及び食事インシュリンは、注射又は吸入短期作用インシュリンの形態で、必要に応じて、投与される。このアルゴリズムは、BG メータとインシュリン送達装置とが、共にクリップされるか、あるいは、別様に互いに他とリンクされて、ディジタル履歴とプログラムの組合せが駐在する場所を維持する「キット」に好適である。
6.1.3.1 基礎フロート1、(MDI 又は吸入インシュリンには使用しない)
6.1.3.2 基礎フロート2、(dMealIns の値は、区間の外側からのものである)
このアルゴリズムは、MealIns 又は CIR 値が、区間(別の区間にペグされている)の外側から借りてきたものである区間内で使用する。この方法は、非食事時間区間で有用である。なぜなら、これらの区間においては、食事インシュリンデータは、計算に使えるほど信頼性が高くないからである。全ての CIRは、「キー CIR」に比例して増大又は減少する。CIR スケジュールは、同じ「シェイプ」を維持し、各 CIR は、開業医との最も最近の対話の日間、d=1 において有したのと同じキー CIR に対する比を維持する。キー CIR は、いくつかのソースから、すなわち、一般に、食事を有し、かつ、食事フロートアルゴリズムを用いる時間区間から選んでよい。キー CIR 区間の番号は、keyc である。増強インシュリンの命名システムを用いる。
【0215】
CIR(d,i) = [CIR(d-1,keyc) / CIR(1,keyc)]*CIR(1,i) (103)
式 (37) は、以下に示すように書き直す。増強の命名システムを使用するが、必要な変更は、両システムで同じであることに注目されたい。
【0216】
deMealIns(d,i) = dMealIns(d,i) = CarbSh(d-1,i)*[1 / CIR(d,i) - 1 / CIR(d-1,i)] (104)
BR(d,i) = Basal(d-1) / 24 + dBR(i) (105)
式 (54) から、次のことが分かる。
【0217】
BR(d,i) = Basal(d-1) / 24 + (deRxInsl(d,i) - deMealIns(d,i)) / dt(i) (106)
BR(d,i) = Basal(d-1) / 24 + [KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) - deMealIns(d,i)] / dt(i) (107)
このアルゴリズム(又は何らか他の適当なソース)を用いる非食事区間は、「信頼できる」データセットとして使用する。式 (117) により結果として生ずる基礎速度は、日間全体の基礎を求めるのに使用する。
【0218】
Basal(d) = 24*(何らかの変換率)*BR(d-1,reliable) (108)
推奨実践は、「信頼できる」区間として、睡眠後期の区間を使用することである。下記の式は、別のセクションでカバーされるので、説明無しに示す。
【0219】
Basal(d) = 24*Kf*BR(d-1,睡眠後期) (109)
6.1.3.3 食事インシュリンフロート1
増強インシュリンの命名システムを使用する。このアルゴリズムは、主として、食事を含む区間に使用する。日間全体の Basal(d) は、式 (119) におけるように、キー区間の基礎フロート計算から持って来ることができる。
dBasal(d,i) = (Basal(d) - Basal(d-1))*dt(i) / 24 (110)
基礎データのソースが何であろうと、食事インシュリンフロートは、下記のように続く。
【0220】
本発明は、式 (103) と同様の下記の式を用いて、新しい CIR(d,i) 値のスケジュールを計算する。
【0221】
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / [eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) -
(Basal(d) - Basal(d-1))*dt(i) / 24] (111)
6.1.3.4 6.1.3 の概要
日間のスケジュールは、次のようにプログラムする。すなわち、ある区間(一般に非食事区間)を、「信頼できる」区間として、指名し、それに、基礎フロート2アルゴリズムを、その CIR を食事区間にペグして、与える。この「信頼できる」区間からのBR は、24時間中の BR 及び合計の毎日の基礎投与量(これは、定数(例えば、Kf 又はその手の定数)× BRreliable × 24 に等しい)を求めるのに使用する。食事を含む区間には、食事インシュリンフロートアルゴリズムが与えられ、同じ単一値の24時間中の BR が用いられる。「信頼できる」区間以外の非食事区間は、計算を含まず、それらの CIR は、食事区間にペグされ、それらの BR は、全ての他の BR と同じである。
6.1.3.5 食事インシュリンフロート2、(AMCorIns(i) を誤差項として使用)
このアルゴリズムは、食後 BG 試験を利用する。これらの試験及び関連大量瞬時投与は、区間を二つの部分に分ける。アルゴリズムは、フロートが行なわれる区間の第一の部分の「誤差」の指標として、AMCorIns(d-1,i) を用いる。
【0222】
次のように定義する。すなわち、Timeb(d-1,i) = 第i 時間境界後の食後大量瞬時投与の時間
dtb(d-1,i) = Time(i+1) - Timeb(d-1,i) (112)
dta(d-1,i) = Timeb(d-1,i) - Time(i) (113)
基礎速度は、全ての区間で同じであり、Basal(d) のみが必要である。これは、いくつかのソースのうちの一つから得てよい。
【0223】
区間のカーブフリーの第二の部分は、dBasal(d,i) の誤差項として、TBCorIns(d-1,i+1)を用いる。「増強」インシュリンの用語は、使用しない。区間の第二の部分においては、
BR(d,i) = BR(d-1,i) + KrxInsl*TBCorIns(d-1,i+1) / dtb(d-1,i) (114)
単一の「キー」区間から得られるこの結果として、Basal(d) が生ずる。
【0224】
Basal(d) = [BR(d,key) / BR(1,key)]*Basal(1) (115)
区間の第二の部分からの結果のフルスケジュール、式 (116) は、次のように、日間全体の基礎に変換してよい。
【0225】
Basal(d) = i に亘る SUM [BR(d,i)*dt(i)] (117)
「信頼できる」区間内の、バージョン 6.1.2.1 と同様の基礎フロート1アルゴリズムは、24時間中の基礎速度を与えるのに使用してよい。
【0226】
基礎フロート1アルゴリズムは、日間の合計の基礎を得るため、総合的なやり方で使用してよい。
【0227】
Basal(d) = [Basal(d-1) + BoTFbk(d-1)*KrxInsl*TBCorTot(d-1)] (118)
Basal(d) のソースが何であろうと、区間の第一の部分について、下記のステートメントが言える。
【0228】
MealIns(d,i) = MealIns(d-1,i) + KrxInsl*AMCorIns(d-1,i) - (Basal(d) - Basal(d-1)*dta(i) / 24 (119)
ソースが、区間の第二の部分である場合は、これは、次のようになる。
【0229】
MealIns(d,i) = MealIns(d-1,i) + KrxInsl*AMCorIns(d-1,i) - BoTFbk(d-1)*KrxInsl*TBCorTot(d-l)*dta(i) / 24 (120)
CIR(d,i) = CarbSh(d-1,i) / MealIns(d,i) (121)
6.1.4 省略された BG
バージョン1及び全てのサブバージョンは、睡眠初期及び睡眠後期の組合せ区間からなる特殊な「仮想区間」を追跡する。これは、患者が、睡眠中期の BG 試験を省略した場合に使用される。この組合せ区間に亘って、基礎フロート計算は、現行性が保持され、たとえ、両構成区間の BG 試験が省略されても、両構成区間に基礎速度を与えるのに使用される。この技法は、上述の睡眠中期の BG のようなしばしば省略される BG について使用される。この技法は、境界上に省略された BG を有する任意数の隣接時間区間に使用可能である。しかしながら、滅多に省略されない BG については、単に BG = 目標を代用して、CorIns(i) については、ゼロ値を計算するのがより便宜的である。これは、変更を引き起こず、前の値がそのまま使える。したがって、BG(d,i) パラメータは、入力が行なわれるまで、TargetAM 又は TargetTB のデフォルト値を有することになる。
6.1.5 修正大量瞬時投与計算器
ポンプモデルの多くは、内部にプログラムされた大量瞬時投与の計算器を有している。これは、式 (20) 及び (14) で計算を行なう。本発明は、大量瞬時投与計算器の特殊な応用として、演習を取り扱う。新しい変数、ExerCarbs を定義するカーブの単位での演習用入力ボックスが有る。それらの間の算術的な差は、以下に示す変数 Carbm として使用される。
【0230】
Carbm = カーブ - ExerCarbs (122)
これはまた、カーブ無しの演習だけにも使用できる。修正大量瞬時投与計算器はまた、補正大量瞬時投与も計算可能である。これらは、患者が、メモリーレコードをフラグし、二つの目標、すなわち、TargetAM 及び TargetTBのうちの正しい目標を選択することによって、「時間境界」又は「食後」として指定しなければならない。修正大量瞬時投与(食事及び補正)は、合計される。そして、結果が、正であれば、ポンプは、普通の大量瞬時投与として、計算されたインシュリン量を注入する。結果が、負であれば、ポンプは、以下のように計算された時間の量の間、基礎ポンプ送りを中断する。
【0231】
TimeOut = - NegativeBolus(t) / BR(d,i) (133)
又は、次の時間の間、基礎を減らす。
【0232】
TimeReduced = - NegativeBolus(t) / (BR(d,i) - BRreduced) (134)
6.1.6 患者のスケジュールの変更
上記のセクション1.1では、通常の9〜5日間について説明した。しかしながら、患者は、多くの異なるスケジュールを有している。これを許容するためには、下記の値を有し得るパラメータIntrvlType によって、区間のタイプを、各時間区間について、識別する。
【0233】
M: 「食事区間」
Kb: 「keyb 区間」、一般に睡眠後期の 区間、又は食料が全く消費されない他の 非食事区間
Kc: 「keyc 区間」、ペグされた CIR のソース
S: 「スナック区間」、食料が時折消費される。
【0234】
R: 「信頼できる」
この機能の調整は、開業医によって行なわれる(開業医の指導が無い場合は患者は行わない)。開業医は、各時間区間について、IntrvlType の値が常に有るかどうか確認する。彼又は彼女は、所望ならこれを変更し得る。他の値については、いかなる制限も無い。本発明は、このデータを次のように処理する。
【0235】
IntrvlType=Kb の場合は、アルゴリズム6.1.2.3、基礎フロート2に行く。
【0236】
その結果、BR(d,keyb) が計算される。
【0237】
IntrvlType=Kc の場合は、アルゴリズム6.1.2.4、食事インシュリンフロート2に行く 。
【0238】
その結果、BR(d,keyb) が計算される。
【0239】
IntrvlType=R の場合は、アルゴリズム6.1.2.3、基礎フロート2に行く。
【0240】
その結果、BRsimilar が計算される。
【0241】
IntrvlType=S の場合は、アルゴリズム6.1.2.3、基礎フロート2に行く。
【0242】
IntrvlType=M の場合は、(THEN)
IF時間境界BG が無い、アルゴリズム 6.1.4 に行く。
【0243】
IF食後調整投与量が有るなら、アルゴリズム 6.1.2.6 食事インシュリンフロート2に
行く。
【0244】
ELSEアルゴリズム6.1.2.4、食事インシュリンフロート1に行く。
6.2 多重日間のデータを用いるバージョン
これらのバージョンは、患者のパラメータを、前日のデータを用いて再調整する代わりに、患者/開業医の対話に先立つカレンダー期間に亘る平均累積データを用いる。日間中の各時間区間についてのデータは、全ての日間に亘って、別個に平均化される。日間インデクス、「d」、は、抜かされ、その代わりに、新しいパラメータが、現在のパラメータから、次のように区別される。すなわち、現在のパラメータには、サフィックスがない。計算され、かつ、推奨されたパラメータには、サフィックス「rec」が付く。処方されたパラメータには、サフィックス「rx」が付く。「rx」パラメータは、開業医が、「rec」パラメータの推奨値を考慮した後、入力する。「Parameter(i)」のマークが付いたパラメータは、第 i 区間のパラメータである。括弧内に何も無いパラメータは、各患者/開業医の対話に対して値が一つしかない非スケジュールドパラメータである。したがって、「BRrec(i)」は、例えば、BRrecl、BRrec2 .... 等、第 i 区間の推奨基礎速度を指し、また、BRrx(i) は、処方された基礎速度を指す。
6.2.1 開業医用の多重日間のデータ(DIGITAL ADVISOR)
KrxInsl は、deRxInsl/TBCorTot によって置き換えられ、したがって、 (135)
deRxInsl(i) = deRxInsl / TBCorTot*TBCorIns(i+1) (136)
対話型入力フォーム:
本発明の好適な形態は、2表アクセスデータベースである。「患者の表」、Tp、と「対話表」、Ti、との間には、「1対多数」の関係が有る。ディジタルな対話型入力フォームが有る(セクション 6.2.1.1.1 でより詳細に説明する)。
【0245】
