説明

組成物

【課題】板状組成物に使用されるバインダーならびに板状組成物製品の提供。
【解決手段】サブストレート材料とバインダーとを含む組成物製品の製法であって、バインダーはエマルジョン状のプラスチック材料を含んでいるか、もしくはサブストレート材料を含むエマルジョンにプラスチック材料を加えるようにする。また、粒状のサブストレートと粒状のプラスチック材料とを含む組成物製品でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料を含む組成物の製造に係るものであり、そしてそのような組成物の製法に係るものである。
また本発明は組成物を形成するためのプラスチック材料の製法に係るものである。
【発明の背景】
【0002】
現在は様々な組成物が利用可能である。これらは、他にもあるが、ファイバーボード(MDF等)、オリエンテッド・ストランドボード(OSB)、ウェファー・ボードなどである。リグノセルロース材料を含んでいるので、説明する上で参照しやすくするため、それらの組成物を本文ではリグノセルロース組成物製品という。
【0003】
原材木の代わりにリグノセルロース組成物製品を使うといろいろの利点がある。これらの利点は、仕上げた外観の製品として直に使用できること、そして廃物となってしまうものを有効な生産的仕方で利用できることである。加えて、廃材を利用すればそれだけ、必要とされる自然材は少なくてすむ。未処理の柔らかい木材組成物製品や、再組成した材料の組成物製品を使った建築材は、堅い材木と同じように使えるほどには強くないというのが普通である。さらに、そのような製品は処理していないと、湿気を帯びて膨張したり、劣化したりする。
【0004】
リグノセルロース組成物の製作は、バインダー組成物と混合したリグノセルロース粒状物(例えば、鋸くず、樹皮、殻など)を使用するのが普通である。バインダーは大雑把に分類すると、ホルムアルデヒドをベースとしたバインダー、ポリウレタン型バインダー、フェノールをベースとしたバインダー、そしてイソシアン酸塩をベースとしたバインダーとなる。多くの場合、特に「フェノール・ライン」製造では毒性の副産物が生じ、その砕片、切りくずそして汚染された水を確実に処理するには費用がかかる。さらに、フェノールプラスチック材料を硬化するには水分が約5%になるまで乾燥しなければならないが、それにはかなりのエネルギーの消費を必要とする。この材料の強度と耐水性を改善するにはかかる技術を必要とする。
【0005】
リグノセルロース組成物の板状製品の製造にプラスチック材料を使用することも知られている。出発材料(リグノセルロース粒状物)中のプラスチック材料の分量は、出発混合物の約50重量%である。プラスチック材料を溶かして、その溶かしたプラスチック材料とリグノセルロース材料とを混ぜ合わせ、それからダイスで押し出す。このプロセスは別のバインダー(例えば、フェノールをベースとしたバインダーなど)の存在を必要としないが、リグノセルロース材料をプラスチック材料に結合させる結合剤の使用を必要とする。このような組成物の板をつくるには約50%のプラスチック材料を使うので製品の外観はプラスチックのようになって消費者には好まれない。
【0006】
この押し出してつくる板状組成物製品に使用するプラスチック材料の量を少なくすると例えば、約20重量%まで少なくできるが、それには使用されるリグノセルロース粒状物は約40メッシュ以下の細かさでなければならない。このプロセスは結合剤の使用を必要とするが、プラスチック材料は少量で済み、そして製品のプラスチックのような外観はそれ程ではなくなる。粒状物の大きさが限定される結果としてそのプロセスに固有の制限がある。
【0007】
もしも最終製品にプラスチックのような外観を殆ど与えず、広範囲の大きさの粒状物を使って材料特性が充分に良い製品ができるのであれば、少量のプラスチック材料を含むバインダーを使って板状組成物をつくれることは有利であるのは明らかである。加えて、一般には、使用するプラスチック材料が少ないほど、生産コストも低くなる。
【0008】
リグノセルロース材料以外の物質(例えば、ゴム、リサイクルできないプラスチック材料など)を使って板状組成物製品を製作できることも使用する材料と言う点で有利である。
【0009】
説明の都合上(例えばリグノセルロースというような限定をつけない)「組成物製品」と言う語は、リグノセルロース材料、ゴムもしくはリサイクルできないプラスチック材料を板状組成物製品をつくる物質として使用することを参照していると解されるべきである。
【発明の目的】
【0010】
以上のことを念頭において、本発明の目的は既存の製品の代替物を提供すること、もしくは既知の選択肢での問題を少なくともかなりの程度まで改善することにある。
【発明の概要】
【0011】
第1の観点から見れば本発明はサブストレート材料とバインダーとを含む組成物製品の製法であり、バインダーはエマルジョン状のプラスチック材料を含んでいるか、もしくはサブストレート材料を含むエマルジョンにプラスチック材料を加えるかのどちらかである。
サブストレート材料はリグノセルロース材料、ゴム、もしくはリサイクルできないプラスチック材料の粒状物であるのが好ましい。
サブストレート材料は、鋸くず、樹皮、殻、籾殻、葉、枝、紙、ボール紙などから選択したリグノセルロース材料であるのが好ましい。
一つの好ましい観点から見れば、本発明の方法はバインダーもしくはサブストレート・エマルジョンに含むプラスチック材料を真空密封下で基本組成部から形成する段階を含んでいる。
【0012】
別の観点から見れば、本発明の方法はリサイクルできるプラスチック材料を真空密封下で溶かす段階を含んでいる。
エマルジョン内のプラスチック材料はナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、もしくはポリエステル又はそれらの混合物である。
エマルジョン内のプラスチック材料はナイロン、特にナイロン6が好ましい。
エマルジョン内のリサイクルできる材料はプラスチックの廃物材料から得たものであるのが好ましい。
形成されるプラスチック材料はナイロン6であり、そしてそれの形成に使用される基本組成部は好ましくは、カプロラクタム、NLニュー、アクチベータKU2−8107;ポリエチレンそして酸(例えばバッテリー酸、硫酸もしくは塩酸)から選択される。
プラスチック組成部は管に通し、その管にマイクロ波を当てて組成部もしくは管を加熱して、それにより組成部を加熱する。
【0013】
本発明の方法は、管に接続された入り口を介して管にプラスチック組成部を供給する段階、少なくとも一つのマイクロ波送信器を使って、管にマイクロ波を当てて管内の組成部を加熱するか、もしくは管を加熱して組成物を加熱するか、もしくは管と組成物の両方を加熱する段階、そして管の出口から加熱し、形成されたプラスチック材料を流出させる段階とを含んでいる。
サブストレートはエマルジョン状に形成し、このエマルジョンは使用されるプラスチック材料の融点以上の温度に加熱され、そしてプラスチック材料はスプレーとしてエマルジョンに加えるのが好ましい。
乳化剤に入れた熱湯と組み合わせて加熱プラスチック材料をエマルジョン状に形成し、そしてこうして形成したエマルジョンをバインダーとして使ってサブストレート材料の粒状物から板状組成物製品を形成するのが好ましい。
組成物製品は押し出しもしくは圧縮により形成される。
【0014】
