説明

組換えヒトインターフェロン様タンパク質

本願は組換えヒトインターフェロン様タンパク質に関する。一実施形態では、遺伝子シャッフリング技術により作製された組換えタンパク質は、自然発生的なヒトインターフェロンアルファ2b(HuIFN−α2b)と比較して高い抗ウイルス活性及び抗増殖活性を有する。本発明は、前記タンパク質及び組換えベクターをコードするポリヌクレオチド、及び前記ポリヌクレオチドを有する宿主細胞を包含する。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、それぞれが配列番号1に対して少なくとも93%同一である配列を含むポリヌクレオチドの群より選択され、前記タンパク質は、それぞれが配列番号2に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸を含むタンパク質の群より選択される。前記タンパク質及び前記タンパク質からなる組成物は、ウイルス性疾患及び癌のような、インターフェロン療法に対して反応性であるの病気の治療に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ヒトインターフェロン様生物学的活性を有する組換えタンパク質に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願において、インターフェロン(IFN)という名称は、Nature(1)に公開されたものを採用したものである。
1957年に、Isaacs及びLindenmann(2)により見出されたヒトインターフェロン(HuIFN)は、ウイルス感染やマイトジェン暴露のような様々な刺激に対する暴露の結果、様々な真核細胞により分泌される周知のサイトカインファミリーである。IFNは、細胞の増殖及び分化、及び免疫系の調節を含む細胞挙動から多くの変化を引き起こすことができる(3〜7)。HuIFNは、6つの下位グループ、すなわち、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、IFN−ω、IFN−ε及びIFN−κに分類されている。HuIFN−α(白血球由来のインターフェロン)はヒト白血球細胞内で、及び少量のHuIFN−β(線維芽細胞由来のインターフェロン)と共にリンパ芽球様細胞内で生成される。HuIFNは、化学的及び生物学的特性により、2つの一般的なカテゴリー、すなわち、I型及びII型に分類される。I型は、IFN−α及びIFN−βの下位グループのみならず、最近発見されたIFN−ω、IFN−ε及びIFN−κの下位グループで構成される。II型は、一つのメンバー:IFN−γ(免疫インターフェロン)のみを有する。
【0003】
異なるインターフェロン下位グループは異なる構造的及び生物学的特性を有する。HuIFN−βはN−結合型糖タンパク質であり(8、9)、均質に精製されて特性分析されている。HuIFN−βは、恐らくその炭水化物部分のために大きさの面では不均一である。しかしながら、166個のアミノ酸のタンパク質をエンコードするヒトIFN−β遺伝子は一つしか存在しない。IFN−βはIFN−αと低い相同性を有し、約30〜40%の同一性を共有している。
【0004】
IFN−β遺伝子の単一性とは対照的に、HuIFN−αは、本質的に14遺伝子の多重遺伝子族で構成された下位グループである。一つ又は二つのアミノ酸の差異からなる少数の変異体は、複対立遺伝子の原因となる(10)。偽遺伝子のIFNAP22を除いては、13個のタンパク質をエンコードする13個の遺伝子がある。各タンパク質は、165〜166個のアミノ酸を含む。遺伝子IFNA13でエンコードされるタンパク質は、タンパク質IFNA1と同一である。したがって、12個の別個のインターフェロンアルファタンパク質、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA14、IFNA16、IFNA17、及びIFNA21が存在する。IFN−αサブタイプにおけるアミノ酸配列の同一性は、一般的に80〜85%の相同性を有する(11)。
【0005】
成熟したIFN−ωは、IFN−α種の群に対しては60%のヌクレオチド配列相同性を示すが、C−末端では6アミノ酸ほど長い。IFN−ωは、インターフェロン−βとの関連性がさらに薄い(約30%の配列相同性を共有する)。ヒトIFN−ωは、IFN−αグループに分類されない。なぜならIFN−αとは抗原的に区別され、I型IFN−α受容体との相互作用において異なるからである(12)。IFN−ωは、ヒト白血球インターフェロンの主要成分として、ウイルス感染白血球により分泌される。
【0006】
ヒトIFN−εの成熟タンパク質は185−アミノ酸を含有し、IFN−α2及びIFN−βに対して、それぞれ約33%及び37%の配列相同性を共有する(13、14)。IFN−εの機能及び生物物理学的特性は詳細には明らかにされていないが、I型インターフェロンのように機能する。さらに、IFN−εは生殖機能における役割を果たすことができる(15)。
【0007】
IFN−κは180アミノ酸ヒトサイトカインであって、最近、確認されたI型IFNである。IFN−κのコード配列は、ヒトで発見された他のI型インターフェロンに対して〜30%同一である。IFN−κの際立った特徴は、非誘導性細胞、特に角化細胞における転写物の検出可能な構成的発現である。IFN−κは、自然免疫系の細胞に対する効果を通じて、全身的又は局所的免疫機能を調節する役割を担うことができる(16)。しかしながら、IFN−κは、低い抗ウイルス活性を示す(17)。
【0008】
ヒトI型インターフェロンは、様々な細胞型の細胞表面に広く分布した二つの受容体サブユニットであるIFNAR−1及び−2に結合するものと思われる。リガンドの関与は、IFNAR−1及び−2にそれぞれ結合するチロシンキナーゼTYK2及びJAK−1のリン酸化反応を誘発する。一旦リン酸化すると、STATタンパク質が受容体から放出され、ヘテロ二量体及びホモ二量体を形成する(18、19)。一旦放出されると、STATAの二量体は、DNA結合タンパク質であるインターフェロン応答因子9(IRF−9)と結合し、IFN−刺激遺伝子因子−3(ISGF−3)と呼ばれる複合体を形成し、その複合体が核内に移動する。次に、ISGF−3複合体は、全てのIFN誘導的遺伝子の上流側に存在するDNA要素に結合する。これは、いわゆる「古典的」シグナル伝達経路である。
【0009】
I型IFNで制御される作用及び生化学的経路の新たな形態が発見され続けている。例えば、シグナル伝達経路におけるPI3Kの下流で、核因子カッパ−B(NF−kB)及びPKC−dが、IFN−βと共に培養された好中球において発見される抗アポトーシス効果と関連付けられている(20)。
【0010】
インターフェロン誘導遺伝子と呼ばれる300個以上の遺伝子は、IFN治療に対して反応性である。最も多く研究されたIFNタンパク質は、抗ウイルス特性を有するものである。例えば、2、5オリゴシンテターゼファミリー(OAS−1および−2)の酵素は、ウイルスRNA及び細胞RNAを分解する酵素であるRNAseLと結合して活性化する短鎖オリゴアデニル酸の合成を触媒し、それによってタンパク質合成を阻害する。二本鎖RNA活性化タンパク質キナーゼ(PKR)も、翻訳開始因子eIF2aをリン酸化し、ウイルス及び細胞のタンパク質合成の阻害をもたらす。さらに最近になって、炎症性サイトカイン誘導、免疫調節、及びアポトーシスにおける中心的作用物質である転写因子NF−κBの活性化にもPKRが必要であることが判明した。Mx(ミクソウイルス耐性)タンパク質は、細胞内でのウイルス粒子の運搬又はウイルスRNAの転写を阻害することにより、RNAウイルスの複製を阻害する。RNA特異的アデノシンデアミナーゼ(ADAR)は、アデノシンをイノシンに転換させ、ウイルスRNAゲノム(21)の高頻度変異を誘発する。
【0011】
HuIFNは、抗ウイルス、抗腫瘍、及び免疫調節機能を含む広範囲の生物学的活性を持つ。ヒトインターフェロンの臨床的可能性は広く研究されてきており、以下のように要約される。
【0012】
抗腫瘍への応用に対して、HuIFNは、免疫調節及び抗血管新生反応の調節により間接的に、又は、腫瘍細胞の増殖又は細胞分化に直接影響を及ぼすことにより、抗腫瘍効果を媒介する(22)。インターフェロン療法は、様々な白血病(23)、例えば、ヘアリー細胞白血病(24)、急性及び慢性骨髄白血病(25〜27)、骨肉腫(28)、基底細胞癌(29)、神経膠腫(30)、腎細胞癌(31)、多発性骨髄腫(32)、黒色腫(33)、カポジ肉腫(23)、及びホジキン病(34)の治療に用いられてきた。シタラビン(ara−C)、5−FU、ヒドロキシウレア、及びIL−2とIFN−αの併用療法は、広く研究されており、多くの場合、HuIFN−α単独よりも有意に優れた結果を示す(3)。HuIFN及びテモゾロマイドを併用した進行癌の相乗的治療も報告されている(35)。
【0013】
抗ウイルスの応用に関して、HuIFNは、抗ウイルス療法、例えば、エイズ(36)、慢性B型肝炎、C型肝炎を含むウイルス感染(37、38)、乳頭腫ウイルス(39)、ヘルペスウイルス感染(40)、ウイルス性脳炎(41)の治療、及び鼻炎及び呼吸器感染(40)の予防において、臨床的に用いられてきた。
【0014】
HuIFNは、抗バクテリア療法のためにも臨床的に用いられており(42)、例えば、エアロゾル化されたHuIFN−γ(43)及びHuIFN−αは、多剤耐性肺結核患者に用いられてきた(44)。HuIFN−γは、脳の多剤耐性結核の治療に用いられてきた(45)。
【0015】
HuIFNは、免疫調節療法に対しても臨床的に用いられており、例えば、移植片の対宿主拒絶反応の予防、又は多発性硬化症(46、47)及びシェーグレン症候群(48)のような自己免疫疾患の進行の抑制に用いられてきた。IFN−βは、多発性硬化症の治療に対して米国でFDAにより認可されている。最近では、多発性硬化症にかかった患者は、I型インターフェロン及びインターロイキン−2の生成が減少すると報告されている(49)。また、HuIFN−αを用いた免疫調節療法は、骨髄移植後に再発する慢性骨髄白血病(CML)患者に対し効果的な治療法であるとされている(50)。
【0016】
ワクチンアジュバント療法に対して、HuIFNは、黒色腫(51)の治療において補助剤として臨床的に用いられており、また、他の多くの疾患に対する予防的又は治療的なワクチン接種において、免疫反応を増強又は刺激するための補助剤又は共同補助剤として用いられ得る(52)。
【0017】
HuIFN−α2aは、臨床試験で用いられた最初の血管形成阻害薬であり、生命にかかわる血管腫の治療において子供にとって効果的であった(53、54)。別の治療的適応は、骨巨細胞腫である。Kabanらは、巨大で、急速に成長している、下顎の再発性巨細胞腫の劇的な退行を報告した(55)。
【0018】
HuIFNは多数の重要な臨床的用途を有するが、かなりの副作用及びその他の制限を示す。HuIFNを含む多くのサイトカインは、インビボで生成され、局所的かつ一時的に作用するため、比較的短い循環半減期を有する。通常、全身治療剤として投与されるので、HuIFNを頻繁に、しかも比較的大量に投与しなければならない。頻繁な経口投与は、不便かつ苦痛である。また、HuIFNの投与に伴う毒素の副作用が極めて激しいことも多いため、人によっては、治療に耐えることができない。このような副作用は、おそらく高容量の全身投与に関係している。また、臨床研究において、患者によっては、生物学的活性を中和させるrHuIFNに対する抗体を生成することが判明した(56)。
【0019】
明らかに、多くの応用用途、例えば、抗癌療法の他、抗ウイルス、免疫療法、抗寄生虫、抗バクテリア、又は、インターフェロン活性の増加及び/又は副作用の減少を必要とする病状又は医療状況のために、増強された効力を有する新規なインターフェロンタンパク質の開発が緊急に求められている。全体として、HuIFNは、次世代の新規な抗腫瘍及び抗ウイルス療法に重要な役割を担う可能性が極めて高い(10)。
【0020】
サイトカイン薬の薬剤学的特性を向上させるための最も効果的な手段は、サイトカインタンパク質そのものを突然変異させることであるということが、当技術分野において周知である。インターフェロンペプチドを突然変異させるための様々な戦略及び技術が長期間に渡り進展してきた。一般に、HuIFN−α突然変異体を生成するために、現在、三つの戦略が用いられている。
【0021】
第一の戦略は、IFNハイブリッドを作製することである。何人かの研究者は、IFNエンコード配列中の自然発生制限エンドヌクレアーゼ(RE)切断部位の存在を利用して、同種のコード断片を共に接合した(57、58)。多数のハイブリッドIFNの生産は、Horisberger及びDi Marco(11)によって概説されており、この論文は、そのような分子の構築プロセスの概要を提示している。ハイブリッドインターフェロンの構築方法の特定の実施例が記載されている。何人かの研究者は、PCR増幅を利用して突然変異IFN−αを構築し、それにより特異的に所望される核酸断片を作出することで、異なるIFNの新たな断片を接合する可能性を得た(59)。特許文献1(60)にも、ヒトIFNハイブリッドを構築するためのPCR増幅技術が記載されている。インターフェロンハイブリッドは、特許文献2(61)及び特許文献1(60)に記載されているように、インターフェロン下位グループ内において作出され得、又は、特許文献3(62)及び特許文献1(60)に記載されているように、少なくとも二つの異なるインターフェロン分類グループ内において作出され得る。さらに、ハイブリッドの親遺伝子は、例えば、HuIFN−αとHuIFN−ωとの間のハイブリッドのように、一つの種(大部分はヒト)に由来し、又は、例えば、ヒトインターフェロン−αとマウスインターフェロン−αとの間のハイブリッドのように2以上の動物種に由来してもよい(63)。
【0022】
インターフェロン突然変異体を構築するための第二の戦略は、IFN DNA分子内に一つ以上のヌクレオチドの変異を導入することにより、部位特異的な点突然変異生成を利用することである(64)。最近では、タンパク質突然変異生成のためのガイドとして、系統的突然変異及び計算法が用いられている(65)。
【0023】
I型HuIFNを構築するための第三の戦略は、RE消化、PCR増幅、化学的合成、又はDNase消化により作出したIFN遺伝子断片をシャッフリングし、続いてPCRによってこの断片を無作為に接合し、その後それらを増幅することである。その結果得られたPCR産物は、事実上、DNAライブラリーを構築するために用いられ得る再配列されたインターフェロンアルファ遺伝子断片のプールであり、このプールから所望の表現型を有するDNAクローンを分離することができる(66)。例えば、Changらは、マウス細胞において高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有するHuIFN誘導体を同定するために、HuIFNシャッフリングライブラリーを構築し、スクリーニングする方法を記載している(67)。
【0024】
ヒトインターフェロンアルファコン−1(コンセンサスインターフェロン)は、166個アミノ酸を有する非自然発生組換えHuIFN−αである。ヒトインターフェロンアルファコン−1は、周知のクローン化HuIFN−α配列に基づき、それぞれの対応部分内の極めて高度に保存されたアミノ酸を評価することにより生成されてきた。それはHuIFN−α2bに対し、アミノ酸レベルで89%の配列相同性を有し、約10IU/mgの特異的抗ウイルス活性を有する。ヒトインターフェロンアルファコン−1は、代償性肝疾患を有する18歳以上の患者における慢性HCV感染の治療に対して認可されている(68)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】米国特許第6685933号明細書
【特許文献2】米国特許第5137720号明細書
【特許文献3】米国特許第6174996号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
たとえ先行技術において一部組換えインターフェロンタンパク質が知られていても、高められた生物学的活性を有する新規なインターフェロン様タンパク質及びタンパク質組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明により、ヒトインターフェロン様生物学的活性を有するタンパク質をエンコードする分離されたポリヌクレオチドが開示される。一実施例において、ポリヌクレオチドは、配列番号1と少なくとも93%同一のヌクレオチド配列を含む。他の実施例において、ヌクレオチド配列は、配列番号1と少なくとも95%同一又は少なくとも98%同一である。
【0028】
一実施例において、本発明は、配列番号2と少なくとも85%同一のアミノ酸配列をそれぞれ有するタンパク質からなる群より選択されるタンパク質を含む。好ましくは、タンパク質は非自然発生するものであり、ヒトインターフェロンアルファ2b(HuIFN−α2b)と比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有する。例えば、前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも2倍高い抗ウイルス活性及びHuIFN−α2bよりも少なくとも10倍高い抗増殖活性を有していてもよい。特定の実施例において、タンパク質アミノ酸配列は、配列番号2と少なくとも90%同一又は少なくとも95%同一である。
