説明

置換ビフェニルオキサゾリン

【課題】 動物害虫撲滅に有用な置換ビフェニルオキサゾリンの提供。
【解決手段】 式(I)


式中、R1およびR2がそれらの結合した炭素原子と一緒になってハロゲン置換された5−もしくは6−員の複素環式環を形成し、Xが水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシを示し、mが0、1もしくは2を示す式(I)の新規な置換ビフェニルオキサゾリン、その製造方法、新規な中間生成物、並びに動物害虫を撲滅するための置換ビフェニルオキサゾリンの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
置換ビフェニルオキサゾリン 本発明は新規な置換ビフェニルオキサゾリン、その多くの製造方法および中間生成物、並びに動物害虫を撲滅するためのその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(4′−トリフルオロメチルチオビフェニル−4)−2−オキサゾリンのような或る種の置換ビフェニルオキサゾリンは殺虫剤および殺ダニ剤として有効であることが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、これら公知化合物の作用程度および/または作用持続時間は特に或る種の生物に対し或いは低い使用濃度にてあらゆる使用分野で完全には満足しうるものでない。
【特許文献1】国際公開第95/04726号パンフレット
【発明の開示】
【0004】
式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、R1はC1〜C6−ハロゲノアルキルチオを示し、R2は水素を示し、またはR1およびR2はそれらが結合した炭素原子と一緒になってハロゲン置換された5−もしくは6−員の複素環式環を形成し、Xは水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシを示し、mは0、1もしくは2を示す]
の新規な置換ビフェニルオキサゾリン(ただし式
【0007】
【化2】

【0008】
の化合物を除外する)
が見出された。
【0009】
1個もしくはそれ以上のキラル中心に基づき、一般に式(I)の化合物は立体異性体混合物として生ずる。これらは、そのジアステレオマー混合物としても純ジアステレオマーもしくはエナンチオマーとしても使用することができる。
さらに式(II)
【0010】
【化3】

【0011】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を塩基の存在下、並びに必要に応じ触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に環化させれば新規な式(I)の化合物が得られることも突き止められた(方法A)。
【0012】
さらに式(I)の新規な置換ビフェニルオキサゾリンは動物害虫、特に農場、森林、貯蔵品保護および原料保護、並びに衛生分野で生ずる動物害虫(殊に昆虫、蛛形類および線虫)の撲滅に極めて適することが判明した。本発明の化合物は一般に式(I)により規定される。
【0013】
上記および以下に説明する式に示す残基の好適な置換基または範囲は次のことを意味する:R1は好ましくはC1〜C4−ハロゲノアルキルチオを示し、R2は水素を示し、またはR1およびR2はそれらが結合した互いに直接隣接する炭素原子と一緒になって酸素含有の5−もしくは6−員環を形成し、これは1個もしくはそれ以上のフルオルおよび/またはクロルにより置換され、Xは好ましくはフルオルもしくはクロルを示し、mは好ましくは0もしくは1を示し、R1は特に好ましくはSCHF2、SCF2CHFCl、SCF2CF2H、SCF2Cl、SCF2Br、SCF2CH2F、SCF2CF3、SCF2CHCl2、SCH2CF2CHF2、SCH2CF2CF3もしくはSCF2CHFCF3を示し、R2は水素を示し、またはR1およびR2は直接隣接する炭素原子と結合して一般に−OCF2O−、−OCF2CF2O−、−OCF2CFClO−、−OCF2OCF2もしくは−OCF2CF2−を示し、Xは特に好ましくはフルオルまたはクロルを示し、mは特に好ましくは0もしくは1を示す。
【0014】
1がフェニル環の4−位置に結合した式(I)の化合物が特に好適である。
ここで式
【0015】
【化4】

【0016】
の化合物は除外される。
【0017】
上記の一般的または好適範囲で挙げた残基の規定もしくは説明は互いに、すなわち各範囲と好適範囲との間で任意に組合せることができる。これらは最終生成物、並びに予備生成物および中間生成物についても当てはまる。
【0018】
本発明によれば、好適として挙げた上記意味の組合せを有する式(I)の化合物が好適である。本発明によれば、特に好適として挙げた上記意味の組合せを有する式(I)の化合物が特に好適である。たとえば、N−(1−(4−テトラフルオロエチルチオビフェニ
ル−4)−2−クロル−エチル−1)−2,6−ジフルオロベンズアミドを出発物質として使用すれば、本発明による方法Aの経過は次の反応式により示すことができる:
【0019】
【化5】

【0020】
式(I)の化合物を製造するための方法Aは、式(II)の化合物を塩基の存在下、並びに必要に応じ触媒の存在下および希釈剤の存在下に環化させることを特徴とする。
環化は好ましくは希釈剤の存在下で行われる。
【0021】
希釈剤としてはあらゆる不活性な有機溶剤が挙げられる。これらは必要に応じ水と混合して使用することができる。好ましくは、たとえばトルエン、キシレン、テトラリン、ヘキサン、シクロヘキサンのような炭化水素、たとえば塩化メチレン、クロロホルム、クロルベンゼン、o−ジクロベンゼンのようなハロゲン炭化水素、たとえばメタノール、エタノール、グリコール、異性体プロパノール、ブタノール、ペンタノールのようなアルコール、たとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル、たとえばアセトニトリルもしくはブチロニトリルのようなニトリル、たとえばジメチルホルムアミドのようなアミド、たとえばジメチルスルホキシドのようなスルホキシド、さらにスルホランが使用される。特に好ましくはアルコールが使用される。
【0022】
塩基としてはあらゆる通常の酸アクセプタが挙げられる。 好ましくは、たとえばトリエチルアミン、ピリジン、DABCO、DBU、DBN、N,N−ジメチルアニリンのような第三アミン、たとえば酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属酸化物、さらにたとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムのようなアルカリ−およびアルカリ土類金属炭酸塩、たとえば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのようなアルカリ水酸化物、並びにたとえばナトリウムエタノラートもしくはカリウム−t−ブチラートのようなアルコラートを使用することができる。必要に応じ相転移触媒の存在下に操作される。相転移触媒としては、たとえば臭化テトラオクチルアンモニウムもしくは塩化ベンジルトリエチルアンモニウムのようなアンモニウム化合物が挙げられる。
【0023】
温度は広範囲に変化することができる。一般に−10〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度で操作される。反応は一般に常圧下で行われる。一般に当モル量の塩基を使用する。しかしながら、必要に応じ塩基過剰にて操作することも可能である。これは常法にて仕上処理される。
【0024】
式(I)の化合物の製造に必要とされる式(II)の出発物質は新規である。
これらは、式(III)
【0025】
【化6】

【0026】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に塩素化剤と反応させれば得られる(方法B)。
【0027】
たとえば、N−(1−(4′−テトラフルオロエチルチオビフェニル−4)−エチル−2−オール)−2,6−ジフルオロベンズアミドと塩化チオニルとを出発物質として使用すれば、方法Bによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0028】
【化7】

【0029】
式(II)の化合物を製造するための方法Bは、式(III)の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に塩素化剤と反応させることを特徴とする。
【0030】
希釈剤としてはあらゆる不活性な有機溶剤が挙げられる。たとえばトルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンのような炭化水素、たとえばクロルベンゼン、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン炭化水素、並びにたとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテルが好適に使用される。塩素化剤としては、この目的に通常使用されるあらゆる試薬が挙げられる。たとえば塩化チオニル、ホスゲンおよびオキシ塩化燐が挙げられ、これらは一般に少なくとも当モル量で使用される。
【0031】
温度は広範囲に変化することができる。一般に0〜120℃、好ましくは20〜100℃の温度で操作される。反応は必要に応じ塩基の存在下、特に第三アミン(たとえばトリエチルアミンもしくはピリジン)の存在下で行われる。
【0032】
式(III)の出発物質は新規である。たとえば、これらは式(IV)
【0033】
【化8】

【0034】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を必要に応じ塩基の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に塩化2,6−ジフルオロベンゾイルと反応させれば得られる(方法C)。
【0035】
たとえば、2−アミノ−2−(4′−テトラフルオロエチルチオビフェニル)−4)−エタン−1−オールを出発物質として使用すれば、方法Cによる経過は次の反応式によって示すことができる:
【0036】
【化9】

