結晶質の多形性形態631
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドの新規な多形性の形態、これを製造するための方法、及びグルコキナーゼの活性化剤としてのその使用が記載される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書中で以下の式(I)で例示される3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(“化合物”)の新規な結晶形態に関し、この化合物は、グルコキナーゼ(GLK又はGK)の活性化物質であり、そして例えば、糖尿病及び/又は肥満症の治療における医薬化合物として有用である。本発明は、更にこの結晶形態の製造のための方法、結晶形態を含んでなる医薬組成物及び医学的治療における結晶形態の使用に関する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
本出願人等の国際特許出願WO2007/007041は、この化合物の三つの結晶形態を開示している。第1に、フォーム1は、tert−ブチルメチルエーテルから結晶化され、そして110.3℃の溶融開始温度を有することが見いだされた。第2に、フォーム2は、メタノール及び水中のフォーム1のスラリーから製造され、そして110.2℃の溶融開始温度を有していた。これは、更に酢酸エチル及びメチルイソブチルケトンから室温で結晶化することによって形成することができる。これらの二つの形態は、同様な融点のデータを持つが、異なったX線粉末回折パターンを有することが見いだされた。水和物である第3の結晶の形態のフォーム3は、更に水中の化合物のスラリーを撹拌することによる結晶化の産物として開示された。この形態は、水の存在中で最も安定しているように見受けられる。全てのこれらの三つの形態のXRPDパターンは、それぞれ図2−4中に見ることができる。
【0004】
その後、第4及び第5の結晶の形態が見いだされた。フォーム4は、4℃の酢酸エチル、メチルエチルケトン及びエタノール、並びに室温(RT)におけるメチルエチルケトン及びエタノールの中の幾つかのスラリーの実験において、そして室温のメチルエチルケトン中の結晶化で観察されている。
【0005】
フォーム5は、水和物のフォーム3が脱水された時に得られる形態である。フォーム5の再水和は、フォーム3をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願WO2007/07041。
【発明の概要】
【0007】
本出願人等は、いまや、驚くべきことに、そして予期せずに、イソプロピルアルコール(IPA)から、もう一つの、更に安定した結晶形態で、この化合物を調製することができることを発見した。この形態は、本明細書中で、(式(I)の)化合物の“フォーム6”と呼ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、フォーム6のXRPDパターンである。
【図2】図2は、フォーム1のXRPDパターンである。
【図3】図3は、フォーム2のXRPDパターンである。
【図4】図4は、フォーム3のXRPDパターンである。
【図5】図5は、フォーム4のXRPDパターンである。
【図6】図6は、フォーム5のXRPDパターンである。
【図7】図7は、フォーム1のラマンスペクトルである。
【図8】図8は、フォーム2のラマンスペクトルである。
【図9】図9は、フォーム3のラマンスペクトルである。
【図10】図10は、フォーム4のラマンスペクトルである。
【図11】図11は、フォーム5のラマンスペクトルである。
【図12】図12は、フォーム6のラマンスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によれば、化合物の結晶質のフォーム6が提供される。
【0010】
本発明のもう一つの側面において、11.8及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0011】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、6.4、5.9及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0012】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、6.4、5.9、5.7及び3.75のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0013】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、8.2、6.4、5.9、5.7、5.2、3.75及び3.44のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0014】
本発明によれば、2−シータ角(2θ)=7.5及び15.5°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0015】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、13.9、15.0及び15.5°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0016】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、13.9、15.0、15.5及び23.7°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0017】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、10.8、13.9、15.0、15.5、16.9、23.7及び25.9°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0018】
本発明の更なる側面において、実質的に図1に示すようなX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0019】
本発明によって得られるフォーム6は、実質的に化合物の他の結晶及び非結晶の形態を含まない。用語“実質的に他の結晶及び非結晶の形態を含まない”は、所望の結晶の形態が、50%より少ない、好ましくは20%より少ない、更に好ましくは10%より少ない、更に好ましくは5%より少ない、いずれもの他の形態の化合物を含有することを意味すると理解されるべきである。
【0020】
X線粉末回折(本明細書中でXRPD又はXRDと呼ばれる)パターンは、試料を、単一のシリコン結晶のバックグラウンドゼロの保持器上に設置し、そして試料を薄層に広げることによって決定した。VÅNTEC−1検出器を持つBruker D8 Advanceシータ−2シータ回折計を使用し、試料をスピンし(計数統計を改良するため)、そして30kV及び50mAで操作される銅電子管によって発生されるX線で照射した。自動可変発散スリットを使用した。
【0021】
これにおけるX線粉末回折(XRPD)パターンは、ブラッグ・ブレンターノ幾何配置で得た。
【0022】
X線回折分析は、例えば、Kitaigorodsky,A.I.(1973),Molecular Crystals and Molecules,Academic Press,New York;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;又は Klug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),X−ray Diffraction Procedures,John Wiley & Sons,New York中に見出すことができる標準的な方法によって行った。X線粉末回折データは、コランダムを内部参照として使用することによって補正し、そして可変スリットで測定した。
【0023】
フォーム6の典型的な試料のX線回折パターンを、本明細書中で後出の図1に示す。
【0024】
X線粉末回折パターンの2シータ値が、機械によって、そして更に試料調製の変化及びバッチによる変化によって僅かに変化することができ、そして従って引用された値は、絶対値として解釈されないことは理解されるものである。ピークの相対的強度が、配向効果によって変化することができ、従って本明細書中に含まれるXRDによる追跡に示された強度が、例示的であり、そして絶対値の比較のために使用されることを意図していないことも更に理解されるものである。
【0025】
フォーム6は、更に視差走査熱量測定法(DSC)のような当技術において既知の他の分析技術によって特徴づけすることもでき、これは、111℃のフォーム6の融点を与える。
【0026】
フォーム1ないし6は、更にラマンスペクトル法によっても分析することができる。それぞれの多形のラマンスペクトルを、図7ないし12に示す。異なった形態間の特異的なピークの波長の偏移は小さく、従って形態間を区別するために、幾つかのピークの相互関係及び全体的なスペクトル信号に考慮をはらわなければならない。ラマンスペクトルは、Perkin−Elmer Spectrum GX Near−IR FT−Raman分光計を使用して、標準的な方法によって測定した。レーザー電力を500mWに、そして解像度を4cm−1に設定した。波長補正の精度は、±1cm−1であった。物質をNMR試験管に充填し、そして試料保持器に置き、測定中試験管を回転して、試料の加熱を回避した。スペクトルは、装置の応答に対して補正されなかった。
【0027】
フォーム6は、フォーム1及び4の概略1:1の混合物のような混合物を、イソプロピルアルコール(IPA)中で上昇した温度で長期間スラリー化することによって製造することができる。適当には、スラリーは、35−50℃で8−15日間維持される。フォーム6への転換を達成するために、より高い温度及びより短い時間を要することは認識されるものであり;従ってフォーム6は、35℃以下で、更に長時間後に得ることができる。適当には、スラリーの濃度は、50−300μlのIPA中の概略30mgのフォーム1及び4の混合物としての化合物である。
【0028】
フォーム6は、更に少量のフォーム6で種晶添加することによって、多くの溶媒中の式(I)の化合物の溶液から製造することもできる。適当には、溶液は、例えば、ブチロニトリル、所望によりヘプタンと混合されていてもよい2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸n−ブチル、アセトニトリル、ヘプタンと所望により混合されていてもよいメチルイソブチルケトン、酢酸エチル又はイソプロパノール中に溶解された式(I)の化合物のフォーム1から製造される。特に、ブチロニトリル及び所望によりヘプタンと混合されていてもよいメチルイソブチルケトンが適している。別の方法として、酢酸エチル又はイソプロパノールを溶媒として使用することができる。種晶添加は、正確な温度は、使用される溶媒の物理特性に依存することができることは認識されるものであるが、一般的に上昇した温度、例えば45℃で行われる。フォーム6を、フォーム1以外の形態の溶液から、上記と同様な種晶添加法によって得ることが可能であり得ることは認識されるものである。
【0029】
例えば、フォーム6は、45℃のブチロニトリル中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度を例えば3時間保ち、15℃にゆっくりと冷却し、そして次いでこの温度で混合物を少なくとも24時間のように長時間維持することによって得ることができる。適した条件の更なる詳細は、付属する実施例中に見出すことができる。
【0030】
別の方法として、フォーム6は、45℃のメチルイソブチルケトン中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度で6時間保ち、次いで温度を段階的に落とし、混合物をそれぞれの次の温度:40℃、35℃、30℃、20℃で混合物を6時間保ち;次いで3時間で温度を10℃に落とし、そして所望によりn−ヘプタンをこの温度で加えることによって得ることができる。別の方法として、フォーム6は、45℃のメチルイソブチルケトン中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度を6時間保ち、次いで温度を段階的に、40℃で6時間、30℃で6時間、次いで0℃に落として得ることができる。適した条件の更なる詳細は、付属する実施例中に見出すことができる。
【0031】
従って、本発明のもう一つの側面において、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム6を製造するための方法が提供され、その方法は、
a)IPA中の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム1及び4の混合物を、35−50℃で長期間(例えば8−15日)懸濁するか;又は
b)IPA中のフォーム1の懸濁液を35℃で形成し、次いで1時間後少量のフォーム6で種晶添加し、そして混合物を長期間(2日のような)放置するか;又は
c)45℃でブチロニトリル中のフォーム1の溶液を形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも3時間後15℃にゆっくりと冷却し、そして混合物を長期間(24時間のような)この温度で放置するか;又は
d)45℃でブチロニトリル中のフォーム1の溶液を形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも6時間後、5、5、10及び10°の段階で10℃まで段階的に冷却し、混合物をそれぞれの段階で数時間保ち、次いで所望によりヘプタンを10℃で添加し、そして混合物を更なる期間保つこと;
を含んでなる。
【0032】
別の方法として、溶液を酢酸エチル又はイソプロパノールのいずれか中で形成し、それに続き種晶添加し、そして所望により段階的冷却で冷却して形成される。
【0033】
本発明の化合物の有用性は、WO2007/007041中に記載されるものを含む標準的試験及び臨床研究によって証明することができる。
【0034】
本発明の更なる特徴によれば、グルコキナーゼの活性化が有益である疾病状態を治療する方法であり、これは、有効な量の化合物のフォーム6を温血哺乳動物に投与することを含んでなる。本発明は、更に疾病状態において使用するための医薬の製造におけるフォーム6の使用に関する。適した疾病状態は、糖尿病及び/又は肥満症を含む。
【0035】
本発明の更なる側面において、医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したとおりのフォーム6の式(I)の化合物が提供される。本発明の更なる側面において、グルコキナーゼによって仲介される疾病、特にII型糖尿病及び/又は肥満症の治療のための医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したとおりのフォーム6の式(I)の化合物が提供される。
【0036】
本発明の化合物は、グルコキナーゼが関係する疾病の治療のために、慣用的な医薬組成物の形態で、それを必要とする温血動物、特にヒトに投与することができる。従って、本発明のもう一つの側面において、フォーム6を医薬的に受容可能な希釈剤又は担体との混合物中に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0037】
このような組成物は、例えば経口、局所、非経口、口腔、鼻腔、膣又は直腸投与或いは注入によって治療することが所望される疾病状態のために標準的な方法で投与することができる。これらの目的のために、化合物は、当技術において既知の手段によって、例えば錠剤、カプセル、水性又は油性溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、ゲル、鼻腔噴霧剤、座薬、吸入のための微細に分割された粉末又はエアゾール、及び非経口使用(静脈内、筋肉内又は注入を含む)のための滅菌水性若しくは油性溶液又は懸濁液或いは滅菌乳液の形態に処方することができる。上記の処方の例において、多形性形態を保持することができるもの(即ち非溶液処方)に対して、本発明は、フォーム6が製剤中で実質的に保持され、そしてここにおいて、多形性形態中の実質的な(>50%のような)転換がない処方を含んでなる。好ましい投与の経路は、経口である。化合物は、例えばWO2007/007041中に規定されている範囲の日量でヒトに投与されるものである。日量は、必要に応じて分割投与で与えることができ、投与される化合物の正確な量及び投与の経路は、治療される患者の体重、年齢及び性別、並びに当技術において既知の原理によって治療される特定の疾病状態に依存する。
【0038】
錠剤の製剤のために適した医薬的に受容可能な賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、炭酸ナトリウム、一塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム(二塩基性リン酸カルシウム二水和物及び二塩基性リン酸カルシウム無水物を含む)、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のような、一つ又はそれより多い不活性希釈剤(充填剤とも呼ばれる);
デンプン(ジャガイモ、メイズ又はトウモロコシのような)、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸等のような、一つ又はそれより多い崩壊剤;
デンプン(ジャガイモ、メイズ又はトウモロコシのような)、ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、低分子量のメチルセルロース(MC)、低分子量のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、低分子量のヒドロキシエチルセルロース(HEC)、低分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウム等のような、一つ又はそれより多い結合剤;
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、ステアリルフマル酸ナトリウムのような潤滑剤;
タルク又はコロイド状シリカのような滑剤;
例えばラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤;
着色剤、芳香剤、保存剤;
並びに抗酸化剤、が挙げられる。
【0039】
錠剤の製剤は、被覆されないか又は当技術において既知の慣用的な被覆剤及び方法を使用して被覆することができる。本発明の最終的な経口組成物中に存在することができる先に記述した賦形剤の幾つかが、一つより多い先に記述した機能を有することができることは認識されるものである。フォーム6を含んでなる錠剤の製剤は、例えば、次の強度:1mg、2.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、45mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg及び500mgで製造することができる。
【0040】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10ないし25%、例えば12.5%;
充填剤:50ないし95%、例えば45−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば75%のマンニトール及び4%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし15%、例えば3ないし10%、例えば5%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.3%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0041】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば12ないし18%、例えば15%;
充填剤:70ないし92%、例えば50−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば73.4%のマンニトール及び3.86%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし7%、例えば5%のグリコール酸デンプンナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし2%、例えば1.75%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0042】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば67.9%のマンニトール及び3.6%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし8%、例えば5%のグリコール酸デンプンナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0043】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45ないし90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば68%のマンニトール及び3.6%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし8%、例えば5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0044】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45ないし90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば65%のマンニトール及び3.4%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし15%、例えば3ないし10%、例えば8%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0045】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0046】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0047】
錠剤は、粉末配合物の直接圧縮、及び対流ミキサー又は流動床装置中で湿式顆粒化、或いは例えばローラー圧縮のような乾式顆粒化によって得られた顆粒の圧縮を含む慣用的方法によって製造することができる。乾式顆粒化のような乾式の方法は、調剤過程中の多形性形態のいずれもの可能な相互変化を最小化する可能性がある。
【0048】
経口使用のための組成物は、更に活性成分が、一つ又はそれより多い先に記載したような不活性希釈剤(類)と混合されたカプセルの形態であることができる。
【0049】
本発明の更なる特徴によれば、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは、フォーム6を医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる。
【0050】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
フォーム6を、一つ又はそれより多い充填剤(類)、崩壊剤(類)及び界面活性剤(類)と拡散ミキサー中で混合する、第1の配合工程、
潤滑剤が粉末配合物に加えられ、そして材料を拡散ミキサー中で混合する、第2の配合工程、
ローラー圧縮による材料の乾式顆粒化、
顆粒が潤滑剤と拡散ミキサー中で混合される最終混合、及び
顆粒の圧縮による錠剤化
を含んでなる。
【0051】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
フォーム6を、一つ又はそれより多い充填剤(類)及び崩壊剤(類)と高剪断力ミキサー中で混合すること、
抗剪断力ミキサー中の粉末配合物の湿式顆粒化、
湿潤物質の乾燥、
顆粒の粉砕、
顆粒が潤滑剤と拡散ミキサー中で混合される最終混合、及び
顆粒の圧縮による錠剤化、
を含んでなる。
【0052】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
例えば微結晶セルロースの芯のような芯上の噴霧層化のために適したものとする大きさ分布を有する、フォーム6の水中の懸濁液を製造するための、例えばHPMCのような結合剤とのフォーム6の水中の湿式粉砕、
即時放出ペレットを製造するための、流動床装置における、例えば微結晶セルロースの芯のような芯上への水中のフォーム6の懸濁液の噴霧層化、
ペレットを、一つ又はそれより多い充填剤(類)及び崩壊剤(類)と拡散ミキサー中で混合して、ペレット/粉末配合物を製造すること、
潤滑剤をペレット/粉末配合物に加え、そして拡散ミキサー中で混合すること、及び
ペレット/粉末配合物の錠剤プレス中の圧縮による錠剤化、
を含んでなる。
【0053】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0054】
本発明の更なる特徴によれば、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは、フォーム6を医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる。
【0055】
本明細書中に記載されるとおりのフォーム6は、単独の療法剤として、或いは治療される徴候のための一つ又はそれより多い他の物質及び/又は治療法と組合せて適用することができる。もう一つの側面において、本発明は、式(I)の化合物のフォーム6及びもう一つの薬理学的に活性な物質を含んでなる医薬組成物を提供し、特に、ここにおいて、もう一つの薬理学的に活性な物質は、2型糖尿病又は肥満症或いは関連する症状の治療のための医薬である。
【0056】
このような併用治療は、治療剤の個々の成分の同時、連続又は別個投与によって達成することができる。同時治療は、単一錠剤、又は別個の錠剤であることができる。例えば、糖尿病の治療において、化学療法は、治療剤の以下の主要な分類を含むことができる:
1)インスリン及びインスリン類似体;
2)食事性グルコース調節剤を含むインスリン分泌促進物質(例えばレパグリニド、ナテグリニド);
3)インクレチンの作用を改良する薬剤(例えばジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、及びGLP−1アゴニスト);
4)PPARガンマアゴニストを含むインスリン抵抗性改善剤(例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン)、及び組合せたPPRAアルファ及びガンマ活性を持つ薬剤;
5)肝臓のグルコースバランスを調節する薬剤(例えばメトホルミン、フルクトース1、6ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤);
6)腸からのグルコースの吸収を減少するために設計された薬剤(例えばアカルボーズ);
7)腎臓によるグルコースの再吸収を防止する薬剤(SGLT阻害剤);
8)長期の高血糖症の合併症を治療するために設計された薬剤(例えばアルドースレダクターゼ阻害剤);
9)抗肥満症剤(例えばシブトラミン及びオルリスタット);
