説明

綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置

【課題】 綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置であって、該巻取装置が、巻管受容皿間で綾巻きボビンの巻管を保持するためのボビンフレームとボビンフレームに組み込まれた、回転数制御可能な駆動装置と、別個の駆動手段を有する糸綾振り装置とを備えている形式のものを改良する。
【解決手段】 駆動装置27が、綾巻きボビン11を停止させるために、制動電流で負荷可能であり、制動電流が綾巻きボビン11の回動方向SRとは逆向きのモーメントを形成しており、駆動装置27がスライドブシュ35に配置されており、ボビンフレームを開放する必要のある場合に巻管受容皿38のうちの1つが外側へ移動可能であるように、スライドブシュ35が、ばねエレメントの調節力に対抗して、空気力式で移動可能に支承ケーシング23に支承されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置であって、該巻取装置が巻管受容皿間で綾巻きボビンの巻管を保持するためのボビンフレームを備えており、前記巻取装置が前記ボビンフレームに組み込まれた、回転数制御可能な駆動装置を備えていて、該駆動装置が前記ボビンフレームの支承ケーシング内で軸方向可動に配置されていて、かつ巻管受容皿に結合されており、前記巻取装置が別個の駆動手段を有する糸綾振り装置を備えている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような繊維機械の巻取装置は、たとえばプレシジョンワインディング(Praezisionswicklung)もしくはステッププレシジョンワインディング(Stufen-Praezisionswicklung)である巻取形式の綾巻きボビン製作に関して公知である。
【0003】公開されたドイツ連邦共和国特許出願公開第19908093号明細書には、たとえばボビンフレーム内で保持された綾巻きボビンが、ボビンフレームに組み込まれた駆動モータによって直接駆動される巻取装置が記載されている。綾巻きボビンは、自体は駆動しないいわゆる圧着ローラに載設されている。巻き上げようとする糸の綾振り運動は、フィンガ状の糸ガイドによって行われ、フィンガ状の糸ガイドは別個の駆動手段によって負荷される。適当な制御装置を介して両方の駆動系は、常に予め選択可能な所定のワインディング比が得られるように制御することができる。
【0004】綾巻きボビンは、たとえば前方に位置するコップの静止時、糸破断時、または制御された糸クリアラ切断後に、巻取経路上で頻繁に停止しなければならないので、公知の巻取装置はさらにボビン駆動装置に組み込まれた空気力式に負荷可能な制動装置を備えている。この公知の制動装置は、ステータケーシングに回動不能に配置されたブレーキライニングから成っており、このブレーキライニングに、制動ディスクとして形成された、巻管受容皿の接触面が空気力式に圧着可能である。この場合に生じるブレーキモーメントは綾巻きボビンを短時間で停止状態にもたらす。
【0005】公知の巻取装置は一連の欠点を有している。すなわち、回転する制動ディスクも定置のブレーキライニングも極めて大きな摩耗にさらされており、したがって比較的保守が集中的である。さらに生じるブレーキダストは、容易に巻取駆動装置の軸方向スライドガイド、ならびに電動モータの支承部に入り込み、これらの構成部分が故障することになり得る。
【0006】さらにたとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第19836701号明細書によって、綾巻きボビンを駆動し、かつ同時に糸を綾振り運動させる溝付ドラムが綾巻きボビンを持ち上げたあとで電気式に停止状態に減速されるようになっている、巻取装置が公知である。
【0007】このために溝付ドラムの駆動モータが、駆動モータの定格電流の少なくとも何倍もにあたる制動電流で負荷される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式の、綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置を改良することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するための本発明の装置によれば、駆動装置が、綾巻きボビンを停止させるために、制動電流で負荷可能であり、該制動電流が綾巻きボビンの回動方向とは逆向きのモーメントを形成しており、駆動装置がスライドブシュに配置されており、ボビンフレームを開放する必要のある場合に巻管受容皿のうちの1つが外側へ移動可能であるように、スライドブシュが、ばねエレメントの調節力に対抗して、空気力式で移動可能に支承ケーシングに支承されている。
