説明

組合せ計量装置およびこれを備えた計量包装システム

【課題】 従来の組合せ計量装置よりも組合せ計量によって排出される物品の弁別性を向上させて生産能力の向上を図ることが可能な組合せ計量装置およびこれを備えた計量包装システムを提供する。
【解決手段】 組合せ計量装置1は、複数の計量ホッパ5と、その下流側に配置された第1集合シュート7とを備えている。組合せ計量装置1は、第1集合シュート7の排出口7bの下流側に、第2集合シュート8を備えている。第2集合シュート8は、複数の集合セクション8a〜8dを含んでおり、それぞれの集合セクション8a〜8dが排出口18a〜18dを有している。第2集合シュート8は、回転駆動源19から伝達される回転駆動力によって第1集合シュート7に対して回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の計量ホッパから排出される物品を集合させて下流側に配置された装置へ排出する組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の物品を計量して複数の計量結果を用いて組合せ計量を行う組合せ計量装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、組合せ計量によって選択された物品を排出するための排出口が複数設けられた組合せ計量装置が開示されている。ここでは、排出口を複数備えているため、排出過程で物品同士が混ざり合うことを防止して適切に物品を回収できる。よって、下流側に配置された包装機において、各組合せ計量ごとの物品が混ざり合うことなく包装することができる。
【特許文献1】特開平01−032926号公報(平成1年7月11日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の組合せ計量装置では、以下に示すような問題点を有している。
【0005】
すなわち、上記公報に開示された組合せ計量装置では、複数の排出口に対応する複数のタイミングホッパに対して複数の包装機を設ける必要があり、コストアップの要因となる。また、タイミングホッパを交互に開閉して物品を排出することで包装機を1台にすることも考えられるが、この場合には組合せ計量において選択された複数の物品をまとめて弁別するのに時間がかかり、次回の組合せ計量で選択された物品の排出タイミングが遅れるため、組合せ計量装置が有する本来の運転能力の上限まで能力を上げることが困難である。
【0006】
本発明の課題は、従来の組合せ計量装置よりも組合せ計量によって排出される物品の弁別性を向上させて生産能力の向上を図ることが可能な組合せ計量装置およびこれを備えた計量包装システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る組合せ計量装置は、複数の物品の計量を行い、計量された物品の計量結果を組み合わせて組合せ計量を行う組合せ計量装置であって、複数の計量ホッパと、第1集合シュートと、第2集合シュートと、回転機構と、を備えている。計量ホッパは、複数の物品の計量を行う。第1集合シュートは、組合せ計量において選択されて計量ホッパから排出される物品を集合させるとともに、集合させた物品を排出する第1排出口を有している。第2集合シュートは、複数の集合セクションを含むように構成されている。各集合セクションは、第1集合シュートの第1排出口から排出された物品を集合させるとともに、集合させた物品を排出する第2排出口を有している。回転機構は、第2集合シュートを第1集合シュートに対して回転させる。
【0008】
ここでは、組合せ計量において選択されて計量ホッパから排出される物品を、2段階の集合シュートによって受けて弁別性を向上させた状態で排出する。
【0009】
通常、組合せ計量において選択されて計量ホッパから排出される物品は、略漏斗形状の集合シュートに排出されて滑落面を滑りながら排出口から排出される。このため、物品が完全に袋内へ排出されるまで待つ必要があり、生産能力があまり上げられない要因となっていた。
【0010】
そこで、本発明の組合せ計量装置では、通常の集合シュートとしての第1集合シュートに加えて、その下流側に第2集合シュートを設けている。この第2集合シュートは、第1集合シュートの第1排出口から排出される物品を回転しながら受け取って集合させる複数の集合セクションを有しており、各集合セクションの第2排出口を経て、下流側に配置された製袋包装機等へ物品を排出する。
【0011】
これにより、第1集合シュートの滑落面を滑り落ちながら搬送方向において分散して長くなった物品は、第2集合シュートの各集合セクションにおいて安定した後で排出されるため、物品を固めて排出することができる。よって、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の搬送方向における分散を小さくすることができるため、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。さらに、下流側に配置された製袋包装機等の装置において運転能力を上げた場合でも、シール部分への物品の噛み込みによるシール不良の発生を防止することができる。この結果、製袋包装機等の下流側に配置された装置の運転能力に合わせて組合せ計量装置の運転能力も向上させて、生産性の高い組合せ計量システムを構築できる。
【0012】
第2の発明に係る組合せ計量装置は、第1の発明に係る組合せ計量装置であって、第2集合シュートは、3つ以上の集合セクションを有している。
【0013】
ここでは、第2集合シュートを少なくとも3つのセクションに分けて使用する。具体的には、1つ目の集合セクションにおいて物品の投入が行われ、2つの目の集合セクションにおいて投入された物品を安定させ、3つ目の集合セクションにおいて安定させた物品を排出する。
【0014】
これにより、第2集合シュートにおいて物品を固めた状態にしてから第2排出口から排出するため、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の長さを短くすることができる。この結果、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。
