説明

給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置

【課題】電池から複数の負荷に給電する場合において、電池の特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることが可能な給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の負荷部の重要度に応じて定められた優先順位の順にバックアップ時間を設定し、機能を維持させるバックアップ時間を設定し、各負荷部に電力供給を行う電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧と、の関係を示した電池特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置に関し、特に、バックアップ用の補助電源から複数の負荷部への給電を制御する給電制御装置、給電制御方法及び当該給電制御装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等に搭載される電源回路では、主電源の他に電源断が発生した時のためにバックアップ用の電源(補助電源)を備えているものがある。このような機器では、停電時や主電源をオフ時において、揮発性メモリや時刻計時を行うRTC(Real-Time Clock)等の機能をバックアップできるよう構成されている。例えば、特許文献1には、ファクシミリ装置の主電源オフ時において、一つの一次電池から送受信画像データを記憶する画像メモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、時計及び装置の管理データ及び登録データを記憶するSRAM(Static RAM)に給電を開始し、一定時間経過後に画像メモリへの給電を停止する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−238004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、負荷の一つである画像メモリの容量に応じて画像メモリのバックアップ時間で給電を停止するため、電池の特性を考慮した給電制御を行うことができないという問題がある。例えば、電池から負荷に供給する電流が大きい時には、電池内部での電圧降下により使用可能な電池容量が少なくなるため、設定されたバックアップ時間内に電池に接続されている負荷の動作電圧以下になる可能性がある。また、電池の使用温度によっても使用可能な電池容量は変動するため、電池容量がもっとも少なくなる時には、設定されたバックアップ時間内に電池に接続されている負荷の動作電圧以下になる可能性がある。これらの場合、画像メモリ内のデータの消去のみならず、より重要度の高い時計機能の停止やSRAM内のデータの消去が発生することになる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電池から複数の負荷に給電する場合において、電池の特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることが可能な給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、電池と、前記電池から供給される電力により動作する複数の負荷部と、前記電池から前記各負荷部への給電を個別にオン/オフ制御する複数のスイッチ手段と、前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える複数の電圧監視手段と、前記電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報を記憶する第1記憶手段と、前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定手段と、前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出し、当該各負荷部の累積消費電力及び消費電流に対応する終止電圧を前記電池特性情報から特定する終止電圧特定手段と、前記各負荷部について特定された終止電圧を前記給電停止電圧として、当該負荷部に関係する前記電圧監視手段に夫々設定する終止電圧設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記バックアップ時間設定手段は、前記電池の電池容量の範囲内で、優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記電池は二次電池であって、前記電池の充放電回数を計数するサイクル数計数手段と、前記電池の充放電回数毎の電池容量を示したサイクル特性情報を記憶する第3記憶手段と、を更に備え、前記バックアップ時間設定手段は、前記サイクル特性情報に基づいて、前記サイクル数計数手段により計数された充放電回数から前記電池の電池容量を決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記電池は二次電池であって、前記電池の充放電回数を計数するサイクル数計数手段と、前記電池の充放電回数毎の電池容量を示したサイクル特性情報を記憶する第3記憶手段と、を更に備え、前記バックアップ時間設定手段は、前記サイクル特性情報に基づいて、前記サイクル数計数手段により計数された充放電回数から前記電池の電池容量を決定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5にかかる発明は、請求項3又は4にかかる発明において、前記バックアップ時間設定手段は、前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、全負荷部の消費電力を加算した総消費電力を算出し、この総消費電力と前記決定した電池容量との差分値が所定値以上の場合に、各負荷部のバックアップ時間を調整することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記バックアップ時間設定手段は、前記電池容量が総消費電力を上回ったと判定した場合、当該電池容量と総消費電力との差分に相当する時間を、優先順位の高い負荷部から加算することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5にかかる発明において、前記バックアップ時間設定手段は、前記総消費電力が電池容量を上回ったと判定した場合、当該総消費電力と電池容量との差分に相当する時間を、優先順位の低い負荷部から減算することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記累積消費電力算出手段は、前記バックアップ時間の短い負荷部から前記累積消費電力を算出することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記終止電圧特定手段は、前記複数の負荷部のうち、バックアップ時間が最も長く設定された負荷部の終止電圧を特定しないことを特徴とする。
【0015】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記電池は二次電池であって、商用電源からの電力を前記電池及び前記負荷部の各々に供給する主電源と、前記主電源の電力供給状態に応じて、前記各負荷部への給電を当該主電源から前記電池に切り替える切替手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11にかかる発明は、電池から複数の負荷部への給電を個別にオン/オフ制御するスイッチ工程と、前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える電圧監視工程と、前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定工程と、前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出する累積消費電力算出工程と、前記電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報に基づいて、前記各負荷部の累積消費電力及び消費電力に対応する終止電圧を特定する終止電圧特定工程と、前記各負荷部について特定された終止電圧を前記電圧監視工程での給電停止電圧として、夫々設定する終止電圧設定工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