説明

給紙装置、画像形成装置、画像形成システム及び用紙残量検知方法

【課題】コストをかけずに給紙開始後においても用紙の残量を検知する。
【解決手段】用紙を積載するトレイと、トレイに積載された用紙を送出する送出ローラと、駆動電流が流れることで駆動力を発生するトレイ上昇用モータ42と、トレイ上昇用モータ42によって駆動され、トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上げレバーと、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流を検出し、検出した駆動電流の電流値を出力するモータ電流検出回路43と、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流の電流値とトレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶部45と、第1対応データを参照して、モータ電流検出回路43により出力された電流値からトレイに積載されている用紙の残量を検知する制御部46と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置、画像形成装置、画像形成システム及び用紙残量検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数段の給紙カセットを使用して用紙を給紙し、給紙された用紙に画像を形成する印刷装置や複写機などの画像形成装置が知られている。このような画像形成装置の中には、ユーザの利便性を向上させるため、給紙カセットに収容されている用紙の残量を検知して、ユーザに報知するものもある。
【0003】
例えば特許文献1には、給紙カセットに設けられたトレイ(底板)を押し上げてからトレイ上に積載されている用紙が送り出しローラに当接するまでの時間から、給紙開始前の用紙の残量を算出する技術が開示されている。また、トレイの回転角度をエンコーダやセンサなどのデバイスで検出することで用紙の残量を検知する技術もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した前者の技術では、給紙開始前の用紙の残量しか検知できず、給紙開始後の用紙の残量を検知できない。また、上述した後者の技術では、トレイにデバイスを設置する必要があるため、コストがかかってしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コストをかけずに給紙開始後においても用紙の残量を検知することができる給紙装置、画像形成装置、画像形成システム及び用紙残量検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる給紙装置は、用紙を積載するトレイと、前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の態様にかかる画像形成装置は、用紙を積載するトレイと、前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、前記給紙部材から送出された用紙に画像を形成する画像形成手段と、駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様にかかる画像形成システムは、給紙装置と画像形成装置とを備える画像形成システムであって、前記給紙装置は、用紙を積載するトレイと、前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、を備え、前記画像形成装置は、前記給紙装置から送出された用紙に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の態様にかかる用紙残量検知方法は、給紙装置で実行される用紙残量検知方法であって、前記給紙装置は、駆動電流が流されることにより、用紙が積載されているトレイを押上部材に押し上げさせ、前記トレイに積載されている最上部の用紙を給紙部材に接しさせる駆動手段と、前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、を備え、検出手段が、前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出ステップと、制御手段が、前記第1対応データを参照して、前記検出ステップにより出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する検知ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストをかけずに給紙開始後においても用紙の残量を検知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態の複写機の一例を示す外観図である。
【図2】図2は、本実施形態の複写機の給紙機構の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、本実施形態の複写機の給紙機構の一例を示す断面図である。
