説明

組換えパーフォリン、その発現、およびその使用

本発明は、細胞においてパーフォリンの発現を駆動できるレトロウイルスベクター、および、細胞において組換えパーフォリンを発現する方法に関する。本発明はまた、組換えパーフォリンポリペプチドおよびそれから得られる核酸分子並びにその使用にも関する。また、このような組換えパーフォリン分子を使用するスクリーニングアッセイ、該スクリーニングアッセイにより同定された化合物、およびその使用も包含される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を駆動できるレトロウイルスベクターでトランスフェクトされた宿主細胞において、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を駆動できる前記レトロウイルスベクター。
【請求項2】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項3】
モロニーネズミ白血病ウイルス、ネズミ幹細胞ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳癌ウイルスを含む群に由来する、請求項1または2に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項4】
ネズミ幹細胞ウイルス(MSCV)に由来する、請求項3に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項5】
pLXSNである、請求項4に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項6】
前記パーフォリン分子が、天然パーフォリン分子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項7】
前記変種が、核酸の欠失、挿入および/または置換を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項8】
前記変種が、血球貪食リンパ組織球症(HLH)および/または家族性血球貪食リンパ組織球症(FHL)に罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項7に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項9】
前記変種が、FHLに罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項8に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項10】
前記変種は、
【表1】


を含む群から選択される変異を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項7に記載のレトロウイルスベクター。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクターを含むパッケージング細胞。
【請求項12】
HEK293、HEK293T、TE671、HT1080、PG13(ATCC CRL−10686)、PG13/LNc8(ATCC CRL−10685)、PA317(ATCC CRL−9078)、米国特許第5,278,056号に記載の細胞株、GP+E−86(ATCC CRL−9642)、GP+envAm−12(ATCC CRL−9641)、293T、PE501、PA317.psi.−2、.psi.−AM、PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、.psi.CRE、.psi.CRIP、GP+E−86、およびGP+envAm12を含む群より選択される、請求項11に記載のパッケージング細胞。
【請求項13】
HEK293細胞である、請求項12に記載のパッケージング細胞。
【請求項14】
HEK293T細胞である、請求項13に記載のパッケージング細胞。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクターを含むレトロウイルス粒子。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクターでトランスフェクトされた細胞。
【請求項17】
胚幹細胞、胚癌細胞、造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチン生成細胞、内皮細胞、気管支上皮細胞、および免疫細胞を含む群より選択される、原核細胞または真核細胞である、請求項16に記載の細胞。
【請求項18】
前記免疫細胞は、好塩基球、好酸球、リンパ球、好中球、単球、およびナチュラルキラー細胞を含む群より選択される、請求項15に記載の細胞。
【請求項19】
好塩基球である、請求項18に記載の細胞。
【請求項20】
ラット好塩基性白血病(RBL)細胞である、請求項19に記載の細胞。
【請求項21】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種を発現させる方法であって、前記方法は、細胞を、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレトロウイルスベクターでトランスフェクトすることを含む、前記方法。
【請求項22】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種を発現させる方法であって、前記方法は、細胞を、請求項15に記載のレトロウイルス粒子にさらすことを含む、前記方法。
【請求項23】
前記パーフォリン分子が、天然パーフォリン分子である、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記変種が、核酸の欠失、挿入および/または置換を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
前記変種が、血球貪食リンパ組織球増多症(HLH)および/または家族性血球貪食リンパ組織球増多症(FHL)に罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記変種が、FHLに罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記変種が、
【表2】


を含む群より選択される変異を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記細胞が、胚幹細胞、胚癌細胞、造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチン生成細胞、内皮細胞、気管支上皮細胞、および免疫細胞を含む群より選択される、原核細胞または真核細胞である、請求項21〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記免疫細胞が、好塩基球、好酸球、リンパ球、好中球、単球、およびナチュラルキラー細胞を含む群より選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記細胞が、好塩基球である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記細胞が、ラット好塩基性白血病(RBL)細胞である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
発現されたパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種を単離するステップをさらに含む、請求項21〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法により産生される単離パーフォリン分子またはその単離断片もしくはその単離変種。
【請求項34】
天然パーフォリン分子である、請求項33に記載の単離パーフォリン分子。
【請求項35】
前記変種が、核酸の欠失、挿入、および/または置換を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項33に記載の単離パーフォリン分子。
【請求項36】
血球貪食リンパ組織球増多症(HLH)および/または家族性血球貪食リンパ組織球増多症(FHL)に罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項35に記載の単離変種パーフォリン分子。
【請求項37】
FHLに罹患した個体において同定されるポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項36に記載の単離変種パーフォリン分子。
【請求項38】
【表3】