、請求項12にかかる発明は、主電源と当該主電源からの電力により充放電可能な二次電池からなる補助電源とを備え、印刷データの印刷を行う画像形成装置において、前記主電源又は補助電源から供給される電力により動作する前記印刷データの印刷にかかる複数の負荷部と、前記主電源の電力供給状態に応じて、前記各負荷部への給電を当該主電源から前記補助電源に切り替える切替手段と、前記補助電源から前記各負荷部への給電を個別にオン/オフ制御する複数のスイッチ手段と、前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える複数の電圧監視手段と、前記補助電源の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報を記憶する記憶手段と、前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定手段と、前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出し、当該各負荷部の累積消費電力及び消費電流に対応する終止電圧を前記電池特性情報から特定する終止電圧特定手段と、前記各負荷部について特定された終止電圧を前記給電停止電圧として、当該負荷部に関係する前記電圧監視手段に夫々設定する終止電圧設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の負荷部の重要度に応じて定められた優先順位の順にバックアップ時間を設定し、電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧と、の関係を示した電池特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定する。これにより、電池の電池特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0019】
また、本発明によれば、電池の温度毎の電池容量を示した温度特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定するため、電池の温度特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0020】
また、本発明によれば、二次電池の充放電回数毎の電池容量を示したサイクル特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定するため、二次電池のサイクル特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示したように、画像形成装置100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、画像形成装置100全体の制御と描画(画像形成)、通信、操作部21からの入力、表示部22への画像表示を制御するコントローラである。エンジン部26は、PCIバス27に接続可能なプリンタエンジン等の画像形成手段であり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、ファックスユニット等である。なお、このエンジン部26には、所定の記録媒体に画像形成を行うプロッタ等の所謂エンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。
【0023】
コントローラ10は、CPU11と、システムメモリ(MEM−P)12と、ノースブリッジ(NB)13と、サウスブリッジ(SB)14と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ハードディスクドライブ(HDD)18と、RTC(Real-Time Clock)とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)121と、RAM(Random Access Memory)122とをさらに有する。
【0024】
CPU11は、画像形成装置100全体を統括的に制御するものであり、MEM−P12、NB13及びSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0025】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0026】
MEM−P12は、画像形成装置100の動作に係る種々の情報を保持するためのシステムメモリであって、ROM121、RAM122から構成される。ROM121は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。また、RAM122は、SRAM等であってプログラムやデータの展開用メモリ、アドレス帳の格納用メモリ、画像形成装置100に係る各種設定情報の格納用メモリ等として用いる書き込み及び読み出し可能な揮発性のメモリである。
【0027】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部等も接続される。
【0028】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0029】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、MEM−C17及びHDD18を夫々接続するブリッジとしての機能を有する。このASIC16は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等をおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)23、USB(Universal Serial Bus)24、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース25等が接続される。
【0030】
MEM−C17は、DRAM等であって、コピー用画像バッファ、符号バッファ、ファックスデータのバッファ等として用いる揮発性の記憶手段である。HDD18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。また、RTC19は、時刻計時を行う時計機能のために設けられたタイマ回路である。
【0031】
図2は、画像形成装置100が備える給電制御装置30の構成を示したブロック図である。図2に示したように、給電制御装置30は、主電源31、充電回路32、補助電源33、切替回路34、給電ユニット35、36、37及び給電停止電圧設定部38を備えている。
【0032】
ここで、負荷A、B、Cは、画像形成装置100が備える複数の電力負荷部のうち、何れか3つの電力負荷部であって、主電源31のオフ時において補助電源33によりバックアップ対象となるものである。本実施形態では、負荷AをRAM122、負荷Bを時刻計時用のRTC19、負荷CをMEM−C17とするが、この態様に限定されないものとする。なお、バックアップ対象とする電力負荷部の個数は、この態様に限定されず、任意の個数を設定できるものとするが、この場合、各負荷には給電ユニットが併せて設けられるものとする。
【0033】
また、負荷A、B、Cには、バックアップ時の優先順位と、機能維持のための所定のバックアップ時間とが定められており、これらの値と各負荷の消費電流とを関連付けた負荷設定情報が、MEM−P12に記憶されているものとする。ここで、各負荷に対する優先順位及びバックアップ時間は、各負荷の機能や役割等の画像形成装置100における重要度に応じて設定することが好ましい。
【0034】
例えば、画像形成装置100の場合では、アドレス帳や画像形成装置100に係る各種設定情報を格納するRAM122(負荷A)のバックアップを最も優先することが好ましく、そのバックアップ時間も可能な限り長時間であることが好ましい。また、時刻計時を行うRTC(負荷B)は常に機能させる必要があるため、負荷Aに次ぐ優先順位とし、また他の負荷に比べ消費電流が低いため、比較的長時間のバックアップ時間を設定することが可能である。さらに、ファックスデータのバッファ等として用いるMEM−C17(負荷C)は、バックアップすることが好ましいが、負荷A、Bと比べその優先順位は低く、また、また他の負荷に比べ消費電流が高いため、負荷A、Bと比べバックアップ時間を短時間とすることが好ましい。
【0035】
