説明

総合健康測定器

【課題】
人体の総合的な健康を測定者に負担をかけることなく、より正確・より迅速に計測ができ、その計測結果が測定者とって、より分かりやすい装置を提供する。
【解決手段】
前記課題を解決するために本発明の装置は、頭部及び手部電極センサーに適度な接触圧力と接触面積を与える構造・構成とし、電極間の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激し、その電極間の生体ポテンシャルとして変換する。その変換した生体ポテンシャルから人体のストレス、心拍を演算し、測定者に問診をし、その演算結果を判りやすくタッチパネル付モニター部に表示(測定者の総合的な健康度と今後のアドバイス・コメントをする)させ、計測結果はプリンターで印刷もできるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムされたコンピュータによって人体の総合的な健康度を計測する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、リストラの不安、年棒制度など成果主義の導入、終身雇用制度の崩壊など、雇用環境の急激な変化は、労働者のストレスを増幅させている。労働者の約70%が強い不安・悩み・ストレスがある状況の中で、効果的な対策を講じる必要が発生する。また、慢性疲労症候群の患者数は、全国でおよそ22万人、予備軍と呼ばれる人は240万人と推測されている。このためにも生体のストレスを正確且つ迅速に計測できる、また総合的に健康が計測できる装置の商品化が市場で強く望まれている。
【0003】
従来、人体のストレスを計測する装置として、一酸化窒素合成酵素活性を測定し、その測定値を指標とした方法(特開平08−262025)、微小振動を手の指先など人体の末端部で測定し、この測定値からストレス度を測定する装置(特開平09−117440)は、人体の指先等の末梢部である皮膚温度の低下量を測定し、この低下量をもってストレス度の評価値とする装置(特開平08−252226)、電極間に微弱な電流を流して皮膚の見かけ上の抵抗変化を調べる装置(特開平2003−19122、特開平2005−021414)なども開示されている。その他の技術として、血管変動解析を用いたもの(血圧)、脳波を血流の容積変動として捉えるもの(脳波)、瞳孔検査や瞬き計測するもの(眼球運動)などがある。尚、電極間に微弱な電流を流して皮膚の見かけ上の抵抗変化を調べる装置の原理は、1980年代に論文発表が数多く発表されている。
【非特許文献1】金井寛、臨床検査vol.26、no.4、1982年4月
【非特許文献2】William A. Tiller, American Journal of Acupuncture, Vol.15, No1, January-March 1987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人体のストレスは、一般的に特徴的な症状として発生することが少なく、発生の症状の形態も多様なことが多く、極めて難しい分野である。これはストレスが発生する要因が多種多様なものであり、該要因が複雑に絡み合って複合して発生しているものと考えられる。また、1パラメータだけの計測では症状を正確に把握することは極めて困難である。
【0005】
測定者にとって、従来の装置によってストレスを計測し、その結果を心理学的に説明されても、この説明自体が難しく理解できず、逆にストレスを受け蓄積されることがある。また、末梢部位の皮膚温度は環境状態に影響され易く、分析等を実施する方法については、比較的大きな測定システムを必要とする。さらに、電極センサーを使用する装置は、適度な接触圧力と接触面積が測定者によって変化するといった問題がある。
【0006】
本発明は、前記従来の技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はストレスに限定せず、人体の総合的な健康を測定者に負担をかけることなく、適度な接触圧力と接触面積を与えることで、より正確・より迅速に計測ができ、その計測結果が測定者とって、より分かりやすい装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ストレスは心の病でもあり、無意識のうちに蓄積される。その他として、心拍、体重、身長等からは、総合的な健康を計測することができる。従って、簡易、正確且つ迅速に健康状態を計測できれば、総合的なメンタルヘルスケアなどを施すことも可能となり、身体的・精神的な病の予防に対して有効な対策を講じることが可能となる。
【0008】
