説明

結合金具

【課題】結合時に簡単にロックすることができ、また簡単にロック解除できる結合金具を提供するものである。
【解決手段】結合金具本体1a,1bのうち少なくとも一方の周壁に回動可能に枢支され、一対の結合金具本体1a,1bを結合状態にロックするロック位置と結合状態を解除するロック解除位置との間で移動可能なロックレバー40と、ロックレバー40に設けられ、該ロックレバーがロック位置の時、結合状態にある一方の結合金具本体1aの嵌合凸部8の凸部端面8cと他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7の凹部端面7aとの間に挿入され、一対の結合金具本体1a,1bの軸方向の移動を規制して一対の結合金具本体1a,1bを結合状態にロックするロック爪44とを具備したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防ホース等のホースを相互に接続または液体輸送配管の配管相互の接続あるいは鋼管等のパイプ相互を結合するための雌雄の区別のない一対の結合金具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、消防ホース等のホースを相互に接続または液体輸送配管の配管相互の接続を行う、雌雄の区別のない一対の同一構造の結合金具本体から構成された結合金具は、本出願人が開発し、登録されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記結合金具の構成を図4〜図6に示すように構成されている。なお、この結合金具は消防ホースの結合に適用した場合のものである。この結合金具は、同一の構造の一対の結合金具本体1a,1bから構成されており、これら結合金具本体1a,1bにはそれぞれ消防ホース2a,2bが接続されている。
【0004】
これらの結合金具本体1a,1bは、それぞれ筒本体3を備えており、これら筒本体3は略円筒形をなし、その内周面には鋸歯状の凹凸を有するホース取り付け部4が形成されている。そして、このホース取り付け部4に消防ホース2a,2bの端部が挿入され、これらホースの内周面からかしめリング(図示せず)によってこのホースの外周面をこのホース取り付け部4に押圧してこの消防ホースを取り付ける。
【0005】
また、この筒本体3の前端部の内周面には、円筒状のシール面部材5が螺装され、このシール面部材5の前端面はシール面として形成され、このシール面にはゴムパッキン等のシール部材6が取り付けられている。従って、これらの結合金具本体1a,1bが互いに軸方向に嵌合して結合された場合には、これらのシール部材6が互いに衝合され、これらの筒本体3の内部を連通するとともにシール性を維持する。
【0006】
そして、前記筒本体3の前端部には、それぞれ複数、たとえば6個の嵌合凸部8が一体に突設されている。これらの嵌合凸部8は、周方向に等間隔に配列され、前記シール面部材5のシール面に対して軸方向に突出している。また、これらの嵌合凸部8の間は、嵌合凹部7として形成されており、これらの結合金具本体1a,1bが軸方向に衝合された場合には、一方の結合金具本体1aの嵌合凸部8が他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7内に嵌合し、また他方の結合金具本体1bの嵌合凸部8が一方の結合金具本体1aの嵌合凹部7内に嵌合し、互いに相補形に嵌合する。
【0007】
なお、このものでは、前記嵌合凹部7の幅は前記嵌合凸部8の幅よりやや広く形成されている。従って、これら嵌合凸部8はこれらの嵌合凹部7内に軸方向に嵌合するとともに、周方向にも所定の量だけ回動自在である。
【0008】
そして、前記嵌合凸部8の一方の側面8aには段形鉤状の係止鉤部9がそれぞれ形成されており、これらは互いに相手側の嵌合凸部の係止鉤部と周方向に係合するように構成されている。従って、これらの嵌合凸部8が相手側の嵌合凹部7内に軸方向に嵌合した状態で、これら結合金具本体1a,1bを互いに回動させてこれら嵌合凸部8の一方の側面8aが互いに近接すると、これらの係止鉤部9が互いに係合して軸方向の係止をなし、これら結合金具本体1a,1bが互いに結合される。なお、これらの係止鉤部9の根元部には、この部分の応力集中を防止するための湾曲部11が形成されている。また、これらの嵌合凸部の他方の側面の先端角部は円弧状に形成されてガイド部12が形成されており、これらが嵌合する際には、これらのガイド部12が互いに当接する。
【0009】
また、これらの係止鉤部9の係止面は、周方向に対して所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しており、これらが嵌合した状態で内部の水圧等によりこれら結合金具本体1a,1bを互いに引き離す方向の荷重が作用した場合には、側面8a同士を押し付ける方向の回転力が発生するので、これらの係止鉤部9はより強く嵌合し、この結合金具本体1a,1bの抜け等を確実に防止するように構成されている。
【0010】