本発明を別の観点から見れば、リグノセルロース材料、ゴム及び又はリサイクルできないプラスチック材料を再構成する方法であって、それは、リグノセルロース材料、ゴム、及び又はプラスチック材料を粒状物に形成する段階、この粒状物をエマルジョンに形成する段階、適当なプラスチック材料を選択する段階、そのプラスチック材料を融点以上に加熱する段階、このプラスチック材料を加圧してエマルジョン物質に噴霧して、サブストレート材料の表面に浸透させる段階、それからそのできた製品を所定の形にする段階、そしてそれをプラスチック材料の融点以下に冷却する段階を含んでいる。
サブストレート材料を磨り潰して1.5ミリから3.0ミリぐらいの、好ましくは2.0ミリぐらいの長さの繊維とするのが好ましい。
【0015】
別の観点から見れば、本発明の方法は、板面上にプラスチック材料の被膜を施す段階を備え、プラスチック材料は板表面に高温液体として噴霧される。
板は材木板もしくは組成物板であり、そして形成されたプラスチック材料を板に噴霧して被膜を造り、もしくはバインダーとして使って一枚の板もしくはそれ以上の板を圧縮して合板を形成するのが好ましい。
板に噴霧したプラスチック材料はナイロンもしくはポリエチレンとカプロラクタムとの組合せであるのが好ましい。
プラスチック材料はポリエチレンとカプロラクタムとの組合せであるのが好ましく、そしてその組合せは170℃から190℃の間に加熱されるのが好ましい。
【0016】
更に別の観点から見れば、本発明の板状組成物製品はバインダーとリグノセルロース材料の粒状物とを含み、バインダーはエマルジョンの形のプラスチック材料を含み、板状組成物は約10重量%のプラスチック材料を含んでいる。
板状組成物は重量で約1%から5%のプラスチック材料を含んでいるのが好ましい。
板状組成物は好ましくは重量で約5%から20%のバインダー、さらに好ましくは重量で約6%から8%のバインダーを含んでいるのが好ましい。
リグノセルロース材料は鋸くず、樹皮、木片、籾殻などから選択されるのが好ましい。
バインダー内のプラスチック材料はナイロンなどのリサイクルできるプラスチック材料が好ましい。
リグノセルロース粒状物は直径が2ミリと60ミリの間であるのが好ましい。
バインダーは、
(a)ホルマリン、もしくはメチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノン、
(b)ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、PVC、スチロフォーム及び又はアクリル樹脂、
(c)パラフィン油、そして
(d)水
のエマルジョン混合物であるのが好ましい。
バインダーはホルマリン、ポリエチレン、パラフィン油そして水のエマルジョン混合物であるのが好ましい。
バインダーはメチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノンと、ナイロン、PVC、スチロフォーム、ポリプロピレン及び又はアクリル樹脂、パラフィン油そして水との混合物であるのが好ましい。
プラスチック材料をベースとしたエマルジョンバインダーを造る方法は、
(a)ホルマリン、メチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノンとパラフィン油とを混合する段階、
(b)段階(a)でつくった混合物にプラスチック材料を溶解する段階、
c)段階(b)の混合物を適当な時間湯に混合して温度を室温にまで下げ、バインダーをつくる段階、
を含んでいるのが好ましい。
【0017】
別の観点から見れば本発明は、リグノセルロース材料もしくはゴム、もしくはリサイクルできないプラスチック材料から選択されたサブストレート材料の粒状物と、リサイクルできるプラスチックベースのバインダーとを含む組成物製品を提供し、その組成物製品中にはリサイクルできるプラスチック材料の粒状物が分散している。
【発明の詳細説明】
【0018】
本願が指向せる発明は、サブストレート材料(リグノセルロース材料、ゴム、リサイクルできないプラスチック材料)の粒状物をプラスチック材料を含むバインダーと組み合わせた板状組成物製品として説明され、またそのような製品を製造する方法として説明される。
【0019】
バインダーはエマルジョン状でプラスチック材料を含んでいるか、又はサブストレート材料をエマルジョン状にしてプラスチック材料をサブストレート材料のエマルジョンに(好ましくは噴霧により)加える。既に述べたとおり、「板状組成物」とは、リグノセルロース材料、ゴムもしくはリサイクルできないプラスチックの粉状物をその構成中に使用している様々な板状組成物製品を全体として参照しているのである。プラスチック材料を含むエマルジョンを形成することによりプラスチックの溶滴または粒状物がエマルジョン全体に、そして究極的には形成される組成物製品に分散される。
【0020】
本発明はエマルジョン内に使用するプラスチック材料、もしくはスプレーとして直接使用するプラスチック材料をつくる方法も提供する。プラスチック・スプレーとして使用するとき、サブストレート材料から形成されたエマルジョンにプラスチック材料を加えるか、もしくは木材もしくは板状組成物に塗布されて板に被膜を施すか、もしくは合板とする。プラスチック材料もしくはプラスチック材料を含むエマルジョンを板に噴霧することにより板に均一に薄く分布させ、そして「板に染みとおらせる」効果を最大として、達成される結合を最大とする。
【0021】
板状組成物製品の製造にプラスチック材料を使用することは知られているけれども、サブストレート材料に直接可塑性バインダーとしてプラスチック材料を使用している。プラスチック材料は予め処理され、廃物材料ではなく、そしてただ流し込まれ、混合されている。本発明の方法ではバインダー内に廃物プラスチックをそのまま使用させている。
【0022】
エマルジョンバインダー状でプラスチック材料を使用すること、もしくはエマルジョン状のサブストレート材料へプラスチック材料を加えて、プラスチック材料の粒状物が分散するようにすることは、本文中に記載の多くの利点をもたらす。
【0023】
本発明で使用する2つの基本的方法を説明する。
一つの方法は、乳化前に真空下でプラスチック材料をつくることを含む。本文で述べる好ましい方法では、プラスチック材料をただ溶解するのではなく、プロセスそれ自体の中で基本の組成物材料からプラスチック材料を形成する。
又は、真空密封下でプラスチック材料を溶解して均質な液状とする。参照を容易とするためこれを「閉じた」プロセスと言う。閉じたプロセスで形成されるプラスチック材料はプラスチックをベースとしたエマルジョンバインダーを形成するか、もしくはサブストレート材料をベースとしたエマルジョンに加えるか、もしくは被膜もしくは合板バインダーとして木材もしくは板状組成物へ直接塗布(好ましくは噴霧)するかである。
別のプロセスは化学反応を利用して、プラスチック材料を乳化し「開いた」プロセスにおいて(すなわち、真空密封下でなく)サブストレート材料のバインダー組成物を形成する。
【0024】
本発明の好ましい実施例において「閉じた」プロセスで組成物をつくり、そしてそれをつくる方法を説明する。
プロセス内で形成されるプラスチック材料により処理される様々な物質は、材木とリグノセルロース材料から取り出される廃棄物、並びに廃棄ゴムとリサイクルできないプラスチック材料であって、再構成されそして適当な形に押し出される寸長のものである。さらに、組成物製品はシートの形にされ、プラスチック材料を硬化前にそれらのシートに挟みこんで改善された「合板」タイプの製品を形成する。または、プラスチック材料を材木もしくは板状組成物に噴霧して被覆したり、もしくは合板を形成する。
