説明

細胞変異の無標識での検出と分類、特に、細胞球状体の生成と特性解析のための統合型培養・測定装置、その構成要素及びその使用方法

本発明は、細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成と特性解析及び細胞球状体の状態のリアルタイム観察のための統合型培養・測定装置に関し、a)培養チャンバープレート用の取付機器と、b)取付機器内の微小電極用接点と接続された増幅器ボードと、c)増幅器ボードと培養チャンバープレート用の取付機器を上に載せたロータリーシェーカーと、d)増幅器ボード及びロータリーシェーカーと接続された制御ユニットとが配備されており、この制御ユニットによって、データの記録と解析並びにロータリーシェーカーの動きの制御が可能である。培養チャンバープレーは、複数の培養リザーバーを備えており、各培養リザーバーの底部が一つの微小空洞を形成し、各微小空洞が微小空洞の壁面に複数の微小電極を備えている。取付機器は複数の微小電極用接点を有する。本発明では、有利には、球状体の自動的な生成、培養及び特徴解析、並びに組織サンプルの培養と特徴解析が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞、細胞球状体及び組織の培養とそれらの細胞の生理学的事象の非破壊かつ無標識による特性解析、特に、細胞球状体の生成と特性解析を統合して実施する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサーとしての生きた細胞の使用は、刺激による効果の機能情報を与えてくれるので重要である。生きた細胞の使用だけが、所与の生理学的システムへの活性薬剤成分の効果、即ち、物質が細胞の代謝の未知の側面を変化させるか否か、或いは哺乳類の細胞に毒性効果を持つか否かなどの様々な疑問を解決する助けとなる(非特許文献1参照)。医薬品承認の前臨床段階における活性薬剤成分の効果の速く(高いスループットの)経済的な計測のために、哺乳類の細胞をベースとするバイオセンサーも開発された。現在、哺乳類の細胞をベースとするバイオセンサーは、多くの場合、検出要素として二次元の細胞単層を使用しているが、複雑な細胞間相互作用に対する活性薬剤成分の影響を十分な信頼度で計測することはできない。組織内の活性薬剤成分の拡散又は同化は、二次元の細胞単層センサーでは計測できない。二次元の細胞単層の培養体は、非常に人工的なシステムであり、生体の状態では存在しないので、刺激に対する細胞単層の応答は、生体組織と比較できない。
【0003】
生体システムに関する改良された生体外モデルは、三次元の細胞培養体システムである。それは、二次元の細胞単層システムの欠点を防止するとともに、より良好な細胞間及び細胞内相互作用を有する。分化細胞への幹細胞の分化も三次元の培養体システムを必要とする。受け入れられている三次元の細胞培養体は、所謂球状体である。球状体とは、数千の細胞の三次元の球状の集合体である。
【0004】
活性薬剤成分とその細胞に対する効果のスクリーニングのために三次元の細胞球状体を使用することは、従来の二次元の細胞単層によって得られる環境よりも組織に似た環境で効果を観察する可能性を提供する。
【0005】
特許文献1は、均質な球状体を自動的に製造する方法及び装置を記載している。これらの球状体は、(バイオ)リアクター内で生成して、培養液のフローにより分離し、個別に特性解析を行なうことができる。球状体の生成と更なる特性解析又は活性薬剤成分を用いた処理とが分かれていることが欠点である。
【0006】
球状体全体の特性解析を行なう装置及び方法が特許文献2に記載されている。それらの球状体は、細管に移されて、細管の反対側の出口に配置された二つの電極の間でインピーダンスを測定される。細管内の培養液に適切な圧力を加えることによって、球状体の位置を制御している。このシステムでも、球状体の培養と特性解析が分かれており、二つのステージの間を手動で球状体を移動させなければならない。
【0007】
特許文献3は、インピーダンス信号とフィールド電位信号を同時に測定する複数の電極から成る構成による球状体の特性解析を記載している。このシステムも、培養システムから測定システムに球状体を手動で移す必要が有る。別の欠点は、真空圧力を用いた電極構成内での球状体の位置決めを球状体の直径毎に微調整しなければならないことである。
【0008】
非特許文献2と3は、三次元組織モデルの機能的医薬品スクリーニングに関するインピーダンス測定と細胞外記録のためのバイオセンサーチップを記載している。
【0009】
心筋細胞などの分化細胞への幹細胞の分化の特性解析は、胚性幹細胞試験で行なわれる。活性薬剤成分の胚毒性に関する特性解析を行なうことができる(非特許文献4)。細胞毒性とアポトーシスに関する分子マーカー並びに分化した心筋細胞の拍動特性及び/又は収縮性は、胚毒性に関するパラメータとして使用されている(非特許文献5と6)。これらの方法は、複数の欠点を有する。幹細胞の球状体の生成は、手動懸滴法で手動ピペット操作により行なわれている、即ち、異なる培養チェンバーへの球状体の分離が手動で行なわれている。心筋細胞の拍動の計数と分子特性解析は、高度な専門技術知識を必要とする時間のかかる扱い難い方法である。