なお、前記係止鉤部9が嵌合した状態において、前記嵌合凸部8の先端面と嵌合凹部7の奥壁面との間に間隙が形成されるように各部の寸法が設定されている。従って、このものは、前記係止鉤部9が係合した状態から、これら嵌合凸部8と嵌合凹部7とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0011】
また、これらの嵌合凸部8の他方の側面8bは、これらの結合金具本体1a,1bの軸方向に対して傾斜している。従って、この嵌合凸部8は、その先端部にゆくに従って周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成され、また嵌合凹部7も同様にその奥部にゆくに従ってその周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成されている。これにより、これらの嵌合凸部8と嵌合凹部7の嵌合が容易となる。なお、前記係止鉤部9が形成されている一方の側面は、この結合金具本体1a,1bの軸方向と略平行に形成されている。
【0012】
また、これらの嵌合凸部8の他方の側面8bには、それぞれ付勢機構10が設けられている。これらの付勢機構10は、円筒形のケース部材14内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球15と、この鋼球15を突出方向に付勢するスプリング16とから構成されており、これらの付勢機構10はこれら嵌合凸部8の他方の側面に埋め込まれている。従って、これらの嵌合凸部8が相手側の嵌合凹部7内に嵌合されると、前記鋼球15が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合凸部8の他方の側面を互いに離反するように付勢し、この結果これら嵌合凸部8の一方の側面8aは互いに近接するように付勢され、上述のようにこれらの一方の側面の係止鉤部9が互いに係合するように付勢される。
【0013】
また、これらの結合金具本体1a,1bの外周面には、複数の工具溝20が形成されている。これらの工具溝20は、たとえばレンチ等の工具と嵌合可能な形状に形成されている。万一これらの結合金具本体1a,1bの結合が砂等の噛み込みにより結合解除できなくなった場合には、これらの工具溝20にレンチ等の工具を嵌合してこれら結合金具本体1a,1bを強制的に回動させることにより、結合を解除することができる。
【0014】
ところで、このような結合金具は、前記嵌合凸部8及び嵌合凹部7が軸方向に嵌合し、また係止鉤部9が互いに周方向に係合するものである。この結合金具内に正圧の水圧等が作用している場合には、これら結合金具本体1a,1bには互いに離反するような大きな軸方向の荷重が作用し、この荷重は前記係止鉤部9の係合によって支持される。このため、内部に圧力が作用している場合には、この結合金具は不用意に結合が解除されることはない。
【特許文献1】特許第3107507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前述した結合金具は、係止鉤部9が嵌合した状態において、嵌合凸部8の先端面と嵌合凹部7の奥壁面との間に間隙が形成されるように各部の寸法が設定されている。従って、前記係止鉤部9が係合した状態から、これら嵌合凸部8と嵌合凹部7とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0016】
また、嵌合凸部8と嵌合凹部7の嵌合が容易となるように、嵌合凸部8は、その先端部にゆくに従って周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成され、また嵌合凹部7も同様にその奥部にゆくに従ってその周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成されている。
【0017】
さらに、嵌合凸部8の側面8bには、それぞれ付勢機構10が設けられている。これらの付勢機構10は、円筒形のケース部材14内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球15と、この鋼球15を突出方向に付勢するスプリング16とから構成されており、これらの付勢機構10はこれら嵌合凸部8の他方の側面に埋め込まれている。従って、これらの嵌合凸部8が相手側の嵌合凹部7内に嵌合されると、前記鋼球15が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合凸部8の他方の側面を互いに離反するように付勢し、この結果これら嵌合凸部8の一方の側面8aは互いに近接するように付勢され、係止鉤部9が互いに係合するように付勢されている。
【0018】
従って、係止鉤部9が互いに係合状態であっても、結合金具本体1a,1bは周方向にパッキンの押し付け代による余裕があり、低圧時に結合金具本体1a,1bに付勢機構10のスプリング16の付勢力に抗して係止鉤部9が離脱方向に外力が加わると、係止鉤部9の係合が解除され、結合金具本体1aと1bとが離脱する虞がある。