【0025】
図1の好ましい実施例のプロセスにおいては2つの原材料ホッパー1aと1bとがあって、それらは再構成するサブストレート材料を含んでいる。これらのホッパーは充填セル2aと2bの上でバランスをとっている。それらの自動供給弁3aと3bとにより原材料を混合装置4へ自動的に供給する。
この好ましい実施例では混合装置4はステンレススチールからつくられており、木片、リサイクルできないプラスチック、ボール紙、ゴムなどのような広範な材料を受容するように設計されている。オーガー5が混合装置4の全長を進む。図3に示す「ウォーム・フラット・プレート」50をブレードに対し水平にオーガーに溶接して、様々な原材料を混合できるようにする。さらに、好ましい実施例では真空ライン6を設けて材料が真空下で混合できるようにする。
【0026】
図1に示すように、混合装置の押し出し端に幾つかのヘビー・デューティ・ノズル7を設けて、混合装置4を通って来た原材料にポリマーを圧入する。
混合装置を出ると、圧縮押出器8に入り、この圧縮押出器8は、この好ましい実施例ではステンレススチールでできている。オーガー9は押出器8の大部分の長さを進んで押出器に製品を通す。この方面の技術で知られているように、圧縮押出器8の入口端におけるブレードとブレードとの距離は形成しようとする大量の製品の挿入が容易になるよう離されており、出口端におけるブレードとブレードは狭い間隔となっていて圧縮するようになっている。
混合製品が押出器8を通るとき、ブレードの間隔は狭くなっていき、製品を圧縮するが、そのような圧縮は第1区域10で始まる。製品が第2区域11、第3区域12そして第4区域13を通過するに従って、押出器8の直径は小さくなり、形成しようとする製品をさらに圧縮し、第4区域への出口の直径は最終製品の所要最終寸法に一致している。この好ましい実施例では、圧縮押出器8の最初の4つの区域の温度は、押出器の外側に取りつけた加熱ジャケット(図示せず)により調整される。しかしながら、温度制御に他のどのような手段も使用できることは理解さるべきである。押出器8のこれらの部分の温度はポリマー材料を溶融状態にしておくようにされ、製品を圧縮し形成できるようにしておく。
押出器8の第5区域14において製品はそれの最終形状に圧縮され、そして製品が整形され、取り扱えるに足るだけの強度となるまでポリマーの融点以下の温度まで冷却される。
【0027】
図1の本発明の好ましい実施例において噴霧システムはポリマーでない材料を取り込みそれらを所望のポリマーに変換することができるように設計されている。好ましい実施例では原材料は2つのタンク15aと15bに入れられており、一方のタンクはカプロラクタム+NLニュー(以下では「ケミカル1」と言う)を保有しており、他方のタンクはカプロラクタム+アクチベータKU2−8107(以下では「ケミカル2」と言う)を保有している。こうして、混合装置4にサブストレート材料を加える直前にナイロンが形成される。これらの化学物質はバイエルAGから入手できる。
好ましいナイロン形成のコンビネーションは「ケミカル1」−1kgカプロラクタム、100mlのアクチベータKU2−8107;200gのポリエチレン(約150℃まで加熱)であり、「ケミカル2」−60mlの標準バッテリー酸+100mlの液状パラフィンである。ケミカル2はケミカル1と混合され、そして所望の均質性が得られるまで混合する。エマルジョンを形成するためこの混合物を乳化器内の95℃―97℃の間の水に圧入する。
【0028】
以下に詳述するように、塊をなくすため適当な時間(2−4時間)乳化する。使用する酸はバッテリー酸もしくは同じ濃度の硫酸もしくは塩酸である。
アプリケータに他のポリマーを使用できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、そしてポリエステルを使用でき、すべて粒状で使用でき、そして約150℃の温度で循環式ジアミンと、そしてウレタン樹脂とクロスリンクさせて、厚い層の、エラステイックプライマー、ストーンチップ・プライマーそして下面保護剤を形成する。
容器15aと15bとからケミカル1とケミカル2とを別々にパイプ16aと16bとを通して「アプリケータ」17に入れる。この好ましい実施例では、アプリケータはステンレススチールから構成され、そしてパイプ16aと16bとは図1に示すように二重螺旋を描いてアプリケータ17を通っている。各パイプの下側に熱センサ(図示せず)を取りつける。アプリケータ17を通るパイプ16aと16bの部分は、所望であれば二酸化クロムとカーボンブラックとを含む耐火粘土で被覆してもよい。
幾つかのマイクロ波装置18を図1に示すようにアプリケータ17の外壁に設ける。この好ましい実施例では各マイクロ波装置の出力は850ワットであり、15分のパルスで作動し、ケミカル1とケミカル2とがアプリケータを通るとき加熱する。他の加熱装置を使用することもえきる。
【0029】
アプリケータ17は図2に示されている。図2の実施例は単一の容器タンク15aとアプリケータ17を通るパイプもしくは導管16aを示しているだけである。もちろん、この装置は図1に示したものと同じでよい。
例えば二酸化クロムのようなマイクロ波エネルギーの吸収体を含む、もしくはそれで被覆されている耐火粘土を導管16a+16bは含んでいてもよいし、またはこれも(好ましくは)マイクロ波吸収被膜を施した、そして多分耐熱被覆も施したガラス・チューブを備えていてもよい。これによりマイクロ波は導管及び又は導管内のプラスチック材料を加熱する。
【0030】
図2に示すように、導管16aは容器15aからアプリケータ17への入口と出口24との間の路となっていて、アプリケータ内に大きな導管路をつくり、マイクロ波発生器18が発生したマイクロ波に長い時間曝されるようにしている。同じものが図1に示す二重螺旋形態に見られる。
原材料15aの容器とアプリケータ17に入る導管16aの入口との間に回転弁25を配置する。また、ポンプ26をアプリケータ17内に設けて、アプリケータ17を通る溶解したポリマー材料がアプリケータ17から圧送されるようにする。
【0031】
図2に示すように、アプリケータ17のハウジング27は適当に絶縁されていて、そのシステム内に熱を保持し、そして熱膨張緩和機構を備え、マイクロ波発生器18の付活状態もしくは滅勢状態の間アプリケータ17内の温度変化によってハウジングにガタが生じないようにしている。
【0032】
図1に示すように、固定混合装置19と導管16aと16b内での材料の混合はマイクロ波アプリケータ17の外側で生じる。別の形態では、これらはアプリケータ17内に包含されていて、タンク15aと15bに含まれた組成材料の混合が適正温度で行われるようにしている。
マイクロ波発生器18の制御によりアプリケータ17内の温度は広範囲に変化し、個別の材料を加熱し、様々に異なる組成材料を扱える。
アプリケータ17を出るところでパイプ16aと16bとが組み合わさって固定の混合器19に入り、そこで2つの加熱されたケミカル1とケミカル2とが混合され、約130℃の温度となる。この温度でケミカル1とケミカル2とは反応し、そしてポリマーの鎖が形成し始める。ケミカル1とケミカル2の特定の組成材料では、ナイロン6が形成し始める。パイプ20を通ってポンプ21を介し混合器19を出るとき、その加熱混合物はスプレーヘッド7に入る。各スプレーヘッド7の混合室内で混合は約160℃の温度で行われ、それにより(ナイロン6への)重合が生じる。