10)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えばスタチン類)のような抗異脂肪血症剤;PPARαアゴニスト(フィブラート類、例えばゲムフィブロジル);胆汁酸捕捉剤(コレスチラミン);コレステロール吸収阻害剤(植物スタノール、合成阻害剤);胆汁酸吸収阻害剤(IBATi)並びにニコチン酸及び類似体(ナイアシン及び徐放製剤);
11)β遮断剤のような血圧降下剤(例えばアテノロール、インデラル);ACE阻害剤(例えばリシノプリル);カルシウムアンタゴニスト(例えばニフェジピン);アンギオテンシン受容体アンタゴニスト(例えばカンデサルタン)、αアンタゴニスト及び利尿剤(例えばフロセミド、ベンズチアジド):
12)抗血栓剤、線維素溶解の活性化物質及び抗血小板剤のような止血調節剤;トロンビンアンタゴニスト;第Xa因子阻害剤;第VIIa因子阻害剤);抗血小板剤(例えばアスピリン、クロピドグレル);抗凝固剤(ヘパリン及び低分子量類似体、ヒルジン)及びワルファリン;
13)グルカゴンの作用に拮抗する薬剤;並びに
14)非ステロイド系抗炎症剤(例えばアスピリン)及びステロイド系抗炎症剤(例えばコルチゾン)のような抗炎症剤。
【0057】
本発明の一つの側面において、化合物(I)のフォーム6のメトホルミンとの組合せが提供される。
【0058】
本発明の更なる側面において、化合物(I)のフォーム6のインスリンとの組合せが提供される。
【実施例】
【0059】
本発明は、ここに以下の実施例によって特別に記載されるものであり、その中で、以下の略語:
vols 体積相当量
eq 当量
w/w 重量対重量
v/v 容量対容量
DMSO ジメチルスルホキシド
Ts トシレート(p−メチルベンゼンスルホン酸基)
TLC 薄層クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴分光法
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
を使用することができる。
【0060】
以下の非制約的実施例において、他に記述しない限り:
(i)操作は、室温、即ち18−25℃の範囲で、そしてアルゴン又は窒素のような不活性ガスの雰囲気下で行った;
(ii)収率は、例示のみのために与えられ、そして必ずしも達成可能な最大ではない;
(iii)式(I)の最終生成物の構造は、核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)及び質量スペクトル技術によって確認した;プロトン磁気共鳴の化学シフトは、デルタスケールで測定され、そしてピークの多重度は、次:s、単一線;d、二重線、t、三重線;m、多重線;br、幅広線;q、四重線;quin、五重線;六重線のように示す。
【0061】
(iv)中間体の純度は、NMR分析によって評価した。
【0062】
実施例1:3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドの調製
【0063】
【化2】
【0064】
フラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.0当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(3.5体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を0℃に冷却した。N−メチルモルホリン(5.0当量)を0℃で加え、次いで2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(酢酸エチル中の50重量/重量%として供給)(2.5当量)を、滴下漏斗により45分かけて、反応温度を0−5℃に維持しながら一度に加えた。滴下漏斗を2−メチルテトラヒドロフラン(0.5体積相当量)で洗浄し、次いで反応混合物を窒素下の還流下で少なくとも14時間沸騰してから、22℃に冷却した。水(4.0体積相当量)を一度に、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)を反応混合物に加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。上部の有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)をフラスコに加え、混合物を30分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層をフラスコ中で混合し、そして次いで更なる2−メチルテトラヒドロフラン(6.0体積相当量)を加えた。混合物を撹拌し、そして次いで1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、そして次いで層を分離した。1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を有機層に加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、混合物を分離し、5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム溶液(4.0体積相当量)を有機層に加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで混合物を分離した。この方法を繰返した。水(4.0体積相当量)を有機層に加え、混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで層を分離した。有機層を真空下で35℃で蒸留し、19体積相当量の留出物を収集した。2−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして蒸留を真空下で35℃で継続し、6体積相当量の留出物を収集した。更なる2−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして反応混合物を水含有量のために試料採取した。更なる4−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして反応混合物をCUNOTMフィルターを通して濾過し、次いでポットの体積が概略7体積相当量になるまで蒸留し、次いでメチルイソブチルケトン(11体積相当量)を加え、そして混合物を概略7体積相当量まで35℃で真空蒸留した。メチルイソブチルケトン(11体積相当量)を加え、そして混合物を概略6体積相当量のポット体積まで35℃で真空蒸留した。N−ヘプタン(0.5体積相当量)を混合物に加え、そして温度を60℃に調節し、混合物を46℃に冷却し、種晶添加し、次いで22℃に冷却し、そして少なくとも12時間撹拌した。混合物を濾過した。固体をメチルイソ−ブチルケトン(1.5体積相当量)/ヘプタン(0.16体積相当量)の混合物で洗浄した。固体をヘプタン(約1.5体積相当量)で洗浄した。単離した固体を22℃で真空下で乾燥して、表題化合物を、オフホワイト色の固体として得た。補正した収率は62%であった。1H NMR δ(400MHz DMSO)11.04(s,1H),9.26(s,1H),8.68(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),7.57(bs,1H),7.47(bs,1H),7.13(bs,1H),4.81−4.77(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.55−3.47(m,2H),3.3(s,3H),2.48(s,3H),2.34−2.26(m,2H),1.26−1.25(d,3H)。
【0065】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0066】
【化3】
【0067】
フラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル(1.0当量)及びN−メチルピロリジノン(7.6体積相当量)を入れた。フラスコの内容物を10℃に冷却した。水(3.9体積相当量)を加え、そして次いで混合物を概略−15℃に冷却した。水酸化ナトリウム(1.5当量)を水(2.3体積相当量)中に溶解し、そして水酸化ナトリウム溶液をフラスコに1時間かけて、反応温度を−10℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。水酸化ナトリウムを水(0.5体積相当量)で管路洗浄した。反応混合物を概略4時間保持した。酢酸(1.25当量)を混合物に−10℃で加えた。混合物を5℃まで温まらせた。酢酸(2.37当量)を混合物に加え、酢酸を水(3.5体積相当量)で管路洗浄し、そして混合物を22℃まで温まらせた。混合物に種晶添加し、次いで水(5体積相当量)を混合物に加えた。2Nの塩酸(1.5当量)をpH4に達するまで混合物に加えた。反応混合物を少なくとも14時間撹拌し、次いで10℃に冷却し、10℃で1時間撹拌した。混合物を濾過した。固体を水(3×2.5体積相当量)でスラリー化して洗浄した。単離した固体を25℃で真空下で乾燥して、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0068】
固体を、続いて酢酸エチル(27.2体積相当量)をフラスコに入れ、そして混合物を還流で少なくとも30分間加熱した。混合物を熱濾過し、そして概略13体積相当量を真空蒸留によって除去した。混合物を15℃に冷却し、そして一晩この温度で撹拌した。混合物を濾過し、そして(固体を)酢酸エチル(2.25体積相当量)で洗浄した。単離した固体を25℃で真空下で乾燥して、表題化合物を、オフホワイト色の固体として得た。補正した収率は、78%であった。
1H NMR δ(400MHz DMSO):8.66(s,1H),8.55(s,1H),7.36(s,1H),7.31(s,1H),7.16(s,1H),4.71−4.65(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.52−3.41(m,2H),3.29(s,3H),2.33−2.26(m,2H),1.24−1.2(d,3)。
【0069】
(3−{[5−(アゼチジニル−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ})安息香酸メチルの調製
【0070】
【化4】
【0071】
オーバーヘッド撹拌機、温度計、凝縮器、及び窒素管路を設置された、清潔な乾燥した適当に使用可能なフラスコ(フラスコA)に、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(1.0当量)、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピリジン(1.0当量)、炭酸セシウム(3.5当量)、及びジメチルスルホキシド(9.4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。反応容器を窒素雰囲気下で少なくとも14時間45℃で加熱した。4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル(1.3当量)を45分かけて加えた。混合物を45℃で少なくとも14時間撹拌し、次いで22℃に冷却し、そして酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加えた。水(12体積相当量)を25分かけて25℃で加え、そして混合物を15分間22℃で撹拌した。有機層を分離し、その後水層を酢酸イソ−プロピル(2×5体積相当量)で再抽出した。酢酸イソ−プロピル層を混合し、そして水(8体積相当量)を加えた。混合物を22℃で30分間撹拌した。水層を分離し、そして廃棄した。この方法を繰返した。有機層を一定重量まで真空蒸留した。
【0072】
一方、天然のアルミナ(18重量相当)を、酢酸イソ−プロピル(4.5体積相当量)及びヘプタン(11.2体積相当量)とフラスコ中で混合した。この混合物を大きいクロマトグラフィーのカラムに加え、そして反応混合物をカラムに圧入した。移動有機層を酢酸イソ−プロピル(0.2体積相当量)及びヘプタン(0.4体積相当量)で希釈した。次いで移動有機層をカラムに加え、そして1:4容量/容量の酢酸イソ−プロピル/ヘプタン(50体積相当量)、1:3容量/容量の酢酸イソ−プロピル/ヘプタン(20体積相当量)及び6:4容量/容量のイソ−プロピル/ヘプタン(100体積相当量)で連続して溶出した。画分をTLCによって分析し、そして清浄な生成物を含有する画分を回転蒸発機で蒸発して、表題化合物を、濃厚な油状物として、59%の補正収率で得た。1H NMR(400MHz,DMSO): δ 8.62(s,1H),8.50(s,1H),7.34(s,1H),7.30(s,1H),7.17(s,1H),4.68−4.64(m,1H),4.54−4.50(t,2H),4.07−4.03(t,2H),3.81(s,3H),3.49−3.41(m,2H),3.25(s,3H),2.29−2.21(m,2H),1.20−1.18(d,3H)。
【0073】
4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0074】
【化5】
【0075】
フラスコに、窒素雰囲気下でトリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)、塩化トシル(1.3当量)及びトルエン(5体積相当量)を入れ、そして反応混合物を撹拌して、油状のスラリーを形成した。スラリーを−5℃に冷却した。(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を滴下により30分かけて加えた。トルエン(2.5体積相当量)を洗浄剤として、続いてトリエチルアミン(1.5当量)を加え、これは反応温度を<8℃に維持しながら、30分かけて滴下漏斗により滴下により加えた。更なるトルエン(2.5体積相当量)を洗浄剤として加え、そして反応混合物を−5℃ないし5℃で4.5時間保った。N,N−ジメチル−1,3−プロパン−ジアミン(0.3当量)を10分かけて−5℃で加えた。混合物を−5℃ないし5℃で30分間撹拌した。次いで2Nの塩酸(0.55当量)及び70mlの水を加えた。混合物を30分間22℃で撹拌し、そして水層を分離し、そして廃棄した。混合物を更に二回水(それぞれの洗浄に10体積相当量)で洗浄し、そして水性の洗液の分離後、トルエン層を回転蒸発機で油状物まで蒸留した。トルエン(20体積相当量)を油状物に加え、そして溶液を蒸発して、表題化合物を、乾燥した明るい褐色の油状物として得た。収率(アッセイに対して補正)は93−97%であった。
1H NMR(400MHz CDCl3):δ 7.78−7.75(d,2H),7.45−7.43(d,2H),4.66−4.62(m,1H),3.35−3.26(m,2H),3.16(s,3H),2.4(s,3H),1.13−1.11(d,3H)。
【0076】
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの調製
【0077】
【化6】
【0078】
温度計、凝縮器、オーバオヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えたフラスコに、メチル−3,5−ジヒドロキシベンゾエート(1.0当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.46当量)及び水(10.5体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。温度を20℃±3℃に調節した。10重量/重量%の水酸化ナトリウムを加えて、pHをpH7.8±0.2に調節した。塩化ベンゾイル(1.0当量)を少量ずつ1−2時間かけて滴下により加え、そして水酸化ナトリウムを少量ずつ同じ時間をかけて同時に滴下により加えて、反応物を、pH7.8±0.2のpHの範囲に、そして20℃±3℃の反応温度を維持した。粗製の反応混合物を更に30分間撹拌し、濾過し、そして次いで水(4体積相当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.05当量)から調製した4体積相当量の溶液で洗浄し、そして10重量/重量%の水酸化ナトリウムでpH7.5に調節した。次いで粗製の固体を水(4体積相当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.05当量)から調製した4体積相当量の溶液で洗浄し、そして10重量/重量%の水酸化ナトリウムでpH6.5に調節した。次いで粗製の固体を酢酸イソ−プロピル(8体積相当量)及び水(2体積相当量)中に溶解し、そして混合物を少なくとも30分間撹拌して、固体が溶解したことを確実にした。混合物をCUNOTMフィルターを通して濾過して、少量の褐色の固体を除去した。水層を分離した。水(2体積相当量)を有機層に加え、そしてこのバッチを少なくとも30分間撹拌した。水層を分離し、そして有機層をバッチの温度を40℃より低く保ちながら真空蒸留して、体積を5−6体積相当量まで減少した。次いでトルエン(5体積相当量)を加え、そして混合物をバッチの温度を40℃に維持しながら真空蒸留して、体積を概略3.5体積相当量まで減少した。混合物を15℃±3℃に冷却し、そしてこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで濾過し、そして固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。生成物を20℃−40℃で乾燥して、所望の生成物を固体として得た(補正収率40−70%)。
1H NMR δ(400MHz;CDCl3):8.21−8.18(d,2H),7.67−7.63(t,1H),7.54−7.49(t,2H),7.44(d,2H),6.98−6.96(t,1H),6.7(bs,1H),3.90(s,3H)。
【0079】
別の方法として、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルは、以下の方法によって調製することができる:
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えたフラスコに、メチル−3,5−ジヒドロキシベンゾエート(1.0当量)、325メッシュの炭酸カリウム(3.0当量)及びジメチルホルムアミド(DMF)(4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を47℃で1時間加熱し、次いで塩化ベンゾイル(1.0当量)をシリンジポンプにより概略2時間かけて滴下によりゆっくりと加えた。更なる塩化ベンゾイル(0.1当量)を、シリンジポンプにより20分かけて加えた。反応混合物を1.5時間保持し、次いで水(10体積相当量)及び酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、そして次いで層を分離した。水層を酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)の更なる添加で再抽出した。バッチを分離し、そして混合した有機層を飽和食塩水(6体積相当量)で、次いで0,1Nの塩酸/食塩水の溶液で洗浄した。酢酸イソ−プロピルを回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)を加え、そして回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。トルエン(6体積相当量)を加え、そして回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。トルエン(3.5体積相当量)を加え、そして反応物を30分間スラリー化した。固体を濾過し、そして20℃−40℃で乾燥して、所望の生成物を、固体として得た(補正収率72%)。
【0080】
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの別の調製
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えた不活性化されたフラスコに、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルを入れ、そして10体積相当量の水中に懸濁した。懸濁液のpHを、2.5%の水酸化リチウム及び2.5%の炭酸カリウムの水溶液を使用して8.0に調節した。塩化ベンゾイル(1.0当量)の2体積相当量のトルエン中の溶液を、内部温度を20ないし22℃間に維持することができるような速さで加えた。溶液のpHを、2.5%の水酸化リチウム及び2.5%の炭酸カリウムの水溶液(概略5体積相当量)の同時添加によって7.9ないし8.1間に維持した。得られた懸濁液を20−22℃で更に60分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを二回水(それぞれ二体積相当量)で洗浄し、そして吸引乾燥した。次いで得られた粗製の生成物を酢酸イソプロピル(8体積相当量)中に溶解してから、珪藻土を加え、そしてスラリーを1時間撹拌した。次いで懸濁液の濾過後、生成物を、内部温度を45℃に、又はそれより低く維持しながら、真空蒸留によって、酢酸イソプロピルからトルエン(5体積相当量)に溶媒交換した。得られた懸濁液を15℃に冷却し、1時間撹拌し、次いで濾過した。フィルターケーキを1体積相当量のトルエンで洗浄した後、生成物を一定重量まで乾燥して、典型的には75−80%の収率の表題化合物を>98%純度で得た。
【0081】
4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0082】
【化7】
【0083】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、トリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)、塩化トシル(1.3当量)及びトルエン(5体積相当量)を、窒素雰囲気下で加え、そして反応混合物を油状のスラリーが形成するまで撹拌した。スラリーを−5℃に冷却し、次いで(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を30分かけて滴下により加えた。トルエン(2.5体積相当量)を管路洗浄として、続いてトリエチルアミン(1.5当量)を加え、これは、反応温度を<8℃に維持しながら30分かけて滴下漏斗により滴下により加えた。更なるトルエン(2.5体積当量)を管路洗浄として加え、そして反応混合物を−5℃ないし5℃に4.5時間保持した。N,N−ジメチル−1,3−プロパン−ジアミン(0.3当量)を10分かけて−5℃で加えた。反応混合物を−5℃ないし5℃で30分間撹拌し、次いで2Nの塩酸(0.55当量)及び70mlの水を加えた。反応混合物を22℃で30分間撹拌し、そして水層を分離し、そして廃棄した。混合物を更に二回水(それぞれの洗浄に10体積相当量)で洗浄し、次いでトルエン層を回転蒸発機で油状物まで蒸留した。トルエン(20体積相当量)を油状物に加え、そして溶液を油状物まで蒸発して、表題化合物を、乾燥した明るい褐色の油状物として得た。アッセイに対して補正された収率は93−97%。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.78−7.75(d,2H),7.45−7.43(d,2H),4.66−4.62(m,1H),3.35−3.26(m,2H),3.16(s,3H),2.4(s,3H),1.13−1.11(d,3H)。
【0084】
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0085】
【化8】
【0086】
フラスコに、塩化4−トリフルオロメチルスルホニル(1.3当量)及びトルエン(10体積相当量)を入れ、反応混合物を5℃に冷却し、次いで(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を5℃で加えた。トリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)を5℃で加え、次いでトリエチルアミン(1.5当量)を、反応温度を5−12℃間に維持しながら50分かけて滴下によりゆっくりと加えた。5℃で概略18時間保持した後、反応を5℃で数分かけた3−ジメチルアミノプロパン(0.3当量)の滴下による添加によってクエンチした。反応混合物を5℃で2時間撹拌し、次いで水(5体積相当量)を5℃で加え、次いで5Nの塩酸(2体積相当量)を−5℃でゆっくりと加えた。反応混合物を20℃に温め、水(1体積相当量)を、続いてトルエン(10体積相当量)を加えた。反応混合物を30℃に温め、次いで水層を分離し、そして廃棄した。水(5体積相当量)を加え、そして反応混合物を30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。8重量/重量%の炭酸ナトリウム(4体積相当量)を加え、反応混合物を30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。水(5体積相当量)を加え、バッチを30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。この水洗浄を二回繰り返した。有機層を回転蒸発機で油状物まで蒸発した。トルエンを加え、そして有機層を回転蒸発機で油状物まで蒸発した。この方法を繰返して、所望の生成物を、黄色の油状物として得た(補正収率97%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3)8.07−8.05(d,2H),7.82−7.80(d,2H),4.84−4.80(m,1H),3.44−3.35(m,1H),3.19(s,3H),1.35−1.33(d,3H)。
【0087】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0088】
【化9】
