紙葉類の厚さ検知装置
【課題】 バネ材の押圧力が高く、かつ、検知レバーの取付精度が悪い場合であっても、検知ローラの焼きつきを防止できるようにする。
【解決手段】 基準ローラ3と、この基準ローラ3に対向して設けられ、基準ローラ3との間に紙幣Pを通過させる検知ローラ5と、この検知ローラ5を一端部側に取り付ける検知レバー7と、検知ローラ5が基準ローラ3に対し接離する方向、及び基準ローラ3の軸方向に沿って移動するように検知レバー7の他端部側を可動自在に取り付ける取付部8と、検知ローラ5を基準ローラ3側に弾性的に押圧するバネ材10と、基準ローラ3と検知ローラ5との間に紙葉類が存在するときの検知ローラ5の基準ローラ3から離間する方向への変位量に基づいて紙幣Pの厚さを検出する測定センサ9とを具備する。
【解決手段】 基準ローラ3と、この基準ローラ3に対向して設けられ、基準ローラ3との間に紙幣Pを通過させる検知ローラ5と、この検知ローラ5を一端部側に取り付ける検知レバー7と、検知ローラ5が基準ローラ3に対し接離する方向、及び基準ローラ3の軸方向に沿って移動するように検知レバー7の他端部側を可動自在に取り付ける取付部8と、検知ローラ5を基準ローラ3側に弾性的に押圧するバネ材10と、基準ローラ3と検知ローラ5との間に紙葉類が存在するときの検知ローラ5の基準ローラ3から離間する方向への変位量に基づいて紙幣Pの厚さを検出する測定センサ9とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、紙幣の分類、整理をする紙幣分類機、或いは紙幣の入出金をする自動預出金機等の紙幣処理機に適用され、紙幣の厚さを検知する厚さ検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の厚さ検知装置としては、例えば、図8に示すようなものが知られている。
即ち、厚さ検知装置101は、回転軸102に取り付けられる基準ローラ103を備え、この基準ローラ103の上部側には金属製の検知ローラ105が設けられている。この検知ローラ105は基準ローラ103の上面部に接触、又は非接触の状態で対向され、この検知ローラ5と基準ローラ3との間を紙幣Pが通過するようになっている。
【0003】
検知ローラ105は図9に示すように基準ローラ103の軸方向に沿って所定間隔を存して複数個配設され、検知レバー107の先端部に回転軸104を介して取り付けられている。検知レバー107の基端部は回転軸106を介して取付部108に接続され、検知レバー107は回転軸106を中心として回動することにより、その先端部側を上下動させて検知ローラ105を基準ローラ103に対して接離する方向に変位させるようになっている。
【0004】
検知レバー107の先端部側には被検出片122が突設され、この被検出片122の下面部には検知ローラ105の変位量を測定する検出手段としての測定センサ109が離間対向されている。
【0005】
また、検知レバー107の先端上面部にはローラ111が設けられ、このローラ111の上面部には押圧手段としてのバネ材110の先端部側が当接されている。このバネ材110の基端部側は、取付部108に取り付けられている。バネ材110によりローラ111を押圧して検知ローラ105を基準ローラ103に押し付けることにより、検知レバー107の跳ね上がり等の不要な振動や、紙幣Pの膨らみ等の影響による検知誤差を抑制するようになっている。
【0006】
測定センサ109は、例えばポテンショメータ又はMRセンサ等で構成され、回転軸106の回転角度を検出するものであり、これにより紙幣Pの厚さが検知可能となっている。
【0007】
なお、厚さ検知装置は1台の現金処理機の搬送系上に複数台配設され、検知ローラ105の位置を紙幣の幅方向にずらして設置している。これにより紙幣の全面の厚さ検知をカバーすることが可能となっている。
【0008】
上記した構成において、紙幣Pが検知ローラ105と基準ローラ103との間に導入されて通過すると、検知ローラ105が基準ローラ103から上方に変位され、この変位量が測定センサ109により測定され、この測定値に基づいて紙幣Pの厚さが検出される。
【0009】
ところで、搬送されてくる紙幣Pの速度は数m/sと高速であるため、検知ローラ105と基準ローラ103との間への導入時に、その先端部が検知ローラ105に当接すると、検知ローラ105には大きな衝撃が加わる。このため、検知ローラ105は、図10の厚さ測定曲線に示すように基準ローラ103に対して浮き上がる方向に跳ね上げられて測定空白時間が発生する。
【0010】
この測定空白時間において紙幣Pは数ミリ搬送されてしまうので、この間、紙幣Pの厚さを検知することができなくなる。従って、可能な限り早く検知ローラ105の跳ね上りを低減させる必要がある。このため、通常は、押圧手段としての板バネ110の押圧力を高くするようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−154064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、板バネ110の押圧力を高くすると、検知ローラ105と基準ローラ103との摩擦抵抗力が大きくなるため、検知ローラ105を支える検知レバー107と基準ローラ103の回転軸102との垂直度が、図11に示すように少しでも狂いがあると、検知ローラ105に基準ローラ103の回転軸方向の力が働くこととなる。この結果、図12に示すように検知ローラ105の回転軸104と外輪112には曲げ応力が生じて、べアリング114aのリテーナ114bと外輪112が焼きついてロックするという問題が生じている。なお、回転軸104は内輪113内に挿入されている。