開業医は、検査又は問診によって患者のデータのうちのいくつかを得る。他のデータは、ポンプ及び BG メータからデータを、本発明に直接、あるいは、メーカーのソフトウェアを用いて、ダウンローディングして、印字コピーを作成し、次いで、それらを本発明の対話型ディジタル入力フォームに手動で転写することによって得る。メーカーのダウンローディングソフトウェアは、一般に、ビン(一次時間境界を包絡する時間期間)のスケジュールを有し、かつ、BG(i)、AMCorIns(i)、TBCorIns(i) 及び MealIns(i) を含むいくつかのパラメータの各時間境界に係る平均を計算する。(例として、MealIns(i) が、第 i ビン内の合計の食事インシュリン大量瞬時投与の平均を表わすことを想起されたい。)
6.2.1.1 ポンプについて
6.2.1.1.1 ポンプタイプ D 及び E
ポンプタイプ D 及び E の公式は、最も簡単であり、したがって、先ず最初に論ずる。
対話型入力フォーム:
主要な入力フォームは、図1の外側パネルである。これは、表 Tp 用の患者の永久的な人口統計学的データを収集するものである。サブフォーム(内側パネル)は、患者/開業医の対話から表 Ti 用にデータを収集する。サブフォームは、スクロールバーで到達できる2頁を有している。第一頁(図1)は、各患者/開業医の対話に対してただ一つの値を有しているインデクス無しのパラメータに対応する。第二頁(図2)は、標準のモーダル日間のスケジュールに対応し、ここで、「parameter(i)」の様式で言及した時間区間インデクスと同様のそれらを有するパラメータを含んでいる。
6.2.1.1.1.1 基礎フロート1、(deMealIns は、eMealIns 又はカーブに比例する)
このアルゴリズムは、毎日更新バージョンの基礎フロートアルゴリズム 6.1.2.2 と同様である。増強インシュリンの命名システムを用いる。
【0246】
dBasal が、他の二つのパラメータによって決定されることを示すため、式 (52) を移項する。
【0247】
dBasal = deRxInsl - deMealIns (137)
dBasal(i) = deRxInsl(i) - deMealIns(i) (138)
deMealIns(i) は、区間内の deMealIns の分布は、eMealIns に比例すると仮定することによって、推定する。すなわち、
deMealIns(i) = deMealIns*eMealIns(i) / eMealInsTot (139)
eMealInsRec(i) = eMealIns(i) + deMealIns*eMealIns(i) / eMealInsTot (140)
式 (22) によって、
CIRrec(i) = CarbSh(i) / eMealInsRec(i) (141)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / [eMealIns(i) + deMealIns*eMealIns(i) / eMealInsTot] (142)
eMealInsRec(i) 及び CIRrec(i) の両方は、単に、最初の値にボード両端の間の(across the board)係数を掛けたものにすぎないことに注目されたい。ステートメント (60) のやり方では、基礎は、deRxInsl(i) から deMealIns(i) を引くことによって「フロート状態」となる。
【0248】
BRrec(i) = BR(i) + [deRxInsl(i) - deMealIns(i)] / dt(i) (143)
これを、式 (133) 及び (136) に代入すると、
BRrec(i) = BR(i) + [deRxInsl/TBCorTot*TBCorIns(i+1) - deMealIns*eMealIns(i) / eMealInsTot] / dt(i) (144)
次の式の値も計算される。
【0249】
BRaveRec = (Basal + deRxInsl - deMealIns) / 24 (145)
開業医は、本発明のこのバージョンを次のように使用する。すなわち、全ての患者のデータが、ダウンロードから、あるいは、別様に入力されると、基礎フロートは、主要な目標(推奨基礎速度のスケジュール、BRrec(i) 及び推奨 CIRrec(i) のスケジュール)を計算する用意がほぼできる。開業医は、式 (134) における三つの量のうちの少なくとも二つを入力しなければならない。あとは、本発明が行なう。したがって、開業医は、今まで得たデータ、特に TBCorTot を調べる。次いで、彼又は彼女は、処方インシュリンに、変更として、どのくらいたくさんの TBCorTot を加えたいのかについて、判断する。次いで、彼又は彼女は、deRxInsl を入力するが、これは、組み込まれている入力限度以内でなければならない(限定ドメインのセクション参照)。Basal(i) は、「フロート状態」となり、したがって、開業医から必要な他の量は、deMealIns である。入力前に、彼は、「この変更、deRxInsl、を処方する場合、そのうちどのくらいたくさんの量を増強食事インシュリンに割り当てたいのか?」と、自問しなければならない。彼は、この判断を、基礎 / TDDavg(本実施形態では、BoT として既知)の比を、統計的研究からの最適値(最新の出版物では、48%)と比較することによって行なうことができる。例えば、基礎が高すぎる場合は、彼は、deRxInsl の半分より大きな値を deMealIns として用いることができる。これは、deRxInsl に対して、deMealIns を増大させ、したがって、基礎が低下する。開業医の決定に影響し得る他の医学的な種類の考察事項が有るかもしれない。deMealIns の選択には、入力の限度が有ってよい。出力は、上記の式によって計算される BRrec(i)、BRavgRec、及び CIRrec(i) である。開業医は、これらの推奨値を考慮し、彼の判断に基づく「rx」値を入力する。
【0250】
6.2.1.1.1.2 基礎フロート2、(多重日間のデータには使用しない)
6.2.1.1.1.3 食事インシュリンフロート1
このバージョンは、バージョン 6.1.2.4、食事インシュリンフロートと同様である。入力については、開業医によって入力される処方された基礎速度、BRrx(i)、が必要である。開業医は、BRrx(i) を入力する前に、「アドバイス」を所望してよい。上記の、バージョン 6.2.1.1.1.1、基礎フロート1の結果からの BRrec(i) 及び BRaveRec の値は、良好なアドバイスであり、したがって、それらは、同じコンピュータ画面の入力フォームで示される。 Kf 計算器からの BRf の値も、良好なアドバイスである。増強インシュリンの命名システムを用いる。
【0251】
deMealInsが、他の二つのパラメータによって決定されることを示すため、式(52) 及び (54) を移項する。
【0252】
deMealIns = deRxInsl - dBasal (146)
deMealIns(i) = deRxInsl(i) - dBasal(i) (147)
BRrx(i) = 開業医の入力値 (148)

「フロート」は、式 (100) に酷似しており、下記のようにセットアップする。
【0253】
式 (132) を用いて、式 (100) を以下のように修正する。
【0254】
deMealIns(i) = (deRxInsl / TBCorTot)*TBCorIns(i+1) - (BRrx(i) - BR(i))*dt(i) (149)
eMealInsRec(i) = eMealIns(i) + deRxInsl / TBCorTot*TBCorIns(i+1) - (BRrx(i) - BR(i))*dt(i) (150)
式 (22) を用いて、
CIRrec(i) = CarbSh(i) / eMealInsRec(i) (151)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / [eMealIns(i) + deRxInsl / TBCorTot*TBCorIns(i+1) -
(BRrx(i) - BR(i) )*dt(i)] (152)
開業医は、CIRrec(i) のこのスケジュールを考慮し、次いで、次を入力する。
【0255】
CIRrx(i) = 開業医の入力値 (153)
6.2.1.1.1.4 6.2.1.1.1.1 及び 6.2.1.1.1.3 多重日間のデータ、タイプ Dポンプ の概要
基礎フロート及び食事インシュリンフロートについては、同じ入力フォーム (図2参照)上に、推奨値が与えられており、したがって、開業医は、処方された BRrx(i) のスケジュールに書き込む際、基礎フロート推奨値、BRrec(i)、BRaveRec、及び BRf を考慮することができる。食事インシュリンフロートは、入力として、これらの "BRrx(i)" 値を使用する。次いで、食事を含む区間のための出力として、CTRrec(i) を計算する。次いで、開業医は、CIRrx(i) のブランクに書き入れる。この説明を少し前に遡ると、開業医のBRrx(i) の選択は、非常に影響するところが大きい、と言える。以下、説明を行なう。
【0256】
開業医は、所望なら、BRrec(i) 値の全てを BRrx(i) として使用できる。これは、ボード両端間で、同じ係数によって、食事インシュリン(又は CIR)スケジュールの全体が変更される効果を有する。
【0257】
又は、
前述のように、簡単な基礎スケジュールを用いて、患者に食事省略のより高い柔軟性を与えることができる。例えば、
開業医は、BR を「そのままの」非食事区間に使用することができる。これは、恐らく、「睡眠初期」及び「睡眠後期」の区間を含むであろう。
【0258】
開業医は、単一の慎重に判断された空腹時の基礎速度、BRf、を用いて、食事区間を下支えすることができる。この基礎速度の決定は、開業医の大きな仕事の一つである。BRf 計算器は、開業医の自由裁量で使用してよい。
【0259】
6.2.1.1.1.5 食事インシュリンフロート2 (AMCorIns を誤差として使用する)
このアルゴリズムは、食後 BG 試験を利用する。これらの試験は、区間を二つの部分に分ける。アルゴリズムは、フロートが行なわれる区間の第一の部分の「誤差」の指標として、AMCorIns(i) を用いる。dBasal(i) の値は、TBCorIns(i+1) を dBasal(i) の誤差項として使用する区間のカーブフリーの第二の部分から得られる。「増強」インシュリンの用語は使用しない
【0260】
次のように定義する。すなわち、Timeb(i) = 第i 時間境界後の食後大量瞬時投与の時間
dta(i) = Timeb(i) - Time(i) (154)
dtb(i) = Time(i+1) - Timeb(i) (155)
区間の第二の部分においては、
BRrec(i) = BR(i) + KrxInsl*TBCorIns(i+1) / dtb(i) (156)
dBR(I) = BRrec(i) - BR(i) (157)
区間の第二の部分(又は別のソース)から基礎速度が得られると、下記のステートメントが、区間の第一の部分について言えることになる。
【0261】
MealInsRec(i) = MealIns(i) + KrxInsl*AMCorIns(i) - dBR(i)*dta(i) (158)
区間の第二の部分を使用した場合は、これは、次のようになる。
【0262】
MealInsRec(i) = MealIns(i) + KrxInsl*AMCorIns(i) -
dta(i)*KrxInsl*TBCorIns(i+1) / dtb(i) (159)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / MealInsRec(d,i) (160)
所望なら、上記のように開業医によって入力された dRxInsl から、係数 KrxInsl を得てよい。
【0263】
KrxInsl = dRxInsl / (AMCorTot + TBCorTot) (161)
別法として、KrxInsl は、二つの「K 係数」、すなわち、時間区間の各部分のそれ、KrxInsAM 及び KrxInsTB で置換してよい。
【0264】
先ず、基礎速度を区間の第二の部分から決定する。
【0265】
BRrec(i) = BR(i) + KrxInsTB*TBCorIns(i+1) / dtb(i) (162)
次いで、食事インシュリンを区間の第一の部分から決定する。
【0266】
MealInsRec(i) = MealIns(i) + KrxInsAM*AMCorIns(i) - dta(i)*KrxInsTB*TBCorIns(i+1) / dtb(I) (163)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / MealInsRec(d,i) (164)
この別法は、基礎 / TDD 比をシフトし得るので、そのような結果を意図する場合は、有用かもしれない。
6.2.1.1.2 ポンプタイプ C
これらのタイプのポンプは、タイプ AとDとの間の中間のものである。6.2.1.1.1.1 及び 6.2.1.1.1.3 のアルゴリズム及びそれらの概要は、下記の事項を除き、タイプ Bのポンプに当てはまる。
【0267】
TBCorIns(i) は、利用できず、したがって、公式により計算しなければならない。
【0268】
TBCorIns(i) = ((BG(t) - TargetTB) / CF) のカレンダー期間に亘るAVG (165)
AMCorIns(i) は、利用できず、したがって、食事フロート2は、使用できない。
6.2.1.1.3 ポンプタイプ B
これらのタイプのポンプは、タイプ AとCとの間の中間のものである。6.2.1.1.1.1 及び 6.2.1.1.1.3 のアルゴリズム及びそれらの概要は、タイプ Cのポンプの制限に加えて下記の事項を除き、タイプ Bのポンプに当てはまる。
【0269】
MealIns(i) は、利用できないので、dMealIns(i) を下記によって推定する。
【0270】
dMealIns(i) = dMealIns*CarbSh(i) / CarbShTot (166)
6.2.1.1.4 ポンプタイプ A
タイプ Aのポンプは、最も簡単であるが、複雑な公式を有している。なぜなら、欠如パラメータの値を推定公式を用いて計算しなければならないからである。これらの推定公式は、複雑さを増大させている。タイプ Aのポンプは、タイプ Bのポンプの制限に加えて、下記のように制限されている。
【0271】
データが無いため、タイプ Aのポンプの唯一の適当なアルゴリズムは、バージョン 6.2.1.1.1.1. と同様の「基礎フロート1」である。
