説明

紙管の結束積み重ね方法と装置

【課題】複数本の紙管を小分けして結束すると共に、嵩低く安定した積み重ねができる形態とし、全体本数の把握が容易となり、必要な本数の紙管を速やかに取り出すことができる紙管の結束積み重ね方法を提供する。
【解決手段】複数本の紙管aが順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列の上に、この下位紙管列よりも一本少ない本数の上位紙管列を重ねて紙管集合体を形成し、この紙管集合体をそのままの形状でバンドによって結束することで結束紙管集合体fとし、この結束紙管集合体fを、下位紙管列が下になるそのままの形態と下位紙管列が上になる反転形態で交互にパレット7上に載置することで平面的に並べ、これを順次上方に積重ねて行く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の長さに切断された多数本の紙管をパレット上に効率よく安定的に積み重ねることができる紙管の結束積み重ね方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺の紙管から製品寸法に切り出した多数本の紙管を格納したり製品として移送する場合、できるだけ嵩低い安定した荷姿にする必要がある。
【0003】
円筒状の紙管は、転がりやすく形状的に不安定であり、このため、従来の格納方法は、多数本の紙管を専用の通い箱に積み重ね状態でランダムに収納し、この通い箱に入った状態で移送する形態が採られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−239460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、多数本の紙管を通い箱に収納した荷姿では、外から紙管が見えないため、全体の本数の把握が困難であるだけでなく、通い箱の中から必要な本数の紙管を個々に取り出す作業が行いにくいという問題がある。
【0006】
また、紙管は通い箱内で個々に移動可能になっているので、移送時の振動で紙管が互いに擦れあい、紙管の外周面に傷が付くという問題もある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決するため、複数本の紙管を小分けして結束すると共に、嵩低く安定した積み重ねができる形態とし、全体の本数の把握が確認でき、必要な本数の紙管を速やかに取り出すことができる紙管の結束積み重ね方法と装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列の上に、隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない本数の上位紙管列を重ね、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成し、この紙管集合体をそのままの形状で結束することで結束紙管集合体とし、この結束紙管集合体を、下位紙管列が下になるそのままの形態と下位紙管列が上になる反転形態で交互にパレット上に載置し、このパレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べ、これを順次上方に積重ねて行くようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、対向するガイド板間へ径方向に送り込まれてくる水平の紙管を傾斜昇降板で支持し、この傾斜昇降板上に複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列になると前記傾斜昇降板を下降させ、次に送り込まれてきた紙管を、下位紙管列の上で隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない上位紙管列が重なり、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成する紙管積み重ね工程と、前記紙管積み重ね工程から送り出されてきた紙管集合体を、結束機によるバンドの巻着によって紙管集合体の形状のままで束ねて結束紙管集合体にする結束工程と、前記結束機を通過して移載位置に送り出された結束紙管集合体を搬送部材で吊持し、これを所定位置に待機するパレット上に移載する移送積み重ね工程とからなり、前記移送積み重ね工程が、搬送部材で吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が下になるそのままの姿勢でパレット上に載置する第1の搬送形態と、吊持した結束紙管集合体を上下反転させ、下位紙管列が上になる反転姿勢でパレット上に載置する第2の搬送形態を交互に行い、前記パレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べ、これを順次上方に積重ねて行くようになっているものである。
【0010】
請求項3の発明は、紙管供給機構から対向するガイド板間へ径方向に送り込まれてくる水平の紙管を傾斜昇降板で支持し、この傾斜昇降板上に複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列になると前記傾斜昇降板が下降し、次に送り込まれてくる紙管を、下位紙管列の上で隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない上位紙管列が重なり、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成する紙管積み重ね機構と、前記紙管積み重ね機構の前方に配置され、紙管積み重ね機構から送り出されてきた紙管集合体を、バンドの巻着によって紙管集合体の形状のままで束ねて結束紙管集合体にする結束機と、前記結束機から送り出された結束紙管集合体を受取り、これを前方の移載位置に送る搬送体と、前記搬送体の移載位置と所定位置に待機するパレットの間を往復移動自在となり、移載位置にある結束紙管集合体を吊持し、これを前記パレット上に載置する搬送機構とからなり、前記搬送機構が、吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が下になるそのままの姿勢でパレット上に載置する第1の搬送形態と、吊持した結束紙管集合体を上下反転させて下位紙管列が上になる反転姿勢でパレット上に供給する第2の搬送形態を交互に行い、前記パレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べると共に順次上方に積重ねて行くように形成されているものである。
