説明

組成物

【課題】 機能の追加により組成物の用途を広げることができる組成物の提供。
【解決手段】 木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加され、さらに、木炭又は竹炭を製造する際に生じる還元灰から水溶性成分を抽出した還元灰抽出液が配合された組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木酢液又は竹酢液を主成分とする組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の機能を有する組成物として、木酢液又は竹酢液を主成分とするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−179245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、木酢液又は竹酢液の原液は、栄養分ミネラルが豊富に含まれると共に、消臭作用、洗浄作用があり、また、酸性が強く、優れた殺菌、殺藻作用を有するが、酸性が強過ぎる(PH2〜3)ため、水で50〜500倍程度に希釈して用いる必要があるため、実際の使用形態では殺菌、殺藻効果が極めて弱くなるという問題があった。
【0004】
従って、従来例の組成物にあっては、その機能が限定的で、限られた用途にしか利用価値がないという問題点があった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、機能の追加により組成物の用途を広げることができる組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の組成物は、木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加されていることを特徴とする手段とした。
【0007】
請求項2記載の組成物は、請求項1に記載の組成物において、前記金属イオンが銅イオンであることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項3記載の組成物は、請求項1に記載の組成物において、前記金属イオンが銀イオンであることを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項4記載の組成物は、請求項1に記載の組成物において、前記金属イオンが亜鉛イオンであることを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項5記載の組成物は、請求項1に記載の組成物において、前記金属イオンが銀イオン及び亜鉛イオンであることを特徴とする手段とした。
【0011】
請求項6記載の組成物は、請求項1に記載の組成物において、前記金属イオンが鉄イオンであることを特徴とする手段とした。
【0012】
請求項7記載の組成物は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物において、前記組成物に木炭又は竹炭を製造する際に生じる還元灰から水溶性成分を抽出した還元灰抽出液がさらに配合されていることを特徴とする手段とした。
【0013】
請求項8記載の組成物は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物において、前記組成物に海洋深層水がさらに配合されていることを特徴とする手段とした。
【0014】
請求項9記載の組成物は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物において、殺菌剤又は殺藻剤として用いられることを特徴とする手段とした。
【0015】
請求項10記載の組成物は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物において、植物の栄養補給剤として用いられることを特徴とする手段とした。
【0016】
請求項11記載の組成物は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物において、消臭剤として用いられることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明の組成物では、上述のように、木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加されることにより、金属イオンが持つ機能が追加され、同時に併用でき、これにより、組成物の用途を広げることができるようになる。
【0018】
即ち、金属イオンには、細菌類の増殖を抑制する力(オリゴダイナミー作用)を有することが昔から知られており、特に、銅イオン及び銀イオンはその効果が強く、優れた殺菌効果、害虫忌避効果及び殺藻効果を発揮する。
また、鉄イオン、亜鉛イオンは、栄養ミネラルを補給する役目もなす。
【0019】
また、木炭又は竹炭を製造する際に生じる還元灰から水溶性成分を抽出した還元灰抽出液をさらに配合することにより、豊富な栄養ミネラル補給効果が得られる。
また、海洋深層水がさらに配合されていることにより、豊富な栄養ミネラル補給効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の組成物は、木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加されることにより得られる。
木酢液又は竹酢液に金属イオンを添加する方法としては、例えば、添加したい金属(以下第2金属という)と、該第2金属よりイオン化傾向の小さい及び/又は電極電位の高い第1金属を互いに接触させた状態で木酢液又は竹酢液に没する状態とすることにより、2種類の異種金属のうちイオン化傾向の小さい及び/又は電極電位の高い方の第1金属の腐蝕を防止しようとして電極電位の低い方の第2金属から高い方の第1金属へ電子を移動させるイオン化傾向の大きい及び/又は電極電位の低い方の第2金属の局部電池形成による酸化還元反応の腐蝕作用により該イオン化傾向の大きい及び/又は電極電位の低い方の第2金属から金属イオンを溶出させ、これにより、木酢液又は竹酢液に容易かつ効率的に高濃度の金属イオンを添加することができる。
