説明

統合された生検及び治療のためのシステム及び方法

内部組織の診断及び処置を統合するシステム及び方法は、組織タイプを差別化することが可能な第1の技術を使用して、被検体の内部器官の少なくとも一部をイメージングし(202)、リアルタイムの画像更新が可能な第2の技術の画像と融合される第1の技術の画像を使用して、生検部位に目標を定め(205)、アクセスすることを含む。生検部位の処置は、第1の技術の画像を使用して、計画される(207)。生検部位を処置するための器具は、第1の技術の画像を第2の技術の画像と融合する(208)ことによって、ガイドされる(210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アメリカ合衆国公衆衛生局との共同研究開発契約(CRADA No. NCI-NIHCC-01864)の実施においてなされた。米国政府が本発明の特定の権利を有する。
【0002】
本開示は、イメージング技術に関し、より具体的には、生検イメージングを治療プロシージャと統合するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌は、西欧世界において6人の1人の男性がそれらの人生のあるポイントで患う。イメージング及び画像ガイダンスの欠如のため、診断に使用される従来の(ブラインド)6ヶ所生検は、痛みを伴い、信頼できない。その結果、前立腺癌は、過剰診断され、過剰治療される。治療において、ほとんどすべての前立腺癌は、現在のところ、外科手術又は全前立腺放射線治療によって処置されており、これは、重要な副作用をもたらしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日、前立腺癌のケアは、十分な視覚的なフィードバックを用いずに実施されている。超音波はリアルタイムであり、費用対効果がよく、前立腺を可視化するために用いられることができるので、生検は、超音波によりガイドされる。残念なことに、超音波は、癌を表示しない。従って、画像ガイドされる狙撃的な(targeted、目標を定めた)やり方で癌に近付こうとする代わりに、生検は、6ヶ所生検によって盲目的にサンプリングされ、これは、最大30%の偽陰性の割合につながる。画像ガイダンスに関する問題は前立腺癌の治療にも及ぶ。十分なガイダンスを用いない場合、治療アプローチは、腺全部の治療に限られたままであり、これは、例えば多数の患者において尿失禁及び不能症のような重篤な副作用をもたらす。従って、盲目的なアプローチ及び腺全部のアプローチからの脱却がなされることを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本原理により、目標を定められ且つ局所化されたプロシージャへの移行が行なわれる。磁気共鳴イメージング(MRI)は、今日、前立腺癌及び内臓器官における他の異常及び癌を示すための最も有望なイメージングモダリティである。しかしながら、磁気共鳴イメージング(MRI)ガイダンスは、現在のワークフローと両立しない。MRIは高価であり、一般にプロシージャガイダンスのためには使用されないので、前立腺に関連する介入中に、術前MRI画像をリアルタイム経直腸的超音波(TRUS)画像と融合させることが望ましい。その結果、MRI情報が、MRI検査室の外での介入の間に使用されることができる。直前の研究において、本願の発明者は、MRI/TRUSガイドされる狙撃生検(targeted biopsy)のための画像融合システムを開発した。融合システムは、超音波プローブの空間的な位置特定のために電磁(EM)追跡を利用する。プローブの空間的な追跡は、生検ガイドを、電磁追跡センサによりカスタマイズされるプローブに取り付けることによって実現可能にされる。
【0006】
MRIは、前立腺癌の診断の良好な感度及び特定性を有するが、それは、十分に決定的ではないことがある。MRIは、前立腺病変を識別することを逃がしてしまうことがあり、これは、MRIによる前立腺狙撃生検単独では不十分なことがあることを示唆している。本実施形態によれば、6ヶ所生検は、6ヶ所生検の歩留まりを高め、MRIにより判別可能でない病変を検出するために、狙撃生検を用いる。
【0007】
前立腺癌の今日の標準的なケアにおいて、前立腺生検及び治療は、2つの別個のプロシージャである。従って、病変が6ヶ所生検プロシージャにおいて発見される場合でも、治療中に正確に同じロケーションに戻って、病変を処置することは困難である。6ヶ所生検の位置情報は、十分に活用されない。追跡生検及び画像融合を用いることにより、前立腺生検と局所治療(focal therapy)との間のギャップは、生検をドキュメント化し、治療計画をたて、画像ガイダンスを提供するために同じ診断MRI画像を使用することによって、橋渡しされることができる。
【0008】
本原理による統合された前立腺癌装置は、医師が、生検又は局所治療プロシージャをシームレスに計画し、ナビゲートし、実行し、モニタすることを可能にする。これは、予め取得されたMRI画像と、ライブの経直腸的超音波(TRUS)画像との融合に基づく:MRI画像からのターゲット情報が、TRUSガイダンスを強化して、生検及び局所処置の正確さを改善する。
【0009】
