説明

緑内障の併用治療

本明細書中に記載される方法は、ラタノプロストおよび薬学的に許容可能なビヒクルを含む持続放出製剤を投与すること、ならびに点眼補助組成物を患者の眼に投与することによって眼圧の低下を提供する。持続放出製剤は、涙点プラグ送達システムから少なくとも90日にわたりラタノプロストを連続的に放出することが可能である。点眼補助組成物はまた、ラタノプロストを含むことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
2008年6月24日に出願され、緑内障の併用治療と題する米国仮特許出願シリアル番号61/075,284に対する優先権利益をここに主張するが、この明細書は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、視神経損傷による進行性の視野の損失によって特徴付けられる疾患の集合である。緑内障は米国における失明の最大原因であり、60歳以上の個人の1〜2%が罹患している。緑内障の発症に関連する多くの危険因子(年齢、人種、近視、家系、および負傷)が存在するが、高眼圧としても知られる眼圧亢進は、うまく処理され、緑内障性視神経症の低下と相関する唯一の危険因子である。公衆衛生分野の著名人たちは、250万のアメリカ人が高眼圧を示すと推定している。
【0003】
緑内障および高眼圧を治療するために、局所薬物を眼に投与する必要があることがしばしばある。しかしながら、投与およびコンプライアンスはしばしば問題となる。したがって、改良された薬物送達システムおよび投与プロトコルが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は患者の眼圧を低下させるための方法を提供する。方法はラタノプロストおよび薬学的に許容可能なビヒクルを含む持続放出製剤を投与すること、および点眼補助組成物を患者の眼に投与することを含む。実施形態によっては、持続放出製剤は、少なくとも90日にわたり涙点プラグ送達システムからラタノプロストを連続的に放出する。
【0005】
実施形態によっては、点眼補助組成物は眼圧低下薬を含む。眼圧低下薬は、炭酸脱水酵素阻害薬、ベータ遮断薬、アルファアドレナリン作動薬、プロスタグランジン類似体、縮瞳薬およびエピネフリン化合物を含む。一実施形態では、眼圧低下薬は、プロスタグランジン類似体ラタノプロストである。一実施形態では、点眼補助組成物は1滴あたり1.5マイクログラムのラタノプロストを含む。
【0006】
点眼補助組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、またはそれより多く投与され得る。点眼補助組成物は、2日に1回または3日に1回投与され得る。実施形態によっては、点眼補助組成物は、約30日より少ない日数、約20日より少ない日数、約10日より少ない日数、または約5日より少ない日数にわたり投与される。
【0007】
点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の少なくとも1つの涙点に挿入されたとほぼ同じ日、涙点プラグ送達システムが挿入された約1日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約2日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約3日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約4日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約5日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約6日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約1週間後、涙点プラグ送達システムが挿入された約2週間後、涙点プラグ送達システムが挿入された約3週間後、または涙点プラグ送達システムが挿入された約4週間後に開始して投与され得る。実施形態によっては、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の少なくとも1つの涙点に挿入された後、約1週間以内に、約2週間以内に、約3週間以内に、約4週間以内に、または約5週間以内に投与される。
【0008】
一実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入された約90日後に開始し、1日1回投与される。点眼補助組成物はまた、涙点プラグ送達システムの取外し後、または涙点プラグ送達システムの挿入前に投与されても良い。一実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入されるおよそ5日前に投与される。別の実施形態では、点眼補助組成物は、第1の涙点プラグ送達システムが取り外された後、第2の涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入される前に投与される。
【0009】
実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは1日あたり約25ナノグラムと1日あたり約250ナノグラムの間のラタノプロストを放出する。ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与する前の眼圧は、約22mmHg、約21mmHg、約20mmHg、約19mmHg、約18mmHg、約17mmHg、またはそれより低い値であり得る。実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与する前の眼圧は、約23mmHg、約24mmHg、約25mmHg、約26mmHg、またはそれより高い値である。実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与する前の眼圧は、少なくとも19mmHg、少なくとも20mmHg、少なくとも21mmHg、少なくとも22mmHg、少なくとも23mmHg、少なくとも24mmHg、または少なくとも25mmHgである。眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与した後、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、または約20mmHgに低下し得る。実施形態によっては、眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与した後、少なくとも2mmHg、少なくとも3mmHg、少なくとも4mmHg、少なくとも5mmHg、少なくとも6mmHg、少なくとも7mmHg、少なくとも8mmHg、少なくとも9mmHg、少なくとも10mmHg、少なくとも11mmHg、少なくとも12mmHg、少なくとも13mmHg、少なくとも14mmHg、または少なくとも15mmHg低下する。
【0010】
ある実施形態では、眼圧の低下はある連続的な期間にわたり保持される。この連続的な期間は、最高約7日間、最高約14日間、最高約21日間、最高約28日間、最高約52日間、最高約88日間、または最高約105日間であり得る。一実施形態では、眼圧の低下は少なくとも約90日の連続的な期間にわたり保持される。
【0011】
実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与した後の眼圧の低下は、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約15%、少なくとも約17%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、もしくは少なくとも約35%、またはそれより高い値である。
【0012】
眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与した後、約1日以内に、約2日以内に、約3日以内に、約4日以内に、約5日以内に、約6日以内に、約7日以内に、約8日以内に、約9日以内に、または約10日以内に低下され得る。一実施形態では、眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物の投与が開始された後、約1日で少なくとも10%低下する。
【0013】
本発明はまた、少なくとも3マイクログラムのラタノプロスト、少なくとも10マイクログラムのラタノプロスト、少なくとも20マイクログラムのラタノプロスト、少なくとも30マイクログラムのラタノプロスト、または少なくとも40マイクログラムのラタノプロストを含む涙点プラグ送達システムを提供する。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、約3.5マイクログラムのラタノプロスト、約14マイクログラムのラタノプロスト、または約21マイクログラムのラタノプロストを含む。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、持続放出薬物サプライを薬物コアの形態で収容するように構成されたキャビティを含む。
【0014】
持続放出製剤の薬学的に許容可能なビヒクルは、持続放出マトリックスであり得る。実施形態によっては、持続放出マトリックスは非生分解性ポリマーである。非生分解性ポリマーはシリコーンであっても良い。
【0015】
涙点プラグ送達システムは患者の少なくとも1つの涙点に、患者の両方の眼のそれぞれの1つの涙点に、または1つの眼の1つの涙点に挿入され得る。涙点プラグ送達システムは上涙点に、下涙点に、または上涙点および下涙点の各々に挿入され得る。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、患者の少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの涙点に挿入され得る。
【0016】
本発明の方法によって低下した眼圧は、高眼圧に関連し得る。この高眼圧は緑内障に関連し得る。緑内障は、原発開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障および続発緑内障を含む。
【0017】
本明細書中に記載された発明はまた、涙点プラグ送達システムを患者の少なくとも1つの涙点に挿入すること、および点眼補助組成物を患者の眼に投与することにより眼圧亢進を治療する方法であって、涙点プラグ送達システムは約14マイクログラムのラタノプロストを含む持続放出薬物サプライを含み、涙点プラグ送達システムは少なくとも約90日間にわたり挿入されたままであり、点眼補助組成物は最高約14日間にわたり投与する、眼圧亢進を治療する方法を提供する。実施形態によっては、点眼補助組成物は、約10日間、約5日間、または約1日にわたり投与される。
【0018】
また、本発明によって企図されるのは、涙点プラグ送達システムを対象の少なくとも1つの涙点に挿入すること、および点眼補助組成物を対象の眼に投与することによって、緑内障関連眼圧亢進を治療する方法である。一実施形態では、涙点プラグ送達システムは、プラグ本体およびラタノプロストインサートを有し、点眼補助組成物はラタノプロストを含む。一実施形態では、涙点プラグ送達システムは、対象にラタノプロストの持続放出を提供する。涙点プラグ送達システムからのラタノプロストの放出および点眼補助ラタノプロスト組成物の投与は合わせて、前記関連する眼の眼圧の少なくとも6mmHgの低下をもたらす。涙点プラグ送達システムは、インプラントの挿入後、少なくとも7日間、少なくとも28日間、少なくとも52日間、または少なくとも88日間の連続的な期間の間、ラタノプロストを放出し、点眼補助組成物はインプラントの挿入後およそ5日間にわたり投与される。
【0019】
本発明はまた、涙点プラグ送達システムを単一挿入工程で対象の少なくとも1つの涙点に挿入すること、およびラタノプラスト点眼補助組成物を対象の対応する眼に少なくとも1回投与することによって、それを必要とする対象の緑内障を治療するための方法であって、涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、および涙点プラグ送達システムは対象へのラタノプロストの持続放出を少なくとも約90日間にわたり提供する方法を提供する。
【0020】
また本発明によって企図されたものは、既述の涙点プラグ送達システムを含む第1の容器、既述の点眼補助組成物を含む第2の容器、および使用のための使用説明書を有するキットである。
【0021】
本発明はまた、それを必要とする患者の眼の眼圧を低下させるための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、ラタノプロストは持続放出製剤として処方され、持続放出製剤はラタノプロストを涙点プラグ送達システムから少なくとも90日間にわたり連続的に放出し、および点眼補助組成物は追加的に患者の眼に投与される使用を提供する。
【0022】
本発明はさらに、眼圧亢進を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、ラタノプロストは涙点プラグ送達システムからそれを必要とする患者の眼に放出され、涙点プラグ送達システムは患者の少なくとも1つの涙点に挿入され、涙点プラグ送達システムは、約14マイクログラムのラタノプロストを含む持続放出薬物サプライを含み、涙点プラグ送達システムは少なくとも約90日にわたり挿入されたままであり、点眼補助組成物は追加的に患者の眼に投与され、および点眼補助組成物は最高約14日にわたり投与される使用を提供する。
【0023】
本発明はまた、それを必要とする対象の緑内障を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、ラタノプロストは涙点プラグ送達システムから対象の眼に放出され、涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、涙点プラグ送達システムは単一挿入工程で対象の少なくとも1つの涙点に挿入され、涙点プラグ送達システムは少なくとも90日にわたり対象へのラタノプロストの持続放出を提供し、点眼補助組成物は対象の対応する眼に少なくとも1回投与され、および点眼補助組成物はラタノプロストを含む使用を提供する。
【0024】
本発明はまた、それを必要とする対象の緑内障関連眼圧亢進を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、ラタノプロストは涙点プラグ送達システムから対象の眼に放出され、涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、涙点プラグ送達システムは対象の少なくとも1つの涙点に挿入され、点眼補助組成物は対象の眼に投与され、点眼補助組成物はラタノプロストを含み、涙点プラグ送達システムは、対象にラタノプロストの持続放出を提供し、ならびに涙点プラグ送達システムからのラタノプロストの放出および点眼補助ラタノプロスト組成物の投与は合わせて、関連する眼の眼圧の少なくとも6mmHgの低下をもたらす使用を提供する。
【0025】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、点眼補助組成物は炭酸脱水酵素阻害薬、ベータ遮断薬、アルファアドレナリン作動薬、プロスタグランジン類似体、縮瞳薬およびエピネフリン化合物からなる群から選択される眼圧低下薬である。実施形態によっては、点眼補助組成物はプロスタグランジン類似体であり、実施形態によっては、プロスタグランジン類似体はラタノプロストである。
【0026】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、点眼補助組成物は約10日間より短い日数にわたり1日1回投与される。実施形態によっては、点眼補助組成物は約5日間にわたり1日1回投与される。実施形態によっては、点眼補助組成物は約10日間または約2日間または約1日にわたり投与される。ある実施形態では、点眼補助組成物は涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入される同じ日に開始し、1日1回投与される。実施形態によっては、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入された後約4週間以内に開始し、1日1回投与される。別の実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入された後約90日以内に開始し、1日1回投与される。別の実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムの取外し後に開始し、1日1回投与される。ある実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入されるおよそ5日前に開始し、1日1回投与される。実施形態によっては、点眼補助組成物は、第1の涙点プラグ送達システムが取り外された後、第2の涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入される前に投与される。
【0027】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、1日あたり約25ナノグラムと1日あたり約250ナノグラムの間のラタノプロストが、涙点プラグ送達システムによって放出される。実施形態によっては、点眼補助組成物の1滴中のラタノプロストの量はおよそ1.5マイクログラムである。実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与する前、眼圧は約22mmHgであり、ラタノプロストおよび点眼補助組成物を投与された後、眼圧は約16mmHgに低下する。実施形態によっては、眼圧の低下は、少なくとも約25%である。実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物の投与が始まった後、眼圧は約1日で少なくとも10%低下する。実施形態によっては、ラタノプロストおよび点眼補助組成物の投与前では、眼圧は少なくとも約20mmHgである。
【0028】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、眼圧の低下は、最高約7日間、最高約14日間、最高約21日間、最高約28日間、最高約52日間、最高約88日間、および最高約105日間からなる群より選択される連続的な期間にわたり保持される。実施形態によっては、眼圧の低下は少なくとも約90日の連続的な期間にわたり保持される。
【0029】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられる実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、少なくとも3マイクログラム、少なくとも10マイクログラム、少なくとも20マイクログラム、少なくとも30マイクログラム、および少なくとも40マイクログラムからなる群より選択されるラタノプロストの量を含む。実施形態によっては、涙点プラグシステムは、約3.5マイクログラム、約14マイクログラム、および約21マイクログラムからなる群より選択されるラタノプロストの量を含む。
【0030】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、持続放出製剤は、持続放出マトリックスを含む。実施形態によっては、持続放出マトリックスは非生分解性ポリマーである。実施形態によっては、非生分解性ポリマーはシリコーンを含む。ある実施形態では、涙点プラグ送達システムは、持続放出薬物サプライを薬物コアの形態で収容するように構成されたキャビティを含む。
