緩衝材及び梱包方法
【課題】梱包資材の廃棄に要するスペースを抑えることができ、且つ、容易に組み付け及び分解可能な緩衝材、及び梱包方法を提供する。
【解決手段】緩衝材20は、蛍光ランプセットが載置される位置決め緩衝材22と、蛍光ランプセットに接続するとともに、位置決め緩衝材22に接続し、蛍光ランプセットを位置決め緩衝材22に固定する固定緩衝材24と、を備える。固定緩衝材24は外面に突出する突起240を有し、位置決め緩衝材22の貫通孔226の縁には突起240を挿通可能とする切り欠き228が形成されている。突起240が貫通孔226を挿通するまで固定緩衝材24を挿入後、位置決め緩衝材22に対して相対的に所定量だけ固定緩衝材24を回転することで、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22に係合させ、蛍光ランプセットを位置決め緩衝材22に固定する。廃棄する際には、固定緩衝材24と位置決め緩衝材22とを分離する。
【解決手段】緩衝材20は、蛍光ランプセットが載置される位置決め緩衝材22と、蛍光ランプセットに接続するとともに、位置決め緩衝材22に接続し、蛍光ランプセットを位置決め緩衝材22に固定する固定緩衝材24と、を備える。固定緩衝材24は外面に突出する突起240を有し、位置決め緩衝材22の貫通孔226の縁には突起240を挿通可能とする切り欠き228が形成されている。突起240が貫通孔226を挿通するまで固定緩衝材24を挿入後、位置決め緩衝材22に対して相対的に所定量だけ固定緩衝材24を回転することで、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22に係合させ、蛍光ランプセットを位置決め緩衝材22に固定する。廃棄する際には、固定緩衝材24と位置決め緩衝材22とを分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具を保護するための緩衝材、及び緩衝材を用いた梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
器具本体と蛍光ランプとから構成される蛍光ランプユニットは、運送や保管の際、振動等の外力による破損を防ぐために緩衝材を用いて保護し、梱包資材に梱包される。特許文献1には、梱包作業のコストを極力抑えること、及び確実に器具本体を位置決めすること等を課題とした蛍光ランプユニットの包装装置が開示されている。特許文献1に開示された包装装置は、平板状であり抜け穴が中央に形成された位置決め機能を有する緩衝材と、この抜け穴に取り付けられ、抜け穴から突出した部位を器具本体の嵌合部に嵌合させて保持する本体押え(緩衝材としての機能も有する)と、を含む構成から成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−342976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特に大量の蛍光ランプユニットを運送する又は保管するために特許文献1に開示された包装装置を使用した場合、使用後に梱包資材を廃棄する際、梱包資材の本体押えがかさばるために大きな廃棄スペースを必要としていた。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、梱包資材の廃棄に要するスペースを抑えることができ、且つ、容易に組み付け及び分解可能な緩衝材、及び緩衝材を用いた梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る緩衝材は、
第1の貫通孔が形成された照明器具の梱包に用いられる緩衝材であって、
第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔に前記第2の貫通孔が一致するように前記照明器具が載置されるベース部材と、
前記第1の貫通孔に挿入され前記照明器具に接続するとともに、前記第2の貫通孔に挿入され前記ベース部材に接続して、前記照明器具を前記ベース部材に固定する固定部材と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る梱包方法は、
貫通孔が形成された照明器具を梱包するための梱包方法であって、
緩衝材を用いて、前記照明器具を梱包する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、梱包資材の廃棄に要するスペースを抑えることができ、且つ、緩衝材を容易に組み付け及び分解できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図3】(a)は、組み付けられた状態の位置決め緩衝材と固定緩衝材とを示す斜視図である。(b)は、(a)に示す状態から固定緩衝材を所定の角度だけ回転した状態を示す斜視図である。
【図4】組み付けられた状態の位置決め板と位置決め緩衝材とを示す斜視図である。
【図5】図4に示された状態の位置決め緩衝材に器具本体が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す断面図である。
【図7】図1に示された器具本体にグローブが組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図8】蛍光ラップセットの外周にスペーサが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】蛍光ランプセット及び梱包資材と、これらを収納するケースと、を示す斜視図である。
【図10】第1の変形例に係る(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図11】第2の変形例に係る(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図12】第2の変形例に係る位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る緩衝材及び梱包方法の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本実施形態に係る梱包資材10は、図1乃至図4に示すように、位置決め板(板部材)12と、位置決め板12に嵌合する緩衝材20とから主に構成され、後述する蛍光ランプセット(照明器具)30を梱包するものである。
【0012】
