説明

置換キノロン類II

本発明は式(I)の置換キノロン類およびその生成のための方法ならびに疾患の処置および/または予防のための医薬の製造におけるその使用、さらに特に、とりわけサイトメガロウイルスに対する抗ウイルス薬としてのその使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は置換キノロン類およびその製造のための方法ならびに疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のためのその使用、特に、とりわけサイトメガロウイルスに対する抗ウイルス薬としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO00/040561およびUS4,959,363はヘルペス科のウイルスに対して活性を有するキノロン類について記載している。EP−A−612731は特にHIVに対する抗ウイルス薬としてのキノロン類について記載している。WO02/009758、WO02/085886およびWO03/050107は広域型抗生物質としてのキノロン類を特許請求している。WO97/004775およびWO97/004779は、とりわけ抗炎症疾患およびHIVの処置のためのPDE4およびTNFαの阻害剤としてのキノロン類について記載している。欧州特許第A276700号は抗生物質としての8−シアノキノロン類について記載している。WO02/026713は駆虫薬としてのキノロン類について記載している。
【0003】
市場では抗ウイルス活性を有する構造的に異なる薬剤があるが、その適用の幅は顕著な副作用プロフィールおよび耐性の発達の可能性のために厳しく制限される。従ってより良好でそしてより有効な治療のための新しい薬剤が望ましい。
【0004】
従って本発明の一つの目的はヒトおよび動物のウイルス感染疾患の処置のための同等なまたは改善された抗ウイルス活性を有する新しい化合物を提供することである。
【0005】
驚くべきことに、本発明で記載される置換キノロン類は抗ウイルス活性を有することが見出されている。
【発明の開示】
【0006】
本発明は式:
【化1】

{式中、
nは数字の1または2を表し、
は水素、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルを表し、
はC−C−アルキル、C−C−アルキルアミノカルボニルまたは−C(=O)−R10を表し
(ここで、アルキルおよびアルキルアミノカルボニルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
そして、
10はヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチルまたはC−C−アルコキシカルボニルメチルを表す)、
はハロゲン、シアノ、メトキシ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシもしくはエチニルを表し、
はC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルを表し
(ここで、アルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
そして、
ここで、シクロアルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択される)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化2】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素、メチルまたはエチルを表し、
およびRは相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表す}
の化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物に関する。
【0007】
以下に記載され、そして式(I)、(Ia)および(Ib)に包含される化合物がまだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合、本発明の化合物は式(I)、(Ia)および(Ib)およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物;式(I)、(Ia)および(Ib)およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物に包含される、以下に記載される式の化合物、ならびに式(I)、(Ia)および(Ib)およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物に包含される、実施態様として記載される化合物である。
【0008】
本発明の化合物はその構造に依存して、立体異性体形態(鏡像異性体、ジアステレオマー)で存在する。従って本発明は鏡像異性体またはジアステレオマーおよびその各々の混合物に関する。立体異性的に均一な構成成分を公知の方式でかかる鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物から単離することができる。
【0009】
本発明の化合物が互変異性体形態で生じ得る場合、本発明は全ての互変異性体形態を包含する。
本発明の目的のために好ましい塩は本発明の化合物の生理学的に許容され得る塩である。しかしながらそれ自体が医薬的適用に適当でないが、それにもかかわらず例えば本発明の化合物の単離または精製のために用いることができる塩もまた包含される。
【0010】
本発明の化合物の生理学的に許容され得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0011】
本発明の化合物の生理学的に許容され得る塩には、実例として、および好ましくはアルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)のような通常の塩基の塩、ならびに実例として、および好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンのようなアンモニアまたは1個ないし16個の炭素原子を有する有機アミンから誘導されるアンモニウム塩もまた含まれる。
【0012】
本発明の目的のための溶媒和物とは、固体または液体状態で溶媒分子との配位を介して複合体を形成する本発明の化合物のこれらの形態を指す。水和物は溶媒和物の特別な形態であり、ここで配位は水とで生じる。
【0013】
本発明の局面では、特記しない場合、置換基は以下の意味を有する:
アルキル自体、ならびにアルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルにおける「アルク」および「アルキル」は一般に1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖状または分岐したアルキルラジカル、実例として、および好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
アルコキシは実例として、および好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0014】
アルキルアミノは1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノラジカル、実例として、および好ましくはメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。例えばC−C−アルキルアミノは、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノラジカルまたはアルキル置換基あたり各々1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノラジカルを表す。
【0015】
アルキルカルボニルは実例として、および好ましくはアセチルおよびプロパノイルを表す。
アルコキシカルボニルは実例として、および好ましくはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
【0016】
アルキルアミノカルボニルは1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノカルボニルラジカル、実例として、および好ましくはメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルを表す。例えばC−C−アルキルアミノカルボニルは1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニルラジカルまたはアルキル置換基あたり各々1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノカルボニルラジカルを表す。
【0017】
シクロアルキルは一般に3個ないし8個、好ましくは3個ないし5個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し、シクロアルキルに由来し得る好ましい実例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を表す。
【0018】
およびRが表し得る基の式では、各々の場合でその隣に*または#が存在する直線の終端は、炭素原子またはCH基ではなく、むしろRおよびRが結合している原子への結合の構成要素である。
【0019】
好ましいのは式:
【化3】

{式中、
nは数字の1を表し、
は水素またはフッ素を表し、
はC−C−アルキルを表し
(ここで、アルキルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択される)、
はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシもしくはエチニルを表し、
はC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルを表し、
(ここで、アルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してフッ素、ヒドロキシおよびC−C−アルコキシからなる群から選択され、
そして
ここで、シクロアルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化4】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素またはメチルを表し、
およびRは相互に独立してフッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表す}
に相当する式(I)のこれらの化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物である。
【0020】
特に好ましいのは式:
【化5】

{式中、
nは数字の1を表し、
はフッ素を表し、
はメチルまたはエチルを表し
(ここで、メチルおよびエチルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から選択される)、
は塩素、メトキシ、ジフルオロメトキシもしくはトリフルオロメトキシを表し、
はメチル、エチルもしくはシクロプロピルを表し
(ここで、エチルは1個ないし3個のフッ素置換基で置換されていてもよく、
そして
ここで、シクロプロピルは1個ないし2個のフッ素置換基で置換されていてもよい)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化6】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素またはメチルを表し、
およびRは相互に独立して塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはメチルを表す}
に相当する式(I)または(Ia)のこれらの化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその塩の溶媒和物である。
【0021】
また好ましいのはRがフッ素を表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
また好ましいのはRがメチレンを表し、メチレンは置換基で置換されており、置換基はヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から選択される式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
【0022】
また好ましいのはRが塩素、メトキシまたはジフルオロメトキシを表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
また好ましいのはRがシクロプロピルまたは2−フルオロシクロプロプ−1−イルを表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
また好ましいのはRが2,2,2−トリフルオロエチルを表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
【0023】
また好ましいのはRおよびRが塩素を表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
また好ましいのはRが塩素またはメチルを表し、そしてRがトリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表す式(I)、(Ia)および(Ib)のこれらの化合物である。
また好ましいのはRが水素を表す式(I)のこれらの化合物である
【0024】
各々の組み合わせで具体的に記載されるラジカル定義および好ましいラジカルの組み合わせはまた、明記されたラジカルの特定の組み合わせに関わらず、所望により別の組み合わせのラジカル定義により置き換えられる。
極めて特に好ましいのは二つまたはそれより多い前記した好ましい範囲の組み合わせである。
【0025】
本発明はさらに式(I)の化合物を製造するための方法に関し、その方法では、式:
【化7】

(式中、n、R、R、R、R、R、R、RおよびRは前記で示した意味を有する)
の化合物を、方法[A]に従って式:
−X (III)
(式中、RはC−C−アルキルを表し、ここで、アルキルはC−C−アルコキシカルボニル置換基で置換されており、
そして、Xはハロゲン、好ましくはヨウ素、塩素もしくは臭素、またはメシラート、トシラートもしくはトリフラートを表す)
と反応させるか、
または
方法[B]に従って式:
2a−NCO (IV)
(式中、R2aはラジカルRのアルキルアミノカルボニルのアルキルを表し、
ここで、アルキルアミノカルボニルはC−C−アルコキシカルボニル置換基で置換されている)
と反応させるか、
または
方法[C]に従って式:
【化8】