【0089】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、炭酸セシウム(1.5当量)及びジメチルスルホキシド(7.0体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。バッチを40−45℃に加熱した。4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル(1.3当量)を、反応温度を40−45℃に維持しながら少なくとも90分かけて滴下によりゆっくりと加えた。反応混合物を少なくとも8時間保持し、そして次いで15±4℃に冷却した。酢酸イソ−プロピル(4.0体積相当量)を、続いて水(5.0体積相当量)を反応温度を25℃より低く保ちながら加えた。反応混合物を概略15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。有機層を保持した。水層を更なる酢酸イソ−プロピル(3体積相当量)で再抽出した。反応混合物を概略15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。この方法を更なる酢酸イソプロピルと繰り返し、そして有機層を混合し、そして次いで水(3体積相当量)で洗浄した。概略15分の撹拌後、層を分離し、そして水(3体積相当量)を有機層に加えた。概略15分の撹拌後、層を分離し、そして有機層を、それ以上溶媒が留出しなくなるまで40℃で真空蒸留した。メタノール(7体積相当量)を加え、次いで硫酸(0.8当量)を加え、そして混合物を還流で、少なくとも16±4時間加熱した。反応混合物を2.5−3体積相当量のポット体積が達成されるまで40℃で真空蒸留した。トルエン(4体積相当量)をフラスコに加え、そして4.0体積相当量のポット体積が達成されるまで35℃で真空蒸留を続けた。混合物を20±5℃に冷却した。水(15体積相当量)を反応混合物に加え、そして混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌した。バッチを分離し、そして有機層を0−5℃に冷却してから、0.5Mの水酸化ナトリウム(1.0当量)を、バッチの温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。容器を15分間撹拌し、そして次いで分離した。水層を保持し、そして有機層を0.5Mの水酸化ナトリウム(1.0当量;バッチ温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた)で処理した。容器を15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。水層を混合し、そしてトルエン(3体積相当量)をバッチ温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。容器を15分間撹拌し、そして次いで分離した。水層を25±5℃に温め、そして33重量/重量%の水酸化ナトリウム(0.5当量)を加えた。2時間撹拌した後、37重量/重量%の塩酸(2.1当量)を加えて、pHをpH≦2に調節した。メチルtert−ブチルエーテル(3体積相当量)を加え、混合物を15分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層を保持した。水層をMTBE(3体積相当量)で再抽出し、そして混合した有機層を、概略3体積相当量のポット体積まで35℃で真空下で蒸留し、3体積相当量の留出物を収集した。トルエン(5体積相当量)を加え、そしてバッチ温度を50℃に調節した。水(1体積相当量)を加え、そしてバッチをこの温度で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層をフィルターを通して濾過し、次いで混合物が濁ってくるまで35℃で蒸留した。物質を20℃に冷却し、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸で種晶添加し、そしてこの温度で3時間撹拌した。次いで混合物を25℃の真空下で蒸留して更なるMTBEを除去し、そして次いで5℃で少なくとも2時間冷却した。混合物を濾過し、そして固体をトルエン(1体積相当量)で20℃で洗浄した。バッチを20℃で一定重量が得られるまで真空で又は窒素流下で乾燥した。乾燥した後、表題化合物を、固体として得た(補正収率は典型的には40−50%)。1H NMR δ(400MHz DMSO):12.82(bs,1H),9.74(bs,1H),6.95(bs,1H),6.91(bs,1H),6.56−6.55(t,1H),4.59−4.52(m,1H),3.5−3.41(m,2H),3.28(s,3H),1.21−1.19(d,3H)。
【0090】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の別の調製法
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、(R)−1−メトキシ−2−プロパノール(1.25当量)及びトリフェニルホスフィン(1.25当量)を、トルエン(10体積相当量)中に懸濁した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.25当量)を、約2時間かけて0ないし5℃間のバッチ温度で加えた。混合物を室温まで温まらせ、そしてこの温度で更に30分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過して、形成されたトリフェニルホスフィンオキシドの塊を除去し、そしてフィルターケーキをトルエン(1.5体積相当量)で洗浄した。得られた3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルを含有する混合したトルエン画分に、ナトリウムメチラート(0.8当量)を20ないし30℃間のバッチ温度で加え、そして混合物を1時間撹拌した。次いで得られた3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルを、0ないし5℃間のバッチ温度で0.25MのKOH(それぞれ3.5体積相当量)で二回抽出した。次いでKOH(1当量)を加えて、エステル部分を加水分解し、そしてバッチを20ないし30℃間の温度で1時間撹拌した。次いで水相のpHを、<30℃のバッチ温度で濃塩酸を使用して1.5に調節した。粗製の3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸を、その後MTBE(2×3体積相当量)で抽出してから、活性炭を加えた。バッチを10分間撹拌し、そして次いで濾過した。バッチを<45℃のバッチ温度における蒸留により3バッチ体積迄減少した。トルエン(4体積相当量)及びヘプタン(1体積相当量)を加え、そして更なるMTBEが収集されなくなるまで<50℃のバッチ温度で真空蒸留を続けた。バッチを<40℃の温度に冷却し、種晶添加し、そして更に28ないし32℃のバッチ温度に冷却した。得られた懸濁液をこの温度で1時間撹拌してから、5ないし10℃に更に冷却した。5ないし10℃で2時間撹拌した後、バッチを濾過し、そして冷トルエン(1体積相当量)で洗浄した。<60℃における乾燥により、>99%の純度の3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸を、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルから65ないし70%間の典型的な収率で95℃の融点を持つ無色の固体として得た。
【0091】
3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.21−8.17(d,2H),7.66−7.62(t,1H),7.54−7.49(m,4H),7.03−7.02(t,1H),4.64−4.60(m,1H),3.9(s,3H),3.61−3.49(m,2H),3.45(s,3H),1.35−1.33(d,3H)
13C NMRデータ(100.55MHz,CDCl3)δ 166.2,164.91,158.88,151.79,133.87,132.25,130.28,129.28,128.71,115.6,114.95,114.27,75.7,73.83,59.45,52.44,16.72。
【0092】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 6.93(s,1H),6.90(s,1H),6.57(bs,1H),4.55−4.51(m,1H),3.79(s,3H),3.47−3.41(m,2H),3.26(s,3H),1.18−1.17(d,3H)。
【0093】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(t−ブチルアミン塩)の調製
オーバーヘッド撹拌機を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)及びアセトニトリル(6体積相当量)を入れた。22℃でtert−ブチルアミン(1.0当量)を、続いてアセトニトリル(3体積相当量)を加えた。少なくとも5時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、そして真空オーブン中で乾燥して、表題化合物を、結晶質の白色の固体(73.6%)として得た。1H NMR(400MHz DMSO)δ:6.90(bs,1H),6.85(s,1H),6.30−6.29(t,1H),4.47−4.43(m,1H),3.47−3.35(m,2H),3.09(s,3H),1.22(s,9H),1.17−1.16(d,3H)。視差走査熱量計(DSC)による融点は、154.7℃であった。
【0094】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(カリウム塩)の調製
KOH液(50.4重量%の1.04当量)を、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1当量)の乾燥していない1−プロパノール(4.87体積相当量)中の撹拌され窒素置換された溶液に加えた。添加の終りに、水(0.33体積相当量)及びトルエン(3.43体積相当量)を、得られたスラリーに別個に加えた。加熱ジャケット温度を67℃に上げてから、次の:3時間かけて67℃から64℃へ、3時間かけて64℃から57℃へ、3時間かけて57℃から45℃へ、3時間かけて45℃から20℃への冷却プロフィルにかけた。この勾配の終了後6時間、加熱ジャケット温度を3時間かけて0℃に下げ、加熱ジャケットをホイルで被覆し、そして脱過飽和を一晩(>6時間)で完結させた。スラリーを11ミクロンの濾紙を通す濾過によって単離した。ケーキを、等重量の1−プロパノール中のトルエン(41.79重量%)の氷冷の溶液で二回連続して洗浄した。ケーキを40℃の自家用真空オーブンで乾燥して、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸カリウム塩を、三水和物として理論収率の93%の典型的収率で得た。
1H NMR(400MHz,d6−DMSO)9.05(1H,brs),6.86−6.83(2H,m),6.18(1H,dd,J=2.3,2.3),4.44(1H,qdd,6.2,5.1,5.1),3.48−3.33(8H,m),3.28(3H,s),1.18(3H,d,J=2.3)。
【0095】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の他の塩、例えばナトリウム、カルシウム又はマグネシウム塩は、適当な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムを使用して同様な方法で、或いは塩の交換によって、例えばカリウム塩のために酢酸カリウム又は2−エチルヘキサン酸カリウム(プロパン−2−オール中の)を使用し、又はカルシウム塩のためにビス(2−エチルヘキサン酸)カルシウムを使用することによって形成される。
【0096】
(3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルへの酵素的転換のための方法
温度計及び磁気撹拌機を備えたフラスコに、(3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル)(1.0当量)、及びtert−ブタノール(90体積相当量)を加え、続いて水(10体積相当量)又はpH7の緩衝液(10体積相当量)のいずれかを加えた。1重量相当の酵素(AE 01 Lipase C1又はAlphamerix AE−02)を加え、そして反応物を36℃で数日(7日のような)間、反応が完結するまで撹拌した。
【0097】
3−{[5−(アゼチジンー1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0098】
【化10】
【0099】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えた清浄な乾燥したフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸*(1.0当量)、炭酸カリウム(2.5当量)、ジメチルスルホキシド(3体積相当量)及び水(3体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。得られた混合物を45℃−55℃で少なくとも1時間加熱した。2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(1.05当量)をジメチルスルホキシド(5.0体積相当量)中に約40℃−50℃で溶解した。2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジンのDMSO中の溶液を、上記反応物に、反応温度を45℃−55℃に維持しながら1−4時間かけてシリンジポンプによって滴下により加えた。反応物を45℃−55℃で16時間撹拌した。浴を22±3℃に冷却した。水(8体積相当量)を、続いて酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加えた。内容物を22℃で15分間撹拌し、次いで層を分離した 水層を酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)で処理し、そして混合物を22±3℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、そして水層を再び酢酸イソ−プロピルで同じ方法で処理した。層を分離し、有機層を廃棄し、そして5Nの塩酸(約4.4当量)を、水層に、反応温度を22±3℃に維持しながらpH3−0−pH4.0のpHの終点まで少なくとも30分かけて滴下により加えた。次いで酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加え、そして混合物を75℃で加熱した。混合物をこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで温度を70℃に調節し、そして層を分離した。有機層を保持し、そして水層を酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)で処理し、そして混合物を75℃に加熱した。混合物をこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで温度を70℃に調節し、そして層を分離した。有機層を保持し、そして水層を廃棄した。以前の二回の分離からの混合した有機層を溶解のために還流で再加熱した。水(5体積相当量)を加え、そして混合物を70−75℃で少なくとも15分間撹拌した。バッチの温度を70℃に調節し、そして水層を分離し、そして廃棄した。この方法を毎回更なる5体積相当量の水で、二回繰り返した。有機層を4体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留するために設定した。酢酸イソ−プロピル(8体積相当量)を加え、そしてバッチを概略4体積相当量のポット体積まで蒸留するために設定した。バッチを2時間かけて22℃に冷却し、バッチを22℃で3時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、混合物を0℃で5時間保持し、次いで濾過し、そして固体を酢酸イソ−プロピル(20ml、4体積相当量)で洗浄した。50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体として得た(補正収率85−90%)。1H NMR δ(400MHz DMSO):8.66(s,1H),8.55(s,1H),7.36(s,1H),7.31(s,1H),7.16(s,1H),4.71−4.65(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.52−3.41(m,2H),3.29(s,3H),2.33−2.26(m,2H),1.24−1.19(d,3H)。
【0100】
*別の方法として、この酸の塩を、直接、又はこの塩を適当な方法、例えば:酸性化及び抽出、NaOHの添加、次いで蒸留、又はいずれもの当技術において既知の方法で分解することによるかのいずれかによって遊離酸に転換後この方法で使用することができる。
【0101】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
別法
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(5.00g、22.10mmol)及び塩化テトラn−ブチルホスホニウム(6.53g、22.1mmol)を、2−メチル−テトラヒドロフラン(25ml、安息香酸に対して5体積相当量)中に懸濁し、そして22mLの水を周囲温度の窒素下で加えた。固体の炭酸カリウム(27.98g、202.4mmol)を、激しく機械的に撹拌しながら分割して入れた。添加の終りに、KOH液(2.46g、水中の50重量/重量%、22.1mmol)を加えてから、二相性のスラリーを50℃に加熱した。温度が安定した後、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(4.586g、23.21mmol)を、40分かけて分割して入れ、そして混合物を一晩窒素下の50℃で撹拌した。相を分離し、そして下部の水層を流出した。25mlのトルエン及び50mLの水を残った暗赤色の有機相に加えた。次いで水相のpHを濃塩酸を使用して7.0に調節した。加熱ジャケットの温度を20℃に調節し、そして再び相を分離した(下部の水相を流出し、そして保持し;上部有機相を廃棄した)。水相を更なるトルエン(25mL)で洗浄した。相の分離後、トルエン相を再び除去した。保持した水相のpHを5Mの塩酸溶液(7.1mL)を使用して2.1に調節した。酢酸イソプロピル(34.9g)を入れ、そして加熱ジャケットの温度を80℃に上げた。80℃に設定した加熱ジャケット温度で平衡させた。相の分離後、下部の水相を再び流出し、そして更なる酢酸イソプロピル(17.4g)で逆抽出した。有機相を混合し、そして80℃で均質化してから、水(10mL)で洗浄した。有機相を僅かな真空下で共沸蒸留によって一定のバッチ体積で乾燥した(バッチは部分的に結晶した)。懸濁液を13.5時間かけて0℃に冷却し、そしてバッチを濾過によって単離し、続いて酢酸イソプロピル(17.4g)でケーキを洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、5.25gの濃度96%(59%補正収率)の所望の生成物を、白色の固体として得た。
【0102】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
A
【0103】
【化11】
【0104】
オーバーヘッド撹拌機、温度計、凝縮器、及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.12当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(4.4体積相当量)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を5℃に冷却し、そして次いでN−メチルモルホリン(5.0当量)を、温度を5±5℃に維持しながら少なくとも15分かけて滴下により加えた。1−プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)(酢酸エチル中の50重量/重量%の溶液として)(2.5当量)を、温度を5±5℃に維持しながら少なくとも15分かけて滴下により加えた。混合物を還流で少なくとも16時間加熱し、次いで22±5℃に冷却した。水(4.0体積相当量)を、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積当量)を反応混合物に加えた。30分間撹拌した後、混合物を分離した。上部の有機相を保持し、そして水層を2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)で処理した。30分間撹拌した後、この混合物を分離した。有機層を混合し、そして次いで更なる2−メチルテトラヒドロフラン(6.0体積相当量)を加えた。混合物を撹拌し、そして1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、そして次いで層を分離した。有機層を1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)で処理し、次いで混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで層を分離した。有機層を5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム(4.0体積相当量)で処理した。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、層を分離した。有機層を再び5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム(4.0体積相当量)で同じ方法で、そして次いで水(4.0体積相当量)で同じ方法で処理した。次いで有機層を4.7体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。メチルイソ−ブチルケトン(10体積相当量)を加え、そしてバッチを4.68体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。メチルイソ−ブチルケトン(10体積相当量)を加え、そしてバッチを4.68体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。バッチを70℃に冷却し、ヘプタン(2.02体積相当量)を、反応温度を70±5℃に維持しながら少なくとも30分かけて滴下によりゆっくりと加えた。混合物を60℃に冷却し、そしてフォーム1の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドで種晶添加し、60℃で1時間撹拌し、0.1℃で50℃に冷却し、50℃で140分間撹拌し、次いで0.1℃/分で22℃に冷却した。混合物を22℃で少なくとも12時間保持した。次いでヘプタン(5.06体積相当量)を、バッチ温度を22±5℃に維持しながら少なくとも120分間かけて滴下により加えた。混合物を0.1℃/分で0℃に冷却し、次いで0℃で少なくとも12時間保持し、そして次いで濾過した。単離した固体を、メチルイソ−ブチルケトン(1.0体積相当量)及びヘプタン(3.0体積相当量)の0℃に予備冷却した混合物で洗浄した。固体を40℃で乾燥した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た(補正収率85%。1H NMR δ(400MHz DMSO)11.04(s,1H),9.26(s,1H),8.68(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),7.56(s,1H),7.46(s,1H),7.12(s,1H),4.81−4.77(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.55−3.47(m,2H),3.3(s,3H),2.48(s.3H),2.34−2.26(m,2H),1.26−1.25(d,3H)。
【0105】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
B
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、(1.00mol当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.12mol当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(2.00相対体積)を容器に入れ、そして20℃で撹拌した。N−メチルモルホリン(5.00mol当量)を加え、続いて2−メチル−テトラヒドロフラン(0.5相対体積)で管路洗浄した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)の2−メチルテトラヒドロフラン中の50重量%溶液(1.70mol当量)を入れ、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(0.50相対体積)で管路洗浄した。得られた混合物を30分かけて78℃に加熱し、そして透明な黄色の溶液を78℃で概略22時間保持し、次いで転換が受容可能であるかを試験した。反応の終りに、溶液を更に2−メチルテトラヒドロフラン(7.00相対体積)で希釈し、そして温度を45℃に調節した。5重量%の重炭酸ナトリウム水溶液(6.00相対体積)を、撹拌された溶液に30分かけてゆっくりと加え、ガスの放出を起こした。15分後撹拌を停止し、そして30分かけて相を分離させた。下部の水層をドレインした。20重量%のリン酸水溶液(3.30相対体積)を撹拌された有機相に入れた。15分間撹拌した後、相を分離させ、そして下部の水層を再びドレインした。20重量%のリン酸水溶液(1.50相対体積)及び水(1.50相対体積)の混合物を撹拌された有機相に入れた。15分後、撹拌を停止し、そして混合物を一晩相の分離のために保持した。下部(水性)相を再びドレインした。5重量%の重炭酸ナトリウム水溶液(4.50相対体積)を、少なくとも10分かけて撹拌した溶液に加えた。相の分離後、下部(水性)相を再び流出した。得られた溶液を、概略241mg/gの濃度まで共沸蒸留によって乾燥し、概略0.48相対体積の下部流出相を収集した。ヘプタン(1.60相対体積)を、乾燥した溶液に50℃より上で10分かけて加えてから、バッチを40℃に冷却した。溶液に3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム1の種晶、0.0010相対重量)を種晶添加してから、一晩の温度プログラム:40℃で2時間保持;0.1℃/分で35℃に冷却(50分);2時間保持;0.1℃/分で30℃に冷却(50分);2時間保持;0.1℃/分で0℃に冷却(300分);及び少なくとも2時間保持;を適用した。一晩の結晶化後、更なるヘプタン(4.1相対体積)を2.0時間かけて加えて、液への損失を<4.0mg/mLに減少した。次いで懸濁液を濾過し、続いてヘプタン(2.10相対体積)及び2−メチルテトラヒドロフラン(0.90相対体積)の予備混合した溶液で管路洗浄し、そして濾過装置に移した。フィルターケーキを一定重量まで40℃で乾燥して、粗製の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドを、理論の86−89%でフォームIとして得た。
【0106】
2−メチルテトラヒドロフラン/イソヘキサンからの3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム4として)の結晶化のための方法
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドの2−メチルテトラヒドロフラン中の溶液を窒素雰囲気下で入れた。溶液を7体積相当量のポット体積が得られるまで常圧で蒸留した。イソ−ヘキサン(3体積相当量)を70℃で加え、次いで1時間で50℃に冷却した。混合物に3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム1)(5重量/重量%)を種晶添加した。混合物を0.1℃/分で0℃に冷却し、そして0℃で少なくとも48時間撹拌したままにした。混合物を濾過し、そして乾燥し、そして22℃で静置して乾燥したままにして、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。単離された固体の収量は、フォーム4として68%であった。
【0107】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
【0108】
【化12】