位置決め板12は、ダンボール、合成樹脂等の弾性を有する材料からなり、略六角形状に形成され、その一辺から第1の曲折部122が延出し、その一辺の対向する他辺から第2の曲折部126が延出している形状を有する。また、図4に示すように、位置決め板12の中央には貫通孔(嵌合孔)121が形成され、後述する緩衝材20の位置決め緩衝材(ベース部材)22が嵌められる。
【0013】
第1の曲折部122、第2の曲折部126には、使用者が把持可能なサイズで第1の把手孔124、第2の把手孔127がそれぞれ形成されている。後述する蛍光ランプセット30が梱包資材10に固定された後に、第1の曲折部122及び第2の曲折部126が蛍光ランプセット30側に折り曲げられる。使用者は、第1の曲折部122及び第2の曲折部126を折り曲げ、第1の把手孔124及び第2の把手孔127を把持することによって、梱包資材10及び蛍光ランプセット30を容易に持ち運びできることとなる。また、第2の曲折部126には、突起128が第2の把手孔127に突出して形成されている。突起128が、図8を参照して後述するスペーサ50に形成された係止孔504に係止することで、スペーサ50と位置決め板12とが固定されることとなる。
このように、位置決め板12は、緩衝材20及び蛍光ランプセット30の位置決めを行うとともに、容易に把持を可能とし、更に蛍光ランプセット30を外力から保護をする機能を有する。
【0014】
緩衝材20は、後述する蛍光ランプセット30を支持し、外部から蛍光ランプセット30に加わる衝撃、振動を和らげる役割を有する。緩衝材20は、図2及び図3に示すように、位置決め緩衝材22と固定緩衝材(固定部材)24とから構成される。
【0015】
位置決め緩衝材22は、図2(a)に示すように、中央に貫通孔(第2の貫通孔)226を有し倒立有底筒状に形成された本体部222と、本体部222の開放端面において外径方向に延出するフランジ部220と、から構成される。
【0016】
フランジ部220は、位置決め板12と位置決め緩衝材22との組み付け時において、その上面が位置決め板12の下面に係止することによって、位置決め板12が位置決め緩衝材22を突き抜けることを防ぐ。
【0017】
本体部222の図2(a)における上面には、その軸を中心として円弧状に延出し、上方に突出する4つの突出部224が均等な間隔で形成されている。突出部224は、後述する器具本体32の水平方向における位置決めを行うという機能を有する。
【0018】
本体部222の貫通孔226の外縁には、切り欠き(第1の切り欠き)228が均等な間隔で4つ形成されている。切り欠き228は、後述する固定緩衝材24の突起(第1の突起)240を挿通させ、固定緩衝材24が貫通孔226に挿入されることを許容する。
【0019】
固定緩衝材24は、図2(b)における上方から下方にかけて先細りのテーパ筒状に形成され、上面の径は貫通孔226の径よりも大きく、下面の径は貫通孔226の径よりも小さい。また、固定緩衝材24は、周方向において均等な間隔で外周面の下部から突出する4つの突起(係合部)240を有する。更に、固定緩衝材24は、その上面から所定の位置まで下方に延びる2つの切り欠き(第3の切り欠き)244を対向する位置に4組有し、これら2つの切り欠きの間に形成され外周面から突出する突起(係合突起)242を4つ有する。
【0020】
突起240は、位置決め緩衝材22の切り欠き228を挿通可能な形状(切り欠き228と交差する断面において、切り欠き228の断面よりも小さな断面を有する形状)に形成されている。詳細については後述するが、固定緩衝材24は、突起240が切り欠き228に対向する姿勢にされた後に、位置決め緩衝材22の貫通孔226に挿入される。
【0021】
突起242は、切頭円錐状に形成され、後述する器具本体32(蛍光ランプセット30)の貫通孔(第1の貫通孔)346の縁を形成する部位に形成された係合溝344に係合し、器具本体32を固定する機能を有する。
【0022】
切り欠き244は、後述する器具本体32が突起242を押圧することによる固定緩衝材24の縮径方向の弾性変形を許容するものである。切り欠き244が形成されていることにより、器具本体32の貫通孔346の径が所定の幅だけ狭くても固定緩衝材24に挿入可能となる。つまり、貫通孔346に挿入できる固定緩衝材24の適合範囲が広くなる。
【0023】
次に、蛍光ランプセット30について図5乃至図8を参照して説明する。
蛍光ランプセット30は、図5に示すように、2本の蛍光ランプ320,322と、これらを支持する器具本体32と、器具本体32の上面を覆うグローブ40(図7参照)と、から主に構成され、スペーサ50に外周を覆われて保護されている。(図8参照)
【0024】
器具本体32は、図6に示すように、板金部300と段差部342と板金部300及び段差部342に接着された樹脂アダプタ部340とから構成される。また、緩衝材20が挿入される貫通孔346が器具本体32の中央に形成されている。
【0025】
板金部300は、図6に示すように、中央下面が上方に窪んで形成されているとともに中央上面が上方に突出して形成された凸部302を有する。板金部300の下面が位置決め緩衝材22の上面に当接するとともに、板金部300の凸部302の内面が位置決め緩衝材22の突出部224の外側面に当接することで、器具本体32は位置決めされる。
【0026】
樹脂アダプタ部340は、板金部300の凸部302の上面に接着されている。樹脂アダプタ部340は、貫通孔346の縁を形成する部位に、固定緩衝材24の突起242に係合する係合溝344を有する。
【0027】
段差部342は、蛍光ランプ320,322側に突出し、蛍光ランプ320,322を支持する支持金具(図示せず)を備える。
【0028】
グローブ40は、器具本体32の上面を覆うように取り付けられる。グローブ40は、蛍光ランプ320,322を外部から保護するとともに、蛍光ランプ320,322から出射される光を拡散する。
【0029】
スペーサ50は、図8に示すように、柵状に形成され、ダンボール、合成樹脂等の弾性を有する材料からなり、蛍光ランプセット30を保護する。スペーサ50は、蛍光ランプセット30を押圧する押圧板500,502と、係止孔504とを有する。
押圧板500と押圧板502とは、スペーサ50の一部が図8における上方内側に折り曲げられて形成され、互いに対向して配置される。
位置決め板12の第2の曲折部126に形成された突起128が、係止孔504に係止することによって、スペーサ50は位置決め板12に固定される。
【0030】
