説明

細胞の増殖を阻害するための細胞変性物質としての特異的DNA分子を含む細胞の使用法

本発明は、細胞の増殖を阻害することができる細胞変性物質としての特異的DNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法に関するものであり、前記阻害は、これらの増殖細胞が上述したDNA分子を含む前記細胞と接触したときに得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質としての特異的DNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法に関するものであり、前記阻害は、これらの増殖細胞が上述のDNA分子を含む前記細胞に接触したときに得られる。
【背景技術】
【0002】
ガン治療のために現状で用いられている薬剤は、腫瘍を根絶するためには十分に効果的ではなく、非腫瘍細胞に対する強い毒性を有していることが多い。腫瘍を標的とすることのできる、かつ/または腫瘍細胞の薬剤耐性の問題を回避することのできる新たな薬剤は研究途上である。ガンの中では、結腸ガンの発症率と死亡率が高く、特に欧州と合衆国では5年生存率が低い。
【0003】
近年の研究は、ガンの治療または予防を目的とした乳酸菌の使用に関係するものである(米国特許出願公開第2005108033号明細書および米国特許出願公開第2004120963号明細書)。関与する作用のメカニズムは分かっていないが、乳酸菌によって付与される保護は、腸管微生物叢によって発ガン物質の産生が減少すること、および/または、乳酸菌によるこれらの発ガン物質の除去に由来している可能性がある。
【0004】
抗生物質および抗真菌物質については、感染の原因となっている細菌および真菌の耐性に関する多くの問題のために、現状で用いられている薬剤の効果が低下している。したがって、新たなクラスの薬剤が必要とされている。
【0005】
現状で利用されている抗炎症薬は非常に効果的であるが、特に長期の利用において毒性の副作用を有しており、このことは、炎症性疾患に罹患している患者にとっての主要な問題となっている。
【0006】
DSM6601としても知られるプロバイオティクスNissle1917は、Ardeypharm社によってMutaflor(登録商標)としてドイツで市販されている大腸菌株である。Mutaflor(登録商標)は、回復期にある潰瘍性大腸炎の治療のためのものである。
【0007】
独国特許第10209958号明細書は、炎症性皮膚疾患およびリウマチ性疾患の治療を目的とした、消炎剤としてのDSM6601株の使用法に関するものである。
【0008】
独国特許第10126284号明細書は、腸管侵入性細菌、または、サルモネラ菌、リステリア菌、赤痢菌、エルシニア菌および侵入性大腸菌のような他の微生物に関連する病気の予防および治療を目的とした、DSM6601大腸菌株の使用法に関するものである。
【0009】
国際公開第99/26642号パンフレットは、獣医学における、病原性真菌が関与する、微生物を原因とする下痢の予防および治療を目的とした薬剤を産生するための、DSM6601株の使用法に関するものである。
【0010】
大腸菌は、グラム陰性桿菌による感染の最も一般的な原因である。それは、女性における地域感染型の尿路感染、および入院中の患者の間での院内感染の病因であることが多い(1)。この病原体の多能性は、さまざまな毒性因子の産生から生じる(2)。病原菌は、防御系を乗り越え、生存を確実にするために、宿主細胞の基本的な機能を操る手段を発達させてきた(3)。宿主細胞周期を標的とし、感染した細胞が成長し分裂するか、あるいは死ぬかということに影響を与え得る、新たに特徴付けられている細菌毒性因子(周期モジュリン(cyclomodulin)と呼ばれる)が増えてきている(4)。これら周期モジュリンは、毒素、エフェクター、ポリケチド、またはポリケチド−ペプチド複合体である可能性がある。
【0011】
非リボソームペプチドは、アミド窒素のアシル化、グリコシル化、エピマー化、複素環化、またはN−メチル化によって修飾されていることの多い直鎖、環状、または分岐ペプチドであり、NRPS(非リボソームペプチド合成酵素)によって産生される。多くの非リボソームペプチドが薬剤として用いられている(たとえば、シクロスポリンA、ブレオマイシンなど)。
【0012】
ポリケチドは、特に細菌中で、PKS(ポリケチド合成酵素)酵素によって産生される非常に有用な活性化合物である。ポリケチドは、抗生物質(たとえばエリスロマイシンA)、抗真菌物質(アンフォテリンB)、抗腫瘍剤(ドキソルビシン)などとして、臨床的に幅広く利用されてきている。
【0013】
NRPS酵素およびPKS酵素は両方ともモジュール構造を有しており、各モジュールは機能的な構成要素である。得られる産物は、酵素におけるモジュールの順序と数から推定することができる。
【0014】
天然のポリケチド−ペプチド複合体はNRPS−PKS系によって産生される。化学反応によるポリケチドおよびポリケチド−ペプチド複合体の合成は非常に複雑であり、これらの化合物は通常、分子生物学によって産生される。
【0015】
薬剤としてポリケチド−ペプチド複合体を用いることの利点は、該複合体が通常、タンパク質よりも免疫原性が低いということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の主要な目的は、細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質としての特性を前記細胞に付与する特異的なDNA分子をゲノム中に含む、天然細胞または形質転換細胞を提供することであり、前記阻害は、これらの増殖細胞が上述のDNA分子を含む前記細胞と接触したときに得られる。
【0017】
本発明のさらなる目的は、ヒトを含むほ乳類におけるガン性または非ガン性の過剰増殖性疾患の予防または治療に有用な薬学的組成物を提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、単離されたDNA分子、前記DNA分子を含んだベクター、前記ベクターによって形質転換された宿主細胞、および前記宿主細胞を含む薬学的組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、回復期にある潰瘍性大腸炎または慢性的な便秘を治療する薬剤の調製を目的とした、番号6601でDSMに寄託された大腸菌Nissle1917株の使用を除く、ゲノム中にDNA分子を含んだ細胞の使用法に関するものであり、該DNA分子は、
−随意に、配列番号2の配列のタンパク質をコードする配列番号1のヌクレオチド配列(ORF1)、あるいは、配列番号1の配列のタンパク質をコードするかまたはP4様バクテリオファージインテグラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号1から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号4の配列のタンパク質をコードする配列番号3のヌクレオチド配列(ORF2)、あるいは、配列番号4の配列のタンパク質をコードする、配列番号3から誘導された配列、ならびに
−配列番号6の配列のタンパク質をコードする配列番号5のヌクレオチド配列(ORF3)、あるいは、配列番号8の配列のタンパク質をコードする配列番号7のヌクレオチド配列(ORF3a)、あるいは、配列番号10の配列のタンパク質をコードする配列番号9のヌクレオチド配列(ORF3b)、あるいは、配列番号6、8もしくは10の配列のタンパク質をコードするかまたはチオエステラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号5、7もしくは9から誘導された配列、ならびに
−配列番号12の配列のタンパク質をコードする配列番号11のヌクレオチド配列(ORF4)、あるいは、配列番号14の配列のタンパク質をコードする配列番号13のヌクレオチド配列(ORF4a)、あるいは、配列番号16の配列のタンパク質をコードする配列番号15のヌクレオチド配列(ORF4b)、あるいは、配列番号18の配列のタンパク質をコードする配列番号17のヌクレオチド配列(ORF4c)、あるいは、配列番号12、14、16もしくは18の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはβラクタマーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号11、13、15もしくは17から誘導された配列、ならびに
−配列番号20の配列のタンパク質をコードする配列番号19のヌクレオチド配列(ORF5)、あるいは、配列番号22の配列のタンパク質をコードする配列番号21のヌクレオチド配列(ORF5a)、あるいは、配列番号24の配列のタンパク質をコードする配列番号23のヌクレオチド配列(ORF5b)、あるいは、配列番号26の配列のタンパク質をコードする配列番号25のヌクレオチド配列(ORF5c)、あるいは、配列番号20、22、24もしくは26の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号19、21、23もしくは25から誘導された配列、ならびに
−配列番号28の配列のタンパク質をコードする配列番号27のヌクレオチド配列(ORF6)、あるいは、配列番号30の配列のタンパク質をコードする配列番号29のヌクレオチド配列(ORF6a)、あるいは、配列番号32の配列のタンパク質をコードする配列番号31のヌクレオチド配列(ORF6b)、あるいは、配列番号34の配列のタンパク質をコードする配列番号33のヌクレオチド配列(ORF6c)、あるいは、配列番号36の配列のタンパク質をコードする配列番号35のヌクレオチド配列(ORF6d)、あるいは、配列番号38の配列のタンパク質をコードする配列番号37のヌクレオチド配列(ORF6e)、あるいは、配列番号28、30、32、34、36もしくは38の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号27、29、31、33、35もしくは37から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号40の配列のタンパク質をコードする配列番号39のヌクレオチド配列(ORF7)、あるいは、配列番号42の配列のタンパク質をコードする配列番号41のヌクレオチド配列(ORF7a)、あるいは、配列番号44の配列のタンパク質をコードする配列番号43のヌクレオチド配列(ORF7b)、あるいは、配列番号46の配列のタンパク質をコードする配列番号45のヌクレオチド配列(ORF7c)、あるいは、配列番号40、42、44もしくは46の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはMATE様排出ポンプ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号39、41、43もしくは45から誘導された配列、ならびに
−配列番号48の配列のタンパク質をコードする配列番号47のヌクレオチド配列(ORF8)、あるいは、配列番号50の配列のタンパク質をコードする配列番号49のヌクレオチド配列(ORF8a)、あるいは、配列番号52の配列のタンパク質をコードする配列番号51のヌクレオチド配列(ORF8b)、あるいは、配列番号54の配列のタンパク質をコードする配列番号53のヌクレオチド配列(ORF8c)、あるいは、配列番号48、50、52もしくは54の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアミダーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号47、49、51もしくは53から誘導された配列、ならびに
−配列番号56の配列のタンパク質をコードする配列番号55のヌクレオチド配列(ORF9)、あるいは、配列番号58の配列のタンパク質をコードする配列番号57のヌクレオチド配列(ORF9a)、あるいは、配列番号60の配列のタンパク質をコードする配列番号59のヌクレオチド配列(ORF9b)、あるいは、配列番号62の配列のタンパク質をコードする配列番号61のヌクレオチド配列(ORF9c)、あるいは、配列番号56、58、60もしくは62の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号55、57、59もしくは61から誘導された配列、ならびに
−配列番号64の配列のタンパク質をコードする配列番号63のヌクレオチド配列(ORF10)、あるいは、配列番号66の配列のタンパク質をコードする配列番号65のヌクレオチド配列(ORF10a)、あるいは、配列番号68の配列のタンパク質をコードする配列番号67のヌクレオチド配列(ORF10b)、あるいは、配列番号70の配列のタンパク質をコードする配列番号69のヌクレオチド配列(ORF10c)、あるいは、配列番号64、66、68もしくは70の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号63、65、67もしくは69から誘導された配列、ならびに
−配列番号72の配列のタンパク質をコードする配列番号71のヌクレオチド配列(ORF11)、あるいは、配列番号74の配列のタンパク質をコードする配列番号73のヌクレオチド配列(ORF11a)、あるいは、配列番号76の配列のタンパク質をコードする配列番号75のヌクレオチド配列(ORF11b)、あるいは、配列番号78の配列のタンパク質をコードする配列番号77のヌクレオチド配列(ORF11c)、あるいは、配列番号72、74、76もしくは78の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号71、73、75もしくは77から誘導された配列、ならびに
−配列番号80の配列のタンパク質をコードする配列番号79のヌクレオチド配列(ORF12)、あるいは、配列番号82の配列のタンパク質をコードする配列番号81のヌクレオチド配列(ORF12a)、あるいは、配列番号84の配列のタンパク質をコードする配列番号83のヌクレオチド配列(ORF12b)、あるいは、配列番号86の配列のタンパク質をコードする配列番号85のヌクレオチド配列(ORF12c)、あるいは、配列番号80、82、84もしくは86の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号79、81、83もしくは85から誘導された配列、ならびに
−配列番号88の配列のタンパク質をコードする配列番号87のヌクレオチド配列(ORF13)、あるいは、配列番号90の配列のタンパク質をコードする配列番号89のヌクレオチド配列(ORF13a)、あるいは、配列番号92の配列のタンパク質をコードする配列番号91のヌクレオチド配列(ORF13b)、あるいは、配列番号94の配列のタンパク質をコードする配列番号93のヌクレオチド配列(ORF13c)、あるいは、配列番号88、90、92もしくは94の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはマロニル−CoA−アシル基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号87、89、91もしくは93から誘導された配列、ならびに
−配列番号96の配列のタンパク質をコードする配列番号95のヌクレオチド配列(ORF14)、あるいは、配列番号98の配列のタンパク質をコードする配列番号97のヌクレオチド配列(ORF14a)、あるいは、配列番号100の配列のタンパク質をコードする配列番号99のヌクレオチド配列(ORF14b)、あるいは、配列番号102の配列のタンパク質をコードする配列番号101のヌクレオチド配列(ORF14c)、あるいは、配列番号96、98、100もしくは102の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアシル−CoA−脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号95、97、99もしくは101から誘導された配列、ならびに
−配列番号104の配列のタンパク質をコードする配列番号103のヌクレオチド配列(ORF15)、あるいは、配列番号106の配列のタンパク質をコードする配列番号105のヌクレオチド配列(ORF15a)、あるいは、配列番号108の配列のタンパク質をコードする配列番号107のヌクレオチド配列(ORF15b)、あるいは、配列番号110の配列のタンパク質をコードする配列番号109のヌクレオチド配列(ORF15c)、あるいは、配列番号104、106、108もしくは110の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはD−アラニルキャリアータンパク質活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号103、105、107もしくは109から誘導された配列、ならびに
−配列番号112の配列のタンパク質をコードする配列番号111のヌクレオチド配列(ORF16)、あるいは、配列番号114の配列のタンパク質をコードする配列番号113のヌクレオチド配列(ORF16a)、あるいは、配列番号116の配列のタンパク質をコードする配列番号115のヌクレオチド配列(ORF16b)、あるいは、配列番号118の配列のタンパク質をコードする配列番号117のヌクレオチド配列(ORF16c)、あるいは、配列番号112、114、116もしくは118の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは3−ヒドロキシアシル−CoA脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号111、113、115もしくは117から誘導された配列、ならびに
−配列番号120の配列のタンパク質をコードする配列番号119のヌクレオチド配列(ORF17)、あるいは、配列番号122の配列のタンパク質をコードする配列番号121のヌクレオチド配列(ORF17a)、あるいは、配列番号124の配列のタンパク質をコードする配列番号123のヌクレオチド配列(ORF17b)、あるいは、配列番号126の配列のタンパク質をコードする配列番号125のヌクレオチド配列(ORF17c)、あるいは、配列番号120、122、124もしくは126の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号119、121、123もしくは125から誘導された配列、ならびに
