説明

給電システム、出力端スイッチ制御装置及び給電方法

【課題】安定的に負荷に電力を供給し、負荷容量が変化しても直流電源での電力の消費を抑制する給電システムを提供する。
【解決手段】本発明は、複数の負荷に直流電力を供給するシステムであり、交流電力を直流電力に電力変換する複数の直流電源と、直流電源各々の出力端に接続された出力端スイッチと、各々の出力端スイッチに一端が接続される第1配線と、第1配線の他端同士間に設けられた接続線と、第1配線と接続線との交点に一端が接続され、他端が負荷に接続される第2配線と、負荷の稼動状態を検出する検出部と、負荷各々の稼動状態での第1配線の抵抗の抵抗損失と、電力変換の変換損失との合計を最小とする直流電源或いは直流電源の組合せである稼動直流電源グループを、複数の直流電源から選択する稼動直流電源グループ選択部と、稼動直流電源グループの直流電源による直流電力を、出力端スイッチをオンして負荷に対して供給する稼動制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷に対して電力を供給する給電システム、出力端スイッチ制御装置及び給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給電システムで使用される電源装置は、電力を供給する負荷の最大負荷容量分の出力容量を出力可能に構成されている(例えば、特許文献1)。
また、図10に示すように、負荷が情報通信(ICT)装置の場合、給電システムの安定性を図るため、すなわち電源装置の故障などを考慮して、負荷(あるいは複数の負荷グループ)毎に電源装置を設ける構成となっている。
直流電源100(200、300)は、交流電力から直流電力を生成し、配電盤101(201、301)を介して、負荷102(202、302)に対して、直流電力を供給している。
また、直流電源100(200,300)は、直流電力の出力に対してバッテリが接続されている。
この構成により、直流電源が故障した場合には、故障した直流電源に接続される負荷の動作が制限されるのみで、故障していない他の直流電源に接続されている負荷の動作が制限されることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2002/061917号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した負荷毎に直流電源を設ける方法において、負荷の負荷容量が変化すると、例えば、最大負荷容量に対して大幅に低下すると、直流電源の負荷率が低下した運転状態となり、直流電源の整流装置における交流電力から直流電力への電力変換での損失が高くなり、無駄な電力を消費するという欠点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、安定的に負荷に対して電力が供給でき、かつ負荷の負荷容量が変化しても直流電源における無駄な電力の消費を抑制することが可能な給電システム、出力端スイッチ制御装置及び給電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給電システムは、複数の負荷に対して直流電力を供給する給電システムであり、交流電力を直流電力に電力変換する複数の直流電源と、前記直流電源の各々の出力端に接続された出力端スイッチと、前記出力端スイッチ毎に設けられ、当該出力端スイッチに一端が接続される第1配線と、前記第1配線の他端同士の間に設けられた接続線と、前記第1配線と前記接続線との交点に対して一端が接続され、他端が前記負荷に対して接続される第2配線と、前記負荷の稼動状態を検出する検出部と、前記第1配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する稼動直流電源グループ選択部と、前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源による前記直流電力を、前記出力端スイッチをオン状態とし、当該出力端スイッチに接続された前記負荷に対して供給させる稼動制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の給電システムは、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記負荷に供給される電力である負荷容量の合計である全供給電力を求め、当該全供給電力を供給するために必要な電力を供給する前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである直流電源グループを抽出し、当該直流電源グループのなかで、最小の損失合計を有する直流電源グループを前記稼動直流電源グループとして選択し、前記稼動制御部が、前記稼動直流電源グループ選択部により前記選択された前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源の前記出力端スイッチをオン状態として稼動させることを特徴とする。
【0008】
本発明の給電システムは、前記負荷の各々に供給される負荷容量の組み合わせである負荷容量組合せと、全供給電力の供給を最小の損失合計で行える前記稼動直流電源グループとが対応して示された制御テーブルが記憶された記憶部をさらに有し、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記検出部の各々が検出した前記負荷の前記負荷容量に対応する前記負荷容量組合せを抽出し、当該負荷容量組合せに対して最小の損失合計を有する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから選択することを特徴とする。
【0009】
本発明の給電システムは、前記負荷に供給される前記負荷容量の合計である全供給電力と、当該全供給電力の供給を最小の損失合計で行える前記稼動直流電源グループとが対応して示された制御テーブルが記憶された記憶部をさらに有し、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記検出部が検出した各負荷の稼動状態から全供給電力を算出し、当該全供給電力に対して最小の損失合計を有する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから選択することを特徴とする。
【0010】
本発明の給電システムは、前記直流電源が、前記出力端に対して複数並列に接続された、交流電力を直流電力に電力変換する整流ユニットから構成されており、前記直流電源が、前記整流ユニットの稼動数を示す稼動情報を前記稼動直流電源グループ選択部に出力し、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記整流ユニットの稼動数における前記直流電源の出力可能電力を前記直流電源の出力電力として算出し、当該出力電力により前記直流電源グループを抽出し、抽出した直流電源グループそれぞれに対して、前記整流ユニットの稼動数での前記直流電源の出力電力から当該直流電源の変換損失を求め、当該変換損失と前記抵抗損失とから前記損失合計を算出し、当該直流電源グループから最小の損失合計を有する直流電源グループを前記稼動直流電源グループとして選択することを特徴とする。
【0011】
本発明の給電システムは、前記稼動直流電源グループ選択部が、一定周期毎に、前記全供給電力を算出し、算出した全供給電力と直前に求めた全供給電力との差分の絶対値が、予め設定された閾値を超えた場合、算出した前記供給電力の負荷容量組合せに対応する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから新たに選択することを特徴とする。
【0012】
本発明の給電システムは、前記検出部が、前記負荷と前記第2配線の他端との間に設けられており、前記負荷の稼動状態に従って当該負荷に供給される電流値を検出し、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記電流値と、前記直流電源が前記負荷に対して直流電力を供給する電圧とから前記負荷毎の前記負荷容量を算出することを特徴とする。
【0013】
本発明の給電システムは、前記稼動直流電源グループ選択部が、前記第1配線の抵抗と前記接続線の抵抗とを用い前記抵抗損失を算出することを特徴とする。
【0014】
本発明の出力端スイッチ制御装置は、複数の負荷に対し、複数の直流電源からの配線を介して直流電力の供給を制御する出力端スイッチ制御装置であり、前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチと、前記負荷の稼動状態を検出する検出部と、前記負荷の各々の稼動状態における前記配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する稼動直流電源グループ選択部と、前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源を、前記出力端スイッチをオン状態とすることにより稼動させる稼動制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の給電方法は、複数の負荷に対し、複数の直流電源からの配線を介して直流電力の供給を制御する出力端スイッチ制御装置を動作させる方法であり、前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチと、検出部が、前記負荷の稼動状態を検出する過程と、稼動直流電源グループ選択部が、前記負荷の各々の稼動状態における前記配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する過程と、稼動制御部が、前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチをオン状態として、前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源を稼動させる過程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、負荷の容量変化に対応して、稼動する直流電源装置の電力変換の効率を高くするために、稼動する直流電源装置の損失電力と、直流電源及び負荷間における配線の抵抗による抵抗損失との合計である合計損失を最小とする稼動直流電源グループを選択している。
このため、本発明によれば、安定的に負荷に対して電力が供給でき、かつ負荷の負荷容量が変化しても、直流電源において交流電力から直流電力へと電力変換する際の消費電力(変換損失)を低下させることができ、無駄な電力の消費を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態による給電システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の直流電力としての出力電力と、この直流電力を得るために消費された電力損失との対応を示すグラフである。