【0031】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられるある実施形態では、涙点プラグ送達システムは患者の少なくとも1つの涙点に挿入される。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、患者の両方の眼の各々の1つの涙点に挿入される。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、1つの眼の1つの涙点に挿入される。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、上涙点に挿入される。ある実施形態では、涙点プラグ送達システムは、下涙点に挿入される。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、上涙点および下涙点の各々に挿入される。実施形態によっては、涙点プラグ送達システムは、患者の少なくとも2つまたは少なくとも3つの涙点に挿入される。
【0032】
薬剤の製造にラタノプロストが用いられる実施形態によっては、眼圧は高眼圧に関連する。実施形態によっては、眼圧は緑内障に関連する。例えば、緑内障は、原発開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障および続発緑内障であり得る。
【0033】
図面では、いくつかの図面を通して似たような参照符号は類似の成分を記載するために用いられ得る。図面は一般に、例であり、限定的ではない、本文書中で議論される様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】涙点または細管状解剖学的組織内に少なくとも部分的に保持されるように構成された涙点プラグの断面図の例を示している。
【図2A】涙点または細管状解剖学的組織内に少なくとも部分的に保持されるように構成された涙点プラグの等角図の例を示している。
【図2B】図2Aの線2B−2Bに沿うような、プラグの長軸に平行な線に沿った涙点プラグの断面図の例を示している。
【図2C】涙点プラグの長軸に平行な線に沿った別の涙点プラグの断面図の例を示している。
【図3A】涙点または細管状解剖学的組織内に少なくとも部分的に保持されるように構成された涙点プラグの等角図の例を示している。
【図3B】図3Aの線3B−3Bに沿うような、プラグの長軸に平行な線に沿った涙点プラグおよびプラグを受ける解剖学的組織構造の拡張の断面図を示している。
【図4A】涙点または細管状解剖学的組織内に少なくとも部分的に保持されるように構成された涙点プラグの等角図の例を示している。
【図4B】図4Aの線4B−4Bに沿うような、プラグの長軸に平行な線に沿った涙点プラグの断面図の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(定義)
本明細書中で用いられる際には、用語“1つの(a)”または“1つの(an)”は、特許文書では一般的であるように、“少なくとも1つ”または“1つ以上”の任意の他の例または使用とは独立に、1つ以上を含むように用いられる。
【0036】
本明細書中で用いられる際には、用語“または”は、非排他的OR(オア)を指すように用いられ、よって“AまたはB”は、特に示されない限りは、“AであるがBではない”、“BであるがAではない”および“AおよびB”を含む。
【0037】
本明細書中で用いられる際には、用語“約”は、およそ、ほとんど、ほぼ、または、規定の量に等しい量の近傍にある量を指すように用いられる。
【0038】
本明細書中で用いられる際には、語句“本質的に〜からなる”は、特定の材料またはステップならびに構成の基本的および新規な特性に著しく影響を及ぼさない追加の、未定義の成分に構成を限定する。
【0039】
本明細書中で用いられる際には、用語“連続的な”または“連続的に”は、切れ目がないまたは中断していないことを意味する。例えば、連続的に投与される活性剤は、中断なしにある期間にわたり投与される。
【0040】
本明細書中で用いられる際には、用語“眼”は、眼に関連する任意のおよび全ての解剖学的組織および構造を指す。眼は3つの層:外側の強膜、中間の脈絡膜、および内側の網膜を有する壁を備える球形構造である。強膜は、内側層を保護する強靭な線維性コーティングを含む。それは、前面の、光が眼に入ることを許容する透明な領域である角膜を除いて、ほとんど白色である。強膜の内部に位置している脈絡膜は、多くの血管を含み、眼の前面で色素沈着虹彩として変化する。生物学的凸レンズは、瞳孔のすぐ背後に位置している。レンズの背後の眼房は、膠様質である硝子体液で満たされている。前眼房および後眼房は、それぞれ角膜および虹彩の間に位置しており、眼房水で満たされている。眼の背後には光を検出する網膜がある。角膜は像を眼の背後に運ぶ光学的に透明な組織である。角膜は無血管組織を含み、無血管組織には栄養分および酸素が、涙液および眼房水に浸されることによって供給されると同時に角膜と虹彩の間の接合部の内面を覆う血管から供給される。角膜は、薬物の浸透から眼内への1つの経路を含む。眼に関連する他の解剖学的組織構造は、分泌システム、分配システムおよび排泄システムを含む涙管ドレナージシステムを含む。分泌システムは、まばたきおよび涙の蒸発による温度変化によって刺激される分泌器、ならびに遠心性副交感神経供給器を有し、物理的および情動的な刺激に反応して涙を分泌する反射型分泌器を含む。分配システムは、眼瞼および開いた眼の瞼の縁の周りの涙液メニスカスを含み、まばたきによって眼の表面に涙を散布し、それによって乾いた領域の発達を減少させる。
【0041】
本明細書中で用いられる際には、用語“インプラント”は構造体であって、例えば、本特許文献中に記載されているもの、および参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるWO 07/115,261中に記載されているような、例えば薬物コアまたは薬物マトリックスを含むようにまたは含浸されるように構成することができ、患者の涙液の経路に沿って目標位置に埋め込まれると、ある量のラタノプロストなどの活性剤を持続放出期間にわたって涙液中に放出することが可能な構造体を指す。用語“インプラント”、“プラグ”、および“涙管プラグ”は、本明細書中では、類似の構造体を指すものとする。同様に、用語“インプラント本体”および“プラグ本体”は、本明細書では、類似の構造体を指すものとする。用語“眼用インプラント”および“涙点プラグ送達システム”は、類似の構造体を指し、本明細書中では交換可能に用いられる。本明細書中に記載されるインプラントは、被験者の涙点に、または涙点を介して小管に挿入され得る。インプラントはまた、薬物コアまたは薬物マトリックス自体であって、例えば、ポリマー成分およびラタノプロスト成分を、ポリマー成分およびラタノプロスト成分を包囲する追加の構造体を持たずに有する、涙点インプラント遮眼子のようなキャリア中に収容されることなく、涙点に挿入するように構成された薬物コアまたは薬物マトリックス自体であっても良い。
【0042】
本明細書中で用いられる際には、“薬学的に許容可能なビヒクル”は、医薬組成物を処方するのに有用な分野の当業者に知られている、任意の生理学的ビヒクルである。適切なビヒクルは、ポリマーマトリックス、減菌蒸留水または精製水、等張の塩化ナトリウムまたはホウ酸の溶液などの等張溶液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、プロピレングリコールまたはブチレングリコールを含む。他の適切なビヒクルの構成要素は、硝酸フェニル水銀、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸一ナトリウムを含む。他の適切なビヒクルの構成要素の追加の例は、アルコール、脂肪および油、ポリマー、界面活性剤、脂肪酸、シリコーン油、湿潤剤、モイスチャライザー、粘度調整剤、乳化剤および安定剤を含む。構成要素はまた、補助的な物質、すなわち、クロロブタノール、パラバンまたは有機水銀化合物などの抗細菌薬;水酸化ナトリウム、塩酸または硫酸などのpH調整薬;メチルセルロースなどの増粘剤を含み得る。最終的な組成物は、無菌で、本質的に異物粒子を含まず、最適な薬物安定性が許容されるpHを有する。
【0043】
本明細書中で用いられる際には、用語“涙点”は、涙湖の外側端での瞼の縁上に見える、涙小管の末端における開口部を指す。複数の涙点は、涙腺によって生成される涙を再吸収するように機能する。涙管ドレナージシステムの排出部分は、ドレナージの流れる順序で、涙点、涙小管、涙嚢および涙管を含む。涙または他の流動性物質は、涙管から鼻系の通路に流れ込む。涙小管は、それぞれ上涙点および下涙点で終了する、上(上部)涙小管と下(下部)涙小管を含む。上涙点と下涙点は結膜嚢付近の毛様体と涙腺部の接合部における眼瞼縁の内側端で少しだけ上昇する。上涙点と下涙点は一般的に、組織の接合環によって囲まれた円形また若干卵形の開口部である。複数の涙点の各々は、涙小管の湾曲でより水平に折れ曲がる前にそれぞれの涙小管の垂直部分に導かれ、涙嚢の入り口で互いに接合する。涙小管は、全般的に形状が管状であり、膨張することを可能にする弾性組織で囲まれた重層扁平上皮によって内側が覆われている。
【0044】
用語“対象”および“患者”は、限定されるものではないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含む哺乳動物などの動物を指す。多くの実施形態では、被験者または患者はヒトである。
【0045】
“治療薬”は、薬物を含むことが可能であり、以下のもの、すなわち、炭酸脱水酵素阻害薬(限定されるものではないが、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、ダイアモックス、メタゾラミド、ドルゾラミド+チモロール、アセタゾラミド、およびジクロフェナミドを含むCAI)を含む抗緑内障薬(例えば、眼圧降下薬);限定されるものではないが、レボブノロール(ベタガン)、チモロール(ベチモール、チモプティック)、カルテオロール(オキュプレス)、ベタキソロール(ベトプティック)、アテノロール(テノーミン)、およびメチプラノロール(オプティプラノロール)を含むベータ遮断薬;限定されるものではないが、アプラクロニジン(アイオピジン)およびブリモニジン(アルファガン)を含むアルファアドレナリン作動薬;限定されるものではないが、ラタノプロスト(キサラタン)、ビマトプロスト(ルミガン)およびトラボプロスト(トラバタン)を含むプロスタグランジン類似物;限定されるものではないが、ピロカルピン(イソプトカルピン、ピロカー)を含む縮瞳薬;エピネフリン化合物;副交感神経刺激薬、降圧脂質、およびそれらの組合せ;抗菌薬(例えば、抗生物質、抗ウイルス、駆虫薬、抗真菌剤など);ケトロラクなどの鎮痛薬;コルチコステロイドまたは他の抗炎症(例えば、ジクロフェナクまたはナプロキセンなどのNSAID);充血緩和剤(例えば、血管収縮薬);アレルギー反応を予防または変更する薬(例えば、オロパタジンなどの抗ヒスタミン薬、サイトカイン阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、IgE阻害薬、シクロスポリンなどの免疫調節薬または免疫抑制薬);肥満細胞安定薬;毛様体筋麻痺薬等を含む、任意のものまたは均等物、派生物もしくは類似物であっても良い。治療薬(複数の治療薬)で治療され得る状態の例は、限定されるものではないが、緑内障、事前および事後の外科的治療、高眼圧症、ドライアイおよびアレルギーを含む。実施形態によっては、治療薬は潤滑剤や界面活性剤、例えばドライアイを治療するための潤滑剤であっても良い。
【0046】
治療薬の例は、限定されるものではないが、トロンビン阻害剤;抗血栓剤;血栓溶解剤;線維素溶解;血管攣縮抑制剤;血管拡張剤;高血圧症治療剤;(テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、スルホンアミド、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフィソキサゾール、ニトロフラゾン、プロピオン酸ナトリウムなどの)抗生物質などの抗菌剤;(アムホテリシンBやミコナゾールなどの)抗真菌薬;および(イドクスウリジントリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、インターフェロンなどの)抗ウイルス剤;表面糖タンパク質受容体の阻害剤;抗血小板剤;細胞分裂阻止剤;微小管阻害剤;抗分泌剤;活性阻害剤;リモデリング阻害剤;アンチセンスヌクレオチド;抗謝産物;(抗血管新生剤を含む)増殖抑制薬;抗がん剤化学療法剤;(ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン21−リン酸、フルオシノロン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸、酢酸プレドニゾロン、フルオロメトロン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニドなどの)抗炎症薬;非ステロイド系抗炎症薬(サリチル酸、インドメタシン、イブプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ピロキシカムインドメタシン、イブプロフェン、ナキソプレン、ピロキシカムおよびナブメトンなどのNSAID)を含む。本発明の方法で使用するために意図されたこうした抗炎症ステロイドは、トリアムシノロンアセトニド(一般名)、およびコルチコステロイド(例えば、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、コルチゾン、プレドニゾロン、フルメトロン、およびそれらの誘導体を含む);抗アレルギー薬(クロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、セトリジン、ピリラミン、プロフェンピリダミンなど);抗増殖剤(1,3−シスレチノイン酸、5−フルオロウラシル、タキソール、ラパマイシン、マイトマイシンCおよびシスプラチンなど);充血除去剤(フェニレフリン、ナファゾリン、テトラヒドラゾリンなど);縮瞳薬および抗コリンエステラーゼ(ピロカルピン、サリチレート、カルバコール、塩化アセチルコリン、フィゾスチグミン、エゼリン、フルオロリン酸ジイソプロピル、ホスホリンヨウ素、臭化デメカリウムなど);抗新生物薬(カルムスチン、シスプラチン、フルオロウラシル3など);免疫薬(ワクチンおよび免疫刺激剤など);ホルモン薬(エストロゲン、エストラジオール、黄体ホルモン、プロゲステロン、インシュリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、ペプチドおよびバソプレッシン視床下部放出因子など);免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗薬、増殖因子(上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、形質転換増殖因子β、ソマトトラピン、フィブロネクチンなど);血管新生阻害剤(アンギオスタチン、酢酸アネコルタブ、トロンボスポンジン、抗VEGF抗体など):ドーパミン作動薬;放射線治療薬;ペプチド;タンパク質;酵素;細胞外マトリクス;成分;ACE阻害剤;フリーラジカルスカベンジャー;キレート剤;抗酸化材料;抗ポリメラーゼ;光線力学療法薬;遺伝子治療薬;ならびに、プロスタグランジン、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体、ルベゾール、ニモジピン、および関連化合物などの神経保護剤などのその他の治療薬;ならびに、ピロカルピン、カルバコール、フィゾスチグミンなどの副交感神経作用薬を含む。
【0047】
用語“局所的”は、体の組織や臓器の任意の表面を指す。局所製剤は、その表面や臓器を治療するために、眼などの、体表面に適用されるものである。局所製剤には、眼薬などの液体ドロップ、クリーム、ローション、スプレイ、乳剤およびゲルが含まれる。本明細書で使用されるような局所製剤はまた、眼に局所投与をもたらすために、涙に治療薬を放出することができる製剤を含む。
【0048】
本明細書中で使用される際には、用語、疾患を“治療すること”または疾患の“治療”は:(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患にさらされているまたは疾患の素因がある可能性があるが、まだ疾患の兆候に罹っていないまたは兆候が現れていない被験者で疾患の臨床的兆候が発症しないようにすること;(2)疾患を阻止すること、すなわち、疾患もしくは臨床的兆候の発症を阻止、または低減すること;または(3)疾患を緩和すること、すなわち、疾患もしくは臨床的兆候の緩解を引き起こすことを含む。
(眼圧亢進)
高眼圧(OH)および原発開放隅角緑内障(POAG)は、主に眼が水流体を適切に排出することが不可能であることによる、前眼房中の眼房水の蓄積によって引き起こされる。虹彩の起点に位置する毛様体は、連続的に眼房水を生成する。眼房水は前眼房に流れ込み、次に角膜と虹彩の角を通り小柱網の中に、そして強膜内の導管に排出される。正常な眼では、生成される眼房水の量は、排出される量に等しい。しかしながら、このメカニズムが低下している眼では、眼圧(IOP)が上昇する。IOP亢進は、緑内障視野障害の主要な危険因子を表す。いくつかの研究の結果は、眼圧の低下を目標とする早期の介入は視力低下ならびに失明につながる視神経の損傷および視野の損失の進行を遅らせることを示している。
(ラタノプロスト)
本明細書中に記載される方法での使用のために好適な治療薬はラタノプロストである。ラタノプロストはプロスタグランジンF2α類似物である。ラタノプロストの化学名は、イソプロピル−(Z)−7[(1R,2R,3R,5S)3,5−ジヒドロキシ−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル]シクロペンチル]−5−ヘプテノアートである。ラタノプロストの分子式はC2640であり、その化学構造は:
【0049】
【化1】

である。
【0050】
ラタノプロストは、無色から微黄色の油であり、アセトニトリルに極めて溶けやすく、アセトン、エタノール、酢酸エチル、イソプロパノール、メタノール、オクタノールにやや溶けやすい。ラタノプロストは、水にはほとんど溶けない。
【0051】
ラタノプロストは、眼房水の流出を増やすことによって眼圧(IOP)を低減すると考えられている。動物およびヒトでの研究は、主な作用メカニズムは、眼からの房水の増加したぶどう膜強膜流出であることを示唆している。ラタノプロストは、角膜を通って吸収され、そこでイソプロピルエステルプロドラッグが酸の形に加水分解され生物学的に活性になる。ヒトでの研究は、眼房水のピーク濃度は局所投与後約2時間に達することを示す。
【0052】
キサラタン(登録商標)ラタノプロスト点眼液は、開放隅角緑内障または高眼圧症を罹患する患者でのIOP亢進の低減のためと示された市販で入手可能な製品である。市販で入手可能なキサラタン(登録商標)中のラタノプロストの量は、1mLあたり50マイクログラム、1ドロップあたり約1.5マイクログラムである。キサラタン(登録商標)は、透き通った低密度ポリエチレン(PET)ドロッパー先端、トルコ石色の高密度PETスクリューキャップ、および不正開封防止機能の付いた透き通った低密度PETオーバーキャップを有する5mLの透き通った、低密度ポリエチレン(PET)ボトル中の2.5mL溶液として供給される。キサラタン(登録商標)の不活性成分は、塩化ベンザルコニウム(防腐剤)、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸水素二ナトリウム無水物、および水である。上述のように、点眼は、有効ではあるが不十分で、治療効果を維持するために複数回の使用を要求する。低い患者コンプライアンスは、これらの効果を完全に引き出さない。
