説明

給電装置、ネットワークシステム、給電制御方法、及びコンピュータプログラム

【課題】給電装置の立ち上げ時、又は給電装置に複数の受電装置が同時に接続された場合に発生する突入電流のタイミングが重なることで、給電装置が電力供給不能となる事態を避け、受電装置に安定した電源供給を行う。
【解決手段】給電装置の接続されたそれぞれの受電装置に対して給電開始時間TopN(1、2、・・N)を割り当てて給電を開始するように制御する。これにより、接続された受電装置の突入電流の発生タイミングが重なることにより給電装置が給電不可となる事態を回避することが可能となり、受電装置に電力を安定供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット(登録商標)の信号対、又は空き線を使用して給電を行う、例えば複数のポートを有するハブ等の給電装置、ネットワークシステム、給電制御方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネット(登録商標)の信号対、又は空き線を使用して給電を行う給電方式(以下、PoE(Power Over Ethernet(登録商標)))の規格が、「IEEE802.3af−2003」で制定されている。
【0003】
従来のPoEによる給電を行う給電装置(以下、PSE(Power Sourcing Equipment)と称す)の動作を図8を用いて説明する。図8は、PSEのPI(Power Interface)における電圧とタイミングを示す図である。
【0004】
PSEは、まず時間Tdetの間に検出電圧Vvalidを発生させ、PSEからの電力を受電可能な受電装置(以下、PD(Powered Device)と称す)であるか否かの検出を行う。有効なPD(即ち、PoE対応のPD)が検出できた場合は、時間Tponの間にクラシフィケーション電圧Vclassを発生させてPDの要求電力を検出する。そして、要求電力に応じて、時間Tpon以内にPDに対してオペレーション電圧Vportの供給を開始する。時間Tpon以内にPDに対して電力供給できない場合は、時間TbdoのサイクルでPDの検出シーケンスを繰り返す。通常、ハブ等はPSEの機能を有しており、この場合、複数のポートに対して以上のような給電シーケンスが適用される。
【0005】
【非特許文献1】IEEE802.3af−2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来のPSEでは、PSEの立ち上がり時に、接続されているPD全てに対して同時に給電が開始される。この際、接続されているPDが同一の機器である場合には、これらPDに同じタイミングで電源が投入され、この結果同じタイミングで突入電流が発生する。
【0007】
一般的に突入電流は定常時の電流の数倍の値となるため、瞬間的な電力は定常時の数倍になる。この突入電流の発生タイミングが複数台のPDで重なった場合、PSEからのPDに対する電力供給が不安定になったり、不能になったりする問題がある。なお、この問題はPSEの立ち上がり時に限らず、PSEに複数台のPDを同時に接続した場合にも発生し得る。
【0008】
また、PSEにPDを順次接続して動かした場合でも、その時には電源供給可能であっても、停電等でPSEの電源が一旦落ちると、その復旧時に複数台のPDに同時に給電が開始されるため突入電流の問題が発生する。
【0009】
本発明は係る実情に鑑みて、例えばPSEの立ち上げ時やPSEに複数台のPDが同時に接続された場合に、突入電流の発生タイミングの重なりでPSEが電力供給不能となる事態を避け、PDに安定した電源供給を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の給電装置は、通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置であって、前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明のネットワークシステムは、通信用のケーブルを使用して給電を行う給電装置と、前記給電装置に前記ケーブルを介して接続する複数の受電装置とを含むネットワークシステムであって、前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の給電制御方法は、通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置の給電制御方法であって、前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御ステップを有することを特徴とする。
また、本発明のコンピュータプログラム、通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置の給電制御処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、PSEに接続された複数台のPD間で時間差をつけて給電を行うようにしたため、個々のPDで生じる突入電流が分散化される。これにより、PSEの電源投入時、又は複数のPDが同時にPSEに接続された場合に、それぞれのPDの突入電流のタイミングが重なることでPSEが電力供給不可となる事態を避けることができ、PDに対して安定した給電が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜5、及び図8を用いて説明する。図1は第1の実施の形態に係る給電装置(以下、PSEと称する)と受電装置(以下、PDと称する)とが接続されたネットワークシステムの構成を示す図である。
【0013】
図1において、PSE101は、例えば複数のポートを有するハブである。PSE101において、電源部(以下、PS1と称する)102は、PDに対してオペレーション電圧(図8のVport)を供給する。電源部(以下、PS2と称する)103は、PSE101からの電力を受電可能なPDの検出を行うための検出電圧(図8の電圧Vvalid)を発生する。電源部(以下、PS3と称する)104は、PDの要求電力を検出するためのクラシフィケーション電圧(図8の電圧Vclass)を発生する。PSE101は、PD110にオペレーション電圧Vportの給電を開始する前に、図8で説明した給電シーケンスのPD検出処理、及び、要求電力検出処理(classification)を行う。