システム及び方法は、生検をドキュメント化し、治療計画を立て、画像ガイダンスを提供するために、同じ診断MRI画像を使用することによって、生検及び治療を組み合わせる。一実施形態において、システム/方法は、(1)前立腺癌検出のために、MRI狙撃生検と共に追跡6ヶ所生検を実施し、(2)MRI/TRUS融合を使用して、MRI画像上ですべての生検部位を識別し、(3)生検標本の病理結果を使用して、MRI画像上で局所治療を計画し、(4)局所治療ガイダンスのために、MRIベースの処置計画をリアルタイムTRUSと融合する、ことを含む。6ヶ所生検を狙撃生検と組み合わせることは、6ヶ所生検の歩留まりを高め、MRIによって判別可能でない病変を検出する。前立腺生検及び治療は、それぞれ異なる時間に実施されることができるが、生検の所見が、治療をガイドするために使用される。システム及び方法は、前立腺癌の処置に適応可能であるが、これに限定されない。
【0010】
内部組織の診断及び処置を統合するシステム及び方法は、組織タイプを差別化することが可能な第1の技術を使用して、被検体の内蔵器官の少なくとも一部をイメージングし、リアルタイムの画像更新が可能な第2の技術の画像と融合される第1の技術の画像を使用して、生検部位に目標を定め、アクセスすることを含む。生検部位の処置は、第1の技術の画像を使用して、計画される。処置計画のために使用されることができるターゲット情報は、陽性の生検ロケーション及び/又は診断画像(例えばMRI又はMRI+PET融合)の疑わしい領域を含む。生検部位を処置するための器具は、第1の技術の画像を第2の技術の画像と融合することによって、ガイドされる。
【0011】
本開示のこれらの及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して理解されることができるその説明的な実施形態の以下の詳細な説明から、明らかになる。
【0012】
本開示は、添付の図面を参照して好適な実施形態の以下の説明を詳しく示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本原理による、内部組織の診断及び処置を統合するシステム及び方法を示すブロック図。
【図2】本原理による、内部組織の診断及び処置を統合するシステム/方法を示すブロック/フロー図。
【図3A】図3B、図3Cと共に、説明的なプロシージャに従って用いられる標本の3つのビューを表示するMRI画像を示す図。
【図3B】図3A、図3Cと共に、説明的なプロシージャに従って用いられる標本の3つのビューを表示するMRI画像を示す図。
【図3C】図3A、図3Bと共に、説明的なプロシージャに従って用いられる標本の3つのビューを表示するMRI画像を示す図。
【図3D】説明的な実施形態に従うMRI及び超音波画像を組み合わせた融合画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、イメージング技術を融合し、治療又は次のプロシージャにおいて生検情報を用いるシステム及び方法を記述する。本実施形態は、前立腺癌の診断及び治療に関して、説明的に記述される。本原理は、他の癌又はプロシージャのために用いられることができ、説明的な例によって制限されるものとして解釈されるべきでないことが理解されるべきである。1つの特に有用なアプリケーションにおいて、MRIイメージング及びMRI/超音波の融合技術は、病変狙撃生検及び局所治療を可能にするために用いられ、それにより、副作用を低減することができる。(例えば、従来の前立腺癌生検及び治療は、重篤な副作用を伴う盲目的で腺全体のプロシージャである。)
【0015】
MRIは、すべての前立腺癌を検出するには不十分である。プロシージャの結果を改善するために、一実施形態による方法は、前立腺癌検出のために、MRI狙撃生検と共に追跡6ヶ所生検を実施し;MRI/TRUS融合を使用して、MRI画像上ですべての生検部位を識別し;生検標本の病理結果を使用して、MRI画像上で局所治療を計画し、局所治療ガイダンスのために、MRIベースの治療計画をリアルタイムTRUSと融合することを含む。この方法は、前立腺生検と治療との間のギャップの橋渡しを行い、生検の歩留まりを高め、治療の副作用を低減する。
【0016】
本開示は、任意の生体内の任意の癌又は疾患に適用できることが理解されるべきである。図に示される構成要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアのさまざまな組み合わせにおいて実現されることができ、単一の構成要素又は複数の構成要素において組み合わせられることができる機能を提供する。
【0017】
更に、本原理は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって又はそれと関連して使用されるプログラムコードを提供する、コンピュータにより使用可能な又はコンピュータ可読の媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形をとりうる。コンピュータにより使用可能な又はコンピュータ可読の媒体は、命令実行システム、機器又は装置によって又はそれと関連して使用されるプログラムを含み、記憶し、通信し、伝播し、運ぶことができる任意の装置でありうる。媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線又は半導体システム(又は機器若しくは装置)でありうる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光学ディスクを含む。光学ディスクの今日の例は、コンパクトディスク−リードオンリメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)及びDVDを含む。
【0018】