【0037】
式(III)の化合物を製造するための方法Cは、式(IV)の化合物を必要に応じ塩基の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に塩化2,6−ジフルオロベンゾイルと反応させることを特徴とする。
【0038】
希釈剤としては、これら化合物質に対し不活性なあらゆる溶剤を使用することができる。好ましくは、たとえばベンジン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびテトラリンのような炭化水素、たとえば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロルベンゼンおよびo−ジクロルベンゼンのようなハロゲン炭化水素、さらにたとえばアセトンおよびメチルイソプロピルケトンのようにケトン、並びにたとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル、たとえば酢酸エチルのようなカルボン酸エステル、並びにたとえばジメチルスルホキシドおよびスルホランのような強極性溶剤を使用することができる。酸ハロゲン化物の加水分解安定性が許容されれば、反応は水の存在下でも行うことができる。
【0039】
酸結合剤としては、反応に際し全ての一般的な酸アクセプタが考えられる。好ましくは、たとえばトリエチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ヒューニッヒ塩基、およびN,N−ジメチルアニリンのような第三アミン、たとえば酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属酸化物、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムのようにアルカリ−およびアルカリ土類−金属炭酸塩、並びにたとえば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムのようにアルカリ−もしくはアルカリ土類−金属水酸化物を使用することができる。
【0040】
反応温度は広範囲に変化することができる。一般に−10〜+100℃、好ましくは0〜30℃の温度にて操作される。反応は一般に常圧下で行われる。実施に際し、式(IV)の出発物質と塩化2,6−ジフルオロベンゾイルとを一般にほぼ当モル量で使用する。しかしながら、カルボン酸ハロゲン化物を大過剰(5モルまで)にて使用することも可能である。仕上処理は常法で行われる。
【0041】
式(IV)の出発物質は新規であり、式(V)
【0042】
【化10】

【0043】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を酸の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下で還元剤により還元すれば得られる(方法D)。
【0044】
たとえば4−ヒドロキシアセチル−オキシム−O−メチルエーテル−4′−テトラフルオロエチルチオビフェニルを出発物質とて使用すれば、方法Dによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0045】
【化11】

【0046】
式(IV)の化合物を製造するための方法Dは、式(V)の化合物を酸の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に還元剤と反応させることを特徴とする。
【0047】
希釈剤としては、各反応体に対し不活性なあらゆる溶剤が挙げられる。好ましくは、たとえばジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサンのようなエーテルが使用される。還元剤としては、好ましくはナトリウムボロネートが当モル量または過剰量で使用される。酸としては、好ましくはトリフルオロ酢酸が当モル量または過剰量で使用される。温度は広範囲に変化することができる。一般に反応の開始には0〜50℃の温度で操作し、この温度を反応の経過にしたがい必要に応じ120℃まで上昇させる。反応は一般に常圧下で行われる。仕上処理は常法によって行われる。式(IV)の反応生成物は好ましくは塩の形態、たとえば塩酸塩として単離される。
【0048】
式(V)の中間生成物は新規であり、式(VI)
【0049】
【化12】

【0050】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に式(VII)
2N−OCH3 (VII)
の化合物と反応させれば得られる(方法E)。
【0051】
たとえば、4−ヒドロキシアセチル−4′−テトラフルオロエチルチオビフェニルを出発物質として使用すれば、方法Eによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0052】
【化13】

【0053】
式(V)の化合物を製造するための方法Eは、式(VI)の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に式(VII)の化合物と反応させることを特徴とする。
【0054】
希釈剤としては、全ての通常の溶剤が挙げられる。好ましくは、たとえばメタノール、エタノール、異性体プロパノール、ブタノール、ペンタノールのようなアルコール、或いはたとえばジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテルが使用され、これらは必要に応じ水と混合して使用することができる。式(VII)のO−メチルヒドロキシルアミンを遊離塩基として或いは酸の塩としても使用することができる。後者の場合、塩基(好ましくは酢酸ナトリウム)の存在下に操作される。式(VII)の化合物は一般に当モル量で使用される。温度は広範囲に変化することができる。一般に−20〜100℃、好ましくは0〜60℃の温度にて操作する。反応は一般に常圧下で行われる。仕上処理は常法にて、たとえば濾過もしくは抽出により行われる。
【0055】
式(VI)の中間生成物は新規であり、式(VIII)
【0056】
【化14】

【0057】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有し、Halはクロルもしくはブロムを示す]
の化合物を必要に応じ触媒の存在下に蟻酸の塩と反応させれば得られる(方法F)。
【0058】
4−クロルアセチル−4′−トリフルオロメチルチオビフェニルを出発物質として使用すれば、方法Fによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0059】
【化15】

【0060】
式(VI)の化合物を製造するための方法Fは、式(VIII)の化合物を必要に応じ触媒の存在下に蟻酸の塩と反応させることを特徴とする。
【0061】
希釈剤としては、反応条件下で不活性な全ての通常の溶剤が挙げられる。好ましくは、たとえばトルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような炭化水素、たとえばクロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンのようなクロル炭化水素、たとえばメタノール、エタノール、異性体プロパノール、異性体ブタノールおよびペンタノールのようなアルコール、たとえばジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル、たとえばアセトニトリルおよびブチロニトリルのようなニトリル、たとえばジメチルホルムアミドのようなアミド、並びにたとえばジメチルスルホキシドおよびスルホランのような強極性溶剤を使用することができる。上記希釈剤は必要に応じ水と混合して使用することもでき、必要に応じたとえば第四アンモニウム塩(たとえば臭化テトラオクチルアンモニウムもしくは塩化ベンジルトリエチルアンモニウム)のような相転移触媒の存在下で使用することができる。好適に使用しうる蟻酸の塩は蟻酸ナトリウムおよび蟻酸カリウムである。温度は広範囲に変化することができる。一般に50〜200℃、好ましくは80〜160℃の温度で操作する。
【0062】
一般に、式(VIII)の化合物を1〜20モル、好ましくは1〜5モルの蟻酸塩と共に希釈剤中で加熱し、必要に応じ水を添加し、相を分離させ、次いで希釈剤を留去するように行う。
【0063】
式(VIII)の中間生成物は新規であり、式(IX)
【0064】
【化16】

【0065】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に塩素化もしくは臭素化すれば得られる(方法G)。
【0066】
たとえば、2,2,3,3−テトラフルオロ−5−(4−アセチルフェニル)−ジヒドロベンゾフランを出発物質として使用すれば、方法Gによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0067】
【化17】

【0068】
式(VIII)の化合物を製造するための方法Gは、式(IX)の化合物を必要に応じ希釈剤の存在下に塩素化もしくは臭素化することを特徴とする。
【0069】
希釈剤としては、塩素もしくは臭素に対し不活性なあらゆる溶剤が挙げられる。
たとえば塩化メチレン、クロロホルムもしくは四塩化炭素のようなクロル炭化水素またはたとえばメタノールもしくはエタノールのようなアルコールが好適に使用される。
【0070】
温度は広範囲に変化することができる。一般に−30〜50℃、好ましくは−10〜25℃の温度で操作される。反応は一般に常圧下で行われる。
【0071】
一般に、式(IX)の化合物を適する希釈剤中に入れ、次いで所望温度にてほぼ当モル量の塩素もしくは臭素を投入するよう行われる。僅か過剰量もしくは不足量のハロゲンを使用することもできる。式(IX)の中間生成物は新規であり、式(X)
【0072】
【化18】

【0073】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を必要に応じ酸もしくはルイス酸の存在下および希釈剤の存在下に塩化アセチルと反応させれば得られる(方法H)。
【0074】
たとえば、2,2−ジフルオロ−5−フェニル−ベンゾジオキソールを出発物質として使用すれば、方法Hによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0075】
【化19】

【0076】
式(IX)の化合物を製造するための方法Hは、式(X)の化合物を酸もしくはルイス酸の存在下および希釈剤の存在下に塩化アセチルと反応させることを特徴とする。
【0077】
希釈剤としては、フリーデル・クラフツ反応に適するあらゆる通常の溶剤が挙げられる。たとえば、塩化メチレンもしくはジクロルエタンのように塩素化炭化水素が好適に使用され、或いは過剰量の水フリーの弗化水素酸にて操作される。酸もしくはルイス酸としては、フリーデル・クラフツ反応に適する全てのものが挙げられる。水フリーの弗化水素酸
、塩化アルミニウム、テトラフルオロ硼酸もしくはBF3−エーテル化物が好適に使用される。
【0078】
温度は広範囲に変化することができる。一般に−30〜80℃、好ましくは−15〜50℃の温度にて操作される。反応は一般に常圧下または操作に際しHFで調整される高められた圧力下で行われる。塩化アセチルおよび式(X)の化合物は一般にほぼ当モル量で使用される。反応の終了後、常法を用いて仕上処理する。
【0079】
式(X)の中間生成物は新規であり、式(XI)
【0080】
【化20】

【0081】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物をジアゾ化し、得られたジアゾニウム塩を酸および鉄粉の存在下に或いは塩基の存在下およびそれぞれ希釈剤の存在下でベンゼンと反応させれば得られる。
【0082】
式(XI)のアニリンは公知であり、或いは公知方法により簡単に作成することもできる。たとえば対応のニトロ芳香族物質を還元し或いは対応のカルボン酸アミドをたとえばホフマン分解などにかければ式(XI)の化合物が得られる(方法I)。たとえばテトラフルオロエチルメルカプトアニリンを出発物質として使用すれば、方法Iによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0083】
【化21】

