説明

結晶性リン酸カルシウムコーティングを伴うポリマーインプラントを提供する方法

本発明は、高エネルギーレーザー光線照射により、非晶質リン酸カルシウム(CaP)を結晶化させる方法に関する。この方法は、ポリマー基体、特にインプラント目的物上にCaPコーティングを結晶化するのに特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント上のセラミックコーティング、特に、ポリマーインプラント上の結晶性ヒドロキシアパタイトコーティングの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
生体材料は、疾患、損耗又は損傷を受けた身体の部分を置き換えるために使用されている。毎年、数百万の手術が、骨の修復を含めて、行われている。高くなる平均寿命及び健康によって、使用されるインプラントの数は、更に増加する。骨を再生するために頻繁に使用される材料の1つは、リン酸カルシウム(又は、本明細書においてはCaPと略称される)セラミックである。最も頻繁に使用されるCaPセラミックは、ヒドロキシアパタイト(HA、Ca(POOH)である。骨の無機成分に類似のこの材料の化学組成の結果として、それは、インプラントの周りの骨の形成進行を高める。従って、CaPセラミックは、「生体活性体」と呼ばれる。嵩高なCaPセラミックの脆弱性を回避するために、材料は、多くの場合、コーティングとして適用される。
【0003】
通常、CaPコーティングは、金属基体上に堆積される。然しながら、ポリマー基体は、ポリマーの機械的性質が容易に変えられるので、更に適切な選択的対象であってもよい。ポリマー基体は、インプラントから、取り囲んでいる骨への力を有効に移動し、所謂「応力遮蔽」により骨吸収を回避する(L.L. Hench. Bioceramics. J. Am. Ceram. Soc., 81:1705-1728, 1998)。一方、インプラントの製造のために使用される殆どのポリマー材料は、生体不活性、即ち、骨の治癒を誘発しない。従って、良好な骨反応のために、CaPコーティングで被覆されたポリマー材料は、医学用途、例えば、固定プレート又はスクリューにとって興味ある系であってもよい。その様な装置のポリマー部品上におけるCaPコーティングの使用は、生物反応を改善する可能性がある。例えば、固定プレート又はスクリュー用に、分解性ポリマー、例えば、ポリ−L−乳酸(PLLA)を使用することにより、スクリュー又はプレート除去のための二次手術を防ぐことができる。整形外科手術に加えて、CaP被覆ポリマーインプラントのためのその他の用途は、顎顔面手術において見出されてもよい。
【0004】
CaP被覆ポリマー材料を医学用途に使用するためには、幾つかの要件に合致する必要がある。その第一は、CaPコーティングのポリマー基体への良好な接着が必要とされる。例えば、米国食品医薬品局(FDA)は、50.8MPaの最少引張りコーティング強度を要求する(American Food and Drug Administration. Calcium phosphate (Ca-P) coating draft guidance for preparation of fda submissions for orthopedic and dental endosseous implants. Technical report, American Food and Drug Administration, 1997. Available on: www.fda.gov/cdrh/ode/33.html.)。良好な接着に加えて、又、コーティング組成物は、Ca/P比として約1.67(HAの比)が要求されるので、調節されなければならない。最後に、或る程度のコーティング結晶化度は、in vivo条件下でのコーティングの急速な溶解を防ぐのに役立つ(J.G.C. Wolke, K. de Groot, and J.A. Jansen. In vivo dissolution behavior of various rf magnetron sputtered ca-p coatings. J. Biomed. Mater. Res., 39:524-530, 1997)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、結晶性CaPコーティングを伴うポリマー基体を提供することである。
【0006】
通常、堆積したCaPコーティング、又は高周波(RF)マグネトロンスパッタ堆積したCaPコーティングは、非晶質(amorphous)である。既に述べた如く、非晶質RFマグネトロンスパッタ堆積コーティングは、in vitro、加えてin vivo条件下の両方で、溶解する(J.G.C. Wolke, K. de Groot, and J.A. Jansen. In vivo dissolution behavior of various rf magnetron sputtered ca-p coatings. J. Biomed. Mater. Res., 39:524-530, 1997、J.G.C. Wolke, K. de Groot, and J.A. Jansen. Dissolution and adhesion behaviour of radio-frequency magnetron-sputtered Ca-P coatings. J. Mater. Sci., 33:3371-3376, 1998)。(部分的に)結晶性であるコーティングは、この溶解を示さない。基本的には、結晶性コーティングは、RFマグネトロンスパッタを堆積した非晶質コーティングを、少なくとも500℃の温度でアニーリングすることにより得ることができる(T.S. Chen andW.R. Lacefield. Crystallization of ion beam deposited calcium phosphate coatings. J. Mater. Res., 9:1284-1290, 1994、K. van Dijk, H.G. Schaeken, J.G.C.Wolke, and J.A. Jansen. Influence of annealing temperature on rf magnetron sputtered calcium phosphate coatings. Biomaterials, 17:405-410, 1996、M. Yoshinari, T. Hayakawa, J.G.C. Wolke, K. Nemoto, and J.A. Jansen. Influence of rapid heating with infrared radiation on RF magnetron-sputtered calcium phosphate coatings. J. Biomed. Mater. Res., 37:60-67, 1997)。