【図3】配線S11、S22、S33、SN1N2、SN2N3各々の抵抗値を示す抵抗値テーブルの構成を示す図である。
【図4】給電システムの直流電源RF1、RF2、RF3の各々と、負荷L1、L2及びL3との間の各配線及びノードの接続関係を示す図である。
【図5】全供給電力を最小から最大までを等分に分割した全供給電力分割範囲と、全供給電力分割範囲の場合に供給システムにおける損失合計が最小となる稼動直流電源グループとが対応した制御テーブルの構成を示す図である。
【図6】給電システムにおける出力端スイッチ制御部1の給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作例を示すフローチャートである。
【図7】負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量の数値の組合せと、組合せにおける稼動直流電源グループの稼動させる直流電源の出力端に接続される出力端スイッチ名との対応を示すテーブルの図である。
【図8】給電システムにおける出力端スイッチ制御部1の給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作例を示すフローチャートである。
【図9】図1における直流電源RF1の構成例を示す図である。
【図10】従来の給電システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による給電システムの構成例を示す概略ブロック図である。
図1において、給電システムは、出力端スイッチ制御部1、直流電源RF1、RF2、RF3、出力端スイッチRFSW1、RFSW2、RFSF3、バッテリBAT1、BAT2、BAT3、配線S1、S2、S3、SN1N2、SN2N3、検出部D1、D2、D3から構成されている。
出力端スイッチRFSW1は、直流電源RF1の出力端と接続点P1との間に介挿されており、オン状態の場合に直流電源RF1から配線S11に対して直流電力を出力し、一方、オフ状態の場合に直流電源RF1から配線S11に対して直流電力を出力させない。すなわち、出力端スイッチRFSW1は、オン状態の場合に直流電源RF1を稼動させ、オフ状態の場合に直流電源RF1を稼動させない。
直流電源RF1は、商用交流電力を直流電力に変換し、配線S11及び出力端スイッチRFSW1を介し、例えば情報通信装置である負荷L1、L2、L3に対し、変換した直流電力を供給する。
【0019】
バッテリBAT1は、接続点P1に接続され、直流電源が正常に動作している場合、直流電源RF1、RF2及びRF3のいずれかあるいは組合せにより充電され、一方、直流電源の出力電圧が低下した際、放電を行って直流電力を負荷L1、L2、L3に対して供給する。
配線S11は、接続点P1と接続点N1との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R1N1(抵抗値は抵抗名と同一とする)を有している。
配線S1は、接続点N1と負荷L1との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R1を有している。
検出部D1は、負荷L1に印加されている電圧の電圧値Vと、負荷L1に供給される電流の電流値Iとを測定し、測定した電圧値Vと電流値Iとを、出力端スイッチ制御部1に対して出力する。
【0020】
出力端スイッチRFSW2は、直流電源RF2の出力端と接続点P2との間に介挿されており、オン状態の場合に直流電源RF2から配線S22に対して直流電力を出力し、一方、オフ状態の場合に直流電源RF2から配線S22に対して直流電力を出力させない。すなわち、出力端スイッチRFSW2は、オン状態の場合に直流電源RF2を稼動させ、オフ状態の場合に直流電源RF2を稼動させない。
直流電源RF2は、商用交流電力を直流電力に変換し、配線S22及び出力端スイッチRFSW2を介し、負荷L1、L2、L3に対し、変換した直流電力を供給する。
【0021】
バッテリBAT2は、接続点P2に接続され、直流電源が正常に動作している場合、直流電源RF1、RF2及びRF3のいずれかあるいは組合せにより充電され、一方、直流電源の出力電圧が低下した際、放電を行って直流電力を負荷L1、L2、L3に対して供給する。
配線S22は、接続点P2と接続点N2との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R2N2を有している。
配線S2は、接続点N2と負荷L2との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R2を有している。
検出部D2は、負荷L2に印加されている電圧の電圧値Vと、負荷L2に供給される電流の電流値Iとを測定し、測定した電圧値Vと電流値Iとを、出力端スイッチ制御部1に対して出力する。
【0022】
出力端スイッチRFSW3は、直流電源RF3の出力端と接続点P3との間に介挿されており、オン状態の場合に直流電源RF3から配線S33に対して直流電力を出力し、一方、オフ状態の場合に直流電源RF3から配線S33に対して直流電力を出力させない。すなわち、出力端スイッチRFSW3は、オン状態の場合に直流電源RF3を稼動させ、オフ状態の場合に直流電源RF3を稼動させない。
直流電源RF3は、商用交流電力を直流電力に変換し、配線S33及び出力端スイッチRFSW3を介し、負荷L1、L2、L3に対し、変換した直流電力を供給する。
【0023】
バッテリBAT3は、接続点P3に接続され、直流電源が正常に動作している場合、直流電源RF1、RF2及びRF3のいずれかあるいは組合せにより充電され、一方、直流電源の出力電圧が低下した際、放電を行って直流電力を負荷L1、L2、L3に対して供給する。
配線S33は、接続点P3と接続点N3との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R3N3を有している。
配線S3は、接続点N3と負荷L3との間を接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗R3を有している。
検出部D3は、負荷L3に印加されている電圧の電圧値Vと、負荷L3に供給される電流の電流値Iとを測定し、測定した電圧値Vと電流値Iとを、出力端スイッチ制御部1に対して出力する。
配線SN1N2は、ノードN1とノードN2とを接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗RN1N2を有している。
また、配線SN2N3は、ノードN2とノードN3とを接続する配線であり、寄生抵抗である抵抗RN2N3を有している。
【0024】
出力端スイッチ制御部1は、出力端スイッチRFSW1、RFSW2及びRFSW3の各々を、オン状態またはオフ状態とするオンオフ制御を行う。すなわち、出力端スイッチ制御部1は、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々を稼動させるか、停止させるかの稼動制御を行う。
出力端スイッチ制御部1は、稼動直流電源グループ選択部11、稼動制御部12及び記憶部13を備えている。
【0025】
また、本実施形態において、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々は、例えば400V(一定値の電圧値V)の直流電圧にて、各負荷に対して電力を供給している。これにより、より低い直流電圧で電力を供給する場合に比較し、直流電力を供給する際に、電流値を低下させることができ、上述した各配線の寄生抵抗において消費される電気エネルギを低下させることができ、電力供給の効率を向上させることができる。
【0026】
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷L1、L2及びL3の負荷容量(供給電力)の組合せである負荷容量組合せに対応して、直流電源RF1、RF2及びRF3における変換損失を最も少ない値にする、直流電源RF1、RF2及びRF3のいずれかあるいは組合せである稼動直流電源グループを選択する。
ここで、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々は、商用交流電力を直流電力に電力変換させる際、電力変換における電力損失を有している。この電力損失は、それぞれ直流電源によっても異なるし、また変換する際の電力によって異なる値となっている。入力される交流電力に対し、出力される直流電力との差分が電力損失として、直流電源毎に実測される。
図2は、一例として、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の直流電力としての出力電力と、この直流電力を得るために消費された電力損失との対応を示すグラフである。図2のグラフにおいて、横軸が出力電力であり、縦軸が電力変換における損失を示している。図2に示すように、直流電源毎、また出力電力の値によって、電力変換における損失が異なっている。
【0027】
稼動直流電源グループ選択部11は、負荷L1、L2及びL3の各々の稼動状態に対応し、配線S11、S22、S33、S1N2N、DN2N3の寄生抵抗による抵抗損失と、電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする直流電源あるいは直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、複数の直流電源、すなわち直流電源RF1、RF2及びRF3から選択する。ここで、稼動直流電源グループは、直流電源RF1、RF2及びRF3のいずれか、あるいは直流電源RF1、RF2及びRF3の2つ以上の組合せである。
【0028】
稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D1、D2、D3各々から出力される電圧値V及び電流値Iから、負荷L1、L2、L3の各々の負荷容量PW1、PW2、PW3を算出する。また、稼動直流電源グループ選択部11は、電圧値Vは一定値として内部の記憶部に記憶されており、検出部からの電流値Iと、内部の記憶部に記憶された電圧値Vから各負荷の負荷容量を算出するようにしても良い。以下、電圧値を一定値とした場合で説明を行う。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量PW1、PW2、PW3の各々を積算し、給電システム全体における電力消費である全供給電力を算出する。
稼動直流電源グループ選択部11は、求めた全供給電力を供給可能な稼動直流電源グループを、直流電源RF1、RF2及びRF3から選択する。