【0011】
請求項4の発明は、上記紙管積み重ね機構は、紙管集合体を支持して長さ方向に移送する搬送コンベアの上部両側に、支持した紙管集合体を崩れないように保形するガイド板を対向して設け、前記両ガイド板間に、上端が一方ガイド板から他方ガイド板に向けて下がり傾斜となり、一方ガイド板の上部外側から送り込まれた最初の紙管が傾斜下がり側で他方ガイド板に当接して停止することで、送り込まれた複数本の紙管を紙管列にする傾斜状態に並べる傾斜昇降板を配置し、この傾斜昇降板が、受取った紙管で下位紙管列を形成する上昇位置と、前記下位紙管列の上に紙管を受取ることで上位紙管列を形成する中間下降位置と、下位紙管列と上位紙管列が重なって形成された紙管集合体を前記搬送コンベアの上に移載する下降位置の間を、間歇的に上下動するようになっているものである。
【0012】
請求項5の発明は、上記搬送機構は、搬送体の移載位置の直上と所定位置に待機するパレットの直上の間を往復移動する移動部材と、この移動部材の下部両側に設けられ、結束紙管集合体を形成する紙管の軸方向の長さ寸法に対して広い間隔で対向して接近離反動する一対の吊持部材とで形成され、この吊持部材の対向面に、吊持部材の接近離反動により、結束紙管集合体の紙管に対して抜き差し自在となる三本の吊持軸が、前記結束紙管集合体の吊持開始時に、二本の吊持軸が上位紙管列の二本の紙管に対応し、一本の吊持軸が下位紙管列の紙管に対応する位相となるよう突設され、この吊持部材が、吊持軸で吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が上になる反転姿勢になるよう回転可能になっているものである。
【0013】
ここで、上記紙管供給機構は、紙管積み重ね機構の一方側方に並列状態で配置され、受取り側の端部から供給された紙管を軸方向に沿って前方に送るベルトコンベアと、ベルトコンベアの先端側上部に位置し、送られてきた紙管を定位置に停止させるストッパーと、前記ベルトコンベアに対して紙管積み重ね機構と反対側に配置され、定位置に停止した紙管を紙管積み重ね機構に向けて押出す押出し機と、ベルトコンベアから押し出された紙管を紙管積み重ね機構に向けて転動させる傾斜床と、この傾斜床の上部で紙管積み重ね機構に臨む先端側の位置に上下動するよう配置され、下降位置で紙管が紙管積み重ね機構に転出するのを阻止し、傾斜床の上に所定本数の紙管が並列すると上昇してこれらの紙管を紙管積み重ね機構に転出させるシャッター板とで形成され、下位紙管列を形成する本数の紙管と、上位紙管列を形成する本数の紙管を交互に転出させることになる。
【0014】
上記結束機は、紙管積み重ね機構における搬送コンベアの先端出側の位置に配置され、搬送コンベアから出てきた紙管集合体が定位置に停止すると、アーチ内の熱可塑性バンドを引き戻し、アーチから離脱したバンドで紙管集合体の外周を巻き締め、このバンド両端を溶着して結束する作業を自動的に行い、結束後の結束紙管集合体を搬送体の受取り側端部に送り出すことになる。
【0015】
なお、結束紙管集合体における下位紙管列と上位紙管列の本数は、特に限定されるものではないが、例えば、下位紙管列が三本の紙管で上位紙管列が二本の合計五本を結束して束ねるようにすればよい。
【0016】
上記搬送体の移載位置には、移載位置に停止する結束紙管集合体を所定の高さ位置に持ち上げる持ち上げリフトが設置され、上記搬送機構は持ち上げリフトで移載位置の直上に持ち上げられた結束紙管集合体を受取るようになっていると共に、パレットはテーブルリフターの上に支持され、結束紙管集合体が平面的に並ぶと結束紙管集合体の高さ分だけ間歇的に下降するようになっている。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、複数本の紙管が並列する下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない上位紙管列を重ねてこれを結束し、この結束紙管集合体をパレット上に、下位紙管列が下になるそのままの形態と、下位紙管列が上になる反転形態を交互に行いながら並べて積み重ねるようにしたので、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら結束紙管集合体を並列するよう平面的に並べて、これを順次上方に積重ねて行くことで、多数本の紙管を嵩低く安定して積み重ねることができ、しかも、結束紙管集合体によって複数本の紙管ごとに小分けして結束するので、紙管全体の本数確認が容易になり、必要な本数の紙管を結束紙管集合体単位で速やかに使用することができる。
また、紙管の供給からパレット上への積み重ねまでが自動的に行え、紙管積み重ね作業の省力化と能率向上化が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明に係る紙管の結束積み重ね装置を示す全体配置の平面図
【図2】結束積み重ね装置における紙管供給機構と紙管積み重ね機構を示す拡大した平面図
【図3】結束積み重ね装置における紙管供給機構と紙管積み重ね機構を示す拡大した正面図
【図4】(a)は紙管供給機構と紙管積み重ね機構を示す下位紙管列を形成した状態の側面図、(b)は同じく紙管集合体を形成した状態の側面図
【図5】結束積み重ね装置における搬送体と持ち上げリフトを示す斜視図
