経皮内視鏡的胃瘻造設チューブホルダー
【解決手段】 経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)チューブを保持する医療装置と、前記医療装置を利用する方法。前記医療装置(100)は前面と裏面を含む。前記前面は、左部分(115)、中央部分(110)、右部分(105)を含む。前記左部分と右部分は、それぞれ着脱可能な素材を含む。前記裏面は、接着部分(210)と非接着部分(205)を含む。前記接着部分により前記装置がレシピエントの皮膚に付着する。前記左部分と右部分の着脱可能な素材が相互に付着するまで、前記非接着部分を加圧することにより、前記中央部分に配置されたPEGチューブは前記装置内に固定される。逆に、前記装置の右部分と左部分を引き離すことにより、前記レシピエントへの装置の付着または前記チューブの品位に影響を与えることなく、前記チューブを取り外すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消化器治療の分野の装置一般に関し、より具体的にはレシピエントに付着する際に経皮的内視鏡下胃瘻造設(PEG)チューブおよび瘻孔を保護する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存装置は、レシピエントの皮膚と直接接触する医療用チューブを固定するために開発されてきた。これらの装置では、前記レシピエントの皮膚に保持装置を付着するために、低刺激性粘着剤が使用される場合がある。さらに、前記装置は前記チューブ自体に固定される必要がある。これらの装置には、前記装置の接着部分を直接チューブに接着して、チューブを保持するものもある。他の装置では、装置の反対側を接着することによりチューブを保持するものもある。
【0003】
保持装置の接着部分をチューブに接着することには、多くの欠点がある。例えば、前記チューブを前記ホルダーに直接接着することで、前記チューブの可動範囲が制限される可能性がある。さらに、医療スタッフが前記ホルダーから前記チューブを取り外したい場合は、前記チューブを最初に前記ホルダーの接着部分から取り外す必要がある。この作業により、前記チューブが圧迫されて損傷する可能性がある。さらに、前記ホルダーの接着部分は、前記ホルダーから前記チューブが取り外される毎にその接着性の一部が失われ、前記ホルダーのチューブを固定して保持する能力が経時的に失われる可能性がある。
【0004】
前記チューブを前記ホルダーから取り外すことによって同チューブが損傷しないように、前記チューブをレシピエントおよびそれ自体に固定することが可能な医療用チューブ保持装置が必要とされているものである。さらに、レシピエントの動作が制限されないように、前記ホルダー内で前記チューブが一定の可動範囲を有することを可能にするPEGチューブ保持装置が必要である。また、前記PEGチューブ保持装置は低コスト生産が可能である必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述の1若しくはそれ以上の問題の解決を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適な1実施形態では、経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)チューブを保持する装置は前面と裏面を含む。前記前面には、左部分、中央部分、右部分が含まれる。前記左および右部分は、それぞれVELCRO(登録商標)など、着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われた表面を有する。前記中央部分は、第1の素材を含む表面を有する。1実施形態においては、前記第1の素材は綿である。前記第1の素材が実質的に前記中央部分全体を覆っている場合もある。
【0007】
前記裏面には、接着部分と非接着部分を含む。前記接着部分は、低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われた表面を有する。好適な1実施形態では、低刺激性接着剤が保護カバーによって覆われている。前記低刺激性接着剤は、実質的に前記接着部分の表面全体を覆っている場合もある。代替形態においては、前記低刺激性接着剤は前記接着部分の表面上に、1若しくはそれ以上の帯状に配列される。前記非接着部分は、第2の素材を含む表面を有する。1実施形態では、前記第2の素材は綿である。前記第2の素材は、実質的前記非接着部分全体を覆っている場合もある。
【0008】
好適な1実施形態において、前記装置は前記非接着部分の第1の部分から取り除かれた切り込みと、前記非接着部分の第1の部分と反対側の前記前面の1若しくはそれ以上の部分を有する。
【0009】
