説明

結合部材及び工具並びにチャック爪

【課題】 一方部材を弾性変形させるだけで、他方部材を簡単かつ迅速に結合することができ、他方部材のみを取り外して簡単迅速に交換できるようにする。
【解決手段】 二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材であって、一方部材1は、他方部材2を保持する嵌合保持部1aを有すると共に、嵌合保持部1a部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持部1aを開く方向に弾性変形可能に構成する。他方部材2は、常時は嵌合保持部1aへの挿入が不能で、嵌合保持部1aを弾性変形により開いた状態でのみ嵌合保持部1aにスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の外周輪郭部2aを有する。一方部材を加圧力により嵌合保持部1aが開いた状態に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持部1aに他方部材2をスライド挿入し、加圧力の解除による一方部材1の弾性復元力により嵌合保持部1aに他方部材2を結合するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材及び工具並びにチャック爪に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、旋盤や平削盤などの切削加工に用いられるバイト(工具)としては、同じ素材でバイト本体と刃先部分とが一体形成されたムクものや、バイト本体とチップ(刃先)を別体に形成し、バイト本体の先端部に超硬材質のチップをろう付けしたもの、さらには、バイト本体にチップをねじ締め等により一体化したものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記した従来のバイトのうち、バイト本体とチップ部分とが一体形成されたムクなバイトやろう付けしたバイトでは、バイト本体とチップは一体不可分となっているため、チップが摩耗したらバイト全体を丸ごと交換しなければならず、不経済となる問題があった。また、バイト本体にチップをねじ締め等により一体化したバイトについては、チップ部分のみを交換できるけれども、その取り替えに際し、バイト本体からねじを緩めて外し、そのうえでチップをバイト本体から取り出して別のチップに取り替え、その後ねじを締付けてチップをバイト本体に装着するため、その取り替え作業が非常に煩雑で時間を要するものであった。
【0004】
そこで、本発明は、一方部材を弾性変形させるだけで、他方部材を簡単かつ迅速に結合することができ、また、他方部材が損傷したり、別のものに取り替える場合、両部材全体を丸ごと交換することなく、一方部材を弾性変形させるだけで、他方部材のみを取り外して簡単かつ迅速に交換でき、かつ安価に取り替えることができる結合部材及び工具並びにチャック爪の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材であって、一方部材は、他方部材を保持する嵌合保持部を有していると共に、嵌合保持部部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持部を開く方向又は閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、他方部材は、常時は嵌合保持部への挿入が不能で、嵌合保持部を弾性変形により開いた状態又は閉じた状態でのみ嵌合保持部にスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の外周輪郭部を有しており、一方部材を加圧力により嵌合保持部が開いた状態又は閉じた状態に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持部に他方部材をスライド挿入し、加圧力の解除による一方部材の弾性復元力により嵌合保持部に他方部材を結合するようにしたことを特徴とする。
なお、嵌合保持部とは、嵌合保持溝、有底の嵌合保持穴及び貫通する嵌合保持孔を含む概念である。
【0006】
また、本願の請求項2記載の発明は、二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材であって、一方部材は、他方部材を保持する楕円形の嵌合保持孔を有していると共に、その嵌合保持孔部分は外部からの加圧力により嵌合保持孔が円形状となるように弾性変形可能に形成されている一方、他方部材は、常時は嵌合保持孔への挿入が不能で、嵌合保持孔が弾性変形により円形状となった状態でのみ嵌合保持孔へのスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の円形輪郭部を有しており、一方部材を加圧力により嵌合保持孔が円形状となるように弾性変形させた状態のもとでその嵌合保持孔に他方部材をスライド挿入し、加圧力の解除による一方部材の弾性復元力により嵌合保持孔に他方部材を結合するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、本願の請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の構成における一方部材が弾性変形を容易にするための割り溝を有する一方、割り溝に抜き差し可能で、差し込みにより割り溝部分を開いて嵌合保持部を閉じる方向に付勢するくさび体を備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本願の請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の構成における一方部材が両端部が外方に突出する