プログラムコードを記憶する及び/又は実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを通してメモリ素子に直接的又は間接的に結合される少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。プロセッサ又は処理システムは、スコープシステムと共に提供されることができ、又はスコープシステムに関係なく提供されることができる。メモリ素子は、プログラムコードの実際の実行中に用いられるローカルメモリ、バルクストレージ及びキャッシュメモリを含むことができ、キャッシュメモリは、実行中にコードがバルクストレージから取り出される回数を低減するために少なくとも幾らかのプログラムコードの一時的なストレージを提供する。入力/出力又はI/O装置(これらに限定されないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス等を含む)は、直接的に又は介在するI/Oコントローラを通って、システムに結合されることができる。
【0019】
ネットワークアダプタが、システムに更に結合されることにより、介在するプライベート又はパブリックネットワークを通じて、データ処理システムが他のデータ処理システム、遠隔プリンタ又は記憶装置に結合されることを可能にする。モデム、ケーブルモデム及びイーサネットカードは、ネットワークアダプタの今日利用可能なタイプのほんの幾つかである。
【0020】
同様の数字が同じ又は同様の構成要素を表す図面を参照し、最初に図1を参照すると、生検情報を治療と組み合わせるためのシステム100が示されている。システム100は、超音波ガイドされる医療プロシージャの最中に用いられる追跡システム102を含む。追跡システム102は、例えば、プロシージャの間に(複数の)追跡センサ106の位置座標を提供するために、患者又は被検体107の近くに配置されるフィールド生成器を有する電磁追跡システムを有することができる。一実施形態において、追跡センサ106が、超音波プローブ108に取り付けられる。代替例として、ニードルガイド110が、超音波プローブ108に取り付けられることができる追跡センサ106と共に提供されることができる。任意には、追跡センサ106が、生検ニードル112に取り付けられることができる。機器及び手順は、解析され処置される解剖学的構造及びプロシージャに従って変更されることができる。
【0021】
処理ユニット116は、追跡システム102及び超音波スキャナ118(又は他のリアルタイムスキャン技術)に接続される。処理ユニット116は、スキャナ118からの超音波画像及びセンサ106からの対応する位置情報を同時に取得する。処理ユニット116は、ワークステーションでありえ、又は超音波スキャナ118の一部でありうる。処理ユニット116は、処理ユニット116上で実行するためのソフトウェアプログラム120を含むメモリ121を有する。処理ユニット116は、MRI狙撃生検をガイドし、センサ106によって提供されるボリューム追跡システム座標と共にリアルタイム超音波画像を取得し、記憶し、リアルタイムの又は記録された超音波画像において、ニードル110又は他の介入装置を識別し、生検サンプルの位置を、MRI画像119の対応するスポットに変換する。処理ユニット116は、MRI画像119、MRI画像119内の生検位置及び生検の病理結果に基づいて局所治療の計画を立てるためのソフトウェア123を含む。
【0022】
画像ガイダンスシステム122は、局所治療のために、処置計画をリアルタイム超音波イメージングと融合させ、計画に基づいて狙撃局所治療をガイドすることを可能にする処理ユニット116上で実行される。任意には、生検の画像ガイダンスシステム122は、局所治療のために適応されることができ、又は局所治療のための画像ガイダンスシステム122は、位置符号器及びテンプレートグリッドを有する機械装置124に基づくことができる。従って、このような機械装置は、リアルタイムに取得され、他の画像(例えばMRI画像)と融合される画像位置に関して、正確に追跡されることができる。
【0023】
有利には、MRI画像及びスキャナ画像(例えば超音波画像)は、装置追跡(例えば、超音波プローブ、位置合わせポインタ等)及び/又は画像位置合わせを使用して、組み合わせられ又は融合される。一旦位置合わせされると、融合された画像は、完全な情報セットを提供するので、リアルタイム画像(例えば超音波画像)は、詳細なMRI画像(又は他のタイプ画像)から利益を得ることができる。情報は、診断及び処置の両方のために有利に用いられ、融合された画像は、診断、解析及び処置を追跡するために、リアルタイムに更新されることができる。走査され融合された画像は、1又は複数の表示装置130を使用して観察されることができ、これは、システム100とインタフェースするための視覚的なフィードバックをユーザに提供する。
【0024】
図2を参照して、ブロック/フロー図は、外科プロシージャに関する診断(例えば生検)及び処置(例えば局所治療)のためのシステム/方法を説明的に示している。前立腺癌に関する本例において、システム/方法は、前立腺癌検出のために、追跡6ヶ所生検及びMRI狙撃生検を組み合わせる。ブロック202において、画像が、被検体に関して収集される。画像は、好適には、組織(例えばMRI技術)の間の差別化を可能にする技術を用いる。ブロック204において、静止(例えばMRI又は他の技術)画像は、位置合わせ方法を実施することによって又は追跡される座標系を用いることによって、リアルタイムに更新される画像(例えば超音波画像)と融合される。ブロック205において、すべての生検部位は、MRI/TRUS融合を使用してMRI画像上で識別される。(複数の)生検部位は、目標を定められ、サンプルが、ブロック206において、ガイド介入器具を使用して取得される。(複数の)生検部位に関する位置情報は、治療/処置において後から使用される場合のために、記録され記憶される。