スプレーヘッド内に形成されたプラスチック材料は木材もしくは板状組成物に直接噴霧して合板もしくは板に被膜をつくる。好ましいものとしては、ナイロン−6またはポリエチレントとカプロラクタムの組合せがあり、このポリエチレントとカプロラクタムとは約160℃と200℃の間の温度で溶解している。よく知られているように、融けたプラスチックの噴霧により圧縮前の空気との接触は最小に保たれる。例えば圧縮ローラ間に噴霧することもできる。粒状のサブストレート材料に(例えば混合室4内で)噴霧すると、形成される組成物が優先して押し出され(標準の圧縮技術も使用できる)、または、形成されるプラスチック材料はスプレーヘッドから(例えば80℃と97℃の間、好ましくは85℃と92℃の間)熱湯を含んでいる乳化器に移されるか、以下に説明する乳化混合器に移され、以前に溶解しているアクリル樹脂をスプレーヘッド内で形成されたプラスチックと置きかえる。エマルジョンを混合器4に加えるか、後で参照する「開いた」プロセスで使用する。
【0033】
エマルジョンは熱湯(例えば、所望により30−60リットル)内に形成され、そして乳化器はすべての塊を除去するに足るだけの時間作動させる。
混合器4内の粒状サブストレート材料に噴霧するときポリマー(例えばナイロン)の温度は未定であり、そしてその後の乳化速度は加熱ジャケットを使って圧縮押出器8の種々の区域の温度を調整することにより調整する(最終区域を使って製品を冷やして剛性を与える)。
【0034】
様々に利用するためにノズルへ付けた混合室にクロスリンクしたアクチベータを入れる。同様に、染料のような物質、香料及び又は燃焼遅延剤を、もし最終製品においてそれらが望まれるのであれば、ポリマー混合物に入れる。本発明の好ましい形態において使用される燃焼遅延剤はPorofor Adc/mであるが、この業界で知られている他の物でもよい。
このプロセスは他の廃物材料の2つの供給源を組み合わせて利用でき、その場合リサイクルできる廃棄プラスチック材料をプラスチック・バインダー・ベースとして使用し廃棄リグノセルロース材料もしくはリサイクルできないプラスチック材料、もしくはゴム材料(例えば)をサブストレート材料として(例えば混合器4内で)使う。庭に出る屑のような他のタイプのリグノセルロース廃物(例えば、樹皮、枝、葉など)、木片、鋸くずなどすべて使用できる。バインダー・ベースとして利用されるリサイクルできるプラスチック廃物はストラッピングや他の廃物、そしてプラスチックの組合せを含む。リサイクルできないプラスチックはこのプロセスでカプセルに包んで、サブストレート材料として使用できる。
【0035】
このプロセスで使用する前に廃棄サブストレート材料を磨り潰すか、他の仕方で1.5ミリと3.0ミリの間、好ましくは約2.0ミリの長さにする。この段階はもしもその材料が鋸くずなどであれば、必要ではない。バインダーとして使用できる廃棄プラスチック材料を粉状にして、(例えば約1.5ミリ以下の大きさの)廃棄リグノセルロース材料や他のサブストレート材料よりも小さくする(最もこれは任意事項である)。
図2のポンプ26は使用する方法によって異なる様々な厚みのポリマー(すなわち、プラスチック材料)を通せることが必要となってくる。ポリマーもしくは前ポリマー組成物を液状もしくは流体の形に保つと言うシステムの要件によってポンプも加熱する。そのようなポンプは、ポリマーの供給源としてリサイクルできる廃棄プラスチック材料を使用するとき必要となる。プラスチック材料のタイプ、もしくは様々なタイプのプラスチックの混合によっては粘性に強い影響を与える場合があり、それはアクチベータ17内で前ポリマー組成物を(例えば、ケミカル1とケミカル2)使用するときであるが、このことが余り問題になることはない。同様の問題はポリマーをサブストレート材料に塗布するのに使用するスプレーヘッドでも起きてくることがある。これは既知の手段によって解決できる。好ましくはポンプは自己清浄ポンプであり、適当な形成ノズルとチューブとを装備している。
【0036】
図1乃至3を参照して説明したのとは別の実施例は大きいパドル・ワイピング混合器(図4)を装備している。この混合器は450℃から600℃の間で、好ましくは約500℃で作動する。大型パドル・ワイピング混合器40によりリサイクルできる廃棄プラスチック材料は再溶解され、接着しようとしている磨り潰したリグノセルロース材料(例えば、鋸くずなど)と徹底的に混合される。接着プロセスを必要とするすべての物質を予め加熱することは、製造時間を短縮できるので好ましい。
本発明の方法と装置は、ゴム及び又は他のリサイクルできないプラスチック材料を再構成するには変更する必要がある。その実施例は、サブストレート材料をホッパー1a、1bから直接にではなく、エマルジョンとして混合器4に加えている点で図1により説明した方法と装置とは異なっている。スプレーヘッドからのプラスチック材料は混合器4内のエマルジョン状のサブストレート材料に加えられる。もし所望ならば、リグノセルロース材料をサブストレート材料として使用できることは理解されよう。
【0037】
必要なエマルジョンの形成例を以下に示す。
予め溶解したアクリル樹脂、水溶性ワックス及び脂肪酸をサブストレート材料100kgに対してそれぞれ重量30%、50%そして20%部を真空状態で第1ブレンダー内で、サブストレート材料、リグノセルロース粒状物もしくは磨砕したゴム及び又は他のリサイクルできないプラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PETもしくはポリスチレン)と一緒に混合する。この混合物を300℃にして、それらの化学物質と廃棄プラスチック材料とを液状となるまで溶解する。
第2のブレンダー内でモルホリン、K.O.H.100そしてD.O.P.における芳香族ポリイソシアヌレートをサブストレート材料100kgに対してそれぞれ重量20%、20%そして60%部を真空状態で混合し、そして再び300℃の温度まで上げる。
その場合第1のブレンダーの内容は第2ブレンダーに圧送され、300℃の温度に維持される。
乳化器を備える第3の容器には所要量の水を満たし、95℃の温度にまで上げる。これを排気して全酸素を除く。第2ブレンダーから乳化器への相互接続管を360℃まで上げる。このことにより両方のブレンダーから液体が自由に流れ出る。第2のブレンダーからの混合物は乳化器に流れ込み、その中では高速羽根により熱水中に渦を形成する。加熱され乳化されたサブストレート材料を水に放すと、それは直ちに混合し、第2ブレンダーを乳化器へ相互接続している加熱管とは反対の側で乳化器の内側でサイジング・マルチャーに吸いこまれる。
その結果の処理されたサブストレートは(図1に示すように)主混合器4に入り、そしてサブストレート・エマルジョンに噴霧されるのが好ましいプラスチック材料について前に説明したプロセスを辿る。
強度の異なる最終の再構成される製品をつくるため他の添加剤を加えてもよい。例えば、軟性ラバー接着剤例えば、2001,2007,2005、TN/S50、デスモジューアTT、デスモジューアN100、スタビライザー1097、もしくは硬性ゴムのためのクロスリンカー例えば酢酸、アセトン、アニニール、ブチルアセテート、過酸化水素もしくはトルエンである。
【0038】