板状基部を有する一方、板状基部の両端部に係合する係合フック部をもったコ字形の治具本体と、治具本体の中央部に進退可能に螺合された締付ボルトと、締付ボルトの先端に回転自由に支持された締付板とからなり、板状基部の両端部に治具本体の係合フック部を係合させた状態で締付ボルトを締付けることにより一方部材を弾性変形させる治具を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項5記載の発明は、工具本体の先端部に先端部材を反復可能に結合してなる工具であって、工具本体は、その先端部に先端部材を保持する一端開放の嵌合保持部を有すると共に、その嵌合保持部部分は外部からの加圧力により嵌合保持部を開く方向又は閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、先端部材は、常時は嵌合保持部への挿入が不能で、嵌合保持部を弾性変形により開いた状態又は閉じた状態でのみ嵌合保持部にスライド挿抜が可能となりかつ回転及び開放端からの抜け出しが不能となる嵌め合い形状の外周輪郭部を有しており、工具本体を加圧力によりその嵌合保持部が開いた状態又は閉じた状態に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持部に先端部材をスライド挿入し、加圧力の解除による工具本体先端部の弾性復元力により嵌合保持部に先端部材を結合するようにしたことを特徴とする。
なお、嵌合保持部とは、嵌合保持溝及び有底の嵌合保持穴を含む概念である。
【0010】
さらに、本願の請求項6記載の発明は、チャックアームの先端部に爪体を反復可能に結合してなるチャック爪であって、チャックアームは、その先端部内面に幅方向に延びる爪体保持用の一端開放の嵌合保持溝を有していると共に、その嵌合保持溝部分は外部からの加圧力により嵌合保持溝を開く方向もしくは閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、爪体は、半割りの筒状を呈し、常時は嵌合保持溝への挿入が不能で、嵌合保持溝を弾性変形により開いた状態もしくは閉じた状態でのみ嵌合保持溝にスライド挿抜が可能となりかつ回転及び開放端からの抜け出しが不能となる嵌め合い形状の外周輪郭部が形成されていると共に、爪体の内面に素材の形状に合わせた挟持面が形成されており、かつ、チャックアーム先端部を加圧力により嵌合保持溝を開く方向もしくは閉じる方向に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持溝に爪体の摺動外面部がスライド挿入され、チャックアーム先端部の弾性復元力により嵌合保持溝に爪体を結合するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の結合部材によれば、上記した構成により、一方部材を弾性変形させて嵌合保持部に他方部材を挿入し、その後弾性変形を解除するだけで、一方部材に他方部材を簡単かつ迅速に結合することができる。また、他方部材に損傷などが生じて新たなものに交換する場合や、別形状のものに取り替える場合、両部材を丸ごと交換することなく、一方部材を弾性変形させるだけで、他方部材のみを取り外して簡単かつ迅速に交換できる。その結果、取付及び交換作業が迅速かつ容易に行なえるし、安価に取り替えることができる。
【0012】
また、一方部材が弾性変形を容易にするための割り溝を有する一方、割り溝に抜き差し可能で、差し込みにより割り溝部分を開いて嵌合保持部を閉じる方向に付勢するくさび体を備える構成とすれば、一方部材の弾性復元力を積極的に高めて一方部材と他方部材との結合をより強固にできるのでこのましい。
【0013】
また、一方部材が両端部が外方に突出する板状基部を有する一方、板状基部の両端部に係合する係合フック部をもったコ字形の治具本体と、治具本体の中央部に進退可能に螺合された締付ボルトと、締付ボルトの先端に回転自由に支持された締付板とからなり、板状基部の両端部に治具本体の係合フック部を係合させた状態で締付ボルトを締付けることにより一方部材を弾性変形させる治具を備える構成とすれば、この治具により一方部材の弾性変形を簡単容易にかつ楽に行うことができるのでこのましい。
【0014】
また、本発明の工具によれば、上記した構成により、工具本体の先端部を弾性変形させて嵌合保持部に例えばチップなどの先端部材を挿入し、その後弾性変形を解除するだけで、工具本体に先端部材を簡単かつ迅速に結合することができる。また、先端部材に損傷などが生じて新たなものに交換する場合や、別形状の先端部材に取り替える場合、工具全体を丸ごと交換することなく、工具本体の先端部を弾性変形させるだけで、工具本体の嵌合保持部から先端部材のみを取り外して簡単かつ迅速に交換できる。その結果、取付及び交換作業が迅速かつ容易に行なえるし、安価に取り替えることができる。
【0015】
さらに、本発明のチャック爪によれば、上記した構成により、チャックアームの先端部を弾性変形させて嵌合保持溝に爪体を挿入し、その後弾性変形を解除することによりチャックアームに爪体を簡単かつ迅速に結合することができる。また、爪部に摩損などが生じて新たなものに交換する場合や、別形状の爪部に交換するような場合、チャックアームの先端部を弾性変形させた状態のもとで嵌合保持溝から爪体を取り外し、その後、新たな爪体を嵌合保持溝に沿って挿入して、チャックアームの先端部の弾性変形状態を解除するだけでチャックアーム先端部の弾性復元力によりチャックアームに爪体を取り付けることができる。その結果、チャックアームの先端部から爪体のみを直接取り外して交換できるので、交換時のコストを安価にできるし、しかも、チャックアームをこれの支持部材からわざわざ取り外すことがないので、交換後に爪部の芯出し調整や開閉タイミング調整を行う必要がなくなり、その交換作業が迅速かつ容易に行える。