(治療の方法)
本明細書中に記載された本発明は、緑内障、眼圧亢進、および緑内障関連眼圧亢進を治療薬または複数の治療薬を用いて治療するための方法を提供する。多くの実施形態では、ラタノプロストを用いて眼を治療する方法が提供される。実施形態によっては、治療薬は、持続した期間にわたり眼に放出される。実施形態では、持続した期間はおよそ90日である。実施形態によっては、点眼補助組成物は追加的に眼に投与される。一実施形態では、点眼補助組成物はラタノプロストを含む。実施形態によっては、方法は、本体および薬物コアを有するインプラントを涙点を通り挿入し、それによって、薬物コアが涙点近くに保持されるようになることを含む。実施形態によっては、方法は、治療薬が含浸された本体を有するインプラントを涙点を通り挿入すること、および点眼補助組成物を投与することを含む。実施形態によっては、インプラントの近位端近くに位置する薬物コアまたは含浸した本体の露出した表面は、涙または涙層液に接触し、ラタノプロストは薬物コアおよび本体が少なくとも部分的に涙点内に保持されている間、持続した期間にわたり眼に対し露出した表面から移動する。多くの実施形態では、ラタノプロストを用いて眼を治療する方法が提供され、この方法は、涙点を通り小管内腔に、オプションの保持構造を有し、それによって、インプラント本体は、保持構造によって内腔の壁に留まるようになるインプラントを挿入すること、および点眼補助組成物を投与することを含む。インプラントは、薬物コアまたは他の薬物サプライから眼の涙または涙層液に、ラタノプロストの有効量を放出する。実施形態によっては、保持構造が内腔内に留まり続けている間に、薬物コアを、保持構造から取り出しても良い。次に、保持構造が留まり続けている間に、交換用薬物コアを保持構造に取り付けることが可能である。交換用薬物コアの少なくとも1つの露出した表面は、持続した期間にわたり治療レベルでラタノプロストを放出する。
【0053】
交換用薬物コアは、およそ180日、およそ270日、およそ360日、およそ450日、およそ540日、およそ630日、およそ720日、およそ810日またはおよそ900日の期間にわたり眼に薬物の連続的な放出をもたらすために、およそ90日毎に保持構造に取り付けられても良い。実施形態によっては、交換用プラグは、最高約180日、約270日、約360日、約450日、約540日、約630日、約720日、約810日または約900日の日数を含む長い期間にわたり眼への薬物の放出を達成するために、およそ90日毎に涙点に挿入されても良い。
【0054】
別の実施形態では、ラタノプロストを用いて眼を治療する方法であって、薬物コアまたは他のインプラント本体を少なくとも部分的に、眼の涙点の少なくとも1つに挿入すること、および点眼補助組成物を投与することを含む方法が提供される。薬物コアは、別のインプラント本体構造に付随していても、していなくても良い。薬物コアまたは薬剤が含浸されたインプラント本体は、治療レベルでラタノプロストの持続放出送達を与える。実施形態によっては、ラタノプロストの持続放出送達は、90日に及ぶ日数にわたり連続する。
【0055】
実施形態によっては、点眼補助組成物は限定期間ベースでのみ用いられる。理論によって束縛されてはいないが、補助的点眼治療は、ある受容体を急速に飽和状態にするように機能し、オプションとして、涙点プラグからの持続放出が流動状態にある期間の間は特に、送達を保持するように機能するであろうと考えられている。実施形態によっては、受容体はプロスタグランジン受容体である。一実施形態では、受容体はプロスタグランジンF(FP)受容体である。その後、涙点プラグ送達システムを介した治療薬の持続的および連続的送達は、受容体の飽和および治療効果を維持する。
【0056】
点眼補助組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、またはそれより多く投与され得る。点眼補助組成物は、2日に1回または3日に1回投与され得る。実施形態によっては、約30日より少ない日数、約20日より少ない日数、約10日より少ない日数、または約5日より少ない日数にわたり投与される。点眼補助組成物は、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約18日間、または約20日間の期間にわたり投与され得る。
【0057】
点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の少なくとも1つの涙点に挿入されたとほぼ同じ日、涙点プラグ送達システムが挿入された約1日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約2日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約3日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約4日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約5日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約6日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約7日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約8日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約9日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約10日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約11日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約12日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約13日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約14日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約15日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約16日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約17日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約18日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約19日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約20日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約21日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約22日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約22日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約23日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約24日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約25日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約26日後、涙点プラグ送達システムが挿入された約27日後、または涙点プラグ送達システムが挿入された約28日後に開始して投与され得る。点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが挿入された約1週間後、涙点プラグ送達システムが挿入された約2週間後、涙点プラグ送達システムが挿入された約3週間後、または涙点プラグ送達システムが挿入された約4週間後に開始して、投与され得る。実施形態によっては、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の少なくとも1つの涙点に挿入された後、約1週間以内に、約2週間以内に、約3週間以内に、約4週間以内に、または約5週間以内に投与される。一実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入された約90日後に開始し、1日1回投与される。点眼補助組成物はまた、涙点プラグ送達システムの取外し後、または涙点プラグ送達システムの挿入前に投与されても良い。一実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入されるおよそ5日前に投与される。他の実施形態では、点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入されるおよそ1週間またはおよそ2週間またはおよそ1カ月以上前に開始して投与される。他の実施形態では、点眼補助組成物は、第1の涙点プラグ送達システムが取り外された後で第2の涙点プラグ送達システムが患者の涙点に挿入される前に投与される。
【0058】
多くの実施形態では、ラタノプロストを用いて眼を治療する方法であって、インプラントの遠位端を眼の少なくとも1つの涙点に挿入することと、ラタノプロスト点眼補助組成物を投与することを含む方法が提供される。実施形態によっては、インプラントの保持構造がインプラントから外れることを妨げるように、拡大され得る。保持構造の拡大は、涙点を通る涙の流れを塞ぐことに役立ち得る。実施形態によっては、インプラントが外れることを防ぐために、インプラントは、埋め込まれたときに、インプラントの近位端によって画定される第1の軸とインプラントの遠位端によって画定される第2の軸の間に少なくとも45度傾斜した交差が存在するように構成される。ラタノプロストは、インプラントの近位端から眼に隣接する涙液に送達される。ラタノプロストの送達は、近位端の遠位で抑制される。
【0059】
本発明の方法は、点眼補助組成物投与と組み合わせたラタノプロストの持続放出を提供する。実施形態によっては、ラタノプロストは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、または少なくとも16週間にわたりインプラントから放出される。実施形態では、ラタノプロストは、少なくとも12週間にわたり放出される。
【0060】
インプラントに関連するラタノプロストの量は、所望の治療効果およびデバイスが治療薬を送達しようとする時間に依存して変化し得る。本発明のデバイスは様々な形状、サイズ、および送達メカニズムを示すため、デバイスに関連する薬物の量は、治療される特定の疾患や状態、治療効果を達成するために望まれる投薬量および期間に依存するであろう。一般的には、ラタノプロストの量は、少なくとも、デバイスから放出されたときに所望の生理学的または薬理学的な局所的または全身的効果を達成するために有効な薬物の量である。
【0061】
インプラントを挿入するおよび取り外す方法は、当業者には知られている。例えば、インプラントの挿入および取外し/抜取りのためのツールが、(2007年9月7日に出願され、涙点インプラント挿入および抜取りツールと題し)その開示はここにその全体が組み込まれる、米国特許出願第60/970,840号中に記載されている。一般的に、配置のためには、用いられる涙点プラグのサイズは、適切な倍率を用いて、または、もし備えられていれば、涙点プラグに付随するサイジングツールを使用することによって、決定しても良い。涙点プラグに適合させることが必要な場合には、患者の涙点を広げても良い。好ましくはプラグ挿入の5分以上前に、プロカイン麻酔薬を1滴使用することができる。プラグの涙点への配置を容易にするために必要な場合には、潤滑剤を1滴適用しても良い。プラグは、適切な配置器具を利用して眼の上涙点および下涙点に挿入しても良い。配置後、プラグのキャップは可視である。この工程は、患者の他の眼に対しても繰り返し得る。インプラントの除去のためには、キャップ下の管状部でプラグを確実に把持するために、小さな手術用鉗子を用いても良い。穏やかな引っ張り動作を用いて、プラグを穏やかに回収しても良い。
(インプラント)
実施形態によっては、ラタノプロストは、別個のインプラント本体構造に付随していても付随しなくても良い薬物コアによって、持続した期間にわたり投与される。ある実施形態では、本明細書中に記載される方法で用いられるインプラントが提供される。インプラントは、患者の涙液の経路に沿って目標位置に埋め込まれたときに、数日間、数週間、または数カ月間の持続した放出期間にわたり毎日、涙液にある量のラタノプロストを放出するように構成され得る。インプラントは、持続した期間にわたりラタノプロストまたは他の治療薬を放出する任意の数の異なる設計の1つであり得る。インプラント実施形態の例であって、本発明の方法およびそれらのインプラントを製造する方法で用いられる実施形態を記述する以下の特許文書の開示は、参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる:(2006年12月26日に出願され、薬物治療のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号60/871,864号;(2007年4月2日に出願され、鼻涙管システムのための薬物送達方法、構造および複合体と題する)米国出願シリアル番号11/695,537号;(2006年3月31日に出願され、薬物治療のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号60/787,755号;(2007年4月2日に出願され、薬物治療のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号11/695,545号;(2007年9月7日に出願され、膨張可能な鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号60/970,696号;(2007年9月21日に出願され、膨張可能な鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号60/974,367号;(2007年9月7日に出願され、治療薬物の持続放出のための薬物コアの製造と題する)米国出願シリアル番号60/970,699号;(2007年9月7日に出願され、薬物送達のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号60/970,709号;(2007年9月7日に出願され、膨張可能な鼻涙管ドレナージシステムインプラントの製造と題する)米国出願シリアル番号60/970,720号;(2007年9月7日に出願され、インプラントデバイスのためのプロスタグランジン類似物および方法と題する)米国出願シリアル番号60/970,755号;(2007年9月7日に出願され、複数の薬物送達システムおよび薬物と涙点インプラントの組合せと題する)米国出願シリアル番号60/970,820号;(2008年4月30日に出願され、涙点インプラントおよび関連方法と題する)米国出願シリアル番号61/049,347号;(2008年4月30日に出願され、涙点インプラントおよび関連方法と題する)米国出願シリアル番号61/049,360号;(2008年3月14日に出願され、涙点インプラントおよび関連方法と題する)米国出願シリアル番号61/036,816号;(2008年4月30日に出願され、涙点インプラントおよび関連方法と題する)米国出願シリアル番号61/049,337号;(2008年4月30日に出願され、複合涙点インサートと題する)米国出願シリアル番号61/049,329号;(2008年4月30日に出願され、薬物放出ポリウレタン涙点インプラントと題する)米国出願シリアル番号61/049,317号;(2004年4月15日に出願され、涙点プラグを介した薬物送達と題する)米国出願シリアル番号10/825,047号;国際公開出願 WO 2006/014434号;および、(2006年3月31日に出願され、WO 2007/115259として公開され、薬物治療のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)国際出願シリアル番号PCT/US2007/065789号。
【0062】
一般的に、インプラントは、本体を含む。実施形態によっては、インプラント本体は、遠位端部および近位端部を有する。本体の遠位端部は、患者の小管内腔への涙点に少なくとも部分的に挿入可能である。インプラント本体は、ラタノプロストが少なくとも含浸されていて良く、またはさもなければ、ラタノプロストを、インプラント本体に挿入されるマトリックス薬物コア内などに含み得る。マトリックス薬物コアまたは含浸された本体が涙液に晒されることにより、ラタノプロストの、持続した期間にわたる涙液への有効的な放出が引き起こされる。インプラントは、薬物コアの特定の部分からのラタノプロストの放出を妨げるために薬物コアの少なくとも一部上に配置されたシースを含み得る。インプラント本体は、内腔の壁の組織に係合するように構成された外側表面を有し、内腔内に配置されたときに排除されることを防ぐようにする。多くの実施形態では、一体化されたフィードバック部または他の突起は、薬物のコアの近位端近くのシースの周りに接続される。実施形態では、一体化されたフィードバック部または他の突起は、涙点の外側に保持されるようなサイズに形成された1つ以上の翼を含み、薬物コアの近位端を涙点近くに保持するようにする。他の実施形態では、一体化されたフィードバック部または他の突起は、薬物コアの近位端近くのシースの周りに接続された完全なまたは一部の(例えば、トリミングされた)カラーを含む。カラーは、薬物コアの近位端を涙点近くに保持するために、涙点の外側に保持されるようなサイズに形成され得る。
【0063】
実施形態によっては、インプラントは、薬物コアのみを含み、コアを取り巻く付加的な構造が欠如している。実施形態によっては、薬物コアは、ラタノプロストとの不均質な混合物中に薬学的に許容可能なビヒクル、例えば、非生物学的吸収性ポリマー、例えば、シリコーンを含む、ラタノプロストマトリックスを含む。薬物コア中の不均質な混合物は、ラタノプロスト、またはラタノプロストの封入物で飽和したシリコーンマトリックスを含む。薬物コア中の封入物は、ラタノプロストの濃縮された形態であり、シリコーンマトリックスは薬物コア中に封入物を包含する。特定の実施形態では、シリコーンマトリックス中に包含されたラタノプロスト封入物は、シリコーンマトリックス中に包含された封入物の不均質な混合物を含む。薬物コア封入物は、ラタノプロスト油を含み得る。
【0064】