又、その他の方法を使用して堆積されるCaPコーティングには、その様な高温(400〜600℃)が必要とされる(J. Chen, J.G.C. Wolke, and K. de Groot. Microstructure and crystallinity in hydroxyapatite coatings. Biomaterials, 15:396-399, 1994、K.A. Gross, V. Gross, and C.C. Berndt. Thermal analysis of amorphous phases in hydroxyapatite coatings. J. Am. Ceram. Soc., 81:106-112, 1998、P. Layrolle, A. Ito, and T. Tateishi. Sol-gel synthesis of amorphous calcium phosphate and sintering into microporous hydroxyapatite bioceramics. J. Am. Ceram. Soc., 81:1421-1428, 1998., C.F. Feng, K.A. Khor, S.W.K. Kweh, and P. Cheang. Thermally induced crystallization of amorphous calcium phosphate in plasma-spheroidised hydroxyapatite powders. Mater. Lett., 46:229-233, 2000., C.M. Lopatin, V.B. Pizziconi, and T.L. Alford. Crystallization kinetics of sol-gel derived hydroxyapatite thin films. J. Mater. Sci.-Mater. Med., 12:767-773, 2001., S. Raynaud, E. Champion, D. Bernache-Assollant, and P. Thomas. Calcium phosphate apatites with variable Ca/P atomic ratio I. synthesis, characterisation and thermal stability of powders. Biomaterials, 23:1065-1072, 2002)。
【0007】
上述の通り、一般に、400〜600℃は、コーティングを非晶質から結晶性のコーティングへ変換するために必要である。残念ながら、これらの温度は、ポリマーにとっては高過ぎる。にもかかわらず、Hontsuら(S. Hontsu, M. Nakamori, H. Tabata, J. Ishii, and T. Kawai. Pulsed laser deposition of bioceramic hydroxyapatite thin films on polymer materials. Jpn. J. Appl. Phys. Part 2, 35:L1208 - L1210, 1996, S. Hontsu, M. Nakamori, N. Kato, H. Tabata, J. Ishii, T. Matsumoto, and T. Kawai. Formation of hydroxyapatite thin films on surface-modified polytetrafluoroethylene substrates. Jpn. J. Appl. Phys. Part 2, 37:L1169-L1171, 1998)は、基体の溶融温度の僅か下で、長いアニーリング(10時間)を行うことにより、ポリマー基体(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PI(ポリイミド)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びPET(ポリエチレンテレフタレート))上でのCaPコーティングの結晶化を研究している。PTFE及びPIでは、部分的に結晶性のコーティングは、それぞれに、320℃及び360℃でアニーリングすることにより得られた。然しながら、PDMS及びPETでは、CaPコーティングは、それぞれに、240℃及び260℃でのアニール後で非晶質のままであった。アニーリング方法が、ポリマー基体の場合においては極めて不利であることは明らかである。熱膨張における大きな相違(これは、層間剥離を容易に引き起す(S. Hontsu, M. Nakamori, H. Tabata, J. Ishii, and T. Kawai. Pulsed laser deposition of bioceramic hydroxyapatite thin films on polymer materials. Jpn. J. Appl. Phys. Part 2, 35:L1208 - L1210, 1996))に加えて、最大の問題は、高温耐性ポリマーだけが使用できる点である。
【0008】
Kattoらは、Surface and Coating Technology, vol. 169-170(2003), p712-715において、金属(Ti)基体上にヒドロキシアパタイトを堆積するための方法を記載している。補助レーザービームは、KrFレーザー堆積ビームから分離され、コーティングが堆積される間に、同時に金属(Ti)基体を照射するために使用される。これは、ヒドロキシアパタイトコーティングの結晶化度をもたらす補助レーザーによるアニーリング方法に起因する、CaPコーティングの改善された接着をもたらした。又、第二ArFエキシマーレーザーは、Ti基体の照射のための補助レーザーとして使用された。それは、結晶化度が、堆積パラメーターを変更することにより調節できることを示唆するものであるのに対して、結晶性CaPコーティングが実際に得られたとする証明は、この発表では全く存在していない。更に、Kattoらは、堆積及び補助レーザーは、常に、同時に、場合により、ナノ秒程度の時間的遅れを伴って、操作すること、従って、基体は、常に、補助レーザーにより加熱されることを教示している。
【0009】
国際公開第94/22513号は、CaPコーティングを伴って提供されるカテーテルを記載している。このコーティングは、短いパルスレーザー堆積を使用して適用される。温度感応性基体に対しては、非晶質ヒドロキシアパタイト(CaP)コーティングが、任意の適当な短いパルスレーザーを使用して、レーザーアニーリングにより結晶化することができると述べている。実際に、国際公開第94/22513号において示されるものは、好ましくは、2000のパルス周波数で、100〜200mJ/cmのパルスエネルギーを伴う、珪素(Si)、即ち、半導体用の温度無感応性基本材料上でのヒドロキシアパタイトのレーザーアニールである。述べられている、レーザーの波長及び高パルス周波数の使用では、Si基体は、国際公開第94/22513号において記載されている方法が、ポリマー基体には使用できないことを意味する程に加熱される。更に、金属基体上の結晶性コーティングだけが、500℃の堆積温度で開示されているだけである。
【0010】
Antonovらは、Life Sciences vol. 9(3)(2000), pp 127-142において、213nmでのパルスレーザー照射による、Ti及びテフロン基体上でのCaPコーティングの改善に関わっている。1μmの比較的に厚いコーティングにおいて、エネルギーの40%がCaPコーティングにより吸収されるだけである点が注目される。更に、著者は、レーザー放射線の30%が、Ti基体から反射されると述べているが、これは、エネルギーの殆どが、1μmのCaPコーティングにおいて吸収され、残りのエネルギーが基体を加熱することを意味している。この故に、テフロン基体にとっては、レーザーアニーリング方法は、この方法において、CaPコーティングが、テフロン基体から容易に剥離されるので、金属基体と同様の有効性は持たないと結論付けられる。次いで、Antonovらは、テフロン基体からの剥離の問題は、レーザーフルエンスの微細調整により解決されるべきものであると教示している。
