組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質及びその薬物組成物
本発明は、白血球阻害因子、トロンビン活性部位を特異的に識別できるペプチドFPRP、ヒルゲンを含むキメラタンパク質、ならびに脳損傷、脳水腫、血小板凝集を治療又は予防できる当該キメラタンパク質を含有する薬物組成物を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質(TNHH)、それをコードするポリヌクレオチド配列、当該ヌクレオチド配列を含有する組換えベクター、当該ベクターにより形質転換された微生物、ならびに当該組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含有する薬物組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
心疾患・脳血管疾患は、現在人類の健康に関わる主な疾患の一つであり、その中、脳卒中により引き起こした死亡率が極めて高く、発症した後の主な表現は、(1)脳内血腫を形成する;(2)脳血栓を形成する;(3)脳虚血;(4)脳水腫が発生する。現在、以上のいくつかの病理変化は、白血球浸潤、トロンビン活性化と微小循環障害に係ると考えられる。現在、白血球阻害因子とヒルディンは、それぞれ白血球浸潤及びトロンビン活性化を阻害し得ることが知られている(Moyle M et al:US5789175; Madden K et al, Inflamm Res 1997,46(6): 216-223; Masadda T.et al, Brain Res, 2000, 867(2):173-179.)。白血球阻害因子(NIF)は、257アミノ酸により組成され、7つグリコシル化部位を含有し、遺伝子工学の組換えにより脱グリコシル化されたNIFが、同様に生物活性を有することが証明される。白血球阻害因子は、好中球の活性を有効に阻害することができ、内皮細胞との粘着、過酸化水素とスーパーオキシドイオンの放出、好中球走化、集合と貧食機能等を含む(Moyle M et al:J Biol chem 1994,269(13):10008-10015)。NIFは以上の効能を有することに鑑みて、組換えNIFを利用し、動物モデルにおいて臨床の利用価値を有することが証明され、虚血性神経損傷(ラットMCAOモデル)を防止と治療ができ、脳損傷の血液供給の改善、脳組織の損傷面積の低減効果を有する (Zhang L et al:stroke. 2003,34(7): 1790-1795) 。
【0003】
ヒルディンの構造と機能に対する研究に基づいて、C側の12ペプチド(すなわち53〜64番)が、ヒルディンの抗トロンビン活性のすべての機能を有することを見出した(Naski MC.etal:J Biocchem.1990, 265(23): 13484-13489; Maraganore J metal:Biochemistry.1990, 29(30): 7095-7101)。これを基に12ペプチドが人工的に合成され、ヒルゲン(Hirugen)に命名し、ヒルゲンがトロンビンの陰イオンの結合領域に結合され、触媒部位領域とフィブリンに結合することができないが、トロンビンがフィブリンに結合することができるため、当該ヒルゲンがトロンビンと特異的に結合することができなく、すなわち、トロンビンに対する標的指向性に欠けていることが証明される。しかしながら、ヒルゲンが体内外において、同様にトロンビンがフィブリノーゲンを形質転換してフィブリンになることを阻害する機能を有し、APTT、PTとTTの時間を延長させ、抗凝固作用を発揮する。
【0004】
以上の病理ならびにNIFとヒルゲンの生物活性に基づいて、中国特許出願(出願番号:031011551)には、白血球阻害因子とヒルゲンが遺伝子工学組換え技術により形成された双機能キメラタンパク質(NIF-Hirudin Hybrid、NHHに略称される)を開示し、当該キメラタンパク質の構造は以下になる:白血球阻害因子-(Gly)5-ヒルゲン。当該NHHが274アミノ酸によりからなり、好中球の粘着と活性化を阻害、及びトロンビン活性を阻害する機能を有し、急性脳血管性疾患の治療に適用する。しかし、上記NHH中のヒルゲンが触媒部位領域と結合できないため、当該NHHがヒルゲンと同じ、トロンビンに対する標的指向性に欠けて、それが心疾患・脳血管疾患での治療面の効果を大幅に抑制した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明内容
従来技術の欠点を克服するために、本発明は、新たなトロンビン活性を標的に阻害することができる組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を提供することを目的とし、心疾患・脳血管疾患の治療効果、例えば、脳卒中の治療効果を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の第一の点としては、組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質(TNHH)を提供し、それが以下の構造を有する:Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン、その中、架橋領域1が5〜15個グリシン、好ましくは5〜10個グリシンであり、架橋領域2が(GSGG)nで、nは1〜3である。
【0007】
本発明の第二の点としては、当該組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を提供することである。
本発明の第三の点としては、上記ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターを提供することである。
【0008】
本発明の第四の点としては、上記発現ベクターを含有する微生物を提供することである。
【0009】
本発明の第五の点としては、本発明の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質が含まれている薬物組成物を提供することである。
【0010】
本発明のTNHH の構造が:Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンである。好ましくは、TNHH中の架橋領域1が5〜15のグリシンであり、さらに好ましくは、5つのグリシンである;架橋領域2(GSGG)n、nが1〜3であり,nがさらに好ましくは1である。FPRP中のフェニルアラニン(F)が、好ましくはL型であり、Metがメチオニンである。好ましいキメラタンパク質が:Met-NIF(257)-(Gly)5-FPRPGSGG-Hirugenで、その中、FPRP中のフェニルアラニン(F)がL型である。
【0011】
また、本発明のTNHHが、上記Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンアミノ酸配列又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンアミノ酸配列と約80%又は約80%以上、好ましくは90%又は90%以上の同一性を有するアミノ酸配列且つ心疾患・脳血管疾患(例えば、脳卒中)を治療する活性を有するタンパク質を含む。上記同一性の数値が、一般的に大きな数値を好ましい。その中、アミノ酸配列の同一性が、Karlin 及びAltschul のBLASTアルゴリズム Algorithm(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268, 1990; Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873, 1993)を使用して決定される。
【0012】
本発明のTNHH中のFPRP構造が、特異的にフィブリンと結合することができ、TNHHをトロンビン活性の阻害と心疾患・脳血管疾患の治療面において、標的指向性を有する。
【0013】
また、本発明のTNHHが、心疾患・脳血管疾患の治療又は予防において優れた性能を有し、例えば、脳虚血損傷又は脳内血腫の治療又は予防、ならびに血小板凝集の阻害又は末梢血液白血球活性化の抑制において、顕著な進歩を有する。上記に記載の心疾患・脳血管疾患が、好ましくは脳卒中である。
【0014】
前記TNHHを得るために、本発明は以下の工程を採用する:(1)GeneBank中のNIFのcDNAならびにヒルゲンの12ペプチドにより推定されたコドン配列に基づいて、大腸菌又は酵母又はCHO発現のコドンバイアス原則に結合して、NHHに対応する人工合成に使われるcDNA配列を設計する;(2)上記設計されたcDNA塩基配列に基づき、いくつの相補オーバーラップしたプライマー対を設計し、再帰型PCR(recursive PCR)法を用いて、設計された塩基配列を増幅させ、pUC57シークエンス用プラスミドを挿入し、全自動DNAシーケンサー(ABI)により、人工合成されたcDNA断片の塩基配列が設計された配列と一致することがシークエンスして決定される;(3)上記(2)に設計された塩基配列を含有するpUC57を鋳型とし、プライマーを設計してTNHH遺伝子を増幅させ、且つ、発現ベクターに挿入しやすいために、ならびに発現ベクターが宿主細胞中で発現させるために、増幅された後の遺伝子の両側には、それぞれ消化部位が含まれ、末端の消化部位の前にターミネーターを含有し、好ましくは、TAATGAのターミネーターを含有する。その中、好ましくは、原核発現ベクターのpET-3cに挿入しやすいために、両側にそれぞれNdeIとBanHIを挿入する;(4)増幅されたTNHHの両側にはそれぞれ消化部位を含有するため、同様な消化部位を含有するシークエンス用プラスミドを用いて、増幅されたTNHH遺伝子と設計された遺伝子とは完全一致することを検定した後、TNHH遺伝子の正確な配列のシークエンス用プラスミドならびに発現ベクターを消化し、発現ベクターをTNHH遺伝子と連結させ、TNHH遺伝子を含有する発現ベクターが得られる;(5)得られたTNHH遺伝子を含有する発現ベクターを宿主細胞に形質転換し、形質転換された宿主細胞がシークエンス分析され、目的遺伝子を正確にベクターにインサートさせ、且つ目的遺伝子配列が設計されたものと同様である。TNHHタンパク質を宿主細胞において発現させ、最後に菌体から抽出精製してTNHHタンパク質が得られる。TNHHタンパク質配列が、NIFヒンジ領域とHirugenにより構成され、その中、NIF配列がN末端側に位置し、274アミノ酸によりからなる。実施例1-7に基づいて調製された組換えTNHHの発現ベクターが大腸菌発現のPET系である。原核生物の発現組換えTNHHにおいて、その5′側のATG開始コドンは、コードされ翻訳されてメチオニン(met)になる。従って、大腸菌において、TNHHを発現して調製してなる組換え産物がmet-TNHHである。真核発現系、例えば、酵母、哺乳動物細胞(CHO)等を利用して、同様なTNHHポリヌクレオチド配列を採用し、発現して調製してなるTNHH組換え産物のN末端側にはmetを持たない。本発明に提供されたTNHHアミノ酸配列が原核と真核生物により発現され、得られた組換え産物TNHHがN末端側にmetを持っているかどうか、そのTNHHの生物作用と薬効・機能に影響しない。
【0015】
また、本発明は、上記組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を提供し、その中、好ましくは、ポリヌクレオチドがSEQ ID NO. 2(配列番号2)である。
【0016】
本発明により提供された前記ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターが、pET系を好ましい。
【0017】
本発明により提供された前記発現ベクターを含有する宿主細胞が、大腸菌、酵母細胞とCHO細胞等を含み、好ましくは大腸菌である。
【0018】
本発明の薬物組成物が如何なる通常の剤型であってもよいし、各種の通常な投与方式により投与することができる。好ましい投与方式が胃腸外投薬であり、適用できる剤型が、例えば、注射剤型であり、注射液と凍結乾燥粉末等の形を含む。注射剤型を調製する時、本発明のTNHHに一定量の無機塩又はアミノ酸を添加して緩衝し、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジン、その中、塩は主にナトリウム塩であり、そのイオン強度が5−100mmol/Lの間である。薬物組成物のpHが、5.0-9.0の間に維持される。当該組成物中、タンパク質保護剤、例えば、アルブミン、ゼラチン、多糖、デンプン、グリセリン等を加えることができる。その中、多糖が、好ましくはマンニトール、ショ糖、トレハロース中の一種又は数種であり、その割合(g/ml)が2.0−6.0%である。
【0019】
本発明により提供された前記組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含む薬物組成物が、心疾患・脳血管疾患、特に脳卒中を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】PCRにより増幅された各DNA断片であり、その中:M. 100 bp DNA Ladder Marker;1. Hirulog遺伝子(70 bp);2. NIF遺伝子(810 bp); 3. TNHH遺伝子(870 bp)である。
【図2】pLEX-TNHH、pLEXとpET3cプラスミドの消化同定であり、その中:M1. λDNA /Hind III+EcoRI digest;1. pLEX-TNHH / NdeI+BamHI;2. pLEX / NdeI+BamHI;3. pET3c / NdeI+BamHI; M2. 100 bp DNA Ladder Markerである。
【図3】発現組換えプラスミドpET3-TNHHの構築である。
【図4】組換えプラスミドpET3-TNHHの同定であり、その中:M. λDNA /Hind III+EcoRI消化;1. pET3c / NdeI+BamHIである。2-3.pET3-TNHH / NdeI+BamHI;4. TNHH遺伝子のPCR断片である。
【図5】TNHHの免疫ブロット同定であり、その中:M.タンパク質の分子量Marker;1. 精製されたTNHH;2. Hirudin;1'. TNHHの免疫ブロット;2'. Hirudinの免疫ブロットである。
【図6】正常対照群の大脳皮質神経細胞の層構造がはっきりし、細胞核濃染、細胞体が縮化又は消失する。
【図7】モデル群の大脳皮質神経細胞の層構造が乱れ、細胞核濃染、細胞体が縮化又は消失する。
【図8】NIF群の大脳皮質神経細胞の層構造が規則性に欠け、部分的な細胞核濃染、部分的な細胞体が縮化又は消失する。
【図9】NHH群の大脳皮質神経細胞の層構造が規則性に欠け、部分的な細胞核濃染、部分的な細胞体が縮化又は消失する。
【図10】TNHH群の大脳皮質神経細胞の層構造の規則性があり、部分的細胞核濃染を見かけ、部分的細胞体が縮化又は消失(HE 10X10)することを見かけることができる。
【図11】TNHH群の大脳皮質神経細胞構造の層構造の規則性があり、部分的細胞核濃染を見かけ、部分的細胞体縮化又は消失(HE 40X10)することを見かけることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、具体的な実施例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の保護範囲が以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0022】
実施例1 NHH遺伝子の取得
上海生物工程有限公司に委託して全遺伝子の人工合成を行い、その設計案が以下になる:
NHHにより設計された全遺伝子配列(Seq ID No.1)に基づいて、14のオリゴヌクレオチド断片を合成し、長さが80〜130bpの間である。その中、1、3、5、7、9、11、13の断片がセンス断片であり、2、4、6、8、10、12、14がアンチセンス断片である。隣接の2つ断片の間に20前後の塩基配列の相補区を設計する。以上の断片を合成して精製した後、等量混合により再帰型PCR(recursive PCR)の基質として、PCR反応をした後、822bpのNHH遺伝子が取得された。
【0023】
NHH遺伝子配列の前端にKex2部位を付加し、当該部位の開始の6塩基がXhoI部位であり、NHH後に2つ終止コドンがあり、終止コドンの後にXbaI部位が付いていた。
【0024】
合成されたNHH全遺伝子配列が、以下(SEQ ID NO. 1)に示す:
【化1】
合成遺伝子がpUC57プラスミドにインサートし、且つpUC57-NHHに命名される。当該NHH遺伝子がpPIC9Kと組換えプラスミドを構築することに用いられ、直線化した後、宿主菌のメタノール資化性酵母(Pichia pastoris)内に組換え、誘導発現させ、組換えNHHを調製して、本製品の動物モデル対照としてタンパク質を選抜した。
【0025】
実施例2 TNHH遺伝子の取得
本実施例において、設計されたTNHHがMet-NIF-GGGGG-FPRPGSGG-ヒルゲン構造を有し、その対応するポリヌクレオチド配列が以下(SEQ ID NO.2)に示す:
【0026】
【化2】
TNHH遺伝子が以下の工程により得られる:
4つのプライマーP1、P2、P3とP4を合成し、組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型として、プライマーP1、P2を用いてNIF遺伝子(尾部にはFPRPをコードする塩基配列を持っている)を増幅させ、プライマーP3、P4を用いて、Hirulog遺伝子(頭部にはFPRPをコードする塩基配列を持っている)を増幅させ、さらにNIF遺伝子及びHirulog遺伝子を鋳型として、プライマーP3、P4を用いてTNHH遺伝子を増幅させた。増幅されたTNHH遺伝子の頭部と尾部には、それぞれNdeIとBamHIサイトを付加し、原核発現ベクターpET-3cを挿入しやすくする。プライマー配列が以下(P1、P2、P3とP4がそれぞれSEQ ID NO.4、5、6と7である)に示す:
【化3】
CATATG:NdeIサイト;GGA TCC:BamHIサイト;枠内の塩基がアミノ酸配列FPRPをコードする;下線における塩基がアミノ酸配列GGGGG又はGSGGをコードする。
【0027】
オーバーラップ伸長PCR法を利用してTNHH目的遺伝子を増幅させる反応系が以下になる:各PCRの反応系が、PCR反応キット(TaKaRa、大連)を使用して、メーカーの説明書の通り設置した(表1)。
【0028】
組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型とし、P1、P2をプライマーとして、810 bpのNIF遺伝子を増幅させた(図1ライン2)。組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型とし、P3、P4をプライマーとして、70 bp のヒルゲン遺伝子を増幅させる(図1ライン1)。ゲルで回収されたNIF遺伝子とヒルゲン遺伝子を鋳型とし、P1、P4をプライマーとして、最終に870 bp のTNHH遺伝子を増幅させた(図1 ライン3)。
【表1】
