説明

給水装置

【課題】使用者の操作により給水開始した後において、給水継続中の途中で使用者の操作により強制的に給水停止することのできるフラッシュバルブ装置を提供する。
【解決手段】フラッシュバルブ装置10において、第1導水路20に加えて第2導水路60を設けるとともに、その第2導水路60上に、通常はこれを閉鎖した状態に維持し、人の操作に基づいて開弁する緊急停止弁62を設ける。そしてその強制開弁により圧力室18への水の導入量を増して主弁14を閉弁させ、給水を緊急停止させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置等として好適な給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大便器や小便器(以下単に便器とする)に対して用便後に便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置が公知である(例えば下記特許文献1)。
従来、このフラッシュバルブ装置は、(a)給水路と、(b)給水路を開閉する主弁と、(c)主弁の背後に形成され、水の圧力により主弁を閉弁方向に押圧する圧力室と、(d)給水路における主弁の上流部と圧力室とを連通させ、給水路の水を圧力室に導入する導水路と、(e)圧力室の水を給水路における主弁の下流部に抜き出す水抜路と、(f)水抜路を開放して主弁を開弁動作させ、給水を開始させる起動弁と、を備えた構造をなしている。
このフラッシュバルブ装置では、使用者が操作部を操作すると起動弁が開弁して水抜路を開放する。すると圧力室の水が水抜路を通じて給水路における主弁の下流部に抜き出され、圧力室の圧力が消失する。
ここにおいて主弁が給水路の上流部の給水圧に基づいて開弁し、給水路を開放して便器洗浄水を給水する。
【0003】
一方主弁が開弁すると、給水路における上流部の水が導水路を通じて圧力室内に流入し、これにより圧力室の圧力が漸次増大し、そしてその圧力が所定圧に達すると主弁が自動的に閉弁し、給水を停止する。
即ちフラッシュバルブ装置の場合、使用者が操作を行うことで便器洗浄水の給水を開始し、その後は設定量の便器洗浄水を給水したところで自動的に主弁が閉じて給水を停止する。
【0004】
通常このフラッシュバルブ装置では、使用者が給水開始を行わせるための操作部が手動操作部とされているが、センサ式の操作部、即ち使用者がかざした手或いは人体を非接触で検知し、そのかざした手や人体の検知ないしは非検知に基づいて便器洗浄水を給水する形式のものも知られている。
【0005】
ところでフラッシュバルブ装置の設置された便器(特に大便器)において、ティッシュペーパー等が流されることによって便器に詰りが発生し、排水が良好に行われないことがある。
この場合使用者がその詰りを解消しようとして再度フラッシュバルブ装置を操作することがある。
このとき再度の給水によっても詰りが解消されないと、フラッシュバルブ装置から便器に流れ込んだ水が便器から溢れてしまう恐れがある。
従来のフラッシュバルブ装置の場合、一旦操作部を操作して給水開始させると、予め設定されている量の便器洗浄水が給水され終わるまで給水が停止せず、使用者が「しまった」と思って給水停止させようとしても、これを行うことができないからである。
【0006】
また操作部がセンサ式の操作部の場合、使用者が詰りの原因を調べようとして身体を動かしているときに、誤ってセンサが手や人体を検知してしまい、意図せず洗浄水が給水開始されてしまう場合がある。このような場合にも上記と同様の問題を生ずる。
以上では主として大便器の場合について述べたが、小便器においても事情はほぼ同様である。
このような場合、フラッシュバルブ装置の近くに設けてある止水栓を操作して止水するといったことも考えられないではないが、止水栓において止水しようとすると工具を用いて止水操作を行わなければならず、止水までに長時間を要してしまって、緊急に給水を停止したい場合には止水栓による止水では対応することができない。
【0007】
以上便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置について問題点を述べたが、設定量の水を給水した後自動的に給水停止するものとして自閉水栓(セルフストップ水栓)があり、この自閉水栓においても使用者の操作により給水開始した後は、設定量の水を給水してしまうまで給水停止しないことから、その間に使用者が水を止めたいと思ってもこれを行うことができず、フラッシュバルブ装置と同種の問題が内在する。
本発明は、このように使用者が給水開始した後に設定量の水を給水したところで自動的に給水停止する給水装置に特有に生じる上記の問題を解決すべく案出されたものである。