【0010】
これまでのところ、活性薬剤成分の想定される効果の速い平行スクリーニングのための球状体の自動的な生成、培養及び特性解析を可能とするシステム及び方法、或いは胚毒性のスクリーニングのための自動的なシステムは存在しない。想定される活性薬剤成分の影響と副作用に関する再現可能な有意義な結果のためには、測定システムに対する人の影響を最小限にするとともに、速い平行システムによる複数の球状体の自動的な生成と無標識による特性解析を実現する必要が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ特許第19953424号明細書
【特許文献2】欧州特許第1221032号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第10142393号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】L. Bousse, Sensors and Actuators B 34 (1996) pp. 270-275
【非特許文献2】Kloss et al., Lab Chip, 2008, 8, 879-884
【非特許文献3】Kloss et al., Biosensors and Bioelectronics 23, 2008, 1473-1480
【非特許文献4】A. Seiler et al., Reproductive Toxicology 18 (2004) pp.231-240
【非特許文献5】Genschow et al., In Vitro Molecuar Toxicology 12 (200) pp.51-65
【非特許文献6】Spielmann et al., Alternatives to Laboratory Animals 29 (2001) pp. 301-303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のことから、本発明の課題は、細胞変異の無標識による検出と分類のための統合型培養・測定装置及び方法、特に、細胞球状体の自動的な生成と特性解析を可能とする装置、その構成要素及びその使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、
a)複数のリザーバーを備えた少なくとも一つの培養チャンバープレート用の取付機器であって、各培養リザーバーの底部が一つの微小空洞を形成し、各微小空洞が微小空洞の壁面に複数の微小電極を備え、この取付機器が複数の微小電極用接点を有する取付機器と、
b)この取付機器内の微小電極用接点と接続された、インタフェースを備えた増幅器ボードと、
c)これらの増幅器ボードと培養チャンバープレート用の取付機器を上に載せたロータリーシェーカーと、
d)これらの増幅器ボード及びロータリーシェーカーと接続された記録・解析・集中制御ユニット(制御ユニット)と、
を備えた装置によって解決される。
【0015】
本装置は、増幅器ボードと培養チャンバープレート用の取付機器を上に載せたロータリーシェーカーを備えたコアユニットを有する。有利には、このコアユニットは、標準的な細胞培養器に配置することができる。
【0016】
このシステムの重要な構成要素は、培養リザーバーを中に配置した培養チャンバープレートである。この培養チャンバープレートは、好ましくは、平行培養のための培養リザーバーとして複数のウェルを備えた、標準的なマイクロタイタープレートのサイズを有するマイクロタイタープレートである。好ましくは、各培養チャンバープレートは、1〜1,000個のウェル、好ましくは、24、48、96又は384個のウェルを有する。そのようなマイクロタイタープレートの使用により、この装置と、活性薬剤成分を培養リザーバーに注入したり、培養液を交換するピペット操作ロボットなどの別の自動実験装置との接続が可能となる。各培養リザーバーは、培養リザーバーの底部に形成された、好ましくは、縁の長さが100〜500μmの微小空洞を有する。複数(少なくとも二つ、好ましくは、4〜12個)の微小電極が微小空洞の側壁に設置されるとともに、培養チャンバープレートの外側の接点パッドと接続されている。これらの微小空洞は、好ましくは、4〜8個の側面を有し、好ましくは、各側面に一つの微小電極を有する、好ましくは、切頭角錐を逆さまにした構造、或いは好ましくは、壁面に複数の微小電極を有する切頭円錐を逆さまにした構造として構成される。
【0017】
好ましくは、微小電極は、微小空洞の壁面の上半分及び微小空洞の各側面を3等分した中の中間の3分の1に配置される。微小電極の幾何学的形状は、好ましくは、長方形又は平坦であるが、平坦で曲がりくねった微小電極又は空洞内に突き出た三次元の突起として実現することもできる。
【0018】