ここで、図3は、負荷設定情報の一例を示した図であって、各負荷に対し、その優先順位と、バックアップ時間と、消費電流とが関連付けて登録されている。なお、各負荷の優先順位とバックアップ時間とは負荷設定情報に予め設定されている態様としてもよいし、後述する給電停止電圧設定処理時において、ユーザから操作部21を介して順次設定される態様としてもよい。
【0036】
図2に戻り、主電源31は、図示しない画像形成装置100の電源ON/OFFスイッチの切り替えに応じて、外部の商用電源(AC電源)から供給された電力を、当該画像形成装置100の各部に供給する電源装置である。
【0037】
充電回路32は、主電源31からの電力を補助電源33に供給し、当該補助電源33を充電する。なお、充電回路32は、主電源31の電力供給時において、補助電源33をフル充電状態で保持しているものとする。
【0038】
補助電源33は、リチウム・イオン電池等の充放電可能な二次電池から構成され、充電回路32により充電(蓄電)された電力を給電ユニット35、36、37の夫々を介して負荷A、B、Cの各々に供給する。
【0039】
切替回路34は、主電源31の電力供給状態に応じて、主電源31から補助電源33に
給電ユニット35、36、37への供給電源を切り替える。具体的に切替回路34は、主電源31の電源ON時には、当該主電源31から供給される電力が給電ユニット35、36、37に供給されるよう維持するとともに、主電源31の電源OFF時には、補助電源33から給電ユニット35、36、37に電力が供給されるよう切り替える。
【0040】
給電ユニット35は、スイッチ351と電圧監視回路352とを有し、主電源31又は補助電源33から供給される電力を負荷Aに供給する。ここで、スイッチ351は、電圧監視回路352の制御に応じ、負荷Aへの給電をオン/オフ制御するスイッチ回路である。なお、通常はオン状態にあるものとする。電圧監視回路352は、負荷Aに印加される電圧を監視し、この電圧が給電停止電圧設定部38により設定された給電停止電圧に達したと判断すると、スイッチ351をオフ状態へと制御し、負荷Aへの給電を停止させる。
【0041】
給電ユニット36は、給電ユニット35と同様、スイッチ361と電圧監視回路362とを有し、主電源31又は補助電源33から供給される電力を負荷Bに供給する。ここで、スイッチ361は、電圧監視回路362の制御に応じ、負荷Bへの給電をオン/オフ制御するスイッチ回路である。なお、通常はオン状態にあるものとする。電圧監視回路362は、負荷Bに印加される電圧を監視し、この電圧が給電停止電圧設定部38により設定された給電停止電圧に達したと判断すると、スイッチ361をオフ状態へと制御し、負荷Bへの給電を停止させる。
【0042】
給電ユニット37は、給電ユニット35と同様、スイッチ371と電圧監視回路372とを有し、主電源31又は補助電源33から供給される電力を負荷Bに供給する。ここで、スイッチ371は、電圧監視回路372の制御に応じ、負荷Cへの給電をオン/オフ制御するスイッチ回路である。なお、通常はオン状態にあるものとする。電圧監視回路372は、負荷Cに印加される電圧を監視し、この電圧が給電停止電圧設定部38により設定された給電停止電圧に達したと判断すると、スイッチ371をオフ状態へと制御し、負荷Bへの給電を停止させる。
【0043】
給電停止電圧設定部38は、図1のCPU11とROM121に予め記憶された所定のプログラムとの協働により実現される制御手段である。給電停止電圧設定部38は、補助電源33の電池容量に基づき、負荷A、B、Cの優先順位に応じて設定されたバックアップ時間から給電停止電圧を夫々導出し、対応する電圧監視回路352、362、372の夫々に設定する。
【0044】
以下、図4を参照して、給電停止電圧設定部38の動作について説明する。ここで図3は、給電停止電圧設定部38により実行される給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。なお、本処理では、負荷設定情報に登録された各負荷(負荷A、B、C)に対し、操作部21を介してバックアップ時間が入力される態様を説明する。
【0045】
まず、給電停止電圧設定部38は、補助電源33の電池容量Dを決定する(ステップS11)。ここで、補助電源33の電池容量Dは補助電源33から印加される電圧値に基づいて決定する態様としてもよい。また、本実施形態のように満充電状態が維持される構成の場合には、電池容量Dの値をMEM−P12に記憶しておき、このMEM―P12から読み出す態様としてもよい。この場合、MEM−P12に記憶される電池容量Dは、メーカから推奨された温度及び電流値(標準負荷電流)の下、補助電源33の放電終始電圧まで放電した際の値(mAh)であるものとする。
【0046】
続いて、給電停止電圧設定部38は、各負荷のバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定処理を実行する(ステップS12)。以下、図5を参照して、ステップS12のバックアップ時間設定処理を説明する。
【0047】
図5は、バックアップ時間設定処理の手順を示した図である。まず、給電停止電圧設定部38は、優先順位を表す変数nを「1」に設定するとともに、後述する消費電力の総和を表す変数Fを「0」に初期化する(ステップS1201)。
【0048】
次に、給電停止電圧設定部38は、操作部21を介して入力されたバックアップ時間を受け付けると、優先順位nの負荷のバックアップ時間として負荷設定情報に設定する(ステップS1202)。例えば、n=1の場合には、優先順位1即ち負荷A(RAM122)のバックアップ時間として負荷設定情報に設定する。なお、このとき、操作部21を介してユーザから、優先順位nとする負荷を指示する指示情報を受け付ける態様としてもよい。
【0049】
続いて、給電停止電圧設定部38は、負荷設定情報から優先順位nの負荷の消費電流fを読み出し(ステップS1203)、バックアップ時間×fを算出することで、バックアップ時間分の消費電力を算出する(ステップS1204)。
【0050】
次いで、給電停止電圧設定部38は、優先順位1からnまでの負荷に係る消費電流の総和F(F=F+f)を算出すると(ステップS1205)、このFの値が電池容量Dの値以下か否かを判定する(ステップS1206)。なお、本実施形態では、Dの値をFの値と直接と比較する態様を示しているが、これに限らず、例えば、Dに所定の割合(例えば、80%等)を乗算した結果をFと比較する態様としてもよい。
【0051】
ステップS1206において、Fの値がDの値を上回ると判定した場合(ステップS1206;No)、給電停止電圧設定部38は、その旨を通知するとともに、バックアップ時間の再設定を行うか否かの確認を促す情報を表示部22に表示させ(ステップS1207)、操作部21を介して指示信号が入力されるまで待機する(ステップS1208)。
【0052】
ここで、操作部21を介し、バックアップ時間の再設定を行うことを指示する指示信号を受け付けた場合には(ステップS1208;Yes)、給電停止電圧設定部38は、ステップS1201の処理へと再び戻る。
【0053】
また、ステップS1208において、バックアップ時間の再設定を行わないことを指示する指示信号を受け付けた場合には(ステップS1208;No)、給電停止電圧設定部38は、優先順位nの負荷に残りの電池容量(残電池容量)分に相当するバックアップ時間、即ち、(D−F−f)/fの算出結果を優先順位nのバックアップ時間を負荷設定情報に設定した後(ステップS1209)、図4のステップS13の処理へと移行する。なお、負荷設定情報に登録された全ての負荷についてバックアップ時間を設定する前にステップS1209の処理が実行された場合には、残りの負荷即ち優先順位の低い負荷については、バックアップ時間は設定されないものとする。
【0054】
一方、ステップS1206において、Fの値がDの値以下と判定した場合(ステップS1206;Yes)、給電停止電圧設定部38は、負荷設定情報に登録された全ての負荷についてバックアップ時間を設定したか否かを判定する(ステップS1210)。ここで、未設定の負荷が残っていると判定した場合には(ステップS1210;No)、給電停止電圧設定部38は、nに1を加算することで優先順位を1下げた後(ステップS1211)、ステップS1202の処理に再び戻る。
【0055】
また、ステップS1210において、全ての負荷にバックアップ時間を設定したと判定した場合(ステップS1210;Yes)、給電停止電圧設定部38は、D−Fを算出することで電池容量Dに余りがあるか否かを判定する(ステップS1212)。ここで、電池容量Dに余りがないと判定した場合には(ステップS1212;No)、図4のステップS13の処理に直ちに移行する。
【0056】