【図6】(a)は結束積み重ね装置における搬送体と持ち上げリフト、搬送機構及びパレットの関係を示す結束紙管集合体の積み重ね途中の側面図、(b)は同じくパレットに対する結束紙管集合体の積み重ね完了状態を示す側面図
【図7】(a)は結束積み重ね装置における搬送機構の要部を拡大した結束紙管集合体の吊持状態の縦断正面図、(b)はこの搬送機構の吊持部材を拡大した側面図
【図8】搬送機構の吊持部材による結束紙管集合体の吊持搬送を示し、(a)は持ち上げリフトが結束紙管集合体を上昇位置に持ち上げる直前と待機位置にある吊持部材の関係を示す側面図、(b)は持ち上げリフトが結束紙管集合体を上昇位置に持ち上げ、下降位置にある吊持部材の関係を示す側面図、(c)は吊持部材が結束紙管集合体を第1の搬送形態に吊持し、持ち上げリフトが下降する状態を示す側面図、(d)は吊持部材が吊持した結束紙管集合体を第2の搬送形態にした状態を示す側面図
【図9】搬送機構の吊持部材と結束紙管集合体の関係を示す分解斜視図
【図10】結束紙管集合体をパレットに載置するときの、結束紙管集合体における第1の搬送形態と第2の搬送形態の組み合わせを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
【0020】
図1と図4に示すように、この発明の紙管の結束積み重ね装置1は、所定長さに切断加工された紙管aを水平状態で軸方向に沿って移送し、先端の停止位置でこの紙管aを径方向に送り出す紙管供給機構2と、前記紙管供給機構2から送り出された紙管aを、複数本の紙管aが順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列bの上にこの下位紙管列bよりも一本少ない本数の上位紙管列cを重ねて紙管集合体dにする紙管積み重ね機構3と、前記紙管集合体dをバンドeの巻着によって紙管集合体dの形状のままで束ねて結束紙管集合体fにする結束機4と、前記結束機4から送り出された結束紙管集合体fを受取り、これを前方の移載位置に送る搬送体5と、この搬送体5の移載位置に停止する結束紙管集合体fを所定の高さ位置に持ち上げる持ち上げリフト6と、前記搬送体5の移載位置の直上に上昇した持ち上げリフト6の直上と所定位置に待機するパレット7の間を往復移動自在となり、持ち上げリフト6上にある結束紙管集合体fを吊持移送し、これを前記パレット7上に載置して並べると共に上方に積み重ねていく搬送機構8とで形成されている。
【0021】
上記紙管供給機構2は、紙管積み重ね機構3と平面的に並列するようこの紙管積み重ね機構3の一方側方に並列状態で配置され、受取り側の端部に配置した供給コンベア2aから供給された紙管aを軸方向に沿って前方に送るようになっている。
【0022】
図1乃至図4のように、この紙管供給機構2は、フレーム9上に水平状態で設置したベルトコンベア10と、ベルトコンベア10の先端側上部に位置し、送られてきた紙管aを定位置に停止させるストッパー11と、前記ベルトコンベア10に対して紙管積み重ね機構3と反対側でこのベルトコンベア10の長さ方向に沿って配置され、ストッパー11に当接して定位置に停止した紙管aを紙管積み重ね機構3に向けて径方向に押出す押出し機12と、前記押出し機12とベルトコンベア10を挟んで反対側に配置され、ベルトコンベア10から押出された紙管aを紙管積み重ね機構3に向けて転動させる傾斜床13と、この傾斜床13の上部で紙管積み重ね機構3に臨む先端側の位置にシリンダ14で上下動するよう配置され、前記ベルトコンベア10の長さ方向に沿って長い長さを有し、下降位置で紙管aが紙管積み重ね機構3に転出するのを阻止し、傾斜床13の上に所定本数の紙管aが並列すると上昇してこれらの紙管aを紙管積み重ね機構3に転出させるシャッター板15とで形成され、シャッター板15は、例えば、傾斜床13の上に溜まる紙管aの本数を計数する計数器の信号によって、下位紙管列bを形成する本数が溜まった場合の転出と、上位紙管列cを形成する本数が溜まった場合の転出を交互に行うようになっている。
【0023】
上記紙管積み重ね機構3は、フレーム16の上に設置した搬送コンベア17に、下位紙管列bを形成する本数の紙管が並列状に収まる幅を有するフリーローラコンベアを用い、この搬送コンベア17の上部両側に、支持した紙管集合体dを崩れないように保形する高さのガイド板18、19を下位紙管列bを形成する本数の紙管が並列状に納まる間隔で対向状に設け、前記両ガイド板18、19間に、上端が一方ガイド板18から他方ガイド板19に向けて下がり傾斜となり、一方ガイド板18の上部外側から送り込まれた最初の紙管が傾斜下がり側で他方ガイド板19に当接して停止することで、送り込まれた複数本の紙管aを紙管列にする傾斜状態に並べる傾斜昇降板20を配置し、この傾斜昇降板20が、受取った紙管aで下位紙管列bを形成する上昇位置と、前記下位紙管列bの上に紙管aを受取ることで上位紙管列cを形成する中間下降位置(図4(a))と、下位紙管列bと上位紙管列cが重なって形成された紙管集合体dを前記搬送コンベア17の上に移載する下降位置(図4(b))の間を、シリンダ21によって間歇的に上下動するようになっている。
【0024】
この傾斜昇降板20は、搬送コンベア17の下部にシリンダ21で上下動するよう配置した昇降杆22の上面に起立するよう固定され、搬送コンベア17の長さ方向に沿って適宜間隔で複数が配置され、搬送コンベア17のローラ間を上下動するようになっている。
【0025】
また、搬送コンベア17で支持された紙管集合体dは、この搬送コンベア17の上面を長さ方向に沿って前後動する押出し部材23によって押出すようになっている。この押出し部材23は、搬送コンベア17の両側長さ方向に沿って配置したエンドレスチエン24に両側が支持され、エンドレスチエン24をモータ25で回動させることにより、前後動が制御される。
【0026】
図4のように、上記紙管供給機構2における傾斜床13の下がり側先端は、紙管積み重ね機構3の一方ガイド板18の上部に臨む配置となり、上昇位置にある傾斜昇降板20は上部傾斜縁の傾斜上り側端部が一方ガイド板18の上端に臨み、これによって傾斜床13の上に溜まった紙管aの列は、上昇位置にある傾斜昇降板20の上に向けて円滑に転出することになる。