更に、各培養リザーバーは、好ましくは、フィールド電位を測定するための基準電極を有する。微小電極は、好ましくは、培養チャンバープレートの側面の接点パッドと接続されている。培養チャンバープレートを取付機器に配置した場合、接点パッドは、増幅器ボードと接続される。それぞれが少なくとも一つの培養チャンバープレートのための少なくとも一つの取付機器を備えた複数の増幅器ボードをロータリーシェーカーに配置することができる。
【0019】
好ましくは、培養チャンバープレートは、プラスチック又はガラスから製作され、微小空洞は、レーザーアブレーション又はマイクロモールディングにより製作される。好ましい実施形態では、培養チャンバープレートは、細胞、組織又は細胞球状体のマルチモーダル・イメージングを可能とするために透明である。
【0020】
好ましくは、培養リザーバーは、物理的及び/又は(生)化学的な機能性界面を有する。そのような機能化のための好ましいが、それに限定されない例は、ポリエルリジン、ヘパリン、(コラーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどの)細胞基質成分によるコーティング、表面のシラン処理、レーザーアブレーション又はマイクロモールディングによる(溝などの)粗度変更及び紫外線加工の中から選定される。
【0021】
好ましい実施形態では、培養リザーバーの機能性界面及び/又は電極表面は、ナノレベルで構造化されている、即ち、(ナノレベルの配列を持つプラチナ電極などの)ナノレベルの配列を持つ電極表面又はナノレベルの孔を持つ機能化されたシリコン表面などのナノレベルの孔を持つ表面の形をしている。
【0022】
培養チャンバープレートは、再利用可能な部品又は使い捨て部品として構成することができる。増幅器ボード内の培養チャンバープレートは、使用後交換することができる。培養チャンバープレートは、本装置と共に、或いは別個の部品として販売することができる。
【0023】
培養チャンバープレートの接点パッドは、取付機器を介して増幅器ボードの回路と接続される。取付機器は、培養チャンバープレートをロータリーシェーカー上に固定する。取付機器は、好ましくは、ロータリーシェーカーとの一体的な部品であるか、或いはそこに固定されている。取付機器は、例えば、スロット又はエッジの形の保持固定器具を有し、培養チャンバープレートの接点パッドを増幅器ボードの回路と接続する。取付機器は、一つ以上の培養チャンバープレートを保持するように構成することができる。
【0024】
好ましい実施形態では、培養チャンバープレート用の取付機器は、マイクロレーザー操作システムと接続されており、細胞、細胞球状体又は組織の操作が可能である。
【0025】
増幅器ボードは、好ましくは、マルチプレクサー、インピーダンス・アナライザー及びアナログ・デジタル変換器を備えた増幅器を一体化した機器を有する。マルチプレクサーによって、回路内の各微小電極をインピーダンス・アナライザーと切り換えることが可能である。増幅器ボードは、培養チャンバーの微小電極間のインピーダンスと微小電極のフィールド電位を順番に、或いは同時に測定できるように構成されている。
【0026】
微小空洞内の物体、例えば、細胞球状体のインピーダンス・スペクトルは、好ましくは、(好ましくは、1kHz〜1MHzの周波数帯域内の対数掃引により)交流電流を微小電極に加えて、それに対応する電流を測定することによって計測される。アナログ・デジタル変換器を備えた増幅器は、各微小電極に切り換えることが可能であるとともに、各微小電極のフィールド電位を記録することも可能である。フィールド電位を記録するための基準電極は、好ましくは、各リザーバーに設置される。増幅器ボードは、制御ユニットによって管理され、そのユニットも、オンライン解析のために増幅器ボードからの測定データを記録する。
【0027】
本装置の中心的な部品は、ロータリーシェーカーである。増幅器ボードは、培養チャンバープレート用の取付機器と共に、ロータリーシェーカー上に設置されており、好ましくは、軌道に沿って動かされる。従って、ロータリーシェーカーは、好ましくは、オービタルシェーカーである。このオービタルシェーカーは、制御ユニットによって管理される。好ましくは、この制御ユニットも、シェーカーの状態パラメータを記録する。各培養リザーバー内では、制御ユニットが管理するシェーカーの軌道半径、定数又は交互回転速度等の回転パラメータなどの最適な設定値を適用することによって、好ましくは、正確に一つの細胞球状体が生成される。各細胞タイプの球状体を生成するために、回転パラメータを調整することができる。
【0028】
本発明による装置で生成された細胞球状体は、好ましくは、培養リザーバーを停止して(回転させずに、静止して)、或いは持続的に回転させて培養される。球状体は、初代細胞(心筋細胞、網膜細胞等)、細胞系(腫瘍細胞)、幹細胞などの様々な細胞タイプから生成することができる。本発明による装置によって生成された細胞球状体は、球状構造を形成する複数の細胞で構成される。細胞球状体の細胞数と直径は、微小空洞に投入された細胞数と回転速度に依存する。有利には、本発明による装置では、当該の微小空洞に投入された細胞数に関係無く、微小空洞毎に単一の細胞球状体が生成される。