好適な1実施形態おいて、PEGチューブを保持するためにPEGホルダーをレシピエントに適用する方法は、まず、前記レシピエントに前記PEGホルダーを付着させる工程含む。前記PEGホルダーには前面と裏面が含まれる。前記前面には、左部分と、中央部分、右部分が含まれる。前記左部分および右部分は、それぞれ着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われた表面を有する。前記裏面は、前記PEGホルダーを前記レシピエントに付着するための低刺激性接着剤により一部が覆われた表面を有する。また、前記方法は、前記PEGチューブを前記中央部分に配置し、前記左部分の前記着脱可能な素材を前記右部分の前記着脱可能な素材に止着する工程も含む。1実施形態では、前記方法は、さらに、前記PEGホルダーを前記レシピエントに付着する前に、前記低刺激性接着剤を覆う保護カバーを取り外す工程を含む。1実施形態では、前記PEGチューブを配置する工程は、前記PEGチューブの受入端部が実質的に垂直上方に延長するように、前記PEGチューブを配列する工程を含む。
【0010】
好適な1実施形態において、PEGチューブをレシピエントに付着されたPEGホルダーから取り外す方法は、まず、PEGホルダーを外す工程を含む。前記PEGホルダーには前面と裏面が含まれる。前記前面には、左部分、中央部分、右部分が含まれる。前記左部分と右部分はそれぞれ着脱可能な素材を有する。前記裏面には、低刺激性接着剤で一部が覆われた表面が含まれる。前記裏面はまず、レシピエントに付着される。前記PEGホルダーを外す工程は、前記PEGホルダーの前記左部分を前記PEGホルダーの右部分から外す工程を含む。また、前記方法は、前記PEGチューブを前記中央部分から取り外す工程も含む。1実施形態では、前記方法はさらに、前記レシピエントから前記PEGホルダーの裏面を取り外す工程を含む。
【0011】
本装置は、患者の快適性の向上、損傷の可能性が低下することによるPEGチューブの信頼性の向上と寿命の延長などを含むいくつかの利点を提供する。さらに、高度の医療により瘻孔の健常状態を保つことが可能になる。前記チューブホルダーの別の利点は、一般的な製造技術および手法を利用して、容易に入手可能な素材で同ホルダーを製造することができる点である、
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本構成と方法を説明する前に、記載する特定の構成、方法論、またはプロトコルには変更が行われる可能性があるため、本発明は、これらに限定されるものではないことが理解されるものとする。また、説明に使用される用語は、特定の変形形態または実施形態のみを説明することを目的としたもので、添付の請求の範囲のみで限定される、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるものとする。
【0013】
また、本明細書および添付の請求の範囲においては、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、単数型の「a」、「an」、「the」は複数の言及も含めることに注目されたい。従って、例えば、「PEGホルダー」という言及は1若しくはそれ以上のPEGホルダーおよび当業者に周知の均等物などを言及している。それ以外に定義されているのではない限り、本明細書で使用される技術用語および科学的用語のすべては、通常当業者よって一般に理解されている意味と同義である。本明細書に説明するものと類似または均等のいずれの方法、装置、および素材を、本発明の実施形態の検証を実行するために使用することが可能だが、以下では好適な方法、装置、素材について説明する。本明細書に言及するすべての公報はこの参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における記載の一切は、先行発明に基づいた前記公報の開示に本発明が先行する権利はないことの承認として解釈されるものではない。
【0014】
本発明では、PEGを安全に固定するように機能するPEGホルダーを提供する。図1は、本発明の好適な1実施形態の前面を示している。前記PEGホルダー100は、シームおよび/またはシールされた周端を有する実質的に長方形の外周を伴うパッドであってもよい。好適な1実施形態では、前記PEGホルダー100の隅部は、同ホルダーから切断された切り込み125を有することもある。また、前記切り込み125はシームおよび/またはシールされている場合もある。好適な1実施形態では、前記PEGホルダー100は長さ約4インチ、幅約2インチ、厚さ約1/8インチである場合がある。前記PEGホルダー100の前面の表面は、左部分105、中央部分110、右部分115を含む3つの部分に縦方向に分割されている場合がある。前記左部分105および前記右部分115は、それぞれ前記PEGホルダー100の長さの約1/4の長さに及ぶ場合もある。前記左部分105および前記右部分115それぞれは、VELCRO(登録商標)など、2つの部分を繰り返し付着および分離可能な素材で覆われている場合もある。前記中央部分110は前記PEGホルダー100の長さの1/2の長さに及び、綿などの吸湿材で覆われている場合もある。
【0015】