稼動制御部12は、稼動直流電源グループに含まれる直流電源の出力端子に接続されている出力端スイッチをオン状態とし、含まれていない直流電源の出力端子に接続されている出力端スイッチをオフ状態とし、直流電源の稼動を制御する。
【0029】
直流電源RF1、RF2及びRF3の各々は、稼動直流電源グループにおいて、2台以上の組合せによる複数台で運転する場合、各直流電源の出力電力の出力容量は平衡する。
すなわち、直流電源が2台稼動している場合、この2台は全供給電力の電力容量の半分(1/2)ずつを出力し、直流電源が3台稼動している場合、この3台は全供給電力の電力容量の1/3ずつを出力する。
【0030】
次に、稼動直流電源グループ選択部11の行う、直流電源RF1、RF2及びRF3からの稼動直流電源グループを選択する動作について説明する。
記憶部13には、稼動直流電源グループ選択部11が計算に用いる配線S11、S22、S33、SN1N2、SN2N3各々の寄生抵抗の抵抗値r1N1、r2N2、r3N3、rN1N2、rN2N3を示す抵抗値テーブルが記憶されている。この抵抗値テーブルは、図3に示すように、配線名、抵抗名及び抵抗値が対応して組として記憶されている。また、配線S1、S2及びS3については、いずれの直流電源から供給されたとしても、熱エネルギとして消費される損失電力としては同一のため、稼動直流電源グループの選択に用いる必要がないため、抵抗値テーブルには記憶されていない。
また、記憶部13には、図2に示すグラフのデータが、直流電源毎に、出力電力と損失の電力(変換損失)とを対とした変換損失テーブルとして記憶されている。
【0031】
稼動直流電源グループ選択部11は、負荷L1、L2及びL3に対して供給する全供給電力を供給する稼動直流電源グループの候補を、全供給電力を供給できるいずれかの直流電源または直流電源の組合せを選択する。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13に記憶されている抵抗値テーブル及び変換損失テーブルを用いて、稼動させる直流電源における電力変換における損失電力である変換損失と、電力を供給する経路となる配線S11、S22、S33、SN1N2及びSN2N3での損失電力である抵抗損失とを合計した損失合計を計算する。
【0032】
例えば、負荷L1、L2及びL3の各々に対し、20kWの電力の供給が必要な場合(20kWの電力を消費している場合)、全供給電力としては60kWであり、この60kWを稼動直流電源グループが供給することになる。このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、稼動直流電源グループの候補として、以下に示す7個の直流電源グループを抽出す。また、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々は、例えば、最大定格の直流電力の出力容量が100kWである。
第1候補 60kW:直流電源RF1
第2候補 60kW:直流電源RF2
第3候補 60kW:直流電源RF3
第4候補 30kW:直流電源RF1、直流電源RF2
第5候補 30kW:直流電源RF1、直流電源RF3
第6候補 30kW:直流電源RF2、直流電源RF3
第7候補 20kW:直流電源RF1、直流電源RF2、直流電源RF3
【0033】
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力と直流電源の出力容量の最大定格とを比較し、全供給電力が直流電源の出力容量の最大定格以下の場合、いずれか1個の直流電源を直流電源グループとして抽出する。
一方、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力が直流電源の出力容量の最大定格を超える場合、全供給電力を分割した分割供給電力が、直流電源の出力容量の最大定格以下となる分割数を求め、この分割数の直流電源の組合せを直流電源グループとして選択する。
【0034】
例えば、負荷L1、L2及びL3の各々が40kWの電力の供給が必要な場合、全供給電力としては120kWであり、この120kWを稼動直流電源グループが供給することになる。このとき、全供給電力が直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の出力容量の最大定格である100kWを超えているため、稼動直流電源グループ選択部11は、稼動直流電源グループの候補として、以下に示す4個の直流電源グループを抽出する。
第1候補 60kW:直流電源RF1、直流電源RF2
第2候補 60kW:直流電源RF1、直流電源RF3
第3候補 60kW:直流電源RF2、直流電源RF3
第4候補 40kW:直流電源RF1、直流電源RF2、直流電源RF3
【0035】
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、抽出された候補としての直流電源グループの各々の損失合計を、以下に示すように算出する。例として、全供給電力が120kWの場合で、4個の直流電源グループにおける損失合計の計算過程を説明する。
稼動直流電源グループ選択部11は、第1候補における直流電源RF1及びRF2の各々の60kWにおける変換損失を、記憶部13の変換損失テーブルから読み込む。60kWにおける直流電源RF1の変換損失は2.6kWであり、直流電源RF2の変換損失は3.3kWである。
【0036】
また、稼動直流電源グループ選択部11は、図4の給電システムの直流電源RF1、RF2、RF3の各々と、負荷L1、L2及びL3との間の各配線及びノードの接続関係を示すネットリストを、記憶部13から読み出し、直流電源RF1及びRF2から負荷L1、L2及びL3に対する電流経路を抽出する。図4は、給電システムの直流電源RF1、RF2、RF3の各々と、負荷L1、L2及びL3との間の各配線及びノードの接続関係を示す図である。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1から負荷L1までの電流経路を、配線S11、ノードN1、配線S1として抽出する。
【0037】
また、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1から負荷L2までの電流経路を配線S11、ノードN1、配線SN1N2、ノードN2、配線S2として抽出する。
稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1から負荷L3までの電流経路を配線S11、ノードN1、配線SN1N2、ノードN2、配線SN2N3、ノード3、配線S3として抽出する。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF2から負荷L2までの電流経路を、配線S22、ノードN2、配線S2として抽出する。
【0038】
また、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF2から負荷L3までの電流経路を配線S22、ノードN2、配線SN2N3、ノードN3、配線S3として抽出する。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1及びRF2から電力が供給されるため、電流が直流電源RF3方向に流れることから、直流電源RF2から負荷L1に対する電流経路の抽出を行わない。
【0039】
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の出力する出力電力における電流値と、負荷L1、L2及びL3が消費する電流値とから、配線S11、S22、S33、SN1N2及びSN2N3の各々に流れる電流の電流値を求める。
すなわち、直流電力を供給する電圧値が400V(一定値の電圧値V)の場合、負荷L1、L2及びL3の各々が、それぞれ40kWの負荷容量である場合、検出部D1、D2及びD3の各々は、40kW/400Vとして100A(アンペア)の電流値を検出結果として出力する。これにより、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷L1、L2及びL3の負荷容量を100A×400Vの演算を行い、それぞれ40kWとして算出する。
稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1及びRF2を稼動させた場合、それぞれ60kWずつ、すなわち直流電源RF1及びRF2の各々から出力される電流が(60kW/400V)=150Aとして算出する。
【0040】
次に、負荷L1、L2及びL3の各々に対し、100Aずつが供給されるため、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1から配線S11に電流が150A流れ、負荷L1に対して100A供給され、50Aが配線SN1N2に流れることを検出する。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF2から配線S22に電流が150A流れ、負荷L2に対して100A供給され、100Aが配線SN2N3に流れることを検出する。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、ノードN2から配線S33に電流が100A流れ、負荷L3に対して100A供給されることを検出する。
【0041】
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13の抵抗値テーブルから、配線S11の抵抗値r11と、配線S22の抵抗値r22と、配線SN1N2の抵抗値rN1N2と、配線SN2N3の抵抗値rN2N3とを読み出す。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、第1候補の直流電源グループにおける抵抗値損失Pr1を以下のように算出する。
Pr1=r11×150+r22×150+rN1N2×50+rN2N3×100
稼動直流電源グループ選択部11は、先に読み出した直流電源RF1の変換損失の2.6kWと、直流電源RF2の変換損失の3.3kWを加算し、第1候補の変換損失Pf1として5.9kWを算出する。
これにより、稼動直流電源グループ選択部11は、抵抗損失Pr1と変換損失Pf1とを加算し、加算結果として、第1候補の直流電源グループの損失合計PT1を求める。
【0042】
同様に、稼動直流電源グループ選択部11は、第1候補で説明した処理と同様の動作により、第2候補、第3候補及び第4候補の各々の損失合計を算出する。
すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13における変換損失テーブルから、直流電源RF1の60kWの変換損失2.6kWと、直流電源RF3の60kWの変換損失4.1kWとを読み出し、加算結果の6.7kWを第2候補の変換損失Pf2とする。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、第2候補の直流電源グループにおける抵抗値損失Pr2を以下のように算出する。