【0010】本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0011】
【発明の効果】本発明のように構成されていると、巻取装置に対応配置された制動装置が、一方ではほぼ摩耗なしに作動し、他方では綾巻きボビンを短時間で確実に停止状態に制動する、という利点が得られる。
【0012】駆動装置を受容するスライドブシュに作用するばねエレメントによって、巻管受容皿間において摩擦結合で保持されたボビン巻管に対する、加速中および制動時のスリップのない十分な保持が確実に保証される。同時に本発明の実施形態によれば、ボビンフレームが必要な場合いつでも問題なく開放できるということも保証される。つまり、スライドブシュがばねエレメントの調節力に対抗して支承ケーシングに進入可能であるように、スライドブシュ、ひいては巻管受容皿のうちの1つと結合された駆動装置は空気力式に負荷可能である。該当する巻管受容皿は外側へずらされるので、綾巻きボビンのボビン巻管、ひいては綾巻きボビンが確実に開放される。
【0013】綾巻きボビンを制動するために、駆動装置は、最終段の適当な制御によって、まず綾巻きボビンの回動方向とは逆向きのモーメントを形成しかつ必要な場合定格電力の何倍もの値をとることができる制動電流で負荷される。駆動装置に形成されたブレーキモーメントによって、容量の大きい綾巻きボビンも短時間で確実に停止状態に減速するように配慮される。
【0014】請求項2に記載したような有利な実施形態によれば、駆動装置が電気的に整流された直流モータとして形成されており、該直流モータのロータに巻管受容皿のうちの1つが結合されている。そのようにして形成された駆動装置によって、良好なコスト/出力状態を特徴とするコンパクトで強い出力の駆動装置が得られる。
【0015】請求項3に記載したように、駆動装置を受容するスライドブシュが少なくとも1つのばねエレメントによって負荷されており、ばねエレメントのばね力が駆動装置の回転軸線に対して平行で、ボビンフレーム中央に向いている。すなわち、ばねエレメントによって巻管受容皿間に配置された綾巻きボビンが確実にクランプされることになる。
【0016】請求項4に基づく有利な実施形態によれば、ばねエレメントがコイルばねとして形成されており、該ばねエレメントがスライドブシュに作用している。有利には2つのコイルばねがスライドブシュの対応する受容孔に嵌め込まれていて、定置の支承ケーシング壁部に支持されている。駆動装置を内側に備えている、移動可能に支承されたスライドブシュは、既に説明したように、ばねエレメントによって持続的にボビンフレーム中央に向かって負荷される。すなわち、ばねエレメントの高い圧着力によって、巻管受容皿間に配置されたボビン巻管が常時確実にクランプされているようになる。ばねエレメントの分配もしくは配置は、支承ケーシング内部における片側の力係合、ひいてはスライドブシュの傾斜が排除されているように、選択されている。
【0017】請求項5に記載したような有利な実施形態によれば、駆動装置を受容するスライドブシュと、ボビンフレームの支承ケーシングとの間にリング室が配置されており、該リング室が所定の圧縮空気で負荷可能である。つまり、リング室の所定の圧縮空気負荷によって、スライドブシュは、該スライドブシュに作用するばねエレメントのばね力に対抗して、巻管受容皿のうちの1つが外側へ移動され、これによってその時点まで巻管受容皿間に保持された、綾巻きボビンの巻管が解放されるように、移動することができる。
【0018】請求項6および請求項7に記載したように、スライドブシュのリング室が、有利には3ポート2位置弁として形成されている電磁弁を介して、繊維機械の圧縮空気源と接続されている。そのように形成された電磁弁を使用することによって、簡単かつ確実な形式で、該当するボビンフレームの所定の制御が、巻取位置計算機によって可能になる。つまり、ボビンフレームの支承ケーシングにおいて移動可能に支承されたスライドブシュは、必要な場合、巻管受容皿のうちの1つがフレーム開放作動の行われるように、いつでも空気力式に負荷することができる。