(式中、R10は前記で示した意味を有し、そして
はハロゲン、好ましくは塩素または臭素を表す)
と反応させるか、
または
それによる式(II)の化合物の式(III)もしくは(IV)の化合物との反応により形成された化合物を方法[D]に従って塩基で加水分解して対応する酸を形成する。
【0026】
方法[A]による反応は一般に不活性溶媒中、塩基の存在下、好ましくは大気圧下−30℃から120℃の範囲の温度で行われる。
不活性溶媒の実例にはジクロロメタンもしくはトリクロロメタンのようなハロ炭化水素、ベンゼンのような炭化水素、またはニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルのようなその他の溶媒が挙げられる。溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。アセトニトリル、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0027】
塩基の実例には例えば炭酸ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、または炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、またはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基が挙げられる。
【0028】
方法[B]による反応は一般に不活性溶媒中、好ましくは大気圧下−30℃から50℃の範囲の温度で行われる。
不活性溶媒の実例にはジクロロメタンもしくはトリクロロメタンのようなハロ炭化水素、ベンゼンのような炭化水素、またはニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルのようなその他の溶媒が挙げられる。溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0029】
方法[C]による反応は一般に不活性溶媒中、適切な場合塩基の存在下、好ましくは大気圧下−30℃から50℃の範囲の温度で行われる。
不活性溶媒の実例にはジクロロメタンもしくはトリクロロメタンのようなハロ炭化水素、ベンゼンのような炭化水素、またはニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルのようなその他の溶媒が挙げられる。溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0030】
塩基の実例には例えば炭酸ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、または炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、またはピリジンもしくはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基が挙げられる。
【0031】
方法[D]による加水分解は一般に水もしくは不活性溶媒中、または水および不活性溶媒の混合物中、塩基の存在下、好ましくは大気圧下−30℃から100℃の範囲の温度で行われる。
不活性溶媒の実例にはジクロロメタンもしくはトリクロロメタンのようなハロ炭化水素、ベンゼンのような炭化水素、またはニトロメタン、ジオキサン、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルのようなその他の溶媒が挙げられる。溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。ジオキサン、メタノール、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0032】
塩基の実例には例えば水酸化ナトリウム、カリウムもしくはリチウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、または炭酸水素ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
【0033】
式(III)、(IV)および(V)の化合物は公知であるか、または公知の方法により対応する出発材料から合成することができる。
が置換エチルを表す式(I)の化合物はまた式(II)の化合物を例えばアクリル酸エチルのようなマイケルアクゼプターと反応させることにより製造することもできる。
【0034】
式(II)の化合物は公知であるか、または式:
【化9】

(式中、n、R、R、R、RおよびRは前記で示した意味を有する)
の化合物を式:
【化10】

(式中、R、RおよびRは前記で示した意味を有する)
の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0035】
反応は一般に不活性溶媒中、脱水試薬の存在下、適切な場合塩基の存在下、好ましくは大気圧下−30℃から50℃の範囲の温度で行われる。
不活性溶媒の実例にはジクロロメタンまたはトリクロロメタンのようなハロ炭化水素、ベンゼン、ニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルのような炭化水素が挙げられる。溶媒の混合物を使用することも同様に可能である。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0036】
塩基の実例には例えば炭酸ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、または炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、またはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基が挙げられる。
【0037】
ここで適当な脱水試薬の実例には、例えばN,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、塩酸N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)のようなカルボジイミドもしくはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物、または3−硫酸2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウムもしくは過塩素酸2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムのような1,2−オキサゾリウム化合物、または2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンもしくはプロパンホスホン酸無水物のようなアシルアミノ化合物、またはクロロギ酸イソブチル、または塩化ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリル、またはヘキサフルオロリン酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(HBTU)、テトラフルオロホウ酸2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(TPTU)もしくはヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(HATU)、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)もしくはヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)、またはヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム(PyBOP)、またはN−ヒドロキシスクシンイミド、または塩基を伴うこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
好ましくはHATU、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム(PyBOP)を用いて、またはEDCを用いてHOBtの存在下で縮合を実施する。
式(VII)の化合物は公知であるか、または公知の方法により対応する出発材料から合成することができる。
【0039】
式(VI)の化合物は公知であるか、または式:
【化11】

(式中、R、RおよびRは前記で示した意味を有する)
の化合物を式:
【化12】

(式中、n、RおよびRは前記で示した意味を有する)
の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0040】
A. Da Silva, M. De Almeida, V. De Souza, M. Couri, Current Medicinal Chemistr 10:21−39(2003)に記載される方法により反応を実施することができる。
式(VIII)の化合物の式(IX)の化合物との反応では、窒素原子の1個は場合によっては例えばFmocまたはBocのような保護基で保護され、それは反応後、当業者に公知の条件に従って除去される。
【0041】
式(VIII)の化合物は公知であるか、または例えばA. Da Silva, M. De Almeida, V. De Souza, M. Couri, Current Medicinal Chemistry 10:21−39(2003)に記載されるような公知の方法により対応する出発材料から合成することができる。
式(IX)の化合物は公知であるか、または公知の方法により対応する出発材料から合成することができる。
【0042】
代替えの方法では、式(II)の化合物を製造するために、キノロンの7位での求核置換およびアミド形成を反応の順序で切り替えてよい。
本発明の化合物の製造を以下の合成スキームにより説明することができる。
【0043】
合成スキーム:
【化13】

【0044】
本発明の化合物は予測されていなかった驚くべき効果の領域を示す。これらは代表的なヘルペスウイルス科の群(ヘルペスウイルス)、とりわけサイトメガロウイルス(CMV)に対して、および特にヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して抗ウイルス作用を示す。
【0045】
実例として言及され得る適用の分野は:
1)AIDS患者におけるHCMV感染(網膜炎、肺炎、胃腸感染)の処置および予防。
2)しばしば生命を脅かすHCMV肺炎または脳炎、ならびに胃腸および全身性HCMV感染を発達させる骨髄および器官移植患者におけるサイトメガロウイルス感染の処置および予防。
3)新生児および幼児におけるHCMV感染の処置および予防。
4)妊婦における急性HCMV感染の処置。
5)癌および癌治療に関連した免疫抑制患者におけるHCMV感染の処置。
6)HCMV媒介の腫瘍進行を低下させる目的でのHCMV陽性癌患者の処置(J. Cinatl, et al., FEMS Microbiology Reviews 28:59−77(2004)参照)。
【0046】
本発明はさらに疾患、とりわけウイルス、特に前記で言及されたウイルスでの感染およびそれにより引き起こされる感染性疾患の処置および/または予防のための本発明の化合物の使用に関する。本明細書では以後ウイルス感染とはウイルスでの感染およびウイルスでの感染により引き起こされる疾患の双方を意味する。
【0047】
本発明はさらに疾患、特に前記で言及された疾患の処置および/または予防のための本発明の化合物の使用に関する。
本発明はさらに疾患、特に前記で言及された疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
【0048】
本発明の化合物は好ましくは代表的なヘルペスウイルス科の群、特にサイトメガロウイルス、特にヒトサイトメガロウイルスでの感染の予防および/または処置に適当である医薬の製造のために用いられる。
本発明はさらに抗ウイルス的に有効な量の本発明の化合物を用いて疾患、特に前記で言及された疾患の処置および/または予防のための方法に関する。
【0049】
本発明はさらに、とりわけ前記で言及された疾患の処置および/または予防のための、少なくとも一つの本発明の化合物および少なくとも一つまたはそれより多いさらなる活性化合物を含む医薬に関する。実例として、および好ましくは言及され得る組み合わせに適当な活性化合物は:バルガンシクロビル、ガンシクロビルまたはアシクロビルのような抗ウイルス性活性化合物である。
【0050】
本発明の化合物は全身的および/または局所的に作用し得る。この目的のために、それらを例えば経口、非経口、肺、鼻、舌下、舌側、頬側、直腸、真皮、経真皮、結膜、耳、局所にまたはインプラントもしくはステントとしてのような適当な方式で投与することができる。
これらの投与経路のために、本発明の化合物を適当な投与形態で投与することができる。
【0051】
経口投与に適当であるのは、従来技術に従って機能し、そして迅速におよび/または修飾された様式で本発明の化合物を分配し、そして例えば錠剤(例えば胃液に抵抗するか、または遅延して溶解するか、または不溶性であり、そして本発明の化合物の放出を制御する非被覆または被覆錠剤)、口腔内で迅速に崩壊する錠剤またはフィルム/ウエハー、フィルム/凍結乾燥体、カプセル(例えば硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、粉末、エマルジョン、懸濁液、エアロゾルまたは溶液のような結晶ならびに/または非晶質性および/もしくは溶解した形態の本発明の化合物を含む投与形態である。
【0052】
吸収工程を回避して(例えば静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または吸収を含めて(例えば筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)非経口投与を行うことができる。非経口投与に適当な投与形態はとりわけ溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥体または滅菌粉末の形態の注射および注入用の製剤である。
【0053】
その他の投与経路に適当な実例は吸入(とりわけ粉末吸入、ネブライザー)、点鼻、溶液、スプレーのための医薬形態;舌側、舌下もしくは頬側に投与される錠剤、フィルム/ウエハーまたはカプセル、坐剤、耳または眼のための製剤、膣用カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経真皮治療系、乳、ペースト、泡、散布粉剤、インプラントまたはステントである。
【0054】
本発明の化合物を記載される投与形態に変換することができる。これをそれ自体公知の様式で、不活性な、無毒性の薬学的に許容され得る補助剤と混合することにより行うことができる。これらの賦形剤には、とりわけ担体(例えば微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ポリオキシソルビタン)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えばアスコルビン酸のような、例えば抗酸化剤)、着色剤(例えば酸化鉄のような、例えば無機色素)または味および/もしくは臭いの矯正剤が含まれる。
【0055】
本発明はさらに、通常一つまたはそれより多い不活性な、無毒性の薬学的に許容され得る補助剤を一緒に伴う少なくとも一つの本発明の化合物を含む医薬、および前記で言及された目的のためのその使用に関する。
【0056】
一般に静脈内投与に関しては、有効な結果を達成するために約0.001から10mg/kg体重、好ましくは約0.01から5mg/kg体重の量を投与するのが有利であることが判明しており、そして経口投与に関する投薬量は約0.01から25mg/kg体重、好ましくは0.1から10mg/kg体重である。
【0057】
それにもかかわらず、適切な場合、具体的には体重、投与経路、活性化合物に対する個体の応答、製剤の様態および投与を行う時間または間隔に応じて、記載された量から逸脱することが必要になるかもしれない。従って前記で言及された最低量未満で投与を行っても十分であり得る場合もあるが、記載された上限を超えなければならない場合もある。多量の投与の場合、これらを1日にわたって個々の用量の複数回で分けるのが望ましいかもしれない。
【0058】
以下の試験および実施例におけるパーセンテージデータは特記しない場合、重量パーセンテージであり;部は重量部である。液体/液体溶液の溶媒比率、希釈率および濃度データは各々の場合で容量に基づく。
【実施例】
【0059】
実施例
略語
【表1】