【0015】
なお、集合セクションは3つ以上あってもよく、その場合には、例えば、投入された物品を安定させるセクションとして2つ以上のセクションを用いてもよい。
【0016】
第3の発明に係る組合せ計量装置は、第1または第2の発明に係る組合せ計量装置であって、第1集合シュートは、複数の計量ホッパから第1排出口までの距離が等しくなるように構成されている。
【0017】
ここでは、第1集合シュートに設けられた第1排出口を、複数の計量ホッパからの距離が等しくなるように配置している。
【0018】
これにより、組合せ計量において選択された複数の計量ホッパから物品が排出される場合でも、ほぼ同時に第1集合シュートの第1排出口から物品を排出することができる。このため、1回の組合せ計量において選択された物品を固めた状態で第2集合シュートに対して排出することができる。この結果、1回の組合せ計量において排出される物品の間隔を狭くすることができるため、生産能力の向上が図れる。
【0019】
第4の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、第2集合シュートは、回転機構によって水平面内で回転される。
【0020】
ここでは、第2集合シュートを水平面内で回転させながら各集合セクションにおいて第1集合シュートの第1排出口から物品を受け取る。
【0021】
これにより、第1集合シュートの第1排出口から排出される物品に付与される衝撃を最小限に抑制し、物品の割れや欠け等の発生を防止することができる。
【0022】
第5の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、第2集合シュートの第2排出口から排出される物品を容器で受け取り、第2集合シュートの回転と同期するように容器を旋回させながら排出する排出機構をさらに備えている。
【0023】
ここでは、第2集合シュートの第2排出口から排出される物品を受け取る容器を備えており、この容器を旋回させながら物品を排出する排出機構をさらに備えている。そして、排出機構は、第2集合シュートの回転と同期するように容器を旋回させる。
【0024】
これにより、第2排出口の回転に合わせて容器を旋回させることができるため、第2排出口から排出される物品を容器によって確実に受け取ることができる。
【0025】
第6の発明に係る組合せ計量装置は、第5の発明に係る組合せ計量装置であって、排出機構は、容器を下降させながら反転させて容器に投入された物品を排出する。
【0026】
ここでは、第2集合シュートの第2排出口から排出される物品を容器で受け取り、その容器を下降させながら反転させることで容器内の物品を排出する。
【0027】
これにより、容器から排出される際の尾引きを防止して、下流側に配置された製袋包装機等の装置に対して物品を固めた状態で排出することができる。この結果、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の搬送方向における分散の程度を小さくすることができるため、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。
【0028】
さらに、下流側に配置された製袋包装機等の装置において運転能力を上げた場合でも、シール部分への物品の噛み込みによるシール不良の発生を防止することができる。この結果、製袋包装機等の下流側に配置された装置の運転能力に合わせて組合せ計量装置の運転能力も向上させて、生産性の高い組合せ計量システムを構築できる。
【0029】
第7の発明に係る組合せ計量装置は、第5または第6の発明に係る組合せ計量装置であって、排出機構は、容器によって第2排出口から物品を受け取ると、容器を旋回させながら一旦下降させてから上昇させる。
【0030】
ここでは、第2集合シュートの第2排出口から排出される物品を、第2排出口の直下において受け取った後、容器を旋回させながら一旦下降し、上昇しながら旋回する。
【0031】
これにより、第2排出口に容器を近接させて物品を受け取ることで物品が容器からこぼれないようにすることができるとともに、下降後に上昇させることで排出前に容器内の物品をさらに固まりにすることができる。よって、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の長さを短くすることができるため、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。
【0032】
第8の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置であって、第2集合シュートは、第1集合シュートの第1排出口から複数の集合セクションの第2排出口までの距離が等しくなるように構成されている。
【0033】
ここでは、第2集合シュートにおける各集合セクションに設けられた第2排出口を、第1集合シュートの第1排出口からの距離が等しくなるように配置している。
【0034】
これにより、第1集合シュートの第1排出口から物品を排出することができるため、1回の組合せ計量において選択された物品を固めた状態で第2集合シュートから排出することができる。
【0035】
第9の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る組合せ計量装置を複数備え、組合せ計量装置から排出される物品を受け取って包装する製袋包装機をさらに備えている。
【0036】
ここでは、製袋包装機の上流側に上記組合せ計量装置を複数備えた計量包装システムを構築している。
【0037】
これにより、第1集合シュートの滑落面を滑り落ちながら搬送方向において長くなった物品は、第2集合シュートの各集合セクションにおいて安定した後で排出されるため、物品を固めて排出することができる。よって、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の長さを短くすることができるため、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。
【0038】