【0029】
細胞的事象の観察は、心筋細胞などの起電性の細胞の生体電気特性と生体インピーダンス分光法による非電気パラメータの測定をベースとする。好ましくは、それらのパラメータは同時に測定される。特性解析のために、球状体は微小空洞内に配置され、好ましくは、そのような配置は、培養チャンバープレートの(好ましくは、軌道に沿った)回転を制御することにより、自動的に実行される。球状体が微小空洞内に正しく配置されたことは、好ましくは、微小空洞の壁面に設置された二つの対向する電極間で測定したインピーダンスの上昇に基づき制御される。球状体の特性解析は、好ましくは、電気及び電気生理学パラメータの計測により実施される。そのために、好ましくは、異なる電極間のインピーダンスと各電極でのフィールド電位が測定、記録される。インピーダンス・スペクトルは、好ましくは、100Hz〜10MHzの範囲内での所謂β分散で測定され、皮膜上での荷電変化とその結果としてのアポトーシス、壊死、細胞間相互作用、増殖、受容体活性化経路などの細胞特性に関する情報を提供する。このインピーダンス・スペクトルは、好ましくは、微小空洞の各電極対間で測定され、球状体の特性に関する詳細な情報を提供する。このインピーダンス・スペクトルは、好ましくは、増幅器ボードに設置された、制御ユニットによって管理されるインピーダンス・アナライザーを用いて測定される。これらの測定電極は、好ましくは、又もや制御ユニットによって管理された一体化なマルチプレクサーを用いて切り換えられる。それに代わって、インピーダンスは、100kHz〜10GHzの高周波帯域で測定される。
【0030】
別の特性解析の可能性は、微小空洞の各電極でフィールド電位などの生体電気特性を測定することである。そのようなフィールド電位データによって、心筋細胞や神経細胞などの起電性の細胞の特性解析が可能となる。フィールド電位のスパイクの大きさと頻度は、それらの細胞の特性に関する情報を提供する。幹細胞から分化した心筋細胞の初期収縮速度とその変化を検出して、胚毒性試験のために用いることもできる。増幅器ボードに設置された統合型増幅器を用いて、フィールド電位信号を増幅して、制御ユニットを用いて記録することができる。各測定後に、球状体を培養リザーバー内で回転させて、自由に動かすことによって、微小空洞から取り出す。
【0031】
好ましくは、培養チャンバープレートのために、プラスチック又はガラスなどの透明な材料を使用すること、並びにインジウム酸化第一錫(ITO)などの透明な電極材料を使用することによって、更に、球状体のマルチモーダル・イメージングが可能となり、それによって、球状体の更なる特性解析が可能になるとの利点が得られる。
【0032】
(ここでは、制御ユニットとも呼ばれる)記録・解析・集中制御ユニットは、本装置全体を管理し、事前にプログラミングすることができる。この制御ユニットは、球状体を生成している間と培養及び測定期間において、ロータリーシェーカーの回転パラメータを制御する。好ましくは、この制御ユニットは、フィールド電位測定用のマルチプレクサー、インピーダンス・アナライザー、増幅器を備えた増幅器ボードをも管理するとともに、インピーダンスとフィールド電位データを記録する。有利には、標準的なパーソナル・コンピュータ(PC)を制御ユニットとして使用することができる。この制御ユニットによって、好ましくは、例えば、アダプターを介した、複数の増幅器ボードの接続が可能である。
【0033】
本発明による装置の利点は、測定期間に渡る球状体の完全に自動的な生成及び非破壊な特性解析が可能になることである。活性薬剤成分とその細胞に対する効果のスクリーニングのために三次元の細胞球状体を使用することは、従来の二次元の細胞単層で提供されるよりも組織に似た環境での効果を観察する可能性を提供する。本装置により、複数の単細胞から誘導される三次元の細胞球状体の自動的な生成と培養、並びにそのような細胞球状体での細胞間相互作用、アポトーシス、壊死、繁殖及び分化とそれらの想定される活性薬剤成分に対する変化の高度な内容による観察が可能となる。
【0034】
好ましくは、本装置の制御ユニット以外の全ての部品は、動作中、細胞培養器内に設置される。
【0035】
本発明の別の課題は、細胞又は組織の培養、細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成と細胞球状体の状態の観察のために、本発明による装置及び培養チャンバープレートを使用する方法である。
【0036】
本発明には、細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成及び特性解析と細胞球状体の状態のリアルタイム観察のための方法であって、
a)本発明による装置と培養チャンバープレートを配備する工程と、
b)培養チャンバープレートの培養リザーバー内に細胞、細胞球状体又は組織サンプルを導入する工程と、
c)ロータリーシェーカーを動かすことによって、培養リザーバーの微小空洞内に細胞、細胞球状体又は組織サンプルを配置する工程と、