【0272】
BG(i) 用のメモリーが無いため、TBCorIns(i) 及び AMCorIns(i) の値は、BG メータからダウンロードしたBG データから計算しなければならない。このデータは、異常な、あるいは、未使用の BG 試験結果を含んでいる場合があり、ポンプのメモリーからの BG データほど信頼できない。
【0273】
CarbSh(i) 用のメモリーが無いため、開業医は、推定を行なわねばならない。データの唯一の使用は、比 CarbSh(i)/CarbShTot においてであり、したがって、単位は問題ではなく、開業医は、グラム数、置換数、合計のパーセント、インシュリンの単位、又は食事インシュリンに比例する任意の他の単位を使用してよい。
【0274】
良好なデータの欠如は、CIR の計算を困難にする。24時間中使用の CIR が、計算されるだけである。微分公式 (34) を使用する。
【0275】
dCIRcalcA = [- (Kcir*Wt*2 / TDDavg2]*deMealIns (167)
やや複雑なことは、タイプ Aのポンプ に CIR 用のメモリーが無く、したがって、患者は、それを追跡しなければならないことである。患者にとって、これがより容易となるためには、整数(あるいは、CIR < 8 の半整数値)のみを処方する。したがって、2段階の手動入力を用いる。
【0276】
本発明により dCIRcalcA が計算され、画面に現われる。開業医は、それを丸めて、好適な四捨五入量にし、dCIR として、逆の式に戻し入れる。次いで、本発明は、下記のように計算する。
【0277】
deMealInsCalcA = - dCIR / (Kcir*Wt*2 / TDDavg2) (168)
次いで、開業医は、この値を deMealIns のボックスに入力する。dCIRcalcA の結果として生ずる値は、整数値であるが、驚くには当らない。推奨値、CIRrecA、は、下記のように、自動的に計算される。
【0278】
CIRrecA = dCIRcalcA + CIR (169)
6.2.1.2 皮下多重投与量及び吸入インシュリン
手動注射患者は、一般に、下記の2種類のインシュリンを用いる。
【0279】
長期作用インシュリン: 一日当り一回程度の低頻度「基礎」注射用
短期作用インシュリン: 食事及び補正大量瞬時投与用。
【0280】
インシュリン送達装置は、「ペン」及び吸入器を含んでいる。
【0281】
現在、データが共有されるようなやり方で、インシュリン送達装置(インシュリン注射「ペン」又はインシュリン吸入器)にクリップ又はリンクする BG メータからなる「キット」が開発されつつある。BG 試験結果は、調整インシュリン投与量を自動的に計算するのに使用され、インシュリン送達装置は、自動的に設定されて使用される。また、カーブは、食事インシュリン大量瞬時投与が、同様に計算され、かつ、プリセットされるよう、手動で入力できる。ディジタルメモリーは、BG とインシュリン履歴との組合せが、開業医によりダウンロードされ得るよう、メータ又はインシュリン送達装置のいずれかで利用可能である。
【0282】
利用できるインシュリンには、数種類が有る。入力フォームは、処方された2種類のインシュリンのブランド名又は一般名の入力ボックスを含んでいる。
【0283】
公式は、基礎速度ではなく、各時間区間内の基礎量を処理する。長期作用インシュリンの長時間応答は、基礎速度スケジュールの調整を非実際的にする。
6.2.1.2.1 基礎フロート1
ポンプタイプD及びEには、基礎フロート1と食事インシュリンフロート1との組合せを同様なやり方で使用してよい。類似点及び相違点は、次の通りである。すなわち、ポンプにおけるのと同様、開業医が、deRxInsl 及び deMealIns を入力する。BR(i) の入力ボックスは、基礎用のただ一つのボックスに置き換えられ、ただ一つの BRが計算される(基礎の24分の1)。BRrec(i) の値は、ポンプにおけるのと同様、個々に示される。値は、ポンプにおけるのと同様、式 (141) を用いて、BRaveRec について、計算される。全ての BRrx(i) は、BRrx 用のただ一つのボックスに置き換えられ、Basalrx が計算される(24× BRrx)。開業医は、基礎及び基礎速度の推奨値を検討後、BRrx を入力する。
6.2.1.2.2 食事インシュリンフロート 1
食事インシュリンフロート 1は、タイプDポンプに使用されるものと同様である。増強インシュリンの命名システムを使用する。
【0284】
前のセクション(又は何らか他のソース)からのBasalRxの値は、食事インシュリンフロート1アルゴリズムによって、入力として使用される。
【0285】
dBasal(i) = (Basalrx - Basal)*dt(i) / 24 (170)
本発明は、次いで、食事インシュリンフロートを用いて、推奨 CIRrec(i) 値のスケジュールを計算する。公式は、式 (103) を適用して、式 (132) から以下のように作成する。
【0286】
CIRrec(i) = CarbSh(i) / [eMealIns(i) + (deRxInsl*TBCorIns(i+1)/TBCorTot -
(BaslRx - Basal)*dt(i) / 24] (171)
6.2.1.2.3 食事インシュリンフロート2 (誤差として AMCorlhs(i) を使用する)
このアルゴリズムは、食後 BG 試験を使用する。これらの試験及び関連する大量瞬時投与は、区間を二つの部分に分割する。
【0287】
次のように定義する。すなわち、Timeb(i) = 第i 時間境界後の食後大量瞬時投与の時間
dtb(i) = Time(i+1) - Timeb(i) (172)
dta(i) = Timeb(i) - Time(i) (173)
アルゴリズムは、フロートが計算される区間の第一の部分の「誤差」の指標として、AMCorIns(i) を用いる。BasalRx の数字が、必要である。開業医は、本発明の計算された推奨値(下記のうちの一つ又はそれ以上)を検討後、入力ボックスに入れる。
【0288】
BasalRec は、dBasal(i) の誤差項として TBCorIns(i+1) を使用する区間のカーブフリーの第二の部分から得てよい。「増強」インシュリンの用語は、使用しない。区間の第二の部分においては、
BRrec(i) = BR(i) + KrxInsl*TBCorIns(i+1) / dtb(i) (174)
又は、
「信頼できる」区間からのこの結果は、次のように、日間全体の基礎に変換してよい。
【0289】
BasalRec = BRreliable*Kf*24 (176)
又は、
BasalRec は、次のように、上記の結果の和から得てよい。
【0290】
BasalRec = i (BRrec(i)*dt(i)) に亘る SUM (176)
又は、
BasalRec は、「信頼できる」区間における基礎フロート1の計算から得てよい。この結果は、式 (171) と同様に変換する。
【0291】
又は、
BasalRecの別のソースは、基礎フロート1アルゴリズムからの合計の推奨基礎を、式 (172) と同様に変換したものである。
【0292】
開業医は、BasalRec のソースが何であろうと、BasalRx を入力する。区間の第一の部分について、下記のステートメントが言える。
【0293】
MealInsRec(i) = MealIns(i) + KrxInsl*AMCorIns(i) - Basal*dta(i) / 24 (177)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / MealInsRec(i) (178)
係数 KrxInsl は、開業医によって上記のように入力された dRxInsl から得てよい。
【0294】
KrxInsl = dRxInsl / (AMCorTot + TBCorTot) (179)
別法としては、式 (170) の方法を用いる場合、KrxInsl は、二つの「K 係数」、すなわち、時間区間の各部分のそれ、KrxInsAM 及び KrxInsTB で置換してよい。
【0295】
先ず、基礎速度を区間の第二の部分から決定する。
【0296】
BRrec(i) = BR(i) + KrxInsTB*TBCorLis(i+1) / dtb(i) (180)
次いで、食事インシュリンを区間の第一の部分から決定する。
【0297】
MealInsRec(i) = MealIns(i) + KrxInsAM*AMCorIns(i)
- dta(i)*KrxInsTB*TBCorIns(i+1) / dtb(i) (181)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / MealInsRec(d,i) (182)
この別法は、基礎/TDD 比をシフトし得るので、そのような結果を意図する場合は、有用かもしれない。
6.2.1.3 deRxInsl の限定ドメイン及び多重日間のデータバージョンの安全ネット公式
6.2.1.3.1 deRxInsl の限定ドメイン
区間全体の多重日間のデータを用いるフロート公式は、必要とされる変更が、TBCorTot より小さく、同じ方向(同じ符号)のある限度以内でのみ使用できる。
【0298】
これらの状態は、共に、下記の条件に含まれている。
【0299】
TBCorTot / deRxInsl > 1 (183)
パラメータが、この限度を超えると、無意味な結果が生ずる。これの発生を防ぎ、安全のさらなるマージンを与えるためには、パラメータに入力限度を設けて、開業医が、許容範囲を外れた数を入力するのを防ぐ。この入力限度は、パラメータKrxInslMax の形で設けられている。すなわち、この限度は、次の形で設けられている。
【0300】
TBCorTot / deRxInsl >= 1 / KrxInslMax (184)
KrxInslMax が、1に等しいか又は1より小さい場合は、無意味な結果は、避けられる。現在、0.5 の値が使用されている。
6.2.1.3.2 安全ネットの公式
6.2.1.3.2.1 基礎フロート1について
上記のように、多重日間のデータを用いるフロート公式は、ある限度以内でのみ使用できる。第一の防御線は、上記の入力限度である。しかしながら、故意に、あるいは、誤って、入力限度を出し抜く道が有るかもしれない。この可能性に対して防護するため、第二の防御線、すなわち、安全ネット公式が有る。フロート公式のそれぞれは、実際に、deRxInsl(i) の二つの公式(それぞれ deRxInsl の異なるドメインに亘っている)を用いる。
【0301】
小ドメイン: これは、今まで論じた公式を用いる「許容」ドメインである。TBCorTot/deRxInsl が、1より大きい場合は、下記の公式を用いる。下記の公式では、必要とされる変更が、合計の増強調整インシュリンより小さいかあるいは等しく、かつ、同じ方向であるその限定されたドメインに亘って、正確な結果が生ずる。以下の公式では、各時間区間に、TBCorTot の時間区間のシェアに比例する少量の deRxInsl が、割り当てられる。大部分の患者/開業医の対話は、小ドメイン内に在る。「小ドメイン」公式は、既に論じたが、以下に再び掲げる。サフィックス「sd」は、名前が何であるかを示すため、名前に追加するものである。
【0302】
deRxInslsd(i) = deRxInsl*TBCorIns(i+1) / TBCorTot (185)
大ドメイン: 以下に導入される公式は、deRxInsl に設けられた入力限度に対するバックアップである。deRxInsl に対する必要な変更が、小ドメイン内に無い場合、すなわち、TBCorTot/deRxInsl が1より小さい場合は、下記の公式を用いる。下記の公式では、必要とされる変更が、TBCorTot より大きいか、あるいは、TBCorTot と方向が反対の場合、正確さはより低いが、安全な結果が生ずる。右辺は、時間区間に対するフル調整インシュリンで始まる。次いで、TBCorTot に亘る deRxInsl の「オーバーシュート」が、時間区間の間に割り当てられるが、割当て分率には、基礎並びに増強調整インシュリンが含まれて、より感度の低い分率となっているが、正確さはより低くなっている。大ドメイン公式は、入力限度に対するバックアップがその役割であり、したがって、決して使用されないように設計されている。タイプ Dポンプの安全ネット公式、基礎フロート1アルゴリズム 6.2.1.1.1.1 は、次の通りである。
【0303】
deRxInslld(i) = TBCorIns(i+1) + (deRxinsl - TBCorTot)*(TBCorIns(i+1) +
Basal(i)) / (TBCorTot + Basal) (186)
これら二つの公式の間の移行は、Swtch と呼ばれる論理変数(小ドメインではゼロ(0)、大ドメインでは(1)の値を有する)によって行なわれる。
【0304】
IF (TBCorTot / deRxInsl >= 1) THEN Swtch = 0 ELSE Swtch = 1 (187)
本発明は、これを以下のように行なう。
【0305】
Swtch = IF (TBCorTot / deRxinsl >= 1,0,1) (188)
Swtch は、二つの式を、ただ一つの式に纏めるのに役立ち、(236) から (238) に必要に応じて切り換えられる。以下にこれを示す。
deRxInsl(i) = swtch*deRxInslld(i) + (1 - swtch)*deRxInslsd(i) (189)
大ドメイン及び小ドメインの公式をこれに代入すると、下記の式に縮小し、これは、コンピュータフィールドがより少なくて済むことになる。
【0306】
deRxInsl(i) = swtch*TBCorIns(i+1) + (deRxInsl - Swtch*TBCorTot)*
(TBCorIns(i+1) + Swtch*Basal(i)) / (TBCorTot + Swtch*Basal) (190)
今度は、この式を、フロートの式の一つ、例えば、式 (140) に代入すると、以下の結果を生じ、推奨基礎速度のスケジュールが得られる。
【0307】
BRrec(i) = [Basal(i) + Swtch*TBCorIns(i+1) + (deRxInsl -
