説明

給紙装置および画像形成装置ならびに画像形成システム

【課題】記録紙にダメージを与えず、また、特別な部品を設けることなく、画像形成終了後に収容部を安全に引き出す。
【解決手段】給紙装置本体に対して挿抜可能であって記録紙を収容する収容部と、前記収容部を前記給紙装置本体に対して拘束することにより前記収容部の引き出しを抑止する拘束部と、前記収容部に収容された記録紙を吸着しつつ搬送する吸着搬送部と、を備え、前記拘束部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから予め定められた所定時間が経過するまで前記収容部を拘束する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機、複合機等の画像形成装置に用いられる給紙装置、該給紙装置を備えた画像形成装置、ならびに、給紙装置及び画像形成装置を備える画像形成システムに関し、特に、画像形成に用いる記録紙を吸着して給紙搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、給紙トレイ上に多数枚積層された記録紙束から、記録紙を1枚ずつ給紙ローラ等で送り出す給紙装置が設けられている。
このような画像形成装置では、給紙装置から複数枚の記録紙が重送されると、紙詰まりの原因になる。一方、給紙装置から記録紙を送り出す力が小さいと、適切な搬送がなされずに、ミスフィードとなる可能性がある。そのため、給紙装置においては、記録紙を1枚ずつ確実に送り出すための工夫がなされている。
【0003】
このような確実に記録紙を送り出す工夫としては、たとえば、給紙ローラと記録紙との間の摩擦係数を大きくなるように構成して、積層された記録紙の一番上の1枚を確実に送り出し、ミスフィードを防止している。
【0004】
また、記録紙が2枚以上同時に送り出されないように、捌きローラやパット捌き又は分離爪等による捌きにより、記録紙の2枚目以降を押し戻すようにして、一番上の記録紙1枚だけが送り出されるようにしている。
【0005】
また、給紙装置から記録紙を1枚だけ送り出す確実な手法としては、給紙トレイの上方に配置した吸着部によって、給紙すべき記録紙を上方に吸い上げ、このようにして吸い上げた記録紙を吸着ベルトにより搬送することで、一番上の記録紙1枚だけが送り出されるようにしている。また、この際に、記録紙の重送を防止するため、吸着部により吸い上げた記録紙の側方から、送風部によって風を当てることで、記録紙の2枚目以降を記録紙1枚目から剥がす工夫をしている。このような給紙装置により、記録紙1枚だけが確実に画像形成装置に搬送されるようになる。
【0006】
ところで、このようにして記録紙を吸着しつつ搬送する給紙装置の場合、画像形成の終了に伴って給紙が停止した直後からしばらくの間は、吸着部に残った吸着力によって、記録紙が吸着部に吸い付いた状態になっている。
【0007】
このように、給紙装置において記録紙が吸着部に吸い付いた状態であっても、画像形成が終了して給紙が停止しているため、給紙トレイをユーザが引き出す可能性がある。
この場合に、記録紙が吸着部に吸い付いた状態のままで給紙トレイが引き出されると、給紙トレイの引き出しにより吸着された記録紙に外力が加えられるため、吸着部での吸着状態を検知する吸着検知センサや吸着ベルトに横方向の無理な力が加わることになり、吸着検知センサや吸着ベルトが正常に機能しなくなる可能性がある。また、吸着された記録紙自体も引き出しによりダメージを受けてしまい、再利用できなくなる場合も生じる。
【0008】
なお、この種の給紙を行う給紙装置もしくは画像形成装置については、以下の特許文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3-117551号公報
【特許文献2】特開2002-321834号公報
【特許文献3】特開2005-132514号公報
【特許文献4】特開2006-89153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1では、画像形成実行中は、形成中の画像の画質への影響や部品への影響を考慮し、トレイの引き出しを禁止するようにしている。しかし、画像形成終了直後のトレイの引き出しについては何ら配慮されていなかった。
【0011】
上記特許文献2では、トレイ引き出し時に記録紙が吸着部に吸着されていると、その吸着されている記録紙を引きはがしてトレイに戻すための爪を設けるようにしている。この手法では、機械的な部品を設けるために、画像形成装置のコスト上昇が避けられない。また、爪により記録紙を剥がすため、薄い記録紙や柔らかい記録紙の場合には、爪によって引きはがされることで、記録紙がダメージを受けることもある。
【0012】
上記特許文献3では、トレイ引き出し時に吸着部に記録紙が吸着されていると、その吸着されている記録紙を引きはがしてトレイに戻すレバーを設けたり、引きはがすためのエアを噴き出すようにしている。この手法では、機械的な部品を設けたり、引きはがし専用のエア噴き出しを用意するために、画像形成装置のコスト上昇が避けられない。
【0013】
上記特許文献4では、トレイ引き出し時に吸着部に記録紙が吸着されていると、その吸着されている記録紙を落下させるため、吸着部のダクトにシャッタを設けておいて、このシャッタを閉じるようにしている。この手法では、吸着ダクト内に機械的なシャッタ部品を設ける必要があり、画像形成装置のコスト上昇が避けられない。