d)二つの微小電極間での細胞、細胞球状体又は組織サンプルのインピーダンス、各電極での細胞、細胞球状体又は組織サンプルの起電性の活動及びそれらの培養中及び異なる培養リザーバー間の変化の中の少なくとも一つを計測する工程と、
を有する方法も含まれる。
【0037】
工程c)では、細胞、細胞球状体又は組織サンプルは、有利には、ロータリーシェーカーを動かすことによって、それに対応する培養リザーバーの微小空洞内に配置される。
【0038】
工程d)でのパラメータの計測後に、細胞、細胞球状体又は組織サンプルは、好ましくは、ロータリーシェーカーを動かすことによって、(培養リザーバーからではなく)微小空洞の底部から取り出される。そのような動きは、有利には、微小空洞の表面への細胞の付着を防止する。
【0039】
本発明が細胞球状体の生成に適用される場合、本発明による方法は、(工程b)とc)の間に)追加工程b’)を有する。従って、その場合、本発明による方法は、
a)本発明による装置と培養チャンバープレートを配備する工程と、
b)培養チャンバープレートの培養リザーバー内に細胞を導入する工程と、
b’)制御ユニットによって管理された形で、細胞特有のシェーキング・プログラムにより細胞球状体を生成する工程と、
c)培養リザーバーの微小空洞内に細胞球状体を配置する工程と、
d)二つの微小電極間での組織サンプルのインピーダンス、各電極での細胞球状体の起電性の活動及びそれらの培養中及び異なる培養リザーバー間の変化の中の少なくとも一つを計測する工程と、
を有する。
【0040】
好ましい実施形態では、細胞球状体の生成のために幹細胞を使用する。ここで、本発明の使用による細胞球状体の生成は、好ましくは、幹細胞の分化を始動する。好ましくは、人の胚を破壊せずに、幹細胞が得られる。好ましい幹細胞は、人以外の胚性幹細胞、人由来の多能性幹細胞、体細胞又は臍帯血の幹細胞である。好ましくは、幹細胞は心筋細胞に分化し、その修飾因子は、心筋細胞の電気薬理学的特性を修飾する周知の因子又は修飾すると疑われている因子及び/又は幹細胞の分化を刺激する因子である。
【0041】
別の実施形態では、組織サンプルから細胞を分離する。
【0042】
本発明が(単細胞を事前に分離せずに)組織サンプルに適用される場合、本発明による方法は、
a)本発明による装置と培養チャンバープレートを配備する工程と、
b)培養チャンバープレートの培養リザーバー内に組織サンプルを導入する工程と、
c)培養リザーバーの微小空洞内に組織サンプルを配置する工程と、
d)二つの微小電極間の組織サンプルのインピーダンス、各電極での細胞球状体の起電性の活動及びそれらの培養中及び異なる培養リザーバー間の変化の中の少なくとも一つを計測する工程と、
を有する。
【0043】
工程c)での配置、工程d)での球状体パラメータの計測は、毎時、6時間毎又は毎日など任意の時間に実施することができる。
【0044】
本発明による方法を実施する好ましい形態では、工程b)又はb’)の後又は工程d)の後に、細胞の状態を修飾する周知の因子又は修飾すると疑われている因子が培養ウェルの一部に導入される。特に、後者の場合、工程c)とd)は、反復して繰り返される。
【0045】
好ましくは、細胞球状体内のインピーダンスの空間分解像を得るために、全ての電極の間でインピーダンスを計測する。
【0046】
修飾因子は、周知の生物学的な効果を有する物質又はそのような効果を持つか否かを試験する物質である。
【0047】
修飾因子は、好ましくは、毒性、細胞増殖抑制性又は抗毒性の物質、或いはそのような毒性、細胞増殖抑制性又は抗毒性の効果を持つか否かを試験する物質である。
【0048】
それに代わって、或いはそれに追加して、修飾因子は、活性薬剤成分である。
【0049】
それに代わって、或いはそれに追加して、修飾因子は、アポトーシス又は壊死効果、或いは抗アポトーシス又は抗壊死効果を有する物質、さもなければアポトーシス又は壊死効果、或いは抗アポトーシス又は抗壊死効果を持つか否かを試験する物質である。
【0050】
以下の図面と特別な実施形態により、本発明を更に説明するが、本発明は、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】培養チャンバープレート1、増幅器ボード2、回転軸4を有するロータリーシェーカー3、増幅器ボードからロータリーシェーカーへの接続ケーブル5及び中央制御ユニット6を備え、中央制御ユニット以外の全ての部品が細胞培養器7内に配置された統合型培養・測定装置の模式的なレイアウト図
【図2】培養チャンバープレートの材料9内の微小空洞8、(接点パッドとの)接続部11を備えた微小電極10及び細胞球状体12の模式的な断面図
【図3】4つの側面を持つ切頭角錐を逆さまにした構造により微小空洞を実現した実施形態(A)と切頭円錐を逆さまにした構造により微小空洞を実現した実施形態(B)の微小空洞8の平面図(両方の微小空洞は、微小空洞の壁面13上に(接点パッドとの)接続部11を備えた4つの微小電極10を有する)
