説明

細長いワークピースの内弧または外弧の部分の長さを測定する方法

【課題】曲げ動作中の細長いワークピースにおける曲げ部分の長さを正確に測定する方法を提供する。
【解決手段】前進方向に沿って曲げ機械において移動する細長いワークピースTの外弧または内弧の部分の長さを測定する方法であって、細長いワークピースTが、複数の断面であってそれぞれが細長いワークピースTが曲げられているときに中立軸によって伸張部分及び収縮部分の双方に分けられる複数の断面と、少なくとも中立的なすなわち曲げられていない断面であって細長いワークピースTの湾曲がワークピースTの前進方向に沿って中立的な断面を越えて始まる中立的な断面とを有し、長さの測定が測定器具4によって実行され、測定器具4が測定中に測定器具4が中立的な断面の近傍で細長いワークピースTの外弧または内弧のいずれかの点と係合するように位置付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長いワークピースの外弧(extrados)または内弧(intrados)における湾曲部分の長さを測定する方法に関する。さらに、本発明は、関連器具に関し、この関連器具は、以下、一例としてピラミッド型の曲げ機械に取り付けられたエンコーダである。当然ながら、この方法は、同様に、ピラミッド型のローラ曲げ機械とは異なるパイプ曲げ機械で具現化されてもよいことを理解すべきである。
【背景技術】
【0002】
細長いワークピースを変化する曲率半径にしたがって曲げなければならない場合、例えば半径が異なる湾曲部分または一般的に半径が変化する湾曲部分などによって離間された半径が一定である部分を得るため、このような細長いワークピースは、すでに存在する輪郭または外形を正確に複製しなければならず、細長いワークピースは、この輪郭または外形に調節されなければならず、湾曲部分を長さにおいて可能な限り正確に測定することは、重要である。
【0003】
接触型の長さ測定デバイス、一般的にエンコーダは、現在使用されており、エンコーダは、曲げ機械、すなわち変形ローラの突出軸にある対称点において曲げられるパイプに沿って位置付けられている。しかしながら、パイプの対称断面は、曲げ応力の結果として変形されない。
【0004】
既知のように、曲げられるパイプまたは他の型材のような細長いワークピースは、断面がこの対称的なまたは中立的な断面(symmetrical or neutral cross-section)と異なるサン・ブナン(Saint-Venant)の固体である。そして、サン・ブナンの固体の断面は、中立軸と称される分離線によって2つの部分に分けられ、一方の部分は、伸張され、他方の部分は、曲げ動作中に外側から加えるにしたがって、曲げ応力によって収縮される。したがって、曲げによって引き起こされた伸張に起因して、外弧が内弧よりも大きい長さを有することがある。この伸張は、細長いワークピースの高さを増大させて曲率半径を減少させると増大し、さらに、これは、細長いワークピースの曲げを実行する速度に依存する。
【0005】
最後に、レーザ手段のような最も高度な手段を曲げ動作を制御するために用いても、実行されている湾曲部分における及び平面内のパイプの突出部におけるパイプの挙動を時間を追って確認することは重要である。そのような方法で、製造されたワークピースが予想と一致しないことが頻度には発生しにくくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の主目的は、外弧及び内弧における所望寸法に関して、曲げ動作中の細長いワークピースにおける曲げ部分の直線長さを可能な限り正確に測定することを行うことである。
【0007】
本発明の別の目的は、機械においてワークピースの変形点に可能な限り近接して細長いワークピースの直線測定を実行することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、第1態様において、本発明は、前進方向に沿って曲げ機械中を移動する細長いワークピースの外弧または内弧の湾曲部分の長さを測定する方法を提供し、この方法は、細長いワークピースが、複数の断面であって、それぞれが細長いワークピースが曲げられているときに中立軸(neutral axis)によって伸張部分及び収縮部分の双方に分けられる、複数の断面と、少なくとも中立的なすなわち曲げられていない断面であって、細長いワークピースの湾曲がワークピースの前進方向に沿って中立的な断面を越えて始まる、中立的な断面と、を有し、長さの測定が、関連器具によって実行され、関連器具が、測定中に、関連器具が中立的な断面の近傍で細長いワークピースの外弧または内弧のいずれかの点と係合するように位置付けられている。
【0009】
第2態様において、本発明は、対称的なピラミッド型ローラ曲げ機械であって移動可能な上側変形ローラと少なくとも一対の下側入口及び出口駆動ローラとを有する曲げ機械において細長いワークピースの移動方向に沿って移動する細長いワークピースの外弧または内弧の湾曲部分を測定する長さ測定器具を提供し、この長さ測定器具は、曲げ機械の対称中心軸が、中立的な、すなわち曲げを受けない断面のトレース(trace)であり、長さ測定器具が、測定中に、長さ測定器具が曲げ機械の対称軸を越えて下側出口駆動ローラに向けて細長いワークピースの外弧または内弧のいずれかの点と係合するように位置付けられている。