【0109】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(1.0当量)及びブチロニトリル(5.4体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。バッチを50℃に加熱し、そしてもう一つのフラスコに濾過した。混合物を45℃に冷却し、そして次いで3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド)(フォーム6)(0.075重量/重量%)を種晶添加した。混合物を45℃で3時間保持し、次いで0.1℃/分で15℃に冷却し、そして15℃で少なくとも24時間保持し、次いで濾過した。固体を15℃に予備冷却したブチロニトリル(2体積相当量)で洗浄した。固体を、溶媒のレベルが<0.5重量/重量%になるまで40℃で乾燥した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、表題化合物を固体(補正収率85%)として得た。
【0110】
5−クロロピラジン−2−カルボン酸の調製
【0111】
【化13】
【0112】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸メチル(1.0当量)及びテトラヒドロフラン(4.92体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。反応混合物を全ての固体が溶解するまで撹拌し、次いで第2のフラスコ中に濾過した。水(8.65体積相当量)を反応混合物に加え、そして混合物を概略15分間撹拌した。炭酸カリウム(2.1当量)を反応混合物に加え、そして混合物を16時間20−25℃で撹拌した。次いで32重量/重量%の塩酸(3.76当量)を、pH2.2のpHの終点まで、20−25℃の反応温度を保ちながら少量ずつ3時間かけて加えた。得られたスラリーを概略35−40℃に加熱し、そして次いで真空下でこの温度で、概略5.3体積相当量を留出して、概略9.3体積相当量の最終体積まで蒸留した。次いで混合物を少なくとも2時間かけて20−25℃に冷却し、この温度で10時間撹拌し、そして次いで濾過した。固体を水(2.8体積相当量)で洗浄し、そして製造された湿った生成物を35℃の真空オーブン中で乾燥した。所望の生成物を、固体として得た(補正収率91%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.20(1H,bs),8.72(1H,s),9.21−9.21(1H,m);m/z 157(M−H)+。
【0113】
2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン
【0114】
【化14】
【0115】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、DMF(0.069当量)及びトルエン(5.52体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を60−65℃に加熱し、そして塩化チオニル(1.5当量)を概略2時間かけてバッチに滴下により加えた。塩化チオニルをトルエン(0.2体積相当量)でフラスコ中に洗浄した。反応混合物を60−65℃に少なくとも4時間加熱し、次いで40−45℃に冷却し、そして真空下で蒸留して、概略4.5体積相当量の留出物を除去し、そして3.2体積相当量の最終体積まで蒸留した。トルエン(10.6体積相当量)を加え、そして混合物を真空下で40−45℃で蒸留して、概略9.1体積相当量の留出物を除去し、そして4.7体積相当量の最終体積まで蒸留した。次いで混合物を20−25℃に冷却し、そしてジクロロメタン(10.6体積相当量)を加えた。混合物を0−5℃に冷却した。一方、オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えた第2のフラスコに、アゼチジン塩酸塩(0.284当量)、ジクロロメタン(5.2体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。トリエチルアミン(2.57当量)を、20−25℃の反応温度を維持しながら少なくとも15分かけて加え、トリエチルアミンをジクロロメタン(0.13体積相当量)でフラスコ中に洗浄し、そして混合物を−5℃ないし−10℃に冷却した。第1のフラスコ中の酸塩化物の溶液を、第2のフラスコに2−5時間の時間をかけて−5℃ないし−10℃の反応温度を維持しながら分割して加えた。pHを試験し、そして酸塩化物の添加後、pH>7に調節した。反応混合物を−5℃ないし−10℃で少なくとも30分間撹拌した。水(10.6体積相当量)を第2のフラスコに加え、そして温度を20−25℃に増加させた。混合物を概略25分間撹拌し、そして次いで層を分離した。塩酸の3.17重量/重量%の溶液(1.46当量)(32重量/重量%の塩酸及び水から調製)を、バッチ温度を20−25℃に保ちながら有機層Bに加えた。混合物をこの温度で30分間撹拌した。層を分離し、そして有機相を26重量/重量%の塩化ナトリウム溶液(概略8.9体積相当量)で処理し、そしてバッチを20−25℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、そして有機層を還流で加熱し、そしてジクロロメタンを常圧蒸留によって除去し、概略1−2体積相当量の最終体積まで蒸留し、概略11.9体積相当量の留出物を収集した。得られた混合物を20−25℃に冷却し、そしてヘプタン(10.5体積相当量)を加えた。混合物を還流で60分間加熱し、そして次いで90−100℃に冷却した。熱溶液を10重量/重量%の活性炭を含有するフィルターを通して清浄な乾燥した容器中に濾過した。フィルターをヘプタン(0.43体積相当量)で洗浄し、そして溶液を少なくとも2時間かけて20−25℃に冷却した。得られた結晶化したスラリーを濾過し、そして固体をペンタン(0.94体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た(補正収率65−78%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3):2.35−2.42(2H,m),4.26(2H,t),4.67(2H,t),8.52(1H,d),9.09(1H,d);m/z 198(M+H)+。
【0116】
(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【0117】
【化15】
【0118】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−メチルピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、tert−ブタノール(3.5体積相当量)及びジ−イソプロピルエチルアミン(1.5当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を82℃に加熱し、次いでジフェニルホスホリルアジド(1.0当量)を、反応混合物の温度を概略82℃に維持しながら5−14時間の時間をかけて加えた。反応混合物を少なくとも1.5時間撹拌し、そして次いで概略60℃に冷却した。4重量/重量%の水酸化ナトリウム(1.75当量)の溶液を2時間かけて加えた。混合物を少なくとも5時間かけて15℃に冷却し、次いで15℃で3時間保持した。次いでバッチを濾過し、そして固体のスラリーを水(2体積相当量)で洗浄した。バッチを再び水(2体積相当量)でスラリー洗浄した。55−60℃で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体(補正収率56−63%)として得た。1H NMR δ(400MHz CDCl3):9.18(s,1H),8.17(bs,1H),8.11(s,1H),2.51(s,3H),1.56(s,9H)。
【0119】
5−メチルピラジン−2−アミン
【0120】
【化16】
【0121】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(1.0当量)、及び水(6.85体積相当量)を入れた。混合物を70℃に加熱し、そしてトリフルオロ酢酸(TFA)(1.2当量)を、90−120分かけてゆっくりと滴下により加えた。水(0.22体積相当量)を加えて、TFAをフラスコ中に洗浄した。反応混合物を65−75℃で少なくとも30分間加熱し、そして次いで15−25℃に冷却した。次いで32%の水酸化ナトリウム(1.30当量)を、反応温度を15−40℃間に維持しながら30−60分かけて滴下により加えた。水(0.22体積相当量)を加えて、水酸化ナトリウムをフラスコ中に洗浄した。酢酸n−プロピル(7.0体積相当量)を加え、そして混合物を20℃で45分間撹拌した。層を分離し、有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。酢酸n−プロピル(7.0体積相当量)を加え、そして混合物を20℃で45分間撹拌した。層を分離し、有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。この方法を二回繰り返した。混合した有機層をシリカ(20重量/重量%)を含有するフィルターを通して清浄な乾燥したフラスコ中に濾過した。混合物を40℃に加熱し、そして次いで1.0−1.33体積相当量の最終体積まで真空蒸留した。トルエン(3.0体積相当量)を加え、そして真空蒸留を40℃で1.0−1.33体積相当量の最終体積まで続けた。この方法を二回繰り返した。得られた混合物を5℃に冷却し、そして1時間この温度で撹拌し、次いで濾過し、0−5℃でトルエン(0.3体積相当量)で洗浄した。バッチを0−5℃でトルエン(1.0体積相当量)でスラリーとして洗浄した。45℃で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(典型的には75%の補正収率)として得た。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.92(s,1H),7.87(s,1H),4.6(bs,2H),2.40(s,3H)。
【0122】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルの調製
【0123】
【化17】
【0124】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(1.05当量)、炭酸セシウム(1.5当量)及びジメチルスルホキシド(10体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。フラスコの内容物を45℃で1.5時間加熱し、次いで22℃に冷却した。酢酸エチル(6体積相当量)及び水(6体積相当量)をフラスコに加え、混合物を15分間撹拌し、次いで層を分離した。水(3体積相当量)を有機層に加え、バッチを15分間撹拌し、次いで層を分離した。この方法を、水(3体積相当量)、次いで飽和食塩水(6体積相当量)、次いで水(6体積相当量)で繰返した。有機層を回転蒸発機で蒸発して、表題化合物を、油状物(93%のアッセイに対して補正された収率)として得た。1H NMR δ(400MHz)DMSO:8.62(s,1H),8.50(s,1H),7.34(s,1H),7.30(s,1H),7.17(s,1H),4.68−4.64(m,1H),4.54−4.49(t,2H),4.07−4.03(t,2H),3.81(s,3H),3.49−3.41(m,2H),3.25(s,3H),2.29−2.22(m,2H),1.20−1.18(d,3H)。
【0125】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
【0126】
【化18】
【0127】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、及びアセトニトリル(10体積相当量)を、続いてピリジン(3当量)を窒素雰囲気下で入れた。塩化チオニル(1.2当量)をアセトニトリル(0.225体積相当量)中の溶液として、少なくとも2時間かけてシリンジポンプで滴下によりゆっくりと加えた。5−メチルピラジン−2−アミン(1.2当量)を固体として混合物に加えた。2.5時間後、反応をトルエン(10体積相当量)及び1.0Mの炭酸ナトリウム溶液(2.5当量)を加えることによってクエンチした。層を分離した。有機層をフラスコ中に保持し、次いで1.0Mの塩酸(1.94当量)を加えた。混合物を15分間撹拌し、次いで分離した。有機層を水(5体積相当量)の二つのアリコートで洗浄し、次いで溶媒を回転蒸発機で除去した。トルエン(5体積相当量)を残渣に加え、そして45℃に温めた。イソヘキサン(1.7体積相当量)を加え、混合物に種晶添加し、そして一晩で周囲温度まで冷却させた。混合物を0℃に4時間で冷却し、そして次いで−10℃に3時間で冷却した。固体を濾過によって単離し、次いでイソ−ヘキサン(2.5体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率85%)として得た。
【0128】
2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン
【0129】
【化19】
【0130】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、塩化テトラブチルアンモニウム(0.011当量)及びトルエン(4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を70−75℃に加熱し、そして塩化チオニル(1.35当量)を、概略1時間かけて滴下により加えた。塩化チオニルをトルエン(1体積相当量)でフラスコ中に洗浄した。混合物を少なくとも4時間70−75℃で加熱し、次いで50±5℃に冷却した。トルエン(5.3体積相当量)を加え、そして混合物を50±5℃(100ミリバール)で真空蒸留して、概略5.3体積相当量の留出物を除去し、そして5体積相当量の最終体積まで蒸留した。この方法を繰返した。次いで得られた混合物を20−25℃に冷却した。トルエン(8.93体積相当量)を加え、そしてバッチを50±5℃で撹拌して、酸塩化物の溶液を得た。
【0131】
一方、第2のフラスコに、アゼチジン塩酸塩(1.05当量)、トルエン(6.07体積相当量)、及び炭酸カリウム(1.24当量)の水(6.07体積相当量)中の溶液を入れた。得られた混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。水層をフラスコに戻し、そしてトルエン(6.07体積相当量)を加えた。混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。水層をフラスコに戻し、そして炭酸カリウム(1.24当量)及びトルエン(6.07体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間撹拌した 第1のフラスコ中の酸塩化物の溶液を第2のフラスコ中の混合物に、少なくとも20−60分の時間をかけて反応温度を20±5℃に維持しながら分割して加えた。反応混合物を少なくとも30分間20±5℃で撹拌し、そして次いで濾過し、フィルターをトルエン(0.17体積相当量)で洗浄し、そして次いで層を分離した。下部の水層を分離し、そして廃棄した。水(6.07体積相当量)を第2のフラスコに加え、そして混合物を20±5℃で概略15分間撹拌し、そして次いで分離させた。下部の水層を分離し、そして廃棄した。5重量/重量%の塩酸(1.5当量)(32重量/重量%の塩酸及び水から調製 を、バッチ温度を20±5℃に保ちながら有機層に加えた。混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いで層を分離し、そして下部の水層を廃棄した。25重量/重量%の塩化ナトリウム溶液(概略6体積相当量)を有機層に加え、そして混合物を20−25℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、水層を廃棄した。有機層を50±5℃に加熱し、そして4.5体積相当量の最終体積まで真空蒸留し、15.2体積相当量の留出物を収集した。活性炭(11重量/重量%)及びヘプタン(12.8体積相当量)を加え、そして混合物を90−100℃で少なくとも1時間撹拌した。混合物を、反応温度を70℃より高く保ちながら、清浄な乾燥した容器中に濾過した。ヘプタン(1.16体積相当量)を、混合物をフィルターに洗浄するために使用した。混合物を55−60℃に冷却し、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジンを種晶添加し、そして15−20℃に少なくとも3時間かけて冷却した。結晶したスラリーを濾過し、そして固体を140−155石油エーテル(1.45体積相当量)で洗浄した。固体を140−155石油エーテル(1.45体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た 補正収率65−78%)。
【0132】
(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸ベンジル
【0133】
【化20】
【0134】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−メチルピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、トルエン(2.5体積相当量)及びジ−イソプロピルエチルアミン(1.50当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を50℃のバッチ温度で真空蒸留して、2体積相当量の最終体積まで蒸留した。バッチを試料採取して、水含有率が<0.1重量/重量%であることを確実にし、次いで15±2℃に冷却し、そしてジフェニルホスホリルアジド(1.00当量)を、反応混合物の温度を15±2℃に維持しながら5−6時間の時間をかけて加えた。混合物を更に1.5時間撹拌した。一方、第2のフラスコに、ベンジルアルコール(3.00当量)及びトルエン(11体積相当量)を入れた。混合物を10体積相当量の体積まで共沸的に乾燥した。第2のフラスコの内容物を試料採取して、水含有率が<0.1重量/重量%であることを確実にし、次いで85−90℃に加熱した。第1のフラスコの内容物を、反応温度を概略85℃に維持しながら概略2時間かけて第2のフラスコの内容物にゆっくりと加えた。反応混合物を1時間85℃で撹拌し、次いで20℃に冷却した。5重量/重量%の水酸化ナトリウム溶液(1.75当量)を1時間かけてゆっくりと加え、混合物を5℃に冷却し、5℃で1時間撹拌し、次いで濾過した。単離した固体を水(2体積相当量)及びメタノール(2体積相当量)で連続して洗浄した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率78−85%)として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):9.41 bs(1H),9.24 s(1H),7.87 s(1H),7.39−7.41 m(5H),5.22 s(2H),2.31 s(3H)。
【0135】
5−メチルピラジン−2−アミン
【0136】
【化21】
【0137】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸ベンジル(1.0当量)、炭素上のパラジウム触媒E196(乾燥基準で3重量/重量%パラジウム))、水酸化ナトリウム(0.01当量)−及びメタノール(5体積相当量)を、窒素の詰物下で入れた。反応物を窒素下で加圧し、そして放出することによって脱ガスし、次いで水素を常圧まで入れ、そして反応物を20±5℃で少なくとも3時間撹拌した。活性炭(Norit SX Ultra)(原料の5重量%)をフラスコに加え、混合物を少なくとも30分間20±5℃で撹拌し、次いで0.45ミクロンのフィルターを通して濾過した。フィルターをメタノール(1体積相当量)で洗浄し、次いで母液を6%酸素/94%窒素の雰囲気下の15℃で24時間まで撹拌させ(別の方法として1%酸素/99%窒素の雰囲気を使用した)、次いで0.45ミクロンのフィルターを通して再度濾過した。母液を1.5体積相当量の最終体積まで45℃で真空蒸留した。トルエン(1.5体積相当量)を加え、そして混合物を1.5体積相当量の最終体積まで45℃で真空蒸留した。この方法を更なるトルエン(0.5体積相当量)で繰返し、次いで得られた混合物を5℃に冷却し、そして濾過した。固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率65−78%)として得た。
【0138】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
A
【0139】
【化22】
【0140】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(1当量)及びメチルイソブチルケトン(6.7体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。バッチを60℃に加熱し、そしてもう一つのフラスコ中に濾過した。混合物を45℃に冷却し、そして次いで3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6)(0.075重量/重量%)を種晶添加した。混合物を45℃で6時間保持し、次いで段階的冷却プロフィルにかけた。混合物を40℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで35℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで30℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで20℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで10℃に冷却し、そして3時間保持した。次いで混合物にn−ヘプタンを、混合物を10℃に維持しながら2時間の時間をかけてゆっくりと加え、添加後、混合物を更に1時間10℃で保持した。次いで混合物を0℃に冷却し、そして6時間保持してから、濾過した。固体を、0℃に予備冷却したメチルイソブチルケトン/n−ヘプタン混合物(9/1体積比)(2体積相当量)で洗浄した。固体を溶媒のレベルが<0.5重量/重量%になるまで40℃で乾燥した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、表題化合物を、固体(補正収率85%)として得た。
【0141】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
B
粗製の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドを、6.7相対体積のメチルイソブチルケトン(MIBK)中に懸濁した。混合物を70℃に加熱して、固体を溶解した。固体が溶解した後、混合物を濾過して、Puresエンベロープを発生した。次いで溶液を45℃に冷却し、フォームVIの3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド)で種晶添加し、そして45℃で4時間保持した。次いで混合物を段階的冷却プロフィルを使用して冷却した(40℃に冷却し、そして4時間保持し、35℃に冷却し、そして6時間保持し、30℃に冷却し、そして6時間保持し、20℃に冷却し、そして3時間保持し、10℃に冷却し、そして3時間保持し、そして0℃に冷却し、そして3時間保持する)。次いで混合物を多くの温度サイクルにかけて、結晶の塊を細分化した。混合物を0℃から0.5℃/分で30℃に加熱し、そして30℃で2時間保持し、そして次いで0.1℃/分で0℃に冷却し戻し、そして3時間保持した。この温度サイクルを更に三回繰り返した。所望の物理的形態の形成を確認するための工程制御の後、混合物を濾過し、そして50/50容積/容積のMIBK/n−ヘプタンで洗浄した。固体を60℃の真空下で一定重量が得られるまで乾燥した。収率=75−82%。洗浄は、更により高い又は低いMIBKの相対量を含有するn−ヘプタン及びMIBKの混合物で行うこともできる。
【0142】
フォーム1及び4のスラリーからのフォーム6の形成
フォーム1及び4の概略1:1の混合物(合計30mg)を、50−300μlのIPA中でスラリー化し、そして多くの日数上昇した温度に保持した。フォーム6への実質的に完全な転換(XRPDによって確認)が、以下のとおりに得られた:
35℃:8日間
40℃:11日間(転換は完全ではなかった、しかし試料は全ての時間湿ったままではなく、そして11日中の3日間室温であった)
45℃:11日間(この時点以前には試験されなかった)
50℃:11日間(この時点以前には試験されなかった)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書中で以下の式(I)で例示される3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(“化合物”)の新規な結晶形態に関し、この化合物は、グルコキナーゼ(GLK又はGK)の活性化物質であり、そして例えば、糖尿病及び/又は肥満症の治療における医薬化合物として有用である。本発明は、更にこの結晶形態の製造のための方法、結晶形態を含んでなる医薬組成物及び医学的治療における結晶形態の使用に関する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
本出願人等の国際特許出願WO2007/007041は、この化合物の三つの結晶形態を開示している。第1に、フォーム1は、tert−ブチルメチルエーテルから結晶化され、そして110.3℃の溶融開始温度を有することが見いだされた。第2に、フォーム2は、メタノール及び水中のフォーム1のスラリーから製造され、そして110.2℃の溶融開始温度を有していた。これは、更に酢酸エチル及びメチルイソブチルケトンから室温で結晶化することによって形成することができる。これらの二つの形態は、同様な融点のデータを持つが、異なったX線粉末回折パターンを有することが見いだされた。水和物である第3の結晶の形態のフォーム3は、更に水中の化合物のスラリーを撹拌することによる結晶化の産物として開示された。この形態は、水の存在中で最も安定しているように見受けられる。全てのこれらの三つの形態のXRPDパターンは、それぞれ図2−4中に見ることができる。
【0004】
その後、第4及び第5の結晶の形態が見いだされた。フォーム4は、4℃の酢酸エチル、メチルエチルケトン及びエタノール、並びに室温(RT)におけるメチルエチルケトン及びエタノールの中の幾つかのスラリーの実験において、そして室温のメチルエチルケトン中の結晶化で観察されている。
【0005】
フォーム5は、水和物のフォーム3が脱水された時に得られる形態である。フォーム5の再水和は、フォーム3をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願WO2007/07041。
【発明の概要】
【0007】
本出願人等は、いまや、驚くべきことに、そして予期せずに、イソプロピルアルコール(IPA)から、もう一つの、更に安定した結晶形態で、この化合物を調製することができることを発見した。この形態は、本明細書中で、(式(I)の)化合物の“フォーム6”と呼ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、フォーム6のXRPDパターンである。
【図2】図2は、フォーム1のXRPDパターンである。
【図3】図3は、フォーム2のXRPDパターンである。
【図4】図4は、フォーム3のXRPDパターンである。
【図5】図5は、フォーム4のXRPDパターンである。
【図6】図6は、フォーム5のXRPDパターンである。
【図7】図7は、フォーム1のラマンスペクトルである。