高い放出速度、低い放出速度、ボーラス放出、バースト放出、およびそれらの組合せを送達するためにインプラントデバイスを変更または適合することもまた、本発明の範囲内のことである。薬物のボーラスは、涙または涙層中にすぐに溶解する侵食性ポリマーキャップの形成によって放出され得る。ポリマーキャップが涙または涙層に接触するようになると、ポリマーキャップの溶解特性によりキャップが侵食されることを可能とし、ラタノプロストが全て一度に放出される。ラタノプロストのバースト放出は、ポリマーの溶解特性に基づいて涙または涙層中で侵食されるポリマーを用いて実行され得る。この例では、薬物またはポリマーは、デバイスの長さに沿って層化して、外側のポリマーが溶けると、薬物は直ちに放出されるようにすることができる。薬物の高いまたは低い放出速度は、薬物層が急速にまたはゆっくりと放出されるように、侵食性ポリマー層の溶解性を変化させることによって実現され得る。ラタノプロストを放出するための他の方法は、多孔性膜、(典型的な点眼液のような)溶解性ゲル、薬物の微粒子封入物、またはナノ粒子封入物を介して達成され得る。
(シース本体)
シース本体は、薬物コアからのラタノプロストの移動を制御するために、適切な形状および材料を含み得る。実施形態によっては、シース本体は薬物コアを収容し、コアとしっくりと適合し得る。シース本体は、ラタノプロストに対して実質的に不浸透性である材料から形成され、ラタノプロストの移動の速度は、シース本体によって覆われない薬物コアの露出表面によって大きく制御され得る。多くの実施形態では、シース本体を介したラタノプロストの移動は、薬物コアの晒されている表面を介したラタノプロストの移動の約10分の1以下、しばしば100分の1以下の値であり得る。別の言葉では、シース本体を介したラタノプロストの移動は、薬物コアの晒されている表面を介したラタノプロストの移動より少なくとも約1桁小さい。適切なシース本体は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(以下“PET”)を含む。シース本体は、コアに隣接したシース表面からコアから離れた側の対向するシース表面までとして定義される、約0.00025インチから約0.0015インチの厚さを有する。コアを横切って延びるシースの全直径は、約0.2nmから約1.2nmの範囲である。コアは、コアをディップコーティングすることによってシース材料中に形成され得る。代わりに、または組合せで、シース本体は、チューブおよび、例えば、シース本体チューブにスライド、注入または押し出され得る液体または固体として、シースに導入されるコアを含み得る。シース本体はまた、コアの周りにディップコーティングされ得て、例えば、予め形成されたコアの周りにディップコーティングされ得る。
【0065】
シース本体は、インプラントの臨床使用を容易にするために追加のフィーチャを備えることができる。例えば、シースは、インプラント本体、保持構造、およびシース本体が患者中の中に埋め込まれたままである間に交換可能である薬物コアを受けても良い。シース本体はしばしば、上述のように、保持構造に堅く取り付けられ、コアは、保持構造がシース本体を保持している間に交換可能である。特定の実施形態では、シース本体は、コアをシース本体に押し込む、およびシース本体から取り出すときにシース本体に力を加える外部突起を備えることが可能である。次いで、別の薬物コアをシース本体中に配置することができる。多くの実施形態では、シース本体または保持構造は、配置を表して、小管中または他の体組織構造中のシース本体または保持構造の配置が、患者によって容易に検知され得るようにするために、識別するフィーチャ、例えば、識別色を有し得る。保持要素またはシース本体は、少なくとも1つの印を、小管中の配置の深さを示し、保持要素またはシース本体が少なくとも1つの印に基づいて小管中の所望の深さに配置され得るために含み得る。
【0066】
(保持構造)
多くの実施形態では、保持構造は涙点または小管中にインプラントを保持するために用いられる。保持構造は、インプラント本体に取り付けられる、またはインプラント本体と一体化されている。保持構造は、インプラントが容易に所望の組織の位置、例えば涙点または小管中に配置されるようなサイズおよび形状に形成される適切な材料を含む。実施形態によっては、薬物コアは、少なくとも部分的に、シースを介して保持構造に取り付けられ得る。実施形態によっては、保持構造は、保持構造が涙点内に配置されたときに膨張するように構成されたヒドロゲルを含む。保持構造は、軸方向に向き付けされた表面を有する取付接合部材を含み得る。実施形態によっては、ヒドロゲルの膨張は、ヒドロゲルが含水している間、ヒドロゲルを保持するために軸方向に向き付けされた表面に対して力を与える。実施形態によっては、取付部材は、突起、フランジ、リム、または保持構造の一部を通る開口部の少なくとも1つを含み得る。実施形態によっては、保持構造は、実質的に涙点および小管の解剖学的構造に合致するインプラント本体部分サイズおよび形状を含む。
【0067】
保持構造は、小管内腔内に少なくとも部分的に適合するのに適したサイズを有しても良い。保持構造は、挿入のために適した小さなプロファイル構造と、内腔内に保持構造をつなぎ留めるように構成された大きなプロファイル構造の間で膨張可能であり得て、保持構造は、薬物コアの遠位端近くに取り付けられ得る。特定の実施形態では、保持構造は、保持構造が小さなプロファイル構造から大きなプロファイル構造に膨張するとき、薬物コアに沿って近位端近くにスライドし得る。薬物コアに沿った保持構造の長さは、小さなプロファイル構造より大きなプロファイル構造での方が短くても良い。
【0068】
実施形態によっては、保持構造は、弾力的に膨張可能である。小さなプロファイルは約0.2mm以下の断面を有しても良く、大きなプロファイルは約2.0mm以下の断面を有しても良い。保持構造は、スロットによって分離されたアームを有する管状本体を含み得る。保持構造は、少なくとも部分的に薬物コア上に配置され得る。
【0069】
実施形態によっては、保持構造は機械的に展開可能であり、典型的には、例えばニチノール(商標)のような超弾性形状記憶合金を含む保持構造のような所望の断面形状に膨張する。ニチノール(商標)に加えて、例えば、所望の膨張を与えるために、弾性のある金属またはポリマー、塑性変形可能な金属またはポリマー、形状記憶ポリマー等の他の材料が使用され得る。実施形態によっては、カリフォルニア州、サンディエゴにあるBiogeneral社から入手可能なポリマーおよびコーティングされた繊維が使用され得る。ステンレス鋼および非形状記憶合金などの多くの金属が使用され得て、所望の膨張を提供し得る。この膨張能は、インプラントを様々なサイズの中空の組織構造、例えば0.3mmから1.2mmの範囲(すなわち、万能サイズ)の小管に適合させることを可能にする。単一の保持構造は幅0.3mmから1.2mmの小管に適合するように製造し得るが、所望であれば、この範囲に適合するように、複数の代替の選択可能な保持構造、例えば、0.3から約0.9mmまでの小管に対する第1の保持構造および約0.9から1.2mmまでの小管に対する第2の保持構造が使用され得る。保持構造は、保持構造が取り付けられる解剖学的構造に適した長さ、例えば、小管の涙点近くに配置される保持構造のためには約3mmの長さを有する。異なる解剖学的構造のために、長さは適切な保持力を与えるために適する、例えば適切には1mmから15mmの長さであっても良い。
【0070】
インプラント本体は、上述のように、保持構造の1つの端に取り付けられ得るが、多くの実施形態では保持構造の他の端はインプラント本体に取り付けられず、よって保持構造は、保持構造が膨張している間、シース本体および薬物コアを含むインプラント本体上をスライドし得る。一端でのこのスライド可能性は、保持構造が幅方向に所望の断面幅を呈するように膨張するにつれ、長さが縮小され得るときには望ましい。しかしながら、多くの実施形態は、コアに相対的にはスライドしないシース本体を利用し得ることは留意されるべきであろう。
【0071】
多くの実施形態では、保持構造は組織から取り出すことが可能である。突起、例えばホック、ループ、またはリングが、保持構造の除去を容易にするために、インプラント本体の一部から伸長し得る。
【0072】
実施形態によっては、シースおよび保持構造は、2つの部分を含み得る。
【0073】
(閉塞要素)
閉塞要素は、保持構造に装着し、涙の流れを妨げるために保持構造と共に膨張可能である。閉塞要素は内腔を通る涙の流れを防ぎ得て、閉塞要素は、保持構造から内腔を保護するために保持構造の少なくとも一部を覆っても良い。閉塞要素は、インプラントが中空の組織構造を通る流体の流れ、例えば、小管を通る涙液を少なくとも部分的に妨げ、封鎖することさえできるようにするサイズおよび形状で形成された適切な材料を含む。閉塞要素は、例えばシリコーンなどの、膨張することが可能であり、保持構造に結ばれることが可能な生物学的適合性材料の薄い壁膜であり得る。閉塞要素は、上述のように、保持構造の一端の上をスライドし、保持構造の一端につなぎ留められる材料の別個の薄い管として形成される。代替として、閉塞要素は生物学的適合性ポリマー、例えばシリコーンポリマー中で保持構造をディップコーティングすることによって形成し得る。閉塞要素の厚さは、約0.01mmから約0.15mmまで、しばしば約0.05mmから0.1mmまでの範囲であり得る。
(薬物コア)
薬物コアは、いかなる追加の構造的成分を含むことなしにインプラント本体に挿入され得る、またはインプラント自身として機能し得る。薬物コアは、ラタノプロストおよびラタノプロストの持続放出を与える材料を含む。実施形態によっては、薬物コアは、ラタノプロストおよびキャリアとしてシリコーンからなる、または本質的にそれらからなる製剤である持続放出製剤を含む。ラタノプロストは、薬物コアから目標組織、例えば眼の毛様体筋に移動する。薬物コアは、オプションとしてマトリックス中にラタノプロストを含み得るが、その場合はラタノプロストがマトリックス内に分散、または溶解されている。ラタノプロストはマトリックス中にほんのわずかだけ可溶であり得るため、少量がマトリックス中に溶解し、薬物コアの表面からの放出に利用できる。ラタノプロストがコアの露出表面から涙または涙層に拡散するとき、コアから涙または涙層への移動の速度は、マトリックス中に溶解されているラタノプロストの濃度に関連し得る。加えて、または組み合わせて、コアから涙または涙層への移動の速度は、ラタノプロストが溶解しているマトリックスの特性に関連し得る。
【0074】
実施形態では、局所製剤または薬物コアは防腐剤を含まない。防腐剤は、例えば、塩化ベンザルコニウムおよびEDTAを含む。実施形態では本発明のインプラントは、アレルギー性が低く、これらの防腐剤を含む製剤と比較して化学過敏症を減少し得る。
【0075】
特定の実施形態では、コアから涙または涙層への移動の速度は、シリコーン製剤に基づき得る。実施形態によっては、薬物コア中に溶解されるラタノプロストの濃度は、ラタノプロストの所望の放出速度を提供するように制御され得る。コアに含まれるラタノプロストは、(油のような)液体、固体、固体ゲル、固体結晶、固体アモルファス、固体粒子、またはラタノプロストの溶解された形状を含み得る。実施形態によっては、薬物コアは、液体または固体封入物、例えばシリコーンマトリックス中に分散された液体ラタノプロスト小滴を含み得る。
【0076】
表1は、本発明の実施形態に従う、使用され硬化特性に関連する薬物インサート用シリコーンを示している。薬物コアインサート用マトリックス材料は、それぞれNuSilから市販で入手可能な、MED−4011、MED6385、およびMED6380のようなジメチルシロキサンを含むベースポリマーを含み得る。ベースポリマーは、共にNuSilから市販で入手可能な、白金−ビニル水素硬化系または錫−アルコキシ硬化系のような硬化系を用いて硬化され得る。多くの実施形態では、硬化系は、既知の材料に対して市販で入手可能な既知の硬化系、例えば既知のMED−4011を有する既知の白金−ビニル水素硬化系を含み得る。表1に示されている特定の実施形態では、MED−4011の90部が架橋剤の10部と組み合わされ得るため、架橋剤は混合物の10パーセントを構成することができる。MED−6385との混合物は、2.5%の架橋剤を含み得て、MED−6380の混合物は、2.5%または5%の架橋剤を含み得る。
【0077】
【表1】

硬化系およびシリコーン材料のタイプは、固体薬物コア挿入の硬化特性に影響し得て、潜在的には薬物コアマトリックス材料からの治療薬の収率に影響し得ることは、本発明に従って決定されている。特定の実施形態では、白金−ビニル水素硬化系を用いたMED−4011の硬化は、例えば20%薬物を超える高い濃度の薬物/プロドラッグを用いて、固体薬物コアは形成されなくても良いように妨げられ得る。特定の実施形態では、錫−アルコキシ系を用いたMED−6385またはMED6380の硬化は、高濃度、例えば20%の薬物/プロドラッグを用いて若干、妨げられ得る。この若干の硬化の抑制は、硬化過程の時間または温度を増すことによって補償され得る。例えば、本発明の実施形態は、40%薬物および60%MED−6385を含む薬物コアを、適切な硬化時間および温度を用いて錫−アルコキシ系を用いて製造し得る。類似の結果は、適切な硬化時間および温度を用いる錫−アルコキシ系を用いてMED6380系で得ることができる。錫−アルコキシ硬化系に対して良好な結果を得られるにも関わらず、そこでは錫−アルコキシ硬化系は固体薬物コアを製造しないことがあり得る上限、例えば50%またはそれ以上の薬物/プロドラッグが存在することが、本発明に従って決定されている。多くの実施形態では、固体薬物コア中のラタノプロストは、薬物コアの重量に対して、少なくとも約5%、例えば約5%から50%までであり得るし、薬物コアの重量に対して、約20%から約40%までであり得る。
【0078】
薬物コアまたは他の薬剤のサプライ(例えば、インプラント含浸本体)は、ラタノプロストの持続放出を与えることが可能な1つ以上の生物学的適合性材料を含み得る。薬物コアは、溶けて、その中に位置しているラタノプロストの封入物を有する実質的に非生物学的適合性のシリコーンマトリックスを有するマトリックスを含む実施形態に関して上で記載したが、薬物コアは、ラタノプロストの持続放出を提供する構造、例えば、生分解性のマトリックス、多孔性薬物コア、液体薬物コアおよび固体薬物コアを含み得る。
【0079】
ラタノプロストを含むマトリックスは、生分解性または非生分解性ポリマーのいずれかから形成され得る。非生分解性薬物コアは、シリコーン、アクリル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリウレタン、ヒドロゲル、ポリエステル(例えば、E.I.Du Pont de Nemours and Company、デラウェア州ウィルミントンからのDACRON.RTM.)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、押出コラーゲン、ポリマー発泡体、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネートウレタン、ポリウレタン、ポリイミド、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)、チタン、ステンレス鋼、コバルト−クロム合金(例えば、イリノイ州ワイオミッシングのElgin Specialty MetalsからのELGILOY.RTM.;ペンシルバニア州ワイオミッシングのCarpenter Metals Corp.からのCONICHROME.RTM.)を含み得る。
【0080】
生分解性薬物のコアは、タンパク質、ヒドロゲル、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグルコナート、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド共重合体、修正セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシブチレート、無水物、ポリフォスフォエステル、ポリ(アルファ−ヒドロキン酸)、およびそれらの組合せのような、1つ以上の生分解性ポリマーを含み得る。実施形態によっては、薬物コアは、少なくとも1つのヒドロゲルポリマーを含み得る。
(特定のインプラント実施形態)
本明細書中に記載されている方法で使用され得るインプラントの様々な実施形態は、以下のようである(下の例のセクションも参照せよ)。実施形態によっては、薬物インサートは、硬化された医用グレード固体シリコーンであるNusil 6385中に分散されたラタノプロストで満たされた薄壁ポリイミドチューブシース本体を含む。硬化シリコーンは、そこからラタノプロストがゆっくりと溶出する、固体で非侵食のマトリックスとして機能する。薬物インサートは、遠位端で固体のLoctite4305医用グレード接着剤(シアノアクリレート)の硬化フィルムでシールされている。ポリイミドチューブシース本体は不活性であり、接着剤と共に、構造支持および横方向の薬物拡散および薬物インサートの遠位端を通る薬物拡散の両方の障壁を与える。薬物インサートは、涙点インプラントの穴の中に設置され、締り嵌めを介してその場に把持される。実施形態によっては、インプラントの本体は、少なくとも部分的に、ラタノプロストなどの治療薬が含浸されている。
【0081】
図1は、涙点プラグ100の断面図の実施形態の例であって、プラグの長軸に平行な線に沿ったものを示している。図1に示されているように、涙点プラグ100は、プラグ本体102を含む。示されている実施形態では、プラグ本体102は、プラグ本体102の近位端118からまたはプラグ本体102の近位端118の周りに少なくとも部分的に横方向に延びる突起のような、一体化フィードバック部または他の突起122を含む。突起122はカラレットの形状をしており、カラレットは、プラグ本体102の遠位部の小管への挿入の後、カラレットの少なくとも一部が涙点を超えて延びるまたは涙点の外側となるのに十分な程度まで、プラグ本体102から外側に放射状に延びている。
【0082】
この実施形態では、プラグ本体102は少なくとも部分的に薬物放出または他の薬剤放出薬物サプライ120に含浸されている。ある実施形態では、薬物サプライ120は、プラグ本体102内に配置される、プラグ本体102の中に分散されている、またはさもなければプラグ本体102内に含まれる。共同所有のOdrichによる、参照によって本明細書中に組み込まれる、(200年4月15日に出願され、涙点プラグを介した薬物送達と題する)出願シリアル番号第10/825,047号で議論されているように、薬物サプライ120の薬剤は、プラグ本体102から眼の涙液または鼻涙管系に放出され得る。実施形態によっては、不浸透性のシースが、そこからの薬物サプライ120放出を制御するために、プラグ本体120の一部の上に配置される。
【0083】
図2Aは、涙点に挿入可能である涙点プラグインプラント200の実施形態の例を示している。涙点プラグインプラント200の涙点への挿入は、(例えば、ドライアイを治療するための)涙点を通る涙液の抑制もしくは封鎖、または(例えば、感染症、炎症、緑内障もしくはその他の眼疾患の1つ以上の治療のために)治療薬の眼への持続送達の1つ以上を許容し得る。この実施形態では、涙点プラグ200は、近位端部204から遠位端部206に延び、保持構造208を有するプラグ本体202を含む。
【0084】
様々な実施形態では、プラグ本体202は、シリコーン、ポリウレタンならびに他のウレタンベース材料、または非生分解性、部分的に生分解性もしくは生分解性(すなわち、本体内で侵食可能である)のアクリル系などの弾性材料を用いて成形され得て、保持構造の少なくとも一部が外側に変形することを許容する。実施形態によっては、生分解性弾性材料はポリ(ビニルアルコール)などの架橋ポリマーを含む。実施形態によっては、プラグ本体202の異なる部分は、異なる材料から作られる。例えば、プラグ本体近位端部204は、シリコーン/ポリウレタンコポリマーを含み得て、プラグ本体遠位端部206はポリウレタンヒドロゲルまたは他の固体ヒドロゲルを含み得る。ある実施形態では、プラグ本体近位端部204はシリコーンを含み得て、プラグ本体遠位端部206は親水性シリコーン混合物を含み得る。プラグ本体302を形成するために用いられ得る他のコポリマーは、シリコーン/ウレタン、シリコーン/ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびシリコーン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含む。