【0014】
以上のように、画像形成終了直後において吸着部に記録紙が吸着された状態で、爪などによるダメージを記録紙に与えずに、特別な部品を設けることなく、トレイの引き出しを安全に行うことについては、考慮されていなかった。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、記録紙に対して引きはがし爪などによってダメージを与えず、また、吸着解除のための特別な部品を設けることなく、無駄な待ち時間を発生させることなく、画像形成終了後に給紙トレイを安全に引き出すことができる給紙装置と、この給紙装置を使用した画像形成装置、及び、給紙装置と画像形成装置を備える画像形成システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、給紙装置本体に対して挿抜可能であって記録紙を収容する収容部と、前記収容部を前記給紙装置本体に対して拘束することにより前記収容部の引き出しを抑止する拘束部と、前記収容部に収容された記録紙を吸着しつつ搬送する吸着搬送部と、を備え、前記拘束部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから予め定められた所定時間が経過するまで前記収容部を拘束することを特徴とする給紙装置である。
【0017】
すなわち、前記拘束部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に、前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから予め定められた所定時間が経過するまで前記収容部を拘束し続け、所定時間経過時に拘束を解除することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、以上の給紙装置と、該給紙装置から給紙された記録紙に画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明は、記録紙上に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置に前記記録紙を搬送する給紙装置と、各部を制御する制御部と、を有する画像形成システムであって、前記給紙装置は、該給紙装置本体に対して挿抜可能であり、前記記録紙を収容する収容部と、前記収容部を前記給紙装置本体に対して拘束することにより前記収容部の引き出しを抑止する拘束部と、前記収容部に収容された記録紙を吸着しつつ搬送する吸着搬送部と、を有し、前記制御部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には前記拘束部を拘束状態にしておくと共に前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから予め定められた所定時間が経過した時点で前記拘束部の前記拘束状態を解除するように前記拘束部を制御する、ことを特徴とする画像形成システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明において、給紙完了となると、吸着搬送部は給紙を停止するが、吸着搬送部に吸着力が残存しているために記録紙が吸着した状態になる。
ここで、拘束部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから予め定められた所定時間が経過するまで前記収容部を拘束し、該所定時間経過後に収容部の拘束を解除する。
【0020】
なお、拘束部としては、例えば画像形成中に給紙トレイの引き出しを抑止するために従来から用いられてきた機構を利用することができる。
これにより、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に前記吸着搬送部における前記記録紙の吸着搬送完了に関連する所定タイミングから、予め定められた所定時間経過後に収容部の拘束が解除されて、給紙トレイの引き出しが可能になるため、記録紙に引き剥がし爪などによるダメージを与えず、また、記録紙引き剥がしのための特別な部品を設けることなく、無駄な待ち時間を発生させることなく、画像形成終了後に適切なタイミングで給紙トレイを安全に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図6】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(実施形態)を詳細に説明する。
〔構成〕
ここで、第一実施形態の画像形成システム300の構成を、図1(ブロック図)と図2(断面構成図)とに基づいて詳細に説明する。
【0023】
なお、この実施形態の画像形成システムとしては、各種のシステムに適用が可能であるが、ここでは、スキャナ,複写機,プリンタ,ファクシミリの機能を備えた複合機(MFP)としての画像形成装置と給紙装置とを接続したシステムを具体例にして説明を続ける。
【0024】
ここでは、画像形成装置や給紙装置として既知であって、本実施形態の特徴的な構成や動作や制御に直接に関係しない一般的な部分についての説明は省略してある。
図1では、本実施形態の画像形成装置100と、該画像形成装置100に対して記録紙の給紙を行う給紙装置200とが接続されて、画像形成システム300を構成している状態を示している。
【0025】
