説明

紙幣処理装置と紙幣処理方法

【課題】100枚未満の紙幣に帯封を施し、かつその帯封現金の区分情報を付与して操作者の負担を軽減する。
【解決手段】紙幣入出金機2のCPU152は、端数施封が要求されている場合、束内訳表示券集積部に集積されている束内訳表示券を1枚取り出して端数施封する束内訳の情報を印字して施封部91へ搬送し、100枚未満の端数となっている万円券を取り出して施封部91へ搬送し、100枚未満の端数となっている五千円券を取り出して施封部91へ搬送し、100枚未満の端数となっている千円券を取り出して施封部91へ搬送し、再び束内訳表示券集積部に集積されている束内訳表示券を1枚取り出して上記同様の情報を印字して施封部91へ搬送し、 これら印字された束内訳表示券を最上段と最下段にして施封した小束の表裏両面からの視認を確保してこれらの紙幣を施封する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はたとえば、銀行営業店むけ現金管理システムとして適用される紙幣の小束・施封等を行う紙幣処理装置と紙幣処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば都市銀行等において、入出金機と束施封機とが接続される紙幣処理装置等から構成される現金管理システムが広く利用されている。
【0003】紙幣処理装置において、入金時に特定の金種を指定し、かつ、この金種の紙幣を把束(施封)することが指示された場合、入金紙幣のうち、指定金種の把束機において通常は100枚ずつ集積して把束を行っている。
【0004】そして、入出金機に収納されている金庫内の紙幣を把束(施封)することが指示され一つの金種が指定された場合に、該当する金庫から紙幣を取り出して把束機へ送り、把束機において100枚ずつ集積して把束を行って集積箱に収納するようになっている。
【0005】しかしながら、把束機においては100枚ずつ集積して同一金種について施封し出金することは可能であったが、実際の金融機関の運用の中では、50枚単位で帯封を行う半束や、釣り銭の準備等で複数の金種の任意枚数を帯封するような要求も存在している。
【0006】このような場合、区分できるように帯封紙に帯封金種や枚数を書き込んだり、メモを挟んだりして、どのような帯封現金であるかを区分できるようにしている。又帯封については、機械で実施できないため、帯封紙を利用して手巻きで実施したり、輪ゴム等で留めることが行われている。
【0007】このため、半束や複数金種の帯封には操作者に対するかなりの手間が必要となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、紙幣処理装置において、把束機は100枚ずつ集積して同一金種について施封し出金することは可能であったが、実際の金融機関の運用の中では、50枚単位で帯封を行う半束や、釣り銭の準備等で複数の金種の任意枚数を帯封するような要求もあり、このような場合、区分できるように帯封紙に帯封金種や枚数を書き込んだり、メモを挟んだりして、どのような帯封現金であるかを区分できるようにし、帯封については機械で実施できないため、帯封紙を利用して手巻きで実施したり輪ゴム等で留めることが行われ、半束や複数金種の帯封には操作者に対するかなりの手間が必要となるという問題があった。
【0009】そこで、この発明は、100枚未満の紙幣に帯封を施し、かつその帯封現金の区分情報を付与して操作者の負担を軽減することのできる紙幣処理装置と紙幣処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の紙幣処理装置は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段とから構成されている。
【0011】この発明の紙幣処理装置は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の紙幣を、上記印字手段により印字された対応する金種の所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段とから構成されている。
【0012】この発明の紙幣処理装置は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示する指示手段と、この指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段とから構成されている。
【0013】この発明の紙幣処理装置は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を施封するか否かを指示する指示手段と、この指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段で施封された紙幣、及び第2の施封手段で施封された紙幣がある場合の紙幣を出金する第1の出金手段と、上記指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされなかった際、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を出金する第2の出金手段とから構成されている。
【0014】この発明の紙幣処理方法は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする。
【0015】この発明の紙幣処理方法は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の紙幣を、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする。
