説明

続流遮断装置及びアークホーン装置

【課題】最大遮断電流の向上及び異常な圧力上昇の抑制を図り、しかも小型化を図ることができる続流遮断装置及びアークホーン装置を提供する。
【解決手段】基端部側に電極先端部15が挿入固定される絶縁性筒体10を備える。絶縁性筒体10には、電極先端部15の先端縁部17aが突入状となる電極側大径部18と、電極側大径部18に連設される出口側小径部20とを有する通孔22が開設されている。出口側小径部20は絶縁性筒体10の先端面19に開口する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、続流遮断装置及びアークホーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
がいし装置において、雷などによって、がいし連にフラッシュオーバが生じ、続いて流れるアーク電流によってがいしが破損したり、電線が溶断するのを防止する目的でアークホーンを取付ける。すなわち、アークホーンは、アークの発弧点を電線以外のところに移すと共に、アークをがいしから離し、電線及びがいしを保護するものである。
【0003】
そして、がいし装置では、一般には、接地側アークホーンと線路側アークホーンとを配置するものである。この場合、接地側アークホーンと線路側アークホーンとの間で閃絡すると遮断機が動作し、停止事故(停電)となり、電力供給に支障をきたすことになる。また、続流(アーク)によって、設備の溶損や破損が生じる場合もある。そこで、アークホーン装置として従来から続流遮断装置を備えたものがあった。続流遮断装置としては、例えば、アークホーンの先端に絶縁筒体を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1に記載の続流遮断装置は、図5に示すように、がいし装置に付設されたアークホーン51、52の一方(接地側)のアークホーン51の先端に取付けられる絶縁筒体53を備えている。この場合、がいし連54の上端に設けられる接地側ホーン取付具55を介して接地側アークホーン51が取付けられ、がいし連54の下端に設けられる接地側ホーン取付具56を介して線路側アークホーン52が取付けられている。そして、雷撃時のアークホーン51の閃絡が絶縁筒体53に通して起こったときに、アーク熱でこの絶縁筒体53内に発生した高圧ガスの噴射により続流をこの絶縁筒体53内で遮断するようにしている。
【特許文献1】特許第2926291号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、配電線用がいし装置では、元来アークホーン間隔が小さく、絶縁筒体53の筒長や外部ギャップ長が制限(制約)され、遮断性能向上に制約があった。さらに、上記特許文献1に記載の続流遮断装置では、最大遮断電流を向上するためには、絶縁筒体53の筒長を大きくする必要がある。しかしながら、小型化を図る上で絶縁筒体53の筒長を大きくするには設計上の制約があった。
【0006】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、最大遮断電流の向上及び異常な圧力上昇の抑制を図り、しかも小型化を図ることができる続流遮断装置及びアークホーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで請求項1の続流遮断装置は、基端部側に電極先端部15が挿入固定される絶縁性筒体10を備えた続流遮断装置であって、上記絶縁性筒体10は、上記電極先端部15の先端縁部17aが突入状となる電極側大径部18と、この電極側大径部18に連設されて絶縁性筒体10の先端面19に開口する出口側小径部20とを有する通孔22が開設されていることを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の続流遮断装置では、上記電極先端部15の先端縁部17aが突入状となる電極側大径部18と、この電極側大径部18に連設されて絶縁性筒体10の先端面19に開口する出口側小径部20とを有する通孔22が開設された絶縁性筒体10を備えているので、故障電流によるアークがこの絶縁性筒体10内で発生した場合、アーク熱による溶解によって発生する消弧性ガスの発生量が増すことになって、遮断性能を向上することができる。さらに、電極側大径部18を有することによって、この絶縁性筒体10内で発生する圧力上昇を抑制できる。特に、通孔22として、電極側を大径部とすると共に、出口側を小径部としたことにより、低電流域でもアークジェットの噴出圧力を保ったまま消弧性ガスの作用による圧力上昇が得られ、電極側筒容積が大きいことから放圧に伴う筒内の消弧性ガス圧力の減衰時間が長く、遮断に必要な筒内の絶縁耐力を長く保つことが可能となる。また、絶縁性筒体10内において電流のピークと電圧のピークとをずらすことができる。