次に、梱包資材10を用いた蛍光ランプセット30の梱包方法について説明する。
【0031】
まず、図4に示すように、位置決め緩衝材22のフランジ部220の上面が位置決め板12の下面と当接する位置まで、位置決め緩衝材22の本体部222を位置決め板12の貫通孔121に差し込む。このとき、位置決め板12は、弾性を有する材料により形成されているために、位置決め緩衝材22が差し込まれ貫通孔121が広げられることによって、貫通孔121を狭める方向に復元力が生じる。この復元力によって、位置決め緩衝材22と位置決め板12とが固定される。
【0032】
次に、図5に示すように、器具本体32を位置決め緩衝材22の本体部222の上面に置く。このとき、板金部300の下面が本体部222の上面に当接するとともに、板金部300の凸部302の内面が位置決め緩衝材22の突出部224の側面に当接することで、器具本体32は位置決めされる。
【0033】
次に、図3(a)に示すように、固定緩衝材24の突起240と位置決め緩衝材22の切り欠き228とが対向するように固定緩衝材24の姿勢を調整し、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22の貫通孔226に挿入する。このとき固定緩衝材24はテーパ筒状に形成されているために、所定の位置で、位置決め緩衝材22の貫通孔226の縁を形成する内壁に係止する。また、図6に示すように、固定緩衝材24の外面に形成された突起242が、器具本体32の樹脂アダプタ部340に形成された係合溝344に係合することにより、固定緩衝材24が器具本体32を固定することとなる。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22に対して中心軸周りに相対的に回転する。このように固定緩衝材24を回転させることで、位置決め緩衝材22の切り欠き228の位置と固定緩衝材24の突起240の位置とがずらされる。このようにすることで、固定緩衝材24に軸方向の力が加わったとしても、位置決め緩衝材22の貫通孔226近傍の下面に突起240の上面が当接するため、位置決め緩衝材22からの固定緩衝材24の抜脱が防がれる。
【0035】
次に、図7に示すように、グローブ40を器具本体32に被せ、図8に示すように、押圧部500,502を折り返した状態で蛍光ランプセット30の周囲をスペーサ50で覆う。更に、位置決め板12の第2の曲折部126を図9における上方に折り返し、突起128をスペーサ50の係止孔504に挿入し、スペーサ50を位置決め板12に固定する。
【0036】
次に、蛍光ランプセット30を、位置決め板12及びスペーサ50とともにケース60に入れる。このようにして蛍光ランプセット30の梱包作業が容易になされる。
【0037】
なお、蛍光ランプセット30を取り出す作業は、上記手順とほぼ逆の手順でなされる。
【0038】
また、本発明において、スペーサ50は必須の構成要素ではなく、例えば、所定の保管環境において、蛍光ランプセット30の保護が十分であれば、スペーサ50を用いずに部品点数を削減するようにしてもよい。
【0039】
本実施形態に係る緩衝材20は、位置決め緩衝材22と固定緩衝材24とで構成されるため、使用後、突起240と切り欠き228とが軸方向において重なる所定の角度に、固定緩衝材24を回転させ、引き抜くことで簡単に分離させることができる。このため、位置決め緩衝材22と固定緩衝材24とを小分けにでき、比較的小さな廃棄物入れであっても収容可能となる。
【0040】
上記実施形態において、位置決め緩衝材22が切り欠き228を備え、その切り欠き228に挿通する突起240を固定緩衝材24が有するとして説明した。
しかしながら、位置決め緩衝材と固定緩衝材とが結合できる構成であればこの構成に限定せず、例えば、固定緩衝材が切り欠きを備え、その切り欠きを挿通する突起を位置決め緩衝材が有するようにしてもよい。なお、切り欠き及び切り欠きに挿通する突起の数についても特に限定しない。
【0041】
(第1の変形例)
その他、ねじの螺合によって位置決め緩衝材と固定緩衝材とを固定する例について、図10を参照して次に説明する。なお、以下において特に言及しない限り、第1の実施形態に係る実施例の構成と同一の構成であるものとして説明する。
【0042】
第1の変形例に係る位置決め緩衝材(ベース部材)22bは、貫通孔226に面する表面に管用平行雌ねじである雌ねじ230を有する。
【0043】
第1の変形例に係る固定緩衝材(固定部材)24bは、位置決め緩衝材22bに挿入される部位の外周面に雌ねじ230に適合する管用テーパ雄ねじである雄ねじ246を有する。
【0044】
位置決め緩衝材22bと固定緩衝材24bとの結合は、テーパ雄ねじと平行雌ねじとの螺合されるため、所定の位置で止まり、このときに突起242が係合溝344に係合することとなる。
【0045】
このようにねじで螺合する構成を採用した場合、位置決め緩衝材22bと固定緩衝材24bとの結合強度をより高めることができる。
【0046】
なお、上記の逆の構成として、位置決め緩衝材が雄ねじを有する突出部を備えるようにし、固定緩衝材の内周面に雌ねじを形成するようにして、それぞれを螺合する構成であってもよい。
【0047】
(第2の変形例)
上記実施形態において、固定緩衝材24と器具本体32との接続については、突起242と係合溝344とが係合する構成を説明した。また、固定緩衝材24と位置決め緩衝材22との接続について、第1の実施形態に係る実施例においては、固定緩衝材24が所定の角度に回転することで突起240と本体部222の下面とが係止する構成、第1の変形例においては、雌ねじ230と雄ねじ246とが螺合する構成を説明した。その他の構成の一例について図11及び図12を参照して次に説明する。なお、以下において特に言及しない限り、第1の実施形態に係る実施例の構成と同一の構成であるものとして説明する。
【0048】
第2の変形例に係る位置決め緩衝材(ベース部材)22cは、貫通孔226に面する表面に第1の実施形態に係る切り欠き228は形成されていない。
【0049】
第2の変形例に係る固定緩衝材(固定部材)24cは、略円筒状に形成された本体部248と、本体部248の図11(b)における上端部に器具本体32の貫通孔346よりも大径に形成されたフランジ部249と、を主に備える。
【0050】
本体部248は、周方向において均等な間隔で外側面の下部に略三角柱状に形成され、図11における上方から下方にかけて突出量が小さくなるように傾斜して突出する4つの突起(第2の突起)250を有する。ここで、突起250は、対向する位置にある突起250の最大突出部間の間隔が器具本体32の貫通孔346の径よりも長くなるように形成されている。