本実施形態の画像形成装置100は、各部を制御する全体制御部としての制御部101、各種データやプログラムなどが格納されたROM(Read Only Memory)102、プログラムなどが展開されるRAM(Random Access Memory)103、操作入力がなされ状態を表示する操作表示部105、画像データに対して画像処理を行う画像処理部110、画像処理された画像データにより画像形成を行う画像形成部130、を備えて構成されている。
【0026】
また、給紙装置200は、給紙装置各部を制御する制御部201、吸着搬送部260の記録紙の吸着状態を検知する用紙吸着検知センサ211、吸着搬送部260での記録紙の搬送状態を検知するフィードセンサ212、給紙トレイ上に積載された記録紙束の高さが上述した吸着を行う最適な高さを維持できるように積載高さを検知する用紙高さ検知センサ213、給紙装置200本体部分に対して挿抜可能な収容部を引き出すグリップ部に設けられた握り検知のためのグリップセンサ214、給紙トレイ上の記録紙pの有無あるいは残量を検知する用紙残量センサ215、吸着部264の記録紙の吸い上げと2枚目以降の落下を促進する側方風を発生させる側方送風部240、記録紙の重送を防止するために吸い上げられた記録紙の2枚目以降に風を送って分離して落下させる前方送風部250、トレイに積載された記録紙を空気圧で吸い上げて吸着する吸着部264及び吸着部264で吸着された記録紙を搬送して給紙する搬送部263を備える吸着搬送部260、給紙装置200本体に対して挿抜可能な収容部を拘束して引き出しを抑止する拘束部としてのロック部280、給紙装置200本体に対して挿抜可能な収容部の挿抜をモータなどの力を用いて行うローディング部290、を備えて構成されている。なお、手動で収容部230の挿抜を行う場合には、ローディング部290を設けることを要しない。
【0027】
図2は、給紙装置200が接続された画像形成装置100の全体構成を模式的に示す断面構成図である。
ここでは、大きく分けて、原稿の画像を読み取る画像読取装置SC、画像読取装置SCに原稿を自動的に送る自動原稿送り装置DF、記録紙に画像を形成する画像形成部130、給紙装置200、画像形成装置100に内蔵された給紙装置200’、から構成されている。
【0028】
なお、この図2に示される画像形成部130は、像担持体である感光体1、帯電部2、露光装置3、現像装置4、転写部5、クリーニング部6、定着装置7、を有して構成されている。
【0029】
画像形成装置100内で記録紙を搬送する記録紙搬送部は、第2給紙部12、排紙部14、搬送路切換部15、循環再給紙部16、反転排紙部17などから構成されている。
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは給紙部により搬送され、画像読取装置SCの光学系により原稿dの片面又は両面の画像が露光され、イメージセンサCCDにより読み込まれる。イメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部110において、アナログ処理、A/D変換、シェーデインク補正、画像圧縮処理等を行った後、露光装置3に画像信号を送る。
【0030】
そして、画像形成部130においては、電子写真方式の画像形成の場合には、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の一連の処理が行われる。
画像形成部130においては、感光体1表面が帯電部2により帯電され、露光装置3からのレーザ光照射により静電潜像が形成され、現像装置4により静電潜像が顕像化されてトナー像となる。次いで、給紙装置200あるいは給紙装置200’に収容された記録紙Pが給紙搬送される。記録紙Pは、レジストローラから成る第2給紙部12でトナー像との同期がとられて搬送される。その後、記録紙Pは、転写部5でトナー像が転写されてから定着装置7により定着される。
【0031】
定着後の記録紙Pは、排紙部14により装置外に排出される。一方、クリーニング部6により感光体1上の転写残のトナーが除去される。なお、両面コピーの場合は、第1面に画像形成された記録紙Pは、循環再給紙部16に送り込まれて反転され、再び画像形成部において第2面に画像形成後、排紙部14により画像形成装置外に排出される。反転排紙の場合は、通常の排紙通路から分岐した記録紙Pは、反転排紙部17においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙部14により画像形成装置外に排出される。
【0032】
本実施形態の給紙装置200は、画像形成装置100とは別体に構成され、画像形成装置100に接続されている。また、本実施形態の給紙装置200’は、画像形成装置100内部で画像形成部130に接続されている。
【0033】
給紙装置200あるいは200’は、収容部230、側方送風部240、前方送風部250、吸着搬送部260等を有し、大量の記録紙Pを収容して、画像形成部130に記録紙Pを1枚ずつ吸着しつつ搬送して給送を実行する。
【0034】
〔吸着搬送の動作〕
図4は本実施形態の給紙装置200の要部である収容部230の内部構成を示す斜視図、図5は給紙装置200の側面図である。収容部230は、図4や図5に示すごとく、給紙トレイ231、先端規制部材232、後端規制部材233、ガイドレール234を有する。
【0035】
なお、このガイドレール234を用いることにより、給紙装置200の外殻筐体部から収容部230を、図4のY方向あるいは図5の紙面垂直手前方向に引き出すことと、逆方向に挿入することが可能に構成されている。記録紙Pを補給する場合には、収容部230を、給紙装置200の外殻筐体部から上述した方向に引き出して行う。