さらに、下流側に配置された製袋包装機において運転能力を上げた場合でも、シール部分への物品の噛み込みによるシール不良の発生を防止することができる。この結果、製袋包装機の運転能力に合わせて組合せ計量装置の運転能力も向上させて、生産性の高い計量包装システムを構築できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の組合せ計量装置によれば、1回の組合せ計量において排出される物品の排出時の搬送方向における分散を小さくすることができるため、次の組合せ計量において排出される物品との排出間隔を短縮して運転能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置1を含む計量包装システム10について、図1〜図8(f)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0041】
[計量包装システム10全体の構成]
本実施形態に係る計量包装システム10は、図1および図2に示すように、組合せ計量装置1と、組合せ計量装置1の後段に配置された製袋包装機9とを備えている。
【0042】
なお、本実施形態の計量包装システム10において取り扱われる物品Pは、例えば、ポテトチップのような分散し易いスナック菓子であるものとする。
【0043】
[組合せ計量装置1の構成]
組合せ計量装置1は、図1に示すように、複数の計量ホッパ5において貯留されている被計量物(以下、物品P(図6参照)と示す)の重量値を用いて、物品Pの集合体が所定重量あるいは所定数量になるように組合せ計量を行う。また、組合せ計量装置1は、図1に示すように、主として、前段に配置された供給コンベア装置40が物品Pを落下させる位置の真下に配置される円錐状の分散テーブル2と、分散テーブル2の周囲に複数配置された供給フィーダ3と、供給フィーダ3の下流側に配置された複数のプールホッパ4および計量ホッパ5と、第1集合シュート7と、第2集合シュート8と、排出機構15と、を備えている。なお、以下で説明する組合せ計量装置1の構成については、2台の組合せ計量装置1において共通の構成であるため、説明の便宜上、ここでは一方の組合せ計量装置1の構成だけを説明する。
【0044】
分散テーブル2は、傘状の円形板であって、図示しない電磁加振装置等の駆動機構によって振動させられる。分散テーブル2の上面に供給された物品Pは、振動によって円形板の外周側へ分散しながら移動し、分散テーブル2の外周に沿って配置された供給フィーダ3上へと落下する。
【0045】
供給フィーダ3は、分散テーブル2を中心とする周方向にほぼ均等に配置された複数の供給トラフ31a〜31jを備えている(図2参照)。供給トラフ31a〜31jは、図示しない電磁加振装置等の駆動機構によって振動させられ、分散テーブル2から供給された物品Pを振動によって外方へ移動させてプールホッパ4へと送出する。供給トラフ31a〜31jは、ステンレス鋼板を折り曲げて成形した板金製の部材である。
【0046】
プールホッパ4は、供給フィーダ3から物品Pを受け取って一時的にプールする。また、その下部には、物品Pを下流側に配置された計量ホッパ5に投下するためのゲート41が設けられている。ゲート41は、図示しない制御部からの指令によって開放されて、計量ホッパ5に物品Pを供給する。
【0047】
計量ホッパ5は、プールホッパ4の下流側に設けられている。プールホッパ4、計量ホッパ5は、各供給トラフ31a〜31jに1対1に対応して、周方向に沿って複数配置されている。それぞれの計量ホッパ5は、ホッパ内の物品Pの重量を計測するためのロードセルを有している。また、その下部には、物品Pを下流側に配置された第1集合シュート7に対して排出するためのゲート51が設けられている。ゲート51は、図示しない制御部からの指令によって開放される。
【0048】
第1集合シュート7は、各計量ホッパ5から投下された物品Pを搬送面において滑落させて集合させて、排出口7bから製袋包装機9等の後段に配置された装置に対して物品Pを落下させる。なお、第1集合ュート7の詳細な構成については後段にて詳述する。
【0049】
第2集合シュート8は、4つの集合セクション8a〜8dを有しているとともに、回転軸A1を中心にして回転する。そして、第1集合シュート7から排出される物品Pを各集合セクション8a〜8dにおいて受け取って、それぞれの排出口18(排出口18a〜18d)から排出する。なお、第2集合シュート8の詳細な構成については後段にて詳述する。
【0050】
排出機構15は、第2集合シュート8の排出口18(排出口18a〜18d)から排出される物品Pを容器Cで受け取って、容器Cを容器Cの開口が下向きになるように上下方向を反転(以下、単に反転と示す。)させながら製袋包装機9の排出シュート17へ物品Pを排出する。
【0051】
本実施形態の組合せ計量装置1では、上述したプールホッパ4と計量ホッパ5とが縦方向に直列的に配置されて構成されており、各ホッパ4,5が複数の供給フィーダ3に対応して複数並列配置されている。そして、計量ホッパ5に貯留されている計量済みの物品Pの重量値を用いて組合せ演算を行い、組合せ演算の結果、選択された各計量ホッパ5から第1集合シュート7に対して物品Pを排出する。
【0052】
本実施形態の計量包装システム10が備えている製袋包装機9は、フォーマ9aを有しており、側方に装填されたフィルムロール9bから送られてくるシート状のフィルムFを包帯状としてフィルムFの重なり部分を縦シール機構9cによって縦シールする。そして、横シール機構9dによって袋の下端部分を横シールした後、作製した袋内へ物品Pを投入し、袋の上端部分を横シールすることで、各組合せ計量装置1の排出機構15から排出シュート17に対して排出された物品Pを包装する。
【0053】
<第1集合シュート7の構成>
第1集合シュート7は、図1に示すように、各組合せ計量装置1に含まれる複数の計量ホッパ5の下方で第2集合シュート8の上方、すなわち計量ホッパ5と第2集合シュート8との間に設けられた漏斗形状のシュートである。そして、第1集合シュート7は、図3(a)および図3(b)に示すように、物品Pを中央部へ向かって滑落させながら集合させる搬送面7aと、搬送面7aにおいて集合させた物品Pを排出するための排出口(第1排出口)7bを有している。