図2は、本発明の好適な1実施形態の裏面を示している。前記PEGホルダー100の裏面は接触面として言及される場合もある。前記PEGホルダー100の裏面は、2つの実質的に等しいサイズの縦部分に区切られている場合もある。非接着部分205は、好ましくは綿などの吸湿材で覆われている場合もある。接着部分210は、少なくとも一部が低刺激性接着剤で覆われている場合もある。好適な1実施形態では、前記接着剤を実質的に前記接着部分210全体に塗布する場合もある。代替実施形態では、前記接着剤は、帯状接着片の形で前記接着部分210内部のいずれの方向にも塗布することが可能である。レシピエントへの付着前に、前記接着部分210は保護カバー(図示せず)を有している場合もある。前記保護カバーが取り外されると、前記接着性を有する部分が露出され、前記レシピエントに付着される。前記非接着部分205の隅部は、端部から上方に延出するツメを有する場合もある。
【0016】
前記PEGホルダー100により、利用者のPEGおよび瘻孔、すなわち、胃に外科的に形成され、前記PEGが配置されている開口部が確実に保護される。前記PEGホルダー100は、薄い吸収材、好ましくは綿で製造されている場合がある。前記PEGホルダー100は、再利用可能で安価に製造できる。また、前記ホルダーは、事前に組み立てられ、軽量で、持ち運びが可能、利用者にとって快適なものであり、前記瘻孔の健常性を確保し、前記PEGの状態を保護するものである。
【0017】
図3A−図3Cは、本発明の1実施形態に従って使用時に付着された例示的なPEGホルダー100の前面図を示している。以下に前記PEGホルダー100の好適な使用方法を説明する。前記PEGホルダー100の裏面の接着部分210から保護カバーが外される。前記接着部分210は、レシピエントの皮膚、好ましくは瘻孔の近接部に配置される。前記PEGホルダー100の前面を軽く押し付けることにより、前記接着部分210は前記レシピエントの皮膚に付着するが、前記PEGホルダー100の裏面の前記非接着部分205は前記皮膚に接触することはない。図3Aに示すように、PEGは、バルブが実質的に垂直上方に向く形で前記PEGホルダー100の前面の中央部分110に配置される。図3Bに示すように、前記PEGのチューブは、利用者によって前記PEGホルダー100の中央部分110に保持され、一方、前記非接着部分205は前記PEGの周囲を包み込む。図3Cに示すように、前記非接着部分205は、前記前面の左部分105上の前記VELCRO(登録商標)が前記右部分115上の前記VELCRO(登録商標)と付着するまで押し付ける。この時点で、前記PEGは同PEGを包み込でいるPEGホルダー100内に固定される。
【0018】
利用者、介護者、またはヘルスケアの専門家が前記レシピエントに流動食または薬物(mendicants)を投与する必要がある場合、前記PEGホルダー100を外すことにより前記PEGにアクセスすることができる。前記PEGホルダー100は、前記PEGホルダー100の前記左部分105と前記右部分115の間に指を挿入して外すことができる。次に、前記利用者は前記接着部分210から前記非接着部分205をゆっくりと引き離し、前記左部分105と前記右部分115の前記VELCRO(登録商標)が離れるようにする。好適な1実施形態では、切り込み125が非接着部分205と前記前面の相対する部分または複数部分に提供されおり、前記左部分105を前記右部分115からを外すのに役立つ。前記左部分105と前記右部分115が離れると、前記PEGを前記PEGホルダー100の前記中央部分110から取り外すことができる。
【0019】
レシピエントの皮膚から前記PEGホルダー100を取り外す場合、前項で説明したように、最初に前記PEGを取り外す必要がある。次に、前記利用者、介護者、ヘルスケアの専門家は、前記接着部分210が離れるまで、同接着部分を前記皮膚から引き離すことが可能である。
【0020】
図4A−図4Cは、利用者の身体に付着され、前記PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の、本発明の例示的な1実施形態の前面図を示している。図4A−図4Cは、前記レシピエントの身体における前記PEGホルダー100の考えられる配置場所を表しており、これらの配置場所により、前記瘻孔における前記PEGの重力による圧力が確実に回避される。好適な1実施形態では、前記PEGから残液が漏れるのを防ぐために、前記PEGバルブと前記PEGの送液端部が実質的に垂直上方に向かうようにする場合もある。図4Bは、残液が前記PEG内に溜まらないないため、最も好適な1実施形態を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態の他の態様、特徴、利益、利点の一部は、以下の説明、添付の請求の範囲、および添付の図面を参考にして明瞭となるものである。
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態の前面図を示すものである。
【図2】図2は、本発明の好適な実施形態の裏面図を示すものである。