【0027】
上記紙管積み重ね機構3で形成される紙管集合体dにおいて、下位紙管列bと上位紙管列cの紙管aの本数は、図示の場合、下位紙管列bが三本で上位紙管列cが二本となるようにした例を示したが、下位紙管列bを四本又は五本、上位紙管列cを三本又は四本のような組み合わせを採用するようにしてもよい。
【0028】
上記結束機4は、図示詳細を略したが、図1のように、熱可塑性のバンドeを用いて被梱包物の外周を巻き締めるための梱包作業に用いられている既存の機構を備えたものであり、そのテーブル26が紙管積み重ね機構3における搬送コンベア17の先端出側の位置に、搬送コンベア17から押出されてきた紙管集合体dを受取る高さ位置に配置され、このテーブル26の上にバンドeを誘導するアーチ27が、紙管積み重ね機構3から押出されてきた紙管集合体dを跨ぐように立設され、搬送コンベア17から押出されてきた紙管集合体dがテーブル26上に停止すると、アーチ27内に予め装填されたバンドeを引き戻し、アーチ27から離脱したバンドeで紙管集合体dの外周を巻き締め、このバンドeの両端を溶着して結束する作業を自動的に行うものであり、紙管集合体dの両端部寄りの二箇所をバンドで結束することで、紙管集合体dをそのままの姿で結束紙管集合体fにすることになり、結束後の結束紙管集合体fは、上記紙管積み重ね機構3の押出し部材23によってテーブル26上から搬送体5の受取り側端部に押出されることになる。
【0029】
上記結束機4から押出された結束紙管集合体fを受取る搬送体5は、図1と図5のように、紙管積み重ね機構3の搬送コンベア17と結束機4を挟む配置となり、搬送コンベア17の延長状に配置したローラコンベアを用いて形成され、受取った結束紙管集合体fをローラの駆動によって、この搬送体5の前方で途中の位置に設定した移載位置Xにまで搬送することになる。
【0030】
図1に示すように、この搬送体5の一方側方の位置に位置決めセンサ機構28が配置され、上記結束機4に対する紙管集合体dの結束位置の位置決めと、搬送体5のローラを制御することにより結束紙管集合体fを移載位置Xに停止させることができるようにしている。
【0031】
上記位置決めセンサ機構28は、搬送体5の一方側方で前後方向に沿ってガイドレール29を固定配置し、このガイドレール29の両端に設けたスプロケット間にエンドレスチエンを巻架し、このエンドレスチエンの途中と前記ガイドレール29に沿って移動自在となる走行体30を結合し、前記エンドレスチエンをモータで正逆回転させることで、前記走行体30は、搬送体5に対して結束機4のテーブル26の直前に停止する後退待機位置と、搬送体5の途中に設定された移載位置Xを越えた前方に設定された前方停止位置との間を往復移動するような構造になっている。
【0032】
上記走行体30には、搬送体5の上面に対する突出位置と、搬送体5の前後方向に平行する格納位置の間の90°を回動する受け板31と、この受け板31を回動させるモータと、結束紙管集合体fの先端と結束紙管集合体fの長さを検出するセンサ32が装着されている。
【0033】
上記走行体30が後退待機位置に停止する状態で、受け板31は搬送体5の上面に突出し、上記結束機4のテーブル26上に紙管積み重ね機構3から押出されてきた紙管集合体dの先端がこの受け板31に当接すると、紙管積み重ね機構3の押出し部材23を停止させるようになっており、停止した紙管集合体dの先端は受け板31への当接点が位置決めとなり、結束機4はこの位置決め先端から少し内側寄りの位置をバンドeで結束することになる。
【0034】
このように、紙管集合体dの送り方向先端側をバンドeで結束すると、受け板31は搬送体5の上面から退避して前後方向に平行する格納位置に回動し、紙管集合体dの先端側を開放することになり、受け板31が格納位置に回動すると、この動作で紙管積み重ね機構3の押出し部材23が紙管集合体dを前方に押出し、このとき、停止する走行体30に対して搬送体5の上を前進する紙管集合体dの先端をセンサ32で検知して通過長さを測り、前記紙管集合体dが所定長さだけ通過すると、紙管積み重ね機構3の押出し部材23を停止させ、結束機4に対して停止する紙管集合体dの送り方向後端側の位置決めを行う。
【0035】
結束機4が停止する紙管集合体dの後端側をバンドeで結束すると、この結束完了の信号で搬送体5のローラが駆動されると同時に紙管積み重ね機構3の押出し部材23が結束紙管集合体fを更に所定ストロークだけ前方に押出しておいて退動位置に戻り、結束紙管集合体fが搬送体5によって前方に移送されると、走行体30も結束紙管集合体fと等速で前進移動する。
【0036】
上記搬送体5の途中に設定された移載位置Xに結束紙管集合体fを停止させるのは、移載位置Xで走行体30を停止させ、この走行体30に設けたセンサ32で前方に送られる結束紙管集合体fの移動距離を測定し、結束紙管集合体fの長さ方向の中心が移載位置Xに達した時点で搬送体5の駆動を止めればよく、この搬送体5の停止によって結束紙管集合体fは移載位置Xに長さ方向の中心が一致する状態で停止し、走行体30をこの移載位置Xよりも更に前方に移動した位置に停止させ、持ち上げリフト6との干渉を避けるようにする。
【0037】
図5と図6のように、上記持ち上げリフト6は、上記搬送体5に設定された移載位置Xに幅方向の中心が一致するように配置され、前記搬送体5の他方側方に立設した一対の縦柱33間に、搬送体5側に突出する複数枚の持上腕34を上下動するように設け、持上腕34は、下降位置にあるとき搬送体5のローラ間でこのローラよりも少し下方に位置し、上昇時に、搬送体5の移載位置Xに停止する結束紙管集合体fをそのままの姿勢で所定高さ位置にまで持ち上げるようになっている。
【0038】
この持ち上げリフト6における持上腕34の上下動は、縦柱33の上下に設けたスプロケット間にエンドレスのチエン35を巻架し、このチエン35を図示省略したモータで正逆回転させると共に、持上腕34をチエン35と結合することにより、上下動を与えるようになっている。