−配列番号128の配列のタンパク質をコードする配列番号127のヌクレオチド配列(ORF18)、あるいは、配列番号130の配列のタンパク質をコードする配列番号129のヌクレオチド配列(ORF18a)、あるいは、配列番号132の配列のタンパク質をコードする配列番号131のヌクレオチド配列(ORF18b)、あるいは、配列番号134の配列のタンパク質をコードする配列番号133のヌクレオチド配列(ORF18c)、あるいは、配列番号136の配列のタンパク質をコードする配列番号135のヌクレオチド配列(ORF18d)、あるいは、配列番号138の配列のタンパク質をコードする配列番号137のヌクレオチド配列(ORF18e)、あるいは、配列番号128、130、132、134、136もしくは138の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号127、129、131、133、135もしくは137から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号140の配列のタンパク質をコードする配列番号139のヌクレオチド配列(ORF19)、あるいは、配列番号142の配列のタンパク質をコードする配列番号141のヌクレオチド配列(ORF19a)、あるいは、配列番号144の配列のタンパク質をコードする配列番号143のヌクレオチド配列(ORF19b)、あるいは、配列番号140、142もしくは144の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはLuxR様調節因子活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号139、141もしくは143から誘導された配列、ならびに
−配列番号146の配列のタンパク質をコードする配列番号145のヌクレオチド配列(ORF20)、あるいは、配列番号148の配列のタンパク質をコードする配列番号147のヌクレオチド配列(ORF20a)、あるいは、配列番号150の配列のタンパク質をコードする配列番号149のヌクレオチド配列(ORF20b)、あるいは、配列番号146、148もしくは150の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは4−ホスホパンテテイン基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号145、147もしくは149から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号152の配列のタンパク質をコードする配列番号151のヌクレオチド配列(ORF21)、あるいは、配列番号154の配列のタンパク質をコードする配列番号153のヌクレオチド配列(ORF21a)、あるいは、配列番号156の配列のタンパク質をコードする配列番号155のヌクレオチド配列(ORF21b)、あるいは、配列番号152、154もしくは156の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットAの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号151、153もしくは155から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号158の配列のタンパク質をコードする配列番号157のヌクレオチド配列(ORF22)、あるいは、配列番号160の配列のタンパク質をコードする配列番号159のヌクレオチド配列(ORF22a)、あるいは、配列番号162の配列のタンパク質をコードする配列番号161のヌクレオチド配列(ORF22b)、あるいは、配列番号158、160もしくは162の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットBの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号157、159もしくは161から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号164の配列のタンパク質をコードする配列番号163のヌクレオチド配列(ORF23)、あるいは、配列番号166の配列のタンパク質をコードする配列番号165のヌクレオチド配列(ORF23a)、あるいは、配列番号168の配列のタンパク質をコードする配列番号167のヌクレオチド配列(ORF23b)、あるいは、配列番号164、166もしくは168の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号163、165もしくは167から誘導された配列、
を細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質として含んでおり、該阻害は、これらの増殖細胞が上述したDNA分子を含む前記細胞と接触したときに得られるものである。
【0020】
「ゲノム中にDNA分子を含む」という表現は、前記DNA分子が染色体またはレプリコン内に組み込まれて細胞内に存在することを意味する。
【0021】
「レプリコン」は、それ自身の制御下で複製することのできるあらゆる遺伝因子を指す。レプリコンは、たとえば、プラスミド、コスミド、または細菌人工染色体(BAC)である。
【0022】
「細胞変性物質」という表現は、細胞増殖の不可逆的な阻害を誘発する物質を指す。
【0023】
細胞増殖の阻害は、細胞増殖試験、たとえば、DNA合成の際のBrdUの取り込みに基づく従来のテスト、あるいは、蛍光活性化細胞選別装置(FACS)、放射線で標識したDNA前駆体の取り込み、細胞集団の分裂指数のスコアリング、または細胞集団の全質量の増加(成長曲線)もしくはタンパク質合成率の増加のスコアリングによる細胞集団のDNA含量の分析のような、その他のテストによって評価することができる。
【0024】
「誘導タンパク質」という表現は、上述した配列のタンパク質に相同的であり、同一の活性を有するタンパク質に関するものである。相同タンパク質は、上述したタンパク質との少なくとも75%、特徴的には少なくとも90%、より特徴的には少なくとも95%の同一性を有する。
【0025】
上記で定義したヌクレオチド配列はDNAであり、好ましくは二本鎖DNAである。ORF(オープンリーディングフレーム)という用語はタンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。
【0026】
タンパク質をコードするヌクレオチド配列またはDNAは、mRNAに転写されるヌクレオチド配列であり、mRNAはその後、対応するタンパク質に翻訳される。タンパク質のコード配列は開始コドン(メチオニンまたはバリン)および終止コドンを含み得る。
【0027】
本発明はまた、相同なヌクレオチド配列にも関するものであり、該配列は、上記で説明したヌクレオチド配列と少なくとも75%の同一性を有し、特徴的には少なくとも90%、さらに特徴的には少なくとも95%の同一性を有しており、同一の活性を有するタンパク質をコードしている。
【0028】
相同なヌクレオチド配列は、特徴的には遺伝コードの縮重によって上記で説明したタンパク質をコードする。
【0029】
「P4様バクテリオファージインテグラーゼ活性を有するタンパク質」とは、一過的なDNA−タンパク質の連結を形成することでゲノムDNA分子への外来DNAの組み込みを触媒するタンパク質を意味する。このインテグラーゼをコードする遺伝子は細胞変性効果には必要とされない。
【0030】
「チオエステラーゼ活性を有するタンパク質」とは、エステル結合を触媒するタンパク質を意味する(Arch Microbiol.1998 May;169(5):404−10)。
【0031】
「βラクタマーゼ活性を有するタンパク質」とは、ベータ・ラクタム化合物の加水分解を触媒するタンパク質を意味する(J Mol Biol.1991 Jul 20;220(2):435−55)。
【0032】
「ポリケチド合成酵素活性を有するタンパク質」とは、ポリケチドの合成を触媒する調節タンパク質を意味する(Science.2004 Mar 19;303(5665):1805−10)。
【0033】
「非リボソームペプチド合成酵素活性を有するタンパク質」とは、非リボソームペプチドの合成を触媒する調節タンパク質を意味する(Science.2004 Mar 19;303(5665):1805−10)。
【0034】
「MATE様排出ポンプ活性を有するタンパク質」とは、排出トランスポーターとして機能するMATEファミリーの膜貫通タンパクを意味する(Mol Microbiol.1999 Jan;31(1):394−5)。
【0035】
Brownら(1999,Mol.Microbiol.31,393−395)は、トランスポーターの多剤毒性化合物排出(multidrug and toxic compound extrusion:MATE)ファミリーと呼ばれる第五のファミリーを定義した。MATEファミリーは、12の推定膜貫通領域が存在することと、その他の多剤トランスポータースーパーファミリーに特異的な「シグネチャー配列」が存在しないことを特徴としている。MATEタンパク質は、二つのファミリーメンバーである、腸炎ビブリオのNorMと、その相同体である大腸菌のYdeHの遺伝的特徴付けに基づき、プロトン依存性の排出トランスポーターとして機能すると考えられている。大腸菌におけるこれらのタンパク質の発現は、さまざまな抗生物質および抗菌剤に抵抗力を付与するが、該抵抗力は、原形質膜を隔ててのプロトン勾配の維持に依存している。MATE遺伝子は細菌および植物において豊富であり、シロイヌナズナ遺伝子は少なくとも54のMATEファミリーメンバーを含んでいるが、ほ乳類では発見されていない。NorMおよびYdeHの他には、これらのタンパク質に関して利用可能な機能的情報は非常に少ない。
【0036】
「アミダーゼ活性を有するタンパク質」とは、アミドを加水分解するタンパク質を意味する(Biochim Biophys Acta.1991 Feb 16;1088(2):225−33)。
【0037】
「マロニル−CoA−アシル基転移酵素活性を有するタンパク質」とは、マロニル−CoAからアシルキャリアータンパク質へのマロニル部分の転移を触媒するタンパク質を意味する(J Biol Chem.1995 Jun 2;270(22):12961−4)。
【0038】
「アシル−CoA−脱水素酵素活性を有するタンパク質」とは、アシル−CoAチオエステルの脱水素化を触媒するタンパク質を意味する(J Biol Chem.1989 Sep 25;264(27):16321−31)。
【0039】
「D−アラニルキャリアータンパク質活性を有するタンパク質」とは、アラニル基を結合するタンパク質を意味する(J Biol Chem.1995 Jun 30;270(26):15598−606)。
【0040】
「3−ヒドロキシアシル−CoA−脱水素酵素活性を有するタンパク質」とは、ヒドロキシアシル−CoA−チオエステルの脱水素化を触媒するタンパク質を意味する(J Biol Chem.1989 Sep 25;264(27):16321−31)。
【0041】
「LuxR様調節因子活性を有するタンパク質」とは、翻訳を活性化させるLuxRファミリーのタンパク質を意味する(J Bacteriol.1994 Jan;176(2):269−75)。
【0042】
「4−ホスホパンテテイン基転移酵素活性を有するタンパク質」とは、補酵素Aから非リボソームペプチド合成酵素およびポリケチド合成酵素のpp結合ドメインへ4’−ホスホパンテテイン部分を転移させるタンパク質を意味する(Chem Biol.1996 Nov;3(11):923−36)。
【0043】
「トランスポザーゼ活性を有するタンパク質」とは、部位特異的なDNAの組換えに関与するタンパク質を意味する(J Bacteriol.1986 Feb;165(2):341−7)。
【0044】
本発明はまた、上記で定義した細胞の使用法にも関するものであり、該使用法は、
−配列番号145、147もしくは149、および随意に配列番号1、ならびに/または配列番号139、141もしくは143、ならびに/または配列番号151、153もしくは155、ならびに/または配列番号157、159もしくは161、ならびに/または配列番号163、165および167が、5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられていること、
−配列番号5、7もしくは9、配列番号11、13、15もしくは17、配列番号19、21、23もしくは25、配列番号27、29、31、33、35もしくは37、配列番号47、49、51もしくは53、配列番号55、57、59もしくは61、配列番号63、65、67もしくは69、配列番号71、73、75もしくは77、配列番号79、81、83もしくは85、配列番号87、89、91もしくは93、配列番号95、97、99もしくは101、配列番号103、105、107もしくは109、配列番号111、113、115もしくは117、配列番号119、121、123もしくは125、配列番号127、129、131、133、135もしくは137、および随意に配列番号3、ならびに/または配列番号39、41、43もしくは45が、先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられていること
を特徴としている。
【0045】
「先の鎖に相補的な鎖」という表現は、前記鎖が、ワトソン−クリックの相互作用によって先の鎖のセンスヌクレオチドと水素結合を形成することのできる、相補的なオリゴヌクレオチドであることを意味する。二本鎖DNAの相補的な鎖は逆平行である。
【0046】
非対称的な形状のために、DNA鎖は識別可能な方向を有している。DNA鎖は5’から3’の方向で読まれ、「5’」という用語はDNA鎖のリン酸末端を指し、「3’」という用語はDNA鎖の−OH末端を指す。
【0047】
RNAはRNAポリメラーゼによって5’→3’の方向で合成され、該RNAポリメラーゼはしたがって、3’→5’の方向でDNA鋳型を読み取る。
【0048】
一つの実施態様において、本発明は、さらに特徴的には、配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含むDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号1、配列番号139、141または143、配列番号145、147または149、配列番号151、153または155、配列番号157、159または161、ならびに配列番号163、165および167、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列、
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の、上記で定義した使用法に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号2のタンパク質、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、配列番号146、148または150のタンパク質、配列番号152、154または156のタンパク質、配列番号158、160または162のタンパク質、ならびに配列番号164、166および168のタンパク質をコードする。
【0049】
好ましい実施態様では、本発明はさらに特徴的には、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号145、147または149、および配列番号139、141または143、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の、上記で定義した使用法に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする。
【0050】
もう一つの好ましい実施態様では、本発明は、さらに特徴的には、配列番号169のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含むDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられている配列番号145、147または149、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向に位置づけられている、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにそれらの相補的な配列
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の、上記で定義した使用法に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする。
【0051】
本発明はさらに、天然状態においてゲノム中に上記で定義したDNA分子を含む細胞の、上述した使用法にも関するものである。
【0052】
「天然状態において」という表現は、前記DNA分子を天然では含まず、人為的介入によって前記DNAで形質転換された細胞とは逆に、前記DNA分子が天然で細胞内に存在していることを意味する。
【0053】
本発明は、より特徴的には、細菌細胞または真菌細胞から選択される上記で定義した細胞の、上述の使用法に関するものである。
【0054】
本発明は、より特徴的には、
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される、上記で定義した細胞の、上述の使用法に関するものである。
【0055】
本発明はまた、配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含む、6601という番号でDSMに寄託された大腸菌Nissle1917株に対応する細胞の、上述の使用法にも関するものである。
【0056】
本発明はまた、上記で定義したDNA分子で形質転換されている、前記DNA分子をゲノム中に含む細胞の、上述した使用法にも関するものである。
【0057】
物理的形質転換、特にエレクトロポレーション、または、ポリエチレングリコール処理あるいはリン酸カルシウム沈殿のような化学的形質転換などの、当技術分野でよく知られた方法により、細胞を前記DNA分子で形質転換する。
【0058】
本発明はさらに、細菌細胞または真菌細胞から選択される、上記で定義した前記DNA分子で形質転換した細胞の、上述の使用法に関するものである。
【0059】
より特徴的には、本発明は、
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される、上記で定義した前記DNA分子で形質転換した細胞の、上述の使用法に関するものである。
【0060】
本発明は、ガン性または非ガン性の増殖細胞から選択される細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質としての、上記で定義した細胞の上述の使用法に関するものである。
