説明

系統連系装置

【課題】
本発明は、ランニングコストを低減した系統連系装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
直流電源1から供給される電力を交流電力に変換するインバータ回路5を備え、直流電源1を商用電力系統30へ連系する系統連系装置2において、直流電源1が供給する電力から第1直流電力を生成する主電源81と、商用電力系統30が供給する電力から第2直流電力を生成する副電源82と、インバータ回路5の制御を行い、第1直流電力によって動作する主制御回路91と、主制御回路91よりも消費電力が少なく、第1直流電力の生成を制御する副制御回路92と、を備え、副制御回路92は、直流電源から主電源81を動作するに十分な電力が得られる場合に、第1直流電力及び第2直流電力のうち第1直流電力が主制御回路91、及び 副制御回路92へ供給されるようにすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源から供給される電力を交流電力に変換し、商用電力系統に供給する系統連系装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、太陽電池、燃料電池、蓄電池などの直流電源から出力された電力を交流電力に変換し、商用電力系統に電力を供給する系統連系装置が提供されている。
【0003】
系統連系装置を含む系統連系システムの一例である太陽電池発電システムは、日射量に応じて発電量が変化する太陽電池と、この太陽電池から供給される電力を交流電力に変換する系統連系装置とにより構成され、商用電力系統に交流電力を供給するものである。
【0004】
系統連系装置は、太陽電池の直流電圧を昇圧する昇圧回路、昇圧回路の出力を交流電圧に変換するインバータ回路、インバータ回路と商用電力系統との間に接続された系統連系用リレー、インバータ回路と系統連系用リレーとの間に接続されその間に流れる電流を検出する電流センサ、系統連系用リレーの商用電力系統側に設置された商用系統電圧センサ、マイクロコンピュータからなり電流検出センサや商用系統電圧センサから検出した電流、電圧に基づいて昇圧回路やインバータ回路の各スイッチ素子をON/OFFするための信号を出力する制御回路、及び上記センサや上記回路へ電力を供給する電源とで構成される。
【0005】
ところで、系統連系装置は、低日射時や日射の無い場合など太陽電池から十分な電力が得られない場合は、インバータ回路、昇圧回路、一部のセンサを駆動させる必要がないため、電源からこれらの回路やセンサへ電力の供給が行われると消費電力が嵩む。これに対して、制御回路を主制御回路、副制御回路の2つに分け、電源を主電源、副電源の2つに分けて用いることで消費電力を低減する系統連系装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−23369
【0006】
このような系統連系装置において、主電源は、主・副制御回路、インバータ回路、昇圧回路、及びセンサ等すべての回路やセンサを駆動するための制御電力を、太陽電池の供給する電力を用いて生成し、上述の回路やセンサへ供給できるように構成されている。また、副電源は、副制御回路や一部のセンサ等限られた回路やセンサを駆動するための電力を、商用電力系統の供給する電力を用いて生成し、限られた回路やセンサへ制御電力を供給できるように構成されている。
【0007】
そして、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られない場合には、副電源から限られた回路やセンサへ電力を供給し、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られる場合には、一部の回路やセンサに対しては副電源及び主電源の電力を合成した電力を供給し、その他の回路やセンサへは主電源から電力を供給するようにしている。このようにすることで、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られない場合には、この場合の動作に必要な必要最小限の電力を副電源から限られた回路やセンサへ供給することになるため、消費電力を低減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような系統連系装置において、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られる場合に、主・副両電源の電力供給を受ける一部の回路やセンサには、主制御回路や副制御回路も含まれていた。主制御回路や副制御回路は、常に多くの各種運転条件を迅速に検出するとともに監視し、最適運転状態に適応追従させるように昇圧回路やインバータ回路の制御(制御用の演算)を行う必要があるため消費電力が大きかった。このため、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られる場合であっても、利用者は主制御回路や副制御回路を動作させるための電力を買電することになり、ランニングコストが増加するという課題があった。