【0036】
また、図5に示すように、収容部230の外殻筐体部側のロック部280L1と、収容部230側のロック部280L2とが、制御部201の指示に基づいて互いに噛み合うことで、画像形成実行中に収容部230が引き出されることのないよう動作する。このロック部280L1とロック部280L2とが、図1におけるロック部280を構成している。
【0037】
なお、図1においては、給紙装置200として、収容部230が垂直3段に構成されている。また、図1においては、画像形成装置100に内蔵された給紙装置200’として、収容部230が垂直2段に構成されている。
【0038】
これらの図において、積層された記録紙Pは、給紙トレイ231の上に載置され、図示しない機構により昇降可能に収容されている。側部規制部材241は、記録紙幅方向に移動自在になっており、積層された記録紙Pの記録紙幅に対応して、記録紙Pの両側に軽く押圧して記録紙Pの両側位置を規制する。
【0039】
側部規制部材241は、頂部に段差があり、記録紙Pの送り方向の上流側の面241aが高く、下流側の面241bが低くなっている。上流側の面241aには、図示しないが、側部規制部材241の上端を支持する支持部材が取り付けられる。下流側の面241bは、後述する吸着搬送部260と、記録紙搬送方向(図4,図5中の矢印X方向)上で重なっている。そして、給紙時に給紙トレイ231を図4の矢印Y方向に引き出したとき、下流側の面241bが吸着搬送部260の下を通過できるようにしている。
【0040】
先端規制部材232は、記録紙Pの搬送方向の先端位置を規制している。後端規制部材233は、記録紙Pの搬送方向に移動自在で、記録紙Pの搬送方向の後端位置を規制している。
【0041】
また、図5に示すように、後端規制部材233には、最上部の記録紙Pの高さを検知する高さ検知センサPS3が配置されている。
給紙トレイ231上に積載された記録紙束の高さが、エアーの吹き付け、及び記録紙Pの吹き付けを行う最適な高さを維持するために、制御部201が、高さ検知センサPS3の検知結果に基づいて、図示しない昇降モータを駆動させ、給紙トレイ231を上昇させる制御を行う。
【0042】
図5に示すように、記録紙Pの送り出し方向先端近傍には、吸着搬送部260が配置されている。吸着搬送部260は、駆動源に接続する大ローラ261と2個の小ローラ262を巻回して回動し、搬送部263として機能する吸着ベルト263Bを有する。吸着ベルト263Bには多数の小径の貫通孔が穿設されている。吸着ベルト263Bの内方には吸着部として機能する吸着部264が配置されていて、吸着ベルト263Bを介して記録紙Pを吸引力により吸着しながら搬送し、記録紙Pを給紙ローラ265へと送るものである。
【0043】
また、図4、図5に示すように、記録紙Pの搬送方向に直交する側方から給紙トレイ231内に積層された記録紙Pの上部にエアーを吹き付ける側方送風部240を、給紙トレイ231の両側面に配置した。側方送風部240は、記録紙Pの撤送方向に直交する両側方の送風口244から記録紙Pの上部にエアーを吹き付ける送風ファン42を有する。送風口244は、側部規制部材241の下流側の面241bにあって、記録紙搬送方向(矢印X)上で、吸着搬送部260と少なくとも一部が重なるように配置されている。すなわち、図5に示すように、送風口244の先端側の部分は、吸着ベルト263Bの下に描かれている。
【0044】
側方送風部240を側部規制部材241内に取り付けているので、記録紙Pのサイズが変更された場合でも、側部規制部材241を移動することによって、側方送風部240もー諸に移動できることになる。なお、側方送風部240は、この実施例では、記録紙Pの両側に設けられているが、片側だけでもよい。
【0045】
側方送風部240が駆動され、送風口244から吸着搬送部260の下部にエアーが吹き出され、積層された記録紙Pの上部にある数枚にエアーが吹き付けられる。エアーは記録紙Pの一方の端部から記録紙間を通り抜けて他方の端部に向けて吹き付けられる。これによって記録紙Pの上部数枚は1枚ずつに分離される。吸着搬送部260は、こうして分離された記録紙Pから一番上の記録紙Pだけを吸着する。
【0046】
また、吸着ベルト263Bの吸着面の近傍に配置された吸着検知センサPS1は、記録紙Pの最上面が吸着ベルト263Bに吸着されたことを検知する。吸着ベルト263Bは回転を開始し、記録紙Pを搬送し始める。そして、給紙トレイ231の記録紙搬送方向下流側の吸着ベルト263Bの近傍に配置されたフィードセンサPS2は、給送される記録紙Pの通過を検知する。
【0047】
給紙トレイ231の記録紙搬送方向下流側の吸着ベルト263Bの先端近傍には、前方送風部250が収容部230に固定されている。前方送風部250は送風ファン251等により構成されている。なお、前方送風部250は、収容部230に取り付けて、ダクトを介して記録紙束の先端部に送風するように構成してもよい。前方送風部250の送風ファン251は送風口253を上向きにして取り付けられている。上向きに吹き付けられたエアーは、ガイド板252により向きを変えられ、斜め上方に送風口253から吹き出され、吸着搬送部260の吸着ベルト263Bの近傍に送風する。前方送風部250は、記録紙Pの種類に応じて駆動が制御される。即ち、OHPフイルム、トレース記録紙、表面が平滑な塗工紙、ミシン目や筋押し等の加工が施された記録紙、オフセット印刷済みの記録紙に打ち粉が塗布されている場合などで記録紙間にエアーを吹き込んで分離を確実にする。
