説明

線材と撚り線の接続方法および電動機もしくは発電機のステータ

【課題】
電動機および発電機のステータなどに用いられる線材および引き出し線である撚り線を超音波接合によって直接接合する際、線径が大きな線材および撚り線の接合においても十分な接続強度を有する接続技術を提供する。
【解決手段】
複数の芯線を有する撚り線と、線材とを接続する接続する際に、撚り線を、加振ツールを加圧した状態で超音波加振して固める。その後、撚り線を反転させて固めた面を線材に向け、撚り線の固めた面を線材に当てた状態で、反対側から加振ツールで超音波を印加し、撚り線の固めた面と線材とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材の接続方法およびそれを用いた電動機あるいは発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータやオルタネータなどに代表される電動機および発電機は、ロータあるいはステータのコアに電気抵抗の低い銅のような単線を線材として巻きつけ、電流を流すことにより磁界を発生させる。電動機および発電機における外部電源装置との通電は、線材の端末に引き出し線である撚り線を接続して行う場合が多い。撚り線は、複数の細い芯線から構成されているため柔軟性が高く、電源装置等への配線が容易に行えるため一般的に用いられる。
【0003】
この線材の端末と撚り線を接続する方法として、かしめ端子を用いる方法がある。両端にかしめ部を有するかしめ端子の一端に線材を、他端に撚り線をかしめて接続するものであり、接続作業を簡便に行うことができるという利点がある。
【0004】
しかし、かしめ端子は線材と撚り線の周囲をかしめ部材で囲むため、接続部が大きくなるという欠点がある。
【0005】
近年、ハイブリッド自動車あるいは電気自動車用の電動機のような小型で高出力の電動機においては、線材の接続部も含めて小型化が要求されるようになっている。
【0006】
かしめ端子に代わる別の接続方法として、超音波接合がある。超音波接合は、超音波発振する加振ツールと部材を固定するアンビルとで構成される装置を用い、加振ツールとアンビルで部材を挟み、加圧しながら超音波振動を印加することにより、2つの接合部材の界面に拡散反応を生じさせて接合する方式である。超音波接合は、かしめ端子のような追加部材を用いなくてよいため、接続部の小型化および省スペース化に有効である。
【0007】
撚り線を別の部材と超音波接合する方法が、特許文献1に開示されている。これは、予め撚り線を超音波接合によって固めておき、この固めた撚り線と他の接続部材をさらに超音波で接合するものである。他の接合部材としては接続端子が実施例に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−95293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、線材に大電流を流す高出力の電動機および発電機には適用が困難である。すなわち、引き出し線である撚り線の径が大きいため、超音波接合で撚り線全体を固めることが困難である。
【0010】
一般的に、超音波接合では超音波の周波数と超音波振動の伝播距離に相関があり、超音波振動の伝播距離が最も長い20KHzの加振においても、伝播距離は2mm程度と言われている。撚り線の全体径が大きく、固めた際の厚さが上記伝播距離より大きい場合には、超音波振動を印加する加振ツール側は固まるが、その反対側は撚り線が固まりきらずに芯線のままで残ってしまう。特許文献1にはこのような場合への対処方法は開示されていない。
【0011】
ここで、コアに巻きつけた線材の径(厚さ)が上記の伝播距離を下回れば、線材側から超音波振動を印加することで接合可能である。しかし、高出力の電動機および発電機においては線材の径も大きいため、線材側から超音波振動を印加しても超音波振動が撚り線と線材との界面まで伝播せず、接合はできない。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、線径が大きい電動機および発電機の線材と撚り線を超音波接合によって直接接合する線材の接続方法、および前記接続方法によって線材と撚り線が接続されていることを特徴とする小型、高出力の電動機および発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明では、例えば、複数の芯線を有する撚り線と、線材とを接続する接続方法において、撚り線を、加振ツールを加圧した状態で超音波加振して固める第1の工程と、撚り線の加振ツールを加圧して固めた面を線材に当てた状態で超音波を印加し、撚り線と線材とを接続する第2の工程と、を有する接続を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、線径が大きい高出力の電動機および発電機の線材と撚り線を超音波接合によって直接接続する線材の接続方法において、十分な接合強度を有し、かつ接続部分が小さい接続を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態である接続方法を説明するための図であって、(a)は撚り線を固めた後の正面図、(b)は(a)のA−A’断面での断面図、(c)は撚り線と線材を接続した後の正面図、(d)は(c)のB−B’断面での断面図である。