本発明は、このようなランニングコストを低減した系統連系装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、直流電源から供給される電力を交流電力に変換するインバータ回路を備え、前記直流電源を商用電力系統へ連系する系統連系装置において、前記直流電源が供給する電力から第1直流電力を生成する主電源と、前記商用電力系統が供給する電力から第2直流電力を生成する副電源と、前記インバータ回路の制御を行う主制御回路と、前記主制御回路よりも消費電力が少なく、前記第1直流電力の生成を制御する副制御回路と、を備え、前記副制御回路は、前記主電源を動作するに十分な電力が前記直流電源から得られる場合に、前記第1直流電力及び前記第2直流電力のうち前記第1直流電力が前記主制御回路、及び前記副制御回路へ供給されるようにすることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られる場合には、第1直流電力及び第2直流電力のうち、太陽電池が供給する電力から生成される第1直流電力を主制御回路及び副制御回路に供給して動作するため、これらの回路を動作させる電力を商用電力系統から買電する必要がなく、ランニングコストを低減することができる。
【0011】
また、上述の発明において、前記主電源は、前記第1直流電力の第1直流電圧を第1正極線路及び第1負極線路との間に印加して前記主制御回路へ前記第1直流電力を供給し、 前記副電源は、前記第2直流電力の第2直流電圧を第2正極線路及び第2負極線路との間に印加して前記副制御回路へ前記第2直流電力を供給し、前記第1正極線路及び前記第2正極線路を接続する正極接続線路と、前記第1負極線路及び前記第2負極線路を接続する負極接続線路と、前記第2正極線路に介在し、前記第2正極線路及び前記正極接続線路との接続点と前記副電源との間に介在するダイオードと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、上述の発明において、前記正極接続線路に介在するスイッチ回路を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、上述の発明において、前記副制御回路は、前記主電源を動作するに十分な電力が前記直流電源から得られない場合に、前記主電源による前記第1直流電力の生成を停止させ、前記第2直流電力が前記副制御回路へ供給されるようにすることを特徴とする。
【0014】
また、上述の発明において、前記主制御回路は、前記副制御回路と通信を行う第1通信部を有し、前記副制御回路は、前記主制御回路と通信を行う第2通信部と、前記スイッチ回路の開閉を制御する開閉制御部と、前記主電源が前記第1直流電力を生成している状態である動作状態と前記主電源が前記第1直流電力の生成を停止している状態である停止状態とを切り替える切替制御部と、を有し、前記切替制御部は、前記主電源を前記停止状態から前記動作状態へ切り替える際に、前記スイッチ回路を閉じて、前記副電源から前記主制御回路及び前記副制御回路へ前記第2直流電力を供給し、前記第1通信部と前記第2通信部との間で通信が成立した場合に、前記主電源を停止状態から前記動作状態へと切り替えると良い。
【0015】
また、前記主制御回路は、前記副制御回路と通信を行う第1通信部を有し、前記副制御回路は、前記主制御回路と通信を行う第2通信部と、前記スイッチ回路の開閉を制御する開閉制御部と、前記主電源が前記第1直流電力を生成している状態である動作状態と前記主電源が前記第1直流電力の生成を停止している状態である停止状態とを切り替える切替制御部と、を有し、 前記切替制御部は、前記主電源を前記動作状態から前記停止状態へ切り替えた後に、前記スイッチ回路を開き、前記副電源から前記副制御回路へ前記第2直流電力を供給し、前記第1通信部と前記第2通信部との間で通信が成立した場合に、前記スイッチ回路に異常が有ると判断すると良い。
【0016】
また、上述の発明において、前記直流電源が供給する電力の電圧を所定の中間電圧として出力する変換回路を備え、前記主電源は、前記中間電圧から前記第1直流電圧を生成し、 前記副制御回路は、前記中間電圧を検出する電圧検出部を有し、前記副制御回路は、前記中間電圧が所定のON判定電圧より大きい場合に、前記第1直流電力及び前記第2電力のうち前記第1直流電力が前記主制御回路、及び前記副制御回路へ供給されるようにし、前記中間電圧が所定のOFF判定電圧より小さい場合に、前記主電源による前記第1直流電力の生成を停止させ、前記第2直流電力が前記副制御回路へ供給されるようにすると良い。
【0017】
また、本発明の別の形態において、直流電源から供給される電力を交流電力に変換するインバータ回路を備え、前記直流電源を商用電力系統へ連系する系統連系装置において、 前記直流電源が供給する電力から第1直流電力を生成する主電源と、前記商用電力系統が供給する電力から第2直流電力を生成する副電源と、前記インバータ回路の制御を行い、前記第1直流電力によって動作する主制御回路と、前記主制御回路よりも消費電力が少なく、前記第1直流電力の生成を制御する副制御回路と、を備え、前記主電源は、前記第1直流電力の第1直流電圧を第1正極線路及び第1負極線路との間に印加して前記主制御回路へ前記第1直流電力を供給し、前記副電源は、前記第2直流電力の第2直流電圧を第2正極線路及び第2負極線路との間に印加して前記副制御回路へ前記第2直流電力を供給し、 前記第1正極線路及び前記第2正極線路を接続する正極接続線路と、前記第1負極線路及び前記第2負極線路を接続する負極接続線路と、前記第2正極線路に介在し、前記前記第2正極線路及び前記正極接続線路との接続点と前記副電源との間に介在するダイオードと、
前記正極接続線路に介在するスイッチ回路と、を有すると良い。
【0018】