Swtch*TBCorTot)*(TBCorIns(i+1) + Swtch*Basal(i)) / (TBCorTot +
Swtch*Basal) - dMealIns*CarbSh(i) / CarbShTot] / dt(i) (191)
ポンプタイプAの場合は、上記の式の TBCorIns(i) を TBCorInsA(i) で、また、TBCorTot を TBCorTotA で置換する。
6.2.1.3.2.2 食事インシュリンフロート1について
deRxinsl の二つのドメインの同じ定義が、食事インシュリンフロートの公式、アルゴリズム 6.2.1.1.1.3 で使用され、次の式が導かれる。
【0308】
eMealInsRec(i) = eMealIns(i) + Swtch*TBCorIns(i+1) + (deRxInsl -
Swtch*TBCorTot)*[TBCorIns(i+1) + Swtch*eMealIns(i)] /
[TBCorTot + Swtch*eMealInsTot] - (BRrx(i) - BR(i))*dt(i) (192)
これは、式 (22) の応用により CIRrec(i) に変換される。
【0309】
CIRrec(i) = CarbSh(i) / eMealInsRec(i) (193)
CIRrec(i) = CarbSh(i) / [eMealIns(i) + swtch*TBCorTot + (deRxInsl -
swtch*TBCorTot)*(TBCorIns(i+1) + swtch*eMealIns(i)) /
(TBCorTot + swtch* eMealInsTot) - dt(i)*(BRrx(i) - BR(i))] (194)
ここで、Swtch は、公式を二つの異なるドメイン間でシフトするため、式 (183) によって前に導入されたのと同じ「スイッチングパラメータ」である。
6.2.1.3.2.3 食事インシュリンフロート2(誤差として AMCorIns(i) を使用する)について、
小ドメイン:
区間全体に亘って :
dRxInslsd(i) = [dRxInsl / (AMCorTot + TBCorTot)]*(AMCorIns(i) +TBCorIns(i)) (195)
これは、二つの部分で一つの式と考えられる。
【0310】
区間の最後の部分については、
dRxInslsdb(i) = [dRxlhsl / (AMCorTot + TBCorTot)]*TBCorIns(i) = dBasalb(i) (196)
これは、全ての基礎インシュリンであることに注目されたい。
【0311】
区間の第一の部分については、
dRxInslsda(i) = [dRxInsl / (AMCorTot + TBCorTot)]*AMCorIns(i) (197)
大ドメイン:
区間の最後の部分については、
dRxInslldb(i) = TBCorIns(i) + (dRxInsl - AMCorTot - TBCorTot)*
(TBCorIns(i) + BR(i) * dtb(i)) / (AMCorTot +TBCorTot + Basal) (198)
区間の第一の部分については、
dRxInsllda(i) = AMCorIns(i) + (dRxInsl - AMCorTot - TB CorTot)*
(AMCorIns(i) + BR(i)*dta(i)) / (AMCorTot + TBCorTot + Basal) (199)
二つの調整インシュリン合計の和は、スイッチパラメータで使用しなければならない。
【0312】
Swtchm = IF ((AMCorTot + TBCorTot) / dRxInsl >= 1,0,1) (200)
6.2.2 自動多重日間のデータ(DIGITAL ADVISOR)
バージョン2における今までの説明は、多重過去日間のアルゴリズムの「手動」バージョンを説明するものである。以下に説明する自動機能は、人間の判断及び入力のための中断を無くすものである。
6.2.2.1 deRxInsl の自動化
パラメータ deRxInsl を自動化するためには、本発明は、BG 試験で、データベースのノルムに比べて高いパーセント標準偏差(BGsd/BGmean)が出た患者の糖尿病を制御するのは、より難しい、という事実を利用する。本発明は、以下に示す簡単なランプ関数を使用してこれを行なう。
【0313】
いくつかの新しいパラメータ:
FInsAuto は、deRxInsAuto の公式で以下のように使用する乗数である。
deRxInsAuto = FInsAuto*KrxInslMax*TBCorTot (201)
ここで、KrxInslMax は、前に導入した、1に等しいか又は1より小さい正の定数である。必要なら、プログラマーによる変更を受ける。現在値は、0.5 である。
【0314】
二つの定義:
PmPctBGsd:量 (BGsd/BGmean) のデータベース「母集団」の平均値。
【0315】
PsdPctBGsd:量 (BGsd/BGmean) のデータベース「母集団」の標準偏差、すなわち、個人的な標準偏差のデータベース標準偏差。
【0316】
本発明では、FinsAuto は、下記のように、ランプ関数である。
【0317】
IF BGsd / BGmean < PmPctBGsd + PsdPctBGsd then FInsAuto = 1
IF PmPctBGsd + PsdPctBGsd <= BGsd/Bgmean <= PmPctBGsd + 2
PsdPctBGsd,
THEN FInsAuto - [1 - (BGsd / Bgmean - PmPctBGsd - PsdPctBGsd) /
PsdPctBGsd]
IF BGsd / BGmean > PmPctBGsd + 2 PsdPctBGsd then FInsAuto = 0 (202)
この関数は、図3に示すように、平坦な領域、そしてその後に続くゼロまでのランプを記述するものである。
6.2.2.2 deMealIns の自動化
本発明は、パラメータdBslToTgt を使用するもので、これは、BoTTgt を達成するのにいかなる基礎の変更が必要であるかを示す一般アドバイザリパラメータである。
【0318】
dBslToTgt = TDD*BoTTgt - Basal (203)
dMealIns を自動化するのに、次の二つのステップを用いる。
【0319】
以下の第一の式は、deRxInsl 又は dBaslToTgt の最小の絶対値に等しい絶対値を変更に割り当てるものである。その理由は、BoTTgt 又は deRxInsl どちらかのオーバーシューティングを避けるためである。第二式は、第一の式による結果を、式 (57) と共に用いて、deMealInsAuto の最大値を計算し、次いで、それにより deMealInsAuto を、deMealInsAuto が正(インシュリンを追加する方向)である場合、Kmauto 掛けるその最大値に限定することである。パラメータKmauto は、プログラマーによる調整を受ける。
【0320】
dBasalAuto = IF [ABS(dBaslToTgt / deRxInsl) < 1, ABS(dBaslToTgt),
ABS(deRxInsl)]*sgn(dBaslToTgt) (204)
deMealInsAuto = IF [(deRxInsl > dBasalAuto, Kmauto*(deRxInsl -
dBasalAuto), (deRxInsl - dBasalAuto)] (205)
ここで、Kmauto は、1に等しいか又は1より小さい正の定数で、現在、1に設定されている。
【0321】
BoTTgt の値は、Kb についてのATM 研究の値から、あるいは、セクション 6.1.2.1 基礎対合計比による BoTTgtRec から得てよい。
6.2.2.3 ポンプタイプA 用 CIR の自動四捨五入
タイプAの手動モードでは、8より小さい範囲内の CIR の半整数値を得るのに、2段階処理が必要である。これは、自動機能により、フローティング点の数dCIRcalcA に2を掛け、次いで、四捨五入して整数とし、次いで2で割ることによって成し遂げられる。結果は、逆の式に入力されて、dMealIns が変更のため修正される。
6.3 非フロートアルゴリズム
このアルゴリズムは、BoTFbk(d) 係数を用いて、基礎速度及び CIR の両方を決定する。このタイプのアルゴリズムは、以下、毎日更新バージョンに示してある。
【0322】
eMealIns(d,i) = eMealIns(d-1,i) + KrxInsl*(l - BoTFbk(d-1))*
TBCorIns(d-1,i+1) (206)
CIR(d,i) = CTR(d-1,i) - KrxInsl*(1 - BoTFbk(d-1))*eCorIns(d-1,i+1)*
CIR(d-1,i) / eMealIns(d-1,i) (207)
BR(d,i) = BR(d-1,i) + KrxInsl*BoTFbk(d-1)*TBCorIns(d-1,i+l) (208)
この方法には、非常に正確である、という利点が有るが、カーブの消費量をほとんど有さない時間区間に食事インシュリンの大きな変更を割り当てるという欠点が有る。この理由のため、このバージョンは、主要な食事を含む区間にしか適さない。
7. 時間区間
理論的には、日間における時間区間の数には、いかなる限度も無いはずである。しかしながら、画面のスペースに限りがあるため、使用できる時間区間の数には、限度が有る。また、個々の患者については、画面の最大数以下しか使用できない。本発明は、最後のそれを見出すことを必要とする。日間(零時)の最後の時間境界は、Tmax と呼ばれる。これは、最高24時間の時計時間で時間境界をピックアップするルーチンによって見出される。このルーチンは、以下に示すネストされた IF ステートメントのただ一つの公式に組み込まれている。(注: MS Access では、NZ機能により、ヌルとゼロが同じ動作をする)。
Tmax=
IIf(NZ([Time1])>NZ([Time2]),[Time1],IIf(NZ([Time2])>NZ([Time3]),[Time2],IIf(NZ([Trnie3])>NZ([Time4]),[Time3],IIf(NZ([Time4])>NZ([Time5]),[Time4],IIf(NZ([Time5])>NZ([Time6]),[Tmie5],IIf(NZ([Time6])>NZ([Time7]),[Time6],[Time7])))))) (209)
時間区間、dt(i)、は、隣接時間境界を引くことによって見出される。
【0323】
dt(i) = time(i+1) - time(i) (4) のコピー
零時を囲む区間については、特に言及が必要である。
【0324】
dt0 = 24 + time1 - Tmax (5) のコピー
7.1 日間の最後のエントリーを見出す
人は、正確に零時に就寝することは滅多に無く、したがって、一般に就寝時間に関連するいくつかのパラメータは、早朝の時間区間に影響することは、よく起こる。例えば、就寝時間に行なわれる食事インシュリンは、睡眠中期の時間境界の調整インシュリンに影響する。日間の最後のエントリーは、以下の公式で見出される。
[MealInsLast] = IIF([Time2]=[Tmax],
[MealIns2],0)+IIF([Time3]=[Tmax],[MealIns3],0)
+IIF([Time4]=[Tmax],[MealIns4],0) + IIF([Time5]=[Tmax],[MealIns5],0) +
IIF([Time6]=[Tmax],[MealIns6],0) + IIF([Time7]=[Tmax],[MealIns7],0) (210)
日間における最後の時間区間の推奨値は、画面上に再配置しなければならない。下記の式は、推奨基礎速度、BR の例である。
【0325】
BRrec(i) = IIF([Time(i)] = [Tmax], [BRrecLast], [BRrec(i) の正規の公式]) (211)
好適な実施形態が、その範囲及び主旨から逸脱することなしに係る他の別の実施形態は、当業者にとっては、明らかとなるであろう。
参考文献
1. Paul C Davidson, Harry R Hebblewhite, Bruce W Bode, Pat L Richardson, R Denn is Steed, N Spencer Welch, 及び Joseph Johnson; "Statistical Estimates for CS II Parameters: Carbohydrate-to-Insulin Ratio (CIR, 2.8 Rule); Correction Facto r (CF, 1700 Rule); Basal Insulin"「CSII パラメータ:糖質対インシュリン比 (CI R, 2.8 Rule); 補正係数 (CF, 1700 Rule); 及び基礎インシュリンの統計的推定」; Diabetes Technology Meeting Poster, 10/31/2002. (Diabetes Technology and Ther apeutics April 2003 に発表予定。)
2. John Walsh, Ruth Roberts, Varma Chanrasekhar, and Timothy Bailey; USING INSU LIN(インシュリンの使用), 2003
付録A
以下は、インシュリンポンプ(タイプC)の多重日間のデータバージョン用 SQL リストである。本発明のこのバージョンは、開業医が患者と対話する際に開業医が使用するための Microsoft Access データベースに具体化されている。
SELECT TI.Tp_PatientID, TP.SSN, TP.Name, TP.Endo, TP.DOB, TP.Sex,
TP.OnsetDMdate, TP.PumpStartDate, TP.PhoneNos, TP.Email,
TI.IntractionID, TI.IntrDate,
TI.Hgt, TI.Wt, TI.HbAlc, TI.Creatinine, TI.Microalb,
TI.BGmean, TI.BGsd, TI.BGpd, TI.NBGs,
TI.TDDa, TI.TDDb, TI.TDDc, TI.TDDd, TI.TDDe, TI.TDDf,