前記目的を達成するために本発明の装置は、頭部電極センサー及び手部電極センサーに適度な接触圧力と接触面積を与え、該頭部電極センサー及び該手部電極センサーから人体の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激し、その電極間の生体ポテンシャルとして変換する。その変換した生体ポテンシャルから人体のストレス、心拍を演算し、測定者に問診をし、その演算結果と対応について判りやすくタッチパネル付モニター部に表示させ、計測結果をプリンター部で印刷させるものとした。表示については、測定者の総合的な健康度を計測し、健康度数として表示させ、測定者に結果を踏まえて今後のアドバイス・コメントも表示させ、従来の装置に比べて、より分かりやすい装置とした。また、適度な接触圧力と接触面積を与えることで、より正確・より迅速に計測ができるようになる。
【0009】
自動車のハンドルに手部電極センサーを組み込めることにすることで、定期的に運転中ドライバーの総合的健康度を計測することができ、交通事故(居眠り予防、疲労度の数値化等)を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の総合健康測定器は上述の手段を講じることで、以下に記載されるような効果を奏する。
【0011】
本発明の装置により、専門家でなく素人にも簡単に人体のストレス、心拍等を計測することができるので、測定者の総合的な健康管理の指標として用いることができる。
【0012】
適度な接触圧力と接触面積を与えることで、より正確・より迅速に計測ができ、その計測結果が測定者とって、より分かりやすい装置となった。
【0013】
装置の操作方法、計測中、計測後の結果が判りやすいタッチパネル付モニター部によって、測定者の総合的な健康度を健康度数として分かり易く表示させ、測定者に計測結果を踏まえた上で、今後のアドバイス・コメントも表示させることができ、従来の装置に比べて、より分かりやすい装置となった。
【0014】
電極間の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激し、その電極間の生体ポテンシャルとして計測、その他測定者の健康情報も入力することで、従来の装置よりも総合的に健康度を計測できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のストレス計測装置を図面に基づき具体的に説明する。図1は本発明の装置を示したものである。1は頭部電極センサー、2は手部電極センサー、3はタッチパネル付モニター、4は制御・演算・記憶・接続部、5はプリンター、6は顎置き台である。
【0016】
前記電極センサーの取り付け位置(頭2箇所、手2箇所)と計測する4つの領域(頭部、肩部の左右、胸部)を示したものである。前記電極センサーが頭と頭の場合は頭部、頭と手の場合は肩部、手と手の場合は胸部の領域のストレス、心拍状態の計測及び測定者に問診を行い、総合的に健康度を表示する。
【実施例】
【0017】
図2に総合健康測定器の操作方法のフローチャートである。まず主電源のスイッチを投入し、タイトル画面を表示させる。次いで、個人健康情報などを入力し、その後、問診画面に従って問いに答えていく。
【0018】
顎を顎置き台6に置き、額を頭部電極センサーに接触させ、スタートボタンを押す。次いで、直ちに手部電極センサーに手のひらを接触させる。まず初めに4個の前記電極センサー間のキャリブレーションを開始する。
【0019】
前記電極間の電流値を感知し、その生体ポテンシャルから心拍を計測する。次いで、前記電極間に微弱電流を与え、その該電極間の生体ポテンシャルとして変換させ、生体のストレス、心拍を計測する。また、測定者に問診をした結果を判断した上で、個人健康情報などから各種健康パラメータを算出する。
【0020】
前記電極センサーから得られる生体ポテンシャルは、制御・演算・記憶・接続部に取り込まれる。次いで、測定者の総合的な健康度を健康度数として表示させ、測定者には結果を踏まえた上で、今後のアドバイス・コメントも表示させ、従来の装置に比べて、より分かりやすい装置とした。
【0021】
タッチパネル付モニター3に表示された結果を、プリンター5により、印刷することができ、さらに、制御・演算・記憶・接続部4を通して記録媒体に保存することもできる。得られた個人データは、前記制御・演算・記憶・接続部に接続することで、過去に計測された結果データを整理・処理することもでき、時系列的に前記タッチパネル付モニター3に表示することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の装置の正面図である。
【図2】本発明の装置の側面図である。
【図3】本発明の総合健康測定器操作方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
1 頭部電極センサー
2 手部電極センサー