【0019】請求項7に記載されているように、手動でもボビンフレームを開放できるように、前述の弁が手動式作動手段も備えている。この手動式作動手段によって、巻取位置計算機とは無関係に、たとえば試験用ボビンを取り出すために、ボビンフレームを手動で開放することができる。
【0020】さらにボビンフレームに対向受けが設けられており、この対向受けに対応する工具が使用可能である。対向受けによって、必要とあらば、ばね力負荷されたスライドブシュは手動で移動することができるので、繊維機械に圧縮空気が十分でないか、または極度の圧縮空気の圧力低下が生じる場合、ボビンフレーム自体の開放が可能である。(請求項8)
【0021】
【発明の実施の形態】図1には、全体を符号1で示した綾巻きボビンを製造する繊維機械、たとえば自動綾巻きボビン製造機が側面図で概略的に示されている。
【0022】このような形式の自動綾巻きボビン製造機は、一般的な形式で、端部フレーム(図示せず)間で同形の多数の作業位置、図示の実施例では巻取位置2を備えている。
【0023】この巻取位置2では、公知であるので詳しくは説明しないが、リング紡績機において製作された紡績コップ9が容積の大きい綾巻きボビン11に巻き返される。綾巻きボビン11の完成後、綾巻きボビン11は、たとえば旋回軸19を中心とするボビンフレーム18の旋回によって、機械長さの綾巻きボビン搬送装置21に移され、機械端部側に配置されたボビン積み込みステーション(図示せず)などに搬送される。
【0024】さらにそのような自動綾巻きボビン製造機1は、一般的な形式で、ボビンおよび巻管搬送装置3の構成をしたロジスティック装置(Logistikeinrichtung)を備えている。このロジスティック装置内において、搬送皿8上を、垂直方向で位置固定された紡績コップ9もしくは空巻管34が循環する。
【0025】公知のボビンおよび巻管搬送システム3から、図1には、コップ供給区間4、逆転方向に駆動可能な貯蔵区間5、巻取位置2に通じる横方向搬送区間6のうちの1つ、ならびに巻管戻し区間7だけが示されている。
【0026】提供された紡績コップ9は、巻取位置2の横方向搬送区間6の領域に存在する繰り出し位置10において、容積の大きい綾巻きボビン11に巻き返される。
【0027】さらにそのような自動綾巻きボビン製造機1は中央制御ユニット37を備えており、中央制御ユニット37は機械バス40を介して個々の巻取位置2の別個の巻取位置計算機39と接続されている。
【0028】個々の巻取位置2は、公知であるので単に示唆するにとどめるが、作業位置の適正な駆動を可能にする様々な装置を備えている。
【0029】図1には、紡績コップ9から綾巻きボビン11に走行する糸が符号30で、吸引ノズルが符号12で、ならびにグリッパ管が符号42で示されている。さらにそのような巻取位置2は、撚り継ぎ装置13、糸緊張装置14、糸クリアラ15、パラフィン処理装置16、糸切断装置17、糸張力センサ20、ならびに下糸センサ22を備えている。
【0030】全体を符号24で示した巻取装置は、特にボビンフレーム18を備えており、このボビンフレーム18は旋回軸19を中心に可動に支承されている。ボビンフレーム18は、たとえば円錐形の綾巻きボビンを製作するために、軸線25を中心に旋回することもできる。
【0031】巻取プロセス中、駆動される綾巻きボビン11はその表面で圧着ローラ26上に位置し、この駆動しない圧着ローラ26を、摩擦結合を介して連行する。綾巻きボビンの駆動は、回転数制御可能な駆動装置27を介して行われる。有利には電気的に整流可能な直流モータとして形成された駆動装置27は、図2〜図4から判るように、ボビンフレーム18の支承ケーシング23に組み込まれている。
【0032】巻取プロセス中に糸30を綾振りさせるために、糸綾振り装置28が設けられている。図2に示したこのような綾振り装置は、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第19858548号明細書に詳しく記載されている。
【0033】糸綾振り装置28は、実質的にフィンガ状に形成された糸ガイド29から成っており、この糸ガイド29は電気機械式の駆動手段31によって負荷され、かつ糸30を、図2に示したように、綾巻きボビン11の両端面間に綾振りさせる。糸30は糸ガイド29を通って巻き付けられる間、ガイド条片32上をスライドされる。
