説明

組み立て治具

【課題】本発明は、ヒンジを正確に装着し、且つ生産効率に優れた組み立て治具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る組み立て治具は、ヒンジを電子装置のディスプレイに装着させることに用いられ、且つディスプレイを支持するベース部と、該ベース部に設置されている装着部と、を備える。前記装着部は、ベース部から延伸して形成された2つの支持アームと、両端が前記2つの支持アームの頂端にそれぞれ連結された回転軸と、前記回転軸に固定されて前記回転軸の回転によって回転される回転アームと、を備え、前記回転アームには、ヒンジを回転アームに定位させる少なくとも2つの定位突起及びヒンジを回転アームに固定させる少なくとも1つの磁性部材が設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て治具に関し、特に電子装置のヒンジの装着に用いられる組み立て治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコン、携帯電話等のような電子装置において、ディスプレイと本体とは、ヒンジを介して連結されている。しかし、従来の電子装置の製造過程中において、ヒンジの装着は、手作業によって行われるので、位置ずれによる製品不良が生じることがあり、また、装着に時間がかかるため、生産効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、ヒンジを正確に装着し、且つ生産効率に優れた組み立て治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明に係る組み立て治具は、ヒンジを電子装置のディスプレイに装着させることに用いられ、且つ前記ディスプレイを支持するベース部と、前記ベース部に設置されている装着部と、を備え、前記装着部は、前記ベース部から延伸して形成された2つの支持アームと、両端が前記2つの支持アームの頂端にそれぞれ連結された回転軸と、前記回転軸に固定されて前記回転軸の回転によって回転される回転アームと、を備え、前記回転アームには、前記ヒンジを前記回転アームに定位させる少なくとも2つの定位突起及び前記ヒンジを前記回転アームに固定させる少なくとも1つの磁性部材が設置されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る組み立て治具は、ヒンジをディスプレイに迅速、且つ正確に装着させることができ、生産効率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る組み立て治具の斜視図である。
【図2】図1に示した組み立て治具における装着部にヒンジが定位された状態を示す図である。
【図3】図2に示した組み立て治具の装着部において、ヒンジをディスプレイに装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係る組み立て治具について詳細に説明する。
【0008】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る組み立て治具100は、ヒンジ300を電子装置のディスプレイ200に装着させることに用いられる。前記ディスプレイ200の1つの側縁には、半円弧状の2つのヒンジケース201が、前記ディスプレイ200に対してほぼ垂直に設置されている。
【0009】
前記組み立て治具100は、ベース部10及び装着部20を備える。本実施形態において、前記ベース部10は平板状であり、且つ前記ディスプレイ200を支持することに用いられる。本実施形態において、前記ベース部10の一面には、収容部11が、窪んだ状態で設けられている。該収容部11の形状は、前記ディスプレイ200の形状に対応し、且つ前記ディスプレイ200を収容及び定位することに用いられる。
【0010】
2つの前記装着部20は、前記ベース部10の1つの側縁の両端に近接する箇所にそれぞれ設置されている。各々の前記装着部20は、前記ベース部10からほぼ垂直に延伸して形成された2つの支持アーム21と、両端が前記2つの支持アーム21の頂端にそれぞれ連結されたレバー状の回転軸22と、前記回転軸22に固定されて、該回転軸22の回転によって前記ベース部10に接近する方向又は前記ベース部10から離れる方向に回転される回転アーム23と、をそれぞれ備える。
【0011】
図3を併せて参照すると、前記回転アーム23は、互いに間隔をあけて、且つ平行に設置された2つの縦アーム231と、1つの横アーム232と、をそれぞれ備える。各々の前記縦アーム231の一端は、前記回転軸22に連接され、他端は、前記横アーム232の両端にそれぞれ連接されている。これにより、前記横アーム232と前記回転軸22とは、ほぼ平行である。前記横アーム232は、前記回転軸22から離れる方向に該横アーム232から突出した少なくとも2つの定位突起2321と、前記横アーム232の一部が窪むようにして前記横アーム232の内部に設置された少なくとも1つの磁性部材2322と、貫通孔2323及び前記横アーム232の一端から突設されたストッパー部2324と、を備える。本実施形態において、前記磁性部材2322は磁石であり、前記ヒンジ300は強磁性金属からなる。従って、該前記ヒンジ300は、前記磁性部材2322によって引き寄せられる。