【0060】
一般的なLC−MSおよびHPLC法:
方法1(LC−MS):装置:HPLC Agilentシリーズ1100を伴うMicromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro−RP Mercury 20mmx4mm;溶離液A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0061】
方法2(LC−MS):MS装置型:Micromass ZQ;HPLC装置型:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro−RP Mercury 20mmx4mm;溶離液A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0062】
方法3(LC−MS):MS装置型:Micromass ZQ;HPLC装置型:HP1100シリーズ;UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro−RP Mercury 20mmx4mm;溶離液A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0063】
方法4(分取用HPLC):カラム:RP18;アセトニトリルに0.2%ジエチルアミンを添加したグラジエント:30%アセトニトリル/70%水→95%アセトニトリル/5%水。
方法5(分取用HPLC、ギ酸):カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、SNr.3331、250mmx30mm。溶離液A:水中0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル;流速:50ml/分。プログラム:0−3分:10%B;3−27分:95%Bまでのグラジエント;27−34分:95%B;34.01−38分:10%B。
【0064】
方法6(分取用HPLC、塩酸):カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、SNr.3331、250mmx30mm。溶離液A:水中0.1%塩酸、溶離液B:アセトニトリル;流速:50ml/分。プログラム:0−2分10%B、3−43分:100%Bまでのグラジエント、43.01−45分:100%B。
方法7(分取用HPLC):カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、SNr.3331、250mmx30mm。溶離液A:水、溶離液B:アセトニトリル、流速:50ml/分。プログラム:0−3分:10%B;3−27分:95%Bまでのグラジエント;27−34分:95%B;34.01−38分:10%B。
【0065】
方法8(分取用HPLC、トリフルオロ酢酸):カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、SNr.3331、250mmx30mm。溶離液A:水中0.1%トリフルオロ酢酸、溶離液B:アセトニトリル。流速:50ml/分。プログラム:0−3分:10%B;3−27分:95%Bまでのグラジエント;27−34分:95%B;34.01−38分:10%B。
【0066】
方法9(分析用HPLC):装置:DAD検出を伴うHP1100;カラム:Kromasil 100 RP−18、60mmx2.1mm、3.5μm;溶離液A:過塩素酸(70%)5ml/水l、溶離液B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B、9.2分2%B、10分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
【0067】
方法10(分析用HPLC):装置:DAD検出を伴うHP1100;カラム:Kromasil 100 RP−18、60mmx2.1mm、3.5μm;溶離液A:過塩素酸(70%)5ml/水l、溶離液B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B、6.7分2%B、7.5分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
【0068】
方法11(LC−MS):MS装置型:Micromass ZQ;HPLC装置型:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP−18e 100mmx4.6mm;溶離液A:水+50%ギ酸0.5ml/l;溶離液B:アセトニトリル+50%ギ酸0.5ml/l;グラジエント:0.0分10%B→7.0分95%B→9.0分95%B;流速:0.0分1.0ml/分→7.0分2.0ml/分→9.0分2.0ml/分;オーブン:35℃;UV検出:210nm。
【0069】
塩基性窒素を含有する実例化合物を精製方法に依存して遊離塩基として、または種々の塩の形態で単離することができる。製造方法はしばしばヒドロホルマートに至るギ酸(方法5)の添加を伴うか、またはギ酸の代わりに、例えばそれにより生成物が塩酸塩として単離される塩酸(方法6)のようなその他の酸の添加を伴うHPLCによる精製を記載する。これに代えて、アセトニトリル中でそれを攪拌することにより、または分取用HPLCにより、酸の添加を伴わずに(方法7)生成物を精製することもでき、それにより生成物を遊離塩基として単離する。遊離塩基およびヒドロホルマート双方のから、続くジオキサン中の塩化水素の添加およびロータリーエバポレーターでの蒸発により化合物の塩酸塩を再度得ることができる。
【0070】
出発化合物
実施例1A
2−ブロモ−4−クロロベンゾニトリル
【化14】

2−ブロモ−4−クロロ安息香酸588mgおよび尿素300mgをジクロロメタン/メタノールに溶解し、そしてロータリーエバポレーターでアルミナ364mg上で濃縮する。残留物を150℃で全部で60分間、マイクロ波で照射する。冷却後、残留物を酢酸エチルおよび水と共に攪拌し、ろ過し、そしてろ液の水相を分離する。有機相を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮し、そして次に高真空下で乾燥させる。生成物をさらに精製することなく、さらに反応させる。
H NMR(300MHz、CDCl):δ=7.72(d, 1H), 7.60(d, 1H), 7.42(dd, 1H)
【0071】
実施例2A
2−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニルトリフルオロメチルスルホナート
【化15】

トルエン50mlおよび30%リン酸カリウム水溶液50ml中2−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェノール4.00gを0℃で提供し、無水トリフルオロメタンスルホン酸3.82mlをゆっくりと加え、そして混合物を室温で1.5時間攪拌する。水相を分離し、そして有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濃縮する。粗製生成物を精製せずにさらに反応させて実施例3Aが得られる。
【0072】
実施例3A
2−クロロ−4−トリフルオロメトキシベンゾニトリル
【化16】

実施例2Aからの化合物3.00gを脱気したDMF12ml中シアン化亜鉛2.04gおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.00gと共に溶解し、そして混合物をアルゴン下120℃で2時間加熱する。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液と、そして次に飽和塩化ナトリウム溶液と共に2回振盪することにより抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する(シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)。
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=7.62(dd, 1H), 7.95(d, 1H), 8.18(d, 1H)
【0073】
実施例4A
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【化17】

2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸795mg(3.61ミリモル)を還流下塩化チオニル4ml(54.8ミリモル)およびDMF1滴と共に30分間加熱する。冷却後、反応溶液を氷冷濃縮アンモニア水溶液にゆっくりと滴加する。得られた沈殿を吸引ろ過により収集し、水30mlに取り、そして60℃で1時間攪拌する。混合物を冷まし、そして固体をろ過により収集し、そして真空下乾燥させる。収量:562mg(理論値の71%)。
LC−MS(方法2):R=1.61分
MS(ESI):m/z=220(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO−d):δ=7.79(bs, 1H), 7.42−7.50(m, 2H), 7.19−7.28(m, 2H), 2.39(s, 3H)
【0074】
実施例5A
2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミン
【化18】