Pr2=r11×150+r33×150+rN1N2×50+rN2N3×50
これにより、稼動直流電源グループ選択部11は、抵抗損失Pr2と変換損失Pf2とを加算し、加算結果として、第2候補の直流電源グループの損失合計PT2を求める。
【0043】
また、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13における変換損失テーブルから、直流電源RF2の60kWの変換損失3.3kWと、直流電源RF3の60kWの変換損失4.1kWとを読み出し、加算結果の7.1kWを第3候補の変換損失Pf3とする。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、第3候補の直流電源グループにおける抵抗値損失Pr3を以下のように算出する。
Pr3=r22×150+r33×150+rN1N2×100+rN2N3×50
これにより、稼動直流電源グループ選択部11は、抵抗損失Pr3と変換損失Pf3とを加算し、加算結果として、第3候補の直流電源グループの損失合計PT3を求める。
【0044】
また、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13における変換損失テーブルから、直流電源RF1の40kWの変換損失2.2kWと、直流電源RF2の40kWの変換損失3.0kWと、直流電源RF3の40kWの変換損失3.8kWとを読み出し、加算結果の9.0kWを第4候補の変換損失Pf4とする。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、第4候補の直流電源グループにおける抵抗値損失Pr4を以下のように算出する。
Pr4=r22×100+r22×100+r33×100
これにより、稼動直流電源グループ選択部11は、抵抗損失Pr4と変換損失Pf4とを加算し、加算結果として、第4候補の直流電源グループの損失合計PT4を求める。
【0045】
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力120kWを負荷L1、L2及びL3に供給するための、稼動直流電源グループの候補として抽出した第1候補の損失合計PT1、第2候補の損失合計PT2、第3候補の損失合計PT3、第4候補の損失合計PT4のなかから、最も小さな損失合計を有する直流電力グループを選択し、この直流電源グループを稼動直流電源グループとして、稼動制御部12へ出力する。
これにより、稼動制御部12は、稼動直流電源グループに含まれる直流電源に対応する出力端スイッチをオン状態とし、稼動直流電源グループに含まれていない直流電源に対応する出力端スイッチをオフ状態とする。この結果、直流電源は、接続されている出力端スイッチがオン状態となった場合に稼動状態となる。
出力端スイッチ制御部1は、上述した処理を一定周期、例えば5分毎に行い、負荷L1、L2及びL3の負荷容量の変化に対応してリアルタイムに、給電システム全体の損失合計が最小となるように、稼動する直流電源を制御する。
【0046】
また、上述の説明において、負荷L1、L2及びL3の負荷容量を同一として計算したが、負荷L1、L2及びL3の各々が異なる負荷容量でも電流値が異なるのみで、出力端スイッチ制御部1における、給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動処理は同様である。
さらに、稼動直流電源グループ選択部11は、電力供給を行う電圧値Vと、検出部D1、D2及びD3から測定周期毎に読み込んだ電流値Iとを乗算して求めた、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量PL1、PL2、PL3と、内部の記憶部に記憶されている前回の測定周期における負荷容量PL1、PL2、PL3とを比較する。
【0047】
すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷L1の算出した負荷容量PL1と、記憶部に記憶されている負荷L1の負荷容量PL1との差分を算出し、また負荷L2の算出した負荷容量PL2と、記憶部に記憶されている負荷L2の負荷容量PL2との差分を算出し、同様に負荷L3の算出した負荷容量PL3と、記憶部に記憶されている負荷L3の負荷容量PL3との差分を算出する。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、いずれか1つでも差分が予め設定した閾値を超えた場合に、稼動直流電源グループを新たに選択する処理を行い、一方、全ての差分が予め設定した閾値以下の場合、稼動直流電源グループの新たな選択処理を行わないように構成しても良い。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、稼動直流電源グループを新たに選択する処理を行った際に、その測定周期において求められた負荷容量PL1、PL2、PL3を、前回の測定周期における負荷容量PL1、PL2、PL3として、記憶部に書き込む。
【0048】
上述したように、本実施形態によれば、一定周期で測定した負荷L1、L2及びL3各々の負荷容量に応じて、複数の直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の変換損失、複数の直流電源RF1、RF2及びRF3の各々と、複数の負荷L1、L2及びL3の各々との間の配線(S11、S22、S33、SN1N2、SN2N3)の寄生抵抗による抵抗損失との合計である合計損失を最小とする稼動直流電源グループを選択し、この稼動直流電源グループに含まれる直流電源から負荷L1、L2及びL3に対して電力を供給するため、常に給電システムにおける損失合計が最小となる給電が行える。
【0049】
また、従来においては、設置される情報通信装置を、全て常に動作させる形態での運用を行っていた。ところが、近年、サーバの仮想化あるいはクラウド化などにより、同様の機能を有する情報通信装置のいずれかを機能させ、他の動作を停止させるような運用が行われている。
このため、従来の様に、サーバの仮想化あるいはクラウド化などで構成されている場合、必ずしも設置した全ての情報通信装置を動作させるとは限らない。
例えば、図10において、負荷102は動作しているが、負荷202及び302は待機電力のみとなっている場合、負荷202及び302の各々に対して電力を供給している直流電源200及び300は、変換効率の悪い負荷率での運用が行われることになり、交流電力から直流電力への電力変換において無駄な電力(変換損失)が消費される。
このような場合にも、負荷容量に対応して、給電システムにおける損失合計が最小となる給電が行える本実施形態は有効である。
【0050】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態による給電システムの構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、負荷L1、L2及びL3の負荷の負荷容量の変化が同一の場合、稼動直流電源グループの選択を、以下の様に予め制御テーブルを用いる構成としたことである。
この第2の実施形態の構成により、第1の実施形態に比較して、給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動処理を高速に行うことができる。
すでに説明したように、負荷L1、L2及びL3の負荷容量が同一に変化する場合、すなわち、負荷L1、L2及びL3の負荷容量が20kWから、40kWに変化する場合、以下のように制御テーブルを作成する。
【0051】
制御テーブルは、例えば全供給電力を最低の0から最大の300kWまでを、30kW毎の分割範囲に分割した全供給電力分割範囲として、0〜30kW、31kW〜60kW、61kW〜90kW、91kW〜120kW、121kW〜150kW、151kW〜180kW、181kW〜210kW、211kW〜240kW、241〜270、271kW〜300kWの10分割とする。そして、それぞれの分割範囲の中心の電力値15kW、45kW、75kW、105kW、135kW、165kW、195kW、225kW、255kW、285kWを全供給電力として、第1の実施形態で用いた損失合計の計算手法を用い、給電システムの損失合計を算出し、予めこれら全供給電力の電力値において、給電システムの損失合計が最小となる稼動直流電源グループを求める。この稼動直流電源グループの算出は、稼動直流電源グループ選択部11が行っても良いし、外部のコンピュータを用いて計算してもよい。外部のコンピュータで行う場合、記憶部13には抵抗値テーブル及び変換損失テーブルを記憶させておく必要はなく、以下に説明する制御テーブルを予め記憶させる。
【0052】
次に、図5は、上述した全供給電力を最小(0kW)から最大(300kW)までを等分に分割した全供給電力分割範囲と、全供給電力分割範囲の場合に供給システムにおける損失合計が最小となる稼動直流電源グループとの対応が示された制御テーブルの構成を示す図である。ここで、本実施形態においては、例えば、稼動直流電源グループに含まれる直流電源の出力端に接続された出力端スイッチの名称(スイッチ識別情報)が記憶されている
したがって、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力が求められると、記憶部13の制御テーブルから、求めた全供給電力に対応して記憶されている稼動直流電源グループの直流電源を読み出す。
そして、稼動制御部12は、稼動直流電源グループ選択部11から供給される直流電源の出力端に接続されている出力端スイッチをオン状態とし、それ以外の直流電源の出力端に接続されている出力端スイッチをオフ状態とするスイッチ制御を行う。
【0053】
以下、図6を用いて、第2の実施形態における給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作を説明する。図6は、給電システムにおける出力端スイッチ制御部1の給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作例を示すフローチャートである。
ステップS1:
給電システムが起動されると、直流電源RF1、RF2及びRF3は、商用交流電力から直流電力への電力変換を開始する。
しかしながら、直流電源RF1、RF2及びRF3は、電力変換の動作を開始するが、各々の出力端に接続されている出力端スイッチRFSW1、RFSW2、RFSW3の各々がオフ状態であるため、出力電力が0であり、稼動状態とはなっていない。
【0054】
ステップS2:
次に、稼動制御部12は、出力端スイッチ制御部1が起動されると、出力端スイッチRFSW1、RFSW2及びRFSW3の全てをオン状態とする。