【0012】
また、検知ローラ105の外輪112が基準ローラ103に対して傾斜していることから、検知ローラ105は基準ローラ103の表面部に対して振動し、厚さ検出信号の精度が悪くなるという欠陥が生じている。
【0013】
また、板バネ110の押圧力を高くすると、検知ローラ105のベアリングの寿命が短くなってしまう。さらに、基準ローラ103と検知ローラ105の摩耗が促進され、基準ローラ103には磨耗痕が深く刻まれることとなり、検知ローラ105による紙幣の厚さ測定精度が低下する。
【0014】
以上説明したように検知ローラ105の跳ね上り時間を抑制する目的から高いバネ圧で検知ローラ105を押圧する機構であるために、検知ローラ105が傾斜して厚さ検知の精度が低下するだけでなく、基準ローラ103や検知ローラ105の寿命が短いという問題がある。
【0015】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、第1の目的は、検知レバーの取付精度を高くしなくとも、検知ローラの焼きつきを防止できるようにし、また、第2の目的は、押圧手段の押圧力を低くした状態でも検知ローラの跳ね上がりを迅速に戻すことができるようにした紙葉類の厚さ検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、基準ローラと、この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、前記検知ローラが前記基準ローラに対し接離する方向、及び前記基準ローラの軸方向に沿って移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、前記検知ローラを前記基準ローラ側に弾性的に押圧する押圧手段と、前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載のものは、基準ローラと、この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、この検知レバーの前記検知ローラよりも前記紙葉類搬送方向上流側に位置し、かつ前記基準ローラに対向して設けられ、前記搬送されてくる紙葉類を当接させて通過させる当接ローラと、前記検知ローラ及び前記当接ローラが前記基準ローラに対し接離する方向に移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、前記検知ローラを弾性的に押圧する押圧手段と、前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明は、検知レバーの取付精度を高くしなくとも、検知ローラの焼きつきを防止でき、また、第2の発明は、押圧手段の押圧力を低くした状態でも検知ローラの跳ね上がりを迅速に戻すことができるようにした紙葉類の厚さ検知装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図である。
この厚さ検知装置は、例えば、紙幣搬送系の紙幣鑑査部内に設けられ、紙幣の2枚取りや、テープ貼り等を検知するようになっている。
【0020】
厚さ検知装置1は、回転軸2に取り付けられる基準ローラ3を備え、この基準ローラ3の上部側には金属製の検知ローラ5が設けられている。この検知ローラ5は基準ローラ3の上面部に接触、又は非接触の状態で対向され、この検知ローラ5と基準ローラ3との間を紙幣Pが通過するようになっている。
【0021】
検知ローラ5は基準ローラ3の軸方向に沿って所定間隔を存して複数個配設され、検知レバー7の先端部に回転軸4を介して取り付けられている。検知レバー7の基端部は後で詳しく述べるように取付手段としての取付部8に可動自在に取り付けられている。
【0022】
また、各検知レバー7の先端部側には被検出片22がそれぞれ突設され、これら被検出片22の下面部には検知ローラ5の変位量を測定する検出手段としての測定センサ9が離間対向されている。
【0023】
また、検知レバー7の先端上面部にはローラ11が設けられ、このローラ11の上面部には押圧手段としてのバネ材10の先端部側が当接されている。このバネ材10の基端部側は、取付部8に取り付けられている。バネ材10によりローラ11を押圧して検知ローラ5を基準ローラ3に押し付けることにより、検知レバー7の跳ね上がり等の不要な振動や、紙幣Pの膨らみ等の影響による検知誤差を抑制するようになっている。
【0024】
測定センサ9は、例えばポテンショメータ又はMRセンサ等で構成され、回転軸6の回転角度を検出するものであり、これにより紙幣Pの厚さが検知可能となっている。
【0025】
なお、厚さ検知装置は1台の現金処理機の搬送系上に複数台配設され、検知ローラ5の位置を紙幣の幅方向にずらして設置している。これにより紙幣の全面の厚さ検知をカバーすることが可能となっている。
【0026】
上記した構成において、紙幣Pが検知ローラ5と基準ローラ3との間に導入されて通過すると、検知ローラ5が基準ローラ3から上方に変位され、この変位量が測定センサ9により測定され、この測定値に基づいて紙幣Pの厚さが検出される。
【0027】
ところで、搬送されてくる紙幣Pの速度は数m/sと高速であるため、検知ローラ5と基準ローラ3との間への導入時に、その先端部が検知ローラ5に当接すると、検知ローラ5には大きな衝撃が加わる。このため、検知ローラ5は、図10の厚さ測定曲線に示すように基準ローラ3に対して浮き上がる方向に跳ね上げられて測定空白時間が発生する。