本発明の別の形態によれば、主電源、副電源から第1直流電力、第2直流電力が供給されている状態でスイッチ回路をON状態にすると、ダイオードの電圧降下により第2直流電力の電圧が第1直流電力の電圧よりも小さくなるため、前記第1直流電力及び前記第2電力のうち前記第1直流電力が主制御回路、及び副制御回路へ供給されるようになる。これにより、主電源を動作するに十分な電力が太陽電池から得られる場合には、太陽電池の供給する電力を主制御回路及び副制御回路の電源とできるため、商用電力系統から電力を買電する必要がなく、ランニングコストを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ランニングコストを低減した系統連系装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る系統連系装置を含む系統連系システムの一例である太陽光発電システム100を示す構成図である。
【図2】主電源81の構成を示す模式図である。
【図3】主電源81、副電源82、主制御回路91、及び副制御回路92の接続を示す模式図である。
【図4】省電力モードから通常モードに切り替える場合の副制御回路92の動作のフローチャートを示す。
【図5】通常力モードから省電力モードに切り替える場合の副制御回路92の動作のフローチャートを示す。
【図6】本実施形態の系統連系装置2の起動時の副制御回路82の動作のフローチャートを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
【0022】
図1は本実施形態に係る系統連系装置を含む系統連系システムの一例である太陽光発電システム100を示す構成図である。
【0023】
この太陽光発電システム100は、日射量に応じて発電量が変化する太陽電池1(直流電源)と、この太陽電池1から供給される電力を交流電力に変換し、太陽電池1を商用電力系統30へ連系する系統連系装置2とにより構成されている。
【0024】
系統連系装置2は、昇圧回路4(変換回路)、インバータ回路5、系統連系用リレー7、及び各種センサ(電圧検出センサ11、12、及び電流検出センサ13)、スイッチ回路3、ダイオード6、主電源81、副電源82、整流回路83、主制御回路91、副制御回路92、及び外部モニタ60とを備えている。
【0025】
昇圧回路4は、太陽電池1が供給する電力の電圧を所定の中間電圧に昇圧して出力する。昇圧回路4は、リアクトル41と、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のようなスイッチ素子42と、ダイオード43と、コンデンサ44、昇圧駆動回路45とで構成される。具体的には、リアクトル41の一端に太陽電池1の正極側を接続し、他端にはスイッチ素子42のコレクタ側とダイオード43のアノード側を接続する。また、スイッチ素子42のエミッタ側には太陽電池1の負極側を接続し、ダイオード43のカソード側はコンデンサ44を介してスイッチ素子42のエミッタ側に接続されている。
【0026】
昇圧回路4の出力電圧(中間電圧)は電圧検出センサ12によって検出され、その検出信号が主制御回路91に入力されており、主制御回路91で演算処理を行って決定したデューティ比にしたがって、昇圧駆動回路45がパルス信号を作成しスイッチ素子42のゲートに与え、昇圧回路4の出力電圧が所定の中間電圧になるようにフィードバック制御を行っている。
【0027】
インバータ回路5は、昇圧回路4を介して太陽電池1から供給される電力を交流電力に変換する。インバータ回路5は昇圧回路4によって昇圧された電圧(中間電圧)を入力として、インバータ回路5で所定の周波数の搬送波を商用電力系統30と同じ周波数の変調波で変調させるPWM(パルス幅変調)制御を行って正弦波状の交流電圧に変換して出力する。インバータ回路5は、IGBTのようなスイッチ素子51〜54をフルブリッジ接続して構成され、スイッチ素子51〜54を駆動するインバータ駆動回路55を有している。
【0028】
インバータ回路5は、主制御回路91によってその動作が制御され、電圧検出センサ11、及び電流検出センサ13から得られる電圧値、及び電流値をフィードバックして行われる主制御回路91のPWM制御にしたがって、インバータ駆動回路55が、各スイッチ素子51〜54をスイッチングして、昇圧回路4から出力される電力を交流電力に変換する。
【0029】
系統連系用リレー7は、インバータ回路5と商用電力系統30との間に接続され、第一の系統連系用リレー71、第二の系統連系用リレー72、及びリレー駆動回路73によって構成される。
【0030】
リレー駆動回路73は、主制御回路91からの制御信号によって、第一、及び第二の系統連系用リレーの動作(接続状態/開放状態)を制御される。第一の系統連系用リレー71、及び第二の系統連系用リレー72が接続状態になると、系統連系装置2と商用電力系統30は連系し、第一の系統連系用リレー71、及び系統連系用リレー72が開放状態になると、系統連系装置2と商用電力系統30は解列されることになる。このように、系統連系用リレー7を主制御回路91が制御することで、系統連系装置2と商用電力系統30は連系または解列し、太陽電池1から商用電力系統30への電力供給が制御されている。
【0031】
主電源81は、太陽電池1が供給する電力から安定した第1直流電圧を有する第1直流電力を生成する。図2は、主電源81の構成を示す模式図である。図3は、主電源81、副電源82、主制御回路91、及び副制御回路92の接続を示す模式図である。主電源81は、GND端子111、電源出力端子121、及び動作指令入力端子132、一次側回路81a、複数の二次側回路81b、スイッチング制御回路81cを有している。
【0032】