反応系を均一に振動混合させ、遠心分離処理した後、40 μlミネラルオイルを添加した。
【0029】
反応パラメーターが以下に示す:
【化4】
反応が終了した後、反応産物3 μlを採り、1.0%アガロースゲル電気泳動でPCR効果を検出した(図1)。
【0030】
PCR結果により、各ステップのPCRが目的DNA断片を成功に増幅させ、TNHH遺伝子が初歩的に得られ、配列が正確かどうかを以下のように同定する:TNHH遺伝子及びベクターpLEX(Invitrogen)をNdeIとBamHIで二重消化した後、目的断片を回収し、T4 DNAリカーゼで連結して組換えプラスミドpLEX-TNHHを形成し、DNAシークエンス(TaKaRa、大連)された後、増幅されたTNHH遺伝子が設計されたものと完全に一致したことが示唆された。
【0031】
実施例3 組換えプラスミドの構築
1.主要材料
宿主菌E.coli BL21(DE3)pLysS、E.coli DH5α、プラスミドpET3c(Novagen)、DNA抽出精製キット(上海華舜生物工程有限公司)、λDNA/Hind III+EcoRI Marker(華美)、工具酵素NdeI、BamHI、Hind III、DNA Ladder Marker、DNA Recovery KitとDNA Ligation Kit Ver.2.1(TaKaRa、大連)、抗生物質 Ampicillin、Streptomycin、Tetracycline、Kanamycin (AMRESCO)。
【0032】
2.方法
pLEX-TNHHが2つ制限酵素NdeI、BamHIにより二重消化された後、目的断片を回収し、TNHH遺伝子とNdeI、BamHIにより二重消化されたpET3cプラスミド大断片とをDNA Ligation Kitで連結された。CaCl2法を使用してコンピテント形質転換E.coli DH5αを調製し、アンピシリン100 mg/Lを含有するLBプレートに均一に塗布し、37 ℃のインキュベーターで12 hインキュベーションさせ、乳色で半透明なシングルコロニーが生まれ、滅菌爪楊枝でシングルコロニーをピッキングして、Ampicillin 100 mg/Lを含有するLB液体培地で培養した後プラスミドを抽出し、NdeI、BamHIで二重消化することによりキメラになった860 bp断片の発現プラスミドpET3-TNHHをスクリーニングした。
【0033】
(1)プラスミド抽出
DNA抽出精製キットのマニュアルに基づいて行った。
【0034】
(2)消化
それぞれpLEX-TNHHプラスミドとpET3cプラスミドの消化反応を行った。反応系が以下になる:0.5 μgプラスミドDNA、BamHI 1.0ユニット、NdeI 1.0ユニット、10倍の酵素反応バッファー2.0μl、反応系の総体積20 μlまで脱イオン水(DDW)を入れた。37℃のインキュベーターで2 h消化され、1 μlずつ採り、1% アガロースゲル電気泳動を行った。pLEX-TNHH消化後、一つ860 bpバンドと一つ2900 bp バンドが示され、pET3cが一つ4600 bpバンドが示された(図2)。
【0035】
(3)pET-3cとTNHH遺伝子の連結
上記の消化サンプルを全部ゲル回収電気泳動を行い、DNA Recovery Kitのマニュアルに基づき、pLEX-TNHH消化後の目的断片と直線化されたpET-3cを回収し、回収された直線化pET-3cと目的断片をDNA Ligation Kitのマニュアルに基づき、16 ℃で30 min連結させ、pET3-TNHH(図3)が得られた。
【0036】
(4)コンピテントセルの調製及び形質転換
通常の塩化カルシウム法で、E.coli DH5αとE.coli BL21(DE3)pLysSコンピテントセルの調製とpET3-TNHHの形質転換を行った(《分子クローンマニュアル》第二版,P55)。
【0037】
実施例4
1.連結と形質転換
pET3-TNHHの陽性連結液(positive ligation solution)及び陰性連結液(negative ligation solution)をそれぞれE.coli DH5αに形質転換し、それぞれ100 mg/L Ampicillinを含む2つのLBプレートに塗布され、37 ℃で12 h恒温培養し、陰性プレートに5つのシングルコロニーが生まれたが、陽性プレートには100個前後のシングルコロニーが生まれ、連結と形質転換が成功したことが証明され、その形態特徴が大腸菌の典型的な表現である。
【0038】
2.組換え発現プラスミドpET3-TNHHの消化同定
滅菌爪楊枝で陽性プレートにおける2つのシングルコロニーをピッキングし、100 mg/L Ampicillinを含有するLB液体培地で37 ℃、12 h培養した後、組換え発現プラスミドpET3-TNHHを抽出し、NdeIとBamHIにより二重消化され、結果としては、4600 bpと860 bp (当該断片がTNHH PCR産物で対照とする)の2つ断片が呈示され、設計されたものと完全一致した(図4)。
【0039】
3.組換え発現プラスミドpET3-TNHHのシークエンス同定
pET3-TNHH / E.coliDH5αからプラスミドpET3-TNHHを抽出し、消化されることにより正確に同定された後、一部を採り、宝生物工程(大連)有限公司にシークエンスを寄託した。シークエンスの結果により、得られた発現プラスミドに含まれているTNHH配列があらかじめ設計された配列と一致したことが示唆された。
【0040】
実施例5 TNHHの抽出と精製
pET3-TNHH/BL21(DE3)pLysS工学菌をLB培地(100μg/ml Ampを含む)に接種し、30℃、250rpmで1.5〜3hr培養して、OD値が0.4〜0.6である場合、最終濃度0.5mM までIPTGを添加して3〜4hr誘導を行い、コロニーを回収して、TNHHを胞壁破壊して、抽出して精製した。
【0041】
具体的な工程が以下になる:
【化5−1】
【化5−2】
その後、上記得られたTNHH原液を10mmol/L PB(pH7.5) で希釈させ、TNHHタンパク質濃度を3.0mg/mlに達した後、マンニトール4.0%を添加し、さらに低温で凍結乾燥して完成品になる。
【0042】
実施例6 TNHH原液の免疫ブロット同定ならびにシークエンス同定。
精製されたTNHHを同じ注入量でSDS-PAGEゲル電気泳動した後、さらに電気転写器(electron-transferring apparatus)でニトロセルロースメンブレンに転写させ、ネズミ抗ヒルディン(Hirudin)抗体(一回抗体)と結合させ、さらにヒツジ抗ネズミIgG-HRP(ニ次抗体)と結合させた後、基質の呈色反応により免疫ブロット法による同定された(図5)。
【0043】
図5から見られ、TNHH内において、抗Hirudin抗体と特異的結合された成分が示され、これは設計されたHV2抗原エピトープが十分暴露され、抗体で特異的結合されることが示唆された。
【0044】
得られたTNHHのアミノ酸N側のシークエンス結果は、MNEHNLRCPQNGTEMであり、C側のシークエンス結果はEYLであり、設計された配列
【化6】
のN側配列とC側配列と完全に一致し、DNAシークエンス結果を結合して、TNHHのアミノ酸配列が設計されたものと完全に一致することが示唆された。
【0045】
その中、(Gly)5の前のアミノ酸配列がNIFであり、NGDFEEIPEEYLがヒルゲンのアミノ酸配列である。
【0046】
以上により、得られたTNHHが以下の構造:Met-NIF-GGGGG-FPRPGSGG-ヒルゲンを有する。
【0047】
実施例7 架橋領域1(Gly)15と架橋領域2(GSGG)3が含まれるTNHHの調製
PCR技術によって、TNHHの遺伝子の架橋領域1と架橋領域2をNIF−(Gly)15−FPRF−(GSGG)3−Hirogenの形に換えた。
【0048】
2対のプライマー配列が合成された:
【化7】
その中、枠内の塩基によりコードされたアミノ酸配列がFPRPであり、P6下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(Gly)15であり、P7下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(GSGG)3である。
【0049】
TNHH ポリヌクレオチド遺伝子を鋳型とし、実施例2、3、4、5の方法に基づいて、PCRを行って目的遺伝子が得られ、組換えプラスミドを構築し、連結と形質転換ならびに同定を行い、抽出と分離、精製を行った。
【0050】
得られた組換えTNHHがTNHH−G15/n3と命名された。
【0051】
インビトロ分析により比較して研究し、TNHH-G15/n3とTNHHのトロンビン活性の阻害及び白血球粘着阻止活性と一致していることが証明された。
【0052】
2対のプライマー配列が合成された:
【化8】
その中、枠内の塩基によりコードされたアミノ酸配列がFPRPであり、P6下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(Gly)15であり、P7下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(GSGG)3である。
【表2】
【0053】
実施例8 TNHHの薬物組成物製剤
8.1 注射液
実施例5で調製されたTNHH組換えタンパク質原液が、以下の配合処方で薬物組成物注射液を調製し、その中、TNHHの濃度が最終濃度である。
【表3】
【0054】
8.2凍結乾燥粉末
実施例5で調製して得られた組換えタンパク質TNHH原液が、以下の配合処方で凍結乾燥粉末に調製してなり、その中、TNHHの含有量が最終含有量である。
【表4】
上記の実施例8中の調製工程が、通常注射液と凍結乾燥粉末の調製工程とおり調製される。
【0055】
以下の実施例が、本発明のTNHHの生物活性に対する測定の実験例であり、実験に使われているすべてのTNHHサンプルが実施例5に調製されたTNHH完成品である;NIFとNHH が、重慶富進生物医薬有限公司によって中国特許出願番号031011551に基づいて調製された。
【0056】
実施例9 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血損傷に及ぼす治療作用の比較
1.材料
薬物:試薬NIF、NHHとTNHH。
試薬:塩化トリフェニルテトラゾリウム(Triphenyltetrazolium chloride)(TTC)、中国医薬集団上海化学試薬公司より購入され、ロット番号:F20020610である;APTTキットが上海太陽生物技術公司より購入され、ロット番号:国薬器械(進)字2002第3401632番である。
動物:Wistarラット24匹、雄性、180〜230 g、重慶医科大学動物試験センターにより提供された。
【0057】
2.方法
Wistarラットをランダムに四群に分けられ、モデル群、NHH群、NIF群とTNHH群であり、一群ずつ6匹である。各Wistarラットが、10%トリクロロアセトアルデヒド一水和物(chloral hydrate)(350 mg/kg,ip)で麻酔した。そのラットを上を向いて寝かせて固定させ、頚の真中から切って皮膚を切り開けて、右側の総頚動脈を鈍性分離し、線2本を引いて游離させて用意した。さらに外頚動脈を分離して結紮した。外頚動脈の下で、内頚動脈及び翼口蓋動脈を分離し、翼口蓋動脈を結紮した。分離された総頸動脈の心臓に接近している側と心臓に遠く離れている側を動脈クリップで閉鎖させ、外頚動脈に小さな切口を切り、一つナイロンバー(Φ = 0.22〜0.30 mm)を切口に挿入し、前脳動脈(約20 mm)までゆっくり推進し、再び約2 mmぐらい引き戻り、大脳中の動脈口に達し、長さが約17 mmであり、7番線でナイロンバーを結紮して固定させ、動脈クリップを外し、筋肉と皮膚を縫い合わせ、手術の後、大きめのケージで単独に飼養した。動物が覚醒した後、行為学の評点が11点より低い場合、モデル成功の標識になる。1群ずつの動物モデルの成功後(動物麻酔して覚醒した後、行為学の評点が11点より低い方が標準とする)、各群の動物が、それぞれ尾静脈から相応している薬物2 mg/kg、bidを投与し、投薬容積が1 ml/100gであり、モデル群に対して相応している容量の生理塩水をあげた。それぞれ手術4 h、8 h、24 h、48 h、72 h後に、神経行為学評点(満点が11点である)を行った。手術後、72h評点された後、頚動脈にチューブが挿入され、血液1.8 mlを採り、0.2 mlの0.109 mol/Lクエン酸ナトリウム抗凝固液が入れられるシリコンチューブの中に直ちに添加し、軽く上下転倒して均一溶液に混合させ、300 rpm、15 min遠心分離し、上層液を回収し、試薬説明書に記載されたステップでAPTTを測定した。その後、さらにラットの頭を切り、頭盖骨を除去した後脳を取り、嗅球、小脳と低位脳幹を取り除き、残りの部分の重量を測った後、大脳を冠状面に沿って5片に切られ、脳片が4%TTCのリン酸バッファーに放置され、37 ℃、30 minインキュベーションし、その間3〜4回転げ回され(turned over)、正常な脳組織が紅色に染められ、梗塞脳組織が白色に示され、白色の梗塞区域を切って重さを計り、"重量により面積を求める方法"で、梗塞脳組織の重量が全脳重量に占めるパーセンテージを計算して梗塞面積とした。
【0058】
1群ずつにおいてさらに任意的に2匹動物を選び、処死した後、大脳を取り出し、病理検査を行った。
【0059】
3.結果
3.1 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血の行為学評点に及ぼす作用の比較
表2に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット中大脳動脈閉塞性脳虚血の行為学評点に対し、明らかな改善作用を有し、各投薬群がモデル群と比べ相違し有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表5】
【0060】
3.2 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳梗塞体積に及ぼす作用の比較
表3に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット中大脳動脈閉塞性脳梗塞体積に対して明らかな減少作用を有し、各投薬群がモデル群と比べ、相違し有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表6】
【0061】
3.3 NIF、NHHとTNHHのラット中大脳動脈閉塞性脳組織梗塞の病理切片に対する観察結果
正常な対照群の脳組織と比べ、モデル群が各投薬群の大脳皮質神経細胞構造の層構造と異なる程度の乱れがあり、細胞核が濃染されて固縮して、細胞体が縮化した。海馬CA1区域の錐体細胞構造の層構造が異なる程度の乱れがあり、細胞の並び方が緩め、細胞液が薄染され、細胞核が濃染されて固縮し、細胞数が違う程度で低下した。モデル群と比べ、NIF、NHHとTNHHの病理変化がモデル群より軽く、その中、TNHH群の病理変化が最も軽い(図6-11を参照)。
【0062】
以上の病理切片から見られ、中大脳動脈閉塞性脳組織梗塞に対して、モデル群と比べ、NIF、NHHとTNHHが違う程度の保護作用があり、TNHH群の脳組織虚血壊死の変化が最も軽い。
【0063】
4.結論
NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血損傷に対して明らかな治療作用があり、その中、TNHHの治療保護作用がもっとも顕著である。
【0064】
実施例10 NIF、NHHとTNHHがラット実験性脳内血腫に及ぼす治療作用の比較
1. 材料
薬物:試薬NIF、NHHとNTHHが重慶富進生物医薬公司により提供される。
動物:SDラット32匹、雄性、180〜230 g、第三軍医大学大坪病院動物試験センターにより提供される。
【0065】
2. 方法
2.1 ラット脳出血モデルの設立
SDラットをランダムに四つの群、即ちモデル群、NHH群、NIF群とTNHH群に分けられ、1群ごと8匹ずつの実験ネズミがトリクロロアセトアルデヒド一水和物により麻酔された後、尾を切って0.1 ml採血し、ラットを脳定位固定装置に固定させた。頭皮の真中に切口をし、骨膜を切りあけ、大泉門が暴露され、大泉門の1 mm後に、中線の左側3 mmの処において、直径1 mmの小穴を掘り、脳定位固定装置に固定された微量注射器を用いて、穴から針を入れ、針の入れる深さが5.8 mm(すなわち尾状核の位置)であり、自体の血液0.1 mlをゆっくり注射した。動物の意識が戻った後、評点標準付けにより、直ちに神経機能欠失特徴に対して評点した。行為学評点が11点より低い場合、動物が本実験に入選された。その後、それぞれモデルを作成後行為評点を実験終了まで行った。
【0066】
2.2 指標観察
神経機能欠失特徴の評点の観察及びモデルを作成した4 h、12 h、24 h、48 h、72 h後の5つの時間帯において、脳含水量の変化及び組織病理学観察がモデルを作成した72 h後に、動物を処死した後行った。
【0067】
2.3 投薬方法
1群ごとの動物モデルが構築された後(動物麻酔して覚醒した後の行為学評点が11点より低い場合を基準とし)、各群の動物に対してそれぞれ尾静脈から相応的な薬物2 mg/kg、bidを投与し、投薬容量が1 ml/100gであり、モデル群に対して、相応容量の生理塩水が与えられた。
【0068】
2.4 脳含水量の測定
動物が処死された後、直ちに脳を採り、血腫の縁側の脳灰質150〜200 g(皮質を取り除く)を採取した。乾湿法により脳組織含水量を測定し、公式:脳含水量 = (湿重 - 乾重)/ 湿重 × 100%により、脳含水量を計算した。
【0069】
2.5 普通の光鏡観察
選定された時間帯において、直ちに頭を切り脳を採り、冠状面から厚さ2 mmの脳片を切り、10%ホルムアルデヒト中に固定させ、通常HEで染色、封入し、病変区域及び附近の脳組織病理変化を調べた。
【0070】
2.6 行為指標評点
手術4 h、12 h、24 h、48 h、72 h後に行為評点を行った。方法が以下のように簡単に述べる:
ラットの尾を引いて、前肢の屈曲状況を観察し、例えば、前肢が対称的に地面に伸ばし、0点に計算され、例えば、手術の向こう側の前肢が腕屈、肘屈、肩の内旋、腕肘の屈曲且つ肩の内旋もあり、それぞれ1、2、3、4点に計られる。
【0071】
動物を水平地面に置かれ、それぞれ両肩を向こう側に移動させ、抵抗力を検査して、例えば、両側の抵抗力が対等且つ有力であれば、0点に計られ、例えば、手術の向こう側に押して抵抗力が低下する場合、低下の程度に基づき、軽、中、重度に分けられ、それぞれ1、2、3点に計られた。
【0072】
動物の二つ前肢を金属ネットに置かれ、二つ前肢の筋肉張力を調べた。二つ前肢筋肉の張力が対等且つ力入れるものが0点に計り、同様に、手術の側肢に対する張力の低下程度により、1、2、3点に計られた。
【0073】
動物が片側に向けて止まらなくくるくる曲がるものが、1点に計られた。標準に基づいて評点され、満点が11点であり、点数が高ければ、動物の行為障害が酷くなる。
【0074】
3 結果
3.1 NIF、NHHとTNHHがラット試験性脳内血腫行為学評点に及ぼす作用の比較