【0048】
吸着ベルト263Bが記録紙Pを吸引しながら回動を続けると、記録紙束の最上層の記録紙Pが図4,図5中の矢印Xの方向に進み、給紙ローラ265にニップされ、画像形成部130へ送りだされる。
【0049】
図4、図5に示すように、側方送風部240の吸気口は、遮蔽部材245によって遮蔽され、開閉自在である。即ち、板状のシャッタからなる遮蔽部材245は軸246により軸支され、ソレノイドSOLによって開閉される。制御手段は、遮蔽部材245を開閉自在に制御して側方送風部240によるエアー吹き付けを、オン(吹き付け)とオフ(停止)とに切り換えるように制御する。
【0050】
図6は、側方送風部240と前方送風部250による記録紙の吸着搬送過程を示す断面図である。ここで、図6(a)は記録紙の吸着過程を示す。側方送風部240により吹き上げられる側方送風V1(図示の白抜き矢印)によって、給紙トレイ231上に積載された記録紙束の上層の少数枚の記録紙Pが記録紙の自重に抗して持ち上げられ、吸着ベルト263Bの負圧による吸気V3(図示の白抜き矢印)により吸着される。前方送風部250により吹き上げられる前方送風V2(図示の白抜き矢印)は、吸着ベルト263Bの前方底部近傍を吹き付けている。
【0051】
また、図6(b)は、記録紙の分離過程を示す。記録紙束の上層の少数枚が吸着ベルト263Bに吸着されると、遮蔽部材245が側方送風部240の吸気口を遮蔽して送風を停止する。すると、前方送風部250のみによる送風が、最上層の記録紙P1と、その下方の記録紙P2の紙間を通過する。最上層の記録紙P1は吸着搬送部260の吸気V3によって吸着され、最上層の記録紙P1を除く記録紙束の記録紙Pから分離される。分離された最上層の記録紙P1の下方の記録紙P2は、記録紙P2の自重によって矢印方向に下降し、記録紙Pの上に収容される。
【0052】
このように側方送風部240と前方送風部250の送風を繰り返すことにより、記録紙束の上部の数枚の記録紙P2の浮き上がりが送風口244,253のほぼ全面に拡がり、各記録紙間の隙間がほぼ同じ間隔になる。そして、この隙間をエアーが通過していく。これによって、記録紙P1の分離が良くなり、記録紙P1を送り出し易くなる。
【0053】
〔本実施形態の特徴部分の動作説明〕
以下、図3のフローチャートを参照して、給紙装置200、画像形成装置100の動作について説明する。なお、ここでは説明の簡略化から、制御部101及び制御部201間における信号の送受信について省略する場合もあるが、制御部201は制御部101からの指示を受けて給紙装置の各部を制御するものとする。また、後述するように、いずれか一方の制御部によって、本実施形態の制御を行うことも可能である。
【0054】
画像形成装置100において、画像読取装置SCで読み取って得た画像データ、または、外部の機器(図示せず)から入力された画像データについての画像形成の指示がなされると、まず、制御部101は、制御部201を介して得た用紙残量センサ215の検知結果により、画像形成を行う予定のトレイ上の記録紙の有無を確認する(図3中のステップS101)。
【0055】
トレイ上に記録紙が存在していなければ、制御部101は、操作表示部105に記録紙切れ(記録紙無し)である旨の表示をするよう制御を行う(図3中のステップS102)。この記録紙切れの表示は、トレイに記録紙が補充されるまで続行する(図3中のステップS103でNO、ステップS102)。また、トレイに記録紙が補充されれば(図3中のステップS103でYES)、制御部101は、後述する通常の動作に戻る。
【0056】
なお、この記録紙切れの状態においては、後述する吸着検知やタイマ制御にかかわらず、制御部101は、制御部201を介し、収容部230の引き出しを許可し、ロック部280のロック状態を解除する。また、記録紙が補充されて記録紙切れの状態がなくなれば、制御部101は、制御部201を介し、収容部230の引き出しを禁止し、ロック部280をロック状態とする。
【0057】
用紙残量センサ215の検知結果によりトレイ上に記録紙が存在すれば(図3中のステップS101でYES、または、S103でYES)、制御部101は、給紙装置200の給紙動作を実行させて1枚の記録紙を給紙するとともに、給紙された記録紙に対して、画像形成部130において帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の一連の処理を実行して画像形成を行うよう制御する(図3中のステップS104)。続けて画像形成を実行する場合には(ステップS105でNO)、上述したステップS101〜ステップS104を繰り返して実行する。なお、この給紙動作の実行中には、収容部230が引き出されることのないように、制御部201は、ロック部280(280L1,280L2)をロック状態にして、収容部230を拘束しておく。
【0058】
画像形成にかかる最終の記録紙が給紙されると(ステップS105でYES)、搬送部263の動作を停止させ、次の記録紙が搬送されないように制御する(ステップS106でYES)。
【0059】
次に、制御部101は、吸着部264の吸着動作を停止させるか否かを判断する。制御部101が吸着動作を停止させると判断した場合(ステップS107でYES)、制御部201の指示により、吸着部264での吸着動作、前方送風部250での送風、側方送風部240での送風を停止(終了)する(図3中のステップS108)。