【0085】
ある実施形態では、プラグ本体202は、近位端にまたは近位端近くに第1のチャンバ210を有し、遠位端にまたは遠位端近くに第2のチャンバ212を有する円筒状構造を含み得る。ラタノプロスト薬物コア214は、第1のチャンバ210中に配置し得るが、その一方、生分解性または非生分解性のヒドロゲルまたは他の膨張可能な保持要素216が第2のチャンバ216中に配置し得る。実施形態によっては、生分解性保持要素は、塩およびセルロースベースの混合物を含み得る。実施形態によっては、非生分解性保持要素は、ヒドロゲルまたは他の合成ポリマーを含む。プラグ本体隔壁218は、第1のチャンバ210と第2のチャンバ216の間に配置され得て、薬物コア214とヒドロゲル保持要素216の間の物質の連通を抑制するまたは止めるために用いられ得る。
【0086】
様々な方法で、膨張可能な、ヒドロゲル保持要素216は、保持構造208の一部の内部などに、実質的に包含され得る。様々な実施形態では、保持構造208は、流体浸透性保持具であって、涙点に挿入した際に、流体がヒドロゲル保持要素216に受けられて、流体がヒドロゲル保持要素216によって吸収されるもしくはさもなければ保持されることを可能にする流体浸透性保持具を含み得る。ヒドロゲル保持要素216は、保持構造208の1つ以上の表面部分が涙小管の壁に接触するように駆動するサイズおよび形状などに膨張し、それによって涙点インプラントの少なくとも一部を涙点内に保持する、または保持する助けをするように構成され得る。実施形態によっては、流体浸透性保持具は、保持構造208の外側壁に配置されるような、流体浸透性開口220を含み得る。実施形態によっては、流体浸透性開口220は流体浸透性もしくは親水性キャップ部材222または他の膜を含み得る。実施形態によっては、流体浸透性保持具は流体浸透性もしくは親水性インプラント本体部分224を含み得る。流体浸透性保持具のこれらの例220、222、および224はまた、膨張の間および膨張により、ヒドロゲル保持要素216が保持構造208の外に、感知できるほど突出することを防ぎ得る。
【0087】
インプラント本体202は、プラグ本体202の近位端部204からまたはインプラント本体202の近位端部204の周り(例えば、除去ループ)に少なくとも部分的に横方向に延びるような、フィードバック部または他の突起226を含み得る。実施形態によっては、突起226は除去ループを含み得る。実施形態によっては、突起226は、涙点インプラント200が小管内に完全に進むことを抑制するもしくは妨げるために、または、触感的もしくは視覚的なフィードバック情報をインプラントを使用しているインプラントユーザに与えるためなど、涙点開口に接してもしくは(例えば、ランプ部260を介して)涙点開口の近くに配置されるように構成され得る。実施形態によっては、突起226の近位端は、埋め込まれたときに患者に快適さを与える助けをするためなど、凸部を含み得る。実施形態によっては、突起226は約0.8ミリメートルの凸直径を含み得る。実施形態によっては、突起226は直径が約0.7ミリメートルと約0.9ミリメートルの間である。実施形態によっては、突起226は、直径が約0.5ミリメートルから約1.5ミリメートル、厚さが0.1ミリメートルから約0.75ミリメートルの非凹形状を含み得る。実施形態によっては、突起226は、柱状突起がインプラントプラグ近位端204の対向する側面から延びる、翼形状を有する。例によっては、そのような突起226は、外側プラグ本体表面から近位端204の周りに360度延びる部分的にトリミングされたカラーを含む。いくつかの例では、このような突起226は、横方向プラグ本体表面から近位端204の周りに360度延びる完全なカラーを含む。例では、突起226は、平坦なディスク(すなわち、比較的平坦な上面および底面)に類似の断面形状を含む。薬物または他の薬溶出ポート228は突起226を通って延び、薬物コア214薬剤の眼への持続放出を与えるなどをし得る。
【0088】
図2Bは、図2Aの線2B−2Bに沿ってなど、インプラントの長軸に平行な線に沿って切り取られた涙点プラグインプラント200の実施形態の例の断面図を示している。図2Bに示されているように、涙点プラグは、プラグ本体遠位端部206でまたはプラグ本体遠位端部206近くにヒドロゲル保持要素216、および例えば遠位端部204にまたは遠位端部204近くにプラグ本体内に配置されたラタノプロスト薬物コア214を実質的に包含する保持構造208を有するプラグ本体202を含み得る。この実施形態では、薬物コア214は、第1のプラグ本体チャンバ210内に配置され、ヒドロゲル保持要素216は、第2のプラグ本体チャンバ212内に配置される。上述のように、ヒドロゲル保持要素216は、プラグインプラント200の少なくとも一部を涙点内に保持するまたは保持することを助けるサイズおよび形状に膨張するように構成され得る。実施形態によっては、ヒドロゲル保持要素250はまた、プラグ本体202の外側表面部分上にコーティングされるまたはさもなければ与えられ、プラグ200の少なくとも一部を涙点内に保持するまたは保持することを助けるための別の(例えば、第2の)機構を与える。
【0089】
ヒドロゲル保持要素216を実質的に包含するために使用され得る、保持構造208は、プラグ本体202のサイズに対して、様々なサイズであり得る。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの少なくとも約5分の1である。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの少なくとも約4分の1である。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの少なくとも約3分の1である。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの少なくとも約半分である。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの少なくとも約4分の3である。実施形態によっては、保持構造208はプラグ本体202の長さの約全体である。
【0090】
図2Bの実施形態の例で示されているように、ヒドロゲル保持要素216は、涙点を通る挿入および涙小管への挿入を補助する、非膨張“ドライ”状態を有し得る。一旦、小管内に配置されると、ヒドロゲル保持要素216は、膨張された構造を形成するために流体透過性保持具220、222、224(図2A)を介してなどで、小管または他の流体を吸収するまたは保持することが可能である。実施形態によっては、ヒドロゲル保持要素216は、非生分解性である材料を含み得る。実施形態によっては、ヒドロゲル保持要素216は、生分解性である材料を含み得る。ヒドロゲル保持要素216の他のオプションもまた、使用され得る。例えば、ヒドロゲル保持要素216は、保持構造208と共に1つの部品に成形されることも可能であるし、または1つの部品として別個に形成し、その後で保持構造208に結合されることも可能である。
【0091】
例によっては、インプラント本体202の近位端にまたは近位端近くに配置された薬物コア214は、マトリックス254内に分散され得る、複数のラタノプロスト封入物252を含み得る。実施形態によって、封入物252は、ラタノプロストの濃縮形態(例えば、結晶薬物形態)を含む。実施形態によっては、マトリックス254はシリコーンマトリックス等を含み、マトリックス内の封入物254の分布は、不均質であっても良い。実施形態によっては、薬物封入物252は、ラタノプロスト油のような、油の液滴を含む。さらに別の実施形態では、薬物封入物252は、固体粒子を含む。封入物は、多くのサイズおよび形状であり得る。例えば、封入物は、約1マイクロメートルから約100マイクロメートルのオーダーの大きさを有する微粒子であり得る。
【0092】
図示された実施形態では、薬物コア214は、薬物コアの少なくとも1つの露出表面258を画定するためなどに、薬物コアの少なくとも一部の上に配置されたシース本体256を有する。露出表面258は、涙点プラグ200が涙点に挿入されたときに、涙もしくは涙層液に接触し、持続した時間にわたり1つ以上の治療レベルでラタノプロストを放出するためなどで、プラグ本体の近位端部204にまたはプラグ本体の近位端部204近くに配置され得る。
【0093】
図2Cは、プラグの長軸に平行な線に沿って切り取られた涙点プラグ200の実施形態の例の断面図を示している。図2Cに示されているように、涙点プラグは、フィードバック部または他の突起226(図2A)を有しないプラグ本体202を含む。この方法では、プラグ200は、涙点の内部に完全に挿入され得る。実施形態によっては、第1のチャンバ210は、約0.013インチ×約0.045インチの大きさを含み得る。実施形態によっては、第2のチャンバ212は約0.013インチ×約0.020インチの大きさを含み得る。
【0094】
図3Aは、涙点に挿入可能であり得る涙点プラグインプラント300の別の実施形態を示している。涙点プラグ300の涙点への挿入は:(例えば、ドライアイを治療するための)涙点を通る涙流の抑制もしくは封鎖、または(例えば、感染症、炎症、緑内障もしくはその他の眼疾患もしくは障害の治療のために)眼、(例えば、副鼻腔やアレルギー疾患の治療のために)鼻腔、または(例えば、めまいや頭痛の治療のために)内耳系への治療薬の持続送達の1つ以上を許容し得る。
【0095】
この実施形態では、涙点プラグ300は、第1の304部分および第2の306部分を含むプラグ本体302を含む。プラグ本体302は第1部分304の近位端308から第2部分306の遠位端310に延びる。様々な実施形態で、近位端308は長近位軸312を定義し得るし、遠位端310は長遠位軸312を定義し得る。プラグ本体300は、埋め込まれたとき、プラグ本体302の少なくとも一部を小管の曲がりにまたは小管の曲がりよりさらに遠くに配置される涙小管の少なくとも一部に対してバイアスするために、近位軸312および遠位軸314の間に、少なくとも45度傾いた交差316が存在するように構成され得る。実施形態によっては、プラグ本体302は、傾いた交差316は約45度と約135度の間であるように構成され得る。この実施形態では、プラグ本体302は、傾いた交差316は約90度であるように構成されている。様々な実施形態では、第1部分304の遠位端326は、第2部分306の近位端328で、または第2部分306の近位端328近くで、第2部分306と一体化され得る。
【0096】
ある実施形態では、プラグ本体302は、近位端308近くに配置された第1のキャビティ318および遠位端310近くに配置された第2のキャビティ320の1つまたは両方を含む、角度を持って配置された円筒状構造を含み得る。この実施形態では、第1のキャビティ318は、第1部分304の近位端308から内側に伸び、第2のキャビティ320は、第2部分306の遠位端310から内側に延びる。第1の薬物を放出する薬物サプライ322は、第2の薬物または他の薬を放出する薬物サプライ324が持続した薬物または他の薬剤の放出を例えば、鼻腔または内耳系に与えるために第2のキャビティ320内に配置され得る間に、眼に持続薬物放出を与えるために第1のキャビティ318内に配置され得る。プラグ本体隔壁330は、第1のキャビティ318と第2のキャビティ320の間に配置され得て、第1の薬物サプライ322と第2の薬物サプライ324の間の物質の連通を抑制するまたは封鎖するために、使用され得る。
【0097】
実施形態によっては、薬物放出または他の薬剤放出が、少なくとも部分的に、薬物サプライ322、324の露出表面を介して生じ得る。実施形態によっては、露出表面の幾何を制御することによって、所定の薬物放出または他の薬放出速度が達成され得る。例えば、露出表面は、例えば短期ベースで、または外来患者の医者訪問の間の長期ベースでのように、特定の幾何または眼への薬物または他の薬剤の放出速度を制御するために適切な他の技術を用いて構成され得る。薬物サプライ322、324からの1つ以上の薬物または他の薬剤の有効放出速度に関するさらなる記載は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれ、特定の放出速度を得ることの記載を含む、権利者が共通でDeJuanらによる(2007年4月2日に出願され、薬物治療のための鼻涙管ドレナージシステムインプラントと題する)米国出願シリアル番号11/695,545号に見出され得る。実施形態によっては、薬物サプライ322、324の露出表面は、薬物サプライがプラグ本体302の外側に突出しないように、それぞれ第1部分304の近位端308または第2部分306の遠位端310と同一面または若干下であり得る。実施形態によっては、薬物サプライの露出表面は、薬物サプライ322がプラグ本体302の外側に突出しないように、例えば、近位端308より上に配置され得る。
【0098】
プラグ本体302は、第1のプラグ本体部分304の近位端部308からまたは第1のプラグ本体部分304の近位端部308の周りに少なくとも部分的に横方向に延びる突起のような、一体化フィードバック部または他の突起332を含み得る。実施形態によっては、突起332は、インプラント位置から涙点プラグ300を除去する際に使用するための翼の組を含み得る。除去翼の組は、プラグ本体302の非線形構成が、小管の曲がり、およびオプションとして、涙小管膨大部のサイズまたは形状をとることによって、移動を封鎖することができるように、心の中では、移動抜きに構成され得る。実施形態によっては、突起332は、涙点プラグ300が小管内に完全に進むことを抑制するもしくは妨げるために、または、例えば、プラグが完全に埋め込まれているかどうかについて、触感的もしくは視覚的なフィードバック情報をインプラントユーザに与えるためなど、涙点開口に接してもしくは涙点開口の近くに配置されるように構成され得る。突起332は、埋め込まれたとき、眼に平行な方向または眼から離れる方向に横方向に延び得る。このことは、突起の一部が眼に向かって延びている場合に比べて、眼への刺激を減少させるであろう。加えて、近位端308から突起332が外側に延びる方向は、第1のプラグ本体部分304の遠位端326に対して、第2のプラグ本体部分306の横方向の延伸方向と実質的に同一であり得る。このことはまた、眼に向かって延びることを避けることを可能とする。薬物溶出ポートまたは他の薬剤の溶出ポートは、薬物サプライ322薬の眼への持続放出を与えるためなど、カラー突起332を通って延びることが可能である。
【0099】
様々な実施形態では、プラグ本体302は、非直線上に延びるプラグ本体302の形成を可能にする、シリコーン、ポリウレタン、NuSil(例えば、2% 6−4800を有するNuSil 4840)または非生分解性、部分的に生分解性または生分解性(すなわち、本体内で侵食可能である)のアクリル系などの弾性材料を用いて成形され得る。実施形態によっては、生分解性弾性材料は、ポリ(ビニルアルコール)の架橋ポリマーを含む。実施形態によっては、プラグ本体302は、シリコーン/ポリウレタン共重合体を含み得る。プラグ本体302を形成するために使用され得る他の共重合体は、限定されるものではないが、シリコーン/ウレタン、シリコーン/ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびシリコーン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含む。参照によりその全体が本明細書中に組み込まれ、権利者が共通でJainらによる(2008年4月30日に出願され、薬物放出ポリウレタン涙点インプラントと題する)出願シリアル番号61/049,317号中で議論されているように、ウレタンベースのポリマーおよび共重合体材料は、様々なプロセス方法を許容し、互いに良く接着される。
【0100】
図3Bは、図3Aの線3B−3Bに沿ってなど、プラグの長軸に平行な線に沿って切り取られた涙点プラグ300の実施形態の例の断面図を示している。図3Bに示されているように、涙点プラグ300は、第1の部分304および第2の部分306を含むプラグ本体302を含む。プラグ本体302は第1部分304の近位端308から第2部分306の遠位端310に延びる。様々な実施形態で、近位端308は長近位軸312を定義し得るし、遠位端310は長遠位軸312を定義し得る。プラグ本体300は、埋め込まれたとき、プラグ本体302の少なくとも一部を小管の曲がりにまたは小管の曲がりよりさらに遠くに配置される涙小管の少なくとも一部に対してバイアスするために、近位軸312および遠位軸314の間に、少なくとも45度傾いた交差316が存在するように構成され得る。この実施形態では、プラグ本体302は、傾いた交差316は約90度であるように構成されている。
【0101】
様々な実施の形態では、第1部分304の遠位端326は、第2端326の近位端328でまたは第2端326の近位端328近くで第2部分306と一体化され得る。実施形態によっては、第2部分306は、第1部分304の長さの4倍より小さい大きさを有する長さを含み得る。一実施形態では、第2部分306は、図3B中に示されているように、約10ミリメートル未満の長さを含み得る。別の実施形態では、第2部分306は、約2ミリメートル未満の長さを含み得る。
【0102】
ある実施形態では、第2部分306は、涙点プラグ300が埋め込まれているときに、涙点または小管の1つまたは両方のような解剖学的組織352を、十分な直径に広げるために、一体化拡張器350を含み得る。この方法では、涙点プラグ300は、別個の拡大ツールを介した事前拡張に対する必要性なしに、様々なサイズの眼の解剖学的構造に埋め込まれ得る。拡張器350は、涙点と小管の内層に外傷性ではないように形成され得る。実施形態によっては、プラグ本体302の外側表面上に配置された、または外側表面に含浸された潤滑性コーティングが、涙点プラグ300の解剖学的組織352への挿入をさらに助けるために使用され得る。一実施形態では、潤滑性コーティングはシリコーン潤滑剤を含み得る。
【0103】
示されているように、拡張器350は一般には、第2部分306の近位端328近くの位置から第2部分306の遠位端310に、約0.6ミリメートルの直径から約0.2ミリメートルの直径へのように狭くなり得る。実施形態によっては、拡張器350の外側表面の傾きは、第2部分306の近位端328近くの場所から第2部分306の遠位端310に測ったとき、長遠位軸314に関して、約1度から約10度(例えば、2度、3度、4度、または5度)の間であり得る。実施形態によっては、拡張器350の傾きは、長遠位軸314に関して、45度より小さくて良い。他の因子の中でも、所定のインプラント状況に対する所望の拡張器350の傾きの決定は、埋込みで、柔らかく、可撓性で、一致した(例えば、涙小管と一致する)プラグ本体を有するという希望と、プラグインプラントに対して希望されるプラグ本体320強度のバランシングによってなされ得る。実施形態によっては、拡張器の先端354は約0.2ミリメートルと約0.5ミリメートルの間であり得る。
【0104】
ある実施形態では、第2プラグ本体部分306の近位端328は、埋め込まれたとき、涙小管大部の少なくとも一部に対してバイアスするように構成される先頭拡大部356を含み得る。この実施形態では、先頭拡大部356は第1プラグ本体部分304と第2プラグ本体部分306の間の交差点から近位方向に、拡張器350の広がりとは反対の方向などに、突出する。