【図4】フィールド電位測定部14はノイズフィルター15、増幅器16及びアナログ・デジタル変換器17を備え、インピーダンス測定部18は信号発生器19、マルチプレクサー20、測定トランスデューサー21及びアナログ・デジタル変換器17を備え、両方の部分がマイクロコントローラー22により動作する、増幅器ボード2の機能を図示した、培養チャンバープレート1とのブロック接続図
【図5】ロータリーシェーカーが増幅器ボード用アダプター24を備えた歯車付モーター23、モーター速度制御用写真解析器25、デジタル感熱センサー26、ファン27及び傾斜制御用加速度センサー28を有し、これらの構成要素が中央制御ユニット6との接続部を備えたマイクロコントローラー22により制御される、ロータリーシェーカー5の構成要素の模式図
【図6】幅400μmの4つの側面を持つ切頭角錐による微小空洞内でマウスの胚性幹細胞を19日間培養して(ロータリーシェーカー上の心臓分化溶液内で12個の細胞球状体を培養し、ロータリーシェーカー上の分化抑制溶液内で12個の細胞球状体を培養した)、測定した(分化した細胞球状体のインピーダンスは分化抑制した場合の細胞球状体よりも著しく高かった)インピーダンスの百分率による最大相対変化グラフ
【図7】心筋細胞球状体から誘導したマウスの胚性幹細胞に関する微小空洞の4つの微小電極のフィールド電位の(微小電極2,3及び4のフィールド電位の大きなスパイクは明らかに心筋細胞球状体の目に見える収縮と関連する)グラフ
【発明を実施するための形態】
【0052】
この統合型細胞球状体生成・検出装置は、高湿度の細胞培養器7内に設置されたロータリーシェーカー3を備えている(図1)。そのため、歯車付モーター23と全ての電子部品は筐体内に収納されている(図1と図5)。ロータリーシェーカー3は、回転軸4によって規定される回転直径6cmの軌道モードで動作する。歯車付モーター23の回転数は、所定の自由に選定可能な回転プロトコルにより、10〜150回転/分で連続的に調整可能である。加速度センサー28によって、ロータリーシェーカー3の状態パラメータとしてのシェーカーの傾斜を制御するとともに、写真解析器25によって、回転数のログを記録している。歯車付モーター上方での蓄熱を防止するために、ファン27がロータリーシェーカーの側壁に設置されている。ファン27の速度は、マイクロコントローラー22によって制御されるとともに、デジタル感熱センサー26を用いて検証される。ロータリーシェーカー3と歯車付モーター23の状態パラメータも、USB又はZigBee無線ネットワークを介して制御ユニット6としてのPCと接続されたマイクロコントローラー22によって制御される。このPCは、優良実験室規範(GLP)の資格要件としてのロータリーシェーカー3の回転及び状態パラメータを記録している。ロータリーシェーカー3は、増幅器ボード用アダプター24を有する。
【0053】
増幅器ボード2は、標準的な96個のウェルを持つマイクロタイタープレート用フォーマットによる培養チャンバープレート1のためのインタフェースを有する。培養チャンバープレート1の接点パッドとの接続は、金製接点ピンで行なわれる。増幅器ボード2は、インピーダンス測定部18、フィールド電位測定部14及びマイクロコントローラー22を備えている(図4)。信号発生器19、マルチプレクサー20及び測定トランスデューサー21を用いて、任意の微小空洞8の二つの任意の微小電極10間のインピーダンスを接点ピンを介して計測する。USB又はZigBee無線ネットワークを介して制御用PC6と接続された増幅器ボード2のマイクロコントローラー22が、アナログ・デジタル変換器17を介して、これらの構成要素を制御する。ノイズフィルター15と増幅器16を用いて、各培養チャンバーの底部に設置され、接点ピンを介して増幅器ボード2と接続された中央の基準電極に対して、各微小電極10のフィールド電位を測定する。マイクロコントローラー22が、アナログ・デジタル変換器17を介して増幅器16のデータを記録する。増幅器ボード2の回路は、標準的なプリント配線基板技術で実現される。
【0054】
培養チャンバープレート1は、接着結合によって互いに連結された二つの部分を有する。上側部分が、標準的な96個のウェルを持つマイクロタイタープレート用フォーマットによる培養チャンバーを形成する。培養チャンバープレート1の下側部分には、微小空洞8が設置されている。第三の部分は、培養チャンバーの上側部分の上に設置された蓋である。透明な生体適合性ポリカーボネイト・コポリマーの射出成形によって、全ての部分が製作されている。
【0055】
微小空洞8は、4つの側面と長さ400μmの上側の側面を持つ切頭角錐を逆さまにした構造として実現されている(図3A)。インジウム酸化第一錫から成り、長さ200μmと20μmの側面を持つ長方形の微小電極10が、微小空洞の各側面に設置されている。分離された導電性パス11が微小電極を培養チャンバープレート1の外側の接点パッドと接続している。微小電極10、導電性パス(接点パッドとの接続部)11及び基準電極の製作は、フォトリソグラフィー法で行なわれる。フォトレジストの溶剤に対するポリカーボネイトの保護は、HFスパッタリングによる厚さ30nmのSiO2 層で行なわれる。微小電極10と基準電極は、透明な導電材料のインジウム酸化第一錫から構成される。培養チャンバープレートの全ての部分は、オートクレービングにより消毒することができる。