ボラン−THF複合体(1M)18.8ml(18.8ミリモル)をアルゴン下、氷冷しながら提供する。THF80ml中2−メチル−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例4A)823mg(3.76ミリモル)の溶液を滴加し、そして続いて混合物を還流下8時間攪拌する。氷冷しながら1N塩酸80mlを滴加し(気体の発生が終了するまで)、そして混合物を還流下1時間加熱する。続いて1N水酸化ナトリウム溶液を用いて反応混合物をアルカリ性にし、そしてジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を真空下除去する。油状物が得られ、それをさらに精製せずにさらに反応させる。収量:732mg(理論値の95%)。
LC−MS(方法3):R=1.41分
MS(ESI):m/z=206(M+H)
H NMR(400MHz、CDCl):δ=7.32−7.40(m, 1H), 6.99−7.11(m, 2H), 3.95−4.01(m, 2H), 2.40(s, 3H)
【0075】
実施例6A
2−ブロモ−4−クロロベンジルアミン
【化19】

ボラン−THF複合体13.9mlを氷冷しながら提供する。THF60ml中2−ブロモ−4−クロロベンゾニトリル(実施例1A)2.0gの溶液をゆっくりと加える。その後、反応混合物を還流下1時間加熱し、冷却し、そして氷冷しながら1N塩酸20mlを滴加する。混合物を還流下1時間加熱し、そして冷ます。検査用に1N水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液をアルカリ性にし、そしてジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮する。粗製生成物を精製せずにさらに反応させる。
H NMR(300MHz、CDCl):δ=3.89(s, 2H), 7.35−7.45(m[ABM], 2H), 7.55(d, 1H)
【0076】
実施例7A
塩酸2−クロロ−4−トリフルオロメトキシベンジルアミン
【化20】

実施例6Aに類似して実施例3Aからの化合物から製造を行い、続いてジオキサン中4N塩酸と処理する。
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=4.15(s, 2H), 7.52(d, 1H), 7.70(s, 1H), 7.78(d, 1H), 8.56(bs, 3H)
【0077】
実施例8A
塩酸2,4−ジクロロ−6−メチルベンジルアミン
【化21】

実施例6Aに類似して2,4−ジクロロ−6−メチルベンゾニトリルから製造を行い、続いてジオキサン中4N塩酸と処理する。
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=2.5(s, 3H), 4.10(s, 2H), 7.40(s, 1H), 7.60(s, 1H), 8.40(bs, 3H)
LC−MS(方法13):R=2.44分、MS(ES+)=190(M+H)
【0078】
実施例9A
塩酸4−クロロ−2−トリフルオロメチルベンジルアミン
【化22】

実施例6Aに類似して4−クロロ−2−トリフルオロメチルベンゾニトリルから製造を行い、続いてジオキサン中4N塩酸と処理する。
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=4.18(d, 2H), 7.82(d, 1H), 7.88−7.98(m, 2H), 8.58(bs, 3H)
【0079】
実施例10A
3−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]−2−(2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシベンゾイル)アクリル酸エチル(E+Z)
【化23】

3−オキソ−3−(2,4,5−トリフルオロ−3−メトキシフェニル)プロピオン酸エチル(製造に関してはJournal of Medicinal Chemistry 38(22):4478−87(1995)参照)2.00g(5.79ミリモル)を無水酢酸3.8ml(4.14g、40.55ミリモル)およびオルトギ酸トリエチル4.82ml(4.29g、28.96ミリモル)中還流下2時間攪拌する。続いてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去し、そして残留物をエタノール10mlに溶解する。2,2,2−トリフルオロ−1−アミノエタン1.03g(10.43ミリモル)を氷冷溶液に滴加し、そして混合物を室温にし、そしてその温度で一晩攪拌する。検査用に溶媒を除去し、そして残留物を精製工程なしに、粗製生成物としてさらに反応させる。
LC−MS(方法2):R=2.37分、MS(ES+)=386(M+H)
【0080】
以下の実施例11Aから14Aを実施例10Aに類似して対応するアミンから製造する。
【表2】

【0081】
実施例15A
6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸エチル
【化24】

アルゴン雰囲気下、および氷冷しながら60%水素化ナトリウム0.32g(8.11ミリモル)をテトラヒドロフラン5ml中で提供し、そしてテトラヒドロフラン15ml中実施例10Aからの化合物2.23g(5.79ミリモル)の溶液をゆっくりと滴加する。続いて混合物を室温まで加温し、その温度で2時間攪拌し、そして一晩放置する。検査用に酢酸2mlを滴加し、混合物を5分間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、水で数回および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そしてろ過し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒をを完全に除去する。粗製生成物をシリカゲル60のカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:ジクロロメタン/メタノール100/1→100/2)、そして分取用RP−HPLC(方法5)による高精製の後、生成物1.8gが得られる。
HPLC(方法10):R=4.34分
MS(DCI(NH))=366(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.41(t, 3H), 4.15(s, 3H), 4.41(q, 2H), 5.23(q, 2H), 8.11(dd, 1H), 8.33(s, 1H)
【0082】
以下の表に列挙する実施例16Aから19Aは実施例15Aに類似して製造される。
【表3】

【0083】
実施例20A
6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【化25】

実施例15Aからの化合物800mg(2.19ミリモル)酢酸−水−硫酸12:8:1の混合物25ml中で提供し、そして還流下一晩攪拌する。検査用にロータリーエバポレーターで溶媒を大部分除去し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を用いて氷冷しながら注意深く残留物をpH3に調整し、懸濁液を水で希釈し、そして沈殿を吸引ろ過により収集し、そして高真空下でフィルター残留物を乾燥させた後、標題化合物575mgが得られる。
LC−MS(方法3):R=2.41分、MS(ES+)=338(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=4.21(s, 3H), 5.37(q, 2H), 8.11(dd, 1H), 8.62(s, 1H), 14.05(bs, 1H)
【0084】
以下の実施例21Aから24Aは実施例20Aに類似して製造される。
【表4】

【0085】
実施例25A
ジフルオロホウ酸[6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−イル]カルボニル
【化26】

実施例20Aからの化合物1.5g(4.30ミリモル)をテトラヒドロフラン10ml中で提供し、続いて三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル複合体6.81ml(7.63g、53.75ミリモル)を加え、そして混合物を70℃で一晩攪拌する。検査用にジエチルエーテル50mlを反応混合物に加え、室温まで冷却し、混合物を20分間攪拌し、そして形成された沈殿を吸引ろ過により収集する。残留物を高真空下で乾燥させた後、標題化合物1150mgが得られ、そして精製せずにさらに反応させる。
HPLC(方法9):R=4.25分
MS(DCI(NH))=402(M+NH
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=4.21(s, 3H), 6.12(q, 2H), 8.38(dd, 1H), 9.66(s, 1H)
【0086】
以下の実施例26Aから29Aは実施例25Aに類似して製造される。
【表5】

【0087】
実施例30A
ジフルオロホウ酸[1−シクロプロピル−7−フルオロ−8−トリフルオロメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−イル]カルボニル
【化27】

実施例25Aに類似して1−シクロプロピル−7−フルオロ−8−トリフルオロメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−イル]カルボン酸(製造に関しては:ドイツ特許第4301246号参照)から化合物を製造する。
LC−MS(方法1):R=2.13分
MS(ES+):m/z=364(M+H)
【0088】
実施例31A
7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸ヒドロホルマート
【化28】

実施例25Aからの化合物300.0mg(0.78ミリモル)およびシス−2,6−ジメチルピペラジン213.6mg(1.87ミリモル)をアセトニトリル6ml中50℃で一晩攪拌する。ロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去し、そして残留物を還流下、エタノール12mlおよびトリエチルアミン6mlの混合物と共に1時間攪拌する。検査用にロータリーエバポレーターで溶媒を除去する。分取用RP−HPLC(方法5)による高精製の後、目標化合物260mgが得られる。
HPLC(方法9):R=3.76分
MS(ESI+)=432(M+H)
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=1.03(d, 6H), 2.82(m, 2H), 3.04(m, 2H), 3.28(m, 2H), 3.78(s, 3H), 5.77(q, 2H), 7.82(d, 1H), 8.19(s, 1H), 8.52(s, 1H)
【0089】
以下の実施例32Aから36Aは実施例31Aに類似して製造される。
【表6】

【0090】
実施例37A
N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5RS)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【化29】