【0060】
なお、このとき、給紙装置200では記録紙の吸着動作や各種送風動作が停止するものの、吸着部264での吸引力は残っており、給紙されなかった記録紙が搬送部263(吸着ベルト263B)に吸着した状態になっている。この状態において、ロック部280は、記録紙の給紙終了後であっても記録紙が吸着状態にある間は拘束状態を維持するように、制御部101と制御部201により制御される。そして、記録紙の吸着動作の停止後から、予め定められた所定時間が経過した時点で、ロック部280の拘束状態を解除するよう、制御部101と制御部201により制御される。ここで、吸着動作や各種送風動作の停止は、以下のタイミングで実行される。
・搬送完了となる記録紙の給紙トレイ(収容部)からの排出の完了、
・搬送完了となる記録紙の画像形成の完了(転写完了、定着完了、排出完了、など)、
・搬送完了となる記録紙の指定排出先への排出の完了(画像形成装置の指定トレイへの排紙、後処理装置での指定トレイへの排紙、など)、
のいずれかである。なお、給紙トレイからの排出を完了した時点で、吸着動作や各種送風動作を停止させることが、ユーザに対する操作性の観点で最も望ましい。
【0061】
そして、吸着部264の吸着動作が停止されると、タイマがスタートし(ステップS109)、所定時間のカウントを開始する。
ここで、「所定時間」とは、搬送部263に吸着されている記録紙の吸着状態から剥離するのに要するであろう時間として定められたもので、タイマをカウントする時間であり、
・記録紙の種類あるいはサイズに応じて所定時間が定められる、
・吸着部264の記録紙に対する吸着力に応じて所定時間が定められる、
・上記、吸着動作や各種送風動作の停止タイミングに応じて所定時間が定められる、
ものである。
【0062】
なお、記録紙の種類としては、斤量(厚みや重さ)、材質(普通紙、塗工紙、合成樹脂(OHPシート))、表面状態(滑らかさ)、などが該当する。また、吸着部264の吸着力とは、例えば吸着部264における吸着ファンの吸引仕事率が該当する。
【0063】
そして、制御部101はタイマのカウント時間を調べ、所定時間経過したかを判定する(図3中のステップS110)。なお、タイマのカウント時間の判定であり、記録紙が実際に剥がれたか否かの検知ではないため、誤動作なし、CPUの処理の負担にならず、迅速な対応が可能になる。
【0064】
ここで、所定時間が経過するまで(図3中のステップS110でNO)、以上のタイマ時間経過判定(図3中のステップS110)と、ロック部280の拘束状態維持(図3中のステップS111)とを繰り返すよう、制御部101と制御部201により制御される。すなわち、所定時間が経過しない場合には(図3中のステップS110でNO)、制御部101は制御部201を介し、収容部230の引き出しは許可せず、ロック部280のロック状態を維持したままとする(図3中のステップS111)。
【0065】
なお、収容部230の引き出しがローディング部290による電動制御の場合には、制御部201は、ロック部280のロック状態を維持したままとすると共に、ローディング部290による収容部230の引き出しを行わないように制御する。
【0066】
また、この場合、制御部201は、給紙装置200のいずれかの位置に表示部や警告ランプなどが設けてあれば、収容部230の引き出しが不許可である旨の表示を行ってもよい。この場合、収容部230がロックされていることを示す警告灯の点灯や点滅であってもよい。
【0067】
また、収容部230の引き出しがローディング部290による電動制御の場合には、収容部230のグリップ(図示せず)に設けられたグリップセンサ214における握り検知結果に応じて、制御部201が上述したメッセージ表示を行うようにしてもよい。
【0068】
また、制御部201が制御部101に通知を行い、所定時間が経過していないために収容部230の引き出しを許可できない旨あるいは引き出しができない理由を示すメッセージを、操作表示部105に表示するようにしてもよい。このような表示により、収容部230が引き出しができない状態が故障ではなく意図的な制御によるものであることが、利用者にとって明確になり、給紙装置の適切な使用が可能になる。
【0069】
そして、タイマのカウントにより以上の所定時間に達した場合(図3中のステップS110でYES)、制御部101は、制御部201を介し、収容部230の引き出しを許可し、ロック部280のロック状態を解除する(図3中のステップS112)。
【0070】
この際に、制御部201は、収容部230の引き出し不許可時の表示を停止する。また、制御部201は、収容部230の引き出し許可の表示を行っても良い。また、制御部101は、所定タイミングから所定時間が経過したため、収容部230の引き出しを許可する旨のメッセージを、操作表示部105に表示するようにしてもよい。
【0071】
なお、収容部230の引き出しがローディング部290による電動制御の場合には、収容部230のグリップ(図示せず)に設けられたグリップセンサ214における握り検知結果と、制御部101からの時間経過の通知(あるいは引き出し許可の通知)とを受け、制御部201は、ローディング部290による収容部230の引き出しを行うように制御する。
【0072】