【0034】図3および図4において断面図で示された、綾巻きボビン11のための駆動装置27は、既に記載したように、ボビンフレーム18の支承ケーシング23に軸方向でシフト可能に支承されている。
【0035】すなわち、駆動装置27のステータ33はスライドブシュ35に位置固定されており、スライドブシュ35は支承ケーシング23の内側において軸方向でシフト可能であるが、回動止め36によって回動不能に調節案内されている。スライドブシュ35にばねエレメント43が作用しており、ばねエレメント43はスライドブシュ35をボビンフレーム中央に向かって負荷している。
【0036】支承ケーシング23とスライドブシュ35との間にリング室41が配置されており、このリング室41は空気力管路を介して電磁弁、有利には3ポート2位置弁44に接続されている。3ポート2位置弁44は、切換磁石45も手動式作動手段46も備えていて、空気力管路47を介して圧縮空気源48と接続されている。
【0037】図3および図4に示したように、電気的に整流された駆動装置27のステータ33の巻線は、直流線路51,52を介して直流電源(図示せず)に接続されている。さらに支承部54,55に支持されているロータ53に巻管受容皿38が結合されており、この巻管受容皿38は巻管受容皿38′と協働して綾巻きボビン11の巻管57を伝力結合式に固定している。
【0038】次に本発明の機能を詳しく説明する。
【0039】通常の巻取駆動中、巻管受容皿38と巻管受容皿38′との間で伝力結合式に固定された綾巻きボビン11は駆動装置27によって回転される。つまり、駆動装置27のロータ53と結合された巻管受容皿38が巻取方向SRで回転し、綾巻きボビン巻管57を連行する。この場合巻管受容皿38は、スライドブシュ35に作用するばねエレメント43によって、巻管受容皿38,38′と綾巻きボビン巻管57との間の確実な摩擦結合が、綾巻きボビン11の加速中にも、綾巻きボビンの減速中にも保証されているように、ボビンフレーム中央に向かって負荷される。
【0040】図2に示されているように、3ポート2位置弁44は巻取駆動中、切換位置0に位置しており、つまり、スライドブシュ35と支承ケーシング23との間に配置されたリング室41は無圧に切り換えられている。
【0041】綾巻きボビン11が指示された直径に達し、交換しなければならなくなると、駆動装置27はまず制動電流で負荷され、綾巻きボビン11は生じるブレーキモーメントによって電気式に停止状態に減速される。次いで図4に示したように、3ポート2位置弁44が切換位置Iに切り換えられるので、リングアーム41は圧縮空気源48に接続されている。流入する圧縮空気はスライドブシュ35を押圧し、ばねエレメント43のばね力に対抗して、支承ケーシング43に戻すので、ここまで巻管受容皿38,38′間に挟まれていた綾巻きボビン巻管57が巻管受容皿38,38′と接触解除される。そこで綾巻きボビン11は問題なくボビンフレーム18から取り出すことができる。
【0042】3ポート2位置弁44の制御は、一般的な形式で、巻取位置計算機39によって行われ、この巻取位置計算機39は制御線路50を介して電磁弁44の切換磁石45と接続されている。
【0043】たとえば巻取テストなどの必要な場合に、綾巻きボビン11を手動で交換するために、さらに3ポート2位置弁44に手動式作動手段46が設けられており、この手動式作動手段46を介して3ポート2位置弁44は手動で切換位置Iに切り換えることができる。
【0044】巻取位置2のボビンフレーム18を、たとえば一般的な圧縮空気の圧力降下の際に、手動でも開放することができるようにするために、ボビンフレームに対向受け49(Widerlager)も配置されている。この対向受け49に、レバー状の工具を差し込んで、これによってスライドブシュを圧縮空気なしでも支承ケーシングに入り込むように移動させることが可能で、つまり、ボビンフレームは開放状態として操作される。レバー工具はスライドブシュの適当な突出部に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】綾巻きボビンを製造する繊維機械の作業位置を示す側面図である。
【図2】図1の矢印Yに基づく、図1で示した作業位置の巻取装置を示す正面図である。
【図3】巻取装置のボビンフレームを示す正面図であって、閉鎖状態のボビンフレームと駆動装置とが断面図で示されている。
【図4】図3に基づく、開放状態のボビンフレームを示す図である。
【符号の説明】