【0051】
また、本体部248は、図11における下端面から軸方向に延出して形成され、周方向において均等な間隔で配置された4つの切り欠き(第2の切り欠き)252を有する。
【0052】
図12に示すように、突起250の上面とフランジ部249の下面との間隔は、位置決め緩衝材22cの上に器具本体32を載置した状態における器具本体32の樹脂アダプタ部340の上面と位置決め緩衝材22cの貫通孔226の下縁との間隔と略同一となるように形成されている。
【0053】
次に、固定緩衝材24cによる器具本体32の位置決め緩衝材22cへの固定方法について図12を参照して説明する。
【0054】
固定緩衝材24cを、突起250が形成されている側の端部から器具本体32の貫通孔346及び位置決め緩衝材22cの貫通孔226に挿入する。このとき、貫通孔226を形成する部位に突起250が当接し、軸方向へ押圧される。この軸方向への押圧によって、切り欠き252の隙間が縮まるように、固定緩衝材24cの端部が収縮する。これによって、突起250が貫通孔226の下縁を通り抜けたところで軸方向への押圧が解除され、固定緩衝材24cの端部が広がる。このようにして、器具本体32は、固定緩衝材24cと位置決め緩衝材22cとの間に挟持、固定される。
【0055】
上記において、固定緩衝材24cの本体部248には切り欠き252が形成されているとして説明した。しかし、例えば、突起250が合成樹脂等の弾性を有する材料から形成され、貫通孔226に挿入する際に、貫通孔226に押圧されることによって収縮し、これによって貫通孔226を挿通した後に復元し、貫通孔226の外縁に係止するのであれば、本体部248は必ずしも切り欠き252を必要としない。
【0056】
このような構成を備える緩衝材20cを用いることで、器具本体32の位置決め緩衝材22cへの固定を、固定緩衝材24cを貫通孔346に押し込むことのみで容易に行うことができる。
【0057】
また、突起250を軸方向に押し込むことで、位置決め緩衝材22cと固定緩衝材24cとの係止、及び器具本体32と固定緩衝材24cとの係止を解除することができ、容易に緩衝材20cをばらして廃棄することができる。
【0058】
上記実施形態において、同一の効果を奏するならば、切り欠き及び突起等の数及び配置は、任意に変更するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、位置決め緩衝材及び固定緩衝材について各種構成を説明したが、これらの構成は任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10:梱包資材
12:位置決め板(板部材)
121:貫通孔(嵌合孔)
20,20c:緩衝材
22,22b,22c:位置決め緩衝材(ベース部材)
220:フランジ
222:本体部
224:突出部
226:貫通孔(第2の貫通孔)
228:切り欠き(第1の切り欠き)
230:雌ねじ
24,24b,24c:固定緩衝材(固定部材)
240:突起(第1の突起)
242:突起(係合突起)
244:切り欠き(第3の切り欠き)
246:雄ねじ
249:フランジ部
250:突起(第2の突起)
252:切り欠き(第2の切り欠き)
30:蛍光ランプセット(照明器具)
300:板金部
32:器具本体
320,322:蛍光ランプ
340:樹脂アダプタ部
344:係合溝
346:貫通孔(第1の貫通孔)
40:グローブ
50:スペーサ
60:ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具を保護するための緩衝材、及び緩衝材を用いた梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
器具本体と蛍光ランプとから構成される蛍光ランプユニットは、運送や保管の際、振動等の外力による破損を防ぐために緩衝材を用いて保護し、梱包資材に梱包される。特許文献1には、梱包作業のコストを極力抑えること、及び確実に器具本体を位置決めすること等を課題とした蛍光ランプユニットの包装装置が開示されている。特許文献1に開示された包装装置は、平板状であり抜け穴が中央に形成された位置決め機能を有する緩衝材と、この抜け穴に取り付けられ、抜け穴から突出した部位を器具本体の嵌合部に嵌合させて保持する本体押え(緩衝材としての機能も有する)と、を含む構成から成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−342976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特に大量の蛍光ランプユニットを運送する又は保管するために特許文献1に開示された包装装置を使用した場合、使用後に梱包資材を廃棄する際、梱包資材の本体押えがかさばるために大きな廃棄スペースを必要としていた。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、梱包資材の廃棄に要するスペースを抑えることができ、且つ、容易に組み付け及び分解可能な緩衝材、及び緩衝材を用いた梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る緩衝材は、
第1の貫通孔が形成された照明器具の梱包に用いられる緩衝材であって、
第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔に前記第2の貫通孔が一致するように前記照明器具が載置されるベース部材と、
前記第1の貫通孔に挿入され前記照明器具に接続するとともに、前記第2の貫通孔に挿入され前記ベース部材に接続して、前記照明器具を前記ベース部材に固定する固定部材と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る梱包方法は、
貫通孔が形成された照明器具を梱包するための梱包方法であって、
緩衝材を用いて、前記照明器具を梱包する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、梱包資材の廃棄に要するスペースを抑えることができ、且つ、緩衝材を容易に組み付け及び分解できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図3】(a)は、組み付けられた状態の位置決め緩衝材と固定緩衝材とを示す斜視図である。(b)は、(a)に示す状態から固定緩衝材を所定の角度だけ回転した状態を示す斜視図である。