【図3A】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図3B】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図3C】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図4A】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【図4B】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【図4C】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、消化器治療の分野の装置一般に関し、より具体的にはレシピエントに付着する際に経皮的内視鏡下胃瘻造設(PEG)チューブおよび瘻孔を保護する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存装置は、レシピエントの皮膚と直接接触する医療用チューブを固定するために開発されてきた。これらの装置では、前記レシピエントの皮膚に保持装置を付着するために、低刺激性粘着剤が使用される場合がある。さらに、前記装置は前記チューブ自体に固定される必要がある。これらの装置には、前記装置の接着部分を直接チューブに接着して、チューブを保持するものもある。他の装置では、装置の反対側を接着することによりチューブを保持するものもある。
【0003】
保持装置の接着部分をチューブに接着することには、多くの欠点がある。例えば、前記チューブを前記ホルダーに直接接着することで、前記チューブの可動範囲が制限される可能性がある。さらに、医療スタッフが前記ホルダーから前記チューブを取り外したい場合は、前記チューブを最初に前記ホルダーの接着部分から取り外す必要がある。この作業により、前記チューブが圧迫されて損傷する可能性がある。さらに、前記ホルダーの接着部分は、前記ホルダーから前記チューブが取り外される毎にその接着性の一部が失われ、前記ホルダーのチューブを固定して保持する能力が経時的に失われる可能性がある。
【0004】
前記チューブを前記ホルダーから取り外すことによって同チューブが損傷しないように、前記チューブをレシピエントおよびそれ自体に固定することが可能な医療用チューブ保持装置が必要とされているものである。さらに、レシピエントの動作が制限されないように、前記ホルダー内で前記チューブが一定の可動範囲を有することを可能にするPEGチューブ保持装置が必要である。また、前記PEGチューブ保持装置は低コスト生産が可能である必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述の1若しくはそれ以上の問題の解決を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適な1実施形態では、経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)チューブを保持する装置は前面と裏面を含む。前記前面には、左部分、中央部分、右部分が含まれる。前記左および右部分は、それぞれVELCRO(登録商標)など、着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われた表面を有する。前記中央部分は、第1の素材を含む表面を有する。1実施形態においては、前記第1の素材は綿である。前記第1の素材が実質的に前記中央部分全体を覆っている場合もある。
【0007】
前記裏面には、接着部分と非接着部分を含む。前記接着部分は、低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われた表面を有する。好適な1実施形態では、低刺激性接着剤が保護カバーによって覆われている。前記低刺激性接着剤は、実質的に前記接着部分の表面全体を覆っている場合もある。代替形態においては、前記低刺激性接着剤は前記接着部分の表面上に、1若しくはそれ以上の帯状に配列される。前記非接着部分は、第2の素材を含む表面を有する。1実施形態では、前記第2の素材は綿である。前記第2の素材は、実質的前記非接着部分全体を覆っている場合もある。
【0008】
好適な1実施形態において、前記装置は前記非接着部分の第1の部分から取り除かれた切り込みと、前記非接着部分の第1の部分と反対側の前記前面の1若しくはそれ以上の部分を有する。
【0009】
好適な1実施形態おいて、PEGチューブを保持するためにPEGホルダーをレシピエントに適用する方法は、まず、前記レシピエントに前記PEGホルダーを付着させる工程含む。前記PEGホルダーには前面と裏面が含まれる。前記前面には、左部分と、中央部分、右部分が含まれる。前記左部分および右部分は、それぞれ着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われた表面を有する。前記裏面は、前記PEGホルダーを前記レシピエントに付着するための低刺激性接着剤により一部が覆われた表面を有する。また、前記方法は、前記PEGチューブを前記中央部分に配置し、前記左部分の前記着脱可能な素材を前記右部分の前記着脱可能な素材に止着する工程も含む。1実施形態では、前記方法は、さらに、前記PEGホルダーを前記レシピエントに付着する前に、前記低刺激性接着剤を覆う保護カバーを取り外す工程を含む。1実施形態では、前記PEGチューブを配置する工程は、前記PEGチューブの受入端部が実質的に垂直上方に延長するように、前記PEGチューブを配列する工程を含む。