【0029】
本発明は、前記ポリヌクレオチドの配列を含む組換えベクター及び前記ベクターを含有する宿主細胞を含む。本発明は、さらに、ヒトインターフェロン様生物学的活性を示すポリペプチド断片を含む。本発明は、インターフェロン様生物学的活性を示すタンパク質構築物、及びその他の組成物、例えば、タンパク質及び無機高分子のような他の部分を含む接合体もさらに含む。本発明は、治療目的のための、例えば抗ウイルス剤又は抗癌剤としての前記タンパク質及び組成物の方法及び用途もさらに含む。本発明は、インターフェロン療法に対して反応性のその他の疾患の治療にも用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本明細書においてノバフェロン(Novaferon、登録商標)(配列番号1)と称される本発明の新規なタンパク質をエンコードする完全DNA配列を示す(A)。また、ノバフェロン(配列番号2)の予測アミノ酸配列(B)、及びノバフェロンDNA配列とのノバフェロンアミノ酸配列アラインメント(C)を示す。成熟ノバフェロンタンパク質における第1アミノ酸であるシステインが残基1に指定されている。
【図2】HuIFN−α14遺伝子(ジーンバンク番号NM_002172)とのノバフェロン遺伝子のヌクレオチド配列アラインメント(A)、及びHuIFN−α14タンパク質(翻訳後、ジーンバンク番号NM_002172)とのノバフェロンタンパク質のアミノ酸配列アラインメントを示す(B)。成熟ノバフェロンタンパク質において、第1アミノ酸であるシステインが残基1に指定されている。ノバフェロンは、HuIFN−α14とヌクレオチドレベルで約93%の配列同一性(462/498)を、アミノ酸レベルで約87%の配列同一性(144/166)を共有する。一致しないヌクレオチドは、中段において空白で示されている。
【図3】HuIFN−α2b遺伝子(ジーンバンク番号NM_000605)とのノバフェロン遺伝子のヌクレオチド配列アラインメント(A)、及びHuIFN−α2bタンパク質(ジーンバンク番号NM_000605のHuIFN−α2b遺伝子から翻訳)とのノバフェロンタンパク質のアミノ酸配列アラインメント(B)を示す。成熟ノバフェロンタンパク質において、第1アミノ酸であるシステインは、残基1に指定されている。ノバフェロンは、HuIFN−α2bとヌクレオチドレベルで約89%の配列同一性(445/498)を、アミノ酸レベルで約81%の配列同一性(135/166)を共有する。一致しないヌクレオチドは、中段において空白で示される。
【図4】HuIFN−α2bと比較した、ノバフェロンによるDaudi細胞のインビトロ抗増殖阻害を示すグラフである。
【図5】ヒト前立腺癌PC−3異種移植片を有するヌードマウスにおけるノバフェロン及びHuIFN−α2bのインビボ抗腫瘍効果を示すグラフである。
【図6】ヒト肝臓癌Hep G2異種移植片を有するヌードマウスにおけるノバフェロン及びHuIFN−α2bのインビボ抗腫瘍効果を示すグラフである。
【図7】ヒト黒色腫A−375異種移植片を有するヌードマウスにおけるノバフェロン及びHuIFN−α2bのインビボ抗腫瘍効果を示すグラフである。
【図8】結腸癌LS180異種移植片を有するヌードマウスにおけるノバフェロン及びHuIFN−α2bのインビボ抗腫瘍効果を示すグラフである。
【図9】ヒト白血病HL60(S)異種移植片を有するヌードマウスにおけるノバフェロン及びHuIFN−α2bのインビボ抗腫瘍効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
下記の説明の全体を通して、特定の詳述は、本発明のより完全な理解のために記載されている。しかしながら、本発明は、このような詳述無しに実施され得る。他の例において、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の要素は詳細に表示又は記載されていない。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味としてみなされなければならない。
【0032】
(用語の定義)
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、記述された特定のタンパク質分子、方法論、プロトコール、細胞株、ベクター、及び試薬に限定されるものではなく、変更され得ることが理解されなければならない。また、本明細書において用いられた用語は、特定の実施例のみを記述することを目的とし、添付の請求項によってのみ制限されるべき本発明の範囲を制限するように意図されたものではないことが理解されなければならない。
【0033】
本明細書に記述された本発明をより完全に理解させるために、次の用語が用いられ、それらは以下に示される定義であるように意図されている。また、本明細書において用いられた用語は、特定の実施例のみを記述することを目的とし、添付の請求項によってのみ制限されるべき本発明の範囲を制限するように意図されたものではないことが理解されなければならない。
【0034】
特に定義されない限り、本明細書において用いられた全ての技術的及び科学的用語は、本発明における当業者にとって通常理解されるところと同一の意味を有する。本明細書で言及された全ての刊行物は、該刊行物で報告され、本発明と関連して使用され得る細胞株、ベクター及び方法論を記述し、開示する目的で、参考として本明細書に組み込まれる。本明細書において、先行発明という理由で、本発明がそのような開示に先行できないという認定としてみなされるべきものは何もない。
【0035】
「インターフェロン」という用語は、ウイルス感染又はマイトジェンに対する暴露を含む様々な環境刺激に対する暴露により、様々な真核細胞により生成される分泌タンパク質のファミリーを意味する。抗ウイルス特性を有するのみならず、インターフェロンは様々な細胞機能に影響を及ぼすことが示されている。全てのインターフェロンユニットは、ここではWHO国際標準を参照して、94/786(rHuIFN−αコンセンサス)及び95/650(rHuIFN−α2a)と表されている。
【0036】
「インターフェロン様」という用語は、周知のインターフェロン又はインターフェロン類似体により示されるか、又は、これらと類似する機能的及び/又は構造的特徴を意味する。例えば、「インターフェロン様生物学的活性」は、抗ウイルス活性及び抗増殖活性を含む。インターフェロン様生物学的活性のその他の例示は、本明細書に記述され、当業者によって理解されるであろう。複数形の「活性等」は、単数形の「活性」を含む。すなわち、本発明は、少なくとも一つのインターフェロン様活性を示す組換えタンパク質又はその他のタンパク質構築物又は組成物を含む。
【0037】
「コンセンサスインターフェロン」という用語は、全ての周知のヒトアルファインターフェロンサブタイプの配列の大まかな平均であるアミノ酸配列を有する合成インターフェロンの一種を意味する。コンセンサスインターフェロンは、いかなる天然ヒトIFN−αサブタイプよりも(約5倍)大きな抗ウイルス、抗増殖及びNK細胞活性化活性を有すると報告されている。
【0038】
本明細書で用いられる「分離された」という用語は、自然環境から除去されたDNA又はRNAのような分子を意味する。例えば、ベクター内に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために分離されたものと考えられる。分離されたDNA分子のさらに他の例は、異種宿主細胞内に保持される組換えDNA分子又は溶液内の(部分的又は実質的に)精製されたDNA分子を含む。「分離された」DNAは、化学的に合成された核酸のみならず、対象とする天然又は人工のDNA断片を含有し得るライブラリーから回収されたDNA分子も含む。したがって、分離された核酸を組換え技術によって製造することができる。
【0039】
「ヌクレオチド配列」という用語は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド又は核酸分子、及びそれらの断片又は一部を含むヌクレオチドの配列を意味する。DNA分子の場合、前記配列は一連のデオキシリボヌクレオチドを含み、RNA分子の場合、前記配列は対応する一連のリボヌクレオチドを含むことができる。オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド又は核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であってもよく、ヌクレオチド配列は、センス鎖又はアンチセンス鎖を表していてもよい。
【0040】
「オリゴヌクレオチド断片」又は「ポリヌクレオチド断片」、「一部」又は「セグメント」又は「プローブ」又は「プライマー」という用語は、置き替え可能に使用され、長さが少なくとも約5ヌクレオチドであるヌクレオチド残基の配列を意味する。好ましくは、断片は標的ヌクレオチド配列をハイブリダイズするために用いられ得る。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素により触媒されるヌクレオチド重合のための開始点として作用する。断片又はセグメントは、本発明の各ポリヌクレオチド配列を固有に識別することができる。好ましくは、断片は配列番号1と実質的に類似する配列を含む。
【0041】
「タンパク質」又は「ペプチド」又は「オリゴペプチド」又は「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸配列を含む自然発生分子又は合成分子を意味する。
「オープンリーディングフレーム」又はORFという用語は、いずれの終止コドン無しにアミノ酸に対する一連のヌクレオチドトリプレット暗号を意味し、通常、タンパク質に翻訳可能な配列を意味する。
【0042】
「成熟タンパク質コード配列」という用語は、シグナル又はリーダー配列無しにタンパク質又はペプチドをエンコードする配列を意味する。タンパク質は、あるリーダー/シグナル配列を除去する細胞内での処理により製造されることもあり得る。タンパク質は、合成的に又は成熟タンパク質コード配列のみをエンコードするポリヌクレオチドを用いて製造され得る。
【0043】
本明細書で用いられた「精製」又は「実質的に精製」という用語は、示されるタンパク質が他の生物学的巨大分子、例えば、他のタンパク質、ポリペプチド等の実質的な不在下に存在することを意味する。タンパク質は、存在する生物学的巨大分子の少なくとも95重量%をタンパク質が構成するように精製される(ただし、水、バッファ、及び他の小分子、特に1000ダルトン未満の分子量を有する分子は存在してもよい)。
【0044】
「組換え発現ビヒクル又はベクター」という用語は、DNA(RNA)配列からタンパク質を発現させるためのプラスミド又はファージ又はウイルス又はベクターを意味する。発現ビヒクルは、(1)遺伝子発現において調節的な役割を有する遺伝要素(複数の場合あり)、例えば、プロモーター又はエンハンサー、(2)mRNAに転写され、タンパク質に翻訳される構造配列又はコード配列、及び(3)適切な転写開始及び終止配列、のアセンブリからなる転写ユニットを含むことができる。酵母又は真核生物発現系で用いるための構造ユニットは、好ましくは宿主細胞によって翻訳されたタンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含む。或いは、組換えタンパク質がリーダー又は運搬配列無しに発現される場合、組換えタンパク質はアミノ末端メチオニン残基を含むことができる。この残基は、その後発現された組換えタンパク質から切断されても、又は切断されなくても最終産物を提供し得る。
【0045】
「実質的な類似性」という用語は、核酸又はその断片を他の核酸又はその相補鎖と最適にアラインメントされたとき、この他の核酸と高度の配列同一性を有する核酸又はその断片を意味する。配列同一性又は相同性は、配列分析ソフトウェア、例えば、BLASTNを用いて決定され得る。第1核酸は、最適にアラインメントされたとき、第2核酸と少なくとも約85〜95%以上の配列同一性を示す場合に実質的に類似すると見なされる。例えば、二つの異なる核酸間の配列同一性又は相同性を決定するために、BLASTNプログラムである「BLAST2配列」が用いられる。このプログラムは、インターネットを介して、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)から公共使用の目的で入手可能である(http://http.//www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/wblast2.cgi)(69)。非限定例示として、デフォルト設定によるソフトウェアを用いて、このような比較を行うことができる(予想値=10、フィルタ=デフォルト、オープンギャップ=5、伸長ギャップ=2ペナルティ、ギャップ×ドロップオフ=50)。同じように、デフォルト設定によるBLASTソフトウェア(blastp)を用いて、最適にアラインメント及び比較された際に、第1タンパク質又はポリペプチドが、第2タンパク質又はポリペプチドと少なくとも約85%〜95%以上の配列同一性を示す場合、第2タンパク質又はポリペプチドと実質的に類似するとみなされる。
【0046】
追加的な例示として、配列タンパク質をエンコードする参照ヌクレオチドに対して、少なくとも、例えば95%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列がタンパク質をエンコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり5つまでの点突然変異を含み得ることを除き、前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は参照配列と同一であることを意味する。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列内の5%までのヌクレオチドは除去されるか、別のヌクレオチドと置き換えられるか、又は参照配列内の全てのヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドが参照配列内に挿入され得る。
【0047】
本明細書で用いられた「相補的」又は「相補性」という用語は、許容される塩及び温度条件下での塩基対合によるポリヌクレオチドの自然結合を意味する。例えば、配列「A−G−T」は、相補的配列「T−C−A」に結合する。二つの一本鎖分子間の相補性は、核酸中のただ一部だけが結合する「部分的」であってもよく、又は、一本鎖分子間に完全な相補性が存在するときは完全であってもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度に相当の影響を及ぼす。これは、核酸鎖間の結合に依存する増幅反応で特に重要である。
【0048】
「形質転換」という用語は、染色体外要素として、又は染色体の統合によってDNAが複製可能であるように、前記DNAを生命体内に導入することを意味する。「トランスフェクション」という用語は、あるコード配列が実際に発現されても発現されなくても、適切な宿主細胞により発現ベクターが吸収されることを意味する。
【0049】
「治療」、「治療する」、及びこれらと文法的に同等の用語は、広い意味で使用され、望ましくないある症状又は状態の医療的治療、予防、防止及び改善を含む。
本明細書で用いられる「生物学的に活性」及び「生物学的活性」という用語は、例えば、自然発生又は非自然発生分子と類似又は同一の、生物系内での構造的、調節的、生化学的、又はその他の生物学的機能を意味する。
【0050】
本明細書で用いられる「抗増殖」及び「抗増殖的」という用語は、細胞の成長及び分裂を緩和及び/又は予防し、その結果、いずれか一つ又は全ての細胞周期において、全細胞数の減少及び/又は標的細胞の比率の減少をもたらすことを意味する。細胞は、特定の細胞周期段階内で停止されるところにより、さらに、G1(ギャップ1)、S期(DNA合成)、G2(ギャップ2)又はM期(有糸分裂)として特定される。本明細書で用いられる「抗増殖活性」という用語は、インビトロ又はインビボで細胞増殖、特に腫瘍性細胞増殖、例えば、癌細胞を阻害するタンパク質、タンパク質構築物、又は組成物の活性を意味する。
【0051】
本明細書で用いる「抗腫瘍」又は「抗癌」という用語は、悪性腫瘍の形成を中和又は予防することを意味する。本明細書で用いられた「抗腫瘍活性」又は「抗癌活性」は、インビトロ又はインビボで、例えば、癌細胞の細胞増殖、特に腫瘍性細胞増殖を阻害するタンパク質、タンパク質構築物、又は組成物の活性を意味する。
【0052】
「IC50」又は「半数最大阻害濃度」という用語は、インビトロで細胞成長を50%阻害するのに必要な、タンパク質のような阻害物質の濃度を示す。
本明細書で用いる「抗ウイルス性」及び「抗ウイルス」という用語は、インビトロ及び/又はインビボで細胞のウイルス感染を緩和及び/又は予防し、又は細胞内でのウイルス複製を妨害することにより、ウイルス増殖を緩和又は停止し、又はウイルス粒子の総数を減少させることを意味する。本明細書で用いる「抗ウイルス活性」とは、インビトロ及び/又はインビボでウイルス感染を阻害し、又はウイルス複製を妨害するタンパク質、タンパク質構築物、又は組成物を意味する。