【0084】
式(X)の化合物を製造するための方法Iは、式(XI)の化合物をジアゾ化すると共に酸および鉄粉の存在下に或いは塩基の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下にベンゼンと反応させることを特徴とする。
【0085】
希釈剤としてはあらゆる不活性な溶剤が挙げられる。しかしながら大過剰、好ましくは式(XI)の化合物に対し30モルまで、特に5モルまでの反応相手であるベンゼンを希釈剤として使用することもできる。反応を酸および鉄粉の存在下に行う場合、酸としては有機酸(たとえばトリクロル酢酸)が挙げられる。反応を塩基の存在下に行う場合、塩基としてはたとえばアルカリ酢酸塩(特に酢酸ナトリウムもしくは酢酸カリウム)のような有機酸の塩が挙げられる。一般に2当量の塩基を使用する。温度は広範囲に変化することができる。一般に−40〜140℃、好ましくは−20〜80℃の温度にて操作する。反応は一般に常圧下で行われる。
【0086】
ジアゾニウム塩は一般に、たとえば塩酸もしくは硫酸のような酸の存在下に式(XI)の化合物から常法により、たとえば亜硝酸ナトリウムのようなアルカリ亜硝酸塩またはたとえばペンチルナイトライトもしくはメチルナイトライトのようなアルキルナイトライトと反応させて、或いは塩化ニトロシルと反応させて作成される。式(X)の生成物を含有する反応混合物は常法により仕上処理される。
【0087】
式(VIII)の中間生成物を製造するための他の方法は、式(X)
【0088】
【化22】

【0089】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を式(XII)
HalCH2COCl (XII)
[式中、Halは塩素もしくは臭素を示す]
のハロゲノアセチル クロライドと、酸もしくはルイス酸の存在下および希釈剤の存在下に反応させることである(方法K)。
【0090】
たとえば、2,2,4,4−テトラフルオロ−6−フェニル−1,3−ベンゾジオキセンおよび塩化クロルアセチルを出発物質として使用すれば、方法Kによる経過は次の反応式により示すことができる:
【0091】
【化23】

【0092】
式(VIII)の化合物を製造するための方法Kは、式(X)の化合物を酸もしくはルイス酸の存在下および希釈剤の存在下に式(XII)の塩化ハロゲンアセチルと反応させることを特徴とする。
【0093】
希釈剤としては、フリーデル・クラフツ反応に適するあらゆる通常の溶剤が挙げられる。たとえば、塩化メチレンもしくはジクロルエタンのような塩素化炭化水素が好適に使用され、或いは過剰の水フリーの弗化水素酸にて操作される。酸もしくはルイス酸としては、フリーデル・クラフツ反応に適する全てのものが挙げられる。水フリーの弗化水素酸、塩化アルミニウムまたはテトラフルオロ硼酸が好適に使用される。温度は広範囲に変化することができる。一般に−30〜80℃、好ましくは−15〜50℃の温度で操作される。
【0094】
反応は一般に常圧下で、或いは操作に際しHFで調整される高められた圧力下に行われる。
【0095】
式(XII)の塩化ハロゲンアセチルおよび式(X)の化合物は一般にほぼ当モル量で使用される。反応の終了後、常法によって仕上処理する。
【0096】
式(X)
【0097】
【化24】

【0098】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を式(XIII)
【0099】
【化25】

【0100】
[式中、Vはクロル、ヒドロキシもしくはC1〜C4−アルコキシを示し、R3は水素またはアルキル(好ましくはC1〜C6−アルキル)を示す]の化合物と酸性触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に反応させ、次いで得られた式(XIV)
【0101】
【化26】

【0102】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を還元剤の存在下および希釈剤の存在下で還元しても式(III)の出発物質が得られる(方法L)。たとえばN−(カルボキシメチルクロルメチル)−2,6−ジフルオロベンズアミドおよび2,2−ジフルオロ−5−フェニル−ベンゾジオキソールを出発物質として使用すれば、方法Lの経過は次の反応式により示すことができる:
【0103】
【化27】

【0104】
式(III)の化合物を製造するための方法Lは、先ず最初に(第1段階)式(X)の化合物を酸性触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に式(VIII)の化合物と反応させ、次いで(第2段階)得られた式(XIV)の化合物を希釈剤の存在下に還元剤と反応させることを特徴とする。
【0105】
希釈剤としては、第1段階にて各反応体に対し不活性なあらゆる溶剤が挙げられる。好ましくは、たとえばペンタン、ヘキサン、テトラリンのような炭化水素、たとえば塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン炭化水素、たとえばジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンもしくはt−アミルメチルエーテルのようなエーテルが使用される。酸性触媒としては、原理的には全ての無機酸もしくは有機酸またはルイス酸が挙げられる。好ましくは、たとえば硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、水フリーの弗化水素酸、テトラフルオロ硼酸、塩化アルミニウム、四塩化チタン、オキシ塩化燐、三弗化硼素エーテル化物が使用される。好ましくは過剰の酸も必要に応じ希釈剤として使用することができる。温度は広範囲に変化することができる。一般に−20〜150℃、好ましくは0〜50℃の温度で操作される。反応は一般に常圧下または高められた圧力下で行われる。
【0106】
式(X)の化合物および式(XIII)の化合物は一般に当モル量で使用されるが、一方または他方の化合物の過剰量を使用することも可能である。希釈剤としては、第2段階にて特にアルコールおよびエーテルが挙げられる。たとえば、メタノール、エタノール、異性体プロパノール、ブタノールもしくはペンタノール、さらにジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンが挙げられる。還元剤としては、好ましくは硼水素化ナトリウムを式(XIV)の化合物1モル当たり1〜5モルの量にて使用する。
【0107】
式(XIV)の化合物を酸として使用する場合(R3=H)、これは硼水素化ナトリウムとの反応前にアルキルエステルまで変換される。温度は広範囲に変化することができる。一般に20〜150℃、好ましくは50〜100℃の温度にて操作する。反応は一般に常圧下で行われる。これを常法によって仕上処理する。
【0108】
式(II)の化合物を製造するための他の方法は、式(X)
【0109】
【化28】

【0110】
[式中、R1、R2、Xおよびmは上記の意味を有する]の化合物を式(XV)
【0111】
【化29】

【0112】
[式中、Uはアルキル(好ましくはC1〜C4−アルキル)を示す]
の化合物と触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下で反応させることからなってい
る(方法M)。
【0113】
たとえば、N−(1−メトキシ−2−クロルエチル)−2,6−ジフルオロベンズアミドおよび4−テトラフルオロエチルチオビフェニルを出発物質として使用すれば、方法Mによる経過は次の反応式により示すことができる。
【0114】
【化30】

【0115】
式(II)の化合物を製造するための方法Mは式(X)の化合物を酸性触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に式(XV)の化合物と反応させることを特徴とする。
【0116】
希釈剤としては、各反応体に対し不活性なあらゆる溶剤が挙げられる。好ましくは、たとえば、ペンタン、ヘキサン、テトラリンのような炭化水素、たとえば塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン炭化水素、たとえばジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、メチル−t−アミルエーテルのようなエーテルが使用される。
【0117】
酸性触媒としては無機酸もしくは有機酸またはルイス酸が挙げられる。たとえば硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、テトラフルオロ硼酸、塩化アルミニウム、四塩化チタン、オキシ塩化燐、三弗化硼素エーテル化物が好適に使用される。好ましくは過剰量の酸を必要に応じ希釈剤として使用することもできる。温度は広範囲に変化することができる。一般に−20〜150℃、好ましくは0〜50℃の温度で操作する。反応は一般に常圧下または高められた圧力下で行われる。式(X)の化合物および式(XV)の化合物は一般に当モル量で使用されるが、一方もしくは他方の化合物の過剰量を使用することも可能である。
【0118】
出発物質として必要な式(XII)の塩化ハロゲンアセチルは通常の有機化学における一般公知の薬品である。必要な化合物(VII)は有機化学における一般公知の薬品である。
【0119】
出発物質として必要な式(XIII)の化合物は公知であるか、或いは公知方法により簡単に作成することができる(たとえばWO 93/24 470号参照)。出発物質として必要な式(XV)の化合物は公知であるか、或いは公知方法により簡単に作成することができる(たとえばEP−A−0 594 179号参照)。式(X)、(IX)、(VIII)、(VI)、(V)、(IV)、(III)、(XIV)および(II)の中間生成物は新規であり、本発明の主題でもある。これらは部分的それ自身で殺虫および殺ダニ特性を有し、たとえば式(III)および(II)の化合物も同様である。
【0120】
所定のN−アルコキシメチルベンズアミド誘導体とベンゼン誘導体との、たとえば濃硫酸もしくはオキシ塩化燐または水フリーの塩化アルミニウムの存在下における、対応の置
換フェニルメチルベンズアミド誘導体への変換も公知である(EP−A−0 594 179号参照)。これら公知方法で得られる収率は必ずしも満足しうるものでない。
【0121】
今回、式(IIa)
【0122】
【化31】