アルゴン下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン7.52g(58.2ミリモル)およびPyBOP7.71g(14.81ミリモル)をジメチルホルムアミド10.7ml中7−(シス−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−8−メトキシ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸ヒドロホルマート(実施例31A)5.20g(10.58ミリモル)および2,4−ジクロロベンジルアミン3.73g(21.2ミリモル)に加え、そして混合物を室温で一晩攪拌する。反応混合物を酢酸エチル1500mlで希釈し、そして水で3回洗浄する。合わせた水相を酢酸エチルで1回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濃縮する。残留物をアセトニトリル30mlと共に攪拌する。次いで固体をろ過により収集し、そして高真空下で乾燥させる。目標化合物6.80mgが1当量のアセトニトリルとの共結晶として得られる。少量に関しては抽出後に残留物を分取用HPLC(方法5から8の一つにより)により精製することができる。
HPLC(方法9):R=4.59分
MS(ESI)=589(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.11(d, 6H), 2.01(3H, CHCN), 2.82(br.t, 2H), 3.03−3.16(m, 2H), 3.29(br.d, 2H)), 3.79(s, 3H), 4.69(d, 2H), 5.25(q, 2H), 7.20(dd, 1H), 7.37−7.42(m, 2H), 7.91(d, 1H), 8.54(s, 1H), 10.24(t, 1H)
【0091】
実施例38A
塩酸N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5RS)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【化30】

実施例37Aからの化合物(1当量のアセトニトリルを含有)6780mgをジオキサン中4N塩化水素4.3mlに溶解し、溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、そして次に残留物を高真空下で乾燥させる。収量:6730mg(定量)。
HPLC(方法9):R=4.57分
MS(ESI):m/z=589(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO−d):δ=1.38(d, 6H), 3.222(br.t, 2H), 3.38−3.52(m, 4H), 3.83(s, 3H), 4.60(d, 2H), 5.71(q, 2H), 7.39−7.46(m, 2H), 7.65(s, 1H), 7.84(d, 1H), 8.76(br.s, 1H), 8.89(s, 1H), 9.35(br.s, 1H), 10.10(t, 1H)
【0092】
実施例39A
1−シクロプロピル−N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【化31】

実施例37Aに類似して1−シクロプロピル−7−(シス−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(製造に関しては:Journal of Medicinal Chemistry 38(22):4478−87(1995)参照)から製造を行う。
LC−MS(方法2):R=1.77分
MS(ES+)=547(M+H)
【0093】
実施例40Aから44Aは実施例39Aと同一の酸から、および実施例37Aの製造指示に類似して製造される。
【表7】

【0094】
実施例45A
8−クロロ−1−シクロプロピル−N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【化32】

実施例37Aに類似して8−クロロ−1−シクロプロピル−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(製造に関しては:ドイツ特許第3635218号参照)から、PyBOPの代わりにヒドロキシベンゾトリアゾールおよびEDCを用いて製造を行う。
LC−MS(方法2):R=1.86分
MS(ES+)=551(M+H)
H NMR(400MHz、CDCl):δ=0.9(m, 2H), 1.1(d, 6H), 1.2−1.3(m, 2H), 2.7−2.9(m, 2H), 3.1−3.3(m, 4H), 4.3(m, 1H), 4.7(d, 2H), 7.2(dd, 2H), 7.4(m, 2H), 8.0(d, 1H), 8.9(s, 1H), 10.2(t, 1H)
【0095】
実施例46Aおよび47Aは実施例45Aと同一の酸から、および実施例37Aの製造指示に類似して製造される。
【表8】

【0096】
実施例48Aから50Aは1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−7−(3−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(製造に関しては:Journal of Medicinal Chemistry 38(22):4478(1995)参照)から、および実施例37Aの製造指示に類似して製造される。
【0097】
【表9】

【0098】
実施例51A
N−(4−ブロモ−2−クロロベンジル)−7−[(3RS,5RS)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドヒドロホルマート
【化33】

実施例37Aに類似して7−(シス−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(製造に関しては:欧州特許第0241206号参照)および2,4−ジクロロベンジルアミンから製造を行う。
HPLC(方法9):R=4.46分、MS(ESI)=553(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO−d):δ=1.15(d, 6H), 2.88−3.07(m, 2H), 3.11−3.56(m, 4H DMSOの水のシグナルの下), 3.78(s, 3H), 4.59(d, 2H), 4.76(dd, 2H), 4.95(d, 2H), 7.35−7.50(m, 2H), 7.64(s, 1H), 7.83(d, 1H), 8.16(s, 1H), 8.72(s, 1H), 10.27(t, 1H)
【0099】
実施例52Aから57Aは実施例37Aの製造指示に類似して種々のカルボン酸およびベンジルアミンから製造される。
【表10】

【0100】
【表11】

【0101】
実施例58A
(3S)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボキサミド
【化34】

実施例37Aの指示に類似して、化合物を(3S)−9,10−ジフルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸(製造に関しては: Journal of Medicinal Chemistry 30(12):2283−2286(1987))および2,4−ジクロロベンジルアミンから製造する。
LC−MS(方法1):R=2.59分
MS(ES+):m/z=439(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.62(d, 3H), 4.38−4.54(m, 3H), 4.71(dd, 2H), 7.11(dd, 1H), 7.49(d, 1H), 7.50(d, 1H), 7.86(dd, 1H), 8.71(1H), 10.47(t, 1H)
【0102】
実施例59A
塩酸(3S)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−10−{(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル}−9−フルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボキサミド
【化35】

実施例58Aからの化合物100mgをDMSO2ml中シス−ジメチルピペラジン39mgおよびトリエチルアミン69mgと共に100℃で一晩、そして続いて150℃でさらに15分間加熱する。冷却後、反応混合物を分取用HPLC(方法6)により直接分離する。標題化合物54mg(理論値の41%)が得られる。
LC−MS(方法2):R=1.66分
MS(ES+):m/z=533(M+H)
【0103】
実施例60A
(3RS,5SR)−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3,5−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化36】

アセトニトリル80ml中(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(製造:Helvetica Chimica Acta 73(4):839−855(1990))2.0g(9.33ミリモル)、クロロ酢酸エチル2.3g(18.67ミリモル)、炭酸カリウム3.9g(28.00ミリモル)およびヨウ化カリウム0.5g(2.80ミリモル)を還流下一晩攪拌する。検査用にアセトニトリルの一部をロータリーエバポレーターで除去し、そして残留物を酢酸エチルで希釈し、続いて水で2回および飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。合わせた水相を酢酸エチルで1回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去する。残留物をシクロヘキサンに取り、そして続いて減圧を用いてシリカゲル60上で溶離させた後(シクロヘキサン/酢酸エチル100/10→80/10→40/10)、生成物2.5g(理論値の88%)が得られる。
MS(ESI+):m/z=301(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.08(d, 6H), 1.28(t, 3H), 1.45(s, 9H), 2.53(m, 2H), 2.89(m, 2H), 3.57(s, 2H), 3.70−4.06(m, 2H), 4.17(q, 2H)
【0104】
実施例61A
(3RS,5SR)−4−(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−3,5−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化37】

ジイソプロピルアミン0.5ml(377.2mg、3.73ミリモル)をテトラヒドロフラン2ml中−10℃で提供し、テトラヒドロフラン中1.6M n−ブチルリチウム溶液2.3ml(238.8mg、3.73ミリモル)をゆっくりと加え、そして添加が完了した後、混合物を5℃で10分間攪拌する。実施例60Aからの化合物400.0mg(1.33ミリモル)をテトラヒドロフラン4mlおよびヘキサメチルリン酸トリアミド1mlの混合物中−78℃で提供し、新たに製造されたリチウムジイソプロピルアミド溶液の半分をゆっくりと加え、混合物を−78℃で45分間攪拌し、そして反応物を−15℃まで加温し、そしてこの温度で15分間攪拌する。混合物を再度−78℃まで冷却し、続いてテトラヒドロフラン1mlに溶解したヨードメタン0.1ml(245.7mg、1.73ミリモル)を滴加し、そして反応物を攪拌しながら室温まで一晩加温する。混合物を−78℃まで再度冷却し、残りのリチウムジイソプロピルアミド溶液を加え、混合物を−78℃で45分間および−15℃で20分間攪拌し、次いでヨードメタン0.1ml(245.7mg、1.73ミリモル)を再度−78℃で滴加し、そして混合物を一晩攪拌しながらゆっくりと室温にする。検査用に10%塩化アンモニウム溶液を用いて反応をクエンチし、そして混合物を酢酸エチルで希釈し、続いて飽和炭酸水素ナトリウム溶液で1回、水で2回、および飽和塩化ナトリウム溶液で1回連続的に洗浄し、そして有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてろ過し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去する。高精製のために残留物を減圧を用いてシリカゲル60のクロマトグラフィーに供し(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル40/10)、そして生成物265mg(理論値の58%)が得られる。
HPLC(方法10):R=3.70分;
MS(ESI+):m/z=315(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.01(d, 3H), 1.09(d, 3H), 1.27(m, 6H), 1.45(s, 9H), 2.78−2.95(m, 3H), 3.03(m, 1H), 3.53−3.83(m, 3H:3.78(q, 1H)を含む), 4.18(q, 2H)
【0105】
実施例62A
(3RS,5SR)−4−(2−エトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)−3,5−ジメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化38】