【0016】この発明の紙幣処理方法は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示し、所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする。
【0017】この発明の紙幣処理方法は、与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示し、所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際は、所定枚数に満たない複数金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記所定枚数に満たない金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金し、上記施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされなかった際は、上記施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封せずに出金するようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】図1は、この発明に係る銀行営業店むけの現金管理システムを示すものである。
【0020】この現金管理システムは、全体の操作およびデータ処理を行う2台のテラーズマシン1a、1bを備えている。また、上記現金管理システムはばら紙幣の入出金を行う紙幣入出金機2、およびこの紙幣入出金機2の余剰現金を施封して機体内に保管し、小束での紙幣の払い出しを行う施封・小束支払機3を備える。さらに、上記現金管理システムは、ばら硬貨入金を行う硬貨入金機4、およびばら硬貨の出金を行う硬貨出金機5を備える。また、上記現金管理システムは50枚毎に包装された硬貨(棒金)の出金を行う棒金支払機6およびテラーズマシン置き台7を備える。
【0021】上記紙幣入出金機2は紙幣入金用の投入口11と、入金時のリジェクト紙幣を集積する入金リジェクトボックス12を備える。また、上記紙幣入出金機2は、出金時のリジェクト紙幣を集積する出金リジェクトボックス13と、出金される紙幣が集積される出金口14を備えている。上記投入口11、入金リジェクトボックス12、出金リジェクトボックス13、および出金口14は機体前面に縦一列の状態で配置されている。さらに、上記紙幣入出金機2の上面部には各取引の内容を印字するプリント手段としてのジャーナルプリンター15が配置されている。上記投入口11、出金口14、およびジャーナルプリンター15の近傍にはそれぞれ、前述した2台のテラーズマシン1a,1bのうち、どちらのテラーズマシン1a,1bに占有されているかを示す占有ランプ16、17、18が配設されている。また、上記紙幣入出金機2の前面には機体内部にある後述する紙幣収納庫の紙幣残量を表示する残量表示部19が配設されている。また、上記紙幣入出金機2の上面には後述する施封端数を返却する施封一時庫返却扉20があり、紙幣返却時には機体の上方部にホップアップする機構になっている。上記紙幣入出金機2の前面には上から入金搬送路引出扉21、入金時に紙幣返却を行う一時集積扉22、および紙幣収納庫を引き出す収納庫扉23が配設されている。
【0022】一方、上記施封・小束支払機3は上部に小束支払用の出金扉24をもち、この扉24が開くことにより出金された小束の取り出しが可能となっている。上記出金扉24の近傍には紙幣入出金部の占有ランプと同様の占有ランプ25が配されている。出金扉24の上部には施封帯交換用の帯セット扉26があり、施封帯の交換はこの扉26を開けて行われる。上記出金扉24の下方には損金庫取り出し扉27が配され、後述する損金庫を取り出し可能となっている。
【0023】上記硬貨入金機4、硬貨出金機5と棒金支払機6についてはここでは詳細な説明を省略する。
【0024】次に、上記紙幣入出金機2と施封・小束支払機3の内部構成について詳述する。
【0025】図2は上記紙幣入出金機2の内部を示す構成図で、図3はその背面図である。この紙幣入出金機2において、紙幣を入金しようとするときは投入口11に紙幣を置き、テラーズマシン1a(1b)から入金開始命令を送ると、これにより、投入口11から取込手段としての取込ローラ29の回転により紙幣が1枚づつ内部に取り込まれる。
【0026】上記投入口11から取り込まれた紙幣は第1の搬送手段としての鑑査前搬送路100を通過し、鑑査部(鑑査手段)34に導かれる。この鑑査部34内に取り込まれた紙幣はその金種、形状、表裏、真偽、正損等が鑑別される。この鑑別結果に基づき、図示しない制御部が搬送路内に設置された振分手段としての振り分けゲート群35a〜35kを使用して各集積部に紙幣を振り分ける。鑑査部34から出た紙幣は、最初の入金リジェクトゲート35aにより、判定不能券の場合には入金リジェクトボックス12に振り分けられて集積される。
【0027】この判定不能券は再度、投入口11にセットし直して再取り込みするか、手入力で計数データに算入する。
【0028】また、判定された紙幣は次に表裏ゲート35bにより表券と裏券に振り分けられ、表向きのものは表搬送路に導かれ、裏向きのものは、裏搬送路に導かれて、紙幣の表裏が取り揃えられる。