さらに、素材の寸法などによって爪部の長さがチャックアームの厚みに較べて長くなるような場合であっても、チャックアームと爪体とが個別に製造されるので、チャックアームと爪体との成形がいずれも簡単容易で量産も可能となり安価に得られる。その上、下側チャックアームの材料に関係なく、使用する素材の材料に合わせた材料の爪体を自由に選択して用いることが可能となるので、例えば軟らかい材料からなる素材に対応した材料からなる爪体を選択して用いることにより素材への傷付きなどを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図4は、二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材Aを示すもので、図1及び図2に示すように一方部材1は、ブロック形状で前面に一端が開放する蟻溝形状の嵌合保持溝1aを有していると共に、嵌合保持溝1a部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持溝1aを外側へ開く方向に弾性変形可能に構成されている。その弾性変形可能な構成としては、嵌合保持溝1aと対向する背面の長さ方向中間部に嵌合保持溝1a側に延びる割り溝1bが形成されている一方、割り溝1bを境として左外側面に対し右外側面が例えば5°程度内方に傾斜するように形成され、かつ、割り溝1bを挟むように左右外側面にねじ穴1c,1cがそれぞれ形成されている。
【0018】
一方、他方部材2は、常時は嵌合保持溝1aへの挿入が不能で、嵌合保持溝1aを弾性変形により開いた状態でのみ嵌合保持溝1aへのスライド挿抜が可能となる蟻溝形状の外周輪郭部2aを有しており、内面には半円形状の挟持面2bを有している。なお、図に示す実施の形態では他方部材2の内面に半円形状とした挟持面2bを設けたものについて説明したけれども、他の形状であってもよいし、また、挟持面2bは設けなくてよい。
【0019】
また、図3の(イ)において符号3は、一方部材1の嵌合保持溝1aを弾性変形させるための治具で、上記ねじ穴1c,1cに符合する挿通孔4a,4aを有する扁平板状の締付体4と、挿通孔4a,4aに挿通されかつねじ穴1c,1cに螺合する締付ボルト5,5とを備えている。
【0020】
次に、上記した結合部材Aの作用について説明する。
【0021】
使用に際しては、図3の(ロ)に示すように、一方部材1の割り溝1bを境とする外面に、上記治具3の締付体4を沿わせて宛がい、締付ボルト5,5を挿通孔4a,4aを介してねじ穴1,1cに螺合する。これにより、図3の(ハ)に示すように、一方部材1の割り溝1bを境とする外面の両方が共に締付体4に面接触して一直線となるように弾性変形させる。つまり、治具3により割り溝1bを境に嵌合保持溝1aを開く方向に弾性変形させてその状態を保持するのであり、その結果、嵌合保持溝1aと他方部材2の外周輪郭部2aとの間に他方部材2のスライド挿抜を許す隙間が形成される。その後、斯かる状態の嵌合保持溝1aに他方部材2を嵌め合わせてスライド挿入し、所定の位置にセットする。然る後、図3の(ニ)に示すように締付ボルト5,5を緩めてねじ穴1c,1cから外し、治具3を一方部材1から取り外す。この治具3の取り外しで一方部材1の弾性変形が復元されることにより図1及び図3の(ニ)に示すように一方部材1と他方部材2とがその弾性復元力で一体的に結合される。
【0022】
また、他方部材2に摩損などが生じて、新たなものに交換する場合や別形状のものに交換するような場合、先に説明した結合作業とは反対の動作を行って一方部材1から他方部材2を取り外し、その後、再び新たな他方部材2を一方部材1に取り付ければよい。これにより、ボス11へのシャフト12の取付及び交換作業が簡単容易にかつ迅速に行うことができる。
【0023】
図4は、割り溝1bの最奥部部分にくさび体6を抜き差し可能に構成したもので、このくさび体6の差し込みにより割り溝1b部分を開く方向、つまり嵌合保持溝1aを閉じる方向に付勢させ、一方部材1の弾性復元力を積極的に高めて一方部材1と他方部材2とのより強固な結合が得られるようにしたものである。くさび体6としては、図4に示す断面C字形の打ち込みタイプのものを用いる他、例えば割り溝1b部分にねじ込むことにより割り溝1b部分を開くねじタイプのものなどであってもよい。
【0024】
また、以上の実施の形態では一方部材1を割り溝1bを境として嵌合保持溝1aを開く方向に強制的に弾性変形させた状態で他方部材2を挿入し、その後、嵌合保持溝1aを閉じる方向の弾性復元力により一方部材1と他方部材2を結合するようにしたけれども、この他、一方部材1を割り溝1bを境として嵌合保持溝1aを閉じる方向に強制的に弾性変形させた状態で他方部材2を密着状に挿入し、その後嵌合保持溝1aを開く方向の弾性復元力により一方部材1と他方部材2を結合するようにしてもよい。
【0025】
図5〜図7は、一方の構成部材であるボス11に他方の構成部材であるシャフト12を反復可能に結合した結合部材Bを示すもので、図5及び図6に示すようにボス1は、楕円形状の嵌合保持孔11aをもつ筒状部11を有していると共に、筒状部11は外部からの加圧力によりその嵌合保持孔11aが円形状となるように弾性変形可能に構成されている。その弾性変形可能な構成としては、筒状部11における嵌合保持孔11aの長軸a側一端部に、両端部が外方に突出する板状基部11bが設けられ、板状基部11bの中間部には、長さ方向に延びる割り溝11cが形成されると共に、割り溝11cを境として左外側面に対し右外側面が例えば5°程度内方に傾斜するように形成され、かつ、割り溝11cを挟むように左右外側面にねじ穴11d,11dがそれぞれ形成されている。
【0026】