実施例61Aの下で記載された実験からの第2生成物として標題化合物70mgが得られる。
HPLC(方法10):R=4.02分;
MS(ESI+):m/z=329(M+H)
【0106】
実施例63A
2−[(2RS,6SR)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]プロピオン酸ビストリフルオロ酢酸エチル
【化39】

実施例61Aからの化合物120.0mg(0.38ミリモル)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1/1)の混合物2mlに溶解し、そしてその混合物を室温で20分間攪拌する。検査用にロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去し、そして高真空下乾燥させた後、生成物155mg(理論値の92%)が得られる。
MS(ESI+):m/z=214(M+H)
H NMR(400MHz、CDCl):δ=1.31−1.43(m, 6H), 1.57(d, 3H), 1.69(d, 3H), 3.55(m, 2H), 3.92−4.48(m, 7H)
【0107】
実施例64A
2−[(2RS,6SR)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−メチルプロピオン酸ビストリフルオロ酢酸エチル
【化40】

実施例63Aに類似して実施例62Aから標題化合物が得られる。それを直接反応させてさらに実施例66Aが得られる。
【0108】
実施例65A
1−シクロプロピル−7−[(3RS,5SR)−4−(2−エトキシ−1−メチル−2−オキソエチル)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【化41】

実施例63Aの化合物から塩基を遊離させるために、実施例63Aからの化合物120.2mg(0.35ミリモル)をジクロロメタン/アセトニトリル(1/1)2ml中で提供し、続いてトリス(2−アミノエチル)アミン−ポリスチレン400mgを加え、混合物を室温で20分間攪拌し、そしてろ過し、残留物をジクロロメタンで洗浄し、そしてジクロロメタンを500ミリバールの減圧下ロータリーエバポレーターで留去する。この溶液にジフルオロホウ酸(1−シクロプロピル−6−7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−イル)カルボニル(製造に関しては:Journal of Medicinal Chemistry 38(22):4478−4487(1995)参照)155.0mg(0.35ミリモル)を加え、そして反応物を50℃で一晩攪拌する。ロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去し、トリエチルアミン2.5mlおよびエタノール5.0mlを残留物に加え、そして混合物を還流下1時間攪拌する。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、そして分取用RP−HPLC(方法5)による残留物の高精製の後に生成物45mg(理論値の26%)が得られる。
HPLC(方法9):R=3.85分;
MS(ESI+):m/z=490(M+H)
H NMR(400MHz、CDCl):δ=0.93−1.10(m, 5H:1.08(d, 3H)を含む), 1.12−1.24(m, 5H:1.18(d, 3H)を含む), 1.28−1.39(m, 6H), 3.10(m, 2H), 3.21(m, 2H), 3.35(m, 1H), 3.49(m, 1H), 3.73(s, 3H), 3.89(q, 1H), 4.01(m, 1H), 4.22(q, 2H), 7.87(d, 1H), 8.81(s, 1H)
【0109】
実施例66A
1−シクロプロピル−7−[(3RS,5SR)−4−(2−エトキシ−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
【化42】

実施例65Aに類似して実施例64Aからの化合物から標題化合物が製造される。
LC−MS(方法1):R=2.13分;
MS(ES+):m/z=504(M+H)
【0110】
実施態様
一般作業指示1:ピペラジン誘導体のアルキル化
ピペラジン誘導体(1当量)、アルキル化剤2.5当量、炭酸カリウム4.5当量およびヨウ化カリウム0.3当量をアセトニトリル中還流下で一晩攪拌する。冷却した混合物をジクロロメタンで希釈し、そして続いて水で2回洗浄し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてろ過し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去する。分取用RP−HPLCによる分離の後、残留物から目標化合物が得られる。クロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エチルまたは2−ブロモプロピオン酸エチルをアルキル化剤として使用する。
【0111】
実施例1
エ{(2RS,6SR)−4−[3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル]−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル}エタン酸エチルヒドロホルマート
【化43】

塩酸N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(実施例38A)810.0mg(1.29ミリモル)、クロロ酢酸エチル396.5mg(3.24ミリモル)、ヨウ化カリウム64.5mg(0.39ミリモル)および炭酸カリウム804.9mg(5.82ミリモル)をアセトニトリル20ml中還流下で一晩攪拌する。一般作業指示1に類似して検査を行い、そして分取用RP−HPLC(方法5)による精製の後に目標化合物1050mgが得られる。
HPLC(方法9):R=4.87分
MS(ESI+)=675(M+H)
H NMR(300MHz、CDCl):δ=1.15(d, 6H), 1.41(t, 3H), 2.99−3.14(m, 2H), 3.18−3.37(m, 4H), 3.66(s, 2H), 3.83(s, 3H), 4.19(q, 2H), 4.69(d, 2H), 5.26(q, 2H), 7.21(dd, 1H), 7.38(m, 2H), 7.90(d, 1H), 8.03(s, 1H), 8.58(s, 1H), 10.28(t, 1H)
【0112】
実施例2
((2RS,6SR)−4−{3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−1−[(1S,2R)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル}−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタン酸エチル
【化44】

ピペラジン誘導体のアルキル化に関して一般作業指示1に記載されるように、N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1S,2R)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(実施例57A)40mg(0.05ミリモル)、ブロモ酢酸エチル7μl(11.1mg、0.07ミリモル)、ヨウ化カリウム17.3mg(0.10ミリモル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン8μl(6.1mg、0.05ミリモル)および炭酸カリウム16.4mg(0.12ミリモル)から目標生成物10mgが得られ、さらなる精製過程は伴わない。
LC−MS(方法3):R=2.41分
MS(ES+)=651(M+H)
【0113】
以下の実施例3から8は一般作業指示1に従って、指示される出発材料から製造される。
【表12】

【0114】
【表13】

【0115】
実施例9
塩酸4−[3−{1−シクロプロピル−[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−1−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル]−(2RS,6SR)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル}エタン酸エチル
【化45】

実施例39Aからの化合物1gをアセトニトリル60ml中ブロモ酢酸エチル343mg、ヨウ化カリウム312mgおよび炭酸カリウム590mgと共に還流下2時間加熱する。冷却後、反応混合物を分取用HPLC(方法6)により分離する。標題化合物862mg(理論値の75%)が得られる。
LC−MS(方法2):R=2.39分、MS(ESI):m/z=633(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO−d):δ=0.98(m, 2H), 1.12(m, 2H), 1.29(t, 3H), 1.33(d, 6H), 3.35−3.69(m, 4H), 3.72−3.90(m, 5H:3.79(s, 3H)を含む), 4.11(m, 1H), 4.23−4.51(m, 4H:4.29(q, 2H)を含む), 4.59(d, 2H), 7.39(d, 1H), 7.42(dd, 1H), 7.53(d, 1H), 7.78(d, 1H), 8.69(s, 1H), 10.22(t, 1H)
【0116】
以下の実施例10から22は一般作業指示1に従って、指示される出発材料から製造される。
【表14】

【0117】
【表15】

【0118】
【表16】

【0119】
実施例23
{(2RS,6SR)−4−[3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル]−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル}(オキソ)エタン酸エチル
【化46】

実施例37Aからの化合物200mgをジクロロメタン3mlおよびピリジン0.26mlに溶解し、そして次に塩化シュウ酸エチル71μlを加える。混合物を室温で3時間攪拌する。検査用に混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で1回および飽和塩化ナトリウム溶液で1回振盪することにより抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下濃縮し、そして高真空下で乾燥させる。標題化合物220mgが得られる。
LC−MS(方法3):R=3.19分
MS(ES+):m/z=689(M+H)
【0120】
実施例24
塩酸1−シクロプロピル−N−(2,4−ジクロロベンジル)−7−[(3RS,5SR)−3,5−ジメチル−4−(2−エトキシカルボニルエチル)ピペラジン−1−イル]−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
【化47】

実施例39Aからの化合物150mgを4当量の過塩素酸リチウムを伴って提供し、そして過剰のアクリル酸エチル(およそ400μl)を加える。懸濁液を室温で12時間攪拌し、そして次に分取用HPLC(方法6)により直接精製する。標題化合物79mg(理論値の42%)が得られる。
LC−MS(方法3):R=2.09分
MS(ES+):m/z=647(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO−d):δ=0.97(m, 2H), 1.11(m, 2H), 1.23(t, 3H), 1.37(d, 6H), 2.94(m, 2H), 3.43−3.68(m, 8H), 3.71(s, 3H), 4.09(m, 1H), 4.14(q, 2H), 4.58(d, 2H), 7.38(d, 1H), 7.42(dd, 1H), 7.64(d, 1H), 7.76(d, 1H), 8.79(s, 1H), 10.21(t, 1H)
【0121】
実施例25
N−{[(2RS,6SR)−4−(1−シクロプロピル−3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]カルボニル}グリシンエチルエステル
【化48】