【0053】
(ノバフェロンタンパク質)
本発明は、本明細書で「ノバフェロン」(登録商標)と称する新規なヒトインターフェロン様タンパク質の調製及び特性決定に関する。以下に詳述するように、ノバフェロンタンパク質においては、標準インビトロ試験で測定されるように、自然発生HuIFN−α2bと比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖生物学的活性が示される。特に、Wish−VSVシステムで試験した場合、同じ試験システムにおけるHuIFN−α2bと比較して、ノバフェロンタンパク質は抗ウイルス活性では12.5倍の増加を示し、Daudi細胞増殖の抗増殖阻害では約400倍の向上を示す。
【0054】
一実施形態において、ノバフェロンタンパク質は、配列番号1及び図1(A)に示されるように498個のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドによってエンコードされている。成熟ノバフェロンタンパク質は、配列番号2及び図1(B)に示されるように166個のアミノ酸からなる。本発明に含まれるポリヌクレオチド及びアミノ酸配列、及びその変異体について、以下にさらに詳述する。
【0055】
比較のために、本発明者らは、自然発生HuIFN及びノバフェロンの相同性を研究した。BLAST検索は、ノバフェロンがヌクレオチド及びアミノ酸の両方のレベルにおいて、HuIFN−α14に対して最も高い相同性を有することを明らかにした。図2に示されるように、ノバフェロンをエンコードするポリヌクレオチド配列(配列番号1)は、HuIFN−α14に対して約93%(462/498)の相同性を有し、アミノ酸配列は、HuIFN−α14に対して約87%(144/166)の相同性を有する。最も広く用いられるヒトインターフェロン産物であるHuIFN−α2bと比較すると、図3に示されるように、ヌクレオチドレベル(445/498)で相同性は約89%であり、アミノ酸レベルでは約81%(135/166)である。
【0056】
合成IFNアルファコン−1(コンセンサスインターフェロン)に対して、ノバフェロンは、ヌクレオチドレベル(453/498)で約91%の配列同一性を、アミノ酸レベル(140/166)で約84%の配列同一性を有する。
【0057】
以下の実験の項において詳述するように、ポリヌクレオチド配列(配列番号1)は、I型ヒトインターフェロンのDNAシャッフリングライブラリーから選択された。簡単に述べると、ノバフェロンタンパク質を、配列番号1の全ポリヌクレオチド配列を含有する組換えベクターでの宿主細胞のトランスフェクションにより製造した。宿主細胞の上澄み液に含まれるノバフェロンタンパク質を精製し、抗ウイルス及び抗増殖機能のようなヒトインターフェロン様生物学的活性を呈することを示した。
【0058】
(ポリヌクレオチド及び変異体)
本発明の新規なポリヌクレオチド配列/核酸分子は、図1(配列番号1)に示されるように498個のヌクレオチドからなる。ヌクレオチド配列のような本明細書で提供する情報を利用し、ノバフェロンタンパク質(配列番号2)をエンコードする本発明の核酸分子を組換え発現、化学合成、又はDNA突然変異生成などのその他の標準分子生物学工程を用いて得ることができる。
【0059】
分離された核酸分子(配列番号1)以外に、本発明は、配列番号1に開示されるDNA配列とは異なる配列も含むが、遺伝子コードの縮退により、依然としてノバフェロンタンパク質(配列番号2)と同一の又は実質的に同一のアミノ酸配列をエンコードする。遺伝子コード及び種特異的コドン選択は、この分野で良く知られている。したがって、当業者が、特定の宿主に対するコドン発現を最適化するために、例えば配列番号1のDNA配列とは異なるDNA配列の縮退性変異体を生成するのは日常的なことである(例えば、ヒトmRNA内コドンを、大腸菌のようなバクテリア宿主が好むものに変更する)。
【0060】
本発明は、図1に示されるヌクレオチド配列(配列番号1)を有する分離された核酸分子、又は、配列番号1内の核酸配列に対して相補的な配列を有する核酸分子をさらに提供する。本発明は、本発明の分離された核酸分子を含む組換えベクター、前記組換えベクターを含有する宿主細胞、及びそのようなベクターを製造し、ノバフェロンタンパク質を発現する宿主細胞を生成する方法、及び組換え技術により、ノバフェロンを製造するために前記宿主細胞を用いる方法に対する情報を提供し、またこれらに関する。
【0061】
本発明の核酸配列(配列番号1、図1(A))に基づき、本発明は、最適アラインメントの際に、配列番号1に少なくとも約85〜95%又はそれ以上の配列同一性を有する核酸のように、本発明の核酸配列と実質的に類似した核酸分子を含む。例えば、一態様において、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して、約93%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する核酸は、ノバフェロンと類似した生物学的活性(そのような活性は、HuIFNと比較して高められた抗ウイルス、抗増殖、及び抗腫瘍機能を含むが、これらに限定されない)を有するタンパク質又はポリペプチドをエンコードするか否かを問わず、本発明の範囲内である。そのような核酸分子は、例えば、ノバフェロンを製造するために本発明のヌクレオチド配列を含有するベクターが既にトランスフェクションされた細胞内で、mRNAを検出するためのプローブとして用いられ得る。言い換えれば、配列番号1に示される配列と少なくとも約93%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるこれらの核酸配列は、宿主細胞内で異種遺伝子の発現を判定するためのマーカーとして用いられ得る。
【0062】
さらに、本発明は、配列番号1の任意の部分である少なくとも約30個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50個の連続するヌクレオチドからなるポリヌクレオチドを含む。
【0063】
より一般的に、本発明は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の部分配列と同一である任意の及び全ての分離された核酸分子の断片を含み、かつこれらに及ぶ。一実施形態において、このような断片は、少なくとも約15ヌクレオチドの長さであってもよく、本明細書に記載されるように、診断プローブ及びプライマーとして有用である。さらに、本発明は約50個のヌクレオチド以上の長さのより大きな断片を含み、またこれに及ぶ。
【0064】
ノバフェロンタンパク質をエンコードする配列番号1に開示される核酸配列以外に、本発明は、付加された分泌性リーダー配列等の余分のアミノ酸(複数の場合あり)/ペプチド(複数の場合あり)/ポリペプチド(複数の場合あり)と共に全ノバフェロンタンパク質のアミノ酸配列をエンコードする核酸配列も含むが、これらに限定されない。
【0065】
本発明は、配列番号1に開示される核酸配列を有する核酸の配列と共に、例えばイントロン、及び転写、mRNAプロセシング(すなわち、スプライシング及びポリアデニル化信号、mRNAのリボソーム結合及び安定化)において役割を担う転写された非翻訳の配列のような非コード5’及び3’配列、及び、機能性を有する又は有さない付加的なアミノ酸をエンコードする付加的なコード配列を含む付加的な非コード配列も含むが、これらに限定されない。
【0066】
本発明は、さらにノバフェロンタンパク質の一部、類似体又は誘導体をエンコードする本発明の核酸分子(配列番号1)の変異体に関するものでもある。変異体は、インターフェロンシャッフリングライブラリーのスクリーニングにより、又は突然変異誘発技術を用いて、又は/及びその他のこの技術分野において記述された周知の技術を用いて得られる。
【0067】
上述したように、このような変異体は、ヌクレオチド挿入、欠失、又は置換により製造されたものを含んでもよい。挿入、欠失、又は置換は、一つ以上のヌクレオチドを伴ってもよい。これらの突然変異は、参照ヌクレオチド配列の5’又は3’末端部又はこれらの末端部の間のあらゆる位置で、参照配列内のヌクレオチド間で個別に、又は参照配列内の一つ又は複数の連続するグループ内に点在して発生し得る。変性は、保存又は非保存アミノ酸置換、欠失、付加を生成させることができる。これらの中で特に好ましいものは、サイレント置換、付加及び/又は欠失であり、これらはノバフェロンタンパク質又はその一部の特性及び活性を変化させない。また、このような面で特に好ましいものは、保存的置換である。
【0068】
本発明の一態様は、(a)配列番号2の全アミノ酸配列(すなわち、配列番号2の第1〜166位)を有するノバフェロンタンパク質をエンコードするヌクレオチド配列、及び(b)(a)のタンパク質の生物学的に活性である断片をエンコードするヌクレオチド配列、及び(c)上記(a)又は(b)内の任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択されるポリヌクレオチドと少なくとも93%同一であり、より好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む分離された核酸分子を提供する。
【0069】
遺伝子コードの縮退により、図1に示される核酸配列(配列番号1)の核酸配列と少なくとも約93%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の配列を有する核酸分子の多くが、ノバフェロンタンパク質と類似又は同一の活性を有するタンパク質をエンコードするということを、当業者であれば直ちに認識する。実際、縮退性変異体は全て同一のタンパク質をエンコードするので、比較試験無しにもこの点は熟練者にとって明白である。また、縮退性変異体ではない核酸分子に関して、妥当な数がインターフェロン様生物学的活性を有するタンパク質をエンコードするであろうことが、当技術分野においてさらに認識される。その理由は、さらに後述されるように、タンパク質機能に相当の影響を及ぼす可能性が少ないか、又はその可能性がないアミノ酸置換(例えば、ある脂肪族アミノ酸を第2の脂肪族アミノ酸で置換すること)を、熟練者は十分認識しているからである。例えば、表現型についてサイレントなアミノ酸置換を行う方法に関する手引きがBowieらによって提供されており(70)、ここで、著者は多くのタンパク質がアミノ酸置換を許容することを示している。
【0070】
(タンパク質及びポリペプチド変異体及び構築物)
本発明は、配列番号2のノバフェロンタンパク質、及び配列番号2に対して少なくとも約85〜95%又はそれ以上のアミノ酸配列同一性を有する非自然発生タンパク質のように、配列番号2のノバフェロンタンパク質と実質的に類似のタンパク質又はポリペプチド変異体を含む。例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する非自然発生タンパク質は、本発明の範囲内である。さらに、本発明のノバフェロンタンパク質は、その機能及び特性を高める目的で、他のタンパク質又はタンパク質断片又は他の分子と融合させることにより、構造的に修飾され得る。例示は、ノバフェロンタンパク質の発現を増加させ、又はノバフェロンタンパク質をさらに安定化させるために、ノバフェロンタンパク質を他のタンパク質/タンパク質断片と融合させることを含むが、これらに限定されない。
【0071】
一実施形態において、本発明によるノバフェロンをエンコードする核酸配列及び/又はノバフェロンタンパク質は、その骨格以外をラベルでラベリングされ得る。本明細書で「ラベリングされた」とは、核酸配列(配列番号1)又はノバフェロンタンパク質(配列番号2)の化合物の検出を可能とするため、前記化合物が少なくとも一つの要素、アイソトープ又はその他の化学物質(ラベル)を付されることを意味する。一般にラベルは、a)放射性又は重同位体であり得るアイソトープラベル、b)抗体又は抗原であり得る免疫ラベル、及びc)着色又は蛍光染料の三つに分類される。前記ラベルは、任意の位置で前記化合物内に取り込まれることができる。
【0072】
一旦製造されると、ノバフェロンタンパク質は共有結合的にも修飾され得る。共有結合修飾の一つの様式は、ノバフェロンタンパク質の選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬で、ノバフェロンタンパク質を処理することを含む。二官能性試薬での誘導体化は、例えば、抗ノバフェロン抗体の精製又はスクリーニング検定で用いるために、水不溶性の支持マトリクス又は表面にノバフェロンタンパク質を架橋するために有用である。通常用いられる架橋剤は、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル)、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
【0073】
ノバフェロンタンパク質のその他の修飾は、グルタミニル残基及びアスパラギニル残基の、対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基への脱アミド化;プロリン及びリシンのヒドロキシル化;セリル残基又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のアミノ基のメチル化(71);N末端アミンのアセチル化;及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
【0074】
本発明のノバフェロンタンパク質の共有結合修飾の別の様式は、ノバフェロンタンパク質の天然グリコシル化パターンの変更を含む。この変更は、例えば、(1)ノバフェロンタンパク質の天然配列に見られる1つ以上の炭水化物部分を欠失及び/又は付加することにより、あるいは(2)ノバフェロンタンパク質の天然配列には存在しない1つ以上のグリコシル化部位を欠失及び/又は付加することにより行われる。
【0075】
ノバフェロンタンパク質に対するグリコシル化部位の付加は、ノバフェロンタンパク質のアミノ酸配列を変更させることにより行われ得る。この変更は、例えば、ノバフェロンタンパク質の天然配列(O−結合グリコシル化部位)に対して一つ以上のセリン又はトレオニル残基を付加又は置換することによってなされてもよい。ノバフェロンタンパク質のアミノ酸配列の変更は、DNAレベルでの変化、特に、予め選択されたヌクレオチド塩基においてノバフェロンタンパク質をエンコードするDNA配列を突然変異させることにより行われ、変更されたコドンは、所望のアミノ酸に翻訳される。
【0076】
ノバフェロンタンパク質上に炭水化物部分の数を増加させる別の手段は、グリコシドのタンパク質への化学的又は酵素的結合による。このような方法は、当技術分野において記述されており、例えば、早くも1981年にAplin JD及びWriston JC Jr.が、タンパク質及び脂質の炭水化物接合体の調製、特性、及び応用について記述した(72)。
【0077】
ノバフェロンタンパク質上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、あるいはグルコシル化の標的となるアミノ酸残基をエンコードするコドンの突然変異的置換によってなされ得る。化学的脱グリコシル化技術は、当業者には周知であり、例えば、Edge ASらによって記述されている(73)。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakuraらによって記述されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
【0078】
このような誘導体化された構築物は、溶解度、吸収性、脳血管関門を通過する透過性、生物学的半減期等を向上させる部分を含んでもよい。ノバフェロンタンパク質のこのような部分又は修飾は、起こりうる望ましくないタンパク質の副作用等を択一的に除去又は軽減することができる。このような効果を媒介できる部分は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacyに開示されている(75)。
【0079】
ノバフェロンの共有結合修飾の別の様式は、例えば米国特許第4640835号明細書(76)、第4496689号明細書(77)、第4791192号明細書(78)又は第4179337号明細書(79)に記載された方法で、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレン等の種々の非タンパク質様ポリマーの一つにノバフェロンタンパク質を結合することを含む。
【0080】