【0029】表裏が取り揃えられた紙幣は、整理ゲート35c、金庫ゲート35dにより、振分搬送手段としての振分搬送路40に入る。振分搬送路40に入った紙幣は振分手段としての一時庫ゲート35e〜35gにより金種、正損によって一時集積部としての一時集積庫41a〜41dのフラッパー群45a〜45d上に集積される。集積される紙幣の枚数が増えてくると紙幣の上面を図示しない集積満杯センサで検知するようになっている。上記集積満杯センサで紙幣の集積が満杯であることが検知されると、フラッパー45a、45bは約90°下側に回転し、集積した紙幣は下側のフラッパー45cと45dによって支えられることになる。このまま紙幣の集積を続けると、紙幣上面は再度、集積満杯センサにより検知されるようになり、検知されるとフラッパー45c、45dも同様に下側に約90°回転する。このとき紙幣は集積部の底部に取り付けられているシャッター47上に集積されることになる。さらに、紙幣の集積を続けると再度、満杯センサにより紙幣上面が検知されるが、ここではじめて制御部は集積部満杯をテラーズマシン1a(1b)に対して報知することになる。集積が満杯になると、シャッター47は図示しない駆動機構により左右に開き、集積した紙幣は紙幣収納部としての収納庫48a〜48dに落下する。上記収納庫48a〜48d内にはセパレータ49,49が上端で待機しており、落下した紙幣はこのセパレータ49,49上に落ちることになる。シャッター47が開くと、一時集積部41上部に待機していたプッシャー機構52が駆動され、一時集積庫41内に残っている紙幣をすべて収納庫48a〜48d内に移動させる。この移動が完了するとプッシャー52は上昇し、シャッター47は閉じられる。この状態で次の入金を受ける状態が出来上がる。
【0030】次に、出金動作について説明する。
【0031】出金動作は収納庫48a〜48dに集積されている券を、出金口14に送ることで成立する。出金開始命令がテラーズマシン1a(1b)から紙幣入出金機2に送信されると、紙幣入出金機2の制御部は出金紙幣が集積されている収納庫48a〜48dの取出機構56を駆動する。この取出機構56は投入口11に取り付けられている取込機構と同じものである。この取出機構56を回転させて紙幣が1枚づつ取り出されるが、取出口直後に設置された取出計数センサ57により、取り出された紙幣の枚数がカウントされる。カウントが出金枚数に達すると、取出機構56は駆動を停止し、取り出しが終了する。取り出された紙幣は第2の搬送手段としての収納庫下搬送路58aを通って出金鑑査部59に搬送される。出金鑑査部59では紙幣の2枚取り、金種確認を行い、問題が無ければ上段出金搬送路58bに送り込む。
【0032】このとき紙幣に問題があれば、取り出し機構に追加の取り出しを指示することになる。出金鑑査部59を通過した紙幣は精査ゲート35hを通過した後、第3の搬送手段としての上段出金搬送路58bに入り、施封ゲート35iにより、出金口14へ搬送される。
【0033】施封ゲート35iで出金口側に搬送された紙幣は出金リジェクトゲート35jにより、出金鑑査で問題ありと判定された券を出金リジェクト庫13へ、出金対象となる券を出金口14へそれぞれ集積する。出金口14内に指定された紙幣の集積が終わると、図示しない電磁ロックが解除され、出金口が開き、紙幣を取り出すことが可能になる。これで出金処理が完了となる。
【0034】また、収納庫48a〜48d内の紙幣は通常は紙幣の重さで、取出機構56の送り込みローラに押し付けられ、安定的な取り出しが行われるが、紙幣残量が少なくなると、収納庫内にバックアップ機構60が駆動され、収納庫48a〜48d内の紙幣を上から押すこともできる。この紙幣残量は図示しないセンサにより、収納庫48a〜48d内の紙幣上面の位置を検知することによって行っている。
【0035】次に、入金紙幣が多く収納庫48a〜48d内の紙幣が多くなったとき、自動的に施封機3に紙幣を回す動作について説明する。
【0036】収納庫48a〜48dの紙幣を施封することは収納庫自動整理と呼び、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が一定以上になると、自動的に開始される。この一定枚数はテラーズマシン1a(1b)から設定が可能で、この設定をすることにより、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が常に一定に保たれるようになる。収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が設定値以上になると、自動的に収納庫整理が起動され、収納庫48a〜48d内からの取り出しが開始される。取り出された紙幣は出金鑑査部59により、金種確認等の判別が行われ施封に適した紙幣のみが施封ゲート35iにより施封集積部61へ搬送される。施封集積部61に100枚が搬送されると後述する機構/処理により施封部へ送られる。
【0037】一方、上記収納庫48a〜48dの制御は100枚取り出し毎に収納庫48a〜48d内の紙幣残量をチェックし、残量が設定値以下になると取り出しを停止する。このように制御することにより収納庫48a〜48d内の紙幣枚数は常に一定に保たれる。
【0038】次に、上記施封集積部61について詳述する。
【0039】この施封集積部61は図2に示されるように上下2段の集積部61a,61bからなり、この施封集積部61の2段の集積の切り替えは集積切り替えゲート35kにより切り替えられ、最初に金庫48a〜48dから取り出された紙幣は上段施封集積部61aに集積される。集積された紙幣は施封集積バックアップ62a上に集積され、集積が進んでその紙幣上面が集積入口に近づいてくると、図示しない施封集積満杯センサにて満杯が検知される。満杯が検知されると、施封集積バックアップ62aがその駆動機構により下端まで下がり、施封横キャリア63a上に紙幣を移動する。
【0040】さらに、集積が進み、上段施封集積部61aに100枚の紙幣が集積完了すると、集積切り替えゲート35kにより、それ以降の紙幣は下段施封集積部61bに集積される。