実施例39Aからの化合物100mg(0.18ミリモル)をジクロロメタン5ml中イソシアナト酢酸エチル28mg(0.22ミリモル)の溶液に加える。反応混合物を室温で一晩攪拌する。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した後、残留物をRP−HPLC(方法6)により精製する。標題化合物73mg(理論値の59%)が得られる。
LC−MS(方法3):R=2.88分
MS(ESI):m/z=676(M+H)
【0122】
実施例26
N−{[(2RS,6SR)−4−(1−シクロプロピル−3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]カルボニル}アラニン酸エチルエステル
【化49】

実施例25に類似して実施例39Aからの化合物およびイソシアン酸1−エトキシカルボニルエチルから標題化合物が製造される。
LC−MS(方法2):R=2.80分
MS(ESI):m/z=690(M+H)
【0123】
実施例27
2−[(2RS,6SR)−4−(1−シクロプロピル−3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]プロピオン酸エチル
【化50】

実施例65Aからの化合物43.0mg(0.08ミリモル)、2,4−ジクロロベンジルアミン28.3mg(0.16ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン77μl(57.1mg、0.44ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド5.2ml中で提供し、PyBOP104.5mg(0.20ミリモル)を加え、そして混合物を室温で3時間攪拌する。検査用に酢酸エチルを反応混合物に加え、そしてその混合物を水で2回振盪することにより抽出し、そして合わせた水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてろ過し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去する。分取用RP−HPLC(方法5)による得られた残留物の高精製の後、生成物48mg(理論値の92%)が得られる。
LC−MS(方法2):R=2.22分、MS(ES+):m/z=647(M+H)
H NMR(400MHz、CDCl):δ=0.94(m, 2H), 1.06(d, 3H), 1.11−1.21(m, 5H:1.18(d, 3H)を含む), 1.28−1.39(m, 6H), 2.98(m, 1H), 3.08(m, 1H), 3.18(m, 2H), 3.31(m, 1H), 3.43(m, 1H), 3.72(s, 3H), 3.89(q, 1H), 3.95(m, 1H), 4.23(q, 2H), 4.69(d, 2H), 7.18(dd, 1H), 7.38(s, 1H), 7.40(d, 1H), 7.85(d, 1H), 8.82(s, 1H), 10.39(t, 1H)
【0124】
一般作業指示2:エステルのカルボン酸への加水分解
エステル1.0当量および1M水酸化リチウム溶液5.0当量をジオキサン中室温で一晩攪拌する。検査用に反応物を水で希釈し、続いて1M塩酸を用いてpH3に調整し、そしてジクロロメタンで3回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させる。硫酸ナトリウムをろ去し、そしてロータリーエバポレーターで溶媒を完全に除去する。分取用RP−HPLC(方法5または6)による高精製の後、目標化合物が得られる。
【0125】
実施例28
{(2RS,6SR)−4−[3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル]−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル}エタン酸ヒドロホルマート
【化51】

実施例1からの化合物45.0mg(0.06ミリモル)をジオキサン1mlに溶解し、そして続いて1M水酸化リチウム溶液0.31ml(0.31ミリモル)を加え、そして混合物を室温で一晩攪拌する。検査用にロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残留物を水に取り、そして1M塩酸を用いて酸性(pH3)にし、そして形成された沈殿をわずかなジメチルスルホキシドで溶解する。分取用RP−HPLC(方法5)による高精製の後、溶液から目標化合物38mgが得られる。
HPLC(方法9):R=4.62分
MS(ESI+)=647(M+H)
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=1.04(m, 6H), 2.90−3.85(m, 11H:3.78(s, 3H)を含む), 4.69(d, 2H), 5.70(m, 2H), 7.36−7.48(m, 2H), 7.65(d, 2H), 7.78(d, 1H), 8.14(s, 1H), 8.83(s, 1H), 10.14(t, 1H)
【0126】
実施例29
塩酸4−[3−{1−シクロプロピル−[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−1−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル]−(2RS,6SR)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル}エタン酸
【化52】

実施例9からの化合物200mgをジオキサン5mlに溶解し、続いて1M水酸化リチウム溶液5mlを加え、そして混合物を50℃で2時間攪拌する。検査用にロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残留物を水に取り、そして1M塩酸を用いて酸性(pH3−4)にする。形成された沈殿ををろ過により収集し、水で洗浄し、そして高真空下で乾燥させる。標題化合物140mg(理論値の73%)が得られる。
LC−MS(方法3):R=2.10分、MS(ESI):m/z=605(M+H)
H NMR(300MHz、DMSO−d):δ=0.99(m, 2H), 1.18(m, 2H), 1.38(d, 6H), 3.46(m, 2H), 3.55(m, 2H), 3.70(s, 3H), 3.78(m, 4H), 3.95(m, 1H), 4.68(d, 2H), 7.20(dd, 1H), 7.38(m, 2H), 7.86(d, 1H), 1H), 8.84(s, 1H), 10.28(t, 1H)
【0127】
一般作業指示2に従って実施例28に類似して以下の表に列挙される実施例30から49が得られる。
【表17】

【0128】
【表18】

【0129】
【表19】

【0130】
【表20】

【0131】
実施例50
2−[(2RS,6SR)−4−(1−シクロプロピル−3−{[(2,4−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−7−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル]−2−メチルプロピオン酸エチル
【化53】

実施例27に類似して実施例66Aからの化合物および2,4−ジクロロベンジルアミンから標題化合物が製造される。
LC−MS(方法1):R=3.02分
MS(ES+):m/z=661(M+H)
【0132】
B.生理学的活性の評価
本発明の化合物のインビトロ活性を以下のアッセイにおいて示すことができる:
抗HCMV(抗ヒトサイトメガロウイルス)細胞病原性試験
被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中50ミリモル濃度(mM)溶液として用いる。ガンシクロビル(登録商標)、フォスカルネット(登録商標)およびシドフォビル(登録商標)を参照化合物として使用する。各々の場合で2検体ずつの測定に関して2A−H列の細胞培養培地98μl部分に50、5、0.5および0.05mM DMSOストック溶液2μlを添加した後、96ウェルプレートの11列まで培地50μl部分で1:2希釈を実施する。列1および12のウェルには各々培地50μlが入っている。次いで1x10セル(ヒト包皮線維芽細胞[NHDF])の懸濁液150μlを各ウェルに(列1=細胞対照)、そして列2−12では、HCMV感染および非感染NHDF細胞の混合物(M.O.I.=0.001−0.002)、すなわち1000非感染細胞あたり1−2感染細胞をピペッティングする。列12(薬物不含)をウイルス対照として供する。最終試験濃度は250−0.0005μMである。プレートを37℃/5%COで6日間、すなわちウイルス対照で細胞が感染するまでインキュベートする(100%細胞病原性効果[CPE])。次いでホルマリンおよびギムザ染色液の混合物の添加によりウェルを固定および染色し(30分間)、再蒸留水で洗浄し、そして50℃の乾燥オーブン内で乾燥させる。次いでプレートをオーバーヘッド顕微鏡(Technomara製のプラークマルチプライヤ)を用いて視覚的に評価する。
【0133】
被験プレートから以下のデータを得ることができる:
CC50(NHDF)=未処置細胞対照と比較して細胞に及ぼす可視的な細胞増殖抑制効果が明白でない薬物濃度(μM);
EC50(HCMV)=未処置細胞対照と比較してCPE(細胞変性効果)を50%まで阻止する薬物濃度(μM);
SI(選択指数)=CC50(NHDF)/EC50(HCMV)
【0134】
本発明の化合物の代表的なインビトロ活性を表Aに示す:
表A
【表21】