【0019】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、雌雄の区別がない一対の結合金具本体から構成される結合金具において、結合時に簡単にロックすることができ、また簡単にロック解除できる結合金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、一対の結合金具本体と、前記結合金具本体の周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合凸部と、これら嵌合凸部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合凸部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合凸部に軸方向に嵌合し、またこれら嵌合凸部には相手側の結合金具本体の嵌合凸部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されている結合金具において、前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方の周壁に回動可能に枢支され、前記一対の結合金具本体を結合状態にロックするロック位置と結合状態を解除するロック解除位置との間で移動可能なロックレバーと、前記ロックレバーに設けられ、該ロックレバーがロック位置の時、結合状態にある前記一方の結合金具本体の嵌合凸部の凸部端面と前記他方の結合金具本体の嵌合凹部の凹部端面との間に挿入され、前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制して一対の結合金具本体を結合状態にロックするロック爪とを具備したことを特徴とする。
【0021】
請求項2は、請求項1の前記ロックレバーは、前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出することを特徴とする。
【0022】
請求項3は、請求項1の前記ロックレバーは、前記結合金具本体の側面に回動軸を支点として回動可能に設置され、前記回動軸が両端支持されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4は、請求項1の前記ロックレバーは、前記一対の結合金具本体に少なくとも一対ずつ設けられ、かつ前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出してハンドルを形成することを特徴とする。
【0024】
請求項5は、請求項1の前記一対の結合金具本体の片方は設備に固定設置され、前記ロックレバーは、前記設備に固定設置されていない方の結合金具本体に設けられ、かつ前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出してハンドルを形成することを特徴とする。
【0025】
請求項6は、請求項1の前記ロックレバーは、ロック位置で仮固定装置に仮固定されていることを特徴とする。
【0026】
前記構成によれば、一対の結合金具本体を結合する際には、一方の結合金具本体の嵌合凸部と他方の結合金具本体の嵌合凹部をそれぞれ位置決めする。そして、一対の結合金具本体を軸方向に押し込むと、嵌合凸部及び嵌合凹部が軸方向に嵌合し、また係止鉤部が互いに周方向に係合する。
【0027】
この状態で、前記ロックレバーをロック位置に回動すると、ロックレバーに設けられた前記ロック爪が結合状態にある前記一方の結合金具本体の嵌合凸部の凸部端面と前記他方の結合金具本体の嵌合凹部の凹部端面との間に挿入され、前記一対の結合金具本体の軸方向の移動が規制されて一対の結合金具本体が結合状態にロックされる。また、前記ロックレバーをロック解除位置に回動すると、ロック爪が一方の結合金具本体の嵌合凸部の凸部端面と前記他方の結合金具本体の嵌合凹部の凹部端面との間から抜出され、前記一対の結合金具本体の軸方向の移動が可能となり、一対の結合金具本体の結合状態のロックが解除される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、一対の結合金具本体から構成される結合金具において、結合時にロックレバーを回動することにより、簡単にロックしたり、ロック解除できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、消防ホースの接続や食品プラント用配管の接続等の流体配管接続に適用される大口径(100〜300mm等)の結合金具を示したものである。この結合金具本体の基本的構成は、図4〜図6に示す従来の結合金具本体1a,1bと同一であり、同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0031】
一対の結合金具本体1a,1bのうち、一方、例えば結合金具本体1bはポンプ等の設備(図示しない)に固定され、他方の結合金具本体1aはホースや配管(図示しない)に接続される。
【0032】