【0011】
半導体技術の遠隔分野においては、レーザー誘発結晶化は、温度感応性材料上での非晶質の薄いフィルムの結晶化に適用可能であることが証明されている。例えば、Smithらは(P.M. Smith, P.G. Carey, and T.W. Sigmon. Excimer laser crystallization and doping of silicon thin films on plastic substrates. Appl. Phys. Lett., 70:342-344, 1997)、プラスチック(PET)上での珪素(Si)の結晶化を記載している(P.M. Smith, P.G. Carey, and T.W. Sigmon. Excimer laser crystallization and doping of silicon thin films on plastic substrates. Appl. Phys. Lett., 70:342-344, 1997, L. Mariucci, A. Pecora, R. Carluccio, and G. Fortunato. Advances excimer laser crystallization techniques. Thin Solid Films, 383:39-44, 2001)。照射は、450mJ/cmまでのフルエンスで生起し、基体材料において250℃の最大温度をもたらした。Siは、CaPセラミックとは相溶性ではない点に注目すべきである。一般に、セラミック材料は、複数成分から構成される。又、光学的情報が、CaPセラミックについて入手できない。セラミックス材料の複雑性は、インジウム錫酸化物(H. Hosono, M. Kurita, and H. Kawazoe. Excimer laser crystallization of amorphous indium-tin oxide thin films and application to fabrication of bragg gratings. Thin Solid Films, 351:137-140, 1999)、並びにTiO、Nb、Ta、及びSrTiO(N. Asakuma, T. Fukui, M. Aizawa, M. Toki, H. Imai, and H. Hirashima. Ultravioletlaser-induced crystallization of sol-gel derived inorganic oxide films. J. Sol-Gel Sci. Technol., 19:333-336, 2000)が、≧40mJ/cmの、KrF(248nm)又はArF(193nm)エキシマーレーザーパルスを使用して金属基体上で結晶化された研究において確認されている。これらの材料は、光学的コーティング、磁気/分極性コーティング及び工具のためのハードコーティングに関係するものである。又、これらの例は、インプラント及び生体適合性を伴うインプラントのコーティングの分野とは遥かにかけ離れている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
CaPセラミック材料は、短波長のUV光線を吸収する能力を有し、更に、短い、エネルギー性UV−レーザー光線パルスを使用することにより、非晶質CaPコーティングが結晶化することが分かった。都合よいことに、結晶化方法は、その上に非晶質CaPがかなりの範囲まで被覆されるポリマー基体を損傷することなく生起する。理論に縛られることなく、長すぎる波長は、セラミックコーティングを貫通し、温度感応性ポリマー基体上で、付随する有害な影響を伴うコーティングに代わってその下の基体材料をその後に加熱するものと考える。CaPコーティングは、200nmにおいて光学的吸収限界を示し、従って、照射のために使用されるレーザー光線の波長は、200nm未満であるべきである。
【0013】
非晶質リン酸カルシウム(CaP)コーティングをその上に堆積させている、移植用のポリマー基体が、<200nmのレーザー光線で且つ10〜1000mJ/cmのエネルギーで照射されると、非晶質CaPコーティングは結晶化することが分かった。
【0014】
従って、本発明は、結晶性リン酸カルシウム(CaP)コーティングを伴うポリマーインプラント目的物を提供するための方法に関し、該方法は、非晶質(CaP)コーティングをその上に堆積させたポリマー基体を、<200nmで且つ10〜1000mJ/cmのレーザー光線で照射する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、CaPコーティングの堆積のために任意の方法を使用する可能性を与える、堆積方法から結晶化方法の完全な分離を可能する点において有利である。さらに、コーティングの堆積方法中にレーザー結晶化を行うことも可能である。従って、実施形態においては、本発明は、<200nmで且つ10〜1000mJ/cmのレーザー光線での照射が、CaPコーティングのポリマー基体上への堆積中に行われる本発明による方法に関する。適当なレーザー光線を透過する覗き窓は、堆積システムにおいて存在すべきである。
【0016】
本発明におけるインプラント目的物は、ポリマー基体、即ち、ポリマー(プラスチック)で作られた基体である。「ポリマー基体」と言う用語は、任意のプラスチック材料又はインプラントとして役立つのに適当なプラスチック材料を含めた材料の組合せで作られた基体を意味する。ポリマー材料又は生体材料は、好ましくは、それらが挿入される生来の組織にできるだけ似ている。更に、ポリマー生体材料は、滅菌ができ且つ組織と相溶性がなければならない。それらの適用により、それらは、分解できる。ポリマー基体において部分的に又は全体的に含まれる適当な材料は、ポリエチレン(PE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリイミド(PI)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリプロピレンフマレート(PPF)及びポリブチルテレフタレート(PBT)を含む群から選ばれる少なくとも1つのポリマーを含む。
【0017】
にもかかわらず、本発明は、金属インプラント目的物又は、例えば、金属及び温度感応性材料、例えば、上述のポリマー材料等の組合せの目的物上の結晶性非晶質CaPコーティングに同等に良く適する方法を提供する。
【0018】
CaPコーティングを堆積させるためには様々な方法が存在する。本発明方法においては、CaPコーティングを基体上に堆積させるための任意の方法が使用できる。従って、本発明方法においては、CaPコーティングは、CaPコーティングを堆積させるのに適した任意の方法を使用して堆積され、堆積させたCaPコーティングは非晶質である。最も頻繁に使用される幾つかの方法は:
【0019】
プラズマ溶射