一方、シャフト12は、常時は嵌合保持孔11aへの挿入が不能で、嵌合保持孔11aを弾性変形により円形状となった状態でのみ嵌合保持孔11aへのスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の円形輪郭部12aを有している。
【0027】
また、図7の(イ)において符号13は、ボス11の嵌合保持孔11aを弾性変形させるための治具で、上記ねじ穴11d,11dに符合する挿通孔14a,14aを有する扁平板状の締付体14と、挿通孔14a,14aに挿通されかつねじ穴11d,11dに螺合する締付ボルト15,15とを備えている。
【0028】
次に、上記した結合部材Bの作用について説明する。
【0029】
使用に際しては、図7の(ロ)に示すように、ボス11の割り溝11cを境とする外面に、上記治具13の締付体14を沿わせて宛がい、締付ボルト15,15を挿通孔14a,14aを介してねじ穴11d,11dに螺合する。これにより、図7の(ハ)に示すように、ボス1の割り溝1cを境とする外面の両方が共に締付体14に面接触して一直線となるように弾性変形させる。つまり、治具13により割り溝11cを境に嵌合保持孔11aが円形状となるように弾性変形させてその状態を保持するのであり、その結果、嵌合保持孔11aとシャフト12の外周輪郭部12aとの間にシャフト12の挿抜を許す隙間が形成される。その後、この状態の嵌合保持孔11aにシャフト12を嵌め合わせて挿入し、所定の位置にセットする。然る後、図7の(ニ)に示すように締付ボルト15,15を緩めてねじ穴11d,11dから外し、治具13をボス11から取り外す。この治具13の取り外しでボス11の弾性変形が復元され、これにより図5及び図7の(ニ)に示すようにボス11とシャフト12とがその弾性復元力で結合される。
【0030】
一方、シャフト12に摩損などが生じて、新たなものに交換する場合や別形状のものに交換するような場合、先に説明した結合作業とは反対の動作を行ってボス11からシャフト12を取り外し、その後、再び新たなシャフト12をボス11に取り付ければよい。これにより、ボス11へのシャフト12の取付及び交換作業が簡単容易にかつ迅速に行うことができる。
【0031】
図8は、治具13に代えて別の治具16を用いた例を示すもので、この治具16は、図8の(ロ)に示すように板状基部11bの両端部に係合する係合フック17a,17aを備えたコ字形の治具本体17と、治具本体17の中央部に進退可能に螺合された締付ボルト18と、締付ボルト18の先端に回転自由に支持された締付板19とを備える。この場合、ボス11には図8の(イ)に示すようにねじ穴は不要となる。そして、図8の(ロ)に示すように、治具16をボス11にセットした状態で、締付ボルト18を締め込む。これにより図8の(ハ)に示すように、ボス1の割り溝11cを境とする外面の両方が共に締付体19に面接触して一直線となるように弾性変形させることができる。この一直線状態のもとで先の実施の形態の場合と同様に、図8の(ニ)に示すよう他方部材2の取り付けたり、或いは取り外しの作業を行えばよい。なお、両端部が外方に突出する板状基部と治具16との組合せによる一方部材の弾性変形手段は、結合部材Bだけでなく、結合部材Aにも適用できることは勿論である。また、結合部材Bのボス11における割り溝11cに結合部材Aで用いたくさび体6を差し込んでボス11の弾性復元力を高めるようにしてもよい。
【0032】
図9〜図11は、工具本体21の先端部にチップ(先端部材)22を反復可能に結合してなる切削加工用のバイト(工具)Cを示す。刃物台(図示せず)に固定される工具本体21は、図9及び図10に示すようにその先端部に平面菱形状で有底割形の嵌合保持穴21aが形成されていると共に、嵌合保持穴21a部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持穴21aが外側へ開くように弾性変形可能に構成されている。その弾性変形可能な構成としては、工具本体21の先端部に嵌合保持穴21aを対角線方向で分割する割り溝21bが形成されていると共に、工具本体21における先端一側部の割り溝21bの最奥端と対向する部分がへの字状に屈曲形成され、かつ、この屈曲外側面21cに割り溝21bの最奥端を挟むようにねじ穴21d,21eがそれぞれ形成されている。
【0033】
一方、チップ22は、常時は嵌合保持穴21aへの挿入が不能で、嵌合保持穴21aを弾性変形により開いた状態でのみ嵌合保持穴21aへのスライド挿抜が可能となる菱形形状の外周輪郭部22aを有している。なお、工具本体21へのチップ22の結合時には、チップ22における一部の刃先部分が工具本体21から突出することになる。
【0034】
また、図11の(イ)において符号23は、工具本体21の嵌合保持穴21aを弾性変形させるための治具で、上記ねじ穴21d,21eに符合する挿通孔24a,24bを有するへの字状の締付体24と、挿通孔24a,24bに挿通されかつねじ穴21d,21eに螺合する締付ボルト25,26とを備えている。また、締付体24はその屈曲内面部を工具本体21の屈曲外側面21cに沿わせて宛がったとき、図11の(ロ)に示すように締付体24の先端側内面と工具本体21の先端側外面との間に隙間が生じるに形成されている。なお、符号27,28は座金である。
【0035】
次に、上記したバイトCの作用について説明する。
【0036】
使用に際しては、図11の(ロ)に示すように、工具本体21の屈曲外側面21cに、上記治具23の締付体24を沿わせて宛がい、締付ボルト25,26を挿通孔24a,24bを介してねじ孔21d,21eに螺合する。これにより、図11の(ハ)に示すように、工具本体21における先端一側部の屈曲外側面21cが締付体24に内面とぴったり接触して同一傾斜角となるように弾性変形させる。つまり嵌合保持穴21aを開く方向に弾性変形させてその状態を保持するのであり、その結果、嵌合保持穴21aとチップ22の外周輪郭部22aとの間にチップ22の挿抜を許す隙間が形成される。その後、斯かる状態の嵌合保持穴21aにチップ22を嵌め込んでスライド挿入し所定の位置にセットする。然る後、図11の(ニ)に示すように締付ボルト25,26を緩めてねじ孔11d,11eから外し、治具23を工具本体21から取り外す。この治具23の取り外しで工具本体21の弾性変形が復元され、これにより図9及び図11の(ニ)に示すように工具本体21とチップ22とがその弾性復元力で一体的に結合される。