表5に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット試験性脳内血腫行為学評点に対し、明らかな改善作用を有し、各投薬群がモデル群と比べて、相違して有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表7】
【0075】
3.2 NIF、NHHとTNHHがラット試験性脳内血腫脳含水量に及ぼす作用の比較
結果が表6に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット試験性脳内血腫脳含水量に対して、明らかな減少作用を有し、各投薬群がモデル群と比べて、相違して有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【0076】
【表8】
【0077】
3.3NIF、NHHとTNHHのラット実験性脳内血腫の病理切片に対する観察の結果
観察の指標:脳水腫,神経細胞変性、壊死、神経線維の脱髄性疾患、神経膠細胞増生、炎症細胞浸潤と間質出血。
向こう側の脳の対照群観察:大脳皮髄の構造がはっきり、神経細胞、神経膠細胞、血管分布、血管構造が異常なし、脳水腫無し、炎症細胞浸潤及び出血が無し。
【0078】
モデル群:大脳皮髄質の構造がはっきりではなく、神経細胞が変性及び壊死があり、明らかな脳水腫及び炎症細胞浸潤があり、間質には出血があり、神経膠細胞の増生がある。上記病変の示す程度が:多数動物が ++ →+++ 度病変であり、2例が+ 度病変である。
NIF群:上記病変の多数が ± → + 度病変であり、3例が + → ++ 度病変である。
NHH群:上記病変の多数が0 → + 度病変であり、3例が + → ++ 度病変である。
TNHH群:上記病変が明らかによい方向に進んで、多数が0 → ± 度病変であり、2例のみが± 度病変である。
【0079】
4 結論
NIF、NHHとTNHHがラット実験性脳内血腫に対して明らかな治療作用を有し、その中、TNHHの治療保護作用が最も顕著である。
【0080】
実施例11 TNHHとフィブリン、トロンビンがインビトロで結合する状況。
1 試験材料
1.1 薬物
TNHH原液(3.0mg/ml)。人フィブリン(1 g/本、F5386)、sigma社。人トロンビン(127 Unit/本)、ロット番号:20021105、中国薬品生物製品検定所。
【0081】
1.2 溶液
リン酸塩バッファー(10 mmol/L PB、0.15 mol/L NaCl、pH 7.4 )。クロマトグラフィーの移動相バッファー:20 mmol/L NaH2PO4-Na2HPO4、0.15 mol/L NH4SO4、pH 6.8。
【0082】
1.3 機器
恒温水浴槽。ゲルクロマトグラフィーカラム (Shodex PROTEIN KW-82.5)。Waters 600HPLC系、浙江大学N2000クロマトグラフィーワークステーション。1 ml EP棚1つ、1 ml EPチューブ多数、1 mlピペット及びピペットチップ。
【0083】
2 試験方法及び結果
2.1 供試品
TNHHを取り、リン酸バッファーで1.0 mg/mlに希釈して用意した;適量のフィブリンを精密的に計り、リン酸バッファーで0.1 mg/mlに溶解且つ希釈して用意した;トロンビンを取り、標示量によりリン酸バッファーで100ユニット/mlに溶解且つ希釈して用意した。
【0084】
2.2 供試品反応
下記の方法で群分け、各供試品を取り、37℃、1時間反応させ、その後、クロマトグラフィー条件で分析を行った。
(1)それぞれ各供試品溶液20 μlを取り注入分析し、各自の保持時間を記録した。
(2)フィブリンとトロンビン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(3)TNHHとフィブリン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(4)TNHHとトロンビン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(5)TNHHとフィブリン、トロンビンの混合反応したサンプルを各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
【0085】
2.3 クロマトグラフィー条件
流速:0.5 ml/min;検出波長:214 nm;カラム温度:室温;クロマトグラフィーチャート25 minを記録した。
【0086】
2.4 クロマトグラフィー結果
【表9】
【0087】
結果分析:TNHH、フィブリン及びトロンビンのSEP-HPLCにおける保持時間がそれぞれ異なり、それぞれ23.657、16.680と18.778 minであり、有効に分離されることができる。トロンビンとフィブリンが部分的結合され、保持時間が12.582 minであり、TNHHとフィブリンが有効に結合した後、保持時間が14.598 minになり、TNHHとトロンビン及びフィブリンの三つ結合した後の保持時間が10.265 minである。
【0088】
3 結論
TNHH、人フィブリンと人トロンビン三種類の異なるタンパク質が、SEC-HPLCクロマトグラフィーにおける保持時間はそれぞれ相違する。試験条件(生理緩衝)に基づき、相互混合した後、明らかな高分子量タンパク質ピークが出現し、その中、フィブリンとトロンビンが相互結合し得、本品TNHHとフィブリンとトロンビンが相互結合されることができる。この結果により:TNHHがインビトロにおいてフィブリン及びトロンビンと結合することができ、本品の構造には、含まれるトロンビン又はフィブリンに結合されるヒルゲンが、その空間構造が保持された。
【0089】
実施例12 TNHHとトロンビンのインビトロにおける可逆反応試験
1.試験材料
1.1薬物
TNHH(3.0 mg/ml);トロンビン(127 Unit/本、中国生物製品検定所、ロット番号20021105);IMUBIND(R) Hirudin ELISA(American Diagnostica inc. Product No.853)。
【0090】
1.2 機器
電熱恒温水浴槽(XMTB/H-3000 上海機器集団有限公司);Universal Microplate Reader(Elx-800,BIO-TEK INSTRUMENTS INC.);遠心分離機(TGL-16B 上海安亭科学機器廠)。
【0091】
2.試験方法
人トロンビン1本を取り、1.27 ml水を入れ、均一混合して100 Unit/mlの溶液が得られた;また、TNHH原液を採り、水で1.0 mg/mlに希釈した後、0.5 mlを取り、0.1 mlトロンビン溶液(50ユニットのトロンビン)を入れて、37℃で2 hr反応させ、上清を遠心分離して回収し、希釈液(IMUBIND(R) Hirudin ELISA Kit説明書に記載された希釈液)で10倍希釈した後、4倍勾配で6回希釈した後、IMUBIND(R) Hirudin ELISA Kitの使用説明書に記載された方法で検出を行い、結果としては、450nm波長においてその吸収値を測定した。
【0092】
3 試験結果と結論
サンプルが呈色しなく、ヒルディンの陽性標記品(キットに付加された)が直線関係が呈された。TNHHとトロンビンのインビトロ作用が不可逆と示唆された。 Hirudin ELISA Kitは、ヒルディンCペプチドと特異的に結合してその濃度が測定されるELISAキット(説明書に付加されたものに参照)であり、本キットは、0.1 ng/mlのヒルディンCペプチドを最小的に検出されることができる。Angiomax(二価ヒルディン)の資料に基づき、そのD-FPRP-4×Gly-Hirugenを含有する構造では、PGの間のペプチド結合がトロンビンにより加水分解され、Hirugen(ヒルゲン)を含有するC側ペプチドが放出されることができる。以上の実験により、本品TNHH中の"FPRP-GSGG-ヒルゲン"構造がトロンビン酵素に消化されることができなく、両者が結合して不可逆性を有する。
【0093】
実施例13インビトロにおける抗血小板凝集試験
1試験材料
1.1 薬物
TNHH(6.0mg/ml)人トロンビン(127 Unit/本)、ロット番号:20021105,中国薬品生物製品検定所。マンニトール注射液(20%マンニトール)、北京双鶴薬業。組換えヒルディン(1.0 mg/本)、ロット番号:20050301、-20℃保存、富進生物医薬有限公司。
【0094】
1.2 動物
健康で雄性の日本長耳白ウサギ、体重2.32±0.21 kg、第三軍医大学試験動物センターにより提供された。
【0095】
1.3 機器
血小板凝集器、BS634型、北京生化機器廠。
【0096】
2.試験方法
投薬前、耳中動脈を穿刺して血小板集合率を測定し、血小板集合率のレベル及び体重に基づき、ウサギをランダムに5群(1群ごと4匹)に分ける;(1)陰性対照群(5.12 mgマンニトール/kg)、(2)TNHH大量群(4.0 mg/kg)、(3)TNHH中量群(2.0 mg/kg)、(4)TNHH少量群(1.0 mg/kg)、(5)陽性対照群(0.1 mg組換えヒルディン/kg)。各群のウサギが記載された剤量で耳介静脈により一回注射投薬し、投薬15 min(ストップウォッチで正確に時間測定)後、耳中動脈を穿刺して採血し、血小板集合率を測定した。血小板集合率の測定方法:シリコン注射器で耳中動脈を穿刺して採血し、3.8%クエン酸ナトリウム溶液で抗凝固(血:抗凝固剤=9:1)し、200 × g、 8分間遠心分離し、上清を取り、多血小板血漿(PRP)になり、残りの部分を2200 × g 、10分間遠心分離し、上清を取り、貧血小板血漿(PPP)になった。PRP中の血小板計数が4.0×105/mm3前後である。Bornの比濁法により、200 μl PRP及び1小さい磁棒が入っている比濁管を血小板集合器に載せ、37℃で1 min保温し、PPP標定し、その後、攪拌する状況下で、誘導剤人トロンビン(0.76 IU/ml)を入れて誘導し集合させた。機器の自動的にプリントされた集合曲線及び最大集合率により、薬物が血小板集合に及ぼす影響を分析した。最大集合率の計算公式が以下になる:
【化9】
3. 試験結果
【表10】
測定結果から見ると、トロンビンによりウサギ血小板集合が誘導された場合、投薬前の各群間の血小板集合率が明らかな差異がなく、投薬15 min後、各投薬組と陽性対照群ヒルディンの血小板集合率が陰性対照群(P<0.01)より顕著に低く、且つ用量関係が顕著である。
【0097】
4. 結論
上記に結果により:ウサギ耳介静脈から一回注射投薬され、投薬15 min後、TNHHの三つの剤量が、トロンビンにより誘導されたウサギ血小板集合率(P<0.01)を顕著に低下させたことが示唆された。TNHHが血小板集合の阻害作用を有するが、陽性薬物ヒルディンの血小板集合阻害作用より明らかに低いと提示された。
【0098】
実施例14 人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害する試験
1.試験材料
1.1人末梢血液白血球の調製
健康者の静脈血10 mlを採取して、ヘパリンナトリウムで全血を抗凝固処理し、10 ml HAS Buffer(含RPMI 1640 + 10 mM HEPES + 1.2 mM CaCl2 +1.0 mM MgCl2+ 1%HAS, pH 7.4)を入れて均一に混合した。白血球分離液(上海生工)を滅菌エッペンドルフチューブに入れ、その後同じ体積の全血混合液をゆっくり添加し、2000 rpm、15分間遠心分離した。交叉処の白血球液を取り、適量の1640培養液を添加し、滅菌エッペンドルフチューブで10分間遠心分離して、2回洗浄した。上清を捨て、適量のHAS Bufferを添加し、沈殿を再懸濁させ、白血球懸濁液を調製し、細胞密度を計数して、細胞密度を4×107/mlに調整し、37℃で分離した後1時間以内に使用する。
【0099】
1.2薬物と試薬
TNHH(1.0mg/ml,白血球粘着阻止力価720ユニット/ml)、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(100ユニット/mg)、上海生工。FMLP(5 mg/本,F3506)、Sigma社。H2O2が重慶東試化工公司由来。放出分析バッファーが25 mMブドウ糖、10%牛胎児血清、200 mg/mlフェノールレッド、32 mg/mlホースラディッシュパーオキシダーゼを含有するHank's液である。
【0100】
1.3機器
Universal Microplate Reader (El×-800, BIO-TEK INSTRUMENTS INC.);遠心分離機(TGL-16B上海安亭科学機器厂)。
【0101】
2.試験方法
24穴細胞培養プレートを用いて、50%牛胎児血清を含有するHank's液で細胞培養プレートを被覆し、37℃、60 min培養し、さらに0.15 M NaClでプレートを2回洗浄した。放出分析バッファーで細胞を6.0×106/mlまで希釈し、細胞を加え、37℃、5 min培養した。FMLPを最終濃度250 nMまで添加した。相違濃度のTNHH供試品を加え、37℃、60 min培養した。細胞懸濁液8000 × gを吸い取り、3 min遠心分離して上清を取り、96穴マイクロプレートに複数穴入れた後、1穴ごと1 N NaOH(25 μl)を加えて反応を終止させ、610 nm波長に置いて数字を記録した。同時に、標準H2O2の溶液を採り対照として、TNHHが白血球のH2O2放出を阻害するIC50値を計算した。
【0102】
3.試験結果(表9を参照):
【表11】
【0103】
4. 結論
表9に示し:TNHHが人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害するIC50が8.5 μg/mlである。TNHHが人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害する作用を有することが示唆され、対照群と比べ、阻害率が70%前後である。本品が白血球粘着作用を阻害する以外、末梢血液白血球の活性化機能を阻害することができる。
【0104】
実施例15 インビトロにおける全血の抗凝固試験
1.試験材料
1.1 薬物
TNHH;ヘパリンナトリウム、上海生工;リン酸塩バッファー(10 mmol/L PB,0.15 mol/L NaCl,pH 7.4 )。
【0105】
1.2 動物
健康長耳白色ウサギ1匹、体重2.49 kg。
【0106】
1.3 機器
ウサギ固定箱1つ、10 mlシリンジ2本、試験管棚1つ、試験管6本、1 mlピペット及びピペットチップ。
【0107】
2.試験方法及び結果
2.1 サンプル希釈
TNHHをリン酸塩バッファー(10 mmol/L PB,0.15 mol/L NaCl,pH7.4 )でそれぞれ4 mg/ml、2 mg/ml、1 mg/ml、0.5 mg/mlに希釈した。ヘパリンナトリウムが同じバッファーで1 mg/mlに調製された。
【0108】
2.2 試験方法
新鮮なウサギ耳介静脈血を採り、直ちに1mlを0-5番試験管に入れて、すでに希釈された相異濃度のTNHHサンプルをそれぞれ0.2 mlを採り、1-4番試験管に入れて、0番試験管には0.2 mlリン酸塩バッファーを加えて陰性対照チューブとし、5番試験管に0.2 mlヘパリンナトリウム(1 mg/ml)を加えて陽性対照チューブとした。直ちに均一に混合した後、室温で15分間置いて、その結果を調べた。
【0109】
3.結果(表10)
【表12】
【0110】
4.結論
リン酸塩バッファーを陰性対照(血液凝固)として、ヘパリンナトリウムを陽性対照(血液未凝固)として、相異濃度のTNHH(血液凝固)。上記の結果により:TNHHがインビトロにおいて全血抗凝固作用が無いことが示唆された。
【0111】
実施例16 TNHHがニュージーランドウサギの血液凝固系に及ぼす影響。
1.実験材料
1.1 供試薬品
1.1.1 名前:TNHH
配製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解し、必要濃度まで希釈した。
【0112】
1.1.2 名称:ビバリルジン/水蛭ペプチド(Bivalrudin)(成都捷迅生物技術有限公司製)
性状:凍結乾燥粉末注射剤
規格:1.0 mg/本
ロット番号:20071001
保存方法:光を避け、低温(2〜8℃)保存
調製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解して、必要濃度まで希釈した。
【0113】
1.1.3 名前:ヒルディン(Hirudin)(山東阿華生物製薬有限公司)
性状:凍結乾燥粉末注射剤
規格:2.0 mg/本
ロット番号:20070510
保存方法:光を避け、低温(2〜8℃)保存
調製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解して、必要濃度まで希釈した。
【0114】
2.2 実験動物
ニュージーランドウサギ、第三軍医大学付属第三医院(大坪病院動物センター)により提供された;実験動物の合格証書番号:SCXK2002-008。雌か雄か無論し、体重2.5〜3.0 kgである。動物の飼養条件が通常レベル(温度20-25℃;相対湿度40-70%;昼夜明暗の交替時間10/14)である。
【0115】
2.3 主要実験試薬
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)測定試薬:フランスSAGO社、ロット番号:061982;
プロトロンビン時間(PT)測定試薬:フランスSTAGO社、lot:061933;
トロンビン時間(TT)測定試薬:フランスSTAGO社、lot:060201;
クエン酸ナトリウム抗凝固チューブ:湖北金杏科技発展有限公司、lot:070208;
2.4 実験機器
全自動血液凝固分析装置、フランスSTAGO診断技術有限公司、型番:STA。
【0116】
3. 実験方法
3.1 TNHHがニュージーランド白ウサギの体内血液凝固系に及ぼす影響
ニュージーランド白ウサギ24匹をランダムに4 群に分け:TNHH 6.75 mg/kg群、TNHH 3.375 mg/kg群、水蛭ペプチド1.5mg/kg群、IVヒルディン0.5mg/kg 群である。耳介静脈から注射投薬(注射2 min)前(0 min)と投薬後10 min、30 min、60 min、120 min、240 minにおいて、それぞれ耳介静脈から1.8 mlを採血し、3.2%クエン酸ナトリウムで抗凝固(9:1)して、均一に混合した後、3000 rpm/min、3minで遠心分離し、血漿を採り、西南病院検験科に送り、全自動血液凝固分析装置でAPTT、TT、PTの三つの血液凝固指標を測定し、投薬前後の変化を比較した。
【0117】
3. 2 TNHHがニュージーランド白ウサギインビトロ血液凝固系統に及ぼす影響
生理塩水で薬物を下記濃度まで希釈して用意する:TNHH:3.0 mg/ml、1.0 mg/ml、333 μg/ml;ビバリルジン:600 μg /ml、200 μg /ml、67 μg /ml;ヒルディン(Hirudin):660 μg /ml、220 μg /ml、73 μg /ml。
【0118】
体重の相似する6匹のニュージーランド白ウサギを選らび、1匹ごと耳介静脈から10×1.8 ml血液を採血し、それぞれ10本の抗凝固チューブに入れ、3.2%クエン酸ナトリウムで抗凝固(9:1)した。
【0119】