【0056】
中央制御ユニット6としてのPCは、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)又はZigBee無線ネットワークを介して、ロータリーシェーカー3及び増幅器ボード2と接続される。回転パラメータ、測定パラメータ及び測定ポイントにより、実験を設定して、事前にプログラミングした後、自動的に実行することができる。実験パラメータと測定データは、優良実験室規範(GLP)に準拠して、ローデータとしてPCに保存される。
【0057】
このシステムは、心筋細胞への胚性幹細胞の分化用の品質管理システムとして使用することができる。細胞球状体12の形成のために、100μlの培養液と共に1,000個の胚性幹細胞を各培養チャンバーに移した。細胞培養器内では、ロータリーシェーカー3を72回転/分で3日間回転した後、各培養チャンバー内に単一の細胞球状体を構成した。これらの細胞球状体は、ロータリーシェーカー上で更に16日間培養することができた。
【0058】
細胞球状体12の特性解析は、細胞球状体を微小空洞8内に配置して、50〜1,000kHzの周波数帯域で微小空洞8の二つの微小電極10間のインピーダンスを測定することによって実施される(図2)。その後、微小空洞8内に細胞球状体12が無い場合のインピーダンス・スペクトルと同じ微小空洞8内に細胞球状体12が有る場合のインピーダンス・スペクトルとから、インピーダンスの百分率による相対的な変化を計算した。
【0059】
本発明者は、細胞球状体の形成後16日間の分化の間に、培養液内の胚性幹細胞の球状体12が、分化を抑制する溶液内の細胞球状体と比べて、大幅に大きなインピーダンスの最大相対変化を示すことを実証した(図6)。培養してから10日目に胚性幹細胞の球状体が収縮を開始することを実証した。特徴的なスパイクとしての微小電極でのフィールド電位測定によって、この収縮と、それによる分化した幹細胞球状体の心筋細胞の活動能力とを実証することができた(図7)。分化を抑制された細胞球状体は、収縮も、その結果としてのフィールド電位データにおけるスパイクも示さなかった。
【符号の説明】
【0060】
1 培養チャンバープレート
2 増幅器ボード
3 ロータリーシェーカー
4 回転軸
5 接続ケーブル
6 制御ユニット
7 細胞培養器
8 微小空洞
9 培養チャンバープレートの材料
10 微小電極
11 接点パッドとの接続部
12 細胞球状体
13 微小空洞の壁面
14 フィールド電位測定部
15 ノイズフィルター
16 増幅器
17 アナログ・デジタル変換器
18 インピーダンス測定部分
19 信号発生器
20 マルチプレクサー
21 測定トランスデューサー
22 マイクロコントローラー
23 歯車付モーター
24 増幅器ボード用アダプター
25 写真解析器
26 デジタル感熱センサー
27 ファン
28 加速度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成と特性解析及び細胞球状体の状態のリアルタイム観察のための統合型培養・測定装置であって、
a)培養チャンバープレート(1)用の取付機器であって、この培養チャンバープレート(1)が複数の培養リザーバーを備え、各培養リザーバーの底部が一つの微小空洞(8)を形成し、各微小空洞(8)が微小空洞の壁面(13)に複数の微小電極(10)を備え、この取付機器が複数の微小電極用接点を有する取付機器と、
b)この取付機器内の微小電極(10)用の接点と接続された増幅器ボード(2)と、
c)これらの増幅器ボード(2)と培養チャンバープレート(1)用の取付機器を上に載せたロータリーシェーカー(3)と、
d)これらの増幅器ボード(2)及びロータリーシェーカー(3)と接続された制御ユニット(6)であって、この制御ユニット(6)によって、データの記録と解析並びにロータリーシェーカー(3)の動きの制御が可能である制御ユニットと、
を備えた装置。
【請求項2】
制御ユニット(6)が、ロータリーシェーカー(3)による増幅器ボード(2)及び培養チャンバープレート(1)の動きによって、微小空洞(8)内への細胞球状体の配置を自動的に管理するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
制御ユニット(6)によって管理される異なるタイプの細胞及び組織からの細胞球状体の生成のために、ロータリーシェーカー(3)の調整可能な異なる回転プロトコルが更に配備されている請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