【図4】図4は、本実施形態の複写機の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、本実施形態のモータ電流検出回路により検出される電流波形の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施形態のモータ電流検出回路により検出される電流波形の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施形態の複写機における初期トレイ上昇時間と用紙積載量との関係及び電流値と用紙積載量との関係の一例を示すグラフである。
【図8】図8は、本実施形態の複写機で実行される用紙残量検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、変形例の対応テーブルの一例を示す図である。
【図10】図10は、変形例の対応テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、変形例の画像形成システムの一例を示す外観図である。
【図12】図12は、実施形態及び変形例の複写機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる給紙装置、画像形成装置、画像形成システム及び用紙残量検知方法の実施形態を詳細に説明する。なお本実施形態では、画像形成装置として、複写機を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。画像形成装置は、用紙を給紙し、給紙した用紙に画像を形成する装置であればよく、例えば、印刷装置や複合機などであってもよい。なお、複合機とは、印刷機能、複写機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。
【0013】
まず、本実施形態の複写機の構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の複写機1の一例を示す外観図である。図1に示すように、複写機1は、本体2と、原稿台カバー3と、給紙カセットC1、C2と、操作部5と、表示部6と、排紙トレイ9とを、備える。原稿台カバー3は、本体2の上面2aに開閉可能に支持されている。給紙カセットC1、C2は、用紙を収容する。給紙カセットC1、C2は、本体2の正面2bに挿脱可能に装着されており、本体2の案内によって水平方向にスライドして本体2に装着される。操作部5は、複写開始、複写枚数、及び複写濃度などの設定操作を行うためのものである。表示部6は、給紙カセットC1、C2に収容されている用紙の用紙サイズや用紙残量などを表示する。操作部5及び表示部6は、本体2の上面2aにおける原稿台カバー3の手前側に設けられている。排紙トレイ9には、複写された用紙(印刷物)が排紙される。排紙トレイ9は、本体2の側面2cに設けられている。
【0015】
図2及び図3は、本実施形態の複写機1の給紙機構の一例を示す断面図である。図2及び図3に示すように、複写機1は、駆動軸11と、従動軸12と、送出ローラ13と、搬送ローラ14と、さばきローラ15と、トレイ上限検知アーム16と、トレイ上限センサ17と、用紙無しセンサ18と、支持枠19と、バネ20と、給紙カセットC1と、トレイ21と、回動軸22と、押上げレバー23とを、備える。なお、図2は、給紙カセットC1内に設けられているトレイ21が初期位置(ホームポジション)に位置する状態を示し、図3は、給紙カセットC1に収容されている用紙を給紙可能な状態を示し、トレイ21が押し上げられてトレイ21に積載されている最上部の用紙が送出ローラ13に当接している。図4は、本実施形態の複写機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、複写機1は、モータ駆動回路41と、トレイ上昇用モータ42と、モータ電流検出回路43と、トレイ上限センサ17と、用紙無しセンサ18と、時間計測部44と、記憶部45と、制御部46と、表示部6と、操作部5とを、備える。
【0016】
なお、複写機1の給紙機構は、給紙カセットC1、C2ともに共通の構成となっているため、以下では、給紙カセットC1について説明し、給紙カセットC2については説明を省略する。
【0017】
駆動軸11は、支持枠19に回動自在に支持され、搬送ローラ14を同軸一体とする。従動軸12は、支持枠19に回動自在に支持され、送出ローラ13を同軸一体とする。駆動軸11と従動軸12それぞれに一体となったギヤの中間には連結用のギヤ(図示せず)が設置されている。従って、送出ローラ13及び搬送ローラ14は、本体2の動力系に接続する駆動軸11によって同方向に回転する。送出ローラ13は、給紙カセットC1から上方に離間して位置する。搬送ローラ14は、送出ローラ13の用紙搬送方向下流に位置する。さばきローラ15は、搬送ローラ14に圧接して位置する。搬送ローラ14及びさばきローラ15は、用紙搬送のためのしごきローラ対を構成する。
【0018】
トレイ上限検知アーム16は、支持枠19に設置され、駆動軸11に対して回動自在に保持されている。トレイ上限センサ17は、トレイ上限検知アーム16(例えば、フォトインタラプタ)の先端下に近接して位置する。用紙無しセンサ18(例えば、反射型フォトセンサ)は、トレイ上限センサ17の下側に設置されている。トレイ上限センサ17及び用紙無しセンサ18は、制御部46に接続されている。
【0019】
支持枠19は、駆動軸11に対して回動自在に保持され、バネ20によって上方に付勢されている。このため、送出ローラ13及びトレイ上限検知アーム16は、駆動軸11を回転中心として、反時計方向に回転する。
【0020】