【0041】上段施封集積部61aに集積した100枚の紙幣は施封集積クランプ64aにより、上方から押しつけられながら、施封横キャリア63aにより、施封機3側に移動される。
【0042】このとき、施封集積クランプ64aは施封横キャリア63a上に固定されているため、一緒に移動することになる。この移動された100枚の紙幣は後述する施封機3の機構により、紙幣を引き抜かれる。
【0043】紙幣を引き抜かれたことを検知すると施封横キャリア63aは元の位置に戻る。このとき、施封集積バックアップ62aと施封集積クランプ64aも元の位置に戻る。
【0044】以上の動作で1周期が完了し、次は下段施封集積部61bが同様の動作で100枚の紙幣を施封機3に送る。このように上/下段の施封集積部61a,61bが順番に施封機3に紙幣を送ることにより、連続的に施封を行うことができる。また、施封時に端数が残ったときは、図2のように施封集積部61a,61b全体が、その前段搬送路とともに上方へホップアップし、集積部61a,61bにある紙幣を取り出せるようになっている。
【0045】また、詳しくは後述するが、端数施封を行った際に用いられる束内訳表示券Rが束内訳表示券集積部70aに集積され、印字機構70bで銀行名、支店名、年月日等の端数施封における束内訳情報が印字される。
【0046】次に、施封・小束支払機3について図4を用いて説明する。この図4は施封・小束支払機3を側面から見た図である。
【0047】施封・小束支払機3には紙幣入出金機2から施封集積部61a,61bを介して紙幣が送り込まれる。施封集積部61a,61bが紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に挿入されると、小束ハンド部71が紙幣を受け取りに移動する。小束ハンド部71は上段ハンド部71aと下段ハンド部71bの2段構成になっており、施封集積部61の上段から紙幣供給されても下段から紙幣供給されても紙幣を保持することができるようになっている。
【0048】また、小束ハンド部71a、71bは同一ベース上に構成されており、移動は上下一緒に行うようになっている。小束ハンド部71a、71bは図示しないハンド位置検出センサにより、紙幣クランプ位置、紙幣リリース位置、待機位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0049】紙幣入出金機2からの紙幣受け取り動作は、施封集積部61上に紙幣が指定枚数集積すると、紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に受け渡しOKと上段か下段かの信号が送られる。信号を受けた施封・小束支払機3は後述するバックアップ機構を上段または下段に紙幣入出金機2からの信号に従ってセットする。
【0050】その後、待機位置で待機していた小束ハンド部71a,71bが紙幣クランプ位置まで移動し、図示しない紙幣クランプ機構により紙幣をクランプする。クランプが完了すると小束ハンド機構71a,71bは紙幣を引きづりながら紙幣を長手方向に沿って紙幣リリース位置まで移動し、バックアップが紙幣をクランプするのを待つ。バックアップが紙幣をクランプすると、小束ハンド機構71a,71bは紙幣をリリースし、待機位置へ戻る。以上の動作で小束ハンド機構の1周期が完了し、紙幣の引き込みが完了する。
【0051】次に、バックアップ機構72について説明する。バックアップ機構72はその機構内に紙幣受け台74とその上方にバックアップクランプ機構73を持っている。また、バックアップ機構72は図示しないセンサ群によって、上段紙幣受け取り位置、下段紙幣受け取り位置、キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。小束ハンド機構71から紙幣を受け取ったバックアップ機構72は小束ハンド機構71が待機位置に戻るのを待って、上段紙幣受け取り位置または下段紙幣受け取り位置から移動を開始し、キャリア受け渡し位置まで移動する。このとき、バックアップクランプ機構73はクランプ状態にあり、バックアップ上の紙幣が落下しないように押さえている。
【0052】バックアップ機構72がキャリア受け渡し位置まで移動すると紙幣は送り手段としてのキャリア75上と同じ高さになるように設定されている。この状態でキャリア75が前方へ移動すると紙幣はキャリア75の背板で押されて、バックアップ72上から抜き取られる。上記の動作によりバックアップ72からキャリア75への受け渡しが完了する。キャリア75が前方へ移動を開始すると図示しないキャリアクランプにより、紙幣はキャリア75上から落ちないようにクランプされるようになっている。また、キャリア75の前方に配された施封シャッター76はキャリア75上の紙幣に押されてキャリア移動方向に回転しながら、紙幣を通過させるような構造になっている。また、キャリア75は図示しないセンサ群により、紙幣受け取り位置、把束位置、縦キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0053】キャリア75に乗った紙幣はキャリア75によって把束手段としての把束機構91に移動されて把束される。上記把束機構91は施封帯92の供給部93、この供給部93から供給される施封帯92を送る送りローラ94、紙幣に施封帯92を巻き付ける巻付機構95、紙幣に施封帯92を巻き付けたのち施封帯92をカットするカッタ96を備えている。
【0054】把束された紙幣はキャリア75に乗って把束位置から縦キャリア受け渡し位置まで移動し、その場でキャリア75は停止する。このとき紙幣は施封シャッター76の外側側面に当たって一定の位置で停止するようになっている。