【図4】組み付けられた状態の位置決め板と位置決め緩衝材とを示す斜視図である。
【図5】図4に示された状態の位置決め緩衝材に器具本体が組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す断面図である。
【図7】図1に示された器具本体にグローブが組み付けられた状態を示す斜視図である。
【図8】蛍光ラップセットの外周にスペーサが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】蛍光ランプセット及び梱包資材と、これらを収納するケースと、を示す斜視図である。
【図10】第1の変形例に係る(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図11】第2の変形例に係る(a)は器具本体を位置決めする位置決め緩衝材を示す斜視図であり、(b)は、器具本体を位置決め緩衝材に固定する固定緩衝材を示す斜視図である。
【図12】第2の変形例に係る位置決め緩衝材に位置決め板及び器具本体が組み付けられ、更にその中央に固定緩衝材が組み付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る緩衝材及び梱包方法の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本実施形態に係る梱包資材10は、図1乃至図4に示すように、位置決め板(板部材)12と、位置決め板12に嵌合する緩衝材20とから主に構成され、後述する蛍光ランプセット(照明器具)30を梱包するものである。
【0012】
位置決め板12は、ダンボール、合成樹脂等の弾性を有する材料からなり、略六角形状に形成され、その一辺から第1の曲折部122が延出し、その一辺の対向する他辺から第2の曲折部126が延出している形状を有する。また、図4に示すように、位置決め板12の中央には貫通孔(嵌合孔)121が形成され、後述する緩衝材20の位置決め緩衝材(ベース部材)22が嵌められる。
【0013】
第1の曲折部122、第2の曲折部126には、使用者が把持可能なサイズで第1の把手孔124、第2の把手孔127がそれぞれ形成されている。後述する蛍光ランプセット30が梱包資材10に固定された後に、第1の曲折部122及び第2の曲折部126が蛍光ランプセット30側に折り曲げられる。使用者は、第1の曲折部122及び第2の曲折部126を折り曲げ、第1の把手孔124及び第2の把手孔127を把持することによって、梱包資材10及び蛍光ランプセット30を容易に持ち運びできることとなる。また、第2の曲折部126には、突起128が第2の把手孔127に突出して形成されている。突起128が、図8を参照して後述するスペーサ50に形成された係止孔504に係止することで、スペーサ50と位置決め板12とが固定されることとなる。
このように、位置決め板12は、緩衝材20及び蛍光ランプセット30の位置決めを行うとともに、容易に把持を可能とし、更に蛍光ランプセット30を外力から保護をする機能を有する。
【0014】
緩衝材20は、後述する蛍光ランプセット30を支持し、外部から蛍光ランプセット30に加わる衝撃、振動を和らげる役割を有する。緩衝材20は、図2及び図3に示すように、位置決め緩衝材22と固定緩衝材(固定部材)24とから構成される。
【0015】
位置決め緩衝材22は、図2(a)に示すように、中央に貫通孔(第2の貫通孔)226を有し倒立有底筒状に形成された本体部222と、本体部222の開放端面において外径方向に延出するフランジ部220と、から構成される。
【0016】
フランジ部220は、位置決め板12と位置決め緩衝材22との組み付け時において、その上面が位置決め板12の下面に係止することによって、位置決め板12が位置決め緩衝材22を突き抜けることを防ぐ。
【0017】
本体部222の図2(a)における上面には、その軸を中心として円弧状に延出し、上方に突出する4つの突出部224が均等な間隔で形成されている。突出部224は、後述する器具本体32の水平方向における位置決めを行うという機能を有する。
【0018】
本体部222の貫通孔226の外縁には、切り欠き(第1の切り欠き)228が均等な間隔で4つ形成されている。切り欠き228は、後述する固定緩衝材24の突起(第1の突起)240を挿通させ、固定緩衝材24が貫通孔226に挿入されることを許容する。
【0019】
固定緩衝材24は、図2(b)における上方から下方にかけて先細りのテーパ筒状に形成され、上面の径は貫通孔226の径よりも大きく、下面の径は貫通孔226の径よりも小さい。また、固定緩衝材24は、周方向において均等な間隔で外周面の下部から突出する4つの突起(係合部)240を有する。更に、固定緩衝材24は、その上面から所定の位置まで下方に延びる2つの切り欠き(第3の切り欠き)244を対向する位置に4組有し、これら2つの切り欠きの間に形成され外周面から突出する突起(係合突起)242を4つ有する。
【0020】
突起240は、位置決め緩衝材22の切り欠き228を挿通可能な形状(切り欠き228と交差する断面において、切り欠き228の断面よりも小さな断面を有する形状)に形成されている。詳細については後述するが、固定緩衝材24は、突起240が切り欠き228に対向する姿勢にされた後に、位置決め緩衝材22の貫通孔226に挿入される。
【0021】
突起242は、切頭円錐状に形成され、後述する器具本体32(蛍光ランプセット30)の貫通孔(第1の貫通孔)346の縁を形成する部位に形成された係合溝344に係合し、器具本体32を固定する機能を有する。
【0022】
切り欠き244は、後述する器具本体32が突起242を押圧することによる固定緩衝材24の縮径方向の弾性変形を許容するものである。切り欠き244が形成されていることにより、器具本体32の貫通孔346の径が所定の幅だけ狭くても固定緩衝材24に挿入可能となる。つまり、貫通孔346に挿入できる固定緩衝材24の適合範囲が広くなる。
【0023】
次に、蛍光ランプセット30について図5乃至図8を参照して説明する。
蛍光ランプセット30は、図5に示すように、2本の蛍光ランプ320,322と、これらを支持する器具本体32と、器具本体32の上面を覆うグローブ40(図7参照)と、から主に構成され、スペーサ50に外周を覆われて保護されている。(図8参照)
【0024】
