説明

組電池

【課題】単位電池を組電池として直列に接続して充電すると、満充電にならない単位電池や逆に過充電となる単位電池が生じる。バッテリ管理ユニットによって、組電池を構成する各単位電池の電圧等を検出し、その検出情報を基に、単位電池個々の充電電流を制御する方法が開示されている。この場合、組電池全体で数百本の信号線を処理する必要があるが、この信号線数を極小化する。
【解決手段】単位電池ボード毎に搭載された単位電池の電圧等の測定及び該測定値を保持する手段と、該保持した測定値を該バッテリ管理ユニットにデジタル信号として送信する手段等を有し、複数の単位電池ボードと該バッテリ管理ユニットとを1重又は2重のループ状通信路により接続し、該ループ状通信路を介して該各単位電池ボードと該バッテリ管理ユニット間で、該測定値等の送受を行うよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の単位電池を接続して構成される組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電源として要求される電圧、電流容量に応じて、単位電池を複数個組み合わせた組電池を使用する場合が多い。ここで使用される単位電池としては、古くは鉛電池に始まりニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、そして最近ではリチウムイオン電池と多岐に渡り、その種類により特性は異なるが、共通していえることは、一定の電荷量以上に充電(過充電)したり、一定の電荷量以下に放電(過放電)すると劣化し、そのような充放電を繰り返すと益々その劣化が進行し、電池寿命や信頼性が著しく悪化することである。
【0003】
このような特性を有する単位電池を組電池として直列に接続して充電すると、各単位電池間の自己放電電流や経時変化(劣化)のバラツキ、充電効率のバラツキ等に起因して、各単位電池の両端の電圧値にバラツキが生じ、満充電にならない単位電池や逆に過充電となる単位電池が生じる。また放電時においても、放電速度にバラツキが生じるので、過放電となる単位電池が生じる。
【0004】
このため、特許文献1には、複数の単位電池の充電制御のために、複数単位電池に共通にA/D変換回路とマイコンで構成されたバッテリ管理ユニットを設置し、該マイコンによって、組電池を構成する各単位電池の電圧、温度、周辺温度及び充放電電流を検出し、検出した単位電池情報を基に、複数の単位電池の充電状態SOC(State of Charge)を算出し、算出した充電状態に基付き、該複数の単位電池個々の充電電流を制御する方法が開示されている。
【0005】
この特許文献1の技術による組電池であって、非常に多数の単位電池を用い、組電池の出力電圧が高い場合に、バッテリ管理ユニットを構成する電子回路の耐圧制限から、例えば単位電池8個毎にセル情報計測通信制御装置をおいて、複数のセル情報計測通信制御装置とバッテリ管理ユニットを通信路で接続する方法がとられている(非特許文献1)。
【0006】
特許文献1の技術を実際に実現するためには、各単位電池とバッテリ管理ユニットとの間には、電圧センス用信号線1本、電池温度センス用信号線1本、充電電流制御用信号線1本の計3本が最低限必要で、それらを受け入れるバッテリ管理ユニットには、複数の単位電池から各3本の信号線が入ってくる。
【0007】
例えば、リチウムイオン電池セルを単位電池とする自動車駆動用の組電池を考えるとリチウムイオン電池の公称電圧3.7ボルトに対し、自動車駆動用には、500〜700ボルトの電圧が必要と思われるので、制御対象の単位電池数は、135〜190程度となる。この場合、バッテリ管理ユニットには、135〜190x3=405〜570本の信号線が収容されることになる。
【0008】
また、非特許文献1の図1−1に示されるように、単位電池8個毎にセル情報計測通信制御装置を置いて、複数のセル情報計測通信制御装置とバッテリ管理ユニットを接続する方法の場合であっても、トータルとしは、上記の場合と同じ数の信号線を引きまわす必要があり、さらにセル情報計測通信制御装置とバッテリ管理ユニットを繋ぐ信号線を追加する必要がある。
【0009】
このように多数本の信号線を扱う必要があることは、自動車駆動用の組電池製造上、コストダウンの障害となる大きな課題である。この課題の解決手段として、各電池モジュールに隣接電池モジュールの信号線を併せて収容できるコネクタを設ける技術が公開されている(特許文献2)
【特許文献1】特開平9−294337
【特許文献2】特開2007−59088
【非特許文献1】「第二世代リチウムイオンバッテリコントロールユニットの紹介」森原徳彦 他 EVSソリューション2009 2009年12月17日〜18日 国際連合大学 ウ・タント国際会議場 (財)日本自動車研究所 PP108〜PP116
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2の技術を用いると予め決めた数の複数電池モジュールを一群の電池モジュールとし、隣接前位の電池モジュールからの信号線をコネクタに収容し、当該信号線を隣接後位の電池モジュールに中継することができるので、信号線の処理は効率よく対処できるが、予め決めた一群を構成する電池モジュールのすべての信号線を収容できるコネクタを準備しなければならないので、予め決めた電池モジュール群毎に個別のコネクタを準備する必要があった。さらに予め決めた電池モジュール数が大きくなると例えば数百になるとコネクタ自身が大きくなり個々の電池モジュールにコネクタが実装できないという課題があった。


【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、複数の単位電池を接続して構成される組電池であって、各単位電池を搭載した電子回路板(単位電池ボードと呼ぶ)と該複数の単位電池ボードに共通のバッテリ管理ユニットを構成要素として有し、個別単位電池ボード毎に搭載された単位電池の電圧、単位電池の温度、単位電池の周辺温度及び単位電池の内部抵抗のすべて又はその一部の測定及び該測定値を保持する手段と、該保持した測定値を該バッテリ管理ユニットにディジタル信号として送信する手段と、該バッテリ管理ユニットよりディジタル信号として送られて来る単位電池指定電圧値を受信、保持する手段とを有し、該複数の単位電池ボードと該バッテリ管理ユニットとを1重のループ状通信路又は2重のループ状通信路により接続し、該ループ状通信路を介して該各単位電池ボードと該バッテリ管理ユニット間で、該測定値、該単位電池指定電圧値および関連制御情報の送受を行うよう構成する。
【0012】
課題解決のためのポイントは、各単位電池ボードからバッテリ管理ユニットへの信号線の数を極小とすることである。すなわち単位電池ボードに電圧や温度を測定する機能を持たせ、該単位電池ボードから一の信号線で測定データをバッテリ管理ユニットへ送付可能とすることである。それには小型MPU(Micro Processor Unit)が便利である。近年の小型MPUは、数個のアナログ/ディジタルコンバータを有しており、この機能を使って電圧や温度を測定する。
【0013】
単位電池ボード内で必要なセル情報(電池電圧、電池温度、電池周辺温度及び電池内部抵抗)が取得され、ディジタル化されるので、バッテリ管理ユニットとの間の情報授受は、ディジタルデータとして伝達可能で、単位電池ボードと
バッテリ管理ユニット間を直流絶縁することは容易であり、バッテリ管理ユニットにおける耐圧制限の問題は解消できる可能性は大きい。したがって、バッテリ管理ユニットと単位電池ボードを接続するにあたって、非特許文献1のように単位電池ボード8個毎にセル情報計測通信制御装置を設置する必要はなくなる。
【0014】
しかし、バッテリ管理ユニットと各単位電池ボードとを個別線でスター状に接続したのでは、情報信号授受のために各単位電池ボードあたり最小限上り下りそれぞれ1本、計2本の信号線が必要なので、バッテリ管理ユニットは単位電池ボード数の2倍の信号線を収容しなければならないことと、その数だけの直流絶縁回路が必要であり、コスト負担は依然として大きい。
【0015】
この多数の信号線を引きまわすことを回避するために、各単位電池ボードに無線送受信機能を持たせる方法もあるがコスト負担を考えると必ずしも有効ではない。そこで小型MPUが有しているシリアル通信インタフェースを効率よく利用することとすると、2つの問題がある。(1)低価格小型MPUは1個の送信ポート、1個の受信ポートを具備する程度であり、情報の並列伝送は出来ないこと、(2)各単位電池が直列に接続されるため単位電池ボード間には単位電池1個分の電位差があり、単純にMPUの通信インタフェースを直列に数珠繋ぎすることが出来ない。