【0061】
また、本発明は、ヒトを含むほ乳類における、ガン性または非ガン性の過剰増殖性疾患の予防または治療に有効な薬学的組成物の調製を目的とした、上記で定義した細胞の使用法に関するものである。
【0062】
より特徴的には、本発明は、脳、肺、扁平上皮細胞、膀胱、胃、膵臓、胸部、頭部、頸部、腎臓(renal)、腎臓(kidney)、卵巣、前立腺、結腸直腸、食道、婦人科系、または甲状腺のガンのようなガンの予防または治療に有効な薬学的組成物の調製を目的とした、上記で定義した細胞の使用法に関するものである。
【0063】
また本発明は、より特徴的には、良性の皮膚の過形成(乾癬)または前立腺の過形成(良性の前立腺肥大)、腎臓病(増殖性糸球体腎炎および糖尿病が誘発する腎臓病)のような、非ガン性の過剰増殖性疾患の予防または治療に有効な薬学的組成物の調製を目的とした、上記で定義した細胞の使用法に関するものである。
【0064】
本発明はまた、より特徴的には、炎症性皮膚疾患および皮膚炎のような炎症性疾患の予防または治療に有効な薬学的組成物の調製を目的とした、上記で定義した細胞の使用法に関するものである。
【0065】
本発明はまた、単離されたDNA分子にも関するものであり、該DNA分子は、
−随意に、配列番号2の配列のタンパク質をコードする配列番号1のヌクレオチド配列(ORF1)、あるいは、配列番号1の配列のタンパク質をコードするかまたはP4様バクテリオファージインテグラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号1から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号4の配列のタンパク質をコードする配列番号3のヌクレオチド配列(ORF2)、あるいは、配列番号4の配列のタンパク質をコードする、配列番号3から誘導された配列、ならびに
−配列番号6の配列のタンパク質をコードする配列番号5のヌクレオチド配列(ORF3)、あるいは、配列番号8の配列のタンパク質をコードする配列番号7のヌクレオチド配列(ORF3a)、あるいは、配列番号10の配列のタンパク質をコードする配列番号9のヌクレオチド配列(ORF3b)、あるいは、配列番号6、8もしくは10の配列のタンパク質をコードするかまたはチオエステラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号5、7もしくは9から誘導された配列、ならびに
−配列番号12の配列のタンパク質をコードする配列番号11のヌクレオチド配列(ORF4)、あるいは、配列番号14の配列のタンパク質をコードする配列番号13のヌクレオチド配列(ORF4a)、あるいは、配列番号16の配列のタンパク質をコードする配列番号15のヌクレオチド配列(ORF4b)、あるいは、配列番号18の配列のタンパク質をコードする配列番号17のヌクレオチド配列(ORF4c)、あるいは、配列番号12、14、16もしくは18の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはβラクタマーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号11、13、15もしくは17から誘導された配列、ならびに
−配列番号20の配列のタンパク質をコードする配列番号19のヌクレオチド配列(ORF5)、あるいは、配列番号22の配列のタンパク質をコードする配列番号21のヌクレオチド配列(ORF5a)、あるいは、配列番号24の配列のタンパク質をコードする配列番号23のヌクレオチド配列(ORF5b)、あるいは、配列番号26の配列のタンパク質をコードする配列番号25のヌクレオチド配列(ORF5c)、あるいは、配列番号20、22、24もしくは26の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号19、21、23もしくは25から誘導された配列、ならびに
−配列番号28の配列のタンパク質をコードする配列番号27のヌクレオチド配列(ORF6)、あるいは、配列番号30の配列のタンパク質をコードする配列番号29のヌクレオチド配列(ORF6a)、あるいは、配列番号32の配列のタンパク質をコードする配列番号31のヌクレオチド配列(ORF6b)、あるいは、配列番号34の配列のタンパク質をコードする配列番号33のヌクレオチド配列(ORF6c)、あるいは、配列番号36の配列のタンパク質をコードする配列番号35のヌクレオチド配列(ORF6d)、あるいは、配列番号38の配列のタンパク質をコードする配列番号37のヌクレオチド配列(ORF6e)、あるいは、配列番号28、30、32、34、36もしくは38の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号27、29、31、33、35もしくは37から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号40の配列のタンパク質をコードする配列番号39のヌクレオチド配列(ORF7)、あるいは、配列番号42の配列のタンパク質をコードする配列番号41のヌクレオチド配列(ORF7a)、あるいは、配列番号44の配列のタンパク質をコードする配列番号43のヌクレオチド配列(ORF7b)、あるいは、配列番号46の配列のタンパク質をコードする配列番号45のヌクレオチド配列(ORF7c)、あるいは、配列番号40、42、44もしくは46の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはMATE様排出ポンプ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号39、41、43もしくは45から誘導された配列、ならびに
−配列番号48の配列のタンパク質をコードする配列番号47のヌクレオチド配列(ORF8)、あるいは、配列番号50の配列のタンパク質をコードする配列番号49のヌクレオチド配列(ORF8a)、あるいは、配列番号52の配列のタンパク質をコードする配列番号51のヌクレオチド配列(ORF8b)、あるいは、配列番号54の配列のタンパク質をコードする配列番号53のヌクレオチド配列(ORF8c)、あるいは、配列番号48、50、52もしくは54の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアミダーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号47、49、51もしくは53から誘導された配列、ならびに
−配列番号56の配列のタンパク質をコードする配列番号55のヌクレオチド配列(ORF9)、あるいは、配列番号58の配列のタンパク質をコードする配列番号57のヌクレオチド配列(ORF9a)、あるいは、配列番号60の配列のタンパク質をコードする配列番号59のヌクレオチド配列(ORF9b)、あるいは、配列番号62の配列のタンパク質をコードする配列番号61のヌクレオチド配列(ORF9c)、あるいは、配列番号56、58、60もしくは62の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号55、57、59もしくは61から誘導された配列、ならびに
−配列番号64の配列のタンパク質をコードする配列番号63のヌクレオチド配列(ORF10)、あるいは、配列番号66の配列のタンパク質をコードする配列番号65のヌクレオチド配列(ORF10a)、あるいは、配列番号68の配列のタンパク質をコードする配列番号67のヌクレオチド配列(ORF10b)、あるいは、配列番号70の配列のタンパク質をコードする配列番号69のヌクレオチド配列(ORF10c)、あるいは、配列番号64、66、68もしくは70の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号63、65、67もしくは69から誘導された配列、ならびに
−配列番号72の配列のタンパク質をコードする配列番号71のヌクレオチド配列(ORF11)、あるいは、配列番号74の配列のタンパク質をコードする配列番号73のヌクレオチド配列(ORF11a)、あるいは、配列番号76の配列のタンパク質をコードする配列番号75のヌクレオチド配列(ORF11b)、あるいは、配列番号78の配列のタンパク質をコードする配列番号77のヌクレオチド配列(ORF11c)、あるいは、配列番号72、74、76もしくは78の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号71、73、75もしくは77から誘導された配列、ならびに
−配列番号80の配列のタンパク質をコードする配列番号79のヌクレオチド配列(ORF12)、あるいは、配列番号82の配列のタンパク質をコードする配列番号81のヌクレオチド配列(ORF12a)、あるいは、配列番号84の配列のタンパク質をコードする配列番号83のヌクレオチド配列(ORF12b)、あるいは、配列番号86の配列のタンパク質をコードする配列番号85のヌクレオチド配列(ORF12c)、あるいは、配列番号80、82、84もしくは86の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号79、81、83もしくは85から誘導された配列、ならびに
−配列番号88の配列のタンパク質をコードする配列番号87のヌクレオチド配列(ORF13)、あるいは、配列番号90の配列のタンパク質をコードする配列番号89のヌクレオチド配列(ORF13a)、あるいは、配列番号92の配列のタンパク質をコードする配列番号91のヌクレオチド配列(ORF13b)、あるいは、配列番号94の配列のタンパク質をコードする配列番号93のヌクレオチド配列(ORF13c)、あるいは、配列番号88、90、92もしくは94の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはマロニル−CoA−アシル基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号87、89、91もしくは93から誘導された配列、ならびに
−配列番号96の配列のタンパク質をコードする配列番号95のヌクレオチド配列(ORF14)、あるいは、配列番号98の配列のタンパク質をコードする配列番号97のヌクレオチド配列(ORF14a)、あるいは、配列番号100の配列のタンパク質をコードする配列番号99のヌクレオチド配列(ORF14b)、あるいは、配列番号102の配列のタンパク質をコードする配列番号101のヌクレオチド配列(ORF14c)、あるいは、配列番号96、98、100もしくは102の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアシル−CoA−脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号95、97、99もしくは101から誘導された配列、ならびに
−配列番号104の配列のタンパク質をコードする配列番号103のヌクレオチド配列(ORF15)、あるいは、配列番号106の配列のタンパク質をコードする配列番号105のヌクレオチド配列(ORF15a)、あるいは、配列番号108の配列のタンパク質をコードする配列番号107のヌクレオチド配列(ORF15b)、あるいは、配列番号110の配列のタンパク質をコードする配列番号109のヌクレオチド配列(ORF15c)、あるいは、配列番号104、106、108もしくは110の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはD−アラニルキャリアータンパク質活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号103、105、107もしくは109から誘導された配列、ならびに
−配列番号112の配列のタンパク質をコードする配列番号111のヌクレオチド配列(ORF16)、あるいは、配列番号114の配列のタンパク質をコードする配列番号113のヌクレオチド配列(ORF16a)、あるいは、配列番号116の配列のタンパク質をコードする配列番号115のヌクレオチド配列(ORF16b)、あるいは、配列番号118の配列のタンパク質をコードする配列番号117のヌクレオチド配列(ORF16c)、あるいは、配列番号112、114、116もしくは118の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは3−ヒドロキシアシル−CoA脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号111、113、115もしくは117から誘導された配列、ならびに
−配列番号120の配列のタンパク質をコードする配列番号119のヌクレオチド配列(ORF17)、あるいは、配列番号122の配列のタンパク質をコードする配列番号121のヌクレオチド配列(ORF17a)、あるいは、配列番号124の配列のタンパク質をコードする配列番号123のヌクレオチド配列(ORF17b)、あるいは、配列番号126の配列のタンパク質をコードする配列番号125のヌクレオチド配列(ORF17c)、あるいは、配列番号120、122、124もしくは126の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号119、121、123もしくは125から誘導された配列、ならびに
−配列番号128の配列のタンパク質をコードする配列番号127のヌクレオチド配列(ORF18)、あるいは、配列番号130の配列のタンパク質をコードする配列番号129のヌクレオチド配列(ORF18a)、あるいは、配列番号132の配列のタンパク質をコードする配列番号131のヌクレオチド配列(ORF18b)、あるいは、配列番号134の配列のタンパク質をコードする配列番号133のヌクレオチド配列(ORF18c)、あるいは、配列番号136の配列のタンパク質をコードする配列番号135のヌクレオチド配列(ORF18d)、あるいは、配列番号138の配列のタンパク質をコードする配列番号137のヌクレオチド配列(ORF18e)、あるいは、配列番号128、130、132、134、136もしくは138の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号127、129、131、133、135もしくは137から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号140の配列のタンパク質をコードする配列番号139のヌクレオチド配列(ORF19)、あるいは、配列番号142の配列のタンパク質をコードする配列番号141のヌクレオチド配列(ORF19a)、あるいは、配列番号144の配列のタンパク質をコードする配列番号143のヌクレオチド配列(ORF19b)、あるいは、配列番号140、142もしくは144の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはLuxR様調節因子活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号139、141もしくは143から誘導された配列、ならびに
−配列番号146の配列のタンパク質をコードする配列番号145のヌクレオチド配列(ORF20)、あるいは、配列番号148の配列のタンパク質をコードする配列番号147のヌクレオチド配列(ORF20a)、あるいは、配列番号150の配列のタンパク質をコードする配列番号149のヌクレオチド配列(ORF20b)、あるいは、配列番号146、148もしくは150の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは4−ホスホパンテテイン基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号145、147もしくは149から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号152の配列のタンパク質をコードする配列番号151のヌクレオチド配列(ORF21)、あるいは、配列番号154の配列のタンパク質をコードする配列番号153のヌクレオチド配列(ORF21a)、あるいは、配列番号156の配列のタンパク質をコードする配列番号155のヌクレオチド配列(ORF21b)、あるいは、配列番号152、154もしくは156の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットAの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号151、153もしくは155から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号158の配列のタンパク質をコードする配列番号157のヌクレオチド配列(ORF22)、あるいは、配列番号160の配列のタンパク質をコードする配列番号159のヌクレオチド配列(ORF22a)、あるいは、配列番号162の配列のタンパク質をコードする配列番号161のヌクレオチド配列(ORF22b)、あるいは、配列番号158、160もしくは162の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットBの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号157、159もしくは161から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号164の配列のタンパク質をコードする配列番号163のヌクレオチド配列(ORF23)、あるいは、配列番号166の配列のタンパク質をコードする配列番号165のヌクレオチド配列(ORF23a)、あるいは、配列番号168の配列のタンパク質をコードする配列番号167のヌクレオチド配列(ORF23b)、あるいは、配列番号164、166もしくは168の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号163、165もしくは167から誘導された配列、
からなるか、またはこれらを含んでいる。
【0066】
もう一つの実施態様によると、本発明は、配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列からなるDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号1、配列番号139、141または143、配列番号145、147または149、配列番号151、153または155、配列番号157、159または161、ならびに配列番号163、165および167、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列、
