説明

繊維強化プラスチック製リンク構造体の製造方法、およびリンク構造体

【課題】所定の耐久性を有するリンク構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】リンク構造体の製造方法において、(A)繊維強化プラスチック本体8を成形する、(B)金属取付座9を作製する、(C)前記金属取付座を前記繊維強化プラスチック本体に接着する、(D)駆動部品が取り付けられる構造にするために、前記(C)の工程を経て接着された前記金属取付座と前記繊維強化プラスチック本体とを加工する工程を有し、前記(D)の工程は、前記金属取付座を、該金属取付座の軸線に対し凹凸構造に加工する工程、および/または、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座に貫通穴を加工する工程と、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴を加工する工程を有してなり、かつ、貫通穴を加工をする際には、前記繊維強化プラスチック本体側から加工をすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック本体(以下、FRPと表記することもある)および金属取付座から構成されるリンク構造体の製造方法において、特に、荷重伝達経路を明確にし、所定の疲労耐久性を有するリンク構造体の製造方法を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
ロボットに用いられるリンク構造体においては、動作性や制振性の向上、また駆動源の小型化等の観点から、軽量かつ高剛性であることが求められている。そのためリンク構造体を構成する材料としてFRPが採用されてきている。
【0003】
また、ロボット、特に人の手や足の動きに似た動きをするロボットにおいては、一定の速度で動く時間は少なく、ほとんどの時間は加速、減速している。そして加速・減速時には、モーターや減速機等の駆動源から基本となる構造部分にトルクを伝達する必要がある。FRP製のリンク構造体に駆動源を取り付ける場合には、関節部分に金属を配置する方法が用いられている(特許文献1)
さらに、ロボットが所望の動作をするために、駆動源等を取り付ける金属取付座間には、軸間距離、平面度、直角度、同心度等の所定の寸法精度が求められる。
【0004】
一般に、FRPに金属取付座を設け、必要な精度を出す場合、加工により寸法精度を出した金属取付座を冶具等で位置決めを行いFRPに固定する方法が用いられている。しかしリンク構造体の場合は求められる寸法精度が高いため、前記手法では、必要な精度が得ることが困難であった。
【0005】
そのため、FRPと加工代を設けた金属取付座を、金属取付座の位置決めをした上で一体成形し、その後機械加工する方法(特許文献2)や、加工代を設けた金属取付座をFRPに接着した後、機械加工することによって、必要な寸法精度を出す方法が用いられている。
【0006】
しかし、必要な形状を得るために加工を行うことによって発生する金属のカエリがFRPの層間やFRPと金属取付座間の接着剤にき裂を発生させ、リンク構造体の耐久性を大きく低下させるという問題がある。特に、駆動部品等の他部品を取り付ける、もしくは挿入するため、FRPとFRPに設けた金属取付座に同程度の大きさの貫通穴を加工する必要がある構造である場合、金属取付座からFRPへのトルク伝達は接着剤を介して行う必要があるため、致命的な欠陥となる。
【0007】
また、FRPと金属取付座の穴径が全く同じ場合には、駆動源等の部品から入力される荷重が、FRPに対して点で負荷される可能性がある。その場合、FRPに破壊が生じ、リンク構造体の耐久性等の性能に大きな影響を及ぼしてしまう。
【特許文献1】特開平10−202561号公報
【特許文献2】特許4030151号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、上記のような背景を鑑み、所定の耐久性を有するリンク構造体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、
(1)繊維強化プラスチック本体および金属取付座から構成されるリンク構造体の製造方法において、
(A)繊維強化プラスチック本体を成形する工程と、
(B)金属取付座を作製する工程と、
(C)前記金属取付座を前記繊維強化プラスチック本体に接着する工程と、