組成物製品は例えば建築材として使用でき、それは比較的強固で、水を吸収し難く、節や穴のあいた板からグレードの高い板をつくることができ、その建築材の表面の裂け目は少なく、建築材はコンクリートから容易に剥がせ、擦り傷が付きにくく、そして毒性の副産物が殆ど生じない。この方面の技術で知られている適当な添加物の混入により、もしくはポリマーの選択によって燃焼遅延性のような特性を与えることができる。
このプロセスを使用すると、ゴムタイヤ、ベルト、合成ゴムを新しい製品、例えば、電柱、係留柱、まくら木、絨毯の下敷き、コンベア・ベルト、ショック・アブソーバー、エンジニアリング・パッドなどにできる。
軟性の再構成製品、例えば絨毯の下敷きをつくるには、粉砕した、粒状にした、もしくは磨砕したゴムが非常に柔軟である必要がある。それ故、ゴムサブストレート1キログラム毎に2%(20グラム)のポリマー接着剤を必要とする。非常に硬い製品をつくるには1キログラム当たり6%の接着剤を加える。
例えば、紙製品をつくるには、(先に説明したスプレーヘッドから)高温のプラスチック・エマルジョンを圧縮ローラ間で層状の紙シートを横切って噴霧して組成紙ボードを形成する。ボール紙やそのようなサブストレート材料もこうして造れる。
本発明のこの実施例から理解されるように、建築材に適した特性を含む所望の特性を有する組成物製品をつくれる改善された方法が提供される。
【0039】
「開いた」プロセスに関しては、この方法が真空密封を使用することなく組成物製品を形成させる。高レベルのプラスチック材料を有する組成物製品をつくれる一方、低レベルのプラスチック材料を含むリグノセルロース組成物製品もつくれるという利点がある。
このプロセスではプラスチック材料を多く含むリグノセルロース組成物製品をつくれるけれども、プラスチック材料の含有量を少なくするということに実質的な利点がある。すなわち、最終製品それ自体の強度と完全さは維持しつつ、価格を安くし、製品の外観を「プラスチック」のようには見せないのである。
先に述べたとおり、使用するリグノセルロース材料の大きさを調整することによりプラスチック材料の量を少なくできることは知られているが、これは製造プロセスに処理要件を加える。容認できる組成物製品を押し出すには(粒子の大きさの制限と関連して)少なくとも20%のプラスチック材料を必要とするのが一般である。材木会社の見解によれば板状組成物製品の製造におけるプラスチック材料のレベル増加に対する要求が製品コストを増加させ、製品は材木のような外観ではなくなってくる。
開いたプロセスは広範囲な種類と大きさのリグノセルロース材料の使用を可能とし、プラスチック材料の量を減少させ、様々な仕上げ製品として使用できる組成物製品をつくることを可能とする。
プロセスにおいて使用されるリグノセルロース材料は当業者によく知られているどのような形であってもよく(例えば、木片、樹皮、鋸くず、籾殻など)、好ましくはその直径は約2ミリと約60ミリとの間にある。種々の材料(松、自然の材木)も所望ならば特に問題なく使用できる。
【0040】
バインダーはホルマリン、メチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノンFD&C、プラスチック材料、パラフィン油そして水である。
プラスチック材料は適当な種類と大きさの物でよい。例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、スチロフォームもしくはアクリル樹脂を使うことができる。これらは所望により粒子、粉末もしくは砕片である。
好ましくは、ポリエチレンをホルマリンと一緒に使う。メチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンFD&Cの一方、もしくは組合せをポリプロピレン、ナイロン、PVC、スチロフォーム及び又はアクリル樹脂と一緒に使用する。
製品の強度を高めるためのバインダーへの添加剤はフレンチチョークもしくはタルカム・パウダーを含み、そしてまた以下のものも含む。
1,3−ビス−(メチロール)−イミダゾリドン−2
1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジヒドロキシ エトキシイミダゾリドン−2
1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリドン−2
1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジベンジル−4,5−ビス(パーフルオロアルコキシ)イミダゾリドン−2
1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジアルキル−4,5−ジアルコキシ−2−チオ−イミダゾリジン
1,3−ビス(メチロール)−4,6−ジアルコキシ−2−チオ−1,3−ジアゾリジン
1,3−ビス(アルコキシメチル)−4,6−ジアルコキシ−2−イミノ−1,3−ジアゾリジン
無希釈過酸化物
2−アルキル−4,6−ビス(メチロール)−1,3−ジオキソラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
4,6−ビス−(アルコキシメチル)−2,5−ジオキソ−1,3−ジオキソラノ(4,5−d)イミダゾリドン アルファー,オメガ−ビス(4,5−ジメチロール−1,3−ジオキソラノ(4,5−d)イミダゾリジン−2−yl)アルカン
2,2‐ジアルコキシ‐4,6‐ビス(アルコキシメチル)‐1,3,2‐ジオキサシロラノ(4,5‐d)イミダゾリドン‐5
2,2‐スピロビ(4,5−ジメチロール−1,3,2−ジオキサシロラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
2−ブチル−4,6−ジメチロール−1,3−ジオキソラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
1,3−ビス(エトキシメチル)−4,5−ビス(ホルムアミド)−4,5−ジメチル−イミダゾリドン−2
1,3−ビス(プロポキシメチル)−4,5−ビス(エトキシメトキシ)イミダゾリドン−2
1,3−ビス(ブトキシメチル)−4,5−ビス(ヘプタデカノキシ)イミダゾリドン−2
1,3−ジプロピロル−4、5−ジメトキシ−イミダゾリドン−2、および
1,3−ビス(エトキシプロピル)−4、5−ジエトキシイミダゾリドン−2
【0041】
他の添加剤としては例えば、染料、火炎遅延剤、防虫剤そしてアンチモールドがある。
バインダーはホット・メルト・プロセスによりつくられるが、そのプロセスではプラスチック材料(例えば、ポリエチレン)をホルマリン/パラフィン油混合液に溶かし込み、それから乳化器の中で湯と混合する。この混合は混合物が室温まで冷却するだけの時間(例えば、3―6時間)継続され、細かいクリーム状の液体をつくる。
使用する乳化器はどのような既知の形式のものでよく、例えばウイルソン951高圧乳化器でよい。
乳化されたバインダーはサブストレート材料と所望の均質が得られるまで混合される。
板状の組成物は既知の圧縮もしくはモールド技術を使って造られ、その製品は所望によりパネル型や構造梁型となる。建材として使用できる構造強度を有する組成物製品はバインダー内の(従って最終製品内の)プラスチックの量を増加することにより、そして強化剤の使用により造られる。押し出しプロセスを使って最終製品を造れるが、押し出しプロセスは好ましくない。使用するプラスチック材料の量が少ないため最終製品の仕上げは粗くなる。
【0042】