【図8】図8は、フォーム2のラマンスペクトルである。
【図9】図9は、フォーム3のラマンスペクトルである。
【図10】図10は、フォーム4のラマンスペクトルである。
【図11】図11は、フォーム5のラマンスペクトルである。
【図12】図12は、フォーム6のラマンスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によれば、化合物の結晶質のフォーム6が提供される。
【0010】
本発明のもう一つの側面において、11.8及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0011】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、6.4、5.9及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0012】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、6.4、5.9、5.7及び3.75のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0013】
本発明のもう一つの側面において、11.8、10.5、8.2、6.4、5.9、5.7、5.2、3.75及び3.44のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0014】
本発明によれば、2−シータ角(2θ)=7.5及び15.5°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0015】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、13.9、15.0及び15.5°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0016】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、13.9、15.0、15.5及び23.7°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0017】
本発明のもう一つの側面において、2−シータ角(2θ)=7.5、8.4、10.8、13.9、15.0、15.5、16.9、23.7及び25.9°においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0018】
本発明の更なる側面において、実質的に図1に示すようなX線粉末回折パターンを有する化合物のフォーム6の結晶形態が提供される。
【0019】
本発明によって得られるフォーム6は、実質的に化合物の他の結晶及び非結晶の形態を含まない。用語“実質的に他の結晶及び非結晶の形態を含まない”は、所望の結晶の形態が、50%より少ない、好ましくは20%より少ない、更に好ましくは10%より少ない、更に好ましくは5%より少ない、いずれもの他の形態の化合物を含有することを意味すると理解されるべきである。
【0020】
X線粉末回折(本明細書中でXRPD又はXRDと呼ばれる)パターンは、試料を、単一のシリコン結晶のバックグラウンドゼロの保持器上に設置し、そして試料を薄層に広げることによって決定した。VÅNTEC−1検出器を持つBruker D8 Advanceシータ−2シータ回折計を使用し、試料をスピンし(計数統計を改良するため)、そして30kV及び50mAで操作される銅電子管によって発生されるX線で照射した。自動可変発散スリットを使用した。
【0021】
これにおけるX線粉末回折(XRPD)パターンは、ブラッグ・ブレンターノ幾何配置で得た。
【0022】
X線回折分析は、例えば、Kitaigorodsky,A.I.(1973),Molecular Crystals and Molecules,Academic Press,New York;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;又は Klug,H.P.& Alexander,L.E.(1974),X−ray Diffraction Procedures,John Wiley & Sons,New York中に見出すことができる標準的な方法によって行った。X線粉末回折データは、コランダムを内部参照として使用することによって補正し、そして可変スリットで測定した。
【0023】
フォーム6の典型的な試料のX線回折パターンを、本明細書中で後出の図1に示す。
【0024】
X線粉末回折パターンの2シータ値が、機械によって、そして更に試料調製の変化及びバッチによる変化によって僅かに変化することができ、そして従って引用された値は、絶対値として解釈されないことは理解されるものである。ピークの相対的強度が、配向効果によって変化することができ、従って本明細書中に含まれるXRDによる追跡に示された強度が、例示的であり、そして絶対値の比較のために使用されることを意図していないことも更に理解されるものである。
【0025】
フォーム6は、更に視差走査熱量測定法(DSC)のような当技術において既知の他の分析技術によって特徴づけすることもでき、これは、111℃のフォーム6の融点を与える。
【0026】
フォーム1ないし6は、更にラマンスペクトル法によっても分析することができる。それぞれの多形のラマンスペクトルを、図7ないし12に示す。異なった形態間の特異的なピークの波長の偏移は小さく、従って形態間を区別するために、幾つかのピークの相互関係及び全体的なスペクトル信号に考慮をはらわなければならない。ラマンスペクトルは、Perkin−Elmer Spectrum GX Near−IR FT−Raman分光計を使用して、標準的な方法によって測定した。レーザー電力を500mWに、そして解像度を4cm−1に設定した。波長補正の精度は、±1cm−1であった。物質をNMR試験管に充填し、そして試料保持器に置き、測定中試験管を回転して、試料の加熱を回避した。スペクトルは、装置の応答に対して補正されなかった。
【0027】
フォーム6は、フォーム1及び4の概略1:1の混合物のような混合物を、イソプロピルアルコール(IPA)中で上昇した温度で長期間スラリー化することによって製造することができる。適当には、スラリーは、35−50℃で8−15日間維持される。フォーム6への転換を達成するために、より高い温度及びより短い時間を要することは認識されるものであり;従ってフォーム6は、35℃以下で、更に長時間後に得ることができる。適当には、スラリーの濃度は、50−300μlのIPA中の概略30mgのフォーム1及び4の混合物としての化合物である。
【0028】
フォーム6は、更に少量のフォーム6で種晶添加することによって、多くの溶媒中の式(I)の化合物の溶液から製造することもできる。適当には、溶液は、例えば、ブチロニトリル、所望によりヘプタンと混合されていてもよい2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸n−ブチル、アセトニトリル、ヘプタンと所望により混合されていてもよいメチルイソブチルケトン、酢酸エチル又はイソプロパノール中に溶解された式(I)の化合物のフォーム1から製造される。特に、ブチロニトリル及び所望によりヘプタンと混合されていてもよいメチルイソブチルケトンが適している。別の方法として、酢酸エチル又はイソプロパノールを溶媒として使用することができる。種晶添加は、正確な温度は、使用される溶媒の物理特性に依存することができることは認識されるものであるが、一般的に上昇した温度、例えば45℃で行われる。フォーム6を、フォーム1以外の形態の溶液から、上記と同様な種晶添加法によって得ることが可能であり得ることは認識されるものである。
【0029】
例えば、フォーム6は、45℃のブチロニトリル中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度を例えば3時間保ち、15℃にゆっくりと冷却し、そして次いでこの温度で混合物を少なくとも24時間のように長時間維持することによって得ることができる。適した条件の更なる詳細は、付属する実施例中に見出すことができる。
【0030】
別の方法として、フォーム6は、45℃のメチルイソブチルケトン中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度で6時間保ち、次いで温度を段階的に落とし、混合物をそれぞれの次の温度:40℃、35℃、30℃、20℃で混合物を6時間保ち;次いで3時間で温度を10℃に落とし、そして所望によりn−ヘプタンをこの温度で加えることによって得ることができる。別の方法として、フォーム6は、45℃のメチルイソブチルケトン中の化合物の溶液に種晶添加し、この温度を6時間保ち、次いで温度を段階的に、40℃で6時間、30℃で6時間、次いで0℃に落として得ることができる。適した条件の更なる詳細は、付属する実施例中に見出すことができる。
【0031】
従って、本発明のもう一つの側面において、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム6を製造するための方法が提供され、その方法は、
a)IPA中の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム1及び4の混合物を、35−50℃で長期間(例えば8−15日)懸濁するか;又は
b)IPA中のフォーム1の懸濁液を35℃で形成し、次いで1時間後少量のフォーム6で種晶添加し、そして混合物を長期間(2日のような)放置するか;又は
c)45℃でブチロニトリル中のフォーム1の溶液を形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも3時間後15℃にゆっくりと冷却し、そして混合物を長期間(24時間のような)この温度で放置するか;又は
d)45℃でブチロニトリル中のフォーム1の溶液を形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも6時間後、5、5、10及び10°の段階で10℃まで段階的に冷却し、混合物をそれぞれの段階で数時間保ち、次いで所望によりヘプタンを10℃で添加し、そして混合物を更なる期間保つこと;
を含んでなる。
【0032】
別の方法として、溶液を酢酸エチル又はイソプロパノールのいずれか中で形成し、それに続き種晶添加し、そして所望により段階的冷却で冷却して形成される。
【0033】
本発明の化合物の有用性は、WO2007/007041中に記載されるものを含む標準的試験及び臨床研究によって証明することができる。
【0034】
本発明の更なる特徴によれば、グルコキナーゼの活性化が有益である疾病状態を治療する方法であり、これは、有効な量の化合物のフォーム6を温血哺乳動物に投与することを含んでなる。本発明は、更に疾病状態において使用するための医薬の製造におけるフォーム6の使用に関する。適した疾病状態は、糖尿病及び/又は肥満症を含む。
【0035】
本発明の更なる側面において、医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したとおりのフォーム6の式(I)の化合物が提供される。本発明の更なる側面において、グルコキナーゼによって仲介される疾病、特にII型糖尿病及び/又は肥満症の治療のための医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したとおりのフォーム6の式(I)の化合物が提供される。
【0036】
本発明の化合物は、グルコキナーゼが関係する疾病の治療のために、慣用的な医薬組成物の形態で、それを必要とする温血動物、特にヒトに投与することができる。従って、本発明のもう一つの側面において、フォーム6を医薬的に受容可能な希釈剤又は担体との混合物中に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0037】
このような組成物は、例えば経口、局所、非経口、口腔、鼻腔、膣又は直腸投与或いは注入によって治療することが所望される疾病状態のために標準的な方法で投与することができる。これらの目的のために、化合物は、当技術において既知の手段によって、例えば錠剤、カプセル、水性又は油性溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、ゲル、鼻腔噴霧剤、座薬、吸入のための微細に分割された粉末又はエアゾール、及び非経口使用(静脈内、筋肉内又は注入を含む)のための滅菌水性若しくは油性溶液又は懸濁液或いは滅菌乳液の形態に処方することができる。上記の処方の例において、多形性形態を保持することができるもの(即ち非溶液処方)に対して、本発明は、フォーム6が製剤中で実質的に保持され、そしてここにおいて、多形性形態中の実質的な(>50%のような)転換がない処方を含んでなる。好ましい投与の経路は、経口である。化合物は、例えばWO2007/007041中に規定されている範囲の日量でヒトに投与されるものである。日量は、必要に応じて分割投与で与えることができ、投与される化合物の正確な量及び投与の経路は、治療される患者の体重、年齢及び性別、並びに当技術において既知の原理によって治療される特定の疾病状態に依存する。
【0038】
錠剤の製剤のために適した医薬的に受容可能な賦形剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、炭酸ナトリウム、一塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム(二塩基性リン酸カルシウム二水和物及び二塩基性リン酸カルシウム無水物を含む)、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のような、一つ又はそれより多い不活性希釈剤(充填剤とも呼ばれる);
デンプン(ジャガイモ、メイズ又はトウモロコシのような)、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸等のような、一つ又はそれより多い崩壊剤;
デンプン(ジャガイモ、メイズ又はトウモロコシのような)、ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、低分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、低分子量のメチルセルロース(MC)、低分子量のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、低分子量のヒドロキシエチルセルロース(HEC)、低分子量のカルボキシメチルセルロースナトリウム等のような、一つ又はそれより多い結合剤;
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、ステアリルフマル酸ナトリウムのような潤滑剤;
タルク又はコロイド状シリカのような滑剤;
例えばラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤;
着色剤、芳香剤、保存剤;
並びに抗酸化剤、が挙げられる。
【0039】
錠剤の製剤は、被覆されないか又は当技術において既知の慣用的な被覆剤及び方法を使用して被覆することができる。本発明の最終的な経口組成物中に存在することができる先に記述した賦形剤の幾つかが、一つより多い先に記述した機能を有することができることは認識されるものである。フォーム6を含んでなる錠剤の製剤は、例えば、次の強度:1mg、2.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、45mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg及び500mgで製造することができる。
【0040】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10ないし25%、例えば12.5%;
充填剤:50ないし95%、例えば45−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば75%のマンニトール及び4%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし15%、例えば3ないし10%、例えば5%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.3%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0041】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば12ないし18%、例えば15%;
充填剤:70ないし92%、例えば50−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば73.4%のマンニトール及び3.86%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし7%、例えば5%のグリコール酸デンプンナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし2%、例えば1.75%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0042】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45−90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば67.9%のマンニトール及び3.6%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし8%、例えば5%のグリコール酸デンプンナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0043】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45ないし90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば68%のマンニトール及び3.6%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし10%、例えば3ないし8%、例えば5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0044】
本発明の一つの側面において、以下のものを含んでなる、錠剤の製剤が提供される(%=被覆されていない錠剤の全錠剤重量の重量%である):
フォーム6:1ないし30%、例えば10−25%、例えば20%;
充填剤:50ないし95%、例えば45ないし90%のマンニトール及び2ないし20%の微結晶セルロース、例えば65%のマンニトール及び3.4%の微結晶セルロース;
崩壊剤:3ないし15%、例えば3ないし10%、例えば8%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース;
潤滑剤:1ないし5%、例えば1ないし3%、例えば2.5%のステアリン酸マグネシウム;
界面活性剤:0.1ないし3%、例えば0.75ないし1.25%、例えば1%のラウリル硫酸ナトリウム。
【0045】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0046】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0047】
錠剤は、粉末配合物の直接圧縮、及び対流ミキサー又は流動床装置中で湿式顆粒化、或いは例えばローラー圧縮のような乾式顆粒化によって得られた顆粒の圧縮を含む慣用的方法によって製造することができる。乾式顆粒化のような乾式の方法は、調剤過程中の多形性形態のいずれもの可能な相互変化を最小化する可能性がある。
【0048】
経口使用のための組成物は、更に活性成分が、一つ又はそれより多い先に記載したような不活性希釈剤(類)と混合されたカプセルの形態であることができる。
【0049】
本発明の更なる特徴によれば、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは、フォーム6を医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる。
【0050】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
フォーム6を、一つ又はそれより多い充填剤(類)、崩壊剤(類)及び界面活性剤(類)と拡散ミキサー中で混合する、第1の配合工程、
潤滑剤が粉末配合物に加えられ、そして材料を拡散ミキサー中で混合する、第2の配合工程、
ローラー圧縮による材料の乾式顆粒化、
顆粒が潤滑剤と拡散ミキサー中で混合される最終混合、及び
顆粒の圧縮による錠剤化
を含んでなる。
【0051】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
フォーム6を、一つ又はそれより多い充填剤(類)及び崩壊剤(類)と高剪断力ミキサー中で混合すること、
抗剪断力ミキサー中の粉末配合物の湿式顆粒化、
湿潤物質の乾燥、
顆粒の粉砕、
顆粒が潤滑剤と拡散ミキサー中で混合される最終混合、及び
顆粒の圧縮による錠剤化、
を含んでなる。
【0052】
本発明の一つの側面において、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは;
例えば微結晶セルロースの芯のような芯上の噴霧層化のために適したものとする大きさ分布を有する、フォーム6の水中の懸濁液を製造するための、例えばHPMCのような結合剤とのフォーム6の水中の湿式粉砕、
即時放出ペレットを製造するための、流動床装置における、例えば微結晶セルロースの芯のような芯上への水中のフォーム6の懸濁液の噴霧層化、
ペレットを、一つ又はそれより多い充填剤(類)及び崩壊剤(類)と拡散ミキサー中で混合して、ペレット/粉末配合物を製造すること、
潤滑剤をペレット/粉末配合物に加え、そして拡散ミキサー中で混合すること、及び
ペレット/粉末配合物の錠剤プレス中の圧縮による錠剤化、
を含んでなる。
【0053】
本発明の一つの側面において、フォーム6、マンニトール、微結晶セルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムを含んでなる錠剤の製剤が提供される。
【0054】
本発明の更なる特徴によれば、活性成分としてフォーム6を含有する医薬組成物の製造のための方法が提供され、これは、フォーム6を医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる。
【0055】
本明細書中に記載されるとおりのフォーム6は、単独の療法剤として、或いは治療される徴候のための一つ又はそれより多い他の物質及び/又は治療法と組合せて適用することができる。もう一つの側面において、本発明は、式(I)の化合物のフォーム6及びもう一つの薬理学的に活性な物質を含んでなる医薬組成物を提供し、特に、ここにおいて、もう一つの薬理学的に活性な物質は、2型糖尿病又は肥満症或いは関連する症状の治療のための医薬である。
【0056】
このような併用治療は、治療剤の個々の成分の同時、連続又は別個投与によって達成することができる。同時治療は、単一錠剤、又は別個の錠剤であることができる。例えば、糖尿病の治療において、化学療法は、治療剤の以下の主要な分類を含むことができる:
1)インスリン及びインスリン類似体;
2)食事性グルコース調節剤を含むインスリン分泌促進物質(例えばレパグリニド、ナテグリニド);
3)インクレチンの作用を改良する薬剤(例えばジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、及びGLP−1アゴニスト);
4)PPARガンマアゴニストを含むインスリン抵抗性改善剤(例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン)、及び組合せたPPRAアルファ及びガンマ活性を持つ薬剤;
5)肝臓のグルコースバランスを調節する薬剤(例えばメトホルミン、フルクトース1、6ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤);
6)腸からのグルコースの吸収を減少するために設計された薬剤(例えばアカルボーズ);
7)腎臓によるグルコースの再吸収を防止する薬剤(SGLT阻害剤);
8)長期の高血糖症の合併症を治療するために設計された薬剤(例えばアルドースレダクターゼ阻害剤);
9)抗肥満症剤(例えばシブトラミン及びオルリスタット);
10)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えばスタチン類)のような抗異脂肪血症剤;PPARαアゴニスト(フィブラート類、例えばゲムフィブロジル);胆汁酸捕捉剤(コレスチラミン);コレステロール吸収阻害剤(植物スタノール、合成阻害剤);胆汁酸吸収阻害剤(IBATi)並びにニコチン酸及び類似体(ナイアシン及び徐放製剤);
11)β遮断剤のような血圧降下剤(例えばアテノロール、インデラル);ACE阻害剤(例えばリシノプリル);カルシウムアンタゴニスト(例えばニフェジピン);アンギオテンシン受容体アンタゴニスト(例えばカンデサルタン)、αアンタゴニスト及び利尿剤(例えばフロセミド、ベンズチアジド):
12)抗血栓剤、線維素溶解の活性化物質及び抗血小板剤のような止血調節剤;トロンビンアンタゴニスト;第Xa因子阻害剤;第VIIa因子阻害剤);抗血小板剤(例えばアスピリン、クロピドグレル);抗凝固剤(ヘパリン及び低分子量類似体、ヒルジン)及びワルファリン;
13)グルカゴンの作用に拮抗する薬剤;並びに
14)非ステロイド系抗炎症剤(例えばアスピリン)及びステロイド系抗炎症剤(例えばコルチゾン)のような抗炎症剤。
【0057】
本発明の一つの側面において、化合物(I)のフォーム6のメトホルミンとの組合せが提供される。
【0058】
本発明の更なる側面において、化合物(I)のフォーム6のインスリンとの組合せが提供される。
【実施例】
【0059】
本発明は、ここに以下の実施例によって特別に記載されるものであり、その中で、以下の略語:
vols 体積相当量
eq 当量
w/w 重量対重量
v/v 容量対容量
DMSO ジメチルスルホキシド
Ts トシレート(p−メチルベンゼンスルホン酸基)
TLC 薄層クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴分光法
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
を使用することができる。
【0060】
以下の非制約的実施例において、他に記述しない限り:
(i)操作は、室温、即ち18−25℃の範囲で、そしてアルゴン又は窒素のような不活性ガスの雰囲気下で行った;
(ii)収率は、例示のみのために与えられ、そして必ずしも達成可能な最大ではない;
(iii)式(I)の最終生成物の構造は、核(一般的にプロトン)磁気共鳴(NMR)及び質量スペクトル技術によって確認した;プロトン磁気共鳴の化学シフトは、デルタスケールで測定され、そしてピークの多重度は、次:s、単一線;d、二重線、t、三重線;m、多重線;br、幅広線;q、四重線;quin、五重線;六重線のように示す。
【0061】
(iv)中間体の純度は、NMR分析によって評価した。
【0062】
実施例1:3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドの調製
【0063】
【化2】
【0064】
フラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.0当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(3.5体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を0℃に冷却した。N−メチルモルホリン(5.0当量)を0℃で加え、次いで2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(酢酸エチル中の50重量/重量%として供給)(2.5当量)を、滴下漏斗により45分かけて、反応温度を0−5℃に維持しながら一度に加えた。滴下漏斗を2−メチルテトラヒドロフラン(0.5体積相当量)で洗浄し、次いで反応混合物を窒素下の還流下で少なくとも14時間沸騰してから、22℃に冷却した。水(4.0体積相当量)を一度に、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)を反応混合物に加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。上部の有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)をフラスコに加え、混合物を30分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層をフラスコ中で混合し、そして次いで更なる2−メチルテトラヒドロフラン(6.0体積相当量)を加えた。混合物を撹拌し、そして次いで1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、そして次いで層を分離した。1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を有機層に加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、混合物を分離し、5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム溶液(4.0体積相当量)を有機層に加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで混合物を分離した。この方法を繰返した。水(4.0体積相当量)を有機層に加え、混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで層を分離した。有機層を真空下で35℃で蒸留し、19体積相当量の留出物を収集した。2−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして蒸留を真空下で35℃で継続し、6体積相当量の留出物を収集した。更なる2−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして反応混合物を水含有量のために試料採取した。更なる4−メチルテトラヒドロフラン(4体積相当量)を加え、そして反応混合物をCUNOTMフィルターを通して濾過し、次いでポットの体積が概略7体積相当量になるまで蒸留し、次いでメチルイソブチルケトン(11体積相当量)を加え、そして混合物を概略7体積相当量まで35℃で真空蒸留した。メチルイソブチルケトン(11体積相当量)を加え、そして混合物を概略6体積相当量のポット体積まで35℃で真空蒸留した。N−ヘプタン(0.5体積相当量)を混合物に加え、そして温度を60℃に調節し、混合物を46℃に冷却し、種晶添加し、次いで22℃に冷却し、そして少なくとも12時間撹拌した。混合物を濾過した。固体をメチルイソ−ブチルケトン(1.5体積相当量)/ヘプタン(0.16体積相当量)の混合物で洗浄した。固体をヘプタン(約1.5体積相当量)で洗浄した。単離した固体を22℃で真空下で乾燥して、表題化合物を、オフホワイト色の固体として得た。補正した収率は62%であった。1H NMR δ(400MHz DMSO)11.04(s,1H),9.26(s,1H),8.68(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),7.57(bs,1H),7.47(bs,1H),7.13(bs,1H),4.81−4.77(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.55−3.47(m,2H),3.3(s,3H),2.48(s,3H),2.34−2.26(m,2H),1.26−1.25(d,3H)。
【0065】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0066】
【化3】
【0067】
フラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル(1.0当量)及びN−メチルピロリジノン(7.6体積相当量)を入れた。フラスコの内容物を10℃に冷却した。水(3.9体積相当量)を加え、そして次いで混合物を概略−15℃に冷却した。水酸化ナトリウム(1.5当量)を水(2.3体積相当量)中に溶解し、そして水酸化ナトリウム溶液をフラスコに1時間かけて、反応温度を−10℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。水酸化ナトリウムを水(0.5体積相当量)で管路洗浄した。反応混合物を概略4時間保持した。酢酸(1.25当量)を混合物に−10℃で加えた。混合物を5℃まで温まらせた。酢酸(2.37当量)を混合物に加え、酢酸を水(3.5体積相当量)で管路洗浄し、そして混合物を22℃まで温まらせた。混合物に種晶添加し、次いで水(5体積相当量)を混合物に加えた。2Nの塩酸(1.5当量)をpH4に達するまで混合物に加えた。反応混合物を少なくとも14時間撹拌し、次いで10℃に冷却し、10℃で1時間撹拌した。混合物を濾過した。固体を水(3×2.5体積相当量)でスラリー化して洗浄した。単離した固体を25℃で真空下で乾燥して、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0068】
固体を、続いて酢酸エチル(27.2体積相当量)をフラスコに入れ、そして混合物を還流で少なくとも30分間加熱した。混合物を熱濾過し、そして概略13体積相当量を真空蒸留によって除去した。混合物を15℃に冷却し、そして一晩この温度で撹拌した。混合物を濾過し、そして(固体を)酢酸エチル(2.25体積相当量)で洗浄した。単離した固体を25℃で真空下で乾燥して、表題化合物を、オフホワイト色の固体として得た。補正した収率は、78%であった。
1H NMR δ(400MHz DMSO):8.66(s,1H),8.55(s,1H),7.36(s,1H),7.31(s,1H),7.16(s,1H),4.71−4.65(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.52−3.41(m,2H),3.29(s,3H),2.33−2.26(m,2H),1.24−1.2(d,3)。
【0069】
(3−{[5−(アゼチジニル−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ})安息香酸メチルの調製
【0070】
【化4】
【0071】
オーバーヘッド撹拌機、温度計、凝縮器、及び窒素管路を設置された、清潔な乾燥した適当に使用可能なフラスコ(フラスコA)に、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(1.0当量)、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピリジン(1.0当量)、炭酸セシウム(3.5当量)、及びジメチルスルホキシド(9.4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。反応容器を窒素雰囲気下で少なくとも14時間45℃で加熱した。4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル(1.3当量)を45分かけて加えた。混合物を45℃で少なくとも14時間撹拌し、次いで22℃に冷却し、そして酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加えた。水(12体積相当量)を25分かけて25℃で加え、そして混合物を15分間22℃で撹拌した。有機層を分離し、その後水層を酢酸イソ−プロピル(2×5体積相当量)で再抽出した。酢酸イソ−プロピル層を混合し、そして水(8体積相当量)を加えた。混合物を22℃で30分間撹拌した。水層を分離し、そして廃棄した。この方法を繰返した。有機層を一定重量まで真空蒸留した。
【0072】
一方、天然のアルミナ(18重量相当)を、酢酸イソ−プロピル(4.5体積相当量)及びヘプタン(11.2体積相当量)とフラスコ中で混合した。この混合物を大きいクロマトグラフィーのカラムに加え、そして反応混合物をカラムに圧入した。移動有機層を酢酸イソ−プロピル(0.2体積相当量)及びヘプタン(0.4体積相当量)で希釈した。次いで移動有機層をカラムに加え、そして1:4容量/容量の酢酸イソ−プロピル/ヘプタン(50体積相当量)、1:3容量/容量の酢酸イソ−プロピル/ヘプタン(20体積相当量)及び6:4容量/容量のイソ−プロピル/ヘプタン(100体積相当量)で連続して溶出した。画分をTLCによって分析し、そして清浄な生成物を含有する画分を回転蒸発機で蒸発して、表題化合物を、濃厚な油状物として、59%の補正収率で得た。1H NMR(400MHz,DMSO): δ 8.62(s,1H),8.50(s,1H),7.34(s,1H),7.30(s,1H),7.17(s,1H),4.68−4.64(m,1H),4.54−4.50(t,2H),4.07−4.03(t,2H),3.81(s,3H),3.49−3.41(m,2H),3.25(s,3H),2.29−2.21(m,2H),1.20−1.18(d,3H)。
【0073】
4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0074】
【化5】
【0075】
フラスコに、窒素雰囲気下でトリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)、塩化トシル(1.3当量)及びトルエン(5体積相当量)を入れ、そして反応混合物を撹拌して、油状のスラリーを形成した。スラリーを−5℃に冷却した。(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を滴下により30分かけて加えた。トルエン(2.5体積相当量)を洗浄剤として、続いてトリエチルアミン(1.5当量)を加え、これは反応温度を<8℃に維持しながら、30分かけて滴下漏斗により滴下により加えた。更なるトルエン(2.5体積相当量)を洗浄剤として加え、そして反応混合物を−5℃ないし5℃で4.5時間保った。N,N−ジメチル−1,3−プロパン−ジアミン(0.3当量)を10分かけて−5℃で加えた。混合物を−5℃ないし5℃で30分間撹拌した。次いで2Nの塩酸(0.55当量)及び70mlの水を加えた。混合物を30分間22℃で撹拌し、そして水層を分離し、そして廃棄した。混合物を更に二回水(それぞれの洗浄に10体積相当量)で洗浄し、そして水性の洗液の分離後、トルエン層を回転蒸発機で油状物まで蒸留した。トルエン(20体積相当量)を油状物に加え、そして溶液を蒸発して、表題化合物を、乾燥した明るい褐色の油状物として得た。収率(アッセイに対して補正)は93−97%であった。
1H NMR(400MHz CDCl3):δ 7.78−7.75(d,2H),7.45−7.43(d,2H),4.66−4.62(m,1H),3.35−3.26(m,2H),3.16(s,3H),2.4(s,3H),1.13−1.11(d,3H)。
【0076】
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの調製
【0077】
【化6】
【0078】
温度計、凝縮器、オーバオヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えたフラスコに、メチル−3,5−ジヒドロキシベンゾエート(1.0当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.46当量)及び水(10.5体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。温度を20℃±3℃に調節した。10重量/重量%の水酸化ナトリウムを加えて、pHをpH7.8±0.2に調節した。塩化ベンゾイル(1.0当量)を少量ずつ1−2時間かけて滴下により加え、そして水酸化ナトリウムを少量ずつ同じ時間をかけて同時に滴下により加えて、反応物を、pH7.8±0.2のpHの範囲に、そして20℃±3℃の反応温度を維持した。粗製の反応混合物を更に30分間撹拌し、濾過し、そして次いで水(4体積相当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.05当量)から調製した4体積相当量の溶液で洗浄し、そして10重量/重量%の水酸化ナトリウムでpH7.5に調節した。次いで粗製の固体を水(4体積相当量)、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物(0.05当量)から調製した4体積相当量の溶液で洗浄し、そして10重量/重量%の水酸化ナトリウムでpH6.5に調節した。次いで粗製の固体を酢酸イソ−プロピル(8体積相当量)及び水(2体積相当量)中に溶解し、そして混合物を少なくとも30分間撹拌して、固体が溶解したことを確実にした。混合物をCUNOTMフィルターを通して濾過して、少量の褐色の固体を除去した。水層を分離した。水(2体積相当量)を有機層に加え、そしてこのバッチを少なくとも30分間撹拌した。水層を分離し、そして有機層をバッチの温度を40℃より低く保ちながら真空蒸留して、体積を5−6体積相当量まで減少した。次いでトルエン(5体積相当量)を加え、そして混合物をバッチの温度を40℃に維持しながら真空蒸留して、体積を概略3.5体積相当量まで減少した。混合物を15℃±3℃に冷却し、そしてこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで濾過し、そして固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。生成物を20℃−40℃で乾燥して、所望の生成物を固体として得た(補正収率40−70%)。
1H NMR δ(400MHz;CDCl3):8.21−8.18(d,2H),7.67−7.63(t,1H),7.54−7.49(t,2H),7.44(d,2H),6.98−6.96(t,1H),6.7(bs,1H),3.90(s,3H)。
【0079】
別の方法として、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルは、以下の方法によって調製することができる:
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えたフラスコに、メチル−3,5−ジヒドロキシベンゾエート(1.0当量)、325メッシュの炭酸カリウム(3.0当量)及びジメチルホルムアミド(DMF)(4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を47℃で1時間加熱し、次いで塩化ベンゾイル(1.0当量)をシリンジポンプにより概略2時間かけて滴下によりゆっくりと加えた。更なる塩化ベンゾイル(0.1当量)を、シリンジポンプにより20分かけて加えた。反応混合物を1.5時間保持し、次いで水(10体積相当量)及び酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、そして次いで層を分離した。水層を酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)の更なる添加で再抽出した。バッチを分離し、そして混合した有機層を飽和食塩水(6体積相当量)で、次いで0,1Nの塩酸/食塩水の溶液で洗浄した。酢酸イソ−プロピルを回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。酢酸イソ−プロピル(6体積相当量)を加え、そして回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。トルエン(6体積相当量)を加え、そして回転蒸発機で乾燥状態まで蒸留した。トルエン(3.5体積相当量)を加え、そして反応物を30分間スラリー化した。固体を濾過し、そして20℃−40℃で乾燥して、所望の生成物を、固体として得た(補正収率72%)。
【0080】
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの別の調製
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ及び窒素管路を備えた不活性化されたフラスコに、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルを入れ、そして10体積相当量の水中に懸濁した。懸濁液のpHを、2.5%の水酸化リチウム及び2.5%の炭酸カリウムの水溶液を使用して8.0に調節した。塩化ベンゾイル(1.0当量)の2体積相当量のトルエン中の溶液を、内部温度を20ないし22℃間に維持することができるような速さで加えた。溶液のpHを、2.5%の水酸化リチウム及び2.5%の炭酸カリウムの水溶液(概略5体積相当量)の同時添加によって7.9ないし8.1間に維持した。得られた懸濁液を20−22℃で更に60分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを二回水(それぞれ二体積相当量)で洗浄し、そして吸引乾燥した。次いで得られた粗製の生成物を酢酸イソプロピル(8体積相当量)中に溶解してから、珪藻土を加え、そしてスラリーを1時間撹拌した。次いで懸濁液の濾過後、生成物を、内部温度を45℃に、又はそれより低く維持しながら、真空蒸留によって、酢酸イソプロピルからトルエン(5体積相当量)に溶媒交換した。得られた懸濁液を15℃に冷却し、1時間撹拌し、次いで濾過した。フィルターケーキを1体積相当量のトルエンで洗浄した後、生成物を一定重量まで乾燥して、典型的には75−80%の収率の表題化合物を>98%純度で得た。
【0081】
4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0082】
【化7】
【0083】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、トリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)、塩化トシル(1.3当量)及びトルエン(5体積相当量)を、窒素雰囲気下で加え、そして反応混合物を油状のスラリーが形成するまで撹拌した。スラリーを−5℃に冷却し、次いで(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を30分かけて滴下により加えた。トルエン(2.5体積相当量)を管路洗浄として、続いてトリエチルアミン(1.5当量)を加え、これは、反応温度を<8℃に維持しながら30分かけて滴下漏斗により滴下により加えた。更なるトルエン(2.5体積当量)を管路洗浄として加え、そして反応混合物を−5℃ないし5℃に4.5時間保持した。N,N−ジメチル−1,3−プロパン−ジアミン(0.3当量)を10分かけて−5℃で加えた。反応混合物を−5℃ないし5℃で30分間撹拌し、次いで2Nの塩酸(0.55当量)及び70mlの水を加えた。反応混合物を22℃で30分間撹拌し、そして水層を分離し、そして廃棄した。混合物を更に二回水(それぞれの洗浄に10体積相当量)で洗浄し、次いでトルエン層を回転蒸発機で油状物まで蒸留した。トルエン(20体積相当量)を油状物に加え、そして溶液を油状物まで蒸発して、表題化合物を、乾燥した明るい褐色の油状物として得た。アッセイに対して補正された収率は93−97%。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.78−7.75(d,2H),7.45−7.43(d,2H),4.66−4.62(m,1H),3.35−3.26(m,2H),3.16(s,3H),2.4(s,3H),1.13−1.11(d,3H)。
【0084】
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチルの調製
【0085】
【化8】
【0086】
フラスコに、塩化4−トリフルオロメチルスルホニル(1.3当量)及びトルエン(10体積相当量)を入れ、反応混合物を5℃に冷却し、次いで(2R)−1−メトキシプロパン−2−オール(1.0当量)を5℃で加えた。トリメチルアミン塩酸塩(0.1当量)を5℃で加え、次いでトリエチルアミン(1.5当量)を、反応温度を5−12℃間に維持しながら50分かけて滴下によりゆっくりと加えた。5℃で概略18時間保持した後、反応を5℃で数分かけた3−ジメチルアミノプロパン(0.3当量)の滴下による添加によってクエンチした。反応混合物を5℃で2時間撹拌し、次いで水(5体積相当量)を5℃で加え、次いで5Nの塩酸(2体積相当量)を−5℃でゆっくりと加えた。反応混合物を20℃に温め、水(1体積相当量)を、続いてトルエン(10体積相当量)を加えた。反応混合物を30℃に温め、次いで水層を分離し、そして廃棄した。水(5体積相当量)を加え、そして反応混合物を30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。8重量/重量%の炭酸ナトリウム(4体積相当量)を加え、反応混合物を30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。水(5体積相当量)を加え、バッチを30分間撹拌し、次いで水層を分離し、そして廃棄した。この水洗浄を二回繰り返した。有機層を回転蒸発機で油状物まで蒸発した。トルエンを加え、そして有機層を回転蒸発機で油状物まで蒸発した。この方法を繰返して、所望の生成物を、黄色の油状物として得た(補正収率97%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3)8.07−8.05(d,2H),7.82−7.80(d,2H),4.84−4.80(m,1H),3.44−3.35(m,1H),3.19(s,3H),1.35−1.33(d,3H)。
【0087】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0088】
【化9】
【0089】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、炭酸セシウム(1.5当量)及びジメチルスルホキシド(7.0体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。バッチを40−45℃に加熱した。4−メチルベンゼンスルホン酸(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル(1.3当量)を、反応温度を40−45℃に維持しながら少なくとも90分かけて滴下によりゆっくりと加えた。反応混合物を少なくとも8時間保持し、そして次いで15±4℃に冷却した。酢酸イソ−プロピル(4.0体積相当量)を、続いて水(5.0体積相当量)を反応温度を25℃より低く保ちながら加えた。反応混合物を概略15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。有機層を保持した。水層を更なる酢酸イソ−プロピル(3体積相当量)で再抽出した。反応混合物を概略15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。この方法を更なる酢酸イソプロピルと繰り返し、そして有機層を混合し、そして次いで水(3体積相当量)で洗浄した。概略15分の撹拌後、層を分離し、そして水(3体積相当量)を有機層に加えた。概略15分の撹拌後、層を分離し、そして有機層を、それ以上溶媒が留出しなくなるまで40℃で真空蒸留した。メタノール(7体積相当量)を加え、次いで硫酸(0.8当量)を加え、そして混合物を還流で、少なくとも16±4時間加熱した。反応混合物を2.5−3体積相当量のポット体積が達成されるまで40℃で真空蒸留した。トルエン(4体積相当量)をフラスコに加え、そして4.0体積相当量のポット体積が達成されるまで35℃で真空蒸留を続けた。混合物を20±5℃に冷却した。水(15体積相当量)を反応混合物に加え、そして混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌した。バッチを分離し、そして有機層を0−5℃に冷却してから、0.5Mの水酸化ナトリウム(1.0当量)を、バッチの温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。容器を15分間撹拌し、そして次いで分離した。水層を保持し、そして有機層を0.5Mの水酸化ナトリウム(1.0当量;バッチ温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた)で処理した。容器を15分間撹拌し、そして次いで層を分離した。水層を混合し、そしてトルエン(3体積相当量)をバッチ温度を5℃より低く保ちながらゆっくりと加えた。容器を15分間撹拌し、そして次いで分離した。水層を25±5℃に温め、そして33重量/重量%の水酸化ナトリウム(0.5当量)を加えた。2時間撹拌した後、37重量/重量%の塩酸(2.1当量)を加えて、pHをpH≦2に調節した。メチルtert−ブチルエーテル(3体積相当量)を加え、混合物を15分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層を保持した。水層をMTBE(3体積相当量)で再抽出し、そして混合した有機層を、概略3体積相当量のポット体積まで35℃で真空下で蒸留し、3体積相当量の留出物を収集した。トルエン(5体積相当量)を加え、そしてバッチ温度を50℃に調節した。水(1体積相当量)を加え、そしてバッチをこの温度で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層をフィルターを通して濾過し、次いで混合物が濁ってくるまで35℃で蒸留した。物質を20℃に冷却し、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸で種晶添加し、そしてこの温度で3時間撹拌した。次いで混合物を25℃の真空下で蒸留して更なるMTBEを除去し、そして次いで5℃で少なくとも2時間冷却した。混合物を濾過し、そして固体をトルエン(1体積相当量)で20℃で洗浄した。バッチを20℃で一定重量が得られるまで真空で又は窒素流下で乾燥した。乾燥した後、表題化合物を、固体として得た(補正収率は典型的には40−50%)。1H NMR δ(400MHz DMSO):12.82(bs,1H),9.74(bs,1H),6.95(bs,1H),6.91(bs,1H),6.56−6.55(t,1H),4.59−4.52(m,1H),3.5−3.41(m,2H),3.28(s,3H),1.21−1.19(d,3H)。
【0090】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の別の調製法