以上の各部材は用紙の搬送系を構成し、主として給紙カセットC1の収納スペースの上部に配設されている。
【0021】
トレイ21は、給紙カセットC1内に設けられており、用紙Pが積載される。回動軸22は、図示しない支持金具に軸受け支持される。また回動軸22の端部には、スプリングピンが圧入固定され、このスプリングピンがトレイ上昇用モータ42の出力軸と係合して回転駆動力を伝える構成となっている。トレイ上昇用モータ42は、DCモータとギヤ列の組合せで構成され、回動軸22の後方(反操作者側)に設置され、溝を持ったプーリでスプリングピンと係合している。押上げレバー23(押上部材の一例)は、回動軸22と一体となっており、トレイ21の一端を下から押し上げて上昇させることにより、トレイ21を傾斜させる。
【0022】
モータ駆動回路41は、制御部46の出力ポートに接続されており、給紙カセットC1のトレイ21の一端を上昇させるための駆動モータであるトレイ上昇用モータ42に駆動電流を流し、トレイ上昇用モータ42を回転駆動させる。モータ駆動回路41は、例えば、電源が投入された場合、及び給紙カセットC1が本体2にセットされた場合などに、制御部46からの指示を受け、トレイ上昇用モータ42に駆動電流を流し、トレイ上昇用モータ42を回転駆動させる。
【0023】
トレイ上昇用モータ42が回転駆動すると、駆動力が発生する。ここでは、駆動力とは、モータの回転力、即ち、トルクが該当するが、これに限定されるものではない。押し上げレバー23は、この駆動力によって動かされる。この結果、図3に示すように、押上げレバー23が給紙カセットC1のトレイ21の一端を初期位置から上昇させ、トレイ21に積載されている用紙Pが傾斜した状態となる。モータ電流検出回路43(検出手段の一例)は、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流を検出し、検出した駆動電流の電流値を制御部46に出力する。なおモータ電流検出回路43は、電流値をアナログ値で検出し、デジタル値に変換してから制御部46に出力する。トレイ21に積載されている最上部の用紙が送出ローラ13(給紙部材の一例)に当接し、トレイ上限検知アーム16がトレイ上限センサ17を遮断すると、トレイ上限センサ17は、トレイ21が上限に達したことを検知し、その旨を制御部46に通知する。制御部46は、トレイ21が上限に達すると、モータ駆動回路41にトレイ上昇用モータ42の駆動停止を指示する。モータ駆動回路41は、制御部46からの指示を受け、トレイ上昇用モータ42に駆動電流を流すことを停止し、トレイ上昇用モータ42の回転駆動を停止する。これにより、トレイ21は上昇を停止し、送出ローラ13は、当接している用紙の給紙が可能となる。送出ローラ13により給紙された用紙には、画像形成機構(画像形成手段の一例、図2〜図4では、図示省略)により画像が形成される。
【0024】
また、複写などのために送出ローラ13による用紙の給紙が開始されると、トレイ21に積載されている用紙Pの積載量が徐々に減少し、トレイ21の最上部の用紙が送出ローラ13に当接しなくなってしまう。このため、モータ駆動回路41は、トレイ21の最上部の用紙が送出ローラ13に常に当接するように、一定のタイミングで制御部46から指示を受け、トレイ上昇用モータ42の回転駆動を再開させ、トレイ21を再上昇させる。モータ電流検出回路43は、この場合も、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流を検出する。
【0025】
なお、モータ駆動回路、トレイ上昇用モータ、及びモータ電流検出回路は、給紙カセット毎に用意されており、図4に示す例では、給紙カセットC1用のモータ駆動回路41、トレイ上昇用モータ42、及びモータ電流検出回路43を図示し、給紙カセットC2用のモータ駆動回路、トレイ上昇用モータ、及びモータ電流検出回路の図示を省略している。
【0026】
時間計測部44は、制御部46に接続されており、トレイ21が初期位置において上昇を開始してからトレイ21に積載されている最上部の用紙が送出ローラ13に接して上昇を停止するまでの時間である初期トレイ上昇時間(初期上昇時間の一例)を計測する。但し、時間計測部44は、用紙の給紙中におけるトレイ21の上昇については、トレイの上昇時間を計測しない。なお、初期トレイ上昇時間の計測手法の詳細については後述する。
【0027】
記憶部45は、制御部46に接続されており、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などにより実現できる。記憶部45は、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流の電流値とトレイ21に積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する。具体的には、記憶部45は、第1対応データとして、モータ電流検出回路43により出力された電流値からトレイ21に積載されている用紙の給紙開始後の積載量を算出するための給紙開始後積載量算出式を記憶する。また記憶部45は、時間計測部44により計測される初期トレイ上昇時間とトレイ21に積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第2対応データを記憶する。具体的には、記憶部45は、第2対応データとして、時間計測部44により計測された初期トレイ上昇時間からトレイ21に積載されている用紙の給紙開始前の積載量を算出するための初期用紙積載量算出式を記憶する。なお、記憶部45に記憶されている各データの詳細については後述する。