例1―バインダー製造―ポリエチレン/ホルマリン
(A)高級ホルマリン(ホルムアルデヒド)40mlを液状のパラフィン油20mlと混ぜた。ホルマリンは高級ホルマリンであるのが好ましい。望ましい場合は低級ホルマリンを使うこともできる。
(B)ホルマリンを液状のパラフィン油と混ぜてから、(粉状、粒状の)ポリエチレン1kgをその混合物に加えた。強化するためチョーク・パウダー(タルカムパウダー)をその混合物に加えた。
(C)(B)で造った混合物を加熱してプラスチック材料をホルマリン/パラフィン油に溶け込ませた。その液体を真空密封溶解ドラムに入れ、マイクロ波装置を使ってドラムを加熱した。溶解ドラムの外面はカーボンをベースとした材料で被覆していた。マイクロ波装置がドラムのカーボンをベースとした材料の被覆を加熱し、その熱を内部に伝達する。その結果溶解ドラム内の温度は急激に上昇して約600℃から700℃の間の最高温度となる。例えば、ナイロンプラスチック材料が溶ける温度は300℃を超え、もしもポリエチレン、ポリプロピレンもしくはアクリル系の材料をプラスチック材料として使えば、160℃から180℃の間の温度を使う。
当業者であれば適正な温度を選択できる。溶解ドラムの内壁は、内壁技術として知られることになる適当な付着させない材料を含んでいた。ドラムは粘性センサを備え、内容物が液状になる時点を検出していた。ポリエチレン粒子と粉を使用するときは溶解ドラムはマイクロ波加熱により約180℃に加熱された。容易に理解されるように、溶解ドラムは遅くてあまり好ましくないけれども電気/ガスの熱で直接加熱することもできる。
(D)溶解ドラム内に高温プラスチック含有液をつくると、その液をドラムから乳化器に移し替えた。乳化器は40リットルの湯を含んでいた。この量の水が構造強度の製品をつくらせるのである[非構造製品をつくるのであれば、乳化器内の水はもっと多くなる(例えば、60mlのパラフィン/ホルマリンと1kgのプラスチック材料の混合に対して60リットル)]。乳化器は約4時間稼動する。この時間で温度は室温まで下がる。使用する乳化器はウイルソン951高圧乳化器であった。
(E)出来たのは、プラスチック材料を含む細かいクリーム状の液体であった。
【0043】
例2
例1で用意したバインダーを使って以下の5つのサンプル(E1−E5)を造った。1キログラムの鋸粉と2キログラムの長い繊維(松)の混合物にバインダーを混ぜた。サンプル毎のバインダーの量は表1に示す。これらの試験サンプルは1トンの圧力をかけた電熱モールド(上部と下部の熱は160℃)を45分間使って造った。
表1 組成物製品の製作
【表1】