プラズマ溶射は、CaPコーティングの適用のために最も頻繁に使用される方法である(K.A. Gross, V. Gross, and C.C. Berndt. Thermal analysis of amorphous phases in hydroxyapatite coatings. J. Am. Ceram. Soc., 81:106-112, 1998, P. Layrolle, A. Ito, and T. Tateishi. Sol-gel synthesis of amorphous calcium phosphate and sintering into microporous hydroxyapatite bioceramics. J. Am. Ceram. Soc., 81:1421-1428, 1998, J.G.C. Wolke, J.M.A. de Blieck-Hogervorst, W.J.A. Dhert, C.P.A.T. Klein, and K. de Groot. Studies on the thermal spraying of apatite bioceramics. J. Therm. Spray Technol., 1:75-82, 1992)。それは、電弧を介してCaP粒子をキャリヤーガス中に供給することを基本としている。ガスはプラズマに成り、プラズマは、高速まで加速される。キャリヤーガスにおいて運ばれる粒子は、基体上に堆積される。この方法においては、基体は、高温まで上昇して、基体を適切さに欠けたものとする。
【0020】
バイオミメティック堆積
バイオミメティックコーティングは、擬似生理液体から形成される。CaPセラミックは、過飽和溶液から基体上に堆積される(M. Tanahasi, T. Yao, T. Kokubo, M. Minoda, T. Miyamoto, T. Nakamura, and T. Yamamuro. Apatite coating on organic polymers by a a biomimetic process. J. Am. Ceram. Soc., 77:2805-2808, 1994, P. Habibovic, F. Barr`ere, C.A. van Blitterswijk, K. de Groot, and P. Layrolle. Biomimetic hydroxyapatite coating on metal implants. J. Am. Ceram. Soc., 85:517-522, 2002)。この方法の利点は、その簡略性及び周囲温度で複雑な幾何学形状を被覆することの可能性である。これは、ポリマー基体をコーティングするのに適した方法とするものである。この方法の欠点は、CaPコーティングの接着、特に、不活性ポリマー基体上での接着に乏しいことがある点である(M. Tanahasi, T. Yao, T. Kokubo, M. Minoda, T. Miyamoto, T. Nakamura, and T. Yamamuro. Apatite coating on organic polymers by a a biomimetic process. J. Am. Ceram. Soc., 77:2805-2808, 1994)。
【0021】
レーザー堆積
レーザー堆積は、強力なUVエキシマーレーザーパルスが、ターゲットからCaPセラミックを蒸発させるために使用される方法である(C.M. Cotell, D.B. Chrisey, K.S. Grabowski, J.A. Sprague, and C.R. Gossett. Pulsed laser deposition of hydroxylapatite thin films on Ti-6Al-4V. J. Appl. Biomater., 3:87-93, 1992, R.K. Singh, F. Qian, V. Nagabushnam, R. Damodaran, and B.M. Moudgil. Excimer laser deposition of hydroxyapatite thin films. Biomaterials, 15:522-528, 1994)。この方法の最大の利点は、ターゲットの化学組成が、堆積過程においてコーティングに移動される点である(R.K. Singh, F. Qian, V. Nagabushnam, R. Damodaran, and B.M. Moudgil. Excimer laser deposition of hydroxyapatite thin films. Biomaterials, 15:522-528, 1994)。堆積工程中の低い基体温度の結果として、この方法は、又、ポリマー基体上のCaPコーティングの堆積に適している(S. Hontsu, M. Nakamori, H. Tabata, J. Ishii, and T. Kawai. Pulsed laser deposition of bioceramic hydroxyapatite thin films on polymer materials. Jpn. J. Appl. Phys. Part 2, 35:L1208 - L1210, 1996)。
【0022】
イオンビーム堆積
イオンビーム堆積においては、CaPターゲットは、イオンガンからのビーム(エネルギー、keV)による衝突を受ける。粒子は、ターゲットから追い出され(「スパッタされ」)、基体上に堆積される(T.S. Chen andW.R. Lacefield. Crystallization of ion beam deposited calcium phosphate coatings. J. Mater. Res., 9:1284-1290, 1994, X. Li, J. Weng, W. Tong, C. Zuo, X. Zhang, P. Wang, and Z. Liu. Characterization of hydroxyapatite film with mixed interface by Ar+ ion beam enhanced deposition. Biomaterials, 18:1487-1493, 1997, F.Z. Cui, Z.S. Luo, and Q.L. Feng. Highly adhesive hydroxyapatite coatings on titanium alloy formed by ion beam assisted deposition. J. Mater. Sci.-Mater. Med., 8:403-405, 1997)。それは、非晶質コーティングを生成し、これは金属基体に全く良く接着する(10〜60MPa)。然しながら、コーティングの化学組成は、スパッタリングターゲットのそれからは外れていることがある。
【0023】
RFマグネトロンスパッタ堆積
RFマグネトロンスパッタ堆積は、本明細書において記載された実験のために使用された方法である。この方法は、イオンビーム堆積と幾つかの類似点を有している。この方法においては、CaPセラミックターゲットは、スパッタリング及び、それに続くターゲット成分の堆積を引き起すエネルギー的粒子で照射される。スパッタリングを引き起すエネルギー的投射は、プラズマにおいて創り出される。イオンビーム堆積方法と比較すると、この方法は、多数の工程が同時に生起するので一層複雑である。堆積方法が作業する方法は、以下で更に詳細に説明される。