3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、(R)−1−メトキシ−2−プロパノール(1.25当量)及びトリフェニルホスフィン(1.25当量)を、トルエン(10体積相当量)中に懸濁した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.25当量)を、約2時間かけて0ないし5℃間のバッチ温度で加えた。混合物を室温まで温まらせ、そしてこの温度で更に30分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過して、形成されたトリフェニルホスフィンオキシドの塊を除去し、そしてフィルターケーキをトルエン(1.5体積相当量)で洗浄した。得られた3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルを含有する混合したトルエン画分に、ナトリウムメチラート(0.8当量)を20ないし30℃間のバッチ温度で加え、そして混合物を1時間撹拌した。次いで得られた3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルを、0ないし5℃間のバッチ温度で0.25MのKOH(それぞれ3.5体積相当量)で二回抽出した。次いでKOH(1当量)を加えて、エステル部分を加水分解し、そしてバッチを20ないし30℃間の温度で1時間撹拌した。次いで水相のpHを、<30℃のバッチ温度で濃塩酸を使用して1.5に調節した。粗製の3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸を、その後MTBE(2×3体積相当量)で抽出してから、活性炭を加えた。バッチを10分間撹拌し、そして次いで濾過した。バッチを<45℃のバッチ温度における蒸留により3バッチ体積迄減少した。トルエン(4体積相当量)及びヘプタン(1体積相当量)を加え、そして更なるMTBEが収集されなくなるまで<50℃のバッチ温度で真空蒸留を続けた。バッチを<40℃の温度に冷却し、種晶添加し、そして更に28ないし32℃のバッチ温度に冷却した。得られた懸濁液をこの温度で1時間撹拌してから、5ないし10℃に更に冷却した。5ないし10℃で2時間撹拌した後、バッチを濾過し、そして冷トルエン(1体積相当量)で洗浄した。<60℃における乾燥により、>99%の純度の3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸を、3−ヒドロキシ−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルから65ないし70%間の典型的な収率で95℃の融点を持つ無色の固体として得た。
【0091】
3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.21−8.17(d,2H),7.66−7.62(t,1H),7.54−7.49(m,4H),7.03−7.02(t,1H),4.64−4.60(m,1H),3.9(s,3H),3.61−3.49(m,2H),3.45(s,3H),1.35−1.33(d,3H)
13C NMRデータ(100.55MHz,CDCl3)δ 166.2,164.91,158.88,151.79,133.87,132.25,130.28,129.28,128.71,115.6,114.95,114.27,75.7,73.83,59.45,52.44,16.72。
【0092】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 6.93(s,1H),6.90(s,1H),6.57(bs,1H),4.55−4.51(m,1H),3.79(s,3H),3.47−3.41(m,2H),3.26(s,3H),1.18−1.17(d,3H)。
【0093】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(t−ブチルアミン塩)の調製
オーバーヘッド撹拌機を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)及びアセトニトリル(6体積相当量)を入れた。22℃でtert−ブチルアミン(1.0当量)を、続いてアセトニトリル(3体積相当量)を加えた。少なくとも5時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、そして真空オーブン中で乾燥して、表題化合物を、結晶質の白色の固体(73.6%)として得た。1H NMR(400MHz DMSO)δ:6.90(bs,1H),6.85(s,1H),6.30−6.29(t,1H),4.47−4.43(m,1H),3.47−3.35(m,2H),3.09(s,3H),1.22(s,9H),1.17−1.16(d,3H)。視差走査熱量計(DSC)による融点は、154.7℃であった。
【0094】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(カリウム塩)の調製
KOH液(50.4重量%の1.04当量)を、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1当量)の乾燥していない1−プロパノール(4.87体積相当量)中の撹拌され窒素置換された溶液に加えた。添加の終りに、水(0.33体積相当量)及びトルエン(3.43体積相当量)を、得られたスラリーに別個に加えた。加熱ジャケット温度を67℃に上げてから、次の:3時間かけて67℃から64℃へ、3時間かけて64℃から57℃へ、3時間かけて57℃から45℃へ、3時間かけて45℃から20℃への冷却プロフィルにかけた。この勾配の終了後6時間、加熱ジャケット温度を3時間かけて0℃に下げ、加熱ジャケットをホイルで被覆し、そして脱過飽和を一晩(>6時間)で完結させた。スラリーを11ミクロンの濾紙を通す濾過によって単離した。ケーキを、等重量の1−プロパノール中のトルエン(41.79重量%)の氷冷の溶液で二回連続して洗浄した。ケーキを40℃の自家用真空オーブンで乾燥して、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸カリウム塩を、三水和物として理論収率の93%の典型的収率で得た。
1H NMR(400MHz,d6−DMSO)9.05(1H,brs),6.86−6.83(2H,m),6.18(1H,dd,J=2.3,2.3),4.44(1H,qdd,6.2,5.1,5.1),3.48−3.33(8H,m),3.28(3H,s),1.18(3H,d,J=2.3)。
【0095】
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の他の塩、例えばナトリウム、カルシウム又はマグネシウム塩は、適当な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムを使用して同様な方法で、或いは塩の交換によって、例えばカリウム塩のために酢酸カリウム又は2−エチルヘキサン酸カリウム(プロパン−2−オール中の)を使用し、又はカルシウム塩のためにビス(2−エチルヘキサン酸)カルシウムを使用することによって形成される。
【0096】
(3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチルの3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルへの酵素的転換のための方法
温度計及び磁気撹拌機を備えたフラスコに、(3−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−5−[(フェニルカルボニル)オキシ]安息香酸メチル)(1.0当量)、及びtert−ブタノール(90体積相当量)を加え、続いて水(10体積相当量)又はpH7の緩衝液(10体積相当量)のいずれかを加えた。1重量相当の酵素(AE 01 Lipase C1又はAlphamerix AE−02)を加え、そして反応物を36℃で数日(7日のような)間、反応が完結するまで撹拌した。
【0097】
3−{[5−(アゼチジンー1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
【0098】
【化10】
【0099】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えた清浄な乾燥したフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸*(1.0当量)、炭酸カリウム(2.5当量)、ジメチルスルホキシド(3体積相当量)及び水(3体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。得られた混合物を45℃−55℃で少なくとも1時間加熱した。2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(1.05当量)をジメチルスルホキシド(5.0体積相当量)中に約40℃−50℃で溶解した。2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジンのDMSO中の溶液を、上記反応物に、反応温度を45℃−55℃に維持しながら1−4時間かけてシリンジポンプによって滴下により加えた。反応物を45℃−55℃で16時間撹拌した。浴を22±3℃に冷却した。水(8体積相当量)を、続いて酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加えた。内容物を22℃で15分間撹拌し、次いで層を分離した 水層を酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)で処理し、そして混合物を22±3℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、そして水層を再び酢酸イソ−プロピルで同じ方法で処理した。層を分離し、有機層を廃棄し、そして5Nの塩酸(約4.4当量)を、水層に、反応温度を22±3℃に維持しながらpH3−0−pH4.0のpHの終点まで少なくとも30分かけて滴下により加えた。次いで酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)を加え、そして混合物を75℃で加熱した。混合物をこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで温度を70℃に調節し、そして層を分離した。有機層を保持し、そして水層を酢酸イソ−プロピル(10体積相当量)で処理し、そして混合物を75℃に加熱した。混合物をこの温度で少なくとも30分間撹拌し、次いで温度を70℃に調節し、そして層を分離した。有機層を保持し、そして水層を廃棄した。以前の二回の分離からの混合した有機層を溶解のために還流で再加熱した。水(5体積相当量)を加え、そして混合物を70−75℃で少なくとも15分間撹拌した。バッチの温度を70℃に調節し、そして水層を分離し、そして廃棄した。この方法を毎回更なる5体積相当量の水で、二回繰り返した。有機層を4体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留するために設定した。酢酸イソ−プロピル(8体積相当量)を加え、そしてバッチを概略4体積相当量のポット体積まで蒸留するために設定した。バッチを2時間かけて22℃に冷却し、バッチを22℃で3時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、混合物を0℃で5時間保持し、次いで濾過し、そして固体を酢酸イソ−プロピル(20ml、4体積相当量)で洗浄した。50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体として得た(補正収率85−90%)。1H NMR δ(400MHz DMSO):8.66(s,1H),8.55(s,1H),7.36(s,1H),7.31(s,1H),7.16(s,1H),4.71−4.65(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.52−3.41(m,2H),3.29(s,3H),2.33−2.26(m,2H),1.24−1.19(d,3H)。
【0100】
*別の方法として、この酸の塩を、直接、又はこの塩を適当な方法、例えば:酸性化及び抽出、NaOHの添加、次いで蒸留、又はいずれもの当技術において既知の方法で分解することによるかのいずれかによって遊離酸に転換後この方法で使用することができる。
【0101】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸の調製
別法
3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(5.00g、22.10mmol)及び塩化テトラn−ブチルホスホニウム(6.53g、22.1mmol)を、2−メチル−テトラヒドロフラン(25ml、安息香酸に対して5体積相当量)中に懸濁し、そして22mLの水を周囲温度の窒素下で加えた。固体の炭酸カリウム(27.98g、202.4mmol)を、激しく機械的に撹拌しながら分割して入れた。添加の終りに、KOH液(2.46g、水中の50重量/重量%、22.1mmol)を加えてから、二相性のスラリーを50℃に加熱した。温度が安定した後、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(4.586g、23.21mmol)を、40分かけて分割して入れ、そして混合物を一晩窒素下の50℃で撹拌した。相を分離し、そして下部の水層を流出した。25mlのトルエン及び50mLの水を残った暗赤色の有機相に加えた。次いで水相のpHを濃塩酸を使用して7.0に調節した。加熱ジャケットの温度を20℃に調節し、そして再び相を分離した(下部の水相を流出し、そして保持し;上部有機相を廃棄した)。水相を更なるトルエン(25mL)で洗浄した。相の分離後、トルエン相を再び除去した。保持した水相のpHを5Mの塩酸溶液(7.1mL)を使用して2.1に調節した。酢酸イソプロピル(34.9g)を入れ、そして加熱ジャケットの温度を80℃に上げた。80℃に設定した加熱ジャケット温度で平衡させた。相の分離後、下部の水相を再び流出し、そして更なる酢酸イソプロピル(17.4g)で逆抽出した。有機相を混合し、そして80℃で均質化してから、水(10mL)で洗浄した。有機相を僅かな真空下で共沸蒸留によって一定のバッチ体積で乾燥した(バッチは部分的に結晶した)。懸濁液を13.5時間かけて0℃に冷却し、そしてバッチを濾過によって単離し、続いて酢酸イソプロピル(17.4g)でケーキを洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、5.25gの濃度96%(59%補正収率)の所望の生成物を、白色の固体として得た。
【0102】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
A
【0103】
【化11】
【0104】
オーバーヘッド撹拌機、温度計、凝縮器、及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.12当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(4.4体積相当量)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を5℃に冷却し、そして次いでN−メチルモルホリン(5.0当量)を、温度を5±5℃に維持しながら少なくとも15分かけて滴下により加えた。1−プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)(酢酸エチル中の50重量/重量%の溶液として)(2.5当量)を、温度を5±5℃に維持しながら少なくとも15分かけて滴下により加えた。混合物を還流で少なくとも16時間加熱し、次いで22±5℃に冷却した。水(4.0体積相当量)を、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積当量)を反応混合物に加えた。30分間撹拌した後、混合物を分離した。上部の有機相を保持し、そして水層を2−メチルテトラヒドロフラン(4.0体積相当量)で処理した。30分間撹拌した後、この混合物を分離した。有機層を混合し、そして次いで更なる2−メチルテトラヒドロフラン(6.0体積相当量)を加えた。混合物を撹拌し、そして1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、そして次いで層を分離した。有機層を1.0Nの塩酸(4.0体積相当量)で処理し、次いで混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、次いで層を分離した。有機層を5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム(4.0体積相当量)で処理した。混合物を少なくとも30分間22±5℃で撹拌し、層を分離した。有機層を再び5重量/重量%の炭酸水素ナトリウム(4.0体積相当量)で同じ方法で、そして次いで水(4.0体積相当量)で同じ方法で処理した。次いで有機層を4.7体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。メチルイソ−ブチルケトン(10体積相当量)を加え、そしてバッチを4.68体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。メチルイソ−ブチルケトン(10体積相当量)を加え、そしてバッチを4.68体積相当量のポット体積まで常圧で蒸留した。バッチを70℃に冷却し、ヘプタン(2.02体積相当量)を、反応温度を70±5℃に維持しながら少なくとも30分かけて滴下によりゆっくりと加えた。混合物を60℃に冷却し、そしてフォーム1の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドで種晶添加し、60℃で1時間撹拌し、0.1℃で50℃に冷却し、50℃で140分間撹拌し、次いで0.1℃/分で22℃に冷却した。混合物を22℃で少なくとも12時間保持した。次いでヘプタン(5.06体積相当量)を、バッチ温度を22±5℃に維持しながら少なくとも120分間かけて滴下により加えた。混合物を0.1℃/分で0℃に冷却し、次いで0℃で少なくとも12時間保持し、そして次いで濾過した。単離した固体を、メチルイソ−ブチルケトン(1.0体積相当量)及びヘプタン(3.0体積相当量)の0℃に予備冷却した混合物で洗浄した。固体を40℃で乾燥した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た(補正収率85%。1H NMR δ(400MHz DMSO)11.04(s,1H),9.26(s,1H),8.68(s,1H),8.57(s,1H),8.36(s,1H),7.56(s,1H),7.46(s,1H),7.12(s,1H),4.81−4.77(m,1H),4.58−4.54(t,2H),4.11−4.07(t,2H),3.55−3.47(m,2H),3.3(s,3H),2.48(s.3H),2.34−2.26(m,2H),1.26−1.25(d,3H)。
【0105】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
B
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、(1.00mol当量)、5−メチルピラジン−2−アミン(1.12mol当量)及び2−メチルテトラヒドロフラン(2.00相対体積)を容器に入れ、そして20℃で撹拌した。N−メチルモルホリン(5.00mol当量)を加え、続いて2−メチル−テトラヒドロフラン(0.5相対体積)で管路洗浄した。1−プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)の2−メチルテトラヒドロフラン中の50重量%溶液(1.70mol当量)を入れ、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(0.50相対体積)で管路洗浄した。得られた混合物を30分かけて78℃に加熱し、そして透明な黄色の溶液を78℃で概略22時間保持し、次いで転換が受容可能であるかを試験した。反応の終りに、溶液を更に2−メチルテトラヒドロフラン(7.00相対体積)で希釈し、そして温度を45℃に調節した。5重量%の重炭酸ナトリウム水溶液(6.00相対体積)を、撹拌された溶液に30分かけてゆっくりと加え、ガスの放出を起こした。15分後撹拌を停止し、そして30分かけて相を分離させた。下部の水層をドレインした。20重量%のリン酸水溶液(3.30相対体積)を撹拌された有機相に入れた。15分間撹拌した後、相を分離させ、そして下部の水層を再びドレインした。20重量%のリン酸水溶液(1.50相対体積)及び水(1.50相対体積)の混合物を撹拌された有機相に入れた。15分後、撹拌を停止し、そして混合物を一晩相の分離のために保持した。下部(水性)相を再びドレインした。5重量%の重炭酸ナトリウム水溶液(4.50相対体積)を、少なくとも10分かけて撹拌した溶液に加えた。相の分離後、下部(水性)相を再び流出した。得られた溶液を、概略241mg/gの濃度まで共沸蒸留によって乾燥し、概略0.48相対体積の下部流出相を収集した。ヘプタン(1.60相対体積)を、乾燥した溶液に50℃より上で10分かけて加えてから、バッチを40℃に冷却した。溶液に3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム1の種晶、0.0010相対重量)を種晶添加してから、一晩の温度プログラム:40℃で2時間保持;0.1℃/分で35℃に冷却(50分);2時間保持;0.1℃/分で30℃に冷却(50分);2時間保持;0.1℃/分で0℃に冷却(300分);及び少なくとも2時間保持;を適用した。一晩の結晶化後、更なるヘプタン(4.1相対体積)を2.0時間かけて加えて、液への損失を<4.0mg/mLに減少した。次いで懸濁液を濾過し、続いてヘプタン(2.10相対体積)及び2−メチルテトラヒドロフラン(0.90相対体積)の予備混合した溶液で管路洗浄し、そして濾過装置に移した。フィルターケーキを一定重量まで40℃で乾燥して、粗製の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドを、理論の86−89%でフォームIとして得た。
【0106】
2−メチルテトラヒドロフラン/イソヘキサンからの3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム4として)の結晶化のための方法
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドの2−メチルテトラヒドロフラン中の溶液を窒素雰囲気下で入れた。溶液を7体積相当量のポット体積が得られるまで常圧で蒸留した。イソ−ヘキサン(3体積相当量)を70℃で加え、次いで1時間で50℃に冷却した。混合物に3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム1)(5重量/重量%)を種晶添加した。混合物を0.1℃/分で0℃に冷却し、そして0℃で少なくとも48時間撹拌したままにした。混合物を濾過し、そして乾燥し、そして22℃で静置して乾燥したままにして、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。単離された固体の収量は、フォーム4として68%であった。
【0107】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
【0108】
【化12】
【0109】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(1.0当量)及びブチロニトリル(5.4体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。バッチを50℃に加熱し、そしてもう一つのフラスコに濾過した。混合物を45℃に冷却し、そして次いで3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド)(フォーム6)(0.075重量/重量%)を種晶添加した。混合物を45℃で3時間保持し、次いで0.1℃/分で15℃に冷却し、そして15℃で少なくとも24時間保持し、次いで濾過した。固体を15℃に予備冷却したブチロニトリル(2体積相当量)で洗浄した。固体を、溶媒のレベルが<0.5重量/重量%になるまで40℃で乾燥した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、表題化合物を固体(補正収率85%)として得た。
【0110】
5−クロロピラジン−2−カルボン酸の調製
【0111】
【化13】
【0112】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸メチル(1.0当量)及びテトラヒドロフラン(4.92体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。反応混合物を全ての固体が溶解するまで撹拌し、次いで第2のフラスコ中に濾過した。水(8.65体積相当量)を反応混合物に加え、そして混合物を概略15分間撹拌した。炭酸カリウム(2.1当量)を反応混合物に加え、そして混合物を16時間20−25℃で撹拌した。次いで32重量/重量%の塩酸(3.76当量)を、pH2.2のpHの終点まで、20−25℃の反応温度を保ちながら少量ずつ3時間かけて加えた。得られたスラリーを概略35−40℃に加熱し、そして次いで真空下でこの温度で、概略5.3体積相当量を留出して、概略9.3体積相当量の最終体積まで蒸留した。次いで混合物を少なくとも2時間かけて20−25℃に冷却し、この温度で10時間撹拌し、そして次いで濾過した。固体を水(2.8体積相当量)で洗浄し、そして製造された湿った生成物を35℃の真空オーブン中で乾燥した。所望の生成物を、固体として得た(補正収率91%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.20(1H,bs),8.72(1H,s),9.21−9.21(1H,m);m/z 157(M−H)+。
【0113】
2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン
【0114】
【化14】