【0055】このとき縦キャリア77がキャリア75の下方の待機位置から上昇し、キャリア75上の紙幣をつかめる位置まで移動する。移動を完了した縦キャリア77は併設されている縦キャリアクランプ機構78によりキャリア75上の紙幣を保持する。縦キャリアクランプ78が紙幣を掴むとキャリア75はさらに移動を開始し、紙幣受け取り位置まで戻る。このとき紙幣は施封シャッター76に押されてキャリア75上からはずれることになる。完全に縦キャリア77上にのった紙幣は縦キャリア77とともに下降し、束搬送手段としての小束搬送路79内に進入する。
【0056】上記小束搬送路79の上面側には小束プッシャー機構80、ピッカー機構81が配設され、下面側には搬送路79上の小束を小束金庫83内に導く束振分手段としての搬送シャッター機構82a、82bが配設されている。
【0057】また、上記小束搬送路79の上面部側には後述する小束金庫83aと小束金庫83bとの間に位置する状態で開閉部としての開閉扉86が開閉自在に設けられ、開放することにより、上記縦キャリア77を小束搬送路79内に導入させることができるようになっている。
【0058】また、上記縦キャリア77が小束搬送路79内に導入されたときは、図5に示すように搬送路79の下面側に配設された搬送ローラとしての図示しない駆動ローラに対し入れ子状態になる。
【0059】さらに、この縦キャリア77は小束搬送路79内に導入されたときは、小束の搬送ガイドとして用いられる。
【0060】一方、上記小束搬送路79の下方には束収納部としての小束金庫83a〜83dが配設されており、小束の金種によってそれぞれの金庫83a〜83dに収納できるようになっている。また、上記金庫83a〜83d内に配されたストッパー機構84および小束金庫バックアップ機構85により、金庫83内の小束を搬送路79内に戻すことも可能になっている。
【0061】次に、縦キャリア77によって移動してきた小束が小束搬送路79を通って小束金庫83に収納されるまでを詳細に説明する。
【0062】縦キャリア77が小束をクランプした状態で搬送路79内に近づくと、搬送路開閉扉86が図示しない駆動モータにより開放される。ここから搬送路79内に進入した縦キャリア77は搬送路79内の定位置、すなわち、金庫83a,金庫83b間の上方部位に移動し、開閉扉86が閉じるのを待つ。開閉扉86が閉じると、縦キャリア77と入れ子状態をなす図示しない駆動ローラが回転し、小束は搬送路79内に搬送される。小束が収納されるべき小束金庫83の上に至ると停止され、収納可能な状態で待機する。このとき、小束は後述するピッカー機構81により、その停止位置が調整されるようになっている。
【0063】小束収納庫83の真上で小束が待機すると、左右の搬送シャッター82aおよび82bが下方に回転されて金庫83内に落下する。このとき、搬送シャッター82aおよび82bの開放に合わせて、小束プッシャー機構80も同時に押し込み方向に駆動され小束が押し込まれる。落下した小束は最初はストッパー機構84,84の上に乗り、小束プッシャー機構80により、さらに金庫83内に押し込まれる。ストッパー機構84は小束と一緒に金庫83内に回転するように押し込まれ、小束が一定の位置に達すると自力で元の位置に戻るようにスプリング等で付勢されている。ストッパー機構84が戻る位置まで小束プッシャー80が押し込みを終了すると、小束プッシャー機構80は定位置まで戻り、搬送シャッター82a,82bが閉じて、小束の金庫83への収納が終了する。金庫83内に収納された小束は金庫83内のバックアップ機構85により常に上方側に付勢されており、小束はストッパー機構84,84で押さえられた状態になっている。
【0064】次に、小束の出金動作について説明する。
【0065】小束の出金は、まず出金したい金庫83の搬送シャッター82a,82bを開く。しかるのち、小束プッシャー機構80が金庫83内へ押し込まれ、金庫83内の小束は下方へ押し込まれてストッパー機構84,84が回動可能となる。この回動可能となったストッパー機構84,84は図示しない駆動機構により金庫83内へ回動されて固定される。その後、小束プッシャー機構80を上方へ引き上げると、バックアップ機構85が上昇して金庫83内の小束は押し上げられて小束プッシャー機構80の上端位置まで上昇する。上端まで移動した小束はピッカー機構81の駆動により、最上部に位置する小束から順に小束搬送路79内に導入される。この導入された小束は搬送路79の上部側のドライブローラの回転により、搬送路79内を移動することになる。
【0066】また、連続的に出金するときは、そのまま再度ピッカー機構81を駆動すれば次の小束が出金されることになる。
【0067】このようにして、小束の出金が終了したら、入金時と同様に小束プッシャー機構80を押し込み、余った小束を金庫83内に収納して出金処理が完了する。
【0068】小束搬送路79内に移された小束は、搬送路79内を移動して搬送路出口からエレベータ87内に落下する。エレベータ87内に出金するべき小束がすべて入るとエレベータ87は上昇を開始し、出金位置まで移動する。エレベータ87が出金位置に停止すると小束出金扉24が開き、小束が取出せるようになる。エレベータ87内から小束が取出されると、図示しないセンサにより、小束無しが検知され出金扉24を閉めて取り引きが終了するようになっている。
【0069】また、紙幣整理等で連続的に小束を機体外へ放出したいときは、小束シュート扉89を開き、エレベータ87を上方へ移動させることによって、小束搬送路79から落下してくる小束を、そのまま外部に放出する。これはエレベータ87の容量が有限であるのに対して、連続的に無限に出金できるというメリットを持っている。
【0070】また、エレベータ87の下方には損券金庫90が設置されており、出金に適さない小束、たとえば損券小束や小束姿不良のものを収納できるようになっている。この損券金庫90に収納する場合は小束搬送路79から小束を落下させるときに上記エレベータ87を上昇させて、直接損券金庫90に収納するようにする。