【0039】
上記搬送機構8は、持ち上げリフト6の持上腕34で上昇位置に持ち上げられた結束紙管集合体fの直上と、所定位置に待機するパレット7の直上の間を往復移動自在となり、移載位置の直上に持上腕34で持ち上げられた結束紙管集合体fを吊持し、これを搬送体5の搬送方向と直交する方向に移送し、定位置に待機する前記パレット7上に並べると共に積み重ねる移載を行うものである。
【0040】
上記パレット7は、図1のように、上記搬送体5の一方側方位置で、移載位置Xの中心線の延長位置に、搬送体5と所定の距離を隔てて設置したテーブルリフター36で支持され、上昇位置で結束紙管集合体fを受取り、結束紙管集合体fが同一平面に並ぶごとに結束紙管集合体fの高さ分だけ間歇的に下降するようになっている。
【0041】
このテーブルリフター36を配置した床面には、テーブルリフター36を挟む両側の位置に、幅の狭い搬出用のフリーローラコンベア37が、上記搬送体5と平行するように配置され、テーブルリフター36が収縮してパレット7が最下降位置になると、パレット7はこのフリーローラコンベア37で両側が支持されて持ち替えられ、前記パレット7をフリーローラコンベア37で出し入れ側端部に取り出すことができるようにし、フリーローラコンベア37のパレット出し入れ側端部には、フリーローラコンベア37から受取ったパレット7を90°回転させるパレット旋回部38が設けられ、パレット7をフォークリフト39で持ち上げて搬送するのに便利なようになっている。
【0042】
図6と図7のように、上記搬送機構8は、搬送体5と持ち上げリフト6及びテーブルリフター36の上を跨ぐように、四本の柱40とこの各柱40の上端を結合する梁材41とで床面上に支持構造物42を組み立て、平行する両側梁材41間への取付けによって、搬送体5の移載位置Xの直上とテーブルリフター36で支持されたパレット7の直上の間を往復移動する移動部材43と、この移動部材43の下部で結束紙管集合体fの長さ方向に沿う両側に位置し、結束紙管集合体fの長さが収まる間隔で対向すると共に、シリンダ44で上下動するよう取付けた一対の昇降体45と、前記昇降体45の対向面に取付けられ、昇降体45の接近動時に結束紙管集合体fを長さ方向の両側から保持する一対の吊持部材46とを備えている。
【0043】
上記移動部材43は、両側の車輪47が梁材41上のレール48で支持され、梁材41の両端のスプロケット間に巻回したエンドレスチエン49と結合し、モータ50によるエンドレスチエン49の駆動により搬送体5の移載位置Xの直上とパレット7の直上の間を往復移動するようになっている。
【0044】
上記昇降体45の対向間隔の変化は、図7(a)の場合、移動部材43に左右逆ねじのねじ軸51を架設し、両側に配置した昇降体45のナット部材52をねじ軸に螺合し、ねじ軸51をモータ53で正逆駆動することで両昇降体45を接近又は離反させるようにした例を示したが、昇降体45をシリンダで個々に移動させるようにしてもよい。
【0045】
上記吊持部材46は、昇降体45の下部両側に同軸心で対向するように取付けられ、それぞれモータ53により回転が付与され、その対向面に、結束紙管集合体fの上位紙管列cの二本の紙管aに対して抜き差し自在となる二本の吊持軸54と、下位紙管列bの中央紙管aに対して抜き差し自在となる一本の吊持軸55の、合計三本の吊持軸54、55が三角形の配置で突設され、モータ53により吊持部材46を前記吊持軸54、55が上下に反転する180°を回転させることができるようになっている。
【0046】
この発明の紙管の結束積み重ね装置1は、上記のような構成であり、次に、この装置を用いた紙管の結束積み重ね方法を説明する。
【0047】
所定長さに切断加工された紙管aを紙管供給機構2のベルトコンベア10上に水平状態で軸方向を送り方向に沿うよう間歇的に供給すると、このベルトコンベア10の先端側に送られた紙管aがストッパー11に当接して停止し、定位置に停止した紙管aをセンサが検出することで押出し機12が作動し、この紙管aを紙管積み重ね機構3に向けて径方向に押出し、押出された紙管aは傾斜床13の上を紙管積み重ね機構3に向けて転動し、下降位置にあるシャッター板15に当接して停止する。
【0048】
このようにして、ベルトコンベア10上から傾斜床13の上に紙管aが順次押出されると、傾斜床13上に複数本の紙管aが並列状態で並ぶことになり、この傾斜床13上に下位紙管列bの形成本数の紙管aが並列すると、シャッター板15が上昇して紙管aの停止を解き、傾斜床13上に並列する複数本の紙管aは紙管積み重ね機構3に向けて転出する。
【0049】
紙管積み重ね機構3は、傾斜昇降板20が上昇位置で待機しており、紙管積み重ね機構3に向けて同時に転出した複数本の紙管aは、両側のガイド板18、19間に落ち込むと共に、上昇位置にある傾斜昇降板20の上端で支持され、最初に落ち込んだ紙管aが落ち込み方向前方のガイド板19に当接して停止することで各紙管aは並列する傾斜状となり、これにより、両側のガイド板18と19間に複数本の紙管aが並列する下位紙管列bが形成されることになる。
【0050】
傾斜昇降板20は、下位紙管列bが形成されると、図4(a)のように、紙管aの外径に見合う寸法だけ下降する中間下降位置となり、その上端で支持している下位紙管列bも一体に下がり、下位紙管列bの上面における上り側端部が傾斜床13の先端に臨む高さで待機する。
【0051】
ベルトコンベア10上から傾斜床13上に次の紙管aが押出され、下降したシャッター板15が紙管aの転出を止め、この傾斜床13上に上位紙管列cの形成本数の紙管aが並列すると、シャッター板15が上昇して紙管aの停止を解き、傾斜床13上に並列する複数本の紙管aは紙管積み重ね機構3に向けて転出する。
【0052】
