説明

緊急処理システム

【課題】
緊急通報と共により正確に情報を伝達することができるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
撮影する撮影手段と時刻を計時する計時手段と店の住所や店名を記憶する記憶部と、緊急時であることを宣言する緊急宣言手段と前記緊急宣言手段により緊急宣言がなされると前記撮影手段により画像を撮影し緊急宣言と前記計時手段により緊急宣言がなされた時間と前記記憶部に記憶された情報と前記撮影手段により撮影された画像とを外部機器に送信する送信手段とを有する商品データ処理装置と、前記商品データ処理装置の前記送信手段から送信された情報を受信する受信手段と前記受信手段により受信した情報に画像が含まれるかを検知する検知手段と前記検知手段により画像があると検知されると画像と共に店の情報を表示する表示手段とを有するサーバと、を有することを特徴とする緊急処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警察や消防署、警備会社などへの緊急通報機能を備えた緊急処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアでは、POS端末のドロワに収容された現金を狙って強盗に入られることがある。そこで最近では、POS端末を専用回線又は公衆回線に直接的または間接的に接続し、キーボード上の特定キーを押下することによって上記回線を通じて警察等に自動的に緊急通報できるシステムが考えられている。こうすることにより、強盗に気付かれることなくほぼリアルタイムで外部へ緊急通報でき、防犯性がより高められる(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、どのような事態の詳細に関しては警察官や警備員が現場に赴かなければわからないことが多かった。
【0004】
このため本発明では緊急通報と共により正確に情報を伝達することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。撮影する撮影手段と、時刻を計時する計時手段と、店の住所や店名を記憶する記憶部と、緊急時であることを宣言する緊急宣言手段と、前記緊急宣言手段により緊急宣言がなされると前記撮影手段により画像を撮影し、緊急宣言と前記計時手段により緊急宣言がなされた時間と前記記憶部に記憶された情報と前記撮影手段により撮影された画像とを外部機器に送信する送信手段と、を有する商品データ処理装置と、前記商品データ処理装置の前記送信手段から送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した情報に画像が含まれるかを検知する検知手段と、前記検知手段により画像があると検知されると画像と共に店の情報を表示する表示手段と、を有するサーバと、を有することを特徴とする緊急処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明における一実施形態のPOS端末のブロック図
【図2】本発明における一実施形態の緊急サーバのブロック図
【図3】本発明における画像ファイルの一例を示す説明図
【図4】本発明における一実施形態のPOS端末の緊急通知処理のフローチャート
【図5】本発明における一実施形態の緊急サーバの画像処理のフローチャート
【図6】本発明における緊急サーバで表示される表示例
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1はPOS端末1のブロック図である。このPOS端末1には、演算装置・制御装置としてのCPU11が設けられている。このCPU11にはバスライン12を介して、ROM13、RAM14、HDDコントローラー15、キーボードコントローラー16、客用表示コントローラー17、店用表示コントローラー18、プリンタコントローラー19、カメラ20、通信インターフェイス(以下通信I/F26と記載する)が接続されている。そして、これらの各コントローラー15、16、17、18、19には、HDD21、キーボード22、顧客に対して取引結果などを表示する客用表示器23、接客係に対して取引結果などを表示する店用表示器24、レシートを印刷するプリンタ25が接続されている。
【0009】
前記ROM13には、前記CPU11によって読み出されて当該CPU11を様々な機能として働かせるプログラムや当該プログラムによるデータ処理の対象となる固定的なデータが格納されている。前記RAM14には、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアが動的に形成される。また、顧客が購入した商品のPLUコードに対応する商品名、単価、買上点数、その小計金額と合計金額などを取引ナンバーごとに記憶する。
【0010】
前記HDDコントローラー15は、前記HDD21に対するデータやプログラムなどの読み書きの制御を行う。このHDDコントローラー15によって制御される前記HDD21の記憶領域には、取引ナンバーごとに一取引の情報を記憶する取引ファイルや、商品ごとの売上を記憶する売上ファイルと、PLUコードに対応して商品名や金額などを記憶するPLUファイルが記憶されている。また、店の住所や緊急時に緊急通知を送信するサーバのアドレスなどが記憶されている緊急ファイルも記憶されており、後述する緊急通知キーが押下されると、この緊急ファイルに記憶されている情報などが後述する緊急サーバ50に送信される。なお、これらのファイルの図示は省略する。
【0011】
前記通信I/F26は、外部機器と通信を行う端末である。
【0012】
前記キーボードコントローラー16は、前記キーボード22からの入力信号を処理し、操作されたキーに対応するキーコードなどを前記バスライン12に送出するものである。このキーボードコントローラー16に接続されているキーボード22は、数字を入力するためのテンキー、PLUコードを入力するためのPLUキー、締め宣言を行う預/現計キー、電子マネーでの支払を宣言する電子マネー支払キーなどを備える。また、緊急通知キーを備えており、この緊急通知を押下すると、接続されているカメラにより画像を撮影し、外部の装置へ画像の送信を行う