【0071】図6は、テラーズマシン1a,1bと紙幣入出金機2と施封・小束支払機3の制御系の概略構成を示すものである。
【0072】例えば一方のテラーズマシン1aはメモリ140aを有するMPU140を具備し、このMPU140にはバスを介してPROM141,プログラムメモリ142、集計データメモリ143、キーボード144、液晶表示部145、HDD148、ジャーナルプリンタ15が接続されている。
【0073】MPU140にはさらにI/F147が接続され、このI/F147を介してテラーズマシン1aは紙幣入出金機2のI/F151および施封・小束支払機3のI/F161に接続される。
【0074】紙幣入出金機2は、CPU152、ROM153、RAM154、カット機構155、施封集積部61に集積された紙幣を施封・小束支払機3へ押し出す押出し機構156、搬送路の動作を制御するための搬送制御部157、金庫48a〜48dへの紙幣の収納を制御するための収納制御部158、監査部34を含む入金鑑査部159、出金鑑査部160、及び印字機構70bを用いた印字を制御する印字制御部180が、インターフェース(I/F)151に接続されて構成されている。
【0075】上記CPU152は紙幣入出金機2の全体を制御するものであり、ROM153にはCPU152の制御プログラム等が記憶されている。RAM154は紙幣入出金機2で鑑査処埋された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられている。搬送制御部157は入金鑑査部159または出金鑑査部160の判別信号に基づいて送り込みローラ29に続く搬送路が駆動制御され、紙幣が搬送されるようになっている。
【0076】収納制御部158は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路により搬送される紙幣を鑑査部34の判別信号に従つて各一時集積庫41a〜41dへ振分けるようになつている。また、収納制御部158は、シャッター47a〜47dの移動制御により各一時集積庫41a〜41dの集積紙幣の各収納庫48a〜48dへの収納が行われ、および繰出ローラを含む取出し機構56を駆動制御することにより、各収納庫48a〜48dから搬送路への紙幣の繰り出しが行われるようになっている。
【0077】I/F151は、テラーズマンン1aのユニットインターフェース147に接続されている。
【0078】また、施封・小束支払部3は、CPU162、R0M163、RAM164、小束ハンド部71から施封機構91へ紙幣束を押し出す押出し機構165、搬送路79、79Aの動作を制御する搬送制御部166、金庫83への小束の収納を制御する収納制御部167、施封機構91の動作を制御する施封制御部168、エレベータ87を制御するエレベータ部169、金庫83内に構成される後述する小束精査部170が、I/F161に接続されて構成されている。
【0079】上記CPU162は、施封・小束支払部3の全体を制御するものであり、ROM163にはCPU162の制御プログラム等が記憶されている。RAM164は施封・小束支払部3で施封処理された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられる。搬送制御部166は搬送路79、79Aを含む搬送路を駆動制御することにより、小束ハンド部71からの紙幣の小束が搬送されるようになっている。施封制御部168の制御により、一時施封庫72から施封部91へ落とし込まれた集積紙幣に対して紙テープ等を巻くことにより、紙幣束としての小束が作成されるようになっている。
【0080】搬送制御部166は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路79Aにより搬送される施封指定された金種に基づいて対応した小束収納庫83に振り分けられるようになっている。また、搬送制御部166は、図示しない取出し機構を駆動制御することにより、各収納庫83から搬送路79Aへの小束の取出しが行われるようになっている。
【0081】なお、上記説明では紙幣入出金機2および施封・小束支払機3がテラーズマシン1aに接続されている状態を示したが、同様にしてそれぞれインターフェース151、161を介して他のテラーズマシン1bに接続される。
【0082】次に、このような構成において、この発明の紙幣処理装置を構成するテラーズマシン1a、紙幣入出金機2、施封・小束支払機3による出金処理の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
【0083】まず、テラーズマシン1aのMPU140は、金種ごとの出金額を指定する画面を液晶表示部145に表示する。
【0084】図8は、液晶表示部145に表示した金種ごとの出金額を指定する画面の例を示すものである。表示例においては、「出金額を入力して下さい」と表示し、「1万円札__枚 __円」、「五千円札__枚 __円」、「千円札__枚 __円」、「合計 __円」とを表示し、さらに「端数を施封しますか」と表示して、「はい」キー107、「いいえ」キー108、「確認」キー109、および「取消」キー110とを表示している。
【0085】この紙幣処理装置の操作者は、テラーズマシン1aにおける表示部101の表示画面から金種とその枚数(103)を指定することができる。例えば、この画面上で1万円札を8枚、五千円札を5枚、千円札を10枚指定すれば、それぞれの合計が合計枠105に自動的に示され、その合計金額が表示される。