【0123】
[式中、Yは水素もしくはハロゲンを示し、Zはシアノもしくはハロゲンを示し、R4およびR6は互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキルもしくはハロゲノアルコキシを示し、R5はハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、必要に応じアルキル置換されたシクロアルキル、残基
【0124】
【化32】

【0125】
の1種を示し、ここでR7およびR8は互いに独立して水素、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、ハロゲン、アルキル、アルオキシ、ハロゲノアルキル、ペルフルオロアルコキシ、S(O)n−アルキル、S(O)n−ハロゲノアルキル、トリアルキルシリル、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニルを示し、またはR7およびR8はそれらが結合した炭素原子と一緒になってハロゲン置換された5−もしくは6−員の複素環式環を形成し、nは0、1もしくは2を示し、R9およびR10は互いに独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシリルを示し、R11はテトラヒドロピラニル、必要に応じシアノ、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロゲノアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲノアルコキシカルボニルもしくはトリアルキルシリルにより置換されたアルキル、さらにトリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲノシクロアルキル、シアノシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロゲノシクロアルキルアルキル、アルケニル、必要に応じシアノもしくはアルコキシカルボニルにより置換されたハロゲノアルケニル、それぞれ必要に応じハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシクリにより置換されたフェニルもしくは2−ピリジニル、アルキニル、ハロゲノアルキニルまたは0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子および0〜2個の硫黄原子から選択された4個までの異原子を有する8〜12員の二環式環系を示し、これらは必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基で置換され、R12はそれぞれ必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基により置換されたフェニルもしくはピリジルを示し、Wはハロゲン、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、アルキル、ハロゲノアルキル、アルキ
ルチオ、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニルを示し、BはC1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルケンオキシもしくはC1〜C4−アルキレンジオキシを示し、QはCHもしくは窒素を示し、R13はハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシリルを示し、pは1、2、3、4もしくは5の数値を示し、ここでp>1につき置換基R13は同一でも異なってもよく、常に置換基R13はBに対しパラ位置に存在する]
の化合物を製造するための新規な方法Nが見出され、この方法は式(XVI)
【0126】
【化33】

【0127】
[式中、Uはアルキル(好ましくはC1〜C4−アルキル)を示し、YおよびZは上記の意味を有する]
の化合物を式(XVII)
【0128】
【化34】

【0129】
[式中、R4、R5およびR6は上記の意味を有する]
の化合物と水フリーの弗化水素酸の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下で反応させることを特徴とする。
【0130】
驚くことに、式(IIa)の化合物はこの方法により高収率および高純度で得られる。
【0131】
本発明の方法によれば、好ましくはYが水素、フルオロもしくはクロルを示し、Zがフルオロもしくはクロルを示し、R4およびR6が互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C16−アルキル、C1〜C16−アルコキシ、C1〜C16−ハロゲノアルキルもしくはC1〜C16−ハロゲノアルコキシを示し、R5がフルオル、クロル、ブロム、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、または残基
【0132】
【化35】

【0133】
の1種を示し、ここでR7およびR8が互いに独立して水素、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−ハロゲノアルキル、C1〜C6−ペルフルオロアルコキシ、S(O)n−C1〜C6−アルキル、S(O)n−C1〜C6−ハロゲノアルキル、トリ−(C1〜C6)−アルキルシリル、C2〜C4−アルキルカルボニルもしくはC2〜C4−アルコキシカルボニルを示し、R7およびR8がそ
れらの結合した直接隣接する炭素原子と一緒になって酸素含有の5員もしくは6員環を形成し、これらはフルオロおよび/またはクロルにより1つ以上にて置換され、nが0、1もしくは2を示し、R9およびR10が互いに独立してハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−ハロゲノアルキル、C1〜C6−ハロゲノアルコキシもしくはトリ−(C1〜C6−アルキル)−シリルを示し、R11がテトラヒドロピラニル、必要に応じCN、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルキルカルボニル、C2〜C6−アルコキシカルボニル、C2〜C6−ハロゲノアルキルカルボニル、C2〜C6−ハロゲノアルコキシカルボニルもしくはトリ−(C1〜C6−アルキル)−シリルにより置換されたC1〜C10−アルキル、さらにトリフルオロメチル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−ハロゲノシクロアルキル、シアノ−C3〜C7−シクロアルキル、C4〜C7−アルキルシクロアルキル、C4〜C7−シクロアルキルアルキル、C4〜C7−ハロゲノシクロアルキルアルキル、C3〜C8−アルケニル、必要に応じシアノもしくはC2〜C6−アルコキシカルボニルにより置換されたC2〜C10−ハロゲノアルケニル、それぞれ必要に応じハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−ハロゲノアルキル、C1〜C6−ハロゲノアルコキシもしくはトリ−(C1〜C6−アルキル)−シリルにより置換されたフェニルもしくは2−ピリジル、C3〜C6−アルキニル、C3〜C10−ハロゲノアルキニル、または0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子および0〜2個の硫黄原子から選択された4個までの異原子を有する8〜12員の二環式環系を示し、これらは必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基で置換され、R12がそれぞれ必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基で置換されたフェニルもしくはピリジルを示し、Wがハロゲン、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−ハロゲノアルキル、C1〜C3−アルキルチオ、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロゲノアルコキシ、C2〜C4−アルキルカルボニルもしくはC2〜C4−アルコキシカルボニルを示す式(IIa−a)の好適化合物が製造される。
【0134】
次いで、式(IIa−a)、(IIa−b)および(IIa−c)の化合物が規定され、これらは上記式(II)の化合物の他に式(IIa)の化合物を製造するための本発明による方法で好適に作成することができる。
式(IIa−a)
【0135】
【化36】

【0136】
[式中、Yは水素、フルオロもしくはクロルを示し、Zはシアノ、フルオロもしくはクロルを示し、R4は水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシを示し、R5はハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシを示す]の化合物;
式(IIa−b)
【0137】
【化37】

【0138】
[式中、Yは水素、フルオロもしくはクロルを示し、Zはフルオロもしくはクロルを示し、R4は水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシを示し、R5はC7〜C20−アルキル、C7〜C20−アルコキシ、C1〜C15−アルキルチオ、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C6−アルキル、C3〜C15−アルケニルオキシ、必要に応じC1〜C6−アルキルにより置換されたC3〜C8−シクロアルキル、C3〜C6−アルキニルオキシまたは残基
【0139】
【化38】

【0140】
を示し、ここでBは直接結合、酸素、C1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルケンオキシもしくはC1〜C4−アルケンジオキシを示し、QはCHもしくは窒素を示し、R13はハロゲン、C1〜C15−アルキル、C1〜C15−アルコキシ、C1〜C6−ハロゲノアルキル、C1〜C6−ハロゲノアルコキシもしくはトリ−(C1〜C6−アルキル)−シリルを示し、pは数値1、2、3、4もしくは5の数値を示し、p>1につき、置換基R13は同一でも異なってもよく、常に置換基R13はBに対しパラ位置に存在し、ただしQがCHを示すと同時にBが直接結合を示せば、その意味C1〜C6−ハロゲノアルコキシにおけるR13は常にC1〜C6−ペルフルオロアルコキシを示す]
の化合物;
式(IIa−c)
【0141】
【化39】