【0009】
請求項2のアークホーン装置は、上記請求項1の続流遮断装置を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2のアークホーン装置では、上記請求項1の続流遮断装置を備えているので、この続流遮断装置が有する作用を発揮することができる。
【0011】
請求項3のアークホーン装置は、設置スペースに制限がある配電線用に使用することを特徴としている。
【0012】
上記請求項3のアークホーン装置では、設置スペースに制限がある配電線用に使用するものであるが、配電用の小さい(短い)スペースに十分対応することができる小型化が可能である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の続流遮断装置によれば、絶縁性筒体内での圧力上昇の抑制、及びアーク熱による溶解によって生じる消弧性ガスの発生量が増大することによる遮断性能の向上を図ることができる。また、小電流領域での圧力上昇を得ることが可能となり、電流領域に関係せず安定した遮断特性が得られる。しかも、放圧に伴う絶縁性筒体内の消弧性ガス圧の減衰時間が長く、遮断に必要な絶縁性筒体内の絶縁耐力を長く保つことが可能となり、また、電流のピークと電圧のピークとをずらすことができる。このため、小型化しても遮断性能及び絶縁回復性能を高く設計できる。この小型化により、低コスト化を達成できると共に、電極間が短い22kV(電極間120mm)程度の電圧域のがいしに適用されるアークホーンにこの続流遮断装置の取付けが可能となる。また、遮断性能や絶縁回復性能の向上等により遮断電流を高く設計できるため短絡容量の大きな線路にも適用できる。さらに、1線地路電流および短絡電流を多数回遮断できるので、メンテナンスにかかる維持管理費用を低減することができる。また、電力系統で使用した場合、変電所における遮断機の作動防止を図ることができ、停電対策および瞬時電圧低下に有効となり安定した電力供給ができる。このように、この続流遮断装置では、遮断性能の向上と、消弧性ガスの絶縁回復への影響度合いの向上を実現することが可能となり、絶縁性筒体の小型化と半サイクルで遮断可能な最大遮断電流の向上が可能となる。
【0014】
請求項2のアークホーン装置によれば、上記請求項1の続流遮断装置を備えているので、この続流遮断装置が有する効果を発揮することができる。
【0015】
請求項3のアークホーン装置によれば、配電線用の短いLPがいし(ラインポストがいし)等に対応することができ、遮断性能に優れた配電用のアークホーン装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、この発明の続流遮断装置及びアークホーン装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1にこの発明の続流遮断装置の断面図を示し、図2はこの発明のアークホーン装置が取付けられたがいし装置の側面図を示し、図3はこのがいし装置の正面図を示している。このがいし装置1は、線押え金具2を介して鉄塔(図示省略)に取付られるがいし連3を備える。この場合、がいし連3の上部に線路側ホーン取付具4が取付けられると共に、がいし連3の下部に接地側ホーン取付具5が取付けられる。そして、線路側ホーン取付具4に線路側アークホーン6が取付けられ、接地側ホーン取付具5に接地側アークホーン7が取付けられる。すなわち、線路側ホーン取付具4に取付けられた線路側アークホーン6と、接地側ホーン取付具5に取付けられた接地側アークホーン7等で上記アークホーン装置8を構成することができる。
【0017】