それは、ガス組成(K. van Dijk, J. Verhoeven, C.H.M. Mar´ee, F.H.P.M. Habraken, and J.A. Jansen. Study of the influence of oxygen on the composition of thin films obtained by r.f. sputtering from a Ca5(PO4)3OH target. Thin Solid Films, 304:191-195, 1997)、ガス圧(K. van Dijk, H.G. Schaeken, C.H.M. Mar´ee, J. Verhoeven, J.G.C. Wolke, F.H.P.M. Habraken, and J.A. Jansen. Influence of Ar pressure on r.f. magnetron-sputtered Ca5(PO4)3OH layers. Surf. Coat. Technol., 76-77:206-210, 1995)、及び排出力(K. van Dijk, H.G. Schaeken, J.G.C. Wolke, C.H.M. Mar´ee, F.H.P.M. Habraken, J. Verhoeven, and J.A. Jansen. Influence of discharge power level on the properties of hydroxyapatite films deposited on Ti6Al4V with RF magnetron sputtering. J. Biomed. Mater. Res., 29:269-276, 1995)によって、多くの様々な組成を得ることができることを示している。更に、優れた接着が、金属基体上のCaPコーティングに対して見出された(K. van Dijk, V. Gupta, A.K. Yu, and J.A. Jansen. Measurement and control of interface strength of RF magnetron-sputtered Ca-PO coatings on Ti-6Al-4V substrates using a laser spallation technique. J. Biomed. Mater. Res., 41:624-632, 1998)。この方法の利点は、堆積力が低く保たれると、基体上での熱負荷が低く抑えられる点である。更に、数ミクロンメートルまでの均質なコーティングを、簡単な操作において生成することができ、コーティング組成及び成長速度に関する再現性が良好である。その他の利点は、スパッタ堆積方法は、既に商業生産において使用されている点である。
【0024】
本発明の実施形態においては、CaPコーティングに適した方法は、プラズマ溶射、バイオミメティック堆積、レーザー堆積、イオンビーム堆積及びRFマグネトロンスパッタ堆積又はその組合せから選択される。
【0025】
本発明方法の好ましい実施形態においては、CaPコーティングは、RFマグネトロンスパッタ方法を使用して堆積される。
【0026】
実施例においては、CaPセラミックに対して異なる接着挙動を示す多数のポリマー基体が記載される。この異なる挙動は、界面構造及び堆積工程中に起る現象からとてもよく理解することができる。従って、全てのポリマーは、それ自身の吟味を必要とし、それによって、コーティング剥離は、異なる原因(界面又はポリマーそれ自身内の)を有することがあることに留意する。堆積パラメーターを変えること及びプラスチック基体上のCaPセラミックの満足できる接着に到達することは、十分に、当業者の能力範囲内である。幾つかのポリマー(PE、PS、及びPTFE)は、研究の積りで使用されたので、最少量の添加剤を含んでいた。プラスチックは、ポリマー及び添加剤から成る。これらの添加剤は、又、コーティングの接着に影響を及ぼすことがある点が理解されるべきである。又、ポリマーを、任意の種類の前処理に掛けることが有利であることもある。前処理方法は、当該技術分野において知られており、表面洗浄、研磨、ポリマー表面の架橋、例えば、化学的処理による化学的構造の変更、UV線処理、コロナ処理、プラズマ処理及びイオンビーム処理並びに、又は、例えば、Ti又はCrの反応性材料の中間層が適用されてもよい。
【0027】
極めて良好な接着は、それらの問題のある接着挙動が知られているポリマー(PE)でも得ることができる。可能性は、2つの異なる堆積方法の組合せであってもよい。例えば、RFマグネトロンスパッタ堆積は、強力な界面構造を成長させるために使用されてもよく、その後、バイオミメティック方法を使用して、溶液において成長が続けられる。これは、幾つかのポリマー上で、バイオミメティックス的に成長したCaPに対して報告された接着問題を解決する可能性がある(M. Tanahasi, T. Yao, T. Kokubo, M. Minoda, T. Miyamoto, T. Nakamura, and T. Yamamuro. Apatite coating on organic polymers by a a biomimetic process. J. Am. Ceram. Soc., 77:2805-2808, 1994)。
【0028】
本発明方法は、最適な堆積システム設計及びプロセスパラメーター並びに、例えば、最適基体冷却により改善することができる。本発明のこの方法は、新しいインプラントのために使用することのできる、ポリマー基体を含む異なる基体上に、均質で、密度の高い、結晶性の、十分に接着するCaPコーティングをもたらすことができる。
【0029】
非晶質CaPコーティングの結晶化を達成するためには、照射されるレーザー光線が、CaPセラミック材料において吸収されることが必要である。これは、全てのレーザーが、この目的に適するものではないことを意味する。図3は、CaP被覆サファイアの光学的透過スペクトルを示す。CaP組成の変動、例えば、Ca対P比における変動による、又は、添加剤、例えば、チタン等の添加による変動、CaPセラミック材料の吸収、が影響を受けることがある点が注目される。にもかかわらず、一般に、照射されるレーザー光線の波長は、200nm未満であるべきである。適当に、F(157nm)及びArF(193nm)を含む群から選択されるレーザーが使用される。好ましくは、Fレーザーが使用される。
【0030】
レーザー光線の照射期間は、レーザーパルスのエネルギーに依存し、レーザーパルスのエネルギーは、CaPコーティングの厚さによって選択される。レーザーパルスにとって適切なエネルギー及びCaPコーティングの所望の厚さが与えられる、このエネルギーでの照射の適切な期間をもたらすためのこれらのパラメーターの変動は、十分に、当業者の能力範囲内である。
【0031】
好ましくは、本発明方法は、薄いコーティング、即ち、10μm未満のコーティングを結晶化させるために使用される。適切に結晶化できるコーティングは、数nm程度に薄く、例えば、10nm、好ましくは、50nm以上であってもよい。一実施形態においては、コーティングの厚さは、50nm〜5μmの範囲である。その他の実施形態においては、コーティングの厚さは、100nm〜4μmの範囲である。都合よいことに、非常に薄いコーティングは、例えば、1μm未満及び0.5μm未満でもコーティングとして結晶化することができる。更なる実施形態においては、コーティングの厚さは、10nm〜1μm未満若しくは10nm〜500nm未満、又は100nm〜1μm未満若しくは100nm〜500nm未満若しくは50nm〜400nmの範囲である。
【0032】
一般に、10mJ/cm未満のエネルギーでの照射は、十分な結晶化をもたらさず、一方、一般に、1000mJ/cmを超える照射は、許容しがたい剥離をもたらす。一実施消形態においては、レーザーパルスのエネルギーは、10〜500mJ/cmの範囲である。一実施消形態においては、レーザーパルスのエネルギーは、10〜250mJ/cmの範囲である。
【0033】
レーザーパルスの期間は、1〜50nsの範囲であってもよい。又、基体の或る領域を繰り返し照射することも可能である。本発明方法の更なる最適化は、例えば、パルス、パルス周波数及びパルスの数で照射される領域又はスポットザイズの変動により理解されてもよい。