【0142】
[式中、Yは水素、フロオロもしくはクロルを示し、Zはフルオロもしくはクロルを示し、R4およびR6は互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C16−アルキル、C1〜C16−アルコキシ、C1〜C16−ハロゲノアルキルもしくはC1〜C16−ハロゲノアルコキシを示し、R5は少なくとも1個のW1からの置換基により置換されたフェニルまたは残基−OR11、−CH=CH−R12もしくは−CN≡C−R12を示し、ここでR11はテトラヒドロピラニル、必要に応じシアノ、C2〜C6−アルキルカルボニル、C2〜C6−ハロゲノアルキルカルボニル、C2〜C6−アルコキシカルボニル、C2〜C6−ハロゲノアルコキシカルボニルもしくはトリ−(C1〜C6−アルキル)−シリルにより置換されたC1〜C10−アルキル、さらにC3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−ハロゲノシクロアルキル、シアノ−C3〜C7−シクロアルキル、C4〜C7−アルキルシクロアルキル、C4〜C7−シクロアルキルアルキル、C4〜C7−ハロゲノシクロアルキルアルキル、必要に応じシアノもしくはC2〜C6−アルコキシカルボニルにより置換されたC2〜C10−ハロゲノアルケニル、C3〜C10−ハロゲノアルキニル、または0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子および0〜2個の硫黄原子から選択された4個までの異原子を有する8員〜12員の二環式環系を示し、これらは必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基により置換され、R12は少なくとも1個のW1からの置換基で置換されたフェニルを示し、Wはハロゲン、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−ハロゲノアルキル、C1〜C3−アルキルチオ、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロゲノアル
コキシ、C2〜C4−アルキルカルボニルもしくはC2〜C4−アルコキシカルボニルを示し、W1はシアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、S(O)n−C1〜C3−アルキル、S(O)n−C1〜C3−ハロゲノアルキル、C2〜C4−アルキルカルボニルもしくはC2〜C4−アルコキシカルボニルを示し、nは数値0、1もしくは2を示す]
の化合物が作成される。
【0143】
たとえば、N−(1−メトキシ−2−クロルエチル)−2,6−ジフルオロベンズアミドおよび4−ペンタフルオロエトキシビフェニルを出発物質として使用すれば、式(IIa)の化合物を製造するための方法Nの経過は次の反応式により示すことができる。
【0144】
【化40】

【0145】
式(IIa)の加工物を製造するための方法Nは、式(XVI)の化合物を水フリーの弗化水素酸の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に式(XVII)の化合物と反応させることを特徴とする。好ましくは、方法Nは希釈剤の存在下に行われる。好ましくはたとえばペンタン、ヘキサン、テトラリンのような炭化水素、たとえば塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン炭化水素、たとえばジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、メチル−t−アミルエーテルのようなエーテルが使用される。水フリーの弗化水素酸は大過剰で使用することができる。温度は広範囲に変化することができる。一般に−20〜150℃、好ましくは0〜50℃の温度で操作される。 反応は一般に常圧下または高められた圧力下で行われる。
【0146】
式(XVI)の化合物および式(XVII)の化合物は一般に当モル量で使用されるが、一方もしくは他方の化合物の過剰量を使用することも可能である。一般に水フリーの弗化水素酸および希釈剤を存在させ、0℃近くの温度にて式(XVI)および(XVII)の化合物を添加すると共に、反応混合物を所定の温度範囲で撹拌した後、反応を完結させるようにして行われる。仕上処理には過剰のHFを留去し、残留物を氷水と混合し、生成物を抽出する。
【0147】
出発物質として必要な式(XVI)の化合物は公知である(EP−A−0 594 179号参照)。出発物質として必要な式(XVII)の化合物は有機化学における公知化合物であり、或いは公知方法により得ることができる(たとえば未公開のドイツ特許出願P44 44 408.8号参照)。
【0148】
式(IIa)の中間生成物は、本発明の方法Aにより式(Ia)
【0149】
【化41】