からなるか、またはこれらを含む、単離されたDNA分子に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号2のタンパク質、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、配列番号146、148または150のタンパク質、配列番号152、154または156のタンパク質、配列番号158、160または162のタンパク質、ならびに配列番号164、166および168のタンパク質をコードする。
【0067】
好ましい実施態様によると、本発明は、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号145、147または149、および配列番号139、141または143、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列
からなるか、またはこれらを含む、単離されたDNA分子に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする。
【0068】
もう一つの好ましい実施態様では、本発明は、さらに特徴的には、配列番号169のヌクレオチド配列とその相補的な配列からなるDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられている配列番号145、147または149、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向に位置づけられている、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにそれらの相補的な配列
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の、上記で定義した使用法に関するものであり、
前記DNA分子は、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする。
【0069】
本発明はまた、上記で定義したDNA分子を含む、ファージミド、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、または酵母人工染色体(YAC)のような、形質導入可能なクローニングベクターに関するものである。
【0070】
「ベクター」は、その他の遺伝子配列または遺伝要素を結合し得るレプリコンであり、したがって前記遺伝子配列または遺伝要素はレプリコンと同時に複製される。
【0071】
プロモーター、エンハンサー、翻訳開始シグナル、ポリアデニル化シグナル、ターミネーターなどのようなさまざまな遺伝子調節制御エレメントをベクターに組み込むことで、宿主細胞におけるDNA分子の発現を促進することができる。
【0072】
さらに、本発明は上記で定義したベクターで形質転換した宿主細胞に関するものである。
【0073】
本発明による宿主細胞は、原核宿主細胞、特に大腸菌のような細菌細胞、または真核細胞を含む。
【0074】
宿主細胞は、エレクトロポレーション、ポリエチレングリコール処理、リン酸カルシウム沈殿などの、当技術分野において良く知られた形質転換方法によって形質転換される。
【0075】
本発明は、細菌細胞または真菌細胞から選択される、上記で定義した宿主細胞に関するものである。
【0076】
本発明は、より特徴的には、
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される、上記で定義した宿主細胞に関するものである。
【0077】
もう一つの実施態様によると、本発明は、上記で定義した宿主細胞を生理学的に受容可能な担体との組み合わせで含んでいる薬学的組成物に関するものである。
【0078】
また、本発明は、経口投与、局所投与、直腸投与、または膣投与に適した形状をした、上記で定義した薬学的組成物にも関するものである。
【0079】
本発明の好ましい実施態様によると、細胞は薬学的組成物の中で凍結乾燥され、該薬学的組成物は、好ましくは、経口投与を目的としたカプセルおよび膣投与または直腸投与を目的とした座薬として製剤される。
【0080】
薬学的組成物は、水、緩衝生理食塩水、エタノール、ポリオール(たとえばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、グリセリンゼラチン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、オイル、清浄剤、懸濁剤、または適切なこれらの組み合わせのような、許容可能な担体とともに適切に製剤される。
【0081】
本発明はさらに、上記で定義した薬学的組成物に関するものであり、上記で定義した細胞の投与量が10個と1011個の細胞の間に含まれ、一日二回、毎日、週二回、毎週、月二回、または毎月投与されることを特徴としている。
【0082】
細胞の投与量および投与の長さは、所望の効果を実現するために必要な薬学的組成物の最低限のものである。
【0083】
本発明は、細胞変性物質として振る舞う細胞のスクリーニングを目的としたプローブとしての、上記で定義したDNA分子またはそれらの断片の使用法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】上皮(HeLa)細胞との相互作用の際の、生存している大腸菌によって誘発された形態変化。生存しているExPECのIHE3034株または研究所内のDH10B株を直接HeLa細胞に加えた。コントロールはHeLa細胞に細菌を加えていないものを示す。4時間の共培養の後、細菌を洗浄し、細胞をさらに72時間にわたってゲンタマイシンとインキュベートした(上パネル)。その他の実験では、相互作用培地で成長したIHE3034の細菌の上澄みを細胞変性活性について検査した(下パネル)。また細菌は、細胞の1mm上にある0.2μmの透過性の膜によって分離されたインサート内でも培養し(「インサート」)、または、細菌は細胞に加える前に100℃で殺した(「熱殺菌」)。ギムザ染色された細胞の顕微鏡写真を同一の倍率で撮影した。バー=100μm。
【図2】54kbのpksアイランドの概略的なマップ。細胞変性効果の消失という結果をもたらすIHE3034株およびSP15株へのトランスポゾン挿入の位置は、それぞれ黒と灰色のフラッグで示している。遺伝子産物がペプチド−ポリケチド合成および細胞変性効果に関与するORFは灰色で示している。細胞変性効果に厳密には必要ではないORFは白で示し、トランスポザーゼおよびインテグラーゼのORFは黒で示している。ORFの指定は以下でORFの記号で示している。予測されるタンパク質機能が示される。ppt:ホスホパンテテイン基転移酵素、nrps−pks:非リボソームペプチド合成酵素−ポリケチド合成酵素、pks:ポリケチド合成酵素、hcdh:ヒドロキシアシルcoA脱水素酵素、acp:アシルキャリアータンパク質、dhg:αβ脱水素酵素、at:アシル転移酵素、am:アミダーゼ、te:チオエステラーゼ。ドメイン予測プログラムPFAM、PSI/PHI−BLAST、SEARCH NRPS−PKS(http://www.nii.res.in/searchall.html)、およびNRPS予測装置(http://www−ab.informatik.uni−tuebingen.de/toolbox/index.php?view=domainpred)を組み合わせて用いることで、NRPSとPKSのドメイン構造を分析した。A:アデニル化、ACP/PCP:ホスホパンテテイン/アシルキャリアー、AT:アシル転移酵素、C:縮合、Cy:環化、DH:脱水素酵素、ER:エノイル還元酵素、KR:ケトアシル還元酵素、KS:ケトアシル合成酵素、OX:酸化。
【図3】DNA損傷カスケードの活性化と、pksアイランド+大腸菌に曝されたHeLa細胞における細胞周期の停止。図3A:HeLa細胞を二重チミジンブロックによってG1/Sに同調させ(「同調」)、あるいは、同調させないままとし(「非同調」)、それから細胞を、pksBACを有する研究所のDH10B株(BACpks)または空のベクターを有する研究所のDH10B株(BACベクター)に4時間にわたって曝した。感染の多重度(MOI)はHeLa細胞あたり100個の細菌である。細胞周期の進行は、細胞DNAの染色と、感染後の任意の時間におけるフローサイトメトリーによって観察した。図3B:G1/S同調HeLa細胞を前と同様に感染させ、DNA損傷経路の主要な構成要素(pATM、pCHk2、およびpCdkl)の活性化を、感染の48時間後に、タンパク質のリン酸化された形を認識する抗体を用い、ウェスタンブロッティングによって検査した。ポジティブコントロールとして、DNA損傷カスケード応答を活性化することで共に知られるエトポシドおよび精製したCDTで細胞を処理した。未処理の細胞(コントロール)も示している。アクチンはタンパク質ローディングコントロールとして示している。図3C:G1/S同調HeLa細胞を前と同様に感染させるかまたはエトポシドで処理し、曝露の48時間後、Cdc25Cの細胞内局在性を間接免疫蛍光法および共焦点顕微鏡法によって観察した。形質転換した細胞においてはCdc25の細胞質への隔離が見られた一方で、コントロールにおいてはCdc25Cが分裂中の細胞の核で見られた(矢印)。図3D:G1/S同調HeLa細胞を前と同様に感染させ、42時間インキュベートし、さらに1.5mMのカフェインで6時間処理したか、またはしなかった。細胞周期の分布を、ヨウ化プロピジウムを用いたフローサイトメトリーによって分析することで、DNA含量と、4nの集団のG2細胞から有糸分裂細胞を判別するための有糸分裂のリンタンパク質(MPM−2)に対する抗体とを評価した。有糸分裂細胞のパーセンテージは二変量解析で示している。
【図4】pksアイランド+大腸菌への曝露が宿主DNAの二本鎖の切断を誘発した。図4A:HeLa細胞を、BACpksまたは空ベクター(BACベクター)を有するDH10B(MOI=100)に曝し、感染の4時間後、リン酸化H2AX(γH2AX)およびDNAに関して間接免疫蛍光法によって検査した。図4B:HeLa細胞を所与の量(MOI20、100、および500)の細菌で感染させ、4時間後にγH2AXを免疫染色し、フローサイトメトリーによって定量した。図4C:HeLa細胞を図4Aにあるように感染させるか、またはエトポシドで処理し、そして、アガロース内へ埋め込み、溶解し、破壊されたDNAの核からの移動を可能にする中性条件の電界にかけた(中性コメットアッセイ)。DNAを染色し、蛍光顕微鏡によって検査した。図4D:HeLa細胞を図4Bにあるように感染させるか、またはエトポシドでよって処理し、コメットアッセイを行い、コメットテイルのモーメントの平均を測定した。MOI=20のDH10B pBACpksに曝されたHeLa細胞の単層が細胞の50%未満を形質転換したのに対し、MOI=100および500では細胞の100%が形質転換した(データは図示せず)。
【図5】完全なpksアイランドを有するBAC(BACpks)を有する研究所のDH10B株によるHeLa細胞の一過的な感染では、3日のうちに細胞体と核が肥大した一方で、細胞は分裂しなかった。完全なpksアイランドを有するBACにおけるppt遺伝子の定方向突然変異(ppt突然変異体)は細胞変性活性を無効にした。感染していないHeLa細胞(コントロール)、空ベクター(BACベクター)を有する研究所のDH10B株によって感染したHeLa細胞、および生きているExPECのIHE3034株によって感染したHeLa細胞も示している。
【図6】腸内細菌科におけるpksアイランドの分布の分析。図6A:参考株の大腸菌株収集物(ECOR)におけるpksアイランドの検出。pksアイランド陽性株は灰色で影をつけた。図6B:coliBASEデータベース(http://colibase.bham.ac.uk/)に含まれる大腸菌、赤痢菌(Shigella spp.)、サルモネラ菌(Salmonella spp.)、およびエルシニア菌(Yersinia spp.)の完全なゲノム配列においてpksアイランド(またはそのオルソログ)が生じる頻度の概略図。各ORFは、スケールバーで示すように(coliBASEゲノムブラウザ)、遺伝子のオルソログを含む比較に含まれる大腸菌(E.coli spp.)、赤痢菌(Shigela spp.)、サルモネラ菌(Salmonella spp.)、およびエルシニア菌(Yersinia spp.)のゲノムのパーセンテージに応じて色分けしている。pksアイランドの染色体の位置を示している。
【図7】インビトロの成長条件下におけるpksアイランドの選択された遺伝子の転写をRT−PCRで分析した。clbA(ホスホパンテテイン基転移酵素、ORF20)、clbB(ポリケチド合成酵素、ORF18)、clbC(ポリケチド合成酵素、ORF17)、およびclbD(3−ヒドロキシブチリル−CoA脱水素酵素、ORF16)の転写レベルを半定量RT−PCRで分析した。HeLa細胞の存在下(+共培養)または不存在下(−共培養)でインビトロで成長した細菌細胞からRNAを抽出した。RT−PCR分析用に指示されているように、単離したRNAの連続希釈を用いることで、さまざまな成長条件間での転写レベルを比較した。
【図8】上皮細胞におけるcolibactinによるG2チェックポイントの活性化モデル。Colibactinは、pksアイランドを有する大腸菌株に曝された真核宿主細胞では、直接的または間接的にDNA二本鎖の切断(DSB)を引き起こした。この損傷はATM−Chk2シグナル伝達経路を活性化し、Cdc25Cの細胞質への隔離およびCdk1の脱リン酸化の欠如をもたらし、場合によってはG2のブロックという結果になる。関与するリン酸化はアステリスクで示している。
【図9】大腸菌Nissle1917株(「WT」)またはNissle1917Δpks株(「MT」)を接種したラットの体重。
【図10】大腸菌Nissle1917株(「WT」)またはNissle1917Δpks株(「MT」)を接種したラットの排泄物における攻撃株の存在(細菌数、選択培地におけるコロニー形成単位)。
【図11】大腸菌Nissle1917株(「WT」)またはNissle1917Δpks株(「MT」)を接種したラットの結腸におけるDMH誘導の45日目の異常腺窩巣(ACF)の数。*有意差(フィッシャーの最小有意差検定、p<0.02)
【実施例1】
【0085】
I)発現産物が細胞に対する細胞変性効果を有する遺伝子クラスターの同定
実験方法
細菌株およびプラスミド
この研究に用いた原型の大腸菌株を表1に列挙する。72の大腸菌の参考株からなる集合を、さまざまな宿主およびさまざまな地理的位置から単離した(ECOR株収集物、H.Ochman,R.K.Selander,J Bacteriol 157,690(Feb.1984))。55の腸病原性大腸菌の分離株、97の腸外病原性大腸菌の分離株、および32の排泄物の株の収集物は、Institut fur Molekulare Infektionsbiologieの株収集物に属しており、該収集物は、病原性大腸菌または非病原性大腸菌における病原性アイランドの分布を研究するために既に用いられている(U.Dobrindt et al.,Infect Immun 70,6365(Nov,2002)、G.Schneider et al.,Infect Immun 72,5993(Oct,2004))。
【0086】
【表1】

【0087】
DNAシーケンシングおよび配列分析
HindIIIで部分的に消化しサイズ分離した、大腸菌IHE3034のゲノムDNAを、以前に説明されているように(C.Buchrieser et al.,Infect Immun 67,4851(Sep,1999))pBeloBAC11ベクター内にクローニングしてBAC(細菌人工染色体)ライブラリーを調製した。NotIによって消化した、ランダムにピックアップしたBACプラスミドの代表的なサンプルをPFGE分析して判断したところ、インサートのサイズ分布は70から150kbの範囲であり、平均サイズは100kbであった。このライブラリーをPCRでスクリーニングした。大腸菌IHE3034株のpksアイランド全体と隣接領域をカバーするBACクローン11/2を以下のようにシーケンシングした。小さなインサートライブラリー(2〜2.5kb)をコスミドDNAの機械的な剪断によって作成した(P.J.Oefner et al.,Nucleic Acids Res 24,3879(Oct 15,1996))。T4ポリメラーゼによる末端修復の後、断片をpTZ19Rベクターにライゲーションした。その結果得られたプラスミドを、ABI−377自動DNAシーケンサー(Applied Biosystems)で両方の末端からシーケンシングした。アセンブリの後、残っているギャップを、プラスミドのクローン上でのプライマーウォーキング法によって埋めた。STADENソフトウェアパッケージに実装されているPhrapソフトウェアを用いて配列データを集約し、編集した(R.Staden,K.F.Beal,J.K.Bonfield,Methods Mol Biol 132,115(2000))。完全なpksアイランドのヌクレオチド配列をEMBLデータベースに供した。相同性の調査を、国立バイオテクノロジー情報センターのBLASTN、BLASTX、PSI−BLAST、およびPHI−BLASTプログラムを用いて実施した(S.F.Altschul et al.,Nucleic Acids Res 25,3389(Sep 1,1997))。
【0088】
クローニング方法および突然変異誘発方法
EZ::TN Kan−2キット(Epicentre)を用いて、ExPECのIHE3034株およびSP15株のトランスポゾン突然変異体ライブラリーを作製した。選択した突然変異体の挿入位置は、AP−PCR、およびPCR産物のシーケンシングによって決定した。
標的遺伝子における突然変異株を、λRed組換えを用いて操作した(K.A.Datsenko,B.L.Wanner,Proc Natl Acad Sci USA 97,6640(Jun 6,2000))。突然変異誘発のプライマーは表2に記載している。フランキングプライマーを用いたPCRによって突然変異誘発の成功を確認した。これらのプライマーは表3に記載している。
IHE3034株におけるPAIの欠失を、λred組換えを介してアイランドの上流および下流に挿入されたFRT部位に対するFlpリコンビナーゼの作用によって得た。第一のFRT部位は、PKS1_newとPKS1.1_noFRT_pKD3のプライマー対を用いてpKD3から増幅されたPCR産物を用いてORF1の上流に染色体レベルで挿入した。第二のFRT部位は、PKS2_newおよびPKS2.1_noFRT_pKD4のプライマーを用いてpKD3から増幅されたPCR産物を用いてORF22の下流に染色体レベルで挿入した。欠失の成功は、サザンブロット分析およびフランキングプライマーpks−islandleft.1/2、pks−islandright.1/2、ORF9−10.1/2を用いたPCRによって確認した(表4)。
