説明

給湯風呂装置

【課題】
必要燃焼熱量が最大燃焼熱量より大きい状態で過大な流量が流れて、設定温度の湯張りができないのを防止する。
【解決手段】
風呂の湯張り運転に於いて、熱交換器への給水温度、湯張り設定温度、湯張り時の単位時間当たりの流量により決まる必要燃焼熱量が最大燃焼熱量より大きくて燃焼能力不足となる場合、両搬送モードから搬送モードへと切り換えるので、給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を実現できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽へ自動的に湯張りを行う給湯風呂装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の給湯風呂装置は、図3に示すような構成になっている。101は湯張り回路付き給湯風呂装置の本体で、給湯用熱交換器102および風呂用熱交換器103とからなる熱交換器104が設けられている。操作部105で浴槽水の設定温度を入力し、風呂湯張り運転信号を入力すると、給湯電磁弁106が開成すると共に三方弁107が給湯回路108と風呂回路109を連結し通水するため、給水フローセンサ110が通水を検知した後、燃焼部111で燃焼用のファン(図示せず)が回転し、石油気化式のバーナ112に燃焼ポンプ(図示せず)により燃油を供給することで燃焼が行われ、1缶2水式熱交換器の給湯用熱交換器102と風呂用熱交換器103がバーナ112により同時に加熱され、風呂湯張り運転を開始する。この時、給湯回路108内の給湯用熱交換器102で加熱された湯は、給湯サーミスタ113により検出された温度が操作部105に入力された風呂設定温度になるようにミキシング弁114にて給水管115を流れる給水の一部と混合することによって、出温水温の制御がなされる。このようにして温度が制御された湯は、給湯サーミスタ113および出湯水量を制御する給湯水量制御弁116を通り、給湯回路108から給湯電磁弁106を通過後、二手に別れ風呂回路109を構成する風呂戻り路117と風呂用熱交換器103を経て風呂往き路118の双方から浴槽119へ注湯される。
【0003】
そして、この種の給湯風呂装置は、給湯回路108から供給された通水量を検知しカウントする湯張りフロ−センサ120を搭載しており、予め設定された所定量をカウントすることで、給湯電磁弁106を閉成すると共に三方弁107を風呂回路109の循環方向に戻して、風呂湯張り運転を停止する。設定水位に至ると循環水チェックを行い、設定温度より低い場合は追い焚きするようにしてある。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2002−168516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、風呂湯張り運転において、1缶2水式熱交換器への給水温度、湯張り設定温度、湯張り時の単位時間当たりの流量などに基づいて決まる必要燃焼熱量が、給湯風呂装置の最大燃焼熱量を超えて燃焼能力不足となる場合には、湯張り時に設定温度に達しないぬるいお湯が注湯されてしまうこととなり、湯張りが設定温度より低くなされ、風呂湯張り運転停止後の追い焚き時間が長くなるという問題があった。
【0005】
また、入浴中の足し湯運転時においては、ぬるいお湯が入浴者の足下の循環口から注湯されることで不快感を与えてしまうという問題があり、これらの問題を解決するために、燃焼能力不足となった場合に湯張り流量を絞る弁体を設けなければならなかった。
【0006】
本発明は従来の課題を解決するもので、湯張り流量を絞る弁体を設けることなく、必要燃焼熱量が、給湯風呂装置の最大燃焼熱量を超えるする過大な流量が流れて設定温度の給湯ができないという事態の発生を防止することができる給湯風呂装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は前記課題を解決するため、請求項1では、給湯用熱交換器と風呂用熱交換器とからなる熱交換器と、該熱交換器を加熱する燃焼部と、給水管の給水温度を検知する給水サーミスタと給水管を通過する給水量を検知する給水フローセンサとを備え、給水管から給湯用熱交換器を経て給湯管から給湯する給湯回路と、給湯管から回路内に流れるお湯の給水量を検知する湯張りフローセンサと浴槽内の水位を検出する水位センサとを備え、浴槽から風呂往き管を通り風呂用熱交換器を経て風呂戻り管を通って浴槽に戻る風呂回路と、一端が給湯管に接続され他端が分岐されて風呂往き管と風呂戻り管に接