【0054】
搬送面7aは、漏斗形状の第1集合シュート7の内側に形成された面であって、下端に形成された排出口7bまで投入された物品Pを集合させながら誘導する。
【0055】
排出口7bは、搬送面7aの下端部に形成された開口であって、搬送面7aにおいて集合させた物品Pを、直下に配置された第2集合シュート8の各集合セクション8a〜8dに対して排出する。また、本実施形態では、排出口7bは、図3(b)に示すように、上流側に配置された複数の計量ホッパ5から等距離になるように配置されている。このため、組合せ計量において選択された各計量ホッパ5から排出される物品Pは、各計量ホッパ5から等距離にある排出口7bへと集められて搬送方向においてほとんど分散することなくほぼ同時に排出される。
【0056】
<第2集合シュート8の構成>
第2集合シュート8は、図1に示すように、第1集合シュート7の下方で製袋包装機9の上方、すなわち第1集合シュート7と製袋包装機9との間に設けられている。そして、第2集合シュート8は、図4(a)および図4(b)に示すように、4つの集合セクション8a〜8dを備えている。集合セクション8a〜8dは、第2集合シュート8を仕切り板8e,8fによって4分割して形成されている。そして、各集合セクション8a〜8dの下端部には、それぞれ排出口18a〜18dが形成されている。
【0057】
また、第2集合シュート8は、回転駆動源(回転機構)19からの回転駆動力を受けて、鉛直方向に平行な回転軸A1を中心として水平面内において回転する。これにより、集合セクション8a〜8dに投入された物品Pに対して付与される衝撃等を軽減して、物品Pの割れや欠けの発生を防止することができる。
【0058】
さらに、第2集合シュート8は、後段にて詳述する排出機構15における容器Cの旋回と同期するように回転している。そして、各集合セクション8a〜8dの排出口18a〜18dの直下には、図1に示すように、それぞれ容器Cが配置されている。これにより、第2集合シュート8の各集合セクション8a〜8dの何れからどのタイミングで物品Pが排出されたとしても、確実に物品Pを容器Cで受け取ることができる。
【0059】
組合せ計量が行われるごとに第1集合シュート7の排出口7bから排出される物品Pは、第1集合シュート7に対して第2集合シュート8が回転しているため、集合セクション8a、集合セクション8b、集合セクション8c、集合セクション8dへと順に投入される。このとき、各集合セクション8a〜8dに対して投入された物品Pは、図5に示すように、物品Pが投入されるゾーン、物品Pが安定するゾーンを経て、物品Pを排出するゾーンにおいて、排出口18a〜18dからそれぞれその下方に配置されて同期回転(旋回)する容器Cに対して排出される。このため、第2集合シュート8の集合セクション8a〜8dにおいては、物品Pを安定させて固まりとしてから排出することができる。
【0060】
なお、第1集合シュート7に対する第2集合シュート8の回転速度は、組合せ計量装置1の設定能力に応じて変化するものであって、1回の組合せ計量で計量ホッパ5から排出される物品Pが1つの集合セクション8a〜8dに投入されるように制御される。
【0061】
<排出機構15の構成>
排出機構15は、第2集合シュート8の各集合セクション8a〜8dの排出口18a〜18dから投入された物品Pを、第2集合シュート8と同期させながら旋回中の容器Cで受け取って容器Cから排出するための装置である。そして、図1に示すように、第2集合シュートと製袋包装機9との間に配置されている。また、排出機構15は、図6および図7に示すように、4つのホルダ35と、4本のシャフト36と、傾斜板37と、回転軸A2と、反転機構38とを備えている。
【0062】
ホルダ35は、容器Cを保持するために、容器Cの底面を下から支える底板35aとU字型の部材35bとを備えている。そして、ホルダ35においては、底板35aに埋め込まれた磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持する。また、ホルダ35は、回転軸A2を中心として周方向に等間隔で4つ配置されており、回転軸A2の周りを旋回する。
【0063】
シャフト36は、その上端部にホルダ35がそれぞれに取り付けられており、鉛直方向に伸びる内部が空洞の金属製の円筒である。このシャフト36の内部には、ホルダ35を反転させるための反転機構38を構成するカムやギア等の部品が備えられている。
【0064】
傾斜板37は、図6に示すように、排出機構15における容器Cの旋回軌道に沿って形成された板状部材である。そして、図8(a)〜図8(f)に示すように、回転軸A2を中心として並列に旋回している4本のシャフト36の下部にそれぞれ取り付けられた誘導部39を、傾斜板37の傾斜面に沿って鉛直方向に移動させる。これにより、シャフト36の上端部に取り付けられたホルダ35とともにホルダ35に保持された容器Cを、鉛直方向に移動させることができる。
【0065】
具体的には、傾斜板37は、図6に示すように、排出口18a〜18dから物品Pを受け取った位置から一旦容器Cを下降させる。そして、容器Cを上昇させた後、再び下降させるような形状になるように形成されている。このように、容器Cを鉛直方向に移動させながら旋回する場合でも、物品Pを受け取った位置から一旦容器Cを下降させることで、第2集合シュート8の排出口18a〜18dに近接した位置で物品Pを受け取ることができる。この結果、第2集合シュート8の排出口18a〜18dから排出される物品Pをこぼさずに容器Cにおいて受け取ることができる。なお、容器Cから物品Pを排出する際の動きについては、後段にて詳述する。
【0066】
また、このような排出機構15における容器Cの鉛直方向への移動速度は、図6に示す反転機構38の付近に設けられたばねの強さによって調整することができる。例えば、強いばねを使用した場合には、鉛直方向上向きに移動した容器Cを鉛直方向下向きに戻す力が強くなるため、鉛直方向下向きの移動速度を大きくすることができる。なお、傾斜板37の傾斜角度を調整することで、鉛直方向における移動速度を変更することもできる。さらには、小モータを取り付けたボールねじを回転させて容器Cを鉛直方向に移動させる排出機構15において、ボールねじの回転速度を制御して鉛直方向における移動速度を変更することも可能である。
