説明

給電制御装置

【課題】ケーブルが本体部から取り外された状態において接続用端子に水や塵埃が付着するのを低減させた給電制御装置を提供する。
【解決手段】給電制御装置は、電動車両への給電を制御する給電制御部を具備した本体部2と、本体部2に接続されて電源から電力供給を受ける第1ケーブル3と、本体部2に接続されて電動車両への給電を行う第2ケーブルとを備える。第1ケーブル3は、本体部2に設けられたソケット部20により本体部2に着脱自在に接続される。本体部2は、ソケット部20から第1ケーブル3が取り外された状態でソケット部20の接続用端子を覆うシャッター部27を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラグインハイブリット車(PHEV)や電気自動車(EV)などの電動機を動力源とする電動車両が普及しつつあり、電動車両の充電時には電源から電動車両への給電を制御するために給電制御装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。この給電制御装置は、給電制御回路を構成するリレー、駆動回路及び電源回路が収納されたハウジングと、ハウジングの一端側に設けられたケーブル接続部に着脱自在に接続される電源側ケーブルと、ハウジングの他端側に設けられたケーブル接続部に着脱自在に接続される自動車側ケーブルとを備える。ここに、電源側ケーブルの先端に設けられた電源プラグは国によってその形状が異なるため、ユーザーが使用国に応じて電源側ケーブルを自由に交換できるようにハウジングに対して着脱自在となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−176920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に示した給電制御装置では、電源側ケーブル及び自動車側ケーブルがハウジングに対して着脱自在となっており、ケーブルがハウジングから取り外された状態ではケーブル接続部が露出した状態になることから、ケーブル接続部の接続用端子に水や塵埃が付着する可能性があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ケーブルが本体部から取り外された状態において接続用端子に水や塵埃が付着するのを低減させた給電制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の給電制御装置は、電動車両への給電を制御する給電制御部を具備した本体部と、本体部に接続されて電源から電力供給を受ける第1ケーブルと、本体部に接続されて電動車両への給電を行う第2ケーブルとを備える。第1ケーブル及び第2ケーブルのうち少なくとも何れか一方は、本体部に設けられたケーブル接続部により本体部に着脱自在に接続される。本体部は、ケーブル接続部からケーブルが取り外された状態でケーブル接続部の接続用端子を覆う蓋部を有している。
【0007】
この給電制御装置において、ケーブル接続部は、当該ケーブル接続部からケーブルが取り外された状態で接続用端子を外部に露出させる開口を有し、蓋部は、開口を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動自在に配置されるシャッター部からなり、シャッター部は、本体部に接続された第1ケーブル又は第2ケーブルによりケーブル接続部の内側に向かって開放されるのも好ましい。
【0008】
また、この給電制御装置において、蓋部は、当該蓋部を開放位置に移動させた状態において壁面に取り付けられる取付部を有しているのも好ましい。
【0009】
さらに、この給電制御装置において、蓋部は、第1ケーブル又は第2ケーブルが本体部に接続された状態において第1ケーブル又は第2ケーブルに係合する係合部を有しているのも好ましい。
【発明の効果】
【0010】
ケーブルが本体部から取り外された状態において接続用端子に水や塵埃が付着するのを低減させた給電制御装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)〜(d)は実施形態1の給電制御装置の本体部と第1ケーブルとの接続手順を説明する説明図である。
【図2】(a)は同上の外観図、(b)は同上から第1ケーブルが取り外された状態の外観図である。
【図3】(a)は同上の第1ケーブルに設けられたプラグの斜視図、(b)は同上の本体部に設けられたソケット部の要部拡大斜視図である。
【図4】同上のブロック図である。
【図5】(a),(b)は同上の他の例を模式的に表した一部省略せる断面図である。