さらに、本発明のノバフェロンタンパク質は、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合されたノバフェロンタンパク質を含むキメラ分子を形成する方法で修飾されてもよい。一実施形態では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供するタグポリペプチドとノバフェロンタンパク質との融合化合物を含む。エピトープタグは、一般的にはノバフェロンタンパク質のアミノ末端又はカルボキシル末端に位置する。このようなノバフェロンタンパク質のエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する別の種類のアフィニティマトリクスを用いたアフィニティ精製によって、ノバフェロンタンパク質を容易に精製することを可能にする。代替の実施形態において、キメラ分子はノバフェロンタンパク質の免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域/断片との融合化合物を含む。例えば、キメラ分子の二価の形態を形成するために、ノバフェロンタンパク質をIgG分子のFc領域内に融合することができる。
【0081】
種々のタグポリペプチド及びそれらの各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(poly−his)又はポリ−ヒスチジン−グリシン(poly−his−gly)タグ;インフルエンザHAタグポリペプチド及びその抗体12CA5(80);c−mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体(81);及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体(82)を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド(83)、チューブリンエピトープペプチド(84)及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ(85)を含む。
【0082】
さらに、本発明のノバフェロンタンパク質は、当業者に周知の化学合成工程を用いて製造され得る。例えば、約80〜90アミノ酸残基までの長さのポリペプチドは、市販のペプチド合成機モデル433A(Applied Biosystems社、米国 カリフォルニア州、フォスターシティ)で製造され得る。また、120残基までの、より長い化学合成ペプチドも、例えばBio−synthesis社、米国 テキサス州、ルイスビルから商業的に入手可能である。したがって、容易に理解されるように、全長の成熟ノバフェロンタンパク質を合成的に製造することができる(例えば、その後互いに連結され得る断片として)。
【0083】
したがって、本発明のノバフェロンタンパク質(配列番号2)は、配列番号2に開示されるものと同一のアミノ酸配列を有する全てのタンパク質及びポリペプチド調製物及び構築物を含むが、これらのノバフェロンタンパク質及びタンパク質誘導体は、化学合成的工程により製造されても、及び/又は原核又は真核宿主細胞、又はバクテリア、酵母、植物、昆虫及び哺乳動物細胞を含むがこれらに限定されない他の細胞及び宿主からの組換え技術により製造されても構わない。組換え生産方法で用いられた宿主によっては、本発明のタンパク質はグリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよく、ペグ化してもペグ化しなくてもよい。また、本発明のタンパク質は、場合によっては、宿主媒介工程の結果、第1位修飾されたメチオニン残基をさらに含んでもよい。したがって、翻訳開始コドンによりエンコードされるN末端メチオニンは、全ての真核細胞内で翻訳後、任意のタンパク質から高効率で一般に除去されることが、当分野において周知である。殆どの原核細胞内でも、殆どのタンパク質のN末端メチオニンが効果的に除去されるのに対して、タンパク質によっては、N末端メチオニンが共有結合するそのアミノ酸の特性に基づき、この原核細胞での除去工程が効率的ではないものもある。
【0084】
(生産)
本発明はまた、本発明の分離されたDNA分子からなる組換えベクター、組換えベクターで遺伝的に設計/トランスフェクションされた宿主細胞、及び組換え技術によるノバフェロンタンパク質又はその断片の生産方法に関する。ベクターは、例えば、プラスミド、ファージ、ウイルス、又はレトロウイルスベクターであってもよい。レトロウイルスベクターは、複製可能又は複製不能であってもよい。後者の場合、ウイルス増殖は、一般に相補的な宿主細胞内でのみ発生する。ノバフェロンの生産を詳述する例を以下に説明する。
【0085】
本発明のノバフェロンタンパク質の発現のための好ましいベクターは、発現されるべきポリヌクレオチドに作動可能に結合された宿主細胞内で発現のために効果的なcis作用制御領域を含むベクターを含むが、これに限定されない。適切なトランス作用因子は、宿主により、相補的なベクターにより、又はベクターそのものにより、宿主への導入時に供給される。
【0086】
本発明に開示される核酸配列(配列番号1)は、適切なプロモーターに作動可能に結合され得る。本明細書で「プロモーター」とは、RNAポリメラーゼに結合可能であり、ノバフェロンタンパク質のコード配列のエクストロン(extron)(通常、(3’)下流にある)のmRNAへの転写を開始できる任意の核酸配列を意味する。バクテリアプロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近位に配置されている転写開始領域を有する。この転写開始領は、一般にRNAポリメラーゼ結合部位及び転写開始部位を含む。代謝経路酵素をエンコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例示は、ガラクトース、ラクトース、及びマルトース等の糖類代謝酵素に由来したプロモーター配列及びトリプトファン等の生合成酵素に由来した配列を含む。バクテリオファージからのプロモーターも用いられ、これらは当分野において周知である。また、合成プロモーター及びハイブリッドプロモーターも有用であり、例えばtacプロモーターは、trpプロモーター配列とlacプロモーター配列とのハイブリッドである。さらに、バクテリアプロモーターは、バクテリアRNAポリメラーゼと結合して転写を開始する能力を有する非バクテリア由来の自然発生プロモーターを含んでもよい。好ましいバクテリアプロモーターは、大腸菌laci、trp、phoA及びlacZプロモーター、T3及びT7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPR、PLプロモーター及びtrpプロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0087】
真核細胞プロモーターは、通常コード配列の5’末端の近位に位置する転写開始領域、及び通常は転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流側にあるTATAボックスを有する。TATAボックスは、RNA合成を正しい部位で始めるようにRNAポリメラーゼIIに指示すると考えられている。哺乳類プロモーターは、一般にTATAボックスの100〜200塩基対上流側に位置する上流側プロモーター要素(エンハンサー要素)も含む。上流側プロモーター要素は、転写が開始される速度を決定し、一方の方向で作用することができる。ウイルス遺伝子はしばしば高発現され、広い宿主範囲を有することから、哺乳類プロモーターとして哺乳類ウイルス遺伝子からのプロモーターが特に使用される。例示は、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーターを含む。好ましい細胞プロモーターは、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーター、及びCMVプロモーターを含むが、これらに限定されない。周知の真核細胞プロモーターのうち、この点で適切なものは、CMV前初期プロモーター、伸長因子1アルファ(EF1A)プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期及び後期SV40プロモーター、及びラウス肉腫ウイルス(「RSV」)等のレトロウイルスLTRのプロモーターである。酵母内発現用として好ましいプロモーター配列は、誘導性GAL1/10プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼからのプロモーター、及び酸性ホスファターゼ遺伝子を含む。
【0088】
増殖及び発現のためのベクターは、一般に一つ以上の選択マーカーをさらに含む。このようなマーカーは増幅に適切であるか、又はこのベクターはこの目的のために付加的マーカーを含んでもよい。これと関連して、発現ベクターは、好ましくは一つ以上の選択マーカー遺伝子を含み、トランスフェクションされた宿主細胞の選択のための遺伝的特性を提供するが、当業者は、特定のシステム選択マーカーが、個々のベクターに提供され得ることを認識する。好ましいマーカーは、例えば、大腸菌及びその他のバクテリアにおける培養のためのアンピシリン(Amp)、テトラサイクリン(Tet)又はハイグロマイシン(HYG)耐性遺伝子を含む。酵母選択マーカーは、ツニカマイシンに対する耐性を付与するADE2、HIS4、LEU2、TRP1、及びALG7;G418に対する耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子;及び酵母が銅イオンの存在下で成長することを可能にするCUP1遺伝子を含む。動物細胞選択マーカーは、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子、ネオマイシン(Neo)又はハイグロマイシン(HYG)耐性遺伝子を含む。
【0089】
さらに、増殖及び発現用ベクターは、通常、転写開始、終結のための一つ以上の部位、及び転写領域内に翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物により発現された転写物のコード部分は、好ましくは、開始部における翻訳開始コドン及び翻訳されるDNA配列の末端における適切に配置された終結コドン(UAA、UGA又はUAG)を含む。プロモーター、ターミネータ、選択マーカー、ベクター及びその他の要素の選択は、この分野の通常の技術水準の範囲内で日常的な設計事項である。多数のこのような要素が文献に記載されており、商業的供給者から入手可能である。
【0090】
以下のベクター、すなわちShanghai Sangon社からのpBV220(86)及びその誘導体;Qiagen社からのpQEシリーズ;Qiagen社からのpETベクター;Stratagene社からのpBSベクター、ファージスクリプトベクター、ブルースクリプトベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A;及びPharmacia社からのptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5が市販されており、バクテリアでの使用のために好ましい。好ましい真核細胞ベクターには、Promega社からのpCIベクター、Invitrogen社からのpcDNAベクター、Stratagene社からのpSV2CAT、pOG44、pXTl及びpSG;及びPharmaciaからのpSVK3、pBPV、pMSG及びpSVLがある。これらのベクターは、市販されている周知の多数のベクターが、本発明に開示されたノバフェロンタンパク質の遺伝子/組換え方法による製造のために、当業者に入手可能であるということを明示するための例示として単に列挙されたものである。
【0091】
これと関連して、特定の好ましい実施形態において、前記ベクターは、特異的発現のための手段を提供する。このような特異的発現は、誘導性発現でも、又は単に特定の種類の細胞のみでの発現でもよく、又は誘導性かつ細胞特異的であってもよい。誘導性ベクターのうち特に好ましいものは、温度及び栄養素添加物のように容易に操作可能な環境因子により発現するように誘導することができるベクターである。原核及び真核宿主細胞での使用のための構成的及び誘導性発現ベクターを含む、この応用用途に適合した様々なベクターが広く知られており、当業者により日常的に用いられる。
【0092】
配列番号1に開示されるDAN配列を含むベクターは、例えば、適切なプロモーター、及びその他の適切な制御配列と共に、この分野で周知の様々な技術を用いて、所望のタンパク質の発現に適合した適切な宿主細胞内に導入され得る。このような適切な宿主の代表は、大腸菌、枯草菌、ストレプトマイセス細胞等のバクテリア細胞;メタノール資化性酵母細胞等の酵母細胞;ショウジョウバエS2及びヨトウガSf9細胞等の昆虫細胞;CHO及びCOS等の哺乳類細胞;及び植物細胞を含む。様々な発現構築物に対する宿主は、広く知られており、当業者は、本発明に開示される情報を用いて、配列番号2に開示されるノバフェロンタンパク質を発現するための宿主を容易に選択することができる。
【0093】
宿主細胞は、ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドを取り込み、本発明のノバフェロンタンパク質を発現するように遺伝的に設計され得る。例えば、ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドは、この分野で知られているトランスフェクション技術を用いて、宿主細胞内に導入され得る。このような方法は、Kingston(87)により論議されたように、多数の標準臨床マニュアルに記載されている。ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドは、単独で又は他のポリヌクレオチドと共に導入/トランスフェクションされ得る。このような他のポリヌクレオチドは、独立的に導入されてもよく、又は配列番号1に開示されるノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドと共同導入又は連結して導入されてもよい。
【0094】
例えば、本発明のノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドは、哺乳類細胞内マーカーの共同トランスフェクション及び選択のための選択マーカーをエンコードする個々のポリヌクレオチドと共に、宿主細胞内にトランスフェクションされ得る。または、ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドは、宿主細胞内で増殖を誘導するための選択マーカー−エンコーディングDNA配列を含有するベクター内に導入され得る。
【0095】
ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチドを含有するベクターでトランスフェクションされるように設計された宿主細胞は、プロモーターを活性化し、形質転換細胞を選択し、又は標的遺伝子を増幅させるために特異的に修飾され得る従来の栄養培地内で培養され得る。温度、pH等の培養条件は、本発明のノバフェロンタンパク質を発現させるために選択された宿主細胞に対して適切に調節される。
【0096】
翻訳されたタンパク質ポリペプチドの小胞体内腔内、ペリプラスム空間内、又は細胞外環境内への分泌を促進するために、適切な分泌シグナルが取り込まれ、ノバフェロンタンパク質と共発現され得る。
【0097】
(精製)
標的組換えタンパク質の発現のための適切な宿主細胞型は、通常、標的タンパク質の特性及びその他の条件、例えば製造費用、大規模製造の容易性、産業的生産の規模等の検討に基づいて選択される。その後、最高収率で標的タンパク質を発現するトランスフェクションされた細胞のクローンを選択し、最適発現率を有する最終クローンを標的タンパク質発現細胞株と命名し、標的タンパク質の製造に用いる。標的タンパク質を発現する細胞株を、様々な栄養素を含有する培地内で増殖させる。細胞の最適増殖及び/又は標的タンパク質の最適発現のために、様々な試薬及び条件が用いられ、トランスフェクションされたベクター内の標的タンパク質のcDNA配列と共に取り込まれた選択的プロモーターを誘導する。宿主細胞型/発現系がバクテリアである場合、培養細胞は、一般に遠心分離により培地から回収される。回収された細胞体は物理的又は化学的手段で分解され、合成された標的タンパク質を含有する回収された粗抽出物は、タンパク質のさらなる精製のために保持される。微生物細胞の破壊に適用される方法は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破砕、又は細胞溶解剤の使用を含むが、これらに限定されない。このような方法は、当業者に良く知られている。
【0098】
本発明者らは、組換えノバフェロンタンパク質の発現のための宿主細胞として、バクテリアの大腸菌を用いた。後述されるように、大腸菌は、ノバフェロン−エンコーディングポリヌクレオチド配列を含有するベクターでトランスフェクションされ、ノバフェロンタンパク質の最適発現を有する一つの大腸菌株が、ノバフェロンタンパク質の製造用として選択された。一旦合成されると、前記タンパク質は不溶性顆粒として細胞質内に保持されるか、又は可溶性形態で細胞質内に分泌され得る。前者の場合、顆粒は細胞体の溶解後に回収され、例えばグアニジンイソチオシアネート又は尿素を用いて変性される。変性したポリペプチド/ノバフェロンタンパク質のリフォールディングは、変性物の過剰の希釈溶液を用いた希釈、又は尿素溶液と還元及び酸化グルタチオンの組み合わせとの溶液に対する透析、及びその後の緩衝生理食塩溶液に対する透析により得られる。後者の場合、回収された細胞の破壊の後、タンパク質は変性することなくペリプラスム空間から可溶性及び機能性の状態で直接回収され得る。変性及びリフォールディング工程を回避することにより、可溶性ノバフェロンタンパク質は損傷せず、変形され、又は誤って折り畳まれたタンパク質分子を含有することはない。