このとき、稼動制御部12は、記憶部13内におけるスイッチ状態テーブルに、オン状態としている出力端スイッチ名(あるいはスイッチ識別情報)を書き込んで記憶させる。
これにより、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々は、それぞれ配線S11、S22、S33に対して出力電力を出力する稼動状態となり、全供給電力を平衡して、負荷L1、L2及びL3に対して出力する。
【0055】
ステップS3:
給電システムが電力を給電可能な状態となったことが通知され、通知されたユーザの各々は、負荷L1、L2及びL3を起動させる。
【0056】
ステップS4:
稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D1が出力する、負荷L1の入力端に流れる電流値IL1を読み込む。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D2が出力する、負荷L2の入力端に流れる電流値IL2を読み込む。
同様に、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D3が出力する、負荷L3入力端に流れる電流値IL2を読み込む。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D1、D2及びD3の全てから、検出結果を読み込んだため、処理をステップS5へ進める。
ここで、負荷L1、L2及びL3の入力端における電圧値Vは400Vとして、稼動直流電源グループ選択部11内部の記憶部に記憶されている。
【0057】
ステップS5:
稼動直流電源グループ選択部11は、測定結果として得た電流値IL1、IL2及びIL3を加算し、加算結果に電圧値Vを乗算し、乗算結果の(IL1+IL2+IL3)×Vを、全供給電力(負荷総容量)Pとし、内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、内部のタイマーをリセットし、処理をステップS6へ進める。
【0058】
ステップS6:
稼動直流電源グループ選択部11は、内部のタイマーを起動して、カウント動作を開始させる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS7へ進める。
【0059】
ステップS7:
稼動直流電源グループ選択部11は、タイマーのカウント値と、内部の記憶部に記憶されている設定値とを比較し、カウント値が設定値を超えたか否かの判定を行う。この設定値は、負荷L1、L2及びL3の負荷変動による全供給電力の変化を測定する測定周期であり、負荷L1、L2及びL3の負荷変動の周期を実測して適宜設定される。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、カウント値が設定値を超えている場合、処理をステップS8へ進め、一方、カウント値が設定値を超えていない場合、処理をステップS7へ進める。
【0060】
ステップS8:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D1が出力する、負荷L1の入力端に流れる電流値IL1を読み込む。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D2が出力する、負荷L2の入力端に流れる電流値IL2を読み込む。
同様に、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D3が出力する、負荷L3入力端に流れる電流値IL2を読み込む。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、検出部D1、D2及びD3の全てから、検出結果を読み込んだため、処理をステップS9へ進める。
【0061】
ステップS9:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、測定結果として得た電流値IL1、IL2及びIL3を加算し、加算結果に電圧値Vを乗算し、(IL1+IL2+IL3)×Vを算出し、全供給電力(負荷総容量)Pnとする。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS10へ進める。
【0062】
ステップS10:
全供給電力Pnを算出した後、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pに対して所定の第1係数を乗算する。この所定の第1係数は、全供給電力Pnが前回測定した全供給電力Pからどの程度変動して増加したかを検出するためのものであり、負荷L1、L2及びL3の変動を実験により測定し、制御の精度に対応して適宜設定される。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、例えば、全供給電力Pに対して第1係数1.1を乗算する。すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnが前回測定した全供給電力Pから変動し、1割以上増加したか否かの検出を行うことができる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnと、全供給電力P×1.1とを比較し、全供給電力Pnが全供給電力P×1.1を超えているか否かの判定を行う。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnが全供給電力P×1.1を超えている場合、処理をステップS13へ進め、一方、全供給電力Pnが全供給電力P×1.1を超えていない場合、処理をステップS11へ進める。
【0063】
ステップS11:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pに対して所定の第2係数を乗算する。この所定の第2係数は、全供給電力Pnが前回測定した全供給電力Pからどの程度変動して減少したかを検出するためのものであり、負荷L1、L2及びL3の変動を実験により測定し、制御の精度に対応して適宜設定される。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、例えば、全供給電力Pに対して第2係数0.9を乗算する。すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnが前回測定した全供給電力Pから変動し、1割以上低下したか否かの検出を行うことができる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnと、全供給電力P×0.9とを比較し、全供給電力Pnが全供給電力P×0.9未満であるか否かの判定を行う。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnが全供給電力P×0.9未満である場合、処理をステップS13へ進め、一方、全供給電力Pnが全供給電力P×0.9未満でない場合、処理をステップS12へ進める。
【0064】
ステップS12:
負荷L1、L2及びL3の負荷容量の合計である全供給電力Pnが前回検出した全供給電力Pに対し、稼動直流電源グループを変える程の変動が無いため、稼動直流電源グループ選択部11は、新たな測定周期のカウントを行うため、内部のタイマーをリセットし、処理をステップS6へ進める。
【0065】
ステップS13:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13の図5に示す制御テーブルから、算出した全供給電力Pnが含まれる全供給電力分割範囲を検索する。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnが含まれる全供給電力分割範囲に対応して記憶されている、稼動直流電源グループに含まれる直流電源に接続されている出力端スイッチ名を、記憶部13の図5に示す制御テーブルから読み出す。
出力端スイッチ名を読み出した後、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS14へ進める。
【0066】
ステップS14:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13のスイッチ状態テーブルから、現在のスイッチ状態、すなわち現在オン状態となっている出力端スイッチ名を読み出す。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、スイッチ状態テーブルから読み出した出力端スイッチ名と、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名とを比較し、スイッチ状態テーブルから読み出した出力端スイッチ名と、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名とが全て一致するか否かの判定を行う。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、スイッチ状態テーブルから読み出した出力端スイッチ名と、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名とが全て一致している場合、処理をステップS15へ進める。
一方、稼動直流電源グループ選択部11は、スイッチ状態テーブルから読み出した出力端スイッチ名と、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名とが一致しない場合、処理をステップS17へ進める。
【0067】
ステップS15:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、スイッチ状態テーブルから読み出した出力端スイッチ名と、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名とが全て一致している場合、出力端スイッチの制御を行う必要が無いため、制御信号を稼動制御部12に対して出力しない。
出力端スイッチの状態と現状維持とした後、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS16へ進める。
【0068】
ステップS16:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、新たな測定周期のカウントを行うため、内部のタイマーをリセットし、処理をステップS6へ進める。
【0069】
ステップS17:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名を、この出力端スイッチをオン状態とする制御情報とともに稼動制御部12へ出力し、処理をステップS18へ進める。