【0025】
ブロック207において、MRI画像は、生検標本の病理検査に基づいて局所治療の計画を立てるために使用される。ブロック208において、計画(静止画像)が、局所治療をガイドするために、リアルタイム画像(例えばTRUS画像)と融合される。ブロック210において、計画は、融合された画像のMRI及びTRUS情報を使用して、実施され又は実行される。
【0026】
MRI狙撃生検:前立腺MR画像が、最初に取得され、ワークステーション(例えば図1の116)へ転送される。患者は、検査テーブル上に位置付けられ、追跡センサを有する2D TRUSプローブが、直腸に挿入される。TRUSプロシージャの開始時に、オペレータは、2D超音波画像の連続が前立腺ボリューム全体をカバーするように、2D軸方向のスイープ(前立腺の基部から尖部まで)を実施する。(代替例において、3D超音波プローブが、前立腺ボリュームを取得するために使用されることができる。)追跡センサからの画像及び対応する追跡データは、リアルタイムにワークステーションへ転送される。これらの画像及び追跡データに基づいて、ボリュメトリック超音波画像が、ワークステーションにおいて直ちに再構成される。MR画像及び超音波ボリュームが、空間的に位置合わせされる。プロシージャの間、オペレータは、前立腺をスキャンするために、手で2Dプローブを保持する。超音波プローブの空間的な追跡、及びMRI座標系と追跡座標系との位置合わせは、ライブの超音波画像とMRIスキャンからの空間的に対応するマルチプラナー再構成(MPR)とのリアルタイム融合を可能にする。
【0027】
前立腺の動きが、超音波画像とMR画像との間の位置合わせ不良を生じさせる場合、リアルタイム2D超音波画像と静止超音波ボリュームとの間の画像ベースの位置合わせが、正しいMRI/TRUS融合を回復させるために実施される。ニードルが、ターゲットと位置合わせされると、組織サンプルが取得されることができる。
【0028】
追跡6ヶ所生検:追跡6ヶ所生検は、同じ臨床装置の下で狙撃生検と共に実施されることができる。それらの間の順序は重要でない。医師は、MRI画像を無視することができ、TRUSガイダンス下でのみ6ヶ所生検を実施することができる。TRUS画像及びプローブの対応する追跡情報が記録されることができる。6ヶ所生検のロケーションは、図3A−図3Dに示されるようにMRI/TRUS融合を使用してMRI画像上で(回顧的に)識別されることができる。
【0029】
図3A−図3Dを参照して、被検体内の前立腺領域の画像が例示的に示されている。図3A−3Dは、生検ニードル射撃のためのMRI/TRU融合の展開を示している。図3Dは、MRI及びTRU画像のアルファブレンディングを示している。この融合は、超音波によって提供される動的且つリアルタイムな画像とともに特定の組織を識別するために必要な正確さを提供する。図3A−図3Cは、患者中の解析され処置される標本の中点にフォーカスされたMRI画像の体軸、矢状及び冠状ビューをそれぞれ示している。マーカ302、304及び306は、生検標本の2つの端点(302及び306)及び中点(304)を示す。マーカ302、304及び306は、生検ニードルの軌道を示す。
【0030】
MRI画像が記述されているが、診断、プロシージャガイダンス及び処置計画のためにMRIボリュームを使用することに代わって、他の3D(又は4D)画像ボリュームが用いられることができる(例えば、コンピュータトモグラフィ(CT)、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)、シングルフォトンエミッションコンピュータトモグラフィ(SPECT)、3D超音波、及び癌蓋然性マッピング、並びにMRI、PET及びコントラスト超音波等の複数の診断画像の画像融合)。更に、電磁追跡を使用する代わりに、光学、機械又は他の追跡システムが用いられることができる。
【0031】
6ヶ所生検及び狙撃生検のロケーションが、MRI画像上で識別された後、それらのロケーションは、生検中に収集された標本の病理検査と相関付けられることができる。処置計画は、すべての癌ロケーションをカバーし、健康組織を残すように、MRI画像上で行なわれることができる。陽性及び陰性の生検コアは、局所治療の計画を立てるために使用されることができる。他の実施形態において、別個の6ヶ所生検及びMRI狙撃生検を実施する代わりに、6ヶ所生検の部位が、癌を発見する蓋然性を最大限にするために、MRIターゲットロケーションに基づいて最適化されることができる。記述されるプロセスは、乳房、肝臓、腎臓又は他の軟組織ターゲットの超音波/MR画像に適用されることもできる。
【0032】
局所治療のワークフローは、MRI狙撃生検のワークフローと同様である。MRIターゲットを使用する代わりに、処置計画は、プロシージャガイダンスのためにリアルタイムTRUS上で強調表示されることができる。治療モダリティは、クリオアブレーション、高周波アブレーション又は他のアブレーション治療、ブラキセラピー又は他の放射線ベースの治療又は光線力学療法のような、局所治療に適した任意のモダリティでありうる。
【0033】