【0028】
制御部46は、複写機1の各部を制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などにより実現できる。表示部6及び操作部5も制御部46に接続されている。制御部46は、第1対応データを参照して、モータ電流検出回路43により出力された電流値からトレイ21に積載されている用紙の残量を検知する。具体的には、制御部46は、送出ローラ13による用紙の給紙が開始された以降にモータ電流検出回路43により出力された電流値を給紙開始後積載量算出式に適用して、トレイ21に積載されている用紙の積載量を算出し、用紙の給紙開始後の残量を検知する。そして制御部46は、検知した用紙の残量を表示部6(報知手段の一例)に報知させる。
【0029】
また制御部46は、第2対応データを参照して、時間計測部44により計測された初期トレイ上昇時間からトレイ21に積載されている用紙の給紙開始前の残量を検知する。具体的には、制御部46は、時間計測部44により計測された初期トレイ上昇時間を初期用紙積載量算出式に適用してトレイ21に積載されている用紙の積載量を算出し、用紙の給紙開始前の残量を検知する。そして制御部46は、検知した用紙の残量を表示部6に報知させる。なお、用紙の残量の検知手法の詳細については後述する。
【0030】
次に、本実施形態の複写機による用紙残量検知方法の原理について説明する。
【0031】
図5及び図6は、本実施形態のモータ電流検出回路43により検出される電流波形の一例を示す図である。図5は、トレイ21にA4用紙が1枚積載されている給紙カセットC1を本体2にセットしてからトレイ21が上昇を停止するまでの電流波形を示す。図6は、トレイ21にA4用紙が500枚積載されている給紙カセットC1を本体2にセットしてからトレイ21が上昇を停止するまでの電流波形を示す。
【0032】
図5及び図6に示す例において、「A」は、給紙カセットC1が本体2にセットされた時点を示す。給紙カセットC1が本体2にセットされると、モータ駆動回路41がトレイ上昇用モータ42の回転駆動を開始させ、モータ駆動回路41に起動電流が瞬間的に流れる。
【0033】
「B」は、給紙カセットC1が本体2にセットされてから押上げレバー23が回動を開始するまでの期間を示す。トレイ上昇用モータ42が回転駆動を開始しても、各種機械的ガタやソフトウェアの待ち時間などが原因で、トレイ上昇用モータ42の回転駆動力が押上げレバー23に伝達するまでに時間を要する。このため、トレイ上昇用モータ42が回転駆動を開始してから押上げレバー23が回動を開始するまでにタイムラグが生じる。そして、トレイ上昇用モータ42の回転駆動力が押上げレバー23に伝達されると、回動軸22を支点に押上げレバー23が回動を開始し、押上げレバー23の先端がトレイ21の底面に当接し、トレイ21が上昇を開始する。
【0034】
「C」は、トレイ21が上昇を開始してから上昇を停止するまでの期間を示す。トレイ21が上昇し、トレイ上限センサ17によりトレイ21の上昇の上限が検知されると、モータ駆動回路41がトレイ上昇用モータ42の回転駆動を停止させ、トレイ21の上昇が停止する。
【0035】
本実施形態では、時間計測部44が「C」期間の時間である初期トレイ上昇時間Tを計測する。時間計測部44は、「B」期間と「C」期間との電流値の差を利用して初期トレイ上昇時間Tを計測してもよい。また時間計測部44は、用紙の積載量によらず「B」期間の時間が一定(図5及び図6に示す例では、2.2秒)であることを利用し、「B」期間及び「C」期間の時間を計測し、計測した時間から「B」期間の時間を差し引くことで初期トレイ上昇時間Tを計測してもよい。また、モータ電流検出回路43は、「C」期間、即ちトレイ21の上昇時にトレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流を検出し、電流値Iを出力する。なお、図5に示す例では、初期トレイ上昇時間Tは、3.0秒、電流値Iは、80mAとなっており、図6に示す例では、初期トレイ上昇時間Tは、1.4秒、電流値Iは、240mAとなっている。
【0036】
以上のように、図5及び図6に示す例では、給紙カセットC1を本体2にセットしてからトレイ21が上昇を停止するまでの電流波形について説明したが、電源投入時やトレイ21を再上昇させる場合においても、初期化時間を除けば、電源投入からトレイ21が上昇を停止するまでの電流波形は、図5及び図6に示す電流波形と同様となる。
【0037】
図7は、本実施形態の複写機1における初期トレイ上昇時間Tと用紙積載量との関係及び電流値Iと用紙積載量との関係の一例を示すグラフである。
【0038】
本実施形態のトレイ上昇用モータ42は、一定速度で回転するため、初期トレイ上昇時間Tは、トレイ21の用紙積載量(積載されている用紙の高さ)の増加に比例して減少する。このため、初期トレイ上昇時間Tから用紙積載量を算出するための初期用紙積載量算出式は、図7に示すように、一次関数で記述できる。図7に示す例では、用紙積載量が0%(0枚)の場合の初期トレイ上昇時間T(0)と、用紙積載量が100%(600枚)の場合の初期トレイ上昇時間T(100)とから、初期用紙積載量算出式が予め算出されている。なお、初期トレイ上昇時間T(0)及び初期トレイ上昇時間T(100)も、図5及び図6で説明した方法と同様の方法で予め算出されている。また、初期トレイ上昇時間T(0)は、用紙に依存せず、初期トレイ上昇時間T(100)は、用紙に依存せず、積載されている用紙の高さによって定まるため、いずれも複写機1に固有の値となる。