(D)駆動部品が取り付けられる構造にするために、前記(C)の工程を経て接着された前記金属取付座と前記繊維強化プラスチック本体とを加工する工程を有し、
前記(D)の工程は、前記金属取付座を、該金属取付座の軸線に対し略同心円状の凹凸構造に加工する工程、および/または、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線を中心とした貫通穴を加工する工程と、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴を加工する工程を有してなり、かつ、貫通穴を加工をする際には、前記繊維強化プラスチック本体側から加工をすることを特徴とするリンク構造体の製造方法。
【0010】
(2)前記(D)の工程において、繊維強化プラスチック本体と金属取付座に貫通穴を加工した後に、前記繊維強化プラスチック側から、前記金属取付座に加工された穴径よりも、前記繊維強化プラスチック本体の穴径を大きく加工する、(1)に記載のリンク構造体の製造方法。
【0011】
(3)前記(C)の工程において、金属取付座を繊維強化プラスチック本体に接着するに際し、接着厚みを制御するためのスペーサーを配置する、(1)または(2)に記載のリンク構造体の製造方法。
【0012】
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって得られたリンク構造体であって、産業用ロボットに用いられるリンク構造体。
【0013】
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって得られたリンク構造体であって、サービスロボットに用いられるリンク構造体。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るリンク構造体の製造方法によれば、(A)繊維強化プラスチック本体を成形する工程と、(B)金属取付座を作製する工程と、(C)前記金属取付座を前記繊維強化プラスチック本体に接着する工程と、(D)モーターや減速機に代表されるような駆動部品が取り付けられる構造にするために、前記(C)の工程を経て接着された前記金属取付座と前記繊維強化プラスチック本体とを加工する工程を有し、前記(D)の工程は、前記金属取付座を、該金属取付座の軸線に対し略同心円状の凹凸構造に加工する工程、および/または、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線を中心とした貫通穴を加工する工程と、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴を加工する工程を有してなり、かつ、貫通穴を加工をする際には、前記繊維強化プラスチック本体側から加工をすることにより、金属のカエリが発生しにくく、FRPの層間やFRPと金属取付座間の接着剤にき裂を発生させにくくするため、リンク構造体の耐久性を低下させることなく、所定の性能を発揮することが可能となる。
【0015】
また、前記(D)の工程において、繊維強化プラスチック本体と金属取付座に貫通穴を加工した後に、前記繊維強化プラスチック側から、前記金属取付座に加工された穴径よりも、前記繊維強化プラスチック本体の穴径を大きく加工することにより、駆動部品から入力される荷重が、直接FRPに入力されず、金属取付座から接着剤を介してFRPに伝達されるため、荷重の伝達経路を明確にすることができる。そのため、駆動部品や駆動部品を固定するボルト、リベット等からFRPに点荷重が入力されることによって生じるき裂の発生を防止することができ、より確実に所定の耐久性を得ることができる。
【0016】
なお、前記(C)の工程において、金属取付座を繊維強化プラスチック本体に接着するに際し、接着厚みを制御するためのスペーサーを配置すると、接着厚みを所定の厚みとするだけでなく、接着厚みのバラツキを抑えることが可能となり、安定した構造を得ることができる。
【0017】