【0089】
【表2】

【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
突然変異体の相補性のための遺伝子クローニングは、high fidelity PCR増幅(DeepVent、New England Biolabs)と、pCR−Script(Stratagene)またはpCR−Blunt II−TOPO(Invitrogen)へのクローニングによって行った。必要であれば、遺伝子を適切なベクター(pASK75、pBRSK)へサブクローニングした。
【0093】
さまざまな大腸菌分離株におけるpksアイランドの検出。
ECORおよびIMIB株収集物の株におけるpksアイランドの存在を、表5にまとめたプライマー対を用いたPCRによって分析した。
【0094】
【表5】

【0095】
転写レベルの分析
転写レベルは限界希釈RT−PCR法を用いて判定した。感染のさまざまな時点において標準的な方法を用いて細菌RNAを単離した。4μgのRNA(SuperScript III、Invitrogen)から逆転写したcDNAの連続希釈物(1〜128×10−2)に対してPCRを実施した。転写レベルを、相互作用培地のみ(DMEM、5%FCS、25mMのHEPES)において同一の条件の下で成長した細菌の転写レベルと比較した。プライマー配列は表6にまとめている。
【0096】
【表6】

【0097】
細胞の培養、処理、および感染
HeLa細胞、CHO細胞、A375細胞、およびCaco−2細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)と50μg/mlのゲンタマイシンを添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)における連続継代によって維持した。G1/SにおけるHeLa細胞の同調を、ダブルチミジンブロックによって得た(2mMのチミジンにおける19時間のインキュベーションの後、チミジンなしで9時間のインキュベーションを行い、さらに2mMのチミジンと16時間のインキュベーションを行った)。エトポシドを40μMで4時間加えることで、コントロール細胞におけるDNA二本鎖の切断を誘発した。ATM/ATRを阻害するために、カフェイン処理を1.5mMで8時間行った。細菌感染のためには、大腸菌の一晩のLB培養物を相互作用培地(DMEM、5%FCS、25mMのHEPES)で希釈し、細胞培養物(〜50%のコンフルエンス)を、感染多重度100で、あるいはテキストで指示されているように感染させた。細胞は接種の4時間後に3〜6回洗浄し、分析まで、10%FCS、200μg/mlのゲンタマイシンを含むDMEM中でインキュベートした。インサートの検査のために、細菌を0.2μmのAnoporeメンブレンStrip Insert(Nunc)を用いて細胞から分離した。
【0098】
免疫蛍光顕微鏡検査法
形態の通常の視覚化のためにギムザ染色を用いた。細胞骨格の検査のために、4%のホルムアルデヒドを含むPBSで細胞を固定し、0.1%のトリトンを含むPBSで透過処理し、3%のBSAを含むPBSで飽和させ、そしてローダミン−ファロイジン(Molecular Probes)によってF−アクチンを標識し、微小管をラットの抗αチューブリン(Sera−lab)で、続いてFITC共役型のウサギ抗ラット抗体(Vector)で染色し、そしてDNAをDAPI(VectaShield、Vector)で標識した。H2AXのリン酸化を明らかにするために、細胞を95%のメタノールと5%の酢酸で固定し、マウスのモノクローナル抗ホスホH2AX抗体(Upstate)で、続いてヤギ抗マウスFITC抗体(Zymed)で飽和、染色した。画像は、DFC300FXデジタルカメラを備えたLeica DMRB蛍光顕微鏡を用いて得た。Cdc25Cの細胞内局在性に関しては、細胞を3.7%のホルムアルデヒドを含むPBSにおいて、4℃で30分間固定し、0.25%のトリトン−X100を含むPBSによって5分間、かつ100%の冷たいメタノールにおけるインキュベートによって−20℃で10分間透過処理し、抗Cdc25C抗体(C20、Santa Cruz)で、続いてFITC共役型の二次抗体(Zymed)で飽和、染色した。画像は、Olympus IX70共焦点顕微鏡およびFluoviewソフトウェアFV500を用いて得たのだが、共焦点の絞りは〜0.6μmのazの光学的厚みを達成するようにセットした。
【0099】
ウェスタンブロット分析
HeLa細胞を回収し、4〜8×10個の細胞を100μlの1×Laemliローディングバッファーに懸濁させ、5秒間超音波処理することでDNAを切断し、そして5分間100℃で加熱した。タンパク質を4〜12%または3〜8%のNuPage勾配ゲル(Invitrogen)上で分離し、ニトロセルロース膜に移し、10%のミルク緩衝液で飽和させ、抗ホスホATM、抗ホスホChk2(Cell Signaling Technology)、抗アクチン(ICN)で、続いてHRP共役型の二次抗体および化学発光オートラジオグラフィー(Lumiglo、Cell Signaling Technology)を用いて精査した。タンパク質ローディングは抗アクチンウェスタンブロットを用いて標準化した。
【0100】
細胞周期およびフローサイトメトリー分析
細胞はトリプシン処理によって回収した。有糸分裂のMPM−2抗原の染色のために、細胞を、90%のメタノールを含むPBSにおいて−20℃で1時間インキュベートし、1%のBSAを含むPBSで飽和させ、そして抗MPM−2抗体(Upstate)で、続いてFITC共役型の二次抗体(Zymed)で染色した。リン酸化したH2AXの染色のために、細胞を3.7%のホルムアルデヒドを含むPBSにおいて37℃で10分間固定し、90%の氷程度に冷たいメタノールにおいて30分間透過処理し、抗ホスホH2AX(Upstate)で、続いてFITC共役型の二次抗体(Zymed)で飽和、染色した。細胞は、場合によっては10μg/mlのヨウ化プロピジウム、1mg/mlのRNAseを含むPBSに懸濁させ、最も少ない10個の細胞におけるDNA/抗原含量をFACScaliburフローサイトメーター(Beckton Dickinson)によって分析した。
【0101】
コメットアッセイ
細胞をトリプシン処理によって回収し、アガロースに埋め込み、Trevigen CometAssayキットを用いて単細胞ゲル電気泳動(コメット)アッセイを行った。電気泳動の条件は、TBE(中性)緩衝液において2V/cmで4分間であった。コメット画像は、Leica DMRB蛍光顕微鏡を用いて得、コメットテイルのモーメントはScion Image(version4.0.3,plugin ScionComet1.3)によって定量した。
【0102】
結果
この研究では、本発明者は、大腸菌株には培養された真核細胞においてメガロサイトーシス(megalocytosis)の表現型を誘発するものがあることを観察したが、該表現型は、細胞体および核の肥大化と有糸分裂の欠如とを特徴としており(図1)、これは細胞増殖の不可逆的な阻害の指標である。この細胞変性効果は培養されたさまざまなほ乳類細胞(HeLa、Caco−2、CHO、A375)の一過性の感染において観察された。この効果は、新生児髄膜炎(たとえばIHE3034およびSP15)、尿路感染(たとえばJ96およびCFT073)から単離された原型のヒト病原性大腸菌株によって誘発され、また、片利共生株によっても同様に誘発されたが、研究所のK−12株、腸管病原性大腸菌(E2348/69)、または腸管出血性大腸菌(EDL933、Sakai)によっては誘発されなかった。細胞変性活性は接触依存性であり、細菌が0.2μmの透過性の膜によってHeLa細胞から隔てられているときには観察されなかった(図1)。さらに、熱殺菌された細菌、細菌培養の上澄み、外膜小胞画分、外膜画分、および全細胞溶解物は細胞毒性ではなかった(図1)。この効果は、細胞膨化致死毒素(5)、周期阻害因子(6)、細胞壊死因子(7)のような、宿主の細胞周期を変えることが知られている毒素の産生、あるいは、α溶血素(8)の産生によっては説明できず、また、これらの毒素遺伝子のない株または操作された突然変異株はHeLa細胞に対して細胞変性作用を有したままであった。
【0103】
この表現型に関与する細菌遺伝子を同定するために、本発明者は、培養した真核細胞においてメガロサイトーシスの表現型を誘発する二つの大腸菌株(IHE3034およびSP15)において、トランスポゾン突然変異体を生成した。細胞変性効果の誘発の消失について、5000の突然変異体をスクリーニングした。両方の株にあるネガティブ突然変異体は、54kbの染色体領域にクラスター化するトランスポゾンを有していた(図2)。この領域はゲノムアイランド(GEI)の典型的な特徴を示し、該領域を、大腸菌における、移動性の外来DNAエレメントにとっての頻度の高い組み込みホットスポットであるasnWのtRNA遺伝子座に挿入した(2)。このゲノムアイランドは53.1%のG+C含量を示し、16bpの重複配列に隣接され、そしてP4様インテグラーゼ遺伝子を染色体の挿入部位の下流に有する。このゲノムアイランドを新生児髄膜炎株IHE3034(登録番号AM229678)および尿路病原性株536(登録番号CP00247)においてシーケンシングした。SP15株(9)と片利共生株Nissle1917(10)の対応する染色体領域についてのサンプルのシーケンシングによって、これらの株において同様に同一のGEIが存在することが確認された。得られたDNA配列を、エラーを修正するための選択された領域の再シーケンシングの後に完全な対応を示す、CFT073株(11)の公開されている配列と比較した。メガロサイトーシスの表現型の誘発に対するこのゲノムアイランドの関与を確認するために、IHE3034株においてアイランド全体を欠失させ、非細胞変性性の突然変異体となるようにした。さらに、IHE3034株のゲノムBACライブラリーをスクリーニングし、完全なゲノムアイランドを有する二つのBACクローン、BAC11(インサート〜67kb)およびBAC18(インサート〜76kb)を同定した。BAC11またはBAC18を有する研究所の大腸菌DH10B株は、親株であるIHE3034と同様、一過的に感染させた細胞においてはメガロサイトーシスと増殖の停止とを引き起こしたのに対し、空のBACベクターを有するDH10Bはいかなる細胞変性効果も誘発しなかった(図5)。
【0104】
大腸菌種におけるこのゲノムアイランドの分布をテストするために、本発明者は、55の腸内病原性大腸菌株(腸管侵入性、腸管病原性、腸管出血性、腸管毒素原性、および腸管凝集性の大腸菌)、97の腸管外病原性大腸菌株(ExPEC)、および健康な個体の排泄物から単離した32の株を含む、190の大腸菌分離株の調査を行った。PCRスクリーニングにより、このゲノムアイランドが腸内病原性大腸菌株には存在しないが、ExPEC分離株と排泄物の分離株にはそれぞれ53%と34%存在することが示された。さらに、大腸菌の六つの主要な系統群(A、B1、C、E、D、およびB2)の株を含む完全なECOR収集物のPCRスクリーニングは、このゲノムアイランドがB2群に限定され、B2群においては幅広く分布することを示した(図6A)。この系統群は、片利共生株(12)と腸管外病原性株(13)を含んでいる。さらに、B2系統群のExPEC株についてのこのゲノムアイランドの特異性は、遺伝子が大腸菌のさまざまな病原型とその他の腸内細菌科におけるオルソログの存在に応じて色分けされる、大腸菌CFT073の環状ゲノムの図表示でも示された(図6B)。このゲノムアイランドとB2系統群の株との密接な関係は、該関係がこの群のメンバーによって得られることと、したがって安定して遺伝継承されることを示している。
【0105】
このゲノムアイランド上でコードされるORFの推定される酵素機能を同定した(図2および表7)。このゲノムアイランドは、以下ではpksアイランドと呼ぶが、非タンパク質性の、ペプチド−ポリケチド複合体化合物に対する合成機構をコードする。この機構は、3つの非リボソームペプチド巨大合成酵素(megasynthase)(NRPS)、3つのポリケチチド巨大合成酵素(PKS)、および2つの複合NRPS/PKS巨大合成酵素で構成される。NRPSおよびPKSは幅広く多くの機能を有する酵素であり、該酵素は、幅広い構造的活性および生物学的活性を有する非常に多様なペプチドとポリケチドを産生する細菌および菌類で見られる(14、15)。これらの分子は薬学および農産業によって広く用いられており、そこには、抗生物質(たとえばエリスロマイシン)、免疫抑制剤(たとえばシクロスポリン、ラパマイシン)、抗寄生虫剤(たとえばアベルメクチン)、および抗腫瘍剤(たとえばドキソルビシン、エポチロン、ブレオマイシン)が含まれる。また、ホスホパンテテイン基転移酵素(NRPS−PKS酵素の翻訳後活性化に必要とされる)、チオエステラーゼ(終結酵素として作用する)、および7種の推定されるアクセサリー酵素、テイラー酵素、編集酵素の遺伝子も該遺伝子座にコードされている(表7)。大腸菌におけるこれらPKSおよびNRPSの機能を知るために、それらのドメイン構造をコンピュータ内で分析し(図2)、典型的ではあるが複雑なモジュール構造を明らかにした。注目すべきは、ClbKにおけるチアゾール形成NRPSモジュールである(複素環化、システイン特異的アデニル化、酸化、およびペプチジルキャリアドメインで構成される)。チアゾール環は、臨床的に重要な多くの天然産物に共通の特徴的なファーマコフォアであり、たとえばペプチド−ポリケチドブレオマイシンの場合にDNAを挿入するなど(16)、重要な機能的エレメントである。
【0106】
本発明者は、BAC18を有するDH10B(pBACpks)におけるpksアイランド遺伝子のシステマチックな突然変異生成を実施した。さまざまなPKSおよびNRPS、PPTase、チオエステラーゼ、ならびに推定されるアクセサリー酵素およびテイラー酵素をコードする9つの遺伝子のうち8つが、接触依存性の細胞変性効果を誘発するために必要とされることが分かった。MATEファミリー(17)の推定上の排出ポンプをコードする遺伝子の突然変異のみ、細胞変性活性を変えることがなかったのだが、これはおそらく、染色体上のどこかにコードされているその他の排出ポンプがこの突然変異を保護している可能性があることによる(図2、表7)。RT−PCR実験は、遺伝子がインビトロ条件下で、また宿主細胞との接触中に転写されることを示した(図7)。これらの遺伝子分析は全体で、大腸菌のpksアイランドが、大腸菌K−12の遺伝的背景において、本発明者が「Colibactin」という名称を提案している細胞毒性のポリケチド−ペプチド複合体化合物の生合成および送達に必要かつ十分であることを示している。
【0107】
【表7】

【0108】
colibactinの作用様態を特徴付けるための過程において、本発明者は、細胞変性性の大腸菌株に一過的に曝した真核細胞の細胞周期を検査した。フローサイトメトリー分析は、大きな細胞の核が4nのDNA含量を有することを示した(図3A)。この所見は、感染した細胞の培養物において有糸分裂がないことと併せて(図1)、形質転換された細胞がG2/M移行時にブロックされることを示している。細胞がG1/S移行時で同調されその後細菌に曝される経時変化の実験では、DH10B pBACpksに曝された細胞がDNA合成(S)期に48時間もかかり、場合によってはG2/Mに滞留したのに対し、コントロールの細胞はS期を12時間未満で抜け、通常の細胞周期を続けたことを示した(図3A)。これらの所見によって、本発明者は、DNAの損傷に応答して細胞周期を停止させるチェックポイントが活性化されているかどうか実験することとした(18)。興味深いことに、DNA損傷応答における中心的なタンパク質であるATMは(19)、DH10B pBACpksに曝された細胞では活性化されたが(Ser1981でリン酸化された)、DH10Bベクターに曝された細胞では活性化されなかった(図3B)。ウェスタンブロット分析は、ATMのリン酸化がDH10B pBACpksへ曝した4時間後という早さで検出され得ることを示した(図示せず)。ATMのシグナル伝達物質Chk2も活性化され、そのリン酸化された形が検出された(図3B)。Chk2はCdc25タンパク質をリン酸化することが知られており、14−3−3タンパク質による細胞質保留により不活性化されるという結果になった。実際、本発明者は、Cdc25Cが、DH10B pBACpksに曝された細胞の核からは除去されるのに対し、分裂するコントロール細胞は核のCdc25Cを有していることを観察した(図3C)。Cdc25ホスファターゼの核移行は、鍵となる有糸分裂誘導因子Cdk1の脱リン酸化を活性化するために必要である。核のCdc25Cの排除と一致して、本発明者は、DH10B pBACpksに曝された細胞において、G2/Mブロックの説明となる、高いレベルのCdk1の不活性のリン酸化(Tyr−15)形態を観察した(図3B)。DNA損傷のカスケードがcolibactinによって活性化されるさらなる証拠は、ATMを阻害することで得られた。DH10B pBACpksに曝されたHeLa細胞を、ATM/ATR阻害剤であるカフェイン(20)を用いて処理した。4nの集団における有糸分裂リンタンパク質(MPM−2)陽性細胞の増加によって証明されるように、多くの細胞がM期に再び入ったため、G2ブロックはカフェイン処理によって軽減された(図3D)。これらの結果は全体として、ATMの活性化によって開始されるDNA損傷シグナルカスケードが、pksアイランドを有する大腸菌に曝すことによって十分に活性化されることを示している。
【0109】
colibactinがDNA損傷を生じさせるかどうかをさらに調べるために、本発明者はヒストンH2AXのリン酸化を観察した。リン酸化したH2AX(γH2AX)の発生は、DNA損傷物質に曝された後に細胞内で生じるDNA二本鎖切断の数の、感受性がある定量的なマーカーである(21)。DH10B pBACpksによるHeLa細胞の一過的な感染により、4時間以内に強いγH2AXの核シグナルが得られたが、DH10Bベクターでは得られなかった(図4A)。DH10B pBACpksに感染した細胞集団のγH2AXシグナルは、用量依存性の応答にしたがって増加し、100%の細胞を形質転換するために十分な細菌感染量で飽和に達した(図4B)。同様の結果が感染したCHO細胞とCaco−2細胞でも得られた。感染細胞におけるDNA鎖の切断の発生をさらにテストするため、本発明者は、中性の単細胞ゲル電気泳動(コメット)アッセイを行った。細菌に曝した4時間後、DH10B pBACpksに曝された細胞ではDNAの損傷を検出することができたが、DH10Bベクターでは検出されなかった(図4C)。コメットテイルのモーメントは、感染させるDH10B pBACpksの細菌数とともに増加し(図4D)、このことは、DNA二本鎖切断の量が増加したことを示した。本発明者は、pksアイランド+大腸菌へ曝すことによって宿主のDNA二本鎖の切断が誘発され、DNA損傷経路の応答が活性化され、G2での宿主細胞周期の停止に至るという結論を得た(図8)。