【図6】実施形態2の給電制御装置の本体部を示し、(a)は蓋部を閉塞した状態の側面図、(b)は蓋部を開放した状態の側面図、(c)は蓋部を開放した状態の斜視図である。
【図7】(a),(b)は同上の他の例を模式的に表した一部省略せる側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、給電制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。本給電制御装置は可搬型の装置であり、電源(例えば商用交流電源)から電動車両の蓄電装置への給電を制御するために用いられる。なお電動車両には、例えば動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリット車(HEV)やプラグインハイブリット車(PHEV)がある。また電動車両は、電動機を駆動する電源として例えばリチウムイオン二次電池のような二次電池と、この二次電池を充電する充電回路とを備え、二次電池と充電回路とで蓄電装置が構成されている。
【0013】
(実施形態1)
図2(a)は本実施形態の給電制御装置1の外観図であり、この給電制御装置1は、本体部2と、第1ケーブル3と、第2ケーブル4とを主要な構成として備える。
【0014】
本体部2は、一面が開口した略箱型のボディ2aと、ボディ2aの開口を塞ぐようにしてボディ2aに被着されるカバー2bとで細長い箱型に形成されており、その内部には電源から電動車両への給電を制御する電気回路30(図4参照)が収納されている。
【0015】
第1ケーブル3は、本体部2に収納された電気回路30と、電源を供給するために建物の壁などに設置された電源コンセント(図示せず)との間を電気的に接続するものであり、本体部2の長手方向における一端側(図2(a)中の左側)から導出されている。この第1ケーブル3は、電圧極の2本の電線と接地線とで構成され、その先端には電源コンセントに差込接続される電源側プラグ5が接続されている。
【0016】
第2ケーブル4は、本体部2に収納された電気回路30と、電動車両の蓄電装置との間を電気的に接続するものであり、本体部2の長手方向における他端側(図2(a)中の右側)から導出されている。この第2ケーブル4は、電圧極の2本の電線と接地線と電動車両との間で信号を授受するための信号線とで構成され、電動車両に設けられた受電用のソケット(図示せず)に着脱自在に接続される車両側プラグ6(所謂充電ガン)が先端に接続されている。ここにおいて、第1ケーブル3及び第2ケーブル4がそれぞれ備える電圧極の2本の電線と、これら2本の電線に電気的に接続された本体部2の内部配線などにより、電源から電動車両への給電路が構成されている。
【0017】
次に、本体部2に収納される電気回路30について図4を参照しながら説明する。電気回路30は、リレー31と、零相変流器(ZCT)32と、制御回路33と、電源回路34とを備える。リレー31は、電源と電動車両との間の給電路にリレー接点が挿入されており、制御回路33からの制御信号に応じてリレー接点のオン/オフが切り替えられ、電源から電動車両への給電路を開閉する。零相変流器32は、電動車両側での漏電時に発生する不均衡電流を検出するために設けられ、リレー31の一次側で電圧極の2本の電線が挿通されており、その出力信号は制御回路33に入力される。
【0018】
制御回路33は、例えばマイコンなどをその構成要素として備え、給電制御装置1の各部を統括的に制御する。制御回路33は、電動車両の蓄電装置から第2ケーブル4を介して入力される充電状態信号(所謂CPLT信号)に基づいて、リレー31のオン/オフを制御することで、電源から電動車両への給電路を開閉する。また制御回路33は、零相変流器32の検出出力をもとに不均衡電流の発生を検出すると、電動車両側で漏電が発生したと判断し、リレー31を開極させて電動車両への電力供給を遮断することで、漏電保護動作を行う。なお制御回路33では、漏電保護動作を行う際にランプを点滅させたり、ブザー或いはスピーカから警報音を発生させることで、ユーザに漏電発生を報知するのが好ましい。電源回路34は、リレー31の一次側(電源側)から電源を得て、制御回路33などの動作電源を生成する。
【0019】
本体部2に収納される電気回路30は上記のような構成を有しており、この電気回路30によって電源から電動車両への給電状態が制御されるのである。ここに本実施形態では、電気回路30により給電制御部が構成されている。
【0020】