を含む群より選択される変異を含むポリヌクレオチド配列によりコードされる変異パーフォリン分子である、請求項35に記載の単離変種パーフォリン分子。
【請求項39】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現をモデュレートする化合物を同定する方法であって、前記方法は、
請求項16〜20のいずれか1項に記載の細胞を得;
前記細胞を試験化合物にさらし;そして
前記試験化合物が、細胞において、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現をモデュレートするかどうかを決定する
ステップを含む、前記方法。
【請求項40】
前記試験化合物が、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現をモデュレートするかどうかの決定は、前記細胞におけるパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を、前記試験化合物にさらしていない細胞におけるパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現と比較するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性をモデュレートする化合物を同定する方法であって、前記方法は、
請求項33〜38のいずれか1項に記載の、単離パーフォリン分子またはその単離断片もしくはその単離変種を得;
前記単離パーフォリン分子またはその単離断片もしくはその単離変種を、試験化合物および標的細胞にさらし;そして
前記試験化合物が、標的細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性をモデュレートするかどうかを決定する
ステップを含む、前記方法。
【請求項42】
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性をモデュレートする化合物を同定する方法であって、前記方法は、
パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種を発現する、請求項16〜20のいずれか1項に記載の細胞を得;
前記細胞を、試験化合物および標的細胞にさらし;そして
前記試験化合物が、標的細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性をモデュレートするかどうかを決定する
ステップを含む、前記方法。
【請求項43】
前記試験化合物が、標的細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性をモデュレートするかどうかを決定するステップが、標的細胞に対するパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性を、前記試験化合物にさらさらない場合の標的細胞に対するパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性と比較するステップを含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
標的細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性が、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種が標的細胞を溶解する能力として同定される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
請求項39〜44のいずれか1項に記載の方法により同定される化合物。
【請求項46】
前記化合物が、細胞においてパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を阻害できる、請求項39または40に記載の方法により同定される化合物。
【請求項47】
前記化合物が、細胞においてパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を増加させることができる、請求項39または40に記載の方法により同定される化合物。
【請求項48】
前記化合物が、細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性を阻害することができる、請求項41〜44のいずれか1項に記載の方法により同定される化合物。
【請求項49】
前記化合物が、細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性を増強することができる、請求項41〜44のいずれか1項に記載の方法により同定される化合物。
【請求項50】
細胞においてパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を阻害する方法であって、前記方法は、前記細胞を、請求項46に記載の化合物にさらすことを含む、前記方法。
【請求項51】
細胞において、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の発現を増加させる方法であって、前記方法は、前記細胞を、請求項47に記載の化合物にさらすことを含む、前記方法。
【請求項52】
細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性を阻害する方法であって、前記方法は、前記細胞を、請求項48に記載の化合物にさらすことを含む、前記方法。
【請求項53】
細胞に対する、パーフォリン分子またはその断片もしくはその変種の活性を増強する方法であって、前記方法は、前記細胞を、請求項49に記載の化合物にさらすことを含む、前記方法。
【請求項54】
請求項33〜38のいずれか1項に記載のパーフォリン分子またはその断片もしくはその変種と、薬学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤、および/または補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項55】
請求項46に記載の化合物と、薬学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤、および/または補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項56】
請求項47に記載の化合物と、薬学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤、および/または補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項57】
請求項48に記載の化合物と、薬学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤、および/または補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項58】
請求項49に記載の化合物と、薬学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤、および/または補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項59】
パーフォリンの望ましくない発現および/または活性を伴う疾患のリスクがあるか、あるいは前記疾患に感受性があるか、あるいは前記疾患を有する被験者を予防的または治療的に処置する方法であって、前記方法は、前記被験者に、治療有効量の請求項46または48に記載の化合物を投与するステップを含む、前記方法。
【請求項60】
パーフォリンの望ましくない発現および/または活性を伴う疾患のリスクがあるか、あるいは前記疾患に感受性があるか、あるいは前記疾患を有する被験者を予防的または治療的に処置する方法であって、前記方法は、前記被験者に、治療有効量の請求項47または49に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、前記方法。
【請求項61】
前記疾患が、若年性糖尿病(1型又はインスリン依存性)、移植片対宿主疾患、慢性または急性の同種移植片拒絶、および細胞傷害性Tリンパ球により仲介される免疫病態に関連した疾患を含む群より選択される、請求項59に記載の予防法または治療法。
【請求項62】
前記疾患が、ウイルス感染(例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびC型肝炎)、癌(例えばリンパ腫)、結核、およびパーフォリン欠損症を伴う容態(例えばHLHおよびFLH)を含む群より選択される、請求項60に記載の予防法または治療法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2007−526774(P2007−526774A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501057(P2007−501057)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000291
【国際公開番号】WO2005/083098
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(504058570)ピーター・マッカラム・キャンサー・インスティテュート (2)
【氏名又は名称原語表記】PETER MACCALLUM CANCER INSTITUTE
【Fターム(参考)】