【0028】
この測定空白時間において紙幣Pは数ミリ搬送されてしまうので、この間、紙幣Pの厚さを検知することができなくなる。従って、可能な限り早く検知ローラ5の跳ね上りを低減させる必要がある。このため、通常は、押圧手段としての板バネ10の押圧力を高くするようにしている。
【0029】
図2は上記した検知レバー7の取付構造を示すものである。
即ち、図中15は、検知レバー7の基端部側を第1の回転軸16を介して回動自在に接続する可動ブロック15で、この可動ブロック15は第1の回転軸16と直交する方向に沿って設けられる第2の回転軸17を介して取付部8に回動自在に取り付けられている。第1の回転軸16は検知ローラ5の回転軸4と平行に設けられ、第2の回転軸17は第1の回転軸16と直交する方向に沿って設けられている。
【0030】
検知レバー7は第1の回転軸16を中心として回動することにより、検知ローラ5を基準ローラ3に対し接離する方向に移動させ、第2の回転軸17を中心として回動することにより、検知ローラ5を基準ローラ3の軸方向に沿って移動させることができるようになっている。
【0031】
ところで、板バネ10の押圧力を高くすると、検知ローラ5と基準ローラ3との摩擦抵抗力が大きくなるため、検知ローラ5を支える検知レバー7と基準ローラ3のローラ回転軸2との垂直度が、図3に示すように少しでも狂いがあると、検知ローラ5に基準ローラ3の回転軸方向の力が働くこととなる。
【0032】
しかしながら、このときには、検知レバー7が基準ローラ3の回転強制力により第2の回転軸17を中心にして基準ローラ3の軸方向に回動するため、従来のような曲げ応力が検知レバー7に作用することがなく、検知ローラ5のベアリング14aを傾ける力は低減される。従って、ベアリング14aのリテーナ14bと外輪12が焼きついてロックすることを防止できる。なお、図中13は回転軸4を挿入させる内輪である。
また、検知ローラ5の外輪12は基準ローラ3に対して傾斜しないため、検知ローラ5の振動を防止でき、厚さ検出信号の精度も良好に維持できる。
【0033】
一方、基準ローラ3は、表面硬度がHRc70以上の材料で構成されている。
基準ローラ3に接触している検知ローラ5の外輪12は、一般にSUJ2などの軸受鋼が使用されている。この軸受鋼の硬さは、約Rc60であるため、焼入れ,焼き戻しした鋼ではせいぜいHRc60〜65である。即ち、基準ローラ3と検知ローラ5は、同じ鋼系の金属であるために凝着摩耗を生じるといった問題があった。
【0034】
これを解決するため基準ローラ3を硬さHRc70以上のハードフエイシング層で構成する。具体的には超硬合金(WC−Co)、粉末ハイス(炭化物、TiN)などの耐摩耗材を鋼ローラに溶射し、研削して基準ローラ3を製作する。
【0035】
これにより、比較的経済的に高耐磨耗性で寸法精度の高い基準ローラ3を製作することができる。基準ローラ3が炭化物系や窒化物系の耐摩耗材料であるため、検知ローラ5との凝着摩耗を防止できる。従って、検知ローラ5の摩耗も低減し、単純な鋼製に比較して寿命が大幅に改善でき、トータルとして経済的な基準ローラ3を提供することができる。
【0036】
上記した実施の形態によれば、検知レバー7の取付精度が高くない場合であっても、検知ローラ5が基準ローラ3に対して傾斜することがないので、検知ローラ5の外輪12と回転軸4の傾きによるリテーナ14bの焼き付きを防止でき、検知ローラ5の寿命を改善できる。
【0037】
さらに、検知ローラ5の外輪13の偏摩耗と、基準ローラ3の表面の摩耗痕が大幅に軽減されるので初期の測定精度を維持できる。
【0038】
図5は、検知レバー7の接続構造の第1の変形例を示すものである。
この第1の変形例では、検知レバー7をボールジョイント25を介して取付部8に接続している。ボールジョイント25は、複数個のコロ26を介して取付部8に取り付けられている。
【0039】
このようにボールジョイント25を用いることにより、検知レバー7は取付時の精度に係わらずに基準ローラ3の回転方向と一致した方向に向くとともに、バネ材10によって基準ローラ3に押し付けられている検知ローラ5は傾くことなく基準ローラ3に自動的に接触する。
【0040】
図6は、検知レバー7の接続構造の第2の変形例を示すものである。
この第2の変形例では、検知レバー7をゴム等のような弾性体31を介して取付部8に接続している。
【0041】
このように弾性体31を用いることにより、バネ材10の押圧力と基準ローラ3の回転強制力により検知レバー7の方向と検知ローラ5の基準ローラ3に対する姿勢を容易に矯正することができる。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施の形態である厚さ検知装置を示す構成図である。
なお、図1で示した部分と同一部分について同一番号を付してその説明を省略する。
【0043】
この実施の形態では、検知レバー7の検知ローラ5よりも紙幣搬送方向上流側に位置して当接ローラ41を取り付けている。当接ローラ41は検知ローラ5と一定間隔を存して並列状態で、かつ基準ローラ3に接触する状態で取り付けられている。この当接ローラ41は、金属ローラではなく、ゴムなどの弾性体によって構成されている。
【0044】
この構成において、搬送れてくる紙幣Pの先端部が当接ローラ41に当接すると、その衝撃により検知レバー7は回転軸6を中心して上方に回動して検知ローラ5が上方に跳ね上がる。この検知ローラ5の跳ね上りは当接ローラ41が弾性ローラであるため、検知ローラ5だけの場合よりも軽減される。