ところで、本実施形態の給電制御装置1では、電動車両側の第2ケーブル4は本体部2の内部で端子台(図示せず)に結線されており、第2ケーブル4を交換するためには本体部2を分解する必要があるが、電源側の第1ケーブル3は本体部2にコネクタ接続されている。以下、第1ケーブル3と本体部2の接続部分の構成について図1〜3を参照しながら説明する。
【0021】
第1ケーブル3の一端側(図2(a)中の右側)には、本体部2に設けられたソケット部20(ケーブル接続部)に着脱自在に接続されるプラグ7が設けられている。このプラグ7は、合成樹脂により円筒状に形成されたプラグ本体8を備えている。プラグ本体8の前面(本体部2側)の開口は樹脂製の蓋板8aによって塞がれており、この蓋板8aにはソケット部20に設けられた栓刃21(接続用端子)がそれぞれ挿入される3個の挿入孔8bが開口している。またプラグ本体8の内部には、各挿入孔8bに臨ませて、第1ケーブル3の各電線に電気的に接続される刃受けバネ(図示せず)が収納されている。さらにプラグ本体8の後部(本体部2と反対側)の外周面には螺子部(図示せず)が設けられており、この螺子部にキャップ10をねじ込むことによってプラグ本体8の後部開口が閉塞されている。またプラグ本体8には、プラグ本体8の軸方向において移動が規制された状態で、略円筒形状の保持リング11が回転自在に取り付けられている。この保持リング11は、合成樹脂により略円筒形状に形成されており、筒状の周壁12の前側内周面には螺子部13が形成され、周壁12の後端縁からは中心軸方向に張り出すようにリング状の鍔部14が設けられている。ここで、保持リング11は、プラグ本体8の外周面に突設されたリブ(図示せず)と、プラグ本体8の後部に取着されるキャップ10との間で鍔部14が挟まれることによって、プラグ本体8の軸方向における移動が規制されている。この状態で鍔部14とプラグ本体8の外周面との間には隙間が設けられており、保持リング11はプラグ本体8に対して回転自在に保持されている。
【0022】
一方、本体部2側には、上記のプラグ7が着脱自在に接続されるソケット部20が、ボディ2aと一体に設けられている。ソケット部20の筒内には、それぞれプラグ7の刃受けバネに差込接続される3本の栓刃21が所定の間隔をおいて配置されており、これらの栓刃21は本体部2内に収納された上記の電気回路30に電気的に接続されている。またソケット部20の外周面には、保持リング11の螺子部13が螺子結合される螺子部22が設けられている。さらにソケット部20の筒内には、プラグ7の挿抜方向(軸方向)に沿って伸び、プラグ本体8の周面に設けられたキー溝8dに嵌まる嵌合キー23が設けられている。またソケット部20の外周面には、カバー2b側を下にして本体部2が地面に置かれた状態で上側となる位置に、位置合わせのためのマーク20a(例えば「△」のような図記号)が成型或いは印刷などの方法で設けられている。一方、プラグ本体8の外周面には、キー溝8dと嵌合キー23の位置を合わせた状態で上記のマーク20aと対向する位置に、マーク8c(例えば「△」のような図記号)が成型或いは印刷などの方法で設けられている。なお、マーク20a及びマーク8cは三角形以外の図形でもよく、また成型や印刷といった方法以外の方法で設けられるものでもよい。
【0023】
また保持リング11の周壁12には、突出部15aが外部に突出するようにしてラッチ片15が収納されており、このラッチ片15はコイルばね(図示せず)により前側(本体部2側)に向かう弾性力が付与されている。一方、ソケット部20には、保持リング11がソケット部20にねじ込まれた状態で周壁12の端面12aが当接する鍔部24が設けられている。この鍔部24には、保持リング11の螺子部13がソケット部20の螺子部22に正規の位置までねじ込まれた状態で、ラッチ片15の突出部15aが挿入される凹溝25が形成されている。またボディ2aの上面には、奥側で凹溝25と繋がる連通穴26が設けられている。
【0024】
また、ソケット部20の開口端縁には、図1(a)に示すように、上記開口を閉塞する閉塞位置と上記開口を開放する開放位置との間で移動自在に配置されるシャッター部27が設けられている。このシャッター部27は、扇形に形成された複数(図1(a)では4つ)のシャッター片27aにより構成され、各シャッター片27aはソケット部20の筒内に向かって開放されるようにソケット部20に開閉自在に取り付けられている。また各シャッター片27aはコイルばね(図示せず)により開口側(第1ケーブル3側)に向かう弾性力が付与されており、本体部2から第1ケーブル3が取り外された状態(図1(a)に示す状態)ではソケット部20の開口が4つのシャッター片27aにより塞がれた状態になる。
【0025】