【0016】
(1)のポート数の制限は、ループ状通信路を構成し、トークンリング通信制御プロトコルの効率化を図ることで解決し、(2)の電位差の問題は、“隣接単位電池ボード間の電位差がほぼ一定で、且つ、半導体の耐圧を上回るほど大きくないことに着目し、単位電池ボード毎に単位電池1個の電位差分だけレベルシフトさせることで解決する。

【発明の効果】
【0017】
本発明による組電池は、構成に使用される単位電池の数によらず、各単位電池からの信号線は、隣接単位電池ボード間における測定値送信用信号線と単位電池指定電圧値受信用信号線の2信号線(1重ループ状通信路の場合)又は4信号線(2重ループ状通信路の場合)であり、バッテリ管理ユニットの収容する信号線もまた、測定値受信用信号線と単位電池指定電圧値送信用信号線の2信号線又は4信号線となり、組電池製造上において、取り扱う信号線の経路が単純化され、格段のコスト削減を実現できる効果がある。

【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を用いて、具体的に説明する。
図1Aは本発明の組電池の全体構成を概念的に示す図である。組電池1は、バッテリ管理ユニットBMU100と、n個の単位電池ボードUBB200/1〜200/nとが通信路300でループ状に接続されたものである。また、各単位電池ボードUBB200には、単位電池500が搭載されており、単位電池500は、直列に接続され、電力ライン400を通して負荷または充電器に接続される。
【0019】
なお、本図は、一重のループ状通信路300の情報伝達が一端の最前位単位電池ボードUBB200/nから他端の最後位単位電池ボードUBB200/1の方向として示され、以下の説明もこの方向を前提としているが、逆方向の通信路であっても良く、本発明として方向を限定するものではない。
【0020】
また、図1Bは、2重のループ状通信路301及び302を有する場合を示す。二重のループ状通信路は、障害を想定した冗長構成であって、通信路300が2本あると考えてよい。通常の機能説明上は必ずしも必要がないので、以下の説明では一重のループ状通信路を前提とし、二重のループ状通信路の説明は原則省略する。
【0021】
図2Aは、単位電池ボードUBB200の具体的な構成例と隣接単位ボードとの接続の様子を示したものである。各単位電池ボードUBB200には、単位電池UB500、マイクロ・プロセッサ・ユニットMPU201、送信信号用ドライバスイッチ202およびインバータ204、抵抗205を構成要素として含む。図2Aにおいて隣接する単位電池ボードUBB200の相互間は、通信用コネクタ600および電力用コネクタ700によって接続される。
【0022】
前位の単位電池ボードUBB200/i+1の信号線252はコネクタ600を通して単位電池ボードUBB200/iの信号線251に接続され、当該単位電池ボードUBB200/iのMPU201のシリアル通信ポートの受信用ポートRにインバータ204を介して接続される。
【0023】
また単位電池ボードUBB200/iのMPU201のシリアル通信ポートの送信用ポートTは、信号送信用ドライバスイッチ202のベースに接続され、ドライバスイッチ202をON・OFFすることによって、ディジタル信号を信号線252上に送出し、該ディジタル信号は、コネクタ600、後位の単位電池ボードUBB200/i−1の信号線251を経由して、後位のMPU201に伝達される。
【0024】
このとき単位電池ボードUBB200/iのドライバスイッチ202のコレクタは、後位の単位電池ボードUBB200/i−1の抵抗205を通して、後位の単位電池ボードUBB200/i−1のアースに接続される。したがって、ドライバスイッチは、OFFのときに、エミッタ、コレクタ間に単位電池の電圧の2倍の電圧が掛ることになる。単位電池の電圧が、例えばリチウムイオン電池の場合、公称3.7ボルトであるので、2倍の公称7.4ボルトが掛るが、半導体ドライバスイッチ202が十分に耐えられる電圧である。このようにして、隣接後位単位電池ボードUBBに情報が伝えられるたびに信号レベルは、単位電池1個分の電位がシフトダウンされてゆく。
【0025】
また、このときTの信号波形は、ドライバスイッチを通して信号線251に伝えられるが極性が反転するので、インバータ204を通してR端子に入力される。
このようにして、各単位電池ボードUBBは、信号線251及び252とMPU201、ドライバスイッチ202及びインバータ204によってループ状に接続され、ループ状通信路300を構成する。
【0026】
また、当然のことながら単位電池500のマイナス側は、当該単位電池ボード内のアース電位として、MPU201他に供給され、単位電池UB500のプラス側は、電源としてMPU201他に供給される。
【0027】
図2Bは、単位電池500が並列接続された二つの電池セル500(1)及び500(2)によって構成される場合を示す。一般に単位電池は要求される電流容量によって、複数の電池セルが並列接続されるので、本図は例として示したもので、本発明が二つの電池セルの並列接続の場合に限定されるものではなく、複数の電池セルが並列あるいは直列に、また並直混合であっても良い。
【0028】
図2Cは、SOC算出のために必要な測定項目の測定方法について、図2Bの単位電池を例に図示したものである。図2Bの単位電池500には、二つの電池セル500(1)と500(2)があり、電圧測定、温度測定、内部抵抗測定は、それぞれのセルを対象に測定され、周辺温度は共通項目として測定される。
【0029】
具体的に、電池セル500(1)の電圧はセルのプラス側をMPU201のアナログ/ディジタルコンバータ端子AD1に接続して、当該セルの電位として、ディジタル計測され、一次記憶装置RAM2012上のテーブル3000(図5B)の3001欄に記憶される。
【0030】
また、電池セル500(1)の温度は、該セルに貼り付けられたサーミスタ203(1)をMPU201のAD3端子に接続し、サーミスタ電位がディジタル値として測定され、さらに温度としてディジタル変換され、一次記憶装置RAM2012上のテーブル3000(図5B)の3003欄に記憶される。
【0031】
さらに、電流センサ206(1)がアンプ207(1)を通して、MPU201のAD6端子に接続され、ディジタル値として測定され、さらに内部抵抗値としてディジタル変換され、テーブル3000(図5B)の3006欄に記憶される。
【0032】
同様に電池セル500(2)の電圧、温度、内部抵抗が測定され、テーブル3000(図5B)の3002、3004、3007欄にそれぞれ記憶される。
周囲温度は二つの電池セルに共通するので、単位電池ボード200の電池セル近辺の空きスペースに宙ブラに設置されたサーミスタ203(p)によって、MPU201のAD5端子に接続され、ディジタル値として測定され、さらに周辺温度としてディジタル変換され、テーブル3000(図5B)の3005欄に記憶される。

【0033】
図3は、図2Aに示した単位電池ボードを使用したときの全体構成を示す。図2Aに示す通信路300は、前述したように単位電池ボードUBB200/i+1の信号線252と単位電池ボードUBB200/iの信号線251がコネクタ600を介し単線で直結され、直流結合されることになるので、最前位と最後位の単位電池ボードの電位差はボード数だけ重畳される。例えば単位電池192個の場合、リチウムイオン電池を用いるとその電位差は、3.7ボルトx192=710ボルトに達するので、ループ状通信路をバッテリ管理ユニット100に直流絶縁することなく直接収容することは難しい。
【0034】
単位電池ボードUBB200とバッテリ管理ユニットBMU100を直流的に切り離すには、トランス結合、光結合等の方式があるが、単位電池500を192個直列接続し、合計電圧700ボルト超のシステムでは、単位電池の配置スペースが大きくなり、必然的にバッテリ管理ユニットBMU100と単位電池ボードUBB200群間の距離が長くなるので、この間の伝送を平衡伝送路とし、トランス結合等による直流切断とする必要がある。
【0035】
そこで図3に示すように、最後位の単位電池ボードUBB200/1及び最前位の単位電池ボードUBB200/nとバッテリ管理ユニットBMU100の間を直流電圧絶縁とするためにトランス結合等を用いた平衡伝送路で接続する。
【0036】