(NZ([TDDa])+NZ([TDDb])+NZ([TDDc])+NZ([TDDd])+NZ([TDDe])+NZ([TDDf]))/(-IsNumeric([TDDa])-IsNumeric([TDDb])-IsNumeric([TDDc])-IsNumeric([TDDd])-IsNumeric([TDDe])-IsNumeric([TDDf])) AS TDDavg,
[Basal]/[TDDavg] AS BasalOvrTDD,
0.48*[TDDavg] AS BasalAIM,
[BasalAIM]-[Basal] AS dBslToAIM,
TI.Basalrx,
TI.TargetBG, TI.TargetBGrx,
TI.CF, 1708/[TDDavg] AS CFaim, TI.CFrx,
TI.CIR, 2.81*[wt]/[TDDavg] AS CIRaim,
IIf([sex]="m",(([Hgt]-60)*6+106)*13/8,(([Hgt]-60)*5+100)*13/8) AS
[Carbspd(Hgt)],
1-[CarbShTot]*0.8/[Carbspd(Hgt)] AS BoTTgtRec,
[CarbShTot]/[eMealInsTot] AS [CIR(carb)], TI.MealInsTotARx,
[CarbShTot]/[MealInsTotARx] AS [CIR(MealInslRx)],
TI.TypeInsShort, TI.TypeInsLong,
TI.Diet, TI.PumpType, Tl.iComment,
TI.TimeLabl2, TI.TimeLabl3, TI.TimeLabl4, TI.TimeLabl5, TI.TimeLabl6,
TI.TimeLabl7, TI.TimeLabl8,
0 AS Time1, TI.Time2, TI.Time3, TI.Time4, TI.Time5, TI.Time6, TI.Time7,
TI.Time8,
IIF(NZ([Time2])>NZ([Time3]),[Time2],IIf(NZ([Tinie3])>NZ([Time4]),[Time3],IIf(NZ([Time4])>NZ([Time5]),[Time4],IIf(NZ([Tirne5])>NZ([Time6]),[Time5],IIf(NZ([Time6])>NZ([Time7]),[Time6],IIf(NZ([Time7])>NZ([Time8]),[Time7],[Time8]))))))AS Tmax,
TI.CarbSh2, TI.CarbSh3, TI.CarbSh.4, TI.CarbSh5, TI.CarbSh6,
TI.CarbSh7, TI.CarbSh8,
NZ([CarbSh2])+NZ([CarbSh3])+NZ([CarbSh4])+NZ([CarbSh5])+NZ([CarbSh6])+NZ([CarbSh7])+NZ([CarbSh8]) AS CarbShTot,
IIf([Time2]=[Tmax],[CarbSh2],0)+IIf([Time3]=[Tmax],[CarbSh3],0)+IIf([Time4]=[Tmax],[Carbsh4],0)+IIf([Time5]=[Tmax],[CarbSh5],0)+IIF([Time6]=[Tmax],[CarbSh6],0)+IIf([Time7]=[Tmax],[CarbSh7],0)+NZ([CarbSh8]) AS
CarbShLast,
TI.MealIns2, TI.MealIns3, TI.MealIns4, TI.MealIns5, TI.MealIns6,
TI.MealIns7, TI.Meallns8,
TI.AMCorIns2, TI.AMCorIns3, TI.AMCorIns4, TI.AMCorIns5,
TI.AMCorIns6, TI.AMCorIns7, TI AMCorIns8,
TI.TBCorIns2, TI.TBCorIns3, TI.TBCorIns4, TI.TBCorIns5, TI.TBCorIns6,
TI.TBCorIns7, TI.TBCorIns8,
NZ([TBCorIns2])+NZ([TBCorIns3])+NZ([TBCorIns4])+NZ([TBCorIns5])+NZ([TBCorIns6])+NZ([TBCorIns7])+NZ([TBCorIns8]) AS TBCorTot,
[MealIns2]+[AMCorIns2] AS eMealIns2
[MealIns3]+[AMCorIns3] AS eMealIns3
[MealIns4]+[AMCorIns4] AS eMealIns4
[MealIns5]+[AMCorIns5] AS eMealIns5
[MealIns6]+[AMCorIns6] AS eMealIns6
[MealIns7]+[AMCorIns7] AS eMeallns7
[MealIns8]+[AMCorIns8] AS eMeallns8
NZ([eMealIns2])+NZ([eMealIns3])+NZ([eMealIns4])+NZ([eMealIns5])+NZ([eMealIns6])+NZ([eMealIns7])+NZ([eMealIns8]) AS eMealInsTot,
IIf([Time2]=[Tmax],NZ([eMealIns2]),0)+IIf([Time3]=[Tmax],NZ([eMealIns3]),0)+IIf([Time4]=[Tmax],NZ([eMealIns4]),0)+IIf([Time5]=[Tmax],NZ([eMealIns5]),0)+IIf([Time6]=[Tmax],NZ([eMealIns6]),0)+IIf([Time7]=[Tmax],NZ([eMealIns7]),0)+NZ([eMealIns8]) AS eMeallnsLast,
[Time2]+24-[tmax] AS dt0,
IIf(NZ([Time2])>0,[time2]-[time1],0) AS dt1,
IIf(NZ([Time2])>0,[time3]-[time2],0) AS dt2,
IIf(NZ([Time4])>0,[time4]-[time3],0) AS dt3,
IIf(NZ([Time5])>0,[time5]-[time4],0) AS dt4,
IIf(NZ([Time6])>0,[time6]-[time5],0) AS dt5 ,
IIf(NZ([Time7])>0,[time7]-[time6],0) AS dt6,
IIf(NZ([Time8])>0,[time8]-[time7],0) AS dt7,
TI.BR1, TI.BR2, TI.BR3, TI.BR4, TI.BR5, TI.BR6, TI.BR7, TI.BR8,
[BR1]*[dt0] AS Basl0,
[BR2]*[dt2] AS Basl2,
[BR3]*[dt3] AS Basl3,
[BR4]*[dt4] AS Basl4,
[BR5]*[dt5] AS Basl5,
[BR6]*[dt6] AS Basl6,
[BR7]*[dt7] AS Basl7,
NZ([Basl7])+NZ([Basl6])+NZ([Basl5])+NZ([Basl4])+NZ([Basl3])+NZ([Basl2])+NZ([Basl0]) AS Basal,
TI.BG2, TI.BG3, TI.BG4, TI.BG5, TI.BG6, TI.BG7, TI.BG8,
TI.CIR1, TI.CIR2, TI.CIR3, TI.CIR4, TI.CIR5, TI.CIR6, TI.CIR7, TI.CIR.8,
IIf([Time2]=[Tmax],[CIR2],0)+IIf([Time3]=[Tmax],[CIR3],0)+IIf([Time4]=[Tmax],[CIR4],0)+IIf([Time5]=[Tmax],[CIR5],0)+IIf([Time6]=[Tmax],[CIR6],0)+IIf([Time7]=[Tmax],[CIR7],0)+NZ([CIR8]) AS CIRLast,
TI.deRxInsl,
TI.deMealIns,
[deRxInsl]-[deMealIns] AS dBasal,
[CarbShTot]/([eMealInsTot]+[deMealIns]) AS CIRrecC,
TI.CIRrx,
IIf(0<=[deRxInsl]/[CorTot]<=1,0,1) AS swtch,
([Basl0]+[swtch]*[TBCorIns2]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns2]+[swtch]*[Basl0])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-[deMealIns]*
[eMealInsLast]/[eMealInsTot])/[dt0]
AS BRrecA0,
[BRrecA0] AS BRrecA1,
([Basl2]+[swtch]*[TBCorIns3]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns3]+[swtch]*[Basl2])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns2])/[eMealInsTot])/[dt2] AS BRxecA2,
([Basl3]+[swtch]*[TBCorIns4]+([deRxInsl]-[swtch]*[TBCorTot])*
([TBCorIns4]+[swtch]*[Basl3])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns3])/[eMealInsTot])/[dt3] AS BRrecA3,
([Basl4]+[swtch]*[TBCorIns5]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns5]+[swtch]*[Basl4])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns4])/[eMealInsTot])/[dt4] AS BRrecA4,
([Basl5]+[swtch]*[TBCorIns6]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns6]+[swtch]*[Basl5])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns5])/[eMealInsTot])/[dt5] AS BRrecA5,
([Basl6]+[swtch]*[TBCorins7]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns7]+[swtch]*[Basl6])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns6])/[eMealInsTot])/[dt6] AS BRrecA6,
([Basl7]+[swtch]*[TBCorIns8]+([deRxInsl]-
[swtch]*[TBCorTot])*([TBCorIns8]+[swtch]*[Basl7])
/([TBCorTot]+[swtch]*[BaslTot])-
[deMealIns]*NZ([eMealIns7])/[eMealInsTot])/[dt7] AS BRrecA7,
TI.BRrx1, TI.BRrx2, TI.BRrx3, TI.BRrx4, TI.BRrx5, TI.BRrx6, TI.BRrx7,
TI.BRrx8,
0 AS TimeRxl,
TI.TimeRx2, TI.TimeRx3, TI.TimeRx4, TI.TimeRx5, TI.TiimeRx6,
TI.TimeRx7, TI.TimeRx8,
IIf(NZ([TimeRx2])>NZ([TimeRx3]),[TimeRx2],IIf(NZ([TimeRx3])>NZ([TimeRx4]),[TimeRx3],IIf(NZ([TimeRx4])>NZ([TimeRx5]),[TimeRx4],IIf(NZ([TimeRx5])>NZ([TimeRx6]),[TimeRx5],IIf(NZ([TimeRx6])>NZ([TimeRx7]),[TimeRx6],IIf(NZ([TimeRx7])>NZ([TimeRx8]),[TimeRx7],[TimeRx8])))))) AS
TRxmax,
IIf(NZ([TimeRx2])>0,[TimeRx2]+24-[Trxmax],0) AS dTrx0,
IIf(NZ([TimeRx2])>0,[TimeRx2]-[TimeRx l],0) AS dTrx1,
IIf(NZ([TimeRx3])>0,[TimeRx3]-[TimeRx2],0) AS dTrx2,
IIf(NZ([TimeRx4])>0,[TimeRx4]-[TimeRx3],0) AS dTrx3,
IIf(NZ([TimeRx5])>0,[TimeRx5]-[TimeRx4],0) AS dTrx4,
IIf(NZ([TimeRx6])>0,[TimeRx6]-[TimeRx5],0) AS dTrx5,
IIf(NZ([TimeRx7])>0,[TimeRx7]-[TimeRx6],0) AS dTrx6,
IIf(NZ([TimeRx8])>0,[TimeRx8]-[TimeRx7],0) AS dTrx7,
[CarbShLast]/[eMealInsLast]+[deRxInsl]*[TBCorIns2]/[TBCorTot]-([BRrxl]-
[BR1])*[dt0]) AS CIRrec0,
[CarbSh2]/([eMealIns2]+[deRxInsl]*[TBCorIns3]/[TBCorTot]-([BRrx2]-
[BR2])*[dt2]) AS CIRrec2,
[CarbSh3]/([eMealIns3]+[deRxInsl]*[TBCorIns4]/[TBCorTot]-([BRra3]-
[BR3])*[dt3]) AS CIRrec3,
[CarbSh4]/([eMealIns4]+[deRxInsl]*[TBCorIns5]/[TBCorTot]-([BRrx4]-