【0014】
スイッチ(以下、PS−SWと称す)105は、PS1(102)、PS2(103)、及びPS3(104)を切り換える。電流計測部106は、PD110において流れる電流(シンク電流)を計測する。乱数発生部107は、乱数を発生させる。108はPD110に対する電力供給シーケンスを制御するための制御部である。タイマ109は、電力供給シーケンスのタイミングを管理する。乱数発生部107及びタイマ109の機能の詳細は後述する。
【0015】
次に、図1において、PD110は、例えばネットワークカメラやIP電話などの受電機器である。PD110内において、抵抗(以下、Rdetと称する)111はPD110検出時に使用される。抵抗(以下、Rclassと称する)112は、PD110の要求電力検出時に使用される。DC/DCコンバータ113は、イーサネット(登録商標)対応のケーブル116を経由してPSE101から供給された電圧をPD110が必要とする電圧に変換する。スイッチ(以下、SWと称す)114は、Rdet111、Rclass112、及びDC/DCコンバータ113のいずれかに電圧を供給するかを切り換える。115は負荷部であり、DC/DCコンバータ113で変換された電圧が供給される。負荷部115は、PD110の動作を実行するユニットを示すものであり、例えばネットワークカメラであれば、その内部に備えたモータ等がこれに相当する。
【0016】
ケーブル116はイーサネット(登録商標)対応の通信用のケーブルであり、PSE101とPD110とを接続し、さらにPSE101からPD110に給電を行う。
【0017】
図2はPSE101とPD110の接続形態の一例を示す図である。図2に示すようにPSE110の複数のポート(Port1、Port2・・PortN)にはN台(N≧1)のPDが接続されている。なお、図2で示されるPD1、PD2・・PDNの各構成は図1で示したPD110と同様である。
【0018】
以下、図3のフローチャートを用いてPSE110の動作について説明する。まず、ステップS301において、PSE101は、電源が投入されると、自己の初期化処理の完了にともなって、PDの検出を行う。このステップS301で、制御部108は、PS−SW105を切り換えてPS2(103)からケーブル116を介して有効なPDの検出を行うための検出電圧Vvalidを時間Tdetの間、印加する。PDは、スイッチ114により印加された検出電圧Vvalidに対してRdet111を接続する。
【0019】
次に、ステップS302において、PSE101は、有効なPDが接続されているか否かを判定する。このステップS302で、制御部108は、Rdet111における電流量を電流計測部106で計測して、PoEによる受電が可能な有効なPDが接続されているか否かを判定する。有効なPDが接続されていたならば、ステップS303に進み、接続されていなかった場合は、ステップS301に戻る。
【0020】
次に、ステップS303において、PSE101は、有効なPDの台数を確認する。ここで、有効なPDが1台ならば、ステップS305に進み、複数台ならば、ステップS306に進む。
【0021】
有効なPDが1台であった場合のステップS305において、制御部108は、PS−SW105を切り換えてPS3(104)からケーブル116を介して要求電力を検出するためのクラシフィケーション電圧Vclassを時間Tpdcの間、印加する。PDは、スイッチ114により印加されたクラシフィケーション電圧Vclassに対してRclass112を接続する。制御部108は、Rclass112における電流量を電流計測部106で計測して、要求電力を検出する。そして、検出後、PS−SW105をPS1(102)に切り換えて、PDにオペレーション電圧Vportの給電を開始する。
【0022】
有効なPDが複数であった場合のステップS306において、制御部108は、接続されているPDの要求電力をそれぞれ検出して、ステップS307に進む。なお、要求電力の検出は上述の有効なPDが1台であった場合の処理と同様である。
【0023】
ステップS307において、PSE101は、接続されている複数のPD110をグルーピングする。このステップS307では、要求電力が予め設定された最大値ではなく、それよりも小さい要求電力の合計が前記最大値を超えない範囲となる2台以上のPDをグルーピングする。そして、この合算した2台以上のPDを1台のPDとみなすようにする。
【0024】
そして、次のステップS308において、PSE101は、給電対象のPDが1グループのみか否かを判定する。ここで、ステップS307で1台とみなされた1グループのみであれば、ステップS309に進み、PS−SW105を切り換えてPS1(102)からオペレーション電圧Vportの給電を開始する。
【0025】
ステップS308において、給電対象のPDのグループが複数存在する場合、ステップS310に進む。このステップS310では、乱数発生部107により乱数を発生して、この乱数とタイマ109を組み合わせて各PDに対する給電開始時間を設定してから、それぞれ給電を開始するようにする。乱数発生部107とタイマ109とを用いて給電開始時間を設定する場合は、例えばタイマ109に規定されている時間に乱数を掛け合わせて給電開始時間を設定する。
【0026】
なお、本実施の形態では、給電開始時間は乱数とタイマ109に規定されている時間を用いて設定するようにしたが、例えば複数の給電開始時間を記憶手段に記憶させておき、これら給電開始時間をそれぞれのPDに割り当てるようにしてもよい。
【0027】
以下、図4を用いてステップS310における給電開始時間の制御例を説明する。図4は同一サイクル内で複数のPDに給電するタイミングの例を説明するための図である。
【0028】
PSE101はそれぞれのPDに対して給電開始時間TopN(1、2、・・N)を割り当てて給電を開始するように制御する。図4(a)で示す例において、PSE101は図2で示したPort1に接続されたPD1に対しては、時間Tdet終了から時間Top1のタイミングで給電を開始する。次に、Port2に接続されたPD2に対しては、時間Tdet終了から時間Top2のタイミングで給電を開始する。このように、接続されているPDNまで給電開始時間を、時間Tdet経過後において、Top1〜TopNまで順次変化させて給電開始時間を設定し、時間差をつけて給電を行う。
【0029】