具体的には、この間の伝送路の両端にトランス結合等によるU/B変換回路801及びB/U変換回路802を設置し、平衡伝送路310を構成する。こうすることによって、単位電池の直列接続によって積み上がった高電圧とバッテリ管理ユニットBMU100は、直流的には切り離され、耐圧の問題は解決する。
【0037】
これに対して、単位電池ボードUBB200の入出力信号線は図2Aに示すように単線での直結であり図3の不平衡伝送路300を構成していることは前述のとおりである。
【0038】
図4は、図2A、図3の構成でバッテリ管理ユニットBMU100からの信号がどのように単位電池ボードUBB200を伝達され、再びバッテリ管理ユニットBMU100に戻ってくるかについて図示したものである。
【0039】
バッテリ管理ユニットBMU100は、伝達すべきディジタル情報をUB変換器801によって、平衡信号に変換して送信してくる。これを最前位の単位電池ボードUBB200/nに前置したBU変換器802によって受信し、その受信信号を不平衡信号に変換するが、この信号は、全単位電池ボードUBB200/1〜200/nの総計電圧上に重畳される。
【0040】
すなわち(n・E+0/5)ボルト信号として、MPU201/nの受信ポートRに入力される。ここでEはリチウム電池の公称電圧であり、+0/5は、“low”信号では0ボルト、“high”信号では5ボルトだけ重畳した信号を示す。
【0041】
MPU201/nからの送信データは、送信ポートTより出力され、送信用ドライバスイッチにより、{(n−1)・E+0/5}ボルト信号として、後位の単位電池ボードのMPU201/n−1の受信ポートRに入力される。
情報は順次このようにして、後位の単位電池ボードに伝達され、最終的には単位電池ボード200/1に(0・E+0/5)ボルト信号として到達し、MPU200/1の送信ポートTより出力され、UB変換器801により、平衡伝送信号に変換されて、バッテリ管理ユニットBMU100のBU変換回路802に伝達される。
【0042】
このように最前位の単位電池ボード200/nと最後位の単位電池ボードUBB200/1は直流結合されているため、その間の総計電位差、例えば、リチウム単位電池192個の場合、約700ボルトに達するが、前述の通り情報データが隣接の後位単位電池ボードに伝達される度に、リチウム電池の公称電圧E分だけレベルシフトされながら、最後位の単位電池ボードに到達することができるので、700ボルトの電位差が障害となることはない。
【0043】
図5Aは、マイクロ・プロセッサ・ユニットMPU201のハードウエアの論理ブロック構成図である。MPU201には、中央処理装置CPU2011、一次記憶装置RAM2012,シリアル通信インタフェースSCI2013、複数のアナログ・ディジタル変換器ADC2014、データ出力DATA2015及びバス2010を構成要素として含む。
【0044】
図5Bは、測定値等保存用のテーブルを示す。ここでは各単位電池が2個の電池セルが並列に接続された場合についてのテーブル3000を示しており、測定値の測定、記憶方法は前述の通りである。また、図5Cは、バッテリ管理ユニットBMU100より送られてくる各種パラメータ値を記憶するための一次記憶RAM1002上にあるテーブル4000であり、均等化電圧値(取り込まれたPM値すなわち単位電池指定電圧値)、TK監視タイマー値、均等化時間をそれぞれ4001〜4003欄に記憶する。
【0045】
また、図5Dは、メッセージ受信並びにメッセージ送信に用いられる送受信バッファSRBの構成を示す。前位の単位電池ボードUBB200/i+1からのディジタルデータは、受信用ポートRで取り込み、シリアル通信インタフェースSCI2013で文字組立てが行われ、一次記憶RAM2012上の送受信バッファSRBに受信メッセージとして格納される。
【0046】
また、中央処理装置CPU2011の指示により、シリアル通信インタフェースSCI2013は、送受信バッファの受信メッセージを取り出し、後位の単位電池ボードUBB200/i−1に中継転送する。自単位電池ボードUBB200/iに送信メッセージがある場合は同じく中央処理装置CPU2011の指示により、送受信バッファSRB上にセットされた送信メッセージを取り出し、送信用ポートT通して後位の単位電池ボードUBB200/i−1に送信する。
【0047】
送受信バッファSRBは、前位の単位電池ボードUBB200/i+1から、メッセージを受信しながら、そのままその受信メッセージを後位の単位電池ボードUBB/i−1に転送する必要があることから、ラウンドロビン形式のバッファで構成されている。そのバッファ容量は、受信メッセージの転送が、高々2バイトの遅延で実施されるので、2バイト〜3バイトあれば十分であるが、送信メッセージは、最大22バイト構成(詳細後述)となるので、送受信バッファの容量は、32バイト(2のべき乗)である。
【0048】
また、図5Dには、送受信バッファSRBの書き込み読み出し制御のために必要な受信バイト位置カウンタRBC、送信バイト位置カウンタSBC及び要送信バイト数カウンタSBNの三つのレジスタを示す。三つのレジスタ長はいずれも1バイトである。その動作については、後述する。
【0049】
また、中央処理装置CPU2011は、データポートDATA2015を使用して、ポートDO0〜1によって、外部に対し、信号“high”、“low”を指示することができる。このポートDO0を用いて、図示されない放電回路のON・OFFを制御行う。詳細は後述する。
【0050】
図6Aは、バッテリ管理ユニットBMU100のハードウエアの論理ブロック構成を示す。BMU100には、中央処理装置1001、一次記憶装置RAM1002、シリアル通信インタフェースSCI1003、U/B変換器801、B/U変換器802及びバス1010を構成要素として含む。
【0051】
図6Bは、一次記憶装置RAM1002上の送信バッファおよび受信バッファを示す。一次記憶RAM1002上の送信バッファSBM0/1に準備された送信メッセージは、中央処理装置CPU1001の指示により、シリアル通信インタフェースSCI1003を経由して、U/B変換器801より、平衡伝送信号として最前位の単位電池ボードUBB200/nに送られる。また、最後位の単位電池ボードUBB200/1からの平衡伝送信号は、B/U変換器802によって、不平衡信号に変換され、シリアル通信インタフェースSCI1003で文字組立てが行われ、一次記憶RAM1002上の受信バッファRBM0/1に格納される。
【0052】
送信バッファSBM0/1は、送信コマンドの最長バイト数をカバーすることで十分なので、容量18B、受信バッファRBM0/1は、全単位電池ボードからそれぞれ21バイトの応答を一時にまとめて受信するので、21バイトX192=4032バイトは必要であり、送信コマンド分を含め容量約4.1KBのいずれも2面バッファである。
【0053】
次にバッテリ管理ユニットBMU100および単位電池ボードUBB200の機能について説明する。図7及び図8はループ状通信路300上を流れるメッセージフォーマットを示し、図7はBMU100から各UBB200宛に送信されるメッセージフォーマットであり、図8は、各UBB200より、BMU100宛送られるメッセージフォーマットを示す。
【0054】
図7及び図8ですべてのコマンドフレーム、応答フレームの尾部に“TK”すなわちトークンが記載されているが、これは一般的な概念を示したもので、コマンドフレーム、応答フレームそのものには、“TK”そのものは、含まれない。フレームは“END”までである。
【0055】
図9は、ループ状通信路300を用いて通信するための通信プロトコルで使用されるネットワーク制御信号(総称CNT)を示し、図10はコマンド類(総称CMD)を示し、図11は各種アドレス(総称ADD)を示し、図12は、データ類(総称DAT)を示し、図13のテーブル5000はステータスの詳細を示す。
【0056】
図14は、各単位電池ボードUBB200のメッセージ受信とメッセージ送信の原理を示したものである。
最前の単位電池ボードUBB200/nの受信メーセージ(図14の(1))には、BMU200からのコマンドフレームが含まれている。UBB200/nは、これに自己の応答フレームを付加して、送信メッセージ(図14の(2))を作成し、後位の単位電池ボードUBB200/n−1に送付する。これを後位の単位電池ボードUBB/n−1が受信し、それに自己の応答フレームを付加して、送信メッセージ(図14の(3))を作成し、さらに後位の単位電池ボードUBB200/n−2に送付する。