第1直流電圧の安定化は、スイッチング制御回路81cが半導体スイッチング素子814を制御することで行われる。具体的には、スイッチング制御回路81cは、比較器811、フォトカプラ812、及びPWM駆動部813を有している。比較器811が二次側回路81bの出力電圧(即ち、第1直流電力の第1直流電圧)を監視し、その出力電圧が所定の電圧(安定化させたい電圧)より高いか低いかを示す信号をフォトカプラに出力する。フォトカプラ812はこの信号を二次側回路と絶縁された絶縁信号にして、PWM駆動部813にフィードバックする。PWM駆動部813は、所定の電圧(安定化させたい電圧)より高いことを示す絶縁信号を受けると、二次側回路81bの出力電圧が低くなるようにPWM波形の形成を行う(現在の、ONデューティ比を小さくする)。また、PWM駆動部813は、所定の電圧(安定化させたい電圧)より低いことを示す絶縁信号を受けると、二次側回路81bの出力電圧が高くなるようにPWM波形の形成を行う(現在の、ONデューティ比を大きくする)。このようにして、第1直流電圧の安定化が行われる。
【0033】
生成された第1直流電力は、複数の二次側回路の一対の端子(GND端子111、及び電源出力端子121)から出力され、夫々、各種センサ11〜13、各制御回路91、92、昇圧駆動回路45、インバータ駆動回路55、リレー駆動回路73へ第1直流電力、外部モニタ60へ供給される。そしてこの第1直流電力は、これらの回路やセンサを動作させるため動作用電力として利用される。
【0034】
太陽電池が供給する電力は、昇圧回路4とインバータ回路5との間から分岐する線路を介して主電源81へ入力しているため、昇圧回路4が動作している場合は昇圧後の電力が一次側回路81aに入力され、昇圧回路4が動作していない場合は太陽電池1の電力が一次側回路81aへそのまま入力される。
【0035】
また、主電源81は、副制御回路92からの動作指令(ON/OFF信号)を受けて太陽電池1から電力が供給される線路を開放/接続するスイッチ回路815を有している。このON/OFF信号は動作指令入力端子132を介して主電源81に入力される。このスイッチ回路815が開放されると、太陽電池1からの電力の供給がストップするため主電源81は第1直流電力の生成を停止する。このスイッチ回路815が接続されると、太陽電池1からの電力の供給が開始されるため主電源81は第1直流電力の生成を開始する。
【0036】
整流回路83は、ブリッジ整流回路から構成され、商用電力系統30が供給する交流電力を直流電力に整流して副電源82へ出力する。
【0037】
副電源82は、整流回路83を介して商用電力系統30が供給する電力から第2直流電力を生成する。その構成は、主電源81と同様の構成を用いることができるため説明を省略する。生成された第2直流電力は、複数の二次側回路の一対の端子から出力され、各制御回路91、92と、最小限のセンサ(ここでは電圧検出センサ12)と、外部モニタ60とに供給され、これらの回路やセンサを動作させるため動作用電力として利用される(即ち、限られた回路やセンサに電力を供給する)。尚、便宜上、副電源82の有する二次側回路の一対の端子の内GND端子の符号を112、及び電源出力端子の符号を122とする。
【0038】
主制御回路91は、マイクロコンピュータからなり、第1直流電力、或いは第2直流電力によって動作し、昇圧回路4、インバータ回路5、及び系統連系用リレー7の制御を行って、太陽電池1の連系動作、解列動作等、主回路の動作シーケンスの制御を行う。主制御回路91は、主電源81や副電源82から第1直流電力や第2直流電力を入力するための一対の端子(GND端子113、電源入力端子123)と、副制御回路92と通信を行う第1通信部152を備えている。
【0039】
副制御回路92は、マイクロコンピュータからなり、第1直流電力、或いは第2直流電力によって動作し、第1直流電力の生成を制御することにより後述する通常モードへの復帰の制御を行う。副制御回路92は、主電源81や副電源82から第1直流電力や第2直流電力を入力するための一対の端子(GND端子114、電源入力端子124)と、太陽電池1の出力電圧の検出及び監視を行うための電圧検出部161と、主電源81のスイッチ回路815にON/OFF信号を出力し、主電源81が第1直流電力を生成している状態である動作状態と主電源81が第1直流電力の生成を停止している状態である停止状態とを切り替える切替制御部131と、スイッチ回路3にON/OFF信号を出力し、スイッチ回路3の開閉を制御する開閉制御部141と、主制御回路91と通信を行う第2通信部151を有する。また、副制御回路92からも系統連系用リレー7の制御ができるようになっており、系統連系装置2に異常が有る場合に、主制御回路91と含め二重で商用電力系統30を保護できるようになっている。
【0040】
(電源−制御回路の接続)
次に、主電源81、副電源82、主制御回路91、及び副制御回路92の接続について述べる。図3に示すように、系統連系装置2は、主電源81、副電源82、主制御回路91、副制御回路92間を接続するために第1正極線路101、第1負極線路102、第2正極線路103、第2負極線路104、正極接続線路105、負極接続線路106を有している。
【0041】
主電源81の電源出力端子121と主制御回路91の電源入力端子123は、第1正極線路101で接続されている。また、主電源81のGND端子111と主制御回路91のGND端子113は、第1負極線路102で接続されている。主電源81は、第1正極線路101及び第1負極線路102との間に第1直流電力の第1直流電圧を印加して主制御回路91へ第1直流電力を供給する。