【0034】
CaPコーティングを結晶化させるためのレーザーの使用の更なる利点は、照射が調節できる正確さである。特に、照射対象に対するレーザーの位置は、調節することができ、別々の経路に沿って、照射対象を横切ってレーザーを移動させることを可能にし、それによって、照射対象上に結晶化の或るパターンを創り出す。これは、それらがインプラントされる身体的材料又は組織の構造と最適相互作用を有するインプラント目的物上にコーティングを創り出すのに有利であってもよい。特に、細胞挙動に適応するパターンは、有利であり、その様なパターンは、当業者に知られている。適当なパターンの例は、溝付又は正方形パターンである。
【0035】
従って、本発明方法の更なる実施形態においては、パターンは、結晶性CaPコーティングにおいて作られる。
【0036】
更なる態様においては、本発明は、本発明による方法により得ることのできるポリマーインプラント目的物に関する。本発明によるインプラント目的物の例は、固定プレート、固定スクリュー、スクリュー、髄様爪、寛骨臼カップ、組織再生誘導膜である。一実施形態においては、本発明は、ポリマーインプラント目的物に関し、該目的物は、結晶性CaPコーティングを有し、該結晶性CaPコーティングは、少なくとも10nmで、1000nm未満の厚さを有する。その他の実施形態においては、コーティングは、少なくとも50nm若しくは少なくとも100nm又は少なくとも200nmの厚さで、900nm又は800nm未満であることが好ましい。一実施形態における非常に薄いコーティングに対しては、コーティングは、500nm未満の厚さである。都合よいことに、結晶性コーティングは、可撓性ポリマーインプラント上へ適用することができる;コーティングの結晶化度により、CaPコーティングに傷を付けずに、可撓性インプラントを曲げたり又は折畳んだりすることが可能である。従って、一実施形態においては、ポリマーインプラント目的物は、可撓性ポリマー材料を含み、又は可撓性ポリマー材料で作られる。
【実施例】
【0037】
実験方法
RFマグネトロンスパッタ堆積
スパッタ堆積は、高エネルギー粒子による、ターゲットからの種の追い出しに基礎を置く。エネルギー投射は、イオンガン又はプラズマを使用して発生させることができる。追い出された種は、基体上に達し、コーティングを形成する。
【0038】
RFスパッタ堆積においては、投射は、RFプラズマにより発生する。DC電界に代わるRFは、多くの場合、帯電及びアーク放電を避けるために絶縁ターゲットの場合に使用する。交代RF電界に従う電子は、真空室においてガスのイオン化を引き起す。プラズマにおいて形成する正イオン(多くの場合、アルゴンイオン)は、それらが、プラズマの縁の、電位が急激に低下する所謂プラズマシースを横断する時に、加速される。加速されたイオンは、スパッタターゲットから種の追い出しを引き起し、それらは、又、プラズマを維持するために、更なるイオン化に対して応答できる第二電子の追い出しを開始する。
【0039】
RFスパッタ堆積システムのスパッタリング速度は、スパッタリングターゲットの下にマグネトロン配置を適用することにより大いに高めることができる。磁場は、ターゲット近くの電子を捕捉する。捕捉された電子は、ガスにおいて更なるイオン化を引き起し、スパッタ速度を高める。
【0040】
堆積システム
基体の前処理及びコーティングの堆積は、Edward High Vacuum ESM100スパッタ堆積室において行った。システムの概略図は、図1において与えられる。システムは、32cmの直径を持つステンレススチール室から成る。1×10−5mbarの基底圧を、拡散ポンプを使用して達成する。水冷基体ホルダーは、グラウンド又はRF堆積室の一番上の部分に配置し、静置又は回転配置(毎分30回転)で使用することができる。静的堆積では、サンプルは、ターゲットの上か、イオンガンの焦点に直接載置する。これらの位置は、図1において、×及び★で、それぞれ示される。回転堆積では、サンプルは、基体ホルダーの中心から7±1cmに載置する(サンプルが、通過は×、そして★は、回転中を意味する)。2つのスパッタリングターゲットは、基体ホルダーの約8.2cm下にある。それらを、13.56MHzで作動する別々の電源に接続する。ターゲットは、頂部に、接地シールド及び二次汚染シールドを有する。静的堆積中は、二次汚染シールドは、イオンガンの焦点(★)における堆積速度を増加するために除去する。スパッタターゲットの下には、マグネトロン配置が存在する。
【0041】
正常の堆積条件下では、基体ホルダーは、接地する。然しながら、ターゲット電源の1つをそれに接続することにより、出力電極として基体ホルダーを使用することも可能である。この方法においては、サンプルは、例えば、酸素衝突により前処理される。放電ガスは、圧力ゲージに結合されている圧電電気バルブを経由して堆積室中に導かれる。このシステムにおけるフィードバックループは、堆積中の一定ガス圧を確実にする。
【0042】
カウフマンイオン源(Oxford Applied Research社製model RF25)を、堆積システムに接続する。ガンは、材料の前処理のために、又はイオンビーム補助堆積のために使用することができる。ガンの焦点は、基体ホルダーの中心から約7.5cmであり、ガンを、基体ホルダーの正常位置に対して70°の角度で載置する。
【0043】
最後に、四極子形分圧真空計(MS)(Vacuum Generators社製model Sensorlab)を、システムに接続する。この装置は、スパッタリングガス組成の測定及びスパッタリングガスにおける汚染の検出のために使用することができる。
【0044】
基体
使用された基体材料は、珪素単結晶(配向(100)、Gritek Ltd.社から入手した)であった;ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)シート(厚さ1mm)は、Goodfellow Ltd.社から入手した;ポリジメチルシロキサン(PDMS、シリコーンゴム)は、Viba NV社から入手した(Elastosil RT601)。この材料を、プラスチックボックスにおいて重合した。円滑な空気硬化サイドを使用した。ポリ−L−乳酸(PLLA)の顆粒は、Purac Biochem社から入手した。顆粒を、スチール金型における材料を170〜180℃に加熱することにより、PLLAプレート(厚さ、1mm)に変えた。
【0045】
堆積又は前処理前に、基体を、イソプロパノールにおいて、5分間、超音波洗浄した。
【0046】
コーティング堆積
スパッタリングターゲットとして、ハイドロアパタイト(Ca(POOH)を、小さな顆粒の形態(直径0.5〜1.0mm)又は銅ディスク上に溶射したプラズマの形態で使用した。ターゲットは、直径10cmであった。通常、1つのターゲッタだけを堆積中に使用した。サンプル上の熱負荷を更に減少させるために、電力供給を、200Wの最大出力で行った。この出力より上で、基体(特にPS)の軟化が始まった。200Wの堆積出力での一般的な堆積速度は、1〜2nm/分であった。通常、スパッタリングガスはアルゴンであった。コーティング堆積中の圧力は、5×10−4〜1×10−1mbarであった。
【0047】
前処理
既に述べた通り、コーティング堆積前のポリマーの前処理は、接着強度を増加することがある。特に、ポリマーサンプルの前処理として、プラズマ前処理及びイオンビーム処理をうまく使用されている。
【0048】
プラズマ前処理