続され、その他端側に切り替え手段を設け、該切り替え手段を動作することにより給湯管からのお湯を風呂往き管と風呂戻り管の両方又は片方から浴槽に給湯する湯張り回路とを備え、設定した湯張り設定温度となるように加熱されたお湯を湯張り回路により浴槽に給湯して湯張り運転を行う給湯風呂装置に於いて、給水サーミスタにより検知した給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張りフローセンサにより検知した湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量により算出される必要燃焼熱量と、燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、該最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時は、切り替え手段を動作して風呂往き管又は風呂戻り管の片方からの片搬送により浴槽に湯張りを行い、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より大きい時は、切り替え手段を動作して風呂往き管と風呂戻り管の両方からの両搬送により浴槽に湯張りを行う制御部を備えたものである。
【0008】
又請求項2に係る給湯風呂装置では、特にその構成を、前記請求項1に於いて、前記制御部は、湯張り運転中に、給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量のいずれかが変化した時、必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時、両搬送により湯張り運転を行っていた場合、両搬送から片搬送に湯張りを切り替えると共に、この時の両搬送と片搬送の単位時間当たりの流量をそれぞれ記憶し、更に湯張り運転中に給水管の給水温度と、湯張り設定温度のいずれかが変化した時、その時の給水温度と、湯張り設定温度と、記憶した両搬送での単位時間当たりの流量により必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より大きい時、片搬送から両搬送に湯張りを切り替えるものである。
【0009】
又請求項3に係る給湯風呂装置では、特にその構成を、前記請求項1に於いて、前記制御部は、湯張り運転中に、給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量のいずれかが変化した時、必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、その結果により最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時は、風呂往き管又は風呂戻り管の片方からの片搬送により浴槽に湯張りを行うようにするために切り替え手段の動作が必要な場合、切り替え手段を動作させると共に、その時の両搬送モードと片搬送モードの単位時間当たりの流量をそれぞれ記憶し、次回の湯張り運転開始時に、記憶した各搬送モードの流量値と、給水管の給水温度と、湯張り設定温度とにより各搬送モードでの必要燃焼熱量を再度算出し、この各搬送モードでの必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、両搬送モードでの必要燃焼熱量が最大燃焼熱量より小さい時、両搬送モードで湯張り運転を開始するものである。
【0010】
又請求項4に係る給湯風呂装置では、特にその構成を、前記請求項1及び2及び3に於いて、前記湯張り回路の他端側で、分岐されて風呂往き管と風呂戻り管に接続されている風呂往き管と風呂戻り管とに接続する一方に二方弁を設けると共に、他方に三方弁を設け、この二方弁と三方弁とにより切り替え手段を形成するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の請求項1によれば、本発明の給湯風呂装置は、熱交換器への給水温度、湯張り設定温度、湯張り時の単位時間当たりの流量などに基づいて決まる必要燃焼熱量と、給湯風呂装置の最大燃焼熱量とを比較することにより、風呂戻り通路と風呂往き通路の両方で搬送する両搬送モードと、風呂往き通路のみで搬送する片搬送モードとを切り換えるように制御部を設けたことにより、給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を実現し、よって風呂湯張り時間および風呂湯張り運転停止時の追い焚き時間を可能な限り短くし、使い勝手をよくすることができるものである。