1 繊維機械、 2 巻取位置、 3 ボビンおよび巻管搬送システム、 4コップ供給区間、 5 貯蔵区間、 6 横方向搬送区間、 7 巻管戻し区間、 8 搬送皿、 9 紡績コップ、 10 繰り出し位置、 11 綾巻きボビン、 12 吸込ノズル、 13 撚り継ぎ装置、 14 糸緊張装置、15 糸クリアラ、 16 パラフィン処理装置、 17 糸切断装置、 18ボビンフレーム、 19 旋回軸、 20 糸張力センサ、 21 綾巻きボビン搬送装置、 22 下糸センサ、 23 支承ケーシング、 24 巻取装置、 25 軸、 26 圧着ローラ、 27 駆動装置、 28 糸綾振り装置、 29 糸ガイド、 30 糸、 31 駆動手段、 32 ガイド条片、33 ステータ、 34 空巻管、 35 スライドブシュ、 36 回動止め、 37 中央制御ユニット、 38,38′ 巻管受容皿、 39 巻取位置計算機、 40 機械バス、 41 リング室、 42 グリッパ管、 43ばねエレメント、 44 3ポート2位置弁、 45 切換磁石、 46 手動式作動手段、 47 空気力管路、 48 圧縮空気源、 49 対向受け、50 制御線路、 51,52 直流線路、 53 ロータ、 54,55支承部、 56 回転軸線、 57 巻管、 SR 巻取方向、 0,I 切換位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置であって、該巻取装置が巻管受容皿間で綾巻きボビンの巻管を保持するためのボビンフレームを備えており、前記巻取装置が前記ボビンフレームに組み込まれた、回転数制御可能な駆動装置を備えていて、該駆動装置が前記ボビンフレームの支承ケーシング内で軸方向可動に配置されていて、かつ巻管受容皿に結合されており、前記巻取装置が別個の駆動手段を有する糸綾振り装置を備えている形式のものにおいて、前記駆動装置(27)が、前記綾巻きボビン(11)を制動するために、制動電流で負荷可能であり、該制動電流が前記綾巻きボビン(11)の回動方向(SR)とは逆向きのモーメントを形成しており、前記駆動装置(27)がスライドブシュ(35)に配置されており、ボビンフレームを開放する必要のある場合に巻管受容皿(38)のうちの1つが外側へ移動可能であるように、前記スライドブシュ(35)が、ばねエレメントの調節力に対抗して、空気力式で移動可能に支承ケーシング(23)に支承されていることを特徴とする、綾巻きボビンを製造する繊維機械のための巻取装置。
【請求項2】 前記駆動装置が電気的に整流された直流モータ(27)として形成されており、該直流モータ(27)のロータ(53)に前記巻管受容皿(38)の1つが結合されている、請求項1記載の巻取装置。
【請求項3】 前記スライドブシュ(35)に少なくとも1つのばねエレメント(43)が作用しており、該ばねエレメント(43)のばね力が前記駆動装置(27)の回転軸線(56)に対して平行に向いている、請求項1記載の巻取装置。
【請求項4】 ばねエレメントとしてコイルばね(43)が使用されている、請求項3記載の巻取装置。
【請求項5】 前記スライドブシュ(35)と前記支承ケーシング(23)との間にリング室(41)が配置されており、該リング室(41)が所定の圧縮空気で負荷可能である、請求項1記載の巻取装置。
【請求項6】 前記リング室(41)が電磁弁(44)を介して圧縮空気源(48)と接続されている、請求項5記載の巻取装置。
【請求項7】 電磁弁として3ポート2位置弁(44)が使用され、該3ポート2位置弁(44)が巻取位置計算機(39)を介して制御可能な切換磁石(45)と手動式作動手段(46)とを備えている、請求項6記載の巻取装置。
【請求項8】 ボビンフレーム(18)にレバー工具を受容するための対向受け(49)が設けられており、該対向受け(49)が前記ボビンフレーム(18)の開放を圧縮空気が不足していても可能にしている、請求項1記載の巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2002−114445(P2002−114445A)
【公開日】平成14年4月16日(2002.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−246270(P2001−246270)
【出願日】平成13年8月14日(2001.8.14)
【出願人】(591214789)ヴェー シュラーフホルスト アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー (5)
【Fターム(参考)】