【0010】
好適な1実施形態において、PEGチューブをレシピエントに付着されたPEGホルダーから取り外す方法は、まず、PEGホルダーを外す工程を含む。前記PEGホルダーには前面と裏面が含まれる。前記前面には、左部分、中央部分、右部分が含まれる。前記左部分と右部分はそれぞれ着脱可能な素材を有する。前記裏面には、低刺激性接着剤で一部が覆われた表面が含まれる。前記裏面はまず、レシピエントに付着される。前記PEGホルダーを外す工程は、前記PEGホルダーの前記左部分を前記PEGホルダーの右部分から外す工程を含む。また、前記方法は、前記PEGチューブを前記中央部分から取り外す工程も含む。1実施形態では、前記方法はさらに、前記レシピエントから前記PEGホルダーの裏面を取り外す工程を含む。
【0011】
本装置は、患者の快適性の向上、損傷の可能性が低下することによるPEGチューブの信頼性の向上と寿命の延長などを含むいくつかの利点を提供する。さらに、高度の医療により瘻孔の健常状態を保つことが可能になる。前記チューブホルダーの別の利点は、一般的な製造技術および手法を利用して、容易に入手可能な素材で同ホルダーを製造することができる点である、
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本構成と方法を説明する前に、記載する特定の構成、方法論、またはプロトコルには変更が行われる可能性があるため、本発明は、これらに限定されるものではないことが理解されるものとする。また、説明に使用される用語は、特定の変形形態または実施形態のみを説明することを目的としたもので、添付の請求の範囲のみで限定される、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるものとする。
【0013】
また、本明細書および添付の請求の範囲においては、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、単数型の「a」、「an」、「the」は複数の言及も含めることに注目されたい。従って、例えば、「PEGホルダー」という言及は1若しくはそれ以上のPEGホルダーおよび当業者に周知の均等物などを言及している。それ以外に定義されているのではない限り、本明細書で使用される技術用語および科学的用語のすべては、通常当業者よって一般に理解されている意味と同義である。本明細書に説明するものと類似または均等のいずれの方法、装置、および素材を、本発明の実施形態の検証を実行するために使用することが可能だが、以下では好適な方法、装置、素材について説明する。本明細書に言及するすべての公報はこの参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における記載の一切は、先行発明に基づいた前記公報の開示に本発明が先行する権利はないことの承認として解釈されるものではない。
【0014】
本発明では、PEGを安全に固定するように機能するPEGホルダーを提供する。図1は、本発明の好適な1実施形態の前面を示している。前記PEGホルダー100は、シームおよび/またはシールされた周端を有する実質的に長方形の外周を伴うパッドであってもよい。好適な1実施形態では、前記PEGホルダー100の隅部は、同ホルダーから切断された切り込み125を有することもある。また、前記切り込み125はシームおよび/またはシールされている場合もある。好適な1実施形態では、前記PEGホルダー100は長さ約4インチ、幅約2インチ、厚さ約1/8インチである場合がある。前記PEGホルダー100の前面の表面は、左部分105、中央部分110、右部分115を含む3つの部分に縦方向に分割されている場合がある。前記左部分105および前記右部分115は、それぞれ前記PEGホルダー100の長さの約1/4の長さに及ぶ場合もある。前記左部分105および前記右部分115それぞれは、VELCRO(登録商標)など、2つの部分を繰り返し付着および分離可能な素材で覆われている場合もある。前記中央部分110は前記PEGホルダー100の長さの1/2の長さに及び、綿などの吸湿材で覆われている場合もある。
【0015】
図2は、本発明の好適な1実施形態の裏面を示している。前記PEGホルダー100の裏面は接触面として言及される場合もある。前記PEGホルダー100の裏面は、2つの実質的に等しいサイズの縦部分に区切られている場合もある。非接着部分205は、好ましくは綿などの吸湿材で覆われている場合もある。接着部分210は、少なくとも一部が低刺激性接着剤で覆われている場合もある。好適な1実施形態では、前記接着剤を実質的に前記接着部分210全体に塗布する場合もある。代替実施形態では、前記接着剤は、帯状接着片の形で前記接着部分210内部のいずれの方向にも塗布することが可能である。レシピエントへの付着前に、前記接着部分210は保護カバー(図示せず)を有している場合もある。前記保護カバーが取り外されると、前記接着性を有する部分が露出され、前記レシピエントに付着される。前記非接着部分205の隅部は、端部から上方に延出するツメを有する場合もある。