【0010】
本発明は、添付の図面と共に本発明の好ましい実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における細長いワークピースの線形測定方法を具現化した機械を示す非常に概略的かつ部分的な側面図である。
【図2】本発明における方法を具現化するために細長いワークピースを加えた図1の機械を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、一例として本発明を具現化する機械は、対称的なピラミッド型の曲げ機械であり、3つの駆動ローラ1、2及び3の組を備えており、この駆動ローラの少なくとも1つは、変形ローラであり、例えばパイプTのような細長いワークピースは、3つの駆動ローラ1、2及び3の組を通って矢印Fの方向で送られる(図2)。明確性のため、下側ローラ2及び3は、これらの位置で固定されており、上側ローラ1は、各垂直位置が調節可能であり、機械によって制御されてフィードバック制御にしたがって垂直方向に動く。駆動ローラ1、2及び3の組を通るパイプTの給送を測定するためのエンコーダは、符号4で示される。エンコーダ4は、本明細書で示されないまたは説明されない他の構成部材と同様に、機械の動作を管理する制御システムの一部である。
【0013】
本発明の方法において、エンコーダ4は、矢印Fで規定された細長いワークピースの運動方向に応じて、移動可能な上側変形ローラ1と一対の下側入口及び出口ローラ2及び3とを用いて、対称的なピラミッド型のローラ機械におけるワークピースの運動中に、細長いワークピースTの外弧の湾曲部分を測定するための長さ測定器具である。軸yは、曲げ機械の対称中心軸であり、中立的なすなわち曲げ応力を受けない断面Snのトレース(trace)である。このため、エンコーダ4は、軸方向に配置されていても、検出ホイール5を有しており、この検出ホイールは、曲げ機械の対称軸yを越えて下側駆動出口ローラ3に向けて細長いワークピースの外弧の所定点と係合するように位置付けられている。
【0014】
エンコーダのおかげで、ワークピースの外弧の湾曲部分は、個別の部分の長さ及び半径に関しかつ平面におけるその配置に関して所望どおり再現される。図示しないが、エンコーダは、必要に応じてエンコーダが細長いワークピースの内弧の所定点と係合するように位置付けられてもよい。
【0015】
エンコーダの代替として、測定器具は、レーザの長さ測定器具であってもよい。
【0016】
理解すべきことは、本発明が説明した実施形態に限定されず、同様に本発明の方法が適用される他の曲げ機械において具現化されてもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 駆動ローラ,上側ローラ,上側変形ローラ、2 下側ローラ(下側入口駆動ローラ)、3 下側駆動出口ローラ,下側出口ローラ(下側出口駆動ローラ)、4 エンコーダ(長さ測定器具,関連器具)、5 検出ホイール、T パイプ,ワークピース,細長いワークピース、y 軸,対称軸、Sn 断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前進方向に沿って曲げ機械において移動する細長いワークピースの外弧または内弧の部分の長さを測定する方法であって、
前記細長いワークピースが、
複数の断面であって、それぞれが前記細長いワークピースが曲げられているときに中立軸によって伸張部分及び収縮部分の双方に分けられる、複数の断面と、
少なくとも中立的なすなわち曲げられていない断面であって、前記細長いワークピースの湾曲が前記ワークピースの前進方向に沿って当該中立的な断面を越えて始まる、中立的な断面と、を有し、
長さの測定が、関連器具によって実行され、
前記関連器具が、測定中に、当該関連器具が前記中立的な断面の近傍で前記細長いワークピースの外弧または内弧のいずれかの点と係合するように位置付けられていることを特徴とする方法。
【請求項2】
対称的なピラミッド型ローラ曲げ機械であって移動可能な上側変形ローラと少なくとも一対の下側入口及び出口駆動ローラとを有する曲げ機械において細長いワークピースの移動方向に沿って移動する前記細長いワークピースの外弧または内弧の湾曲部分を測定する長さ測定器具であって、
前記曲げ機械の対称中心軸が、中立的な、すなわち曲げを受けない断面のトレースであり、
当該長さ測定器具が、測定中に、当該長さ測定器具が前記曲げ機械の対称軸を越えて前記下側出口駆動ローラに向けて前記細長いワークピースの外弧または内弧のいずれかの点と係合するように位置付けられていることを特徴とする長さ測定器具。
【請求項3】
当該長さ測定器具が、エンコーダであることを特徴とする請求項2に記載の長さ測定器具。
【請求項4】
当該長さ測定器具が、レーザ測定器具であることを特徴とする請求項2に記載の長さ測定器具。

【図1】
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【図2】
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