【0099】
本発明者らは、大腸菌細胞株で生成された合成ノバフェロンタンパク質のかなりの部分が細胞質内に分泌されることを発見した。この部分はその後、下記のように精製された。
(活性アッセイ及び医学的用途)
上述したように、ノバフェロンタンパク質は、インターフェロンファミリーの多くの構成員、特に、HuIFN−α14のmRNA(図2)により翻訳されるインターフェロンタンパク質に対して配列相同性を示す。HuIFN−αは、抗ウイルス、抗増殖、及び免疫調節活性を含む広範囲の生物学的活性を有することが示された(10)。
【0100】
HuIFN−αに対するこのような相同性により、ノバフェロンは、腫瘍増殖阻害、抗ウイルス活性、NK細胞活性化、及び免疫系調節を含むが、これらに限定されないHuIFN−αと類似した生物学的機能を示すものと予想される。特に重要なものは、HuIFN−α様機能特性の保持のみならず、ノバフェロンタンパク質のこれらの生物学的機能のHuIFN−αよりも高められた効力である。その機能特性の効力を確認及び決定するために、ノバフェロンタンパク質の生物学的活性を、抗ウイルス及び抗増殖特性を検出するように設計された古典的かつ日常的なインビトロアッセイを用いて測定した。以下の実験の項に示すように、ノバフェロンタンパク質の抗増殖特性のインビボ効力は、様々なヒト癌タイプの動物モデルでさらに観察され、実験によっては、化学的抗癌剤のみならず、HuIFN−αとも比較された。
【0101】
HuIFN活性を測定するための多くの適切なアッセイがこの分野で良く知られている。本発明者らは、抗ウイルス及び抗増殖活性を測定するために、インビトロ細胞ベースアッセイシステムを用いた。同じインビトロアッセイを、ヒトI型インターフェロン遺伝子シャッフリングライブラリーのスクリーニング、ヒトI型インターフェロン遺伝子シャッフリングライブラリーの発現タンパク質からのノバフェロンの選択、及び純組換えノバフェロンタンパク質の生物学的活性の測定を含むが、これらに限定されない本発明に関する全ての工程及び実験で用いた。
【0102】
検査試料/試薬の抗ウイルス活性を、ウイルスに対する細胞の耐性の程度を観察することにより測定する多数のアッセイがある(88)。HuIFN及びそのハイブリッドの抗ウイルス活性を測定するために、三つの主要なバイオアッセイが用いられてきた。これらは、培養細胞に対するウイルスの様々な様相を判定する方法によって分類される。
【0103】
ウイルスに誘導された細胞変性効果の阻害を判定するためのアッセイでは、IFNで前処理された培養細胞に対するウイルス誘導された溶解性細胞変性効果の減少程度を測定する。このアッセイは、96ウェルプレート内で行われ(89)、多数の試料をスクリーニングするための簡便な方法を提供することから、組換えHuIFN−αに対して広く用いられてきた。
【0104】
ウイルスプラーク形成の阻害は、組織培養物内のHuIFNの抗ウイルス活性を定量する別の方法である。プラーク減少アッセイの結果は、感染の多重性とは独立的である。また、プラーク形成の50%減少を高精度で測定可能である。プラーク形成を誘導するために、例えば遍在的水疱性口内炎ウイルス(VSV)を用いて、異なる動物種からの多数の細胞株をスクリーニングすることにより、特定の組換えIFNの異種間活性のプロフィールを決定することができる(90)。
【0105】
三番目のアッセイは、ウイルス収率の減少の測定に基づく。通常、単細胞成長周期の間、放出されたウイルス量によってウイルス生成量を測定する。このアッセイは、細胞変性効果を生じず、又は標的細胞培養物内にプラークを形成しないウイルスに対するIFNの抗ウイルス活性を試験するために特に有用である。しかしながらこの試験では、感染の多重度が、IFNの固定濃度によって誘導された保護の見かけの程度に影響を及ぼす(91)。
【0106】
ノバフェロンの抗ウイルス活性は、WISH細胞及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)を用いて、標準細胞変性効果阻害アッセイによって測定された。抗ウイルス活性は、WHO国際標準の標準参照試料95/650(rHuIFN−α2a)及び94/786(rHuIFN−αコンセンサス)を用いて測定され、キャリブレートされた。抗ウイルス活性の一つの単位は、培養細胞においてVSVの細胞変性効果の50%阻害を達成するのに必要なタンパク質の量として定義される。さらに後述されるように、ノバフェロンタンパク質の活性は2.5×10IU/mgであって、HuIFN−α2bよりも約12.5倍高い。これらの試験は、HuIFN−α2bに比べて、ノバフェロンの抗ウイルス特性がかなり高められることを立証する。ノバフェロンタンパク質が示すウイルスに対するこの高められた効力は、ヒトのインビボにおける高められた抗ウイルス効果の予測に対する根拠を提供する。HuIFNの特性に基づき、ノバフェロンに関して極めて広い抗ウイルスプロフィールを合理的に予想可能である。言い換えれば、ノバフェロンは、天然HuIFNよりも広範囲のウイルスに対してさらに強力である。ノバフェロンの高められた抗ウイルスの効力は、様々なウイルス性疾患の患者に対する臨床現場で、さらによい抗ウイルス効果又はさらによい治療効果につながり得る。
【0107】
上述したように、IFNは様々なメカニズムを通じて細胞増殖を抑制し、強力な抗腫瘍効果を示す。細胞培養系を用いて、いくつかのインビトロ抗増殖試験が確立され、この分野で良く記述されている。これらのアッセイにおける細胞増殖は、細胞数の計測、クリスタルバイオレットバイオアッセイ(92、93)、ニュートラルレッド色素に対する化学感度(94〜96)、放射ラベルヌクレオチドの取込み(97)、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)の増殖細胞DNAへの取込み(98)、テトラゾリウム塩の使用(99、100)により測定され得る。
【0108】
ヒトリンパ芽球様Daudi細胞株は、HuIFN−αの抗増殖効果に極めて敏感であり、懸濁培養物内でのその増殖は、その細胞数の定量を容易にする(101)。この細胞株は、長年にわたって、HuIFN−α及びハイブリッドの抗増殖活性を測定するために用いられてきた(102)。その他の細胞株も、試験試薬の抗増殖活性を試験するために用いられている。
【0109】
ノバフェロンタンパク質の抗増殖活性は、様々なヒト腫瘍異種移植片を有する動物モデルに対するノバフェロン投与による腫瘍塊成長の阻害を観察することにより、インビボで測定された。ノバフェロンのインビボ抗腫瘍効果はHuIFN−α2bと比較され、一部異種移植片モデルでは化学的抗腫瘍剤とも比較された。
【0110】
以下に詳述されるように、本発明者らは、標準Daudi細胞方法を用いて測定されたインビトロ抗増殖活性が、おそらく全ての天然HuIFNの中で最も強力な抗増殖活性を示す天然HuIFN−α2bよりも、さらに400倍強力であることを見出した。ノバフェロンは、本発明者らがインビトロで試験した全てのヒト癌細胞株について天然HuIFN−α2bよりもさらに強力又は高められた阻害を示したため、ノバフェロンの増加された抗増殖強度は広く普遍的であった。これは、ノバフェロンによるヒト癌の強力な阻害が選択的ではないことを示す。全ての試験されたタイプのヒト癌細胞株に対するノバフェロンの増加された抗増殖活性の程度には幅があったが、ノバフェロンは、臨床現場で幅広い抗癌剤となる可能性を有している。これは、化学的抗癌剤、モノクローナル抗体及びその他の標的特異性抗癌剤よりも優れた大きな利点である。
【0111】
後述される異種移植片を有する動物モデル実験は、さらに以下を確証する。
(1)ノバフェロンのインビボ抗増殖効果は、天然HuIFN−α2bと比較して顕著に高められ又はさらに強力であった。
【0112】
(2)遥かに低い用量において、ノバフェロンのインビボ抗増殖効果は、同一の異種移植片モデルで試験された化学的試薬である5−フルオロウラシル(5−FU)よりも高かった。
【0113】
(3)ノバフェロンは、異種移植片モデルにおいて90%以上の癌成長阻害を達成することができたが、処置動物において、体重減少、活性変化及びその他のマイナスの副作用を誘導することはなく、この点において、5−FU処理動物での相当な体重減少及び活性減少と極めて対照的であった。
【0114】
このような結果は、天然HuIFN−α2bと比較して、ノバフェロンのインビトロ及びインビボ抗増殖特性が大いに高められることを意味する。ノバフェロンの高められた抗増殖効力は、マウス動物モデルにおけるヒト癌成長の効果的な阻害(>90%)につながり、このような阻害は、試験された全てのタイプのヒト癌に対して極めて広く作用し、古典的な化学的抗癌剤である5FUよりも優れると考えられる。このような結果はまた、ノバフェロンによる癌細胞成長の強力な阻害が、癌細胞に対しては極めて特異的であるが、ノバフェロン処置動物における正常な摂食及び行動、及び減少しなかった体重により裏付けられるように、正常細胞に対してはそうではないことを示している。したがって、ノバフェロンは、全ての又は主要なヒト癌に対して作用する潜在力を有している。
【0115】
好ましい実施形態において、配列識別番号1のポリヌクレオチド配列を用いる組換え技術によって製造され、又は化学的に合成されたノバフェロンタンパク質(配列番号2)の完全又は部分的分子(複数の場合あり)は、ヒト及び/又は非ヒト種で、ヒト由来又は非ヒト由来の任意及び/又は全ての腫瘍及び癌の治療及び/又は予防に応用され得る。これらの腫瘍は、例えば、骨肉腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、結節型かつ低分化型リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄白血病、乳房癌、黒色腫、乳頭腫、及び鼻咽頭癌腫、結腸癌、肝臓癌、及び黒色腫を含むが、これらに限定されない。
【0116】
別の実施形態において、配列識別番号1のポリヌクレオチド配列を用いる組換え技術によって製造され、又は化学的に合成されたノバフェロンタンパク質(配列番号2)の完全又は部分的分子(複数の場合あり)は、ヒト及び/又は非ヒト種で、任意の及び/又は全てのウイルス性疾患の治療及び/又は予防に応用され得る。感受性ウイルス感染の例は、ウイルス性脳心筋炎、インフルエンザ及びその他のウイルス性気道感染症、狂犬病及びその他のウイルス性動物原性感染症、及びアルボウイルス感染症、さらに単純ヘルペス性角膜炎、急性出血性結膜炎、帯状疱疹、及びB型及びC型感染、SARS及び鳥インフルエンザ、ヒト免疫不全症候群(AIDS、HIV)を含むが、これらに限定されない。
【0117】
別の実施形態において、配列識別番号1のポリヌクレオチド配列を用いる組換え技術によって製造され、又は化学的に合成されたノバフェロンタンパク質(配列番号2)の完全又は部分的分子(複数の場合あり)は、ヒトにおいて、任意の及び/又は全ての免疫系関連障害の治療及び/又は予防に応用され得る。免疫障害の例は、関節リウマチ、多発性硬化症、及びシェーグレン症候群糖尿病を含むが、これらに限定されない。ノバフェロンタンパク質は、移植片対宿主拒否反応の予防にも応用され得る。
【0118】
別の実施形態において、配列識別番号1のポリヌクレオチド配列を用いる組換え技術によって製造され、又は化学的に合成されたノバフェロンタンパク質(配列番号2)の完全又は部分的分子(複数の場合あり)は、任意の及び/又は全ての血管新生疾病に対して免疫補助剤として治療及び/又は予防に応用され得る。血管新生疾病の例は、血管腫、腫瘍誘導新生血管、加齢性黄斑変性症、及び糖尿病性網膜症を含むが、これらに限定されない。
【0119】
ノバフェロンタンパク質は、単独又は任意のその他のタンパク質/担体材料又はその他の構築物と共に、任意の投与/送達経路/方法で、任意の薬剤学的に許容可能な製剤/剤形としてヒト及び/又は非ヒト種に投与され得、それらは経口摂取、吸入、鼻内噴霧、腹腔内、静脈内、筋肉内、病巣内、又は皮下注射を含むが、これらに限定されない。
【0120】
活性成分としてのノバフェロンタンパク質を含有する薬剤学的製剤/剤形は、錠剤、丸薬、散剤、溶液又は懸濁剤、リポソーム、坐薬、注射剤、及び点滴液剤等の液体、固体、半固体、及び/又は任意のその他の臨床的に許容可能な形態である適切な固体又は液体担体を取り込むことにより製造され得る。ノバフェロン含有製剤/剤形は、この分野で記述されており、又は薬剤学的産業の実務において一般に許容される従来の担体、材料、方法を用いて製造され得る。ノバフェロン含有製剤/剤形は、この分野で記述されておらず、又は薬剤学的産業において使用されない非従来的な方法、材料を用いても製造され得る。
【0121】
例えば、非経口剤形は、通常、水、生理食塩水、その他の平衡塩溶液、水性デキストロース、グリセロール等の薬剤学的及び生理学的に許容可能な材料からなる注射可能な流体である。さらに、前記注射可能な流体は、ノバフェロンタンパク質以外にヒト血清アルブミン又は血漿製剤等のその他のタンパク質を担体として含み得る。前記薬剤学的製剤/剤形は、湿潤剤又は乳化剤、保存剤及びpH緩衝剤(例えば、酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレート)等の非毒性補助物質を少量含んでもよい。製剤化方法は、当業者には良く知られており、例えば、Remington:The science and Practice of Pharmacy.Pharmaceutical Sciences(75)に開示されている。
【0122】
特定のノバフェロンタンパク質製剤/剤形は、意図する臨床応用及び/又は投与方法により決定され、周知の技術を用いて、いかなる当業者によっても製造され得る。例えば、注射可能な流体以外に、局所及び経口剤形も用いられ得る。局所製剤は、点眼剤、軟膏剤、及び噴霧剤を含むが、これらに限定されない。経口剤形は、液体(例えば、シロップ剤、溶液剤、又は懸濁剤)又は固体(例えば、散剤、丸薬、錠剤、又はカプセル剤)を含むが、これらに限定されない。固体製剤/剤形に対して、従来の非毒性固体担体は、薬剤学的等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、又はステアリン酸マグネシウムを含むが、これらに限定されない。これらの製剤/剤形を製造する実際の工程及び/又は方法は当業者に良く知られているか、又は自明である(75)。
【0123】
ノバフェロンタンパク質の薬剤学的に許容可能な製剤/剤形は、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸内又は眼球内送達を含むが、これらに限定されない様々な経路で、外傷治療の際に直接局所的にヒト及び/又は非ヒト種に投与されてもよい。
【0124】
前記製剤/剤形内のノバフェロンタンパク質の濃度/量は、臨床実務により、>0〜1.0モラーまで、かつ/又は>0〜100%(重量/重量)まで多様であってよい。それぞれの及び/又は全てのノバフェロン製剤/剤形の正確な投与量、投与間隔、及び治療期間は、臨床実験、病状、患者の状態及び医療提供者により決定される。好ましい実施形態において、タンパク質分解、全身対局所的輸送、及び新たなプロテアーゼ合成速度のみならず、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、薬物間相互作用、及び疾患の重症度等に応じて、個別及び/又は総投与量、投与間隔、治療期間、及び必要な治療コースを含むが、これらに限定されないノバフェロン投与に対する調節が必要であることがあり、当業者により日常的な実験によって決定され得る。
【0125】
好ましい実施形態において、ヒト及び/又は非ヒト種の体に投与後、ノバフェロンタンパク質の循環中の半減期は変更され得る。このような変更は、インビボでのノバフェロン半減期の延長又は短縮を含むが、これに限定されない。ノバフェロンタンパク質のインビボ半減期の延長は、以下のものを含む様々な方法で達成され得るが、これらに限定されない。
【0126】
(1)ノバフェロン分子とモノクローナル抗体との間の複合体の形成。このような抗体は、好ましくはノバフェロンタンパク質の治療的機能を実質的に損傷させない部位でノバフェロンタンパク質に連結される(103)。
【0127】
(2)ノバフェロンの他のタンパク質/ポリペプチドとの融合複合体。ノバフェロン分子は、免疫グロブリンの正常領域(Fc)の断片等の他のタンパク質/ポリペプチドに組換え的に融合され得る(104)。
【0128】
(3)ノバフェロンタンパク質の接合。例えば、ノバフェロンタンパク質は、ポリエチレングリコール又は関連ポリアルキレングリコール部分等の非抗原性ポリマーと接合され得る(105〜108)。
【0129】