当該の培養チャンバープレート(1)用の取付機器が、マイクロレーザー操作システムと接続されている請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置で使用するための複数の培養リザーバーを備えた培養チャンバープレート(1)であって、
各培養リザーバーの底部が、一つの微小空洞(8)を形成し、各微小空洞(8)が、微小空洞の壁面(13)に複数の微小電極(10)を有する培養チャンバープレート。
【請求項6】
微小空洞(8)が、
a)好ましくは、4〜8個の側面と各側面上の一つの微小電極(10)とを備えた、切頭角錐を逆さまにした構造、又は
b)好ましくは、壁面(13)上に4〜12個の微小電極(10)を備えた、切頭円錐を逆さまにした構造の微小空洞、
として構成されている請求項5に記載の培養チャンバープレート。
【請求項7】
測定データの事前処理のための統合型回路を備えた請求項5又は6に記載の培養チャンバープレート。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか一つに記載の装置又は請求項5から7までのいずれか一つに記載の培養チャンバープレートの使用方法であって、
細胞又は組織の培養、細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成と細胞球状体の状態の観察のために、この装置又は培養チャンバープレートを使用する方法。
【請求項9】
細胞変異の無標識による検出と分類、特に、細胞球状体の生成と特性解析及び細胞球状体の状態のリアルタイム観察のための方法であって、
a)請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置と請求項5から7までのいずれか一つに記載の培養チャンバープレート(1)を配備する工程と、
b)培養チャンバープレート(1)の培養リザーバー内に細胞、細胞球状体又は組織サンプルを導入する工程と、
c)ロータリーシェーカー(3)を動かすことによって、培養チャンバープレート(1)の微小空洞(8)内に細胞、細胞球状体又は組織サンプルを配置する工程と、
d)二つの微小電極(10)間での細胞、細胞球状体又は組織サンプルのインピーダンス、各微小電極(10)での細胞、細胞球状体又は組織サンプルの起電性の活動及びそれらの培養中及び異なる培養リザーバー間の変化の中の少なくとも一つを計測する工程と、
を有する方法。
【請求項10】
細胞球状体の生成と特性解析及び細胞球状体の状態のリアルタイム観察のために、
工程b)で、培養チャンバープレート(1)の培養リザーバーに細胞を導入する工程と、
追加工程b’)で、ロータリーシェーカー(3)を細胞特有のシェーキングプログラムにより動かすことによって、細胞球状体を生成して、制御ユニット(6)によって管理する工程と、
工程c)で、培養リザーバーの微小空洞内に細胞球状体を配置する工程と、
工程d)で、二つの微小電極(10)間の組織サンプルのインピーダンス、各微小電極(10)での細胞球状体の起電性の活動及びそれらの培養中及び異なる培養リザーバー間の変化の中の少なくとも一つを計測する工程と、
を有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程c)の後又は工程e)の後に、細胞の状態を修飾する周知の因子又は修飾すると疑われている因子を培養リザーバーの一部に導入する請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
工程e)の後に、細胞の状態を修飾する周知の因子又は修飾すると疑われている因子を培養リザーバーの一部に導入して、更に、工程c)とd)を反復して繰り返す請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
当該の修飾因子が想定される毒性又は細胞増殖抑制性物質と活性薬剤成分の一方又は両方である請求項9から12までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
当該の細胞が幹細胞であり、細胞球状体の生成が、その幹細胞の分化を始動させる請求項10から13までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
当該の幹細胞が心筋細胞に分化し、当該の修飾因子が心筋細胞の電気生理学的特性を修飾する周知の因子又は修飾すると疑われている因子である請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−518571(P2013−518571A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551604(P2012−551604)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051448
【国際公開番号】WO2011/095505
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507381019)ウニベルジテート・ライプツィヒ (4)
【Fターム(参考)】