【0057】
このような動作を順次繰り返しながら、全単位電池ボード200からの応答フレームがバッテリ管理ユニットBMU100に返送されることになる。バッテリ管理ユニット200が特定の単位電池ボード200/iからの応答のみを要求する場合には、当該UBB200/i以外のすべてのUBB200/j(j≠i)は、応答フレームを返さないので、UBB200/iからの応答フレームのみが返送されることになる。
【0058】
なお、ここで“TK”は、トークンと呼ばれ、送信権の授与を意味するものである。すなわち“TK”を保持しているノード(本例では、MBU100とUBB200/1〜200/nのうち“TK”を保持しているノード)のみがデータの送信を許される。
そこで、BMU100は、コマンドフレームの後尾に“TK”を付加して送付し、送信権を最前位の単位電池ボードUBB200/nに授与したものである(図14の(1))。
【0059】
次にこのコマンドを受領したUBB200/nは、自己の応答フレームをコマンドフレームの後ろに付加し、さらにその後ろに“TK”を付加して、後位の単位電池ボードUBB200/n−1にメッセージを伝達すると同時に送信権の授与を行っている(図14の(2))。
【0060】
次に図15、図16、図17によって、組電池1の代表的な動作シーケンスを示す。図15は、全単位電池200からMACアドレスの報告を求めるシーケンス図である。組電池1は起動がかかるとバッテリ管理ユニットBMU100が配下の全単位電池ボードUBB200宛に、IDの収集のために、それぞれのMACアドレスを報告するように図7に示すC1形式コマンドフレームのCIDコマンドメッセージ+TKを最前位の単位電池ボードUBB200/n(UBBと称する。以下同じ)に向けて送出する(S1001)。
【0061】
このCIDコマンドメッセージを受信したUBBは、メッセージを解析し、全UBB宛のCIDコマンドであることを認識し、自己のMACアドレスを図8に示すR1形式応答フレームのID欄にセットし、ID応答を作成し、CIDコマンドのENDマークと後続のTKマークの間に挿入して、CIDコマンド、ID応答、TKの順に後位の単位電池ボードUBBn−1宛に送付する(S1002)。
【0062】
これを受信したUBBn−1は、同じ様に自己のMACアドレスを用いて、IDn−1応答を作成し、CIDコマンド、ID応答、IDn−1応答、TKの順にさらに後位のUBBn−2向けて送付する(S1003)。
【0063】
順次同じ動作を繰り返し、最後位のUBBは、前位のUBBよりCIDコマンド、ID応答、IDn−1応答、・・・・ID応答、TKを受信(S1004)し、BMUに対して、ID応答をTKの前に挿入して送付する(S1005)。図面の表現上、BMUが図面の左右に2つ書かれているが、これはループ状通信路を展開図で表示したためであり、実際は一つのBMUである。
【0064】
BMUはS1005により、受信した全UBBのIDとしてのMACアドレスを分析し、組電池1に組み込みの許されるメーカ製の単位電池ボードであることを確認する。確認が取れると各MACアドレス対応に組電池1内で使用するネットワークアドレスNADを作成し、SNADコマンドにより、各UBBに通知する。その様子を図15の下段に示す。
【0065】
このときC2形式コマンドフレームが用いられ、各ID対応にNADが割り当てられて総計でn個のNAD付与メッセージが送付される(S1011〜S1013)。各UBBは自己のMACアドレスに対応するIDにより、自己宛のNADを取り込み、以降このNADを使ってBMU100とUBB200/i間の通信が行われる。
【0066】
次に、図16は、BMU100が、UBB200に対して、測定した電圧等のデータの送付を要求する場合のシーケンスを示す。
測定データの要求は、C1形式コマンドフレームに於いて、DAに対象UBBのNADを設定し、RVコマンドを送付する(S2001)。当該RVコマンドを受信してもDAに示されたNADが自己のNADと一致しないUBBは、特に何もせずに後位のUBBj−1に該コマンドをそのまま転送する(S2002)。
【0067】
当該NADを有するUBBがこのRVコマンドフレームを受信すると(S2003)、これに反応し、測定した電圧情報VをR2形式応答フレームで返送してくる(S2004)。その後のUBB(j≠i)では、何も付加されず、最終的にUBBiの電圧情報Vのみが、BMUに返送されてくることとなる。
【0068】
また、DAをall“0”としたRVコマンドとして送付すると全UBBがこれに対して反応し、RVコマンド、V(R2応答)、Vn−1(R2応答n−1)、・・・・V(R2応答)、TKの形で測定電圧情報を全単位電池ボードより返送してくる(S2011〜S2016)。
【0069】
測定温度、測定内部抵抗の報告手順も本質的に測定電圧の報告と同一であるが、コマンド対応に報告データを取り出して、応答メッセージを作成していたのでは、処理の効率が落ちるので、応答メッセージ如何にかかわらす、測定データの応答フレーム上の位置を固定し(図8参照)、重要で報告頻度の高い方から電圧、温度、内部抵抗の順に配置し、測定の行われる毎に、常時全データを返送出来るようにR4形式の応答フレームの形で準備しておく。これを準備応答フレームARF(Arranged Response Frame)と言い、一次記憶装置RAM2012上に準備される。
【0070】
RVコマンドに対しては、上位の電圧のみを返送し(R2形式応答フレーム)し、RTコマンドに対しては、電圧、温度の両方を返送(R3形式応答フレーム)し、RRコマンドに対しては、電圧、温度、内部抵抗のすべてを返送(R4形式応答フレーム)することでコマンド毎の処理を最少として、中央処理装置の負荷低減を図っている。
【0071】
また、ステータス情報については、R2からR4すべての応答フレームに含めており、これも情報収集のたびに、他の測定データと一緒にR4コマンドとして準備しておき、RSコマンドにたいしては、R2形式の応答フレームで返答することとしている。
【0072】
次に図17は、BMU100が各UBB200/iに対して、単位電池指定電圧値を通知する場合のシーケンスを示す。
単位電池500の電圧の均等化は全UBB200を対象に行うので、C1形式コマンドフレームのDAをall“0”に設定し、PMに均等化のための単位電池指定電圧値を設定したEQLコマンドを最前位のUBB200/nに向けて送出する(S2021)。
【0073】
このEQLコマンドを受け取った単位電池ボードUBB200/nは、フレーム内容を分析し、全UBB宛のEQLコマンドであることを認識すると該UBBのMPU201は、フレーム内のPMのデータを均等化のための指定単電池電圧値として取り込み(S2031)、図5Cに示す一次記憶装置RAM2012上のテーブル4000の4001欄の均等化電圧値として4200列に記憶する。EQLコマンドフレーム自身には手を加えることなく、後位のUBB200/n−1に転送する。
【0074】
以下各UBBは、同じ様に指示された単位電池指定電圧値を均等化のための基準電圧値として取り込み、一次記憶装置2012上のテーブル4000の4001欄に記憶し、該EQLコマンドフレームを後位の単位電池ボードに転送するので、すべてのUBBは指示された単位電池指定電圧値を均等化のための基準電圧値として取り込むことができる。
【0075】
図10におけるEタイプのコマンドSPM1,SPM2及びSPM3に対する動作は、EQLコマンドと同様であり、それぞれPMに格納されているパラメータ値を取り込み、テーブル4000の該当欄に記憶する。
【0076】
図19A〜図22は単位電池ボードUBB200の各種動作をフローチャートで示したものである。単位電池ボードUBB200がバッテリ管理ユニットBMU100より受け取るコマンドは図10に示す通りであるが、これらは、単位電池ボードUBB200における処理の類型で分類すると図18の通りである。この分類から解るように、コマンドタイプAとDは応答フレームを作成し、バッテリ管理ユニットBMU100に返送するので、詳細をフローチャートを用いて説明する(図20A〜E、図21A〜E)。
【0077】
また、タイプEのEQLコマンドは、応答フレームの作成はしないが、組電池特有の処理であるので、フローチャートを用いて詳細に説明する(図22)。その他のタイプは、すべて単位電池ボード内の処理に閉じ、単純な動作であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0078】