これにより、稼動制御部12は、制御テーブルから読み出された出力端スイッチ名の出力端スイッチをオン状態とし、この出力端スイッチが出力端に接続された直流電源を稼動状態とする。
【0070】
ステップS18:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、制御テーブルから読み出した出力端スイッチ名以外の出力端スイッチ名を、この出力端スイッチをオフ状態とする制御情報とともに稼動制御部12へ出力し、処理をステップS19へ進める。
これにより、稼動制御部12は、制御テーブルから読み出された出力端スイッチ名以外の出力端スイッチをオフ状態とし、この出力端スイッチが出力端に接続された直流電源を非稼動状態(停止状態)とする。
【0071】
ステップS19:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnを新たに全供給電力Pとし、内部の記憶部に書き込んで記憶させ、処理をステップS16へ進める。
すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、全供給電力Pnを、現在のスイッチ状態に対応させるため、全供給電力Pのデータに上書きし、新たな全供給電力Pとして設定しておく。
【0072】
本実施形態によれば、測定周期毎に求めた全供給電力Pnの変化を、前回の測定周期で求めた全供給電力Pと比較し、全供給電力Pnが設定した比率以上に前回の全供給電力Pに対して変動した場合、全供給電力毎に設定した出力端スイッチのオンオフ状態が示された制御テーブルから、全供給電力Pnに対応した出力端スイッチのオンオフ状態を読み出し、稼動制御部12が出力端スイッチを制御するため、給電システムにおける損失合計を最小とする計算を行う必要が無く、高速に直流電源RF1、RF2及びRF3の稼動制御を行うことができる。
【0073】
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態による給電システムの構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
上述した第2の実施形態のように、負荷L1、L2及びL3の各々が同一に変動するのではなく、負荷L1、L2及びL3の変動が異なる場合、制御テーブルを負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量の組合せ毎に、稼動直流電源グループを設定することになる。
図7は、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量の数値の組合せである負荷容量組合せと、負荷容量組合せにおける稼動直流電源グループの稼動させる直流電源の出力端に接続される出力端スイッチ名との対応を示すテーブルの図である。
【0074】
この図7において、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量の最低値と最大値との範囲を、すなわち0kW〜100kWまでを、10kW毎の分割範囲に分割した負荷容量分割範囲として、0kW〜10kW、11kW〜20kW、21kW〜30kW、31kW〜40kW、41kW〜50kW、51kW〜60kW、61kW〜70kW、71kW〜80kW、81kW〜90kW、91kW〜100kWの10分割する。そして、それぞれの分割範囲の中心の電力値5kW、15kW、25kW、35kW、45kW、55kW、65kW、75kW、85kW、95kWを負荷容量として、負荷L1、L2、L3の負荷容量組合せにおける、給電システムの損失合計を算出し、負荷L1、L2、L3の負荷容量組合せ毎に、給電システムの損失合計が最小となる稼動直流電源グループを求める。この稼動直流電源グループの算出は、稼動直流電源グループ選択部11が行っても良いし、外部のコンピュータを用いて計算してもよい。外部のコンピュータで行う場合、記憶部13には抵抗値テーブル及び変換損失テーブルを記憶させておく必要はなく、以下に説明する制御テーブルを予め記憶させる。
【0075】
以下、図8を用いて、第3の実施形態における給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作を説明する。図8は、給電システムにおける出力端スイッチ制御部1の給電システムの損失合計を最小とする直流電源の稼動制御の動作例を示すフローチャートである。
ステップS1からステップS4までは、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、ステップS4において、稼動直流電源グループ選択部11は、所定の動作が終了した後、処理をステップS25へ進める。
ステップS25:
稼動直流電源グループ選択部11は、測定結果として得た電流値IL1、IL2、IL3に対し、それぞれ電圧値Vを乗算し、電力値V×IL1、V×IL2、V×IL3を算出し、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量(供給電力)P1、P2、P3とする。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS6へ進める。
【0076】
ステップS6からステップS8は、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、ステップS8において、稼動直流電源グループ選択部11は、所定の動作が終了した後、処理をステップS29へ進める。
ステップS29:
稼動直流電源グループ選択部11は、測定結果として得た電流値IL1、IL2、IL3に対し、それぞれ電圧値Vを乗算し、電力値V×IL1、V×IL2、V×IL3を算出し、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量(供給電力)Pn1、Pn2、Pn3とする。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS20へ進める。
【0077】
ステップS20:
負荷L1、L2、L3の各々の負荷容量Pn1、Pn2、Pn3を算出した後、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量P1、P2及びP3の各々に対して、それぞれ所定の第3係数を乗算する。この所定の第3係数は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3が前回測定した負荷容量P1、P2、P3からどの程度の電力量が変動して増加したかを検出するためのものであり、負荷L1、L2及びL3の変動を実験により測定し、制御の精度に対応して適宜設定される。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、例えば、負荷容量P1、P2、P3の各々に対して第3係数1.1を乗算する。すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々が、前回測定した負荷容量P1、P2、P3それぞれから変動し、1割以上増加して変動したか否かの検出を行うことができる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1と、負荷容量供給電力P1×1.1とを比較し、負荷容量Pn1が負荷容量P1×1.1を超えているか否かの判定を行う。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn2と、負荷容量供給電力P2×1.1とを比較し、負荷容量Pn2が負荷容量P2×1.1を超えているか否かの判定を行う。
同様に、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn3と、負荷容量供給電力P3×1.1とを比較し、負荷容量Pn3が負荷容量P3×1.1を超えているか否かの判定を行う。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、Pn1>P1×1.1、Pn>Pn2×1.1、Pn3>P3×1.1のいずれかひとつでも成り立つ場合、処理をステップS23へ進め、一方、Pn1>P1×1.1、Pn>Pn2×1.1、Pn3>P3×1.1のひとつも成り立たない場合、以下の処理を行う。
【0078】
Pn1>P1×1.1、Pn>Pn2×1.1、Pn3>P3×1.1のひとつも成り立たない場合、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量P1、P2及びP3の各々に対して、それぞれ所定の第4係数を乗算する。この所定の第4係数は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3が前回測定した負荷容量P1、P2、P3からどの程度の電力量が変動して減少したかを検出するためのものであり、負荷L1、L2及びL3の変動を実験により測定し、制御の精度に対応して適宜設定される。
ここで、稼動直流電源グループ選択部11は、例えば、負荷容量P1、P2、P3の各々に対して第4係数0.9を乗算する。すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々が、前回測定した負荷容量P1、P2、P3それぞれから変動し、1割以上減少して変動したか否かの検出を行うことができる。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1と、負荷容量供給電力P1×0.9とを比較し、負荷容量Pn1が負荷容量P1×0.9未満であるか否かの判定を行う。
また、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn2と、負荷容量供給電力P2×0.9とを比較し、負荷容量Pn2が負荷容量P2×0.9未満であるか否かの判定を行う。
同様に、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn3と、負荷容量供給電力P3×0.9とを比較し、負荷容量Pn3が負荷容量P3×0.9未満であるか否かの判定を行う。
このとき、稼動直流電源グループ選択部11は、Pn1<P1×0.9、Pn<Pn2×0.9、Pn3<P3×0.9のいずれかひとつでも成り立つ場合、処理をステップS23へ進め、一方、Pn1>P1×1.1、Pn>Pn2×1.1、Pn3>P3×1.1のひとつも成り立たない場合、処理をステップS12へ進める。
【0079】
ステップS6からステップS8は、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。