ポンプ等の設備に固定されていない一方の結合金具本体1aは、図1に示すように、嵌合凹部7及び嵌合凸部8を有している。この嵌合凹部7と嵌合凸部8は他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7と嵌合凸部8に軸方向に嵌合可能である。また、これら嵌合凸部8には相手側の嵌合凸部8に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体1aと1bを軸方向に係止する係止鉤部9が形成され、相手側の係止鉤部9と互いに係合するようになっている。
【0033】
一対の結合金具本体1a,1bは同一構造であるため、一方の結合金具本体1aについて説明すると、結合金具本体1aの内部の前端面には互いに軸方向に衝合されるライナー31が設けられ、このライナー31を囲んで周方向に嵌合凹部7と嵌合凸部8が配列されている。
【0034】
結合金具本体1aの後端部には、結合金具本体1aの軸方向と直交する端面32が形成され、この端面32より後方にはホース等を嵌合接続するための円筒部33が設けられている。
【0035】
結合金具本体1aの周方向の2箇所、本実施例では180°偏倚した位置の端面32にはレバー取付け部34が設けられ、レバー取付け部34にはブラケット35が設けられている。このブラケット35は、図2に示すように、結合金具本体1aの外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状で、中間部には2個のブラケット取付け孔36が設けられている。そして、ブラケット35はブラケット取付け孔36に挿通されるボルト37によってレバー取付け部34に固定されている。
【0036】
さらに、ブラケット35の両端部には切欠部38が設けられ、この切欠部38に向ってレバー取付け孔39が設けられている。ブラケット35の両端部の切欠部38にはロックレバー40の一端部が回動可能に設けられている。ロックレバー40は結合金具本体1aの外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状で、互いに凸面が背合せとなるように配置され、回動軸としてのボルト41によってレバー取付け孔39に固定されている。従って、ロックレバー40はボルト41を支点として回動可能であり、ロックレバー40の自由端部はハンドル42の役目をしている。前記回動軸としてのボルト41は、一端が結合金具本体1aに固定され、他端がブラケット35のレバー取付け孔39に固定されるため、ボルト41は両端支持された状態となり強固に支持されている。
【0037】
さらに、ロックレバー40の略中間部における凸面にはねじ孔43が設けられている。このねじ孔43にはロック爪44が固定ねじ45によって固定されている。ロック爪44は金属片をL字状に折曲し、その一端部が固定部46に、他端部が円弧状の差込部47に形成されている。
【0038】
そして、一対の結合金具本体1a,1bを結合した状態において、ロックレバー40を、ボルト41を支点として回動して結合金具本体1aの外周壁に沿って接合すると(ロック位置)、ロック爪44の差込部47が、一方の結合金具本体1aの嵌合凸部8の凸部端面8cと他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7の凹部端面7aとの間に挿入される。従って、一対の結合金具本体1a,1bの軸方向の移動が規制され一対の結合金具本体1a,1bが結合状態にロックされる。
【0039】
また、一対の結合金具本体1a,1bが結合された状態からロック解除する場合には、ロックレバー40をボルト41を支点として回動して結合金具本体1aの外周壁からその径方向の外方に突出すると(ロック解除位置)、ロック爪44の差込部47が、一方の結合金具本体1aの嵌合凸部8の凸部端面8cと他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7の凹部端面7aとの間から抜出される。そして、一対の結合金具本体1a,1bが軸方向に移動可能となり、一対の結合金具本体1a,1bのロック状態が解除される。
【0040】
従って、一対の結合金具本体1a,1bが相対的に周方向に回転可能となり、一対の結合金具本体1a,1bの結合を解除する場合、一対の結合金具本体1a,1bからその径方向の外方に突出する一対のロックレバー40からなるハンドル42を把持して一対の結合金具本体1a,1bの係止鉤部9が離間して係合状態を解除することにより一対の結合金具本体1a,1bを切り離すことができる。
【0041】
この場合、結合されている結合金具本体1a,1bを持ち上げることなく、ロックレバー40を回動させるだけでロック及びロック解除でき、比較的重量のある大口径(100〜300mm等)の結合金具に好適する。
【0042】
さらに、図2(b)に示すように、一対のロックレバー40の自由端部近傍にはロックレバー40の肉厚方向に貫通する係合孔48が穿設されている。また、図1(a)に示すように、結合金具本体1aの端面32で、ロックレバー40をボルト41を支点として回動してロック位置にしたときに係合孔48と対向する部分には仮固定装置としてのボールプランジャー49が設けられている。ボールプランジャー49は、基本的には図6に示す付勢機構10と同様に、鋼球等のボール50と、このボール50を端面32から突出する方向に付勢するばね51とから構成されている。そして、ロックレバー40をボルト41を支点として回動してロック位置にしたとき、ボール50がロックレバー40の係合孔48と弾性的に係合し、ロックレバー40がロック位置に保持され、不用意にロック解除されないように構成されている。