【0012】
又本発明の請求項2に記載の給湯風呂装置によれば、風呂湯張り運転中に必要燃焼カロリーが、前記最大燃焼カロリーをオーバーし燃焼能力不足となった場合、その場合における両搬送モードと片搬送モードそれぞれの単位時間当たりの流量を記憶するので、風呂湯張り運転途中に1缶2水式熱交換器への給水温度や前記湯張り設定温度の変化した場合に、片搬送モードから両搬送モードへと切り換えても前記燃焼能力不足が解消されると判断されるときには、湯張り運転途中であっても片搬送モードから両搬送モードへと切り換え、それにより、風呂湯張り運転途中に1缶2水式熱交換器への給水温度や前記湯張り設定温度の変化した場合に、フレキシブルな運転制御を行うことができるものである。
【0013】
又本発明の請求項3に記載の給湯風呂装置によれば、浴槽への前回の風呂湯張り運転での両搬送モードと片搬送モードそれぞれの単位時間当たりの流量を記憶するので、2度目からの風呂湯張り運転は記憶値から必要燃焼カロリーを算出し、最大燃焼カロリーをオーバーし燃焼能力不足とならないよう、搬送モードを選択してから風呂湯張り運転を開始することにより、2度目からの風呂湯張り運転では、効率的に給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を行うことができるものである。
【0014】
又本発明の請求項4に記載の給湯風呂装置によれば、出湯流量切換手段を、両搬送モードと片搬送モードとを切り換える三方弁と二方弁とで構成したことにより、従来の給湯風呂装置に必要だった給湯流量制御弁が不要となり、機器のコストダウンを図ることができものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、1缶2水式熱交換器への給水温度、湯張り設定温度、湯張り時の単位時間当たりの流量などに基づいて決まる必要燃焼熱量が、給湯風呂装置の最大燃焼熱量を超えて燃焼能力不足となる場合には、制御部において、風呂戻り通路と風呂往き通路の両方で搬送する両搬送モードから風呂往き通路のみで搬送する片搬送モードへと切り換えることにより、すなわち前記必要燃焼熱量が前記最大燃焼熱量を超えるする過大な流量が流れて設定温度の給湯ができないという事態の発生を防止でき、給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を実現し、よって風呂湯張り時間および風呂湯張り運転停止時の追い焚き時間を可能な限り短くし、使い勝手をよくできるものである。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御部において、風呂湯張り運転中に必要燃焼熱量が、最大燃焼熱量を超えて燃焼能力不足となった場合における両搬送モードと片搬送モードそれぞれの前記単位時間当たりの流量を記憶させているため、風呂湯張り運転途中に1缶2水式熱交換器への給水温度や前記湯張り設定温度の変化した場合に、片搬送モードから両搬送モードへと切り換えても燃焼能力不足が解消されると判断されるときには、湯張り運転途中であっても片搬送モードから両搬送モードへと切り換えることが可能となり、フレキシブルな運転制御を行うことができるものである。
【0017】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御部において、浴槽への前回の風呂湯張り運転での両搬送モードと片搬送モードそれぞれの単位時間当たりの流量を記憶させているため、次回の風呂湯張り運転は記憶値から必要燃焼熱量を算出し、最大燃焼熱量を超えて燃焼能力不足とならないよう、搬送モードを選択してから風呂湯張り運転を開始することが可能となり、効率的に給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を行うことができるものである。
【0018】
第4の発明は、特に、第1及び第2及び第3の発明の給湯風呂装置において、切り替え手段が両搬送モードと片搬送モードとを切り換える三方弁と二方弁で構成され、従来の給湯風呂装置で設けていた給湯流量制御弁が不要となることで、機器のコストダウンを図ることができるものである。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における給湯風呂装置の全体構成図である。
【0020】
図1において、1は湯張り回路付き給湯装置の本体で、給湯用熱交換器2および風呂用熱交換器3とからなる熱交換器4が設けられている。
【0021】
5は外部入力装置で、運転信号を入力したり、浴槽水の温度や水量等を設定できる。