プラズマ前処理は、正常に接地した基体ホルダーを、RF出力電極に変えることにより行うことができる。一般に使用されたプラズマ前処理は、200Wの出力で、30秒間、2×10.3mbarの酸素プラズマへのポリマー基体の暴露であった。
【0049】
イオンビーム前処理
イオンビーム前処理は、よく定義された前処理である。ガス圧及びイオンガン出力水準の関数としてのイオン流を、ファラデーカップを使用して測定した。イオンガンにおけるプラズマの光学的発光を、プラズマの安定性及びプラズマ形式(低輝度又は高輝度形式[31])をチェックするために、操作中に測定した。イオンのエネルギーは、100〜1000eVの間で変えることができた。ビーム形状は、殆どガウスであり、1.5cmの半値幅(FWHM)を有する。この研究における実験には、アルゴンガスをイオンガンとして使用した。
【0050】
コーティング分析
X−線回折(XRD)
X−線回折(XRD)は、コーティングの結晶性を決定するための方法である。Cu−Kα源を備えた、薄膜フィリップPW3710X−線回折計を使用した。入射角を2.5に固定し、固体状態検出器を走査させた。
【0051】
コーティング堆積及び分析
PEを基体として使用した。堆積のために、プラズマ溶射HAターゲットを使用し、基体ホルダーを堆積処理中回転させた。堆積時間は3.5時間であり、出力は200Wであり、Ar圧は5.0×10−3mbarであった。得られたCa/P比は、〜1.6に等しく、コーティングの厚さは、ラザホード後方散乱分光法(Rutherford Backscatter Spectroscopy)(RBS)により決定されたものとして、〜250nmであった。CaPコーティングの光学的吸収を決定するために、未被覆サファイア(Single Crystal Technology社製、オランダ国)及び〜1μmのCaPコーティングで被覆されたサファイアの光学的透過率を測定した。このために、UV−VIS装置(UVIKON 923)を、190〜900nmの間で使用した。
【0052】
レーザーアニーリング
Fraunhofer Institute for Laser Technology(Aachen、Germany)社製のLambda Physik LPF-220フッ素レーザーを、PE上のCaPコーティングを照射するために使用した。サンプルを、レーザービームを介して、曲がりくねった方法において走査した(図1)。設定は、280×280μm〜500×500μmのビームサイズSx×Sy(図1)を有していた。20nsのレーザーパルスを、50Hzの速度で発射した。レーザースポット間の分離(dy)は、Sy/10に達した。トラック間の水平距離(図2におけるdx)は、Sx/10であり、サンプルの全ての照射部分において100レーザーパルスをもたらした。パルスにおける重複は、材料を横断する均質な処理を確実にした。3×3mm〜10×10mmの面積を照射した。パルス当たりのエネルギーを、レーザー出力又は焦点を変更することにより、6〜1000mJ/cmに変動した。照射サンプルを、XRD、RBS、及びSEMで分析した。
【0053】
温度計算
レーザーパルスによるコーティングにおける温度を、加熱式を解くことにより計算した:
【0054】

この式において、Tは、温度であり、tは、時間であり、xは、位置であり、κは、次の様に定義される熱拡散係数である:
【0055】

この式において、kは、熱伝導率であり、Cpは、熱容量であり、ρは、密度である。PE及びHAに対する数値は、表1において与えられる。非晶質CaPに対する値は利用できないので、HAに対する値を代わりに使用した。
【0056】
【表1】

計算のための境界条件は、
【0057】

であった。x=0は、材料の表面に相当し、εは、1時間当たりのパルスのエネルギーであり、Tは、室温(298K)であり、tは、レーザーパルスの期間(20ns)である。第一条件は、レーザーが表面に当てられている時は、表面を通り抜ける熱流を、及びレーザーが当てられていない時は、熱交換がないことを課する。この仮定は、レーザーエネルギーの殆どが、その後に現れるCaPコーティング(図3)の光学的透過性に基づいて、表面近くの領域において吸収されるので、認められる。
【0058】
第二条件は、材料内部の深い室温を仮定する。初期条件は、T(x、0)=Tであった。加熱式は、Matlabを使用して、数値的に解いた(The Math Works Inc., Natick MA, USA)。HA及びPEのκにおける差は、それ程大きくはないこと(表1)、及び計算の平易のための理由で、基体は、PEに代えてHAであるべきと仮定した。
【0059】
結果
図3において、未被覆及びCaP被覆サファイアの190nm〜900nm間の光学的透過率が与えられる。1つの側面だけが磨かれているので、絶対透過率は、2〜3%に過ぎなかった。にもかかわらず、CaP被覆サファイアは、〜200nmで光学的吸収限界を示す。図においては、又、幾つかのエキシマーレーザーの波長が示される。コーティングにおけるレーザー光線の強力な吸収は、レーザー結晶化に必要とされるので、好ましくは、ArF(193nm)又はF(157nm)が適当であってもよい。
【0060】
図4は、PE上に堆積した状態のCaP(A)及びPE上の、フッ素レーザー処理CaP(B、C、及びD)のXRDスペクトルを示す。スペクトルB、C、及びDのサンプルは、それぞれ、60、96及び200mJ/cmのレーザーパルスを受け入れた。スペクトルA及びBは、顕著な反射を示さないが、C及びDは、HAに起因する反射を示す。Dにおけるピークは、Cにおけるピークよりも強力である。
【0061】
図5は、PE上の、Fレーザー処理CaPのSEM画像を示す。画像A〜Gに対するレーザーパルス当たりのエネルギーは、それぞれ、0、6、10、18、49、69、及び200mJ/cmであった。画像Hは、画像Fの拡大を示す。パルス当たりのエネルギーの増加と共に、島間のクラックが大きくなった。それに加えて、多孔性構造が、高パルスエネルギーに対して現れた(図5H)。更に、線量の増加と共に、島の形状が更に不規則になった。最後に、最大線量に対して、未被覆材料に比べて、高度差が現れた点が注目される。側面計を使用することにより、照射された領域が、数μmまでの高さであることが分かった(データは示されない)。
【0062】
図6は、未被覆材料と比べた、レーザー照射CaPセラミックの残存コーティング厚さを示す。粗さを生じさせるレーザー処理により(図5)、残存コーティングの量を正確に決定することは困難であった。にもかかわらず、コ−ティング材料の相当量が、200mJ/cmのレーザーパルス強度近辺で除去された。更に高いパルス強度でも(1000mJ/cm)、全てのコーティングが除去され、PE基体は、淡褐色になり、熱劣化を示した。
【0063】
図7は、60mJ/cm(A)及び200mJ/cm(B)のレーザーパルス強度に対する、CaPコーティングにおける時間依存性温度分布を示す。結果は、この実験において使用された250nmコーティングに対して示される。レーザーが切り替えられる時間(20ns)まで、温度における強力な増加が観察される。その後、高温は、コーティングを横切り、界面に入って減少する。
【0064】
検討