【0115】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、DMF(0.069当量)及びトルエン(5.52体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を60−65℃に加熱し、そして塩化チオニル(1.5当量)を概略2時間かけてバッチに滴下により加えた。塩化チオニルをトルエン(0.2体積相当量)でフラスコ中に洗浄した。反応混合物を60−65℃に少なくとも4時間加熱し、次いで40−45℃に冷却し、そして真空下で蒸留して、概略4.5体積相当量の留出物を除去し、そして3.2体積相当量の最終体積まで蒸留した。トルエン(10.6体積相当量)を加え、そして混合物を真空下で40−45℃で蒸留して、概略9.1体積相当量の留出物を除去し、そして4.7体積相当量の最終体積まで蒸留した。次いで混合物を20−25℃に冷却し、そしてジクロロメタン(10.6体積相当量)を加えた。混合物を0−5℃に冷却した。一方、オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えた第2のフラスコに、アゼチジン塩酸塩(0.284当量)、ジクロロメタン(5.2体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。トリエチルアミン(2.57当量)を、20−25℃の反応温度を維持しながら少なくとも15分かけて加え、トリエチルアミンをジクロロメタン(0.13体積相当量)でフラスコ中に洗浄し、そして混合物を−5℃ないし−10℃に冷却した。第1のフラスコ中の酸塩化物の溶液を、第2のフラスコに2−5時間の時間をかけて−5℃ないし−10℃の反応温度を維持しながら分割して加えた。pHを試験し、そして酸塩化物の添加後、pH>7に調節した。反応混合物を−5℃ないし−10℃で少なくとも30分間撹拌した。水(10.6体積相当量)を第2のフラスコに加え、そして温度を20−25℃に増加させた。混合物を概略25分間撹拌し、そして次いで層を分離した。塩酸の3.17重量/重量%の溶液(1.46当量)(32重量/重量%の塩酸及び水から調製)を、バッチ温度を20−25℃に保ちながら有機層Bに加えた。混合物をこの温度で30分間撹拌した。層を分離し、そして有機相を26重量/重量%の塩化ナトリウム溶液(概略8.9体積相当量)で処理し、そしてバッチを20−25℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、そして有機層を還流で加熱し、そしてジクロロメタンを常圧蒸留によって除去し、概略1−2体積相当量の最終体積まで蒸留し、概略11.9体積相当量の留出物を収集した。得られた混合物を20−25℃に冷却し、そしてヘプタン(10.5体積相当量)を加えた。混合物を還流で60分間加熱し、そして次いで90−100℃に冷却した。熱溶液を10重量/重量%の活性炭を含有するフィルターを通して清浄な乾燥した容器中に濾過した。フィルターをヘプタン(0.43体積相当量)で洗浄し、そして溶液を少なくとも2時間かけて20−25℃に冷却した。得られた結晶化したスラリーを濾過し、そして固体をペンタン(0.94体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た(補正収率65−78%)。1H NMR δ(400MHz CDCl3):2.35−2.42(2H,m),4.26(2H,t),4.67(2H,t),8.52(1H,d),9.09(1H,d);m/z 198(M+H)+。
【0116】
(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【0117】
【化15】
【0118】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−メチルピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、tert−ブタノール(3.5体積相当量)及びジ−イソプロピルエチルアミン(1.5当量)を窒素雰囲気下で入れた。混合物を82℃に加熱し、次いでジフェニルホスホリルアジド(1.0当量)を、反応混合物の温度を概略82℃に維持しながら5−14時間の時間をかけて加えた。反応混合物を少なくとも1.5時間撹拌し、そして次いで概略60℃に冷却した。4重量/重量%の水酸化ナトリウム(1.75当量)の溶液を2時間かけて加えた。混合物を少なくとも5時間かけて15℃に冷却し、次いで15℃で3時間保持した。次いでバッチを濾過し、そして固体のスラリーを水(2体積相当量)で洗浄した。バッチを再び水(2体積相当量)でスラリー洗浄した。55−60℃で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体(補正収率56−63%)として得た。1H NMR δ(400MHz CDCl3):9.18(s,1H),8.17(bs,1H),8.11(s,1H),2.51(s,3H),1.56(s,9H)。
【0119】
5−メチルピラジン−2−アミン
【0120】
【化16】
【0121】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル(1.0当量)、及び水(6.85体積相当量)を入れた。混合物を70℃に加熱し、そしてトリフルオロ酢酸(TFA)(1.2当量)を、90−120分かけてゆっくりと滴下により加えた。水(0.22体積相当量)を加えて、TFAをフラスコ中に洗浄した。反応混合物を65−75℃で少なくとも30分間加熱し、そして次いで15−25℃に冷却した。次いで32%の水酸化ナトリウム(1.30当量)を、反応温度を15−40℃間に維持しながら30−60分かけて滴下により加えた。水(0.22体積相当量)を加えて、水酸化ナトリウムをフラスコ中に洗浄した。酢酸n−プロピル(7.0体積相当量)を加え、そして混合物を20℃で45分間撹拌した。層を分離し、有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。酢酸n−プロピル(7.0体積相当量)を加え、そして混合物を20℃で45分間撹拌した。層を分離し、有機層を保持し、そして水層をフラスコに戻した。この方法を二回繰り返した。混合した有機層をシリカ(20重量/重量%)を含有するフィルターを通して清浄な乾燥したフラスコ中に濾過した。混合物を40℃に加熱し、そして次いで1.0−1.33体積相当量の最終体積まで真空蒸留した。トルエン(3.0体積相当量)を加え、そして真空蒸留を40℃で1.0−1.33体積相当量の最終体積まで続けた。この方法を二回繰り返した。得られた混合物を5℃に冷却し、そして1時間この温度で撹拌し、次いで濾過し、0−5℃でトルエン(0.3体積相当量)で洗浄した。バッチを0−5℃でトルエン(1.0体積相当量)でスラリーとして洗浄した。45℃で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(典型的には75%の補正収率)として得た。1H NMR δ(400MHz CDCl3):7.92(s,1H),7.87(s,1H),4.6(bs,2H),2.40(s,3H)。
【0122】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチルの調製
【0123】
【化17】
【0124】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−ヒドロキシ−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸メチル(1.0当量)、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン(1.05当量)、炭酸セシウム(1.5当量)及びジメチルスルホキシド(10体積相当量)を窒素雰囲気下で入れた。フラスコの内容物を45℃で1.5時間加熱し、次いで22℃に冷却した。酢酸エチル(6体積相当量)及び水(6体積相当量)をフラスコに加え、混合物を15分間撹拌し、次いで層を分離した。水(3体積相当量)を有機層に加え、バッチを15分間撹拌し、次いで層を分離した。この方法を、水(3体積相当量)、次いで飽和食塩水(6体積相当量)、次いで水(6体積相当量)で繰返した。有機層を回転蒸発機で蒸発して、表題化合物を、油状物(93%のアッセイに対して補正された収率)として得た。1H NMR δ(400MHz)DMSO:8.62(s,1H),8.50(s,1H),7.34(s,1H),7.30(s,1H),7.17(s,1H),4.68−4.64(m,1H),4.54−4.49(t,2H),4.07−4.03(t,2H),3.81(s,3H),3.49−3.41(m,2H),3.25(s,3H),2.29−2.22(m,2H),1.20−1.18(d,3H)。
【0125】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド
【0126】
【化18】
【0127】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]安息香酸(1.0当量)、及びアセトニトリル(10体積相当量)を、続いてピリジン(3当量)を窒素雰囲気下で入れた。塩化チオニル(1.2当量)をアセトニトリル(0.225体積相当量)中の溶液として、少なくとも2時間かけてシリンジポンプで滴下によりゆっくりと加えた。5−メチルピラジン−2−アミン(1.2当量)を固体として混合物に加えた。2.5時間後、反応をトルエン(10体積相当量)及び1.0Mの炭酸ナトリウム溶液(2.5当量)を加えることによってクエンチした。層を分離した。有機層をフラスコ中に保持し、次いで1.0Mの塩酸(1.94当量)を加えた。混合物を15分間撹拌し、次いで分離した。有機層を水(5体積相当量)の二つのアリコートで洗浄し、次いで溶媒を回転蒸発機で除去した。トルエン(5体積相当量)を残渣に加え、そして45℃に温めた。イソヘキサン(1.7体積相当量)を加え、混合物に種晶添加し、そして一晩で周囲温度まで冷却させた。混合物を0℃に4時間で冷却し、そして次いで−10℃に3時間で冷却した。固体を濾過によって単離し、次いでイソ−ヘキサン(2.5体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率85%)として得た。
【0128】
2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジン
【0129】
【化19】
【0130】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、塩化テトラブチルアンモニウム(0.011当量)及びトルエン(4体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を70−75℃に加熱し、そして塩化チオニル(1.35当量)を、概略1時間かけて滴下により加えた。塩化チオニルをトルエン(1体積相当量)でフラスコ中に洗浄した。混合物を少なくとも4時間70−75℃で加熱し、次いで50±5℃に冷却した。トルエン(5.3体積相当量)を加え、そして混合物を50±5℃(100ミリバール)で真空蒸留して、概略5.3体積相当量の留出物を除去し、そして5体積相当量の最終体積まで蒸留した。この方法を繰返した。次いで得られた混合物を20−25℃に冷却した。トルエン(8.93体積相当量)を加え、そしてバッチを50±5℃で撹拌して、酸塩化物の溶液を得た。
【0131】
一方、第2のフラスコに、アゼチジン塩酸塩(1.05当量)、トルエン(6.07体積相当量)、及び炭酸カリウム(1.24当量)の水(6.07体積相当量)中の溶液を入れた。得られた混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。水層をフラスコに戻し、そしてトルエン(6.07体積相当量)を加えた。混合物を20±5℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで層を分離した。水層をフラスコに戻し、そして炭酸カリウム(1.24当量)及びトルエン(6.07体積相当量)を加えた。混合物を少なくとも30分間撹拌した 第1のフラスコ中の酸塩化物の溶液を第2のフラスコ中の混合物に、少なくとも20−60分の時間をかけて反応温度を20±5℃に維持しながら分割して加えた。反応混合物を少なくとも30分間20±5℃で撹拌し、そして次いで濾過し、フィルターをトルエン(0.17体積相当量)で洗浄し、そして次いで層を分離した。下部の水層を分離し、そして廃棄した。水(6.07体積相当量)を第2のフラスコに加え、そして混合物を20±5℃で概略15分間撹拌し、そして次いで分離させた。下部の水層を分離し、そして廃棄した。5重量/重量%の塩酸(1.5当量)(32重量/重量%の塩酸及び水から調製 を、バッチ温度を20±5℃に保ちながら有機層に加えた。混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いで層を分離し、そして下部の水層を廃棄した。25重量/重量%の塩化ナトリウム溶液(概略6体積相当量)を有機層に加え、そして混合物を20−25℃で少なくとも15分間撹拌した。層を分離し、水層を廃棄した。有機層を50±5℃に加熱し、そして4.5体積相当量の最終体積まで真空蒸留し、15.2体積相当量の留出物を収集した。活性炭(11重量/重量%)及びヘプタン(12.8体積相当量)を加え、そして混合物を90−100℃で少なくとも1時間撹拌した。混合物を、反応温度を70℃より高く保ちながら、清浄な乾燥した容器中に濾過した。ヘプタン(1.16体積相当量)を、混合物をフィルターに洗浄するために使用した。混合物を55−60℃に冷却し、2−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−5−クロロピラジンを種晶添加し、そして15−20℃に少なくとも3時間かけて冷却した。結晶したスラリーを濾過し、そして固体を140−155石油エーテル(1.45体積相当量)で洗浄した。固体を140−155石油エーテル(1.45体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を固体として得た 補正収率65−78%)。
【0132】
(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸ベンジル
【0133】
【化20】
【0134】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、5−メチルピラジン−2−カルボン酸(1.0当量)、トルエン(2.5体積相当量)及びジ−イソプロピルエチルアミン(1.50当量)を、窒素雰囲気下で入れた。混合物を50℃のバッチ温度で真空蒸留して、2体積相当量の最終体積まで蒸留した。バッチを試料採取して、水含有率が<0.1重量/重量%であることを確実にし、次いで15±2℃に冷却し、そしてジフェニルホスホリルアジド(1.00当量)を、反応混合物の温度を15±2℃に維持しながら5−6時間の時間をかけて加えた。混合物を更に1.5時間撹拌した。一方、第2のフラスコに、ベンジルアルコール(3.00当量)及びトルエン(11体積相当量)を入れた。混合物を10体積相当量の体積まで共沸的に乾燥した。第2のフラスコの内容物を試料採取して、水含有率が<0.1重量/重量%であることを確実にし、次いで85−90℃に加熱した。第1のフラスコの内容物を、反応温度を概略85℃に維持しながら概略2時間かけて第2のフラスコの内容物にゆっくりと加えた。反応混合物を1時間85℃で撹拌し、次いで20℃に冷却した。5重量/重量%の水酸化ナトリウム溶液(1.75当量)を1時間かけてゆっくりと加え、混合物を5℃に冷却し、5℃で1時間撹拌し、次いで濾過した。単離した固体を水(2体積相当量)及びメタノール(2体積相当量)で連続して洗浄した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率78−85%)として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):9.41 bs(1H),9.24 s(1H),7.87 s(1H),7.39−7.41 m(5H),5.22 s(2H),2.31 s(3H)。
【0135】
5−メチルピラジン−2−アミン
【0136】
【化21】
【0137】
オーバーヘッド撹拌機、凝縮器、温度計及び窒素管路を備えたフラスコに、(5−メチルピラジン−2−イル)カルバミン酸ベンジル(1.0当量)、炭素上のパラジウム触媒E196(乾燥基準で3重量/重量%パラジウム))、水酸化ナトリウム(0.01当量)−及びメタノール(5体積相当量)を、窒素の詰物下で入れた。反応物を窒素下で加圧し、そして放出することによって脱ガスし、次いで水素を常圧まで入れ、そして反応物を20±5℃で少なくとも3時間撹拌した。活性炭(Norit SX Ultra)(原料の5重量%)をフラスコに加え、混合物を少なくとも30分間20±5℃で撹拌し、次いで0.45ミクロンのフィルターを通して濾過した。フィルターをメタノール(1体積相当量)で洗浄し、次いで母液を6%酸素/94%窒素の雰囲気下の15℃で24時間まで撹拌させ(別の方法として1%酸素/99%窒素の雰囲気を使用した)、次いで0.45ミクロンのフィルターを通して再度濾過した。母液を1.5体積相当量の最終体積まで45℃で真空蒸留した。トルエン(1.5体積相当量)を加え、そして混合物を1.5体積相当量の最終体積まで45℃で真空蒸留した。この方法を更なるトルエン(0.5体積相当量)で繰返し、次いで得られた混合物を5℃に冷却し、そして濾過した。固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。固体をトルエン(1体積相当量)で洗浄した。40℃の真空オーブン中で一晩乾燥した後、所望の生成物を、固体(補正収率65−78%)として得た。
【0138】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
A
【0139】
【化22】
【0140】
温度計、凝縮器、オーバーヘッド撹拌機及び窒素管路を備えたフラスコに、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(1当量)及びメチルイソブチルケトン(6.7体積相当量)を、窒素雰囲気下で入れた。バッチを60℃に加熱し、そしてもう一つのフラスコ中に濾過した。混合物を45℃に冷却し、そして次いで3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6)(0.075重量/重量%)を種晶添加した。混合物を45℃で6時間保持し、次いで段階的冷却プロフィルにかけた。混合物を40℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで35℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで30℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで20℃に冷却し、そして6時間保持し、次いで10℃に冷却し、そして3時間保持した。次いで混合物にn−ヘプタンを、混合物を10℃に維持しながら2時間の時間をかけてゆっくりと加え、添加後、混合物を更に1時間10℃で保持した。次いで混合物を0℃に冷却し、そして6時間保持してから、濾過した。固体を、0℃に予備冷却したメチルイソブチルケトン/n−ヘプタン混合物(9/1体積比)(2体積相当量)で洗浄した。固体を溶媒のレベルが<0.5重量/重量%になるまで40℃で乾燥した。40℃の真空オーブンで一晩乾燥した後、表題化合物を、固体(補正収率85%)として得た。
【0141】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド(フォーム6として)の調製
B
粗製の3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドを、6.7相対体積のメチルイソブチルケトン(MIBK)中に懸濁した。混合物を70℃に加熱して、固体を溶解した。固体が溶解した後、混合物を濾過して、Puresエンベロープを発生した。次いで溶液を45℃に冷却し、フォームVIの3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1S)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミド)で種晶添加し、そして45℃で4時間保持した。次いで混合物を段階的冷却プロフィルを使用して冷却した(40℃に冷却し、そして4時間保持し、35℃に冷却し、そして6時間保持し、30℃に冷却し、そして6時間保持し、20℃に冷却し、そして3時間保持し、10℃に冷却し、そして3時間保持し、そして0℃に冷却し、そして3時間保持する)。次いで混合物を多くの温度サイクルにかけて、結晶の塊を細分化した。混合物を0℃から0.5℃/分で30℃に加熱し、そして30℃で2時間保持し、そして次いで0.1℃/分で0℃に冷却し戻し、そして3時間保持した。この温度サイクルを更に三回繰り返した。所望の物理的形態の形成を確認するための工程制御の後、混合物を濾過し、そして50/50容積/容積のMIBK/n−ヘプタンで洗浄した。固体を60℃の真空下で一定重量が得られるまで乾燥した。収率=75−82%。洗浄は、更により高い又は低いMIBKの相対量を含有するn−ヘプタン及びMIBKの混合物で行うこともできる。
【0142】
フォーム1及び4のスラリーからのフォーム6の形成
フォーム1及び4の概略1:1の混合物(合計30mg)を、50−300μlのIPA中でスラリー化し、そして多くの日数上昇した温度に保持した。フォーム6への実質的に完全な転換(XRPDによって確認)が、以下のとおりに得られた:
35℃:8日間
40℃:11日間(転換は完全ではなかった、しかし試料は全ての時間湿ったままではなく、そして11日中の3日間室温であった)
45℃:11日間(この時点以前には試験されなかった)
50℃:11日間(この時点以前には試験されなかった)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
11.8及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、以下の式(I):
【化1】
の化合物の結晶形。
【請求項2】
11.8、10.5、6.4、5.9及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
11.8、10.5、6.4、5.9、5.7及び3.75のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項4】
11.8、10.5、8.2、6.4、5.9、5.7、5.2、3.75及び3.44のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項5】
実質的に図1に示す通りのX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を、医薬的に受容可能な担体と一緒に含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を、医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる、請求項6に記載の医薬組成物の製造のための方法。
【請求項8】
医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形の使用。
【請求項9】
グルコキナーゼの活性化が有益である疾病状態を治療する方法であって、温血哺乳動物に、有効な量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項11】
グルコキナーゼによって仲介される疾病、特にII型糖尿病及び/又は肥満症の治療のための医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項12】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム6を製造するための方法であって、
a)3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム1及び4の混合物をIPA中で35−50℃で長時間懸濁するか;或いは
b)フォーム1のIPA中の懸濁液を35℃で形成し、次いで1時間後少量のフォーム6で種晶添加し、そして混合物を長時間放置するか;或いは
c)フォーム1のブチロニトリル中の溶液を45℃で形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも3時間後、15℃にゆっくりと冷却し、そして混合物を長時間この温度で放置するか;或いは
d)フォーム1のブチロニトリル中の溶液を45℃で形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも6時間後、5、5、5、10及び10℃で段階的に10℃に冷却し、混合物をそれぞれの段階で数時間保持し、次いで所望により10℃でヘプタンを加え、そして混合物を更なる時間保持すること;
を含んでなる、方法。
【請求項1】
11.8及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、以下の式(I):
【化1】
の化合物の結晶形。
【請求項2】
11.8、10.5、6.4、5.9及び5.7のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
11.8、10.5、6.4、5.9、5.7及び3.75のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項4】
11.8、10.5、8.2、6.4、5.9、5.7、5.2、3.75及び3.44のd値(Å)においてピークを持つX線粉末回折パターンを有する、請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項5】
実質的に図1に示す通りのX線粉末回折パターンを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を、医薬的に受容可能な担体と一緒に含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を、医薬的に受容可能な担体と一緒に混合することを含んでなる、請求項6に記載の医薬組成物の製造のための方法。
【請求項8】
医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形の使用。
【請求項9】
グルコキナーゼの活性化が有益である疾病状態を治療する方法であって、温血哺乳動物に、有効な量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形を投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項11】
グルコキナーゼによって仲介される疾病、特にII型糖尿病及び/又は肥満症の治療のための医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項12】
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム6を製造するための方法であって、
a)3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ベンズアミドのフォーム1及び4の混合物をIPA中で35−50℃で長時間懸濁するか;或いは
b)フォーム1のIPA中の懸濁液を35℃で形成し、次いで1時間後少量のフォーム6で種晶添加し、そして混合物を長時間放置するか;或いは
c)フォーム1のブチロニトリル中の溶液を45℃で形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも3時間後、15℃にゆっくりと冷却し、そして混合物を長時間この温度で放置するか;或いは
d)フォーム1のブチロニトリル中の溶液を45℃で形成し、次いで少量のフォーム6で種晶添加し、少なくとも6時間後、5、5、5、10及び10℃で段階的に10℃に冷却し、混合物をそれぞれの段階で数時間保持し、次いで所望により10℃でヘプタンを加え、そして混合物を更なる時間保持すること;
を含んでなる、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−517990(P2012−517990A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549672(P2011−549672)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050216
【国際公開番号】WO2010/092386
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050216
【国際公開番号】WO2010/092386
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】
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