前記客用表示コントローラー17は、顧客に対して取引結果などを表示する客用表示器23を制御し、前記CPU11などからの指令に応じて前記バスライン12から受取ったデータなどに基づく情報を客用表示器23の画面に表示させる。同様に、前記店用表示コントローラー18は、キャッシャに対して取引結果などを表示する店用表示器24の画面表示を制御する。
【0013】
前記プリンタコントローラー19は、用紙に所定の情報を印刷する印刷部や所定情報が印刷された用紙を切断するカッターなどを備えたプリンタ25を制御する。プリンタ25は、ロール状に巻かれた状態で納められている長尺紙の端を印刷の際に順次引き出して印刷用紙として使用し、その引き出された長尺紙の端から順に印刷部で印刷を行うものである。この印刷部で印刷される情報は、前記CPU11などからの指令に応じて前記バスライン12から受取ったデータなどに基づくものである。
【0014】
カメラ20は画像を撮影するために用いられ、前記緊急通知キーの押下により起動する。
【0015】
タイマーは日時を計時する。
【0016】
図2は緊急サーバ50のブロック図である。この緊急サーバ50は前記POS端末1から緊急通知やまた添付されていれば画像を受信する。
【0017】
この緊急サーバ50には、演算装置・制御装置としてのCPU51が設けられている。このCPU51にはバスライン52を介して、ROM53、RAM54、HDDコントローラー55、キーボードコントローラー57、表示コントローラー58、通信インターフェイス59(以下通信I/F59と記載する)が接続されている。そして、これらの各コントローラーには、HDD56、キーボード60、表示器61、が接続されている。
【0018】
前記HDD56には画像ファイル70が記憶される。
【0019】
前記画像ファイル70には前記POS端末1から送信された画像ファイルや緊急ファイルの情報などが記憶される。この画像ファイル70は図3に示すように店舗に一意に割り当てられる店舗―コードに対応付けて、受信した画像ファイル、緊急通知を受信した日時、店舗名、店住所が対応付けて記憶される。また、画像ファイルが存在しないときは画像ファイルの項目を「0000」として記憶する。
【0020】
以上のようなハードウェア構成、ファイル構成からなる前記POS端末1において、前記CPU11は予め設定されている動作モードに基づいて図4に示す処理を行う。
【0021】
まず、S(ステップ)1として、前記緊急通知キーが押下されたか否かを判別する。前記緊急通知キーが押下されたと判別されないと判別したなら(S1のNo)、再度S1の判別処理を行う。
【0022】
一方、前記緊急通知キーが押下されたと判別すると(S1のYes)、前記カメラ20にて画像を撮影し、前記HDD21に記憶する。そして、前記HDD21の緊急ファイルに記憶されている店舗コード、店舗名、住所と、前記タイマーにて計時する前記緊急通知キーを押下した時間と、前記画像と緊急通知メッセージを前記緊急サーバ50に送信する。
【0023】
続いて、前述したハードウェア構成、ファイル構成からなる前記緊急サーバ50において、前記CPU51は予め設定されている動作モードに基づいて図5に示す処理を行う。
【0024】
まず、S51として前記POS端末1から緊急通知メッセージを受信したか否かを判別する。受信しないと判別するなら(S51のNo)、再度受信判別を行う。
【0025】
一方、緊急通知メッセージを受信したと判別したなら(S51のYes)、前記POS端末1から送られてきた店舗コードや画像などを前記画像ファイル70に記憶する(S52)。
【0026】
続いて、受信した緊急通知メッセージに画像が添付されているか否かを判別する。これは前記画像ファイル70の画像ファイルの項目が0000か否かで判別を行う(S53)。
【0027】
画像ありだと判別されると(S53のYes)、図6に示すように画像と共に、店の名前、店の住所、緊急通知キーが押下された時間とが表示される(S54)。
【0028】
一方、画像なしだと判別されると(S53のNo)店の名前、店の住所、緊急通知キーが押下された時間とが表示され、画像部分はなしとして表示される。
【0029】
以上により、本発明によれば緊急通知と共に緊急通知を行った店舗の画像が表示されるのでより詳細に現場の状況を把握することができる。
【0030】
以上、本発明の実施の一形態についての動作を詳述したが、本発明はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。例えば、以下のような実施が考えられる。
【0031】
例えば本発明は前記キーボード22に緊急通知キーを設けたが、前記POS端末1にタッチパネルを設けて、そのタッチパネルに緊急通知キーを設けてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 POS端末
50 緊急サーバ
70 画像ファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開平6−44461号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影する撮影手段と、
時刻を計時する計時手段と、
店の住所や店名を記憶する記憶部と、
緊急時であることを宣言する緊急宣言手段と、
前記緊急宣言手段により緊急宣言がなされると前記撮影手段により画像を撮影し、緊急宣言と前記計時手段により緊急宣言がなされた時間と前記記憶部に記憶された情報と前記撮影手段により撮影された画像とを外部機器に送信する送信手段と、を有する商品データ処理装置と、
前記商品データ処理装置の前記送信手段から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した情報に画像が含まれるかを検知する検知手段と、
前記検知手段により画像があると検知されると画像と共に店の情報を表示する表示手段と、を有するサーバと、
を有することを特徴とする緊急処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−175403(P2011−175403A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38255(P2010−38255)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】