【0067】
反転機構38は、容器Cから物品Pを排出するために、シャフト36の内部に設けられた反転機構38のカムやギアを駆動させることで、容器Cを保持しているホルダを180度反転させる。また、反転機構38は、図7に示すように、製袋包装機9に接続された排出シュート17内の所望の排出位置、すなわち下部開口17aに向かって物品Pが排出されるように、制御部(図示せず)において容器Cを反転させるタイミングが制御される。
【0068】
これにより、旋回軌道に沿って移動中の容器Cから排出されるタイミングを制御することができる。よって、排出機構15における旋回軌道に沿った任意の位置に配置された排出シュート17へ物品Pを排出することができる。なお、反転機構38によって開口が下向きになるように反転させられた容器Cは、つば部分C1をホルダ35のU字型の部材35bで下から支えられることで保持される。
【0069】
回転軸A2は、第2集合シュート8の回転軸A1と同期しながら回転することで、排出口18a〜18dの直下に容器Cが存在する状態でホルダ35とともに容器Cを旋回させる。
【0070】
本実施形態の計量包装システム10では、図8(a)〜図8(f)に示すように、排出機構15が回転軸A2を中心として容器Cを旋回させながら物品Pを容器Cから排出させている。このため、容器C内の物品Pは、遠心力が加えられた状態で容器Cから排出される。よって、容器Cから排出された物品Pに遠心力と重力とがかかった状態で、回転軸A2を中心とする旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中心部に設けられた下部開口17a付近に物品Pを自由落下させることができる。
【0071】
<排出機構15による排出工程>
ここでは、排出機構15における容器Cから物品Pを排出する工程について、図8(a)〜図8(f)を用いて説明する。
【0072】
排出機構15では、図8(a)に示すように、第2集合シュート8の排出口18a〜18dの何れかから排出された物品Pを、ホルダ35において保持された容器Cで受け取る。そして、図8(b)に示すように、容器Cを回転軸A2の周りを旋回移動させながら一旦下降させた後で上昇させ、かつ上昇しながら容器Cの反転を開始させる。なお、このときの容器Cの平面上での位置は、図7に2点鎖線で示す「容器反転開始」位置である。そして、図8(c)に示すように、上昇とともに容器Cをさらに反転させ、図8(d)に示すように、最高点まで上昇するまでに容器Cを完全に180度反転させ、開口が下向きになるように容器Cを反転させる。続いて、図8(e)に示すように、容器Cが180度反転した後、そのままの状態で容器Cを下降させる。ここで、物品Pは容器Cから、排出機構15における容器Cの旋回軌道から外れて、この旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中央部付近に向かって排出される。このときの容器Cの平面上での位置は、図7に2点鎖線で示す「排出完了」位置である。そして、図8(f)に示すように、物品Pが排出された容器Cを再度180度反転させて、開口が上向きの状態に戻す。
【0073】
なお、上述したように、容器Cの旋回移動は、図示しない回転モータからの回転駆動力が回転軸A2に伝達されることによって行われる。このため、排出機構15における容器Cの移動は、回転軸A1によって回転する第2集合シュート8と同期しながら旋回する。一方、容器Cの上昇および下降、つまり鉛直方向への移動は、シャフト36の下部に取り付けられた誘導部39が傾斜板37に沿って移動することにより行われる。
【0074】
本実施形態の組合せ計量装置1では、以上のように、物品Pを容器Cから排出する際に、排出機構15が容器Cを上昇させながら旋回させるとともに180度反転させている。これにより、物品Pに対して鉛直方向上向きの慣性力を与えることができる。
【0075】
さらに、本実施形態の組合せ計量装置1では、排出機構15が容器Cを180度反転させた後、鉛直方向下向き方向に容器Cを移動させる。
【0076】
通常、容器Cにポテトチップ等の複数の物品Pが入れられている場合においては、単に容器Cを反転させて複数の物品Pを容器Cから排出しようとすると、最初に容器Cから排出される物品Pと最後に容器Cから排出される物品Pとの間に時間差が生じる。この場合、物品Pは容器Cから搬送方向に細長い帯状となって排出されて、いわゆる尾引きの問題が発生する。
【0077】
そこで、本実施形態の組合せ計量装置1では、上記のように、複数の物品Pが入れられた容器Cを鉛直方向上向きに移動させながら容器Cを反転させることで、容器C内の物品Pに鉛直方向上向きの慣性力を与えることができる。このため、容器Cに複数の物品Pが入っている場合でも物品Pが容器Cの底で固まりになり、容器Cを反転させてからすぐに物品Pが容器Cから排出されることを防止するとともに、尾引きの発生を防止できる。
【0078】
さらに、排出機構15が容器Cの反転後に鉛直方向下向きに容器Cを移動させることで、複数の物体を含む物品Pのうち、容器Cから遅れて排出される物品Pに対して鉛直方向下向きの力を与えることができる。よって、最初に容器Cから排出される物品Pと最後に容器Cから排出される物品Pとの間に時間差を小さくして、尾引きの問題を解消することができる。
【0079】
なお、このときの鉛直方向への移動は、容器Cの反転開始前までは鉛直方向上向きに加速させながら容器Cを移動させるとともに、容器Cの反転中には鉛直方向下向きに減速させながら容器Cを移動させることが好ましい。これにより、容器Cの反転前には物品Pに対して鉛直方向上向きの慣性力を与えることができるとともに、容器Cの反転中には物品Pに対して鉛直方向下向きの力を与えることができる。よって、容器Cの反転と同時に物品Pが排出されて任意の位置に排出できなくなることを防止できる。さらに、容器C内に複数の物品Pが入れられている場合において、容器Cが反転して最初に容器Cから排出される物品Pと最後に容器Cから排出される物品Pとの時間差を小さくして尾引きの発生を防止して、各回の組合せ計量において排出される物品P同士の弁別性を向上させることができる。この結果、各回の組合せ計量において排出される物品P同士の間隔を狭くすることができるため、運転能力を上げることができる。