【0042】
副電源82の電源出力端子122と副制御回路92の電源入力端子124は、第2正極線路103で接続されている。また、副電源82のGND端子112と副制御回路92のGND端子114は、第2負極線路104で接続されている。副電源82は、第1正極線路及び第1負極線路との間に第1直流電力の第1直流電圧を印加して主制御回路91へ第1直流電力を供給する。
【0043】
第1正極線路101及び第2正極線路103は正極接続線路105により接続され、第1負極線路102及び前記第2負極線路104とは負極接続線路106により接続される。また、第2正極線路103には、第2正極線路103及び正極接続線路105との接続点Aと副電源82の電源出力端子122との間にダイオード6が介在している。このダイオード6のアノードは副電源82の電源出力端子122に接続され、カソードは接続点Aに接続されている。また、スイッチ回路3が正極接続線路105に介在している。
【0044】
主電源81、副電源82、主制御回路91、及び副制御回路92は上述のように接続されることで、スイッチ回路3をON(接続状態)にすると、正極接続線路105及び負極接続線路106を介して主電源81の出力する第1直流電力を、主制御回路に加え副制御回路92にも供給可能になる(主電源81が第1直流電力を生成している場合)。また、第2直流電力も同様に、スイッチ回路3をON(接続状態)にすると、正極接続線路105及び負極接続線路106を介して副制御回路92に加えて、主制御回路91にも供給可能になる(主電源81が第1直流電力を生成していない場合)。
【0045】
また、本実施形態では、主電源から供給される第1直流電力の第1直流電圧と、副電源から供給される第2直流電力の第2直流電圧が同じ値の電圧になるようにしている。このため、主電源81、及び副電源82から夫々第1直流電圧と第2直流電圧とが第1正極線路101及び第2負極線路103と第2正極線路103及び第2負極線路104とに印加された場合、第2直流電圧は、ダイオード6により電圧降下するため第1直流電圧よりも小さくなり、第2直流電力が制御回路91、92に供されなくなる(即ち、第1直流電力及び第2直流電力のうち第1直流電力のみが主制御回路91、及び副制御回路92へ供給されるようになる)。
【0046】
系統連系装置2は、上述の構成を用いて、通常モード、或いは省電力モードで動作する。通常モードは、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られる場合に動作するモードであり、すべてのセンサや回路が動作する。通常モードでは、系統連系装置2は、太陽電池1の電力を利用する主電源81の第1直流電力を制御電源(各種回路、センサを駆動させるための電源)として利用する。通常モードでは、太陽電池1の連系動作、解列動作等が行われる。
【0047】
省電力モードは、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られない場合に動作するモードである。
省電力モードでは、系統連系装置2は、太陽電池1から電力が得られないため、商用電力系統30の電力を利用する副電源82の第2直流電力を制御電源として利用する。また、この場合、太陽電池1から商用電力系統30への電力供給を行うための回路(昇圧回路4、インバータ回路5、系統連系用リレー7)や連系時に必要となるセンサは、動作する必要がないため、動作用の電力を供給すると消費電力が嵩む(買電量が増える)。省電力モードにおいては、消費電力を抑える(買電量を抑える)ために、副電源82により供給される第2直流電力を制御電源として、必要最小限の回路92、60やセンサ12を動作させる。
【0048】
これらの通常モード、省電力モードにおける、主電源81、副電源82の電力供給の制御、及びモードの切り替えの制御は副制御回路92にて行われる。
【0049】
副制御回路92は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られる場合に、主電源81が供給する第1直流電力及び副電源82が供給する第2直流電力のうち第1直流電力のみが主制御回路91、及び副制御回路92へ供給されるようにする。また、副制御回路92は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られない場合に、主電源81供給する第1直流電力の生成を停止させ、副電源82の供給する第2直流電力が副制御回路92へ供給されるようにする。
【0050】
副制御回路92は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られるか否かの判断を、太陽電池が供給する電力の電圧を監視することで行う。太陽電池が供給する電力の電圧は電圧検出センサ12により検出され、副制御回路92の電圧検出部161へ送られる。副制御回路91は、電圧検出部161により検出された電圧がON判定電圧Vonよりも大きくなった場合は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られていると判断する。また、電圧検出部161により検出された電圧が所定のOFF判定電圧Voffよりも小さくなった場合は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られていないと判断する(ON判定電圧とOFF判定電圧は昇圧回路が動作していないときの電圧と比較される)。太陽電池の電圧が低いと、生成される第1直流電力の第1直流電圧が不安定になるので、ON判定電圧、OFF判定電圧は、主電源81が第1直流電圧を安定して生成可能な電圧に変換できる際の電圧(或いはそれ以上の電圧)に設定すると良い。