1チューブごとの抗凝固血液から20 μlを採り、さらにそれぞれ上記希釈された薬品20 μlを加え、対照チューブには20 μl生理塩水が加えられた。均一に混合した後、3000 rpm/min、3min遠心分離し、血漿を採り、西南病院検験科に送り、全自動血液凝固分析装置を用いてAPTT、TT、PTの三つの血液凝固指標を測定し、違う薬物が投与されること及び同じ薬物の相異濃度が外因系血液凝固システムに及ぼす影響を比較した。
【0120】
4. 統計学処理
SPSS 13.0統計ソフトを用いて、統計分析を行った。実験結果が
【化10】
で表示され、群間の比較が単因子分散分析を使用して、群間差異を比較し、p <0.05に対して結果の差が顕著とし、p <0.01に対しては結果の差が非常に顕著とした。
【0121】
5.実験結果
5.1 TNHHがニュージーランド白ウサギの体内血液凝固系に及ぼす影響
5.1.1活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の変化
違う剤量TNHHを静脈注射し、違う時間帯のウサギ血漿活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) の変化が表11に示す。
【0122】
表11に示し、3.375 mg/kg TNHH群と6.675 mg/kg TNHH群が0minに対照し、投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min 後、APTTが明らかな延長(P>0.05)が無く、上記2つ剤量のTNHHを静脈注射することが、ニュージーランドウサギ血漿の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に対して、4時間以内で顕著な影響が無かったことが示唆される。
【0123】
水蛭ペプチド1.5 mg/kg群とヒルディン0.5 mg/kg 群が、投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min後、APTTも明らかな延長(P>0.05)も無かった。
【表13】
【0124】
5.1.2 血漿プロトロンビン時間(PT)
違う剤量のTNHH静脈注射し、異なる時間帯ウサギ血漿プロトロンビン時間(PT) の変化が表12に示す。
【0125】
表12 から見られ、0minに対照し、3.375 mg/kg TNHH 群が投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min後、PTが顕著な延長(P > 0. 05)が無く、しかしながら、6.675 mg/kg TNHH 群の第120 min と240 min の時、PTが 顕著に延長(P< 0.05)されたが、延長時間が3秒に超えなく、臨床意義が無い。少量のTNHH(3.375 mg/kg)がニュージーランドウサギのプロトロンビン時間(PT) に対して顕著な影響が無く、大量のTNHH(6.675 mg/kg)がニュージーランドウサギのプロトロンビン時間(PT) に対して一定な影響を有したが、臨床意義が無い。
【0126】
水蛭ペプチド(1.5 mg/kg)群10 min と30 min の時、PTが顕著に延長( P< 0.05)され、ヒルディン0.5 mg/kg 群の10 min PTも顕著に延長(P< 0.05)された。しかし、各群のPT 延長時間が3秒に超えなく、臨床意義が無い。
【表14】
【0127】
5.1.3 血漿トロンビン時間(TT)
違う剤量のTNHHが静脈注射され、異なる時間帯のウサギ血漿トロンビン時間(TT)の変化が表3に示す。
【0128】
表13から見られ、0 minに対照し、3.375 mg/kg TNHH群投薬10 min 後、TTが顕著に延長(P<0.05)され、しかしながら、20 min 後、各時相のTTが顕著な延長が無かった;6.675 mg/kg TNHH 群10 minと 30 min 2つ時相のTTが 顕著に延長(P<0.05)された。少量のTNHH(3.375 mg/kg)がニュージーランドウサギのトロンビン時間(TT) に対して、短時間の影響があるが、大量TNHH(6.675 mg/kg)がニュージーランドウサギのトロンビン時間(TT)に対して、一定の影響がある。
【0129】
水蛭ペプチド1.5 mg/kg群10 min と30 min時のTTが顕著に延長( P< 0.01)され、ヒルディン0.5 mg/kg 群10 min、30 min、60 min のPTが顕著に延長( P< 0.01)された。
【表15】
【0130】
5.2 TNHHがニュージーランド白ウサギのインビトロ血液凝固系に及ぼす影響
表14から見られ、対照チューブと比べ、少、中、大量のTNHH がAPTT、PT に対して顕著な影響(P>0.05)が無く、大量群(30 μg/ml)のTT のみが顕著に延長(P< 0.05)された;
水蛭ペプチド群の大量群(6 μg/ml)のみには、APTT、PT、TT が明らかに延長された;水蛭ペプチド2μg /ml と水蛭ペプチド0.67 μg/ml 群のAPTTが顕著な延長(P>0.05)が無く、TTが顕著に延長(2μg /ml水蛭ペプチド、P< 0.05;0.67 μg/ml 水蛭ペプチド、P< 0.01)され、PTが 顕著に延長(P< 0.05)されたが、PTの延長が3秒に超えなく、臨床意義が無い;ヒルディン6.6 μg/ml 群とヒルディン2.2 μg/ml 群のAPTT、PT、TT が顕著に延長(P< 0.05)されたが、PT 延長が3秒に超えなく、臨床意義が無い;ヒルディン0.73 μg/ml 群のAPTT、PTが顕著な延長( P>0.05)が無く、TTが顕著に延長(P< 0.01)された。
【表16】
【0131】
7. 結論
動物実験で急性虚血性脳卒中を治療する有効剤量をはるかに超えた場合、TNHHが内因性血液凝固経路に対して影響が無かったが、外因性血液凝固経路、繊溶系に対して、一定の影響がある。
【0132】
実施例17 TNHHがラット限局性脳虚血-再潅流障害に及ぼす保護作用
1 材料と機器
1.1 薬品と試薬
(1)トリクロロアセトアルデヒド一水和物、中国医薬上海化学試薬公司。
(2)実施例5に調製されたTNHH完成品。
(3)塩化-2,3,5-トリフェニルテトラゾリウム (2,3,5-Triphenyltetrazolium Chloride, TTC)、E.Merck輸入サブパッケージされ、上海化学試薬分装廠、PBSで調製し、光を避け低温保存する。
(4)25%マンニトール、武漢浜湖双鶴薬業有限責任公司、ロット番号:070417-504、10mMPBで4%マンニトールに希釈される、pH7.0
【0133】
1.2 実験器材
(1)中国産2.5番ナイロン線、直径0.22mm、0.24mm、 0.26mm。市場から購入された。
(2)医療用4番線、上海医療用縫合針廠により生産された。
(3)日本産1472-CHA型電子精密天秤。
(4)画像分析ソフトシステム 成都泰盟
【0134】
1.3 実験動物
Sprague-Dawley(SD)ラット、雄性,清潔レベル、体重180-250g、華中科技大学同済医学院実験動物センターにより提供された。動物証番号: SYXK(E)2004-0029
【0135】
2方法
2.1 ラット限局性脳虚血モデルの作成
Nagasawa[2]法を参照して、片側の中大脳動脈閉塞(Middle cerebral artery occlusion, MCAO)モデルを作成し、改善を行った。具体的な作業工程:ラット体重を計り、10%のトリクロロアセトアルデヒド一水和物溶液(300mg・kg-1)を腹腔注射して麻酔させ、上を向いて寝かせて恒温手術台(温度37±0.5℃)に固定された。頚部皮膚がヨードチンキで消毒された後、真中皮膚に切口を入れ、皮下組織と筋肉を鈍的切開し、甲状腺と副甲状腺に損傷することを避けるようにする。片側の総頸動脈及びその分枝外頚動脈と内頚動脈を分離して、線を通って用意し、内頚動脈に沿って頭蓋内方向へ翼口蓋動脈の交叉部まで分離して、翼口蓋動脈、外頚動脈と総頸動脈を結紮した。総頸動脈の交叉部で小さい切口を入れ、内頚動脈に沿って頭蓋内まで一つ直径が約0.23-0.26mmのナイロン線(ナイロン線直径が動物体に基づいて改めて適当に選択する)を大脳前動脈に挿入し、挿入深さが約17-20mmで、抵抗力に会ってから停止し、ナイロン線と内頚動脈とを一緒に結紮した。皮下筋膜及び皮膚を縫い合わせ、それぞれ1hと2h閉塞した後、閉塞線を抜き出して、中大脳動脈閉塞-再潅流モデルになった。偽手術群について、ナイロン線が血管を閉塞するように挿入されないこと以外、他のステップが手術群と同じである。
【0136】
2.3 神経症状の評点
ラットが覚醒した後、その神経症状の変化を観察し、主な表現が:
1)Horner's症候群:虚血側では縮瞳、眼球陥凹、眼裂狭小、筋張力が相対的に増強される;非虚血側の眼球がやや突出、瞳孔及び眼裂が正常、筋張力が低下した。
【0137】
2)身体状態:ネズミ尾を引いて懸空される時、ラットが強迫性身体状態に呈し、体が非虚血側に曲がり、非虚血側の前肢が裏側に引き締め胸壁にくっ付け、虚血側の前後肢が外へ開いている。
【0138】
3)追尾特徴:運動する時、体が非虚血側に回転し、自分の尻尾を追っているように見え、回転が停止した後、尾が特別な回旋状になることができる。
【0139】
神経症状が、longa 5点原則[3]で評点された。評点基準:神経損傷症状が無し、0点;左側の前足が完全に伸ばせない、1点;非虚血側に回転する、2点;歩く時、非虚血側に倒る、3点;自発的に歩けない、意識昏迷状態、4点。
【0140】
2.4 TTC染色
TTC染色の原理:TTC(2,3,5-Triphenyltetrazolium Chloride)は還元型と酸化型の2種類の状態があり、還元型は紅色に呈し、酸化型は無色である。正常な脳組織内では、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を含有し、無色の酸化型TTCを紅色の還元型TTCに還元させる。脳が虚血した後、梗塞領域の神経細胞が虚血して壊死され、NADPHが失って、TTCを還元することができなく、当該領域の脳組織が灰白色に呈したが;正常な脳組織内のNADPHが存在し、酸化型TTCを還元型に還元し、当該領域が紅色に呈し、虚血梗塞区と非虚血正常区の脳組織を区分することができる。
【0141】
TTC染色方法:各群ラットが虚血-再潅流して48時間後、頭を切り脳を採り、嗅球、小脳と低位脳乾を取り除き、-20℃で10min凍結して、視交叉部から冠状面を採り、7片に均一に切り、1片ごと約2mm厚度の脳片になった。脳片を2%TTC液に入れて、37℃、光を避け、30minインキュベーションし、さらに脳片を10%ホルムアルデヒトに置いて固定させた。
【0142】
2.5 脳梗塞体積の測定
脳梗塞体積:各ラット脳片を切片順に並んだ後、デジタルカメラで写真を撮り、コンピューターに入力し、画像分析ソフトにより文献[4]方法を参照して、梗塞のパーセンテージを計算した。計算公式:梗塞パーセンテージ(%)=蒼白区面積/全脳総面積×100%。
【0143】
2.6実験群分けと投薬
1、ブランク対照群:動物が如何なる処理をせず、同じ条件下のみで飼養した
2、偽手術群:手術がモデル群と同じであるが、血管を閉塞しない
3、モデル群:1時間閉塞-再灌流48時間
2時間虚血-再灌流48時間
4、モデル作成が成功した後、さらにラットをランダムで3つの剤量群に分けられた
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH0.75mg/kg静脈投与、
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH2.25mg/kg静脈投与
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH6.75mg/kg静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH0.75mg/kg静脈投与、
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH2.25mg/kg静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH6.75mg/kg静脈投与
5、溶媒対照群
虚血60分間-再灌流2時間群、4%マンニトール静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、4%マンニトール静脈投与
投薬方式:静脈注射(2min)、1日2回、1回ずつの間隔が少なくとも8時間:MCAO再灌流2時間後に投薬され、投薬体積:0.5ml/匹/回
投薬時間:一日目:再灌後2 hと10hに、それぞれ一回投薬、二日目:2回投薬、1回ずつの投薬間隔が8hである;実験の持続時間:一回目の投薬後48hに、ラットを処死した。
【0144】
2.6統計方法
実験データがmean±S.E.Mで表示される。SPSS11.5を用いて、 windows統計ソフトパッケージにより、one-way ANOVA、post-hoc LSD test及びindependent-samples T testで、データに対して有意差検定をし、P<0.05としては、統計学では有意な差があり;P<0.01としては、統計学では極めて有意な差がある。
【0145】
3結果
3.1 TNHHがMCAOラット神経行為症状に及ぼす影響
MCAO閉塞1時間後、48時間再潅流し、ラットが明らかな神経運動機能障害を表し、ネズミ尾を引いて懸空させた時、ラットの左側前肢が曲がり裏に引き締め、左側肢の筋張力が低下し、歩く時、非虚血側へ回転して、追尾特徴を現し、症状を観察する期間内において進行性酷くなる状況が示された。神経症状評点:2時間:1.77±0.59;6時間: 1.73±0.59;12時間:1.73±0.42;24時間:1.83±0.49;48時間:1.87±0.58。2時間再潅流後、TNHH(投薬量と群分けが前記と同じ)の静脈注射により、処理群動物が各時間帯における症状が緩和され、特に大量群の作用がもっと顕著で、相応するモデル群と比べ、差が極めて有意P<0.01である。MCAO閉塞2時間後、48時間再潅流して、ラットの神経機能症状がMCAO閉塞1時間後、48時間再潅流よりさらに厳重し、神経症状評点:2時間:1.96±0.75;6時間:2.19±0.69;12時間:2.32±0.82;24時間:2.12±0.79;48時間:2.23±0.69;同様にTNHH処理した後、ラット神経症状が明らかに改善され、大量群の作用がより顕著し、相応するモデル群と比べ、差が有意P<0.05である;溶媒対照群が4%マンニトールの静脈投与することにより、2種類のモデルの各時間帯の神経症状に対して明らかな改善作用が無かった。実験結果が表15に示す。
【0146】
3.2 TNHHがMCAO-再潅流ラットの脳梗塞体積に及ぼす影響
MCAO閉塞1時間後、48時間再潅流し、ラット脳梗塞体積が(22.281 ± 4.71)%であり、再潅流2時間後、静脈注射TNHH(投薬量と群分けが前記と同じ)により、TNHH各剤量群の脳梗塞体積がそれぞれ:少量群:(19.93 ± 12.40)%;中量群:(19.41 ± 11.74)%;大量群:(12.89 ± 8.94)%であり;モデル群と比べ、それぞれ10.54%、12.88%と42.14%を低下し、大量群の作用がもっとも顕著し、モデル群と比べ、極めて有意な差P<0.01がある;MCAO閉塞2時間後、48時間再潅流し、ラット脳梗塞体積が(28.16 ±10.90)%であり、同じ剤量のTNHHで処理された後、各群動物の脳梗塞体積がそれぞれ:少量群:(27.52 ± 17.63)%;中量群:(26.07 ± 8.06)%;大量群:(19.72 ± 8.90)%であり;モデル群と比べ、それぞれ3.63%、7.42%と29.97%を低下し、大量群の作用が最も顕著であり、モデル群と比べ、極めて有意な差P<0.01がある;溶媒対照群が4%マンニトールの静脈投与することにより、2種類のモデル群動物の脳梗塞体積に対して明らかな改善作用を有する。実験結果が表16に示す。
【表17】
【表18】
【0147】
本発明の上記実施例は、本発明を明瞭に説明するために例示されたものだけであり、本発明の実施形態に対して何らか制限をしない。また、当業者については、上記説明に基づき、他の形の変化又は変動させても良い。ここでは、すべての実施形態に対して例示する必要は無いが、これらの本発明を基に拡大された明らかな変化又は変動も、本発明の保護範囲に属するべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質(TNHH)、それをコードするポリヌクレオチド配列、当該ヌクレオチド配列を含有する組換えベクター、当該ベクターにより形質転換された微生物、ならびに当該組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含有する薬物組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
心疾患・脳血管疾患は、現在人類の健康に関わる主な疾患の一つであり、その中、脳卒中により引き起こした死亡率が極めて高く、発症した後の主な表現は、(1)脳内血腫を形成する;(2)脳血栓を形成する;(3)脳虚血;(4)脳水腫が発生する。現在、以上のいくつかの病理変化は、白血球浸潤、トロンビン活性化と微小循環障害に係ると考えられる。現在、白血球阻害因子とヒルディンは、それぞれ白血球浸潤及びトロンビン活性化を阻害し得ることが知られている(Moyle M et al:US5789175; Madden K et al, Inflamm Res 1997,46(6): 216-223; Masadda T.et al, Brain Res, 2000, 867(2):173-179.)。白血球阻害因子(NIF)は、257アミノ酸により組成され、7つグリコシル化部位を含有し、遺伝子工学の組換えにより脱グリコシル化されたNIFが、同様に生物活性を有することが証明される。白血球阻害因子は、好中球の活性を有効に阻害することができ、内皮細胞との粘着、過酸化水素とスーパーオキシドイオンの放出、好中球走化、集合と貧食機能等を含む(Moyle M et al:J Biol chem 1994,269(13):10008-10015)。NIFは以上の効能を有することに鑑みて、組換えNIFを利用し、動物モデルにおいて臨床の利用価値を有することが証明され、虚血性神経損傷(ラットMCAOモデル)を防止と治療ができ、脳損傷の血液供給の改善、脳組織の損傷面積の低減効果を有する (Zhang L et al:stroke. 2003,34(7): 1790-1795) 。
【0003】
ヒルディンの構造と機能に対する研究に基づいて、C側の12ペプチド(すなわち53〜64番)が、ヒルディンの抗トロンビン活性のすべての機能を有することを見出した(Naski MC.etal:J Biocchem.1990, 265(23): 13484-13489; Maraganore J metal:Biochemistry.1990, 29(30): 7095-7101)。これを基に12ペプチドが人工的に合成され、ヒルゲン(Hirugen)に命名し、ヒルゲンがトロンビンの陰イオンの結合領域に結合され、触媒部位領域とフィブリンに結合することができないが、トロンビンがフィブリンに結合することができるため、当該ヒルゲンがトロンビンと特異的に結合することができなく、すなわち、トロンビンに対する標的指向性に欠けていることが証明される。しかしながら、ヒルゲンが体内外において、同様にトロンビンがフィブリノーゲンを形質転換してフィブリンになることを阻害する機能を有し、APTT、PTとTTの時間を延長させ、抗凝固作用を発揮する。