器具本体32は、図6に示すように、板金部300と段差部342と板金部300及び段差部342に接着された樹脂アダプタ部340とから構成される。また、緩衝材20が挿入される貫通孔346が器具本体32の中央に形成されている。
【0025】
板金部300は、図6に示すように、中央下面が上方に窪んで形成されているとともに中央上面が上方に突出して形成された凸部302を有する。板金部300の下面が位置決め緩衝材22の上面に当接するとともに、板金部300の凸部302の内面が位置決め緩衝材22の突出部224の外側面に当接することで、器具本体32は位置決めされる。
【0026】
樹脂アダプタ部340は、板金部300の凸部302の上面に接着されている。樹脂アダプタ部340は、貫通孔346の縁を形成する部位に、固定緩衝材24の突起242に係合する係合溝344を有する。
【0027】
段差部342は、蛍光ランプ320,322側に突出し、蛍光ランプ320,322を支持する支持金具(図示せず)を備える。
【0028】
グローブ40は、器具本体32の上面を覆うように取り付けられる。グローブ40は、蛍光ランプ320,322を外部から保護するとともに、蛍光ランプ320,322から出射される光を拡散する。
【0029】
スペーサ50は、図8に示すように、柵状に形成され、ダンボール、合成樹脂等の弾性を有する材料からなり、蛍光ランプセット30を保護する。スペーサ50は、蛍光ランプセット30を押圧する押圧板500,502と、係止孔504とを有する。
押圧板500と押圧板502とは、スペーサ50の一部が図8における上方内側に折り曲げられて形成され、互いに対向して配置される。
位置決め板12の第2の曲折部126に形成された突起128が、係止孔504に係止することによって、スペーサ50は位置決め板12に固定される。
【0030】
次に、梱包資材10を用いた蛍光ランプセット30の梱包方法について説明する。
【0031】
まず、図4に示すように、位置決め緩衝材22のフランジ部220の上面が位置決め板12の下面と当接する位置まで、位置決め緩衝材22の本体部222を位置決め板12の貫通孔121に差し込む。このとき、位置決め板12は、弾性を有する材料により形成されているために、位置決め緩衝材22が差し込まれ貫通孔121が広げられることによって、貫通孔121を狭める方向に復元力が生じる。この復元力によって、位置決め緩衝材22と位置決め板12とが固定される。
【0032】
次に、図5に示すように、器具本体32を位置決め緩衝材22の本体部222の上面に置く。このとき、板金部300の下面が本体部222の上面に当接するとともに、板金部300の凸部302の内面が位置決め緩衝材22の突出部224の側面に当接することで、器具本体32は位置決めされる。
【0033】
次に、図3(a)に示すように、固定緩衝材24の突起240と位置決め緩衝材22の切り欠き228とが対向するように固定緩衝材24の姿勢を調整し、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22の貫通孔226に挿入する。このとき固定緩衝材24はテーパ筒状に形成されているために、所定の位置で、位置決め緩衝材22の貫通孔226の縁を形成する内壁に係止する。また、図6に示すように、固定緩衝材24の外面に形成された突起242が、器具本体32の樹脂アダプタ部340に形成された係合溝344に係合することにより、固定緩衝材24が器具本体32を固定することとなる。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、固定緩衝材24を位置決め緩衝材22に対して中心軸周りに相対的に回転する。このように固定緩衝材24を回転させることで、位置決め緩衝材22の切り欠き228の位置と固定緩衝材24の突起240の位置とがずらされる。このようにすることで、固定緩衝材24に軸方向の力が加わったとしても、位置決め緩衝材22の貫通孔226近傍の下面に突起240の上面が当接するため、位置決め緩衝材22からの固定緩衝材24の抜脱が防がれる。
【0035】
次に、図7に示すように、グローブ40を器具本体32に被せ、図8に示すように、押圧部500,502を折り返した状態で蛍光ランプセット30の周囲をスペーサ50で覆う。更に、位置決め板12の第2の曲折部126を図9における上方に折り返し、突起128をスペーサ50の係止孔504に挿入し、スペーサ50を位置決め板12に固定する。
【0036】
次に、蛍光ランプセット30を、位置決め板12及びスペーサ50とともにケース60に入れる。このようにして蛍光ランプセット30の梱包作業が容易になされる。
【0037】
なお、蛍光ランプセット30を取り出す作業は、上記手順とほぼ逆の手順でなされる。
【0038】
また、本発明において、スペーサ50は必須の構成要素ではなく、例えば、所定の保管環境において、蛍光ランプセット30の保護が十分であれば、スペーサ50を用いずに部品点数を削減するようにしてもよい。
【0039】
本実施形態に係る緩衝材20は、位置決め緩衝材22と固定緩衝材24とで構成されるため、使用後、突起240と切り欠き228とが軸方向において重なる所定の角度に、固定緩衝材24を回転させ、引き抜くことで簡単に分離させることができる。このため、位置決め緩衝材22と固定緩衝材24とを小分けにでき、比較的小さな廃棄物入れであっても収容可能となる。
【0040】
上記実施形態において、位置決め緩衝材22が切り欠き228を備え、その切り欠き228に挿通する突起240を固定緩衝材24が有するとして説明した。
しかしながら、位置決め緩衝材と固定緩衝材とが結合できる構成であればこの構成に限定せず、例えば、固定緩衝材が切り欠きを備え、その切り欠きを挿通する突起を位置決め緩衝材が有するようにしてもよい。なお、切り欠き及び切り欠きに挿通する突起の数についても特に限定しない。
【0041】
(第1の変形例)
その他、ねじの螺合によって位置決め緩衝材と固定緩衝材とを固定する例について、図10を参照して次に説明する。なお、以下において特に言及しない限り、第1の実施形態に係る実施例の構成と同一の構成であるものとして説明する。
【0042】
第1の変形例に係る位置決め緩衝材(ベース部材)22bは、貫通孔226に面する表面に管用平行雌ねじである雌ねじ230を有する。
【0043】
第1の変形例に係る固定緩衝材(固定部材)24bは、位置決め緩衝材22bに挿入される部位の外周面に雌ねじ230に適合する管用テーパ雄ねじである雄ねじ246を有する。
【0044】