[BR4])*[dt4]) AS CIRrec4,
[CarbSh5]/([eMealIns5]+[deRxInsl]*[TBCorIns6]/[TBCorTot]-([BRrx5]-
[BR5])*[dt5]) AS CIRrec5,
[CarbSh6]/([eMealIns6]+[deRxInsl]*[TBCorIns7]/[TBCorTot]-([BRrx6]-
[BR6])*[dt6]) AS CIRrec6,
[CarbSh7]/([eMealIns7]+[deRxInsl]*[TBCorIns8]/[TBCorTot]-([BRrx7]-
[BR7])*[dt7]) AS CIRrec7,
TI.eMealInsRx1, TI.eMealInsRx2, TI.eMealInsRx3, TI.eMealInsRx4,
TI.eMealInsRx5, TI.eMealInsRx6, TI. eMealInsRx7,
TI.CIRrx1, TI.CIRrx2, TI.CIRrx3, TI.ClRrx4, TI.CIRrx5, TI.CIRrx6,
TI.CIRxx7, TI.CIRrx8, TI.InptFormType
FROM TP INNER JOIN TI ON TP.PatientID = TI.Tp_PatientID
ORDER BY TI.IntrDate DESC;
【図面の簡単な説明】
【0326】
【図1】インシュリンポンプ(タイプ D) 用の多重日間のデータバージョン用入力フォームの好適な実施形態を示す。外側パネルは、表 Tp からの人口統計学的なデータである。内側パネルはSubForm であり、ある日付における患者と開業医との対話用である。2頁(2画面)有り、スクロールで到達できる。これらのうちの第1頁を示す。単一値化されたデータ(スケジュール化されていないデータ)を含んでいる。つまり、ポンプタイプDからの多重日間のデータを用いるバージョン 6.2.1.1.3、開業医用 Digital Advisor の第一の画面である。
【図2】インシュリンポンプ(タイプ D)用の多重日間のデータバージョン用入力フォームの好適な実施形態を示す。内側パネルは、SubForm である。2頁有り、スクロールで到達できる。これらのうちの第2頁(第二の画面)を示す。毎日のスケジュールデータを含んでいる。つまり、ポンプタイプDからの多重日間のデータを用いるバージョン 6.2.1.1.3、開業医用 Digital Advisor の第二の画面である。
【図3】乗数 FinsAuto のソースの好適な実施形態を示すもので、これは、患者の BG の標準偏差を、データベースからの平均標準偏差に比較することによって、自動化された多重日間のデータバージョン(Automatic Digital Advisor)内の dRxInsAuto を自動化する。患者の数字が高い場合は、乗数(常に <1)を減らす。増強処方インシュリンの自動化された変更 は、FinsAuto 掛ける時間境界調整インシュリン掛ける別の係数である。つまり、乗数 FInsAutoは、患者の BG の標準偏差をデータベースからの平均標準偏差に比較することによって、自動化された多重日間のデータバージョン内の deRxInsAuto を自動化する。結果は、次のように使用される。すなわち、deRxInsAuto = FInsAuto * KrxInslMax * TBCorTot

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある一定の時間区間に亘って投与される基礎インシュリンの投与量(基礎インシュリン)と該一定の時間区間中に摂られる食事に関連して投与される追加のインシュリンの投与量(食事インシュリン)との結合された組合せを含むインシュリン投与スケジュールを調整する方法において、食事インシュリンの必要な変更を推定する工程と、次いで、該一定の時間区間に対して処方された合計のインシュリン(処方インシュリン)の変更と食事インシュリンの推定された変更との差引差から、基礎インシュリンの変更を、前日の同じ時間区間中に与えられたインシュリンの投与量との関連で、決定する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
基礎インシュリンの決定された変更を、該一定の時間区間の経過時間で割って、基礎インシュリンを投与する速度(基礎速度)の変更を得、次いで、該基礎速度の変更を前日の同じ時間区間中の該基礎速度に加えて、該一定の時間区間に亘って投与すべき基礎インシュリンの新しい投与量を得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
食事インシュリンの推定された必要な変更は、食事インシュリンの、日間の全ての食事インシュリン投与量の合計に対する比と同じ比率で、複数の時間区間に亘り、ある一定の日間の食事インシュリンの合計の累積変更のシェアとして決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
食事インシュリンの推定された必要な変更は、該一定の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数の、日間全体に亘って経口摂取された糖質の合計のグラム数に対する比と同じ比率で、ある一定の日間の食事インシュリンの合計の累積変更のシェアとして決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
食事インシュリンの推定された必要な変更は、下記の公式、すなわち、
(現在の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数)/(現在の時間区間の糖質対インシュリン比)マイナス (現在の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数)/(前日の同じ時間区間の糖質対インシュリン比)
から決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
食事インシュリンの推定された必要な変更は、糖質のグラム数の異なる時間区間中に投与されるインシュリンの投与量に対する比から決定されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
現在の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数は、糖質対インシュリン比掛ける該一定の時間区間の食事インシュリンとして決定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ある一定の時間区間に亘って投与される基礎インシュリンの投与量(基礎インシュリン)と該一定の時間区間中に摂られる食事に関連して投与される追加のインシュリンの投与量(食事インシュリン)との結合された組合せを含むインシュリン投与スケジュールを調整する方法において、基礎インシュリンの必要な変更を推定する工程と、次いで、該一定の時間区間の処方された合計のインシュリン(処方されたインシュリン)の変更と該一定の時間区間の基礎インシュリンの推定された必要な変更との間の差を決定する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
基礎インシュリンの推定された必要な変更は、異なる日間における同じ時間区間の基礎インシュリンから決定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
基礎インシュリンの推定された必要な変更は、複数の異なる日間における同じ時間区間中に投与された基礎インシュリンの平均から決定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
一つ又はそれ以上の異なる日間における同じ時間区間中に摂られた基礎インシュリンに変換率が加えられ、該変換率は、現在の時間区間の基礎インシュリンと前日又は前の日間群のある時間区間のそれとの間の統計的に決定された相関関係であることを特徴とする請求項9及び10に記載の方法。
【請求項12】
該統計的な相関関係は、患者自身の過去のデータから取られることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該統計的な相関関係は、複数の患者のサンプリングから取られることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該時間区間の該基礎速度に対する変更は、請求項16に記載の方法によって決定し、かつ、該時間区間に亘る経過時間を掛けて、基礎インシュリンの変更を得ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
基礎インシュリンの必要な変更は、請求項1の方法を使用することによって決定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項16】
ある一定の時間区間に亘って投与される基礎インシュリンの投与量(基礎インシュリン)と該一定の時間区間中に摂られる食事に関連して投与される追加のインシュリンの投与量(食事インシュリン)との結合された組合せを含むインシュリン投与スケジュールを調整する方法において、食事の終わり近くに始まる時間区間であって、該一定の時間区間の始まりと終わりとの間で、食後インシュリンの大量瞬時投与が投与され、かつ、該時間区間の後期の部分に基づいて、該時間区間の基礎インシュリンに対する変更が決定され、基礎インシュリンの該変更は、該時間区間のより早い部分の基礎インシュリンの変更を決定するのに使用され、該変更を、処方されたインシュリン投与量の必要な変更から引いて、該一定の時間区間の食事インシュリンの変更を得る時間区間、を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
該時間区間の後期の部分における基礎インシュリンに対する変更は、該時間区間の終端におけるある調整インシュリン投与量の予め定められた分率であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該時間区間の後期の部分の基礎インシュリンに対する変更を、該時間区間に亘る経過時間で割って、該時間区間全体の基礎速度を得る工程、を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該時間区間のより早い部分の処方されたインシュリン投与量の変更は、食事後の該時間区間における中間の調整インシュリン投与量の予め定められた分率であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該予め定められた分率は、請求項17のそれと同じであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該予め定められた分率は、合計の日間の処方されたインシュリンの変更を、合計の日間の調整インシュリンで割った値に等しいことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
食事インシュリンの変更を直前日の該一定の時間区間について以前に決定された食事インシュリン投与量に加えることによって、食事インシュリンの変更を新しい食事インシュリン投与量に変換する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項1、8、及び16に記載の方法。
【請求項23】
該時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数を、該一定の時間区間の新しい食事インシュリンで割ることによって新しい糖質対インシュリン比を決定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
経口摂取された糖質のグラム数は、糖質対インシュリン比に前日の該一定の時間区間の食事インシュリン投与量を掛けることによって決定されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該一定の時間区間は、日間全体を構成することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
該一定の時間区間は、日間全体に及ばない時間区間を構成することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
ある一定の時間区間中に摂られた食事に関連して投与されたインシュリン投与量(食事インシュリン)の変更を、ある一定の時間区間の食事インシュリンに関する糖質対インシュリン比の微積分導関数を取ることによって、糖質対インシュリン比の変更に換算することを特徴とする方法。
【請求項28】
前記導関数を、ある一定の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数を食事インシュリンの2乗で割った負数として計算する工程、を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ある一定の時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数を、糖質対インシュリン比掛ける該一定の時間区間の食事インシュリンとして計算する工程、を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
糖質対インシュリン比を、糖質対インシュリン比と体重又はインシュリンの合計の毎日投与量との統計的な相関関係に基づいて推定する工程、を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項31】
食事インシュリンを、インシュリンの合計の毎日投与量のプリセットされた分率として推定する工程、を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
該プリセットされた分率は、1/2であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
食事インシュリンと調整食後インシュリン投与量との和が、食事インシュリンの代わりに使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項34】