【0135】
本発明の化合物のHCMV感染処置に関する適切性を以下の動物モデルで示すことができる:
HCMV異種移植Gelfoam(登録商標)モデル
動物:
5−6週齢免疫不全マウス(16−20g)、Fox Chase SCID.NODまたはNOD.CB17−Prkdc/Jを商業用飼育者(Taconic M&B, Denmark;Jackson, USA)から購入する。動物をアイソレータ内で無菌条件下(寝床および食餌を含む)に保つ。
【0136】
ウイルス成長:
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、DavisまたはAD169株をインビトロでヒト胚性包皮線維芽細胞(NHDF細胞)で成長させる。NHDF細胞が感染の多重度(M.O.I.)0.01−0.03で感染した後、ウイルス感染した細胞を5−10日後に収集し、そして10%DMSOを伴って最小必須培地(MEM)、20(容量/容量)%ウシ胎仔血清(FCS)、1(容量/容量)%グルタミン、1(容量/容量)%Pen/Strepの存在下−80℃で保存する。ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、ギムザホルムアルデヒド溶液での固定および染色の後、24ウェルプレートでコンフルエントNHDF細胞の力価を測定する。
【0137】
スポンジの調製、移植、処置および評価:
1x1x1cmの大きさのコラーゲンスポンジ(Gelfoam(登録商標);Peasel & Lorey、注文番号407534;K.T. Chong et al., Abstracts of 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 1999, p. 439)を最初にリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で湿らせ、脱気により封入された気泡を除去し、そして次にMEM、10(容量/容量)%FCS、1(容量/容量)%グルタミン、1(容量/容量)%Pen/Strep中で保存する。1x10ウイルス感染NHDF細胞(HCMV DavisまたはHCMV AD169で感染、M.O.I.=0.03)を感染の3時間後に剥がし、そしてMEM、10(容量/容量)%FCS、1(容量/容量)%グルタミン、1(容量/容量)%Pen/Strep20μlを湿ったスポンジ滴加する。そのスポンジを3−4時間インキュベートして細胞を接着させる。次いで培地(MEM、10(容量/容量)%FCS)、1(容量/容量)%グルタミン、1(容量/容量)%Pen/Strep)の添加後、スポンジを一晩インキュベートする。移植のために、免疫不全マウスをAvertinまたはケタミン/キシラジン/アゼプロマジン混合物で麻酔し、シェーバーを用いて背の毛を除去し、表皮を1−2cm開き、圧力無負荷の、および湿ったスポンジを背部皮膚下に移植する。外科的創傷を組織接着剤およびクリップで閉じる。移植後4−6時間にマウスに初回の処置を行う(手術の日に処置を1回行う)。後日、薬物での経口処置を1日3回(7.00時および14.00時および19.00時)、1日2回(8時および18時)または1日1回(9時)8日間にわたって実施する。1日用量は例えば1または3または10または30または100mg/kg体重であり、投与される容量は10ml/kg体重である。薬物を0.5%Tylose懸濁液/2%DMSOを伴うPBSまたは薬物の溶解性を補助する別の適当な混合物、例えば2%エタノール、2.5%Solutol、95.5%PBSの形態で処方する。移植の10日後および最後の薬物投与の約16時間後に動物を安楽死させ、そしてスポンジを除去する。コラゲナーゼ消化(330U/1.5ml)によりウイルス感染した細胞をスポンジから遊離させ、そしてMEM、10(容量/容量)%FCS、1(容量/容量)%グルタミン、1(容量/容量)%Pen/Strep、10%DMSOの存在下−140℃で保存する。ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、ギムザホルムアルデヒド溶液での固定および染色の後、24ウェルプレートでコンフルエントNHDF細胞の力価を測定することにより評価を行う。プラセボ処置対象群と比較して薬物処置後の感染細胞および感染性ウイルス粒子の数(感染中心アッセイ)を測定する。適当なコンピュータープログラム、例えばGraphPad Prismを用いて統計評価を行う。
【0138】
C.医薬組成物の実施態様
以下の方式で本発明の化合物を医薬製剤に変換することができる:
錠剤
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF、 Ludwigshafen, Germany)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
活性化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物を5%PVP水溶液(m/m)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。従来の打錠機を用いてこの混合物を圧縮する(錠剤の様態に関しては前記を参照)。圧縮に用いられる圧縮力に関するガイドラインは15kNである。
【0139】
経口投与できる懸濁液
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(FMC(Pennsylvania, USA)製のキサンタンガム)400mgおよび水99g。
経口懸濁液10mlは本発明の化合物100mgの1回用量に相当する。
製造:
Rhodigelをエタノールに懸濁し、そして活性化合物を懸濁液に加える。攪拌しながら水を加える。Rhodigelの膨潤が完了するまで混合物を約6時間攪拌する。
【0140】
静脈内投与できる溶液
組成:
実施例1の化合物10−500mg、ポリエチレングリコール400 15gおよび注射用水250g。
製造:
実施例1の化合物を攪拌しながらポリエチレングリコール400と一緒に水に溶解する。ろ過により溶液を滅菌し(孔径0.22μm)、そして無菌条件下で加熱滅菌した点滴瓶に分配する。後者を点滴ストッパーおよびクリンプキャップで閉じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

{式中、
nは数字の1または2を表し、
は水素、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルを表し、
はC−C−アルキル、C−C−アルキルアミノカルボニルまたは−C(=O)−R10を表し
(ここで、アルキルおよびアルキルアミノカルボニルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
そして、
10はヒドロキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチルまたはC−C−アルコキシカルボニルメチルを表す)、
はハロゲン、シアノ、メトキシ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシもしくはエチニルを表し、
はC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルを表し
(ここで、アルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
そして、
ここで、シクロアルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択される)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化2】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素、メチルまたはエチルを表し、
およびRは相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表す}
の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項2】
式:
【化3】

{式中、
nは数字の1を表し、
は水素またはフッ素を表し、
はC−C−アルキルを表し
(ここで、アルキルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択される)、
はフッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシもしくはエチニルを表し、
はC−C−アルキルもしくはC−C−シクロアルキルを表し
(ここで、アルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してフッ素、ヒドロキシおよびC−C−アルコキシからなる群から選択され、
そして
ここで、シクロアルキルは1個ないし3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、置換基は相互に独立してハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化4】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素またはメチルを表し、
およびRは相互に独立してフッ素、塩素、シアノ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表す}
に相当することを特徴とする請求項1に記載の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項3】
式:
【化5】

{式中、
nは数字の1を表し、
はフッ素を表し、
はメチルまたはエチルを表し
(ここで、メチルおよびエチルは置換基で置換されており、ここで、置換基はヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から選択される)、
は塩素、メトキシ、ジフルオロメトキシもしくはトリフルオロメトキシを表し、
はメチル、エチルもしくはシクロプロピルを表し
(ここで、エチルは1個ないし3個のフッ素置換基で置換されていてもよく、
そして
ここで、シクロプロピルは1個ないし2個のフッ素置換基で置換されていてもよい)、
または
およびRはそれらが結合している原子と一体となって式:
【化6】

(ここで、*は炭素原子への結合部位であり、
そして、#は窒素原子への結合部位である)
の基を介して環を形成しており、
およびRは相互に独立して水素またはメチルを表し、
およびRは相互に独立して塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはメチルを表す}
に相当することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)の化合物を製造するための方法であって、式:
【化7】

(式中、n、R、R、R、R、R、R、RおよびRは請求項1で示した意味を有する)
の化合物を、
方法[A]に従って式:
−X (III)
(式中、RはC−C−アルキルを表し、ここで、アルキルはC−C−アルコキシカルボニル置換基で置換されており、
そして、Xはハロゲン、好ましくはヨウ素、塩素もしくは臭素、またはメシラート、トシラートもしくはトリフラートを表す)
と反応させるか、
または
方法[B]に従って式:
2a−NCO (IV)
(式中、R2aはラジカルRのアルキルアミノカルボニルのアルキルを表し、ここで、アルキルアミノカルボニルはC−C−アルコキシカルボニル置換基で置換されている)
と反応させるか、
または
方法[C]に従って式:
【化8】

(式中、R10は請求項1で示した意味を有し、そして
はハロゲン、好ましくは塩素または臭素を表す)
と反応させるか、
または
式(II)の化合物の式(III)もしくは(IV)の化合物との反応により形成された化合物を方法[D]に従って塩基で加水分解して対応する酸を形成することを特徴とする、方法。
【請求項5】
疾患の処置および/または予防のための請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
不活性な、無毒性の薬学的に許容され得る補助剤と組み合わせた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物を含む医薬。
【請求項7】
ウイルス感染の処置および/または予防用の医薬を製造するための請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
ウイルス感染がヒトサイトメガロウイルス(HCMV)または別の代表的なヘルペスウイルス科の群での感染であることを特徴とする請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ウイルス感染の処置および/または予防のための請求項6に記載の医薬。
【請求項10】
抗ウイルス的に有効な量の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物、請求項6に記載の医薬または請求項7または請求項8に従って得られる医薬を投与することによりヒトおよび動物においてウイルス感染を制御するための方法。

【公表番号】特表2008−546849(P2008−546849A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519830(P2008−519830)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006197
【国際公開番号】WO2007/003308
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(506207901)アイキュリス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】AiCuris GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】