【0105】
ある実施形態では、プラグ本体302は、近位端308近くに配置された第1のキャビティ318を含み得る。この実施形態では、第1のキャビティは、近位端308から内側に約2ミリメートル以下広がり、眼に持続的な薬物または他の薬剤の放出を与えるために第1の薬物または他の薬を放出する薬物サプライ322を収容する。実施形態によっては、薬物サプライ322は、マトリックス362中に分散され得る、複数の治療薬封入物360を含み得る。実施形態によっては、封入物360は、治療薬(複数の治療薬)の濃縮形態(例えば、結晶薬物形態)を含み得る。実施形態によっては、マトリックス362はシリコーンマトリックス等を含み、マトリックス内の封入物360の分布は、不均質であっても良い。実施形態によっては、薬物封入物360は、ラタノプロスト油のような、油の液滴を含む。さらに別の実施形態では、薬物封入物360は、結晶形態のビマトプロスト粒子のような固体粒子を含む。封入物は、多くのサイズおよび形状であり得る。例えば、封入物は、約1マイクロメートルから約100マイクロメートルのオーダーの大きさを有する微粒子であり得る。
【0106】
図示された実施形態では、薬物サプライ322は、薬物サプライの少なくとも1つの露出表面368を定義するためなどに、薬物サプライ322の少なくとも一部の上に配置されたシース本体366を有する。露出表面368は、涙点プラグ300が涙点に挿入されたときに、涙もしくは涙層液に接触し、持続した時間にわたり1つ以上の治療レベルで治療薬を放出するためなどで、プラグ本体302の近位端308にまたは近位端308近くに配置され得る。
【0107】
図4Aは、涙点に挿入可能であり得る涙点プラグ400の実施形態を示している。様々な実施形態で、涙点プラグ400は、涙点に少なくとも部分的に挿入するようなサイズおよび形状に形成された第1の部分404および第2の部分406を含むプラグ本体402を含む。第1の部分404は、ポリマーから形成され、第1の直径408を含む。第2の部分406はまた、ポリマーから形成され、第1の直径408より小さい第2の直径410を有する基材412(例えば、マンドレルまたは背骨のような部材)を含む。実施形態では、第1の部分404および第2の部分406は、一体に結合され、単一のプラグ本体402を含む。実施形態では、第1の部分404および第2の部分406は、例えば、結合ボイドと結合アームの間の係合を介して互いに結合され得る、別個の要素である。
【0108】
膨潤性材料のような、膨張可能保持部材414は、基材412に接着され得るまたはさもなければ基材412上に結合され得て、膨張可能保持部材414が基材412の一部を、少なくとも部分的に包囲する。実施形態では、膨張可能保持部材は、実質的に基材412を包囲する。膨張可能保持部材414が、涙点への挿入によってなどで、涙液または他の流体を吸収するまたはさもなければ保持すると、膨張可能保持部材のサイズは増大し、膨張可能保持部材の形状は変化し得、そのことによってそれ自身が関連する小管の壁に力を及ぼし、若干バイアスする。膨張可能保持部材414は対象に保持に伴う快適さを提供し、小管壁の制御されたバイアシングを介して涙点インプラント400インプラント保持を改良すると信じられている。
【0109】
膨張可能保持部材414のプラグ本体402の一部分上の位置づけは、保持部材414がその場で涙液に対して自由に晒されることを許容し、そのことによって広い範囲の可能な拡大率を取ることができるようになる。さらに、基材412は、膨張可能保持部材414が、例えば、接着し得る適切な結合表面領域を提供し、涙点プラグ400が患者から取り出された後で、膨張可能保持部材414の材料が涙点中に残らないようにする。この実施形態中に示されているように、膨張可能保持部材414は、涙点を通る挿入および涙小管への挿入を補助する、非膨張“ドライまたは脱水”状態を含み得る。一旦、小管内に配置されると、膨張可能保持部材414は、膨張された構造を形成するために涙液を吸収するまたはさもなければ保持することが可能である。
【0110】
実施形態によっては、プラグ本体402は、第1の部分404の近位端418近くに配置されるキャビティ416を含む円筒状構造を含み得る。この実施形態では、キャビティ416は、近位端418から内側に延び、眼に持続的な薬物または他の薬剤の放出を与えるための第1の薬物または他の薬剤を放出する薬物サプライ420を含む。薬物または他の薬剤の放出は、少なくとも部分的に、薬物サプライ420の露出表面を介して生じ得る。実施形態では、薬物サプライ420の露出表面は、薬物サプライ420が少なくとも部分的にインプラント本体402の外側に突出するように近位端418より上に配置され得る。実施形態によっては、薬物サプライ420の露出表面は、薬物サプライ420がプラグ本体402の外側に突出しないように、近位端418と同一面またはそれより若干下であり得る。
【0111】
実施形態によっては、露出表面近くの幾何または薬物濃度勾配を制御することによって、所定の薬物または薬の放出速度が達成され得る。例えば露出表面は、例えば短期ベースで、または外来患者の医者訪問の間の長期ベースでのように、特定の幾何または眼への薬物または他の薬剤の放出速度を制御するために適切な他の技術を用いて構成され得る。
【0112】
プラグ本体402は、第1のプラグ本体部分404の近位端418のからまたは近位端418の周りに少なくとも部分的に横方向に延びる突起のような、一体化フィードバック部または他の突起422を含み得る。実施形態では、突起422は、外側プラグ本体表面から近位端418の周りに360度延びる部分的にトリミングされたカラーを含む。実施形態では、突起422は、外側プラグ本体表面から近位端418の周りに360度延びる完全なカラーを含む。実施形態では、突起422は、平坦なディスク(すなわち、比較的平坦な上面および底面)に類似の断面形状を含む。様々な実施形態では、突起422は、プラグ本体402の第2部分406が関連する小管内腔内に配置されたとき、涙点プラグ400が小管内腔内に完全に進むことを抑制するもしくは防ぐために、または、(例えば、プラグが完全に埋め込まれているかどうかについて)触感的もしくは視覚的なフィードバック情報をインプラントユーザに与えるため、または、埋め込み位置から涙点400を取り除くためなどに、涙点開口に接してもしくは涙点開口の近くに配置されるように構成され得る。実施形態では、突起422は、涙点プラグ400が小管に落ちて行くことを防ぐために、約0.5〜5.0mmの直径を有する部分を含む。
【0113】
図4Bは、図4Aの線4B−4Bに沿ってなど、プラグの長軸に平行な線に沿って切り取られた涙点プラグ400の断面図の実施形態の例を示している。図4Bに示されているように、涙点プラグ400は、涙点に少なくとも部分的に挿入されるためのサイズおよび形状が形成された、第1の部分404および第2の部分406を含むプラグ本体402を含む。第1の部分404は、ポリマーから形成され、第1の直径408を含む。第2の部分406も、ポリマーから形成され、第1の直径408より小さい第2の直径410を有する基材412(例えば、マンドレルまたは背骨のような部材)を含む。実施形態では、基材412は、プラグ本体402の全長の少なくとも約3分の1である。実施形態では、基材412は、プラグ本体402の全長の少なくとも約半分である。示されている実施形態では、プラグ本体402はまた、第1のプラグ本体部分404の近位端418のからまたは近位端418の周りに少なくとも部分的に横方向に延びる突起のような、一体化フィードバック部または他の突起422を含む。
【0114】
様々な実施形態では、プラグ本体402は、シリコーン、ポリウレタン、もしくは他のウレタンベース材料、またはそれらの組合せなどの弾性材料を用いて成形され得る、またはさもなければ形成され得る。実施形態では、第1の部分404または第2の部分406の一方または両方がウレタンベース材料を含む。実施形態では、第1の部分404または第2の部分406の1つまたは両方は、4080(登録商標)またはPurSil(登録商標)などの、シリコーンベース材料を含む。PurSil(登録商標)はさらに、米国特許第5,589,563号および第5,428,123号に記載されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態では、第1の部分404または第2の部分406の一方または両方は、ポリウレタン/シリコーン、ウレタン/カーボネート、シリコーン/ポリエチレングリコール(PEG)、およびシリコーン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などの共重合体材料を含む。様々な実施形態では、プラグ本体402は、その場では非吸収性であるように構成され、(例えば、涙点プラグ400の挿入および取出の間の)切断強さおよび大きさ安定性の問題に取り組むためには十分に強い。
【0115】
膨潤性材料のような、膨張可能保持部材414は、基材412に接着され得るまたはさもなければ基材412上に結合され得て、膨張可能保持部材414が基材412の一部を、少なくとも部分的に包囲する。膨張可能保持部材が、涙点への挿入によってなどで、涙液を吸収するまたはさもなければ保持すると、膨張可能保持部材のサイズは増大し、膨張可能保持部材の形状は変化し、そのことによってそれ自身が関連する小管の壁に力を及ぼし、若干バイアスする。様々な実施形態では、膨張可能保持部材414は、膨潤性材料を用いて成形され得る、またはさもなければ形成され得る。実施形態では、膨張可能保持部材414は、TG−2000(登録商標)、TG−500(登録商標)、または他のウレタンベースのヒドロゲルのような、ポリウレタンヒドロゲルを含む。実施形態では、膨張可能保持部材414は、非等方的に膨張するように構成され得る、熱硬化性ポリマーを含む。実施形態では、膨張可能保持部材414は、膨張でその形状を維持しないが、むしろ小管内腔壁の形状またはその他の包囲構造に一致するよう適合される、ゲルを含む。
【0116】
実施形態によっては、涙点プラグ400は、ポリウレタンまたは他のウレタンベース材料を含む基材412およびポリウレタンまたは他のウレタンベースの膨潤性材料を含む膨張可能保持部材414を含む。実施形態では、ポリウレタンヒドロゲルは、基材412の、プラズマ処理外側表面のような、外側表面に直接的に結合される。
【0117】
実施形態によっては、涙点プラグ400は、基材412などのプラグ本体402の一部と、膨張可能保持部材414の一部の間に配置された中間部材450を含む。中間部材450は、埋め込まれたときに、基材412のポリマーより多くの量の涙液を吸収するが、膨張可能保持部材414の膨潤性ポリマーほどは吸収しないように構成された材料を含み得る。中間部材450は、プラグ本体402の実質的に非膨潤性ポリマーと膨張可能保持部材414の膨潤性ポリマーの間のような、インテグリティを有する涙点プラグ400を与え得る。例えば、膨張可能保持部材414のポリマーは湿気に晒されて膨張するとき、膨張するポリマーは、中間部材450がないときには、基材412の元になっている、非膨潤性ポリマーから遠くで膨張するであろうことが可能である。実施形態では、中間部材450はPurSil(登録商標)を含み、基材412の外側表面上に浸されるまたはさもなければコーティングされる。実施形態では、中間部材450は、Tecophilic(登録商標)ウレタンまたはTecophilic(登録商標)溶液階級ウレタンのような、約10%から約500%水を吸収するように構成されたポリウレタンを含む。第1のポリマー材料の部分と、典型的には第1のポリマー材料とは異なる、第2のポリマー材料の部分の間に配置される中間部材450の使用に関するさらなる議論は、権利者が共通でSimらによる、参照によって本明細書中に組み込まれる、(2009年4月30日に出願され、複合涙点インサートと題する)米国出願シリアル番号第61/049,329号中に見出され得る。
【0118】
ある実施形態では、プラグ本体402は、第1の部分404の近位端418近くに配置された第1のキャビティ416を含み得る。実施形態では、第1のキャビティ416は、近位端418から内側に約2ミリメートル以下広がり、眼に持続的な薬物または他の薬剤の放出を与えるために第1の薬物または他の薬を放出する薬物サプライ420を収容する。実施形態では、第1のキャビティ416は、プラグ本体402を通って広がり、眼に持続的な薬物または他の薬剤の放出を与えるために第1の薬物または他の薬を放出する薬物サプライ420を収容する。様々な実施形態では、薬物サプライ420は、薬剤を貯蔵し、薬剤が、例えば涙層液または他の涙液によって浸出されると、眼および鼻涙系の1つまたは両方にゆっくりと投薬される。実施形態では、薬物サプライ420は、マトリックス454中に分散され得る、複数の治療薬封入物452を含む。実施形態では、封入物452は、治療薬(複数の治療薬)の濃縮形態(例えば、結晶薬物形態)を含み得る。実施形態によっては、マトリックス454はシリコーンマトリックス等を含み、マトリックス内の封入物452の分布は、一様または不均質である。実施形態では、薬物封入物452は、ラタノプロスト油のような、油の液滴を含む。さらに別の実施形態では、薬封入物452は、結晶形態のビマトプロスト粒子のような固体粒子を含む。封入物は多くのサイズおよび形状であり得る。例えば、封入物は約1マイクロメートルから約100マイクロメートルのオーダーの大きさを有する微粒子を含み得る。
【0119】
図示された実施形態では、薬物サプライ420は、薬物サプライの少なくとも1つの露出表面458を定義するためなどに、薬物サプライの少なくとも一部の上に配置されたシース本体456を有する。実施形態では、シース本体456はポリイミドを含む。露出表面458は、涙点プラグ400が涙点に挿入されたときに、涙もしくは涙層液に接触し、持続した時間にわたり1つ以上の治療レベルで治療薬を放出するためなどで、プラグ本体402の近位端418にまたは近位端418近くに配置され得る。
【0120】
ある実施形態では、膨張可能保持部材は、涙小管の壁または鼻涙管系の1つまたは両方に連続的な薬物または他の薬剤の放出を与えるために第2の薬物または他の薬を放出する薬物サプライ460を含み得る。薬物サプライ460は、薬剤を貯蔵し、薬剤が涙小管内の涙液と接触した後、ゆっくりと投薬されるように構成され得る。実施形態では、膨張可能保持部材中に含まれる薬剤は、医薬、治療薬、または抗菌薬(例えば、銀)を含み得る。
(インプラントの製造)
当業者は、本明細書中に記載されたインプラントを製造するのに有用な様々な方法に親しむであろう。特定の方法は、その開示が参照によって本明細書中に組み込まれる、上記の特許文献中に記載されている。
【0121】
例えば、上述のような薬物コアは、0.006インチ、0.012インチ、0.025インチの異なる断面サイズで作製され得る。コア中の薬物濃度は、シリコーンマトリックス中に5%、10%、20%、30%であり得る。これら薬物コアは、シリンジチューブおよびカートリッジアセンブリを用いて製造され、ラタノプロストをシリコーンと混合し、所望の長さに切断されシールされたポリイミドチューブに混合物を注入する。薬物コアの長さは、およそ0.80から0.95mmであり得て、直径0.012インチ(0.32mm)では、これらは5%、10%、20%および30%の濃度に対して、それぞれおよそ3.5マイクログラム、7マイクログラム、14マイクログラムおよび21マイクログラムの薬物コア内のラタノプラストの総量に相当する。
【0122】
シリンジチューブとカートリッジアセンブリ:1.様々な直径(例えば、0.006インチ、0.0125インチおよび0.025インチ)のポリイミドチューブは、15センチの長さに切断され得る。2.ポリイミドチューブはシリンジアダプタに挿入され得る。3.ポリイミドチューブはルアーアダプタ(ロックタイト、低粘度紫外線硬化)に接着され得る。4.アセンブリの端はトリミングされ得る。5.カートリッジアセンブリは、蒸留水を用いて、次にメタノールで洗浄され、60℃でオーブン中にて乾燥され得る。
【0123】
ラタノプロストは、シリコーンと混合され得る。ラタノプロストは、酢酸メチル中の1%溶液として提供され得る。溶液の適切な量がディッシュに置かれ得て、窒素気流を用いて、溶液はラタノプロストが残留するまで気化され得る。ラタノプロスト油を有するディッシュは、30分間真空に配置され得る。このラタノプロストは次に、3×3マトリックスを生成するために、異なる直径(0.006インチ、0.012インチおよび0.025インチ)のチューブに注入されているシリコーンNuSil6385中の異なる3種類のラタノプロストの濃度(5%、10%および20%)で、シリコーンと組み合わされ得る。ラタノプロストのシリコーンに対するパーセントは、薬物マトリックスの全重量によって決定される。計算式:ラタノプロストの重量/(ラタノプロストの重量+シリコーンの重量)×100=薬物のパーセント
次にチューブが注入され得る:1.カートリッジおよびポリイミドチューブアセンブリは1mlシリンジに挿入され得る。2.触媒1滴(MED−6385硬化剤)がシリンジに加えられ得る。3.過剰な触媒は、清浄な空気でポリイミドチューブの外に押し出され得る。4.シリンジは次に、シリコーン薬物マトリックスで満たされ得る。5.チューブには次に、チューブが満たされるまたはシリンジプランジャーを押すことが難しくなるまで、薬物マトリックスが注入され得る。6.ポリイミドチューブの遠位端は塞がれ、圧力は、シリコーンが凝固し始めるまで、保持され得る。7.12時間室温で硬化することを許容する。8.30分間真空下に置く。9.チューブは次に、(異なるサイズのチューブを保持するために収容されるように作成された)正しいサイズのトリムフィクスチャ中に配置され得て、薬物挿入は長さ(0.80〜0.95mm)に切断され得る。
(涙点プラグからのラタノプロストの放出)
ラタノプロストの放出速度は、薬物コア内に溶解されるラタノプロストの濃度に関連し得る。実施形態によっては、薬物コアは、薬物コア中へのラタノプロストの所望の溶解性を与えるために選択される非治療薬を含む。薬物コアの非治療薬は、本明細書中に記載されたポリマーおよび添加物を含む。コアのポリマーは、マトリックス中へのラタノプロストの所望の溶解性を与えるために選択され得る。例えば、コアは親水性治療薬の溶解性を高め得るヒドロゲルを含み得る。実施形態によっては、マトリックス中へのラタノプロストの所望の溶解性を与えるために、官能基がポリマーに添加され得る。例えば、官能基はシリコーンポリマーに付着され得る。
【0124】
添加物は、薬物コア中へのラタノプロストの溶解性を増加または減少させることによってラタノプロストの濃度を調整し、ラタノプロストの放出動力学を制御するために用いられ得る。溶解性は、マトリックス中のラタノプロストの濃度を上昇または低下させる適当な分子または物質を与えることによって制御され得る。ラタノプロスト濃度は、マトリックスおよびラタノプロストの疎水性または親水性特性に関連し得る。例えば、界面活性剤および塩は、マトリックスに添加され得て、マトリックス中の疎水性ラタノプロストの濃度を上昇させ得る。加えて、油や疎水性分子をマトリックスに添加することができ、マトリックス中での疎水性治療薬の溶解性を上昇させ得る。
【0125】