【0045】
また、当接ローラ41と検知ローラ5との間隔は、紙幣Pの先端が検知ローラ5の位置に侵入するタイミングと、検知ローラ5が跳ね上がってから戻るまでのタイミングとがほぼ一致するように設定されている。
【0046】
これにより、紙幣Pは検知ローラ5に強く衝突することなく進行し、紙幣Pの厚さに検知ローラ5が追従することができる。
【0047】
この実施の形態によれば、厚さ測定精度の向上だけでなく、紙幣Pとの衝突による検知ローラ5と検知レバー7の跳ね上りを押さえていたバネ材10の押圧力を軽減することが可能となる。従って、検知ローラ5のベアリング寿命や基準ローラ3の摩耗を低減することができる。
【0048】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図2】図1の厚さ検知装置の検知レバーの接続構造を示す図。
【図3】図1の厚さ検知装置の検知レバーの取付角度に狂いがある状態を示す図。
【図4】図3の検知レバーに取り付けられる検知ローラの位置が矯正された状態を示す図。
【図5】図2の検知レバーの接続構造の第1の変形例を示す図。
【図6】図2の検知レバーの接続構造の第2の変形例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図8】従来の紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図9】図8の厚さ検知装置を示す側面図。
【図10】図8の厚さ検知装置による紙幣の厚さ測定曲線を示すグラフ図。
【図11】図8の厚さ検知装置の検知レバーの取付角度に狂いがある状態を示す図。
【図12】図11の検知レバーに取り付けられる検知ローラがロックする状態を示す図。
【符号の説明】
【0050】
P…紙葉類、3…基準ローラ、5…検知ローラ、6…第1の回転軸、7…検知レバー、8…取付部(取付手段)、9…測定センサ(検出手段)、10…バネ材(押圧手段)、
17…第2の回転軸、25…ボールジョイント、31…弾性体、41…当接ローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、紙幣の分類、整理をする紙幣分類機、或いは紙幣の入出金をする自動預出金機等の紙幣処理機に適用され、紙幣の厚さを検知する厚さ検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の厚さ検知装置としては、例えば、図8に示すようなものが知られている。
即ち、厚さ検知装置101は、回転軸102に取り付けられる基準ローラ103を備え、この基準ローラ103の上部側には金属製の検知ローラ105が設けられている。この検知ローラ105は基準ローラ103の上面部に接触、又は非接触の状態で対向され、この検知ローラ5と基準ローラ3との間を紙幣Pが通過するようになっている。
【0003】
検知ローラ105は図9に示すように基準ローラ103の軸方向に沿って所定間隔を存して複数個配設され、検知レバー107の先端部に回転軸104を介して取り付けられている。検知レバー107の基端部は回転軸106を介して取付部108に接続され、検知レバー107は回転軸106を中心として回動することにより、その先端部側を上下動させて検知ローラ105を基準ローラ103に対して接離する方向に変位させるようになっている。
【0004】
検知レバー107の先端部側には被検出片122が突設され、この被検出片122の下面部には検知ローラ105の変位量を測定する検出手段としての測定センサ109が離間対向されている。
【0005】
また、検知レバー107の先端上面部にはローラ111が設けられ、このローラ111の上面部には押圧手段としてのバネ材110の先端部側が当接されている。このバネ材110の基端部側は、取付部108に取り付けられている。バネ材110によりローラ111を押圧して検知ローラ105を基準ローラ103に押し付けることにより、検知レバー107の跳ね上がり等の不要な振動や、紙幣Pの膨らみ等の影響による検知誤差を抑制するようになっている。
【0006】
測定センサ109は、例えばポテンショメータ又はMRセンサ等で構成され、回転軸106の回転角度を検出するものであり、これにより紙幣Pの厚さが検知可能となっている。
【0007】
なお、厚さ検知装置は1台の現金処理機の搬送系上に複数台配設され、検知ローラ105の位置を紙幣の幅方向にずらして設置している。これにより紙幣の全面の厚さ検知をカバーすることが可能となっている。
【0008】
上記した構成において、紙幣Pが検知ローラ105と基準ローラ103との間に導入されて通過すると、検知ローラ105が基準ローラ103から上方に変位され、この変位量が測定センサ109により測定され、この測定値に基づいて紙幣Pの厚さが検出される。
【0009】
ところで、搬送されてくる紙幣Pの速度は数m/sと高速であるため、検知ローラ105と基準ローラ103との間への導入時に、その先端部が検知ローラ105に当接すると、検知ローラ105には大きな衝撃が加わる。このため、検知ローラ105は、図10の厚さ測定曲線に示すように基準ローラ103に対して浮き上がる方向に跳ね上げられて測定空白時間が発生する。
【0010】