【0150】
[式中、Y、Z、R4、R5およびR6は上記の意味を有する]
のオキサゾリン誘導体まで変換することができ、これは動物害虫の撲滅に適している(EP−A−0 345 775号、EP−A−0 432 661号およびWO95/04726号参照)。
【0151】
式(I)の作用物質は動物害虫、好ましくは節足動物および線虫、特に農場、森林、貯蔵品保護および原料保護、並びに衛生分野で発生する昆虫および蛛形類の撲滅に適している。これらは通常の感受性および抵抗性の種類に対し、並びに全て或いは単一の発育段階に対し有効である。上記害虫には次のものが属する: 等脚目、たとえば、Oniscus asellus,Armadillidium vulgare,Porcellio scaber;双翅目、たとえば、Blaniulus guttulatus;唇脚目、たとえば、Geophilus carpophagus,Scutigera spec.;結合目、たとえば、Scutigerella immaculata;総尾目、たとえば、Lepisma saccharina;トビムシ目、たとえば、Onychiurus armatus;直翅目、たとえば、Blatta orientalis,Periplaneta americana,Leucophaea maderae,Blattella germanica,Acheta domesticus,Gryllotalpa spp.,Locusta migratoria migratorioides,Melanoplus differentialis,Schistocerca
gregaria;革翅目、たとえば、Forficula auricularia;等翅目、たとえば、Reticulitermes spp.;シラミ目、たとえば、Phylloxera vastatrix,Pemphigus spp.,Pediculus humanus corporis,Haematopinus spp.,Linognathus spp.;食毛目、たとえば、Trichodectes spp.,Damalinea spp.;総翅目、たとえば、Hercinothrips femoralis,Thrips tabaci;異翅亜目、たとえば、Eurygaster spp.,Dysdercus intermedius,Piesma quadrata,Cimex lectularius,Rhodnius prolixus,Triatoma spp.;同翅亜目、たとえば、Aleurodes brassicae,Bemisia tabaci,Trialeurodes vaporariorum,Aphis gossypii,Brevicoryne brassicae,Cryptomyzus ribis,Aphis fabae,Doralis pomi,Eriosoma lanigerum,Hyalopterus arundinis,Macrosiphum avenae,Myzus spp.,Phorodon humuli,Rhopalosiphum padi,Empoasca spp.,Euscelis bilobatus,Nephotettix cincticeps,Lecanium corni,Saissetia oleae,Laodelphax striatellus,Nilaparvata lugens,Aonidiella aurantii,Aspidiotus hederae,Pseudococcus spp.Psylla spp.;鱗翅目、たとえば、Pectinophora gossypiella,Bupalus piniarius,Cheimatobia brumata,Lithocolletis blancardella,Hyponomeuta padella,Plutella maculipennis,Malacosoma neustria,Euproctis chrysorrhoea,Lymantria spp.Bucculatrix thurberiella,Phyllocnistis
citrella,Agrotis spp.,Euxoa spp.,Feltia spp.,Earias insulana,Heliothis spp.,Spodoptera exigua,Mamestra brassicae,Panolis flammea,Prodenia litura,Spodoptera spp.,Trichoplusia ni,Carpocapsa pomonella,Pieris spp.,Chilo spp.,Pyrausta nubilalis,Ephestia kuehniella,Galleria mellonella,Tineola bisselliella,Tinea pellionella,Hofmannophila pseudospretella,Cacoecia podana,Capua reticulana,Choristoneura fumiferana,Clysia ambiguella,Homona magnanima,Tortrix viridana。
【0152】
鞘翅目、たとえば、Anobium punctatum,Rhizopertha dominica,Acanthoscelides obtectus,Acanthoscelides obtectus,Hylotrupes bajulus,Agelastica alni,Leptinotarsa decemlineata,Phaedon cochleariae,Diabrotica spp.,Psylliodes chrysocephala,Epilachna varive stis,Atomaria spp.,Oryzaephilus surinamensis,Antho nomus s
pp.,Sitophilus spp.,Otiorrhynchus sulcatus,Cosmopolites sordidus,Ceuthorrhynchus assimilis,Hypera postica,Dermestes spp.,Trogoderma spp.,Anthrenus spp.,Attagenus spp.,Lyctus spp.,Meligethes aeneus,Ptinus spp.,Niptus hololeucus,Gibbium psylloides,Tribolium spp.,Tenebrio molitor,Agriotes spp.,Cono derus spp.,Melolontha melolontha,Amphimallon solsti tialis,Costelytra zealandica。
【0153】
膜翅目、たとえば、Diprion spp.,Hoplocampa spp.,Lasius spp.,Monomorium pharaonis,Vespa spp.。
【0154】
双翅目、たとえば、Aedes spp.,Anopheles spp.,Culex spp.,Drosophila melanogaster,Musca spp.,Fannia spp.,Calliphora erythrocephala,Lucilia spp.,Chrysomyia spp.,Cuterebra spp.,Gastrophilus spp.,Hyppobosca spp.,Stomoxys spp.,Oestrus
spp.,Hypoderma spp.,Tabanus spp.,Tannia spp.,Bibio hortulanus,Oscinella frit,Phorbia spp.,Pegomyia hyoscyami,Ceratitis capitata,Dacus oleae,Tipula paludosa;隠翅目、たとえば、Xenopsylla cheopis,Ceratophyllus spp.;蛛形目、たとえば、Scorpio maurus,Latrodectus mactans;ダニ目、たとえば、Acarus siro,Argas spp.,Ornithodoros spp.,Dermanyssus gallinae,Eriophyes ribis,Phyllocoptruta oleivora,Boophilus spp.,Rhipicephalus spp.,Amblyomma spp.,Hyalomma spp.,Ixodes
spp.,Psoroptes spp.,Chorioptes spp.,Sarcoptes spp.,Tarsonemus spp.,Bryobia
praetiosa,Panonychus spp.,Tetranychus spp.。
【0155】
本発明の作用物質は高い殺昆虫活性および殺ダニ活性を特徴とする。これらは特に植物害虫、たとえばアブラ菜のコガ(Plutella maculipennis)またはヤガ科のコガ(Spodoptera
frugiperda)の撲滅につき特に良好な結果を示す。
【0156】
作用物質は通常の処方物、たとえば溶液、乳液、噴霧粉末、懸濁液、粉末、散布剤、ペースト、溶解性粉末、顆粒、懸濁液−乳液−濃縮物、作用物質含浸の天然および合成物質、並びに高分子物質における微細カプセルに変換することができる。これら処方物は公知方法、たとえば作用物質と伸展剤(すなわち液状溶剤および/または固体キャリヤ物質)との混合により必要に応じ表面活性剤(すなわち乳化剤および/または分散剤および/または発泡剤)を用いて作成される。
【0157】
伸展剤として水を使用する場合、たとえば有機溶剤を助溶剤として使用することもできる。液状溶剤としては、実質的に次のものが挙げられる:芳香族物質、たとえばキシレン、トルエンもしくはアルキルナフタレン、塩素化芳香族物質および塩素化脂肪族炭化水素、たとえばクロルベンゼン、クロルエチレンもしくは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、たとえばシクロヘキサンもしくはパラフィン、たとえば石油フラクション、鉱油および植物油、アルコール、たとえばブタノールもしくはグリコール、並びにそのエーテルおよびエステル、ケトン、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノン、強極性溶剤、たとえばジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、並びに水。
【0158】
固体キャリヤ物質としては次のものが挙げられる:たとえばアンモニウム塩および天然鉱物粉末、たとえばカオリン、アルミナ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトもしくは珪藻土、並びに合成鉱物粉、たとえば高分散性珪酸、酸化アルミニウムおよびシリケート;顆粒のための固体キャリヤ物質としては次のものが挙げられる:たとえば粉砕もしくは分画された天然鉱物、たとえば石灰石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイト、並びに無機および有機粉末からの合成粒子、さらに有機物質からの粒子、たとえば鋸屑粉、ココナッツシェル、トウモロコシ軸およびタバコ茎;乳化剤およ
び/または発泡剤としては次のものが挙げられる:たとえば非イオン型および陰イオン型乳化剤、たとえばポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−脂肪アルコール−エーテル、たとえばアルキルアリール−ポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、並びに蛋白加水分解物;分散剤としては次のものが挙げられる:たとえばリグニン亜硫酸分解物およびメチルセルロース。
【0159】
処方物には、たとえばカルボキシメチルセルロース、天然および合成の粉末状、粒状もしくはラテックス状ポリマーなど付着剤、たとえばアラビヤゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、並びに天然燐脂質、たとえばケファリンおよびレシチン、並びに合成燐脂質を使用することができる。他の添加剤は鉱油および植物油とすることができる。たとえば、無機顔料(たとえば酸化鉄、酸化チタン、フェロシアン ブルー)並びにたとえば、アリザリン−、アゾ−および金属フタロ−シアニン色などの有機染料のような着色料、さらにたとえば鉄、マンガン、硼素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩など微量栄養素も使用することができる。処方物は一般に0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の作用物質を含有する。
【0160】
本発明による作用物質はその市販の処方物、並びにこれら処方物から作成される使用形態にて他の作用物質、たとえば殺昆虫剤、粘着剤、殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺黴剤、成長調整物質もしくは除草剤と混合して存在させることができる。殺昆虫剤には、たとえば燐酸エステル、カルバメート、カルボン酸エステル、塩素化炭化水素、フェニル−尿素物質、微生物により生成せれた物質などが挙げられる。
【0161】
特に有利な混合相手はたとえば次のものである:殺黴剤:2−アミノブタン;2−アニリノ−4−メチル−6−シクロプロピル−ピリミジン;2′,6′−ジブロモ−2−メチル−4′−トリフルオロメトキシ−4′−トリフルオロ−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリード;2,6−ジクロル−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−ベンズアミド;(E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)−アセタミド;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;メチル−(E)−2−{2−[6−(2−シアノフェノキシ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−フェニル}−3−メトキシアクリレート;メチル−(E)−メトキシイミノ−[α−(o−トリルオキシ)−o−トリル]アセテート;2−フェニルフェノール(OPP)、アルジモルフ、アンプロピルホス、アニラジン、アザコナゾール、ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、プラスチシジン−S、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルシウムポリスルフィド、カプタフォール、カプタン、カルベンダジム、カルボキシン、チノメチオネート(キノメチオネート)、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロズリネート、クフラネブ、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロフラム、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロフラニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジノカプ、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジタリムホス、ジチアノン、ドジン、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリルール、エトリジアゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェニトロパン、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾーン、フラジナム、フルジオキソニル、フルオロミド、フルキンコナゾール、フラシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フタリド、フベリダゾール、フララキシル、フルメシクロックス、グアザチン、ヘキサクロルベンゾール、ヘキサコナゾール、ハイメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イプロベンホス(IBP)、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、銅配合物、たとえば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキ
シン−銅およびボルドー混合物、マンコッパー、マンコゼブ、マネブ、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メタフロキサム、メチラム、メトスルホバックス、マイクロブタニル、ニッケル−ジメチルジチオカルバメート、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモール、オフラセ、オキサジキシル、オキサモカルブ、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ホスジフェン、フタリド、ピマリシン、ピペラリン、ポリカルバメート、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キントゼン(PCNB)、硫黄および硫黄−配合物、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン、チオファネート−メチル、チラム、トルクロホス−メチル、トリフラニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バレダマイシンA、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム。
【0162】
殺細菌剤:ブロノポール、ジクロルフェン、ニトラピリン、ニッケル−ジメチルジチオカルバメート、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅および他の銅配合物。殺昆虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:アバメクチン、アバメクチンAC 303 630、アセファト、アクリナスリン、アラニルカルブ、アルジカルブ、アルファメスリン、アメトラズ、アベルメクチン、AZ 60541、アザジラシチン、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、バシルス・スリンギエンシス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベタスルタップ、ベタサイルスリン、ビフェンスリン、BPMC、ブロフェンプロックス、ブロモホスA、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブチルピリダベン、カズサホス、カルバリール、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、GGA 157 419、CGA 184699、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスM、シス−レスメスリン、クロシスリン、クロフェンテジン、シアノホス、シクロプロスリン、シフルスリン、シハロスリン、シヘキサチン、シペルメスリン、シロマジン、デルタメスリン、デメトンM、デメトンS、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロルフェンチオン、ジクロルボス、ジクリホス、ジクロトホス、ジエチオン、ジフルベンズロン、ジメソエート、ジメチルビンホス、ジオキサチオン、ジスルホトン、エジフェンホス、エマメクチン、エスフェンバレラート、エチオフェンカルブ、エチオン、エトフェンプロックス、エトプロホス、エトリムホス、フェナミホス、フェナザキン、フェンブタチノキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパスリン、フェンピラド、フェンピロキシマート、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルシクロクスロン、フルシスリナート、フルフェノキスロン、フルフェンプロックス、フロバリネート、ホノホス、ホルモチオン、ホスチアザート、フブフェンプロックス、フラチオカルブ、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、イミダクロプリド、イプロベンホス、イザゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベメクチン、ラムダ−シハロスリン、ラフェヌロン、マラチオン、メカロバム、メルビンホス、メスルフェンホス、メタルデヒド、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトホス、モキシデクチン、ナレド、NC 184、NI 25、ニテンピラム、オメソアー、オキサミル、オキシデメトンM、オキシデプロホス、パラチオンA、パラチオンM、ペルメスリン、フェンソアート、フォラート、フォサロン、フォスメット、ホスファムドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミホスM、ピリミホスA、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロポキスル、プロチオホス、プロソアート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピラダフェンチオン、ピレスメスリン、ピレスルム、ピリダベン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、RH 5992、サリチオン、セブホス、シラフルオフェン、ス
ルホテップ、スルプロホス、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフベンズロン、テフルスリン、テメホス、テルバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアフェノックス、チオジカルブ、チオフゥノックス、チオメトン、チオナジン、チューリンギエンシン、トラロメスリン、トリアラセン、トリアゾホス、トリアズロン、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、XMC、キシリルカルブ、YI 5301/5302、ゼタメスリン。
【0163】
除草剤: たとえばアニリード、たとえばジフルフェニカンおよびプロパニル;アリールカルボン酸、たとえばジクロルピコリン酸、ジカンバおよびピクロラム;アリールオキシアルカン酸、たとえば2,4 D、2,4 DB、2,4 DP、フルロキシピル、MCPA、MCPPおよびトリクロピル;アリールオキシ−フェノキシ−アルカン酸エステル、たとえばジクロホップ−メチル、フェノキソプロプ−エチル、フルアジホップ−ブチル、ハロキシホップ−メチルおよびキザロホップ−エチル;アジノン、たとえばクロリダゾンおよびノルフルラゾン;カルバメート、たとえばクロロプロファム、デスメジファム、フェンメジファムおよびプロファム;クロルアセトアニリード、たとえばアラクロル、アセトクロル、ブタクロル、メタザクロル、メトラクロル、プレチラクロルおよびプロパクロル;ジニトロアニリン、たとえばオリザリン、ペンジメタリンおよびトリフルラリン;ジフェニルエーテル、たとえばアシフルオルフェン、ビフェノックス、フルオログリコフェン、フォメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェンおよびオキシフルオルフェン;尿素、たとえばクロルトルロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リヌロンおよびメタベンズチアズロン;ヒドロキシルアミン、たとえばアロキシジム、クレソジム、サイクロキシジム、セトキシジムおよびトラルコキシジム;イミダゾリノン、たとえばイマゼタピル、イマザメタベンズ、イマザピルおよびイマザキン;ニトリル、たとえばブロモキシニル、ジクロベニルおよびイオキシニル;オキシアセタミド、たとえばメフェナセト;スルホニル尿素、たとえばアミドスルフロン、ベンスルフロン−メチル、クロリムロン−エチル、クロルスルフロン、チノスルホロン、メトスルフロン−メチル、ニコスルフロン、プリミスルフロン、ピラゾスルフロン−エチル、トリフェンスルフロン−メチル、トリアスルフロンおよびトリベヌロン−メチル;チオールカルバメート、たとえばブチラート、シクロアート、ジアラート、EPTC、エスプロカルブ、モリナート、プロスルホカルブ、チオベンカルブおよびトリアラート;トリアジン、たとえばアトラジン、シアナジン、シマジン、シメトリン、テルブトリンおよびテルブチラジン;トリアジノン、たとえばヘキサジノン、メタミツロンおよびメトリブジン;その他、たとえばアミノトリアゾール、ベンフレセート、ベンタゾン、シンメチリン、クロマゾン、クロピラリド、ジフェンゾクアット、ジチオピル、エトフメセート、フルオロクロリドン、グルホシネート、グリホセート、イソキサベン、ピリデート、キノクロラック、キンメラック、スルホセートおよびトリジファン。
【0164】
さらに本発明の作用物質は、その市販処方物およびこれら処方物から作成される使用形態物にて相乗剤と混合して存在させることもできる。相乗剤は、作用物質の作用を向上させるが、添加した相乗剤自身が積極的に作用してはならないような化合物である。市販処方物から作成される使用形態物の作用物質含有量は広範囲で変化することができる。使用形態物における作用物質濃度は0.0000001〜95重量%の作用物質、好ましくは0.0001〜1重量%とすることができる。
【0165】
使用は、使用形態物に適する通常の方法で行われる。衛生上の害虫および貯蔵上の害虫に対し使用する場合、作用物質は木材および粘土に対する顕著な残留作用およびカリ施肥地層に対する良好なアルカリ安定性を特徴とする。
【0166】
以下、実施例により本発明の作用物質の製造および使用につき説明する。
製造例実施例(Ia−1) 本発明の方法Nにより作成された実施例(IIa−1)によ
る中間生成物からWO 95/04726号より公知の作用物質への変換
【0167】
【化42】