本発明に係るリンク構造体の製造方法を、産業用ロボット、サービスロボットなどのロボット部材の関節構造に適用すれば、軽量かつ高剛性であり、所定の性能を有する構造を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るリンク構造体の製造方法によれば、繊維強化プラスチック本体および金属取付座から構成されるリンク構造体の製造方法において、(A)繊維強化プラスチック本体を成形する工程と、(B)金属取付座を作製する工程と、(C)前記金属取付座を前記繊維強化プラスチック本体に接着する工程と、(D)駆動部品が取り付けられる構造にするために、前記(C)の工程を経て接着された前記金属取付座と前記繊維強化プラスチック本体とを加工する工程を有し、前記(D)の工程は、前記金属取付座を、該金属取付座の軸線に対し略同心円状の凹凸構造に加工する工程、および/または、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線を中心とした貫通穴を加工する工程と、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴を加工する工程を有してなり、かつ、貫通穴を加工をする際には、前記繊維強化プラスチック本体側から加工をすることを特徴とする。かかる構成とすれば、金属取付座からの金属のカエリが発生しにくく、結果的にFRPの層間やFRPと金属取付座間の接着剤に亀裂を発生させにくくするため、リンク構造体の耐久性を低下させることなく、所定の性能を発揮することが可能となる。
【0019】
ここで言う、「略同心円」とは、ある1つの円の軸線と他の円の軸線が直径1mmの円筒面内にあることを意味する。また「略等距離」とは、ある1点からの距離が±1mmの以内であることを意味する。さらに「駆動部品」とはモーターや減速機に代表される駆動する部品だけでなく、それらを保持する部品であってもよい。
【0020】
また、前記(D)の工程において、繊維強化プラスチック本体と金属取付座に貫通穴を加工した後に、前記繊維強化プラスチック側から、前記金属取付座に加工された穴径よりも、前記繊維強化プラスチック本体の穴径を大きく加工することを特徴とする。FRPに設ける穴径の大きさとしては、駆動部品や駆動部品を固定するボルト、ピン等が、FRPに直接接触することなく、かつ、駆動部品からのトルク伝達が可能なように、FRPと金属取付座の接着面積が十分確保できる範囲で決定すればよい。
【0021】
FRPの穴を大きく加工する方法としては、初めにFRP側から、FRPおよび金属取付座に同程度の大きさの穴加工を施した後に、径の異なるドリルやフライス等の加工工具を用いて、FRP側よりFRPの穴を大きくする加工を行えばよい。FRPに設ける穴を大きくしておくことによって、モーター、減速機等に代表される駆動部品から、荷重が負荷された場合に、直接FRPに荷重が伝達されることなく、金属取付座から接着剤を介してFRPに荷重を伝えることができるため、荷重の伝達経路を明確にすることができる。したがって、駆動部品や駆動部品を固定するボルト、ピン等からFRPに点荷重が入力されることによって、発生するき裂を防止することができ、より確実に所定の耐久性を得ることができる。FRPと金属取付座の穴寸法が全く同じ場合には、駆動部品や、駆動部品を固定しているボルト、ピン等からの荷重が直接、FRPに点荷重が入力されることがある。その場合、荷重を受け持つFRPの面積が小さいため、FRPにき裂が発生しやすく、リンク構造体の耐久性に大きな影響を及ぼすことがある。
【0022】
また前記(C)の工程において、金属取付座を繊維強化プラスチック本体に接着するに際し、接着厚みを制御するためのスペーサーを配置することが好ましい。スペーサーを配置することによって、接着厚みを所定の厚みにすることが可能となり、接着厚みのバラツキを抑えることができ、安定した構造を得ることができる。スペーサーとしては、ガラスピーズ、テープ、布、針金等を用いることができる。接着厚みとしては、0.05〜0.5mm程度に設定することが好ましい。
【0023】
本発明に係るリンク構造体の製造方法は、適用範囲は特に限定されず、産業用ロボットやサービスロボットの構造部分に好ましく用いられる。ここでいう産業用ロボットとは、一般的に製造ラインで使用される溶接ロボットや組立ロボット等のことである。またサービスロボットとは、掃除などの家事、介護、救助や娯楽等に用いられるロボット全般のことである。
【0024】
以下に、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態をさらに詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る製造方法により得られたリンク構造体の斜視図を示している。リンク構造体は、腕部5と関節部6、7から構成され、FRP4は腕部5と関節部6、7に渡って延在し、関節部6、7には金属取付座10〜13が設けられている。
【0026】
図2に本発明の一実施形態に係る製造方法の手順を示す。関節部のみを取出して説明を行う。
【0027】