図19A、図19Bは、各種のコマンドタイプに共通な処理フローである。図19Aは、シリアル通信インタフェースSCI2013が受信データの文字組立てを実行し、1バイトの組み立てを完了し、送受信バッファSBRに該バイトの書き込み格納が終了するごとに中央処理装置CPU2011へ割り込みを掛けてくるので、これによりスタートする(S5000)。受信されたバイトデータは、受信バイト位置カウンタRBC(図5D)の下位5ビットをインデックスとして、一次記憶装置RAM2012上の送受信バッファSRBに書き込まれている。
【0079】
CPU2011は、割込を検知してプログラムがスタート(S5000)し、受信バイトカウンタRBCの下位5ビット“b”を参照して、送受信バッファ上のバイト位置b−1及びbに該当する2バイトを読み出し(S5001)、図示されないTOPレジスタの内容を参照して、過去にネットワーク制御信号“TOP”の受信履歴があるかを調べる。
【0080】
受信履歴なし(S5002,NO)の場合、該2バイトがネットワーク制御信号“TP”であるかを分析し、“TOP”であると識別すると(S5020,YES)、TOP受信登録(S5021)し、直ちに、送受信バッファの内容すなわち“TOP”を後位の単位電池ボードUBB200へそのまま転送するように、シリアル通信インタフェース2013に指示(S5022)し、次の受信バイトの格納に備えて受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ更新して(S5023)、終了する(S5030)。
【0081】
S5002でYESの場合は、送受信バッファSRB上のバイト位置“b”の内容を自単位電池ボードUBBに転送するようSCI2013に指示し(S5003)、次にTOP後の受信バイト数の偶奇数を判定(S5004)し、奇数の場合(S5004、NO)、TOPを“1”だけ加算(S5005)し、受信バイト位置カウンタSBCを“1”だけ加算(S5023)して、終了(S5030)する。
【0082】
図19Bは、S5022で、シリアル通信インタフェースSCI2013に転送指示する場合のフローチャートを示す。中央処理装置CPU2011は、まず、シリアル通信インタフェースSCI2013が送信中かどうかを要送信バイト数カウンタSBNによって判定する(S4001)。
【0083】
送信中でないことを確認すると(S4001、NO)、送受信バッファSRB上で転送すべき対象バイトの先頭バイト位置b−1を送信バイト位置カウンタSBCにセットし(S4002)、要送信バイト数カウンタSBNの値を追加送信すべきバイト数p(ここでは“TOP”の2バイト故、p=2)だけ加算する(S4003)。
【0084】
送信中であると判断すると(S4001、YES)、受信バイト位置カウンタSBCのセットを行わず、要送信バイト数カウンタSBNを追加送信すべきバイト数p(ここでは、p=2)だけ加算する(S4003)。
【0085】
送信指示を受けるシリアル通信インタフェースSCI2013は、1バイトの送信処理を終了すると中央処理装置CPU2011へ割り込みを発生する。
図19Cは、該割り込みを検知した後の中央処理装置CPU2011の動作フローを示す。
【0086】
すなわち、割込を検出すると継続送信すべきバイトがあるか否かを要送信バイト数カウンタSBNの内容をみて判定する(S4101)。継続送信すべきバイトがない場合(S4101,YES)、SCIへ送信指示をせずに直ちに終了する(S4130)。
【0087】
継続送信すべきバイトがある場合(S4101、NO),送信バイト位置カウンタを“1”だけ加算し(S4102)、要送信バイト数カウンタSBNを“1”だけ減算し(S4103)、SCIへ送信指示して(S4104),終了する(S4130)。
【0088】
図19Dは、送信指示を受けたシリアル通信インタフェースSCI2013の動作フローを示す。送信指示でスタート(S4200)し、要送信バイト数カウンタSBNの値が“0”であるときは(S4201、YES)、送信すべきバイトは無いと判断し、後位の単位電池ボードUBB/i−1に対しては、IDLE信号を送信し(S4202)、終了(S4230)する。
【0089】
同カウンタ値が、“1”以上の場合(S4201、NO)、送信バイト位置カウンタSBCの下位5ビット“b”によって、送受信バッファ―上のバイト位置bのデータを読み込み、後位の単位電池ボードUBB/i−1に転送(S4203)し、終了(S4230)する。
【0090】
次に図19Aに戻って、TOP受信後に受信したバイト数が偶数の場合(S5004,YES)、TPの値を受信バイト数Sとし(S5006)、Sによって種々の処理フローに展開する(S5006)。
【0091】
図20Aは、S=2の場合すなわちTOP受信後の2バイトであるDAを受信したときのフローを示す。S=2で処理が開始(S5100)、S5001で読み込済の送受信バッファSRBのバイト位置b−1、及びbの2バイトがall“0”であるかどうかを判定する(S5101)。S5101がYESのときは、全単位電池UBB宛のコマンドであることを示すので、コマンド待ち登録のためにCMDが1にセットされる(S5103)。次に受信バイト位置カウンタを“1”だけ加算して(S5023)、終了(S5030)する。
【0092】
S5101でNOのときは、自NADであるかを判定する(S5102)。S5102,YESのときは、自単位電池ボード宛のコマンドであるので、コマンド待ちを登録(CMD=1、S5103)し、受信バイト位置カウンタを“1”だけ加算して(S5023)し、終了する(S5130)。S5102でNOのときは、自単位電池UBBには無関係であるので、受信バイト位置カウンタを“1”だけ加算して(S5023)し、その他は何もせずに終了(S5030)する。
【0093】
図20Bは、S=4の場合すなわちTOP受信後に4バイトを受信したときのフローを示す。S=4で処理開始(S5200)、S5001で読み込済の送受信バッファのバイト位置b−1、及びbの2バイトをコマンドのPM値として、一時記憶(TPM)し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”加算し(S5023)、終了(S5030)する。
【0094】
図20Cは、S=6の場合すなわちTOP受信後に6バイトを受信したときのフローを示す。S=6で処理開始(S5300)し、コマンド待ちかどうかを判定する(S5301)。S5301でYESの場合、これまでコマンド待ちで状態であったことを意味するので、コマンド受領に書き換える(S5302)。次いでS5001で読み込済の送受信バッファのバイト位置b−1、及びbの2バイトをコマンドとして分析する(S5303)。
【0095】
このコマンド分析は、図18に示したタイプ別に処理を選択することになる。
図21Aに処理A、図21Bに処理B、図21Cに処理C、図21Dに処理D、図21Eに処理Eについてのフローチャートを示す。処理F,Gについては省略する。
【0096】
図21Aは、CIDコマンド受信時のフローである。CIDコマンド受領で開始(S6000)、R1形式の応答フレームを作成するため自MACアドレスすなわち6バイト、48ビットのアドレスをIDに設定する(S6001)。
要送信バイト数pをR1形式の応答フレーム長10バイトに設定(S6002)して、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0097】
図21Bは、SNADコマンド受信時のフローである。SNADコマンド受領で開始(S6100)、SNADの受領登録有無を判定する(S6101)。S6101、YESは、過去に受領していないことをしめすので、受領登録をして(S6102)、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算し(S5023)、終了する(S5030)。S6101でNOはイリーガルであるのでTOPをリセット(S6103)し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算し(S5023)、終了(S5030)する。
【0098】
図21Cは、PWH,PWSD,ERB,LED,LOFおよびMSRコマンド受領時のフローを示す。いずれのコマンドも単位電池ボードUBB内の動作を指示するものなので、ループ状通信路の動作には、コマンド受領後は、影響がないので詳細説明を省略する。
【0099】
図21Dは、RS,RV,RTおよびRRコマンド受領時のフローを示す。