このようにして、所定時間の経過に応じてロック部280の拘束が解除されて収容部230の引き出しが可能になるため、記録紙に引き剥がし爪などによるダメージを与えず、また、記録紙引き剥がしのための特別な部品を設けることなく、さらに、無駄な待ち時間を発生させることなく、画像形成終了後に収容部230を安全に引き出すことが可能になる。
【0073】
なお、以上の実施形態において、吸着部における吸着動作の停止から予め定められた所定時間が経過した時点で、拘束部の拘束状態を解除する制御による収容部230の引き出し許可/不許可の制御については、全ての種類の記録紙について実行してもよいが、予め定められた所定の記録紙についてだけ実行するように構成してもよい。この場合、予め定められた種類の記録紙としては、吸着ベルト263Bに吸着した状態の記録紙が存在している状態での収容部230の引き出しによって、記録紙側にダメージが生じるような繊細な記録紙、あるいは、吸着した記録紙によって吸着検知センサ211側にダメージが生じるような剛性の高い記録紙、などが該当する。
【0074】
したがって、吸着ベルト263Bに吸着した状態の記録紙によって吸着検知センサ211側にダメージが生じないような剛性の低い記録紙であって、記録紙側にダメージが生じても問題のない場合には、上述した吸着検知と収容部230の引き出し許可/不許可の制御については、実行しないことも可能である。この場合には、各収容部230に収容されている記録紙の情報と、本実施形態の制御が必要であるか不要であるかの設定情報とを制御部101が判断して、本実施形態の制御を実行するか否かを決定すればよい。
【0075】
〔所定時間の調整・変更〕
なお、吸着部264の吸着性能については経時変化が生じる可能性がある。また、吸着部264の吸着の強弱を調整可能な給紙装置あるいは画像形成装置が存在している。このような給紙装置や画像形成装置においては、タイマで経過を判定する上述した所定時間について、記録紙毎に予め定められた値を調節することが望ましい。
【0076】
この場合、搬送部263付近に設けられた透明窓(図示せず)をオペレータが観察し、吸着部264によって搬送部263に吸着される記録紙の剥がれ落ちる状況を確認しつつ、操作表示部105あるいは給紙装置200側の操作部(図示せず)または外部の端末装置から上記所定時間についての変更(増減)することが望ましい。
【0077】
また、オペレータが観察することができない場合であっても、所定時間について若干の+/−(増減)のようにして、微調整できることも望ましい。
なお、このような所定時間の調整については、制御部101が所定時間調整モードとして動作し、所定時間の増減について、操作表示部105からオペレータの入力を受け付けることにより実行する。
【0078】
また、オペレータが観察することができる場合には、予め定められた所定時間を調整するのではなく、制御部101の所定時間新規設定モードとして、該所定時間を全く新規に設定できることも望ましい。
【0079】
また、制御部101の制御により、予め定められた所定時間は残しておいて、オペレータが増減調整した所定時間を別途記憶する、あるいは、オペレータが新規設定した所定時間を別途記憶する、といったことも可能である。
【0080】
なお、この際に可能であれば、制御部101は、吸着部264による吸着停止と記録紙の落下のタイミングを用紙吸着検知センサ211の検知結果とから、自動的に所定時間についてのキャリブレーションを実行してもよい。なお、用紙吸着検知センサ211の検知結果を用いてキャリブレーションを行うものの、通常時は、上述した所定時間による制御とすることで、制御部101や制御部201に対する割り込みを減らして処理の負担を軽減し、画像形成装置100や給紙装置200のパフォーマンスを向上させることが可能になる。
【0081】
〔給紙装置、画像形成装置、画像形成システムのその他の構成(1)〕
以上の実施形態では、画像形成装置100に制御部101が設けられ、給紙装置200側に制御部201が設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、画像形成装置100と給紙装置200のいずれか一方に存在する制御部が、画像形成装置100と給紙装置200の両方を制御してもよい。図7に示す例では、画像形成装置100側に制御部101’が存在し、画像形成装置100と給紙装置200の両方を制御する構成となっている。
【0082】
〔給紙装置、画像形成装置、画像形成システムのその他の構成(2)〕
また、図8に示すように、ネットワークや制御信号線などを介して画像形成装置100と給紙装置200との少なくとも一方に接続された端末装置400に制御部401が存在し、この制御部401が上述した実施形態の制御を実行するような構成であってもよい。この際には、制御部101や制御部201が存在していてもよいし、存在していなくともよい。いずれにしても、少なくとも、上述した実施形態の制御を制御部401が司ることで実現される。
【0083】
〔給紙装置、画像形成装置、画像形成システムのその他の構成(3)〕
以上の実施形態では、吸着搬送部では空気の吸い込みによる吸引力により記録紙を吸着するものとして、説明してきた。しかし、これに限定されず、静電気や磁気など空気の吸い込み以外の各種の力による吸着搬送部であっても、以上の実施形態を適用することで良好な結果を得ることができる。
【0084】
〔給紙装置、画像形成装置、画像形成システムのその他の構成(4)〕
なお、本実施形態の給紙装置としては、画像形成装置100の外部に接続された大容量の給紙装置200であっても、画像形成装置100の内部に設けられた給紙装置200’であってもよい。