3 タッチパネル付モニター
4 制御・演算・記憶・接続部
5 プリンター
6 顎置き台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムされたコンピュータによって人体の総合的な健康度を計測する装置であって、適度の接触圧力を負荷させるため、眼底検査をする機器のように、顎を置いた状態(顎置き台6)で、額を前方に押し出すようにして接触させる頭部電極センサー部1と、接触面積を増し、尚且つ測定精度を向上させるため、球形材料に左右の手のひらを置いて接触させる手部電極センサー部2と、計測する人の健康情報を入力、装置の操作、計測中及び結果の表示等をするタッチパネル付モニター部3と、制御・演算・記憶・接続部4と、該タッチパネル付モニター3に表示された計測結果を印刷するプリンター部5を組込み・収納して構成する人体の総合的な健康度を計測する装置。
【請求項2】
プログラムされたコンピュータによって人体の総合的な健康度を計測する装置であって、頭部電極センサー1及び手部電極センサー2に適度な接触圧力と接触面積を与える手段と、該頭部電極センサー1及び該手部電極センサー2から人体の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激する手段と、その電極間の生体ポテンシャルとして変換する手段と、その変換した生体ポテンシャルから人体のストレス、心拍を演算する手段と、測定者に問診をする手段と、その演算結果と対応について判りやすくタッチパネル付モニター部3に表示(測定者の総合的な健康度を計測し、健康度数として表示する。また測定者に結果を踏まえて今後のアドバイス・コメントを表示する)する手段と、計測結果をプリンター部5で印刷する手段とを備えたことを特徴とする人体の総合的な健康度を計測する装置。
【請求項3】
プログラムされたコンピュータによって人体の総合的な健康度を計測する装置であって、頭部電極センサー1及び手部電極センサー2に適度な接触圧力と接触面積を与える工程と、該頭部電極センサー1及び該手部電極センサー2から人体の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激する工程と、その電極間の生体ポテンシャルとして変換する工程と、その変換した生体ポテンシャルから人体のストレス、心拍を演算する工程と、測定者に問診をする工程と、その演算結果と対応について判りやすくタッチパネル付モニター部3に表示(測定者の総合的な健康度を計測し、健康度数として表示する。また測定者に結果を踏まえて今後のアドバイス・コメントを表示する)する工程と、計測結果をプリンター部5で印刷する手段とを備えたことを特徴とする人体の総合的な健康度を計測する方法。
【請求項4】
プログラムされたコンピュータによって人体の総合的な健康度を計測するための計測プログラムを記録した記録媒体であって、頭部電極センサー1及び手部電極センサー2に適度な接触圧力と接触面積を与え、該頭部電極センサー1及び該手部電極センサー2から人体の電流値を感知及び電極間に微弱電流を通して刺激し、その電極間の生体ポテンシャルとして変換する。その変換した生体ポテンシャルから人体のストレス、心拍を演算し、測定者に問診をし、その演算結果と対応について判りやすくタッチパネル付モニター部3に表示(測定者の総合的な健康度を計測し、健康度数として表示する。また測定者に結果を踏まえて今後のアドバイス・コメントを表示する)させ、計測結果をプリンター部5で印刷させることを特徴とする人体の総合的な健康度を計測するプログラムを記録した記録媒体。
【請求項5】
請求項1、請求項2記載の装置は、自動車のハンドルに手部電極センサー2を組み込むことで、定期的に運転中ドライバーの総合的健康度を計測することを特徴とする人体の総合的な健康度を計測する装置。
【請求項6】
請求項3記載の方法は、自動車のハンドルに手部電極センサー2を組み込むことで、定期的に運転中ドライバーの総合的健康度を計測させることを特徴とする人体の総合的な健康度を計測する方法。
【請求項7】
請求項4記載の記録媒体は、自動車のハンドルに手部電極センサー2を組み込むことで、定期的に運転中ドライバーの総合的健康度を計測することを特徴とする人体の総合的な健康度を計測するプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−54354(P2007−54354A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243875(P2005−243875)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(305053721)有限会社 ライブエイド (8)
【Fターム(参考)】