【0039】
本実施形態では、制御部46は、電源投入又は給紙カセットC1が本体2にセットされると、初期用紙積載量算出式を用いて、トレイ21に積載されている用紙の給紙開始前の用紙残量を検知する。例えば、図6に示す例の場合、初期トレイ上昇時間Tが1.4秒となるため、制御部46は、初期トレイ上昇時間T=1.4を初期用紙積載量算出式に代入することで、用紙積載量=83%(500枚)を算出し、用紙残量を検知する。そして制御部46は、検知した用紙残量を表示部6に表示させる。なお、給紙開始前の用紙残量が100%(600枚)を超えている場合、トレイ上限センサ17は、トレイ21が上昇する前から上限を検知しているため、時間計測部44により初期トレイ上昇時間Tは計測されない。この場合、制御部46は、用紙積載量=100%(600枚)として用紙残量を検知し、検知した用紙残量を表示部6に表示させる。
【0040】
また本実施形態のトレイ上昇用モータ42の電流値Iは、トレイ上昇用モータ42の負荷の増加、即ち、トレイ21の用紙積載量の増加に比例して増加する。このため、電流値Iから給紙開始後の用紙積載量を算出するための給紙開始後積載量算出式も、図7に示すように、一次関数で記述できる。図7に示す例では、用紙積載量が0%(0枚)の場合の電流値I(0)から、給紙開始後積載量算出式が予め算出されている。なお、電流値I(0)も、トレイ上昇用モータ42の無負荷電流に駆動部の負荷を加えた値で予め算出されている。また、給紙開始後積載量算出式の傾きは、トレイ上昇用モータ42のトルク定数の逆数に等価であり、トレイ上昇用モータ42によって固有に定まるため、複写機1に固有の値となる。
【0041】
本実施形態では、制御部46は、用紙の給紙開始後に、給紙開始後積載量算出式を用いて、トレイ21に積載されている用紙の給紙開始後の用紙残量を検知する。例えば、用紙の給紙開始後にトレイ21を再上昇させた場合の電流値Iが240mAである場合、制御部46は、電流値I=240mAを給紙開始後積載量算出式に代入することで、用紙積載量=83%(500枚)を算出し、用紙残量を検知する。そして制御部46は、検知した用紙残量を表示部6に表示させる。
【0042】
次に、本実施形態の複写機の動作について説明する。
【0043】
図8は、本実施形態の複写機1で実行される用紙残量検知処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
電源が投入されるか給紙カセットC1が本体2にセットされ、用紙無しセンサ18により給紙カセットC1に用紙が無いことが検知されると(ステップS100でYes)、制御部46は、用紙が無いことを表示部6に表示させ(ステップS136)、処理を終了する。
【0045】
一方、用紙無しセンサ18により給紙カセットC1に用紙が無いことが検知されないと(ステップS100でNo)、図示せぬ用紙サイズセンサにより用紙のサイズ(大きさ)が検知され(ステップS102)、制御部46は、トレイ上限センサ17の出力信号からトレイ21が上限に位置するか否か確認する(ステップS104)。
【0046】
トレイ21が上限に位置する場合(ステップS104でYes)、ステップS114へ進む。一方、トレイ21が上限に位置しない場合(ステップS104でNo)、モータ駆動回路41は、制御部46からの指示を受け、トレイ上昇用モータ42に駆動電流を流し、トレイ上昇用モータ42を回転駆動させ、押上げレバー23が給紙カセットC1のトレイ21の初期位置からの上昇を開始させる(ステップS106)。
【0047】
続いて、トレイ21に積載されている最上部の用紙が送出ローラ13に当接し、トレイ上限センサ17によりトレイ21が上限に達したことが検知されるまで、時間計測部44は、初期トレイ上昇時間Tを計測する(ステップS108、ステップS110でNo)。
【0048】
続いて、トレイ上限センサ17によりトレイ21が上限に達したことが検知されると(ステップS110でYes)、制御部46は、モータ駆動回路41にトレイ上昇用モータ42の駆動停止を指示し、モータ駆動回路41は、トレイ上昇用モータ42の回転駆動を停止し、トレイ21は上昇を停止する(ステップS112)。
【0049】
続いて、制御部46は、時間計測部44により計測された初期トレイ上昇時間Tを初期用紙積載量算出式に適用してトレイ21に積載されている用紙の積載量を算出し、用紙の給紙開始前の残量を検知する(ステップS114)。但し、ステップS104でトレイ21が上限に位置する場合には、制御部46は、用紙積載量=100%として用紙残量を検知する。そして制御部46は、検知した用紙の給紙開始前の残量を表示部6に表示させる(ステップS116)。
【0050】
続いて、ユーザが操作部5を用いて複写操作を行うと、制御部46は、送出ローラ13に当接している用紙の給紙を開始させ、複写動作を行わせる(ステップS118)。
【0051】
続いて、制御部46は、トレイ上限センサ17の出力信号からトレイ21が上限に位置するか否か確認する(ステップS120)。これは、用紙の給紙により用紙の積載量が減少するため、トレイ21の高さが適正であるかを判断するために行われる。
【0052】