次に、プラグ7をソケット部20に接続する手順について図1を参照しながら説明する。先ず作業者は、図1(a)に示すようにプラグ7のマーク8cとソケット部20のマーク20aの位置を合わせた状態で、すなわち嵌合キー23とキー溝8dの位置を合わせた状態で、図1(b)に示すようにプラグ本体8の先端をソケット部20内に挿入する。このとき、4つのシャッター片27aがプラグ本体8に押されてソケット部20の筒内(内側)に向かって開放される。そして、図1(c)に示すようにプラグ本体8の蓋板8aがソケット部20の最奥位置まで挿入されると、ソケット部20の栓刃21が蓋板8aの挿入孔8bから筒内に挿入され、栓刃21と刃受けバネとが電気的に接続される。この状態では保持リング11の端面12aから突出するラッチ片15の突出部15aは鍔部24に当接しておらず、突出部15aは凹溝25内に入り込んでいないので、保持リング11を回転させることができる。この状態から作業者が保持リング11を回転させて、保持リング11の螺子部13をソケット部20の螺子部22にねじ込むと、保持リング11は回転しながら前側(本体部2側)へと前進していく。そして、保持リング11の前側への移動に伴って突出部15aが鍔部24に当接すると、コイルばねが圧縮されることによって突出部15aが後退し、その後、保持リング11が規定の位置までねじ込まれると、突出部15aが凹溝25内に入り込む。このとき、突出部15aが凹溝25と係合することによって、保持リング11の回転が規制されるから、保持リング11が外されることはなく、ユーザの意図に反してプラグ7がソケット部20から外される可能性を低減できる。
【0026】
続けて、プラグ7をソケット部20から取り外す手順について説明する。先ず作業者は専用の解除キー(図示せず)を本体部2の連通穴26に差し込む。このとき、連通穴26に差し込まれた解除キーによってコイルばねのばね力に抗して突出部15aが後側に押され、突出部15aが凹溝25の外側に押し出される。これにより、ラッチ片15と凹溝25との係合状態が解除されるから、作業者は保持リング11をねじ込み方向と反対方向に回転させることによって、保持リング11の螺子部13をソケット部20の螺子部22から外すことができ、その後、プラグ7をソケット部20から引き抜くことによって、プラグ7をソケット部20から取り外すことができる。このとき、シャッター部27の各シャッター片27aがコイルばねのばね力によってソケット部20の開口側に回転移動し、ソケット部20の開口を塞いだ状態になる。ここに本実施形態では、4つのシャッター片27aからなるシャッター部27により蓋部が構成されている。
【0027】
図5(a)(b)は本実施形態の給電制御装置1の他の例を模式的に表した断面図である。上述の給電制御装置1では、本体部2に対して第1ケーブル3を螺子結合させているが、本例では本体部2及び第1ケーブル3にそれぞれ設けた係合手段を介して両者を結合させている。なお、図5(b)は第1ケーブル3が接続された状態の断面図であるが、図示を簡略化するために第1ケーブル3の図示を省略している。
【0028】
本例の給電制御装置1は、上述の電気回路30が内部に収納された細長い箱型の本体部2と、本体部2の一端側(図5(a)中の左側)に着脱自在に接続される第1ケーブル3と、本体部2の他端側から導出される第2ケーブル(図示せず)とを主要な構成として備える。
【0029】
本体部2の長手方向における一端側には、第1ケーブル3に設けられたプラグ40が着脱自在に接続される円筒形状のソケット部28が一体に設けられており、ソケット部28の開口端縁には一対の係合突起28a,28aが突設されている。またソケット部28の開口端縁には、複数(図5(a)(b)では2つのみ図示)のシャッター片27aで構成されたシャッター部27が設けられている。各シャッター片27aは、ソケット部28の開口を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で開閉自在に設けられており、またコイルばね(図示せず)により開口側(第1ケーブル3側)に向かう弾性力が付与されている。したがって、本体部2から第1ケーブル3が取り外された状態(図5(a)に示す状態)ではソケット部28の開口がシャッター片27aにより塞がれた状態になる。なおソケット部28の筒内には、上記の栓刃21が所定の間隔をおいて配置されている。
【0030】
一方、第1ケーブル3のプラグ40は、合成樹脂により円筒状に形成されたプラグ本体41と、プラグ本体41を挟んで両側に設けられた一対の係合爪42,42と、本体部2から第1ケーブル3を取り外す際に用いられる一対の解除ボタン43,43とを備えている。なおプラグ本体41の筒内には、第1ケーブル3の各電線に電気的に接続される上記の刃受けバネが収納されている。