【図2】本発明の実施例にかかる電動機が備えられる電気自動車の概略図である。
【図3】本発明の実施例にかかる電動機の構成を示した図である。
【図4】本発明の第一の実施形態である接続方法における第1の工程である撚り線を固める際の詳細手順を説明するための図であって、(a)は撚り線をアンビル上に設置した際の正面図、(b)は(a)のA−A’断面での断面図、(c)は撚り線を固めた後の正面図、(d)は(c)のB−B’断面での断面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態である接続方法における第2の工程である撚り線と線材を接続する際の詳細手順を説明するための図であって、(a)は線材をアンビル上に、撚り線を線材上に設置した際の正面図、(b)は(a)のA−A’断面での断面図、(c)は撚り線と線材を接続した後の正面図、(d)は(c)のB−B’断面での断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態である接続方法を説明するための図であって、(a)は撚り線を固めた後の断面図、(b)は撚り線と線材を接合した後の断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態である接続方法を説明するための図であって、(a)は撚り線を固めた後の側面図および加振ツール下面と撚り線上面の拡大図、(b)は撚り線と線材を接合した後の側面図および撚り線上面の拡大図である。
【図8】本発明の第二の実施形態である接続方法を説明するための図であって、(a)は加振ツールの端面に曲面を設けたもの、(b)は加振ツールの端面に曲面を設けていないものである。
【図9】本発明の第二の実施形態である接続方法を説明するための図であって、加振ツールの下面に複数の曲面を設けたものを示した図である。
【図10】本発明の第三の実施形態である接続方法を説明するための図であって、(a)はアンビルの底面に曲面を設けたもの、(b)はアンビルの底面が平坦なものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0017】
図1〜図6を用いて、本発明の線材の接続方法の一実施例を説明する。
【0018】
図3は、本発明の一実施例にかかる電動機30の構造について説明した図である。電動機30は、ロータ1と、ステータコア2と、ステータコア2に巻きつけられた線材22とを有している。引き出し線20は電動機30への通電のため、線材22の端部に接続される。線材22は単一の金属線であるが、引き出し線20には、大電流を通電でき、かつ容易に配線できるように、線径が大きくても高い柔軟性を得られる撚り線が多く用いられる。撚り線は、複数の芯線を撚り合わせて形成されている。撚り線に代表される引き出し線20と線材22の接続は、電気抵抗や接続部の寸法の観点から、他の接合部材を用いずに接続されていることが望ましい。
【0019】
図2は、電動機30が用いられる一例として、電気自動車の構成について説明した図である。電気自動車40には電動機30が搭載されており、電動機30は引き出し線20により電力変換装置60を介してバッテリ50と接続され、高電圧の直流電力が供給される。これにより得られた電動機30に基づく回転トルクは、変速機70とギア80に伝達され、電気自動車を駆動させる役割を果たす。
【0020】
引き出し線20と線材22の接続方法を説明する。本実施例の接続方法は、大きく分けて2つの工程から成る。すなわち、撚り線20を固める第一の工程と、固めた撚り線20と線材22を接合する第二の工程である。
【0021】
本実施例の線材の加工方法は、撚り線を固める第一の工程と、固めた撚り線を線材に接続する第二の工程とを有する。図1(a)は、第一の工程で撚り線を固めた後の正面図、(b)は(a)のA−A’断面における断面図であり、図1(c)は第二の工程である固めた撚り線と線材の接合した後の正面図、(d)は(c)のB−B’断面における断面図である。
【0022】
第一の工程では、撚り線21は、加振ツール11により上面から超音波振動を印加され、略円形の断面形状からアンビル12の溝と同一の矩形形状に固められて撚り線21’となる。第二の工程では、線材22はアンビル12に設けられた溝の底面13上に設置され、第一の工程において固められた撚り線21’は、図1(a)(b)の状態から反転されて線材22の上に設置され、加振ツール11により上面から超音波振動を印加され撚り線21’’となる。