一方、ステップS1212において、電池容量Dに余りがあると判定した場合には(ステップS1212;Yes)、給電停止電圧設定部38は、負荷設定情報に設定された優先順位1の負荷にかかるバックアップ時間に、残電池容量分に相当する時間を加算し(ステップS1213)、図4のステップS13の処理へと移行する。
【0057】
具体的には、給電停止電圧設定部38は、「(D−F)/優先順位1の負荷にかかる消費電流f」を算出することで、残電池容量分に相当する時間を導出する。なお、本実施形態では、最も優先順位の高い負荷に、残電池容量分に相当するバックアップ時間を割り当てる態様としたが、これに限らず、優先順位に応じた割合で各負荷に割り当てる態様としてもよい。また、残電池容量分に相当するバックアップ時間を一切割り当てない態様としてもよい。
【0058】
このように、図5で示したバックアップ時間設定処理を行うことで、負荷設定情報に登録された各負荷のバックアップ時間が設定又は更新される(図3参照)。
【0059】
図4に戻り、給電停止電圧設定部38は、後述する変数Zを0に初期化した後(ステップS13)、ステップS12の処理で設定されたバックアップ時間に基づいて、当該バックアップ時間の昇順、即ち、バックアップ時間の短い負荷から順次処理の対象とする(ステップS14)。
【0060】
続いて、給電停止電圧設定部38は、ステップS14の処理で今回処理対象とされた負荷のバックアップ時間から、前回処理対象とされた負荷のバックアップ時間を減算した値Xを算出する(ステップS15)。
【0061】
次いで、給電停止電圧設定部38は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された各負荷の消費電流の総和から、前回までに処理対象とした各負荷の消費電流の和を減算した値Yを算出する(ステップS16)。
【0062】
続いて、給電停止電圧設定部38は、ステップS15で算出したXと、ステップS16で算出したYとを乗算することで、バックアップ時間が終了した負荷を取り除いた、残りの負荷分の消費電流量zを算出する(ステップS17)。次いで、給電停止電圧設定部38は、Z=Z+zを算出することで、処理対象の負荷を設定されたバックアップ時間だけバックアップするのに必要となる累積消費電力Zを導出する(ステップS18)。
【0063】
次に、給電停止電圧設定部38は、MEM−P12に予め記憶された補助電源33の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を表した電池特性情報を参照し、消費電流Yのときに累積消費電力Zの放電容量を使用することが可能な終止電圧を、給電停止電圧として特定する(ステップS19)。なお、電池特性情報については後述する。
【0064】
次いで、給電停止電圧設定部38は、ステップS19で特定した給電停止電圧を、処理対象の負荷に対応する電圧監視回路に設定し(ステップS20)、ステップS21の処理に移行する。例えば、処理対象の負荷として負荷Aにかかる給電停止電圧を特定した場合には、この給電停止電圧を電圧監視回路352に設定する。
【0065】
続くステップS21において、給電停止電圧設定部38は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された全ての負荷を処理対象としたか否かを判定する(ステップS21)。ここで、未処理の負荷が存在すると判定した場合には(ステップS21;No)、給電停止電圧設定部38は、ステップS14の処理へと再び戻り、次の負荷を処理対象とする。また、全ての負荷を処理対象としたと判定した場合には(ステップS21;Yes)、本処理を終了する。
【0066】
以下、ステップS14〜19のループ処理の動作を、図3に示した負荷設定情報に基づいて具体的に説明する。まず、最初のループ処理において、給電停止電圧設定部38は、バックアップ時間の最も小さい負荷Aを処理対象に設定する(ステップS14)。続いて、給電停止電圧設定部38は、前回処理対象とされた負荷は存在しないことから、X=12h、Y=5.0mAを夫々導出する(ステップS15、S16)。そして、給電停止電圧設定部38は、X×Yを算出することでz=60mAhを導出するとともに(ステップS17)、Zが0に初期化されていることからZ=60mAhを導出する(ステップS18)。
【0067】
ここで、ステップS19において給電停止電圧設定部38が参照する電池特性情報について説明する。図6は、MEM−P12に予め記憶された電池特性情報の一例を示した図である。同図に示したように、電池特性情報には、補助電源33の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係が表されている。
【0068】
「放電容量」は、補助電源33が放電可能な電力量(mAh)を表すものであって、累積消費電力Zに対応するものである。また、「放電電流」は、補助電源33が供給する電流量を表すものであって、消費電流Yに対応するものである。また、「終止電圧」は、補助電源33が安全に放電を行うことが可能な放電電圧の最低値である。
【0069】
図6に示したように、補助電源33は、放電電流が標準負荷電流である0.1mAを超えるあたりで、放電容量が減少し始め、供給電流が大きくなればなるほど放電容量が減少するという特性(放電負荷特性)を有している。
【0070】
例えば、終止電圧が2.5Vの時、放電電流が0.1mAでは、放電容量は100mAhとなり、放電電流が5.0mAでは、放電容量は60mAhとなる。つまり、放電電流が5.0mAである場合、終止電圧2.5Vの時と較べて、1000mAh−60mAh=40mAh分の放電容量が使用できないことが分かる。
【0071】
また、終止電圧を下げた場合、例えば、放電電流が0.1mAの時、終止電圧が2.5Vでは、放電容量は100mAhとなり、終止電圧が2.0Vでは、放電容量は120mAhとなる。つまり、終止電圧を2.5Vから2.0Vに変化させることで、20mAh分の放電容量を多く使用できることが分かる。
【0072】
ステップS19において、給電停止電圧設定部38は、電池特性情報から消費電流Yのときに累積消費電力Zの放電容量を使用することが可能な終止電圧を、給電停止電圧として特定する。具体的に、最初のループの場合、Y=5.0mA、Z=60mAhであるため、給電停止電圧設定部38は、これらの値に対応するグラフの終止電圧2.5Vを給電停止電圧として特定する。そして、給電停止電圧設定部38は、この給電停止電圧2.5Vを、処理対象の負荷Aに対応する電圧監視回路352に設定し(ステップS20)、最初のループ処理を終了する。
【0073】
2回目のループ処理において、給電停止電圧設定部38は、バックアップ時間が次に小さい負荷Bを処理対象に設定する(ステップS14)。続いて、給電停止電圧設定部38は、負荷Bのバックアップ時間612hから前回処理対象とした負荷Aのバックアップ時間12hを減算した600hをXとする(ステップS15)。また、給電停止電圧設定部38は、全ての負荷の消費電力の総和5.0mAから、前回までに処理対象とした負荷Aの消費電力4.9mAを減算した0.1mAをYとする(ステップS16)。
【0074】
そして、給電停止電圧設定部38は、X×Yを算出することでz=60mAhを導出するとともに(ステップS17)、Z=Z+z=60mAh+60mAhを算出することで、Z=120mAhを導出する(ステップS18)。
【0075】
続くステップS19において、給電停止電圧設定部38は、電池特性情報から、消費電流0.1mAのときに電流量120mAhの放電容量を使用することが可能な終止電圧2.0Vを、給電停止電圧として特定する。そして、給電停止電圧設定部38は、この給電停止電圧2.0Vを、処理対象の負荷Bに対応する電圧監視回路362に設定し(ステップS20)、2回目のループ処理を終了する。
【0076】
3回目のループ処理において、給電停止電圧設定部38は、バックアップ時間が次に小さい負荷Cを処理対象に設定する(ステップS14)。続いて、給電停止電圧設定部38は、負荷Cのバックアップ時間1612hから前回処理対象とした負荷Bのバックアップ時間612hを減算した1000hをXとする(ステップS15)。また、給電停止電圧設定部38は、全ての負荷の消費電力の総和5.0mAから、前回までに処理対象とした負荷AとBの総消費電力4.99mAを減算した0.01mAをYとする(ステップS16)。
【0077】
そして、給電停止電圧設定部38は、X×Yを算出することでz=10mAhを導出するとともに(ステップS17)、Z=Z+z=120mAh+10mAhを算出することで、Z=130mAhを導出する(ステップS18)。