【0037】
一方、使用によりチップ22に摩損などが生じて、新たなものに交換する場合や別形状のものに交換するような場合には、工具本体21を刃物台に固定したしたのまま先に説明した結合作業とは反対の動作を行って工具本体21からチップ22を取り外し、その後、再び新たなチップ22を工具本体21に取り付ければよい。これにより、工具本体21へのチップ22の取付及び交換作業が簡単容易にかつ迅速に行うことができる。
【0038】
図12〜図14は、工具本体31の先端頭部に口金(先端部材)32を反復可能に結合してなるスパナ(工具)Dを示す。
【0039】
図12及び図13に示すように工具本体31は、その先端頭部に一端開口の多角形状の嵌合保持溝31aが形成されていると共に、嵌合保持溝31a部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持溝31aが外側へ開くように弾性変形可能に構成されている。その弾性変形可能な構成としては、嵌合保持溝31aの最奥部に割り溝31bが形成されると共に、割り溝31bを挟むように工具本体31における先端頭部一側と胴部一側とにねじ穴31c,31dがそれぞれ形成されている。
【0040】
一方、口金32は、常時は嵌合保持溝31aへの挿入が不能で、嵌合保持溝31aを弾性変形により開いた状態でのみ嵌合保持溝31aへのスライド挿抜が可能となる多角形状の外周輪郭部32aを有すると共に、内面にボルト頭部やナットに嵌め込み可能な一端開放の係合溝部32bを備えている。
【0041】
また、図14の(イ)において符号33は、工具本体31の嵌合保持溝31aを弾性変形させるための治具で、上記ねじ穴31c,31dに符合する挿通孔34a,34bを有する締付体34と、挿通孔34a,34bに挿通されかつねじ穴31c,31dに螺合する締付ボルト35,36とを備えている。なお、符号37,38は座金である。
【0042】
次に、上記したスパナDの作用について説明する。
【0043】
使用に際しては、図14の(イ)に示すように、工具本体31の頭部と胴部との連結外側面に、上記治具33の締付体34を宛がい、締付ボルト35,36を挿通孔34a,34bを介してねじ穴31c,31dに螺合する。これにより、図14の(ロ)に示すように、工具本体31における上記連結外側面部分が締付体34の内面に接するように弾性変形させる。つまり嵌合保持溝31aを開く方向に弾性変形させてその状態を保持するのであり、その結果、嵌合保持溝31aと口金32の外周輪郭部32aとの間に口金32のスライド挿抜を許す隙間が形成される。その後、斯かる状態の嵌合保持溝31aに口金32を嵌め込んでスライド挿入し所定の位置にセットする。然る後、締付ボルト35,36を緩めてねじ孔31c,31dから外し、治具33を工具本体31から取り外す。この治具33の取り外しで工具本体31の弾性変形が復元され、これにより図12に示すように工具本体21と口金32とがその弾性復元力で一体的に結合される。
【0044】
一方、使用により口金32に摩損などが生じて、新たなものに交換する場合や別形状のものに交換するような場合には、先に説明した結合作業とは反対の動作を行って工具本体21から口金32を取り外し、その後、再び新たな口金32を工具本体21に取り付ければよい。
【0045】
図15〜図30は本発明に係るチャックアームの先端部に爪体を反復可能に結合してなる素材移送用チャック装置のチャック爪Eを示す。
【0046】
ここで、図15に示すように素材移送用チャック装置40はパンチ(図示せず)と共に圧造ステーションを構成するダイAに対して素材Sを搬出入するもので、素材移送用チャック装置40は、パンチの進退動作に同調して回動される一対の回動軸42,43を有するカセットタイプのチャック本体41と、一対の回動軸42,43に上端部が支持され、回動軸42,43の回動によって開閉される一対のチャック爪E,Eと、チャック本体41を支持すると共にチャック本体41をダイAの軸芯方向に対し直交する左右方向に移動させる可動プレート44を備えている。そして、チャック本体41から上方に突出する開閉ロッド45がパンチの前進、後退動作に同調する適宜伝動機構(図示せず)を介して上下動されることにより連動機構(図示せず)を介して上記回動軸42,43が回動され、これにより一対のチャック爪E,Eが互いに開閉するように構成されている。また、上記可動プレート44の左右移動に伴うチャック本体41の左右移動も上記チャック爪E,Eの開閉動作と同様にパンチの前進、後退の動作に同期して行われるようになっている。なお、素材移送用チャック装置40全体の基本構成については、既知であるのでその具体的な構成及び作用の説明については省略する。
【0047】
また、図15に示すチャック爪E,Eは、上記回動軸42,43に上端部が支持される上側チャックアーム50,50と、上側チャックアーム50,50の下端部に上端部が固定ボルト53,53により着脱可能に取り付けられる下側チャックアーム51,51と、下側チャックアーム51,51の先端部内面に着脱可能に結合される爪体52,52とから構成されている。
【0048】
そして、図16〜図23に示すように下側チャックアーム51,51への爪体52,52の反復可能な結合構造として、次のように構成されている。なお、チャック爪E,Eは左右対称形状であるので、以下一方側の下側チャックアーム51への爪体52の結合構造についてのみ説明する。