【0004】
以上の病理ならびにNIFとヒルゲンの生物活性に基づいて、中国特許出願(出願番号:031011551)には、白血球阻害因子とヒルゲンが遺伝子工学組換え技術により形成された双機能キメラタンパク質(NIF-Hirudin Hybrid、NHHに略称される)を開示し、当該キメラタンパク質の構造は以下になる:白血球阻害因子-(Gly)5-ヒルゲン。当該NHHが274アミノ酸によりからなり、好中球の粘着と活性化を阻害、及びトロンビン活性を阻害する機能を有し、急性脳血管性疾患の治療に適用する。しかし、上記NHH中のヒルゲンが触媒部位領域と結合できないため、当該NHHがヒルゲンと同じ、トロンビンに対する標的指向性に欠けて、それが心疾患・脳血管疾患での治療面の効果を大幅に抑制した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明内容
従来技術の欠点を克服するために、本発明は、新たなトロンビン活性を標的に阻害することができる組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を提供することを目的とし、心疾患・脳血管疾患の治療効果、例えば、脳卒中の治療効果を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の第一の点としては、組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質(TNHH)を提供し、それが以下の構造を有する:Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン、その中、架橋領域1が5〜15個グリシン、好ましくは5〜10個グリシンであり、架橋領域2が(GSGG)nで、nは1〜3である。
【0007】
本発明の第二の点としては、当該組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を提供することである。
本発明の第三の点としては、上記ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターを提供することである。
【0008】
本発明の第四の点としては、上記発現ベクターを含有する微生物を提供することである。
【0009】
本発明の第五の点としては、本発明の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質が含まれている薬物組成物を提供することである。
【0010】
本発明のTNHH の構造が:Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンである。好ましくは、TNHH中の架橋領域1が5〜15のグリシンであり、さらに好ましくは、5つのグリシンである;架橋領域2(GSGG)n、nが1〜3であり,nがさらに好ましくは1である。FPRP中のフェニルアラニン(F)が、好ましくはL型であり、Metがメチオニンである。好ましいキメラタンパク質が:Met-NIF(257)-(Gly)5-FPRPGSGG-Hirugenで、その中、FPRP中のフェニルアラニン(F)がL型である。
【0011】
また、本発明のTNHHが、上記Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンアミノ酸配列又は白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲンアミノ酸配列と約80%又は約80%以上、好ましくは90%又は90%以上の同一性を有するアミノ酸配列且つ心疾患・脳血管疾患(例えば、脳卒中)を治療する活性を有するタンパク質を含む。上記同一性の数値が、一般的に大きな数値を好ましい。その中、アミノ酸配列の同一性が、Karlin 及びAltschul のBLASTアルゴリズム Algorithm(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268, 1990; Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873, 1993)を使用して決定される。
【0012】
本発明のTNHH中のFPRP構造が、特異的にフィブリンと結合することができ、TNHHをトロンビン活性の阻害と心疾患・脳血管疾患の治療面において、標的指向性を有する。
【0013】
また、本発明のTNHHが、心疾患・脳血管疾患の治療又は予防において優れた性能を有し、例えば、脳虚血損傷又は脳内血腫の治療又は予防、ならびに血小板凝集の阻害又は末梢血液白血球活性化の抑制において、顕著な進歩を有する。上記に記載の心疾患・脳血管疾患が、好ましくは脳卒中である。
【0014】
前記TNHHを得るために、本発明は以下の工程を採用する:(1)GeneBank中のNIFのcDNAならびにヒルゲンの12ペプチドにより推定されたコドン配列に基づいて、大腸菌又は酵母又はCHO発現のコドンバイアス原則に結合して、NHHに対応する人工合成に使われるcDNA配列を設計する;(2)上記設計されたcDNA塩基配列に基づき、いくつの相補オーバーラップしたプライマー対を設計し、再帰型PCR(recursive PCR)法を用いて、設計された塩基配列を増幅させ、pUC57シークエンス用プラスミドを挿入し、全自動DNAシーケンサー(ABI)により、人工合成されたcDNA断片の塩基配列が設計された配列と一致することがシークエンスして決定される;(3)上記(2)に設計された塩基配列を含有するpUC57を鋳型とし、プライマーを設計してTNHH遺伝子を増幅させ、且つ、発現ベクターに挿入しやすいために、ならびに発現ベクターが宿主細胞中で発現させるために、増幅された後の遺伝子の両側には、それぞれ消化部位が含まれ、末端の消化部位の前にターミネーターを含有し、好ましくは、TAATGAのターミネーターを含有する。その中、好ましくは、原核発現ベクターのpET-3cに挿入しやすいために、両側にそれぞれNdeIとBanHIを挿入する;(4)増幅されたTNHHの両側にはそれぞれ消化部位を含有するため、同様な消化部位を含有するシークエンス用プラスミドを用いて、増幅されたTNHH遺伝子と設計された遺伝子とは完全一致することを検定した後、TNHH遺伝子の正確な配列のシークエンス用プラスミドならびに発現ベクターを消化し、発現ベクターをTNHH遺伝子と連結させ、TNHH遺伝子を含有する発現ベクターが得られる;(5)得られたTNHH遺伝子を含有する発現ベクターを宿主細胞に形質転換し、形質転換された宿主細胞がシークエンス分析され、目的遺伝子を正確にベクターにインサートさせ、且つ目的遺伝子配列が設計されたものと同様である。TNHHタンパク質を宿主細胞において発現させ、最後に菌体から抽出精製してTNHHタンパク質が得られる。TNHHタンパク質配列が、NIFヒンジ領域とHirugenにより構成され、その中、NIF配列がN末端側に位置し、274アミノ酸によりからなる。実施例1-7に基づいて調製された組換えTNHHの発現ベクターが大腸菌発現のPET系である。原核生物の発現組換えTNHHにおいて、その5′側のATG開始コドンは、コードされ翻訳されてメチオニン(met)になる。従って、大腸菌において、TNHHを発現して調製してなる組換え産物がmet-TNHHである。真核発現系、例えば、酵母、哺乳動物細胞(CHO)等を利用して、同様なTNHHポリヌクレオチド配列を採用し、発現して調製してなるTNHH組換え産物のN末端側にはmetを持たない。本発明に提供されたTNHHアミノ酸配列が原核と真核生物により発現され、得られた組換え産物TNHHがN末端側にmetを持っているかどうか、そのTNHHの生物作用と薬効・機能に影響しない。
【0015】
また、本発明は、上記組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を提供し、その中、好ましくは、ポリヌクレオチドがSEQ ID NO. 2(配列番号2)である。
【0016】
本発明により提供された前記ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターが、pET系を好ましい。
【0017】
本発明により提供された前記発現ベクターを含有する宿主細胞が、大腸菌、酵母細胞とCHO細胞等を含み、好ましくは大腸菌である。
【0018】
本発明の薬物組成物が如何なる通常の剤型であってもよいし、各種の通常な投与方式により投与することができる。好ましい投与方式が胃腸外投薬であり、適用できる剤型が、例えば、注射剤型であり、注射液と凍結乾燥粉末等の形を含む。注射剤型を調製する時、本発明のTNHHに一定量の無機塩又はアミノ酸を添加して緩衝し、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジン、その中、塩は主にナトリウム塩であり、そのイオン強度が5−100mmol/Lの間である。薬物組成物のpHが、5.0-9.0の間に維持される。当該組成物中、タンパク質保護剤、例えば、アルブミン、ゼラチン、多糖、デンプン、グリセリン等を加えることができる。その中、多糖が、好ましくはマンニトール、ショ糖、トレハロース中の一種又は数種であり、その割合(g/ml)が2.0−6.0%である。
【0019】
本発明により提供された前記組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含む薬物組成物が、心疾患・脳血管疾患、特に脳卒中を治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】PCRにより増幅された各DNA断片であり、その中:M. 100 bp DNA Ladder Marker;1. Hirulog遺伝子(70 bp);2. NIF遺伝子(810 bp); 3. TNHH遺伝子(870 bp)である。
【図2】pLEX-TNHH、pLEXとpET3cプラスミドの消化同定であり、その中:M1. λDNA /Hind III+EcoRI digest;1. pLEX-TNHH / NdeI+BamHI;2. pLEX / NdeI+BamHI;3. pET3c / NdeI+BamHI; M2. 100 bp DNA Ladder Markerである。
【図3】発現組換えプラスミドpET3-TNHHの構築である。
【図4】組換えプラスミドpET3-TNHHの同定であり、その中:M. λDNA /Hind III+EcoRI消化;1. pET3c / NdeI+BamHIである。2-3.pET3-TNHH / NdeI+BamHI;4. TNHH遺伝子のPCR断片である。
【図5】TNHHの免疫ブロット同定であり、その中:M.タンパク質の分子量Marker;1. 精製されたTNHH;2. Hirudin;1'. TNHHの免疫ブロット;2'. Hirudinの免疫ブロットである。
【図6】正常対照群の大脳皮質神経細胞の層構造がはっきりし、細胞核濃染、細胞体が縮化又は消失する。
【図7】モデル群の大脳皮質神経細胞の層構造が乱れ、細胞核濃染、細胞体が縮化又は消失する。
【図8】NIF群の大脳皮質神経細胞の層構造が規則性に欠け、部分的な細胞核濃染、部分的な細胞体が縮化又は消失する。
【図9】NHH群の大脳皮質神経細胞の層構造が規則性に欠け、部分的な細胞核濃染、部分的な細胞体が縮化又は消失する。
【図10】TNHH群の大脳皮質神経細胞の層構造の規則性があり、部分的細胞核濃染を見かけ、部分的細胞体が縮化又は消失(HE 10X10)することを見かけることができる。
【図11】TNHH群の大脳皮質神経細胞構造の層構造の規則性があり、部分的細胞核濃染を見かけ、部分的細胞体縮化又は消失(HE 40X10)することを見かけることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、具体的な実施例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の保護範囲が以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0022】
実施例1 NHH遺伝子の取得
上海生物工程有限公司に委託して全遺伝子の人工合成を行い、その設計案が以下になる:
NHHにより設計された全遺伝子配列(Seq ID No.1)に基づいて、14のオリゴヌクレオチド断片を合成し、長さが80〜130bpの間である。その中、1、3、5、7、9、11、13の断片がセンス断片であり、2、4、6、8、10、12、14がアンチセンス断片である。隣接の2つ断片の間に20前後の塩基配列の相補区を設計する。以上の断片を合成して精製した後、等量混合により再帰型PCR(recursive PCR)の基質として、PCR反応をした後、822bpのNHH遺伝子が取得された。
【0023】
NHH遺伝子配列の前端にKex2部位を付加し、当該部位の開始の6塩基がXhoI部位であり、NHH後に2つ終止コドンがあり、終止コドンの後にXbaI部位が付いていた。
【0024】
合成されたNHH全遺伝子配列が、以下(SEQ ID NO. 1)に示す:
【化1】
合成遺伝子がpUC57プラスミドにインサートし、且つpUC57-NHHに命名される。当該NHH遺伝子がpPIC9Kと組換えプラスミドを構築することに用いられ、直線化した後、宿主菌のメタノール資化性酵母(Pichia pastoris)内に組換え、誘導発現させ、組換えNHHを調製して、本製品の動物モデル対照としてタンパク質を選抜した。
【0025】
実施例2 TNHH遺伝子の取得
本実施例において、設計されたTNHHがMet-NIF-GGGGG-FPRPGSGG-ヒルゲン構造を有し、その対応するポリヌクレオチド配列が以下(SEQ ID NO.2)に示す:
【0026】
【化2】
TNHH遺伝子が以下の工程により得られる:
4つのプライマーP1、P2、P3とP4を合成し、組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型として、プライマーP1、P2を用いてNIF遺伝子(尾部にはFPRPをコードする塩基配列を持っている)を増幅させ、プライマーP3、P4を用いて、Hirulog遺伝子(頭部にはFPRPをコードする塩基配列を持っている)を増幅させ、さらにNIF遺伝子及びHirulog遺伝子を鋳型として、プライマーP3、P4を用いてTNHH遺伝子を増幅させた。増幅されたTNHH遺伝子の頭部と尾部には、それぞれNdeIとBamHIサイトを付加し、原核発現ベクターpET-3cを挿入しやすくする。プライマー配列が以下(P1、P2、P3とP4がそれぞれSEQ ID NO.4、5、6と7である)に示す:
【化3】
CATATG:NdeIサイト;GGA TCC:BamHIサイト;枠内の塩基がアミノ酸配列FPRPをコードする;下線における塩基がアミノ酸配列GGGGG又はGSGGをコードする。
【0027】
オーバーラップ伸長PCR法を利用してTNHH目的遺伝子を増幅させる反応系が以下になる:各PCRの反応系が、PCR反応キット(TaKaRa、大連)を使用して、メーカーの説明書の通り設置した(表1)。
【0028】
組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型とし、P1、P2をプライマーとして、810 bpのNIF遺伝子を増幅させた(図1ライン2)。組換えプラスミドpUC57-NHHを鋳型とし、P3、P4をプライマーとして、70 bp のヒルゲン遺伝子を増幅させる(図1ライン1)。ゲルで回収されたNIF遺伝子とヒルゲン遺伝子を鋳型とし、P1、P4をプライマーとして、最終に870 bp のTNHH遺伝子を増幅させた(図1 ライン3)。
【表1】
反応系を均一に振動混合させ、遠心分離処理した後、40 μlミネラルオイルを添加した。
【0029】
反応パラメーターが以下に示す:
【化4】
反応が終了した後、反応産物3 μlを採り、1.0%アガロースゲル電気泳動でPCR効果を検出した(図1)。
【0030】
PCR結果により、各ステップのPCRが目的DNA断片を成功に増幅させ、TNHH遺伝子が初歩的に得られ、配列が正確かどうかを以下のように同定する:TNHH遺伝子及びベクターpLEX(Invitrogen)をNdeIとBamHIで二重消化した後、目的断片を回収し、T4 DNAリカーゼで連結して組換えプラスミドpLEX-TNHHを形成し、DNAシークエンス(TaKaRa、大連)された後、増幅されたTNHH遺伝子が設計されたものと完全に一致したことが示唆された。
【0031】
実施例3 組換えプラスミドの構築
1.主要材料
宿主菌E.coli BL21(DE3)pLysS、E.coli DH5α、プラスミドpET3c(Novagen)、DNA抽出精製キット(上海華舜生物工程有限公司)、λDNA/Hind III+EcoRI Marker(華美)、工具酵素NdeI、BamHI、Hind III、DNA Ladder Marker、DNA Recovery KitとDNA Ligation Kit Ver.2.1(TaKaRa、大連)、抗生物質 Ampicillin、Streptomycin、Tetracycline、Kanamycin (AMRESCO)。
【0032】
2.方法
pLEX-TNHHが2つ制限酵素NdeI、BamHIにより二重消化された後、目的断片を回収し、TNHH遺伝子とNdeI、BamHIにより二重消化されたpET3cプラスミド大断片とをDNA Ligation Kitで連結された。CaCl2法を使用してコンピテント形質転換E.coli DH5αを調製し、アンピシリン100 mg/Lを含有するLBプレートに均一に塗布し、37 ℃のインキュベーターで12 hインキュベーションさせ、乳色で半透明なシングルコロニーが生まれ、滅菌爪楊枝でシングルコロニーをピッキングして、Ampicillin 100 mg/Lを含有するLB液体培地で培養した後プラスミドを抽出し、NdeI、BamHIで二重消化することによりキメラになった860 bp断片の発現プラスミドpET3-TNHHをスクリーニングした。
【0033】
(1)プラスミド抽出
DNA抽出精製キットのマニュアルに基づいて行った。
【0034】
(2)消化
それぞれpLEX-TNHHプラスミドとpET3cプラスミドの消化反応を行った。反応系が以下になる:0.5 μgプラスミドDNA、BamHI 1.0ユニット、NdeI 1.0ユニット、10倍の酵素反応バッファー2.0μl、反応系の総体積20 μlまで脱イオン水(DDW)を入れた。37℃のインキュベーターで2 h消化され、1 μlずつ採り、1% アガロースゲル電気泳動を行った。pLEX-TNHH消化後、一つ860 bpバンドと一つ2900 bp バンドが示され、pET3cが一つ4600 bpバンドが示された(図2)。
【0035】
(3)pET-3cとTNHH遺伝子の連結
上記の消化サンプルを全部ゲル回収電気泳動を行い、DNA Recovery Kitのマニュアルに基づき、pLEX-TNHH消化後の目的断片と直線化されたpET-3cを回収し、回収された直線化pET-3cと目的断片をDNA Ligation Kitのマニュアルに基づき、16 ℃で30 min連結させ、pET3-TNHH(図3)が得られた。
【0036】