【0110】
結論としては、単一のゲノムアイランドを有している大腸菌株は病原性分離株および片利共生分離株の両方に広く分布しており、上皮細胞との一過的な接触によるDNA二本鎖の切断を誘発する。このゲノムアイランドは大腸菌の片利共生株であるNissle1917に存在し、前記株は、マウスおよびヒトにおける優れたコロニー形成因子であり、潰瘍性大腸炎などの腸疾患に対するプロバイオティックな治療として広く使用されている(22)(23)(24)。これらの細菌は腸ガンの発生の素因を構成するか、または、ガンの新規な治療法の創出に役立つものである(27)。
【実施例2】
【0111】
II)結腸直腸ガンを予防または抑制するための使用に対する、大腸菌が有するpksアイランドの評価
pksアイランドが陽性の大腸菌株および同系のpksアイランドが突然変異した株をラットに投与し、化学的に誘発した結腸ガンモデルにおいて比較した。この結腸での発ガンの齧歯類のモデルは広く使われており、ヒトにおける予防の有効性をうまく予測するものである(European Journal of Cancer,2005,41:1911)。
【0112】
方法
用いた攻撃用の株は大腸菌Nissle1917(pksアイランド陽性)と、pksアイランドを記載の通りに削除した(Science,2006,313:848)Nissle1917Δpksである。500マイクログラム/mlのストレプトマイシンを添加した寒天培地に置くことにより、自然発生的なストレプトマイシン耐性について両方の株を選別した。
【0113】
動物の飼育は、実験研究で用いられる動物に対する欧州理事会のガイドラインにしたがった。20頭の雌のフィッシャー344ラットをIffa Credo(リヨン、フランス)から4週齢で入手した。ラットは、個別のステンレス鋼製のワイヤ底のケージにランダムに配分し、22℃で12時間の明暗サイクルに維持されている部屋に入れた。ラットは、水道水と、標準的な低カルシウム(20μmol/g)のAIN−76飼料(UPAE、INRA、ジュイ、フランス)を自由摂取とした。
【0114】
5日間の馴致の後、ラットに発ガン物質DMH(1,2−ジメチルヒドラジン、150mg/体重kg)を腹腔内注射した。7日後、これらのラットをランダムに2つの実験群、すなわち大腸菌Nissle1917株を投与された「WT」群と、Nissle1917Δpks株を投与された「MT」群に割り振った。各ラットには、六週間の間、週に三回、胃への強制投与によって、10e9個の生きた細菌を含むリン酸緩衝生理食塩水内の1mlの新鮮な接種材料を与えた。
【0115】
体重は実験を通して毎週測定した。攻撃用の株でのラットのコロニー形成を観察するために、排泄物のサンプルを毎週回収し、希釈し、ストレプトマイシンを添加したMac Conkeyの寒天プレートで培養した。
【0116】
DMHの注射から45日目に、すべてのラットをランダムな順番でCOでの窒息によって安楽死させた。結腸を摘出し、Krebs緩衝液で洗浄し、縦に開いてから10%の緩衝ホルマリンで固定した。その後、異常腺窩巣(ACF)をBirdの方法にしたがってスコアリングし(Cancer Lett.,1987,37:147)、結腸をメチレンブルー(0.1%)を用いて6分間染色し、32倍の倍率で粘膜側を観察した。ACFのスコアリングは、処理群を知らない二人の研究者によって二重に「盲検」で行った。
【0117】
結果および結論
二つの実験群の間で体重増加の有意な差は見られなかった(図9)。
【0118】
二つの実験群は同様のレベルで攻撃用の株を排除した。Nissle1917株およびNissle1917Δpks株の両方が、実験を通して10e5CFU/gより多く残った(図10)。
【0119】
Nissle1917株を投与されたマウスは、Nissle1917Δpks株を付与されたラットにおける異常腺窩巣(ACF)の数に比べて、DMHに誘発されたACFの数が有意に減少した(図11)。
【0120】
この結果は、結腸直腸の発ガン物質の増加に対する防御能力が、pksアイランドの存在によって大腸菌に与えられることを示している。
【0121】
この動物実験の結果は、pksアイランドを有する大腸菌をプロバイオティックとして利用することによって結腸直腸ガンを予防または抑制し得ることを示している。
【実施例3】
【0122】
III)腸内細菌科のメンバー間でのpksアイランドの分布
本発明者は、PCRによってさまざまな腸内細菌におけるpksアイランドを検出しようと試みた。これまでは、colibactinの決定基は大腸菌の分離株でのみ検出することができていた。
【0123】
試験した大腸菌株(n=421)、pks陽性:90(ECOR群B2のExPECおよび排泄物の分離株のみ)。ポリケチドcolibactinも発現するpks陽性の株の中には、非溶血性のいくつかの排泄物の分離株(「片利共生株」)が含まれる。それらは、現在では、たとえば、細胞毒性壊死因子および細胞膨化致死毒素といったその他の細菌性周期モジュリンをコードする遺伝子に関してスクリーニングされ、大腸菌Nissle1917株の代替物として使用することもできる。
【0124】
腸内細菌科のファミリーに属する以下の分離株はpks陰性である。
【0125】
【表8】

【0126】
本発明者は、ある種のクレブシエラ株においてcolibactinのpks遺伝子クラスターを検出することができた。22の異なるクレブシエラ分離株を試験し、それらのうち5つが、colibactin遺伝子のさまざまな部分をカバーする8つのスクリーニングPCR反応のうち少なくとも7つに対して陽性であった。
【実施例4】
【0127】
IV)シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)におけるpksアイランドの異種発現
大腸菌およびシュードモナス・プチダにおける組換えを可能にするシャトルベクターpME6030を、pBELOBAC11pksを用いて組換えた。後者のBACベクターは、新生児髄膜炎の大腸菌分離株IHE3034の完全なpksアイランドを含むDNAインサートを有する。pME6030とpBELOBAC11pksの共挿入物をシュードモナス・プチダのKT2270株内に形質転換した。この株はポリケチドを発現せず、その完全なゲノム配列は公的に入手可能である。
【0128】
pME6030::pBELOBAC11pksの共挿入物によるシュードモナス・プチダのKT2270株の形質転換において、得られた形質転換体はcolibactin陽性の大腸菌Nissle1917株で得られるものと同様の細胞変性効果を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0129】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005108033号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004120963号明細書
【特許文献3】独国特許第10209958号明細書
【特許文献4】独国特許第10126284号明細書
【0130】
参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
回復期にある潰瘍性大腸炎または慢性的な便秘を治療する薬剤の調製を目的とした、番号6601でDSMに寄託された大腸菌Nissle1917株の使用を除く、ゲノム中にDNA分子を含んだ細胞の使用法であって、該DNA分子が、
−随意に、配列番号2の配列のタンパク質をコードする配列番号1のヌクレオチド配列(ORF1)、あるいは、配列番号1の配列のタンパク質をコードするかまたはP4様バクテリオファージインテグラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号1から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号4の配列のタンパク質をコードする配列番号3のヌクレオチド配列(ORF2)、あるいは、配列番号4の配列のタンパク質をコードする、配列番号3から誘導された配列、ならびに
−配列番号6の配列のタンパク質をコードする配列番号5のヌクレオチド配列(ORF3)、あるいは、配列番号8の配列のタンパク質をコードする配列番号7のヌクレオチド配列(ORF3a)、あるいは、配列番号10の配列のタンパク質をコードする配列番号9のヌクレオチド配列(ORF3b)、あるいは、配列番号6、8もしくは10の配列のタンパク質をコードするかまたはチオエステラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号5、7もしくは9から誘導された配列、ならびに
−配列番号12の配列のタンパク質をコードする配列番号11のヌクレオチド配列(ORF4)、あるいは、配列番号14の配列のタンパク質をコードする配列番号13のヌクレオチド配列(ORF4a)、あるいは、配列番号16の配列のタンパク質をコードする配列番号15のヌクレオチド配列(ORF4b)、あるいは、配列番号18の配列のタンパク質をコードする配列番号17のヌクレオチド配列(ORF4c)、あるいは、配列番号12、14、16もしくは18の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはβラクタマーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号11、13、15もしくは17から誘導された配列、ならびに
−配列番号20の配列のタンパク質をコードする配列番号19のヌクレオチド配列(ORF5)、あるいは、配列番号22の配列のタンパク質をコードする配列番号21のヌクレオチド配列(ORF5a)、あるいは、配列番号24の配列のタンパク質をコードする配列番号23のヌクレオチド配列(ORF5b)、あるいは、配列番号26の配列のタンパク質をコードする配列番号25のヌクレオチド配列(ORF5c)、あるいは、配列番号20、22、24もしくは26の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号19、21、23もしくは25から誘導された配列、ならびに
−配列番号28の配列のタンパク質をコードする配列番号27のヌクレオチド配列(ORF6)、あるいは、配列番号30の配列のタンパク質をコードする配列番号29のヌクレオチド配列(ORF6a)、あるいは、配列番号32の配列のタンパク質をコードする配列番号31のヌクレオチド配列(ORF6b)、あるいは、配列番号34の配列のタンパク質をコードする配列番号33のヌクレオチド配列(ORF6c)、あるいは、配列番号36の配列のタンパク質をコードする配列番号35のヌクレオチド配列(ORF6d)、あるいは、配列番号38の配列のタンパク質をコードする配列番号37のヌクレオチド配列(ORF6e)、あるいは、配列番号28、30、32、34、36もしくは38の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号27、29、31、33、35もしくは37から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号40の配列のタンパク質をコードする配列番号39のヌクレオチド配列(ORF7)、あるいは、配列番号42の配列のタンパク質をコードする配列番号41のヌクレオチド配列(ORF7a)、あるいは、配列番号44の配列のタンパク質をコードする配列番号43のヌクレオチド配列(ORF7b)、あるいは、配列番号46の配列のタンパク質をコードする配列番号45のヌクレオチド配列(ORF7c)、あるいは、配列番号40、42、44もしくは46の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはMATE様排出ポンプ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号39、41、43もしくは45から誘導された配列、ならびに
−配列番号48の配列のタンパク質をコードする配列番号47のヌクレオチド配列(ORF8)、あるいは、配列番号50の配列のタンパク質をコードする配列番号49のヌクレオチド配列(ORF8a)、あるいは、配列番号52の配列のタンパク質をコードする配列番号51のヌクレオチド配列(ORF8b)、あるいは、配列番号54の配列のタンパク質をコードする配列番号53のヌクレオチド配列(ORF8c)、あるいは、配列番号48、50、52もしくは54の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアミダーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号47、49、51もしくは53から誘導された配列、ならびに
−配列番号56の配列のタンパク質をコードする配列番号55のヌクレオチド配列(ORF9)、あるいは、配列番号58の配列のタンパク質をコードする配列番号57のヌクレオチド配列(ORF9a)、あるいは、配列番号60の配列のタンパク質をコードする配列番号59のヌクレオチド配列(ORF9b)、あるいは、配列番号62の配列のタンパク質をコードする配列番号61のヌクレオチド配列(ORF9c)、あるいは、配列番号56、58、60もしくは62の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号55、57、59もしくは61から誘導された配列、ならびに
−配列番号64の配列のタンパク質をコードする配列番号63のヌクレオチド配列(ORF10)、あるいは、配列番号66の配列のタンパク質をコードする配列番号65のヌクレオチド配列(ORF10a)、あるいは、配列番号68の配列のタンパク質をコードする配列番号67のヌクレオチド配列(ORF10b)、あるいは、配列番号70の配列のタンパク質をコードする配列番号69のヌクレオチド配列(ORF10c)、あるいは、配列番号64、66、68もしくは70の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号63、65、67もしくは69から誘導された配列、ならびに
−配列番号72の配列のタンパク質をコードする配列番号71のヌクレオチド配列(ORF11)、あるいは、配列番号74の配列のタンパク質をコードする配列番号73のヌクレオチド配列(ORF11a)、あるいは、配列番号76の配列のタンパク質をコードする配列番号75のヌクレオチド配列(ORF11b)、あるいは、配列番号78の配列のタンパク質をコードする配列番号77のヌクレオチド配列(ORF11c)、あるいは、配列番号72、74、76もしくは78の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号71、73、75もしくは77から誘導された配列、ならびに
−配列番号80の配列のタンパク質をコードする配列番号79のヌクレオチド配列(ORF12)、あるいは、配列番号82の配列のタンパク質をコードする配列番号81のヌクレオチド配列(ORF12a)、あるいは、配列番号84の配列のタンパク質をコードする配列番号83のヌクレオチド配列(ORF12b)、あるいは、配列番号86の配列のタンパク質をコードする配列番号85のヌクレオチド配列(ORF12c)、あるいは、配列番号80、82、84もしくは86の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号79、81、83もしくは85から誘導された配列、ならびに
−配列番号88の配列のタンパク質をコードする配列番号87のヌクレオチド配列(ORF13)、あるいは、配列番号90の配列のタンパク質をコードする配列番号89のヌクレオチド配列(ORF13a)、あるいは、配列番号92の配列のタンパク質をコードする配列番号91のヌクレオチド配列(ORF13b)、あるいは、配列番号94の配列のタンパク質をコードする配列番号93のヌクレオチド配列(ORF13c)、あるいは、配列番号88、90、92もしくは94の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはマロニル−CoA−アシル基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号87、89、91もしくは93から誘導された配列、ならびに
−配列番号96の配列のタンパク質をコードする配列番号95のヌクレオチド配列(ORF14)、あるいは、配列番号98の配列のタンパク質をコードする配列番号97のヌクレオチド配列(ORF14a)、あるいは、配列番号100の配列のタンパク質をコードする配列番号99のヌクレオチド配列(ORF14b)、あるいは、配列番号102の配列のタンパク質をコードする配列番号101のヌクレオチド配列(ORF14c)、あるいは、配列番号96、98、100もしくは102の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアシル−CoA−脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号95、97、99もしくは101から誘導された配列、ならびに
−配列番号104の配列のタンパク質をコードする配列番号103のヌクレオチド配列(ORF15)、あるいは、配列番号106の配列のタンパク質をコードする配列番号105のヌクレオチド配列(ORF15a)、あるいは、配列番号108の配列のタンパク質をコードする配列番号107のヌクレオチド配列(ORF15b)、あるいは、配列番号110の配列のタンパク質をコードする配列番号109のヌクレオチド配列(ORF15c)、あるいは、配列番号104、106、108もしくは110の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはD−アラニルキャリアータンパク質活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号103、105、107もしくは109から誘導された配列、ならびに
−配列番号112の配列のタンパク質をコードする配列番号111のヌクレオチド配列(ORF16)、あるいは、配列番号114の配列のタンパク質をコードする配列番号113のヌクレオチド配列(ORF16a)、あるいは、配列番号116の配列のタンパク質をコードする配列番号115のヌクレオチド配列(ORF16b)、あるいは、配列番号118の配列のタンパク質をコードする配列番号117のヌクレオチド配列(ORF16c)、あるいは、配列番号112、114、116もしくは118の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは3−ヒドロキシアシル−CoA脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号111、113、115もしくは117から誘導された配列、ならびに