各コマンドの受領で開始(S6300)し、RS及びRVコマンドに対してはR2形式応答フレームを作成、RT及びRRコマンドに対しては、それぞれR3及びR4形式の応答フレームを作成する(S6301)。
【0100】
前述の通り、実際には、ST、V1、V2,T1,T2,TP、R1、R2のデータを取得し、テーブル3000に記載すると同時に、準備応答フレームARFとしてR4形式の応答フレームを常時作成して置き、R2形式の応答フレームの作成が要請されたときには、準備応答フレームARFの先頭より“V2”までを一括して転記し、“END”を付加することで完成、R3形式のときは、ARFの先頭より“T2”までを一括転記、“END”を付加することで完成、R4形式のときは、ARFの先頭より“END”までを一括転記することで完成する。完成した応答フレームを送信待応答フレームWRF(Waiting Respnse Frame)として一次記憶RAM2012上に記憶しておく(S6302)。
【0101】
次に、追加して送信すべきバイト数pを登録する(S6303)。R2形式ではp=12、R3形式ではp=18、R4形式ではp=22である。
次に、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023)、終了(S5030)する。
【0102】
図21Eは、コマンドEQL,SPM1,SPM2及びSPM3受領時のフローを示す。該コマンドを受領で開始(S6400)。S5201で一次記憶したPM値(TPM)をテーブル4000の該当欄に記載(S6401)する。すなわち、EQLコマンドのときは、4001欄へ、SPM1コマンドのときは、4002欄に記載等し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023)、終了(S5030)する。
【0103】
図20Dは、S=8の場合すなわちTOP受信後に8バイトを受信したときのフローを示す。S=8で処理開始(S5400)、S5001で読み込済の送受信バッファのバイト位置b−1、及びbの2バイトがネットワーク制御信号“END”であるかを判定する(S5401)。“END”受領の場合(S5401、YES)、“END”受領登録(S5402)し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023)、終了(S5030)する。
【0104】
S5401でNOの場合、“END”の受信ではないので、“SNAD”受信済かを判定する(S5401)。“SNAD”受信済(S5410、YES)でSNADカウンタを“1”加算し(S5411)して、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0105】
S5410,NOは、イリーガルであるので、TOP受領をリセット(S5412)し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0106】
図20Eは、S≧10の場合すなわちTOP受信後に10バイト以上を受信したときのフローを示す。S≧10で処理開始(S5400)、“END”を受領済か否かを判定する(S5501)。END受領済の場合(S5501,YES)、S5001で読み込済の送受信バッファSRB上のバイト位置b−1、bの2バイトが“TK”であるかを判定する(S5502)。
【0107】
“TK”であった場合(S5502、YES)、S6303で設定したp値により追加して送信すべきバイトが存在するかを判定する(S5503)。要送信バイトが存在する場合(S5503,YES),送受信バッファSRB上のバイト位置b−1、bの2バイトをクリアして“TK”を取り込む(S5504)、取り込んだ“TK”を送信待応答フレームWRFの後ろに貼り付ける(S5505)。
【0108】
送受信バッファSRBのバイト位置b−1以降に貼り付けたWRF+“TK”を書き込む(S5506)。要送信バイト数カウンタSBNに応答フレーム長pを加算して、シリアル通信インタフェースSCI2013に送信指示を行う(S5507),受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0109】
S5502でNO及びS5503でNOの場合は、引き続きフレームの受信を継続する必要があるので、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0110】
S5501でNOの場合は、S5001で既に読み込んだ送受信バッファのバイト位置b−1、bの2バイトが“END”でないか判定する(S5510)。
“END”と判定された場合(S5510、YES)、“END”受信を登録(S5511)し、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0111】
S5510でNOの場合、SNADコマンド受信後の3ワード目かどうか判定する(S5512)。3ワード目でない場合(S5512,NO),SNADカウンタを“1”だけ加算して(S5513)、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0112】
SNADコマンド受信後3ワード目の場合(S5512,YES),送受信バファのバイト位置b−5、からbの3ワード(6バイト、48ビット)が自己のMACアドレスであるか判定する(S5514)。自己のMACアドレスに一致する場合(S5514,YES),S5201で一次記憶したTPMの内容を自DAとして設定(S5515)し、爾後バッテリ管理ユニットBMP100との通信において、自単位電池ボードアドレスとして使用する。
【0113】
次に、SNADカウンタを零リセットし、受信バイト位置カウンタRBCを“1”だけ加算して(S5023),終了(S5030)する。
【0114】
図22は、常時の電圧測定とEQLコマンドを受領し、PM値の単位電池指定電圧値を均等化のための基準電圧値としてテーブル4000の4001欄に記載した場合の単位電池ボードUBB200における均等化動作を示すフローチャートである。
【0115】
図22のスタート条件は、10msのタイマー割込である(S5800)。単位電池ボードUBB200は、10msのタイマー割込があると単位電池UB500の電圧測定を行い(S5801)、測定結果をテーブル3000の3001又は3002欄に記録し保持する(S5802)。次にPM値を取り込み済かどうかをテーブル4000の4001欄の内容より判断する。4001欄は初期設定でall“1”に設定されているので、S5803がNOであれば、取り込みが済んでいることを示す。
【0116】
この場合、テーブル3000の3001又は3002欄に保持されている単位電池UB500の電圧値とこの取り込んだPM値すなわち単位電池指定電圧値との大小比較を行う(S5804)。保持電圧の方が高い場合(S5804,YES),中央処理装置CPU2011は、データポートDO0を“high”に設定することにより、図示されない放電回路をONとし(S5805)、終了する(S5820)。これにより当該単位電池ボードUBBは、均等化動作を開始する。
【0117】
S5803でYESの場合及びS5804でNOの場合には、中央処理装置CPU2011は、データポートDO0を“low”に設定することにより図示されない放電回路をOFF(S5806)とし、終了する(S5820)。これにより当該単位電池ボードUBBは、均等化動作を停止あるいは停止を継続する。
【0118】
なお、電池電圧測定以外の温度測定、内部抵抗測定もタイマー割り込みにより、
例えば温度測定は、1S割り込みで、内部抵抗測定は、10S割り込みで行う。実行手順は、電池電圧測定の場合と同じであるので、詳細説明は省略する。
【0119】
図23Aは、本発明の組電池のリモート電源ON・OFFの回路を示す。組電池の単位電池の電圧は、単位電池に固有の電圧を有するので、単位電池ボードUBB200の電子回路を安定的に動作させるのに都合のよい電圧を得るために、DC−DCコンバータを用いる。
【0120】
自動車用の組電池を考えると、例えば自動車が長期にわたって使用されないときに、UBBの電子回路が動作状態にあると、単位電池を消耗するので、いざ自動車を使用するときに組電池が機能しないことが起こり得る。したがって、DC−DCコンバータは、不使用時にOFFと出来、かつ必要時に速やかにONとできることが必要である。
【0121】
図23Aにおいて、各単位電池ボードUBBは、DC−DCコンバータDDC204を構成要素としてさらに含む。