【0049】
まず、下側チャックアーム51の先端部内面に、ダイAの軸芯方向に延びる爪体保持用の一端が開放する嵌合保持溝51aが全長にわたって設けられていると共に、チャックアーム51の先端部が嵌合保持溝51a部分を開く方向に弾性変形可能に構成されている。その弾性変形可能な構成としては、嵌合保持溝51aが半円弧状でその上下両端部に爪体52の回り止めと抜け出しを阻止する係合突部51b,51bが形成されている。また下側チャックアーム51の先端部が弾性変形可能な構造として、図20に示すように下側チャックアーム51の先端部の嵌合保持溝51aと対応する外面の上下方向中間部にダイAの軸芯方向に延びる割り溝51cが形成されている一方、割り溝51cを境として上部外面に対し下部外面がたとえば5°程度内方に傾斜状するように形成され、かつ、割り溝51cを挟んで上、下部外面にねじ穴51d,51eがそれぞれ形成されている。また、符号51fは下側チャックアーム51の上端部に形成された固定ボルト53の挿通孔である。
【0050】
一方、爪体52は図17及び図19に示すように半円筒状で下側チャックアーム51の厚みx寸法の二倍以上の長さを有し、その外面には常時は上記嵌合保持溝51aへの挿入が不能で、弾性変形により開いた状態の嵌合保持溝51aに対しスライド挿抜可能となり、かつ上下両端部に上記係合突部51b,51bに係合して回転及び内方への抜け出を阻止する係合溝部52b,52bを有する半円筒状の外周輪郭部52aが長さ方向全長にわたって形成されている。また、爪体52の内面には円柱状素材Sの形状に合わせた半円筒状の挟持面52cが長さ方向全長にわたって形成されている。
【0051】
また、図20において符号60は下側チャックアーム51の先端部を弾性変形させるための治具で、上記ねじ孔51d,51eに符合する挿通孔61a,61bを有する扁平板状の締付体61と、挿通孔61a,61bに挿通されかつねじ孔51d,51eに螺合する締付ボルト62,63とを備えている。
【0052】
そして、図21の(イ)に示すように、下側チャックアーム51における先端部の割り溝51cを境とする上部外面に、上記治具60の締付体61を沿わせて宛がい、締付ボルト62,63を挿通孔61a,61bを介してねじ孔51d,51eに螺合する。これにより、図21の(ロ)に示すように下側チャックアーム51における先端部の割り溝51cを境とする上、下部外面の両方が共に締付体11に面接触して、つまり一直線となるように弾性変形させる。つまり、治具60により割り溝51cを境に嵌合保持溝51aを開く方向に弾性変形させその状態を保持する。このとき、図22に示すように嵌合保持溝51aと外周輪郭部52aとの間に爪体52のスライド挿抜を許す隙間が形成されている。その後、図22に示すように斯かる状態の嵌合保持溝51aに爪体52の外周輪郭部52aを嵌め合わせてスライド挿入し、図17に示す所定の位置にセットする。然る後、図23に示すように締付ボルト62,63を緩めてねじ孔51d,51eから取り外し、治具60を下側チャックアーム51から取り外す。この治具60の取り外しでチャックアーム51先端部の弾性変形が復元されることにより図16に示すように該チャックアーム51と爪体52とがその弾性復元力で一体的に結合される。
【0053】
次に、上記したチャック爪Eの作用について説明する。
【0054】
爪部52に摩損などが生じて新たなものに交換する場合や、別形状の爪部52に交換するような場合、まず、図21の(イ)に示すように治具60を取り付ける。そして、締付ねじ62,63の締め付けにより、図21の(ロ)に示すように下側チャックアーム51の先端部を割り溝51cを境として嵌合保持溝51aを開く方向に弾性変形させ、その状態を保持する。このとき、図22に示すように嵌合保持溝51aと外周輪郭部52aとの間に爪体52がスライド挿抜可能となる隙間が生じている。斯かる状態のもとで、嵌合保持溝51aから爪体52をその溝51aに沿ってスライドさせて取り出す。そして、新たな爪体52を嵌合保持溝51aにその一端面を嵌め合わせてスライド挿入し、図17に示す所定の位置にセットする。然る後、締付ボルト62,63を緩めてねじ孔51d,51eから取り外し、治具60を下側チャックアーム51から取り外す。斯くしてチャックアーム51の先端部の弾性変形が復元されることにより該チャックアーム51と爪体52とがその弾性復元力で一体的に結合され、交換作業が終了する。
【0055】
以上のように、下側チャックアーム51の先端部から爪体52のみを直接取り外して交換できるので、交換時のコストを安価にできるし、しかも、例えば従来のようにチャックアーム全体或いは下側チャックアームをわざわざチャック本体から取り外すことがないので、交換後にダイの軸芯に対する爪部の芯出し調整や開閉タイミング調整をその都度行う必要がなくなり、その交換作業が迅速容易に行える。さらに、素材Sの寸法などによって爪体52の長さが下側チャックアーム51の厚みに較べて長くなるような場合であっても、下側チャックアーム51と爪体52とが個別に製造されるので、下側チャックアーム51と爪体52との成形が簡単容易で量産も可能となり安価に得られる。その上、下側チャックアーム51の材料に関係なく、使用する素材Sの材料に合わせた材料の爪体52を自由に選択して用いることが可能になるので、例えば軟らかい材料からなる素材Sに対応した材料からなる爪体52を選択使用することにより素材Sへの傷付きなどを防止することができる。
【0056】
以上の実施の形態では、下側チャックアーム51の先端部を割り溝51cを境として嵌合保持溝51aを開く方向に強制的に弾性変形させた状態で爪体52をスライド挿入してセットし、その後、嵌合保持溝51aの閉じる方向の弾性復元力により下側チャックアーム51と爪体52を一体化するようにしたけれども、この他、下側チャックアーム51の先端部を割り溝51cを境として嵌合保持溝51aを閉じる方向に強制的に弾性変形させた状態で爪体52をスライド挿入してセットし、嵌合保持溝51aを開く方向の弾性復元力により下側チャックアーム51と爪体52を一体化するようにしてもよい。