【0168】
4.4g(0.01モル)の2,6−ジフルオロ−N−[2−クロルエチル−1−フェニル−4−(4′−トリフルオロメチルチオフェニル)]−安息香酸アミド(実施例XIV−2から)を50mLのメタノールに懸濁させた。次いで5.6g(0.042モル)の30%苛性ソーダを添加し、70℃まで20分間加熱した。冷却した後に濃縮し、塩化メチレンに溶解させ、次いで3回水洗した。脱水および濃縮の後、3.9gの黄色結晶が残留し、これをシリカゲル(石油エーテル/酢酸エステル、1:1)で精製した。Fp.(融点)114℃を有する3.7gの無色結晶が得られた。収率:理論値に対し91.8%。
【0169】
実施例(I−2)
【0170】
【化43】

【0171】
実施例(XIV−1)による5.19g(0.01モル)の化合物を50mLの乾燥メタノールに懸濁させた。冷却しないよう5.33g(0.04モル)の30%苛性ソーダを添加し、ここで容易に発熱反応が生じた。沸騰するまで30分間加熱し、次いで冷却した。濃縮した後、残留物を酢酸エステルに溶解し、3回水洗し、脱水し、次いで濃縮した。Fp.95〜98℃を有する3.7g(理論値の79.5%)の黄色結晶が得られた。
【0172】
実施例(I−3)
【0173】
【化44】

【0174】
この生成物は実施例(I−2)と同様に得られた。
【0175】
実施例(I−4)
【0176】
【化45】

【0177】
実施例(I−5)
【0178】
【化46】

【0179】
出発化合物の製造実施例(X−1)
【0180】
【化47】

【0181】
600mLのベンゼンと30gのFe粉末と336gの式
【0182】
【化48】

【0183】
の2,2,4,4−テトラフルオロ−6−アミノ−ベンゾ−1,3−ジオキセンとに30〜38℃にて5時間以内に、1200mLのベンゼンにおける750gのトリクロル酢酸の溶液を滴下した。同時に162gの亜硝酸ナトリウム(それぞれ8gづつ、全部で15分間)を添加した。添加が終了した後、約20時間にわたり室温にて撹拌した。次いでガス発生が終了するまで加熱灌流させた(約4時間)。冷却の後、先ず最初に1.815%の塩酸を添加し、次いで過剰のベンゼンを90℃の内部温度に達するまで留去した。次いで水蒸気蒸留を行った。有機相を分離させ、水洗し、脱水し、次いで蒸留した。Kp.(沸点)135〜141℃/15ミリバールを有する108gの上記化合物(X−1)が得られた。
【0184】
同様にして一般的な製造手順により次のものが得られた:実施例(X−2)
【0185】
【化49】

【0186】
Fp.:47〜48℃Kp.:140〜144℃/20ミリバール実施例(X−3)
【0187】
【化50】

【0188】
Fp.:75℃Kp.:108〜115℃(0.2ミリバール)
【0189】
実施例(XIV−1)
【0190】
【化51】

【0191】
11.6g(0.05モル)の式
【0192】
【化52】

【0193】
のN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−ヒドロキシ−グリシンと90mLのメタンスルホン酸とを15℃にて混合した。14.2g(0.05モル)の式
【0194】
【化53】

【0195】
の2,2,4,4−テトラフルオロ−6−フェニル−1,3−ベンゾジオキセンを添加し、室温にて12時間撹拌した。暗褐色の反応混合物を450mLの氷水に注ぎ込み、ベージュ色の沈殿物を濾別し、水洗し、次いで乾燥させた。Fp.193℃(分解)の22.3g(理論値の90%)の淡褐色結晶が得られた。
【0196】
実施例(XIV−2)
【0197】
【化54】

【0198】
21.1g(0.0425モル)の実施例(XIV−1)からの生成物を170mLの乾燥エタノールに入れた。この透明溶液に10分間かけ室温から開始して(発熱反応)7g(0.0585モル)の塩化チオニルを滴下した。沸騰するまで4時間加熱し、冷却し、次いで濃縮した。26.7gの暗褐色油状物が得られ、これをシリカゲル(溶出剤:塩化メチレン)で精製した。
収量:7.7g(理論値の34.1%)の黄色結晶、Fp.110〜113℃。
【0199】
実施例(III−1)
【0200】
【化55】

【0201】
6.5g(0.028モル)の式
【0202】
【化56】

【0203】
のα−ヒドロキシ−N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−グリシンを50mLのメタンスルホン酸に溶解させた。10℃にて6.55g(0.028モル)
の式
【0204】
【化57】

【0205】
の5−フェニル−2,2−ジフルオロ−ベンゾジオキソールを添加した。室温にて10時間撹拌した。この褐色懸濁物を250mLの氷水に注ぎ入れた。ベージュ色の沈殿物を濾別し、水洗し、次いで乾燥させた。結晶を100mLのエタノールに懸濁させ、4.5gの塩化チオニルを滴下した。沸騰するまで加熱し、この温度に4時間保った。100mLの水で希釈し、この溶液を50mLの水性エタノールにおける5.32g(0.14モル)のナトリウムボラネートに添加した。添加が終了した後、沸騰するまで4時間加熱し、5℃まで冷却し、次いで濾別し、2n塩酸と混合し、塩化メチレンで3回抽出し、有機相を脱水すると共に濃縮した。収量:Fp.196〜201℃の5.3g(理論値の43.
6%)の無色結晶。
【0206】
実施例(III−2)
【0207】
【化58】