組電池1が不動作時には、バッテリ管理ユニット100から予め、PWSDコマンドが全単位電池宛UBB200に送付され、電源自己保持用に使用されるMPU201のデータ出力端子DO1が“low”に設定されている。
【0122】
その状態でBMU100からの信号送出が停止すると、最前位の単位電池ボードUBBの信号線251は“low”に維持され、DDC204のE端子(Enable端子)は、“low”となり、DDC204は不動作状態となり、入力VIに電圧が印加されても出力VOは、ゼロでMPU201へのVccは供給されず、UBBは全体として、OFF状態となり、一切の電力を消費しない。
【0123】
また、UBBのMPU201のT端子も“low”に保たれるので、UBBn−1もまた、同様にOFF状態になる。順次、後位の単位電池ボードUBBがOFF状態になり、組電池全体としてもOFF状態となり、電力消費はゼロとなる。
【0124】
一方、何かの方法で、単位電池ボードUBBの信号線251が“high”に変化保持されるとDDC204のE端子が“high”となり、DDC204が動作状態となり、入力VIに電圧が供給されているのでDCC204は出力VOに電圧を生じ、MPU201のVccを供給する。Vcc供給を受けたMPU201は動作状態となり、電源自己保持のためにデータ端子DO1を“high”として、DDC204を自己保持する。
【0125】
このようにしてUBBが動作状態に入るとMPU201は、送信ポートTを“high”として、後位のUBBn−1を動作状態にする。順次この動作が伝えられ、最終的にUBB1までのすべてのUBBが動作状態に入り、組電池1が動作状態となる。
【0126】
具体的には、例えば自動車のキー操作が行われ、組電池1が電力供給を開始する必要が生じると、まずバッテリ管理ユニット(このユニットは、常時給電されている必要がある)が、低ビットレート(例えば1kbps)の信号を最前位の単位電池ボードUBBに向けて送出する。この低ビットレートのデータ信号はU/B、B/U変換を受けて、最前位のUBBの信号線251に伝えられる。このデータ波形によって短時間(数100μS)ではあるが、信号線251は“high”に保持される。この時間は、DDC204が覚醒し、MPU201が自己保持信号を出すには十分な時間である。
【0127】
このようにしてUBBのMPU201は、動作状態に入ると送信ポートTを“high”とし、後位のUBBn−1を動作状態に移行させる。順次この動作が繰り返され、最後に最後位UBBが動作状態に入り、組電池1が全体として、動作状態にすることができる。
【0128】
図23Bは、高速のデータ情報でDC−DCコンバータ204を覚醒する方法を示す。DC−DCコンバータ204をONとし、さらにMPU201を動作させ自己保持に入るに十分な時間の“high”状態が信号線251に期待出来ない場合あっても、図23Bの回路では、高速のデータ信号、例えば、BMU100より送られてくる複数個連続の電源保持コマンドのデータ信号波形を直流再生した僅かな電力でも十分にDC−DCコンバータ204を動作させ、さらにMPU201の自己保持回路をONとすることが可能である。
【0129】
バッテリ管理ユニットBMU100は、電源保持コマンドPWHを有するコマンドフレームを最前位のUBBに複数個連続送出し、最後位UBBより、該コマンドPWHを有するコマンドフレームを受信することで全単位電池が動作状態に入り、組電池1の起動完了を確認できる。
【0130】
組電池1をOFFにする場合には、バッテリ管理ユニットBMU100は、前述の通り、電源保持解除コマンドPHSDを最前位UBBに送出し、その後、データ送信を停止することで全単位電池200を順次OFF状態とすることができる。なお、電源保持解除コマンドPHSDが、表示されない場合であっても、長時間データ入力がなく、信号線251が“low”を継続する場合には、MPU201がタイマー監視により、自己保持を“low”として、DDC204をOFFとするように設定しておくことが有効である。
【0131】
一般に、単位電池ボードUBB200はバッテリ管理ユニットBMU100からのコマンドに応答するだけであるが、ループ状通信路300が障害で通信が不通となったときには、能動的に動作する。
BMU100は常に一定の時間内に必ずトークンTKを送出する。単位電池ボード200に各種の指令を出すコマンドにTKを付加することで実現するが、指令することがない場合には、アイドルコマンドIDLを送出し、その後ろにTKを付加する。
【0132】
これにより、各単位電池ボードUBB200は、一定時間内にトークンTKを受信できない場合は、ループ状通信路の異常と判断し、自らトークン紛失コマンドTKL作成し、後位の単位電池ボードUBB200に送付する。このTKLコマンドが各単位電池ボードUBB200でリレーされ、最終的にバッテリ管理ユニットBMU100に伝えられ、BMUは通信路障害として保守部門に対してサービスを要求することができる。
【0133】
このときBMU100が受信したTKLコマンドフレーム(C3形式コマンドフレーム)のNAD(図8参照)より、i番目のUBBの直前での通信路障害又はi+1番目のUBB障害として検出できる。
【0134】
通信路が最初に述べたように2重のループ状通信路で構成されているときは、例えば通信路301に障害を検出したときには、通信路302を用いて動作を継続できる。またいずれかの単位電池ボードUBB200/iのボード障害の場合には、通信路301よって、UBBi−1からTKLコマンドフレームが送られて来て、通信路302によってUBBi+1からTKLコマンドが送られてくるので、UBBが障害であることが判別でき、また、i+1番目とi番目の単位電池ボードUBB間の通信路が2本とも障害の場合は、通信路301によってUBBからTKLコマンドが送られてきて、通信路302によってUBBi+1からTKLコマンドが送られてくるので、UBBとUBBi+1間の通信路2重障害であることが判別でき、障害修復に効果がある。
【0135】
なお、本発明の実施例においては、図1Aに示す様に組電池1は単位電池500が直列に接続される態様で説明したが、図1Cに示すように単位電池500(1)と単位電池500(2)が並列接続され、そのようなn組の並列接続単位電池が直列に接続され、各単位電池500(1)が搭載されるUBB(1)および500(2)を搭載すされるUBB(2)がそれぞれ独立にすべて直列に接続されてバッテリ管理ユニット100とループ状通信路で接続される構成としても、本発明の効果は、同じ様に達成できる。本発明において、この並列接続される単位電池の数が2に限定されるものでないことは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1A】本発明の全体構成(一重ループ)
【図1B】本発明の全体構成(二重ループ)
【図1C】本発明の全体構成(単位電池直並列接続)
【図2A】単位電池ボードの具体構成
【図2B】電池セル並列接続の単位電池
【図2C】単位電池の各種測定ポイント
【図3】平衡伝送路と不平衡伝送路
【図4】レベルシフトの原理
【図5A】単位電池ボードのハードウエアブロック構成
【図5B】測定結果テーブル
【図5C】単位電池ボードの制御用の送受信バッファと関連レジスタ
【図5D】取り込みPM値テーブル
【図6A】バッテリ管理ユニットのハードウエアブロック構成
【図6B】バッテリ管理ユニットの制御用の送信及び受信バッファ
【図7】コマンドフレーム
【図8】応答フレーム
【図9】通信プロトコルのネットワーク制御信号
【図10】通信プロトコルのコマンド
【図11】通信プロトコルのアドレス
【図12】通信プロトコルのデータ
【図13】ステータス情報
【図14】メッセージ受信とメッセージ送信の原理
【図15】ID収集コマンドのシーケンス図
【図16】電圧報告コマンドのシーケンス図
【図17】電圧均等化コマンドのシーケンス図
【図18】コマンドタイプの分類
【図19A】単位電池ボードの動作フローチャート(コマンド共通部)
【図19B】単位電池ボードの動作フローチャート(送信指示部)
【図19C】単位電池ボードの動作フローチャート(連続送信)
【図19D】単位電池ボードの動作フローチャート(シリアル通信インタフェース部)
【図20A】単位電池ボードの動作フローチャート(アドレス分析部)
【図20B】単位電池ボードの動作フローチャート(PM値の仮取り込み)
【図20C】単位電池ボードの動作フローチャート(コマンド分析部)
【図20D】単位電池ボードの動作フローチャート(END検出部)