上位紙管列cを形成するための本数の紙管aは、傾斜床13の上から両側のガイド板18、19間に落ち込むことにより、中間下降位置で待機する下位紙管列bの上に転出することになり、この上位紙管列cの形成本数は、下位紙管列bの形成本数よりも一本少なく、しかも、下位紙管列bが緩い傾斜状態となり、かつ、下位紙管列bの上面は隣接する紙管aの間が凹入面になっているので、上位紙管列cの紙管aは、下位紙管列bの隣接する紙管aの凹入面に丁度収まる状態で積み重なり、これによって、両側のガイド板18、19間で傾斜昇降板20の上に、三本の紙管aが並列する下位紙管列bの上に二本の紙管aが重なって上位紙管列cとなる紙管集合体dが形成される。
【0053】
上記傾斜昇降板20は、図4(b)のように、紙管集合体dが形成されると下降位置に下降し、この傾斜昇降板20で支持されていた紙管集合体dは、搬送コンベア17のローラ上に水平状態となるよう持ち替えられ、両ガイド板18と19によって紙管集合体dは保形されている。
【0054】
上記傾斜昇降板20が下降位置に停止すると、搬送コンベア17の後端に待機していた押出し部材23が前進動し、紙管集合体dを前方の結束機4に向けて押出す。
【0055】
このとき、結束機4の前方に配置した位置決めセンサ機構28は、走行体30が結束機4のテーブル26に近接した後退位置に停止しており、この走行体30に設けた受け板31が、上記押出し部材23の前進動の前に搬送体5の上に突出した閉位置となり、押出し部材23で前方に押出されてきた紙管集合体dの先端側が、結束機4のテーブル26上を通過した後この受け板31に当接すると、押出し部材23を止めて紙管集合体dを停止させる。
【0056】
このように、走行体30の受け板31に紙管集合体dの先端が当接した時点で紙管集合体dを停止させることにより、紙管集合体dの先端から結束機4のバンド巻着位置までの距離が決まり、結束機4は停止する紙管集合体dのテーブル26上に位置する部分をバンドeで結束する。
【0057】
このとき、紙管集合体dの後半部分は、両ガイド板18と19間に収まって保形されているので、結束工程時に積み重ね姿が崩れるようなことはない。
【0058】
上記紙管集合体dに対して先端側のバンドeによる結束が完了すると、走行体30の受け板31が搬送体5の長さ方向に平行する開位置に回動して退避し、搬送コンベア17の押出し部材23が更に前進動して紙管集合体dを押出し、紙管集合体dのテーブル26から出てきた部分は前方に配置した搬送体5で支持され、このとき検出センサ32で紙管集合体dの前進移動量を検知し、紙管集合体dが設定長さだけ前進すると、押出し部材23を停止させ、テーブル26上に停止した紙管集合体dに対して、結束機4は紙管集合体dのテーブル26上に位置する後端寄りの部分をバンドeで結束し、これによって、紙管集合体dをそのままの姿で結束紙管集合体fにする。
【0059】
上記結束紙管集合体fは、図9の手前側に示すように、三本の紙管aが並列する下位紙管列bの上に上位紙管列cとなる二本の紙管aが並列状態で載った紙管集合体dの両端部をバンドeで結束した姿となる。
【0060】
結束機4による結束工程が完了すると、上記押出し部材23で結束紙管集合体fを前方に所定ストロークだけ押出し、これを受取った搬送体5が起動して結束紙管集合体fを前方に向けて送り出すと同時に、位置決めセンサ機構28の走行体30も結束紙管集合体fと等速で前進移動し、この走行体30が持ち上げリフト6のセンターとなる移載位置Xと対応する位置で一旦停止する。
【0061】
この走行体30に搭載した紙管長さの検出センサ32は、紙管aの長さを検出するように設定され、持ち上げリフト6のセンターとなる移載位置Xで停止した状態で、前記検出センサ32は搬送体5で前方に送られる結束紙管集合体fの移動長さを検知し、紙管aの長さ方向の中心が移載位置Xに達すると、搬送体5を止めて結束紙管集合体fを停止させ、結束紙管集合体fの長さ方向の中心を持ち上げリフト6のセンター位置に合わせた状態とする。
【0062】
上記位置決めセンサ機構28の走行体30は、図1の一点鎖線のように、結束紙管集合体fの位置決め停止後、搬送体5の先端側に設定された前進位置に移動し、持ち上げリフト6の作動範囲から外れた位置に停止している。
【0063】
結束紙管集合体fが搬送体5の移載位置に停止すると、持ち上げリフト6は下降位置で待機していた持上腕34が上昇動し、搬送体5から結束紙管集合体fを受取り、これを所定高さに設定された上昇位置にまで持ち上げる。
【0064】
(一番目の結束紙管集合体fの移載)
搬送機構8は、持ち上げリフト6の直上の位置に待機しており、このとき、搬送機構8は、図8(a)のように、昇降体45は上昇位置にあり、一対の昇降体45とこれに取付けた吊持部材46は離開した状態となり、吊持部材46の対向面に設けた吊持軸54と55は、上部両側に二本の吊持軸54とその下部中央に一本の吊持軸55が位置する配置の位相となり、持ち上げリフト6の上昇位置に一番目の結束紙管集合体fが持ち上げられて停止すると、図8(b)のように、昇降体45とこれに取付けた吊持部材46は下降し、一対の吊持部材46は結束紙管集合体fを軸方向の両端側から挟む位置関係になり、この状態で両吊持部材46が接近動すると、両吊持部材の吊持軸は、上部両側の二本が上位紙管列cの二本の紙管aに、また、下位の一本が下位紙管列bの中央紙管a内にそれぞれ進入する。
【0065】
この状態で、持上腕34が下降位置に戻ることにより、図8(c)のように、三本の吊持軸54と55によって結束紙管集合体fを吊持して保持し、持ち上げリフト6から結束紙管集合体fを持ち替える。
【0066】
搬送機構8は、一対の吊持部材46で結束紙管集合体fを吊持して保持すると、移動部材43がテーブルリフター36で所定の高さ位置になるよう支持されているパレット7の上に向けて移動する。このとき、一対の吊持部材46で一番目に吊持した結束紙管集合体fを下位紙管列bが下になるそのままの第1の搬送形態でパレット7上に運び、これをパレット7に対して搬送方向の奥端に結束紙管集合体fの搬送方向の側縁が一致する位置で移動部材43が停止し、この停止位置で両吊持部材46が離開し、三本の吊持軸54、55が結束紙管集合体fの紙管aから抜けることで、第1の搬送形態のままで結束紙管集合体fをパレット上に載置する。