*材木フレークのソース、粗い、細かい、%、層、バインダータイプなどを示す。

十分なサンプルがないので板構造試験をサンプルE4とE5についてだけ実施した。
サンプル4 重量1050グラム:350グラム表面フレーク(175グラム・トップ
−175グラム・ボトム)700グラム コアフレーク(センター)
バインダー:15.75グラム・トップ−15.75グラム・ボトム−6
3グラムセンター
仕上げ重量: 1.14キログラム(砂吹き後)
サンプル5 重量1200グラム:400グラム表面フレーク(200グラム・トップ
−200グラム・ボトム)800グラム コアフレーク(センター)
バインダー:18グラム・トップ−18グラム・ボトム−72グラム ミド

仕上げ重量: 1.3キログラム(砂吹き後)

表1から判るように、板状組成物内のリグノセルロース材料に対する(バインダー内の)プラスチック材料の比は非常に小さい。
【0044】
例3 比較製品試験
例2の5つのサンプルとCSRプレミアム・グレード・パーチクルボード・フローリングの4つのサンプルを並行して試験した。
例2で説明した5つのサンプルはE1、E2、E3、E4そしてE5と番号をつけた。CSRサンプルはC1、C2、C3そしてC4と番号をつけた。
個々のサンプルを2つに切って約300×100平方ミリとし、A、Bと名づけて厚みと密度について試験した。Aシリーズのサンプルについては接着耐久性(72時間煮沸)を試験し、そして質量と厚みとが24時間毎に計測した。BシリーズのサンプルについてはMOR試験をした。BシリーズからのE4とE5の2つのサンプルも含有水分につき試験した。
E1―5サンプルは密であって、木材粒子間にボイドはなかった。これらのサンプルでは透明なプラスチックに埋め込まれた木材粒子が見えた。
【0045】
結果
厚みと密度の結果を表2に示す。5つのEサンプルは研究所環境で造られたので両方の特性は同じではなかった。
厚み、膨らみ、吸水を表3に示す。Eサンプルは両方の特性においてCSRサンプルより優れていた。Eサンプルは繊維の膨潤や表面の粗さは認められなかったが、CSRサンプルは酷く影響を受けていた。(繊維ではなくバインダーの膨潤が離れて幾つかEサンプルに現れたが、これはサンプル製作時の不適切な混合の結果と言われている。)
(湿らした)シリーズAのMOR結果を表4に示し、そして(乾かした)シリーズBのMOR結果を表5に示した。(試験装置の支持部と支持部との間の所要の距離にサンプルの長さが足りないためオーストラリア標準法によりMOR試験を実施できなかった。しかしながら、MOR計算式ではこの事を考慮にいれて計算し、すべての結果は相互に整合させている。)Eサンプルは72時間の煮沸期間後MORについて優れた保持力を示した。CSRサンプルはAS/NZS1859.1(lnt):1995に記載のグルーボード・デユアラビリティの要件に合致した。
シリーズBからの試験された2つのサンプルの含有水分はマテリアル・エンド・テスティング ラボラトリーズからの報告に示されている。Eサンプル材料の少ない含水量は木材粒子が使用したバインダーによって完全に密封されていることを示している。
【0046】
結論
すべて5つのEサンプルは強固であり、耐水特性に優れていた。
煮沸後の表面の状態はすばらしかった。

表2 厚みと密度
【表2】

表3 72時間煮沸による厚み、膨潤そして吸水
【表3】

表4 湿ったサンプル−支給されたサンプルの屈曲試験
【表4】

表5 乾いたサンプル−支給されたサンプルの屈曲試験
【表5】

(負荷速度8ミリ/分)
E4B 湿分% 1.1
E5B 湿分% 1.6
装置:島津ユニバーサル テスティング マシン モデル REH 50、シリアルナン
バー72666 校正期日1995年4月
技術:支持間隔240ミリ(50ミリ直径ロール)と20ミリ直径中心荷重フォーマーを
使って3点荷重
裂開係数の計算式:3×最大荷重(N)×240
2×試料幅×試料厚み

これらの例に示された結果から判るように、本発明により造られた板状組成物は、現在入手できる製品と比較すると明らかに材料特性が優れている。
【0047】
例3
ココナッツ・ウッドチップボードの試験
支給されたココナッツの木片をベースとした板について燃焼試験と煮沸試験とを実施した。ココナッツの殻片を粉にして例1のバインダーを使って板を造った。温度と手法は例2と同じである。
【0048】
燃焼試験
様々な材木のサンプルをブンゼン炎に入れてその材木がそれ自体が燃えて炎を上げている時間を測定した。

サンプル 燃焼時間
5層構造の市販の合板 2分
7層構造の市販の合板 2分
市販のチップボード 2分
ココナッツ・ウッドチップボード 2分

樹脂に燃焼遅延剤を入れていたならばココナッツ・ウッドチップボードの炎焼性は改善されていたであろう。もちろんこのことは任意事項である。
【0049】
煮沸試験
この試験は、戸外の天候条件に対する長期安定性を比較するためAS2098.2(1977)の最初の部分に基づいて行った。この基準はベニヤと合板に対して決めたものであるが、パーティクル・ボードに対する同様の基準が他にないので使用した。よってその視覚による評価は、我々独自の結果説明法である。
沸騰した湯の浴に72時間サンプルを入れておき、そこから取り出し、そして水の中で冷却し、視覚的に判断した。

5層構造の市販の合板 層状に剥離しなかった。
7層構造の市販の合板 層状に剥離しなかった。
市販のチップボード 分解してバラバラのチップの山になった。
ココナッツ・ウッドチップボード バラバラに分解はせず、小さな裂け目が所々に現れ
た。これらの裂け目は、おそらくは水で膨らんだ大
粒子によるものである。

以上のように、ココナッツ・ウッドチップボードは、市販のチップボードと比較すると明らかに有利な特性を備えており、合板に似た性質であることがわかる。
【0050】
例4
目的: 支給されたサンプルについての屈曲試験の比較
装置: 島津ユニバーサル グレード1 テスティング マシン。
モデル REH50、シリアルナンバー72666
校正期日1993年4月
技術: 支持間隔240ミリ(50ミリ直径ロール)と50ミリ直径中心荷重フォ
ーマーを使って3点荷重
裂開係数の計算式: 最大荷重(N)×240
試料幅×試料厚み
【0051】
結果
A1 市販の合板
A2 基準のチップボード
A3 鋸粉/エマルジョンボード
水中においてエマルジョン‐ポリエチレン+ナイロン(1:2の比)
例1と2の手法により製した。

【表6】

* 裂開係数
【0052】
例5
イントロダクション
1キログラムのポリエチレン+200グラムのカプロラクタムを混合、170℃と180℃の間に加熱した。板面とスカーフジョイントにノズルを通して(約180℃で)噴霧した。
試験サンプル
サンプル1は、フェノール接着剤でつくったスカーフジョイントを含む15ミリ厚さのシャドウ・クラッド合板であった。
サンプル2は、スカーフ・ジョイントを含む15ミリ厚さ、630ミリ×450ミリの合板(5層構造)であった。上に説明したように、ポリエチレン/カプロラクタム溶融バインダーの噴霧を使ってスカーフ・ジョイントをつくった。5つの異なる厚みの試料片を用いた。バインダーの厚みは約125ミクロンであって、ジョイントの100ミリ区域に沿って塗布された。
屈曲試料は約46ミリの深さと、630ミリの長さで、支給された試料から切り出された。
試験
インストロンTT−D試験機ですべての試験が行われた。スカーフ・ジョイントはスパンの中ほどに配置された。破壊するまで試料の上端に荷重を加えた。
結果
表7に結果を示す。
【表7】