【0016】
前記PEGホルダー100により、利用者のPEGおよび瘻孔、すなわち、胃に外科的に形成され、前記PEGが配置されている開口部が確実に保護される。前記PEGホルダー100は、薄い吸収材、好ましくは綿で製造されている場合がある。前記PEGホルダー100は、再利用可能で安価に製造できる。また、前記ホルダーは、事前に組み立てられ、軽量で、持ち運びが可能、利用者にとって快適なものであり、前記瘻孔の健常性を確保し、前記PEGの状態を保護するものである。
【0017】
図3A−図3Cは、本発明の1実施形態に従って使用時に付着された例示的なPEGホルダー100の前面図を示している。以下に前記PEGホルダー100の好適な使用方法を説明する。前記PEGホルダー100の裏面の接着部分210から保護カバーが外される。前記接着部分210は、レシピエントの皮膚、好ましくは瘻孔の近接部に配置される。前記PEGホルダー100の前面を軽く押し付けることにより、前記接着部分210は前記レシピエントの皮膚に付着するが、前記PEGホルダー100の裏面の前記非接着部分205は前記皮膚に接触することはない。図3Aに示すように、PEGは、バルブが実質的に垂直上方に向く形で前記PEGホルダー100の前面の中央部分110に配置される。図3Bに示すように、前記PEGのチューブは、利用者によって前記PEGホルダー100の中央部分110に保持され、一方、前記非接着部分205は前記PEGの周囲を包み込む。図3Cに示すように、前記非接着部分205は、前記前面の左部分105上の前記VELCRO(登録商標)が前記右部分115上の前記VELCRO(登録商標)と付着するまで押し付ける。この時点で、前記PEGは同PEGを包み込でいるPEGホルダー100内に固定される。
【0018】
利用者、介護者、またはヘルスケアの専門家が前記レシピエントに流動食または薬物(mendicants)を投与する必要がある場合、前記PEGホルダー100を外すことにより前記PEGにアクセスすることができる。前記PEGホルダー100は、前記PEGホルダー100の前記左部分105と前記右部分115の間に指を挿入して外すことができる。次に、前記利用者は前記接着部分210から前記非接着部分205をゆっくりと引き離し、前記左部分105と前記右部分115の前記VELCRO(登録商標)が離れるようにする。好適な1実施形態では、切り込み125が非接着部分205と前記前面の相対する部分または複数部分に提供されおり、前記左部分105を前記右部分115からを外すのに役立つ。前記左部分105と前記右部分115が離れると、前記PEGを前記PEGホルダー100の前記中央部分110から取り外すことができる。
【0019】
レシピエントの皮膚から前記PEGホルダー100を取り外す場合、前項で説明したように、最初に前記PEGを取り外す必要がある。次に、前記利用者、介護者、ヘルスケアの専門家は、前記接着部分210が離れるまで、同接着部分を前記皮膚から引き離すことが可能である。
【0020】
図4A−図4Cは、利用者の身体に付着され、前記PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の、本発明の例示的な1実施形態の前面図を示している。図4A−図4Cは、前記レシピエントの身体における前記PEGホルダー100の考えられる配置場所を表しており、これらの配置場所により、前記瘻孔における前記PEGの重力による圧力が確実に回避される。好適な1実施形態では、前記PEGから残液が漏れるのを防ぐために、前記PEGバルブと前記PEGの送液端部が実質的に垂直上方に向かうようにする場合もある。図4Bは、残液が前記PEG内に溜まらないないため、最も好適な1実施形態を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態の他の態様、特徴、利益、利点の一部は、以下の説明、添付の請求の範囲、および添付の図面を参考にして明瞭となるものである。
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態の前面図を示すものである。
【図2】図2は、本発明の好適な実施形態の裏面図を示すものである。
【図3A】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図3B】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図3C】図3は、本発明の実施形態に従ってPEGを包み込む際の例示的なPEGホルダーの前面図を示すものである。
【図4A】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【図4B】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【図4C】図4は、利用者の身体に付着され、PEGホルダーが包み込み形状になるように折りたたまれた場合の本発明の例示的な実施形態の前面画を示すものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシピエントに近接させて保持する経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)チューブを保持する装置であって、