【0078】
続くステップS19において、給電停止電圧設定部38は、電池特性情報から、消費電流0.01mAのときに電流量130mAhの放電容量を使用することが可能な終止電圧1.8Vを、給電停止電圧として特定する。そして、給電停止電圧設定部38は、この給電停止電圧1.8Vを、処理対象の負荷Cに対応する電圧監視回路372に設定し(ステップS20)、3回目のループ処理を終了するとともに、給電停止電圧設定処理を終了する。なお、バックアップ時間が最も長い負荷については、給電停止電圧を設定しない態様としてもよい。
【0079】
このように、補助電源33の特性に基づいて給電停止電圧を、各電圧監視回路に設定することができるため、補助電源33の特性に応じた給電制御を行うことが可能となる。以下、図7を参照して電圧監視回路の動作について説明する。
【0080】
図7は、電圧監視回路352の電圧監視処理の手順を示したフローチャートである。なお、本処理では電圧監視回路352について説明するが、電圧監視回路362、電圧監視回路372についても同様の電圧監視処理をスイッチ361、371からの印加電圧に基づいて行うものとする。
【0081】
まず、電圧監視回路352は、スイッチ351から負荷Aに印加される電圧を常時又は所定時間毎に監視し(ステップS31)、この印加電圧が給電停止電圧設定部38により設定された給電停止電圧以下であるか否かを判定する(ステップS32)。ここで、印加電圧が給電停止電圧を上回っていると判定した場合には(ステップS32;No)、ステップS31の処理へと再び戻る。
【0082】
一方、ステップS32において、印加電圧が給電停止電圧以下と判定した場合には(ステップS32;Yes)、スイッチ351をオフ状態へと制御することで負荷Aへの給電を停止させた後(ステップS33)、本処理を終了する。
【0083】
図8は、補助電源33の放電特性を示した図である。ここで、縦軸は補助電源33の電池電圧を表しており、横軸は時間経過を表している。同図において、期間L1では補助電源33から負荷A、B、Cに電力が供給されており、時間経過とともに電池電圧が減少している。ここで、補助電源33の電池電圧が負荷Cの供給停止電圧に到達すると、電圧監視回路372の制御によりスイッチ371がオフ状態へと切り替えられ、負荷Cへの給電が停止される。なお、図中P1で示す波形は、負荷Cへの給電停止に伴う電圧変動により生じたノイズ成分である。
【0084】
また、期間L2では補助電源33から負荷A、Bに電力が供給されており、時間経過とともに電池電圧が減少している。ここで、補助電源33の電池電圧が負荷Aの供給停止電圧に到達すると、電圧監視回路352の制御によりスイッチ351がオフ状態へと切り替えられ、負荷Aへの給電が停止される。なお、図中P2で示す波形は、負荷Aへの給電停止に伴う電圧変動により生じたノイズ成分である。
【0085】
また、期間L3では補助電源33から負荷Bにのみ電力が供給されており、時間経過とともに電池電圧が減少している。ここで、補助電源33の電池電圧が負荷Bの供給停止電圧に到達すると、電圧監視回路362の制御によりスイッチ361がオフ状態へと切り替えられ、負荷Bへの給電が停止される。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、複数の負荷部の重要度に応じて定められた優先順位の順にバックアップ時間を設定し、補助電源の放電容量と、放電電流と、終止電圧と、の関係を示した電池特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定する。これにより、補助電源の電池特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0087】
なお、補助電源33によるバックアップの対象となる各負荷は、単一の構成要素とは限らず、複数の構成要素を一の負荷として取り扱う態様としてもよい。例えば、図9に示したように、DRAM171と、DRAM171を駆動する駆動電力を生成する電源回路172と、を単一の負荷Aとして取り扱う態様としてもよい。この場合、電圧監視回路372は、スイッチ371から電源回路172に印加される電圧を監視することになる。
【0088】
また、本実施形態では、二次電池により補助電源を構成した態様を説明したが、これに限らず、補助電源を一次電池から構成する態様としてもよい。なお、この場合、主電源から補助電源への電力供給は不要となるため、充電回路32を取り除くこととしてもよい。
【0089】
[第2の実施形態]
次に、本発明にかかる画像形成装置の第2の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の要素については、同一の符号を用いて示し、その説明は適宜省略する。
【0090】
第1の実施形態では、MEM−P12に予め記憶された電池容量Dを用いる態様としたが、実際には、使用する環境の温度に応じて補助電源33の電池容量Dや放電特性が変動することが分かっている。具体的には、推奨される温度から低下するに伴い電池容量Dは低下し、温度が上昇するほど電池容量Dは上昇する。そのため、本実施形態にかかる給電制御装置40では、補助電源33の温度に応じた電池容量D及び給電停止電圧を設定することで、補助電源33の特性に応じた給電制御を実行する。
【0091】
図10は、給電制御装置40の構成を示したブロック図である。図10に示したように、給電制御装置40は、主電源31、充電回路32、補助電源33、切替回路34、給電ユニット35、36、37に加え、温度検出回路41、給電停止電圧設定部42を備えている。
【0092】
温度検出回路41は、補助電源33の近傍に配置された温度検出装置であって、補助電源33の温度を検出し、この結果を給電停止電圧設定部42に出力する。
【0093】
給電停止電圧設定部42は、給電停止電圧設定部38と同様の機能を備えるとともに、温度検出回路41により検出された補助電源33の温度に基づいて、この温度に対応する電池容量Dを、MEM−P12に記憶された温度特性情報から特定する。また、給電停止電圧設定部42は、温度検出回路41により検出された補助電源33の温度に基づいて、各負荷にかかる給電停止電圧を温度毎に用意された電池特性情報から特定する。
【0094】
図11は、MEM−P12に記憶された温度特性情報の一例を示した図である。同図に示したように、温度と、各温度に応じた補助電源33の電池容量Dとが関連付けて記憶されている。給電停止電圧設定部42は、この温度特性情報を参照し、温度検出回路41により検出された補助電源33の温度に対応する電池容量Dを決定する。なお、図11では、温度特性情報をグラフ形式で表した態様を例示したが、これに限らず、テーブル形式等で表す態様としてもよい。
【0095】
また、MEM−P12には、各温度に応じた補助電源33の特性を表す複数の電池特性情報が記憶されている。なお、各電池特性情報には、図6で説明した電池特性情報と同様、各温度下における補助電源33の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係が夫々表されているものとする。
【0096】
以下、図12を参照して、給電停止電圧設定部42の動作について説明する。図12は、給電停止電圧設定部42により実行される給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。なお、本処理では、負荷設定情報に登録された各負荷(負荷A、B、C)に対し、操作部21を介してバックアップ時間が入力される態様を説明する。
【0097】
まず、給電停止電圧設定部42は、温度検出回路41により検出された補助電源33の温度を受け付けると(ステップS41)、MEM−P12に記憶された温度特性情報を参照し、補助電源33の温度に対応する電池容量Dを決定する(ステップS42)。
【0098】
続いて、給電停止電圧設定部42は、各負荷のバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定処理を実行する(ステップS43)。なお、ステップS43のバックアップ時間設定処理は、図5で説明した、ステップS12のバックアップ時間設定処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0099】
次に、給電停止電圧設定部42は、変数Zを0に初期化した後(ステップS44)、ステップS43の処理で設定されたバックアップ時間に基づいて、当該バックアップ時間の昇順、即ち、バックアップ時間の短い負荷から順次処理の対象とする(ステップS45)。
【0100】