有利には、異なる時間/日付に取得された幾つかの生検からの結果が、各生検について取得された再構成超音波ボリュームと、同じベースラインのMRIスキャン画像とを位置合わせすることによって、又は超音波スイープと、空間的に互いに位置合わせされる異なるMRIスキャン画像とを位置合わせすることによって、組み合わせられることができる。処置提供ロケーションは、生検ロケーションを追跡するために使用されるのと同じ追跡システムによって、同様に追跡され記録されることができる。システムは、次の/繰り返しの処置を行なうために処置計画において直前に処置された領域を検討することによって、ある時間にわたって複数の順次の処置を最適化するためにも使用されることができる(例えば同じ領域での不必要な処置の重複を回避する)。一実施形態において、電子画像は、カラー化されることができ、又は処置された領域又は処置されるべき領域又はそれらの両方を識別するためにマークを付されることができる。画像データの他の操作が更に企図される。
【0034】
添付の請求項を解釈する際に、以下の点が理解されるべきである:
a)「含む、有する」という語は、所与の請求項に列挙されるもの以外の他の構成要素又は処理の存在を除外しない。
b)或る構成要素に先行する「a」又は「an」という語は、このような構成要素の複数の存在を除外しない。
c)請求項における任意の参照符号は、それらの範囲を制限しない;
d)いくつかの「手段」は、ハードウェア又はソフトウェアによって実現される構造又は機能の同じアイテムによって表現されることができる。
e)特記されない限り、特定の処理シーケンスが必要とされることは意図されない。
【0035】
システム及び方法の好適な実施形態(説明的であり、制限することを意図しない)が記述されているが、変形及び変更が、上述の教示を考慮して当業者によって行なわれることができることが注意されるべきである。従って、添付の請求項によって概説されるように、ここに開示される実施形態の範囲及び精神の範囲内にある変更が、開示の特定の実施形態において行なわれることができることが理解されるべきである。こうして特許の法律によって要求される明細及び詳細を記述したが、請求項に記載され、特許証によって保護されることが望まれることは、添付の特許請求の範囲に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部組織の診断及び処置を統合する方法であって、
組織タイプを差別化することが可能である第1の技術を使用して、被検体の内部器官の少なくとも一部をイメージングするステップと、
リアルタイムの画像更新が可能である第2の技術の画像と融合される前記第1の技術の画像を使用して、生検部位に目標を定め、アクセスするステップと、
前記第1の技術の画像を使用して、前記生検部位のうちの少なくとも1つの処置を計画するステップと、
前記第1の技術の画像を前記第2の技術の画像と融合することにより、前記少なくとも1つの生検部位を処置する器具をガイドするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の技術は、磁気共鳴イメージングであり、前記第2の技術は、超音波イメージングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内部器官は、前立腺を含み、前記アクセスするステップは、6ヶ所生検及び磁気共鳴追跡生検を実施することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記内部器官は、任意の軟組織器官を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガイドするステップは、前記イメージングするステップの間に前記第1の技術を使用して取得された画像を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アクセスするステップは、追跡システムを使用して、前記融合された画像において器具を追跡することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガイドするステップは、前記融合された画像を使用して、局所治療をガイドすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記局所治療は、アブレーション治療、放射線ベースの治療及び光線力学療法のうち少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガイドするステップは、前記局所治療を実施するために、生検に用いられる画像ガイダンスシステムを適応させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ガイドするステップは、位置符号器及びテンプレートグリッドの一方を使用することによって、前記局所治療のための機械装置を用いることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
内部組織の診断及び処置を統合する方法であって、
磁気共鳴イメージングを使用して被検体の内部器官の少なくとも一部をイメージングするステップと、
追跡システムを使用して、MRI画像において生検部位の位置を特定するステップと、
リアルタイムの画像更新を有する超音波画像と融合される前記MRI画像を使用して、前記生検部位に目標を定め、アクセスするステップと、
前記MRI画像を使用して、前記生検部位のうちの少なくとも1つの治療を計画するステップと、