そして、続流遮断装置は、図1に示すように、絶縁性筒体10を備える。絶縁性筒体10は線路側アークホーン6に取付けられる。すなわち、絶縁性筒体10は、その孔部11が、基端側のねじ孔12と、中間部の大径部13と、先端側の小径部14とを有するものである。そして、ねじ孔12に、線路側アークホーン6の先端部(電極先端部)15のねじ部16が螺着される。これによって、この絶縁性筒体10はその基端部側に電極先端部15が挿入固定されることになる。
【0018】
このように、電極先端部15が連結された状態では、上記孔部11の大径部13が、電極先端部15の先端縁部17aが突入状となる電極側大径部18を構成し、孔部11の小径部14が、電極側大径部18に連設されて絶縁性筒体10の先端面19に開口する出口側小径部20を構成する。この実施形態においては、電極側大径部18と出口側小径部20との間に、出口側小径部20に向かって順次縮径するテーパ部21が介設されている。すなわち、電極側大径部18とテーパ部21と出口側小径部20とでもって、電極先端部15の先端テーパ部17の先端縁部17aが突入状となると共に、絶縁性筒体10の先端面19に開口する通孔22が形成される。
【0019】
上記絶縁性筒体10は、絶縁性・耐摩耗性等に優れたポリアミド樹脂、例えばモノマーキャストナイロン等が使用され、その外径寸法Dとしては、繰り返し遮断動作による上記通孔22の拡径(広がり)を考慮して、30mm程度とし、電極側大径部18の長さ寸法L1(電極先端部15の先端から出口側小径部20までの寸法)を50mm程度とし、電極側大径部18の内径寸法D1を8mm程度とし、出口側小径部20の長さ寸法L2を20mm程度とし、出口側小径部20の内径寸法D2を6mm程度とする。また、絶縁性筒体10の全長Lを120mm程度とする。なお、電極先端部15の外径寸法D3としては12mm程度とされる。
【0020】
ところで、絶縁性筒体10のような筒状遮断部を設けることによって、故障電流によるアークが発生した場合、アーク熱による筒内部の容損によってガスが発生し、筒内部圧力が上昇すると共に強い気流が発生してアーク電圧が大きくなる。筒内部の強い気流は、アークの抵抗を高め損失を大きくすることになり、遮断能力が向上する。この場合、同じ圧力を筒内に発生できたとすると、大気圧である筒出口までに、損失が小さいほど出口での噴出速度が高くなる強い気流を発生することができる。すなわち、筒孔径を途中まで大きくすることによって、この損失を小さくできる。また、乱流やアークの延伸によってアーク半径を小さくすれば、アーク抵抗を高め遮断の能力を向上させることができる。そして、乱流はレイノルズ数(速度・直径(筒孔径)/動粘性係数)が一定以上で発生する。この乱流が発生することによって、筒内部(筒内周面)と筒軸心部との圧力差が緩和することから筒の損失係数が小さくなる。このため、アーク半径を小さくするためには、筒の直径として、所望の圧力が得られる範囲内で大きくするのが好ましい。さらに、筒に径が大から小に変化した場合、その変化点で縮流が発生し、変化後の孔径よりもさらに小さくなったように作用する。このため、アークの周辺から垂直方向に気流を吹付ける形となって、アーク半径を絞ることができる。
【0021】
上記続流遮断装置では、電極先端部15の先端縁部17aが突入状となる電極側大径部18と、この電極側大径部18に連設されて絶縁性筒体10の先端面19に開口する出口側小径部20とを有する通孔22が開設された絶縁性筒体10を備えているので、故障電流によるアークがこの絶縁性筒体10内で発生した場合、アーク熱による溶解によって発生する消弧性ガスの発生量が増すことになって、遮断性能を向上することができる。この際、上記したように、通孔22が、電極側大径部18と出口側小径部20とを備えているので、強い気流の発生による遮断能力の向上と、乱流の発生や段差部での縮流発生等によるアーク半径の縮小に基づく遮断能力の向上とを図ることができ、優れた遮断能力を発揮することができる。さらに、電極側大径部18を有することによって、この絶縁性筒体10内で発生する圧力上昇を抑制できる。このため、小型化を図ることができて低コスト化を達成できる。そして、小型化により、電極間が短い22kV(電極間120mm)程度の電圧域のがいしに適用されるアークホーン装置にこの続流遮断装置の取付けが可能となる。また、電力系統で使用した場合、変電所における遮断機の作動防止を図ることができ、停電対策および瞬時電圧低下に有効となり安定した電力供給ができる。