−配列番号120の配列のタンパク質をコードする配列番号119のヌクレオチド配列(ORF17)、あるいは、配列番号122の配列のタンパク質をコードする配列番号121のヌクレオチド配列(ORF17a)、あるいは、配列番号124の配列のタンパク質をコードする配列番号123のヌクレオチド配列(ORF17b)、あるいは、配列番号126の配列のタンパク質をコードする配列番号125のヌクレオチド配列(ORF17c)、あるいは、配列番号120、122、124もしくは126の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号119、121、123もしくは125から誘導された配列、ならびに
−配列番号128の配列のタンパク質をコードする配列番号127のヌクレオチド配列(ORF18)、あるいは、配列番号130の配列のタンパク質をコードする配列番号129のヌクレオチド配列(ORF18a)、あるいは、配列番号132の配列のタンパク質をコードする配列番号131のヌクレオチド配列(ORF18b)、あるいは、配列番号134の配列のタンパク質をコードする配列番号133のヌクレオチド配列(ORF18c)、あるいは、配列番号136の配列のタンパク質をコードする配列番号135のヌクレオチド配列(ORF18d)、あるいは、配列番号138の配列のタンパク質をコードする配列番号137のヌクレオチド配列(ORF18e)、あるいは、配列番号128、130、132、134、136もしくは138の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号127、129、131、133、135もしくは137から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号140の配列のタンパク質をコードする配列番号139のヌクレオチド配列(ORF19)、あるいは、配列番号142の配列のタンパク質をコードする配列番号141のヌクレオチド配列(ORF19a)、あるいは、配列番号144の配列のタンパク質をコードする配列番号143のヌクレオチド配列(ORF19b)、あるいは、配列番号140、142もしくは144の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはLuxR様調節因子活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号139、141もしくは143から誘導された配列、ならびに
−配列番号146の配列のタンパク質をコードする配列番号145のヌクレオチド配列(ORF20)、あるいは、配列番号148の配列のタンパク質をコードする配列番号147のヌクレオチド配列(ORF20a)、あるいは、配列番号150の配列のタンパク質をコードする配列番号149のヌクレオチド配列(ORF20b)、あるいは、配列番号146、148もしくは150の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは4−ホスホパンテテイン基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号145、147もしくは149から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号152の配列のタンパク質をコードする配列番号151のヌクレオチド配列(ORF21)、あるいは、配列番号154の配列のタンパク質をコードする配列番号153のヌクレオチド配列(ORF21a)、あるいは、配列番号156の配列のタンパク質をコードする配列番号155のヌクレオチド配列(ORF21b)、あるいは、配列番号152、154もしくは156の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットAの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号151、153もしくは155から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号158の配列のタンパク質をコードする配列番号157のヌクレオチド配列(ORF22)、あるいは、配列番号160の配列のタンパク質をコードする配列番号159のヌクレオチド配列(ORF22a)、あるいは、配列番号162の配列のタンパク質をコードする配列番号161のヌクレオチド配列(ORF22b)、あるいは、配列番号158、160もしくは162の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットBの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号157、159もしくは161から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号164の配列のタンパク質をコードする配列番号163のヌクレオチド配列(ORF23)、あるいは、配列番号166の配列のタンパク質をコードする配列番号165のヌクレオチド配列(ORF23a)、あるいは、配列番号168の配列のタンパク質をコードする配列番号167のヌクレオチド配列(ORF23b)、あるいは、配列番号164、166もしくは168の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号163、165もしくは167から誘導された配列、
を細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質として含んでおり、該阻害は、これらの増殖細胞が上述したDNA分子を含む前記細胞と接触したときに得られるものである使用法。
【請求項2】
請求項1で定義したDNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法であり、
−配列番号145、147もしくは149、および随意に配列番号1、ならびに/または配列番号139、141もしくは143、ならびに/または配列番号151、153もしくは155、ならびに/または配列番号157、159もしくは161、ならびに/または配列番号163、165および167が、5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられていること、
−配列番号5、7もしくは9、配列番号11、13、15もしくは17、配列番号19、21、23もしくは25、配列番号27、29、31、33、35もしくは37、配列番号47、49、51もしくは53、配列番号55、57、59もしくは61、配列番号63、65、67もしくは69、配列番号71、73、75もしくは77、配列番号79、81、83もしくは85、配列番号87、89、91もしくは93、配列番号95、97、99もしくは101、配列番号103、105、107もしくは109、配列番号111、113、115もしくは117、配列番号119、121、123もしくは125、配列番号127、129、131、133、135もしくは137、および随意に配列番号3、ならびに/または配列番号39、41、43もしくは45が、先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられていること
を特徴とする、請求項1に記載の使用法。
【請求項3】
配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含むDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号1、配列番号139、141または143、配列番号145、147または149、配列番号151、153または155、配列番号157、159または161、ならびに配列番号163、165および167、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列、
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法であり、
前記DNA分子が、配列番号2のタンパク質、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、配列番号146、148または150のタンパク質、配列番号152、154または156のタンパク質、配列番号158、160または162のタンパク質、ならびに配列番号164、166および168のタンパク質をコードする、
請求項1または請求項2に記載の使用法。
【請求項4】
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号145、147または149、および配列番号139、141または143、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法であり、
前記DNA分子が、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする、
請求項1または請求項2に記載の細胞の使用法。
【請求項5】
配列番号169のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含むDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられている配列番号145、147または149、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向に位置づけられている、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにそれらの相補的な配列、
を含むDNA分子をゲノム中に含む細胞の使用法であり、
前記DNA分子が、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする、
請求項1または請求項2に記載の細胞の使用法。
【請求項6】
天然状態においてゲノム中に請求項1〜請求項5のいずれか一つで定義したDNA分子を含む細胞の、請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の使用法。
【請求項7】
細菌細胞または真菌細胞から選択される細胞の、請求項6に記載の使用法。
【請求項8】
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される細胞の、請求項6または請求項7に記載の使用法。
【請求項9】
配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列を含む、6601という番号でDSMに寄託された大腸菌Nissle1917株に対応する、請求項6〜請求項8のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項10】
ゲノム中に請求項1〜請求項5のいずれか一つで定義したDNA分子を含む細胞の使用法であって、前記細胞が前記DNA分子によって形質転換される、請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の使用法。
【請求項11】
細菌細胞または真菌細胞から選択される細胞の、請求項10に記載の使用法。
【請求項12】
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される細胞の、請求項10または請求項11に記載の使用法。
【請求項13】
ガン性または非ガン性の増殖細胞から選択される細胞の増殖を阻害することのできる細胞変性物質としての、請求項1〜請求項12のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項14】
ヒトを含むほ乳類におけるガン性または非ガン性の過剰増殖性疾患の予防または治療に有効な薬学的組成物を調製することを目的とした、請求項1〜請求項13のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項15】
脳、肺、扁平上皮細胞、膀胱、胃、膵臓、胸部、頭部、頸部、腎臓(renal)、腎臓(kidney)、卵巣、前立腺、結腸直腸、食道、婦人科系、または甲状腺のガンのようなガンの予防または治療を目的とした、請求項1〜請求項14のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項16】
良性の皮膚の過形成(乾癬)または前立腺の過形成(前立腺肥大)、腎臓病(増殖性糸球体腎炎および糖尿病が誘発する腎臓病)のような非ガン性の過剰増殖性疾患の予防または治療を目的とした、請求項1〜請求項14のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項17】
炎症性皮膚疾患および皮膚炎のような炎症性疾患の予防または治療に有効な薬学的組成物の調製を目的とした、請求項1〜請求項14のいずれか一つに記載の細胞の使用法。
【請求項18】
単離されたDNA分子であり、
−随意に、配列番号2の配列のタンパク質をコードする配列番号1のヌクレオチド配列(ORF1)、あるいは、配列番号1の配列のタンパク質をコードするかまたはP4様バクテリオファージインテグラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号1から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号4の配列のタンパク質をコードする配列番号3のヌクレオチド配列(ORF2)、あるいは、配列番号4の配列のタンパク質をコードする、配列番号3から誘導された配列、ならびに
−配列番号6の配列のタンパク質をコードする配列番号5のヌクレオチド配列(ORF3)、あるいは、配列番号8の配列のタンパク質をコードする配列番号7のヌクレオチド配列(ORF3a)、あるいは、配列番号10の配列のタンパク質をコードする配列番号9のヌクレオチド配列(ORF3b)、あるいは、配列番号6、8もしくは10の配列のタンパク質をコードするかまたはチオエステラーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号5、7もしくは9から誘導された配列、ならびに
−配列番号12の配列のタンパク質をコードする配列番号11のヌクレオチド配列(ORF4)、あるいは、配列番号14の配列のタンパク質をコードする配列番号13のヌクレオチド配列(ORF4a)、あるいは、配列番号16の配列のタンパク質をコードする配列番号15のヌクレオチド配列(ORF4b)、あるいは、配列番号18の配列のタンパク質をコードする配列番号17のヌクレオチド配列(ORF4c)、あるいは、配列番号12、14、16もしくは18の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはβラクタマーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号11、13、15もしくは17から誘導された配列、ならびに
−配列番号20の配列のタンパク質をコードする配列番号19のヌクレオチド配列(ORF5)、あるいは、配列番号22の配列のタンパク質をコードする配列番号21のヌクレオチド配列(ORF5a)、あるいは、配列番号24の配列のタンパク質をコードする配列番号23のヌクレオチド配列(ORF5b)、あるいは、配列番号26の配列のタンパク質をコードする配列番号25のヌクレオチド配列(ORF5c)、あるいは、配列番号20、22、24もしくは26の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号19、21、23もしくは25から誘導された配列、ならびに
−配列番号28の配列のタンパク質をコードする配列番号27のヌクレオチド配列(ORF6)、あるいは、配列番号30の配列のタンパク質をコードする配列番号29のヌクレオチド配列(ORF6a)、あるいは、配列番号32の配列のタンパク質をコードする配列番号31のヌクレオチド配列(ORF6b)、あるいは、配列番号34の配列のタンパク質をコードする配列番号33のヌクレオチド配列(ORF6c)、あるいは、配列番号36の配列のタンパク質をコードする配列番号35のヌクレオチド配列(ORF6d)、あるいは、配列番号38の配列のタンパク質をコードする配列番号37のヌクレオチド配列(ORF6e)、あるいは、配列番号28、30、32、34、36もしくは38の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号27、29、31、33、35もしくは37から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号40の配列のタンパク質をコードする配列番号39のヌクレオチド配列(ORF7)、あるいは、配列番号42の配列のタンパク質をコードする配列番号41のヌクレオチド配列(ORF7a)、あるいは、配列番号44の配列のタンパク質をコードする配列番号43のヌクレオチド配列(ORF7b)、あるいは、配列番号46の配列のタンパク質をコードする配列番号45のヌクレオチド配列(ORF7c)、あるいは、配列番号40、42、44もしくは46の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはMATE様排出ポンプ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号39、41、43もしくは45から誘導された配列、ならびに
−配列番号48の配列のタンパク質をコードする配列番号47のヌクレオチド配列(ORF8)、あるいは、配列番号50の配列のタンパク質をコードする配列番号49のヌクレオチド配列(ORF8a)、あるいは、配列番号52の配列のタンパク質をコードする配列番号51のヌクレオチド配列(ORF8b)、あるいは、配列番号54の配列のタンパク質をコードする配列番号53のヌクレオチド配列(ORF8c)、あるいは、配列番号48、50、52もしくは54の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアミダーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号47、49、51もしくは53から誘導された配列、ならびに