【0031】
この給電制御装置1では、作業者がプラグ40のプラグ本体41をソケット部28の筒内に挿入することで、各シャッター片27aがプラグ本体41によりソケット部28の筒内(内側)に向かって開放される(図5(b)参照)。またこのとき、プラグ40の各係合爪42がソケット部28の対応する係合突起28aとそれぞれ係合することで、本体部2に対してプラグ40が抜け止めされる。続けて、この状態から作業者がプラグ40に設けられた解除ボタン43,43を押すと、各係合爪42が互いに離れる方向に開くことで対応する係合突起28aとの係合状態が解除され、本体部2からプラグ40を取り外すことができる。このとき、各シャッター片27aはコイルばねのばね力によってソケット部28の開口側に回転移動し、ソケット部28の開口を塞いだ状態になる(図5(a)参照)。
【0032】
而して本実施形態によれば、第1ケーブル3が本体部2から取り外された状態ではシャッター部27によりソケット部20の開口が閉塞されるので、第1ケーブル3が本体部2から取り外された状態でもソケット部20の開口が露出することがなく、栓刃21(接続用端子)に水や塵埃が付着するのを低減することができる。また、本体部2に第1ケーブル3を接続することによってシャッター部27が開放される構造なので、シャッター部27を開ける動作を別途行わなくてもよく、作業性が向上する。
【0033】
なお本実施形態では、本体部2に対して第1ケーブル3を螺子結合させたり、本体部2及び第1ケーブル3にそれぞれ設けた係合手段(係合爪42及び係合突起28a)を介して結合させているが、本体部2と第1ケーブル3の結合方法はこれらの方法に限定されるものではなく、例えば磁石を介して第1ケーブル3を本体部2に結合するようにしてもよい。
【0034】
(実施形態2)
給電制御装置の実施形態2を図6及び図7に基づいて説明する。実施形態1では、ソケット部20(又はソケット部28)の開口端縁に設けられたシャッター部27により蓋部を構成しているが、本実施形態では本体部2に回動自在に取り付けられた蓋部材9により蓋部を構成している。なお以下の説明において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して説明は省略する。
【0035】
本実施形態の給電制御装置は、上述の電気回路30が内部に収納された細長い箱型の本体部2と、本体部2の長手方向における一端側に着脱自在に接続される第1ケーブル(図示せず)と、本体部2の長手方向における他端側から導出される第2ケーブル(図示せず)と、本体部2に設けられたソケット部20の開口を開閉自在に閉塞する蓋部材9とを主要な構成として備える。
【0036】
蓋部材9は、金属材料により矩形板状に形成された蓋本体90と、蓋本体90の一端側から延設されたL字状の一対の取付片91,91とで構成され、一対の取付片91,91は互いに対向するようにして蓋本体90の両側に配置されている。また各取付片91には、他方の取付片91との対向面(本体部2との対向面)に本体部2に軸支される軸部92が設けられており、各軸部92を本体部2の軸孔(図示せず)にそれぞれ軸支させることで、蓋部材9が本体部2に回動自在に取り付けられる。また蓋本体90には、建物の壁面に取り付けられたフック(図示せず)が引っ掛けられる引掛孔90a(図6(c)参照)が設けられており、この引掛孔90aにフックを引っ掛けることで本体部2が壁面に取り付けられる。ここに本実施形態では、上記フックが引っ掛けられる引掛孔90aにより取付部が構成されている。なお、取付部は本実施形態のものに限定されるものではなく、本体部2を壁面に取り付けられるものであれば他のものでもよい。
【0037】
ここで図6(a)は、本体部2のソケット部20の開口を閉塞する閉塞位置に蓋部材9を移動させた状態であり、このときソケット部20の開口全面に蓋本体90の下面(ソケット20との対向面)が当接することでソケット部20の開口が塞がれている。この状態から時計回り(図6(a)中の矢印Aの向き)に蓋部材9を回転させると、図6(b)に示すようにソケット部20の開口が開放され、この位置が蓋部材9の開放位置となる。つまり、本体部2に対して蓋部材9を回転させることで、ソケット部20の開口を閉塞したり、開放したりすることができる。
【0038】
図7(a)(b)は本実施形態の給電制御装置の他の例を模式的に表した側面図である。本例では、第1ケーブル3のプラグ50に設けられたL字状の係合爪51が係合する係合孔90bを蓋部材9の蓋本体90に設けており、それ以外の構成は図6(a)(b)で説明した給電制御装置と同様である。なお係合爪51は、例えば天然ゴムや合成ゴムなどの弾性材料で形成するのが望ましく、係合爪51を変形させることによって係合爪51を係合孔90bに容易に挿入することができる。