【0067】
移動部材43は、結束紙管集合体fをパレット7上に載置すると持ち上げリフト6の直上である待機位置に戻り、この戻り移動の途中で昇降体45は一対の吊持部材46が離開したまま上昇位置に戻り、次の吊持に備える。
【0068】
(二番目の結束紙管集合体fの移載)
上記持ち上げリフト6の持上腕34が二番目の結束紙管集合体fを所定高さ位置に持ち上げると、移動部材43は、昇降体45が下降すると両吊持部材46が接近動して吊持軸54と55でこの結束紙管集合体fを吊り上げ、これをパレット7上に移送する。
【0069】
搬送機構8は、二番目の結束紙管集合体fをパレット7上に移送するとき、移送途中で両吊持部材46が180°回転し、図8(d)のように、三本の吊持軸54と55によって吊持した結束紙管集合体fを上下反転させて下位紙管列bが上で上位紙管列cが下になる第2の搬送形態にする。
【0070】
このように、第2の搬送形態にした結束紙管集合体fを搬送するとき、移動部材43の移送ストロークは一回目よりも紙管aの直径の2本半分だけ短くなるように設定され、パレット7上で移動部材43が停止して一対の昇降体45とこれに取付けた吊持部材46が離開して結束紙管集合体fをパレット7上に載置すると、この第2の搬送形態にした結束紙管集合体fを、先に載置した第1の搬送形態の結束紙管集合体fの横に接するように並べることができる。
【0071】
上記のようにして、第1の搬送形態の結束紙管集合体fの横に第2の搬送形態の結束紙管集合体fを並べると、結束紙管集合体fの側部に生じている凹部が互いに収まることになり、これにより、第1と第2の搬送形態の結束紙管集合体fは平面的に並列状態で並ぶことになる。
【0072】
搬送機構8は、第2の搬送形態にした結束紙管集合体fをパレット上に載置すると、待機位置に戻る移動途中で昇降体45が上昇すると共に、両吊持部材46が180°回転して三本の吊持軸54、55が上部二本、下部一本の位相に戻り、次の吊持に備える。
【0073】
(三番目の結束紙管集合体fの移載)
上記持ち上げリフト6の持上腕34が三番目の結束紙管集合体fを所定高さ位置に持ち上げると、移動部材43は上記した一番目の結束紙管集合体fの場合と同じようにして、この結束紙管集合体fを第1の搬送形態で移送し、このとき、移動部材43の移送ストロークは二回目よりも紙管aの直径の2本半分だけ短くなるように設定され、この結束紙管集合体fを第2の搬送形態の結束紙管集合体fの横に接するように並べる。
【0074】
このように、持ち上げリフト6の持上腕34が結束紙管集合体fを持ち上げるごとに、搬送機構8は、この結束紙管集合体fに対して第1の搬送形態と第2の搬送形態を交互に行うことで、パレット7の上面に複数の結束紙管集合体fを並列状態で平面的に接するように並べ、図6(a)のように、パレット7の上面に一段目の結束紙管集合体fが並ぶと、テーブルリフター36の作動でパレット7は、結束紙管集合体fの高さ寸法分だけ下降し、上記と同様の工程を繰り返すことで一段目の結束紙管集合体fの上に二段目の結束紙管集合体fが積み重ねられ、二段目の結束紙管集合体fが積み重ねられると、パレットは結束紙管集合体fの高さ寸法分だけ下降し、二段目の結束紙管集合体fの上に三段目の結束紙管集合体fが積み重ねら、これが上方に必要な段数だけ繰り返されることになる。
【0075】
図6(b)のように、パレット7上に必要な段数の結束紙管集合体fが積み重ねられると、紙管の結束積み重ね装置1の運転を一旦停止し、パレット7とその上の結束紙管集合体fを荷崩れしないようにバンド等で結束し、下降位置に下ろしたパレット7をフリーローラコンベア37で支持し、このフリーローラコンベア37に沿って取り出すようにする。
【0076】
上記のように、結束紙管集合体fは、三本の紙管aが並列する下位紙管列bとその上に二本の紙管aが重なる上位紙管列cをバンドeで束ねた5本の紙管aからなり、この結束紙管集合体fを所定数だけパレット7上に並べると共に積み重ねることにより、パレット7の上に積み重ねた荷姿において、目視によって紙管aの全量を確認することができ、パレット7上にある紙管a全体の計数が極めて簡単に行え、しかも、結束紙管集合体fは嵩低く安定した積み重ねができる形態となり、これを整然と並列及び積み重ねることにより、多数本の紙管aを移送する場合の安定した荷姿が得られ、移送時の振動で紙管aが互いに擦れあい、紙管aの外周面に傷が付くという問題を解消できると共に、必要な数の結束紙管集合体fを取り出す作業が行いやすいという利点がある。
【符号の説明】
【0077】
1 紙管の結束積み重ね装置
2 紙管供給機構
3 紙管積み重ね機構
4 結束機
5 搬送体
6 持ち上げリフト
7 パレット
8 搬送機構
9 フレーム
10 ベルトコンベア
11 ストッパー
12 押出し機
13 傾斜床
14 シリンダ
15 シャッター板
16 フレーム
17 搬送コンベア
18 ガイド板
19 ガイド板
20 傾斜昇降板
21 シリンダ
22 昇降杆
23 押出し部材
24 エンドレスチエン
25 モータ
26 テーブル
27 アーチ
28 位置決めセンサ機構
30 走行体
31 受け板
32 検出センサ
33 縦柱
34 持上腕
35 チエン
36 テーブルリフター
37 フリーローラコンベア
38 パレット旋回部
39 フォークリフト
40 柱
41 梁材
42 支持構造物
43 移動部材
44 シリンダ
45 昇降体
46 吊持部材
47 車輪
48 レール
49 エンドレスチエン
50 モータ
51 ねじ軸
52 ナット部材
53 モータ
54 吊持軸
55 吊持軸