前面であって、
着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、左部分と、
前記着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、右部分と、
第1の素材を含む表面を有する、中央部分と
を有する前面と、
裏面であって、
低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、接着部分と、
第2の素材を含む表面を有する、非接着部分と
を有する裏面と
を有する装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記着脱可能な素材はVELCRO(登録商標)である。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記第1の素材は綿である。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記第1の素材は、実質的に前記中央部分の全体を覆っているものである。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記第2の素材は綿である。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記第2の素材は、実質的に前記非接着部分の全体を覆っているものである。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤は、実質的に前記接着部分の全体を覆っているものである。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤には、前記接着部分の表面上の1若しくはそれ以上の帯状片が含まれるものである。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤は保護カバーで覆われているものである。
【請求項10】
請求項1記載の装置であって、前記非接着部分の第1の部分と、前記非接着部分の第1の部分と反対側の前記前面の1若しくはそれ以上の部分から取り除かれた切り込みを有する装置。
【請求項11】
PEGチューブを保持するためにレシピエントにPEGホルダーを付着する方法であって、
前記レシピエントに前記PEGホルダーの裏面を付着する工程を有し、前記PEGホルダーは前面および裏面を含み、前記前面は、着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、左部分と、前記着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、右部分と、中央部分とを含み、前記裏面は低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われてなる表面を含むものである、前記付着する工程と、
前記PEGチューブを前記中央部分に配置する工程と、
前記左部分の着脱可能な素材を前記右部分の着脱可能な素材に止着する工程と
を有する方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記PEGチューブを配置する工程は、さらに、
前記PEGチューブの受入端部が実質的に垂直上方に延長するように、前記PEGチューブを配列する工程を有するものである。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、この方法は、さらに、
前記付着工程の前に前記低刺激性接着剤を覆う保護カバーを取り外す工程を有するものである。
【請求項14】
レシピエントに付着されたPEGホルダーからPEGチューブを外す方法であって、
PEGホルダーの左部分の着脱可能な素材をPEGホルダーの右部分の着脱可能な素材から取り外す工程であって、前記PEGホルダーは前面および裏面を含み、前記前面は前記着脱可能な素材を有する左部分と、前記着脱可能な素材を有する右部分と、中央部分とを含み、前記裏面はレシピエントに付着されているものである、前記取り外す工程と、
前記PEGチューブを前記中央部分から取り外す工程と
を有する方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、この方法は、さらに、
前記PEGホルダーの裏面を前記レシピエントから取り外す工程を有するものである。
【請求項1】
レシピエントに近接させて保持する経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)チューブを保持する装置であって、
前面であって、
着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、左部分と、
前記着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、右部分と、
第1の素材を含む表面を有する、中央部分と