特に、通孔22として、電極側を大径部とすると共に、出口側を小径部としたことにより、低電流域でもアークジェットの噴出圧力を保ったまま消弧性ガスの作用による圧力上昇が得られ、電流領域に関係せず安定した遮断特性を得ることができる。しかも、電極側筒容積が大きいことから放圧に伴う筒内の消弧性ガス圧力の減衰時間が長く、遮断に必要な筒内の絶縁耐力を長く保つことが可能となり、また、絶縁状筒10内において電流のピークと電圧のピークとをずらすことができる。このため、小型化しても遮断性能及び絶縁回復性能を高く設計でき、短絡容量の大きな線路にも適用できる。さらに、1線地路電流および短絡電流を多数回遮断できるので、メンテナンスに係る維持管理費用を低減することができる。また、電力系統で使用した場合、変電所における遮断機の作動防止を図ることができ、停電対策および瞬時電圧低下に有効となり安定した電力供給ができる。従って、この続流遮断装置では、遮断性能の向上と、消弧性ガスの絶縁回復への影響度合いの向上を実現することが可能となり、絶縁性筒体10の小型化と半サイクルで遮断可能な最大遮断電流の向上が可能となる。
【0022】
上記図1に示す絶縁性筒体10を備えた続流遮断装置を具備するアークホーン装置では、この続流遮断装置が有する作用効果を有効に発揮することができる。すなわち、このようなアークホーン装置では、遮断性能に優れ、アークホーン装置として安定した機能を発揮することができると共に、絶縁性筒体10内での圧力上昇を防止でき、小型化及び低コスト化等を図ることができる。このため、この続流遮断装置は配電線用の小さい(短い)スペースに十分対応することができる小型化が可能である。すなわち、この続流遮断装置は、配電用の短いLPがいし(ラインポストがいし)等に対応することができることになって、設置スペースに制限がある配電線用に使用することができ、しかも遮断性能に優れる。このように、続流遮断装置は絶縁性筒体10の長さ(筒長)を小さくして小型化を図ることができるので、がいしにこの続流遮断装置を直接的に取付けることができ、アークホーン装置全体のコンパクト化を達成できる。
【0023】
ところで、片端開放の一様な孔径の絶縁性筒体の場合、通常初期はよどみ点が筒中心付近にあり、その後よどみ点は閉口端側に移る。また、上記実施の形態のような段差を有する絶縁性筒体10の場合、アブレーションの状況等が筒径で異なるためよどみ点が複数個所発生するが、次第に閉口端側に圧力が溜り、同様に閉口端側に移る。このため、どちらの場合も遮断する電流ゼロ点では、よどみ点が閉口端にあり、噴出するガスの流れは閉口端から開口端への一方向になっている。このため、孔径を大きくすれば、損失が小さくなるが、上記絶縁性筒体10では、アーク熱によって筒体内部をアブレーションさせて圧力を発生させており、孔径が小さいほど発生圧力は大きい。よって、遮断に必要な所望の圧力を得るためには、例えば、孔が段差を有さないストレート孔の絶縁性筒体において、22kVの短絡電流を遮断する場合、70mm以下の孔長さでは孔径が6mm以下とするのが好ましい。このため、上記実施の形態のような段差を有する絶縁性筒体10では、22kVの短絡電流を遮断する場合、図1に示した形状及び寸法とするのが好ましい。
【0024】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記図1に示す絶縁性筒体10では、小型化を進めた続流遮断装置の好適な形態の1例であるが、電極側大径部18及び出口側小径部20の径寸法や長さ寸法の比率等によって、遮断能力の高い電流条件を選択することができる。例えば、6kA付近の遮断性能を向上させるには、図1において、長さ寸法Lを120mmとし、長さ寸法L1、L2をそれぞれ35mmとし、外径寸法Dを30mmとし、電極側大径部18の内径寸法D1を8mmとし、出口側小径部20の内径寸法D2を6mm等とすることによって可能となる。また、上記図1に示す絶縁性筒体10では、電極側大径部18と出口側小径部20とを設けたことによって、段付を1個だけ設けるようにしたが、段数(段付の数)の増加も可能である。すなわち、段数、異径部位の径寸法、異径部位の長さの比率等により、圧力上昇の抑制効果、ガス発生量増大、及びガス圧減衰の遅延などの効果のバランスが異なるが、必要な遮断電流条件に応じて、設計変更が可能である。また、通孔22の長さを大とすることによって、絶縁回復性能の向上を図ることができるので、絶縁性筒体10を大きくすることで、22kV、12kAよりも高い条件の続流遮断も可能である。このように、異径部位の孔径、異径部位の長さの比等を変更することによって、所望の遮断条件、圧力条件を得ることができる。さらに、上記実施の形態では、絶縁性筒体10を、モノマーキャストナイロン等のポリアミド樹脂にて構成したが、ポリアミド樹脂以外の絶縁性・耐摩耗性等に優れた樹脂にて構成してもよい。さらに、絶縁性筒体10を線路側アークホーン6のみに取付けようにしているが、線路側アークホーン6に代えて、接地側アークホーン7のみに取付けてもよく、あるいは接地側アークホーン7と線路側アークホーン6とに取付けるようにしてもよい。