トレイ21が上限に位置する場合(ステップS120でYes)、ステップS130へ進む。一方、トレイ21が上限に位置しない場合(ステップS120でNo)、モータ駆動回路41は、制御部46からの指示を受け、トレイ上昇用モータ42に駆動電流を流し、トレイ上昇用モータ42を回転駆動させ、押上げレバー23が給紙カセットC1のトレイ21の初期位置からの上昇を開始させる(ステップS122)。
【0053】
続いて、トレイ21に積載されている最上部の用紙が送出ローラ13に当接し、トレイ上限センサ17によりトレイ21が上限に達したことが検知されるまで、モータ電流検出回路43は、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流を検出し、検出した駆動電流の電流値Iを制御部46に出力する(ステップS124、ステップS126でNo)。
【0054】
続いて、トレイ上限センサ17によりトレイ21が上限に達したことが検知されると(ステップS126でYes)、制御部46は、モータ駆動回路41にトレイ上昇用モータ42の駆動停止を指示し、モータ駆動回路41は、トレイ上昇用モータ42の回転駆動を停止し、トレイ21は上昇を停止する(ステップS128)。
【0055】
続いて、用紙無しセンサ18により給紙カセットC1に用紙が無いことが検知されると(ステップS130でYes)、制御部46は、用紙が無いことを表示部6に表示させ(ステップS136)、処理を終了する。一方、用紙無しセンサ18により給紙カセットC1に用紙が無いことが検知されないと(ステップS130でNo)、制御部46は、モータ電流検出回路43により出力された電流値Iを給紙開始後積載量算出式に適用して、トレイ21に積載されている用紙の積載量を算出し、用紙の給紙開始後の残量を検知する(ステップS132)。そして制御部46は、検知した用紙の給紙開始後の残量を表示部6に表示させ(ステップS134)、ステップS118へ戻る。
【0056】
なお、図8に示す用紙残量検知処理中に給紙カセットC1が本体2から引き出され、用紙の補給などが行われて本体2に再セットされた場合には、用紙残量検知処理は、最初から行われる。
【0057】
以上のように本実施形態では、トレイ上昇用モータ42に流れる駆動電流の電流値から用紙残量を検知するので、用紙残量を検知するためにエンコーダやセンサを設けずに、給紙開始後においても用紙の残量を検知することができる。つまり本実施形態によれば、コストをかけずに給紙開始後においても用紙の残量を検知することができる。また本実施形態によれば、通紙時の時々刻々の用紙残量を報知することにより、まもなく用紙がなくなることをユーザに報知することもできる。
【0058】
また本実施形態では、給紙開始前においては、初期トレイ上昇時間から用紙の残量を検知し、給紙開始後においては、駆動電流の電流値から用紙残量を検知するので、用紙残量を精度よく検知することができる。
【0059】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0060】
(変形例1)
上記実施形態では、記憶部45に給紙開始後積載量算出式及び初期用紙積載量算出式を記憶したが、初期トレイ上昇時間と電流値と用紙積載量との対応関係を定めた対応テーブル(第1対応データ及び第2対応データの一例)を記憶するようにしてもよい。
【0061】
図9は、変形例の対応テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、対応テーブルは、初期トレイ上昇時間Tと用紙積載量と電流値Iとシンボルとを対応付けている。なお、初期トレイ上昇時間Tと用紙積載量との対応関係は、初期用紙積載量算出式の算出手法と同様の手法で特定でき、用紙積載量と電流値Iとの対応関係は、給紙開始後積載量算出式の算出手法と同様の手法で特定できる(図7参照)。
【0062】
図9に示す対応テーブルを用いる場合、制御部46は、対応テーブルを参照して、時間計測部44により計測された初期トレイ上昇時間Tに対応付けられた用紙の積載量を特定し、用紙の給紙開始前の残量を検知する。更に制御部46は、対応テーブルを参照して、特定した用紙の積載量に対応付けられたシンボルを表示部6に表示させる。また、制御部46は、対応テーブルを参照して、送出ローラ13による用紙の給紙が開始された以降にモータ電流検出回路43により出力された電流値Iに対応付けられた用紙の積載量を特定し、用紙の給紙開始後の残量を検知する。更に制御部46は、対応テーブルを参照して、特定した用紙の積載量に対応付けられたシンボルを表示部6に表示させる。
【0063】
なお、対応テーブルは、図9に示すような3段階の区分けに限定されるものではなく、例えば、図10に示すような4段階などどのような段階に区分けしてもよい。また、シンボルは、図9及び図10に示すようなアイコンであってもよいし、棒グラフなどであってもよく、ユーザに用紙残量を報知できるものであれば、どのようなものでもよい。
【0064】
(変形例2)
上記実施形態では、給紙開始前においては、初期トレイ上昇時間のみから用紙の残量を検知したが、初期トレイ上昇時間と駆動電流の電流値とを併用して用紙の残量を検知するようにしてもよい。これにより、検知した用紙残量の信頼性を向上させることができる。また、給紙開始前においても、駆動電流の電流値のみから用紙の残量を検知するようにしてもよい。
【0065】
(変形例3)