【0080】
また、本実施形態の排出機構15では、鉛直方向における容器Cの移動に関し、重力加速度以下の加速度で容器Cを移動させる。これにより、容器C内の物品Pに対して重力以上の負荷を与えることなく移動から排出までの工程を行うことができる。よって、例えば、ポテトチップ等の傷つきや破損しやすい物品を取扱う場合でも、その物品Pを保護することができる。
【0081】
[本組合せ計量装置1の特徴]
(1)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図1および図2等に示すように、複数の計量ホッパ5と、その下流側に配置された第1集合シュート7とを備えている。さらに、組合せ計量装置1では、第1集合シュート7の排出口7bの下流側に、第2集合シュート8を備えている。第2集合シュート8は、図4(a)および図4(b)に示すように、複数の集合セクション8a〜8dを含んでおり、それぞれの集合セクション8a〜8dが排出口18a〜18dを有している。さらに、第2集合シュート8は、回転駆動源19から伝達される回転駆動力によって第1集合シュート7に対して回転する。
【0082】
ここで、組合せ計量において選択されて複数の計量ホッパ5から排出された物品Pは、第1集合シュート7へと投入され、搬送面7aにおいて滑落しながら排出口7bに向かって集合する。そして、排出口7bから排出された物品Pは、回転している第2集合シュート8に含まれる集合セクション8a〜8dのいずれか1つに投入される。集合セクション8a〜8dのいずれか1つに投入された物品Pは、第1集合シュート7と同様に排出口18a〜18dに向かって集合した後、排出口18a〜18dからその直下に配置されて同期しながら旋回する容器Cに対して排出される。
【0083】
これにより、組合せ計量において選択された1回分の物品Pは、第1集合シュート7に排出された後、第2集合シュート8の各集合セクション8a〜8dに投入されて安定した後で排出されるため、他の組合せ計量において選択された物品Pとは完全に弁別される。このため、組合せ計量において選択された物品Pごとの弁別性が向上することで、各回の組合せ計量において排出される物品Pの排出の間隔を短くすることができる。この結果、各回の組合せ計量において選択された物品P同士が混ざり合いにくくなるため、組合せ計量装置1における運転能力を向上させることができる。
【0084】
さらに、このように組合せ計量ごとに排出される物品Pの弁別性が向上することで、下流側に配置された製袋包装機9における横シール機構9dによるシール部分に物品Pが噛み込むことを回避することができる。よって、製袋包装機9の運転能力も併せて向上させることができる。
【0085】
(2)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図4(a)および図4(b)に示すように、第2集合シュート8には、集合セクション8a〜8dが4つ(3つ以上)含まれている。
【0086】
これにより、第1集合シュート7の排出口7bから排出された物品Pは、4つの集合セクション8a〜8dのいずれか1つに投入され、そこで安定させて固まりにした後で排出口18a〜18dから排出させることができる。このように、第2集合シュート8内において物品Pを安定させることで、さらに弁別性の高い組合せ計量装置1を提供することができる。
【0087】
(3)
本実施形態の組合せ計量装置1では、第1集合シュート7の排出口7bから、その上流側に配置された各計量ホッパ5前の距離が等しくなるように配置されている。
【0088】
これにより、組合せ計量において選択された物品Pが、どの計量ホッパ5から排出される場合でも、排出口7bまでの距離が等しいため、排出口7bに集められた物品Pをほぼ同時に排出することができる。この結果、第1集合シュート7においても弁別性を向上させることができる。
【0089】
(4)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図4(a)および図4(b)に示すように、回転駆動源19から付与される回転駆動力によって第2集合シュート8を水平面内で回転させている。
【0090】
これにより、第2集合シュート8を水平面内から外れた状態で回転させる場合と比較して、集合セクション8a〜8dに投入された物品Pに対して付与される衝撃等を軽減して、物品Pの割れや欠けの発生を防止することができる。
【0091】
(5)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図1に示すように、排出機構15が、第2集合シュート8の排出口18a〜18dから排出される物品Pを容器Cで受け取り、第2集合シュート8と同期させた状態で容器Cを旋回移動させながら物品Pを容器Cから排出する。
【0092】
これにより、第2集合シュート8の各排出口18a〜18dから排出される物品Pを確実に、その直下に配置された各容器Cによって受け取ることができる。
【0093】
(6)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図8(a)〜図8(f)に示すように、排出機構15において物品Pを容器Cから排出する際には、容器Cを下降させながら反転させる。
【0094】
これにより、容器Cから排出される物品Pのうち、遅れて容器Cから排出される物品Pに対して鉛直方向下向きの力を与えることができる。よって、最初に容器Cから排出される物品Pと最後に容器Cから排出される物品Pとの間に時間差を小さくして、尾引きの問題を解消することができる。この結果、組合せ計量ごとに排出される物品P同士の弁別性を向上させて、運転能力を向上させることができる。
【0095】
(7)
本実施形態の組合せ計量装置1では、図6に示すように、排出機構15の傾斜板37に沿って誘導部39が移動する際に、排出口18a〜18dから物品Pを受け取った容器Cを一旦下降させてから上昇させる。