【0057】
その場合、図24及び図25に示すように先の実施の形態と同様の基本構成とした下側チャックアーム51において、その先端部を割り溝51cを境として上部外面に対し下部外面をたとえば5度外方に傾斜状するように形成し、かつ、上、下部外面に上述の治具60の締付ねじ62,63と螺合するねじ穴51d,51eを形成すればよい。
【0058】
このように構成した場合、下側チャックアーム51の先端部に爪体52を着脱する際には、先の実施形態の場合と同様に下側チャックアーム51における先端部の外側面に上記治具60の締付体61を宛がい、締付ボルト62,63を挿通孔61a,61bを介してねじ孔51d,51eに螺合する。これにより、チャックアーム51の先端部を割り溝51cを境として嵌合保持溝51aを閉じる方向に強制的に弾性変形させ、先の図21の(ロ)に示す状態と同様の状態、つまり割り溝51cを境としてその上、下部外面が一直線状となるように保持する。そして、その保持状態を維持したまま嵌合保持溝51aから交換すべき爪体52を取り外して、新たな爪体52をスライド挿入して所定の位置にセットし、然る後、締付ボルト62,63を緩めて治具60を下側チャックアーム51から取り外ことにより、下側チャックアーム51の先端部が割り溝51cを開くように弾性変形され、この弾性復元力で下側チャックアーム51と爪体52とが一体的に結合されることになる。したがって、斯く構成した場合にも、先の実施形態の場合と同様の効果が得られる。
【0059】
また、爪体52における挟持面52cの形状としては、半円状に何ら限定されるものではなく、素材Sの断面形状に合わせた形状を選択すればよいのであって、たとえば図26に示すようなV形状や、図27に示すような半六角状、或いは図示していないが半多角形状や異形形状などであってもよい。さらに爪体52の長さについても特に限定されるものではなく、例えば下側チャックアーム51の厚みx寸法と同寸法であってもよいし、それ以下であってもよい。
【0060】
また、下側チャックアーム51における先端部の嵌合保持溝51aの形状と、これに対応する爪体52における外周輪郭部52aの形状についても、上記した実施の形態の半円形状で回転及び抜止め用の係合突部51b,51b及び係合凹部52b,52bを設けたものに何ら限定されるものではなく、たとえば図28に示すような半小判形状や、図29に示すような半六角形状、図30に示すような係合部や係合溝を備えた変形半六角形状、或いは図示していないがその他の半多角形状などであってもよい。その場合、爪体52を下側チャックアーム51の嵌合保持溝51aに取り付けた時に、回転不能な嵌め合い形状で嵌合保持溝51aから内方に抜けることがないように、嵌合保持溝51aの開口両端部を爪体52の上下両端部よりも狭く形成したり、或いは嵌合保持溝51aと爪体52との一方に回転及び抜止め用の係合突部を、他方に係合凹部を設けておけばよい。
【0061】
さらに、上記した実施の形態では、いずれもチャックアームが上下二つに分割されたチャックアームについて説明したけれども、一つのチャックアームからなるものについても適用できることは勿論である。また、図22において仮想線で示すように下側チャックアーム51における嵌合保持溝51aの割り溝51cと対応する箇所に凹溝51gを形成するようにしてもよい。斯く構成すれば、下側チャックアーム51の先端部を弾性変形させるとき、割り溝51cと相俟ってより正確な位置でかつより容易に弾性変形させ得るのでこのましい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】 本発明に係る結合部材の斜視図である。
【図2】 同結合部材の分解斜視図である。
【図3】 同結合部材の結合動作の説明図である。
【図4】 同くさび体を用いた結合部材の平面図である。
【図5】 別の結合部材の斜視図である。
【図6】 同結合部材の分解斜視図である。
【図7】 同結合部材の結合動作の説明図である。
【図8】 別の治具を用いた場合の結合部材の結合動作説明図である。
【図9】 バイトの正面図である。
【図10】 同バイトの分解正面図である。
【図11】 同バイトの結合動作の説明図である。
【図12】 スパナの正面図である。
【図13】 同スパナの分解正面図である。
【図14】 同スパナの結合動作の説明図である。
【図15】 本発明に係るチャック爪を備えた素材移送用チャック装置の概略正面図である。
【図16】 同チャック爪の要部の一部切欠き正面図である。
【図17】 同チャック爪の要部の側面図である。
【図18】 同チャック爪の要部の斜視図である。
【図19】 同チャック爪の要部の分解斜視図である。
【図20】 同チャック爪と治具の分解状態を示す一部切欠き正面図である。
【図21】 同チャックアームへの治具の取り付け状態を示す説明図である。
【図22】 同チャックアームへの爪体のスライド挿入時の要部断面図である。
【図23】 同治具を緩めた状態の爪体とチャックアームの説明図である。
【図24】 チャック爪の別の実施の形態を示す一部切欠き正面図である。
【図25】 同チャック爪の要部の斜視図である。
【図26】 爪体の挟持面の別の実施の形態を示す一部切欠き正面図である。
【図27】 爪体の挟持面の別の実施の形態を示す一部切欠き正面図である。
【図28】 嵌合保持溝と外周輪郭部の別の実施の形態を示す正面図である。
【図29】 嵌合保持溝と外周輪郭部の別の実施の形態を示す正面図である。
【図30】 嵌合保持溝と外周輪郭部の別の実施の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0063】