(A)の工程においてFRP8を成形する。成形に用いる方法としては、オートクレーブ成形、RTM成形、プレス成形等いずれの方法を用いても良い。例えば、本発明に係るリンク構造体において、炭素繊維とエポキシ樹脂から構成されるプリプレグを用いてオートクレーブ成形することができる。オートクレーブ成形においては、アルミ等の金属型の外側にプリプレグを積層することによって、リンク構造体のFRP部分の形状を作製することになるが、アルミの線膨張係数を考慮して型寸法を決めておくことによって、図1の関節部5と7間に必要な軸間距離を有するFRPを得ることができる。
【0028】
次に(B)工程において、加工代を設けた金属取付座9の作製を行う。金属のブロックを鋳物や鍛造によって作製し、機械加工によって削りだす方法や、鋳型を使った鋳造によって作製する方法等が用いられる。金属の材料としては、鉄系材料、チタン合金、またアルミ合金やマグネシウム合金等の軽合金が用いることができるが、軽量化の観点からは軽合金を用いるのがよい。
【0029】
次に(C)工程において、金属取付座9に接着厚み制御のためのスペーサー21を張り付け、接着剤を用いて金属取付座9をFRP8に接着する。これらを接着する技術自体は公知な技術であるため、その詳細な説明は省くが、FRPは接着前にはサンディング、脱脂を行う、金属取付座は同等の作業を実施するか、化学的な表面処理を行うことによって、所定の接着強度が得られるよう前処理を行うことが一般的である。スペーサーを用いることによって、接着厚みを所望の厚みに制御することが可能となり、また接着厚みのバラツキも小さくすることができ、接着強度が安定する。スペーサーとしてはガラスピーズ、テープ、布、針金等を使用することができる。接着時にスペーサーの位置のずれが小さく、所定の位置に配置するという観点からは粘着性のあるテープを用いることが好ましい。テープの大きさは、伝達が必要なトルクに応じて決定すればよい。また、接着剤がFRPと金属取付座間の全面に確実に介在させ、接着厚みを確保するという観点からは、不織布などの布を、FRPと金属取付座間の全面に用いることが好ましい。
【0030】
次に(D)工程において、駆動部品を取り付けるために、初めに、金属取付座9に軸線に対し略同心円状の凹凸構造に加工する。本加工は、金属取付座9の側から加工を行う。次に、FRP8および金属取付座9に金属取付座9の軸線を中心とした貫通穴(図3に示す金属取付座9の穴寸法31の部分に相当する部分)の加工をFRP8側から行う。FRP側から加工を行うことによって、金属のカエリが発生しにくく、FRP8の層間やFRPと金属取付座9間の接着剤にき裂を発生させにくくする。金属取付座9に凹凸構造、およびFRP8と金属取付座9に貫通穴を設けることによって、モーター、減速機などに代表されるような駆動部品を配置することが可能な形状を得ることができる。また、配置する駆動部品の形状によっては、金属取付座9に軸線に対し略同心円状の凹凸構造を必ずしも設ける必要はない。
【0031】
次に、駆動部品をボルト、ピン等で固定するためにFRP8と金属取付座9に、金属取付座9の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴(図3に示す金属取付座9の穴寸法32の部分に相当する部分)を加工する。
【0032】
加工をする際には、ドリル22等の加工工具を用いて、FRP8側より加工を行う。FRP8側から加工を行うことによって、金属取付座9から生じる金属のカエリが発生しにくく、FRP8の層間やFRP8と金属取付座9間の接着剤30にき裂を発生されることがなく、リンク構造体は所定の耐久性を得ることが可能となる。特に、金属取付座9に金属取付座9の軸線から略等距離になる箇所にタップを設ける必要がある場合においては、金属取付座9側から加工した場合は、金属のカエリがFRP8の層間やFRP8と金属取付座9間の接着剤30にき裂を発生させ易くし、リンク構造体の耐久性を大幅に低下させる原因となるため、確実にFRP8側から加工を行う必要がある。(C)の工程に先立って、FRPに金属取付座に設ける穴よりも少し大きめの穴加工をしておき、金属のカエリがFRPにき裂を生じさせないようにすることも考えられるが、金属取付座側から加工すると、貫通穴に求められる寸法精度を得ることができなくなる場合や、加工時にFRPの穴と金属の穴の中心の位置にずれが生じて、結局、金属のカエリがFRPの層間や接着剤にき裂を発生させてしまう場合がある。また、(C)の工程に先立ってFRPに設ける穴を金属取付座に設ける穴よりも十分大きくしておくことも考えられるが、FRPと金属取付座の接着面積が小さくなり、減速機等の駆動部品からの必要なトルクを伝達できなくなる問題が生じる。