ステップS23:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、記憶部13の図8に示す制御テーブルから、算出した負荷容量組合せにおける負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々が含まれる、負荷L1、L2、L3の各々の負荷容量分割範囲の組合せを検索する。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々が含まれる、負荷L1、L2、L3の各々の負荷容量分割範囲の組合せに対応して記憶されている出力端スイッチ名(稼動直流電源グループに含まれる直流電源に接続されている出力端スイッチ名)を、記憶部13の図8に示す制御テーブルから読み出す。
出力端スイッチ名を読み出した後、稼動直流電源グループ選択部11は、処理をステップS14へ進める。
【0080】
ステップS14からステップS18までは、第2の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、ステップS18において、稼動直流電源グループ選択部11は、所定の動作が終了した後、処理をステップS29へ進める。
ステップS29:
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々を、新たにそれぞれ負荷容量P1、P2、P3とし、内部の記憶部に書き込んで記憶させ、処理をステップS16へ進める。
すなわち、稼動直流電源グループ選択部11は、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の各々を、現在のスイッチ状態に対応させるため、負荷容量P1、P2、P3のデータに上書きし、新たな負荷容量P1、P2、P3として設定しておく。
【0081】
本実施形態によれば、一定周期毎に求めた負荷L1、L2、L3の各々の負荷容量Pn1、Pn2、Pn3を、前回測定周期で求めた負荷容量P1、P2、P3と比較し、負荷容量Pn1、P2、P3のいずかが設定した比率以上に前回の負荷容量P1、P2、P3に対して変動した場合、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の組合せ毎に設定した出力端スイッチのオンオフ状態が示された制御テーブルから、負荷容量Pn1、Pn2、Pn3の組合せに対応した出力端スイッチのオンオフ状態を読み出し、稼動制御部12が出力端スイッチを制御するため、給電システムにおける損失合計を最小とする計算を行う必要が無く、高速に直流電源RF1、RF2及びRF3の稼動制御を行うことができる。
【0082】
<第4の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態による給電システムの構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
第4の実施形態が第3の実施形態と異なる点は、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々を構成する整流ユニットの故障を考慮し、給電システムの損失合計を最小とする直流電源RF1、RF2、RF3の各々の稼動制御を行う構成としたことである。
【0083】
次に、図9は図1における直流電源RF1の構成例を示す図である。直流電源RF2及びRF3も同様の構成である。
図9に示すように、直流電源RF1は、複数の整流ユニット、例えば整流ユニットRF1_1、RF1_2、…、RF1_N(Nは1以上の整数)から構成されている。
直流電力の電力容量がPPWである場合、整流ユニットRF1_1、RF1_2、…、RF1_Nの各々は、PPW/Nの直流電力を出力する。
整流ユニットRF1_1は、出力がダイオードDI1_1のアノードに接続されており、出力がこのダイオードDI1_1を介して直流電源RF1の出力端子に接続されている。
ダイオードDI1_1は、カソードが直流電源RF1の出力端子に接続されている。
整流ユニットRF1_2は、出力がダイオードDI1_2のアノードに接続されており、出力がこのダイオードDI1_2を介して直流電源RF1の出力端子に接続されている。
ダイオードDI1_2は、カソードが直流電源RF1の出力端子に接続されている。
整流ユニットRF1_Nは、出力がダイオードDI1_Nのアノードに接続されており、出力がこのダイオードDI1_Nを介して直流電源RF1の出力端子に接続されている。
ダイオードDI1_Nは、カソードが直流電源RF1の出力端子に接続されている。
【0084】
制御部RF1Cは、整流ユニットRF1_1、RF1_2、…、RF1_Nの各々の稼動状態を検出、すなわち故障等により直流電力を出力しない整流ユニットを検出し、稼動している整流ユニットの数を出力端スイッチ制御部1に対して、自身の識別情報である電源識別情報とともに、駆動情報として送信する。
ここで、整流ユニットRF1_1、RF1_2、…、RF1_NのうちM(1以上の整数、N≧M)個が故障した場合、直流電源RF1の出力容量は、PPW×((N−M)/N)倍となる。
また、直流電源RF2及びRF3も、上述した直流電源RF1と同様の構成である。
【0085】
例えば、直流電源RF1から直流電源RF3の各々が4台ずつの整流ユニットから構成されているとする。直流電源RF1における整流ユニットが1台故障したとすると、出力端スイッチRFSW1とRFSW2とがオン状態の場合、直流電源RF1及びRF2が平衡して稼動するが、直流電源RF2の出力電力が60kWであると、直流電源RF1の出力電力は60kWの3/4の45kWとなる。また、このとき、直流電源RF1の各出力電力における変換損失も3/4となる。
【0086】
したがって、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々において、整流ユニットが故障した場合、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々の出力電力の容量が変わることになる。このため、直流電源RF1、RF2及びRF3における整流ユニットの故障に対応できるよう、第2及び第3の実施形態における制御テーブルを作成する必要がある。
すなわち、整流ユニットが故障した際の出力電力及び変換損失に対応させ、給電システムにおける損失合計を、全供給電力あるいは各負荷の負荷容量の組合せに毎に、全供給電力を満たせる直流電源グループの各々に対して計算する。そして、計算された損失合計が最小となる直流電源グループを、稼動直流電源グループとして選択し、全供給電力(第2の実施形態)あるいは各負荷の負荷容量の組合せ(第3の実施形態)と、選択した稼動直流電源グループとの制御テーブルを作成する。そして、この制御テーブルを、予め記憶部13に書き込んで記憶させる。
この作成における損失合計の計算は、稼動直流電源グループ選択部11に実行させても良いし、また外部のコンピュータで行ってもよい。
【0087】
また、この制御テーブルは、各直流電源における整流ユニットの故障していない駆動可能な数の組合せ毎に作成する。例えば、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々が4個の整流ユニットから構成されていた場合、故障していない駆動可能な整流ユニットの数は0、1、2、3、4の5種類である。このため、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々がそれぞれ5種類の出力電力の容量の状態を有しているため、5×5×5=125通りの制御テーブルが生成されることになる。
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々から送信される駆動情報により、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々における整流ユニットの故障数の組合せ(出力電力の容量の状態の組合せ)により、記憶部13に記憶されている制御テーブルを検出する。
【0088】
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、検出された制御テーブルから、全供給電力(第2の実施形態)あるいは各負荷の負荷容量の組合せ(第3の実施形態)に対応して記憶されている稼動直流電源グループを検索し、検索結果を稼動制御部12に出力する。
直流電源における整流ユニットの故障数に対応した制御テーブルを用いること以外の動作については、第2または第3の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0089】
また、第1の実施形態においては、図2に示す変換損失テーブルとして、直流電源単位において、整流ユニットが駆動可能な数毎に出力電力と損失(変換損失)との対応を示すテーブルとして構成されて、記憶部13に予め書き込まれて記憶されている。
稼動直流電源グループ選択部11は、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々から送信される駆動情報により、直流電源RF1、RF2、RF3の各々における整流ユニットの駆動可能な数を得る。
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、測定周期毎に、検出部D1、D2及びD3の各々から電流値Iを読み込み、負荷L1、L2及びL3の各々の負荷容量を算出し、この負荷容量に対応した直流電源グループを抽出する際、各直流電源の整流ユニットの駆動可能な数に対応した出力電力と、その際の変換損失とを変換損失テーブルから読み込む。
【0090】
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、合計が全供給電力となる直流電源あるいは直流電源の組合せからなる直流電源グループを、直流電源RF1、RF2及びRF3から抽出する。
次に、稼動直流電源グループ選択部11は、第1の実施形態と同様の計算を行って、各直流電源グループの損失合計を算出し、最小の損失合計となる直流電源グループを稼動直流電源グループとして選択する。
稼動直流電源グループを選択した後、稼動直流電源グループ選択部11は、選択した稼動直流電源グループを、稼動制御部12へ出力する。
これにより、稼動制御部12は、稼動直流電源グループに含まれる直流電源に対応する出力端スイッチをオン状態とし、稼動直流電源グループに含まれていない直流電源に対応する出力端スイッチをオフ状態とする。この結果、直流電源は、接続されている出力端スイッチがオン状態となった場合に稼動状態となる。
【0091】
また、上述した本発明の第1から第4の各実施形態においては、複数の負荷、すなわち負荷L1、L2及びL3が最も長い時間安定して消費する負荷容量の電力値に対応させて、この場合の負荷L1、L2及びL2の各々の負荷容量と、負荷L1、L2及びL3の負荷容量の合計である全供給電力とにより、給電システムの損失合計が最小となるように、直流電源RF1、RF2及びRF3から、負荷L1、L2及びL3の各々に対する配線(S11、S22、S33、SN1N2、SN2N3)が形成されている。