この測定空白時間において紙幣Pは数ミリ搬送されてしまうので、この間、紙幣Pの厚さを検知することができなくなる。従って、可能な限り早く検知ローラ105の跳ね上りを低減させる必要がある。このため、通常は、押圧手段としての板バネ110の押圧力を高くするようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−154064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、板バネ110の押圧力を高くすると、検知ローラ105と基準ローラ103との摩擦抵抗力が大きくなるため、検知ローラ105を支える検知レバー107と基準ローラ103の回転軸102との垂直度が、図11に示すように少しでも狂いがあると、検知ローラ105に基準ローラ103の回転軸方向の力が働くこととなる。この結果、図12に示すように検知ローラ105の回転軸104と外輪112には曲げ応力が生じて、べアリング114aのリテーナ114bと外輪112が焼きついてロックするという問題が生じている。なお、回転軸104は内輪113内に挿入されている。
【0012】
また、検知ローラ105の外輪112が基準ローラ103に対して傾斜していることから、検知ローラ105は基準ローラ103の表面部に対して振動し、厚さ検出信号の精度が悪くなるという欠陥が生じている。
【0013】
また、板バネ110の押圧力を高くすると、検知ローラ105のベアリングの寿命が短くなってしまう。さらに、基準ローラ103と検知ローラ105の摩耗が促進され、基準ローラ103には磨耗痕が深く刻まれることとなり、検知ローラ105による紙幣の厚さ測定精度が低下する。
【0014】
以上説明したように検知ローラ105の跳ね上り時間を抑制する目的から高いバネ圧で検知ローラ105を押圧する機構であるために、検知ローラ105が傾斜して厚さ検知の精度が低下するだけでなく、基準ローラ103や検知ローラ105の寿命が短いという問題がある。
【0015】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、第1の目的は、検知レバーの取付精度を高くしなくとも、検知ローラの焼きつきを防止できるようにし、また、第2の目的は、押圧手段の押圧力を低くした状態でも検知ローラの跳ね上がりを迅速に戻すことができるようにした紙葉類の厚さ検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、基準ローラと、この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、前記検知ローラが前記基準ローラに対し接離する方向、及び前記基準ローラの軸方向に沿って移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、前記検知ローラを前記基準ローラ側に弾性的に押圧する押圧手段と、前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載のものは、基準ローラと、この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、この検知レバーの前記検知ローラよりも前記紙葉類搬送方向上流側に位置し、かつ前記基準ローラに対向して設けられ、前記搬送されてくる紙葉類を当接させて通過させる当接ローラと、前記検知ローラ及び前記当接ローラが前記基準ローラに対し接離する方向に移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、前記検知ローラを弾性的に押圧する押圧手段と、前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明は、検知レバーの取付精度を高くしなくとも、検知ローラの焼きつきを防止でき、また、第2の発明は、押圧手段の押圧力を低くした状態でも検知ローラの跳ね上がりを迅速に戻すことができるようにした紙葉類の厚さ検知装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図である。
この厚さ検知装置は、例えば、紙幣搬送系の紙幣鑑査部内に設けられ、紙幣の2枚取りや、テープ貼り等を検知するようになっている。
【0020】
厚さ検知装置1は、回転軸2に取り付けられる基準ローラ3を備え、この基準ローラ3の上部側には金属製の検知ローラ5が設けられている。この検知ローラ5は基準ローラ3の上面部に接触、又は非接触の状態で対向され、この検知ローラ5と基準ローラ3との間を紙幣Pが通過するようになっている。
【0021】
検知ローラ5は基準ローラ3の軸方向に沿って所定間隔を存して複数個配設され、検知レバー7の先端部に回転軸4を介して取り付けられている。検知レバー7の基端部は後で詳しく述べるように取付手段としての取付部8に可動自在に取り付けられている。
【0022】
また、各検知レバー7の先端部側には被検出片22がそれぞれ突設され、これら被検出片22の下面部には検知ローラ5の変位量を測定する検出手段としての測定センサ9が離間対向されている。
【0023】
また、検知レバー7の先端上面部にはローラ11が設けられ、このローラ11の上面部には押圧手段としてのバネ材10の先端部側が当接されている。このバネ材10の基端部側は、取付部8に取り付けられている。バネ材10によりローラ11を押圧して検知ローラ5を基準ローラ3に押し付けることにより、検知レバー7の跳ね上がり等の不要な振動や、紙幣Pの膨らみ等の影響による検知誤差を抑制するようになっている。
【0024】
測定センサ9は、例えばポテンショメータ又はMRセンサ等で構成され、回転軸6の回転角度を検出するものであり、これにより紙幣Pの厚さが検知可能となっている。