【実施例】
【0025】
次に実施例として、図1に示す絶縁性筒体10を使用した場合と、通孔が段差を有さない絶縁性筒体とを使用した場合とで、遮断性能とアーク電圧の抑制効果について調べた。遮断性能については次の表1に記載し、アーク電圧の抑制効果については図4のグラフ図に記載した。この表1において、ストレートとは通孔が段差を有さない絶縁性筒体を示し、段付とは、図1に示ように電極側大径部18と出口側小径部20とを有する絶縁性筒体を示している。また、遮断部長さとは、電極先端部15の先端から出口9までの長さであり、ストレートの欄の6mmは、この遮断部を構成するストレート孔の孔径であり、段付の欄の電極側とは電極側大径部18であって、50mmとは図1における長さ寸法L1であり、8mmとは図1における内径寸法D1であり、先端側とは出口側小径部20であって、20mmとは図1における長さ寸法L2であり、6mmとは図1における内径寸法D2である。この場合、22kV架空線路としている。また、図4は短絡電流とアーク電圧との関係を示している。
【0026】
【表1】

【0027】
上記表1から、電極側大径部と出口側小径部とを有する絶縁性筒体(段付筒体)は、22kV系統における短絡電流12kAまで遮断可能であることがわかり、通孔が段差を有さない絶縁性筒体(ストレート筒体)よりも遮断性能の向上を達成できる。そして、上記図4からわかるように、段付筒体はストレート筒体よりもアーク電圧(内圧)上昇を確実に抑制することができる。また、続流遮断時のガス噴出状況をカメラ(高速カメラ)で観察すると、段付筒体が、電流ゼロ点においてもガス噴射量が多いことが観測でき、ガスの発生量の増大と放圧に伴う筒内ガス圧減衰時間の延長時間の効果があることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の続流遮断装置の実施形態を示す断面図である。
【図2】この発明のアークホーン装置が取付けられたがいし装置の側面図である。
【図3】上記がいし装置の正面図である。
【図4】短絡電流とアーク電圧との関係を示すグラフ図である。
【図5】従来のアークホーン装置が取付けられたがいし装置の簡略図である。
【符号の説明】
【0029】
10・・絶縁性筒体、15・・電極先端部、17a・・先端縁部、18・・電極側大径部、19・・先端面、20・・出口側小径部、22・・通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部側に電極先端部(15)が挿入固定される絶縁性筒体(10)を備えた続流遮断装置であって、上記絶縁性筒体(10)は、上記電極先端部(15)の先端縁部(17a)が突入状となる電極側大径部(18)と、この電極側大径部(18)に連設されて絶縁性筒体(10)の先端面(19)に開口する出口側小径部(20)とを有する通孔(22)が開設されていることを特徴とする続流遮断装置。
【請求項2】
上記請求項1の続流遮断装置を備えたことを特徴とするアークホーン装置。
【請求項3】
設置スペースに制限がある配電線用に使用することを特徴とする請求項2のアークホーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−12580(P2006−12580A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187521(P2004−187521)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【出願人】(000204365)大トー株式会社 (3)
【出願人】(391001538)日本カタン株式会社 (20)
【Fターム(参考)】