【図20E】単位電池ボードの動作フローチャート(TK検出、NAD取込部)
【図21A】単位電池ボードの動作フローチャート(CIDコマンド処理)
【図21B】単位電池ボードの動作フローチャート(SNADコマンド処理)
【図21C】単位電池ボードの動作フローチャート(UBB内部処理コマンド部)
【図21D】単位電池ボードの動作フローチャート(RV,RT,RRコマンド処理)
【図21E】単位電池ボードの動作フローチャート(EQLコマンド等処理部)
【図22】単位電池ボードの動作フローチャート(電圧等測定)
【図23A】単位電池ボードの動作フローチャート(リモート電源ON・OFFその1)
【図23B】単位電池ボードの動作フローチャート(リモート電源ON・OFFその2)
【符号の説明】
【0137】
1 組電池
100 バッテリ管理ユニットBMU
200/n 単位電池ボードUBB/n
201 マイクロ・プロセッサ・ユニットMPU
202 送信信号用ドライバスイッチ
203 サーミスタ
204 インバータ
205 抵抗
206 電流センサ
207 アンプ
208 DC−DC変換器
251 信号受信線
252 信号送信線
300、301、302、310 通信路
400 電力ライン
500 単位電池
600 信号線用コネクタ
700 電力線用コネクタ
801 U/B変換回路
802 B/U変換回路
1001 中央処理装置CPU
1002 一次記憶装置RAM
1003 シリアル通信インタフェースSCI
1010 バス回路
2010 バス回路
2011 中央処理装置CPU
2012 一次記憶装置RAM
2013 シリアル通信インタフェースSCI
2014 アナログ・ディジタル変換器ADC
2015 データ制御DATA
3000 測定値テーブル
3100 測定項目
3200 測定値
4000 PM値取り込みテーブル
4100 取り込み項目
4200 取り込み値
AD「 」 アナログ・ディジタル変換ポート「 」
ARF 準備応答フレーム
電池公称起電力
p 追加して送信すべきバイト数
RBC 受信バイト位置カウンタ
RBM 受信バッファメモリ
SBC 送信バイト位置カウンタ
SBM 送信バッファメモリ
SBN 要送信バイト数カウンタ
SRB 送受信バッファ
WRF 送信待応答フレーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位電池を接続して構成される組電池であって、
各単位電池を搭載した単位電池ボードと該複数の単位電池ボードに共通のバッテリ管理ユニットを構成要素として有し、
個別単位電池ボード毎に
搭載された単位電池の電圧、単位電池の温度、単位電池の周辺温度及び単位電池の内部抵抗のすべて又はその一部の測定及び該測定値を保持する手段と
該保持した測定値を該バッテリ管理ユニットにディジタル信号として送信する手段と
該バッテリ管理ユニットよりディジタル信号として送られて来る単位電池指定電圧値を受信する手段と
を有することを特徴とする組電池。

【請求項2】
請求項1に記載の組電池であって、
該複数の単位電池ボードと該バッテリ管理ユニットとが1重のループ状通信路又は2重のループ状通信路により接続され、該ループ状通信路を介して該各単位電池ボードと該バッテリ管理ユニット間で、該測定値、該単位電池指定電圧値および関連制御情報の送受を行うこと
を特徴とする組電池。

【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の組電池であって、
個別単位電池ボードに1個の電池セルまたは相互に接続された複数個の電池セルが搭載され、それぞれの電池セル毎に電池電圧、電池温度、電池内部抵抗のすべて又は一部の測定及び該測定値を保持する手段を有することを特徴とする組電池。

【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の組電池であって、
各個別単位電池ボートにおいて、
該保持した単位電池電圧の測定値が該受信した単位電池指定電圧値より高い場合に、当該単位電池ボード内の電池セルの放電を開始し、
同等または低い場合に、当該電池セルの放電を停止または停止状態を継続することを特徴する組電池。


【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の組電池であって、
各単位電池ボードは、前位より送られてくるフレームの宛先アドレスが全単位電池ボード宛で、かつ該フレームのコマンドが情報要求コマンドの場合に、該フレーム情報のすべてを後位にそのまま転送するとともに、トークンを検出後、該フレームの最後尾と該検出したトークンとの間に当該要求された情報を挿入して後位に送出することを特徴とする組電池。

【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の組電池であって、
個別単位電池ボード毎に
搭載された単位電池の電圧、単位電池の温度、単位電池の内部抵抗及び周辺温度のすべて又は一部の測定及び該測定値を保持する手段と、
該保持した測定値を該バッテリ管理ユニットへ送信をする手段と、
該バッテリ管理ユニットからの単位電池の指定電圧値を受信する手段と、
該保持した測定値と該受信した単位電池指定電圧値とを比較し、比較結果に従い充放電制御をする手段とを有し、
それらの手段を1つのマイコンで実行制御する組電池。


【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の組電池であって、
該バッテリ管理ユニットが全単位電池ボードより単位電池電圧情報、単位電池温度情報、単位電池内部抵抗情報、単位電池周辺温度情報およびステータス情報のすべて又は一部を収集するために、ループ状通信路で接続された単位電池ボード群の一端の単位電池ボードに向けて全単位電池ボード宛または特定の単位電池ボード宛に情報要求のフレームを送信し、他端の単位電池ボードより、全単位電池ボードまたは該特定の単位電池ボードの当該情報を受信することを特徴とする組電池。


【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の組電池であって、
一のループ状通信路を構成する隣接単位電池ボード間の接続を単線で構成することを特徴とする組電池。
【請求項9】
請求項8に記載の組電池であって、
各単位電池ボードが前位より受信する情報の信号レベルに対して、後位に送信する情報の信号レベルを単位電池の電位差分だけレベルシフトして送付することを特徴とする組電池。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の組電池であって、
該バッテリ管理ユニットが複数の単位電池ボードより送られてくる各単位電池の電圧情報、温度情報、内部抵抗情報又は周囲温度情報を分析し、該各単位電池の維持すべき電圧値を算出し、該電圧値を単位電池指定電圧値として全単位電池ボード宛または特定単位電池ボード宛に送出することを特徴とする組電池。
【請求項11】
請求項8または請求項9に記載の組電池あって、
前位の隣接単位電池ボードとを結ぶ信号線にバッテリ管理ユニットより送られてくるデータ信号波形の“high”状態の継続内に、DC−DCコンバータを動作せ、さらに該DC−DCコンバータの出力電圧によって、マイクロプロセッサを起動し、該DC−DCコンバータの自己保持回路をONにすることを特徴とする組電池。
【請求項12】
請求項8または請求項9に記載の組電池であって、
前位の隣接単位電池ボードとを結ぶ信号線にバッテリ管理ユニットより送られてくるデータ信号波形を直流再生してDC−DCコンバータを動作させ、さらに該DC−DCコンバータの出力電圧のよって、マイクロプロセッサを起動し、該DC−DCコンバータの自己保持回路をONにすることを特徴とする組電池。
【請求項13】
請求項6に記載の組電池を実現するために個別単位電池ボードのマイコンに搭載されるソフトウエアプログラム。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【公開番号】特開2011−182558(P2011−182558A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44769(P2010−44769)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(502002050)株式会社ピューズ (8)
【出願人】(506111398)
【Fターム(参考)】