マトリックス中に溶解しているラタノプロストの濃度に基づく移動の速度を制御することに代わって、または追加して、薬物コアの表面領域はまた、コアから目標部位への薬物移動の所望の速度を得るために制御されても良い。例えば、コアの大きめの露出表面積は、薬物コアから目標部位への薬物移動の速度を上昇させるであろうし、コアの小さめの露出表面積は、薬物コアから目標部位へのラタノプロストの移動の速度を低下させるであろう。薬物コアの露出表面積は、例えば露出表面の任意のキャスタレーション、涙または涙層に接する露出チャンネルを有する多孔性表面、露出表面にぎざぎざを付けること、露出表面の突出によって、様々な方法で上昇され得る。露出表面は、塩を添加することによって多くの孔が作られ得るが、その塩は、溶解し、一旦塩が溶解すると多孔性キャビティを後に残す。ヒドロゲルがまた使用され得て、大きめの露出表面積を与えるようなサイズに膨潤する。そのようなヒドロゲルはまた、ラタノプロストの移動の速度をさらに上昇させるための多くの孔が作られ得る。
【0126】
さらに、米国特許第4,281,654(Shell)中に記載されている構造のような、2つ以上の薬物を組み合わせて放出する能力を含むインプラントが使用され得る。例えば、緑内障治療の場合、複数のプロスタグランジンまたはプロスタグランジンおよびコリン作動薬またはアドレナリン遮断薬(ベータ遮断薬)、例えばアルファガン.RTM、またはラタノプロストおよび炭酸脱水酵素阻害剤を用いて患者を治療することが望ましかろう。
【0127】
加えて、その開示の全体が本明細書中に組み込まれる、米国特許公報第2002/0055701号(シリアル番号第77/2693号)中に開示されているような薬物含浸メッシュ、または米国特許公報第2005/0129731号(シリアル番号第99/9977号)中に記載されているような生安定性ポリマーのレイヤリングが使用され得る。あるポリマープロセスが、ラタノプロストを本発明のデバイスに組み込むために用いられ得る;例えば、いわゆる“自己送達薬物”またはPolymerDrugs(Polymerix Corporation、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)は、治療に有用な化合物および生理学的に不活性な架橋剤分子にのみ分解するように設計されており、参照によってそその全体がここに組み込まれる、米国特許公報第2005/0048121号(シリアル番号第86/1881;East)中にさらに詳述されている。そのような送達ポリマーは、ポリマーの侵食や分解の速度に等しく、治療の過程を通して一定の放出速度を与えるために、本発明のデバイスで使用されても良い。そのような送達ポリマーは、デバイスコーティングとして、または(本発明のリザーバーのような)注入可能な薬物貯蔵庫に対する微小球の形態で使用され得る。さらなるポリマー送達技術はまた、米国特許公報第2004/0170685号(シリアル番号第78/8747;Carpenter)中に記載されているような本発明のデバイスに合わせて形成され、技術はMedivas(サンディアゴ、カリフォルニア州)から入手可能である。
【0128】
特定の実施形態では、薬物コアマトリックスは、ラタノプロストの封入物を包む固体物質、例えばシリコーンを含み。薬物は、水に極めて不溶であり、封入する薬物コアマトリックス中に溶けにくい分子を含む。薬物コアによって包まれた封入物は、約1マイクロメートルから約100マイクロメートルの差し渡しの大きさを有するマイクロ粒子であり得る。薬物封入物は、油、例えばラタノプロスト油の液滴を含み得る。薬物封入物は、固体薬物コアマトリックス中に溶解し、薬物コアマトリックスを薬物で実質的に充満させる、例えばラタノプロスト油の固体薬物コアマトリックスへの溶解させることができる。薬物コアマトリックス中に溶解した薬物は、薬物コアの露出表面から涙層に、しばしば拡散によって輸送される。薬物コアが実質的に薬物で充満されると、多くの実施形態では、薬物送達の律速ステップは、涙層に晒された薬物コアマトリックスの表面からの薬物の輸送である。薬物コアマトリックスが実質的に薬物で充満されると、マトリックス中の薬物濃度の傾きは最小であり、薬物送達の速度にほとんど寄与しない。涙層に晒されている薬物コアの表面積がほぼ一定のときは、薬物コアから涙層への薬物輸送の速度は実質的に一定であり得る。ラタノプロストの水への溶解性および薬物の分子量は、固体マトリックスから涙への薬物の輸送に影響を及ぼし得ることが本発明により決定されている。多くの実施形態では、ラタノプロストは水にほぼ不溶であり、重量で約0.03%から0.002%の水への溶解度と、約400g/mol.から約1200g/molの分子量を有する。
【0129】
多くの実施形態では、ラタノプロストは水に非常に低い溶解度、例えば重量で約0.03%から0.002%、約400グラム毎モル(g/mol)から約1200g/molの分子量を有し、有機溶剤に容易に可溶である。ラタノプロストは、室温では液体油であり、25℃で水に50マイクログラム/mLまたは重量で約0.005%の水溶度をおよび432.6g/molの重量平均分子量を有する。
【0130】
涙層の天然の界面活性剤、例えば界面活性剤Dとリン脂質は、コアから涙層への固体マトリックス中に溶解された薬物の輸送を実現し得ることが本発明により決定されている。薬物コアは、涙層中の界面活性剤に反応して、治療レベルで涙層へのラタノプロストの連続的送達を与えるように構成され得る。例えば、実験データは患者母集団、例えば、涙が収集され界面活性剤の含有量について分析された10人の患者から生成され得る。水に難溶性の薬物に対して収集された涙での溶出プロファイルがまた測定され、バッファおよび界面活性剤中の溶出プロファイルと比較され、涙界面活性剤のイン・ビトロモデルが開発され得る。この実験データに基づく界面活性剤のイン・ビトロ溶液は、涙層中の界面活性剤に反応して、薬物コアを調整するために使用され得る。
【0131】
薬物コアはまた、複合体およびナノテクスチャリングされた表面用の潜在的反応性ナノファイバー化合物(Innovative Surface Technologies、LLC、セントポール、ミネソタ州)、BioSilicon.RTMとして知られ、ミクロンサイズの粒子、膜、織布またはマイクロマシンインプラントデバイスを含むナノ構造多孔性シリコン(pSividia、Limited、英国)および薬物を送達するために選択性細胞を標的とするタンパク質ナノケージシステム(Chimeracore)、などの、送達対象の分子の大きさに依存してナノ粒子またはマイクロ粒子のようなキャリアビヒクルを利用するために、変形され得る。
【0132】
多くの実施形態では、薬物インサートは、薄い壁のポリイミドチューブシースを、薬物送達に対してマトリックスとして機能する医用グレード固体シリコーンである、Nusil 6385(MAF970)中に分散されたラタノプロストを含む薬物コアと共に含む。薬物インサートの遠位端は固体Loctite4305医用グレード接着剤の硬化フィルムでシールされている。薬物インサートは、涙点プラグの孔の内部に配置され得て、Loctite4305接着剤は組織または涙層のいずれにも接触することはない。薬物インサートの内径は0.32mmであり得て;長さは0.95mmであり得る。少なくとも4つのラタノプロスト濃度が完成した薬物製品中で用いられ得る:薬物コアは、3.5、7、14、または21マイクログラム、重量パーセントではそれぞれ、5、10、20または30%濃度のラタノプロストを含み得る。およそ100ng/日の全溶出レートを仮定すると、14マイクログラムのラタノプロストを含む薬物コアは、およそ少なくとも100日、例えば120日にわたり薬物を送達するように構成される。ラタノプロストを含む、薬物コアの全重量は、約70マイクログラムであり得る。ポリイミドスリーブを含む薬物インサートの重量は、およそ100マイクログラムであり得る。
【0133】
多くの実施形態では、薬物コアは、初期の高いレベルのラタノプロストを溶出し得るが、引き続いて実質的に一定のラタノプロストを溶出し得る。多くの例で、毎日コアから放出されるラタノプロストの量は、治療レベルより小さくても良く、相変わらず患者に利益をもたらし得る。溶出されるラタノプロストの高いレベルは、ラタノプロストの残留量をもたらす、または患者に安心を与えるためにラタノプロストの標準以下の治療量と組み合わせられるラタノプロストの残留効果をもたらし得る。治療レベルが、1日あたり約80ngである実施形態では、デバイスは初期送達期間では1日あたり約100ngを送達しても良い。ラタノプロストが治療レベル以下、例えば1日あたり60ng送達されるとき、1日あたり送達される追加の20ngは有益な効果を有し得る。送達される薬物の量が正確に制御され得ると、初期の高い投与量により患者に合併症または有害事象をもたらさない。
【0134】
ある実施形態では、本発明の方法はおよそ28%の眼圧の低下率をもたらす。実施形態によっては、本発明の方法は、およそ27%、およそ26%、およそ25%、およそ24%、およそ23%、およそ22%、およそ21%、またはおよそ20%の眼圧の低下率をもたらす。ある実施形態では、本発明の方法は、少なくとも28%、少なくとも27%、少なくとも26%、少なくとも25%、少なくとも24%、少なくとも23%、少なくとも22%、少なくとも21%、または少なくとも20%の眼圧の低下率をもたらす。
【0135】
ある実施形態では、本発明の方法は、治療期間にわたりベースラインから、約6mmHg、約5mmHg、約4mmHg、約3mmHg、または約2mmHgの眼圧の低下をもたらす。ある実施形態では、本発明の方法は、ベースラインから少なくとも約2mmHg、少なくとも約3mmHg、少なくとも約4mmHg、少なくとも約5mmHg、または少なくとも約6mmHgの眼圧の低下をもたらす。
【0136】
実施形態では、本発明のインプラントおよび方法は治療の90日間のコースを提供する。実施形態によっては、治療の全コースの間、有効レベルのラタノプロストを放出する。さらなる実施形態では、治療のコースにわたって眼圧の変動性は、約1mmHgより小さい。他の実施形態では、治療のコースにわたって眼圧の変動性は、約2mmHgより小さい。他の実施形態では、治療のコースにわたって眼圧の変動性は、約3mmHgより小さい。
【0137】
本明細書中で記載されたインプラントは、上涙点もしくは下涙点、または両方に挿入され得て、患者の眼の1つまたは両方に挿入され得る。
(点眼補助組成物)
点眼剤は治療薬を眼へ投与するまたは眼を潤滑にするもしくは涙の代わりになるためのベクターとして用いられる液滴である。本発明中で使用される点眼補助組成物は、記載されている持続送達製剤に加えて治療薬を投与する点眼剤である。
【0138】
点眼補助組成物として投与される治療薬は、以下のものまたはその均等物、派生物もしくは類似物のいずれかであって、それらは、炭酸脱水酵素阻害薬(限定されるものではないが、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、およびドルゾラミド+チモロールを含むCAI)を含む抗緑内障薬(例えば、高眼圧症薬);限定されるものではないが、レボブノロール(ベタガン)、チモロール(ベチモール、チモプティック)、カルテオロール(オキュプレス)、ベタキソロール(ベトプティック)およびメチプラノロール(オプティプラノロール)を含むベータ遮断薬;限定されるものではないが、アプラクロニジン(アイオピジン)およびブリモニジン(アルファガン)を含むアルファアドレナリン作動薬;限定されるものではないが:ラタノプロスト(キサラタン)、ビマトプロスト(ルミガン)およびトラボプロスト(トラバタン)を含むプロスタグランジン類似物;限定されるものではないが、ピロカルピン(イソプトカルピン、ピロカー)を含む縮瞳薬;エピネフリン化合物;副交感神経刺激薬、降圧脂質、およびそれらの組合せ;抗菌薬(例えば、抗生物質、抗ウイルス、駆虫薬、抗真菌剤など);ケトロラクなどの鎮痛薬;コルチコステロイドまたは他の抗炎症(例えば、ジクロフェナクまたはナプロキセンのようなNSAID);充血緩和剤(例えば、血管収縮薬);アレルギー反応の加減を防止する薬(例えば、オロパタジンなどの抗ヒスタミン薬、サイトカイン阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、IgE阻害薬、シクロスポリンのような免疫調節薬または免疫抑制薬)、肥満細胞安定剤、毛様体筋麻痺剤等を含む。
【0139】
本発明中で使用される点眼補助組成物は、上述の治療薬に加えて、眼用溶液中に一般的に存在する1つ以上の他の成分、例えば、強壮調整薬、等張化剤、バッファ、pH調整剤、防腐剤およびキレート化薬剤を含み得る。等張化剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロールを含む。バッファはリン酸塩、ホウ酸、酢酸塩およびクエン酸塩を含む;pH調整剤は、塩酸、酢酸および水酸化ナトリウムを含む;防腐剤はパラオキシ安息香酸、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、ベンジルアルコール、ソルビン酸またはその塩、チメロサールおよびクロロブタノールを含む;キレート化薬剤は、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよび縮合リン酸ナトリウムを含む。点眼補助組成物は、ビスコライザおよび/または懸濁化剤を混合し得る。ビスコライザおよび/または懸濁化剤は、メチルセルロース、カルメロースまたは塩、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを含む。ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポリソルベート80などの界面活性剤が、点眼補助組成物中に混合され得る。
【0140】
点眼補助組成物は、サイズが1mlから30mlの広い範囲の小さな体積の容器中の点眼薬および固体として製剤されている。そのような容器はHDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ(エチレンテレフタレート)等から作られ得る。従来の投薬先端を有する可撓性ボトルは、本発明に使用するためには特に適切である。本発明の点眼補助組成物は、例えば、眼(複数の眼)に約1滴または約2滴または約3滴点眼することによって使用される。
【0141】
点眼補助組成物のpHは、pH=5.0から8.0、好ましくは約pH=6.0から8.0、さらに好ましくは約pH=6.5から7.8、最も好ましくは7以上のpH値の範囲内に保持され得る;ホウ酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリスベース)および様々な混合リン酸塩、ならびにそれらの混合物などの適切なバッファが加えられ得る。
【0142】
本発明での使用に適した点眼補助組成物はまた、コンタクトレンズのためのクリーニング、消毒もしくはコンディショニング溶液および/または組成物の成分として有用であり得る。そのような溶液および/または組成物はまた、コンタクトレンズのコンディショニングおよび/またはクリーニング溶液の成分として用いられることが知られている、抗菌薬、界面活性剤、毒性調整薬、バッファ等を含み得る。
【0143】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって記載され得る。
【実施例1】
【0144】
インプラント:涙点プラグ薬物送達システム(PPDS)は、予め存在する孔を有する、適切な市販で入手可能な涙点プラグ中に配置されるように構成された薬物インサートからなる。薬物インサートの構築に用いられる全ての材料は、一連の安全性/毒性試験に合格した医用グレードの材料である。薬物インサートは、硬化した医用グレードの固体シリコーンであるNusil6385に分散されたラタノプロストを充填した薄い壁のポリイミドチューブである。硬化したシリコーンは、そこからラタノプロストがゆっくりと溶出する、固体の非腐食性マトリックスとして機能する。薬物インサートは、遠位端で固体Loctite4305医用グレード接着剤(シアノアクリレート)の硬化フィルムでシールされる。ポリイミドスリーブは不活性であり、接着剤と共に、構造的支持および、横方向の薬物拡散および薬物インサートの遠位端を通る薬物拡散の両方に対する障壁を提供する。薬物インサートは、涙点プラグの孔の中に配置され、締り嵌めを介してその場に保持される。組み立てられたシステムは、パッケージ化され、殺菌される。
点眼補助組成物:
キサラタン(登録商標)ラタノプロスト眼溶液は、高IOPの低下を適応とする市販品である。市販品キサラタン(登録商標)中のラタノプロストの量は、1滴あたりおよそ1.5マイクログラムである。キサラタン(登録商標)は、透明な低密度PETスポイト先端、トルコ石色の高密度PETスクリューキャップ、および不正開封防止機能の付いた透き通った低密度PETオーバーキャップを有する5mLの透き通った、低密度ポリエチレン(PET)ボトル中の2.5mL溶液として供給される。キサラタン(登録商標)の不活性成分は、塩化ベンザルコニウム(防腐剤)、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸水素二ナトリウム無水物、および水である。
【0145】
工程:涙点プラグ送達システムは、高眼圧を有する患者の各々の眼の1つの涙点に挿入される。挿入して4週間内に眼圧が十分に低下しない場合には、点眼補助組成物を5日間にわたり1日1回または2回投与する。よって、点眼補助組成物は、プラグ挿入と同時に、挿入後1日から数日、または挿入後1週間から4週間を含むプラグ挿入の最初の4週間以内のいつでも、専門家の裁量で投与され得る。よって、点眼補助組成物は、1日あたりおよそ1.5または3.0マイクログラムの用量で投与される。場合によっては、送達システムは、下の表2中で定義されているような、適切なウォッシュアウト期間の後、下涙点に配置される。次の問診の間、涙点プラグシステムが存在しなければ、代替のデバイスが挿入され得る。
【0146】
涙点プラグ薬物送達システムの配置および取外しは、他の市販で入手可能な涙点プラグに対するのと同じ方法で実施される。一般に、配置のためには、用いられる涙点プラグのサイズは、適切な拡大器、または、備えられている場合には、涙点プラグに付属するサイジングツールを用いて決定される。涙点プラグに合わせることが必要な場合には、患者の涙点が拡大される。プラグの涙点への配置を容易にするために必要な場合には、潤滑剤の滴下が適用される。プラグは、適切な配置用具を用いて、眼の上涙点または下涙点に挿入される。配置後、プラグのキャップは可視的であった。この工程は、患者の他の眼に対しても繰り返される。インプラントの取外しに対しては、キャップ下の管部でプラグを確実に把持するために、小さな手術用鉗子が用いられる。穏やかな引っ張り動作を用いて、プラグは穏やかに回収される。
【0147】
【表2】

12週間コースの治療の間、眼圧はゴールドマン圧平式眼圧計によって測定される。局所麻酔薬およびフルオレセインの両方が適用される。このことは、角膜評価のために、組合せ製品(例えば、Fluress(登録商標)、ベノキシネートおよびフルオレセイン)の使用によって、または局所麻酔薬およびフルオレセインの別々の適用によって実施される。その直後に、眼圧が圧平法を用いて測定される。
【実施例2】
【0148】
涙点プラグ送達システムインプラントおよび点眼補助組成物は実施例1と同一である。点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムの挿入前の2週間にわたり、1日1回または2回投与され、点眼補助組成物の2週間の投与とインプラントの挿入の間にウォッシュアウト期間はない。インプラントは最高12週間にわたり涙点中に挿入されたままである。眼圧は実施例1でのようにモニタされる。
【実施例3】
【0149】
涙点プラグ送達システムインプラントおよび点眼補助組成物は実施例1と同一である。点眼補助組成物は、涙点プラグ送達システムが挿入された日と同日に開始し、5日間にわたり、1日1回または2回投与された。涙点プラグ送達システムは、最高12週間にわたり涙点中に挿入されたままであった。眼圧は実施例1でのようにモニタされた。