【0022】
6は前記熱交換器4の下部に備えられた燃焼部で、石油気化式のバーナ7に燃焼用のファン(図示せず)により燃焼用空気を送風すると共に、燃料ポンプ(図示せず)により燃油を供給することにより燃焼を行うものである。
【0023】
8は給水配管接続口9に接続した給水管10から給湯用熱交換器2を経て給湯管11を介して給湯配管接続口12に至る給湯回路で、水道管13に直結している給水配管接続口9から給水された水道水を給水フローセンサ14により空焚き防止のため通水を検知し、給水サーミスタ15にてその温度を検知し、給湯用熱交換器2にて熱交換した後、設定温度になるようにミキシング弁16にて給水管10を流れる給水の一部を混合し、給湯サーミスタ17で出湯水の温度を検知して、給湯管11から給湯配管接続口12に接続されている水栓(図示せず)に向けて出湯するもので、更にミキシング弁16の下流側には断続して給湯した場合の湯温ムラを防ぐための水比例弁18を設けたものである。
【0024】
19は浴槽20から風呂往き管からなる風呂往き通路21を通り、風呂用熱交換器3を経て風呂戻り管からなる風呂戻り通路22を通って再び浴槽20に至る風呂回路で、浴槽20から風呂往き通路21を通って風呂用熱交換器3に流入する浴槽水の温度を検知する風呂サーミスタ23及び浴槽20内の水位を検出する水位センサ24と、風呂戻り通路22と風呂用熱交換器3との間に位置して風呂回路19内に浴槽水を循環させる循環ポンプ25と、風呂用熱交換器3と風呂戻り通路22との間に位置して、空焚き防止のため浴槽水の水流を検知する水流スイッチ26と浴槽20に設けた風呂アダプタ27とを備えたものである。
【0025】
28は一端を給湯配管接続口12と給湯サーミスタ13との間の給湯管11と接続し、他端の一方は三方弁29を介してから風呂往き通路21を通って風呂回路19と接続し、もう一方は二方弁30を介してから風呂戻り通路22を通って風呂回路19と接続した湯張り回路で、給湯回路8と湯張り回路28との開成及び閉成は給湯電磁弁31の開閉により行い、風呂回路19と湯張り回路28との開成及び閉成は、三方弁29および二方弁30からなる切り替え手段の動作により行い、給湯回路8から供給されたお湯を湯張りフローセンサ32により通水量を検知して所定量検知で給湯電磁弁31を閉成して風呂湯張り運転を停止するものである。
【0026】
更にこの湯張り回路28には直列に2つの逆止弁33、34が設けられ風呂回路19からの浴槽水が給湯回路8を介して水道管13に逆流するのを防止しているものである。
そして給湯運転、風呂湯張り運転、風呂追い焚き運転を制御部(図示せず)により制御して行うものである。
【0027】
次に、本給湯風呂装置の風呂湯張り運転の作動について図2のフローチャート図に基づいて説明する。
まず、外部入力装置5で浴槽水の設定温度を入力し、風呂湯張り運転信号を入力すると(S1)、前回の風呂湯張り運転の各搬送モードの単位時間当たりの流量値が記憶されているか確認する。(S2)
この(S2)で、前回の風呂湯張り運転の各搬送モードの単位時間当たりの流量値が記憶されていた場合、湯張り設定温度と給水温度との差に記憶されている流量を乗ずることで、各搬送モードでの必要燃焼熱量を算出する。(S3)
そして算出された両搬送での必要燃焼熱量と給湯風呂装置の最大燃焼熱量とを比較し(S4)、給湯風呂装置の最大燃焼熱量が両搬送での必要燃焼熱量以上である時、両搬送を選択し、湯張り温度を湯張り設定温度にして湯張り運転を開始する。(S5)
そして湯張り運転を開始すると同時に湯張りフローセンサ32により通水量のカウントを開始する。(S6)
【0028】
また(S4)で、算出された両搬送での必要燃焼熱量と給湯風呂装置の最大燃焼熱量とを比較し、給湯風呂装置の最大燃焼熱量が両搬送での必要燃焼熱量未満である時、片搬送を選択し、湯張り温度を湯張り設定温度にして湯張り運転を開始し(S7)、それと同時に湯張りフローセンサ32により通水量のカウントを開始するものである。(S6)
【0029】
また(S2)で、前回の風呂湯張り運転の各搬送モードの単位時間当たりの流量値が記憶されていなかった場合、両搬送を選択し、湯張り温度を湯張り設定温度にして湯張り運転を開始し、(S8)、それと同時に湯張りフローセンサ32により通水量のカウントを開始する。(S9)
【0030】
そして通水量のカウントを開始した湯張りフローセンサ32により単位時間当たりの流量を検知し(S10)、次に湯張り設定温度と給水温度との差にこの検知した単位時間当たりの流量を乗ずることで、両搬送モードでの必要燃焼熱量を算出する。(S11)