A 結合部材
1 一方部材
1a 嵌合保持部
1b 割り溝
2 他方部材
2a 外周輪郭部
6 くさび体
B 結合部材
11 ボス
11a 嵌合保持孔
11b 割り溝
12 シャフト
12a 外周輪郭部
16 治具
17 治具本体
17a 係合フック
18 締付ボルト
19 締付体
C 工具
21 工具本体
21a 嵌合保持穴
22 チップ
22a 外周輪郭部
D 工具
31 工具本体
31a 嵌合保持溝
32 口金
32a 外周輪郭部
E チャック爪
51 下側チャックアーム(チャックアーム)
51a 嵌合保持溝
52 爪体
52a 外周輪郭部
52c 挟持面
60 口金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材であって、一方部材は、他方部材を保持する嵌合保持部を有していると共に、嵌合保持部部分は外部からの加圧力によりその嵌合保持部を開く方向又は閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、他方部材は、常時は嵌合保持部への挿入が不能で、嵌合保持部を弾性変形により開いた状態又は閉じた状態でのみ嵌合保持部にスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の外周輪郭部を有しており、一方部材を加圧力により嵌合保持部が開いた状態又は閉じた状態に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持部に他方部材をスライド挿入し、加圧力の解除による一方部材の弾性復元力により嵌合保持部に他方部材を結合するようにしたことを特徴とする結合部材。
【請求項2】
二つの部材を反復可能に結合してなる結合部材であって、一方部材は、他方部材を保持する楕円形の嵌合保持孔を有していると共に、その嵌合保持孔部分は外部からの加圧力により嵌合保持孔が円形状となるように弾性変形可能に形成されている一方、他方部材は、常時は嵌合保持孔への挿入が不能で、嵌合保持孔が弾性変形により円形状となった状態でのみ嵌合保持孔へのスライド挿抜が可能となる嵌め合い形状の円形輪郭部を有しており、一方部材を加圧力により嵌合保持孔が円形状となるように弾性変形させた状態のもとでその嵌合保持孔に他方部材をスライド挿入し、加圧力の解除による一方部材の弾性復元力により嵌合保持孔に他方部材を結合するようにしたことを特徴とする結合部材。
【請求項3】
一方部材は弾性変形を容易にするための割り溝を有する一方、割り溝に抜き差し可能で、差し込みにより割り溝部分を開いて嵌合保持部を閉じる方向に付勢するくさび体を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の結合部材。
【請求項4】
一方部材は両端部が外方に突出する板状基部を有する一方、板状基部の両端部に係合する係合フック部をもったコ字形の治具本体と、治具本体の中央部に進退可能に螺合された締付ボルトと、締付ボルトの先端に回転自由に支持された締付板とからなり、板状基部の両端部に治具本体の係合フック部を係合させた状態で締付ボルトを締付けることにより一方部材を弾性変形させる治具を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の結合部材。
【請求項5】
工具本体の先端部に先端部材を反復可能に結合してなる工具であって、工具本体は、その先端部に先端部材を保持する一端開放の嵌合保持部を有すると共に、その嵌合保持部部分は外部からの加圧力により嵌合保持部を開く方向又は閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、先端部材は、常時は嵌合保持部への挿入が不能で、嵌合保持部を弾性変形により開いた状態又は閉じた状態でのみ嵌合保持部にスライド挿抜が可能となりかつ回転及び開放端からの抜け出しが不能となる嵌め合い形状の外周輪郭部を有しており、工具本体を加圧力によりその嵌合保持部が開いた状態又は閉じた状態に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持部に先端部材をスライド挿入し、加圧力の解除による工具本体先端部の弾性復元力により嵌合保持部に先端部材を結合するようにしたことを特徴とする工具。
【請求項6】
チャックアームの先端部に爪体を反復可能に結合してなるチャック爪であって、チャックアームは、その先端部内面に幅方向に延びる爪体保持用の一端開放の嵌合保持溝を有していると共に、その嵌合保持溝部分は外部からの加圧力により嵌合保持溝を開く方向もしくは閉じる方向に弾性変形可能に構成されている一方、爪体は、半割りの筒状を呈し、常時は嵌合保持溝への挿入が不能で、嵌合保持溝を弾性変形により開いた状態もしくは閉じた状態でのみ嵌合保持溝にスライド挿抜が可能となりかつ回転及び開放端からの抜け出しが不能となる嵌め合い形状の外周輪郭部が形成されていると共に、爪体の内面に素材の形状に合わせた挟持面が形成されており、かつ、チャックアーム先端部を加圧力により嵌合保持溝を開く方向もしくは閉じる方向に弾性変形させた状態のもとで嵌合保持溝に爪体の摺動外面部がスライド挿入され、チャックアーム先端部の弾性復元力により嵌合保持溝に爪体を結合するようにしたことを特徴とするチャック爪。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−31379(P2011−31379A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191442(P2009−191442)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509235028)
【Fターム(参考)】