【0086】液晶表示部145に表示した金種ごとの出金額を指定する画面に従ってキーボード144から出金額が入力され(S1,2)、「端数を施封しますか」で端数施封を行う場合は「はい」キー107が指示され、端数施封を行わない場合は「いいえ」キー108が指示され、そして「確認」キー109が指示された際(S3)、MPU140は、I/F147を介して入力された出金額とキー(107,108)指示に基づいて出金開始命令を紙幣入出金機2と施封・小束支払部3とへ出力する。
【0087】まず、施封・小束支払部3のCPU162は、万円紙幣の指定が100枚以上ならば「万円券」を取り出して施封し(S4,5)、施封後の残り枚数が100枚以上あれば(S6)、再度施封し(S5)、残り枚数が100枚未満になるまで繰り返す。
【0088】続いてCPU162は、五千円紙幣の指定が100枚以上ならば「五千円券」を取り出して施封し(S7,8)、施封後の残り枚数が100枚以上あれば(S9)、再度施封し(S8)、残り枚数が100枚未満になるまで繰り返す。
【0089】続いてCPU162は、千円紙幣の指定が100枚以上ならば「千円券」を取り出して施封し(S10,11)、施封後の残り枚数が100枚以上あれば(S12)、再度施封し(S11)、残り枚数が100枚未満になるまで繰り返す。
【0090】ここで、紙幣入出金機2のCPU152と施封・小束支払部3のCPU162は、上述した「端数を施封しますか」で「いいえ」キー108が指示されて端数施封が要求されていない場合(S13)、紙幣入出金機2からばら紙幣、施封・小束支払部3から小束の万円券を搬送出金し(S20)、続いて紙幣入出金機2からばら紙幣、施封・小束支払部3から小束の五千円券を搬送出金し(S21)、紙幣入出金機2からばら紙幣、施封・小束支払部3から小束の千円券を搬送出金し(S22)、終了する。
【0091】また、紙幣入出金機2のCPU152は、上述した「端数を施封しますか」で「はい」キー107が指示されてこの発明の特徴である端数施封が要求されている場合(S13)、束内訳表示券集積部70aに集積されている束内訳表示券Rを1枚取り出し、印字機構70bで各金種が何枚含まれているか、銀行名、支店名、年月日等の端数施封する束内訳の情報を印字する(S14)。
【0092】続いてCPU152は、印字された束内訳表示券Rを施封部91へ搬送し、100枚未満の端数となっている万円券を取り出して施封部91へ搬送し(S15)、100枚未満の端数となっている五千円券を取り出して施封部91へ搬送し(S16)、100枚未満の端数となっている千円券を取り出して施封部91へ搬送し(S17)、再び束内訳表示券集積部70aに集積されている束内訳表示券Rを1枚取り出し、印字機構70bで端数施封する束内訳の情報を印字して施封部91へ搬送し(S14)、これらの紙幣を施封する(S19)。
【0093】図9は、端数施封による複数の金種が束ねられた状態を示すものである。
【0094】図9の(a)は、束内訳表示券Rの印字構成例を示すもので、×××銀行、○○支店、日付として「H11−01−25」、万円券として「万 10枚」、五千円券として「五千 2枚」、千円券として「千 20枚」として印字されている。
【0095】図9の(b)は、束内訳表示券Rを用いて複数の金種が束ねられて端数施封された施封束を示すもので、束内訳表示券Rが施封束の最上段と最下段にセットされることにより、束の表裏どちらの側からも視認することができる。
【0096】なお、この束内訳表示券Rに印字される情報は、上記内容に限らず、この出金処理に応じた情報であれば、それ以上のものであることも好適であることは言うまでもない。
【0097】また、上記実施例では、複数の金種を纏めて束内訳表示券Rで表裏両面の視認を確保して束ねたが、金種毎に束内訳表示券Rで表裏両面の視認を確保して束ねるようにしても良い。
【0098】以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、操作(表示)画面から希望の金種と枚数とを指定することにより、収納庫から指定の金種を揃えてこれらを100枚に満たなくとも施封を施し、さらにこの施封の際に束内訳表示券に金種ごとのそれぞれの枚数や銀行名、年月日等の出金情報を印字して同封して出金するもので、従来では操作者が行っていた複数金種の内訳の記入とこの用紙の添付の作業を現金処理装置が代行することとなり、操作者の作業を軽減することができる。
【0099】
【発明の効果】以上詳細に説明したようにこの発明によれば、100枚未満の紙幣に帯封を施し、かつその帯封現金の区分情報を付与して操作者の負担を軽減することのできる紙幣処理装置と紙幣処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る現金管理システムを示す外観斜視図。
【図2】現金管理システムにおける紙幣入出金機を示す内部構成図。
【図3】図2の紙幣入出金機を示す背面図。
【図4】現金管理システムにおける施封・把束小束機を示す構成図。
【図5】施封・把束小束機の束搬送路内に縦キャリアが導入される状態を示す図。
【図6】紙幣処理装置を構成するテラーズマシンと紙幣入出金機と施封・小束支払機の制御系の概略構成を示すブロック図。
【図7】本発明に係る紙幣処理装置の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図8】テラーズマシンの液晶表示部に表示された画面の例を示す図。
【図9】端数施封による複数の金種が束ねられた状態を示すを図。
【符号の説明】
1a,1b…テラーズマシン
2…紙幣入出金機(出金手段)
3…施封・把束小束機(出金手段)
4…硬貨入金機
5…硬貨出金機
6…棒金支払機
48a〜48d…収納庫(保存手段)
70a…束内訳表示券集積部
70b…印字機構(印字手段)