続いて、給電停止電圧設定部42は、ステップS45の処理で今回処理対象に設定された負荷のバックアップ時間から、前回処理対象とされた負荷のバックアップ時間を減算した値Xを算出する(ステップS46)。
【0101】
次いで、給電停止電圧設定部42は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された負荷の消費電流の総和から、前回までに処理対象とした各負荷の消費電流の和を減算した値Yを算出する(ステップS47)。
【0102】
続いて、給電停止電圧設定部42は、ステップS46で算出したXと、ステップS47で算出したYとを乗算することで、バックアップ時間が終了した負荷を取り除いた、残りの負荷分の消費電流量zを算出する(ステップS48)。次いで、給電停止電圧設定部42は、Z=Z+zを算出することで、処理対象の負荷を設定されたバックアップ時間だけバックアップするのに必要となる累積消費電力Zを導出する(ステップS49)。
【0103】
次に、給電停止電圧設定部42は、MEM−P12に予め記憶された複数の電池特性情報のうち、温度検出回路41により検出された温度に対応する電池特性情報を参照し、消費電流Yのときに累積消費電力Zの放電容量を使用することが可能な終止電圧を、給電停止電圧として特定する(ステップS50)。
【0104】
次いで、給電停止電圧設定部42は、ステップS50で特定した給電停止電圧を、処理対象の負荷に対応する電圧監視回路に設定し(ステップS51)、ステップS52の処理に移行する。
【0105】
続くステップS52において、給電停止電圧設定部42は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された全ての負荷を処理対象としたか否かを判定する(ステップS52)。ここで、未処理の負荷が存在すると判定した場合には(ステップS52;No)、給電停止電圧設定部42は、ステップS45の処理へと再び戻り、次の負荷を処理対象とする。また、全ての負荷を処理対象としたと判定した場合には(ステップS52;Yes)、本処理を終了する。
【0106】
また、給電停止電圧設定部42は、主電源31のオン時において、温度検出回路41からリアルタイムで入力される補助電源33の温度に基づき、各負荷にかかる給電停止電圧を調整する。以下、図13、14を参照して、給電停止電圧設定部42の動作について説明する。ここで図13は、給電停止電圧設定部42により実行される給電停止電圧調整処理の手順を示したフローチャートである。
【0107】
まず、給電停止電圧設定部42は、主電源31のオン時において、温度検出回路41により検出された補助電源33の温度を受け付けると(ステップS61)、MEM−P12に記憶された温度特性情報を参照し、補助電源33の温度に対応する電池容量Dを決定する(ステップS62)。
【0108】
続いて、給電停止電圧設定部42は、各負荷のバックアップ時間を調整するバックアップ時間調整処理を実行する(ステップS63)。以下、図14を参照して、ステップS63のバックアップ時間調整処理について説明する。
【0109】
図14は、バックアップ時間調整処理の手順を示したフローチャートである。まず、給電停止電圧設定部42は、負荷設定情報に登録された各負荷について消費電流とバックアップ時間との積を演算し、その総和Fを算出する(ステップS631)。
【0110】
次に、給電停止電圧設定部42は、ステップS62で決定したDとFとを比較し、その値の差は所定値(例えば、50Ah)以内か否かを判定する(ステップS632)。ここで、DとFとの差が所定値以内と判定した場合には(ステップS632;Yes)、給電停止電圧設定部42は、バックアップ時間調整処理を終了するとともに、給電停止電圧調整処理を終了する。
【0111】
また、ステップS632において、DとFとの差が所定値を上回ると判定した場合には(ステップS632;No)、給電停止電圧設定部42は、Dの値がFの値を上回っているか否かを判定する(ステップS633)。
【0112】
ステップS633において、Dの値がFの値を上回ると判定した場合(ステップS633;Yes)、給電停止電圧設定部42は、DからFを引いた差分値を、負荷設定情報に登録された優先順位の最も高い負荷の消費電流で除算することで、D−F分の放電容量で最も優先順位の高い負荷をバックアップ可能な時間を算出する(ステップS634)。
【0113】
次いで、給電停止電圧設定部42は、ステップS634で算出した時間を、負荷設定情報に登録された優先順位の最も高い負荷のバックアップ時間に加算し(ステップS635)、図13のステップS64の処理へと移行する。なお、本処理では、D−Fの余剰した放電容量を、最も優先順位の高い負荷のみに用いる態様としたが、これに限らず、例えば、優先順位に応じた割合で各負荷に割り当てる態様としてもよい。
【0114】
一方、ステップS633において、Dの値がFの値を下回ると判定した場合(ステップS633;No)、給電停止電圧設定部42は、FからDを引いた差分値を、負荷設定情報に登録された最も優先順位の低い負荷の消費電流で除算することで、優先順位の最も低い負荷から減算すべき時間を算出する(ステップS636)。
【0115】
次いで、給電停止電圧設定部42は、ステップS636で算出した時間を、負荷設定情報に登録された優先順位の最も低い負荷のバックアップ時間から減算し(ステップS637)、図13のステップS64の処理へと移行する。なお、本処理では、F−Dの不足分の放電容量を、最も優先順位の低い負荷から賄う態様としたが、これに限らず、例えば、優先順位に応じた割合で各負荷から賄う態様としてもよい。
【0116】
図13に戻り、給電停止電圧設定部42は、変数Zを0に初期化した後(ステップS64)、ステップS63の処理で設定されたバックアップ時間に基づいて、当該バックアップ時間の昇順、即ち、バックアップ時間の短い負荷から順次処理の対象とする(ステップS65)。以下、ステップS66〜S72の処理は、上述したステップS46〜S52の処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0117】
以上のように、本実施形態によれば、複数の負荷部の重要度に応じて定められた優先順位の順にバックアップ時間を設定し、補助電源の放電容量と、放電電流と、終止電圧と、の関係を示した電池特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定する。これにより、補助電源の電池特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0118】
また、補助電源の温度毎の電池容量を示した温度特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定するため、補助電源の温度特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0119】
[第3の実施形態]
次に、本発明にかかる画像形成装置の第3の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の要素については、同一の符号を用いて示し、その説明は適宜省略する。
【0120】
第1の実施形態では、MEM−P12に予め記憶された電池容量Dを用いる態様としたが、実際には、補助電源33の充放電回数(サイクル数)が増加するに伴い補助電源33の性能は低下するため、補助電源33の電池容量Dや放電特性は変化する。具体的には、サイクル数が上昇するに伴い放電深度は浅くなるため、電池容量Dは低下する。そのため、本実施形態にかかる給電制御装置50では、補助電源33のサイクル数に応じた電池容量Dとを設定することで、補助電源33の特性に応じた給電制御を実行する。
【0121】
図15は、給電制御装置50の構成を示したブロック図である。図15に示したように、給電制御装置50は、主電源31、充電回路32、補助電源33、切替回路34、給電ユニット35、36、37に加え、サイクル数計数部51、給電停止電圧設定部52を備えている。
【0122】
サイクル数計数部51は、補助電源33の充電及び放電が行われる毎に、その累積回数を計数し、計数した結果を給電停止電圧設定部52に出力する。
【0123】
給電停止電圧設定部52は、給電停止電圧設定部38と同様の機能を備えるとともに、サイクル数計数部51により計数された補助電源33のサイクル数に基づいて、このサイクル数に対応する電池容量Dを、MEM−P12に記憶されたサイクル特性情報から特定する。また、給電停止電圧設定部52は、サイクル数計数部51により計数された補助電源33のサイクル数に基づいて、各負荷にかかる給電停止電圧を温度毎に用意された電池特性情報から特定する。