【0051】
また、副制御回路92は、動作モードを変更するときにスイッチ回路3が正常に動作しているか否かを確認している。図4に省電力モードから通常モードに切り替える場合の副制御回路92の動作のフローチャートを示す。尚、省電力モードから通常モードに切り替える場合は、主電源を停止状態から動作状態へ切り替えることになるため、主電源を停止状態から動作状態へ切り替える場合と言い換えることができる。
【0052】
副制御回路92は、省電力モードで動作しているときには、切替制御部131からスイッチ回路815へOFF信号を送り、主電源81による第1直流電力の生成を停止させている。また、副制御回路92は、省電力モードで動作しているときには、開閉制御部141によりスイッチ回路3にOFF信号を送り、スイッチ回路3を開放状態にしている。
【0053】
副制御回路92は、太陽電池1が供給する電力の電圧Vmを検出(ステップS11)し、電圧VmとON判定電圧Vonとを比較して、電圧VmがON判定電圧Vonよりも大きいか否かを判断する(ステップS12)。副制御回路92は、電圧VmがON判定電圧Vonよりも小さい場合はステップS11とステップS12とを繰り返し、電圧Vmを監視する。ステップS12において、電圧VmがON判定電圧Vonよりも大きいと判断されると副制御回路92は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られると判断し、ステップS13へ移行する。
【0054】
副制御回路92は、ステップS13において、スイッチ回路3を閉じて、副電源82から主制御回路91及び副制御回路92へ第2直流電力を供給する。その後、副制御回路92は、第2通信部151を利用して主制御回路91の第1通信部152との間で通信を行い(ステップS14)、第2通信部151と第1通信部152との間で通信が成立したか否かを判断する(ステップS15)。
【0055】
通信の成立の判断は、副制御回路92の第2通信部151から主制御回路91の第1通信部152へ信号を送り、所定の時間内に第1通信部152から第2通信部151へ正常な信号が戻ってきたか否かで行う。所定の時間内に正常な信号が戻ってきた場合は、通信が成立したとしてステップS17へ移行する。
【0056】
所定の時間内に異常な信号が戻ってきた場合は、主制御回路91に電力は供給されているが何らかの異常があると考えられるので、通信が成立しなかった(ステップS15:No)として主制御回路91に異常がある旨を外部モニタ60を用いて報知する(S16)。また、所定の時間内に信号が戻ってこない場合は、スイッチ回路3が開放状態のままで故障しており、主制御回路91へ副電源82から第2直流電力が供給されていないためと考えられるので、この場合も通信が成立しなかった(ステップS15:No)として、スイッチ回路3に異常がある(OFF故障)旨を外部モニタ60を用いて報知する(S16)。
【0057】
副制御回路92は、ステップS17では、切替制御部141からスイッチ回路815へON信号を送り、主電源を停止状態から動作状態へと切り替え、省電力モードから通常モードへの切り替えが完了する。
【0058】
次に、通常力モードから省電力モードに切り替える場合について説明する。図5に通常モードから省電力モードに切り替える場合の副制御回路92の動作のフローチャートを示す。
【0059】
副制御回路92は、通常モードで動作しているときには、切替制御部131からスイッチ回路815へON信号を送り、主電源81から第1直流電力の生成行わせている。また、副制御回路92は、省電力モードで動作しているときには、開閉制御部141によりスイッチ回路3にON信号を送り、スイッチ回路3を接続状態にしている。
【0060】
副制御回路92は、太陽電池が供給する電力の電圧Vmを検出(ステップS21)し、電圧VmとON判定電圧Voffとを比較して、電圧VmがOFF判定電圧Vonよりも小さいか否かを判断する(ステップS22)。副制御回路92は、電圧VmがON判定電圧Voffよりも大きい場合はステップS21とステップS22とを繰り返し、電圧Vmを監視する。ステップS22において、電圧VmがOFF判定電圧Voffよりも小さいと判断されると副制御回路93は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られると判断し、ステップS23へ移行する。
【0061】
ステップS23へ移行すると、副制御回路92は、切替制御部131からスイッチ回路815へOFF信号を送り、主電源81を停止状態から動作状態へと切り替える。そして、開閉制御部141よりスイッチ回路3にOFF信号を送り、スイッチ回路3を開く(ステップS24)。その後、第2通信部151を利用して主制御回路91の第1通信部152との間で通信を行い(ステップS25)、第2通信部151と第1通信部152との間で通信が不成立したか否かを判断する(ステップS26)。
【0062】
通信の不成立の判断は、副制御回路92の第2通信部151から主制御回路91の第1通信部152へ信号を送り、所定の時間内に主制御回路91の第1通信部152から副制御回路92の第2通信部151へ信号が戻ってこなかったか否かで行う。所定の時間内に信号が戻ってこなかった場合は、通信が成立しなかったとして省電力モードへ移行し、切り替え制御が完了する。
【0063】