スカーフジョイントの切り欠き縁における合板の破損が主たる故障の態様であるので、異なる接着剤(そして配合)の強度の比較は困難である。スカーフが全体の厚みを横切って連続しているジョイントで試験したらば多分ジョイントの強度をよりよく比較できたであろう。
少数のサンプルについて試験しても、ジョイント特性の変化を評価することはできない。幾つかの異なる合板でできているジョイントを、接着剤のポットライフ中の様々な時間において試験して、ジョイントの強度にあり得る変化を求める。
しかしながら、噴霧したポリエチレン・カプロラクタムバインダーがフェノール接着剤と少なくとも同じようなスカーフジョイントを形成したことは理解できる。このバインダーの一つの利点はフェノールを使わないバインダー接着剤の使用にある。
本発明についてその好ましい実施例を説明したが、別の様々な仕方で本発明を実施できることは当業者には明らかであって、そのような代替もしくは変形態様も本発明の技術範囲に含まれる。
上の説明で特定の配合剤や製品を挙げてきたが、それらの均等物も説明したのと同様本文に含まれるものである。
本発明の説明は実施可能なものについての例示に過ぎず、請求の範囲に記載の発明の思想内で様々に変更実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の「閉じた」方法の流れ略図であって、本発明の一つの実施例による押し出しプロセスを採用している。
【図2】図1で使用してるアプリケータの縦断面図である。
【図3】図1の装置のプレート形成部の正面図である。
【図4】本発明の別の実施例で採用された大型のパドル・ワイピング・ミキサーの縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状組成物の製造に使用されるバインダーであって、
(a)ホルマリン、もしくはメチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノン、
(b)プラスチック材料
(c)パラフイン油、そして
(d)水
のエマルジョン混合物であることを特徴とするバインダー。
【請求項2】
前記プラスチック材料が、リサイクルできるプラスチック材料であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項3】
前記プラスチック材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、PET、PVC、スチロフォーム及び又はアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項4】
前記プラスチック材料が、ポリエチレンとカプロラクタムにより形成されたナイロンであることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項5】
前記プラスチック材料が、ナイロン6であることを特徴とする請求項1又は4記載のバインダー。
【請求項6】
前記プラスチック材料が、粒子状であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項7】
前記プラスチック材料が、粉末状であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項8】
前記プラスチック材料が、砕片状であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項9】
前記バインダーに、
・フレンチチョーク
・タルカム・パウダー
・1,3−ビス−(メチロール)−イミダゾリドン−2
・1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジヒドロキシ エトキシイミダゾリドン−2
・1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリドン−2
・1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジベンジル−4,5−ビス(パーフルオロアルコキシ)イミダゾリドン−2
・1,3−ビス(メチロール)−4,5−ジアルキル−4,5−ジアルコキシ−2−チオ−イミダゾリジン
・1,3−ビス(メチロール)−4,6−ジアルコキシ−2−チオ−1,3−ジアゾリジン
・1,3−ビス(アルコキシメチル)−4,6−ジアルコキシ−2−イミノ−1,3−ジアゾリジン
・無希釈過酸化物
・2−アルキル−4,6−ビス(メチロール)−1,3−ジオキソラン(4,5−d)イミダゾリドン−5
・4,6−ビス−(アルコキシメチル)−2,5−ジオキソ−1,3−ジオキソラン(4,5−d)イミダゾリドン アルファー,オメガ−ビス(4,5−ジメチロール−1,3−ジオキソラン(4,5−d)イミダゾリジン−2−yl)アルカン
・2,2−ジアルコキシ−4,6−ビス(アルコキシメチル)−1,3,2−ジオキサシロラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
・2,2−スピロビ(4,5−ジメチロール−1,3,2−ジオキサシロラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
・2−ブチル−4,6−ジメチロール−1,3−ジオキソラノ(4,5−d)イミダゾリドン−5
・1,3−ビス(エトキシメチル)−4,5−ビス(ホルムアミド)−4,5−ジメチルイミダゾリドン−2
・1,3−ビス(プロポキシメチル)−4,5−ビス(エトキシメトキシ)イミダゾリドン−2
・1,3−ビス(ブトキシメチル)−4,5−ビス(ヘプタデカノキシ)イミダゾリドン−2
・1,3−ジプロピロル−4,5−ジメトキシ−イミダゾリドン−2
・1,3−ビス(エトキシプロピル)−4,5−ジエトキシイミダゾリドン−2
・染料
・火炎遅延剤
・防虫剤
・防かび剤
のうちの一つ又は二つ以上を加えることを特徴とする請求項1乃至8記載のバインダー。
【請求項10】
前記バインダーが、ホルマリン、ポリエチレン、パラフィン油および水の混合物であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項11】
前記バインダーが、メチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノンとナイロン、PVC、スチロフォーム、ポリプロピレン、及び又はアクリル樹脂、パラフィン油そして水との混合物であることを特徴とする請求項1記載のバインダー。
【請求項12】
リグノセルロース材料の粒状物と、請求項1乃至11に記載のいずれかのバインダーとを含み、板状組成物が、重量比で10%を超えないプラスチック材料を含有することを特徴とする板状組成物製品。
【請求項13】
前記板状組成物が、およそ1%乃至5%のプラスチック材料を含有することを特徴とする請求項12記載の板状組成物製品。
【請求項14】
前記板状組成物が、重量比で5%乃至20%のバインダーを含有することを特徴とする請求項12又は13記載の板状組成物製品。
【請求項15】
前記リグノセルロース材料が、鋸くず、樹皮、木片、籾殻から選択され、前記プラスチック材料はナイロンであることを特徴とする請求項12乃至14記載の板状組成物製品。
【請求項16】
前記リグノセルロース材料の粒状物が、直径が2mm乃至60mmであることを特徴とする請求項12乃至14記載の板状組成物製品。
【請求項17】
組成物製品を製造する為に使用するエマルジョンバインダーの製造方法であって、
(a)ホルマリン、メチルクロロイソチアゾリノン及び又はメチルイソチアゾリノンとパラフィン油とを混合する段階、
(b)段階(a)でつくった混合物にプラスチック材料を溶解する段階、
(c)段階(b)の混合物を適当な時間熱湯に混合して温度を室温にまで下げ、バインダーをつくる段階、
を含んでいることを特徴とするエマルジョンバインダーの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−179814(P2008−179814A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340861(P2007−340861)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【分割の表示】特願2002−544202(P2002−544202)の分割
【原出願日】平成13年11月23日(2001.11.23)
【出願人】(503185448)ハイテック エンジニアリング リミテッド (1)
【Fターム(参考)】