【0023】
図4は、接続工程における第一の工程である撚り線を固める際の手順を詳細に説明した図である。第一の工程では始めに、図4(a)および(b)において、断面が略円形の撚り線21を、アンビル12に設けられた溝の底面13上に加振ツール11との間に挟んで設置する。次いで、加振ツール11から撚り線21へ一定の加圧力を印加しながら超音波振動を印加すると、図4(c)および(d)のように撚り線21の上面すなわち接合面24側の芯線が互いに接合するとともに、アンビル12の溝形状に沿って固められた撚り線21’となる。本実施例では、加振ツール11の加圧面は、撚り線21の形状を線材22の接合面の形状と合わせるために略平面としている。ここで、加振ツール11の加圧面には超音波伝播のために後述の微小な凹凸形状を有しているが、略平面とは微小な凹凸形状を除いた基本形状が平面であることを意味する。また、アンビル12の溝の形状は、撚り線21に均一に圧力をかけるために、矩形としている。
【0024】
図5は、接続工程における第二の工程である固めた撚り線と線材を接合する際の手順を詳細に説明した図である。第二の工程では図5(a)および(b)のように、図4(c)および(d)において固められた撚り線21’を軸方向に反転し、アンビル12に設けられた溝の底面13上に配置したアンビル12の溝と概略同一の断面を有する線材22の上に設置し、図5(a)および(b)における上方から加振ツール11によって撚り線21’に一定の加圧力を印加しながら超音波振動を印加する。撚り線21’’はさらに上面が固まるとともに、撚り線下面の接合面24において線材22の上面と拡散接合される。その結果、図5(c)(d)のように、撚り線21’は加振ツール11側の芯線が互いに接合してさらに固められた撚り線21’’となるとともに、撚り線21’’の接合面24と線材22の上面で界面拡散反応が生じて接合し、線材22と撚り線21’’の接続が得られる。本実施例では、撚り線12を上下対称の矩形に固めるように加振ツール11及びアンビル12が形成されているため、第一の工程と第二の工程で同じ加振ツール11及びアンビル12を用いることができるが、これに限らず、設備の都合によっては別々の加振ツール11及びアンビル12を用いてもよい。
【0025】
前記の2つの工程により得られた撚り線と線材の接合は、接続用の部材を用いず直接接続を可能とするため、接続前の撚り線および線材の断面積と同等、もしくはそれ以下の寸法の接続部を得ることができる。
【0026】
図6は、第一及び第二の接続工程における撚り線の断面形状の変化を示した図である。図6(a)は第一の工程で、撚り線21が固められて撚り線21’となったときの断面図である。加振ツール11により超音波振動が印加された側である撚り線21’の上面は芯線が互いに接合して密に固められているが、アンビル12側の撚り線21’の下面は超音波振動が伝播しないため、芯線同士が疎に接合しているか、または接合していない。
【0027】
図6(b)は第二の工程で、撚り線21’’と線材22が接合したときの断面図である。図6(b)の撚り線の上面すなわち撚り線の接合面24と反対側の面も接合面24と同様に芯線の一体化が進展しているが、中央部には芯線が一体化していない(接合が小さい)部分25が残っている。芯線が一体化していない部分25では、芯線の拘束力が低く振動しやすいために、固体中のように減衰することなく超音波振動を伝播することが可能である。これにより、撚り線21’ ’の全体の厚さDが超音波の伝播距離よりも大きい場合であっても、撚り線一体化部分の厚さDaおよびDbが伝播距離よりも小さければ、芯線が一体化していない部分25が超音波伝達層として作用し、撚り線21’’の接合面24と線材22の上面との超音波接合が得られる。線材22と接合した撚り線21’’ では、芯線が一部一体化しているため、撚り線全体の幅Bと厚さDから得られる見かけの断面積が、固める前の撚り線全体の断面積よりも必ず小さくなる。
【0028】
図7は、接続工程における撚り線表面の外観の変化を示した図である。図7(a)は第一の工程で、撚り線21へ加振ツール11により超音波振動を印加し、固められた撚り線21’が形成された後の側面図である。加振ツール11の下面には、超音波を伝播しやすくするために、接合部材をくわえこむための凹凸形状26が設けられている。超音波振動を印加され、固められた撚り線21’には加振ツール11と接した面に凹凸形状が転写された圧痕27が残る。なお、本実施例では凹凸形状26は四角錐を網の目状に配置したものとしているが、四角柱を網の目状に配置したものや撚り線の軸方向に山谷を配置したものなど、接合部材をくわえこめる限りその形状は変更可能である。