【0085】
〔給紙装置、画像形成装置、画像形成システムのその他の構成(5)〕
以上の実施形態において、給紙装置から画像形成装置に記録紙が吸着搬送されるものとして説明をおこなってきたが、これに限定されるものではない。たとえば、画像形成装置以外の各種装置に対して記録紙やシートの吸着搬送を行う給紙装置や給紙システムとして構成することも可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 画像形成装置
101 制御部
102 ROM
103 RAM
105 操作表示部
110 画像処理部
120 画像形成部
200 給紙装置
201 制御部
211 用紙吸着検知センサ
212 フィードセンサ
213 用紙高さ検知センサ
214 グリップセンサ
210 吸着搬送部
240 側方送風部
250 送風部
260 吸着搬送部
280 ロック部
290 ローディング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙装置本体に対して挿抜可能であって記録紙を収容する収容部と、
前記収容部を前記給紙装置本体に対して拘束することにより前記収容部の引き出しを抑止する拘束部と、
前記収容部に収容された記録紙を吸着しつつ搬送する吸着搬送部と、を備え、
前記拘束部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には拘束状態を維持すると共に、前記吸着搬送部における吸着動作の停止から予め定められた所定時間が経過した時点で、前記拘束状態を解除する、
ことを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記吸着搬送部における吸着動作の停止は、
前記搬送完了となる前記記録紙の前記収容部からの排出の完了、
前記搬送完了となる前記記録紙の画像形成の完了、
前記搬送完了となる前記記録紙の指定排出先への排出の完了、
のいずれかのタイミングで実行される、
ことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
【請求項3】
前記所定時間は、前記吸着搬送部に吸着されている前記記録紙の吸着状態から剥離するのに要する時間であり、
前記記録紙の種類あるいはサイズに応じて前記所定時間が定められる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
画像形成実行中において前記収容部での記録紙無し状態が検知された場合には、
前記拘束部は、前記所定時間の経過にかかわらず前記拘束状態を解除する、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項5】
請求項1−4のいずれか一項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から給紙された記録紙に画像を形成する画像形成部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
記録紙上に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に前記記録紙を搬送する給紙装置と、
各部を制御する制御部と、
を有する画像形成システムであって、
前記給紙装置は、
該給紙装置本体に対して挿抜可能であり、前記記録紙を収容する収容部と、
前記収容部を前記給紙装置本体に対して拘束することにより前記収容部の引き出しを抑止する拘束部と、
前記収容部に収容された記録紙を吸着しつつ搬送する吸着搬送部と、を有し、
前記制御部は、前記吸着搬送部における前記搬送時には前記拘束部を拘束状態にしておくと共に、前記吸着搬送部における吸着動作の停止から予め定められた所定時間が経過した時点で、前記拘束部の前記拘束状態を解除するように前記拘束部を制御する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
前記吸着搬送部における吸着動作の停止は、
前記搬送完了となる前記記録紙の前記収容部からの排出の完了、
前記搬送完了となる前記記録紙の画像形成の完了、
前記搬送完了となる前記記録紙の指定排出先への排出の完了、
のいずれかのタイミングで実行される、
ことを特徴とする請求項6記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記所定時間は、前記吸着搬送部に吸着されている前記記録紙の吸着状態から剥離するのに要する時間であり、
前記記録紙の種類あるいはサイズに応じて前記所定時間が定められる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
画像形成実行中において前記収容部での記録紙無し状態が検知された場合には、
前記拘束部は、前記所定時間の経過にかかわらず前記拘束状態を解除する、
ことを特徴とする請求項6−8のいずれか一項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−84356(P2011−84356A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237289(P2009−237289)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】