所定の時間内に信号が戻ってきた場合は、スイッチ回路3が接続状態のままで故障しており、主制御回路91へ副電源82から第2直流電力が供給されているためと考えられるので、通信が成立した(ステップS26:No)として、切替制御部スイッチ回路3に異常がある(ON故障)旨を外部モニタ60を用いて報知する(ステップS27)。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られる場合には、第1直流電力及び第2直流電力のうち、太陽電池1が供給する電力から生成される第1直流電力を主制御回路91及び副制御回路92に供給して動作するため、これらの回路を動作させる電力を商用電力系統30から電力を買電する必要がなく、ランニングコストを低減することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、第2正極線路103に介在し、第2正極線路103及び正極接続線路105の接続点Aと副電源82との間に介在するダイオード6を有することで、ダイオード6による簡単な回路で、同じ電源から制御回路91、92へ電力を供給することができる(主電源81が動作している場合は、主電源81から制御回路91、92へ制御電源を供給し、主電源が停止している場合は、副電源82から制御回路91、92へ制御電源を供給する)。このため、制御回路91、92に供給される電力の電圧レベルが同じになるので、両制御回路91、92間で通信を行う場合に、電圧レベルが異なることによる通信の誤差を抑制することができる。
【0066】
本実施形態では、主電源81が生成する第1直流電力の第1直流電圧と、副電源82が生成する第2直流電力の第2直流電圧とを同じ電圧にしたが、第1直流電力の電圧がダイオード6による電圧降下を受けた後の電圧より第1直流電力の電圧が高ければ良い。
【0067】
また、本実施形態によれば、正極接続線路105に介在するスイッチ回路3を備えているため、省電力モードにおいて副電源82から主制御回路81への電力の供給を遮断できる。このため、省電力モードにおいて主制御回路91は電力を消費しないため、より省電力な系統連系装置を提供することができる。また、省電力モードにおける買電電力も少なくなるためランニングコストのダウンにも繋がる。
【0068】
また、本実施形態によれば、主電源81を停止状態から動作状態へ切り替える際に、スイッチ回路3を閉じて、副電源81から主制御回路91及び副制御回路92へ第2直流電力を供給し、第2通信部151と第1通信部152との間で通信が成立した場合に、主電源81を停止状態から動作状態へと切り替えている。このため、スイッチ回路3の異常(OFF故障)が無いことを確認した上で主電源81を停止状態から動作状態へ切り替えることができる。
【0069】
また、反対に、主電源81を動作状態から停止状態へ切り替える際は、主電源81を動作状態から停止状態へ切り替えた後に、スイッチ回路3を開き、副電源81から副制御回路92へ第2直流電力を供給し、第1通信部152と第2通信部151との間で通信が不成立するか否かを判断することにより、スイッチ回路3の異常(ON故障)を確認することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、副制御回路92は、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られない場合(省電力モード)に、主電源81による第1直流電力の生成を停止させ、第2直流電力が副制御回路92へ供給されるようにしているため、各駆動回路(昇圧駆動回路45、インバータ駆動回路55、リレー駆動回路73)、余分なセンサ11、13への電力の供給を遮断できる。このため、省電力モードにおいて、昇圧回路4、インバータ回路5、系統連系用リレー7、及びセンサ11、13による電力の消費がなくなり、系統連系装置2は、より省電力な動作を行うことができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、以上の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0072】
例えば、本実施形態においては、主電源81を動作するに十分な電力が太陽電池1から得られるか否かについて太陽電池1の供給する電力の電圧を検出して判断したが、電力を検出して判断しても良い。
【0073】
また、例えば、本実施形態においては、直流電源として太陽電池1を用いたが、その他の直流電源、例えば、蓄電池、燃料電池等を用いることが可能である。この場合、直流電源から十分な電力が得られるか否かの判断は、直流電源から供給される直流電圧を監視することで同様に行うことができる。また、直流電源が蓄電池であれば、充電容量を検出し、充電容量が所定値より高い場合に十分な電力が得られると判断しても良い。また、直流電源が燃料電池であれば、燃料の量を監視し、所定量より燃料の量が多い場合に十分な電力が得られると判断できる。
【0074】
また、例えば、本実施形態においては、スイッチ回路815の接続状態から解放状態に切り替えることで、主電源81を動作状態から停止状態に切り替えていたが、半導体スイッチング素子814のゲートをブロックすることで、主電源81を動作状態から停止状態に切り替えても良い。この場合、切替制御部131から出力されるON/OFF信号がPWM駆動部813に入力され、ON信号が入力されている場合は、PWM駆動部813によってPWM波形の形成が行われ半導体スイッチング素子814に供給される。また、OFF信号が入力されている場合は、PWM駆動部813によって、半導体スイッチング素子814が開放状態になるように制御される(ONデューティ0%の信号が半導体スイッチング素子814へ供給される)。このようにすることで、スイッチ回路815を用いずとも主回路81の動作状態を切り替えることができる。