【0043】
なお、前記ロックレバー40は、一対の結合金具本体1a,1bの両方に設けも、片方に設けてもよい。
【0044】
なお、前述した結合金具は、土木治水用、船舶、石油プラントや荷揚げ設備、食品産業、その他のプラント等におけるホースの結合金具の他、鋼管等の構造物の結合金具として適用できることはもちろんである。また、大口径(100〜300mm等)の結合金具に限定されず、小口径(17,25,40mm等)の結合金具に適用できる。
【0045】
さらに、本発明の結合金具は、金属材料で形成されるものには限定されず、合成樹脂、各種の複合材料、その他の材料で形成されていてもよく、任意の一種類または複数種類の材料で形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、(a)は一方の結合金具本体の側面図、(b)は矢印A方向から見た図。
【図2】同実施形態を示し、(a)はロックレバーの平面図及び側面図、(b)ブラケットの平面図及び側面図、(c)はロック爪の正面図、平面図及び側面図。
【図3】同実施形態を示し、(a)はロック状態の正面図、(b)はロック解除状態の正面図。
【図4】雄雌の区別のない結合金具の斜視図。
【図5】図4の結合金具の断面図及び側面図。
【図6】図4の結合金具の嵌合凸部と嵌合凹部の嵌合状態の側面図。
【符号の説明】
【0047】
1a,1b…結合金具本体、7…嵌合凹部、8…嵌合凸部、9…係止鉤部、40…ロックレバー、44…ロック爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の結合金具本体と、前記結合金具本体の周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合凸部と、これら嵌合凸部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合凸部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合凸部に軸方向に嵌合し、これら嵌合凸部には相手側の結合金具本体の嵌合凸部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されている結合金具において、
前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方の周壁に回動可能に枢支され、前記一対の結合金具本体を結合状態にロックするロック位置と結合状態を解除するロック解除位置との間で移動可能なロックレバーと、
前記ロックレバーに設けられ、該ロックレバーがロック位置の時、結合状態にある前記一方の結合金具本体の嵌合凸部の凸部端面と前記他方の結合金具本体の嵌合凹部の凹部端面との間に挿入され、前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制して一対の結合金具本体を結合状態にロックするロック爪と、
を具備したことを特徴とする結合金具。
【請求項2】
前記ロックレバーは、前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出することを特徴とする請求項1記載の結合金具。
【請求項3】
前記ロックレバーは、前記結合金具本体の側面に回動軸を支点として回動可能に設置され、前記回動軸が両端支持されていることを特徴とする請求項1記載の結合金具。
【請求項4】
前記ロックレバーは、前記一対の結合金具本体に少なくとも一対ずつ設けられ、かつ前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出してハンドルを形成することを特徴とする請求項1記載の結合金具。
【請求項5】
前記一対の結合金具本体の片方は設備に固定設置され、前記ロックレバーは、前記設備に固定設置されていない方の結合金具本体に設けられ、かつ前記結合金具本体の外周壁の曲率と略同一曲率の円弧状に湾曲した形状の一対の部材からなり、前記ロック位置においては前記結合金具本体の外周壁に沿って接合され、前記ロック解除位置においては前記結合金具本体の外周壁からその径方向外方に突出してハンドルを形成することを特徴とする請求項1記載の結合金具。
【請求項6】
前記ロックレバーは、ロック位置で仮固定装置に仮固定されていることを特徴とする請求項1記載の結合金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−329393(P2006−329393A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157262(P2005−157262)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】