を有する前面と、
裏面であって、
低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、接着部分と、
第2の素材を含む表面を有する、非接着部分と
を有する裏面と
を有する装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記着脱可能な素材はVELCRO(登録商標)である。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記第1の素材は綿である。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記第1の素材は、実質的に前記中央部分の全体を覆っているものである。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記第2の素材は綿である。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記第2の素材は、実質的に前記非接着部分の全体を覆っているものである。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤は、実質的に前記接着部分の全体を覆っているものである。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤には、前記接着部分の表面上の1若しくはそれ以上の帯状片が含まれるものである。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記低刺激性接着剤は保護カバーで覆われているものである。
【請求項10】
請求項1記載の装置であって、前記非接着部分の第1の部分と、前記非接着部分の第1の部分と反対側の前記前面の1若しくはそれ以上の部分から取り除かれた切り込みを有する装置。
【請求項11】
PEGチューブを保持するためにレシピエントにPEGホルダーを付着する方法であって、
前記レシピエントに前記PEGホルダーの裏面を付着する工程を有し、前記PEGホルダーは前面および裏面を含み、前記前面は、着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、左部分と、前記着脱可能な素材で少なくとも一部が覆われてなる表面を有する、右部分と、中央部分とを含み、前記裏面は低刺激性接着剤で少なくとも一部が覆われてなる表面を含むものである、前記付着する工程と、
前記PEGチューブを前記中央部分に配置する工程と、
前記左部分の着脱可能な素材を前記右部分の着脱可能な素材に止着する工程と
を有する方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記PEGチューブを配置する工程は、さらに、
前記PEGチューブの受入端部が実質的に垂直上方に延長するように、前記PEGチューブを配列する工程を有するものである。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、この方法は、さらに、
前記付着工程の前に前記低刺激性接着剤を覆う保護カバーを取り外す工程を有するものである。
【請求項14】
レシピエントに付着されたPEGホルダーからPEGチューブを外す方法であって、
PEGホルダーの左部分の着脱可能な素材をPEGホルダーの右部分の着脱可能な素材から取り外す工程であって、前記PEGホルダーは前面および裏面を含み、前記前面は前記着脱可能な素材を有する左部分と、前記着脱可能な素材を有する右部分と、中央部分とを含み、前記裏面はレシピエントに付着されているものである、前記取り外す工程と、
前記PEGチューブを前記中央部分から取り外す工程と
を有する方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、この方法は、さらに、
前記PEGホルダーの裏面を前記レシピエントから取り外す工程を有するものである。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【公表番号】特表2007−506508(P2007−506508A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528023(P2006−528023)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/028840
【国際公開番号】WO2005/032640
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506102064)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/028840
【国際公開番号】WO2005/032640
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506102064)
【Fターム(参考)】
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