別の好ましい実施形態において、治療化合物は抗体、好ましくは抗ノバフェロンタンパク質抗体に接合され得る。前記治療化合物は、細胞毒性剤であってもよい。この方法において、細胞毒性剤は、ノバフェロン分子に対する接合抗体の結合により、腫瘍組織又は細胞に対して標的化され得、それにより、病気にかかった細胞を破壊して個数を減少させ、癌症状の軽減をもたらす。前記細胞毒性剤は、細胞毒性薬物、毒素及びそのような毒素の活性断片、及び放射性化学物質を含むが、これらに限定されない。適切な毒素及びそれに該当する断片は、ジフテリアA鎖、エクソトクシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン、クロチン、フェノマイシン、エノマイシン等を含む。
【0130】
好ましい実施形態において、ノバフェロンタンパク質−エンコーディングポリヌクレオチド配列(配列番号1)の全長配列、部分的配列、及び/又は調節的配列は、当業者によって遺伝子療法関連投与で用いられ得る。ノバフェロンタンパク質−エンコーディングポリヌクレオチド(配列番号1)に基づくアンチセンス適用は、遺伝子療法(すなわち、ゲノムへの取込みのための)又はアンチセンス組成物として用いられ得、当業者によって理解されるであろう。
【0131】
遺伝子療法応用において、遺伝子が細胞内に導入され、これらの遺伝子によりエンコードされる標的タンパク質のインビボ合成が達成される。従来の遺伝子療法は、治療的に有効なDNA又はmRNAの単一治療又は反復投与により持続的治療効果を達成する。一方、アンチセンスRNA及びDNAは、インビボで特定の遺伝子の発現を封鎖するための治療剤としても用いられ得る。短鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドが細胞内に送達され、そこで阻害剤として作用し得ることは既に知られている(109)。
【0132】
好ましい実施形態において、ノバフェロンタンパク質−エンコーディングポリヌクレオチド(配列番号1)は、全長又は部分長でDNAワクチンとして用いられ得る。ネイキッドDNAワクチンがこの分野で一般に知られている(110)。全長又は部分長のノバフェロン−エンコーディング遺伝子(配列番号1)のDNAワクチンとしての適用方法は当業者に広く知られており、ヒト及び/又は非ヒト種において、ノバフェロン遺伝子又はノバフェロン遺伝子の一部をノバフェロンタンパク質の全長又は部分長を発現するためのプロモーターの制御下に配置することを含むが、これに限定されない。
(実施例)
下記の実施例は、上記の発明の使用態様をより十分に説明し、また本発明の様々な態様を実施するための最良の形態を記載するために提示されている。これらの実施例は本発明の実際の範囲を全く限定せず、むしろ例示の目的で提示されるものとして理解される。ここで引用される全ての参考文献は、その全体が参照として包含される。
【実施例1】
【0133】
実施例1.ヒト白血球cDNAからのヒトIFN−α遺伝子のPCR増幅
ヒト末梢血白血球から総mRNAを抽出した。アドバンテージ(Advantage)(商標)RT−for−PCRキット(Clontech社、米国、カリフォルニア州、マウンテンビュー)及びcDNA合成プライマー(オリゴdT18)を用い、メーカーの推奨に従ってcDNAの調製を行った。
【0134】
ヒトIFN−αcDNAの増幅は、MJ PTCサーマルサイクラーでのPCR技術によって行い、下記の条件を用いた。すなわち、2.5μl 10×pfx増幅バッファ(Invitrogen社、米国、カリフォルニア州、カールズバッド)、0.75μl 10mM dNTP、0.5μl 25mM MgSO、0.25μl プラチナpfxDNAポリメラーゼ(2.5U/μl;Invitrogen社、米国、カリフォルニア州、カールズバッド)0.75μl cDNA、0.75μl 5’プライマー(10μl;IFNaO5:5’−TGGTGCTCAGCT(A/G)CAAGTC−3’)、(配列番号3)0.75μl 3’プライマー混合物(各1.7μM;
IFNaO3−1:5’−AATCATTTCCATGTTG(A/G)ACCAG−3’(配列番号4);
IFNaO3−2:5’−AATCATTTCCCGGTTGTACCAG−3’(配列番号5);
IFNaO3−3:5’−AATCATTTCCATGTTGAAACAG−3’(配列番号6);
IFNaO3−4:5’−AATCATTTCAAGATGAGCCCAG−3’(配列番号7);
IFNaO3−5:5’−AATGATTTTCATGTTGAACCAG−3’(配列番号8);
IFNaO3−6:5’−AATCATTT(C/G)(C/G)ATGTTGAACCAG−3’(配列番号9);
IFNaO3−7:5’−GATCATTTCCATGTTGAATGAG−3’(配列番号10);
IFNaO3−8:5’−GAGTCGTTTCTGTGTTGGATCAG−3’(配列番号11)。
【0135】
増幅されたPCR生成物を1.0%アガロースゲルで電気泳動し、切り取ってゲル精製し、メーカーの推奨に従ってpCRII−TOPO又はpCR−4−TOPOベクター(Invitrogen社、米国、カリフォルニア州、カールズバッド)にクローニングした。プリズム・レディ・リアクション・ダイ・ターミネーション・ミックス(Prism Ready Reaction Dye Termination mix)で、ABI自動シーケンサ(PE Applied Biosystems社、米国、カリフォルニア州)により自動シーケンスを行った。
【0136】
上記のクローン中に、IFNa6、IFNa7及びIFNa16をコードしている配列について所望の挿入がなかったため、型特異的プライマーを除く他は、上記の条件で再びPCRを行った。IFNa6の特異的増幅のために、5’及び3’プライマーはそれぞれ、IFNaO5:5’−TGGTGCTCAGCT(A/G)CAAGTC−3’(配列番号3)、及びIFNaO3−8:5’−GAGTCGTTTCTGTGTTGGATCAG−3’(配列番号11)とした。IFNa7特異的増幅のための5’及び3’プライマーは、それぞれIFNa7UO:5’−ATGCCCCTGTCCTTTTCTTTAC−3’(配列番号12)、及び、IFNaO3−5及びIFNaO3−6の等モルの混合物とした。IFNa16特異的増幅のための5’及び3’プライマーは、それぞれIFNa7UO、及びIFNaO3−7:5’−GATCATTTCCATGTTGAATGAG−3’(配列番号10)とした。増幅された断片をpCRII−TOPO又はpCR−4−TOPOベクターにクローニングし、上記のようにシーケンスした。
【0137】
全てのクローンI型ヒトIFN−アルファ遺伝子を、それぞれジーンバンクにおけるそれらのDNA配列と共にアラインメントした。これらの遺伝子のジーンバンクヌクレオチド登録番号をここに参照すると、NM_024013(IFN−α1)、NM_000605(IFN−α2)、NM_010504(IFN−α4)、NM_010505(IFN−α5)、NM_008335(IFN−α6)、NM_008334(IFN−α7)、NM_008336(IFN−α8)、NM_002171(IFN−α10)、NM_002172(IFN−α14)、NM_002173(IFN−α16)、NM_021268(IFN−α17)、NM_002175(IFN−α21)である。
【実施例2】
【0138】
実施例2.I型HuIFN−含有プラスミドのシャッフリングライブラリーの構築
I型ヒトIFN−αの一つのコード配列を含有するプラスミドを構築するために、成熟ヒトI型IFNタンパク質の領域をコードする個々のcDNAに基づき、BamHI及びEcoRI制限部位を有する15対のオリゴヌクレオチドを合成した(Genentech社、米国、カリフォルニア州、南サンフランシスコ)。これらのタンパク質のジーンバンクヌクレオチド登録番号をここに参照すると、NM_024013(IFN−α1)、NM_000605(IFN−α2)、NM_010504(IFN−α4)、NM_010505(IFN−α5)、NM_008335(IFN−α6)、NM_008334(IFN−α7)、NM_008336(IFN−α8)、NM_002171(IFN−α10)、NM_002172(IFN−α14)、NM_002173(IFN−α16)、NM_021268(IFN−α17)、NM_002175(IFN−α21)である。実施例1でテンプレートとして構築したプライマー及びプラスミドを、標準的PCR(111)で使用した。その結果得られた生成物を制限エンドヌクレアーゼ(RE)BamHI及びEcoRIで切断し、多重クローニング領域にBamHI部位及びEcoRI部位を有するpBV220(86)の派生体発現プラスミドである大腸菌の発現ベクターpBVBにクローニングした。これらの最終構築物を、全てDNAシーケンス解析(PE Applied Biosystems社、米国)で確認した。
【0139】
ヒトIFN ORFを含有するDNA断片を、一対のオリゴヌクレオチドBVF4:5’−AGGGCAGCATTCAAAGCAG−3’(配列番号13)及びBVR3:5’−TCAGACCGCTTCTGCGTTCTG−3’(配列番号14)を用いたPCRによって、及び先に構築したI型HuIFN含有プラスミドを使用して増幅した。その結果得られた生成物を同量ずつ混合し、Stemmerによる手順(112)に従ってDNaseI消化及びPCRアセンブリに供した。
【0140】
アセンブリしたPCR生成物を、さらに一対のインナープライマー:BVF:5’−GAAGGCTTTGGGGTGTGTG−3’(配列番号15)及びBVR:5’−AATCTTCTCTCATCCGC−3’(配列番号16)を用いて増幅し、続いてBamHI及びEcoRI消化し、REのBamHI及びEcoRIで切断した大腸菌発現ベクターpBVBに再びクローニングした。これらの最終構築物を、全てDNAシーケンス解析で確認した。プラスミド含有シャッフルHuIFN−α遺伝子を大腸菌DH5αコンピテント細胞に形質転換させた。
【0141】
上記の全てのPCR手順は、PCR増幅又はPCRアセンブリのいずれかであり、忠実度の高いDNAポリメラーゼの代わりに通常のDNAポリメラーゼ(New England Biolab社、米国、マサチューセッツ州)を使用した。
【実施例3】
【0142】
実施例3.シャッフリングライブラリーのスクリーニング
新規に形質転換させた大腸菌DH5α細胞を37℃で一晩、LBプレートで増殖させた。単一コロニーを個別に採取し、96ウェルプレート中50μg/mlのアンピシリンを含有する100μlのLB培地に播種した。コロニーを30℃、250rpmで振とうした。一晩培養した後、96ウェルプレート中50μg/mlのアンピシリンを含有する100μlのLB培地に、10μlのバクテリア培養物をデュプリケートで播種した。元のプレート(いわゆるストックプレート)はしばらく4度で保存した。デュプリケートのプレート中の細胞を、OD600が0.4になるまで30℃で増殖させ、その後42℃で誘導した。4時間の熱誘導の後、凍結融解サイクルを開始するためバクテリア培養物を−80℃の冷凍室へ直接入れた。2サイクルの凍結融解の後、バクテリア懸濁液/溶解物を所望の濃度に希釈し、抗増殖試験のためのDaudi細胞培養(101)又は抗ウイルス試験のためのWish細胞培養(113)にさらした。
【0143】
スクリーニングの各段階において、20,000個のコロニーを最初にスクリーニングし、抗増殖活性又は抗ウイルス活性が最も高い約100個のコロニーをさらなる確認試験のために選抜した。ストックプレート中の選抜したバクテリア培養物を、50μg/mlアンピシリンを含有するLBプレートにストリーキングした。単一コロニーを37℃で一晩増殖させ、採取し、試験管中に50μg/mlのアンピシリンを含有する1mlのLB培地に播種した。試験管中のバクテリアを30℃で一晩、250rpmで振とうしながら増殖させた。その後、40μlの増殖バクテリアを、アンピシリン(50μg/ml)を含む1mlのLBが入った別の試験管の組の一つに播種した。その後、試料を前記最初のスクリーニング段階に関して上述したような発現誘導、細胞培養回収、凍結融解サイクル処理、及び抗増殖又は抗ウイルス試験の各段階に供した。
【0144】
スクリーニングの各段階において、抗増殖活性又は抗ウイルス活性が最も高い約20個のコロニーを、確認試験の後プラスミド作製のために選抜し、それらの挿入を自動シーケンスした。特有のDNA配列を有する挿入を、PCRプライマー対BVBF:5’−ACCATGAAGGTGACGCTC−3’(配列番号17);及びBVR:5’−AATCTTCTCTCATCCGC−3’(配列番号16)を用いて増幅した。なお、これらはそれぞれpBVBベクターの多重クローニング部位の上流及び下流におけるフランキング配列である。増幅したPCR生成物を、次の段階のシャッフリングライブラリー構築に用いた。
【0145】
抗増殖又は抗ウイルス活性のいずれかの増加に基づき、5サイクルのスクリーニング段階を実施した。
【実施例4】
【0146】
実施例4.大腸菌における組換えタンパク質の発現及び精製
ノバフェロンタンパク質(配列番号2)は大腸菌で発現された。開始コドンATGを人工的に付加した配列番号1のリーディングフレームを、λPRPLプロモーター(114)の制御の下、温度誘導性pBVBベクターにクローニングした。ノバフェロンの発現プラスミド、pBVBNFをDH5α細胞に形質転換させた。単一コロニーを個別に採取し、50μg/mlのアンピシリンを含有する2mlのLB培地に播種し、30℃で8時間培養した。その後、培養バクテリアの2mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む50mlの培地で、撹拌しながらさらに30℃で一晩培養した。翌朝、一晩培養したバクテリアを50μg/mlのアンピシリンを含む大量のLB培地に1:10〜1:20の比率で播種し、撹拌しながら30℃で培養した。培養物が増殖の対数期中期(A550=0.5〜0.6)に達した時、培養温度を急激に42℃まで上昇させ、ノバフェロンの発現を誘導するために4時間保持した。4時間の熱誘導の後、バクテリア細胞を遠心分離し、PBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM NaHPO、2mM KHPO)で3回洗浄した後、増殖段階を行うまで−80℃で保存した。
【0147】
殆どのノバフェロンタンパク質分子がここに記載される大腸菌生産システムに溶解したが、細胞質では過剰に発現した。そこで、細胞を細胞溶解バッファI(50mM Tris−Cl(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl)(115)中でリゾチーム消化によって破壊した。残存する無傷の細胞及びスプライスDNA分子を破壊するため、溶解物をさらに超音波破砕した。その後溶解物を遠心分離した。
【0148】
その後、浮遊物中の可溶性ノバフェロンタンパク質分子を疎水性イオン交換クロマトグラフィ及びゲル濾過法によって実質的に精製した。第1に、前記浮遊物をフェニルセファロース6ファーストフローカラム(GE Healthcare社、米国)に加え、通過させた。第2に、ノバフェロンタンパク質を含むフラクションをPOROS50Dカラム(Applied Biosystems社、米国)に適用した。第3に、前記ノバフェロン分子を含むフラクションをPOROS50HSカラム(Applied Biosystems社、米国)による精製に供し、最後に、回収したノバフェロン分子をさらにハイロード26/100スーパーデックス75pg(Amersham、米国)により精製した。
【0149】
純ノバフェロンタンパク質の純度を15%SDS−PAGE分析によって確認した。純組換えノバフェロンタンパク質は19〜20KDaの分子量(MW)の単一バンドを示した。質量分析は、精製ノバフェロン分子の純度が>98%、分子量が19313ダルトンであることを示し、そのアミノ酸配列から推定される分子量19315ダルトンに一致した。
【実施例5】
【0150】
実施例5.大腸菌における組換えHuIFN−α2bの発現及び精製
HuIFN−α2bの発現プラスミドpBV2bは、熱誘導性λPRPLプロモーターの制御下にあるHuIFN−α2b(ジーンバンクヌクレオチド登録番号NM_000605)の成熟タンパク質のcDNAコード領域を含む。HuIFN−α2bの発現は、Joseph SとDavid WRによるプロトコル(116)に従って行われた。
【0151】
発現プラスミドpBV2bをDH5−α細胞に形質転換させた。単一コロニーを個別に採取し、50μg/mlのアンピシリンを含有する2mlのLB培地に播種し、30℃で8時間培養した。その後、培養バクテリアの2mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む50mlの培地で、撹拌しながらさらに30℃で一晩培養した。翌朝、一晩培養したバクテリアを50μg/mlのアンピシリンを含む大量のLB培地に1:10〜1:20の比率で播種し、撹拌しながら30℃で培養した。培養物が増殖の対数期中期(A550=0.5〜0.6)に達した時、培養温度を急激に42℃まで上昇させ、HuIFN−α2bの発現を誘導するために4時間保持した。4時間の熱誘導の後、バクテリア細胞を遠心分離し、PBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM NaHPO、2mM KHPO)で3回洗浄した後、増殖段階を行うまで−80℃で保存した。
【0152】