【0008】
【特許文献1】特開平4−68131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上のような事情を背景とし、使用者の操作により給水開始した後において、給水継続中の途中で使用者の操作により強制的に給水停止することのできる給水装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
而して請求項1のものは、(a)給水路と、(b)該給水路を開閉する主弁と、(c)該主弁の背後に形成され、水の圧力により該主弁を閉弁方向に押圧する圧力室と、(d)前記給水路における前記主弁の上流部と前記圧力室とを連通させ、該給水路の水を該圧力室に導入する導水路と、(e)該圧力室の水を該給水路における前記主弁の下流部に抜き出す水抜路と、(f)該水抜路を開放して該主弁を開弁動作させ、給水を開始させる起動弁と、を備えてなる給水装置において、前記導水路を通常は絞った状態に維持し、人の操作に基づいて該導水路を該絞った状態から広開度状態に切り換えて前記圧力室への水の導入量を増し、給水を緊急停止する緊急停止弁と、該緊急停止弁を強制的に広開度側に操作する緊急停止操作部と、を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1において、前記導水路が前記主弁を貫通して前記給水路における前記主弁の上流部と前記圧力室とを連通させる第1導水路と、該主弁をバイパスして該上流部と該圧力室とを連通させる第2導水路とを含んで構成してあり、前記緊急停止弁が該第2導水路を開閉することによって前記導水路を前記絞った状態から広開度状態に切り換えるものであることを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項2において、前記第2導水路の流路面積が前記第1導水路の流路面積に対して大きくされていることを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置として構成されていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0014】
以上のように本発明は、導水路を通常は絞った状態に維持し、人の操作に基づいて導水路を絞った状態から広開度状態に切り換えて圧力室への水の導入量を増し、給水を緊急停止する緊急停止弁と、これを強制的に広開度側に操作する緊急停止操作部とを給水装置に設けたものである。
かかる本発明によれば、使用者が給水開始操作した後において途中で水を止めたいと思った時には、緊急停止操作部を操作することで、確実に継続中の給水を途中で停止させることができ、給水装置において従来生じていた問題を解決することができる。
【0015】
本発明では、上記導水路を、主弁を貫通して給水路における主弁の上流部と圧力室とを連通させる第1導水路と、主弁をバイパスしてその上流部と圧力室とを連通させる第2導水路とを含んで構成しておくことができる。この場合において緊急停止弁を第2導水路を開閉することによって、導水路を上記の絞った状態から広開度状態に切り換えるものとなしておくことができる(請求項2)。
【0016】
またこの場合において第2導水路の流路面積を、第1導水路の流路面積に対して大きくしておくことができる(請求項3)。
このようにしておくことで、緊急停止弁により第2導水路を開くことで給水路における上流部の水を大量に且つ速やかに圧力室へと導入することができ、これにより主弁を速やかに閉弁させて給水停止させることができる。
【0017】
本発明は、給水開始してから設定量の水を給水した後に自動的に給水停止する各種給水装置に適用可能なものであるが、特に便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置に適用して好適なものである(請求項4)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本発明の給水装置の一例としてのフラッシュバルブ装置で(ここでは大便器用のフラッシュバルブ装置)、12は給水路、14は給水路12を開閉するピストン式の主弁である。
主弁14は常時は弁座16に着座した状態にあって、給水路12における上流部12Aと下流部12Bとを遮断した状態にある。
このフラッシュバルブ装置10では、主弁14が弁座16から図中上向きに離れて開弁することで、給水路12における上流部12Aと下流部12Bとが連通状態となって、上流部12Aの水が下流部12Bへと流れ込み、便器(大便器)に対し洗浄水として給水される。
【0019】