ここで、給電開始時間TopI(1、2、・・N)の最大値は、規格で規定されている時間Tponを超えないものとする。仮にNの値が大きくて給電開始時間TopIの値が時間Tponを超える場合は、次の給電サイクルを適用して給電を行うようにする。
【0030】
この場合の給電タイミングは2回目の時間Tdet終了後から(時間TopI−時間Tpon)後であり、最初の時間から計算すると、(2×時間Tdet+時間Tbdo+(時間TopI−時間Tpon))後の給電開始となる。
【0031】
なお、図4(a)ではTop1<Top2<TopN≦Tponになっており、この例ではポート番号と給電開始時間を一対一で固定する例を示している。これの他、上述のように乱数発生部107及びタイマ109を用いて、乱数でその都度変更する等の方法もとることが可能である。この場合は、例えばPort1のPD1には時間Top4のタイミングで給電開始、Port2のPD2には時間Top1のタイミングで給電開始等のように設定される。
【0032】
以上のように、第1の実施の形態では、PSE101に接続されているPDに対しての給電開始時間をPD間で時間差をつけて変えることで、図4(b)に示すようにPDの電源投入時の突入電流の発生が分散化される。これにより、PDのオペレーション上ではそれぞれのPDに電力供給可能でも、停電からの復旧時等に接続されたPDに一斉に電力供給を開始した場合に起こる突入電流の発生タイミングが重なりでPSE101が電力供給不可となる事態を避けることができる。したがって、PDに電力を安定供給することができる。
【0033】
また、図5は異なるサイクル内で複数のPDに給電するタイミングの例を説明するための図である。
【0034】
この例において、PSE101は、まずPort1に接続されたPD1に対しては最初の給電サイクルの時間Tdet終了から時間Top1のタイミングで給電を開始する。次に、Port2のPD2には次の給電サイクルの時間Tdet終了から時間Top2のタイミングで給電を開始するようにする。即ち、接続されているPDNまで給電開始サイクルを、K×Tbod(K=1、2・・、N)まで順次変化させて給電開始時間を制御する。
【0035】
この場合、検出完了から給電開始までの時間Top1、Top2・・、TopNがそれぞれ等しくても、異なっていても、PDの電源投入時の突入電流の発生が分散化される。また、この例においては、乱数発生部107を用いてPDの給電開始の順番を決定し、タイマ109から規定の時間を呼び出して、給電開始時間をその都度変更するようにして設定すればよい。また、給電開始の時間を予めさだめておいてもよい。
【0036】
また、図4、及び図5において、PSE101は電流計測部106によりオペレーション電圧Vport印加後の突入電流を計測し、この電流値が一定値以下に落ちるのを確認後、次のポートにオペレーション電圧Vportを印加するようにしてもよい。この場合、異なる突入電流特性をもつ複数のPDに対しても対応が可能となる。なお、この際の給電開始のタイミングは、突入電流が一定値に落ちた後から所定の時間をを数えて給電を開始するようにしてもよいし、突入電流が一定値に落ちた直後に次のPDに対して給電を開始するようにしてもよい。
【0037】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図6に基づいて説明する。第2の実施の形態においては、電源投入時、乱数発生部107において乱数を発生し、この乱数とタイマ109を組み合わせて各ポートの検出開始時間を決定するようにしている。なお、第2の実施の形態に係るPSEの構成は第1の実施の形態のPSE101と同様であるため、その説明を省略する。また、その動作も第1の実施の形態の例に準じた動作を行うため、その説明を省略する。
【0038】
第2の実施の形態におけるPSEの電圧印加タイミングは、図6に示すように、各ポートにおける検出開始時間が、時間Tdifだけずれることになる。各ポートにおける検出完了からオペレーション電圧Vport印加までの時間を等しくすることで、各ポートにおけるオペレーション電圧Vport印加タイミングは時間Tdifだけずれる。すなわち、突入電流の発生タイミングも各ポートで時間Tdifだけずれる。
【0039】
なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態に示す突入電流の検出手段を組み合わせてもよく、この場合、異なる突入電流特性をもつ複数のPDに対しても対応が可能となる。
【0040】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図7に基づいて説明する。第3の実施の形態においては、PSE201及びPD210それぞれが通信制御部701及び通信制御部702を有している。なお、第3の実施の形態に係るPSE201及びPD210において、第1の実施の形態のPSE101及びPD110と共通する部位に関しては、同符号で示し説明を省略する。
【0041】
第3の実施の形態においては、PSE201は、まず第1の実施の形態のPSE101と同様にPD検出処理及び要求電力検出を行った後、最初のPD210に対して給電を行う。給電開始後、PD210では、DC/DCコンバータ113より動作電源が供給されたならば、通信制御部702がPSE201側の通信制御部701にPD起動完了コマンドを送信する。そして、PSE201の通信制御部701は、PD210からの起動完了コマンドを受け取り、起動状態の確認をした後、別のポートのPD210に対する給電動作を開始する。
【0042】