【実施例4】
【0150】
対象は、14または21マイクログラムのラタノプロストを含む涙点プラグ送達システム(PPDS)を用いて両側の下涙点で治療される。PPDSは、3サイクルの治療、その結果、PPDSを用いた治療の9カ月の全期間の治療の間およそ12週間(3カ月)毎に交換される。眼圧が制御不能なレベルまで上昇していた場合には、専門家は、PPDSセンサを取り替えても良い。(例えば、サイクルの終わりでの)PPDSの取外し、およびPPDSの新しいペアの挿入は、同日に行うべきであろう。第1のサイクルでは、対象は最初の4週間にわたっては毎週、その後、第12週まで隔週でフォローアップ受診し、治療の第0日目の受診に対して、各受診に対する受診時間は±3日間であった。引き続くサイクルでは、フォローアップ受診は、第2週、第6週、および第12週に設定された。眼圧は、ゴールドマン圧平式眼圧計測定によって決定され、PPDSが失われていなければ、両方の眼からの値の平均として計算される。眼圧が第1の治療サイクルの最初の4週間以内に22mmHg以下に制御されなければ、次に、キサラタン(登録商標)(0.005%ラタノプロスト眼用水溶液)点眼補助組成物の5日間補助コースが開始される。よって、キサラタン(登録商標)は、プロバイダの裁量で、プラグ挿入と同時に、挿入後1日から数日、または挿入後1週間から4週間を含むプラグ挿入の最初の4週間を含む、プラグ挿入の最初の4週間内のいつでものいつでもプロバイダの裁量で投与され得る。キサラタン(登録商標)滴薬は、1日1回および添付文書に指示されるように投与される。対象は、キサラタン(登録商標)治療を始めた1週間後に受診する;したがって、受診がこのときまでに既に予定されなければ、対象はIOPの検査のために予定にない受診をされられる。
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上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面の参照を含む。図面は、例示的に、本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書中では、“例”と呼ばれる。本文書中で参照された全ての出版物、特許、および特許文献は、参照によってそれぞれが組み込まれているかのように、参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる。本文書とそれらの文書の間の一貫しない使用が発生したときは、組み込まれた引用文献(複数の引用文献)での使用は、本文書の使用の補足と考えられるべきであろう。相容れない矛盾に対しては、本文書中の使用が支配する。
【0151】
上記の説明は、例示であり、限定的ではなないことが意図されている。例えば、上述の例(その1つ以上のフィーチャ)は、互いに組み合わされて使用され得る。上の記載を検討した当業者によるもののような、他の実施形態が使用され得る。また、上の詳細な記載では、開示を簡単化するために、様々なフィーチャが一緒にグループ化され得る。このことは、クレームされていない開示されたフィーチャが任意のクレームに対して本質的であることを意図しているとは解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全フィーチャより小さいところに存在し得る。よって、以下のクレームは、ここで詳細な記載に組み込まれ、各クレームは、それ自体が別個の実施形態である。本発明の範囲は、そのようなクレームが規定される均等の全範囲と共に、添付のクレームを参照して画定されるべきである。
【0152】
限定されるものではないが、薬物コア、IOPの低下の表示、および治療期間を含む、本発明の様々な成分または様々な成分の利用もしくは効果の濃度、量、パーセンテージ、期間等はしばしば、本特許文書通じて範囲またはベースライン閾値形式で表示される。範囲またはベースライン閾値形式での記載は、単に利便性と簡便性のためであり、本発明の範囲の非柔軟な限定として解釈されるべきではない。したがって、範囲またはベースライン閾値の記載は、特に開示された全ての可能な部分範囲と同時に、ベースライン閾値の範囲内またはそれより大きな個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、3.5マイクログラムから135マイクログラムの薬物または他の薬濃度範囲を有する薬物コアの記載は、5マイクログラムから134マイクログラム、6マイクログラムから132マイクログラム、40マイクログラムから100マイクログラム、44マイクログラムから46マイクログラム他などの特定の開示された範囲、と同時に、例えば、41マイクログラム、42マイクログラム、43マイクログラム、44マイクログラム、45マイクログラム、46マイクログラム、47マイクログラム、48マイクログラム他などその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。この解釈は、範囲の幅またはベースライン閾値に関係なく、本開示にわたる全文脈で適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする患者の眼の眼圧を低下させるための方法であって、ラタノプロストおよび薬学的に許容可能なビヒクルを含む持続放出製剤を前記患者の眼に投与すること、および点眼補助組成物を投与することを含み、前記持続放出製剤は少なくとも90日にわたり涙点プラグ送達システムからラタノプロストを連続的に放出する方法。
【請求項2】
前記点眼補助組成物は、炭酸脱水酵素阻害薬、ベータ遮断薬、アルファアドレナリン作動薬、プロスタグランジン類似体、縮瞳薬およびエピネフリン化合物からなる群から選択される眼圧低下薬を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記点眼補助組成物はプロスタグランジン類似体を含む、請求項2の方法。
【請求項4】
前記プロスタグランジン類似体はラタノプロストを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記点眼補助組成物は、約10日間より少ない日数にわたり1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項6】
前記点眼補助組成物は、約5日間にわたり1日1回投与される、請求項5の方法。
【請求項7】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入される同じ日に開始し、1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項8】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入された後約4週間以内に開始し、1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項9】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入された後約90日以内に開始し、1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項10】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムの取外し後に開始し、1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項11】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入されるおよそ5日前に開始し、1日1回投与される、請求項1の方法。
【請求項12】
前記点眼補助組成物は、第1の涙点プラグ送達システムが取り外された後、第2の涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入される前に投与される、請求項1の方法。
【請求項13】
前記眼圧の低下は、最高約7日間、最高約14日間、最高約21日間、最高約28日間、最高約52日間、最高約88日間、および最高約105日間からなる群より選択される連続的な期間にわたり保持される、請求項1の方法。
【請求項14】
前記眼圧の低下は、少なくとも約90日間の連続的な期間にわたり保持される、請求項1の方法。
【請求項15】
前記眼圧の低下は、少なくとも約25%である、請求項13または14の方法。
【請求項16】
前記眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物投与が開始された後約1日で少なくとも10%低下する、請求項1の方法。
【請求項17】
前記薬学的に許容可能なビヒクルは持続放出マトリックスを含む、請求項1の方法。
【請求項18】
前記持続放出マトリックスは非生分解性ポリマーである、請求項17の方法。
【請求項19】
前記非生分解性ポリマーはシリコーンを含む、請求項18の方法。
【請求項20】
前記涙点プラグ送達システムは前記患者の少なくとも1つの涙点に挿入される、請求項1の方法。
【請求項21】
前記涙点プラグ送達システムは前記患者の両方の眼の各々の1つの涙点に挿入される、請求項20の方法。
【請求項22】
前記眼圧は高眼圧に関連する、請求項1の方法。
【請求項23】
前記眼圧は緑内障に関連する、請求項1の方法。
【請求項24】
前記緑内障は、原発開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障および続発緑内障からなる群から選択される、請求項23の方法。
【請求項25】
眼圧亢進を治療する方法であって、涙点プラグ送達システムをそれを必要とする患者の少なくとも1つの涙点に挿入すること、および点眼補助組成物を前記それを必要とする患者の眼に投与することを含み、前記涙点プラグ送達システムは約14ミリグラムのラタノプロストを含む持続放出薬物サプライを含み、前記涙点プラグ送達システムは少なくとも約90日にわたり挿入されたままであり、前記点眼補助組成物は最高約14日間にわたり投与される方法。
【請求項26】
前記点眼補助組成物は約10日間にわたり投与される、請求項25の方法。
【請求項27】
前記点眼補助組成物は約5日間にわたり投与される、請求項25の方法。
【請求項28】
前記涙点プラグ送達システムは、前記持続放出薬物サプライを薬物コアの形態で収容するように構成されたキャビティを含む、請求項25の方法。
【請求項29】
それを必要とする対象の緑内障関連眼圧亢進を治療する方法であって、涙点プラグ送達システムを前記対象の少なくとも1つの涙点に挿入すること、および点眼補助組成物を前記対象の眼に投与することを含み、前記涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、前記点眼補助組成物はラタノプロストを含み、前記涙点プラグ送達システムは、前記対象にラタノプロストの持続放出を提供し、ならびに前記涙点プラグ送達システムからのラタノプロストの前記放出および前記点眼補助ラタノプロスト組成物の前記投与は合わせて、前記関連する眼の前記眼圧の少なくとも6mmHgの低下をもたらす方法。
【請求項30】
それを必要とする対象の緑内障を治療するための方法であって、涙点プラグ送達システムを単一挿入工程で前記対象の少なくとも1つの涙点に挿入すること、および点眼補助組成物を前記対象の対応する眼に少なくとも1回投与することを含み、前記点眼補助組成物はラタノプロストを含み、前記涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、ならびに前記涙点プラグ送達システムは前記対象へのラタノプロストの持続放出を少なくとも約90日間にわたり提供する方法。
【請求項31】
点眼補助組成物1滴中のラタノプロストの量はおよそ1.5マイクログラムである、請求項4の方法。
【請求項32】
請求項1の前記涙点プラグ送達システムを含む第1の容器、請求項1の前記点眼補助組成物を含む第2の容器、および使用のための使用説明書を含むキット。
【請求項33】
それを必要とする患者の眼の眼圧を低下させるための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、前記ラタノプロストは持続放出製剤として処方され、前記持続放出製剤はラタノプロストを涙点プラグ送達システムから少なくとも90日間にわたり連続的に放出し、および点眼補助組成物は追加的に前記患者の前記眼に投与される使用。
【請求項34】
前記点眼補助組成物は、炭酸脱水酵素阻害薬、ベータ遮断薬、アルファアドレナリン作動薬、プロスタグランジン類似体、縮瞳薬およびエピネフリン化合物からなる群から選択される眼圧低下薬を含む、請求項33の使用。
【請求項35】
前記点眼補助組成物はプロスタグランジン類似体を含む、請求項34の使用。
【請求項36】
前記プロスタグランジン類似体はラタノプロストを含む、請求項35の使用。
【請求項37】
前記点眼補助組成物は、約10日間より少ない日数にわたり1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項38】
前記点眼補助組成物は、約5日間にわたり1日1回投与される、請求項37の使用。
【請求項39】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入される同じ日に開始し、1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項40】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入された後約4週間以内に開始し、1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項41】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入された後約90日以内に開始し、1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項42】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムの取外し後に開始し、1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項43】
前記点眼補助組成物は、前記涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入されるおよそ5日前に開始し、1日1回投与される、請求項33の使用。
【請求項44】
前記点眼補助組成物は、第1の涙点プラグ送達システムが取り外された後、第2の涙点プラグ送達システムが前記患者の涙点に挿入される前に投与される、請求項33の使用。
【請求項45】
前記眼圧の低下は、最高約7日間、最高約14日間、最高約21日間、最高約28日間、最高約52日間、最高約88日間、および最高約105日間からなる群より選択される連続的な期間にわたり保持される、請求項33の使用。
【請求項46】
前記眼圧の低下は、少なくとも約90日間の連続的な期間にわたり保持される、請求項33の使用。
【請求項47】
前記眼圧の低下は、少なくとも約25%である、請求項45または46の使用。
【請求項48】
前記眼圧は、ラタノプロストおよび点眼補助組成物投与が開始された後約1日で少なくとも10%低下する、請求項33の使用。
【請求項49】
前記持続放出製剤は持続放出マトリックスを含む、請求項33の使用。
【請求項50】
前記持続放出マトリックスは非生分解性ポリマーである、請求項49の使用。
【請求項51】
前記非生分解性ポリマーはシリコーンを含む、請求項50の使用。
【請求項52】
前記涙点プラグ送達システムは前記患者の少なくとも1つの涙点に挿入される、請求項33の使用。
【請求項53】
前記涙点プラグ送達システムは前記患者の両方の眼の各々の1つの涙点に挿入される、請求項52の使用。
【請求項54】
前記眼圧は高眼圧に関連する、請求項33の使用。
【請求項55】
前記眼圧は緑内障に関連する、請求項33の使用。
【請求項56】
前記緑内障は、原発開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障および続発緑内障からなる群から選択される、請求項55の使用。
【請求項57】
眼圧亢進を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、前記ラタノプロストは涙点プラグ送達システムからそれを必要とする患者の眼に放出され、前記涙点プラグ送達システムは前記患者の少なくとも1つの涙点に挿入され、前記涙点プラグ送達システムは、約14マイクログラムのラタノプロストを含む持続放出薬物サプライを含み、前記涙点プラグ送達システムは少なくとも約90日間にわたり挿入されたままであり、点眼補助組成物は追加的に患者の眼に投与され、前記点眼補助組成物は最高約14日にわたり投与される使用。
【請求項58】
前記点眼補助組成物は約10日間にわたり投与される、請求項57の使用。
【請求項59】
前記点眼補助組成物は約5日間にわたり投与される、請求項57の使用。
【請求項60】
前記涙点プラグ送達システムは、前記持続放出薬物サプライを薬物コアの形態で収容するように構成されたキャビティを含む、請求項57の使用。
【請求項61】
それを必要とする対象の緑内障を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、前記ラタノプロストは涙点プラグ送達システムから前記対象の眼に放出され、前記涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、前記涙点プラグ送達システムは単一挿入工程で前記対象の少なくとも1つの涙点に挿入され、前記涙点プラグ送達システムから少なくとも90日間にわたり前記対象へのラタノプロストの前記持続放出を提供し、点眼補助組成物は前記対象の対応する眼に少なくとも1回投与され、および前記点眼補助組成物はラタノプロストを含む使用。
【請求項62】
点眼補助組成物の1滴中のラタノプロストの量はおよそ1.5マイクログラムである請求項36の使用。
【請求項63】
それを必要とする対象の緑内障関連眼圧亢進を治療するための薬剤の製造におけるラタノプロストの使用であって、前記ラタノプロストは涙点プラグ送達システムから前記対象の眼に放出され、前記涙点プラグ送達システムはプラグ本体およびラタノプロストインサートを含み、前記涙点プラグ送達システムは前記対象の少なくとも1つの涙点に挿入され、点眼補助組成物は前記対象の眼に投与され、前記点眼補助組成物はラタノプロストを含み、前記涙点プラグ送達システムは、前記対象にラタノプロストの持続放出を提供し、ならびに前記涙点プラグ送達システムからのラタノプロストの前記放出および前記点眼補助ラタノプロスト組成物の前記投与は合わせて、前記関連する眼の前記眼圧の少なくとも6mmHgの低下をもたらす使用。









【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2011−525388(P2011−525388A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514898(P2011−514898)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048452
【国際公開番号】WO2010/008883
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508291478)キューエルティー プラグ デリバリー,インク. (11)
【氏名又は名称原語表記】QLT PLUG DELIVERY,INC.
【Fターム(参考)】