主弁14の背後(図中上側)には圧力室18が形成されており、主弁14は、通常時はこの圧力室18内の水の圧力で図中下向きに押圧され、閉弁状態に維持される。
主弁14には、給水路12における上流部12Aの水を圧力室18へと導入する、流路面積の小さい小孔からなる第1導水路20が主弁14を貫通する状態で設けられている。
一方圧力室18からは、圧力室18内の水を給水路12における下流部12Bへと抜き出すための水抜路22が主弁14を貫通して延び出しており、その水抜路22上に傾動式の起動弁24が設けられている。
この起動弁24は軸部26と弁部28とを有しており、通常時はスプリング30の図中下向きの付勢力によって、弁部28が弁座32に着座した状態にあり、水抜路22を閉鎖状態に維持している。
ここでスプリング30は、主弁14と起動弁24の弁部28とにまたがって介装されている。
【0020】
34は給水開始操作を行うための操作レバーで、このフラッシュバルブ装置10では操作レバー34を傾動させると、駆動軸36が図中左向きに突き出されて起動弁24の軸部26を図中左向きに押し、起動弁24を傾動させる。
ここにおいて水抜路22が開放されて、圧力室18内の水が給水路12の下流部12Bへと抜き出される。
【0021】
38はストッパ軸で、このストッパ軸38は主弁14への当接作用により主弁14の上昇端を規定する。即ち主弁14の図中上方へのリフトアップ量を規定する。
このストッパ軸38は大径部40を有していてその外周面に雄ねじが形成され、その雄ねじがフラッシュバルブ装置10におけるボデー42の雌ねじに螺合されている。
ストッパ軸38は、その螺合位置を変化させることによって図中上下方向の位置が調整される。即ち主弁14のリフトアップ量が調整される。
【0022】
44は止水栓で、この止水栓44は止水弁46と、これを保持する保持体48とを有している。保持体48は止水栓44におけるボデー50にねじ結合され、組み付けられている。
止水弁46は、弁部51と軸部52とを有しており、その弁部51が弁座54に着座することによって給水路12を閉鎖する。
この止水栓44は、操作開口56を通じて止水弁46を回転操作し、これにより止水弁46を、保持体48とのねじ結合部におけるねじ送りで図中上下方向に前進或いは後退移動させ、給水路12を流通する水の流量を調節し、或いは止水を行う。
【0023】
このフラッシュバルブ装置10では、図2に示しているように操作レバー34を傾動操作すると、起動弁24が開弁して圧力室18の水が水抜路22を通じて給水路12の下流部12Bへと流れ出す。
ここにおいて圧力室18の圧力が消失することで、主弁14が給水路12における上流部12Aの給水圧で図中上方に開弁させられ、給水路12が開放される。ここにおいて上流部12Aから下流部12Bへと水が流通して、便器に対する洗浄水として便器側に給水される。
【0024】
一方主弁14が開弁した後においては、上流部12Aの水が第1導水路20を通じて圧力室18へと流入する。これにより圧力室18の圧力は漸次増大し、そして圧力室18の圧力が所定圧力に達すると、その圧力室18の水の圧力による押圧作用で主弁14が閉弁して給水を停止する。
【0025】
フラッシュバルブ装置10にはまた、図3にも示しているように圧力室18と給水路12の上流部12Aとを連絡するバイパス管58が設けられており、その内側に、上流部12Aの水を主弁14をバイパスして圧力室18に導入する第2導水路60が形成されている。
この第2導水路60は、上記第1導水路20とともに上流部12Aの水を圧力室18と導入する導水路を構成するもので、ここでは第2導水路60の流路面積が第1導水路20の流路面積に対して大きくされている。
【0026】
この第2導水路60上には、給水を強制的に緊急停止させるための緊急停止弁62が設けられている。
緊急停止弁62は、図1の部分拡大図及び図3に示しているように、バイパス管58の一部を構成する弁ハウジング63に形成された弁座64に、シール部材66を介して着座し又はこれから離間する弁部68と、軸部70とを有しており、弁ハウジング63に軸方向に移動可能に保持されている。
弁ハウジング63内には、緊急停止弁62を閉弁方向に、具体的には図中上向きに付勢するスプリング72が収容されており、緊急停止弁62は、通常時はこのスプリング72の付勢力に基づいて弁部68を弁座64に着座させた状態、即ち閉弁状態に維持されている。
【0027】
この緊急停止弁62には、緊急停止操作を行うための押ボタン式の緊急停止操作部74が一体的に設けられている。ここで緊急停止操作部74は、弁ハウジング63の開口より図中上向きに突出させられており、この緊急停止操作部74を図中下向きに押込操作すると、緊急停止弁62の弁部68が弁座64から図中下向きに離れて、緊急停止弁62が開弁する。