91…施封部(施封手段)
140…MPU
144…キーボード(指定手段、指示手段)
145…液晶表示部
152,162…CPU
180…印字制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段と、を具備したことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の紙幣を、上記印字手段により印字された対応する金種の所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段と、を具備したことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項3】 上記第2の施封手段は、所定用紙を印字面が視認可能となるよう最上段と最下段に添付したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示する指示手段と、この指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段と上記第2の施封手段で施封された紙幣を出金する出金手段と、を具備したことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項5】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存する保存手段と、この保存手段が保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定する指定手段と、上記保存手段に保存された金種毎の複数紙幣から上記指定手段で指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封する第1の施封手段と、この第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を施封するか否かを指示する指示手段と、この指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字する印字手段と、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を纏め、上記印字手段により印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封する第2の施封手段と、上記第1の施封手段で施封された紙幣、及び第2の施封手段で施封された紙幣がある場合の紙幣を出金する第1の出金手段と、上記指示手段で所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされなかった際、上記第1の施封手段で施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を出金する第2の出金手段と、を具備したことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項6】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする紙幣処理方法。
【請求項7】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たないそれぞれの金種毎の紙幣を、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする紙幣処理方法。
【請求項8】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示し、所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際、所定枚数に満たない金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記施封されない所定枚数に満たない複数金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金するようにしたことを特徴とする紙幣処理方法。
【請求項9】 与えられた複数の紙幣を金種毎に保存し、この保存している上記紙幣の出金を要求して、出金すべき金種と各枚数とを指定し、上記保存された金種毎の複数紙幣から上記指定された金種毎に指定された枚数を取り出し、所定枚数毎に施封し、施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封するか否かを指示し、所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされた際は、所定枚数に満たない複数金種の出金処理に関する情報を所定用紙に印字し、上記所定枚数に満たない金種の紙幣を纏め、上記印字された所定用紙を印字面が視認可能となるように最上段と最下段に添付して施封し、上記施封された紙幣を出金し、上記施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封する指示がされなかった際は、上記施封されない所定枚数に満たない金種の紙幣を施封せずに出金するようにしたことを特徴とする紙幣処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2000−251115(P2000−251115A)
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−55704
【出願日】平成11年3月3日(1999.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】