【0025】
なお、厚さ検知装置は1台の現金処理機の搬送系上に複数台配設され、検知ローラ5の位置を紙幣の幅方向にずらして設置している。これにより紙幣の全面の厚さ検知をカバーすることが可能となっている。
【0026】
上記した構成において、紙幣Pが検知ローラ5と基準ローラ3との間に導入されて通過すると、検知ローラ5が基準ローラ3から上方に変位され、この変位量が測定センサ9により測定され、この測定値に基づいて紙幣Pの厚さが検出される。
【0027】
ところで、搬送されてくる紙幣Pの速度は数m/sと高速であるため、検知ローラ5と基準ローラ3との間への導入時に、その先端部が検知ローラ5に当接すると、検知ローラ5には大きな衝撃が加わる。このため、検知ローラ5は、図10の厚さ測定曲線に示すように基準ローラ3に対して浮き上がる方向に跳ね上げられて測定空白時間が発生する。
【0028】
この測定空白時間において紙幣Pは数ミリ搬送されてしまうので、この間、紙幣Pの厚さを検知することができなくなる。従って、可能な限り早く検知ローラ5の跳ね上りを低減させる必要がある。このため、通常は、押圧手段としての板バネ10の押圧力を高くするようにしている。
【0029】
図2は上記した検知レバー7の取付構造を示すものである。
即ち、図中15は、検知レバー7の基端部側を第1の回転軸16を介して回動自在に接続する可動ブロック15で、この可動ブロック15は第1の回転軸16と直交する方向に沿って設けられる第2の回転軸17を介して取付部8に回動自在に取り付けられている。第1の回転軸16は検知ローラ5の回転軸4と平行に設けられ、第2の回転軸17は第1の回転軸16と直交する方向に沿って設けられている。
【0030】
検知レバー7は第1の回転軸16を中心として回動することにより、検知ローラ5を基準ローラ3に対し接離する方向に移動させ、第2の回転軸17を中心として回動することにより、検知ローラ5を基準ローラ3の軸方向に沿って移動させることができるようになっている。
【0031】
ところで、板バネ10の押圧力を高くすると、検知ローラ5と基準ローラ3との摩擦抵抗力が大きくなるため、検知ローラ5を支える検知レバー7と基準ローラ3のローラ回転軸2との垂直度が、図3に示すように少しでも狂いがあると、検知ローラ5に基準ローラ3の回転軸方向の力が働くこととなる。
【0032】
しかしながら、このときには、検知レバー7が基準ローラ3の回転強制力により第2の回転軸17を中心にして基準ローラ3の軸方向に回動するため、従来のような曲げ応力が検知レバー7に作用することがなく、検知ローラ5のベアリング14aを傾ける力は低減される。従って、ベアリング14aのリテーナ14bと外輪12が焼きついてロックすることを防止できる。なお、図中13は回転軸4を挿入させる内輪である。
また、検知ローラ5の外輪12は基準ローラ3に対して傾斜しないため、検知ローラ5の振動を防止でき、厚さ検出信号の精度も良好に維持できる。
【0033】
一方、基準ローラ3は、表面硬度がHRc70以上の材料で構成されている。
基準ローラ3に接触している検知ローラ5の外輪12は、一般にSUJ2などの軸受鋼が使用されている。この軸受鋼の硬さは、約Rc60であるため、焼入れ,焼き戻しした鋼ではせいぜいHRc60〜65である。即ち、基準ローラ3と検知ローラ5は、同じ鋼系の金属であるために凝着摩耗を生じるといった問題があった。
【0034】
これを解決するため基準ローラ3を硬さHRc70以上のハードフエイシング層で構成する。具体的には超硬合金(WC−Co)、粉末ハイス(炭化物、TiN)などの耐摩耗材を鋼ローラに溶射し、研削して基準ローラ3を製作する。
【0035】
これにより、比較的経済的に高耐磨耗性で寸法精度の高い基準ローラ3を製作することができる。基準ローラ3が炭化物系や窒化物系の耐摩耗材料であるため、検知ローラ5との凝着摩耗を防止できる。従って、検知ローラ5の摩耗も低減し、単純な鋼製に比較して寿命が大幅に改善でき、トータルとして経済的な基準ローラ3を提供することができる。
【0036】
上記した実施の形態によれば、検知レバー7の取付精度が高くない場合であっても、検知ローラ5が基準ローラ3に対して傾斜することがないので、検知ローラ5の外輪12と回転軸4の傾きによるリテーナ14bの焼き付きを防止でき、検知ローラ5の寿命を改善できる。
【0037】
さらに、検知ローラ5の外輪13の偏摩耗と、基準ローラ3の表面の摩耗痕が大幅に軽減されるので初期の測定精度を維持できる。
【0038】
図5は、検知レバー7の接続構造の第1の変形例を示すものである。
この第1の変形例では、検知レバー7をボールジョイント25を介して取付部8に接続している。ボールジョイント25は、複数個のコロ26を介して取付部8に取り付けられている。
【0039】
このようにボールジョイント25を用いることにより、検知レバー7は取付時の精度に係わらずに基準ローラ3の回転方向と一致した方向に向くとともに、バネ材10によって基準ローラ3に押し付けられている検知ローラ5は傾くことなく基準ローラ3に自動的に接触する。
【0040】
図6は、検知レバー7の接続構造の第2の変形例を示すものである。
この第2の変形例では、検知レバー7をゴム等のような弾性体31を介して取付部8に接続している。
【0041】
このように弾性体31を用いることにより、バネ材10の押圧力と基準ローラ3の回転強制力により検知レバー7の方向と検知ローラ5の基準ローラ3に対する姿勢を容易に矯正することができる。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施の形態である厚さ検知装置を示す構成図である。