ここにおいて第2導水路60が開放状態となって、給水路12における上流部12Aと背圧室18とが第2導水路60を介して連通した状態となり、上流部12Aの水が、この第2導水路60を通じて背圧室18へと導入されるようになる。
【0028】
即ち緊急停止弁62は通常時は閉弁状態に維持され、従って第1導水路20と第2導水路60にて構成された導水路は、通常時はその流路が絞られた状態にあり、緊急停止弁62が開弁して第2導水路60が開放されると、これら第1導水路20及び第2導水路60からなる導水路が広開度状態に切り換り、給水路12における上流部12Aの水が多量に背圧室18内に導入される。
詳しくは緊急停止弁62が閉弁状態の下では、図3に示しているように主弁14の開弁後において給水路12における上流部12Aの水は主弁14を貫通して設けられた流路面積の小さな第1導水路20を通じてのみ圧力室18へと流入する。従って開弁した主弁14はゆっくりと時間をかけて閉弁動作し、その間に設定量の便器洗浄水を便器側に給水する。
【0029】
一方給水開始後において、図4に示しているように給水中に緊急停止操作部74を図中下向きに押して緊急停止弁62を開弁させると、ここにおいて給水路12における上流部12Aの水が第1導水路20だけでなく、流路面積の大きい第2導水路60を通じても圧力室18へと流入するために、全体として圧力室18への流入水流が急激に増大し、そのため主弁14は開弁後において速やかに閉弁して給水を停止する。
従って給水開始後において、給水継続中に使用者が緊急停止操作部74を操作して緊急停止弁62を開弁させることで、継続中の給水を強制的に緊急停止させることができる。
【0030】
以上のように本実施形態によれば、使用者が給水開始操作した後において途中で水を止めたいと思った時には、緊急停止操作部74を操作することで、確実に継続中の給水を途中で停止させることができ、フラッシュバルブ装置10において従来生じていた問題を解決することができる。
【0031】
本実施形態では、導水路を、主弁14を貫通して給水路12における主弁14の上流部12Aと圧力室18とを連通させる第1導水路20と、主弁14をバイパスして上流部12Aと圧力室18とを連通させる第2導水路60とを含んで構成してあるため、緊急停止弁62を第2導水路60を開閉することによって、導水路を絞った状態から広開度状態に切り換えることができる。
この場合において第2導水路60の流路面積を第1導水路20の流路面積に対して大きくしてあるため、緊急停止弁62により第2導水路60を開くことによって、給水路12における上流部12Aの水を大量に且つ速やかに圧力室18へと導入することができ、主弁14を速やかに閉弁させて給水停止させることができる。
【0032】
以上の例は、図5(A)に示しているように導水路として主弁14を貫通する第1導水路20と、主弁14をバイパスする、第1導水路20よりも流路面積の大きな第2導水路60とを設けて、その第2導水路60上にこれを開閉する緊急停止弁62を設け、緊急停止弁62の開弁動作によって通常時の導水路を絞った状態から広開度状態に切り換えるようになした例であるが、図5(B)に示しているように、第1導水路20の流路面積を大きく、また第2導水路60の流路面積を小さくして、緊急停止弁62を第1導水路20側に設け、かかる緊急停止弁62によって第1導水路20を開閉することで、導水路を通常時の絞った状態から広開度状態に切り換えるようになすことも可能である。
尚この場合、第2導水路60は常時給水路12における上流部12Aと圧力室18とを連通した状態にあり、緊急停止弁62が開弁操作されない状態の下で、主弁14の開弁後における上流部12Aの水の圧力室18Aの導入は、この第2導水路60を通じて行われる。
【0033】
一方(C)の例に従って、主弁14をバイパスする導水路76のみを設けておき、この導水路76上に、導水路76の流路面積を通常時の絞った状態から緊急停止時の広開度状態に切り換える緊急停止弁を設けておくといったことも可能である。
この場合において、導水路76を途中で二股に分岐させておいて、その何れか一方に緊急停止弁を設け、その緊急停止弁によって一方の分岐路を開閉するようになすことができる。
【0034】
(D)は更に他の例を示したもので、この例は、主弁14を貫通する形態で導水路76を設け、この導水路76上に緊急停止弁を設けて、この緊急停止弁により導水路76の流路面積を通常時の絞った状態から広開度状態に切り換えるようになした例である。