【0012】
前記ヒンジ300は、更に、第一固定部301と、第二固定部302と、前記第一固定部301と前記第二固定部302とを回転可能に連結するヒンジ軸303と、を備える。前記第一固定部301は、前記ディスプレイ200に固定され、前記第二固定部302は、前記本体(図示せず)に固定される。また、前記第一固定部301には、少なくとも2つの定位孔3011及び固定孔3012がそれぞれ設けられている。
【0013】
前記ヒンジ300を前記ディスプレイ200に取り付ける際、先ず、前記回転アーム23における前記少なくとも2つの定位突起2321を、前記ヒンジ300の前記第一固定部301における前記少なくとも2つの定位孔3011に挿入させて、前記ヒンジ300を前記回転アーム23に定位させる。この際、前記ヒンジ300は、前記磁性部材2322の磁力によって引き寄せられることで前記回転アーム23に固定され、これにより、該回転アーム23に連動されて回転することができる。前記ヒンジ300が前記回転アーム23に固定された際、前記横アーム232の前記貫通孔2323と前記ヒンジ300の前記固定孔3012とは位置合わせされる。
【0014】
前記ヒンジ300が前記回転アーム23の回転によって連動されて、図2に示した位置(初期位置)から図3に示した位置(固定位置)まで回転した際、前記2つの回転アーム23の前記ストッパー部2324は、前記ディスプレイ200の両端の辺縁と係合して、前記ディスプレイ200が移動することを防止し、前記ヒンジ300の前記ヒンジ軸303は、半円弧状の前記ヒンジケース201内に収容される。また同時に、前記第一固定部301は、前記ディスプレイ200に載置される。次いで、ネジ(図示せず)を前記貫通孔2323及び前記固定孔3012に挿入するとともに前記ディスプレイ200における対応するネジ穴(図示せず)に螺合させて、前記ヒンジ300を前記ディスプレイ200に固定させる。前記ヒンジ300の前記第一固定部301を前記ディスプレイ200に固定させた後、前記回転アーム23を前記ヒンジ300の前記第一固定部301から離脱させて初期位置まで回転させる。
【0015】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正もまた本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0016】
100 組み立て治具
200 ディスプレイ
300 ヒンジ
10 ベース部
11 収容部
20 装着部
21 支持アーム
22 回転軸
23 回転アーム
231 縦アーム
232 横アーム
2321 定位突起
2322 磁性部材
2323 貫通孔
2324 ストッパー部
201 ヒンジケース
301 第一固定部
302 第二固定部
303 ヒンジ軸
3011 定位孔
3012 固定孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジを電子装置のディスプレイに装着させることに用いられる組み立て治具において、
前記ディスプレイを支持するベース部と、前記ベース部に設置されている装着部と、を備え、
前記装着部は、前記ベース部から延伸して形成された2つの支持アームと、両端が前記2つの支持アームの頂端にそれぞれ連結された回転軸と、前記回転軸に固定されて、前記回転軸の回転によって回転される回転アームと、を備え、
前記回転アームには、前記ヒンジを前記回転アームに定位させる少なくとも2つの定位突起及び前記ヒンジを前記回転アームに固定させる少なくとも1つの磁性部材が設置されていることを特徴とする組み立て治具。
【請求項2】
前記ベース部は、平板状であり、且つ前記ベース部の一面には、形状が前記ディスプレイの形状と対応する収容部が窪んだ状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組み立て治具。
【請求項3】
前記回転アームは、2つの縦アーム及び1つの横アームを備え、各々の縦アームの一端は前記回転軸に連接され、他端は前記横アームにそれぞれ連接されて、前記横アームと前記回転軸とは互いに平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の組み立て治具。
【請求項4】
前記回転アームにおける前記定位突起及び前記磁性部材は、前記横アームに設置され、前記横アームには、貫通孔及びストッパー部がさらに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の組み立て治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−33481(P2013−33481A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169326(P2012−169326)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】