また上記実施形態において、初期トレイ上昇時間や駆動電流の電流値が、予測される値の範囲外である場合には、機械に異常の可能性があるので、異常検出処理を開始するようにしてもよい。これにより、機械の不具合を検出することもできる。
【0066】
(変形例4)
また上記実施形態では、検知した用紙残量をそのまま表示したが、用紙残量(用紙積載量)に応じたシンボルを表示するようにしてもよい。この場合、記憶部45が、用紙積載量とシンボルとを対応付けたシンボルテーブルを記憶し、制御部46が算出した用紙積載量に対応するシンボルを表示部6に表示するようにすればよい。
【0067】
(変形例5)
上記実施形態では、給紙カセットを例に取り説明したが、トレイを上昇させてトレイに積載されている最上部の用紙を送出ローラに当接させることにより給紙を行うタイプのものであれば、例えば、大容量給紙トレイ(LCT)などであっても、適用できる。
【0068】
(変形例6)
上記実施形態では、給紙機構と画像形成機構とを備える複写機1を例に取り説明したが、給紙機構及び画像形成機構を別々の装置が備えるようにしてもよい。例えば、図11に示すように、給紙装置102と画像形成装置103とを備える画像形成システム101の場合、給紙装置102が給紙機構を備え、画像形成装置103が画像形成機構を備えるようにすればよい。
【0069】
(ハードウェア構成)
上記実施形態及び変形例の複写機1のハードウェア構成の一例について説明する。
【0070】
図12は、上記実施形態及び変形例の複写機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、上記実施形態及び変形例の複写機1は、コントローラ910とエンジン部(Engine)960(画像形成手段の一例)とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ910は、複写機全体の制御、描画、通信、及び操作表示部920からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部960には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0071】
コントローラ910は、CPU911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM−P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM−C)917と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス915で接続した構成となる。また、MEM−P912は、ROM912aと、RAM912bとをさらに有する。
【0072】
CPU911は、複写機の全体制御をおこなうものであり、NB913、MEM−P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0073】
NB913は、CPU911とMEM−P912、SB914、AGPバス915とを接続するためのブリッジであり、MEM−P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0074】
MEM−P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0075】
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
【0076】
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス915、PCIバス、HDD918およびMEM−C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、USB(Universal Serial Bus)940、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース950が接続される。操作表示部920はASIC916に直接接続されている。
【0077】
MEM−C917は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0078】
AGPバス915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【符号の説明】
【0079】
1 複写機
2 本体
3 原稿台カバー
C1、C2 給紙カセット
5 操作部
6 表示部
9 排紙トレイ
11 駆動軸
12 従動軸
13 送出ローラ
14 搬送ローラ
15 さばきローラ
16 トレイ上限検知アーム
17 トレイ上限センサ
18 用紙無しセンサ
19 支持枠
20 バネ
21 トレイ
22 回動軸
23 押上げレバー
41 モータ駆動回路
42 トレイ上昇用モータ
43 モータ電流検出回路
44 時間計測部
45 記憶部
46 制御部
101 画像形成システム
102 給紙装置
103 画像形成装置
910 コントローラ
911 CPU
912 システムメモリ
912a ROM
912b RAM
913 ノースブリッジ
914 サウスブリッジ
915 AGPバス
916 ASIC
917 ローカルメモリ
918 ハードディスクドライブ
920 操作表示部
940 USB
950 IEEE1394インタフェース