(4)コンピテントセルの調製及び形質転換
通常の塩化カルシウム法で、E.coli DH5αとE.coli BL21(DE3)pLysSコンピテントセルの調製とpET3-TNHHの形質転換を行った(《分子クローンマニュアル》第二版,P55)。
【0037】
実施例4
1.連結と形質転換
pET3-TNHHの陽性連結液(positive ligation solution)及び陰性連結液(negative ligation solution)をそれぞれE.coli DH5αに形質転換し、それぞれ100 mg/L Ampicillinを含む2つのLBプレートに塗布され、37 ℃で12 h恒温培養し、陰性プレートに5つのシングルコロニーが生まれたが、陽性プレートには100個前後のシングルコロニーが生まれ、連結と形質転換が成功したことが証明され、その形態特徴が大腸菌の典型的な表現である。
【0038】
2.組換え発現プラスミドpET3-TNHHの消化同定
滅菌爪楊枝で陽性プレートにおける2つのシングルコロニーをピッキングし、100 mg/L Ampicillinを含有するLB液体培地で37 ℃、12 h培養した後、組換え発現プラスミドpET3-TNHHを抽出し、NdeIとBamHIにより二重消化され、結果としては、4600 bpと860 bp (当該断片がTNHH PCR産物で対照とする)の2つ断片が呈示され、設計されたものと完全一致した(図4)。
【0039】
3.組換え発現プラスミドpET3-TNHHのシークエンス同定
pET3-TNHH / E.coliDH5αからプラスミドpET3-TNHHを抽出し、消化されることにより正確に同定された後、一部を採り、宝生物工程(大連)有限公司にシークエンスを寄託した。シークエンスの結果により、得られた発現プラスミドに含まれているTNHH配列があらかじめ設計された配列と一致したことが示唆された。
【0040】
実施例5 TNHHの抽出と精製
pET3-TNHH/BL21(DE3)pLysS工学菌をLB培地(100μg/ml Ampを含む)に接種し、30℃、250rpmで1.5〜3hr培養して、OD値が0.4〜0.6である場合、最終濃度0.5mM までIPTGを添加して3〜4hr誘導を行い、コロニーを回収して、TNHHを胞壁破壊して、抽出して精製した。
【0041】
具体的な工程が以下になる:
【化5−1】
【化5−2】
その後、上記得られたTNHH原液を10mmol/L PB(pH7.5) で希釈させ、TNHHタンパク質濃度を3.0mg/mlに達した後、マンニトール4.0%を添加し、さらに低温で凍結乾燥して完成品になる。
【0042】
実施例6 TNHH原液の免疫ブロット同定ならびにシークエンス同定。
精製されたTNHHを同じ注入量でSDS-PAGEゲル電気泳動した後、さらに電気転写器(electron-transferring apparatus)でニトロセルロースメンブレンに転写させ、ネズミ抗ヒルディン(Hirudin)抗体(一回抗体)と結合させ、さらにヒツジ抗ネズミIgG-HRP(ニ次抗体)と結合させた後、基質の呈色反応により免疫ブロット法による同定された(図5)。
【0043】
図5から見られ、TNHH内において、抗Hirudin抗体と特異的結合された成分が示され、これは設計されたHV2抗原エピトープが十分暴露され、抗体で特異的結合されることが示唆された。
【0044】
得られたTNHHのアミノ酸N側のシークエンス結果は、MNEHNLRCPQNGTEMであり、C側のシークエンス結果はEYLであり、設計された配列
【化6】
のN側配列とC側配列と完全に一致し、DNAシークエンス結果を結合して、TNHHのアミノ酸配列が設計されたものと完全に一致することが示唆された。
【0045】
その中、(Gly)5の前のアミノ酸配列がNIFであり、NGDFEEIPEEYLがヒルゲンのアミノ酸配列である。
【0046】
以上により、得られたTNHHが以下の構造:Met-NIF-GGGGG-FPRPGSGG-ヒルゲンを有する。
【0047】
実施例7 架橋領域1(Gly)15と架橋領域2(GSGG)3が含まれるTNHHの調製
PCR技術によって、TNHHの遺伝子の架橋領域1と架橋領域2をNIF−(Gly)15−FPRF−(GSGG)3−Hirogenの形に換えた。
【0048】
2対のプライマー配列が合成された:
【化7】
その中、枠内の塩基によりコードされたアミノ酸配列がFPRPであり、P6下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(Gly)15であり、P7下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(GSGG)3である。
【0049】
TNHH ポリヌクレオチド遺伝子を鋳型とし、実施例2、3、4、5の方法に基づいて、PCRを行って目的遺伝子が得られ、組換えプラスミドを構築し、連結と形質転換ならびに同定を行い、抽出と分離、精製を行った。
【0050】
得られた組換えTNHHがTNHH−G15/n3と命名された。
【0051】
インビトロ分析により比較して研究し、TNHH-G15/n3とTNHHのトロンビン活性の阻害及び白血球粘着阻止活性と一致していることが証明された。
【0052】
2対のプライマー配列が合成された:
【化8】
その中、枠内の塩基によりコードされたアミノ酸配列がFPRPであり、P6下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(Gly)15であり、P7下線の塩基によりコードされたアミノ酸配列が(GSGG)3である。
【表2】
【0053】
実施例8 TNHHの薬物組成物製剤
8.1 注射液
実施例5で調製されたTNHH組換えタンパク質原液が、以下の配合処方で薬物組成物注射液を調製し、その中、TNHHの濃度が最終濃度である。
【表3】
【0054】
8.2凍結乾燥粉末
実施例5で調製して得られた組換えタンパク質TNHH原液が、以下の配合処方で凍結乾燥粉末に調製してなり、その中、TNHHの含有量が最終含有量である。
【表4】
上記の実施例8中の調製工程が、通常注射液と凍結乾燥粉末の調製工程とおり調製される。
【0055】
以下の実施例が、本発明のTNHHの生物活性に対する測定の実験例であり、実験に使われているすべてのTNHHサンプルが実施例5に調製されたTNHH完成品である;NIFとNHH が、重慶富進生物医薬有限公司によって中国特許出願番号031011551に基づいて調製された。
【0056】
実施例9 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血損傷に及ぼす治療作用の比較
1.材料
薬物:試薬NIF、NHHとTNHH。
試薬:塩化トリフェニルテトラゾリウム(Triphenyltetrazolium chloride)(TTC)、中国医薬集団上海化学試薬公司より購入され、ロット番号:F20020610である;APTTキットが上海太陽生物技術公司より購入され、ロット番号:国薬器械(進)字2002第3401632番である。
動物:Wistarラット24匹、雄性、180〜230 g、重慶医科大学動物試験センターにより提供された。
【0057】
2.方法
Wistarラットをランダムに四群に分けられ、モデル群、NHH群、NIF群とTNHH群であり、一群ずつ6匹である。各Wistarラットが、10%トリクロロアセトアルデヒド一水和物(chloral hydrate)(350 mg/kg,ip)で麻酔した。そのラットを上を向いて寝かせて固定させ、頚の真中から切って皮膚を切り開けて、右側の総頚動脈を鈍性分離し、線2本を引いて游離させて用意した。さらに外頚動脈を分離して結紮した。外頚動脈の下で、内頚動脈及び翼口蓋動脈を分離し、翼口蓋動脈を結紮した。分離された総頸動脈の心臓に接近している側と心臓に遠く離れている側を動脈クリップで閉鎖させ、外頚動脈に小さな切口を切り、一つナイロンバー(Φ = 0.22〜0.30 mm)を切口に挿入し、前脳動脈(約20 mm)までゆっくり推進し、再び約2 mmぐらい引き戻り、大脳中の動脈口に達し、長さが約17 mmであり、7番線でナイロンバーを結紮して固定させ、動脈クリップを外し、筋肉と皮膚を縫い合わせ、手術の後、大きめのケージで単独に飼養した。動物が覚醒した後、行為学の評点が11点より低い場合、モデル成功の標識になる。1群ずつの動物モデルの成功後(動物麻酔して覚醒した後、行為学の評点が11点より低い方が標準とする)、各群の動物が、それぞれ尾静脈から相応している薬物2 mg/kg、bidを投与し、投薬容積が1 ml/100gであり、モデル群に対して相応している容量の生理塩水をあげた。それぞれ手術4 h、8 h、24 h、48 h、72 h後に、神経行為学評点(満点が11点である)を行った。手術後、72h評点された後、頚動脈にチューブが挿入され、血液1.8 mlを採り、0.2 mlの0.109 mol/Lクエン酸ナトリウム抗凝固液が入れられるシリコンチューブの中に直ちに添加し、軽く上下転倒して均一溶液に混合させ、300 rpm、15 min遠心分離し、上層液を回収し、試薬説明書に記載されたステップでAPTTを測定した。その後、さらにラットの頭を切り、頭盖骨を除去した後脳を取り、嗅球、小脳と低位脳幹を取り除き、残りの部分の重量を測った後、大脳を冠状面に沿って5片に切られ、脳片が4%TTCのリン酸バッファーに放置され、37 ℃、30 minインキュベーションし、その間3〜4回転げ回され(turned over)、正常な脳組織が紅色に染められ、梗塞脳組織が白色に示され、白色の梗塞区域を切って重さを計り、"重量により面積を求める方法"で、梗塞脳組織の重量が全脳重量に占めるパーセンテージを計算して梗塞面積とした。
【0058】
1群ずつにおいてさらに任意的に2匹動物を選び、処死した後、大脳を取り出し、病理検査を行った。
【0059】
3.結果
3.1 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血の行為学評点に及ぼす作用の比較
表2に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット中大脳動脈閉塞性脳虚血の行為学評点に対し、明らかな改善作用を有し、各投薬群がモデル群と比べ相違し有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表5】
【0060】
3.2 NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳梗塞体積に及ぼす作用の比較
表3に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット中大脳動脈閉塞性脳梗塞体積に対して明らかな減少作用を有し、各投薬群がモデル群と比べ、相違し有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表6】
【0061】
3.3 NIF、NHHとTNHHのラット中大脳動脈閉塞性脳組織梗塞の病理切片に対する観察結果
正常な対照群の脳組織と比べ、モデル群が各投薬群の大脳皮質神経細胞構造の層構造と異なる程度の乱れがあり、細胞核が濃染されて固縮して、細胞体が縮化した。海馬CA1区域の錐体細胞構造の層構造が異なる程度の乱れがあり、細胞の並び方が緩め、細胞液が薄染され、細胞核が濃染されて固縮し、細胞数が違う程度で低下した。モデル群と比べ、NIF、NHHとTNHHの病理変化がモデル群より軽く、その中、TNHH群の病理変化が最も軽い(図6-11を参照)。
【0062】
以上の病理切片から見られ、中大脳動脈閉塞性脳組織梗塞に対して、モデル群と比べ、NIF、NHHとTNHHが違う程度の保護作用があり、TNHH群の脳組織虚血壊死の変化が最も軽い。
【0063】
4.結論
NIF、NHHとTNHHがラット中大脳動脈閉塞性脳虚血損傷に対して明らかな治療作用があり、その中、TNHHの治療保護作用がもっとも顕著である。
【0064】
実施例10 NIF、NHHとTNHHがラット実験性脳内血腫に及ぼす治療作用の比較
1. 材料
薬物:試薬NIF、NHHとNTHHが重慶富進生物医薬公司により提供される。
動物:SDラット32匹、雄性、180〜230 g、第三軍医大学大坪病院動物試験センターにより提供される。
【0065】
2. 方法
2.1 ラット脳出血モデルの設立
SDラットをランダムに四つの群、即ちモデル群、NHH群、NIF群とTNHH群に分けられ、1群ごと8匹ずつの実験ネズミがトリクロロアセトアルデヒド一水和物により麻酔された後、尾を切って0.1 ml採血し、ラットを脳定位固定装置に固定させた。頭皮の真中に切口をし、骨膜を切りあけ、大泉門が暴露され、大泉門の1 mm後に、中線の左側3 mmの処において、直径1 mmの小穴を掘り、脳定位固定装置に固定された微量注射器を用いて、穴から針を入れ、針の入れる深さが5.8 mm(すなわち尾状核の位置)であり、自体の血液0.1 mlをゆっくり注射した。動物の意識が戻った後、評点標準付けにより、直ちに神経機能欠失特徴に対して評点した。行為学評点が11点より低い場合、動物が本実験に入選された。その後、それぞれモデルを作成後行為評点を実験終了まで行った。
【0066】
2.2 指標観察
神経機能欠失特徴の評点の観察及びモデルを作成した4 h、12 h、24 h、48 h、72 h後の5つの時間帯において、脳含水量の変化及び組織病理学観察がモデルを作成した72 h後に、動物を処死した後行った。
【0067】
2.3 投薬方法
1群ごとの動物モデルが構築された後(動物麻酔して覚醒した後の行為学評点が11点より低い場合を基準とし)、各群の動物に対してそれぞれ尾静脈から相応的な薬物2 mg/kg、bidを投与し、投薬容量が1 ml/100gであり、モデル群に対して、相応容量の生理塩水が与えられた。
【0068】
2.4 脳含水量の測定
動物が処死された後、直ちに脳を採り、血腫の縁側の脳灰質150〜200 g(皮質を取り除く)を採取した。乾湿法により脳組織含水量を測定し、公式:脳含水量 = (湿重 - 乾重)/ 湿重 × 100%により、脳含水量を計算した。
【0069】
2.5 普通の光鏡観察
選定された時間帯において、直ちに頭を切り脳を採り、冠状面から厚さ2 mmの脳片を切り、10%ホルムアルデヒト中に固定させ、通常HEで染色、封入し、病変区域及び附近の脳組織病理変化を調べた。
【0070】
2.6 行為指標評点
手術4 h、12 h、24 h、48 h、72 h後に行為評点を行った。方法が以下のように簡単に述べる:
ラットの尾を引いて、前肢の屈曲状況を観察し、例えば、前肢が対称的に地面に伸ばし、0点に計算され、例えば、手術の向こう側の前肢が腕屈、肘屈、肩の内旋、腕肘の屈曲且つ肩の内旋もあり、それぞれ1、2、3、4点に計られる。
【0071】
動物を水平地面に置かれ、それぞれ両肩を向こう側に移動させ、抵抗力を検査して、例えば、両側の抵抗力が対等且つ有力であれば、0点に計られ、例えば、手術の向こう側に押して抵抗力が低下する場合、低下の程度に基づき、軽、中、重度に分けられ、それぞれ1、2、3点に計られた。
【0072】
動物の二つ前肢を金属ネットに置かれ、二つ前肢の筋肉張力を調べた。二つ前肢筋肉の張力が対等且つ力入れるものが0点に計り、同様に、手術の側肢に対する張力の低下程度により、1、2、3点に計られた。
【0073】
動物が片側に向けて止まらなくくるくる曲がるものが、1点に計られた。標準に基づいて評点され、満点が11点であり、点数が高ければ、動物の行為障害が酷くなる。
【0074】
3 結果
3.1 NIF、NHHとTNHHがラット試験性脳内血腫行為学評点に及ぼす作用の比較
表5に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット試験性脳内血腫行為学評点に対し、明らかな改善作用を有し、各投薬群がモデル群と比べて、相違して有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【表7】
【0075】
3.2 NIF、NHHとTNHHがラット試験性脳内血腫脳含水量に及ぼす作用の比較
結果が表6に示し、NIF、NHHとTNHHが、ラット試験性脳内血腫脳含水量に対して、明らかな減少作用を有し、各投薬群がモデル群と比べて、相違して有意な差(P < 0.05とP < 0.01)がある。
【0076】
【表8】
【0077】
3.3NIF、NHHとTNHHのラット実験性脳内血腫の病理切片に対する観察の結果
観察の指標:脳水腫,神経細胞変性、壊死、神経線維の脱髄性疾患、神経膠細胞増生、炎症細胞浸潤と間質出血。
向こう側の脳の対照群観察:大脳皮髄の構造がはっきり、神経細胞、神経膠細胞、血管分布、血管構造が異常なし、脳水腫無し、炎症細胞浸潤及び出血が無し。
【0078】
モデル群:大脳皮髄質の構造がはっきりではなく、神経細胞が変性及び壊死があり、明らかな脳水腫及び炎症細胞浸潤があり、間質には出血があり、神経膠細胞の増生がある。上記病変の示す程度が:多数動物が ++ →+++ 度病変であり、2例が+ 度病変である。
NIF群:上記病変の多数が ± → + 度病変であり、3例が + → ++ 度病変である。
NHH群:上記病変の多数が0 → + 度病変であり、3例が + → ++ 度病変である。
TNHH群:上記病変が明らかによい方向に進んで、多数が0 → ± 度病変であり、2例のみが± 度病変である。
【0079】
4 結論
NIF、NHHとTNHHがラット実験性脳内血腫に対して明らかな治療作用を有し、その中、TNHHの治療保護作用が最も顕著である。
【0080】
実施例11 TNHHとフィブリン、トロンビンがインビトロで結合する状況。
1 試験材料
1.1 薬物
TNHH原液(3.0mg/ml)。人フィブリン(1 g/本、F5386)、sigma社。人トロンビン(127 Unit/本)、ロット番号:20021105、中国薬品生物製品検定所。
【0081】
1.2 溶液
リン酸塩バッファー(10 mmol/L PB、0.15 mol/L NaCl、pH 7.4 )。クロマトグラフィーの移動相バッファー:20 mmol/L NaH2PO4-Na2HPO4、0.15 mol/L NH4SO4、pH 6.8。
【0082】
1.3 機器
恒温水浴槽。ゲルクロマトグラフィーカラム (Shodex PROTEIN KW-82.5)。Waters 600HPLC系、浙江大学N2000クロマトグラフィーワークステーション。1 ml EP棚1つ、1 ml EPチューブ多数、1 mlピペット及びピペットチップ。
【0083】
2 試験方法及び結果
2.1 供試品
TNHHを取り、リン酸バッファーで1.0 mg/mlに希釈して用意した;適量のフィブリンを精密的に計り、リン酸バッファーで0.1 mg/mlに溶解且つ希釈して用意した;トロンビンを取り、標示量によりリン酸バッファーで100ユニット/mlに溶解且つ希釈して用意した。
【0084】
2.2 供試品反応
下記の方法で群分け、各供試品を取り、37℃、1時間反応させ、その後、クロマトグラフィー条件で分析を行った。
(1)それぞれ各供試品溶液20 μlを取り注入分析し、各自の保持時間を記録した。
(2)フィブリンとトロンビン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(3)TNHHとフィブリン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(4)TNHHとトロンビン供試品溶液を各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