【0208】
2.5g(0.0665モル)のナトリウムボラネートを65mLの50%水性エタノールに入れ、次いで実施例(XIV−2)からの7g(0.0133モル)の生成物を少しづつ添加し、沸騰するまで4時間加熱した。これを濃縮し、100mLの2n塩酸と混合し、次いで吸引した。6.7g(理論値の72.8)の白色結晶。
【0209】
実施例(II−1)
【0210】
【化59】

【0211】
実施例(III−2)からの6.5g(0.0135モル)の生成物を70mLの乾燥トルエンに懸濁させた。次いで室温から開始して6.4g(0.054モル)の塩化チオニルを滴下し、70℃にて3時間撹拌した。濃縮の後、式(II−1)の6.6gの粗生成物が残留し、これをそのまま実施例(I−2)にて使用した。
【0212】
実施例(IIa−1)
【0213】
【化60】

【0214】
200gの水フリーの弗化水素酸と100mLの塩化メチレンとを準備し、−5℃まで冷却した。これに100mLの塩化メチレンにおける2.5g(0.01モル)の式
【0215】
【化61】

【0216】
の2,6−ジフルオロ−N−(1−エトキシ−2−クロルエチル)−ベンズアミドおよび
3.8g(0.015モル)の4−トリフルオロメチルチオビフェニルの溶液を添加した。室温となし、次いでこの温度で12時間撹拌した。仕上処理のため過剰のHFを留去し、氷水に加え、有機相を分離させ、水洗し、次いで濃縮した。濃縮の後、粗生成物が残留し、これを直接に実施例(I−1)に使用した。
【0217】
実施例(IIa−1)と同様に一般的な製造手順にしたがって、式(IIa)
の次の化合物が得られた:
【0218】
【化62】

【0219】
【表1】

【0220】
式(IIa)の化合物から、本発明の方法Aにしたがう反応により式(Ia)
の次の化合物が得られた:
【0221】
【表2】

【0222】
式Ia−2〜Ia−6の化合物は新規である。これらは式(I)の化合物と同様に動物害虫の撲滅に適している。
【0223】
以下の使用例において、EP−A 0 432 661号から公知の式
【0224】
【化63】

【0225】
の化合物を比較物質として使用した。
【0226】
実施例Aルプテラ−試験溶剤: 7重量部 ジメチルホルムアミド乳化剤: 1重量部 アルキルアリールポリグリコールエーテル 目的とする作用物質処方物を作成するため、1重量部の作用物質を上記量の溶剤および上記量の乳化剤と混合し、濃厚物を水により所望濃度まで希釈した。
【0227】
キャベツの葉(ブラシカ・オレラセア)を所望濃度の作用物質処方物に浸漬して処理し、キャベツコナガ(プルテラ・マクリペニス)を葉がまだ濡れている間に侵食させた。
【0228】
所望時間の後、死滅率(%)を測定した。その際、100%は全コナガが死滅したことを意味し、0%はコナガが全く死滅しなかったことを意味する。
【0229】
この試験にて、たとえば製造例(I−2)による化合物は比較物質と対比して優れた効果を示した。
【0230】
実施例Bスポドプテラ−試験溶剤: 7重量部 ジメチルホルムアミド乳化剤: 1重量部 アルキルアリールポリグリコールエーテル 目的とする作用物質処方物を作成するため1重量部の作用物質を上記量の溶剤および上記量の乳化剤と混合し、水により濃厚物を所望濃度まで希釈した。
【0231】
キャベツの葉(ブラシカ・オレラセア)を所望濃度の作用物質処方物に浸漬して処理し、シロマダラコナガ(スポドプテラ・フルギペルダ)を葉がまだ濡れている間に侵食させた。
【0232】
所望時間の後、死滅率(%)を測定した。その際、100%は全コナガが死滅したことを意味し、0%はコナガが全く死滅しなかったことを意味する。
【0233】
この試験にて、たとえば製造例(I−2)による化合物は比較物質と対比して優れた効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


[式中、R1およびR2はそれらが結合した炭素原子と一緒になってハロゲン置換された5−もしくは6−員の複素環式環を形成し、Xは水素、ハロゲン、C1〜C6−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシを示し、mは0、1もしくは2を示す]
の化合物。
【請求項2】
1およびR2がそれらの結合した互いに隣接する炭素原子と一緒になって酸素含有の5−もしくは6−員環を形成し、この環は1個もしくは複数のフルオルおよび/またはクロルにより置換され、Xがフルオルもしくはクロルを示し、mが0もしくは1を示す請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1およびR2が直接隣接した炭素原子と結合すると共に一緒になって−OCF2O−、−OCF2CF2O−、−OCF2CFClO−、−OCF2OCF2もしくは−OCF2CF2を示し、Xがフルオルまたはクロルを示し、mが0もしくは1を示す請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式(II)
【化2】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物を塩基の存在下、並びに必要に応じ触媒の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に環化させることを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。
【請求項5】
式(X)
【化3】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項6】
式(IX)
【化4】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項7】
式(VIII)
【化5】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有し、Halはクロルもしくはブロムを示す]
の化合物。
【請求項8】
式(VI)
【化6】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項9】
式(V)
【化7】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項10】
式(IV)
【化8】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項11】
式(III)
【化9】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項12】
式(XIV)
【化10】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有し、R3はアルキルを示す]
の化合物。
【請求項13】
式(II)
【化11】


[式中、R1、R2、Xおよびmは請求項1記載の式(I)について定義した意味を有する]
の化合物。
【請求項14】
請求項1記載の少なくとも1種の式(I)の化合物を含有することを特徴とする害虫撲滅剤。
【請求項15】
式(IIa)
【化12】


[式中、Yは水素もしくはハロゲンを示し、Zはシアノもしくはハロゲンを示し、R4およびR6は互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、ハ
ロゲノアルキルもしくはハロゲノアルコキシを示し、R5はハロゲン、アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、必要に応じアルキル置換されたシクロアルキル、残基
【化13】


の1種を示し、ここでR7およびR8は互いに独立して水素、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ペルフルオロアルコキシ、S(O)n−アルキル、S(O)n−ハロゲノアルキル、トリアルキルシリル、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニルを示し、R7およびR8はそれらが結合した炭素原子と一緒になってハロゲン置換の5−もしくは6−員の複素環式環を形成し、nは0、1もしくは2を示し、R9およびR10は互いに独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシリルを示し、R11はテトラヒドロピラニル、必要に応じシアノ、アルコキシ、アルキルカルボニル、ハロゲノアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲノアルコキシカルボニルもしくはトリアルキルシリルにより置換されたアルキルまたはトリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲノシクロアルキル、シアノシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロゲノシクロアルキルアルキル、アルケニル、必要に応じシアノもしくはアルコキシカルボニルにより置換されたハロゲノアルケニル、それぞれ必要に応じハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシリルにより置換されたフェニルもしくは2−ピリジニル、アルキニル、ハロゲノアルキニルまたは0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子および0〜2個の硫黄原子から選択される4個までの異原子を有する8〜12員の二環式環系を示し、これらは必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基で置換され、R12はそれぞれ必要に応じ少なくとも1個のWからの置換基により置換されたフェニルもしくはピリジルを示し、Wはハロゲン、シアノ、ホルミル、ニトロ、SF5、アルキル、ハロゲノアルキル、アルキルチオ、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニルを示し、BはC1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルキレンオキシもしくはC1〜C4−アルキレンジオキシを示し、QはCHもしくは窒素を示し、R13はハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲノアルキル、ハロゲノアルコキシもしくはトリアルキルシリルを示し、pは1、2、3、4もしくは5の数値を示し、ここでp>1につき置換基R13は同一でも異なってもよく、常に置換基R13はBに対しパラ位置に存在する]
の化合物を製造するに際し、式(XVI)
【化14】


[式中、Uはアルキル(好ましくはC1〜C4−アルキル)を示し、YおよびZは上記の意味を有する]
の化合物を式(XVII)
【化15】


[式中、R4、R5およびR6は上記の意味を有する]
の化合物と、水フリーの弗化水素酸の存在下および必要に応じ希釈剤の存在下に反応させることを特徴とする前記式(IIa)の化合物の製造方法。

【公開番号】特開2007−8953(P2007−8953A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208724(P2006−208724)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【分割の表示】特願平8−512289の分割
【原出願日】平成7年9月25日(1995.9.25)
【出願人】(591063187)バイエル アクチェンゲゼルシャフト (67)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−51368 Leverkusen,Germany
【Fターム(参考)】