【0075】
また、例えば、本実施形態において、系統連系装置2に電源を投入する際(起動する際)の動作については述べていないが、系統連系装置2を起動する際には、副電源82を利用して省電力モードで起動すると良い。また、系統連系装置2の起動の際には、主制御回路91やスイッチ回路3の異常の有無を確かめることができる。図6に本実施形態の系統連系装置2の起動時の副制御回路82の動作のフローチャートを示す。
【0076】
系統連系装置2を起動する場合は、図示しない電源投入スイッチ(例えば、商用電力系統30と整流回路の間に配置される)をONにすると、商用電力系統30から供給される電力が副電源82に供給され、副電源82から副制御回路92へ第2直流電力が供給される。
【0077】
副制御回路92は第2直流電力の供給を受けると、切替制御部131により主電源91のスイッチ回路815をOFFにして、主電源91の第1直流電力の生成を禁止する(ステップS31)。次に、副制御回路92は、スイッチ回路3を接続状態にし(ステップS32)、第2通信部151を用いて、主制御回路91の第1通信部152と通信を行う(ステップS33)。そして、副制御回路92は、第2通信部151と第1通信部152との間で通信が成立したか否かを判断する(ステップS34)。副制御回路92は、通信が成立した場合、スイッチ回路3を開放状態にして(ステップS36)省電力モードに移行する。通信が成立しなかった場合は、異常状態(主制御回路91の異常、スイッチ回路3の異常等)を外部モニタ60を用いて報知する。
【0078】
このようにすることで、副電源82は商用電力系統30から電力の供給を受けているため、系統連系装置2を確実に起動することができる。また、系統連系装置2は、限られた回路やセンサに電力を供給する副電源82を用いて起動するため、起動時の消費電力を抑えることができる。


【符号の説明】
【0079】
1 太陽電池
2 系統連系装置
3 スイッチ回路
4 昇圧回路
5 インバータ回路
6 ダイオード
7 系統連系用リレー
30 商用電力系統
60 外部モニタ
81 主電源
81a 一次側回路
81b 二次側回路
81c スイッチング制御回路
82 副電源
83 整流回路
91 主制御回路
92 副制御回路
100 系統連系システム
101 第1正極線路
102 第1負極線路
103 第2正極線路
104 第2負極線路
105 正極接続線路
106 負極接続線路
111〜114 GND端子
121、122 電源出力端子
123、124 電源入力端子
131 切替制御部
132 動作指令入力端子
141 開閉制御部
151 第2通信部
152 第1通信部
161 電圧検出部
811 比較器
812 フォトカプラ
813 PWM駆動部
814 半導体スイッチング素子
815 スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から供給される電力を交流電力に変換するインバータ回路を備え、前記直流電源を商用電力系統へ連系する系統連系装置において、
前記直流電源が供給する電力から第1直流電力を生成する主電源と、
前記商用電力系統が供給する電力から第2直流電力を生成する副電源と、
前記インバータ回路の制御を行う主制御回路と、
前記主制御回路よりも消費電力が少なく、前記第1直流電力の生成を制御する副制御回路と、を備え、
前記副制御回路は、前記主電源を動作するに十分な電力が前記直流電源から得られる場合に、前記第1直流電力及び前記第2直流電力のうち前記第1直流電力が前記主制御回路、及び前記副制御回路へ供給されるようにすることを特徴とする系統連系装置。
【請求項2】
前記主電源は、前記第1直流電力の第1直流電圧を第1正極線路及び第1負極線路との間に印加して前記主制御回路へ前記第1直流電力を供給し、
前記副電源は、前記第2直流電力の第2直流電圧を第2正極線路及び第2負極線路との間に印加して前記副制御回路へ前記第2直流電力を供給し、
前記第1正極線路及び前記第2正極線路を接続する正極接続線路と、
前記第1負極線路及び前記第2負極線路を接続する負極接続線路と、
前記第2正極線路に介在し、前記第2正極線路及び前記正極接続線路との接続点と前記副電源との間に介在するダイオードと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の系統連系装置。
【請求項3】
前記正極接続線路に介在するスイッチ回路を備えたことを特徴とする請求項2に記載の系統連系装置。
【請求項4】
前記副制御回路は、前記主電源を動作するに十分な電力が前記直流電源から得られない場合に、前記主電源による前記第1直流電力の生成を停止させ、前記第2直流電力が前記副制御回路へ供給されるようにすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の系統連系装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−161142(P2012−161142A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18080(P2011−18080)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】