位置決め緩衝材22bと固定緩衝材24bとの結合は、テーパ雄ねじと平行雌ねじとの螺合されるため、所定の位置で止まり、このときに突起242が係合溝344に係合することとなる。
【0045】
このようにねじで螺合する構成を採用した場合、位置決め緩衝材22bと固定緩衝材24bとの結合強度をより高めることができる。
【0046】
なお、上記の逆の構成として、位置決め緩衝材が雄ねじを有する突出部を備えるようにし、固定緩衝材の内周面に雌ねじを形成するようにして、それぞれを螺合する構成であってもよい。
【0047】
(第2の変形例)
上記実施形態において、固定緩衝材24と器具本体32との接続については、突起242と係合溝344とが係合する構成を説明した。また、固定緩衝材24と位置決め緩衝材22との接続について、第1の実施形態に係る実施例においては、固定緩衝材24が所定の角度に回転することで突起240と本体部222の下面とが係止する構成、第1の変形例においては、雌ねじ230と雄ねじ246とが螺合する構成を説明した。その他の構成の一例について図11及び図12を参照して次に説明する。なお、以下において特に言及しない限り、第1の実施形態に係る実施例の構成と同一の構成であるものとして説明する。
【0048】
第2の変形例に係る位置決め緩衝材(ベース部材)22cは、貫通孔226に面する表面に第1の実施形態に係る切り欠き228は形成されていない。
【0049】
第2の変形例に係る固定緩衝材(固定部材)24cは、略円筒状に形成された本体部248と、本体部248の図11(b)における上端部に器具本体32の貫通孔346よりも大径に形成されたフランジ部249と、を主に備える。
【0050】
本体部248は、周方向において均等な間隔で外側面の下部に略三角柱状に形成され、図11における上方から下方にかけて突出量が小さくなるように傾斜して突出する4つの突起(第2の突起)250を有する。ここで、突起250は、対向する位置にある突起250の最大突出部間の間隔が器具本体32の貫通孔346の径よりも長くなるように形成されている。
【0051】
また、本体部248は、図11における下端面から軸方向に延出して形成され、周方向において均等な間隔で配置された4つの切り欠き(第2の切り欠き)252を有する。
【0052】
図12に示すように、突起250の上面とフランジ部249の下面との間隔は、位置決め緩衝材22cの上に器具本体32を載置した状態における器具本体32の樹脂アダプタ部340の上面と位置決め緩衝材22cの貫通孔226の下縁との間隔と略同一となるように形成されている。
【0053】
次に、固定緩衝材24cによる器具本体32の位置決め緩衝材22cへの固定方法について図12を参照して説明する。
【0054】
固定緩衝材24cを、突起250が形成されている側の端部から器具本体32の貫通孔346及び位置決め緩衝材22cの貫通孔226に挿入する。このとき、貫通孔226を形成する部位に突起250が当接し、軸方向へ押圧される。この軸方向への押圧によって、切り欠き252の隙間が縮まるように、固定緩衝材24cの端部が収縮する。これによって、突起250が貫通孔226の下縁を通り抜けたところで軸方向への押圧が解除され、固定緩衝材24cの端部が広がる。このようにして、器具本体32は、固定緩衝材24cと位置決め緩衝材22cとの間に挟持、固定される。
【0055】
上記において、固定緩衝材24cの本体部248には切り欠き252が形成されているとして説明した。しかし、例えば、突起250が合成樹脂等の弾性を有する材料から形成され、貫通孔226に挿入する際に、貫通孔226に押圧されることによって収縮し、これによって貫通孔226を挿通した後に復元し、貫通孔226の外縁に係止するのであれば、本体部248は必ずしも切り欠き252を必要としない。
【0056】
このような構成を備える緩衝材20cを用いることで、器具本体32の位置決め緩衝材22cへの固定を、固定緩衝材24cを貫通孔346に押し込むことのみで容易に行うことができる。
【0057】
また、突起250を軸方向に押し込むことで、位置決め緩衝材22cと固定緩衝材24cとの係止、及び器具本体32と固定緩衝材24cとの係止を解除することができ、容易に緩衝材20cをばらして廃棄することができる。
【0058】
上記実施形態において、同一の効果を奏するならば、切り欠き及び突起等の数及び配置は、任意に変更するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、位置決め緩衝材及び固定緩衝材について各種構成を説明したが、これらの構成は任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10:梱包資材
12:位置決め板(板部材)
121:貫通孔(嵌合孔)
20,20c:緩衝材
22,22b,22c:位置決め緩衝材(ベース部材)
220:フランジ
222:本体部
224:突出部
226:貫通孔(第2の貫通孔)
228:切り欠き(第1の切り欠き)
230:雌ねじ
24,24b,24c:固定緩衝材(固定部材)
240:突起(第1の突起)
242:突起(係合突起)
244:切り欠き(第3の切り欠き)
246:雄ねじ
249:フランジ部
250:突起(第2の突起)
252:切り欠き(第2の切り欠き)
30:蛍光ランプセット(照明器具)
300:板金部
32:器具本体
320,322:蛍光ランプ
340:樹脂アダプタ部
344:係合溝
346:貫通孔(第1の貫通孔)
40:グローブ
50:スペーサ
60:ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の貫通孔が形成された照明器具の梱包に用いられる緩衝材であって、
第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔に前記第2の貫通孔が一致するように前記照明器具が載置されるベース部材と、
前記第1の貫通孔に挿入され前記照明器具に接続するとともに、前記第2の貫通孔に挿入され前記ベース部材に接続して、前記照明器具を前記ベース部材に固定する固定部材と、
を備える、
ことを特徴とする緩衝材。
【請求項2】
前記ベース部材は、前記第2の貫通孔の縁に形成された第1の切り欠きを有し、
前記固定部材は、前記第1の切り欠きを挿通する第1の突起を外周面に有し、該第1の突起が前記第1の切り欠きに挿通されたのちに、前記ベース部材に対して相対的に所定の角度だけ回転されることにより前記第2の貫通孔の外縁に係止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項3】