HuIFN−α2bタンパク質はここで説明される大腸菌発現システムに対して不溶性であったため、Molecular Cloningに記載のプロトコル(115)に従い、封入体再生及び洗浄の工程を実施した。簡単に述べると、回収したバクテリア細胞を細胞溶解バッファI(50mM Tris−Cl(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl)中に再懸濁し、リゾチーム及び超音波処理によって溶解した。封入体を氷冷細胞溶解バッファII(0.5%(v/v)トリトンX−100を添加した細胞溶解バッファI)で3回洗浄した。
【0153】
再生された封入体を、7Nグアニジン中に室温で4時間撹拌しながら懸濁することにより破壊した。次に4℃で15分間遠心分離し、変性したタンパク質を0.15M、pH9.5のボレックスバッファ中で48時間、4℃でリフォールディングさせた。リフォールディングの最終段階で、pHをHClで7.4に調整した。
【0154】
その後、リフォールディングされたHuIFN−α2bを含む溶液を疎水性イオン交換クロマトグラフィ及びゲル濾過法によって精製した。第1に、前記溶液をフェニルセファロース6ファーストフローカラム(GE Healthcare社、米国)に加え、通過させた。第2に、HulIFN−α2bを含むフラクションをPOROS50Dカラム(Applied Biosystems社、米国)に適用した。第3に、前記HulIFN−α2bを含むフラクションをPOROS50HSカラム(Applied Biosystems社、米国)による精製に供した。最後に、回収したHuIFN−α2b分子をさらにハイロード26/100スーパーデックス75pg(Amersham社、米国)により精製した。純HuIFN−α2bタンパク質は、15%SDS−PAGE分析によって単一バンドを示し、質量分析によって確認されたように、その純度は>98%であった。
【実施例6】
【0155】
実施例6.ノバフェロンの抗ウイルス活性の測定
Armstrong JAによる古典的プロトコル(113)に記載されているようなWISH−VSVシステムを用いて抗ウイルス活性を測定した。1日目、WISH細胞(ATCC、カタログ番号CCL25)を14,000細胞/ウェルの濃度で96ウェルプレートに播種し、37℃で培養した。24時間後、2倍ずつ連続希釈したノバフェロン、HuIFN−α2b、WHOヒトIFN国際基準又はブランク培養培地を各ウェルに加え、37℃でさらに24時間培養した。3日目、培地を除去し、1,000PFUの水疱性口内炎ウイルス(VSV、ATCC、カタログ番号VR−1421)を含む培地と交換した。細胞を再び37℃で24時間培養し、その後0.85%NaClで洗浄して死細胞を除去した。次に、培養プレートをダイ・フィクサー溶液(0.5%クリスタルバイオレット、5%ホルマリン(V/V)、50%エタノール(V/V)、及び0.85%NaCL)に1時間浸漬した。その後ダイ・フィクサー溶液を静かに移し、マイクロプレートを水道水で十分に洗浄し、乾燥させた。染色された細胞を0.2mlの2−メトキシエタノールで溶解した。クリスタルバイオレットバイオアッセイのため、モデルオプシスMR(Thermo Labsystems社、米国)においてプレートを550nmで読み取った。
【0156】
全ての実験はトリプリケートで実施され、ノバフェロン及びHuIFN−α2b試料は同じプレート内で試験された。ここで調製されたノバフェロン及びHuIFN−α2bの抗ウイルス活性は同時に検査され、国立生物学的製剤研究所(NIBSC、米国)から得られるWHO国際基準94/784(rHuIFN−αコンセンサス)及び95/650(rHuIFN−α2a)を参照し、抗ウイルス単位(国際単位、又はIU)を決定した。
【0157】
WISHのVSVに対する精製ノバフェロンタンパク質の測定された抗ウイルス活性は2.5×10IU/mgであり、一方、HuIFN−α2bの抗ウイルス活性は2.0×10IU/mgである。このデータは、ノバフェロンタンパク質の抗ウイルス活性がHuIFN−α2bよりも約12.5倍強力であることを示している。
【実施例7】
【0158】
実施例7.ノバフェロンの抗増殖活性
抗増殖活性アッセイを、基本的にEvingerとPestka(101)によって述べられているように実施した。
【0159】
A.ヒト腫瘍細胞株の細胞培養
ヒト腫瘍細胞株を様々な組織、すなわち、ATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、米国、20108 バージニア州、マナサス、P.O.ボックス1549)、DSMZ(ドイツ国立生物材料資源センター、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、ドイツ国、38124 ブラウンシュヴァイク、マシェローダー・ヴェーグ 1b)、JCRB(ジャパニーズ・コレクション・オブ・リサーチ・バイオリソーシズ−セルバンク、独立行政法人医薬基盤研究所、日本国、567−0085 大阪府、茨木市、彩都あさぎ7−6−8)から購入した(下記表1)。
【0160】
【表1】

抗増殖活性試験に用いた全ての細胞を、5%COを含む湿潤雰囲気において37℃で培養した。5〜20%加熱不活性化した米国Gibco BRL社製のウシ胎仔血清FBSを添加したDMEM、MEM、F12K、及び1640又は1640プラスF12(全てGibco BRL社製、米国)等の基本増殖培地で、各細胞の増殖マニュアルに従い細胞を増殖させた。それぞれの細胞株のための前記基本増殖培地は下記表2に列挙されている。全ての細胞株を倒立顕微鏡下の培養プレート内で毎日検査した。細胞を回収し、トリパンブルー色素排除によって決定される生存能力が90%を超える対数増殖期における実験に用いた。標準的な血球計数器で細胞数及び生存能力を検査した。
【0161】
【表2】

B.抗増殖アッセイのための工程
対数増殖期の細胞株を、2×10〜6×10細胞/ml(細胞株によって異なる。表2を参照)の濃度で、加温(36℃)した培地に穏やかに懸濁した。100μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに播種し、37℃で6〜8時間培養した。続いて培養培地で希釈した同量(100μl)のノバフェロン又はHuIFN−α2bをトリプリケートでウェルに添加した。プレートを4〜5秒穏やかに撹拌して内容物を混合し、37℃で6日間培養した。比較可能性を保障するため、ノバフェロン及びHuIFN−α2b試料を同じプレート内で試験した。
【0162】
二つの方法を用いて、細胞ウェル内の細胞数を測定し、細胞数に応じたノバフェロン及びHuIFN−α2bの抗増殖活性を算出した。
懸濁細胞の細胞数を測定するため、直接細胞計測法を用いた。培養6日後、懸濁細胞培養物をトリパンブルーで希釈し(最終濃度0.02%)、血球計測器を用いて細胞数を直接計測した。
【0163】
接着細胞の細胞数を計測するため、クリスタルバイオレットバイオアッセイ法を用いた(93)。培養6日後、PBSを培養ウェル内でピペッティングすることにより死細胞を除去した。次に、ウェルをダイ・フィクサー溶液で満たし、生細胞を1時間染色した。ダイ・フィクサー溶液は、蒸留水中に0.5%クリスタルバイオレット、5%ホルマリン(V/V)、50%エタノール(V/V)、及び0.85%NaClを含む。その後、マイクロプレートを水道水で十分に洗浄し、乾燥させた。染色された細胞を0.2mlの2−メトキシエタノールで溶解した。550nmにおける光学密度(OD550)(モデルオプシスプレートリーダ、Thermo Labsystems社、米国)を測定し、細胞数の相対指標として用いた。
【0164】
下記式によって増殖阻害率を算出した。阻害率%=(1−(E−B)/(C−B))×100(式中、Eは6日目のノバフェロン又はHuIFN−α2b処理ウェルにおける細胞数又はOD550値、Bは細胞培養0日目の細胞数又はOD550値、Cは6日目の未処理ウェルにおける細胞数又はOD550値)。
【0165】
阻害率は、組成物の濃度に連動して発現した。ノバフェロン又はHuIFN−α2bのIC50を試料濃度の範囲を用いて推定した。データは斜面曲線Y=min+(Max−min)/(1+10^(IC50−X))(式中、Xは薬剤の対数濃度、Yは阻害率、Min又はMaxは阻害率プラトーの最小値又は最大値)のS字曲線(117)に沿った。特定の標的に対する様々な組成物のIC50が比較され、IC50が低いほど強力な組成物を示している。
【0166】
ノバフェロン又はHuIFN−α2bの濃度、及び対応するDaudi細胞株に対する細胞増殖阻害率が図4に示されている。このデータに基づき、Daudi細胞増殖を阻害するノバフェロン又はHuIFN−α2bのIC50は0.0174pmol及び6.9550pmolと算出された。したがって、ノバフェロンのIC50はHuIFN−α2bのそれの約400分の1であり、HuIFN−α2bと比較してノバフェロンの抗増殖効力の約400倍の増加を表している。
【0167】
黒色腫由来の4つの細胞株(A−375、IGR−1、IGR−37、IPC−298)、5つの結腸直腸腺癌細胞株(HCT−8、SW1116、LS180、DLD−1、LS174T)、4つの肝臓癌細胞株(Hep G2、Hep 3B、HuH−7、PLC/PRF/5)、3つのリンパ腫細胞株(HL−60(S)、Daudi、L−428)、2つの前立腺癌細胞株(DU145、PC−3)、2つの子宮頸癌細胞株(HeLa、C−33A)、1つの胃腺癌細胞株(MKN1)、1つの肺癌細胞株(A549)及び1つの食道癌細胞株(KYSE30)を含む23の癌細胞株に対するノバフェロンの抗増殖活性を評価し、HuIFN−α2bのそれと比較した。ノバフェロンは、試験した全ての癌細胞株に対してHuIFN−α2bよりも遥かに強力な抗増殖活性を示した。効力の増強の程度は癌細胞株によって異なり、16〜1134倍に及んだ(下記表3)。
【0168】
【表3】

【実施例8】
【0169】
実施例8.インビボ腫瘍モデル実験
A.細胞培養及びインビボヒト腫瘍異種移植モデル
結腸癌細胞株(LS180)、黒色腫細胞株(A−375)及び肝臓癌細胞株(Hep G2)は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC、メリーランド州、ロックビル)から入手した。前立腺癌細胞株(PC−3)はドイツ国立生物材料資源センター(DSMZ、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen、ドイツ国)から入手した。リンパ腫細胞株(HL60(s))はジャパニーズ・コレクション・オブ・リサーチ・バイオリソーシズ−セルバンク(JCRB、日本)から購入した。全細胞を指示に従って培養した(表1参照)。簡単に述べると、LS180及びHep G2をMEM培地で培養した。A−375をDMEMで培養した。両培地に10%ウシ胎仔血清(FBS)、2mMグルタミン、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン、0.1mM非必須アミノ酸、及び1.0mMピルビン酸ナトリウムを添加した。PC−3及びHL60(S)細胞を、10%FBS、100U/mlのペニシリン、及び100mg/mlのストレプトマイシンを添加したRPMI1640で培養した。全細胞を5%CO雰囲気中に37℃で保持した。
【0170】
ヒト癌異種移植モデルをBeverlyらによる方法(118)を用いて確立した。対数期増殖癌細胞を組織培養プレートから回収、洗浄し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.5、20mM)中に再懸濁した。6週齢の無胸腺ヌードBalb/cマウスにおいて、6×10細胞/0.3ml(PC−3、HepG2)、4×10細胞/0.3ml(LS180)、2×10細胞/0.3ml(HL60(s))又は8×10細胞/0.3ml(A−375)を脇腹領域の両側に皮下注射することにより、皮下腫瘍異種移植片を形成させた。
各インビボ腫瘍モデルについて、癌細胞播種から6日目に、癌保有マウス(腫瘍体積は約100mm)を各群で等しい頭数になるよう無作為に7〜8群に分別し、処理を開始した。
【0171】
ノバフェロン及びHuIFN−α2bをPBS溶液で処方した。PBSのみ、様々な用量のノバフェロン、又はHuIFN−α2bの毎日の皮下注射を、マウスの群分けの日から総計30日間(PC−3、HepG2、A−375)、28日間(LS180)、又は21日間(HL60(s))継続した。5−FUの処理については、30mg/kgの5−FUを2日に1回、合計5回静脈内投与した。群及び処理用量を以下にまとめる。
群1(対照):PBS、毎日
群2(低用量のノバフェロン):1.25μg/kg、毎日
群3(中用量のノバフェロン):12.5μg/kg、毎日
群4(高用量のノバフェロン):125μg/kg、毎日
群5(低用量のHuIFN−α2b):1.25μg/kg、毎日
群6(中用量のHuIFN−α2b):12.5μg/kg、毎日
群7(高用量のHuIFN−α2b):125μg/kg、毎日
群8(5−FU):30mg/kg、2日に1回、計5回静脈内投与
処理を開始してから、週に1度キャリパーで腫瘍を測定した。下記式を用いて腫瘍体積を算出した。体積=0.5×(幅)×(長さ)。処理中止の日(処理開始から30日後)にマウスを屠殺した。固形腫瘍を分離し、写真撮影して測定した。
【0172】
下記式を用いて増殖阻害率を算出した。阻害率=[1−T/C]×100%(式中、Tはノバフェロン、HuIFN−α2b、又は5−FU処理群の平均腫瘍重量、Cは対照群の処理後の平均腫瘍重量)。
【0173】
B.ヒト前立腺癌異種移植モデル
前立腺癌PC−3異種移植片を、1.25、12.5又は125μg/kgのノバフェロンの30日間の皮下注射で処理した。ノバフェロンはPC−3腫瘍増殖の強力な用量依存的阻害を示した(P<0.05)。図5及び下記表4に示されるように、ノバフェロン処理群におけるPC−3腫瘍増殖は、PBS処理対照群と比較してかなり抑制された。例えば、ノバフェロン処理群(125μg/kg)におけるPC−3異種移植腫瘍塊の平均重量は0.091±0.081gであり、対照動物の1.948±0.567gと比較して極めて有意に減少した(P<0.001)(表4)。言い換えると、125μg/kgの30日間の処理は、PC−3腫瘍増殖の95.3%の阻害を達成した(表4)。
【0174】
【表4】

Balb/cヌードマウスに6×10生PC−3細胞を皮下注射で導入した後、マウスをノバフェロン(1.25μg/kg、12.5μg/kg又は125μg/kg)の毎日の皮下注射により30日間処理した。結果を平均腫瘍体積(mm)で表した。図5は、PBS対照群と比較して、3種類のノバフェロン用量の全てがPC−3腫瘍増殖の用量依存的阻害を呈することを示した(P<0.05)。125μg/kgのノバフェロンは、同用量のHuIFN−α2bよりも遥かに強力な、又はほぼ完全なPC−3腫瘍増殖阻害を引き起こした(95.3%対75.6%、P<0.01)(表4)。
【0175】
高用量(125μg/kg)処理群において、ノバフェロン又はHuIFN−α2bのより長期間の処理が、腫瘍増殖阻害により大きな差異をもたらしたことは興味深い。28日目のノバフェロン処理群におけるPC−3腫瘍塊の平均体積が107.9±68.7mmであったのに対し、HuIFN−α2b処理群では620.7±296.6mm、30日目では122.1±100.7mmに対し691.9±428.3mm(P<0.001)であった。このことは、平均腫瘍重量が観察の終了後に検討された場合にも該当した(ノバフェロン高用量群0.091±0.081gに対し、HuIFN−α2b高用量群0.476±0.271グラム、P<0.001)。このことは、この異種移植モデルにおけるノバフェロンのこの用量でのより長期間の処理が、PC−3腫瘍増殖のさらに良好な、又は完全な阻害を呈し得ることを示唆している。
【0176】
C.ヒト肝臓癌異種移植モデル
ノバフェロンのインビボ抗腫瘍活性を、さらに肝臓癌Hep G2異種移植モデルについて評価した。ノバフェロンは対照群と比較してHep G2腫瘍増殖の有効な用量依存的阻害を示した(P<0.001)。PBS対照群の2125.8±743.1mmと比較して、ノバフェロン処理群(毎日1.25、12.5又は125μg/kgで30日間の皮下注射)における平均腫瘍体積は、それぞれ783.2±270.0、459.3±414.3、及び104.6±56.5mmであった。30日間の125μg/kgのノバフェロン処理はHep G2の最も高い阻害を達成し(96.6%)、HuIFN−α2bの125μg/kgよりも有意に高かった(89.2%、P<0.01)。この用量でのより長期間のノバフェロンの処理は、さらに良好な又は完全な阻害の傾向を示した。観察期間の終了時の平均腫瘍重量は、125μg/kgのノバフェロン処理群では0.074±0.083gであり、125μg/kgのHuIFN−α2b処理群よりも有意に小さかった(0.235±0.199グラム、P<0.001)(下記表5)。
【0177】