【0029】
図7(b)は第二の工程で、撚り線21’と線材22が接合された後の側面図である。第二の工程で固められた撚り線21’’には、接合面24の反対側の表面にも凹凸形状の圧痕27が残る。したがって、撚り線21’’は接合面24およびその反対面に凹凸形状を有するという特徴をもつ。
【0030】
以上説明した第一の実施例によれば、加振ツール11から撚り線21へ超音波振動を印加し、固められた撚り線21’を反転させて線材22と超音波接合することにより、芯線が一体化していない部分25が超音波伝達層として作用し、線径が大きい撚り線と線材の接続において、十分な接合強度を有する接続を得ることができる。
【0031】
例えば、銅の芯線で、直径0.4mm、本数80本で構成された全体径5mmの撚り線と、断面形状が幅4mm、厚さ3mmの銅の角線である線材との接続において、超音波の周波数20kHz、加振ツール先端面積40mmの超音波接合機を用いた場合、1500N程度という十分な接合強度をもった接続が得られた。
【実施例2】
【0032】
図8および図9を用いて、本発明の第二の実施例を説明する。
【0033】
図8は、実施例1において説明した接続工程における第一の工程について説明した別の実施例であり、図8(a)は端面に曲面のない加振ツールを使用した場合、図8(b)は端面に一つの曲面を設けた加振ツールを使用した場合を示している。
【0034】
図8(a)のように加振ツール11の端部付近に曲面が設けられておらず角になっている場合、撚り線21’の変形量Tが大きいと、撚り線21の芯線の断線28が生じる。芯線の断線は、通電時の抵抗となって断線部の発熱の原因となり、周囲の部材へ悪影響を及ぼすため、防止しなければならない。
【0035】
これに対し、図8(b)における加振ツール11は、下面の端部に曲面Raを設けたことを特徴としている。この加振ツール11を用いて撚り線21を超音波接合にて固めると、撚り線21’の変形量Tが大きい場合でも芯線の断線が生じない。また、曲面Raの曲率半径を撚り線21’の変形量Tと同等ないしそれ以上にすると、断線防止の効果がさらに得られる。
【0036】
例えば、全体径5mm、芯線径0.4mm、芯線数80本の銅の撚り線を、幅3.5mm、厚さ3mmの矩形断面形状に固める場合、加振ツール11に曲面を設けないときは撚り線の芯線が断線したが、加振ツール11の下面の端部に曲率半径2mmの曲面を設けると、撚り線の芯線が断線しないという効果が得られた。
【0037】
図9は、実施例1において説明した接続工程における第一の工程について説明した別の実施例であり、端面の一つの曲面を含む3つの曲面から成る段差を設けた加振ツールを使用した場合を示している。
【0038】
図9における加振ツール11は、段差29を下面に設けたことを特徴としている。この加振ツール11で固められた撚り線21’において、段差29で加圧された部分は加圧力および変形量Tが小さくなるため、断線を防止する効果がある。また、加振ツール11の下面に段差29を設ける際、段差29の高さを撚り線21の芯線の径と同等ないしそれ以下の高さにすること、および段差29の端部に曲面Ra、Rb、Rcを設けることにより、断線防止の効果がさらに得られる。なお、図9では3つの曲面から成る段差を設けた加振ツール11の例について説明したが、さらに多くの段差を設けた場合においても同様の効果が得られる。
【0039】
以上説明した第二の実施例によれば、加振ツール11の下面の一部に曲面を設けることにより、線径が大きい撚り線を固める際の芯線の断線を防止することができる。
【実施例3】
【0040】
図10を用いて、本発明の第三の実施例を説明する。図10は、実施例1において説明した接続工程における第一の工程について説明した別の実施例であり、溝の底面を円形にしたアンビルを使用した場合を示している。
【0041】
図10におけるアンビル12は、溝の底面13が固める前の撚り線21の断面形状と概略同一の曲率半径を有する曲面であることを特徴としており、撚り線21を超音波接合にて固めた際、撚り線21の下方の芯線の移動が拘束され、撚り線21’の変形量Tが小さくなり、芯線の断線を防止することができる。
【0042】
例えば、全体径5mm、芯線径0.4mm、芯線数80本の銅の撚り線を固めた場合、溝の底面を幅5mmの矩形形状にしたときは芯線の断線が発生したが、溝の底面を曲率半径2.5mmにしたときは、撚り線の変形量がおよそ2分の1倍となり、撚り線の芯線が断線しないという効果が得られた。
【0043】
さらに、電動機ないし発電機では使用時に生じる振動により接続部が振動し、他の部材と衝突して傷つける恐れがあるが、断面形状が一部曲面に固められた撚り線を線材と接続することで、他の部材と衝突しても傷つける恐れがないという効果も得られる。
【0044】