【0096】
これにより、第2集合シュート8の排出口18a〜18dに近接した位置で物品Pを受け取ることができる。そして、一旦容器Cを下降させた後で上昇させることで、容器Cを反転させる直前に容器C内の物品Pに対して鉛直上向きの慣性力を与えることができる。この結果、容器Cを反転させてもすぐに容器Cから物品Pが排出されることを防止して、物品Pを固まりとして排出することができる。
【0097】
(8)
本実施形態の計量包装システム10では、上述したような複数の組合せ計量装置1と、製袋包装機9と、を複数備えている。
【0098】
これにより、組合せ計量装置1から弁別性の高い物品Pの排出が可能になるため、製袋包装機9の比較的高い運転能力に併せて、組合せ計量装置1の運転能力も向上させることができる。この結果、生産性の高い計量包装システム10を提供できる。
【0099】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0100】
(A)
上記実施形態では、図1および図6〜図8に示すように、下流側に配置された製袋包装機9に対して物品Pを排出する排出機構として、容器Cを旋回移動させながら物品Pを受け取り、容器Cを反転させて排出する排出機構15を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
例えば、容器Cを旋回移動させる排出機構15の替わりに、図10(a)および図10(b)に示すようなシャッタ付きの排出シュート65を用いてもよい。
【0102】
この排出シュート65は、図10(a)および図10(b)に示すように、第2集合シュート8と類似した構成を有するシュート部66と、シュート部66の下方に近接して配置された固定板67とを備えている。
【0103】
シュート部66は、複数の排出セクション66a〜66dを有しており、各排出セクション66a〜66dは2枚の仕切り板66e,66fによって仕切られている。排出セクション66a〜66dは、それぞれ下端部分に排出口78a〜78dを有しており、それぞれの排出口78a〜78dから第2集合シュート8から投入された物品Pを排出する。また、シュート部66は、回転軸A2を中心に回転する第2集合シュート8と同様に回転軸A3を中心に回転する。
【0104】
固定板67は、回転軸A3を中心に回転するシュート部66の下方に固定された状態で近接配置されており、物品Pの排出位置をコントロールするシャッタとして機能する。固定板67は、板材67aと切り欠き部67bとを有している。板材67aは、略円形の板であって、その一部が切り欠き部67bとして切り取られたように形成されている。切り欠き部67bは、固定板67の直上で近接して回転するシュート部66の各排出セクション66a〜66dがその上を通過する際に、各排出セクション66a〜66dに投入されている物品Pを下流側に排出する(図10(b))。
【0105】
以上のような構成の排出シュート65を排出機構として用いた場合でも、1回ごとの組合せ計量によって排出された物品Pを弁別して下流側へと送ることができるため、弁別性の高い計量包装システムを得ることができる。
【0106】
(B)
上記実施形態では、図1に示すように、2台の組合せ計量装置1を含むように構成された計量包装システム10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0107】
例えば、組合せ計量装置1を1台だけ含む計量包装システムや、3台以上の組合せ計量装置1を含むように構成された計量包装システムであってもよい。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0108】
(C)
上記実施形態では、第2集合シュート8について、図4(a)および図4(b)に示すように、漏斗形状の1つの集合シュートを仕切り板8e,8fによって4分割して、第1〜第4集合セクション8a〜8dとして用いる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0109】
例えば、図9(a)および図9(b)に示すように、第1集合セクション8a〜第4集合セクション8dのそれぞれを別個独立して構成してもよい。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0110】
ただし、上記実施形態のように、1つの集合シュートを4分割して4つの集合セクションを形成することは、個々に構成される集合セクションを含む第2集合シュートと比較して、製作が容易になるためコストダウンが図れる点でより好ましい。
【0111】
(D)
上記実施形態では、図4(a)および図4(b)に示すように、各集合セクション8a〜8dの排出口18a〜18dが、第2集合シュート8の外周側に形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0112】
例えば、図9(a)および図9(b)に示すように、4つの集合セクション58a〜58bの中心部分にそれぞれの排出口68a〜68dが形成されていてもよい。この場合には、第1集合シュート7の排出口7bから第2集合シュート58の各排出口68a〜68dまでの距離が等しくなるため、各集合セクション58a〜58dにおいてどの位置に物品Pが投入された場合でも、ほぼ同時に排出口68a〜68dから物品Pを排出することができ、弁別性の高い組合せ計量装置を提供できる。
【0113】
(E)
上記実施形態では、第2集合シュート8が、図4(a)等に示すように、4つの集合セクション8a〜8dを備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0114】
例えば、2つあるいは3つの集合セクションを備えた第2集合シュートであってもよいし、5つ以上の第2集合シュートであってもよい。
【0115】
ただし、上記実施形態のように、少なくとも3つ以上の集合セクションを備えていることは、投入、安定、排出という工程を各1つずつの集合セクションにおいて行うことができる点でより好ましい。
【0116】