Balb/cヌードマウスに6×10生Hep G2細胞を皮下注射で導入した後、マウスをノバフェロン(1.25μg/kg、12.5μg/kg及び125μg/kg)の毎日の皮下注射により30日間処理した。結果を平均腫瘍体積(mm)で表した。図6は、PBS対照群と比較して、3種類のノバフェロン用量の全てでHep G2腫瘍増殖の用量依存的阻害を呈することを示した(P<0.001)。125μg/kgのノバフェロンは、同用量のHuIFN−α2bよりも遥かに強力な、又はほぼ完全なHep G2腫瘍増殖阻害を引き起こした(96.6%対89.2%、P<0.05)(表5)。
【0178】
【表5】

D.ヒト黒色腫異種移植モデル
ノバフェロンのインビボ抗腫瘍活性を、さらに悪性黒色腫A−375異種移植モデルにおいて評価した。A−375細胞株(ATCC番号CRL−1619)はヒト悪性固形腫瘍から得られた。ノバフェロンは対照群と比較してA−375腫瘍増殖の有効な用量依存的阻害を示した(P<0.001)。PBS対照群と比較すると、ノバフェロン処理群(毎日1.25、12.5又は125μg/kgで28日間の皮下注射)における阻害率は、それぞれ40.1%、75.0%、及び82.8%であった(P<0.001)(下記表6)。30日間の125μg/kgのノバフェロン処理はA−375の最も高い阻害を達成し(82.8%)、125μg/kgのHuIFN−α2bよりも有意に高かった(69.9%、P<0.001)。
【0179】
興味深いことに、ノバフェロンは化学療法剤5−FUよりも、より効果的な黒色腫細胞A−375の増殖の阻害を示した(表6)。例えば、30日目、12.5μg/kg又は125μg/kgのノバフェロンで処理された群の平均腫瘍重量は0.763±0.187(P<0.01)及び0.527±0.149(P<0.001)グラムであったのに対し、30mg/kgの5−FUで処理された群の平均腫瘍重量は1.004±0.105グラムであった(表6)。これは、ヒト黒色腫A−375の治療に対して、ノバフェロンが5−FUよりも効果的であり得ることを示している。
【0180】
Balb/cヌードマウスに8×10のA−375細胞を皮下注射で導入した後、マウスをノバフェロン(1.25μg/kg、12.5μg/kg及び125μg/kg)の毎日の皮下注射により28日間処理した。結果を平均腫瘍体積(mm)で表した。図7は、PBS対照群と比較して、3種類のノバフェロン用量の全てでA−375腫瘍増殖の用量依存的阻害を呈することを示した(P<0.001)。125μg/kgのノバフェロンは、同用量のHuIFN−α2bよりも強力なA−375腫瘍増殖阻害を引き起こした(82.8%対69.9%、P<0.001)(図7)。12.5μg/kg及び125μg/kgのノバフェロンは、両方とも、5−FU(67.2%)よりも高い腫瘍増殖の抑制を示した(それぞれ75.0%及び82.8%、P<0.01及びP<0.001)(図7)。
【0181】
【表6】

E.ヒト結腸癌異種移植モデル
ノバフェロンのインビボ抗腫瘍活性を、結腸癌LS180異種移植モデルにおいて評価した。LS180細胞株(ATCC番号CL−187)はヒト結腸癌から得られた。ノバフェロンは対照群と比較して結腸癌LS180腫瘍増殖の有効な用量依存的阻害を示した(P<0.001)。PBS対照群と比較すると、ノバフェロン処理群(毎日1.25、12.5又は125μg/kgで28日間の皮下注射)における阻害率は、それぞれ75.0%、80.5%、及び92.5%であった(P<0.001、下記表7)。28日間の125μg/kgのノバフェロン処理はLS180腫瘍増殖の最も高い阻害を達成し(92.5%)、125μg/kgのHuIFN−α2bよりも有意に高かった(82.3%、P<0.001)。
【0182】
28日間の処理に続き、平均腫瘍重量について、12.5μg/kgのノバフェロンがLS180癌異種移植片の増殖を50−FU(30mg/kg)と同様に阻害した(0.815±0.221グラム対0.758±0.227グラム)。125μg/kgのノバフェロンは、30mg/kgの5−FUよりもLS180の腫瘍増殖を有意に阻害した(92.5%対81.8%、P<0.001)(表7及び図8)。結腸癌の患者に対する標準的な化学療法における5−FUの日常的な臨床応用を考慮するに際し、これらの観察結果は極めて興味深い。動物モデルにおけるノバフェロンによるLS180腫瘍増殖のより良好な抑制は、ノバフェロンが臨床において非常に効果的な抗結腸癌剤として作用する可能性を有することを示している。
【0183】
Balb/cヌードマウスに4×101LS180細胞を皮下注射で導入した後、マウスをノバフェロン(1.25μg/kg、12.5μg/kg及び125μg/kg)の毎日の皮下注射により28日間処理した。結果を平均腫瘍体積(mm)で表した。図8は、PBS対照群と比較して、3種類のノバフェロン用量の全てでLS180腫瘍増殖の用量依存的阻害を呈することを示した(P<0.001)。125μg/kgのノバフェロンは、同用量のHuIFN−α2bよりも強力なLS180腫瘍増殖阻害を引き起こした(92.5%対82.3%、P<0.001)(表7)。1.25μg/kg及び12.5μg/kgのノバフェロンは両方とも、5−FU(81.8%)と同様の腫瘍増殖の抑制を達成した(それぞれ75.0%及び80.5%)(表7、図8)。しかし、125μg/kgのノバフェロンは、5−FUよりも遥かに高いLS180腫瘍増殖の阻害を呈した(92.5%対81.8%、P<0.001)。
【0184】
【表7】

F.ヒト白血病異種移植モデル
ノバフェロンのインビボ抗腫瘍活性を、さらにHL60(s)リンパ性白血病異種移植モデルにおいて評価した。ノバフェロンは対照群と比較してHL60(s)腫瘍増殖の有効な用量依存的阻害を呈した(P<0.001)。PBS対照群と比較すると、ノバフェロン処理群(毎日1.25、12.5又は125μg/kgで28日間の皮下注射)における阻害率は、それぞれ43.8%、55.2%、及び80.4%であった(P<0.001、下記表8)。21日間の125μg/kgのノバフェロン処理はHL60(s)腫瘍増殖の最も高い阻害を達成し(80.4%)、125μg/kgのHuIFN−α2bよりも有意に高かった(69.8%、P<0.05)。
【0185】
Balb/cヌードマウスに2×10生HL60(s)細胞を皮下注射で導入した後、マウスをノバフェロン(1.25μg/kg、12.5μg/kg及び125μg/kg)の毎日の皮下注射により21日間処理した。結果を平均腫瘍体積(mm)で表した。図9は、PBS対照群と比較して、3種類のノバフェロン用量の全てでLS180腫瘍増殖の用量依存的阻害を呈することを示した(P<0.001)。125μg/kgのノバフェロンは、同用量のHuIFN−α2bよりも強力なLS180腫瘍増殖阻害を引き起こし(80.4%対69.8%、P<0.05)、5−FUと比較して同様の抑制を示した(図9、表8)。
【0186】
【表8】

G.ノバフェロン処理中のマウスの一般条件
ヒト癌の様々な異種移植片を伴うマウスを、ノバフェロン、HuIFN−α2b又は5−FU処理の期間中注意深く観察した。5−FU処理群とは異なり、全てのノバフェロン又はHuIFN−α2b処理群のマウスは正常に摂食及び行動し、体重の減少はなかった。5−FU処理マウスは摂食及び行動の特徴的変化及び体重の減少を示した。これらの観察結果が示すことは、ノバフェロンが異種移植動物モデルにおいて5−FUと同様の、又はさらに良好な抗癌性を示すと同時に、癌細胞の阻害に対してより特異的であり、かつ正常細胞及び/又は生理的機能に対する影響が遥かに小さい可能性があるということである。これらはヒトへの応用においてより優れた耐性及び治療効果につながるかもしれない。
【0187】
上記の開示に照らし、当業者には明らかであろうが、本発明の実施において、その趣旨又は範囲を逸脱することなく、多くの変更及び変形が可能である。したがって、本発明の範囲は添付の請求項に定義される内容に従って解釈される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトインターフェロン様生物学的活性を有するタンパク質をエンコードする分離されたポリヌクレオチドにおいて、それぞれ配列番号1と少なくとも93%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドからなる群より選択されるポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記配列は配列番号1と少なくとも95%同一である請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記配列は配列番号1と少なくとも98%同一である請求項2に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記タンパク質は非自然発生するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記タンパク質は、ヒトインターフェロンアルファ2b(HuIFN−α2b)と比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有する請求項4に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも2倍高い抗ウイルス活性を有する請求項5に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも10倍高い抗増殖活性を有する請求項5に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。
【請求項9】
請求項8に記載の組換えベクターを含有する宿主細胞。
【請求項10】
ヒトインターフェロン様生物学的活性を示す非自然発生タンパク質において、それぞれ配列番号2と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質からなる群より選択されるタンパク質。
【請求項11】
前記配列は配列番号2と少なくとも90%同一である請求項10に記載のタンパク質。
【請求項12】
前記配列は配列番号2と少なくとも95%同一である請求項10に記載のタンパク質。
【請求項13】
前記タンパク質は、ヒトインターフェロンアルファ2b(HuIFN−α2b)と比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有する請求項10〜12のいずれか1項に記載のタンパク質。
【請求項14】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも2倍高い抗ウイルス活性を有する請求項13に記載のタンパク質。
【請求項15】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも5倍高い抗ウイルス活性を有する請求項14に記載のタンパク質。
【請求項16】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも10倍高い抗ウイルス活性を有する請求項15に記載のタンパク質。
【請求項17】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも10倍高い抗増殖活性を有する請求項13に記載のタンパク質。
【請求項18】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも50倍高い抗増殖活性を有する請求項17に記載のタンパク質。
【請求項19】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも100倍高い抗増殖活性を有する請求項18に記載のタンパク質。
【請求項20】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも200倍高い抗増殖活性を有する請求項19に記載のタンパク質。
【請求項21】
前記タンパク質は組換え体である請求項10に記載のタンパク質。
【請求項22】
前記タンパク質は約19315ダルトンの分子量である請求項10に記載のタンパク質。
【請求項23】
任意でN末端にメチオニン残基を有する請求項10に記載のタンパク質。
【請求項24】
配列番号2と0〜25アミノ酸が異なる配列を有し、ヒトインターフェロン様生物学的活性を示す非自然発生タンパク質。
【請求項25】
前記タンパク質は、ヒトインターフェロンアルファ2b(HuIFN−α2b)と比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有する請求項24に記載のタンパク質。
【請求項26】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも2倍高い抗ウイルス活性を有する請求項25に記載のタンパク質。
【請求項27】
前記タンパク質は、HuIFN−α2bよりも少なくとも10倍高い抗増殖活性を有する請求項25に記載のタンパク質。
【請求項28】
前記タンパク質はインターフェロン類似体である請求項24に記載のタンパク質。
【請求項29】
前記タンパク質は組換え体である請求項24に記載のタンパク質。
【請求項30】
請求項10に記載のタンパク質の断片を含み、前記断片はヒトインターフェロン様生物学的活性を示すポリペプチド。
【請求項31】
別の部分に結合された請求項10に記載のタンパク質を含み、前記ヒトインターフェロン様生物学的活性を示すタンパク質構築物。
【請求項32】
前記タンパク質はグリコシル化される請求項31に記載のタンパク質構築物。
【請求項33】
前記部分はポリペプチドである請求項31に記載のタンパク質構築物。
【請求項34】
前記部分は非ポリペプチドである請求項31に記載のタンパク質構築物。
【請求項35】
前記部分はポリマー分子である請求項34に記載のタンパク質構築物。
【請求項36】
前記ポリマー分子は、直鎖状又は分岐状のポリエチレングリコールである請求項35に記載のタンパク質構築物。
【請求項37】
前記部分はラベル分子である請求項31に記載のタンパク質構築物。
【請求項38】
請求項10に記載のタンパク質及び製剤学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤からなる組成物。
【請求項39】
請求項10に記載のタンパク質をエンコードするポリヌクレオチド。
【請求項40】
抗ウイルス剤としての請求項10に記載のタンパク質の使用方法。
【請求項41】
抗増殖剤としての請求項10に記載のタンパク質の使用方法。
【請求項42】
抗癌剤としての請求項10に記載のタンパク質の使用方法。
【請求項43】
免疫調節剤としての請求項10に記載のタンパク質の使用方法。
【請求項44】
治療を必要とする患者に対し、治療有効量の請求項10に記載のタンパク質を投与することからなる癌の治療方法。
【請求項45】
治療を必要とする患者に対し、治療有効量の請求項10に記載のタンパク質を投与することからなるウイルス性疾患の治療方法。
【請求項46】
前記患者はヒトである請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記タンパク質は製剤学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と共に投与される請求項44又は45に記載の方法。
【請求項48】
治療を必要とする患者に治療有効量の請求項10に記載のタンパク質を投与することからなるインターフェロン療法に反応性である病気の治療方法。
【請求項49】
前記タンパク質は幅広い様々な種類の癌に対して治療効果があり、前記癌は黒色腫、結腸直腸腺癌、肝細胞癌、肝臓癌、リンパ腫、前立腺癌、胃腺癌、食道癌、肺癌、子宮頸部腺癌、及び頸癌からなる群より選択される請求項44に記載の方法。
【請求項50】
ヒトインターフェロン様生物学的活性を示す非自然発生タンパク質において、配列番号2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有すると共に、HuIFN−α2bと比較して高められた抗ウイルス及び抗増殖活性を有するタンパク質。
【請求項51】
請求項50に記載のタンパク質をエンコードするポリヌクレオチド。
【請求項52】
請求項50に記載のタンパク質を有する組成物。
【請求項53】
ヒトインターフェロン様生物学的活性を示す配列番号2のアミノ酸配列又はその断片を有するタンパク質。
【請求項54】
請求項53に記載のタンパク質をエンコードするポリヌクレオチド。
【請求項55】
配列番号3〜17のポリヌクレオチドからなる群より選択されるポリヌクレオチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−515466(P2010−515466A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545766(P2009−545766)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001123
【国際公開番号】WO2008/154719
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(508218039)ノバジェン ホールディング コーポレイション (3)
【氏名又は名称原語表記】NOVAGEN HOLDING CORPORATION
【Fターム(参考)】