なお、第3の実施の形態では通信コマンドの送受信をPD側の起動完了の確認手段としているが、イーサネット(登録商標)にリンクが確立した場合の確認手段としてもよく、この場合、リンク確立を確認後、次のポートの給電動作を開始するようにする。ここで、第3の実施の形態において電力供給するPDの順番は、予め定めておいてもよいし、乱数発生部107を用いて決定してもよい。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0044】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0045】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0046】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0047】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るPSE及びPDの接続形態の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るPSEの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るPSEの給電開始時間の制御例を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るPSEの給電開始時間の制御例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るPSEの給電開始時間の制御例を説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図8】PSEの給電の様子を説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
101 PSE(給電装置)
102 電源部(PS1)
103 電源部(PS2)
104 電源部(PS3)
105 スイッチ(PS−SW)
106 電流計測部
107 乱数発生部
108 制御部
109 タイマ
110 PD(受電装置)
111 抵抗(Rdet
112 抵抗(Rclass
113 DC/DCコンバータ
114 スイッチ
115 負荷部
116 イーサネット(登録商標)対応のケーブル
201 PSE(給電装置)
701 通信制御部
702 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置であって、
前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御手段を備えたことを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記給電装置の電力を受電可能な受電装置であるか否かを検出する検出手段と、
受電装置の要求電力を検出する要求電力検出手段とを更に備え、
受電装置に給電を開始する前に、前記検出手段及び前記要求電力検出手段により受電可能な受電装置であるか否かの検出及び要求電力検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
予め定められた複数の給電開始時間を記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された給電開始時間を用いて前記時間差をつけることを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項4】
乱数を発生させる乱数発生手段を更に備え、
前記制御手段は、前記乱数発生手段が発生する乱数と予め規定された時間とから設定される給電開始時間を用いて前記時間差をつけることを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項5】
受電装置に流れた電流を計測する電流計測手段を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の受電装置のうちいずれかの受電装置に給電を開始後、前記電流計測手段により当該受電装置における突入電流を計測して、突入電流が一定値以下に落ちた後に、別の受電装置に給電を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項6】
受電装置との通信リンクを確立したことを確認する通信確認手段を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の受電装置のうちいずれかの受電装置に給電を開始後、前記通信確認手段により当該受電装置との通信リンクが確立したことを確認した後、別の受電装置に給電を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項7】
受電装置が起動状態になったことを確認する起動確認手段を更に備え、
前記制御手段は、前記複数の受電装置のうちいずれかの受電装置に給電を開始後、前記起動確認手段により当該受電装置が起動状態になったことを確認した後、別の受電装置に給電を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項8】
要求電力に応じて複数の受電装置をグループ化して、1台の受電装置とみなすことを特徴とする請求項2に記載の給電装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記複数の受電装置間で、前記検出手段及び前記要求電力検出手段による検出開始時間をずらすことにより、時間差をつけて給電を開始することを特徴とする請求項2に記載の給電装置。
【請求項10】
通信用のケーブルを使用して給電を行う給電装置と、前記給電装置に前記ケーブルを介して接続する複数の受電装置とを含むネットワークシステムであって、
前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御手段を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項11】
通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置の給電制御方法であって、
前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御ステップを有することを特徴とする給電制御方法。
【請求項12】
通信用のケーブルを使用して複数の受電装置に給電を行う給電装置の給電制御処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記複数の受電装置間で時間差をつけて給電を開始する制御処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−154069(P2008−154069A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341333(P2006−341333)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】