前記ベース部材と前記固定部材とは、それぞれに形成されたねじの螺合によって固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項4】
前記固定部材は、前記第2の貫通孔へ挿入する方向に向けて高さが低くなり、弾性を有する第2の突起を外周面に有し、
前記第2の突起は、前記第2の貫通孔に挿入される際に、前記第2の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって収縮し、前記第2の貫通孔を挿通した後に復元することによって前記第2の貫通孔の外縁に係止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項5】
前記固定部材は、前記第2の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって内側に変形するための第2の切り欠きを一方の端面に有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の緩衝材。
【請求項6】
前記固定部材は、筒状の形状を有し、前記第1の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって内側に変形するために、他方の端面に形成された第3の切り欠きと、
外周面に形成され前記第1の貫通孔よりも突出し、前記照明器具の第1の貫通孔を形成する部位に形成された溝に係合する係合突起と、
を有し、
前記固定部材を前記第1の貫通孔に挿入する際、前記第1の貫通孔と前記係合突起とが当接することによって前記固定部材が内側に変形し、前記突起が前記溝に対向する位置で前記固定部材が復元することにより前記突起が前記溝に係合する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の緩衝材。
【請求項7】
前記固定部材は、前記照明器具の前記第1の貫通孔の外縁に係止するフランジ部を他方の端部に有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の緩衝材。
【請求項8】
貫通孔が形成された照明器具を梱包するための梱包方法であって、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の緩衝材を用いて、前記照明器具を梱包する、
ことを特徴とする梱包方法。
【請求項1】
第1の貫通孔が形成された照明器具の梱包に用いられる緩衝材であって、
第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔に前記第2の貫通孔が一致するように前記照明器具が載置されるベース部材と、
前記第1の貫通孔に挿入され前記照明器具に接続するとともに、前記第2の貫通孔に挿入され前記ベース部材に接続して、前記照明器具を前記ベース部材に固定する固定部材と、
を備える、
ことを特徴とする緩衝材。
【請求項2】
前記ベース部材は、前記第2の貫通孔の縁に形成された第1の切り欠きを有し、
前記固定部材は、前記第1の切り欠きを挿通する第1の突起を外周面に有し、該第1の突起が前記第1の切り欠きに挿通されたのちに、前記ベース部材に対して相対的に所定の角度だけ回転されることにより前記第2の貫通孔の外縁に係止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項3】
前記ベース部材と前記固定部材とは、それぞれに形成されたねじの螺合によって固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項4】
前記固定部材は、前記第2の貫通孔へ挿入する方向に向けて高さが低くなり、弾性を有する第2の突起を外周面に有し、
前記第2の突起は、前記第2の貫通孔に挿入される際に、前記第2の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって収縮し、前記第2の貫通孔を挿通した後に復元することによって前記第2の貫通孔の外縁に係止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項5】
前記固定部材は、前記第2の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって内側に変形するための第2の切り欠きを一方の端面に有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の緩衝材。
【請求項6】
前記固定部材は、筒状の形状を有し、前記第1の貫通孔の縁を形成する部位に押圧されることによって内側に変形するために、他方の端面に形成された第3の切り欠きと、
外周面に形成され前記第1の貫通孔よりも突出し、前記照明器具の第1の貫通孔を形成する部位に形成された溝に係合する係合突起と、
を有し、
前記固定部材を前記第1の貫通孔に挿入する際、前記第1の貫通孔と前記係合突起とが当接することによって前記固定部材が内側に変形し、前記突起が前記溝に対向する位置で前記固定部材が復元することにより前記突起が前記溝に係合する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の緩衝材。
【請求項7】
前記固定部材は、前記照明器具の前記第1の貫通孔の外縁に係止するフランジ部を他方の端部に有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の緩衝材。
【請求項8】
貫通孔が形成された照明器具を梱包するための梱包方法であって、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の緩衝材を用いて、前記照明器具を梱包する、
ことを特徴とする梱包方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−121634(P2011−121634A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283090(P2009−283090)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】
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