なお、図1で示した部分と同一部分について同一番号を付してその説明を省略する。
【0043】
この実施の形態では、検知レバー7の検知ローラ5よりも紙幣搬送方向上流側に位置して当接ローラ41を取り付けている。当接ローラ41は検知ローラ5と一定間隔を存して並列状態で、かつ基準ローラ3に接触する状態で取り付けられている。この当接ローラ41は、金属ローラではなく、ゴムなどの弾性体によって構成されている。
【0044】
この構成において、搬送れてくる紙幣Pの先端部が当接ローラ41に当接すると、その衝撃により検知レバー7は回転軸6を中心して上方に回動して検知ローラ5が上方に跳ね上がる。この検知ローラ5の跳ね上りは当接ローラ41が弾性ローラであるため、検知ローラ5だけの場合よりも軽減される。
【0045】
また、当接ローラ41と検知ローラ5との間隔は、紙幣Pの先端が検知ローラ5の位置に侵入するタイミングと、検知ローラ5が跳ね上がってから戻るまでのタイミングとがほぼ一致するように設定されている。
【0046】
これにより、紙幣Pは検知ローラ5に強く衝突することなく進行し、紙幣Pの厚さに検知ローラ5が追従することができる。
【0047】
この実施の形態によれば、厚さ測定精度の向上だけでなく、紙幣Pとの衝突による検知ローラ5と検知レバー7の跳ね上りを押さえていたバネ材10の押圧力を軽減することが可能となる。従って、検知ローラ5のベアリング寿命や基準ローラ3の摩耗を低減することができる。
【0048】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図2】図1の厚さ検知装置の検知レバーの接続構造を示す図。
【図3】図1の厚さ検知装置の検知レバーの取付角度に狂いがある状態を示す図。
【図4】図3の検知レバーに取り付けられる検知ローラの位置が矯正された状態を示す図。
【図5】図2の検知レバーの接続構造の第1の変形例を示す図。
【図6】図2の検知レバーの接続構造の第2の変形例を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態である紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図8】従来の紙葉類の厚さ検知装置を示す正面図。
【図9】図8の厚さ検知装置を示す側面図。
【図10】図8の厚さ検知装置による紙幣の厚さ測定曲線を示すグラフ図。
【図11】図8の厚さ検知装置の検知レバーの取付角度に狂いがある状態を示す図。
【図12】図11の検知レバーに取り付けられる検知ローラがロックする状態を示す図。
【符号の説明】
【0050】
P…紙葉類、3…基準ローラ、5…検知ローラ、6…第1の回転軸、7…検知レバー、8…取付部(取付手段)、9…測定センサ(検出手段)、10…バネ材(押圧手段)、
17…第2の回転軸、25…ボールジョイント、31…弾性体、41…当接ローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準ローラと、
この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、
この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、
前記検知ローラが前記基準ローラに対し接離する方向、及び前記基準ローラの軸方向に沿って移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、
前記検知ローラを前記基準ローラ側に弾性的に押圧する押圧手段と、
前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項2】
前記取付手段は、第1の回転軸、及びこの第1の回転軸に直交する第2の回転軸を有し、前記第1の回転軸回りに前記検知レバーを回動させることにより前記検知ローラを前記基準ローラに対し接離する方向に変位させ、前記第2の回転軸回りに前記検知レバーを回動させることにより前記検知ローラを前記基準ローラの軸方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項3】
前記取付手段は、ボールジョイントを有し、このボールジョイントを介して前記検知レバーを取り付けることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項4】
前記取付手段は、弾性体を有し、この弾性体を介して前記検知レバーを取り付けることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項5】
基準ローラと、
この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、
この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、
この検知レバーの前記検知ローラよりも前記紙葉類搬送方向上流側に位置し、かつ前記基準ローラに対向して設けられ、前記搬送されてくる紙葉類を当接させて通過させる当接ローラと、
前記検知ローラ及び前記当接ローラが前記基準ローラに対し接離する方向に移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、
前記検知ローラを弾性的に押圧する押圧手段と、
前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項6】