フィードバック機構が、処方インシュリンの一部としての基礎インシュリンと食事インシュリンの日間の合計の相対的な比率を調整するのに使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項35】
該フィードバック機構は、基礎インシュリンの日間の変更割る処方インシュリンの日間の変更を表わす係数であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
該フィードバック係数は、次のように、すなわち、
BoTFbk(d) = BoT(d) + Kfbk*(BoTTgt - BoT(d))*sign(deRxInsl)
のように計算されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
値を決定するためのデータは、前日の対応する時間区間から取られたデータであることを特徴とする請求項1、8、及び16に記載の方法。
【請求項38】
値を決定するためのデータは、複数の日間の、かつ、平均化された対応する時間区間から取られたデータであることを特徴とする請求項1、8、及び16に記載の方法。
【請求項39】
複数の日間に亘る指定された時間においてあるいはその近くで取られた平均化された血糖測定値の差及び目標血糖レベル割る補正係数に基づいて、該一定の時間区間の調整インシュリン投与量を計算する工程、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項40】
処方インシュリンに対する変更は、ある数マイナス該時間区間の調整インシュリン投与量として決定されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
処方インシュリンに対する変更は、乗率掛ける該時間区間の調整インシュリンに等しい該一定の時間区間の調整インシュリンの分率であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
該乗率は、補正のための選択された時間期間に亘って補正の量を減らすため、応答時間を設ける数であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
該乗率は、1マイナス(応答時間の終わりにおいて許容される本来の誤差の残りのパーセント)の(1割る応答時間の日数)乗、として決定されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
合計の日間の処方インシュリンの変更の値を、合計の日間の調整インシュリンで割って、該乗率を得ることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項45】
(削除)
【請求項46】
加えられた処方インシュリンに対する変更は、日間の合計の調整インシュリンの和の設定分率に基づく最大の変更値に限定されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
処方インシュリンに対する変更は、ある一定の時間区間の終端で決定される調整インシュリンの設定分率に基づく最大の変更値に限定されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項48】
処方インシュリンに対する変更は、最近のカレンダー期間における患者の血糖のパーセント標準偏差と母集団サンプルの平均パーセント標準偏差との比較に基づいて、自動的に調整され、かつ、患者の標準偏差が、母集団サンプルの平均標準偏差に対して大きい場合は、処方インシュリンの変更が、決定された変更よりも少なくなされることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項49】
処方インシュリンの変更は、分率乗数掛ける決定された最大変更に等しいことを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
該乗数は、次のようにして、すなわち、患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、母集団パーセント標準偏差の母集団の平均値プラス母集団パーセント標準偏差の1標準偏差より小さい場合は、乗数の値は、1であり;患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、母集団パーセント標準偏差の平均値より、母集団標準偏差の1〜2パーセント標準偏差、より大きい場合は、該乗数は、この区間の上側境界でゼロに達するまで、直線的に下方向に傾斜するよう設定され;かつ、患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、これより大きい場合は、該乗数は、ゼロに設定され、処方インシュリンのいかなる変更も許されない、ようにして決定されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
合計の日間の処方された基礎インシュリン投与量の変更の絶対値のうちの最小値の絶対値に基づく合計の日間の基礎インシュリン投与量の変更、及び、合計の日間より短い時間区間の現在の基礎インシュリン投与量より少ない目標基礎インシュリン投与量を自動的に推定することを特徴とする方法。
【請求項52】
合計のインシュリン対基礎インシュリンの目標比は、1マイナス日間に亘って経口摂取された合計の糖質のグラム数の量掛ける平均糖血症インデクス(Average Glycemic Index)割る(患者の身体の測定値又は他のパラメータが与えられている場合)患者の毎日のエネルギー条件についての任意の既知の統計を基にした公式の結果として決定されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項53】
AIM 相関関係が、基礎インシュリン対基礎対合計のインシュリンに対する目標比として使用されてよいことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項54】
基礎インシュリンの変更の推定値が、合計の日間の処方インシュリンに対する変更から基礎インシュリンの変更を引くことによって、食事インシュリンの変更の自動的な値に変換されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項55】
変更が正の方向である場合、食事インシュリンの変更の推定値に分率の低減係数を掛けることを特徴とする請求項54に記載の方法。
【請求項56】
省略された調整インシュリン大量瞬時投与に対応する省略された血糖測定値のどちらか一方の側における時間区間からのインシュリン大量瞬時投与の和に基づいて決定される時間境界における省略された調整インシュリン大量瞬時投与をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項57】
該一定の時間区間の演習の量に基づくインシュリン大量瞬時投与の決定をさらに含むことを特徴とする請求項1、8、及び16に記載の方法。
【請求項58】
負数のインシュリン投与量によって、適当な量の時間の間、基礎速度注入が中断される結果となる、該一定の時間期間の演習の量に基づくインシュリン大量瞬時投与の決定をさらに含むことを特徴とする請求項1、8、及び16に記載の方法。
【請求項59】
合計の調整インシュリン割る処方インシュリンに対する未修正の変更が、1より小さい場合、大ドメイン公式を用いて、処方インシュリン日間の変更を各種の時間区間の間に配分することを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項60】
大ドメイン公式は、区間又はサブ区間内の処方インシュリンの変更を、次のように、すなわち、該区間の終端で血糖測定値に基づいて計算された全量の調整インシュリンが各区間に与えられ、次いで、日間の合計の処方インシュリンの必要な変更と日間の合計の調整インシュリンとの間の差が、該区間の間に、旧い基礎インシュリンプラス調整インシュリンの量の各区間のシェアに比例して配分されるように決定することを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
区間又はサブ区間内では、処方インシュリンの変更を決定する大ドメイン公式は、該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンプラス量(処方インシュリンの合計の変更マイナス合計の調整インシュリン)掛ける量(該時間区間の基礎インシュリンプラス該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリン)割る量(合計の調整インシュリンプラス合計の日間の基礎インシュリン)に等しいことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
該公式は、スイッチングパラメータの使用により、以下のように、すなわち、該一定の時間区間の処方インシュリンの変更が、該スイッチングパラメータ掛ける該大ドメイン公式プラス量(1マイナス該スイッチングパラメータ)掛ける小ドメイン公式に等しくなるように、実行されることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項63】
該スイッチングパラメータ値は、日間の該時間区間の終端で投与されるべき日間の合計の調整インシュリン割る処方インシュリンの日間の変更が、1より大きい場合には、1であり、さもなければ、ゼロの値を有することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
二つの大ドメイン公式が使用され、一つは、該時間区間の第一の部分用、また、一つは、該区間の後期の部分用であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項65】
該時間区間第一の部分の該大ドメイン公式は、次のように、すなわち、該時間区間の第一の部分の処方インシュリンの変更は、該区間の食後調整インシュリンプラス量(処方インシュリンの日間の変更マイナス日間の合計の食後調整インシュリンマイナス日間の該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンの日間の合計)掛ける量(該区間の食後調整インシュリンプラス該区間における基礎インシュリン)割る量(日間の合計の食後調整インシュリンプラス日間の該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンの日間の合計プラス日間の合計の基礎インシュリン)に等しくなるように計算されることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項66】
該区間の最後の部分の該大ドメイン公式は、次のように、すなわち、該時間区間の最後の部分の処方インシュリンの変更は、該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンプラス量(処方インシュリンの日間の変更マイナス日間の合計の食後調整インシュリンマイナス日間の該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンの合計)掛ける量(調整インシュリンプラス該区間における基礎インシュリン)割る量(日間の合計の食後調整インシュリンプラス調整インシュリンの日間の合計プラス合計の日間の基礎インシュリン)に等しくなるように計算されることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項67】
該時間区間の両方の部分にスイッチングパラメータが、使用され、かつ、該スイッチングパラメータの値は、(日間の合計の食後調整インシュリンプラス該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリン)の比割る(処方インシュリンの日間の変更)が、1より大きい場合には、1であり、さもなければ、ゼロの値を有することを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項68】
プログラムは、インシュリンポンプにインストールされていることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項69】
プログラムは、血糖測定装置、インシュリン送達装置、及び マイクロプロセッサを含むキットにインストールされており、そのうちの一つは、データを格納できることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項70】
該マイクロプロセッサは、該血糖測定装置内に在ることを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項71】
該マイクロプロセッサは、該インシュリン送達装置内に在ることを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項72】
該マイクロプロセッサは、別個に収容されていることを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項73】
該プログラムは、ポンプ患者に使用されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項74】
該プログラムは、多重毎日注射又は吸入インシュリンに使用されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項75】
ここで説明したいくつかのアルゴリズムのうちの一つが、時間区間に、該時間区間の特性によって、適用されることを特徴とする方法。
【請求項76】
各時間区間は、「区間タイプ」のパラメータにより、キューとして、ディジタルにフラグされて、ある種の投与アルゴリズムが適用されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項77】
食事を含む時間区間が識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項78】
時折の小スナック含む時間区間が識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項79】