この構成により、第1、第2、第3及び第4の実施形態のいずれの場合にも、稼動直流電源グループの選択を行う回数を削減することにより計算負荷を削減し、出力端スイッチ制御部1における電力消費を低減することができる。
【0092】
また、第1から第4の各実施形態において、給電システムは、3個の直流電源RF1、RF1、RF3と、3個の負荷L1、L2及びL3とで構成されているが、この構成に限らず、複数の直流電源及び複数の負荷から構成に対応するものである。例えば、第1から第4の各実施形態ではノードN1、N2及びN3の各々に1個の負荷が接続されているが、各ノードに複数の負荷が接続されるようにしても良い。この場合においても、各ノードを流れる電流値、すなわち各ノードを介して供給される電力による損失合計の計算は、すでに述べた方法と同様である。すなわち、各ノードに接続された複数の負荷毎に検出部が設けられており、稼動直流電源グループ選択部11は、各負荷に接続された検出部から電流値(あるいは電流値と電圧値)とを読み込み、各負荷の負荷容量を算出し、負荷容量をノード毎に集約し、各ノードに1個の負荷が接続されているとして、損失合計の算出を行う。
また、第1から第4の各実施形態において、接続線である配線SN1N2及びSN2N3の寄生抵抗を無視して、直流電源RF1、RF2及びRF3の各々に接続されている配線S11、S22、S33の寄生抵抗のみを考慮して、抵抗値損失を算出し、損失合計の計算を行うようにしても良い。
【0093】
第1の実施形態においては、新たな負荷を設ける負荷増設時と、新たな直流電源を設ける直流電源増設時と、現在ある負荷を除去する負荷除去時と、現在ある直流電源を除去する直流電源除去時には、記憶部13に記憶させる抵抗値テーブル及び変換損失テーブルを、新たな配線及び直流電源とに対応して書き換える。
一方、第2〜第4の実施形態においては、新たな負荷を設ける負荷増設時と、新たな直流電源を設ける直流電源増設時と、現在ある負荷を除去する負荷除去時と、現在ある直流電源を除去する直流電源除去時には、制御テーブルを新たに作成する。
この制御テーブルの作成は、給電システムの構成を元に、負荷容量及び直流電源の出力電力の容量から、稼動直流電源グループ選択部11がすでに説明した損失合計を算出し、それぞれの負荷の稼動状態に対し、損失合計が最小となる稼動直流電源グループを選択することにより、自動生成しても良い。
そして、稼動直流電源グループ選択部11は、作成された制御テーブルを記憶部13に書き込み記憶させる。
【0094】
また、図1における出力端スイッチ制御部1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより直流電源の稼動制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0095】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0096】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1…出力端スイッチ制御部
11…稼動直流電源グループ選択部
12…稼動制御部
13…記憶部
BAT1,BAT2,BAT3…バッテリ
D1,D2,D3…検出部
L1,L2,L3…負荷
R1N1,R2N2,R3N3,RN1N2,Rn2N3,R1,R2,R3…抵抗
RF1,RF2,RF3…直流電源
RFSW1、RFSW2,RFSW3…出力端スイッチ
S1,S2,S3,S11,S22,S33,SN1N2,SN2N3…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の負荷に対して直流電力を供給する給電システムであり、
交流電力を直流電力に電力変換する複数の直流電源と、
前記直流電源の各々の出力端に接続された出力端スイッチと、
前記出力端スイッチ毎に設けられ、当該出力端スイッチに一端が接続される第1配線と、
前記第1配線の他端同士の間に設けられた接続線と、
前記第1配線と前記接続線との交点に対して一端が接続され、他端が前記負荷に対して接続される第2配線と、
前記負荷の稼動状態を検出する検出部と、
前記第1配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する稼動直流電源グループ選択部と、
前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源による前記直流電力を、前記出力端スイッチをオン状態とし、当該出力端スイッチに接続された前記負荷に対して供給させる稼動制御部と
を備えることを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記稼動直流電源グループ選択部が、
前記負荷に供給される電力である負荷容量の合計である全供給電力を求め、当該全供給電力を供給するために必要な電力を供給する前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである直流電源グループを抽出し、当該直流電源グループのなかで、最小の損失合計を有する直流電源グループを前記稼動直流電源グループとして選択し、
前記稼動制御部が、前記稼動直流電源グループ選択部により前記選択された前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源の前記出力端スイッチをオン状態として稼動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記負荷の各々に供給される負荷容量の組み合わせである負荷容量組合せと、全供給電力の供給を最小の損失合計で行える前記稼動直流電源グループとが対応して示された制御テーブルが記憶された記憶部をさらに有し、
前記稼動直流電源グループ選択部が、前記検出部の各々が検出した前記負荷の前記負荷容量に対応する前記負荷容量組合せを抽出し、当該負荷容量組合せに対して最小の損失合計を有する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記負荷に供給される前記負荷容量の合計である全供給電力と、当該全供給電力の供給を最小の損失合計で行える前記稼動直流電源グループとが対応して示された制御テーブルが記憶された記憶部をさらに有し、
前記稼動直流電源グループ選択部が、前記検出部が検出した各負荷の稼動状態から全供給電力を算出し、当該全供給電力に対して最小の損失合計を有する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の給電システム。
【請求項5】
前記直流電源が、前記出力端に対して複数並列に接続された、交流電力を直流電力に電力変換する整流ユニットから構成されており、
前記直流電源が、前記整流ユニットの稼動数を示す稼動情報を前記稼動直流電源グループ選択部に出力し、
前記稼動直流電源グループ選択部が、前記整流ユニットの稼動数における前記直流電源の出力可能電力を前記直流電源の出力電力として算出し、当該出力電力により前記直流電源グループを抽出し、抽出した直流電源グループそれぞれに対して、前記整流ユニットの稼動数での前記直流電源の出力電力から当該直流電源の変換損失を求め、当該変換損失と前記抵抗損失とから前記損失合計を算出し、当該直流電源グループから最小の損失合計を有する直流電源グループを前記稼動直流電源グループとして選択する
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の給電システム。
【請求項6】
前記稼動直流電源グループ選択部が、
一定周期毎に、前記全供給電力を算出し、算出した全供給電力と直前に求めた全供給電力との差分の絶対値が、予め設定された閾値を超えた場合、算出した前記供給電力の負荷容量組合せに対応する前記稼動直流電源グループを、前記制御テーブルから新たに選択する
ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の給電システム。
【請求項7】
前記検出部が、前記負荷と前記第2配線の他端との間に設けられており、前記負荷の稼動状態に従って当該負荷に供給される電流値を検出し、
前記稼動直流電源グループ選択部が、前記電流値と、前記直流電源が前記負荷に対して直流電力を供給する電圧とから前記負荷毎の前記負荷容量を算出する
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の給電システム。
【請求項8】
前記稼動直流電源グループ選択部が、前記第1配線の抵抗と前記接続線の抵抗とを用い前記抵抗損失を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給電システム。
【請求項9】
複数の負荷に対し、複数の直流電源からの配線を介して直流電力の供給を制御する出力端スイッチ制御装置であり、
前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチと、
前記負荷の稼動状態を検出する検出部と、
前記負荷の各々の稼動状態における前記配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する稼動直流電源グループ選択部と、
前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源を、前記出力端スイッチをオン状態とすることにより稼動させる稼動制御部と
を備えることを特徴とする出力端スイッチ制御装置。
【請求項10】
複数の負荷に対し、複数の直流電源からの配線を介して直流電力の供給を制御する出力端スイッチ制御装置を動作させる方法であり、
前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチと、
検出部が、前記負荷の稼動状態を検出する過程と、
稼動直流電源グループ選択部が、前記負荷の各々の稼動状態における前記配線の抵抗による抵抗損失と、前記電力変換における変換損失との合計である損失合計を最小とする前記直流電源あるいは前記直流電源の組み合わせである稼動直流電源グループを、前記複数の直流電源から選択する過程と、
稼動制御部が、前記直流電源の各々の出力端と、前記負荷に接続される配線との間に介挿される出力端スイッチをオン状態として、前記稼動直流電源グループに含まれる前記直流電源を稼動させる過程と
を有することを特徴とする給電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−55826(P2013−55826A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193360(P2011−193360)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】