前記検知ローラと前記当接ローラとの間隔は、前記当接ローラに紙葉類が当接するのに基づいて前記基準ローラから離間する方向に変位した前記検知ローラが初期位置に復帰するタイミングと、前記紙葉類が前記検知ローラに到達するタイミングが略一致するように設定されていることを特徴とする請求項5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項7】
前記当接ローラは、弾性体で構成されたことを特徴とする請求項5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項8】
前記基準ローラの表層は、前記検知ローラの表層よりも硬質であることを特徴とする請求項1又は5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項9】
前記基準ローラの表層は、硬さHRc70以上の耐磨耗性の材料で構成され、前記検知ローラの表層は、硬さHRc60の耐磨耗性の材料で構成されることを特徴とする請求項8記載の紙葉類厚さ検知装置。
【請求項10】
前記基準ローラの表層は、超硬合金もしく粉末ハイスを溶射した層であることを特微とする請求項8記載の紙葉類厚さ検知装置。
【請求項1】
基準ローラと、
この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、
この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、
前記検知ローラが前記基準ローラに対し接離する方向、及び前記基準ローラの軸方向に沿って移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、
前記検知ローラを前記基準ローラ側に弾性的に押圧する押圧手段と、
前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項2】
前記取付手段は、第1の回転軸、及びこの第1の回転軸に直交する第2の回転軸を有し、前記第1の回転軸回りに前記検知レバーを回動させることにより前記検知ローラを前記基準ローラに対し接離する方向に変位させ、前記第2の回転軸回りに前記検知レバーを回動させることにより前記検知ローラを前記基準ローラの軸方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項3】
前記取付手段は、ボールジョイントを有し、このボールジョイントを介して前記検知レバーを取り付けることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項4】
前記取付手段は、弾性体を有し、この弾性体を介して前記検知レバーを取り付けることを特徴とする請求項1記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項5】
基準ローラと、
この基準ローラに対向して設けられ、前記基準ローラとの間に紙葉類を通過させる検知ローラと、
この検知ローラを一端部側に取り付ける検知レバーと、
この検知レバーの前記検知ローラよりも前記紙葉類搬送方向上流側に位置し、かつ前記基準ローラに対向して設けられ、前記搬送されてくる紙葉類を当接させて通過させる当接ローラと、
前記検知ローラ及び前記当接ローラが前記基準ローラに対し接離する方向に移動するように前記検知レバーの他端部側を可動自在に取り付ける取付手段と、
前記検知ローラを弾性的に押圧する押圧手段と、
前記基準ローラと前記検知ローラとの間に紙葉類が存在するときの前記検知ローラの前記基準ローラから離間する方向への変位量に基づいて前記紙葉類の厚さを検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項6】
前記検知ローラと前記当接ローラとの間隔は、前記当接ローラに紙葉類が当接するのに基づいて前記基準ローラから離間する方向に変位した前記検知ローラが初期位置に復帰するタイミングと、前記紙葉類が前記検知ローラに到達するタイミングが略一致するように設定されていることを特徴とする請求項5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項7】
前記当接ローラは、弾性体で構成されたことを特徴とする請求項5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項8】
前記基準ローラの表層は、前記検知ローラの表層よりも硬質であることを特徴とする請求項1又は5記載の紙葉類の厚さ検知装置。
【請求項9】
前記基準ローラの表層は、硬さHRc70以上の耐磨耗性の材料で構成され、前記検知ローラの表層は、硬さHRc60の耐磨耗性の材料で構成されることを特徴とする請求項8記載の紙葉類厚さ検知装置。
【請求項10】
前記基準ローラの表層は、超硬合金もしく粉末ハイスを溶射した層であることを特微とする請求項8記載の紙葉類厚さ検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−44739(P2008−44739A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222641(P2006−222641)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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