なお、4つ以上の集合セクションを備えた第2集合シュートでは、2つ以上の集合セクションを物品を安定させるために用いることが好ましい。この場合には、物品を第2集合シュート内で十分安定させて固まりにしてから排出することができるため、さらに効果的に搬送方向における物品の分散の程度を小さくして生産能力の向上が図れる。
【0117】
(F)
上記実施形態では、物品Pとしてポテトチップのようなスナック菓子を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0118】
例えば、スナック菓子以外にも、1回の組合せ計量において排出される際に複数の物体を含む物品であれば、弁別性の高い組合せ計量装置の効果を同様に得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の組合せ計量装置は、1回の組合せ計量で排出される物品の弁別性を向上させて運転能力を上げることができるという効果を奏することから、各種物品を取り扱う組合せ計量装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施形態に係る計量包装システムの構成を示す正面図。
【図2】図1の計量包装システムを示す平面図。
【図3】(a)は図1の計量包装システムが備えている第1集合シュートを示す平面図。(b)はその斜視図。
【図4】(a)は図1の計量包装システムが備えている第2集合シュートを示す平面図。(b)はその斜視図。
【図5】図1の計量包装システムが備えている第1集合シュートと第2集合シュートとの位置関係を示す平面図。
【図6】図1の計量包装システムが備えている排出機構を示す正面図。
【図7】図6の排出機構の構成を示す平面図。
【図8】(a)〜(f)は、図6の排出機構による容器の反転排出の流れを示す正面図。
【図9】(a)は、本発明の他の実施形態に係る計量包装システムが備えている第2集合シュートの構成を示す平面図。(b)は、その斜視図。
【図10】(a)は、本発明の他の実施形態に係る計量包装システムに搭載された排出シュートの構成を示す斜視図。(b)は、その断面図。
【符号の説明】
【0121】
1 組合せ計量装置
2 分散テーブル
3 供給フィーダ
4 プールホッパ
5 計量ホッパ
7 第1集合シュート
7a 搬送面
7b 排出口(第1排出口)
8 第2集合シュート
8a〜8d 集合セクション
8e,8f 仕切り板
9 製袋包装機
9a フォーマ
9b フィルムロール
9c 縦シール機構
9d 横シール機構
10 計量包装システム
15 排出機構
17 排出シュート
17a 下部開口
18 排出口(第2排出口)
18a〜18d 排出口(第2排出口)
19 回転駆動源(回転機構)
31a〜31j 供給トラフ
35 ホルダ
35a 底板
35b U字型の部材
37 傾斜板
38 反転機構
39 誘導部
40 供給コンベア装置
41 ゲート
51 ゲート
65 排出シュート(排出機構)
66 シュート部
66a〜66d 排出セクション
66e,66f 仕切り板
67 固定板
67a 板材
67b 切り欠き部
78a〜78d 排出口
A1〜A3 回転軸
C 容器
C1 つば部分
F フィルム
P 物品(被計量物)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品の計量を行い、前記計量された物品の計量結果を組み合わせて組合せ計量を行う組合せ計量装置であって、
前記複数の物品の計量を行う複数の計量ホッパと、
前記組合せ計量において選択されて前記計量ホッパから排出された前記物品を集合させるとともに集合させた前記物品を排出する第1排出口を有する第1集合シュートと、
前記第1集合シュートの第1排出口から排出された前記物品を集合させるとともに前記集合させた前記物品を排出する第2排出口を有する複数の集合セクションを含むように構成される第2集合シュートと、
前記第2集合シュートを前記第1集合シュートに対して回転させる回転機構と、
を備えている組合せ計量装置。
【請求項2】
前記第2集合シュートは、3つ以上の集合セクションを有している、
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記第1集合シュートは、前記複数の計量ホッパから前記第1排出口までの距離が等しくなるように構成されている、
請求項1または2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記第2集合シュートは、前記回転機構によって水平面内で回転される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記第2集合シュートの前記第2排出口から排出される前記物品を容器で受け取り、前記第2集合シュートの回転と同期するように前記容器を旋回させながら排出する排出機構をさらに備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項6】
前記排出機構は、前記容器を下降させながら反転させて前記容器に投入された前記物品を排出する、
請求項5に記載の組合せ計量装置。
【請求項7】
前記排出機構は、前記容器によって前記第2排出口から前記物品を受け取ると、前記容器を旋回させながら一旦下降させてから上昇させる、
請求項5または6に記載の組合せ計量装置。
【請求項8】
前記第2集合シュートは、前記第1集合シュートの第1排出口から前記複数の集合セクションの第2排出口までの距離が等しくなるように構成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の組合せ計量装置を複数備え、
前記組合せ計量装置から排出される前記物品を受け取って包装する製袋包装機をさらに備えた、
計量包装システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−292610(P2006−292610A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115578(P2005−115578)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】