(5)TNHHとフィブリン、トロンビンの混合反応したサンプルを各0.5 ml取り、均一に混合した後、37℃で1時間反応させ、20 μlサンプリングして注入分析した。
【0085】
2.3 クロマトグラフィー条件
流速:0.5 ml/min;検出波長:214 nm;カラム温度:室温;クロマトグラフィーチャート25 minを記録した。
【0086】
2.4 クロマトグラフィー結果
【表9】
【0087】
結果分析:TNHH、フィブリン及びトロンビンのSEP-HPLCにおける保持時間がそれぞれ異なり、それぞれ23.657、16.680と18.778 minであり、有効に分離されることができる。トロンビンとフィブリンが部分的結合され、保持時間が12.582 minであり、TNHHとフィブリンが有効に結合した後、保持時間が14.598 minになり、TNHHとトロンビン及びフィブリンの三つ結合した後の保持時間が10.265 minである。
【0088】
3 結論
TNHH、人フィブリンと人トロンビン三種類の異なるタンパク質が、SEC-HPLCクロマトグラフィーにおける保持時間はそれぞれ相違する。試験条件(生理緩衝)に基づき、相互混合した後、明らかな高分子量タンパク質ピークが出現し、その中、フィブリンとトロンビンが相互結合し得、本品TNHHとフィブリンとトロンビンが相互結合されることができる。この結果により:TNHHがインビトロにおいてフィブリン及びトロンビンと結合することができ、本品の構造には、含まれるトロンビン又はフィブリンに結合されるヒルゲンが、その空間構造が保持された。
【0089】
実施例12 TNHHとトロンビンのインビトロにおける可逆反応試験
1.試験材料
1.1薬物
TNHH(3.0 mg/ml);トロンビン(127 Unit/本、中国生物製品検定所、ロット番号20021105);IMUBIND(R) Hirudin ELISA(American Diagnostica inc. Product No.853)。
【0090】
1.2 機器
電熱恒温水浴槽(XMTB/H-3000 上海機器集団有限公司);Universal Microplate Reader(Elx-800,BIO-TEK INSTRUMENTS INC.);遠心分離機(TGL-16B 上海安亭科学機器廠)。
【0091】
2.試験方法
人トロンビン1本を取り、1.27 ml水を入れ、均一混合して100 Unit/mlの溶液が得られた;また、TNHH原液を採り、水で1.0 mg/mlに希釈した後、0.5 mlを取り、0.1 mlトロンビン溶液(50ユニットのトロンビン)を入れて、37℃で2 hr反応させ、上清を遠心分離して回収し、希釈液(IMUBIND(R) Hirudin ELISA Kit説明書に記載された希釈液)で10倍希釈した後、4倍勾配で6回希釈した後、IMUBIND(R) Hirudin ELISA Kitの使用説明書に記載された方法で検出を行い、結果としては、450nm波長においてその吸収値を測定した。
【0092】
3 試験結果と結論
サンプルが呈色しなく、ヒルディンの陽性標記品(キットに付加された)が直線関係が呈された。TNHHとトロンビンのインビトロ作用が不可逆と示唆された。 Hirudin ELISA Kitは、ヒルディンCペプチドと特異的に結合してその濃度が測定されるELISAキット(説明書に付加されたものに参照)であり、本キットは、0.1 ng/mlのヒルディンCペプチドを最小的に検出されることができる。Angiomax(二価ヒルディン)の資料に基づき、そのD-FPRP-4×Gly-Hirugenを含有する構造では、PGの間のペプチド結合がトロンビンにより加水分解され、Hirugen(ヒルゲン)を含有するC側ペプチドが放出されることができる。以上の実験により、本品TNHH中の"FPRP-GSGG-ヒルゲン"構造がトロンビン酵素に消化されることができなく、両者が結合して不可逆性を有する。
【0093】
実施例13インビトロにおける抗血小板凝集試験
1試験材料
1.1 薬物
TNHH(6.0mg/ml)人トロンビン(127 Unit/本)、ロット番号:20021105,中国薬品生物製品検定所。マンニトール注射液(20%マンニトール)、北京双鶴薬業。組換えヒルディン(1.0 mg/本)、ロット番号:20050301、-20℃保存、富進生物医薬有限公司。
【0094】
1.2 動物
健康で雄性の日本長耳白ウサギ、体重2.32±0.21 kg、第三軍医大学試験動物センターにより提供された。
【0095】
1.3 機器
血小板凝集器、BS634型、北京生化機器廠。
【0096】
2.試験方法
投薬前、耳中動脈を穿刺して血小板集合率を測定し、血小板集合率のレベル及び体重に基づき、ウサギをランダムに5群(1群ごと4匹)に分ける;(1)陰性対照群(5.12 mgマンニトール/kg)、(2)TNHH大量群(4.0 mg/kg)、(3)TNHH中量群(2.0 mg/kg)、(4)TNHH少量群(1.0 mg/kg)、(5)陽性対照群(0.1 mg組換えヒルディン/kg)。各群のウサギが記載された剤量で耳介静脈により一回注射投薬し、投薬15 min(ストップウォッチで正確に時間測定)後、耳中動脈を穿刺して採血し、血小板集合率を測定した。血小板集合率の測定方法:シリコン注射器で耳中動脈を穿刺して採血し、3.8%クエン酸ナトリウム溶液で抗凝固(血:抗凝固剤=9:1)し、200 × g、 8分間遠心分離し、上清を取り、多血小板血漿(PRP)になり、残りの部分を2200 × g 、10分間遠心分離し、上清を取り、貧血小板血漿(PPP)になった。PRP中の血小板計数が4.0×105/mm3前後である。Bornの比濁法により、200 μl PRP及び1小さい磁棒が入っている比濁管を血小板集合器に載せ、37℃で1 min保温し、PPP標定し、その後、攪拌する状況下で、誘導剤人トロンビン(0.76 IU/ml)を入れて誘導し集合させた。機器の自動的にプリントされた集合曲線及び最大集合率により、薬物が血小板集合に及ぼす影響を分析した。最大集合率の計算公式が以下になる:
【化9】
3. 試験結果
【表10】
測定結果から見ると、トロンビンによりウサギ血小板集合が誘導された場合、投薬前の各群間の血小板集合率が明らかな差異がなく、投薬15 min後、各投薬組と陽性対照群ヒルディンの血小板集合率が陰性対照群(P<0.01)より顕著に低く、且つ用量関係が顕著である。
【0097】
4. 結論
上記に結果により:ウサギ耳介静脈から一回注射投薬され、投薬15 min後、TNHHの三つの剤量が、トロンビンにより誘導されたウサギ血小板集合率(P<0.01)を顕著に低下させたことが示唆された。TNHHが血小板集合の阻害作用を有するが、陽性薬物ヒルディンの血小板集合阻害作用より明らかに低いと提示された。
【0098】
実施例14 人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害する試験
1.試験材料
1.1人末梢血液白血球の調製
健康者の静脈血10 mlを採取して、ヘパリンナトリウムで全血を抗凝固処理し、10 ml HAS Buffer(含RPMI 1640 + 10 mM HEPES + 1.2 mM CaCl2 +1.0 mM MgCl2+ 1%HAS, pH 7.4)を入れて均一に混合した。白血球分離液(上海生工)を滅菌エッペンドルフチューブに入れ、その後同じ体積の全血混合液をゆっくり添加し、2000 rpm、15分間遠心分離した。交叉処の白血球液を取り、適量の1640培養液を添加し、滅菌エッペンドルフチューブで10分間遠心分離して、2回洗浄した。上清を捨て、適量のHAS Bufferを添加し、沈殿を再懸濁させ、白血球懸濁液を調製し、細胞密度を計数して、細胞密度を4×107/mlに調整し、37℃で分離した後1時間以内に使用する。
【0099】
1.2薬物と試薬
TNHH(1.0mg/ml,白血球粘着阻止力価720ユニット/ml)、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(100ユニット/mg)、上海生工。FMLP(5 mg/本,F3506)、Sigma社。H2O2が重慶東試化工公司由来。放出分析バッファーが25 mMブドウ糖、10%牛胎児血清、200 mg/mlフェノールレッド、32 mg/mlホースラディッシュパーオキシダーゼを含有するHank's液である。
【0100】
1.3機器
Universal Microplate Reader (El×-800, BIO-TEK INSTRUMENTS INC.);遠心分離機(TGL-16B上海安亭科学機器厂)。
【0101】
2.試験方法
24穴細胞培養プレートを用いて、50%牛胎児血清を含有するHank's液で細胞培養プレートを被覆し、37℃、60 min培養し、さらに0.15 M NaClでプレートを2回洗浄した。放出分析バッファーで細胞を6.0×106/mlまで希釈し、細胞を加え、37℃、5 min培養した。FMLPを最終濃度250 nMまで添加した。相違濃度のTNHH供試品を加え、37℃、60 min培養した。細胞懸濁液8000 × gを吸い取り、3 min遠心分離して上清を取り、96穴マイクロプレートに複数穴入れた後、1穴ごと1 N NaOH(25 μl)を加えて反応を終止させ、610 nm波長に置いて数字を記録した。同時に、標準H2O2の溶液を採り対照として、TNHHが白血球のH2O2放出を阻害するIC50値を計算した。
【0102】
3.試験結果(表9を参照):
【表11】
【0103】
4. 結論
表9に示し:TNHHが人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害するIC50が8.5 μg/mlである。TNHHが人末梢血液白血球のH2O2放出を阻害する作用を有することが示唆され、対照群と比べ、阻害率が70%前後である。本品が白血球粘着作用を阻害する以外、末梢血液白血球の活性化機能を阻害することができる。
【0104】
実施例15 インビトロにおける全血の抗凝固試験
1.試験材料
1.1 薬物
TNHH;ヘパリンナトリウム、上海生工;リン酸塩バッファー(10 mmol/L PB,0.15 mol/L NaCl,pH 7.4 )。
【0105】
1.2 動物
健康長耳白色ウサギ1匹、体重2.49 kg。
【0106】
1.3 機器
ウサギ固定箱1つ、10 mlシリンジ2本、試験管棚1つ、試験管6本、1 mlピペット及びピペットチップ。
【0107】
2.試験方法及び結果
2.1 サンプル希釈
TNHHをリン酸塩バッファー(10 mmol/L PB,0.15 mol/L NaCl,pH7.4 )でそれぞれ4 mg/ml、2 mg/ml、1 mg/ml、0.5 mg/mlに希釈した。ヘパリンナトリウムが同じバッファーで1 mg/mlに調製された。
【0108】
2.2 試験方法
新鮮なウサギ耳介静脈血を採り、直ちに1mlを0-5番試験管に入れて、すでに希釈された相異濃度のTNHHサンプルをそれぞれ0.2 mlを採り、1-4番試験管に入れて、0番試験管には0.2 mlリン酸塩バッファーを加えて陰性対照チューブとし、5番試験管に0.2 mlヘパリンナトリウム(1 mg/ml)を加えて陽性対照チューブとした。直ちに均一に混合した後、室温で15分間置いて、その結果を調べた。
【0109】
3.結果(表10)
【表12】
【0110】
4.結論
リン酸塩バッファーを陰性対照(血液凝固)として、ヘパリンナトリウムを陽性対照(血液未凝固)として、相異濃度のTNHH(血液凝固)。上記の結果により:TNHHがインビトロにおいて全血抗凝固作用が無いことが示唆された。
【0111】
実施例16 TNHHがニュージーランドウサギの血液凝固系に及ぼす影響。
1.実験材料
1.1 供試薬品
1.1.1 名前:TNHH
配製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解し、必要濃度まで希釈した。
【0112】
1.1.2 名称:ビバリルジン/水蛭ペプチド(Bivalrudin)(成都捷迅生物技術有限公司製)
性状:凍結乾燥粉末注射剤
規格:1.0 mg/本
ロット番号:20071001
保存方法:光を避け、低温(2〜8℃)保存
調製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解して、必要濃度まで希釈した。
【0113】
1.1.3 名前:ヒルディン(Hirudin)(山東阿華生物製薬有限公司)
性状:凍結乾燥粉末注射剤
規格:2.0 mg/本
ロット番号:20070510
保存方法:光を避け、低温(2〜8℃)保存
調製方法:0.9%塩化ナトリウム注射液で溶解して、必要濃度まで希釈した。
【0114】
2.2 実験動物
ニュージーランドウサギ、第三軍医大学付属第三医院(大坪病院動物センター)により提供された;実験動物の合格証書番号:SCXK2002-008。雌か雄か無論し、体重2.5〜3.0 kgである。動物の飼養条件が通常レベル(温度20-25℃;相対湿度40-70%;昼夜明暗の交替時間10/14)である。
【0115】
2.3 主要実験試薬
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)測定試薬:フランスSAGO社、ロット番号:061982;
プロトロンビン時間(PT)測定試薬:フランスSTAGO社、lot:061933;
トロンビン時間(TT)測定試薬:フランスSTAGO社、lot:060201;
クエン酸ナトリウム抗凝固チューブ:湖北金杏科技発展有限公司、lot:070208;
2.4 実験機器
全自動血液凝固分析装置、フランスSTAGO診断技術有限公司、型番:STA。
【0116】
3. 実験方法
3.1 TNHHがニュージーランド白ウサギの体内血液凝固系に及ぼす影響
ニュージーランド白ウサギ24匹をランダムに4 群に分け:TNHH 6.75 mg/kg群、TNHH 3.375 mg/kg群、水蛭ペプチド1.5mg/kg群、IVヒルディン0.5mg/kg 群である。耳介静脈から注射投薬(注射2 min)前(0 min)と投薬後10 min、30 min、60 min、120 min、240 minにおいて、それぞれ耳介静脈から1.8 mlを採血し、3.2%クエン酸ナトリウムで抗凝固(9:1)して、均一に混合した後、3000 rpm/min、3minで遠心分離し、血漿を採り、西南病院検験科に送り、全自動血液凝固分析装置でAPTT、TT、PTの三つの血液凝固指標を測定し、投薬前後の変化を比較した。
【0117】
3. 2 TNHHがニュージーランド白ウサギインビトロ血液凝固系統に及ぼす影響
生理塩水で薬物を下記濃度まで希釈して用意する:TNHH:3.0 mg/ml、1.0 mg/ml、333 μg/ml;ビバリルジン:600 μg /ml、200 μg /ml、67 μg /ml;ヒルディン(Hirudin):660 μg /ml、220 μg /ml、73 μg /ml。
【0118】
体重の相似する6匹のニュージーランド白ウサギを選らび、1匹ごと耳介静脈から10×1.8 ml血液を採血し、それぞれ10本の抗凝固チューブに入れ、3.2%クエン酸ナトリウムで抗凝固(9:1)した。
【0119】
1チューブごとの抗凝固血液から20 μlを採り、さらにそれぞれ上記希釈された薬品20 μlを加え、対照チューブには20 μl生理塩水が加えられた。均一に混合した後、3000 rpm/min、3min遠心分離し、血漿を採り、西南病院検験科に送り、全自動血液凝固分析装置を用いてAPTT、TT、PTの三つの血液凝固指標を測定し、違う薬物が投与されること及び同じ薬物の相異濃度が外因系血液凝固システムに及ぼす影響を比較した。
【0120】
4. 統計学処理
SPSS 13.0統計ソフトを用いて、統計分析を行った。実験結果が
【化10】
で表示され、群間の比較が単因子分散分析を使用して、群間差異を比較し、p <0.05に対して結果の差が顕著とし、p <0.01に対しては結果の差が非常に顕著とした。
【0121】
5.実験結果
5.1 TNHHがニュージーランド白ウサギの体内血液凝固系に及ぼす影響
5.1.1活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の変化
違う剤量TNHHを静脈注射し、違う時間帯のウサギ血漿活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT) の変化が表11に示す。
【0122】
表11に示し、3.375 mg/kg TNHH群と6.675 mg/kg TNHH群が0minに対照し、投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min 後、APTTが明らかな延長(P>0.05)が無く、上記2つ剤量のTNHHを静脈注射することが、ニュージーランドウサギ血漿の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に対して、4時間以内で顕著な影響が無かったことが示唆される。
【0123】
水蛭ペプチド1.5 mg/kg群とヒルディン0.5 mg/kg 群が、投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min後、APTTも明らかな延長(P>0.05)も無かった。
【表13】
【0124】
5.1.2 血漿プロトロンビン時間(PT)
違う剤量のTNHH静脈注射し、異なる時間帯ウサギ血漿プロトロンビン時間(PT) の変化が表12に示す。
【0125】
表12 から見られ、0minに対照し、3.375 mg/kg TNHH 群が投薬10 min、30 min、60 min、120 min、240 min後、PTが顕著な延長(P > 0. 05)が無く、しかしながら、6.675 mg/kg TNHH 群の第120 min と240 min の時、PTが 顕著に延長(P< 0.05)されたが、延長時間が3秒に超えなく、臨床意義が無い。少量のTNHH(3.375 mg/kg)がニュージーランドウサギのプロトロンビン時間(PT) に対して顕著な影響が無く、大量のTNHH(6.675 mg/kg)がニュージーランドウサギのプロトロンビン時間(PT) に対して一定な影響を有したが、臨床意義が無い。
【0126】
水蛭ペプチド(1.5 mg/kg)群10 min と30 min の時、PTが顕著に延長( P< 0.05)され、ヒルディン0.5 mg/kg 群の10 min PTも顕著に延長(P< 0.05)された。しかし、各群のPT 延長時間が3秒に超えなく、臨床意義が無い。
【表14】
【0127】
5.1.3 血漿トロンビン時間(TT)
違う剤量のTNHHが静脈注射され、異なる時間帯のウサギ血漿トロンビン時間(TT)の変化が表3に示す。
【0128】
表13から見られ、0 minに対照し、3.375 mg/kg TNHH群投薬10 min 後、TTが顕著に延長(P<0.05)され、しかしながら、20 min 後、各時相のTTが顕著な延長が無かった;6.675 mg/kg TNHH 群10 minと 30 min 2つ時相のTTが 顕著に延長(P<0.05)された。少量のTNHH(3.375 mg/kg)がニュージーランドウサギのトロンビン時間(TT) に対して、短時間の影響があるが、大量TNHH(6.675 mg/kg)がニュージーランドウサギのトロンビン時間(TT)に対して、一定の影響がある。