前記MRI画像を前記超音波画像と融合することによって、前記少なくとも1つの生検部位を処置する器具をガイドするステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記内部器官は前立腺を含み、前記生検部位に目標部位を定め、前記アクセスするステップは、6ヶ所生検、ブラインド生検、系統生検及び磁気共鳴追跡生検のうち少なくとも1つを実施することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ガイドするステップは、前記イメージングするステップの最中に取得されるMRI画像を用いる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アクセスするステップは、前記追跡システムを使用して、前記融合された画像において器具を追跡することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ガイドするステップは、前記融合された画像を使用して局所治療をガイドすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記局所治療は、アブレーション治療、放射線ベースの治療及び光線力学療法のうち少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガイドするステップが、前記局所治療を実施するために、生検のための画像ガイダンスシステムを適応させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ガイドするステップは、位置符号器及びテンプレートグリッドの一方を使用することによって、前記局所治療のための機械装置を用いることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
内部組織の診断及び処置を統合するシステムであって、
被検体の内部器官の少なくとも一部をイメージングするスキャナと、
前記スキャナからの画像に従って、生検部位に目標を定め、アクセスするための介入器具を追跡し、それに対応する局所治療の部位の位置を特定する追跡システムと、
プログラムを記憶するための関連するメモリストレージを有する処理ユニットであって、前記プログラムは、前記スキャナによってリアルタイムに取得された画像と、組織タイプを差別化することが可能な技術によって取得された画像とを融合するように構成され、前記プログラムは、前記スキャナによって取得された画像を使用して前記介入器具をガイドし、前記組織タイプを差別化することが可能な前記技術によって取得された前記画像上においてその位置を追跡するように構成され、前記プログラムは更に、前記内部器官又はその近傍での局所治療を計画し、実施するために、前記追跡された位置において取得された情報を用いるように構成される、処理ユニットと、
を有するシステム。
【請求項20】
前記スキャナは、超音波イメージングスキャナを含み、前記組織タイプを差別化することが可能な前記技術は、磁気共鳴イメージングを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記内部器官は、前立腺を含み、前記介入器具は、6ヶ所生検装置及び追跡生検装置のうち少なくとも一方を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記内部器官は任意の柔軟な組織器官を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記生検部位の位置は、生検された組織の病理結果に基づいて、前記局所治療をガイドするために用いられる、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記局所治療は、アブレーション治療、放射線ベースの治療及び光線力学療法のうち少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記局所治療は、位置符号器及びテンプレートグリッドの一方を使用することによってガイドされる機械器具を用いる、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記追跡された位置において取得される情報は、診断画像の陽性の生検ロケーション又は疑わしい領域の少なくとも一方を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記陽性の生検ロケーション又は疑わしい領域の前記少なくとも一方は、MRI画像において見つけられ、又はMRI及びPET画像と融合される、請求項26に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A−3D】
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【公表番号】特表2012−528649(P2012−528649A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513693(P2012−513693)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052152
【国際公開番号】WO2010/140075
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【出願人】(511288290)ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ アズ リプレゼンティッド バイ ザ セクレタリー デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ (2)
【Fターム(参考)】