PE上のCaPのレーザー誘発結晶化は、成功であった(図4)。HAは、少なくとも96mJ/cmのパルス出力を使用した時に、PE上で観察された。高パルスエネルギー(200mJ/cm)は、強力な結晶化を与えた。コーティングが(部分的に)結晶化する理由は、コーティングが、結晶化温度(400〜600℃、図7において点線領域により示される)より上にあった時間との組合せにおいて、CaPコーティングが照射中に到達した温度の結果である。多分、CaPコーティングが、結晶化温度又はそれより上にあった時間は、60mJ/cmパルスの場合においては、結晶化を達成するのに短すぎたが(6A)、温度及び期間は、96mJ/cm及び200mJ/cmでの結晶化にとっては十分であった。然しながら、200mJ/cmでは、CaPコーティングの一部が失われた(図6)。多分、照射中に表面近くの領域に存在する極端に高い温度のために、コーティングから蒸発したのである。事実、200mJ/cmでのレーザー照射中、材料の追い出しを示す、基体上の光放出が観察された。1000mJ/cmのパルス強度では、蒸発した材料からの光放出は更に増加し、CaPコーティングは、殆ど、基体上に残らなかった(図6)。
【0065】
SEM実験は、レーザー強度の増加と共に、クラックは広がり、島は、更に不規則な形状になり、空隙が材料において現れたことを示した(図5)。高レーザー強度では、照射領域は、非照射領域に比べて、数μm上昇した。多分、これは、PEの溶融及び島への連続的退縮に原因する。面白いことに、同様のレーザー線量(示されない)で照射された未被覆PEは、クラック、空隙を全く示さず、上昇表面も示さなかった。これは、CaPコーティングが、照射される材料の形態学の形成において、活発な役割を演じることを意味する。然しながら、この形態学の形成の原因となるメカニズムは、明確ではない。
【0066】
PEは、明らかに低融点(141℃)のポリマーであるので、この研究は、更に広範囲のポリマーが、正常なアニーリング処理に比べて、結晶性CaPコーティングによりカバーできることを示す。レーザー結晶化方法の最適化のために、多数のパラメーターを変えることができる(パルスエネルギー、パルス周波数、パルスの数、スポットサイズ)。この方法の大きな利点は、せいぜい数秒で、広い面積を結晶化することが基本的に可能である点であり、更なる利点は、パターン化された結晶性領域を生成することに対する可能性である。
【0067】
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31 Oxford Applied Research. Manual of the kaufmann ion source RF25. Crowley Mill, Witney, Oxon OX9 5TJ, United Kingdom.
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】堆積室の概略図である。左側の図は正面図であり、右側の図は平面図である。バツ印(×)及び星印(★)は、静的堆積が行われる時の基体の位置を示す。
【図2】レーザー照射実験のために使用された曲がりくねったトラックを示す図である。点々は、一連のレーザースポットの中心を示し、一方、点線の四角(Sx×Sy)は、スポットサイズを示す。
【図3】CaP被覆及び未被覆サファイアの光学的透過率を示す図である。異なるエキシマーレーザーの波長も示される。
【図4】PE上に堆積した状態のCaP(A)及びPE上の、F−レーザー処理されたCaP(B、C及びD)のXRDスペクトルを示す図である。レーザーパルス当たりのエネルギーは、B、C、及びDに対して、それぞれ、60、96、及び200mJ/cmであった。幾つかのHA反射の位置も示される。
【図5】PE上の、F−レーザー照射されたCaPのSEM画像を示す図である。レーザーパルス当たりのエネルギーは、A〜Gに対しては、それぞれ、0、6、10、18、49、69、及び200mJ/cmであった。Hは、Fの拡大である。
【図6】異なる強度でのレーザー照射後の残存コーティング(%における)を示す図である。
【図7】60mJ/cm(A)及び200mJ/cm(B)のレーザーパルス後のCaPコーティングにおける計算された温度分布を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性リン酸カルシウム(CaP)をコーティングしたポリマーインプラント目的物を提供する方法であって、非晶質CaPコーティングをその上に堆積したポリマー基体を、<200nm及び10〜1000mJ/cmのレーザー光線で照射するステップを含む方法。
【請求項2】
<200nm及び10〜1000mJ/cmのレーザー光線での照射が、ポリマー基体上へのCaPコーティングの堆積中に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリマー基体が、ポリエチレン(PE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリイミド(PI)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリプロピレンフマレート(PPF)及びポリブチルテレフタレート(PBT)からなるグループから選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
CaPコーティングが、CaPコーティングを堆積させるのに適した任意の方法を使用して堆積され、前記堆積されたCaPコーティングが非晶質である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
CaPコーティングを堆積させるのに適した方法が、プラズマ溶射、バイオミメティック堆積、レーザー堆積、イオンビーム堆積及びRFマグネトロンスパッタ堆積又はその組合せから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
レーザー光線が、F及びArFからなるグループから選択されるレーザーからのものである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
レーザー光線が、10〜500mJ/cmのエネルギーを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
照射対象に対するレーザーの位置が調節され、それにより、照射対象上に結晶化のパターンを創り出す、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得ることのできるポリマーインプラント目的物。
【請求項10】
目的物が、結晶性CaPコーティングを有するポリマー基体を含み、前記結晶性CaPコーティングの厚みが、少なくとも1nmで、1000nm未満である、請求項9に記載のポリマーインプラント目的物。
【請求項11】
インプラントが、破損固定プレート、固定スクリュー、髄様爪、寛骨臼カップ、組織再生誘導膜である、請求項9又は10に記載のポリマーインプラント目的物。
【請求項12】
インプラントが、可撓性ポリマー材料である、請求項9又は10に記載のポリマーインプラント目的物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−518515(P2007−518515A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550976(P2006−550976)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000038
【国際公開番号】WO2005/067993
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506246704)スティヒティング カソリーケ ユニベルシタイト (1)
【Fターム(参考)】