960 エンジン部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2001−48380号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を積載するトレイと、
前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、
駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、
前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、
前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、
前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、
前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、
を備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1対応データを参照して、前記給紙部材が自身に接している用紙の給紙を開始した以降に前記検出手段により出力された前記電流値から、前記トレイに積載されている用紙の給紙開始後の残量を検知することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記トレイが初期位置において上昇を開始してから前記トレイに積載されている最上部の用紙が前記給紙部材に接して上昇を停止するまでの初期上昇時間を計測する計測手段を更に備え、
前記記憶手段は、初期上昇時間と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第2対応データを更に記憶し、
前記制御手段は、前記第2対応データを参照して、前記計測手段により計測された前記初期上昇時間から、前記トレイに積載されている用紙の給紙開始前の残量を検知することを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御手段は、検知した用紙の残量を報知手段に報知させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の給紙装置。
【請求項5】
用紙を積載するトレイと、
前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、
前記給紙部材から送出された用紙に画像を形成する画像形成手段と、
駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、
前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、
前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、
前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、
前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
給紙装置と画像形成装置とを備える画像形成システムであって、
前記給紙装置は、
用紙を積載するトレイと、
前記トレイに積載された用紙を送出する給紙部材と、
駆動電流が流れることで駆動力を発生する駆動手段と、
前記駆動手段によって駆動され、前記トレイを押し上げて、当該トレイの最上部の用紙を前記給紙部材に接させる押上部材と、
前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出手段と、
前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、
前記第1対応データを参照して、前記検出手段により出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する制御手段と、を備え、
前記画像形成装置は、
前記給紙装置から送出された用紙に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
給紙装置で実行される用紙残量検知方法であって、
前記給紙装置は、
駆動電流が流されることにより、用紙が積載されているトレイを押上部材に押し上げさせ、前記トレイに積載されている最上部の用紙を給紙部材に接しさせる駆動手段と、
前記駆動手段に流れる駆動電流の電流値と前記トレイに積載されている用紙の積載量との対応関係を定めた第1対応データを記憶する記憶手段と、を備え、
検出手段が、前記駆動手段に流れる駆動電流を検出し、検出した前記駆動電流の電流値を出力する検出ステップと、
制御手段が、前記第1対応データを参照して、前記検出ステップにより出力された前記電流値から前記トレイに積載されている用紙の残量を検知する検知ステップと、
を含むことを特徴とする用紙残量検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−28460(P2013−28460A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167456(P2011−167456)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】