【0124】
図16は、MEM−P12に記憶されたサイクル特性情報の一例を示した図である。同図に示したように、サイクル数と、各サイクル数に応じた補助電源33の電池容量Dとが関連付けて記憶されている。給電停止電圧設定部52は、このサイクル特性情報を参照し、サイクル数計数部51により計数された補助電源33のサイクル数に対応する電池容量Dを決定する。なお、図16では、サイクル特性情報をグラフ形式で表した態様を例示したが、これに限らず、テーブル形式等で表す態様としてもよい。
【0125】
また、MEM−P12には、サイクル数に応じた補助電源33の特性を表す複数の電池特性情報が記憶されている。なお、各電池特性情報には、図6で説明した電池特性情報と同様、所定のサイクル数における補助電源33の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係が夫々表されているものとする。
【0126】
以下、図17を参照して、給電停止電圧設定部52の動作について説明する。図17は、給電停止電圧設定部52により実行される給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。なお、本処理では、負荷設定情報に登録された各負荷(負荷A、B、C)に対し、操作部21を介してバックアップ時間が入力される態様を説明する。
【0127】
まず、給電停止電圧設定部52は、サイクル数計数部51により計数された補助電源33のサイクル数を受け付けると(ステップS81)、MEM−P12に記憶されたサイクル特性情報を参照し、補助電源33のサイクル数に対応する電池容量Dを決定する(ステップS82)。
【0128】
続いて、給電停止電圧設定部52は、各負荷のバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定処理を実行する(ステップS83)。なお、ステップS83のバックアップ時間設定処理は、図5で説明した、ステップS12のバックアップ時間設定処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0129】
次に、給電停止電圧設定部52は、変数Zを0に初期化した後(ステップS84)、ステップS83の処理で設定されたバックアップ時間に基づいて、当該バックアップ時間の昇順、即ち、バックアップ時間の短い負荷から順次処理の対象とする(ステップS85)。
【0130】
続いて、給電停止電圧設定部52は、ステップS85の処理で今回処理対象に設定された負荷のバックアップ時間から、前回処理対象とされた負荷のバックアップ時間を減算した値Xを算出する(ステップS86)。
【0131】
次いで、給電停止電圧設定部52は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された負荷の消費電流の総和から、前回までに処理対象とした各負荷の消費電流の和を減算した値Yを算出する(ステップS87)。
【0132】
続いて、給電停止電圧設定部52は、ステップS86で算出したXと、ステップS87で算出したYとを乗算することで、バックアップ時間が終了した負荷を取り除いた、残りの負荷分の消費電流量zを算出する(ステップS88)。次いで、給電停止電圧設定部52は、Z=Z+zを算出することで、処理対象の負荷を設定されたバックアップ時間だけバックアップするのに必要となる累積消費電力Zを導出する(ステップS89)。
【0133】
次に、給電停止電圧設定部52は、MEM−P12に予め記憶された複数の電池特性情報のうち、サイクル数計数部51により計数されたサイクル数に対応する電池特性情報を参照し、消費電流Yのときに累積消費電力Zの放電容量を使用することが可能な終止電圧を、給電停止電圧として特定する(ステップS90)。
【0134】
次いで、給電停止電圧設定部52は、ステップS80で特定した給電停止電圧を、処理対象の負荷に対応する電圧監視回路に設定し(ステップS91)、ステップS92の処理に移行する。
【0135】
続くステップS92において、給電停止電圧設定部52は、負荷設定情報に登録された負荷のうち、バックアップ時間が設定された全ての負荷を処理対象としたか否かを判定する(ステップS92)。ここで、未処理の負荷が存在すると判定した場合には(ステップS92;No)、給電停止電圧設定部52は、ステップS85の処理へと再び戻り、次の負荷を処理対象とする。また、全ての負荷を処理対象としたと判定した場合には(ステップS92;Yes)、本処理を終了する。
【0136】
また、給電停止電圧設定部52は、主電源31のオン時において、サイクル数計数部51からリアルタイムで入力される補助電源33のサイクル数に基づいて、各負荷にかかる給電停止電圧を調整する。以下、図18を参照して、給電停止電圧設定部52の動作について説明する。
【0137】
図18は、給電停止電圧設定部52により実行される給電停止電圧調整処理の手順を示したフローチャートである。まず、給電停止電圧設定部52は、主電源31のオン時において、サイクル数計数部51により計数された補助電源33のサイクル数を受け付けると(ステップS101)、MEM−P12に記憶されたサイクル特性情報を参照し、補助電源33のサイクル数に対応する電池容量Dを決定する(ステップS102)。
【0138】
続いて、給電停止電圧設定部52は、各負荷のバックアップ時間を調整するバックアップ時間調整処理を実行する(ステップS103)。なお、ステップS103のバックアップ時間調整処理は、図17で説明した、ステップS63のバックアップ時間設定処理と同様であるため、その説明は省略する。また、ステップS104〜112の処理は、上述したステップS84〜92の処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0139】
以上のように、本実施形態によれば、各負荷部の重要度に応じた優先順位の順にバックアップ時間を設定し、補助電源の放電容量と、放電電流と、終止電圧と、の関係を示した電池特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定する。これにより、補助電源の電池特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0140】
また、補助電源の充放電回数毎の電池容量を示したサイクル特性情報に基づいて、各負荷部のバックアップ時間を確保可能な給電停止電圧を夫々決定するため、補助電源のサイクル特性に応じた給電制御を行うとともに、より重要度の高い負荷を確実にバックアップすることができる。
【0141】
以上、本発明を第1〜第3の実施形態を用いて説明してきたが、上述した実施形態に多様な変更または改良を加えることができる。また、上述した第1〜第3の実施形態において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。
【0142】
例えば、上記の実施形態では、画像形成装置に給電制御装置(30、40、50)を適用した例を説明したが、これに限らず、PC(Personal Computer)等の情報処理装置や、携帯電話器等の移動通信端末に適用する態様としてもよい。なお、移動通信端末に適用する場合、主電源は必須の構成要素ではなく、充放電可能な二次電池からなる移動通信端末の電源を補助電源33として取り扱うことで、上述した給電制御装置を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0143】
以上のように、本発明にかかる給電制御装置、給電制御方法及び画像形成装置は、一の電源により複数の負荷をバックアップする場合に有効であり、特に、各負荷の重要度に応じた優先順位に基づいて給電制御を行う場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】画像処理装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態にかかる給電制御装置の構成を示したブロック図である。
【図3】負荷設定情報の一例を示した図である。
【図4】第1の実施形態にかかる給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。
【図5】バックアップ時間設定処理の手順を示した図である。
【図6】電池特性情報の一例を示した図である。
【図7】電圧監視処理の手順を示したフローチャートである。
【図8】補助電源の放電特性を示した図である。