この場合においても導水路76を途中で二股に分岐させて、何れか一方に緊急停止弁を開閉可能に設けておき、緊急停止弁を開弁させることで一方の分岐路を開放状態として、導水路76を通常時の絞った状態から広開度状態に切り換えるようになすことができる。
【0035】
以上の例では緊急停止操作部を手動式となしているが、この緊急停止操作部はセンサ式の操作部となしておくこともできる。
即ち使用者が手かざし操作したときにこれを非接触で検知し、その手かざしの検知に基づいて緊急停止弁を閉弁状態等の流路を絞った状態から開弁状態等の広開度状態へと切り換えるものとなすことができる。
この場合において緊急停止弁は、電磁弁等の電気駆動弁として構成しておくと好都合である。
【0036】
図6は緊急停止操作部をセンサ式の操作部となした場合の一例を示している。
この例のフラッシュバルブ装置10において80は、人体検知してから非検知状態となることによって自動的に主弁を開弁させて給水を開始させるための、即ち給水開始させるための、ハウジング80の前面に設けられたセンサ式の給水開始操作部で、82は使用者が手かざし操作したときにこれを非接触で検知して主弁を開き、強制的に便器洗浄水を給水開始させるための給水開始操作部である。
また84は同じくセンサ式の緊急停止操作部であって、同じく使用者が手かざし操作すると、これを非接触で検知して緊急停止弁を強制的に開くなど広開度側に動作させ、給水継続途中で給水を緊急停止させる。
【0037】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示である。
例えば本発明は小便器のフラッシュバルブ装置への適用はもとより、上記のような自閉式水栓(セルフストップ水栓)への適用も可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態であるフラッシュバルブ装置を切り欠いて示す正面図である。
【図2】同実施形態のフラッシュバルブ装置の一作用説明図である。
【図3】同実施形態のフラッシュバルブ装置の要部を拡大して示した図である。
【図4】図3に示す要部の作用説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態説明する模式図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10 フラッシュバルブ装置
12 給水路
12A 上流部
12B 下流部
14 主弁
18 圧力室
20 第1導水路
22 水抜路
24 起動弁
60 第2導水路
62 緊急停止弁
74 緊急停止操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)給水路と、(b)該給水路を開閉する主弁と、(c)該主弁の背後に形成され、水の圧力により該主弁を閉弁方向に押圧する圧力室と、(d)前記給水路における前記主弁の上流部と前記圧力室とを連通させ、該給水路の水を該圧力室に導入する導水路と、(e)該圧力室の水を該給水路における前記主弁の下流部に抜き出す水抜路と、(f)該水抜路を開放して該主弁を開弁動作させ、給水を開始させる起動弁と、を備えてなる給水装置において、
前記導水路を通常は絞った状態に維持し、人の操作に基づいて該導水路を該絞った状態から広開度状態に切り換えて前記圧力室への水の導入量を増し、給水を緊急停止する緊急停止弁と、該緊急停止弁を強制的に広開度側に操作する緊急停止操作部と、を設けたことを特徴とする給水装置。
【請求項2】
請求項1において、前記導水路が前記主弁を貫通して前記給水路における前記主弁の上流部と前記圧力室とを連通させる第1導水路と、該主弁をバイパスして該上流部と該圧力室とを連通させる第2導水路とを含んで構成してあり、前記緊急停止弁が該第2導水路を開閉することによって前記導水路を前記絞った状態から広開度状態に切り換えるものであることを特徴とする給水装置。
【請求項3】
請求項2において、前記第2導水路の流路面積が前記第1導水路の流路面積に対して大きくされていることを特徴とする給水装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、便器洗浄水を給水するフラッシュバルブ装置として構成されていることを特徴とする給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−177393(P2007−177393A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373487(P2005−373487)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】