【0031】
そして(S11)で算出した両搬送モードでの必要燃焼熱量と給湯風呂装置の最大燃焼熱量とを比較し(S12)、給湯風呂装置の最大燃焼熱量が両搬送での必要燃焼熱量以上である時、そのまま両搬送で湯張り運転を継続し、給湯風呂装置の最大燃焼熱量が両搬送での必要燃焼熱量未満である時、両搬送から片搬送に変更して(S13)、湯張り運転を継続するものである。
【0032】
そして水位センサ24により浴槽20内の水位が設定水位に達したかを検知し(S14)、設定水位に達した時、湯張りを終了し(S15)、設定水位に達していない時は、給水温度又は湯張り設定温度が変更されたかを確認し(S16)、変更されない時は(S14)へ戻り、変更された時は(S10)へ戻るものである。
【0033】
そして(S15)で湯張りを終了した時、各搬送モードでの単位時間当たりの流量値を記憶し(S17)、次に浴槽水の温度と湯張り設定温度とを比較して(S18)、浴槽水の温度が湯張り設定温度以上の場合は、二方弁30と三方弁29を待機状態にして(S19)、風呂湯張り運転を終了する。(S20)
【0034】
また(S18)で浴槽水の温度と湯張り設定温度とを比較して浴槽水の温度が湯張り設定温度未満の場合は、追い焚き運転を開始し(S21)、浴槽水の温度と湯張り設定温度とを比較し(S22)、浴槽水の温度が湯張り設定温度以上の場合は、、浴槽水の温度が湯張り設定温度以上になるまで追い焚き運転を継続し、浴槽水の温度が湯張り設定温度以上になった時、追い焚き運転を終了して(S23)、(S19)へと戻るものである。
【0035】
以上のように、1缶2水式熱交換器への給水温度、湯張り設定温度、湯張り時の単位時間当たりの流量などに基づいて決まる必要燃焼熱量が、給湯風呂装置の最大燃焼熱量より大きくて燃焼能力不足となる場合には、制御部において、風呂戻り通路と風呂往き通路の両方で搬送する両搬送モードから風呂往き通路のみで搬送する片搬送モードへと切り換えるので、必要燃焼熱量が前記最大燃焼熱量より大きい状態で過大な流量が流れて、設定温度の給湯ができないという事態の発生を防止でき、給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を実現し、よって風呂湯張り時間および風呂湯張り運転停止時の追い焚き時間を可能な限り短くし、使い勝手をよくすることができるものである。
【0036】
また、風呂湯張り運転中に必要燃焼熱量が、前記最大燃焼熱量より大きくて燃焼能力不足となった場合、その場合における両搬送モードと片搬送モードそれぞれの単位時間当たりの流量を記憶するので、風呂湯張り運転途中に1缶2水式熱交換器への給水温度や前記湯張り設定温度の変化した場合に、片搬送モードから両搬送モードへと切り換えても前記燃焼能力不足が解消されると判断されるときには、湯張り運転途中であっても片搬送モードから両搬送モードへと切り換え、それにより、風呂湯張り運転途中に1缶2水式熱交換器への給水温度や前記湯張り設定温度の変化した場合に、フレキシブルな運転制御を行うことができるものである。
【0037】
また、浴槽への最初の風呂湯張り運転での両搬送モードと片搬送モードそれぞれの単位時間当たりの流量を記憶するので、2度目からの風呂湯張り運転は記憶値から必要燃焼熱量を算出し、それが最大燃焼熱量より大きくなって燃焼能力不足とならないよう、搬送モードを選択してから風呂湯張り運転を開始することにより、2度目からの風呂湯張り運転では、効率的に給湯風呂装置の燃焼能力に応じた流量の設定温度での確実な給湯を行うことができるものである。
【0038】
また、出湯流量切換手段を、両搬送モードと片搬送モードとを切り換える三方弁と二方弁とで構成したことにより、従来の給湯風呂装置に必要だった給湯流量制御弁が不要となり、機器のコストダウンを図ることができものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態1おける給湯風呂装置の全体構成図。
【図2】同給湯風呂装置の風呂湯張り運転を示すフローチャート図。
【図3】従来の給湯風呂装置の全体構成図
【符号の説明】
【0040】
2 給湯用熱交換器
3 風呂用熱交換器
4 熱交換器
6 燃焼部
10 給水管
11 給湯管
15 給水サーミスタ
19 風呂回路
20 浴槽
21 風呂往き管
22 風呂戻り管
24 水位センサ
28 湯張り回路