ある時間区間は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための基礎速度のソースとして識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項80】
ある時間区間は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための糖質対インシュリン比のソースとして識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項81】
食後調整インシュリンを含む時間区間が、食後調整インシュリンの存在によって識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項82】
該時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンの値が無い区間が、調整インシュリンの欠如によって識別されることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項83】
前日の対応する時間区間からデータを取るバージョンは、ポンプの自動的な毎日の更新を使用し、かつ、各時間区間に適切なアルゴリズムを選択し、かつ、各時間区間は、前日からのただ一つの時間区間、あるいは、複数の日間から取られかつ平均化された対応する時間区間のいずれかを表わすことを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項84】
請求項4に記載のアルゴリズムは、小スナックを含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項83及び5に記載の方法。
【請求項85】
請求項8に記載のアルゴリズムは、食事を含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項83及び8に記載の方法。
【請求項86】
請求項4に記載のアルゴリズムは、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための基礎速度のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項83及び5に記載の方法。
【請求項87】
請求項8に記載のアルゴリズムは、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための糖質対インシュリン比のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項83及び8に記載の方法。
【請求項88】
請求項16に記載のアルゴリズムは、食後調整インシュリンを含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項83及び16に記載の方法。
【請求項89】
前日の対応する時間区間からデータを取るバージョンは、多重毎日注射及び吸入インシュリンの自動的な毎日の更新を使用し、かつ、各区間に適当なアルゴリズムを適用することを特徴とする請求75に記載の方法。
【請求項90】
請求項5に記載の方法は、小スナックを含む区間に適用されることを特徴とする請求項89及び5に記載の方法。
【請求項91】
請求項8に記載の方法は、食事を含む区間に適用されることを特徴とする請求項89及び8に記載の方法。
【請求項92】
請求項5に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための基礎速度のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項89及び5に記載の方法。
【請求項93】
請求項8に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための糖質対インシュリン比のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項89及び8に記載の方法。
【請求項94】
その入力が、カレンダー期間に亘る平均値の形態であるバージョンが、各時間区間に適当なアルゴリズムを選択することを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項95】
請求項3に記載の方法は、小スナックを含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項94及び3に記載の方法。
【請求項96】
請求項8に記載の方法は、食事を含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項94及び8に記載の方法。
【請求項97】
請求項3に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための基礎速度のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項94及び3に記載の方法。
【請求項98】
請求項8に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための糖質対インシュリン比のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項94及び8に記載の方法。
【請求項99】
請求項16に記載の方法は、食後調整インシュリンを含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項94及び16に記載の方法。
【請求項100】
その入力が多重毎日注射のカレンダー期間に亘る平均値の形態である本発明のバージョンが、各時間区間に適当なアルゴリズムを選択することを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項101】
請求項5に記載の方法は、小スナックを含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項100及び5に記載の方法。
【請求項102】
請求項8に記載の方法は、食事を含む時間区間に適用されることを特徴とする請求項100及び8に記載の方法。
【請求項103】
請求項5に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための基礎速度のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項100及び5に記載の方法。
【請求項104】
請求項8に記載の方法は、別の時間区間中のインシュリン投与を決定する際に使用するための糖質対インシュリン比のソースとして指定された時間区間に適用されることを特徴とする請求項100及び8に記載の方法。
【請求項105】
ポンプ用の本発明の多重日間のデータバージョンは、全ての時間区間に、請求項3に記載の方法を適用することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項106】
ある一定の時間区間内の基礎インシュリンをフィードバック係数掛けるある一定の時間区間の終端で投与されるべき調整インシュリンとして計算し、かつ、該時間区間の食事インシュリンを量(1マイナス該フィードバック係数)掛ける該区間の調整インシュリンとして計算することを特徴とする方法。
【請求項107】
該定数は、目標基礎インシュリン対合計比への最適な収斂の速度を目的として選択されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項108】
該時間区間中に経口摂取された糖質のグラム数を該一定の時間区間の新しい食事インシュリンで割ることによって、新しい糖質対インシュリン比を決定する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項109】
該経口摂取された糖質のグラム数は、糖質対インシュリン比に、前日の該一定の時間区間の食事インシュリン投与量を掛けることによって決定されることを特徴とする請求項108に記載の方法。
【請求項110】
該一定の時間区間は、日間全体を構成することを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
該一定の時間区間は、日間全体に及ばない時間区間を構成することを特徴とする請求項110に記載の方法。
【請求項112】
食事インシュリンと調整食後インシュリン投与量との和が、食事インシュリンの代わりに使用されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項113】
フィードバック機構が、処方インシュリンの一部としての基礎インシュリン及び食事インシュリンの日間の合計の相対的な比率を調整するのに使用されることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
該フィードバック機構は、基礎インシュリンの日間の変更割る処方インシュリンの日間の変更を表わす係数であることを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項115】
該フィードバック係数は、次のように、すなわち、
BoTFbk(d) = BoT(d) + Kfbk*(BoTTgt - BoT(d))*sign(deRxInsl)
のように計算されることを特徴とする請求項114に記載の方法。
【請求項116】
複数の日間に亘る指定された時間においてあるいはその近くで取られた平均化された血糖測定値の差及び目標血糖レベル割る補正係数に基づいて、該一定の時間区間の調整インシュリン投与量を計算する工程、を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項117】
処方インシュリンに対する変更は、ある数マイナス該時間区間の調整インシュリン投与量として決定されることを特徴とする請求項116に記載の方法。
【請求項118】
処方インシュリンに対する変更は、乗率掛ける該時間区間の調整インシュリンに等しい該一定の時間区間の調整インシュリンの分率であることを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項119】
該乗率は、補正のための選択された時間期間に亘って補正の量を減らすため、応答時間を設ける数であることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
該乗率は、1マイナス(応答時間の終わりにおいて許容される本来の誤差の残りのパーセント)の(1割る応答時間の日数)乗、として決定されることを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
合計の日間の処方インシュリンの変更の値を、合計の日間の調整インシュリンで割って、該乗率を得ることを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項122】
(削除)
【請求項123】
加えられた処方インシュリンに対する変更は、日間の合計の調整インシュリンの和の設定分率に基づく最大の変更値に限定されることを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項124】
処方インシュリンに対する変更は、ある一定の時間区間の終端で決定される調整インシュリンの設定分率に基づく最大の変更値に限定されることを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項125】
処方インシュリンに対する変更は、最近のカレンダー期間における患者の血糖のパーセント標準偏差と母集団サンプルの平均パーセント標準偏差との比較に基づいて、自動的に調整され、かつ、患者の標準偏差が、母集団サンプルの平均標準偏差に対して大きい場合は、処方インシュリンの変更が、決定された変更よりも少なくなされることを特徴とする請求項121に記載の方法。
【請求項126】
処方インシュリンの変更は、分率乗数掛ける決定された最大変更に等しいことを特徴とする請求項125に記載の方法。
【請求項127】
該乗数は、次のようにして、すなわち、患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、母集団パーセント標準偏差の母集団の平均値プラス母集団パーセント標準偏差の1標準偏差より小さい場合は、乗数の値は、1であり;患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、母集団パーセント標準偏差の平均値より、母集団標準偏差の1〜2パーセント標準偏差、より大きい場合は、該乗数は、この区間の上側境界でゼロに達するまで、直線的に下方向に傾斜するよう設定され;かつ、患者の血糖測定値のパーセント標準偏差が、これより大きい場合は、該乗数は、ゼロに設定され、処方インシュリンのいかなる変更も許されない、ようにして決定されることを特徴とする請求項126に記載の方法。
【請求項128】
複数の日間に亘る指定された時間においてあるいはその近くで取られた平均化された血糖測定値の差及び目標血糖レベル割る補正係数に基づいて、該一定の時間区間の調整インシュリン投与量を計算する工程、を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項129】
合計の日間の基礎の変更を下記のもの、すなわち、(合計の日間の処方インシュリンの変更)、及び(目標基礎インシュリンマイナス現在の基礎インシュリン)の絶対値のうちの最小値の絶対値を有するものとして自動的に推定し、結果として生ずる最小値に後者の量の符号を掛けることを特徴とする請求項8に記載の方法。


【公表番号】特表2007−525433(P2007−525433A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507366(P2006−507366)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/008442
【国際公開番号】WO2004/084820
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505352345)
【出願人】(505352334)
【Fターム(参考)】