【0022】
金属イオンには、細菌類の増殖を抑制する力(オリゴダイナミー作用)を有することが昔から知られており、特に、銅イオン及び銀イオンはその効果が強く、優れた害虫忌避効果、殺菌効果及び殺藻効果を発揮する。さらに、銀イオンと亜鉛イオンを添加することにより、相乗効果で害虫忌避効果、及び殺菌効果を高めることができる。
従って、木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加された組成物は、害虫忌避剤、殺菌剤又は殺藻剤として優れた効果を発揮する。
【0023】
また、鉄イオン、亜鉛イオンはオリゴダイナミー作用があると共に、栄養ミネラルを補給する役目もなすため、植物の栄養補給剤としても優れた効果を発揮する。
【0024】
なお、この実施例1の組成物は、一般的に、水で50〜500倍程度に希釈して用いられる。
【0025】
以上のように、この実施例1の組成物にあっては、木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加されることにより、金属イオンが持つ機能が追加され、同時に併用でき、これにより、組成物の用途を広げることができるようになるという効果が得られる。
【実施例2】
【0026】
本発明の組成物は、実施例1の組成物に、木炭又は竹炭を製造する際に生じる還元灰から水溶性成分を抽出した還元灰抽出液をさらに配合したものである。
【0027】
即ち、木炭又は竹炭の還元灰抽出液には、カリウム等のミネラルが豊富に含まれているため、さらに、植物の栄養補給剤として豊富な栄養ミネラル補給効果が得られる。
【0028】
また、木炭又は竹炭の還元灰抽出液はアルカリ性であるため、木酢液又は竹酢液の酸性が中和され、これにより、木酢液又は竹酢液の水による希釈倍率を低くすることができるようになる。
【実施例3】
【0029】
本発明の組成物は、実施例1又は2の組成物に、海洋深層水をさらに配合したものである。なお、海洋深層水の原液は濃度が高いため、少量添加するか、所定の倍率に希釈した状態で添加する。
【0030】
即ち、海洋深層水には、豊富なミネラルが含まれているため、植物の栄養補給剤として、さらに、豊富な栄養ミネラル補給効果が得られる。
【実施例4】
【0031】
本発明の組成物は、実施例1〜3のいずれかの組成物に、貝殻等から得られる生石灰の微粉末を添加したものである。
【0032】
即ち、生石灰には、カルシウムが豊富に含まれているため、さらに、植物の栄養補給剤として豊富な栄養ミネラル補給効果が得られる。
【0033】
また、生石灰には、殺菌・殺虫作用があるため、殺菌・殺虫剤としても優れた効果が得られる。
【0034】
また、生石灰はアルカリ性であるため、中和剤としての機能を有すると共に、木酢液又は竹酢液の酸性が中和されるため、木酢液又は竹酢液の水による希釈倍率を低くすることができ、これにより、木酢液又は竹酢液の機能を生かすことができるようになる。
【0035】
以上本発明の実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0036】
例えば、実施例では、木酢液又は竹酢液に金属イオンを添加する方法として、異種金属を用いる方法を例示したが、その他の公知の方法によることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木酢液又は竹酢液に金属イオンが添加されていることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記金属イオンが銅イオンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記金属イオンが銀イオンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記金属イオンが亜鉛イオンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記金属イオンが銀イオン及び亜鉛イオンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記金属イオンが鉄イオンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物に木炭又は竹炭を製造する際に生じる還元灰から水溶性成分を抽出した還元灰抽出液がさらに配合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物に海洋深層水がさらに配合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
殺菌剤又は殺藻剤として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
植物の栄養補給剤として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
消臭剤として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。

【公開番号】特開2007−51231(P2007−51231A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238204(P2005−238204)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(399036202)
【出願人】(593035696)
【出願人】(303056140)
【出願人】(303056151)
【出願人】(305040732)
【Fターム(参考)】