32 湯張りフローセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用熱交換器と風呂用熱交換器とからなる熱交換器と、該熱交換器を加熱する燃焼部と、給水管の給水温度を検知する給水サーミスタと給水管を通過する給水量を検知する給水フローセンサとを備え、給水管から給湯用熱交換器を経て給湯管から給湯する給湯回路と、給湯管から回路内に流れるお湯の給水量を検知する湯張りフローセンサと浴槽内の水位を検出する水位センサとを備え、浴槽から風呂往き管を通り風呂用熱交換器を経て風呂戻り管を通って浴槽に戻る風呂回路と、一端が給湯管に接続され他端が分岐されて風呂往き管と風呂戻り管に接続され、その他端側に切り替え手段を設け、該切り替え手段を動作することにより給湯管からのお湯を風呂往き管と風呂戻り管の両方又は片方から浴槽に給湯する湯張り回路とを備え、設定した湯張り設定温度となるように加熱されたお湯を湯張り回路により浴槽に給湯して湯張り運転を行う給湯風呂装置に於いて、給水サーミスタにより検知した給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張りフローセンサにより検知した湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量により算出される必要燃焼熱量と、燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、該最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時は、切り替え手段を動作して風呂往き管又は風呂戻り管の片方からの片搬送により浴槽に湯張りを行い、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より大きい時は、切り替え手段を動作して風呂往き管と風呂戻り管の両方からの両搬送により浴槽に湯張りを行う制御部を備えたことを特徴とする給湯風呂装置。
【請求項2】
前記制御部は、湯張り運転中に、給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量のいずれかが変化した時、必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時、両搬送により湯張り運転を行っていた場合、両搬送から片搬送に湯張りを切り替えると共に、この時の両搬送と片搬送の単位時間当たりの流量をそれぞれ記憶し、更に湯張り運転中に給水管の給水温度と、湯張り設定温度のいずれかが変化した時、その時の給水温度と、湯張り設定温度と、記憶した両搬送での単位時間当たりの流量により必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より大きい時、片搬送から両搬送に湯張りを切り替えることを特徴とする請求項1記載の給湯風呂装置。
【請求項3】
前記制御部は、湯張り運転中に、給水管の給水温度と、湯張り設定温度と、湯張り運転時の単位時間当たりの浴槽への給湯量のいずれかが変化した時、必要燃焼熱量を再度算出し、再度算出した必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、その結果により最大燃焼熱量が必要燃焼熱量より小さい時は、風呂往き管又は風呂戻り管の片方からの片搬送により浴槽に湯張りを行うようにするために切り替え手段の動作が必要な場合、切り替え手段を動作させると共に、その時の両搬送モードと片搬送モードの単位時間当たりの流量をそれぞれ記憶し、次回の湯張り運転開始時に、記憶した各搬送モードの流量値と、給水管の給水温度と、湯張り設定温度とにより各搬送モードでの必要燃焼熱量を再度算出し、この各搬送モードでの必要燃焼熱量と燃焼部の最大燃焼熱量とを比較し、両搬送モードでの必要燃焼熱量が最大燃焼熱量より小さい時、両搬送モードで湯張り運転を開始することを特徴とする請求項1記載の給湯風呂装置。
【請求項4】
前記湯張り回路の他端側で、分岐されて風呂往き管と風呂戻り管に接続されている風呂往き管と風呂戻り管とに接続する一方に二方弁を設けると共に、他方に三方弁を設け、この二方弁と三方弁とにより切り替え手段を形成することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の給湯風呂装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−128505(P2008−128505A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310933(P2006−310933)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】