【0129】
水蛭ペプチド1.5 mg/kg群10 min と30 min時のTTが顕著に延長( P< 0.01)され、ヒルディン0.5 mg/kg 群10 min、30 min、60 min のPTが顕著に延長( P< 0.01)された。
【表15】
【0130】
5.2 TNHHがニュージーランド白ウサギのインビトロ血液凝固系に及ぼす影響
表14から見られ、対照チューブと比べ、少、中、大量のTNHH がAPTT、PT に対して顕著な影響(P>0.05)が無く、大量群(30 μg/ml)のTT のみが顕著に延長(P< 0.05)された;
水蛭ペプチド群の大量群(6 μg/ml)のみには、APTT、PT、TT が明らかに延長された;水蛭ペプチド2μg /ml と水蛭ペプチド0.67 μg/ml 群のAPTTが顕著な延長(P>0.05)が無く、TTが顕著に延長(2μg /ml水蛭ペプチド、P< 0.05;0.67 μg/ml 水蛭ペプチド、P< 0.01)され、PTが 顕著に延長(P< 0.05)されたが、PTの延長が3秒に超えなく、臨床意義が無い;ヒルディン6.6 μg/ml 群とヒルディン2.2 μg/ml 群のAPTT、PT、TT が顕著に延長(P< 0.05)されたが、PT 延長が3秒に超えなく、臨床意義が無い;ヒルディン0.73 μg/ml 群のAPTT、PTが顕著な延長( P>0.05)が無く、TTが顕著に延長(P< 0.01)された。
【表16】
【0131】
7. 結論
動物実験で急性虚血性脳卒中を治療する有効剤量をはるかに超えた場合、TNHHが内因性血液凝固経路に対して影響が無かったが、外因性血液凝固経路、繊溶系に対して、一定の影響がある。
【0132】
実施例17 TNHHがラット限局性脳虚血-再潅流障害に及ぼす保護作用
1 材料と機器
1.1 薬品と試薬
(1)トリクロロアセトアルデヒド一水和物、中国医薬上海化学試薬公司。
(2)実施例5に調製されたTNHH完成品。
(3)塩化-2,3,5-トリフェニルテトラゾリウム (2,3,5-Triphenyltetrazolium Chloride, TTC)、E.Merck輸入サブパッケージされ、上海化学試薬分装廠、PBSで調製し、光を避け低温保存する。
(4)25%マンニトール、武漢浜湖双鶴薬業有限責任公司、ロット番号:070417-504、10mMPBで4%マンニトールに希釈される、pH7.0
【0133】
1.2 実験器材
(1)中国産2.5番ナイロン線、直径0.22mm、0.24mm、 0.26mm。市場から購入された。
(2)医療用4番線、上海医療用縫合針廠により生産された。
(3)日本産1472-CHA型電子精密天秤。
(4)画像分析ソフトシステム 成都泰盟
【0134】
1.3 実験動物
Sprague-Dawley(SD)ラット、雄性,清潔レベル、体重180-250g、華中科技大学同済医学院実験動物センターにより提供された。動物証番号: SYXK(E)2004-0029
【0135】
2方法
2.1 ラット限局性脳虚血モデルの作成
Nagasawa[2]法を参照して、片側の中大脳動脈閉塞(Middle cerebral artery occlusion, MCAO)モデルを作成し、改善を行った。具体的な作業工程:ラット体重を計り、10%のトリクロロアセトアルデヒド一水和物溶液(300mg・kg-1)を腹腔注射して麻酔させ、上を向いて寝かせて恒温手術台(温度37±0.5℃)に固定された。頚部皮膚がヨードチンキで消毒された後、真中皮膚に切口を入れ、皮下組織と筋肉を鈍的切開し、甲状腺と副甲状腺に損傷することを避けるようにする。片側の総頸動脈及びその分枝外頚動脈と内頚動脈を分離して、線を通って用意し、内頚動脈に沿って頭蓋内方向へ翼口蓋動脈の交叉部まで分離して、翼口蓋動脈、外頚動脈と総頸動脈を結紮した。総頸動脈の交叉部で小さい切口を入れ、内頚動脈に沿って頭蓋内まで一つ直径が約0.23-0.26mmのナイロン線(ナイロン線直径が動物体に基づいて改めて適当に選択する)を大脳前動脈に挿入し、挿入深さが約17-20mmで、抵抗力に会ってから停止し、ナイロン線と内頚動脈とを一緒に結紮した。皮下筋膜及び皮膚を縫い合わせ、それぞれ1hと2h閉塞した後、閉塞線を抜き出して、中大脳動脈閉塞-再潅流モデルになった。偽手術群について、ナイロン線が血管を閉塞するように挿入されないこと以外、他のステップが手術群と同じである。
【0136】
2.3 神経症状の評点
ラットが覚醒した後、その神経症状の変化を観察し、主な表現が:
1)Horner's症候群:虚血側では縮瞳、眼球陥凹、眼裂狭小、筋張力が相対的に増強される;非虚血側の眼球がやや突出、瞳孔及び眼裂が正常、筋張力が低下した。
【0137】
2)身体状態:ネズミ尾を引いて懸空される時、ラットが強迫性身体状態に呈し、体が非虚血側に曲がり、非虚血側の前肢が裏側に引き締め胸壁にくっ付け、虚血側の前後肢が外へ開いている。
【0138】
3)追尾特徴:運動する時、体が非虚血側に回転し、自分の尻尾を追っているように見え、回転が停止した後、尾が特別な回旋状になることができる。
【0139】
神経症状が、longa 5点原則[3]で評点された。評点基準:神経損傷症状が無し、0点;左側の前足が完全に伸ばせない、1点;非虚血側に回転する、2点;歩く時、非虚血側に倒る、3点;自発的に歩けない、意識昏迷状態、4点。
【0140】
2.4 TTC染色
TTC染色の原理:TTC(2,3,5-Triphenyltetrazolium Chloride)は還元型と酸化型の2種類の状態があり、還元型は紅色に呈し、酸化型は無色である。正常な脳組織内では、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を含有し、無色の酸化型TTCを紅色の還元型TTCに還元させる。脳が虚血した後、梗塞領域の神経細胞が虚血して壊死され、NADPHが失って、TTCを還元することができなく、当該領域の脳組織が灰白色に呈したが;正常な脳組織内のNADPHが存在し、酸化型TTCを還元型に還元し、当該領域が紅色に呈し、虚血梗塞区と非虚血正常区の脳組織を区分することができる。
【0141】
TTC染色方法:各群ラットが虚血-再潅流して48時間後、頭を切り脳を採り、嗅球、小脳と低位脳乾を取り除き、-20℃で10min凍結して、視交叉部から冠状面を採り、7片に均一に切り、1片ごと約2mm厚度の脳片になった。脳片を2%TTC液に入れて、37℃、光を避け、30minインキュベーションし、さらに脳片を10%ホルムアルデヒトに置いて固定させた。
【0142】
2.5 脳梗塞体積の測定
脳梗塞体積:各ラット脳片を切片順に並んだ後、デジタルカメラで写真を撮り、コンピューターに入力し、画像分析ソフトにより文献[4]方法を参照して、梗塞のパーセンテージを計算した。計算公式:梗塞パーセンテージ(%)=蒼白区面積/全脳総面積×100%。
【0143】
2.6実験群分けと投薬
1、ブランク対照群:動物が如何なる処理をせず、同じ条件下のみで飼養した
2、偽手術群:手術がモデル群と同じであるが、血管を閉塞しない
3、モデル群:1時間閉塞-再灌流48時間
2時間虚血-再灌流48時間
4、モデル作成が成功した後、さらにラットをランダムで3つの剤量群に分けられた
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH0.75mg/kg静脈投与、
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH2.25mg/kg静脈投与
虚血60分間-再灌流2時間群、TNHH6.75mg/kg静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH0.75mg/kg静脈投与、
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH2.25mg/kg静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、TNHH6.75mg/kg静脈投与
5、溶媒対照群
虚血60分間-再灌流2時間群、4%マンニトール静脈投与
虚血120分間-再灌流2時間群、4%マンニトール静脈投与
投薬方式:静脈注射(2min)、1日2回、1回ずつの間隔が少なくとも8時間:MCAO再灌流2時間後に投薬され、投薬体積:0.5ml/匹/回
投薬時間:一日目:再灌後2 hと10hに、それぞれ一回投薬、二日目:2回投薬、1回ずつの投薬間隔が8hである;実験の持続時間:一回目の投薬後48hに、ラットを処死した。
【0144】
2.6統計方法
実験データがmean±S.E.Mで表示される。SPSS11.5を用いて、 windows統計ソフトパッケージにより、one-way ANOVA、post-hoc LSD test及びindependent-samples T testで、データに対して有意差検定をし、P<0.05としては、統計学では有意な差があり;P<0.01としては、統計学では極めて有意な差がある。
【0145】
3結果
3.1 TNHHがMCAOラット神経行為症状に及ぼす影響
MCAO閉塞1時間後、48時間再潅流し、ラットが明らかな神経運動機能障害を表し、ネズミ尾を引いて懸空させた時、ラットの左側前肢が曲がり裏に引き締め、左側肢の筋張力が低下し、歩く時、非虚血側へ回転して、追尾特徴を現し、症状を観察する期間内において進行性酷くなる状況が示された。神経症状評点:2時間:1.77±0.59;6時間: 1.73±0.59;12時間:1.73±0.42;24時間:1.83±0.49;48時間:1.87±0.58。2時間再潅流後、TNHH(投薬量と群分けが前記と同じ)の静脈注射により、処理群動物が各時間帯における症状が緩和され、特に大量群の作用がもっと顕著で、相応するモデル群と比べ、差が極めて有意P<0.01である。MCAO閉塞2時間後、48時間再潅流して、ラットの神経機能症状がMCAO閉塞1時間後、48時間再潅流よりさらに厳重し、神経症状評点:2時間:1.96±0.75;6時間:2.19±0.69;12時間:2.32±0.82;24時間:2.12±0.79;48時間:2.23±0.69;同様にTNHH処理した後、ラット神経症状が明らかに改善され、大量群の作用がより顕著し、相応するモデル群と比べ、差が有意P<0.05である;溶媒対照群が4%マンニトールの静脈投与することにより、2種類のモデルの各時間帯の神経症状に対して明らかな改善作用が無かった。実験結果が表15に示す。
【0146】
3.2 TNHHがMCAO-再潅流ラットの脳梗塞体積に及ぼす影響
MCAO閉塞1時間後、48時間再潅流し、ラット脳梗塞体積が(22.281 ± 4.71)%であり、再潅流2時間後、静脈注射TNHH(投薬量と群分けが前記と同じ)により、TNHH各剤量群の脳梗塞体積がそれぞれ:少量群:(19.93 ± 12.40)%;中量群:(19.41 ± 11.74)%;大量群:(12.89 ± 8.94)%であり;モデル群と比べ、それぞれ10.54%、12.88%と42.14%を低下し、大量群の作用がもっとも顕著し、モデル群と比べ、極めて有意な差P<0.01がある;MCAO閉塞2時間後、48時間再潅流し、ラット脳梗塞体積が(28.16 ±10.90)%であり、同じ剤量のTNHHで処理された後、各群動物の脳梗塞体積がそれぞれ:少量群:(27.52 ± 17.63)%;中量群:(26.07 ± 8.06)%;大量群:(19.72 ± 8.90)%であり;モデル群と比べ、それぞれ3.63%、7.42%と29.97%を低下し、大量群の作用が最も顕著であり、モデル群と比べ、極めて有意な差P<0.01がある;溶媒対照群が4%マンニトールの静脈投与することにより、2種類のモデル群動物の脳梗塞体積に対して明らかな改善作用を有する。実験結果が表16に示す。
【表17】
【表18】
【0147】
本発明の上記実施例は、本発明を明瞭に説明するために例示されたものだけであり、本発明の実施形態に対して何らか制限をしない。また、当業者については、上記説明に基づき、他の形の変化又は変動させても良い。ここでは、すべての実施形態に対して例示する必要は無いが、これらの本発明を基に拡大された明らかな変化又は変動も、本発明の保護範囲に属するべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質であって、以下の構造を有する:
(1)Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン;
(2)白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン;又は
(3)上記(1)又は(2)中のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、且つ心疾患・脳血管疾患を治療する活性を有するタンパク質。
【請求項2】
架橋領域1が5〜15のグリシンで、架橋領域2が(GSGG)nであり、nが1〜3である請求項1に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項3】
FPRP中のFがL型である請求項1に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項4】
架橋領域1が5個グリシンであり、架橋領域2がGSGGである請求項3に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項5】
アミノ酸配列がSEQ ID.3である請求項3に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列。
【請求項7】
上記配列がSEQ ID.2であることを特徴とする請求項6に記載のポリヌクレオチド配列。
【請求項8】
請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項9】
前記発現ベクターがpET系である請求項8に記載の発現ベクター。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の発現ベクターを含む微生物。
【請求項11】
前記微生物が大腸菌である請求項10に記載の微生物。
【請求項12】
一種の請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含む薬物組成物。
【請求項13】
前記組成物が腸胃外投薬剤型である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質の、心疾患・脳血管疾患の治療用薬物を調製することにおける応用。
【請求項15】
前記心疾患・脳血管疾患が脳卒中であることを特徴とする請求項13に記載の応用。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質の、脳虚血損傷の治療又は予防、脳内血腫の治療又は予防、血小板凝集の阻害又は末梢血液白血球活性化の阻害の薬物を調製することにおける応用。
【請求項1】
組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質であって、以下の構造を有する:
(1)Met-白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン;
(2)白血球阻害因子-架橋領域1-FPRP-架橋領域2-ヒルゲン;又は
(3)上記(1)又は(2)中のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、且つ心疾患・脳血管疾患を治療する活性を有するタンパク質。
【請求項2】
架橋領域1が5〜15のグリシンで、架橋領域2が(GSGG)nであり、nが1〜3である請求項1に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項3】
FPRP中のFがL型である請求項1に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項4】
架橋領域1が5個グリシンであり、架橋領域2がGSGGである請求項3に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項5】
アミノ酸配列がSEQ ID.3である請求項3に記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列。
【請求項7】
上記配列がSEQ ID.2であることを特徴とする請求項6に記載のポリヌクレオチド配列。
【請求項8】
請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項9】
前記発現ベクターがpET系である請求項8に記載の発現ベクター。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の発現ベクターを含む微生物。
【請求項11】
前記微生物が大腸菌である請求項10に記載の微生物。
【請求項12】
一種の請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質を含む薬物組成物。
【請求項13】
前記組成物が腸胃外投薬剤型である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質の、心疾患・脳血管疾患の治療用薬物を調製することにおける応用。
【請求項15】
前記心疾患・脳血管疾患が脳卒中であることを特徴とする請求項13に記載の応用。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれかに記載の組換え白血球阻害因子とヒルゲンキメラタンパク質の、脳虚血損傷の治療又は予防、脳内血腫の治療又は予防、血小板凝集の阻害又は末梢血液白血球活性化の阻害の薬物を調製することにおける応用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−517593(P2010−517593A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549762(P2009−549762)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000359
【国際公開番号】WO2008/101415
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(509230458)ルナン ファーマシューティカル グループ コーポレーション (5)
【出願人】(509230469)ファゲン バイオメディカル インコーポレイテッド.チョンゴン (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000359
【国際公開番号】WO2008/101415
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(509230458)ルナン ファーマシューティカル グループ コーポレーション (5)
【出願人】(509230469)ファゲン バイオメディカル インコーポレイテッド.チョンゴン (1)
【Fターム(参考)】
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