−配列番号56の配列のタンパク質をコードする配列番号55のヌクレオチド配列(ORF9)、あるいは、配列番号58の配列のタンパク質をコードする配列番号57のヌクレオチド配列(ORF9a)、あるいは、配列番号60の配列のタンパク質をコードする配列番号59のヌクレオチド配列(ORF9b)、あるいは、配列番号62の配列のタンパク質をコードする配列番号61のヌクレオチド配列(ORF9c)、あるいは、配列番号56、58、60もしくは62の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号55、57、59もしくは61から誘導された配列、ならびに
−配列番号64の配列のタンパク質をコードする配列番号63のヌクレオチド配列(ORF10)、あるいは、配列番号66の配列のタンパク質をコードする配列番号65のヌクレオチド配列(ORF10a)、あるいは、配列番号68の配列のタンパク質をコードする配列番号67のヌクレオチド配列(ORF10b)、あるいは、配列番号70の配列のタンパク質をコードする配列番号69のヌクレオチド配列(ORF10c)、あるいは、配列番号64、66、68もしくは70の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号63、65、67もしくは69から誘導された配列、ならびに
−配列番号72の配列のタンパク質をコードする配列番号71のヌクレオチド配列(ORF11)、あるいは、配列番号74の配列のタンパク質をコードする配列番号73のヌクレオチド配列(ORF11a)、あるいは、配列番号76の配列のタンパク質をコードする配列番号75のヌクレオチド配列(ORF11b)、あるいは、配列番号78の配列のタンパク質をコードする配列番号77のヌクレオチド配列(ORF11c)、あるいは、配列番号72、74、76もしくは78の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号71、73、75もしくは77から誘導された配列、ならびに
−配列番号80の配列のタンパク質をコードする配列番号79のヌクレオチド配列(ORF12)、あるいは、配列番号82の配列のタンパク質をコードする配列番号81のヌクレオチド配列(ORF12a)、あるいは、配列番号84の配列のタンパク質をコードする配列番号83のヌクレオチド配列(ORF12b)、あるいは、配列番号86の配列のタンパク質をコードする配列番号85のヌクレオチド配列(ORF12c)、あるいは、配列番号80、82、84もしくは86の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号79、81、83もしくは85から誘導された配列、ならびに
−配列番号88の配列のタンパク質をコードする配列番号87のヌクレオチド配列(ORF13)、あるいは、配列番号90の配列のタンパク質をコードする配列番号89のヌクレオチド配列(ORF13a)、あるいは、配列番号92の配列のタンパク質をコードする配列番号91のヌクレオチド配列(ORF13b)、あるいは、配列番号94の配列のタンパク質をコードする配列番号93のヌクレオチド配列(ORF13c)、あるいは、配列番号88、90、92もしくは94の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはマロニル−CoA−アシル基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号87、89、91もしくは93から誘導された配列、ならびに
−配列番号96の配列のタンパク質をコードする配列番号95のヌクレオチド配列(ORF14)、あるいは、配列番号98の配列のタンパク質をコードする配列番号97のヌクレオチド配列(ORF14a)、あるいは、配列番号100の配列のタンパク質をコードする配列番号99のヌクレオチド配列(ORF14b)、あるいは、配列番号102の配列のタンパク質をコードする配列番号101のヌクレオチド配列(ORF14c)、あるいは、配列番号96、98、100もしくは102の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはアシル−CoA−脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号95、97、99もしくは101から誘導された配列、ならびに
−配列番号104の配列のタンパク質をコードする配列番号103のヌクレオチド配列(ORF15)、あるいは、配列番号106の配列のタンパク質をコードする配列番号105のヌクレオチド配列(ORF15a)、あるいは、配列番号108の配列のタンパク質をコードする配列番号107のヌクレオチド配列(ORF15b)、あるいは、配列番号110の配列のタンパク質をコードする配列番号109のヌクレオチド配列(ORF15c)、あるいは、配列番号104、106、108もしくは110の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはD−アラニルキャリアータンパク質活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号103、105、107もしくは109から誘導された配列、ならびに
−配列番号112の配列のタンパク質をコードする配列番号111のヌクレオチド配列(ORF16)、あるいは、配列番号114の配列のタンパク質をコードする配列番号113のヌクレオチド配列(ORF16a)、あるいは、配列番号116の配列のタンパク質をコードする配列番号115のヌクレオチド配列(ORF16b)、あるいは、配列番号118の配列のタンパク質をコードする配列番号117のヌクレオチド配列(ORF16c)、あるいは、配列番号112、114、116もしくは118の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは3−ヒドロキシアシル−CoA脱水素酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号111、113、115もしくは117から誘導された配列、ならびに
−配列番号120の配列のタンパク質をコードする配列番号119のヌクレオチド配列(ORF17)、あるいは、配列番号122の配列のタンパク質をコードする配列番号121のヌクレオチド配列(ORF17a)、あるいは、配列番号124の配列のタンパク質をコードする配列番号123のヌクレオチド配列(ORF17b)、あるいは、配列番号126の配列のタンパク質をコードする配列番号125のヌクレオチド配列(ORF17c)、あるいは、配列番号120、122、124もしくは126の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号119、121、123もしくは125から誘導された配列、ならびに
−配列番号128の配列のタンパク質をコードする配列番号127のヌクレオチド配列(ORF18)、あるいは、配列番号130の配列のタンパク質をコードする配列番号129のヌクレオチド配列(ORF18a)、あるいは、配列番号132の配列のタンパク質をコードする配列番号131のヌクレオチド配列(ORF18b)、あるいは、配列番号134の配列のタンパク質をコードする配列番号133のヌクレオチド配列(ORF18c)、あるいは、配列番号136の配列のタンパク質をコードする配列番号135のヌクレオチド配列(ORF18d)、あるいは、配列番号138の配列のタンパク質をコードする配列番号137のヌクレオチド配列(ORF18e)、あるいは、配列番号128、130、132、134、136もしくは138の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは非リボソームペプチド合成酵素活性およびポリケチド合成酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号127、129、131、133、135もしくは137から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号140の配列のタンパク質をコードする配列番号139のヌクレオチド配列(ORF19)、あるいは、配列番号142の配列のタンパク質をコードする配列番号141のヌクレオチド配列(ORF19a)、あるいは、配列番号144の配列のタンパク質をコードする配列番号143のヌクレオチド配列(ORF19b)、あるいは、配列番号140、142もしくは144の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはLuxR様調節因子活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号139、141もしくは143から誘導された配列、ならびに
−配列番号146の配列のタンパク質をコードする配列番号145のヌクレオチド配列(ORF20)、あるいは、配列番号148の配列のタンパク質をコードする配列番号147のヌクレオチド配列(ORF20a)、あるいは、配列番号150の配列のタンパク質をコードする配列番号149のヌクレオチド配列(ORF20b)、あるいは、配列番号146、148もしくは150の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたは4−ホスホパンテテイン基転移酵素活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号145、147もしくは149から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号152の配列のタンパク質をコードする配列番号151のヌクレオチド配列(ORF21)、あるいは、配列番号154の配列のタンパク質をコードする配列番号153のヌクレオチド配列(ORF21a)、あるいは、配列番号156の配列のタンパク質をコードする配列番号155のヌクレオチド配列(ORF21b)、あるいは、配列番号152、154もしくは156の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットAの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号151、153もしくは155から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号158の配列のタンパク質をコードする配列番号157のヌクレオチド配列(ORF22)、あるいは、配列番号160の配列のタンパク質をコードする配列番号159のヌクレオチド配列(ORF22a)、あるいは、配列番号162の配列のタンパク質をコードする配列番号161のヌクレオチド配列(ORF22b)、あるいは、配列番号158、160もしくは162の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼのサブユニットBの活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号157、159もしくは161から誘導された配列、ならびに
−随意に、配列番号164の配列のタンパク質をコードする配列番号163のヌクレオチド配列(ORF23)、あるいは、配列番号166の配列のタンパク質をコードする配列番号165のヌクレオチド配列(ORF23a)、あるいは、配列番号168の配列のタンパク質をコードする配列番号167のヌクレオチド配列(ORF23b)、あるいは、配列番号164、166もしくは168の配列のタンパク質をそれぞれコードするかまたはトランスポザーゼ活性を有する誘導タンパク質をコードする、配列番号163、165もしくは167から誘導された配列、
からなるか、またはこれらを含んでいる、単離されたDNA分子。
【請求項19】
配列番号170のヌクレオチド配列とその相補的な配列からなるDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号1、配列番号139、141または143、配列番号145、147または149、配列番号151、153または155、配列番号157、159または161、ならびに配列番号163、165および167、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列、
からなるか、またはこれらを含む、単離されたDNA分子であり、
前記DNA分子が、配列番号2のタンパク質、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、配列番号146、148または150のタンパク質、配列番号152、154または156のタンパク質、配列番号158、160または162のタンパク質、ならびに配列番号164、166および168のタンパク質をコードする、
請求項18に記載の単離されたDNA分子。
【請求項20】
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号145、147または149、および配列番号139、141または143、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向で位置づけられた、配列番号3、5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号39、41、43または45、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにその相補的な配列
からなるか、またはこれらを含む、単離されたDNA分子であり、
前記DNA分子は、配列番号4のタンパク質、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号40、42、44または46のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、配列番号130、142または144のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする、
請求項18に記載の単離されたDNA分子。
【請求項21】
配列番号169のヌクレオチド配列とその相補的な配列からなるDNA分子のように、
−5’−3’鎖において5’→3’の方向で位置づけられている配列番号145、147または149、
−先の鎖に相補的な3’−5’鎖において5’→3’の方向に位置づけられている、配列番号5、7または9、配列番号11、13、15または17、配列番号19、21、23または25、配列番号27、29、31、33、35または37、配列番号47、49、51または53、配列番号55、57、59または61、配列番号63、65、67または69、配列番号71、73、75または77、配列番号79、81、83または85、配列番号87、89、91または93、配列番号95、97、99または101、配列番号103、105、107または109、配列番号111、113、115または117、配列番号119、121、123または125、および配列番号127、129、131、133、135または137、
ならびにそれらの相補的な配列
からなるか、またはこれらを含むDNA分子であり、
前記DNA分子が、配列番号6、8または10のタンパク質、配列番号12、14、16または18のタンパク質、配列番号20、22、24または26のタンパク質、配列番号28、30、32、34、36または38のタンパク質、配列番号48、50、52または54のタンパク質、配列番号56、58、60または62のタンパク質、配列番号64、66、68または70のタンパク質、配列番号72、74、76または78のタンパク質、配列番号80、82、84または86のタンパク質、配列番号88、90、92または94のタンパク質、配列番号96、98、100または102のタンパク質、配列番号104、106、108または110のタンパク質、配列番号112、114、116または118のタンパク質、配列番号120、122、124または126のタンパク質、配列番号128、130、132、134、136または138のタンパク質、および配列番号146、148または150のタンパク質をコードする、
請求項18に記載の単離されたDNA分子。
【請求項22】
請求項18〜請求項21のいずれか一つに記載のDNA分子を含む、ファージミド、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、または酵母人工染色体(YAC)のような、形質導入可能なクローニングベクター。
【請求項23】
請求項22に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項24】
細菌細胞または真菌細胞から選択される、請求項23に記載の宿主細胞。
【請求項25】
−大腸菌のようなエシェリキア属の細菌、
−ネズミチフス菌およびチフス菌のようなサルモネラ属の細菌、
−乳酸菌、
−ストレプトミセス属の細菌、
−酵母細胞、
から選択される、請求項23または請求項24に記載の宿主細胞。
【請求項26】
請求項23〜請求項25のいずれか一つに記載の宿主細胞を生理学的に許容可能な担体と組み合わせて含む薬学的組成物。
【請求項27】
経口投与、局所投与、直腸投与、膣投与に適した形状をした、請求項26に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
請求項18または請求項19に記載の細胞の投与量が10個と1011個の細胞の間に含まれ、一日二回、毎日、週二回、毎週、月二回、または毎月投与されることを特徴とする、請求項26または請求項27に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
細胞変性物質として振る舞う細胞のスクリーニングを目的としたプローブとしての、請求項18〜請求項21のいずれか一つに記載のDNA分子またはそれらの断片の使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−503380(P2010−503380A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508391(P2009−508391)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054540
【国際公開番号】WO2007/128838
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(505129079)アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック (15)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA RECHERCHE AGRONOMIQUE
【出願人】(508333686)
【氏名又は名称原語表記】BAYERISCHE JULIUS−MAXIMILIANS−UNIVERSITAT WURZBURG
【Fターム(参考)】