以上、本発明について実施形態に基づき具体的に説明したが、個別に説明した数種の発明を組み合わせて使用することも可能である。また、撚り線の固める前の断面形状が円形の場合の例を用いて説明したが、撚り線がそれ以外の断面形状の場合においても、溝の底面の形状を固める前の撚り線の断面形状と概略同一の形状にすることで同様の効果を得ることができる。すなわち、本発明は前記発明の実施形態に限定されるものではなく、撚り線と線材の超音波接合において、その要旨を逸脱しない範囲において変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1・・・ロータ、2・・・ステータコア、11・・・加振ツール、12・・・アンビル、13・・・アンビルにおける接合部材を設置する溝の底面、20・・・引き出し線、21・・・撚り線、22・・・線材、23・・・被覆、24・・・接合面、25・・・撚り線の芯線が一体化していない部分、26・・・加振ツール下面に設けられた凹凸形状、27・・・圧痕、28・・・芯線の断線、29・・・加振ツール下面の段差、30・・・電動機、40・・・電気自動車、50・・・バッテリ、60・・・電力変換装置、70・・・変速機、80・・・ギア、D・・・超音波印加後の撚り線全体の幅、D・・・超音波印加後の撚り線全体の厚さ、Da・・・撚り線の芯線が一体化している部分の厚さ、Db・・・撚り線の芯線が一体化している部分の厚さ、Ra・・・加振ツール下面端部の曲面、Rb・・加振ツール下面の曲面、Rc・・・加振ツール下面の曲面、T・・・撚り線を固めた際の撚り線の厚さ方向の変形量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の芯線を有する撚り線と、線材とを接続する接続方法において、
前記撚り線を、加振ツールを加圧した状態で超音波加振して固める第1の工程と、
前記撚り線の前記加振ツールを加圧して固めた面を線材に当てた状態で超音波を印加し、前記撚り線と前記線材とを接続する第2の工程と、
を有する接続方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の工程で、前記撚り線に加圧する前記加振ツールの面は略平面であり、
前記線材の前記撚り線と接続される部分は略平面であることを特徴とする接続方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第2の工程では、前記撚り線の固めた面と反対側に加振ツールを加圧して超音波を印加することを特徴とする接続方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1の工程で用いる加振ツールは、前記撚り線の軸方向の根元側の端部に曲率を有することを特徴とする接続方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1の工程で用いる加振ツールは、前記撚り線の軸方向の根元側は、先端側に比べて引っ込んでいることを特徴とする接続方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1の工程は、前記加振ツールとアンビルとの間に前記撚り線を挟んで行い、
前記アンビルの前記撚り線を挟む部分は、矩形形状を有することを特徴とする接続方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1の工程は、前記加振ツールとアンビルとの間に前記撚り線を挟んで行い、
前記アンビルの前記撚り線を挟む部分は、円形または楕円形状を有することを特徴とする接続方法。
【請求項8】
請求項3において、
前記第1の工程と前記第2の工程とで同一の加振ツールを用い、
前記第1の工程の後であり、前記第2の工程の前に、前記撚り線を反転させることを特徴とする接続方法。
【請求項9】
ステータコアと、
前記ステータコアに巻かれた線材と、
前記線材を外部と電気的に接続するために、当該線材に接続された撚り線と、
を備え、電動機または発電機に用いられるステータにおいて、
前記撚り線は、前記線材に接続される断面では、
前記線材に接続される第1の面及びその反対側の第2の面では、撚り線を構成する複数の芯線が接合されて固められており、前記第1の面及び前記第2の面の間の領域では、前記第1の面及び前記第2の面よりも、前記芯線が接合が小さいことを特徴とするステータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−124078(P2012−124078A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275242(P2010−275242)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】