【0033】
さらに(D)工程において、FRP8の穴径を金属取付座9の穴径よりも大きく加工しても良い。その結果、駆動部品や駆動部品を固定するボルト、リベット等からFRPに点荷重が入力されることによって、発生するき裂を防止することができ、より確実に所定の耐久性を得ることができる。
【0034】
図3は図2の工程(D)によって得られたリンク構造体の関節部のE−E断面図である。図3のように金属取付座9の穴径31、32それぞれに対して、FRP8の穴径41、42のように、FRP8の穴径を大きくすることが好ましい。以上の製造方法を用いることによって、軽量かつ高剛性であり、所定の耐久性を有するリンク構造体を得ることが可能となる。
【0035】
図4は、本発明に係る製造方法によって得られたリンク構造体の関節部の断面の一例であり、(D)の工程において、FRP15と金属取付座14に、前記金属取付座14の軸線16を中心とする貫通穴を設けずに、金属取付座14に、該金属取付座14の軸線に対して略同心円状の凹凸構造を設けた場合のリンク構造体の関節部の断面の一例である。このような構造においても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る製造方法によって得られるリンク構造体の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るリンク構造体の製造方法の一例を示す図である。
【図3】図2に示したE―E断面図である。
【図4】本発明に係る製造方法によって得られたリンク構造体の関節部の断面の一例である。
【符号の説明】
【0037】
1:リンク構造体
2、3、16:軸線
4、8、15:FRP
5、7:関節部
6:腕部
9、10、11、12、13、14:金属取付座
21:スペーサー
22:ドリル
30、33:接着剤
31、32:金属取付座の穴径
41、42:FRPの穴径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化プラスチック本体および金属取付座から構成されるリンク構造体の製造方法において、
(A)繊維強化プラスチック本体を成形する工程と、
(B)金属取付座を作製する工程と、
(C)前記金属取付座を前記繊維強化プラスチック本体に接着する工程と、
(D)駆動部品が取り付けられる構造にするために、前記(C)の工程を経て接着された前記金属取付座と前記繊維強化プラスチック本体とを加工する工程を有し、
前記(D)の工程は、前記金属取付座を、該金属取付座の軸線に対し略同心円状の凹凸構造に加工する工程、および/または、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線を中心とした貫通穴を加工する工程と、前記繊維強化プラスチック本体と前記金属取付座に、前記金属取付座の軸線から略等距離になる箇所に貫通穴を加工する工程を有してなり、かつ、貫通穴を加工をする際には、前記繊維強化プラスチック本体側から加工をすることを特徴とするリンク構造体の製造方法。
【請求項2】
前記(D)の工程において、繊維強化プラスチック本体と金属取付座に貫通穴を加工した後に、前記繊維強化プラスチック側から、前記金属取付座に加工された穴径よりも、前記繊維強化プラスチック本体の穴径を大きく加工する、請求項1に記載のリンク構造体の製造方法。
【請求項3】
前記(C)の工程において、金属取付座を繊維強化プラスチック本体に接着するに際し、接着厚みを制御するためのスペーサーを配置する、請求項1または2に記載のリンク構造体の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られたリンク構造体であって、産業用ロボットに用いられるリンク構造体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られたリンク構造体であって、サービスロボットに用いられるリンク構造体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−190353(P2009−190353A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35667(P2008−35667)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】