56 吊持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列の上に、隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない本数の上位紙管列を重ね、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成し、この紙管集合体をそのままの形状で結束することで結束紙管集合体とし、この結束紙管集合体を、下位紙管列が下になるそのままの形態と下位紙管列が上になる反転形態で交互にパレット上に載置し、このパレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べ、これを順次上方に積重ねて行くようにする紙管の結束積み重ね方法。
【請求項2】
対向するガイド板間へ径方向に送り込まれてくる水平の紙管を傾斜昇降板で支持し、この傾斜昇降板上に複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列になると前記傾斜昇降板を下降させ、次に送り込まれてきた紙管を、下位紙管列の上で隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない上位紙管列が重なり、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成する紙管積み重ね工程と、
前記紙管積み重ね工程から送り出されてきた紙管集合体を、結束機によるバンドの巻着によって紙管集合体の形状のままで束ねて結束紙管集合体にする結束工程と、
前記結束機を通過して移載位置に送り出された結束紙管集合体を搬送部材で吊持し、これを所定位置に待機するパレット上に移載する移送積み重ね工程とからなり、
前記移送積み重ね工程が、搬送部材で吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が下になるそのままの姿勢でパレット上に載置する第1の搬送形態と、吊持した結束紙管集合体を上下反転させ、下位紙管列が上になる反転姿勢でパレット上に載置する第2の搬送形態を交互に行い、前記パレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べ、これを順次上方に積重ねて行くようになっている紙管の結束積み重ね方法。
【請求項3】
紙管供給機構から対向するガイド板間へ径方向に送り込まれてくる水平の紙管を傾斜昇降板で支持し、この傾斜昇降板上に複数本の紙管が順次接し合う並列状態で並んだ下位紙管列になると前記傾斜昇降板が下降し、次に送り込まれてくる紙管を、下位紙管列の上で隣接する紙管と紙管の間に載るように重ねることで、下位紙管列の上にこの下位紙管列よりも一本少ない上位紙管列が重なり、下位紙管列の並列方向の両側が上位紙管列に対して紙管半分の突部となり、上位紙管列の両側が下位紙管列に対して紙管半分の凹部となった紙管集合体を形成する紙管積み重ね機構と、
前記紙管積み重ね機構の前方に配置され、紙管積み重ね機構から送り出されてきた紙管集合体を、バンドの巻着によって紙管集合体の形状のままで束ねて結束紙管集合体にする結束機と、
前記結束機から送り出された結束紙管集合体を受取り、これを前方の移載位置に送る搬送体と、
前記搬送体の移載位置と所定位置に待機するパレットの間を往復移動自在となり、移載位置にある結束紙管集合体を吊持し、これを前記パレット上に載置する搬送機構とからなり、
前記搬送機構が、吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が下になるそのままの姿勢でパレット上に載置する第1の搬送形態と、吊持した結束紙管集合体を上下反転させて下位紙管列が上になる反転姿勢でパレット上に供給する第2の搬送形態を交互に行い、前記パレットへの載置時に、各結束紙管集合体を、下位紙管列の突部と上位紙管列の凹部が上下に収まるようにしながら並列するよう平面的に並べると共に順次上方に積重ねて行くように形成されている紙管の結束積み重ね装置。
【請求項4】
上記紙管積み重ね機構は、紙管集合体を支持して長さ方向に移送する搬送コンベアの上部両側に、支持した紙管集合体を崩れないように保形するガイド板を対向して設け、前記両ガイド板間に、上端が一方ガイド板から他方ガイド板に向けて下がり傾斜となり、一方ガイド板の上部外側から送り込まれた最初の紙管が傾斜下がり側で他方ガイド板に当接して停止することで、送り込まれた複数本の紙管を紙管列にする傾斜状態に並べる傾斜昇降板を配置し、この傾斜昇降板が、受取った紙管で下位紙管列を形成する上昇位置と、前記下位紙管列の上に紙管を受取ることで上位紙管列を形成する中間下降位置と、下位紙管列と上位紙管列が重なって形成された紙管集合体を前記搬送コンベアの上に移載する下降位置の間を、間歇的に上下動するようになっている請求項3に記載の紙管の結束積み重ね装置。
【請求項5】
上記搬送機構は、搬送体の移載位置の直上と所定位置に待機するパレットの直上の間を往復移動する移動部材と、この移動部材の下部両側に設けられ、結束紙管集合体を形成する紙管の軸方向の長さ寸法に対して広い間隔で対向して接近離反動する一対の吊持部材とで形成され、この吊持部材の対向面に、吊持部材の接近離反動により、結束紙管集合体の紙管に対して抜き差し自在となる三本の吊持軸が、前記結束紙管集合体の吊持開始時に、二本の吊持軸が上位紙管列の二本の紙管に対応し、一本の吊持軸が下位紙管列の紙管に対応する位相となるよう突設され、この吊持部材が、吊持軸で吊持した結束紙管集合体を下位紙管列が上になる反転姿勢になるよう回転可能になっている請求項3に記載の紙管の結束積み重ね装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−66851(P2012−66851A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213836(P2010−213836)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(592089733)生田鉄工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】