【0039】
この給電制御装置では、作業者が第1ケーブル3のプラグ50を本体部2のソケット部20に接続した後、蓋部材9を反時計回りに回転させて係合爪51を係合孔90bに係合させると、プラグ50の取り外し方向(本体部2から離れる方向)への移動が蓋部材9により規制されて、電動車両への給電中に第1ケーブル3が本体部2から脱落するのを抑えることができる。ここに本例では、蓋部材9の蓋本体90に設けられた係合孔90bにより係合部が構成されている。
【0040】
而して本実施形態によれば、第1ケーブル3が本体部2から取り外された状態では蓋部材9によりソケット部20の開口が閉塞されるので、第1ケーブル3が本体部2から取り外された状態でもソケット部20の開口が露出することがなく、栓刃21(接続用端子)に水や塵埃が付着するのを低減することができる。また、本体部2を壁面に取り付けるための引掛孔90a(取付部)を蓋本体90に設けているので、本体部2を壁面に取り付けるための取付部を別途設けなくてもよく、部品点数を削減できるとともにコストアップを抑えることができる。
【0041】
なお上述の実施形態1,2では、電源側の第1ケーブル3が本体部2に対して着脱自在となっているが、自動車側の第2ケーブル4が本体部2に対して着脱自在となっていてもいいし、第1ケーブル3及び第2ケーブル4の両方が本体部2に対して着脱自在となっていてもよい。また、上述の蓋部は一例であって、本体部2から第1ケーブル3が取り外された状態でソケット部20の開口を開閉自在に閉塞できるものであれば、他のものでもよい。さらに、上述の係合爪51及び係合孔90bは一例であって、第1ケーブル3のプラグ50を本体部2に接続した状態でプラグ50の脱落を防止できるようになっていれば他のものでもよい。また、ソケット部20の構造は本実施形態のものに限定されるものではなく、例えば図3(a)に示すプラグ本体8にように開口が蓋板で塞がれており、蓋板に設けた挿入孔を臨むようにして栓刃21を配置してもよい。この場合、蓋部材9を閉塞位置に移動させた状態では、栓刃21(接続用端子)が蓋本体90により覆われた状態になる。
【符号の説明】
【0042】
1 給電制御装置
2 本体部
3 第1ケーブル
4 第2ケーブル
20 ソケット部(ケーブル接続部)
27 シャッター部(蓋部)
30 電気回路(給電制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両への給電を制御する給電制御部を具備した本体部と、前記本体部に接続されて電源から電力供給を受ける第1ケーブルと、前記本体部に接続されて前記電動車両への給電を行う第2ケーブルとを備え、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルのうち少なくとも何れか一方は、前記本体部に設けられたケーブル接続部により前記本体部に着脱自在に接続され、前記本体部は、前記ケーブル接続部からケーブルが取り外された状態で前記ケーブル接続部の接続用端子を覆う蓋部を有していることを特徴とする給電制御装置。
【請求項2】
前記ケーブル接続部は、当該ケーブル接続部からケーブルが取り外された状態で前記接続用端子を外部に露出させる開口を有し、前記蓋部は、前記開口を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動自在に配置されるシャッター部からなり、前記シャッター部は、前記本体部に接続された前記第1ケーブル又は前記第2ケーブルにより前記ケーブル接続部の内側に向かって開放されることを特徴とする請求項1記載の給電制御装置。
【請求項3】
前記蓋部は、当該蓋部を前記開放位置に移動させた状態において壁面に取り付けられる取付部を有していることを特徴とする請求項1記載の給電制御装置。
【請求項4】
前記蓋部は、前記第1ケーブル又は前記第2ケーブルが前記本体部に接続された状態において前記第1ケーブル又は前記第2ケーブルに係合する係合部を有していることを特徴とする請求項1又は3記載の給電制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109981(P2013−109981A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254540(P2011−254540)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】