【図9】負荷の構成例を示した図である。
【図10】第2の実施形態にかかる給電制御装置の構成を示したブロック図である。
【図11】温度特性情報の一例を示した図である。
【図12】第2の実施形態にかかる給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。
【図13】第2の実施形態にかかる給電停止電圧調整処理の手順を示したフローチャートである。
【図14】バックアップ時間調整処理の手順を示したフローチャートである。
【図15】第3の実施形態にかかる給電制御装置の構成を示したブロック図である。
【図16】サイクル特性情報の一例を示した図である。
【図17】第3の実施形態にかかる給電停止電圧設定処理の手順を示したフローチャートである。
【図18】第3の実施形態にかかる給電停止電圧調整処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
100 画像形成装置
10 コントローラ
11 CPU
12 システムメモリ(MEM−P)
121 ROM
122 RAM
13 ノースブリッジ(NB)
14 サウスブリッジ(SB)
15 AGPバス
16 ASIC
17 ローカルメモリ(MEM−C)
18 ハードディスクドライブ(HDD)
19 RTC
21 操作部
22 表示部
23 FCU
24 USB
25 IEEE1394インターフェース
26 エンジン部
27 PCIバス
30 給電制御装置
31 主電源
32 充電回路
33 補助電源
34 切替回路
35 給電ユニット
351 スイッチ
352 電圧監視回路
36 給電ユニット
361 スイッチ
362 電圧監視回路
37 給電ユニット
371 スイッチ
372 電圧監視回路
38 給電停止電圧設定部
40 給電制御装置
41 温度検出回路
42 給電停止電圧設定部
50 給電制御装置
51 サイクル数計数部
52 給電停止電圧設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と、
前記電池から供給される電力により動作する複数の負荷部と、
前記電池から前記各負荷部への給電を個別にオン/オフ制御する複数のスイッチ手段と、
前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える複数の電圧監視手段と、
前記電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報を記憶する第1記憶手段と、
前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定手段と、
前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出し、当該各負荷部の累積消費電力及び消費電流に対応する終止電圧を前記電池特性情報から特定する終止電圧特定手段と、
前記各負荷部について特定された終止電圧を前記給電停止電圧として、当該負荷部に関係する前記電圧監視手段に夫々設定する終止電圧設定手段と、
を備えたことを特徴とする給電制御装置。
【請求項2】
前記バックアップ時間設定手段は、前記電池の電池容量の範囲内で、優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の給電制御装置。
【請求項3】
前記電池の温度を検出する温度検出手段と、
前記電池の温度毎の電池容量を示した温度特性情報を記憶する第2記憶手段と、
を更に備え、
前記バックアップ時間設定手段は、前記温度特性情報に基づいて、前記温度検出手段により検出された温度から前記電池の電池容量を決定することを特徴とする請求項2に記載の給電制御装置。
【請求項4】
前記電池は二次電池であって、
前記電池の充放電回数を計数するサイクル数計数手段と、
前記電池の充放電回数毎の電池容量を示したサイクル特性情報を記憶する第3記憶手段と、
を更に備え、
前記バックアップ時間設定手段は、前記サイクル特性情報に基づいて、前記サイクル数計数手段により計数された充放電回数から前記電池の電池容量を決定することを特徴とする請求項2に記載の給電制御装置。
【請求項5】
前記バックアップ時間設定手段は、前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、全負荷部の消費電力を加算した総消費電力を算出し、この総消費電力と前記決定した電池容量との差分値が所定値以上の場合に、各負荷部のバックアップ時間を調整することを特徴とする請求項3又は4に記載の給電制御装置。
【請求項6】
前記バックアップ時間設定手段は、前記電池容量が総消費電力を上回ったと判定した場合、当該電池容量と総消費電力との差分に相当する時間を、優先順位の高い負荷部から加算することを特徴とする請求項5に記載の給電制御装置。
【請求項7】
前記バックアップ時間設定手段は、前記総消費電力が電池容量を上回ったと判定した場合、当該総消費電力と電池容量との差分に相当する時間を、優先順位の低い負荷部から減算することを特徴とする請求項5に記載の給電制御装置。
【請求項8】
前記累積消費電力算出手段は、前記バックアップ時間の短い負荷部から前記累積消費電力を算出することを特徴とする請求項1に記載の給電制御装置。
【請求項9】
前記終止電圧特定手段は、前記複数の負荷部のうち、バックアップ時間が最も長く設定された負荷部の終止電圧を特定しないことを特徴とする請求項1に記載の給電制御装置。
【請求項10】
前記電池は二次電池であって、
商用電源からの電力を前記電池及び前記負荷部の各々に供給する主電源と、
前記主電源の電力供給状態に応じて、前記各負荷部への給電を当該主電源から前記電池に切り替える切替手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の給電制御装置。
【請求項11】
電池から複数の負荷部への給電を個別にオン/オフ制御するスイッチ工程と、
前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える電圧監視工程と、
前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定工程と、
前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出する累積消費電力算出工程と、
前記電池の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報に基づいて、前記各負荷部の累積消費電力及び消費電力に対応する終止電圧を特定する終止電圧特定工程と、
前記各負荷部について特定された終止電圧を前記電圧監視工程での給電停止電圧として、夫々設定する終止電圧設定工程と、
を含むことを特徴とする給電制御方法。
【請求項12】
主電源と当該主電源からの電力により充放電可能な二次電池からなる補助電源とを備え、印刷データの印刷を行う画像形成装置において、
前記主電源又は補助電源から供給される電力により動作する前記印刷データの印刷にかかる複数の負荷部と、
前記主電源の電力供給状態に応じて、前記各負荷部への給電を当該主電源から前記補助電源に切り替える切替手段と、
前記補助電源から前記各負荷部への給電を個別にオン/オフ制御する複数のスイッチ手段と、
前記各負荷部に印加される電圧を各々監視し、当該電圧が所定の給電停止電圧に達した場合に前記スイッチ手段をオン状態からオフ状態へと個別に切り替える複数の電圧監視手段と、
前記補助電源の放電容量と、放電電流と、終止電圧との関係を示した電池特性情報を記憶する記憶手段と、
前記各負荷部の重要度に応じて定められた優先順位に基づいて、当該優先順位の高い負荷部から優先的にバックアップ時間を設定するバックアップ時間設定手段と、
前記各負荷部の消費電流とバックアップ時間とに基づいて、各負荷部のバックアップ時間満了までに要する累積消費電力を夫々算出し、当該各負荷部の累積消費電力及び消費電流に対応する終止電圧を前記電池特性情報から特定する終止電圧特定手段と、
前記各負荷部について特定された終止電圧を前記給電停止電圧として、当該負荷部に関係する前記電圧監視手段に夫々設定する終止電圧設定手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−70209(P2009−70209A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238986(P2007−238986)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】